JP6951120B2 - 中和処理器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中和処理器を製造する方法及び中和処理器に関する。
一般に、潜熱回収型給湯装置などの潜熱回収型熱交換器は、窒素酸化物(NOx)、又は硫黄酸化物(SOx)を含む燃料ガスの燃焼によって生じる酸性液(ドレン水)を中和処理するための中和処理器を備えている。
中和処理器は、通常、未処理液(例えば、酸性液)の導入口と、この導入口から流入した未処理液を中和するための中和剤が収容された処理槽と、この処理槽から流出する処理済み液を外部に排出する排出口を備えた容器から構成されている。このような中和処理器には、処理槽に収容される中和剤を無駄なく使い切るようにして中和剤の消費効率を高め、また、処理器全体を小型化することが求められている。
例えば、特許文献1には、中和剤が充填され、かつ未処理液が上部から流入し、かつ中和剤により中和された処理済み液が下部から流出する処理槽と、前記処理済み液が下部から流入して上部から流出する処理済み槽とを組み合わせ、前記処理槽の容積を前記処理済み槽の容積以上とすることにより、中和処理器全体を小型化することが提案されている。
特開2005−069635号公報
しかしながら、特許文献1記載の中和処理器においても、さらなる小型化が求められる。ここで、中和処理器は、通常、処理槽からの中和剤の流出を抑制したり、必要な中和速度を得るために所定の表面積を確保したりする観点から、処理槽内に、10〜25mm程度の比較的粒径の大きな中和剤が収容されることが要求される。このため、一般的な中和処理器において、中和剤の嵩密度が一義的に定まるので、中和処理器の小型化を図ることが困難であると考えられていた。
これに対し、本発明者らは、大きな級に属する粒状中和剤と、小さな級に属する粒状中和剤とを組み合わせ、各粒状中和剤をバインダで結合させると、中和剤全体の嵩密度を大きくでき、かつ粒状中和剤全体の空隙率を小さくできるため、粒状中和剤の中和効率が向上し、中和処理器の小型化を実現できること、さらには小さな級に属する粒状中和剤の外部への流出を抑制でき、目詰まりの発生を抑制できることを見出した。この方法では、各粒状中和剤をバインダで結合させるために、各粒状中和剤とバインダの混合物を成形型内に収容した状態で、成形型を加熱して成形し、得られた成形品を取り出して、容器の処理槽に収容する工程により、成形品を処理槽に収容した中和処理器が得られる。
しかし、この方法では、成形品を処理槽に収容することが必要となるため、成形品を処理槽の実際の内容積よりも小さく成形する必要がある。したがって、得られた成形品を処理槽に隙間なく収容することは困難であり、成形品の周壁と処理槽の収容壁との間に所定の隙間が形成されてしまう。このように得られた成形品と処理槽との間に隙間が形成された状態において、中和処理器を使用すると未処理液がこの隙間に優先的に流れるため、粒状中和剤の消費効率が十分ではないという問題が生じることを本発明者らは見出した。このような問題は、粒状中和剤とバインダの混合物を成形して用いた場合に特有の課題といえる。
また、上記のように処理槽の外で成形品を予め作製する方法では、一度成形した成形品を成形型から取り出したり、容器の処理槽に改めて収容したりする工程が必要となる。このような方法では、成形品を予め作製しておき、後に処理槽に収容することにより中和処理器が製造できるという点で利点があるともいえるが、成形型からの取り出しや処理槽への収容は全体の工数を増大する方向にも働きうる。
そこで、本発明は、粒状中和剤に起因する中和処理器の目詰まりを抑制することができる成形品を用いながら、粒状中和剤の消費効率のさらなる向上を達成することができる中和処理器を、少ない製造工程数で効率よく製造することができる製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、粒状中和剤に起因する中和処理器の目詰まりを抑制することができる成形品を用いながら、粒状中和剤の消費効率のさらなる向上を達成することができる中和処理器を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、未処理液の処理槽内に、粒状中和剤とバインダとを収容した状態で、処理槽を加熱すると、粒状中和剤がバインダを介して結合し、さらに粒状中和剤がバインダを介して処理槽の収容壁と結合した形態を有するいわば中和剤ブロックが得られる。これにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の中和処理器を製造する方法は、未処理液の処理槽内に、粒状中和剤とバインダとを収容した状態で、処理槽を加熱することにより、処理槽の収容壁に結合した中和剤ブロックを形成する工程を有する。処理槽内に収容した粒状中和剤とバインダとを加熱することにより、溶融したバインダが粒状中和剤どうしを結合させ、さらに結合したブロック状の粒状中和剤(以下、「中和剤ブロック」ともいう)がバインダを介して処理槽の収容壁に結合する。これにより、中和剤ブロックと、処理槽とを密着させることができるため、中和剤ブロックの有する耐目詰まり性という特性を生かした状態で、消費効率のさらなる向上を図ることが可能となる。また、本発明の製造方法では、処理槽に、粒状中和剤とバインダとを収容し、加熱すればよいため、一度成形した成形品を成形型から取り出したり、容器の処理槽に改めて収容したりする工程を省くことが可能となり、その分少ない製造工程数で効率よく中和処理器を製造することができる。なお、本明細書にいう「ブロック状」とは、バインダを介して粒状中和剤が結合して一体化した形態をいう。
粒状中和剤は、異なる級に分類された2種類以上の粒状中和剤であることが好ましい。粒子径の異なる粒状中和剤をバインダにより結合させると、粒子径の差異による分離が抑制され、粒状中和剤を均一に分散できる。また、異なる級に分類された2種類以上の粒状中和剤を用いると、大きな級に属する粒状中和剤間に、小さな級に属する粒状中和剤が配置され易くなる。そのため、中和剤ブロックにおける粒状中和剤全体の嵩密度及び総表面積を大きくできる。これにより、未処理液の中和処理速度及び粒状中和剤全体の中和効率が向上し、さらなる小型化を実現できる。なお、本明細書にいう「級」とは、例えば、篩により分級されたときのオンメッシュのクラス(分級クラス)をいう。
バインダは、熱可塑性樹脂であることが好ましい。バインダが熱可塑性樹脂(特にオレフィン系樹脂)であることにより、バインダと粒状中和剤との接着性を一層向上できる。また、熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂であることにより、得られる中和剤ブロックの耐水性及び耐酸性が優れるため、中和剤ブロックの耐久性を向上できる。
加熱温度は、60℃以上200℃以下であることが好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。加熱温度が60℃以上であることにより、バインダが溶融されやすくなり、バインダと粒状中和剤との結合性、及びバインダと収容壁との結合性を強化できる。また、加熱温度が200℃以下であることにより、処理槽等を構成する材料として高耐熱性の部材を用いる必要がなく、加熱による処理槽の変形などを抑制することができる。
バインダは、抗菌剤及び防カビ剤の少なくとも一方(以下、「抗菌剤(防カビ剤)ともいう。」をさらに含有することが好ましい。抗菌剤(防カビ剤)を含有することにより、容器内における菌(カビ)の繁殖を有効に抑制でき、菌(カビ)に汚染された処理済み液の排出を抑制できる。また、中和処理器内におけるバイオフィルム及び/又はゲル状粘性物の生成を抑制でき、目詰まりの発生を抑制できる。さらに、加熱工程において、粒状中和剤の表面に付着している菌に対する加熱殺菌作用との相乗作用により、より有効に抗菌(防カビ)作用を発揮できる。
バインダ及び収容壁の材質は、オレフィン系樹脂であることが好ましい。バインダ及び収容壁の双方の材質がオレフィン系樹脂であることにより、中和剤ブロックと収容壁との結合性が更に高められるので、中和剤ブロックと収容壁との密着性を更に一層向上できる。
本発明の中和処理器は、未処理液を中和処理するための処理槽を含む容器を備えるものであって、処理槽は、バインダを介して粒状中和剤が結合したブロック状の形態を有する中和剤ブロックを含み、中和剤ブロックは、処理槽の収容壁に結合(固着)した状態で前記処理槽に収容されている。
より詳細又は具体的には、本発明による中和処理器は、未処理液を中和処理する粒状中和剤を収容可能な処理槽が形成され、処理槽に未処理液を導入可能であり、かつ導入された未処理液が処理槽内で中和処理された処理済み液を外部に排出可能である容器を含むものであって、粒状中和剤とバインダとを有し、バインダを介して粒状中和剤が結合したブロック状の形態である中和剤ブロックをさらに含み、中和剤ブロックが処理槽の収容壁に結合した状態で収容されていてもよい。
かかる構成により、粒状中和剤は、バインダを介して結合し、ブロック状の形態(中和剤ブロック)を形成しているため、中和処理器内で粒状中和剤が流出することによる目詰まりの発生を抑制できる。また、中和剤ブロックは、処理槽の収容壁に結合しているため、中和剤ブロックと処理槽の収容壁とが密着している。これにより、中和剤ブロックと収容壁との隙間の形成を抑制でき、中和剤ブロックと収容壁との間に未処理液が優先的に流れることがなく、未処理液(例えば、酸性水)が粒状中和剤全体に均一に接触できる。このため、粒状中和剤が均一に消費され、消費効率が向上し、さらなる小型化を実現できる。
本発明は、粒状中和剤の耐目詰まり性及び消費効率を向上可能な中和処理器を少ない製造工程数で効率よく製造できる。
図1は、本発明の中和処理器の製造方法の一例を説明するための概略製造工程図である。 図2は、本発明の中和処理器の製造方法の別の一例を説明するための概略製造工程図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。すなわち、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[中和処理器の製造方法]
図1は、本実施形態の中和処理器の製造方法の一例を説明するための概略製造工程図である。図1(a)に示す容器1は、未処理液を導入する導入口2を有する蓋部材3と、この蓋部材3により上部が開閉可能な容器本体4とを備え、容器本体4は、導入口2から導入された未処理液を中和剤(粒状中和剤)で中和処理する処理槽5と、この処理槽5に連通し、中和処理された処理済み液を外部に排出する排出槽6とを備え、排出槽6は、さらに外部に排出するための排出口7を備えている。
まず、図1(b)に示すように、予め混合した粒状中和剤11と、粉末樹脂(バインダ)12とを処理槽5に充填(収容)する。次に、粒状中和剤11及び粉末樹脂12が収容された状態で処理槽5を、処理槽5の耐熱温度以下で加熱する。これにより、粉末樹脂(バインダ)12が加熱溶融した溶融樹脂12Aと粒状中和剤11とが点接触して結合することによりブロック状の中和剤ブロック13が得られる。また、中和剤ブロック13の表面に位置する溶融樹脂12Aが、処理槽5の収容壁と点接触して結合するため、中和剤ブロック13と処理槽5の収容壁とを密着できる。このようにして、図1(c)に示す中和処理器20が得られる。
本例の製造方法に対し、例えば、予め成形型などに粒状中和剤及びバインダを収容した状態で加熱成形し、得られた成形品を処理槽に収容して中和処理器を製造する方法も考えられる。しかし、この方法では、得られた成形品を処理槽に隙間なく収容することは困難であり、成形品の周壁と処理槽の収容壁との間に所定の隙間を形成する必要がある。そして、本発明者らは、得られた成形品と処理槽との間に隙間が形成された状態で、未処理液がこの隙間に優先的に流れるため、粒状中和剤の消費効率が十分ではないという問題を見出した。これに対し、本例の製造方法では、粒状中和剤11及び粉末樹脂(バインダ)12を処理槽5に収容(又は充填)した状態で、処理槽5を加熱することにより、得られる中和剤ブロック13と処理槽5との間の隙間の形成を抑制することができる。これにより、未処理液が優先的に流れる経路が形成されず、未処理液を均一に粒状中和剤11に接触させることができるため、粒状中和剤の消費効率が向上し、さらなる小型化を実現できる。また、本例の製造方法では、成形型を用いずに、処理槽5に粒状中和剤11及び粉末樹脂(バインダ)12を収容(充填)し、加熱するだけで中和処理器20を製造できるため、中和処理器の生産効率が向上する。
本例の製造方法では、粒状中和剤11及び粉末樹脂(バインダ)12を加熱することにより、天然物である粒状中和剤11の表面に不可避的に付着し得る菌(カビ)を加熱殺菌できるという利点もある。
また、本例の製造方法では、粒状中和剤11及び粉末樹脂(バインダ)12が加熱により膨張しても、処理槽5がこの膨張に追随して変形するため、中和剤ブロック13と処理槽5とを密着できる利点もある。
なお、加熱方法は、未処理液の処理槽内に、粒状中和剤とバインダとを収容した状態で、処理槽を加熱できる方法であれば特に制限されない。
本実施形態の中和処理器の製造方法は、通常、粒状中和剤及びバインダを、成形型などを用いて成形した成形品が収容(充填)困難な処理槽においても、中和剤ブロックを密着した状態で収容(充填)することができる。例えば、図2(a)に示す容器1Aは、処理槽5の底部で連通可能に処理槽5を2つに仕切る仕切り壁21が処理槽5内に配置されており、導入口2が仕切り壁21により仕切られた一方の槽側に配置されている。このような成形品を収容(充填)困難な処理槽であっても、図2(b)に示すように、粒状中和剤11及び粉末樹脂12を処理槽5に収容した状態で加熱すると、図2(c)に示すように、粉末樹脂12が加熱溶融した溶融樹脂12Aと粒状中和剤11とが点接触して結合することによりブロック状の中和剤ブロック13が得られ、溶融樹脂12Aが、処理槽5の収容壁と点接触して結合するため、中和剤ブロック13と処理槽5の収容壁とを密着できる。
(粒状中和剤)
粒状中和剤としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、消石灰、苛性ソーダ、ソーダ灰、生石灰、石灰石、苔土石灰、及び酸化マグネシウムが挙げられる。これらの粒状中和剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、通常、炭酸カルシウムを用いることが多く、炭酸カルシウムは、例えば、白色石灰石(例えば、寒水石)の砕石の形態で用いてもよい。これらの粒状中和剤(例えば、白色石灰石の砕石)は、所定の粒径ごとに分級されている市販品を利用できる。
粒状中和剤は、1つの級に分類された粒状中和剤のみで構成してもよいが、異なる級に分類された2種類以上の粒状中和剤であることが好ましい。2種類以上の粒状中和剤で構成することにより、粒状中和剤全体の嵩密度及び総表面積を大きくでき、未処理液の中和処理速度及び粒状中和剤全体の中和効率を向上できるため好ましい。
(バインダ)
バインダとしては、粒状中和剤と結合可能であり、処理槽5の収容壁に結合可能であれば、特に限定されず、例えば、無機系バインダ(例えば、石膏、セメント、弱アルカリセメント、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)など)、天然系バインダ(例えば、でんぷんのり、ふのり、膠など)、樹脂が挙げられ、粒状中和剤との接着性が向上する観点から、樹脂であることが好ましい。
樹脂の形態としては、例えば、液状樹脂、顆粒樹脂、粉末樹脂などが挙げられ、粉末樹脂であることが好ましい。バインダが粉末樹脂であることにより、バインダと粒状中和剤とを点接触して結合できる。また、粉末樹脂を加熱溶融することにより粒状中和剤と結合できるため、例えば、溶剤を含有するバインダ(例えば、液状の樹脂製接着剤など)のように溶剤を揮発させる工程が不要であり、粒状中和剤の結合にかかる時間とコストを削減でき生産効率が向上する。なお、本実施形態の製造方法において、必ずしもバインダと粒状中和剤とを点接触により結合させる必要はなく、例えば、バインダとして液体樹脂を用いて、粒状中和剤の表面の一部を被覆して結合してもよい。
粉末樹脂としては、コーティング用と、焼結材料用として市販されている粉末樹脂、顆粒樹脂(例えば、ペレット状樹脂)の粉砕物などを用いることができる。
樹脂の種類としては、例えば、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ハロゲン化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニルなど)、ビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂など)、ビニルエステル系樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニルなど)、ポリカーボネート系樹脂(例えば、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネートなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドなど)、(メタ)アクリル系樹脂(例えば、(ポリ(メタ)アクリル酸エステルなど)、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、変性シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、耐水性及び耐酸性に優れた樹脂であることが好ましく、オレフィン系樹脂であることがより好ましい。オレフィン系樹脂であることにより、粒状中和剤との接着性が向上するとともに、得られる中和剤ブロックの耐水性及び耐酸性が優れるため、中和剤ブロックの耐久性を向上できる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン単独重合体、これらのオレフィンの共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、これらのオレフィンと共重合性単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)など)などが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダの添加量は、粒状中和剤100質量%に対し、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。バインダの割合が0.1質量%以上であることにより、バインダと粒状中和剤との結合性を強化でき、バインダの割合が10質量%以下であることにより、バインダが粒状中和剤の表面を被覆することによる粒状中和剤の機能低下を低減(抑制)できる。
バインダは、抗菌剤(防カビ剤)を含有することが好ましい。抗菌剤(防カビ剤)を含有することにより、容器内における菌(カビ)の繁殖を有効に抑制でき、菌(カビ)に汚染された処理済み液の排出を抑制できる。また、中和処理器内におけるバイオフィルム及び/又はゲル状粘性物の生成を抑制でき、目詰まりの発生を抑制できる。さらに、加熱工程において、粒状中和剤の表面に付着している菌に対する加熱殺菌作用との相乗作用により、より有効に抗菌(防カビ)作用を発揮できる。
抗菌剤(防カビ剤)としては、銀、銅、亜鉛などの金属、金属担持ゼオライト、光触媒活性を有する金属、金属酸化物などの金属化合物などの無機系抗菌剤、ヒノキチオール系、キトサン系、カラシ抽出系、ユーカリ系などの天然有機系の抗菌剤(防カビ剤)、合成有機系の抗菌剤(防カビ剤)、有機複合剤などが挙げられる。これらの抗菌剤(防カビ剤)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、菌及びカビの双方に有効に作用する観点から、合成有機系の抗菌剤(防カビ剤)であることが好ましい。
合成有機系の抗菌剤(防カビ剤)としては、含窒素複素環系、アルデヒド系、フェノール系、ビグアナイド系、ニトリル系、ハロゲン系、アニリド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、有機ケイ素四級アンモニウム塩系、四級アンモニウム塩系、アミノ酸系、有機金属系、アルコール系、カルボン酸系、エステル系、チアゾリン系、カチオン性ポリマーなどの抗菌剤(防カビ剤)が挙げられる。これらの合成有機系の抗菌剤(防カビ剤)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
抗菌剤(防カビ剤)は、抗菌(防カビ)効果を長期的に持続する観点から、徐放性を有することが好ましい。
抗菌剤(防カビ剤)の添加量は、例えば、バインダ(例えば、樹脂)100質量%に対し、0.1質量%以上30質量%以下である。抗菌剤(防カビ剤)の割合が0.1質量%以上であることにより、中和処理器の使用期間中、抗菌(防カビ)効果を有効に持続できる。
なお、本実施形態の中和剤ブロックは、バインダと粒状中和剤とが結合すればよいが、図1(c)に示す中和剤ブロック13のように、バインダ12Aと粒状中和剤11とが点接触して結合すると、中和剤の消費効率が向上するとともに、中和剤ブロックの耐靱性が向上するため好ましい。
(処理槽)
本実施形態の容器(特に処理槽)の材質は、特に限定されず、中和処理器の容器の材質として通常用いられる材質を用いることができるが、耐水性及び耐酸性が優れ、耐久性が向上する観点から、オレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、バインダの項で例示したオレフィン系樹脂が挙げられる。
また、本実施形態のバインダ及び処理槽の材質は、オレフィン系樹脂であることにより、中和剤ブロックと処理槽との結合性が優れ、中和剤ブロックと処理槽との密着性を向上できるため好ましい。
本実施形態の加熱温度は、60℃以上200℃以下であることが好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。加熱温度が60℃以上であることにより、バインダが溶融または硬化されやすくなり、バインダと粒状中和剤との結合性、及びバインダと収容壁との結合性を強化できる。また、加熱温度が200℃以下であることにより、加熱による処理槽5の劣化(例えば、処理槽の熱変形など)を抑制できる。処理槽5の材質は通常オレフィン系樹脂であることが多く、処理槽5の耐熱温度との関係から、加熱温度は150℃以下であることが好ましい。
本実施形態の加熱時間は、特に限定されず、例えば、5分〜2時間、より好ましくは40〜60分である。
なお、本実施形態の製造方法において、粒状中和剤及びバインダは、処理槽5に収容する前に混合してもよく、収容した後に混合してもよい。
[中和処理器]
本実施形態の中和処理器は、未処理液を中和処理するための処理槽を含む容器を備えるものであって、処理槽は、バインダを介して粒状中和剤が結合したブロック状の形態を有する中和剤ブロックを含み、中和剤ブロックは、処理槽の収容壁に結合(固着)した状態で処理槽に収容されているものである。このような中和処理器は、上記中和処理器の製造方法により製造することができ、例えば、図1(c)に示す中和処理器20、図2(c)に示す中和処理器20Aが挙げられる。
次に、図1(c)に示す中和処理器20に未処理液を流入し、中和処理された処理済み液を外部に排出するまでの作用機構について説明する。まず、未処理液(本例では、酸性液)を蓋部材3の導入口2に供給すると、未処理液は、処理槽内の中和剤ブロック13の上面に均一に流入(浸透)する。次に、未処理液は、中和剤ブロック13に接触することにより中和処理されながら、下方向に移動する。中和処理された処理済み液は、処理槽5底部から排出槽6に移動する。排出槽6に収容された処理済み液は、上方向に移動し、排出口7に導出され、外部に排出される。ここで、中和剤ブロック13は、粒状中和剤12をバインダ11で結合していることにより、処理槽5内で粒状中和剤11が流出することによる目詰まりの発生を抑制できる。また、中和剤ブロック13は、処理槽5の収容壁に結合し、中和剤ブロック13と処理槽5とが密着しているため、中和剤ブロック13と処理槽5との間の隙間の形成が抑制され、未処理液が、中和剤ブロック13と処理槽5との間に優先的に流れることがない。これにより、未処理液が粒状中和剤全体に均一に接触しながら、短時間で効率よく中和処理できる。このため、粒状中和剤の消費効率が向上し、さらなる小型化を実現できる。
なお、本実施形態の中和処理器は、粒状中和剤と、バインダとを有し、バインダを介して粒状中和剤が結合したブロック状の中和剤ブロックが未処理液の処理槽内に結合した状態で収容されていれば特に限定されない。
本実施形態の中和処理器は、さらに他の構成要素を備えてもよい。例えば、図1(c)に示す中和処理器20において、容器1に取り付けられ、容器1内の未処理液のオーバーフローを検知するオーバーフロー検知センサを備えてもよい。
本実施形態の中和処理器は、潜熱回収型給湯装置などの潜熱回収型熱交換器に適用され、潜熱回収型熱交換器に生じる未処理液を中和処理して外部に排出する中和処理器に好適に適用できる。
1…容器
2…導入口
3…蓋部材
4…容器本体
5…処理槽
6…排出槽
7…排出口
11…粒状中和剤
12…粉末樹脂(バインダ)
12A…溶融樹脂
13…中和剤ブロック
20,20A…中和処理器
21…仕切り壁

Claims (11)

  1. 未処理液の処理槽内に、粒状中和剤とバインダとを収容した状態で、前記処理槽を加熱することにより、前記処理槽の収容壁に結合した中和剤ブロックを形成する工程を有する、中和処理器を製造する方法。
  2. 前記粒状中和剤が、異なる級に分類された2種類以上の粒状中和剤である請求項1に記載の方法。
  3. 前記バインダが熱可塑性樹脂を含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を含む請求項3記載の方法。
  5. 加熱温度が、60℃以上200℃以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記バインダが、抗菌剤及び防カビ剤の少なくとも一方を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記バインダ及び前記収容壁の材質がオレフィン系樹脂を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 未処理液を中和処理するための処理槽を含む容器を備える中和処理器であって、
    前記処理槽が、バインダを介して粒状中和剤が結合したブロック状の形態を有する中和剤ブロックを含み、
    前記中和剤ブロックが、前記処理槽の収容壁に結合した状態で前記処理槽に収容されている、中和処理器。
  9. 前記粒状中和剤が、異なる級に分類された2種類以上の粒状中和剤を含む請求項8に記載の中和処理器。
  10. 前記バインダが熱可塑性樹脂を含む請求項8又は9に記載の中和処理器。
  11. 前記バインダが、抗菌剤及び防カビ剤の少なくとも一方を含有する請求項8〜10のいずれか一項に記載の中和処理器。
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