JP6951293B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6951293B2
JP6951293B2 JP2018102583A JP2018102583A JP6951293B2 JP 6951293 B2 JP6951293 B2 JP 6951293B2 JP 2018102583 A JP2018102583 A JP 2018102583A JP 2018102583 A JP2018102583 A JP 2018102583A JP 6951293 B2 JP6951293 B2 JP 6951293B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch
transistor
terminal
inductor
output mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018102583A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019208135A (ja
Inventor
敏樹 瀬下
敏樹 瀬下
栗山 保彦
保彦 栗山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Devices and Storage Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Devices and Storage Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Devices and Storage Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2018102583A priority Critical patent/JP6951293B2/ja
Priority to US16/298,157 priority patent/US11095256B2/en
Publication of JP2019208135A publication Critical patent/JP2019208135A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6951293B2 publication Critical patent/JP6951293B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/189High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers
    • H03F3/19High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/193High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers with semiconductor devices only with field-effect devices
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/02Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation
    • H03F1/0205Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation in transistor amplifiers
    • H03F1/0211Modifications of amplifiers to raise the efficiency, e.g. gliding Class A stages, use of an auxiliary oscillation in transistor amplifiers with control of the supply voltage or current
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/68Combinations of amplifiers, e.g. multi-channel amplifiers for stereophonics
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/72Gated amplifiers, i.e. amplifiers which are rendered operative or inoperative by means of a control signal
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/294Indexing scheme relating to amplifiers the amplifier being a low noise amplifier [LNA]
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/372Noise reduction and elimination in amplifier
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/451Indexing scheme relating to amplifiers the amplifier being a radio frequency amplifier
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/489A coil being added in the source circuit of a common source stage, e.g. as degeneration means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Description

本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
携帯電話等に用いられる高周波低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)には、従来、SiGeバイポーラプロセスが用いられてきており、近年は、SOI(Silicon On Insulator)によるCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)プロセスが用いられることも多くなってきている。高周波スイッチFET(Field-Effect Transistor)をLNAに組み込むことにより高機能な回路を実現できるためである。
特許第5882554号公報 特許第5908663号公報
本発明が解決しようとする課題は、複数の出力を備えた半導体装置において、出力ポート間のアイソレーション性能を向上させたLNAとして機能する半導体装置を提供することにある。
一実施形態に係る半導体装置は、第1トランジスタと、第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第1インダクタと、第2インダクタと、第4スイッチと、第5スイッチと、キャパシタと、を備え、高周波信号が入力されると、当該高周波信号を低雑音で増幅した信号を出力する。第1トランジスタは、高周波信号がゲートに入力されるトランジスタである。第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチは、前記第1トランジスタのドレインと一方の端子が直列に接続され、それぞれが並列に接続される。第2トランジスタは、前記第1スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、トランジスタである。第3トランジスタは、前記第2スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、トランジスタである。第1インダクタ及び第2インダクタは、前記第3スイッチの他方の端子と一方の端子が直列に接続され、それぞれが並列に接続される。第4スイッチは、一方の端子が前記第1インダクタの他方の端子と接続され、他方の端子が前記第2トランジスタのソースと接続される。第5スイッチは、一方の端子が前記第2インダクタの他方の端子と接続され、他方の端子が前記第3トランジスタのソースと接続される。キャパシタは、前記第4スイッチの一方の端子と、前記第5スイッチの一方の端子との間に接続される。
一実施形態に係るLNAを備える回路の回路図。 図1の回路の各ゲートに印加する電圧を示す図。 一実施形態に係るLNAの回路図。 図3の回路の各端子に印加する電圧を示す図。 図3の回路における単一出力モードの経路の一例を示す図。 図3の回路におけるスプリット出力モードの経路の一例を示す図。 図3の回路の単一出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図3の回路の単一出力モードにおけるNFを示す図。 図3の回路の単一出力モードにおけるIIP3を示す図。 図3の回路の単一出力モードにおけるゲインを示す図。 図3の回路のスプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図3の回路のスプリット出力モードにおけるNFを示す図。 図3の回路のスプリット出力モードにおけるIIP3を示す図。 図3の回路のスプリット出力モードにおけるゲインを示す図。 一変形例の回路の単一出力モードにおけるSパラメータを示す図。 一変形例の回路のスプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図。 一実施形態に係るLNAの回路図。 図17の回路の各端子に印加する電圧を示す図。 図17の回路における各出力モードの経路の一例を示す図。 図17の回路の単一出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図17の回路の単一出力モードにおけるNFを示す図。 図17の回路の単一出力モードにおけるIIP3を示す図。 図17の回路の単一出力モードにおけるゲインを示す図。 図17の回路のスプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図17の回路のスプリット出力モードにおけるNFを示す図。 図17の回路のスプリット出力モードにおけるIIP3を示す図。 図17の回路のスプリット出力モードにおけるゲインを示す図。 図17の回路の各出力モードにおける特性をまとめた図。 一変形例に係るLNAの回路図。 図29におけるIIP3補償回路の例を示す図。 図29の回路の単一出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図29の回路の単一出力モードにおけるNFを示す図。 図29の回路の単一出力モードにおけるIIP3を示す図。 図29の回路の単一出力モードにおけるゲインを示す図。 図29の回路のスプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図29の回路のスプリット出力モードにおけるNFを示す図。 図29の回路のスプリット出力モードにおけるIIP3を示す図。 図29の回路のスプリット出力モードにおけるゲインを示す図。 図29の回路の各出力モードにおける特性をまとめた図。 一実施形態に係るLNAの回路図。 図40の回路の各端子に印加する電圧を示す図。 図40の回路における各出力モードの経路の一例を示す図。 図40の回路の単一出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図40の回路のスプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図40の回路の各出力モードにおける位相をまとめた図。 一変形例に係るLNAの回路図。 図46の回路の各端子に印加する電圧を示す図。 図46の回路の単一出力モードにおけるSパラメータを示す図。 図46の回路のスプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
本明細書において説明する実施形態に係る半導体装置は、LNAとして機能する半導体装置である。図1は、以下に説明する実施形態に係る半導体装置を備えた回路の一例を示す回路図である。
図1に示すように、半導体装置1を備える入出力回路2は、入出力ポートとして、入力ポートPt1と、出力ポートPt2、Pt3と、を備える。さらに、半導体装置1と、スイッチSw20、Sw21、Sw22、Sw23、Sw24、Sw25、Sw26、Sw27、Sw28、Sw29と、を備える。入力ポートPt1からの信号は、出力ポートPt2及び出力ポートPt3へと分岐され、又は、出力ポートPt2及び出力ポートPt3のいずれか一方に、出力される。
各スイッチは、図示されているように、例えば、n型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、ゲートに各MOSFETのしきい値を超えるような電圧を印加することにより、ドレインとソース間で信号を通すものである。なお、MOSFETは、一例として示したものであり、他のトランジスタ、例えば、バイポーラトランジスタ等、又は、その他のスイッチで実装されていてもよい。これは、以下の説明におけるスイッチについても同様である。
スイッチSw20とスイッチSw22は、排他的にオン/オフされる。すなわち、スイッチSw20とスイッチSw22のいずれか一方がオンになる場合、他方はオフとなるように制御される。半導体装置1を経由して入出力ポートを接続する場合には、スイッチSw20をオン、スイッチSw22をオフとし、半導体装置1を経由せずに入出力ポートを接続する場合には、スイッチSw20をオフ、スイッチSw22をオンとする。
スイッチSw21は、スイッチSw20と接地点との間に接続され、そのオン/オフ状態が逆の状態となるスイッチである。スイッチSw20がオンとなるときには、スイッチSw21がオフとなり、スイッチSw20と半導体装置1とが直列に接続される。スイッチSw20がオフとなるときには、スイッチSw21がオンとなり、スイッチSw20のオフ容量を通過してきた信号は、スイッチSw21を経由してグランドへと信号が出力され、半導体装置1とは切断された状態となる。
すなわち、スイッチSw21があることにより、オフ状態におけるスイッチSw20の両端子間のアイソレーションを向上することが可能となる。スイッチSw23、Sw25、Sw27は、それぞれスイッチSw22、Sw24、Sw26と対となっているスイッチであり、それぞれ対となるスイッチについて、スイッチSw21と同様の機能を有する。
まず、半導体装置1と入出力ポートが接続される場合について説明する。この場合、スイッチSw20、Sw23がオン、スイッチSw21、Sw22がオフとなっている。入力ポートpt1から入力された信号は、スイッチSw20を介して半導体装置1へと入力される。
半導体装置1が単一出力モードとして機能する場合には、スイッチSw24とスイッチSw26のうちいずれか一方がオンとなり、他方がオフとなる。出力したい出力ポートに併せて、又は、半導体装置1の出力に併せてこれらのスイッチは、オン/オフされる。
半導体装置1がスプリット出力モードとして機能する場合には、スイッチSw24及びスイッチSw26の双方がオンとなり、それぞれの出力ポートに分岐された信号が出力される。
入出力回路2の入出力ポートを、半導体装置1を経由せずにバイパスモードとして用いる場合には、半導体装置1と入出力ポートとが直接接続されないようにスイッチを制御する。すなわち、スイッチSw20、Sw24、Sw26をオフにし、代わりに、スイッチSw22をオンにする。出力するポートに応じて、Sw28及びSw29のオン/オフ状態を制御することにより、半導体装置1を経由せずに入力ポートPt1から、出力ポートPt2、又は、出力ポートPt3へと信号が出力される。
図2は、図1に示す入出力回路2における各モードで出力する場合の各スイッチのオン/オフ状態を示す図である。上述したスイッチの状態をまとめたものである。バイパスモードとは、半導体装置1を使用せずにバイパスとして入出力回路2を使用するモードのことを言う。アクティブ出力と記載されている箇所は、出力ポートのうち出力されるポートを示すものである。このように、半導体装置1を経由して出力されるか、及び、単一出力であるかスプリット出力であるかにより、スイッチの状態を図2のように制御する。
以下、半導体装置1の各実施形態について実施形態ごとに説明する。各実施形態における半導体装置1の図において、入力ポートRFin、出力ポートLNA_OUT1、及び、出力ポートLNA_OUT2が、図1におけるポートRFin、LNA_OUT1、及び、LAN_OUT2にそれぞれ対応する。また、以下の図に示される回路構成要素は、必ずしも、その全てが図1に示す半導体装置1内部に備えられるものではなく、図1内において半導体装置1の周辺に適切に備えられるものであってもよい。例えば、以下の図3におけるインダクタLextは、図1の半導体装置1の外側に備えられるものであってもよい。この場合、入力ポートRFinから入力された信号をいったん半導体装置1の外側に出すポートを介し、インダクタLextを経由して、ポートLNAinへと入力されるような回路を構成する。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す回路図である。この半導体装置1は、例えば、SOI基板上に形成される。半導体装置1は、入力された高周波信号を低雑音で増幅する回路である。
半導体装置1は、入力ポートRFinと、出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2と、スイッチSw1、Sw2、Sw31、Sw32、Sw33、Sw4、Sw5、Sw6と、n型のMOSFET FET1、FET21、FET22と、p型のMOSFET PMOS1、PMOS2と、インダクタLext、L1a、L1b、Ls1、Ls2、Ld1、Ld2と、キャパシタCsh、Ct、Cx、C1、CB21、CB22、Cvd1、Cvd2、Cout1、Cout2と、抵抗RB1、RB21、RB22、Rd1、Rd2と、を備える。
各スイッチは、例えば、n型のMOSFETを備えて図に示すように構成される。一例として、スイッチSw1に示すように、n型のMOSFETと、そのゲートと抵抗とを直列に接続して構成される。抵抗のゲートと接続されている端子ではない他方の端子に電圧(又は電流)を印加することにより、ゲートに電圧を印加し、ゲートに印加された電圧が所定のしきい値を超えると、ドレインからソースへと電流が流れる。他のスイッチも同様の構成としているが、n型のMOSFETに限らず、例えば、p型のMOSFET或いはバイポーラ等の他のスイッチを用いることも可能である。
以下において、スイッチがオンであるとは、スイッチに備えられるMOSFETのドレインからソースへのキャリアの移動が可能な(電流が流れる)状態であるとし、スイッチがオフであるとは、MOSFETのドレイン、ソース間におけるキャリアの移動ができない(電流が流れない)状態であるとする。ただし、キャリアの移動ができないとは、厳密な意味においてキャリアの移動が全く存在しないという意味ではなく、漏れ電流等が絶対的に存在しないと言う意味ではない。
入力ポートRFinは、キャパシタCshを介して接地され、インダクタLextと接続される。以下、キャパシタCshを入力側接地キャパシタCshと呼ぶ。インダクタLextは、半導体装置1の外部に備えられる、外部インダクタLextとして備えられてもよい。インダクタLextは、例えば、7nH程の比較的大きなインダクタンスを有する。インダクタLextは、キャパシタCtと並列に接続され、このキャパシタCtにより共振させられ、見た目のインダクタンスを増強している。以下、このキャパシタCtを入力側共振キャパシタと呼ぶ。上記より、入力側共振キャパシタCtは、必須の構成ではなく、省略することも可能である。
インダクタLextは、入力キャパシタとして機能する入力側共振キャパシタCtを介して第1MOSFET FET1のゲートと接続される。このように、高周波信号が入力される入力ポートRFinは、第1MOSFET FET1のゲートと接続される。第1MOSFET FET1は、ソースがインダクタLs1、Ls2を介して接地される。すなわち、インダクタLs1、Ls2は、ソースディジェネレーション用のインダクタとして機能する。このように、外部インダクタLext、インダクタLs1、Ls2により、入力整合回路を形成し、これらの機能により、第1MOSFET FET1の利得整合とノイズ整合とを考慮した、所望のインピーダンス整合が図られる。
入力ポートRFinに入力された高周波信号は、インダクタLextを介して第1MOSFET FET1のゲートに入力される。そして、VDDと、第1MOSFET FET1のドレインとの間に接続される出力ポートから、増幅され出力される。したがって、入力側接地キャパシタCsh、インダクタLext、Ls1、Ls2と、第1MOSFET FET1及び出力側のインダクタLd1、Ld2により、信号が増幅される。これは、一般的なLNAの機能であるので、詳しい説明は省略する。本実施形態においては、さらに、この第1MOSFET FET1のドレインと、VDDとの間に所定の回路を組み込むことにより、入力された高周波信号をスプリットさせた場合に、スプリット先でのアイソレーション性能を向上させる。
図4は、図3の回路において各端子に印加される電圧を示すものである。図中、例えば、VDD=1.8Vとし、Cont1乃至Cont3に関して、Highは、3V、Lowは、例えば−2V、Cont4及びCont5に関して、Highは、例えば、1.8V、Lowは、例えば、0Vである。単一出力とは、LNA_OUT1又はLNA_OUT2のいずれか一方から増幅された高周波信号を出力するモードであり、スプリット出力とは、LNA_OUT1及びLNA_OUT2の双方から増幅された高周波信号を出力するモードである。以下、各モードにおける回路について説明する。
まず、単一出力において、LNA_OUT1から増幅された信号を出力する場合について説明する。この場合、Cont1にHighの電圧が印加され、Cont2及びCont3にLowの電圧が印加される。また、Cont4にLowの電圧が印加され、Cont5にHighの電圧が印加される。
Cont1にHighの電圧が印加されることにより、第1スイッチSw1がオンとなる。一方、Cont2及びCont3にLowの電圧が印加されることにより、第2スイッチSw2、第3スイッチSw31、第4スイッチSw32、第5スイッチSw33のそれぞれがオフとなる。Cont4にLowの電圧が印加されることによりp型のMOSFET PMOS1は、ソースからドレインへとキャリアの流れが可能な状態となり、一方で、Cont5にHighの電圧が印加されることにより、p型のMOSFET PMOS2は、ソースとドレイン間でキャリアの移動がなくなる。VB2には、適切なバイアス電圧が印加される。
上記のようにスイッチを制御すると、入力された高周波信号は、第1MOSFET FET1のゲートに入力され、VDDとMOSFET FET1のドレインとの間に、第2MOSFET FET21のドレインからソース及びスイッチSw1を介し、経路が形成される。第1MOSFET FET1のソースは、スイッチSw4がオフとなるため、インダクタLs1、Ls2が直列に接続された状態を介して、接地される。
第2MMOSFET FET21のゲートに接続される抵抗RB21は、高周波信号をバイアス電位生成回路に伝播させないようにするために備えられる。また、キャパシタCB21が対地キャパシタとして機能するため、第2MOSFET FET21は、ゲート接地FETとして機能する。これらの機能は、第3MOSFET FET22、キャパシタCB22、抵抗RB22についても同様である。
一方、第2スイッチSw2、第3スイッチSw31、第4スイッチSw32、第5スイッチSw33がオフとなる。さらに、p型のMOSFET PMOS2がオフとなるため、第3MOSFET FET22のドレインは接地された状態となる。
図5は、出力ポートLNA_OUT1から単一出力する場合、すなわち、スイッチの状態が上記に示す場合における信号の伝達経路の概略を示す図である。入力ポートRFinから入力された高周波信号は、破線の経路を辿り、出力ポートLNA_OUT1から出力される。
すなわち、この場合、入力された信号は、インダクタLext、キャパシタCxを介してMOSFET FET1のゲートへと入力される。以下において、キャパシタCxは、MOSFET FET1のゲートに接続される、ゲートキャパシタCxと呼ぶ。ゲートキャパシタCxは、MOSFET FET1に直流電圧が印加されるのを防止する、DCカットキャパシタとして機能する。ゲートキャパシタCxと、第1MOSFET FET1のゲートとの間にバイアス電圧VB1が印加される。抵抗RB1は、バイアス電圧VB1を生成する回路に、高周波信号を伝播させないようにするために備えられる。
MOSFET FET21、PMOS1は、ドレイン、ソース間でキャリアが移動できる状態であるので、MOSFET FET1のドレインは、インダクタLd1と接続され、インダクタLd1は、MOSFET FET1のドレインと接続されている端子ではない他方の端子がVDDと接続される。
このように、VDD−インダクタLd1−MOSFET FET1−インダクタLs1、Ls2−接地のような回路が形成され、インダクタLd1とMOSFET FET1のドレインとの間に増幅された高周波信号が発生する。出力ポートLNA_OUT1は、この増幅された高周波信号を出力する。
インダクタLd1、Ld2は、出力整合用のインダクタであり、これらのインダクタと並列に接続される抵抗Rd1、Rd2は、利得調整及び安定化のために備えられる。また、それぞれの出力ポートと、経路との間に接続されているCout1、Cout2は、出力整合用キャパシタである。これらのインダクタLd1、Ld2、キャパシタCout1、Cout2、抵抗Rd1、Rd2により、出力整合回路を形成している。
このように、単一出力モードにおいて、入力ポートRFinに入力された高周波信号は、出力ポートLNA_OUT1から出力される。出力ポートLNA_OUT2から出力する単一出力モードについても、スイッチ等の動作は同様である。出力ポートLNA_OUT2から単一出力モードで出力する場合には、図4の2行目のように電圧を印加する。
次に、スプリット出力モード、すなわち、出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2の双方から信号を出力する場合について説明する。この場合、図4に示すように、Cont1及びCont2にLowの電圧が印加され、Cont3にHighの電圧が印加される。また、Cont4及びCont5には、Lowの電圧が印加される。
Cont1及びCont2にLowの電圧が印加されることにより、第1スイッチSw1及び第2スイッチSw2は、オフとなる。一方、Cont3にHighの電圧が印加されることにより、第3スイッチSw31、第4スイッチSw32、第5スイッチSw33、及び、スイッチSw4、Sw5、Sw6がオンとなる。さらに、Cont4及びCont5にLowの電圧が印加されるため、p型のMOSFET PMOS1、PMOS2は、ソースとドレイン間でのキャリアの移動が可能な状態となる。
図6は、出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2の双方からスプリット出力をする場合、すなわち、スイッチの状態が上記に示す場合における信号の伝達経路の概略を示す図である。入力ポートRFinから入力された高周波信号は、破線の経路を辿り、出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2のそれぞれから出力される。
すなわち、この場合、入力された信号は、インダクタLext、ゲートキャパシタCxを介してMOSFET FET1のゲートへと入力される。MOSFET FET21、PMOS1は、ドレイン、ソース間でキャリアが移動できる状態であるので、MOSFET FET1のドレインは、インダクタL1aと接続され、インダクタLd1を介してVDDと接続される。同様に、MOSFET FET21、PMOS2は、ドレイン、ソース間でキャリアが移動できる状態であるので、MOSFET FET1のドレインは、インダクタL1bと接続され、インダクタLd2を介してVDDと接続される。
このように、LNA_OUT1と接続される経路において、VDD−インダクタLd1−インダクタL1a−MOSFET FET1−インダクタLs1−接地のような回路が形成され、LNA_OUT2と接続される経路において、VDD−インダクタLd2−インダクタL1b−MOSFET FET1−インダクタLs1−接地のような回路が形成される。出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2は、これらの増幅された高周波信号を出力する。
このスプリット出力モードにおいては、インダクタL1a、L1b及びキャパシタC1の動作により、出力ポートLNA_OUT1と出力ポートLNA_OUT2の間のアイソレーション特性を改善することができる。インダクタL1a、L1bと、キャパシタC1と、が高周波信号の帯域において共振するようにインダクタンス、キャパシタンスを設定することにより、出力ポートLNA_OUT1から入り込んで来る高周波信号が出力ポートLNA_OUT2に伝達するのを妨げる、または出力ポートLNA_OUT2から入り込んで来る高周波信号が出力ポートLNA_OUT1に伝達するのを妨げるためである。また、スイッチSw4により、MOSFET FET1のソース側のインダクタンスを変化させることにより、スプリット出力時のゲインを向上することができる。
さらに、スイッチSw5、Sw6がオンとなることにより、インダクタLextと並列に入力側共振キャパシタCtが備えられ、かつ、インダクタLextが入力側接地キャパシタCshと接続される。このように、入力側共振キャパシタCt及び入力側接地キャパシタCshが有効となることにより、MOSFET FET1のソース側のインダクタンスの変化により生じるS11の劣化を抑制できる。
以下、本実施形態の単一出力モード時における入出力特性を示すパラメータ等についてシミュレーション結果を記載する。バイアス電流Idd=6.2mAであるものとする。バイアス電流Iddは、高周波信号が入力していない時に、VDD端子から半導体装置1に流れ込む電流である。一般に、Iddを適切な範囲で大きい値に設定すると高い利得と低いNFが実現される。
図7は、本実施形態に係る半導体装置1を用いたLNAによる単一出力モード時の入出力特性であるSパラメータ(Scattering Parameter)を示す図である。この図7においては、周波数帯域Band41(2496MHz〜2690MHz)において調整された半導体装置1についての結果を示す図である。記述の簡単のために、入力ポートをポート1、出力ポートをポート2として、各SパラメータをS21等と表す。実線は、S21を、破線は、S11を、点線は、S22を示す。
入力信号に対する出力信号の増幅の度合いは、S21で表すことができる。このS21は、着目している周波数帯域において大きいほどゲインが高いことを示す。入力信号に対する、入力側のポートに対する反射の度合いは、S11で表され、出力側のポートに対する反射の度合いは、S22で表される。これらS11及びS22は、高周波回路においては入出力ポートにおいて原則的にインピーダンス整合が求められるので、低いこと(たとえば−10dB以下であること)が望まれる。
図に示すように、S21のカーブは、着目している周波数帯域Band41において高い値であることがわかる。一方で、S11及びS22のカーブは、着目している周波数帯域において低く抑えられていることが分かる。具体的に、図中のm1は、周波数2496MHzにおける観測、m2は、周波数2593MHzにおける観測、m3は、周波数2690MHzにおける観測を示すポイントである。
m1では、S21=18.4dB、S11=−12.9dB、S22=−12.5dBである。m2では、S21=18.2dB、S11=−13.4dB、S22=−14.8dBである。m3では、S21=17.9dB、S11=−12.4dB、S22=−13.7dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21は、高くなり、すなわち、十分に増幅されている一方で、反射特性を示すS11、S22は、十分に低く抑えられている。
図8は、単一出力モードにおけるノイズ指数(NF:Noise Figure)を示す図である。m1乃至m3は、図7の説明と同様に、それぞれ周波数2496MHz、2593MHz、2690MHzにおける観測点を示すものである。m1においては、NF=0.81dB、m2においては、NF=0.82dB、m3においては、NF=0.85dBと、いずれも0.85dBを超えない程度の良好な値となっている。
図9は、単一出力モードにおけるIIP3(Input 3rd-order Intercept Point)のPin依存性を示す図である。入力信号の電力レベルPin=−30dBmである時のIIP3は、0.54dBmとなり、良好な値となっている。
図10は、単一出力モードにおける入力信号の電力レベルと、利得Gpとの関係を示す図である。この図から、求められるIP1dB(1dB Input Compression Point)は、−12.6dBmとなり、良好な値となっている。
続いて、スプリット出力モードにおける上記の指標について結果を示す。バイアス電流Iddは、Idd=13.3mAと設定されている。
図11は、スプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図である。入力信号に対する出力信号の増幅の度合いは、上述したように、一例として、出力ポートLNA_OUT1から出力された信号が、S21で表される。上述した単一出力モードと同様に、入力ポートに対する反射は、S11、出力ポートLNA_OUT1に対する反射は、S22とする。さらに、スプリット出力モード固有の問題として、出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2間の信号の伝播が問題となる。この出力ポートLNA_OUT2から出力ポートLNA_OUT1への伝播に関するSパラメータをS23として表す。
図に示すように、S21のカーブは、着目している周波数帯域Band41において高い値であることが分かる。一方で、S11及びS22のカーブは、同周波数帯域において低く抑えられていることが分かる。出力ポート間のアイソレーションに関するS23は、さらに低く抑えられていることが分かる。S23は、−25dB以下であることが望ましいとされる。m1、m2及びm3が示すものは、図7と同様として、以下にその値を示す。
m1では、S21=16.6dB、S11=−10.9dB、S22=−10.6dB、S23=−30.7dBである。m2では、S21=16.7dB、S11=−13.9dB、S22=−13.3dB、S23=−40.2dBである。m3では、S21=16.4dB、S11=−13.2dB、S22=−13.4dB、S23=−30.9dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21は高くなり、S11、S22は、十分に低く抑えられている。さらに、S23は、望ましいとされる−25dBを十分に下回る値に抑えられている。
図12は、スプリット出力モードにおけるNFを示す図である。m1乃至m3は、図7の説明と同様である。m1においては、NF=0.99dB、m2においては、NF=1.0dB、m3においては、NF=1.1dBと、いずれも1.1dB以下と、良好な値となっている。
図13は、スプリット出力モードにおけるIIP3のPin依存性を示す図である。入力信号の電力レベルPin=−30dBmである時のIIP3は、1.64dBmとなり、良好な値となっている。
図14は、スプリット出力モードにおける入力信号の電力レベルと、利得Gpとの関係を示す図である。この図から求められるIP1dBは、−11.0dBmとなり、良好な値となっている。
以上のように、本実施形態によれば、スプリット出力モードにおける出力間のアイソレーションが良好なスプリット出力モード付のLNAを提供することが可能となる。これは、インダクタL1a、L1bの直列インダクタンスと、キャパシタC1のLC並列回路が望んでいる周波数帯域において共振するように設定されているためである。さらに、第1MOSFET FET1が接地されるソースと、接地点との間のインダクタンスを、単一出力モードと、スプリット出力モードにおいてそれぞれのNFが良好な範囲内で制御できるためスプリット出力モードのゲインを高くできる。なお、他の周波数帯域についても、各インダクタのインダクタンス、及び、各キャパシタのキャパシタンスを適切に変更することにより対応することが可能である。
各回路構成素子の素子定数は、ゲート酸化膜厚をTox[nm]、ゲート長をLg[um]、ゲート幅をWg[um]として、以下に示す通りである。
Figure 0006951293
なお、上述した値は、あくまで一例として挙げたものであり、これらの値に限られるものではない。以下の説明においても同様である。より重要な点は、図3等に示される回路の構成である。
(変形例)
前述の実施形態においてさらに制限を課すことにより、より性能を向上させることも可能である。本変形例においては、第2MOSFET FET21及び第3MOSFET FET22のドレインコンダクタンスを第1MOSFET FET1よりも小さくすることにより性能の向上を図る。
これを実現するために、例えば、SOI上にMOSFETを形成する場合、
第2MOSFET FET21及び第3MOSFET FET22のゲート長を第1MOSFET FET1のゲート長よりも大きくする。これに加えて、第2MOSFET FET21及び第3MOSFET FET22のゲート酸化膜厚を第1MOSFET FET1のゲート酸化膜厚よりも厚くしてもよい。
以下、このようにゲート長及びゲート酸化膜厚を設定した場合におけるSパラメータについて記載する。
図15は、本変形例に係る半導体装置1を用いたLNAによる単一出力モード時のSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。本変形例において、バイアス電流Iddは、Idd=6.6mAであるものとする。
m1では、S21=18.3dB、S11=−15.7dB、S22=−11.4dB、である。m2では、S21=18.2dB、S11=−22.4dB、S22=−12.7dBである。m3では、S21=17.9dB、S11=−20.0dB、S22=−11.7dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21は高くなり、S11、S22は、十分に低く抑えられている。
図16は、本変形例に係る半導体装置1を用いたLNAによるスプリット出力モード時のSパラメータを示す図である。バイアス電流Iddは、Idd=13.9mAと設定されている。m1では、S21=17.1dB、S11=−11.7dB、S22=−10.8dB、S23=−36.2dBである。m2では、S21=17.0dB、S11=−13.2dB、S22=−12.8dB、S23=−47.6dBである。m3では、S21=16.4dB、S11=−10.0dB、S22=−12.3dB、S23=−34.3dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21は高くなり、S11、S22は、十分に低く抑えられている。さらに、S23は、望ましいとされる−25dBを十分に下回る値に抑えられている。
これらの図に示すように、単一出力モード、スプリット出力モードのいずれの場合においても、S21のカーブは、着目している周波数帯域Band41において高い値であることが分かる。一方で、S11及びS22のカーブは、同周波数帯域において低く抑えられていることが分かる。スプリット出力モードにおける出力ポート間のアイソレーションに関するS23は、さらに低く抑えられていることが分かる。
以上のように、本変形例によっても出力ポート間における高いアイソレーション性能を実現することが可能である。前述した実施形態に係る半導体装置1と比較して、ゲート長及びゲート酸化膜厚の制限を加えることにより、さらにアイソレーション特性を改善することが可能である。これは、スプリット出力モードにおいて、信号の伝達する経路におけるMOSFETのドレインコンダクタンスを、前述した実施形態よりも低く抑えることができるためである。
各回路構成素子の素子定数は、以下に示すとおりである。
Figure 0006951293
(第2実施形態)
図17は、第2実施形態に係る半導体装置1を示す図である。本実施形態に係る半導体装置1は、単一出力モードと、スプリット出力モードとにおいて、増幅された高周波信号がソース−ドレイン間を通過する、ゲートが接地しているMOSFETの個数を変化させようとするものである。また、図18は、単一出力モード及びスプリット出力モードにおけるそれぞれの端子に印加する電圧を示す図である。図4と同様であるので、詳しい説明は省略する。
前述した実施形態に係る半導体装置1の第4スイッチSw32とインダクタL1aとの間に、ゲートが接地している第4MOSFET FET31を備え、同様に、第5スイッチSw33とインダクタL1bとの間に、ゲートが接地している第5MOSFET FET32を備える。
さらに、出力側の整合キャパシタCout1、Cout2は、単一出力モードとスプリット出力モードにおいてキャパシタンスが変わるように、それぞれ、キャパシタCout1a、Cout1b及びキャパシタCout2a、Cout2bの並列構成となっている。スイッチSw51、Sw52の機能により、単一出力モードでは、キャパシタCout1b、Cout2bが有効となる設定となっており、単一出力モードにおいては、整合キャパシタンスがより大きくなるように制御される。
一方、スイッチSw41、Sw42は、スプリット出力モード時にオンとなるスイッチであり、このスイッチにより、キャパシタCout1a、Cout2aに接続されるキャパシタCd1、Cd2により、スプリット出力モード時における出力整合を取っている。これらの出力側のキャパシタの設置は、一例として示したものであり、前述した第1実施形態と同様のキャパシタの設置であってもよい。
図19は、図18に示す電圧を印加した場合の、経路を示す図である。破線で示す経路は、単一出力モードで出力ポートLNA_OUT1に出力する場合の経路を示し、点線で示す経路は、スプリット出力モードで出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2の双方へ出力する経路を示す図である。
単一出力モードでは、第1MOSFET FET1のゲートに入力された高周波信号は、第2MOSFET FET21、キャパシタCout1a、Cout1bの並列キャパシタを経由し、出力ポートLNA_OUT1へと出力される。一方、スプリット出力モードでは、第1MOSFET FET1のゲートに入力された高周波信号は、インダクタL1a、第4MOSFET FET31、第2MOSFET FET21、キャパシタCout1aを経由して出力ポートLNA_OUT1へと出力され、同様に、インダクタL1b、第5MOSFET FET32、第3MOSFET FET22、キャパシタCout2aを経由して出力ポートLNA_OUT2へと出力される。
このように、単一出力モードと、スプリット出力モードとで、入力ポートから出力ポートまでに経由するMOSFETの個数が変化する。このことにより、バイアス電圧VB2A、VB2Bを制御することを可能とすることにより、単一出力モードと、スプリット出力モードとのゲインを、半導体装置1の外側から制御することが可能となる。
以下、単一出力モードにおける各パラメータ等のシミュレーション結果を示す。バイアス電流Iddは、Idd=6.26mAであるものとする。
図20は、本実施形態に係る半導体装置1を用いたLNAによる単一出力モード時のSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。
m1では、S21=18.6dB、S11=−14.5dB、S22=−16.6dBである。m2では、S21=18.3dB、S11=−14.2dB、S22=−18.0dBである。m3では、S21=17.8dB、S11=−11.8dB、S22=−14.1dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21は、高くなり、すなわち、十分に増幅されている一方で、反射特性を示すS11、S22は、十分に低く抑えられている。
図21は、単一出力モードにおけるNFを示す図である。m1乃至m3は、図7の説明と同様である。m1においては、NF=0.72dB、m2においては、NF=0.73dB、m3においては、NF=0.76dBと、いずれも0.76dB以下と、良好な値となっている。
図22は、単一出力モードにおけるIIP3のPin依存性を示す図である。入力信号の電力レベルPin=−30dBmである時のIIP3は、1.08dBmとなり、良好な値となっている。
図23は、単一出力モードにおける入力信号の電力レベルと、利得Gpとの関係を示す図である。この図から求められるIP1dBは、−13.1dBmとなり、良好な値となっている。
次に、スプリット出力モードにおける各パラメータ等のシミュレーション結果を示す。バイアス電流Iddは、Idd=12.2mAであるものとする。
図24は、スプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、S23、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。さらに、入力ポートRFinから出力ポートLNA_OUT2への伝播をS31として示す。なお、図24において、S21と、S31のグラフはほぼ重なっている。
m1では、S21=17.1dB、S31=17.1dB、S11=−14.2dB、S22=−12.4dB、S23=−39.4dB、である。m2では、S21=17.1dB、S31=17.1、S11=−14.6dB、S22=−18.8dB、S23=−39.4dBである。m3では、S21=16.6dB、S31=16.6dB、S11=−12.0dB、S22=−12.7dB、S23=−38.4dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21、S31は高くなり、S11、S22は、十分に低く抑えられている。さらに、S23は、望ましいとされる−25dBを十分に下回る値に抑えられている。
図25は、スプリット出力モードにおけるNFを示す図である。m1乃至m3は、図7の説明と同様である。m1においては、NF=0.88dB、m2においては、NF=0.92dB、m3においては、NF=0.98dBと、いずれも0.98dB以下と、良好な値となっている。
図26は、スプリット出力モードにおけるIIP3のPin依存性を示す図である。入力信号の電力レベルPin=−30dBmである時のIIP3は、0.35dBmとなり、良好な値となっている。
図27は、スプリット出力モードにおける入力信号の電力レベルと、利得Gpとの関係を示す図である。この図から求められるIP1dBは、−13.7dBmとなり、良好な値となっている。
図28は、以上の結果をまとめたグラフである。fcenterは、帯域の中央の周波数、すなわち、図中のm2における結果を示す。帯域内の記載は、帯域内で最も悪い条件を記載したものである。
以上のように、本実施形態においても、良好な性能を示す半導体装置1を実現することができる。前述した実施形態と同様に、インダクタL1a、L1b及びキャパシタC1とが所望の周波数帯において共振するように設定することにより、スプリット出力モードにおいて出力ポート間のアイソレーション性能を向上させることが可能となる。さらに本実施形態における各パラメータの性能の向上は、単一出力モードと、スプリット出力モードとにおいて、入出力ポート間で高周波信号がそのドレイン−ソース間を通過するMOSFETの個数を変化させることにより得ることができる。
各回路構成素子の素子定数は、以下に示すとおりである。
Figure 0006951293
(変形例)
前述の実施形態において歪み補償ユニットを備えることにより、さらにIIP3特性を向上させることが可能となる。本変形例においては、単一出力モードにおける歪み補償ユニットとして、IIP3補償ユニットA1が第1MOSFET FET1のドレインに接続され、スプリット出力モードにおける歪み補償ユニットとして、IIP3補償ユニットA21、A22がそれぞれ第4MOSFET FET31のドレイン、第5MOSFET FET32のドレインに接続されている。このうち、IIP3補償ユニットA1は、単一出力モードの場合においてのみ機能するように、Cont6等により制御されるように接続されてもよい。
図30(a)は、IIP3補償ユニットA1の一例を示す図である。この図30(a)に示すように、IIP3補償ユニットA1は、n型のMOSFET FET4、FET5、キャパシタC1A、C1B、抵抗R1A、R1B、スイッチSw6を備えて構成される。
VDDとGNDの間に、MOSFET FET4、抵抗R1Aの直列回路と、抵抗R1B、MOSFET FET5の直列回路と、が並列に設置される。MOSFET FET4のゲートとドレインは接続され、MOSFET FET4のソースと抵抗R1Aとが直列に接続される。一方、MOSFET FET5のゲートとドレインは接続され、さらに、MOSFET FET5のドレインと抵抗R1Bとが直列に接続される。
入力端子からそれぞれの回路におけるMOSFETと抵抗との間に接続するように、キャパシタC1A、C1Bが並列に設置される。MOSFET及び抵抗の直列回路のそれぞれは、スイッチSw6を介してGNDへと接続する。INとCout6は、図29のIN及びCout6に対応する端子である。
スイッチSw6がオンとなるとき、これらの回路は、VDDからGNDへと接続されるため、IIP3補償ユニットA1が機能を発揮する。すなわち、IIP3補償ユニットA1は、このスイッチSw6がオン、この例においては、Cout6がHighとなる場合、すなわち、単一出力モード時に歪み補償回路の機能を果たす。
IIP3補償ユニットは非線形素子であるMOSFET FET4およびMOSFET FET5を備えており、それ自体は非線形回路である。各素子の定数を適切に設定することで、LNA本体で生じる3次歪を相殺することができる。
なお、スイッチSw6は、GNDと並列回路との間に接続されているが、これには限られない。例えば、INとキャパシタC1A、C1Bとの間にスイッチSw6が備えられ、単一出力モード時のみに歪み補償回路と外部の回路とが接続されるようにしてもよい。
図30(b)は、IIP3補償回路A21、A22の回路構成を示す図である。図30(a)のスイッチを取り除いた以外は、同様の構成となっている。
なお、図30(a)、図30(b)において、VDDは、常時接続されているものとしたが、これには限られない。すなわち、必要なモードの時にのみバイアス電圧が印加されるよう構成であってもよい。また、MOSFET FET4、抵抗R1A及びキャパシタC1Aの回路と、MOSFET FET5、抵抗R1B及びキャパシタC1Bの回路とを対称に接続するようにしているが、これは必須ではなく、片方のみの回路であってもよい。図30(a)及び図30(b)に示すように、2つの回路を並列に備えることで偶数次歪を抑制することができる。
以下、単一出力モードにおける各パラメータ等のシミュレーション結果を示す。バイアス電流Iddは、Idd=6.44mAであるものとする。
図31は、本変形例に係る半導体装置1を用いたLNAによる単一出力モード時のSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。
m1では、S21=18.5dB、S11=−13.3dB、S22=−18.9dBである。m2では、S21=18.1dB、S11=−12.3dB、S22=−20.1dBである。m3では、S21=17.6dB、S11=−10.3dB、S22=−14.8dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21は、高くなり、すなわち、十分に増幅されている一方で、反射特性を示すS11、S22は、十分に低く抑えられている。
図32は、単一出力モードにおけるNFを示す図である。m1乃至m3は、図7の説明と同様である。m1においては、NF=0.73dB、m2においては、NF=0.75dB、m3においては、NF=0.78dBと、いずれも0.78dB以下と、良好な値となっている。
図33は、単一出力モードにおけるIIP3のPin依存性を示す図である。入力信号の電力レベルPin=−30dBmである時のIIP3は、2.05dBmとなり、良好な値となっている。比較例として、歪み補償ユニットが無い場合を破線として示しているが、歪み補償ユニットが無い場合に比べて、大きくIIP3特性が向上している。
図34は、単一出力モードにおける入力信号の電力レベルと、利得Gpとの関係を示す図である。この図から求められるIP1dBは、−12.7dBmとなり、良好な値となっている。
次に、スプリット出力モードにおける各パラメータ等のシミュレーション結果を示す。バイアス電流Iddは、Idd=12.9mAであるものとする。
図35は、スプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、S23、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。さらに、入力ポートRFinから出力ポートLNA_OUT2への伝播をS31として示す。なお、図35において、S21と、S31のグラフはほぼ重なっている。
m1では、S21=17.0dB、S31=17.0dB、S11=−10.7dB、S22=−13.9dB、S23=−39.8dB、である。m2では、S21=17.1dB、S31=17.1、S11=−12.7dB、S22=−22.4dB、S23=−40.2dBである。m3では、S21=16.7dB、S31=16.7dB、S11=−12.0dB、S22=−12.4dB、S23=−39.4dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21、S31は高くなり、S11、S22は、十分に低く抑えられている。さらに、S23は、望ましいとされる−25dBを十分に下回る値に抑えられている。
図36は、スプリット出力モードにおけるNFを示す図である。m1乃至m3は、図7の説明と同様である。m1においては、NF=0.88dB、m2においては、NF=0.90dB、m3においては、NF=0.94dBと、いずれも0.94dB以下と、良好な値となっている。
図37は、スプリット出力モードにおけるIIP3のPin依存性を示す図である。入力信号の電力レベルPin=−30dBmである時のIIP3は、12.4dBmとなり、良好な値となっている。特に、歪み補償ユニットが存在しない場合の比較例(破線)と比べて、Pin=−30dBmでのIIP3依存性は、12dB以上良好になっている。
図38は、スプリット出力モードにおける入力信号の電力レベルと、利得Gpとの関係を示す図である。この図から求められるIP1dBは、−13.4dBmとなり、良好な値となっている。
図39は、以上の結果をまとめたグラフである。fcenterは、帯域の中央の周波数、すなわち、図中のm2における結果を示す。帯域内の記載は、帯域内で最も悪い条件を記載したものである。
以上のように、本変形例によれば、歪み補償ユニットを備えることにより、さらに、IIP3特性の向上を図ることが可能である。
各回路構成素子の素子定数は、以下に示すとおりである。
Figure 0006951293
(第3実施形態)
図40は、第3実施形態に係る半導体装置1を示す図である。本実施形態に係る半導体装置1は、単一出力モードと、スプリット出力モードとにおいて、主にスプリット出力モードの場合に用いられる信号分岐領域におけるLC共振回路を明示的にアクティブにするか否かを制御するものである。また、図41は、単一出力モード及びスプリット出力モードにおけるそれぞれの端子に印加する電圧を示す図である。図4と同様であるので、詳しい説明は省略する。
図42は、図40に示す電圧を印加した場合の、経路を示す図である。破線で示す経路は、単一出力モードで出力ポートLNA_OUT1に出力する場合の経路を示し、点線で示す経路は、スプリット出力モードで出力ポートLNA_OUT1、LNA_OUT2の双方へ出力する経路を示す図である。
この経路に示すように、第4スイッチSw31及び第5スイッチSw32の機能により、単一出力モードでは、インダクタL1aとインダクタL1bとの間にあるキャパシタC1を通過しない経路となる。例えば、出力ポートLNA_OUT1へと出力をする場合、入力された信号は、インダクタL1b及びキャパシタC1を通過しない経路を辿る。一方、スプリット出力モードにおいては、キャパシタC1が第4スイッチSw31、第5スイッチSw32がオンとなることによりアクティブな状態となり、前述した実施形態と同様に、インダクタL1a、L1bの直列接続と、キャパシタC1との並列接続の経路ができ、ここで共振することにより、アイソレーション特性の向上及びノイズの軽減等が機能する。
本実施形態では、このように、単一出力モードにおいては共振回路が機能しないようにし、スプリット出力モードにおいては、共振回路が機能するようにスイッチを制御する。なお、図40、図42の回路は一例であり、キャパシタC1の位置にスイッチSw32を設置し、スイッチSw31、Sw32の位置に2つのキャパシタを設置することにより、同様の効果を得ることができる。さらに、スイッチSw31、Sw32は、キャパシタC1の両方の端子において設けられているが、これは対称性を確保するためであり、いずれか片方のみに設けられるものであってもよい。
以下、単一出力モードにおける各パラメータ等のシミュレーション結果を示す。バイアス電流Iddは、Idd=6.00mAであるものとする。
図43は、本実施形態に係る半導体装置1を用いたLNAによる単一出力モード時のSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。phaseは、S21の位相を示すグラフである。
m1では、S21=18.2dB、S11=−11.1dB、S22=−14.6dB、phase=93.3である。m2では、S21=18.1dB、S11=−12.4dB、S22=−20.1dB、phase=75.2である。m3では、S21=17.7dB、S11=−11.4dB、S22=−19.8dB、phase=58.0である。このように、着目している周波数帯域において、S21は、高くなり、すなわち、十分に増幅されている一方で、反射特性を示すS11、S22は、十分に低く抑えられている。
図44は、スプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、S23、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。さらに、入力ポートRFinから出力ポートLNA_OUT2への伝播をS31として示す。なお、図24において、S21と、S31のグラフはほぼ重なっている。phaseは、図43と同様に、S21の位相を示すグラフである。バイアス電流Iddは、Idd=13.9mAに設定されている。
m1では、S21=17.0dB、S31=17.0dB、S11=−10.6dB、S22=−11.5dB、S23=−31.4dB、phase=96.8である。m2では、S21=17.1dB、S31=17.1、S11=−17.2dB、S22=−14.5dB、S23=−40.4dB、phase=74.6である。m3では、S21=16.6dB、S31=16.6dB、S11=−14.4dB、S22=−14.0dB、S23=−31.3dB、phase=52.8である。このように、着目している周波数帯域において、S21、S31は高くなり、S11、S22は、十分に低く抑えられている。さらに、S23は、望ましいとされる−25dBを十分に下回る値に抑えられている。
図45は、単一出力モード及びスプリット出力モードにおける位相を示す表である。着目している周波数帯域内において、単一出力モードとスプリット出力モードの位相偏差は、5.2deg以内に収まっている。
以上のように、本実施形態においても、良好な性能を示す半導体装置1を実現することができる。前述した実施形態と同様に、インダクタL1a、L1b及びキャパシタC1とが所望の周波数帯において共振するように設定することにより、スプリット出力モードにおいて出力ポート間のアイソレーション性能を向上させることが可能となる。さらに本実施形態における半導体装置1によれば、出力モード間の位相偏差を小さく抑えることができるので、出力モード間においての位相偏差の要求が厳しい場合にも適用することが可能である。
各回路構成素子の素子定数は、以下に示すとおりである。
Figure 0006951293
(変形例)
前述の実施形態においては、キャパシタC1を出力モードにおいてアクティブにするか否かを制御することによりアイソレーション特性を向上させたが、本変形例ではさらに、入出力の整合用の回路を備えるものである。
図46は、本変形例に係る半導体装置1を示す回路図である。
前述した第3実施形態の回路の入力側において、スイッチSw5とスイッチSw6を排他的にオン/オフすることにより、入力側の整合用回路を制御する。また、スイッチSw71、Sw81、キャパシタCd1、Cout1bを出力ポートLNA_OUT1に接続されるように有する、出力側の整合用回路を設ける。同様に、出力ポートLNA_OUT2には、スイッチSw72、Sw82、キャパシタCd2、Cout2bを有する整合用回路を設ける。これらの出力用の整合用回路は、第2実施形態と同様のものであるので、詳しい説明は省略する。
さらに、本変形例では、第2MOSFET FET21のドレインと出力ポートLNA_OUT1の出力側の回路との間に第4MOSFET FET31を、第3MOSFET FET22のドレインと出力ポートLNA_OUT2の出力側の回路との間に第5MOSFET FET32を、備える。
図47は、本変形例に係る各端子に印加される電圧の制御状態を示す表である。なお、VDD=1.8Vであるものとする。また、Cont1、Cont2、Cont3及びCont6のHighとは、例えば、3Vであり、Lowとは、例えば、−2Vである。
各モードにおいて、Cont1乃至Cont6は、図に示すように制御される。これは、前述した各実施形態及び変形例と同様の制御であるので詳しい説明は省略する。
さらに本変形例では、バイアス電圧VB1、VB2、VB3を図に示すように制御する。VB1、VB2、VB3は、単一出力モードにおいて、第2MOSFET FET21及び第3MOSFET FET22が線形領域で動作するように、かつ、スプリット出力モードにおいて、第2MOSFET FET21、第3MOSFET FET22、第4MOSFET FET31及び第5MOSFET FET32が飽和領域で動作するように制御される。これらを満たすように、図に示すように、V1a<V1b<V2b<V3bとなるようにバイアス電圧が制御される。
図48は、本実施形態に係る半導体装置1を用いたLNAによる単一出力モード時のSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。バイアス電流はIdd=5.0mAに設定されている。
m1では、S21=18.4dB、S11=−12.3dB、S22=−17.3dBである。m2では、S21=18.2dB、S11=−13.9dB、S22=−19.3dBである。m3では、S21=17.7dB、S11=−12.1dB、S22=−16.2dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21は、高くなり、すなわち、十分に増幅されている一方で、反射特性を示すS11、S22は、十分に低く抑えられている。
図44は、スプリット出力モードにおけるSパラメータを示す図である。S21、S11、S22、S23、及び、m1、m2、m3については、前述の図11の説明と同様のものである。さらに、入力ポートRFinから出力ポートLNA_OUT2への伝播をS31として示す。なお、図24において、S21と、S31のグラフはほぼ重なっている。バイアス電流は、Idd=13.5mAに設定されている。
m1では、S21=17.0dB、S11=−14.9dB、S22=−12.3dB、S23=−44.2dBである。m2では、S21=17.1dB、S11=−18.7dB、S22=−18.0dB、S23=−46.7dBである。m3では、S21=16.6dB、S11=−14.7dB、S22=−12.1dB、S23=−43.9dBである。このように、着目している周波数帯域において、S21、S31は高くなり、S11、S22は、十分に低く抑えられている。さらに、S23は、望ましいとされる−25dBを十分に下回る値に抑えられている。
以上のように、本変形例においても、良好な性能を示す半導体装置1を実現することができる。前述した実施形態と同様に、インダクタL1a、L1b及びキャパシタC1とが所望の周波数帯において共振するように設定することにより、スプリット出力モードにおいて出力ポート間のアイソレーション性能を向上させることが可能となる。さらに本変形例によれば、各n型のMOSFETのゲート電圧の制御を各モードに応じてより細かく制御することにより、さらなるアイソレーション性能の向上を可能としている。
各回路構成素子の素子定数は、以下に示すとおりである。
Figure 0006951293
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を部分的に適宜組み合わせることも可能である。
例えば、上述した全ての実施形態及び変形例において、n型のMOSFETは、状況に応じ、p型のMOSFETであってもよい。さらに、MOSFETは、同様の機能を有する他のトランジスタ、例えば、バイポーラトランジスタ等の電圧、電流又はその他の外部からのスイッチング信号により、スイッチング素子として機能するものを用いてもよい。例えば、バイポーラトランジスタを用いる場合には、本明細書中の説明又は請求項中における、ゲート、ソース、ドレインは、ベース、コレクタ(エミッタ)、エミッタ(コレクタ)と適切な組み合わせに読み替えることができる。いずれに読み替える場合においても、ゲートに印加する電圧、又は、ベースに加える電流の大きさ等、スイッチングに用いる物理量は、各素子の特性により、適切に上述した機能を有するものと同等の動作を行うように、適宜読み替えることができるものである。
1:半導体装置
2:入出力回路
Sw1、Sw2、Sw31、Sw32、Sw33:スイッチ
FET1、FET21、FET22:n型MOSFET
L1a、L1b:インダクタ
C1:キャパシタ
RFin:入力ポート
LNA_OUT1、LNA_OUT2:出力ポート

Claims (8)

  1. 高周波信号がゲートに入力される第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタのドレインと一方の端子が直列に接続され、それぞれが並列に接続される、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチと、
    前記第1スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第2トランジスタと、
    前記第2スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第3トランジスタと、
    前記第3スイッチの他方の端子と一方の端子が直列に接続され、それぞれが並列に接続される、第1インダクタ及び第2インダクタと、
    一方の端子が前記第1インダクタの他方の端子と接続され、他方の端子が前記第2トランジスタのソースと接続される、第4スイッチと、
    一方の端子が前記第2インダクタの他方の端子と接続され、他方の端子が前記第3トランジスタのソースと接続される、第5スイッチと、
    前記第4スイッチの一方の端子と、前記第5スイッチの一方の端子との間に接続される、キャパシタと、
    を備え、高周波信号が入力されると、低雑音で増幅した信号を、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタの少なくとも一方から出力する、半導体装置。
  2. 前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタは、MOSFETを備え、
    前記第1トランジスタのゲート長は、前記第2トランジスタのゲート長及び前記第3トランジスタのゲート長よりも短く、かつ、前記第1トランジスタのゲート酸化膜厚は、前記第2トランジスタのゲート酸化膜厚及び前記第3トランジスタのゲート酸化膜厚よりも薄い、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 高周波信号がゲートに入力される第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタのドレインと一方の端子が直列に接続され、それぞれが並列に接続される、第1スイッチ、第2スイッチ及び第3スイッチと、
    前記第1スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第2トランジスタと、
    前記第2スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第3トランジスタと、
    前記第3スイッチの他方の端子と一方の端子が直列に接続され、それぞれが並列に接続される、第1インダクタ及び第2インダクタと、
    前記第1インダクタの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第4トランジスタと、
    前記第2インダクタの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第5トランジスタと、
    一方の端子が前記第4トランジスタのドレインと接続され、他方の端子が前記第2トランジスタのソースと接続される、第4スイッチと、
    一方の端子が前記第5トランジスタのドレインと接続され、他方の端子が前記第3トランジスタのソースと接続される、第5スイッチと、
    前記第4トランジスタのソースと、前記第5トランジスタのソースとの間に接続される、キャパシタと、
    を備え、高周波信号が入力されると、低雑音で増幅した信号を、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタの少なくとも一方から出力する、半導体装置。
  4. 前記第4トランジスタのドレイン、前記第5トランジスタのドレイン、及び、前記第1トランジスタのドレインのそれぞれに、歪み補償回路を接続する、請求項3に記載の半導体装置。
  5. 入力された高周波信号を、1の出力ポートから出力する場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのうち、出力するポートに接続されるスイッチをオンに、他方のスイッチをオフにするとともに、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタのうち、当該他方のスイッチと接続されるトランジスタのドレインを接地させ、かつ、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第5スイッチをオフにし、
    入力された高周波信号を、2の出力ポートから出力する場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオフにし、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ及び前記第5スイッチをオンにする、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 高周波信号がゲートに入力される第1トランジスタと、
    一方の端子が、前記第1トランジスタのドレインと直列に接続される、第1インダクタと、
    前記第1インダクタと並列接続となるように、一方の端子が、前記第1トランジスタのドレインと直列に接続される、第2インダクタと、
    一方の端子が、前記第1インダクタの他方の端子と直列に接続される、第1スイッチと、
    一方の端子が、前記第2インダクタの他方の端子と直列に接続される、第2スイッチと、
    前記第1スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第2トランジスタと、
    前記第2スイッチの他方の端子と接続されるソースと、高周波成分が接地されたゲートとを備える、第3トランジスタと
    方の端子が前記第1インダクタの他方の端子と接続される、第3スイッチと、
    一方の端子が前記第2インダクタの他方の端子と接続される、第4スイッチと、
    前記第3スイッチの他方の端子と、前記第4スイッチの他方の端子との間に接続される、キャパシタと、
    を備え、高周波信号が入力されると、低雑音で増幅した信号を、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタの少なくとも一方から出力する、半導体装置。
  7. ソースが前記第2トランジスタのドレインと接続される、第4トランジスタと、
    ソースが前記第3トランジスタのドレインと接続される、第5トランジスタと、
    をさらに備える、請求項6に記載の半導体装置。
  8. 入力された高周波信号を、1の出力ポートから出力する場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのうち、出力するポートに接続されるスイッチをオンに、他方のスイッチをオフにするとともに、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタのうち、当該他方のスイッチと接続されるトランジスタのドレインを接地させ、かつ、前記第3スイッチ及び前記第4スイッチをオフにし、
    入力された高周波信号を、2の出力ポートから出力する場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをオンにし、前記第3スイッチ及び前記第4スイッチをオンにする、
    請求項6又は請求項7に記載の半導体装置。
JP2018102583A 2018-05-29 2018-05-29 半導体装置 Active JP6951293B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018102583A JP6951293B2 (ja) 2018-05-29 2018-05-29 半導体装置
US16/298,157 US11095256B2 (en) 2018-05-29 2019-03-11 Semiconductor device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018102583A JP6951293B2 (ja) 2018-05-29 2018-05-29 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019208135A JP2019208135A (ja) 2019-12-05
JP6951293B2 true JP6951293B2 (ja) 2021-10-20

Family

ID=68692471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018102583A Active JP6951293B2 (ja) 2018-05-29 2018-05-29 半導体装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11095256B2 (ja)
JP (1) JP6951293B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210129089A (ko) * 2019-02-26 2021-10-27 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치 및 반도체 장치의 동작 방법
JP7341358B2 (ja) * 2020-12-16 2023-09-08 三菱電機株式会社 電力増幅回路
CN113839623B (zh) * 2021-11-29 2022-03-22 华南理工大学 滤波低噪声放大器和接收机

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006014241A (ja) 2004-06-29 2006-01-12 Mitsubishi Electric Corp 増幅装置
JP2013247469A (ja) 2012-05-24 2013-12-09 Panasonic Corp 増幅回路
US9154356B2 (en) * 2012-05-25 2015-10-06 Qualcomm Incorporated Low noise amplifiers for carrier aggregation
JP5982259B2 (ja) 2012-11-06 2016-08-31 Kddi株式会社 低雑音増幅器、及び無線通信装置
US8903343B2 (en) * 2013-01-25 2014-12-02 Qualcomm Incorporated Single-input multiple-output amplifiers with independent gain control per output
US8975968B2 (en) 2013-01-25 2015-03-10 Qualcomm Incorporated Amplifiers with improved isolation
US9035697B2 (en) 2013-03-15 2015-05-19 Qualcomm Incorporated Split amplifiers with improved linearity
US9154087B2 (en) * 2013-08-01 2015-10-06 Qualcomm Incorporated Amplifiers with configurable mutually-coupled source degeneration inductors

Also Published As

Publication number Publication date
US11095256B2 (en) 2021-08-17
JP2019208135A (ja) 2019-12-05
US20190372534A1 (en) 2019-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6951293B2 (ja) 半導体装置
US7619482B1 (en) Compact low voltage low noise amplifier
JP6623133B2 (ja) 高周波半導体増幅回路
US8288895B2 (en) High-power tunable capacitor
US20080055005A1 (en) Feedback-type variable gain amplifier and method of controlling the same
CN110661497B (zh) 高频放大电路以及半导体装置
JP5979160B2 (ja) 増幅器
CN112653396B (zh) 一种基于500nm GaAs pHEMT工艺的超宽带双向放大器
CN104242830B (zh) 基于有源电感的可重配置超宽带低噪声放大器
WO2017008750A1 (zh) 一种用于gsm/dcs的共源共栅射频功率放大器
US8711831B2 (en) Front end for RF transmitting-receiving systems with implicit directional control and time-multiplexing method in submicron technology
US10594278B2 (en) Pole-splitting and feedforward capacitors in common mode feedback of fully differential amplifier
WO2018179088A1 (ja) 電流再利用型電界効果トランジスタ増幅器
Zhang et al. A differential CMOS T/R switch for multistandard applications
Zare Fatin et al. A technique for improving gain and noise figure of common-gate wideband LNAs
US20070103235A1 (en) Inductorless broadband RF low noise amplifier
JP5278756B2 (ja) 増幅器およびそれを使用したrfパワーモジュール
WO2013053661A1 (en) A low-noise amplifier circuit
US10411658B2 (en) Semiconductor device
CN111541428A (zh) 高频放大电路及半导体装置
El-Nozahi et al. A 2–1100 MHz wideband low noise amplifier with 1.43 dB minimum noise figure
US10873304B2 (en) Pole-splitting and feedforward capacitors in common mode feedback of fully differential amplifier
US20090033404A1 (en) Broadband cascode mixer
CN110661494A (zh) 高频放大电路及半导体设备
JP2012004777A (ja) 高周波増幅器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210827

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6951293

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150