JP6951039B2 - 工作機械、その工具回転装置及び主軸熱変位補正方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械、その工具回転装置及び主軸熱変位補正方法に関し、特に、回転工具を使用する切削及び研削・研磨を行う工作機械において工具回転軸の回転軸方向の熱変位を補正する装置及び方法に関する。尚、回転軸方向もしくは旋回軸方向とは、ある直線軸回りに、物体が回転する場合にその軸を回転軸方向と呼ぶように定義する。
一般に、回転工具を使用する切削等を行う工作機械においては、工具の回転速度など運転状態を変化させると回転モータや回転体を回転自由に支持する軸受の発熱状態及び軸受の接触角などが変化し、工具の刃先位置が変位してしまう。このうち、特に、発熱状態の変化については、変化からの整定時間が数十分からときに数時間と長くなりがちであるため、一般には、工具回転状態の変化から加工開始までの時間をとる、いわゆる暖機運転を行う、または、粗加工と仕上げ加工の回転数などを近いものにし、仕上げ加工には変位の影響が小さくなるような工夫をする等の対策が取られている。
一方、暖機運転などの時間を許容できない場合には、変位分を補正により抑制する方法が採用され、例えば、工作機械の複数部位の温度と工作物の加工寸法を測定し、測定した複数部位の温度の変化と工作物の加工寸法の変化の相関関係を重回帰分析により求め、この重回帰分析により得られた相関関係値が所定値より高い工作機械の部位を選択し、選択された工作機械の部位の温度の変化と工作物の加工寸法の変化の関係式を重回帰分析から求め、この関係式から工作物の加工寸法を予測し、予測された工作物の加工寸法に基づいて工作機械の送り量を補正するようにしているが、現実には熱以外の要素でも変位することがありその変位成分については対処されない問題がある。また、工具軸に内蔵し回転体の変位を測定する非接触変位計も市販されており、工作機械によってはその様な変位計の出力をもとに自動で変位分をオフセットして補償する機能を有するものもある。しかしながら、例えば、変位計を内蔵した工具軸回転装置においても、変位を内蔵する位置によっては、例えば、ヘッドの位置を基準にした回転体の変位を把握し処理することができるに過ぎず、そのようなヘッドを支える機構にも変位を生じる場合には、工作機械主軸回りの変位の正確な把握とその補正処理は困難であった。そこで、本発明者は、工作機械主軸回りの変位の正確な把握とその補正処理も可能にする、より高性能な変位補償機能を奏するものとして、特許文献1記載の技術を提案している。この特許文献1記載の工作機械では、回転軸と、該回転軸に取り付けられ該回転軸により回転される工具とを有する工具回転装置と、該工具回転装置における前記回転軸の軸方向変位を非接触で検出する変位計を備え、該変位計の出力に対し、所定の1次遅れ要素の組み合わせにより、前記工具回転装置に起因する変位を推定するように構成されており(特許文献1の請求項1)、変位計の測定対象であるターゲットにおける当該変位計のプローブが対向する部分に、意図的に振れや穴を設け、ターゲット部と変位計の出力を変換するアナログデジタル変換機と、デジタルローパスフィルタを追加したことを特徴とする(特許文献1の請求項2)。
特開2016−175167号公報
しかしながら、例えば、上述した特許文献1の請求項2のような工作機械において,工具回転が低速になると意図的に設けた振れでも、振れ成分が補正指令に重畳されてしまうという課題がある。また、より高精度を狙う工作機械においては、ノイズ等の成分の重畳を可及的に抑制したいという要望がある。そこで、工具回転が低速になっても、意図的に設けた振れによる振れ成分が補正指令に重畳されるのを有効に防止する技術の開発が切望された。
本発明は、以上のような事情から為されたものであり、その目的は、工作機械向けの工具回転装置において、工具回転が低速になっても、意図的に設けた振れによる振れ成分が補正指令に重畳されるのを有効に防止し得る技術を提供することにある。
本発明者は、上述した目的を達成し得る技術の可能性について様々な観点から鋭意研究した結果、以下のような構成の工作機械により、工具回転が低速になっても、意図的に設けた振れによる振れ成分が補正指令に重畳されるのを有効に防止し得ることを見出した。
即ち、本発明では、回転軸と、該回転軸に取り付けられ該回転軸により回転される工具とを有する工具回転装置と、該工具回転装置における前記回転軸の軸方向変位を非接触で検出する変位計を備え、該変位計の出力に対し、所定の1次遅れ要素の組み合わせにより、前記工具回転装置に起因する変位を推定するように構成され、前記変位計のプローブが対向する意図的に振れ易い穴や段差などの部位を設けたターゲット部と、前記変位計の出力を変換するアナログデジタル変換機と、デジタルローパスフィルタを有する工作機械において、センサの値の読み取り側のローパスフィルタのカットオフ周波数を回転数に応じて変化させる工作機械であって、時定数を回転数に完全に反比例させると完全に回転を停止させた時にセンサの出力を全く読み込まなくなる事態を回避するため、微小な定数と回転数の和が時定数の逆数に比例させるように補正指令を処理することを特徴とる工作機械が得られる。
上記のようにした場合,停止中もセンサの値を読み込むので,長期的には,上記の重畳された分のわずかな偏差が生じる。そこで,回転装置に回転体の現在の方向を読み取る装置を搭載し,回転体の方向と意図的に設けた振れの成分の補償情報のマップを数式ないし表の状態で保持し,完全に回転が停止した時に回転体の方向情報から,その振れ補償情報を読み出し,補正指令を補償するように構成された工作機械にしても良い。
本発明によれば、工作機械の工具回転装置において、回転状態変化後の軸方向の変位をより高精度にもしくは低コストに補正することができる。また、変位計のターゲットとなる部品に意図的な振れ成分及び穴を設け、アナログデジタル変換器に入力後のデジタル出力信号に対しデジタルのローパスフィルタを設けることにより、前記アナログデジタル変換器の分解能が不足することによる変位補償への影響を低減することができる上に、工具回転が低速になっても、意図的に設けた振れによる振れ成分が補正指令に重畳されるのを有効に防止することが可能である。
本発明の実施形態と特許文献1記載の発明に共通する工作機械の機能ブロック図である。 本発明の実施形態と特許文献1記載の発明に共通する工作機械の基本構成を示す図である。 本発明の実施形態と特許文献1記載の発明の一部が共通する変位計ターゲットの加工例と変位計設置の例である。 特許文献1記載の発明において、意図的に設ける振れ成分の例を示す図である。 特許文献1記載の発明において、重畳するがフィルタである程度除去される例を示す図である。 特許文献1記載の発明において、重畳する例を示す図である。 特許文献1記載の発明において、重畳する第2の例として、手で回す場合を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る変位信号に施す信号処理を表すブロック線図であり、特許文献1記載の発明における同様の構成を改良した実施形態である。 本発明の第1の実施形態に係る変位信号に施す信号処理を表すブロック線図であり、特許文献1記載の発明における同様の構成を改良した図8に示した実施形態の変形例として、入力側の1段目に以外に入れることもできる例を示す。 本発明の第3の実施形態に係る変位計ターゲットの加工例と変位計設置の例である。
まず、図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態と特許文献1記載の発明に共通する工作機械の機能ブロック図、図2は、本発明の実施形態と特許文献1記載の発明に共通する工作機械の基本構成を示す図、図3は、本発明の実施形態と特許文献1記載の発明の一部が共通する変位計ターゲットの加工例と変位計設置の例である。本実施形態の工作機械100は、図1に示すように、各軸の駆動を司るモータドライバ101,102,103,104,105と、これらモータドライバ101,102,103,104,105のドライバをそれぞれ制御すると共に各軸の回転数、送り速度等を数値制御するCNC(コンピュータ数値制御)装置107を備えており、このCNC(コンピュータ数値制御)装置107には、その数値制御のためのデータ(加工物の諸元)を、例えば対話形式で入力することが可能な加工プログラムが内蔵されている。即ち、本実施形態の工作機械100は、図2に示すように、直動X−Y−Zの3軸方向と、回転A及びCの2(軸)方向(図示せず)から成る5軸の制御が可能であり、工具回転装置121を固定された軸頭122をX軸方向に駆動するモータドライバ101、Y軸方向に駆動するモータドライバ102,A軸方向に旋回駆動するモータドライバ102,ワークテーブル112をZ軸方向に駆動するモータドライバ103、A軸(X軸回り)に回転駆動するモータドライバ104、及びC軸(Z軸回り)に回転駆動するモータドライバ105と、CNC(コンピュータ数値制御)装置107を備えており、CNC(コンピュータ数値制御)装置107が、所定の加工プログラムに従って、モータドライバ101〜105を各軸方向に駆動制御すること等によって、ワークWが所望の形状に加工され得る。尚、CNC(コンピュータ数値制御)装置107は、工具の回転速度も制御可能であることは言うまでもない。
この工作機械100は、例えば、図2のような構造を持ち工具回転軸201とZ軸方向202が平行になるように構成されている。各モータドライバはX軸モータ111,Y軸モータ112,Z軸モータ113,A軸モータ114,C軸モータ115に接続されている。各モータには回転を検出する検出器(図示せず)が設けられており、また必要な精度に応じて各軸に対し角度及び変位の検出器(図示せず)が設けられサーボ制御を行うことができるようになっている。以上の構成を備える工作機械100は、上述したように、更に、工具回転装置121について、工具回転軸201と、その回転軸方向の変位を非接触で検出することができるプローブ301(図3参照)を含む変位計を有し、変位計の出力に対し後述する図8及び図9に示す1次遅れ要素の組み合わせにより、工具回転装置121に起因する変位を推定することができる。尚、図2の例では、工具として砥石209を有している。図ではひとつのセンサを用いているが複数のセンサを使用し、それぞれに対して図8及び図9の処理ブロックを付けそれらの線形和を用いて推定する構成も可能なことはいうまでもない。
工具回転装置121には、図3に示す変位測定用の装置(変位計)のプローブ301を内蔵し、その信号はプローブの検出する信号を電圧として出力するコントローラ302(図3参照)で電圧に変換した後、アナログ入力モジュール303によってデジタル信号に変換する。デジタル信号はプログラマブルコントローラ304のプログラムでデジタルフィルタと信号処理とを行う。そして、プログラマブルコントローラ304で信号処理までされた値をCNC107に転送し、作業者(図示せず)に通知もしくは通知せずに自動で図2に示すZ軸方向にオフセットを与える。これにより、Z軸方向の変位分の補正が完了する。プログラマブルコントローラ304は便宜上CNC107と別のブロックとして描いているが、CNC107にプログラマブルコントローラ304で行われる機能がソフトウェアプログラムとして内蔵されている構成も可能であることはいうまでもない。
次に、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態も、以上に述べた構成、即ち、上述した特許文献1の請求項2の工作機械と同様の構成を有している。しかしながら、かかる構成だけでは、工具(砥石)209の回転が低速になると意図的に設けた振れでも振れ成分が補正指令に重畳されてしまうという不具合を生じる場合がある。そこで、まず、図4乃至図7を参照して、特許文献1の請求項2の工作機械において、このような不具合が生じる機序について説明する。図4は、特許文献1の請求項2の工作機械と同様の構成において、意図的に設ける振れ成分の例を示す図(グラフ)であり、グラフの横軸が、図2で示した工作機械のスピンドル(工具回転軸201)の回転位置、縦軸が、振れ成分を表している。図5は、特許文献1の請求項2の工作機械と同様の構成において、工具(砥石)209の回転が低速になっていないため、意図的に設けた振れ成分が補正指令に重畳するも、上述した特許文献1のフィルタ処理である程度除去される例を示す図であり、(a)は、縦軸が図2で示した工作機械のスピンドル(工具回転軸201)の回転位置を0〜360°の範囲内で示し、横軸が経過時間(秒)を示す。(b)は、縦軸が、図2で示した工作機械の変位測定用の装置(変位計)のセンサ信号(変位信号)をコントローラ302(図3参照)で電圧に変換した信号(以下、センサ信号と略記する)、そのセンサ信号をアナログ入力モジュール303によってデジタル信号に変換した信号(以下、A/D変換後と略記する)、そのデジタル信号(A/D変換後)がプログラマブルコントローラ304のプログラムでデジタルフィルタと信号処理された信号(以下、フィルタ通過後と略記する)、それぞれの出力(μm)であり、横軸が経過時間(秒)を示す。上述した特許文献1の請求項2の工作機械では、図4に示すような振れ成分を意図的に設け、それを加えた場合でも、図5(a)に示すように、工具(砥石)209の回転が一定の速度で繰り返され、しかも低速ではない場合には、図5(b)に示すように、意図的に設けた振れ成分が補正指令に重畳するも、上述した特許文献1のフィルタ処理である程度除去されるので、問題は少ない。図6は、特許文献1の請求項2の工作機械と同様の構成において、工具(砥石)209の回転が低速になったため、意図的に設けた振れ成分が補正指令に重畳する例を示す図であり、(a)は、縦軸が上記と同様にスピンドル(工具回転軸201)の回転位置を0〜360°の範囲内で示し、横軸が経過時間(秒)を示す。(b)は、縦軸が、上記と同様に、センサ信号、A/D変換後、フィルタ通過後、それぞれの出力(μm)であり、横軸が経過時間(秒)を示す。図6(a)に示すように、工具(砥石)209の回転が低速になると、図6(b)に示すように、意図的に設けた振れ成分が補正指令に重畳してしまうという問題が生じる。図7は、特許文献1の請求項2の工作機械と同様の構成において、他の重畳する例として、工具を手で回す場合を示す図であり、(a)は、縦軸が上記と同様にスピンドル(工具回転軸201)の回転位置を0〜360°の範囲内で示し、横軸が経過時間(秒)を示す。(b)は、縦軸が、上記と同様に、センサ信号、A/D変換後、フィルタ通過後、それぞれの出力(μm)であり、横軸が経過時間(秒)を示す。図7(a)に示す例では、工具(砥石)209を手でゆっくりと2秒弱まで回した後、2回転まですばやく回し、その後停止した場合を示している(尚、図2には図示しないが、このように工具(スピンドル)を手動回転させる機構も備えているものとする)。このような場合も、図7(b)に示すように、意図的に設けた振れ成分が補正指令に重畳してしまうという問題が生じるのは同様である
図8及び図9は、本発明の第1の実施形態に係る工作機械における変位信号に施す信号処理を表す各ブロック線図であり、特許文献1記載の発明における同様の構成を改良した実施形態である。即ち、本発明の第1の実施形態に係る工作機械は、本願では図示しない特許文献1の図1記載の信号処理の代わりに、図8及び図9に示す信号処理を行う。まず、本発明は、特許文献1記載の発明と同様に、変位のうち熱に関する部分が1次遅れ要素の直列結合のように作用することを利用するものであり、変位を計測した信号に対し、かかる1次遅れ要素の直列結合を用いた信号処理(特許文献1の図1のブロック線図、本願の図8及び図9に示す)を施すことにより、高性能な軸方向の変位補正を可能とすることを特徴とする。図8及び図9も、本発明の特徴である信号処理、即ち、変位を表す信号に対して行う1次遅れ要素の直列結合を用いた信号処理を示すブロック線図であるのは同様であり、本発明では、変位を表す信号ΔZsense(t)に対して、1次遅れ要素の直列結合を用いた信号処理を行うことにより、処理結果を表す出力信号ΔZest(t)を得る。尚、図8及び図9中の係数K1,K2,K3,K4 は、熱変位に対する補正係数であり、これらK1,K2,K3,K4の一部は0にすることも可能である。また、図8及び図9に示す例では、4段の信号処理システムを構成しているが、更に多段に構成しても良い。また補正係数は正の値である必要はない。まず、図8は、本発明の第1の実施形態に係る変位信号に施す信号処理を表すブロック線図であり、特許文献1記載の発明における同様の構成を改良した実施形態である。即ち、本発明の第1の実施形態に係る工作機械は、本願では図示しない特許文献1の図1記載の信号処理の代わりに、図8に示す信号処理を行う。即ち、図8に示すように、入力側の1段目に参照符号00のフィルタリングを入れることにより、センサの値の読み取り側のローパスフィルタのカットオフ周波数を回転数に応じて変化させる、即ち、ローパスフィルタの回転数に時定数を反比例させるように調整することを特徴とする。尚、図9に示すように、特許文献1記載の発明における同様の構成を改良した実施形態として、入力側の1段目に入れないこともできる。図9は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る変位信号に施す信号処理を表すブロック線図であり、特許文献1記載の発明における同様の構成を改良した他の変形例であり、入力側の1段目以外に入れることもできる例を示す。即ち、図9に示すように、入力側の1段目に参照符号00のフィルタリングを入れているが、ここでは全ての信号成分をフィルタ処理しないで一部のみ処理するようにしても良い。図8及び図9に示すように、本発明の第1の実施形態に係る工作機械は、回転軸と、該回転軸に取り付けられ該回転軸により回転される工具とを有する工具回転装置と、該工具回転装置における前記回転軸の軸方向変位を非接触で検出する変位計を備え、該変位計の出力に対し、所定の1次遅れ要素の組み合わせにより、前記工具回転装置に起因する変位を推定するように構成され、前記変位計のプローブが対向する意図的に振れ易い穴を設けたターゲット部と、前記変位計の出力を変換するアナログデジタル変換機と、デジタルローパスフィルタを有する工作機械において、センサの値の読み取り側のローパスフィルタのカットオフ周波数を回転数に応じて変化させる、即ち、ローパスフィルタの回転数に時定数を反比例させるように調整することを特徴としている。
図8における参照符号00のフィルタリング乃至図9における指定した部分の1次遅れ要素の出力更新は例えば、以下の数式(1)(2)(3)により実行される。
Figure 0006951039
Figure 0006951039
Figure 0006951039
次に、本発明の第2の実施形態に係る変位信号に施す信号処理について説明する。上述した第1の実施形態、即ち、図8及び図9に示す構成と数式(1)(2)(3)による処理では、上記のように、時定数を工具(スピンドル)の回転数に完全に比例させると、完全に回転を停止させた時にセンサの出力を全く読み込まなくなるという問題が生じる。従って、この問題を回避するため、微小な定数と回転数の和が時定数の逆数に比例させるように補正指令を処理するようにすること(上述した第1の実施形態の改良例としての第2の実施形態)が好適である。この第2の実施形態に係る変位信号に施す出力信号の更新処理は、以下の数式(4)(5)(6)により実行される。
Figure 0006951039
Figure 0006951039
Figure 0006951039
次に、本発明の第3の実施形態に係る変位信号に施す信号処理について説明する。上述した第2の実施形態、即ち、上記のように数式(4)(5)(6)による処理をした場合,停止中もセンサの値を読み込むので,長期的には,振れ分のわずかな偏差が生じる。そこで,回転装置に回転体の現在の方向を読み取る装置を搭載し,回転体の方向と意図的に設けた振れの成分の補償情報のマップを表ないし数式の状態で保持し,完全に回転が停止した時に回転体の方向情報から,その振れ補償情報を読み出し,補正指令を補償するように構成しても良い。図10は、本発明の第3の実施形態に係る工作機械が備える、このような装置ないしは機構の一例である。図10(a)に示すように、本発明の第3の実施形態に係る工作機械は、回転装置、即ちスピンドルモータ300(図1では、スピンドルモータ116に相当)に回転体、即ち工具311(図1では、工具(砥石)209に相当)の現在の方向を読み取る装置としてロータリエンコーダ読み取りヘッド321及びロータリエンコーダ回転側円盤322を搭載している。尚、301は、非接触変位計ヘッド、301cは、ケーブル、302は、非接触変位計アンプ(増幅器)への流れを示す。図10(b)に示すように、この回転体の現在の方向を読み取る装置としてのロータリエンコーダ回転側円盤322及びロータリエンコーダ読み取りヘッド321からの角度情報等は321の処理によりプログラマブルコントローラ304に入力される。図10(b)に示すように、非接触変位計ヘッド301(図2のプローブ301に相当)からの信号は、その信号を電圧として出力するコントローラ302で電圧に変換した後、アナログ入力モジュール303によってデジタル信号に変換する。デジタル信号はプログラマブルコントローラ304のプログラムでデジタルフィルタと上述した321の処理とを併せた信号処理を行う。そして、プログラマブルコントローラ304で信号処理までされた値をCNC107に転送し、作業者(図示せず)に通知もしくは通知せずに自動で図2に示すZ軸方向にオフセットを与える。これにより、Z軸方向の変位分の補正が完了する。回転体の方向と意図的に設けた振れの成分の補償情報のマップを表として321に保持する場合に、かかる表の一例を以下の表1にしめす。
Figure 0006951039
また、回転体の方向と意図的に設けた振れの成分の補償処理を321で実行する場合に、振れ分補償の式の例を以下の数式(7)(8)に示す。
Figure 0006951039
Figure 0006951039
上記のようにした場合について,デジタルフィルタを整数または固定小数点型を使用して構成した場合,時定数の逆数が最小表現単位に未満になることができない。この場合にサンプリング間隔の切り替えによって時定数を上記の上限以上に伸ばす処理ができるように構成された工作機械とするのが好適である。即ち、整数型を用いて実装した場合の出力更新を行うのが好適であり、その出力更新は、以下の数式(9)(10)により実行される。なお更新を省くスキャンは擬似乱数列などを用いて確率的に選んでもよいことは言うまでもない。
Figure 0006951039
Figure 0006951039
201 回転軸、 209 工具(砥石)、 121 工具回転装置、301 変位計のプローブ、 10、20、30 1次遅れ要素、100 工作機械、 300 ターゲット(環状の工作物)、 299 穴、
303 アナログデジタル変換機(アナログ入力モジュール)、304 プログラマブルコントローラ(デジタルローパスフィルタ)


Claims (2)

  1. 回転軸と、該回転軸に取り付けられ該回転軸により回転される工具とを有する工具回転装置と、該工具回転装置における前記回転軸の軸方向変位を非接触で検出する変位計を備え、該変位計の出力に対し、所定の1次遅れ要素の組み合わせにより、前記工具回転装置に起因する変位を推定するように構成され、前記変位計のプローブが対向する意図的に振れ易い穴や段差などの部位を設けたターゲット部と、前記変位計の出力を変換するアナログデジタル変換機と、デジタルローパスフィルタを有する工作機械において、センサの値の読み取り側のローパスフィルタのカットオフ周波数を回転数に応じて変化させる工作機械であって、時定数を回転数に完全に反比例させると完全に回転を停止させた時にセンサの出力を全く読み込まなくなる事態を回避するため、微小な定数と回転数の和が時定数の逆数に比例させるように補正指令を処理することを特徴とる工作機械。
  2. 請求項1に記載の工作機械において、回転装置に回転体の現在の方向を読み取る装置を搭載し、回転体の方向と意図的に設けた振れの成分の補償情報のマップを数式ないし表の状態で保持し、完全に回転が停止した時に回転体の方向情報から、その振れ補償情報を読み出し、補正指令を補償するように構成されたことを特徴とする工作機械。
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