JP6951274B2 - 水素除去装置 - Google Patents
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Description
少なくとも一つのバッテリが設けられたバッテリ室から水素ガスを除去する水素ガス除去装置であって、
前記バッテリから発生した水素ガスが集められる水素ガス集合空間を形成する集合空間形成部材と、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを連通する水素ガス排出管と、
を備える。
上記(1)の構成によれば、バッテリから発生した水素ガスを上記集合空間形成部材の水素ガス集合空間に集め、集めた水素ガスを上記水素ガス排出管からバッテリ室の外部へ排出することができる。従って、何らの動力源を必要とすることなく、水素ガスを外部へ排出できるので、バッテリ室を含む設備の電源が喪失したときでも、外部電源の手配を待つことなく簡易な設備で早期に水素ガスを排出できる。
前記集合空間形成部材は、前記バッテリの上方の空間を覆うように構成された排気フードからなる。
上記(2)の構成によれば、空気と比べて比重が小さい水素ガスは上昇して上記排気フードに捕捉される。捕捉された水素ガスは水素ガス排出管を介して外部へ排出される。これによって、何らの動力源を必要とすることなく、早期にかつ簡易な設備で水素ガスを排出できる。
一端側が前記バッテリに接続され、前記バッテリから発生した前記水素ガスを前記水素ガス集合空間に導く水素ガス排出枝管をさらに備え、
前記集合空間形成部材は、前記水素ガス排出枝管の他端側が接続されるヘッダからなる。
上記(3)の構成によれば、バッテリから発生した水素ガスは上記水素ガス排出枝管を介して上記ヘッダに形成された水素ガス集合空間に導かれる。水素ガス集合空間に集まった水素ガスは、水素ガス排出管を介して外部へ排出される。これによって、何らの動力源を必要とすることなく、簡易な設備で早期に水素ガスを排出できると共に、バッテリから発生した水素ガスをバッテリ室内に拡散させずに高濃度のまま外部へ排出できる。
不活性ガス供給部と、
前記不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを前記水素ガス集合空間に導入する不活性ガス導入管と、
を備える。
上記(4)の構成によれば、上記不活性ガス導入管から水素ガス集合空間に不活性ガスを導入することで、水素ガスの濃度を低減できる。これによって、水素ガスを引火濃度外にして水素ガスの引火を防止しながらバッテリ室外へ排出できる。
前記不活性ガス供給部から供給される前記不活性ガスを駆動流体として、前記水素ガスを前記水素ガス排出管の下流側に吸引するように構成されたエゼクタをさらに備える。
上記(5)の構成によれば、上記エゼクタによって、水素ガス集合空間に集められた水素ガスを水素ガス排出管の下流側へ吸引することができるので、水素ガスの排出量を増加できる。
不活性ガス供給部と、
前記不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを前記水素ガス集合空間に導入する不活性ガス導入管と、
前記不活性ガス導入管側に接続される入口、前記水素ガス排出管側に接続される出口、及び、前記ヘッダ側に接続される吸込口を有するエゼクタと、をさらに備える。
上記(6)の構成によれば、上記エゼクタによって、ヘッダに形成された水素ガス集合空間に集められた水素ガスを水素ガス排出管の下流側へ吸引することができるので、水素ガスの排出量を増加できる。
前記不活性ガス導入管に設けられ、前記バッテリ室を含む設備の電源喪失時に閉止状態から開放状態に切り替わるように構成された導入側開閉装置をさらに備える。
上記(7)の構成によれば、上記導入側開閉装置によって、バッテリ室を含む設備の運転が可能な通電時には、不活性ガスは水素ガス集合空間に供給されず、設備の電源喪失時にのみ不活性ガスを水素ガス集合空間へ供給できる。これによって、水素ガス集合空間に集められた水素ガスを引火濃度外にして引火を防止しながらバッテリ室外へ排出できる。
前記導入側開閉装置は、
弁体と、
前記設備の電源喪失時において、前記不活性ガス導入管を開放する方向に前記弁体に対して付勢力を付与する付勢部材と、
前記設備の電源喪失時を除く通電時において、前記付勢力に抗して、前記不活性ガス導入管を閉止するような駆動力を前記弁体に対して付与するソレノイド部と、を含む。
上記(8)の構成によれば、設備の電源喪失時に上記ソレノイド部の駆動力は喪失するので、上記付勢部材の付勢力によって不活性ガス導入管を開放できる。従って、電源喪失時に何らの動力源を必要とすることなく、かつ作業員による操作を必要とすることなく、自動的に不活性ガス導入管を閉止できる。
前記バッテリ室には換気用ダクトと、前記換気用ダクトに設けられたファンと、が備えられ、
前記水素ガス排出管は、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを直接連通する第1水素ガス排出管と、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを前記換気用ダクトを介して連通する第2水素ガス排出管と、を含み、
第1水素ガス排出管に設けられ、前記バッテリ室を含む設備の電源喪失時に閉止状態から開放状態に切り替わるように構成された第1開閉装置と、
第2水素ガス排出管に設けられ、前記バッテリ室を含む設備の電源喪失時に開放状態から閉止状態に切り替わるように構成された第2開閉装置と、をさらに備える。
前記第1開閉装置は、
弁体と、
前記第1水素ガス排出管を開放する方向に前記弁体に対して付勢力を付与する付勢部材と、
前記設備の前記電源喪失時を除く通電時において、前記付勢力に抗して、前記第1水素ガス排出管を閉止するような駆動力を前記弁体に対して付与するソレノイド部と、
を含む。
前記第1水素ガス排出管に設けられ、前記第1水素ガス排出管を流れる通過ガスであって、前記通過ガス中に含まれる前記水素ガス、及び、前記通過ガス中に含まれる酸素ガスの少なくとも何れか一方を消費させるための反応器を備える。
上記(11)の構成によれば、上記反応器によって第1水素ガス排出管内気体中の水素ガス又は酸素ガスを消費させることで、水素ガス濃度又は酸素ガス濃度を低減できるため、第1水素ガス排出管内での水素ガスの引火を防止できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1〜図5において、水素除去装置10(10A〜10E)は、少なくとも一つのバッテリ14が設けられたバッテリ室12から水素ガスを除去する水素ガス除去装置である。原子力発電プラントや火力発電プラント等の発電プラントのバッテリ室には、通常、各種機器類の駆動用及びバックアップ用の多数のバッテリが置かれている。バッテリのうち、例えば鉛蓄電池などにおいては、充電中水素ガスが発生し、バッテリケースの外に水素ガスが漏れ出てくる。
上記構成によれば、バッテリ14から発生した水素ガスを集合空間形成部材22に形成された水素ガス集合空間Shに集め、集めた水素ガスを水素ガス排出管24からバッテリ室12の外部へ排出することができる。従って、何らの動力源を必要とすることなく、水素ガスをバッテリ室外へ排出できるので、バッテリ室を含む設備の電源が喪失したときでも、外部電源の手配を待つことなく早期に水素ガスを排出できる。また、集合空間形成部材22及び水素ガス排出管24を備えるだけの簡易な設備で水素ガスの排出が可能になる。
この実施形態によれば、空気と比べて比重が小さい水素ガスは上昇して上記排気フードに捕捉される。また、バッテリ14が発熱することで上下方向の対流が発生し、この対流によって水素ガスは上方へ運ばれ、排気フードに捕捉される。捕捉された水素ガスは水素ガス排出管24を介して外部へ排出される。これによって、何らの動力源を必要とすることなく、簡易な設備で早期に水素ガスをバッテリ室外へ排出できる。
図1、図3及び図5に示す水素除去装置10(10A、10C、10E)では、排気フードの最上部位は中央に形成されている。排気フードの最上部位が中央部に形成されるので、水素ガス排出管24への水素ガスの流入が効率良く行われる。
不活性ガス供給部28と、不活性ガス供給部28から供給される不活性ガスを水素ガス集合空間Shに導入する不活性ガス導入管30と、を備える。
この実施形態によれば、不活性ガスを不活性ガス導入管30から水素ガス集合空間Shに導入することで、水素ガスの濃度を低減できる。水素ガスが引火する濃度は、例えば、4〜75重量%であり、水素ガス集合空間Shに不活性ガスを供給することで、この濃度範囲未満とすることができる。これによって、水素ガスの引火を防止しながら、水素ガス排出管24を介してバッテリ室外へ排出できる。
一実施形態では、不活性ガスとして、安価で性質が安定し、かつ環境汚染を招かない窒素ガスを用いることができる。
これによって、不活性ガス導入管30の出口から流出する不活性ガス流の周囲に負圧域を形成できる。この負圧域に周囲の水素ガスが吸い込まれ、水素ガス排出管24に流入するため、水素ガス排出管24に流入する水素ガスの流量を増加でき、バッテリ室外へ排出される水素ガス量を増加できる。
この実施形態によれば、エゼクタ32によって、水素ガス集合空間Shに集められた水素ガスを水素ガス排出管24の下流側へ吸引できるので、水素ガスの排出量を増加できる。
なお、不活性ガス供給部28として不活性ガスボンベを用いると、加圧された不活性ガスを駆動流体としてエゼクタ32に供給できる。
この実施形態によれば、不活性ガスを駆動流体として入口34に供給することで、水素ガス集合空間Shに集められた水素ガスを水素ガス排出枝管26の下流側へ吸引できるので、水素ガスの排出量を増加できる。
図3に示すエゼクタ32の吸込口38は、集合空間形成部材22(22a)としての排気フードに形成された水素ガス集合空間Shに連通する。図4に示すエゼクタ32の吸込口38は、集合空間形成部材22(22b)としてのヘッダに形成された水素ガス集合空間Shに連通する。
この実施形態によれば、不活性ガス導入管30から水素ガス集合空間Shに供給される不活性ガスによって、水素ガス集合空間Shの水素ガスの濃度を低減できる。これによって、水素ガス集合空間Shに集められた水素ガスを引火濃度外にして引火を防止できる。同時に、分岐管40からエゼクタ32の入口34に供給される不活性ガスによって水素ガス集合空間Shの水素ガスを水素ガス排出管24側へ吸引するので、水素ガスのバッテリ室外への排出量を増加できる。
この実施形態によれば、導入側開閉装置42によって、バッテリ室12を含む設備の通電時には不活性ガスは水素ガス集合空間Shに供給されず、設備の電源喪失時のみ不活性ガスが水素ガス集合空間Shへ供給される。これによって、設備の電源喪失時に水素ガス集合空間Shに集められた水素ガスの濃度を不活性ガスの供給で低減し、引火範囲外にして引火を防止しながらバッテリ室外へ排出できる。
運転が可能な通電時には、ソレノイド部48の電磁力によって弁体44は不活性ガス導入管30を閉止する方向へ動き、導入側開閉装置42は閉止される。
この実施形態によれば、設備の電源喪失時にソレノイド部48の駆動力は喪失するので、付勢部材46の付勢力によって弁体44を開方向へ動かし、不活性ガス導入管30を開放できる。従って、電源喪失時に何らの動力源を必要とすることなく、かつ作業員による操作を必要とすることなく、自動的に不活性ガス導入管30を開放できる。
一実施形態では、付勢部材46はバネ部材(例えばコイルバネ)で構成される。該バネ部材は弁体44に対して引張力を付加するように構成され、設備の電源喪失時に、ソレノイド部48の電磁力が喪失すると、コイルバネの付勢力によって不活性ガス導入管30を開放する。
一実施形態では、第1開閉装置50及び第2開閉装置52は、例えば、電磁弁などの開閉弁,開閉ダンパ等で構成される。
設備の電源喪失時にソレノイド部48の駆動力は喪失するので、付勢部材46の付勢力によって不活性ガス導入管30を開放できる。従って、電源喪失時に何らの動力源を必要とすることなく、かつ作業員による操作を必要とすることなく、自動的に不活性ガス導入管30を閉止できる。
この実施形態によれば、反応器54によって第1水素ガス排出管内気体中の水素ガス又は酸素ガスを消費できることで、水素ガス濃度又は酸素ガス濃度を低減できる。そのため、第1水素ガス排出管内での水素ガスの引火を防止できる。
12 バッテリ室
14 バッテリ
16 換気装置
18 換気用ダクト
20 ファン
22(22a、22b) 集合空間形成部材
24 水素ガス排出管
24a 第1水素ガス排出管
24b 第2水素ガス排出管
26 水素ガス排出枝管
28 不活性ガス供給部
30 不活性ガス導入管
32 エゼクタ
40 分岐管
42 導入側開閉装置
44 弁体
46 バネ部材
48 ソレノイド部
50 第1開閉装置
52 第2開閉装置
54 反応器
56 第3開閉装置
58 手動弁
Sh 水素ガス集合空間
Claims (11)
- 少なくとも一つのバッテリが設けられたバッテリ室から水素ガスを除去する水素ガス除去装置であって、
前記バッテリから発生した水素ガスが集められる水素ガス集合空間を形成する集合空間形成部材と、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを連通する水素ガス排出管と、
を備え、
不活性ガス供給部と、
前記不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを前記水素ガス集合空間に導入する不活性ガス導入管と、
を備え、
前記不活性ガス導入管に設けられ、前記バッテリ室を含む設備の電源喪失時に閉止状態から開放状態に切り替わるように構成された導入側開閉装置をさらに備えることを特徴とする水素除去装置。 - 前記集合空間形成部材は、前記バッテリの上方の空間を覆うように構成された排気フードからなることを特徴とする請求項1に記載の水素除去装置。
- 少なくとも一つのバッテリが設けられたバッテリ室から水素ガスを除去する水素ガス除去装置であって、
前記バッテリから発生した水素ガスが集められる水素ガス集合空間を形成する集合空間形成部材と、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを連通する水素ガス排出管と、
を備え、
一端側が前記バッテリに接続され、前記バッテリから発生した前記水素ガスを前記水素ガス集合空間に導く水素ガス排出枝管をさらに備え、
前記集合空間形成部材は、前記水素ガス排出枝管の他端側が接続されるヘッダからなることを特徴とする水素除去装置。 - 不活性ガス供給部と、
前記不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを前記水素ガス集合空間に導入する不活性ガス導入管と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の水素除去装置。 - 前記不活性ガス供給部から供給される前記不活性ガスを駆動流体として、前記水素ガスを前記水素ガス排出管の下流側に吸引するように構成されたエゼクタをさらに備えることを特徴とする請求項1又は4に記載の水素除去装置。
- 不活性ガス供給部と、
前記不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを前記水素ガス集合空間に導入する不活性ガス導入管と、
前記不活性ガス導入管側に接続される入口、前記水素ガス排出管側に接続される出口、及び、前記ヘッダ側に接続される吸込口を有するエゼクタと、をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の水素除去装置。 - 前記不活性ガス導入管に設けられ、前記バッテリ室を含む設備の電源喪失時に閉止状態から開放状態に切り替わるように構成された導入側開閉装置をさらに備えることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の水素除去装置。
- 前記導入側開閉装置は、
弁体と、
前記設備の電源喪失時において、前記不活性ガス導入管を開放する方向に前記弁体に対して付勢力を付与する付勢部材と、
前記設備の電源喪失時を除く通電時において、前記付勢力に抗して、前記不活性ガス導入管を閉止するような駆動力を前記弁体に対して付与するソレノイド部と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の水素除去装置。 - 少なくとも一つのバッテリが設けられたバッテリ室から水素ガスを除去する水素ガス除去装置であって、
前記バッテリから発生した水素ガスが集められる水素ガス集合空間を形成する集合空間形成部材と、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを連通する水素ガス排出管と、
を備え、
前記バッテリ室には換気用ダクトと、前記換気用ダクトに設けられたファンと、が備えられ、
前記水素ガス排出管は、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを直接連通する第1水素ガス排出管と、
前記水素ガス集合空間と前記バッテリ室の外部とを前記換気用ダクトを介して連通する第2水素ガス排出管と、を含み、
前記第1水素ガス排出管に設けられ、前記バッテリ室を含む設備の電源喪失時に閉止状態から開放状態に切り替わるように構成された第1開閉装置と、
前記第2水素ガス排出管に設けられ、前記バッテリ室を含む設備の電源喪失時に開放状態から閉止状態に切り替わるように構成された第2開閉装置と、をさらに備えることを特徴とする水素除去装置。 - 前記第1開閉装置は、
弁体と、
前記第1水素ガス排出管を開放する方向に前記弁体に対して付勢力を付与する付勢部材と、
前記設備の前記電源喪失時を除く通電時及び停止時において、前記付勢力に抗して、前記第1水素ガス排出管を閉止するような駆動力を前記弁体に対して付与するソレノイド部と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の水素除去装置。 - 前記第1水素ガス排出管に設けられ、前記第1水素ガス排出管を流れる通過ガスであって、前記通過ガス中に含まれる前記水素ガス、及び、前記通過ガス中に含まれる酸素ガスの少なくとも何れか一方を消費させるための反応器を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の水素除去装置。
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