以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によって本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態に係る人力駆動車の模式的な正面図である。本実施形態に係る人力駆動車10は、搭乗者が搭乗する車両であり、搭乗者が人力駆動車10を運転する。本実施形態における人力駆動車10は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、クロスバイク、シティバイク、リカンベントバイクを含む。また、本実施形態における人力駆動車10は、走行のための原動力に関して少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味しており電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。
人力駆動車10は、フレーム12と、ハンドル14と、フォーク16と、サドル18と、ホイール20と、を備える。
フレーム12は、ヘッドチューブ12aと、トップチューブ12bと、ダウンチューブ12cと、シートチューブ12dと、シートステー12eと、チェーンステー12fと、を備える。ヘッドチューブ12aは、ハンドル14およびフォーク16を支持する。トップチューブ12bは、一端がヘッドチューブ12aに接続され、他端がシートチューブ12dに接続される。ダウンチューブ12cは、一端がヘッドチューブ12aに接続され、他端がシートチューブ12dに接続される。シートステー12eは、一端がシートチューブ12dに接続され、他端がチェーンステー12fに接続される。チェーンステー12fは、一端がシートチューブ12dに接続され、他端がシートステー12eに接続される。
ハンドル14は、人力駆動車10の搭乗者によって把持される部材である。ハンドル14は、ヘッドチューブ12aに対して回転可能である。ハンドル14が回転させられることで、フォーク16が回転し、人力駆動車10の進行方向が変化する。
サドル18は、人力駆動車10の搭乗者の臀部を支持する部材である。サドル18は、シートチューブ12dに支持されている。
ホイール20は、フロントホイール20aとリアホイール20bとを有する。フロントホイール20aは、フォーク16に取り付けられる。フロントホイール20aは、フレーム12に対して回転可能である。フロントホイール20aは、タイヤが取り付けられるリム20a1と、複数のスポーク20a2と、を含む。リアホイール20bは、シートステー12eとチェーンステー12fとの接続箇所として定義されるリアエンドに取り付けられる。リアホイール20bは、フレーム12に対して回転可能である。リアホイール20bは、タイヤが取り付けられるリム20b1と、複数のスポーク20b2と、を含む。
また、人力駆動車10は、駆動部材として、クランクアセンブリ24と、リアスプロケットアセンブリ26と、チェーン28とを有する。
クランクアセンブリ24は、クランク軸242と、一対のクランクアーム244と、フロントスプロケットアセンブリ246と、を備える。クランク軸242は、ボトムブラケットを介して、フレーム12に、回転可能に支持されている。各クランクアーム244は、フレーム12に対して回転可能に基端がクランク軸242に接続される。各クランクアーム244は、先端にペダル248が回転可能に取り付けられる。フロントスプロケットアセンブリ246は、歯数が異なる複数のフロントスプロケットを含む。複数のフロントスプロケットは、互いに接続されている。フロントスプロケットアセンブリ246は、一方のクランクアーム244と接続される。クランクアーム244に取り付けられるペダル248に搭乗者の力が加わると、クランク軸242、およびフロントスプロケットアセンブリ246が回転する。なお、フロントスプロケットアセンブリ246に含まれるフロントスプロケットの数は特に限定されない。
図1に示すように、リアスプロケットアセンブリ26は、リアホイール20bに支持される。リアスプロケットアセンブリ26は、複数のリアスプロケットを備える。リアスプロケットアセンブリ26は、リアホイール20bと相対回転可能である。リアスプロケットアセンブリ26は、歯数が異なる複数のリアスプロケットを含む。なお、リアスプロケットアセンブリ26に含まれるリアスプロケットの数は特に限定されない。
チェーン28は、クランクアセンブリ24に入力された力を、リアスプロケットアセンブリ26に伝達する部材である。図1に示すように、チェーン28は、クランクアセンブリ24に含まれるフロントスプロケットの一つに巻きかけられている。チェーン28は、リアスプロケットアセンブリ26に含まれるリアスプロケットの一つに巻きかけられている。クランクアセンブリ24に加わる力は、チェーン28を介してリアスプロケットアセンブリ26に伝達され、リアホイール20bを回転させる。
また、人力駆動車10は、制動装置40を備える。制動装置40は、フロントブレーキ40aと、リアブレーキ40bとを備える。フロントブレーキ40aは、フロントホイール20aを制動するための装置である。フロントブレーキ40aは、ブレーキシューを備える。フロントブレーキ40aは、ブレーキシューがフロントホイール21aの側部のリムのブレーキ面に接することで摩擦が生じ、フロントホイール21aの回転が遅くなる。リアブレーキ40bは、リアホイール20bを制動するための装置である。リアブレーキ40bは、ブレーキシューを備える。リアブレーキ40bは、ブレーキシューがリアホイール20bの側部のリムのブレーキ面に接することで摩擦が生じ、リアホイール20bの回転が遅くなる。制動装置40は、制動操作装置40Bの操作によって駆動して、ブレーキシューを動かす。制動操作装置40Bは、ハンドル14に取り付けられる。制動操作装置40Bは、フロント制動操作装置とリア制動操作装置とを備える。フロント制動操作装置およびリア制動操作装置は、搭乗者によって操作され、当該操作がワイヤーまたは油圧ホースを介してフロントブレーキ40aおよびリアブレーキ40bの駆動力として伝達される。フロントブレーキ40aおよびリアブレーキ40bは、制動操作装置40Bから受けとった電気信号または無線信号に基づいて駆動する電動ブレーキであってもよい。また、フロントブレーキ40aおよびリアブレーキ40bは、上述したリムブレーキに限定されず、例えばローラーブレーキまたはディスクブレーキであってもよい。
また、図1に示すように、人力駆動車10は、人力駆動車用部品であるコンポーネントとして、補助装置30と、ライト32と、変速機34と、バッテリ36と、鍵ユニット38と、を有する。コンポーネントは、上記に限らず、他にも有することができる。
補助装置30は、人力駆動車10の推進をアシストするため、後述の図2を参照するモータ30Aを含み、モータ30Aによって、クランクアセンブリ24の回転をアシストする。モータ30Aの一例は、電気モータである。モータ30Aの回転は、図示しない減速機を介してフロントスプロケットまたはクランクの少なくとも一方に伝達される。例えば、モータ30Aとフロントスプロケットとの間には、ワンウェイクラッチが設けられる。このワンウェイクラッチは、クランクアセンブリ24に加えられた搭乗者の踏力がモータ30Aに伝達されることを回避する。クランクアセンブリ24またはフロントスプロケットとモータ30Aの減速機が直動の構造があり、この場合、クランクアセンブリ24またはフロントスプロケットとの間にワンウェイクラッチを介さない場合がある。
補助装置30は、後述する制御装置の制御によって、モータ30Aのモータ出力が変更される。モータ出力とは、モータ30Aの出力値であり、本実施形態では、モータ30Aの出力比率およびモータ30Aの出力の少なくとも一方である。モータ30Aの出力比率とは、モータ30Aのアシスト比を指し、搭乗者によってペダル248を介してクランクアセンブリ24に印加される人力トルクに対する、モータ30Aの出力トルクの比率であるアシスト出力比率である。また、モータ30Aの出力とは、モータ30Aの出力値そのものを指し、例えばモータ30Aの出力トルクなどである。モータ出力が高くなれば、搭乗者に対するアシストの度合いが高くなるので、搭乗者への負担が小さくなる。
ライト32は、ヘッドランプであり、人力駆動車10のハンドル14やヘッドチューブ12aに取り付けられる。ライト32は、後述の図2を参照する制御回路32Aを含み、制御回路32Aによって点灯または消灯、点灯時の明るさが変更される。ライト32は、後述する制御装置の制御によって、制御回路32Aが制御され、点灯または消灯や、点滅や、2以上の異なる明るさを切り替え可能な点灯状態が切り替えられる。
変速機34は、出力値、すなわち回転比率を変化させる。回転比率とは、クランクアセンブリ24の回転数とホイール20の回転数との比率であり、さらに言えば、ホイール20の回転数に対するクランクアセンブリ24の回転数の比率である。また、回転比率は、ホイール20に設けられ、チェーン28が巻き付けられるリアスプロケットのギア歯数に対するクランクアセンブリ24に設けられ、チェーン28が巻き付けられるリアスプロケットのギア歯数の比率であると言い換えることもできる。回転比率が高くなれば、クランクアセンブリ24の一回転に対するホイール20の回転数が高くなるので、搭乗者がクランクを一回転させたあたりの人力駆動車10は進行量が大きくなるが、クランクを回転させるための搭乗者の負担は大きくなる。変速機34において回転比率を高くすることをシフトアップと言う。逆に、回転比率が低くなれば、クランクアセンブリ24の一回転に対するホイール20の回転数が低くなるので、クランク一回転させたあたりの人力駆動車10は進行量が少なくなるが、搭乗者の負担は小さくなる。変速機34において回転比率を低くすることをシフトダウンと言う。
変速機34は、フロントディレイラ34aと、リアディレイラ34bとを備える。フロントディレイラ34aは、クランクアセンブリ24において、チェーン28を異なるフロントスプロケットに巻きかけるための装置である。リアディレイラ34bは、リアスプロケットアセンブリ26において、チェーン28を異なるリアスプロケットに巻きかけるための装置である。フロントディレイラ34aおよびリアディレイラ34bは、チェーン28が巻きかけられるフロントスプロケットが変化するか、またはチェーン28が巻きかけられるリアスプロケットが変化することで、人力駆動車10の回転比率を変化させる。なお、フロントスプロケットが単一の形態の場合、フロントディレイラ34aは有さない。
変速機34は、後述の図2を参照するアクチュエータ34Aを駆動させて、チェーン28が巻きかけられるフロントスプロケットを変化させるか、またはチェーン28が巻きかけられるリアスプロケットを変化させることで、回転比率を変化させる。
変速機34は、変速操作装置34Bによって操作される。変速操作装置34Bは、ハンドル14に取り付けられる。変速操作装置34Bは、変速機34に、有線通信または無線通信可能に接続されている。変速操作装置34Bは、フロント変速操作装置とリア変速操作装置とを備える。フロント変速操作装置は、搭乗者によって操作されると、操作された情報を含む信号を、フロントディレイラ34aに送信する。ここでいう操作された情報の一例は、回転比率を変更するためのシフトアップ操作やシフトダウン操作を指す。フロントディレイラ34aは、受信した信号に基づいてアクチュエータ34Aを作動して、チェーン28を巻き掛けるフロントスプロケットを変更することで、回転比率を変化させる。リア変速操作装置は、搭乗者によって操作されると、操作された情報を含む信号を、リアディレイラ34bに送信する。リアディレイラ34bは、受信した信号に基づいてアクチュエータ34Aを作動して、チェーン28を巻き掛けるリアスプロケットを変更することで、回転比率を変化させる。なお、フロントスプロケットが単一の形態の場合、フロントディレイラ34aは有さないため、フロント変速操作装置も有さない。
また、変速機34は、後述する制御装置の制御によって、フロントスプロケットに対するフロントディレイラ34aの初期位置や、リアスプロケットに対するリアディレイラ34bの初期位置をアジャストするため、アクチュエータ34Aの動作モードをアジャストモードに切り替えられる。アジャストモードは、フロントディレイラ34aにおいて各フロントスプロケットに対する位置を調整したり、リアディレイラ34bにおいて各リアスプロケットに対する位置を調整したりする。アジャストモードは、リアディレイラ34bの固定部に対する可動部の初期位置を調整する。したがって、変速機34は、制御装置の制御によって、初期位置のアジャストが可能になるアジャストモードと、通常の変速動作を行う通常モードとに切り替えられる。変速機34は、制御装置の制御によってアジャストモードに切り替えられると、アジャストが可能になり、制御装置における後述の操作部52や、その他の操作装置によってアジャストが行われる。
また、変速機34は、後述する制御装置の制御によって、プロテクションリセットのため、アクチュエータ34Aの動作モードが切り替えられる。プロテクションは、人力駆動車10が転倒した場合などの衝撃からリアディレイラ34bを保護するための機能である。具体的に、プロテクションは、変速機34のリアディレイラ34bにおけるアクチュエータ34Aと、チェーン28の各リアスプロケットへの巻きかけを動作させるためのリンク部との接続を一時的に解除する。プロテクションが作動すると、リアディレイラ34bが正しく作動しなくなるため、プロテクションをリセットしてアクチュエータ34Aとリンク部との接続を復旧させる必要がある。したがって、変速機34は、制御装置の制御によって、プロテクションが作動したプロテクションモードと、プロテクションリセットが可能になるプロテクションリセットモードと、通常の変速動作を行う通常モードとに切り替えられる。変速機34は、制御装置の制御によってプロテクションリセットモードに切り替えられると、プロテクションリセットが可能になり、制御装置における後述の操作部52や、その他の操作装置によってプロテクションリセットが行われる。なお、外的要因でリアディレイラ34bが本来駆動しない方向への力が加わった場合に、リアディレイラ34bの部品と部品の接続部であって回転可能に取り付けられる部分が、脱臼するように、外れるような構造になっており、接続部が脱臼するように外れた状態で、プロテクション機能を選択すると、本来駆動しない方向に位置している部品を本来駆動する方向にモータで動かすようになり、接続部が接続した状態に戻る。従って、リアディレイラ34bにおけるプロテクションリセット機能は、脱臼状態になければ機能は発揮されず、基本的には1回限りの操作となる。
バッテリ36は、充電可能な電池である。バッテリ36は、例えばダウンチューブ12cに取り付けられる。バッテリ36は、例えばシートポスト12dに取り付けられる。バッテリ36は、コンポーネント、すなわち、補助装置30と、ライト32と、変速機34と、鍵ユニット38と、後述する制御装置と、に接続され、これらに電力を供給する。これらのコンポーネントは、バッテリ36からの電力によって駆動する。また、バッテリ36は、発電部37が接続される。発電部37は、人力駆動車10の動作によって発電する発電機構である。発電部37は、フロントホイール20aまたはリアホイール20bの少なくとも一方に設けられ、フロントホイール20aまたはリアホイール20bの回転に伴い発電するダイナモである。発電部37は、フロントホイール20aまたはリアホイール20bの少なくとも一方に設けられ、フロントホイール20aまたはリアホイール20bの回転に伴い発電するハブダイナモである。発電部37は、発電した電力を、バッテリ36に供給し、バッテリ36に充電させる。ただし、人力駆動車10は、発電部37を備えておらず、電力供給源として、バッテリ36のみを備えていてもよい。バッテリ36は、後述の図2を参照する制御回路36Aを含み、制御回路36Aによってコンポーネントへの電力の出力が変更される。バッテリ36は、後述する制御装置の制御によって、制御回路36Aが制御され、コンポーネントへの電力の出力が変更される。バッテリ36は複数あってもよい。例えば、補助装置30と変速機34が異なるバッテリと接続されていてもよい。
鍵ユニット38は、人力駆動車10のシートステー12eおよびリアホイール20bに跨るように取り付けられ、またはヘッドチューブ12aおよびフロントホイール21aに跨るように取り付けられて、鍵を施錠することによってリアホイール20bまたはフロントホイール21aの回転を妨げる一方、解錠することによってリアホイール20bまたはフロントホイール21aの回転を許容する。鍵ユニット38は、後述の図2を参照するアクチュエータ38Aを駆動させて、鍵の施錠状態の変更が行われる。鍵の施錠状態の変更の一例としては、鍵の施錠または解錠である。鍵ユニット38は、後述する制御装置の制御によって、アクチュエータ38Aが制御され、鍵の施錠状態の変更が行われる。
図2は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。図3は、本実施形態に係る操作部および表示部の一例を示す斜視図である。
本実施形態の制御装置は、制御装置ユニット50と、操作部52と、表示部54と、を含む。
先に操作部52および表示部54について説明する。操作部52は、図2および図3に示すように、単一の操作部材52Aを有する。操作部材52Aは、図3に示すように、操作部52のケーシング521に設けられた単一のもので、押しボタンとして構成されている。操作部材52Aは、ケーシング521の外側に突出した操作開始位置と、ケーシング521の内側に押された操作終了位置との間を移動可能に設けられている。従って、本実施形態の制御装置は、操作開始位置と操作終了位置との間を移動可能な単一の操作部材52Aを有する。操作部材52Aは、ケーシング521の内部に設けられた圧縮バネなどの弾性部材の付勢力によって、操作開始位置がケーシング521の外側に突出するような構成となっていてもよく、樹脂やエラストマーなどの弾性の反発力によって、操作開始位置がケーシング521の外側に突出するような構成となっていてもよい。弾性部材が用いられる場合、弾性部材の種類は上記に限定されることはない。操作部材52Aは、ケーシング521の内部に配置された後述の図8で参照するスイッチ52Bを含み、操作開始位置に復帰されることでスイッチ52Bをオフし、操作終了位置に滞在されることでスイッチ52Bをオンする。操作部材52Aは、ケーシング521の内部に配置されたスイッチ52Bを含み、操作開始位置に復帰されることでスイッチ52Bをオンし、操作終了位置に滞在されることでスイッチ52Bをオフする。操作部52から、ケーシング521に接続されたケーブル522を介して操作部材52Aの操作に応じたスイッチのオン/オフ信号が出力される。操作部52は、本実施形態では、トップチューブ12bにおいて、制動装置40を作動させるためのケーブル40cに取り付けられている。操作部52の取り付け位置や取り付け方については、これに限定されるものではない。
操作部52において、単一の操作部材52Aは、操作終了位置を複数有していてもよい。例えば、操作部材52Aは、ケーシング521の内部に配置された第1のスイッチおよび第2のスイッチを有し、第1の操作終了位置で第1のスイッチをオンし、第1の操作終了位置よりもさらに押下された第2の操作終了位置で第2のスイッチをオンする。この場合、第1の操作終了位置または第2の操作終了位置の少なくとも一方の操作終了位置での操作方法に応じて第1〜第3の制御信号を出力し、第1の操作終了位置または第2の操作終了位置の他方での操作方法に応じて少なくとも第4の制御信号を出力する。
また、操作部52において、単一の操作部材52Aは、操作終了位置にて同時に複数の操作信号が出力できるようにしてもよい。例えば、操作部材52Aは、ケーシング521の内部に配置された第1のスイッチおよび第2のスイッチを有し、操作部材52Aは、操作終了位置で第1および第2のスイッチをオンし、第1のスイッチおよび第2のスイッチによって同時に2つの操作信号を出力する。
なお、操作部52は、単一の操作部材を押下することにより当該操作部材への押圧力を感知して複数の操作信号を出力するセンサを有していてもよい。また、図には明示しないが、操作部52は、単一の操作部材が、複数の操作方向に移動可能に構成され、各操作方向に応じたスイッチを有し、各スイッチをオンして複数の操作信号を出力するようにしてもよい。
表示部54は、図2および図3に示すように、ランプであるLED54A,54Bを有する。本実施形態では、表示部54は、2つのLED54A,54Bを有する。LED54A,54Bは、本実施形態では操作部52と共にケーシング521に設けられ、操作部材52Aと並んで配置されている。LED54A,54Bは、多色LEDで構成され、例えばLED54Aは3色LEDからなり、LED54Bは2色LEDからなる。表示部54は、制御回路を含む。表示部54は、ケーシング521に接続されたケーブル522を介して制御回路に作動信号が入力されてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色が制御される。なお、表示部54は、操作部52と共にケーシング521に設けられずに、操作部52とは別体で設けられていてもよく、その場合の取り付け位置も操作部52と同じ位置でなくてもよい。なお、表示部54は、ランプであるLED54A,54Bに限らず、液晶ディスプレイ、および有機ELディスプレイの少なくとも一つを含む構造であってもよく、これらによって表示を行うようにしてもよい。
制御装置ユニット50は、図2に示すように、通信部50Aと、記憶部50Bと、制御部50Cとを有する。制御装置ユニット50は、ドライブユニットである補助装置30に設けられることが好ましいが、操作部52および表示部54と一体にケーシング521設けられていてもよく、操作部52および表示部54と別体に、フレーム12や、補助装置30以外のコンポーネントに設けられていてもよい。
通信部50Aは、制御装置ユニット50と他の装置との間で通信を行う機構である。他の装置は、操作部52および表示部54を含む各コンポーネントである。通信部50Aは、有線通信によって他の装置と通信してもよいし、無線通信によって他の装置と通信してもよい。従って、本実施形態の制御装置において、制御装置ユニット50は、制御部50Cが通信部50Aによって少なくとも一つのコンポーネントと無線または有線で電気的に接続された接続状態とされている。
記憶部50Bは、制御部50Cの演算内容やプログラムの情報などの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部50Bは、判断部50Cbが出力する各制御信号に対し、各コンポーネントおよびその動作が関連付けて記憶されている。各コンポーネントは、本実施形態では、例えば補助装置30や、ライト32や、変速機34や、バッテリ36や、鍵ユニット38である。
制御部50Cは、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部50Cは、動作情報検出部50Caと、判断部50Cbと、作動制御部50Ccと、を有する。動作情報検出部50Caと、判断部50Cbと、作動制御部50Ccとは、記憶部50Bに記憶されたソフトウェアまたはプログラム読み出すことで、後述する処理を実行する。このように、動作情報検出部50Caと、判断部50Cbと、作動制御部50Ccとは、1つのハードウェア、すなわち制御部50Cによって実現される。ただし、動作情報検出部50Caと、判断部50Cbと、作動制御部50Ccとは、互いに異なるハードウェアによって実現されてもよい。
制御部50Cの動作情報検出部50Caは、人力駆動車10に搭載される部品であるコンポーネントの動作情報を検出する。動作情報とは、人力駆動車10に搭載される部品の動作状況を示す情報であり、部品がどのような動作を行っているか、または部品にどのような動作が入力されているかを示す情報である。
本実施形態において、動作情報は、コンポーネントがホイール20の場合、例えば、ホイール20の回転速度を検出するセンサからの信号に基づき検出され、人力駆動車10の動作状態が停止状態か、または、走行状態かを検出する。人力駆動車10の動作情報は、ホイール20に限らず、例えば、コンポーネントのうちのクランクアセンブリ24の回転などの情報や、GPSを利用して検出される情報であってもよい。動作情報検出部50Caは、後述する変速機34のアジャストモード切替可否、ライト32の点灯または消灯の切替制限、鍵ユニット38の解施錠の制限の切替可否の判断の為に、人力駆動車10の動作状態を検知する。
動作情報は、コンポーネントが補助装置30の場合、モータ30Aの動作において、アシスト出力比率を複数のアシストモードに分け、例えば、搭乗者が人力駆動車10に乗車している乗車状態においてエコモード、ノーマルモード、ハイモード、オフモードがあり、搭乗者が人力駆動車10から降車して人力駆動車10を押し歩きしている押し歩き状態においてウォークモードがある。エコモードは、ノーマルモードよりもアシスト出力比率が低いモードである。ノーマルモードは、規定態様のアシスト出力比率のモードである。ハイモードは、ノーマルモードよりもアシスト出力比率が高いモードである。オフモードは、モータ30Aを駆動しないアシスト出力比率がゼロのモードである。ウォークモードは、所定の歩行速度範囲においてモータ30Aを駆動可能でアシスト出力比率が最も低いモードである。
動作情報は、コンポーネントがライト32の場合、制御回路32Aの動作において、ライト32の点灯または消灯や、点滅や、2以上の異なる明るさを切り替え可能な点灯状態である。
動作情報は、コンポーネントが変速機34の場合、アクチュエータ34Aの動作において、通常の走行にフロントディレイラ34aやリアディレイラ34bが機能する通常モードと、アジャストを行うためのアジャストモードとがある。また、動作情報は、コンポーネントのうちの変速機34の場合、通常の走行にフロントディレイラ34aやリアディレイラ34bが機能する通常モードと、アクチュエータ34Aにおいて、リアディレイラ34bにおけるプロテクションが機能しているプロテクションモードと、プロテクションをリセットするためのプロテクションリセットモードがある。
動作情報は、コンポーネントがバッテリ36の場合、制御回路36Aの動作において、制御装置を含む各コンポーネントへの電力供給量を規定態様よりも少なくするエコモードと、制御装置を含む各コンポーネントへの電力供給量を規定態様とするノーマルモーと、制御装置を含む各コンポーネントへの電力供給量を規定態様よりも多くするハイモードと、がある。
動作情報は、コンポーネントが鍵ユニット38の場合、アクチュエータ38Aの動作において、施錠モードと、解錠モードとがある。
制御部50Cの判断部50Cbは、操作部52において単一の操作部材52Aが操作されている操作状態を判断する。本実施形態では、操作部52の操作部材52Aが、押下されて操作終了位置に滞在しているか、または操作開始位置に復帰しているかの判断と、操作部材52Aが操作開始位置から押下された操作終了位置に到達した後の操作終了位置において滞在している滞在中時間と、操作終了位置に滞在中の操作部材52Aが操作終了位置からリリースされて操作開始位置に到達した際の操作終了位置での滞在時間と、操作部材52Aが所定時間内で断続的に押下されて操作開始位置から操作終了位置への到達回数または押下回数と、を判断する。判断部50Cbは、これらの操作部52の操作部材52Aが操作されている操作状態を判断し、作動制御部50Ccが当該判断に応じた異なる第1〜第3の制御信号を選択的に出力する。即ち、判断部50Cbは、操作部52の操作部材52Aが操作されている操作状態を判断し、当該判断に応じて、作動制御部50Ccが第1の制御信号、第1の制御信号とは異なる第2の制御信号、および、第1の制御信号と第2の制御信号とは異なる第3の制御信号を出力する。第1〜第3の制御信号は、少なくとも第1〜第3の制御信号であることを意味し、3以上の制御信号を含む。
判断部50Cbは、滞在中時間に応じ、当該滞在中時間を所定時間の範囲毎に区切ることで各範囲を判断する。制御部50Cは、第1滞在中時間と、第1滞在中時間とは異なる第2滞在中時間と、第1および第2滞在中時間とは異なる第3滞在中時間に応じて、作動制御部50Ccから第1〜第3信号を出力することができる。
判断部50Cbは、滞在時間に応じ、当該滞在時間を所定時間の範囲毎に区切ることで各範囲を判断する。制御部50Cは、第1滞在時間と、第1滞在時間とは異なる第2滞在時間と、第1および第2滞在時間とは異なる第3滞在時間に応じて、作動制御部50Ccから第1〜第3信号を出力することができる。
判断部50Cbは、到達回数応じ、当該到達回数の違いを判断する。制御部50Cは、第1到達回数と、第1到達回数とは異なる第2到達回数と、第1および第2到達回数とは異なる第3到達回数に応じて、作動制御部50Ccから第1〜第3信号を出力することができる。
また、判断部50Cbは、滞在時間と到達回数を混在して判断し、当該判断に応じて作動制御部50Ccが第1〜第3の制御信号を出力できる。例えば判断部50Cbが滞在時間を所定時間の範囲毎に区切ることで各範囲を判断し、作動制御部50Ccが第1および第2の制御信号を出力し、さらに判断部50Cbが到達回数を判断し、作動制御部50Ccが第3の制御信号を出力する。
なお、上述したように、操作部52において、単一の操作部材52Aが第1の操作終了位置および第2の操作終了位置のように操作終了位置を複数有している場合、判断部50Cbは、各操作終了位置における各滞在時間や到達回数を判断し、当該判断に応じて作動制御部50Ccが第1〜第3の制御信号を出力できる。
また、上述したように、操作部52において、単一の操作部材52Aが操作終了位置にて同時に複数の操作信号が出力できるように構成された場合、判断部50Cbは、複数の操作信号を判断し、当該判断に応じて作動制御部50Ccが第1〜第3の制御信号を出力できる。
なお、単一の操作部材と、操作部材への押圧力を感知するセンサと、を含む構成の場合、判断部50Cbは、操作部材の複数の押圧力を判断し、当該判断に応じて作動制御部50Ccが第1の制御信号、第1の制御信号とは異なる第2の制御信号、および、第1の制御信号と第2の制御信号とは異なる第3の制御信号を選択的に出力する。押圧力は、例えば、第1押圧力と、第1押圧力とは異なる第2押圧力と、第1および第2押圧力とは異なる第3押圧力である。また、複数の操作方向に移動可能な操作部材を含む場合、判断部50Cbは、複数の操作方向から選択される操作部材の操作方向、複数の操作方向から選択される操作部材の操作方向における操作部材の操作回数、複数の操作方向から選択される前記操作部材の操作方向における前記操作部材の滞在時間を判断し、当該判断の少なくとも一つに応じて作動制御部50Ccが第1の制御信号、第1の制御信号とは異なる第2の制御信号、および、第1の制御信号と第2の制御信号とは異なる第3の制御信号を選択的に出力する。
制御部50Cの作動制御部50Ccは、判断部50Cbで判断する動作情報に応じて第1〜第3の各制御信号を出力する。従って、作動制御部50Ccは、例えば補助装置30や、ライト32や、変速機34や、バッテリ36や、鍵ユニット38などのコンポーネントを作動させるための各制御信号を出力する。そして、作動制御部50Ccは、表示部54の表示状態を、各制御信号に該当するコンポーネントに対応する表示状態に変更する。第1〜第3の各制御信号は、コンポーネントを作動可能にするための通知コマンドを含んでいてもよい。第1〜第3の各制御信号は、コンポーネントを作動可能にするための通知コマンドと、表示部の表示状態を変更するためのコマンドを含んでいてもよい。該当するコンポーネントは、制御部50の作動制御部50Ccから出力される第1〜第3のいずれかの制御信号に応じて作動する。なお、各コンポーネントに対応する表示状態の変更は、表示部54においてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色の組み合わせによって行われる。
制御信号を受信して作動可能になったコンポーネントは、再度、操作部材52Aへの入力に基づく判断部50Cbの判断に応じて作動制御部50Ccから出力される制御信号に基づいて作動する。制御信号を受信して作動可能になったコンポーネントは、操作部材52Aの操作なくして自動的に作動する場合もある。すなわち、制御部50Cの作動制御部50Ccは操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下された後に操作開始位置に戻された場合の滞在時間に応じて制御信号を出力する。
操作部材52Aへの入力に基づく判断部50Cbの判断に応じて、作動制御部50Ccが第1〜第3の少なくとも1つの制御信号を出力する。判断部50Cbは、例えば、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が2000ms未満の場合の操作対象が補助装置30、2000ms以上5000ms未満の場合の操作対象がライト32、5000ms以上8000ms未満の場合の操作対象が変速機34のアジャスト機能、8000ms以上11000ms未満の場合の操作対象が変速機34のプロテクターリセット、を操作対象として判断し、滞在中時間が11000ms以上の場合は滞在中時間が0ms以上2000ms未満の場合と同じと判断し、以降、滞在中時間に応じた操作対象部の判断を繰り返すことが可能である。作動制御部50Ccは、操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に戻された際、上記滞在中時間に一致する滞在時間が確定され、判断部50Cbは、この操作部材52Aへ入力された滞在時間に基づく操作対象を判断する。作動制御部50Ccは、判断部50Cbの判断に応じた制御信号を該当する操作対象であるコンポーネントに出力し、当該操作対象が作動可能になる。
操作対象のコンポーネントが補助装置30の場合、アシストモードの切り替えが可能であり、操作部材52Aの操作に基づいてエコモード、ノーマルモード、ハイモード、オフモード、ウォークモードの順に切り替わる。例えば、操作部材52Aの操作終了位置から操作開始位置に戻された滞在時間が2000ms未満の場合は、補助装置30のモードをエコモードに切り替えるコマンドを出力し、滞在時間が8000ms以上10000ms未満の場合は、ノーマルモードに切り替えるコマンドを出力するなどといったように、予め定めた時間以上操作部材52Aが操作終了位置に滞在する場合、判断部50Cbは、制御対象部の判断を予め定めた時間と予め定めた時間の超過回数を乗算することで、制御対象部の判断を行う。この場合、上述のように超過回数に応じて制御対象部に出力する制御対象部のモードに関するコマンドが変更してもよい。判断部50Cbは、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下され、操作終了位置での滞在時間が2000ms以下で操作開始位置に戻される入力操作が繰り返される場合に、アシストモードを切り替える入力であると判断し、エコモード、ノーマルモード、ハイモード、オフモード、ウォークモードが順次選択されるように作動制御部50Ccから制御信号を出力する。補助装置30は、作動コマンドを受信して当該モードに切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、補助装置30の作動したモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。なお、補助装置30の各モードに対応する表示は、表示部54においてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色の組み合わせによって行われる。
操作対象のコンポーネントがライト32の場合、ライト32の点灯や、消灯や、点滅や、点灯状態の切り替えが可能であり、操作部材52Aの操作に基づいて点灯や、消灯や、点滅や、点灯状態の順に切り替わる。例えば、操作部材52Aの操作終了位置から操作開始位置に戻された滞在時間が2000ms未満の場合は、ライト32を点灯に切り替えるコマンドを出力し、滞在時間が8000ms以上10000ms未満の場合は、消灯に切り替えるコマンドを出力するなどといったように、予め定めた時間以上操作部材52Aが操作終了位置に滞在する場合、判断部50Cbは、制御対象部の判断を予め定めた時間と予め定めた時間の超過回数を乗算することで、制御対象部の判断を行う。この場合、上述のように超過回数に応じて制御対象部に出力する制御対象部に関するコマンドが変更してもよい。判断部50Cbは、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下され、操作終了位置での滞在時間が2000ms以下で操作開始位置に戻される入力操作が繰り返される場合に、ライト32を切り替える入力であると判断し、点灯、消灯、点滅、点灯状態が順次選択されるように作動制御部50Ccから制御信号を出力する。ライト32は、作動コマンドを受信して当該状態に切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、作動したライト32の状態に対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。なお、ライト32の各状態に対応する表示は、表示部54においてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色の組み合わせによって行われる。
または、コンポーネントがライト32の場合、ライト32の点灯または消灯の切り替えが可能になる。この場合、ライト32は、通知コマンドを受信した時点、例えば操作部材52Aを操作終了位置から操作開始位置に戻した時点で現在の状態から自動的に切り替わるように作動する。例えば、現時点が消灯であれば点灯に自動的に切り替わり、現時点が点灯であれば消灯に自動的に切り替わる。そして、作動制御部50Ccは、ライト32の状態に対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。
操作対象のコンポーネントが変速機34の場合、アジャスト機能の切り替えが可能であり、操作部材52Aの操作に基づいて通常モードまたはアジャストモードに切り替わる。例えば、操作部材52Aの操作終了位置から操作開始位置に戻された滞在時間が2000ms未満の場合は、変速機34のモードを通常モードに切り替えるコマンドを出力し、滞在時間が8000ms以上10000ms未満の場合は、アジャストモードに切り替えるコマンドを出力するなどといったように、予め定めた時間以上操作部材52Aが操作終了位置に滞在する場合、判断部50Cbは、制御対象部の判断を予め定めた時間と予め定めた時間の超過回数を乗算することで、制御対象部の判断を行う。この場合、上述のように超過回数に応じて制御対象部に出力する制御対象部のモードに関するコマンドが変更してもよい。判断部50Cbは、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下され、操作終了位置での滞在時間が2000ms以下で操作開始位置に戻される入力操作が繰り返される場合に、アジャスト機能を切り替える入力であると判断し、通常モード、アジャストモードが順次選択されるように作動制御部50Ccから制御信号を出力する。変速機34は、作動コマンドを受信して当該モードに切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、変速機34の作動したモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。なお、変速機34の各モードに対応する表示は、表示部54においてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色の組み合わせによって行われる。
アジャストモードに切り替えられた場合、変速機34は、操作部材52Aの操作および、当該操作による作動制御部50Ccからの作動コマンドに従ってアジャストが行われる。例えば、操作部材52Aを操作開始位置から操作終了位置にしたままとすることで、フロントディレイラ34aまたはリアディレイラ34bのチェーン係合部が、各フロントスプロケットまたは各リアスプロケットに対する位置の遠近が連続して移動して変わり、適した位置で操作部材52Aを操作開始位置に戻すことでチェーン係合部の位置の移動が止まり調整される。アジャストの完了は、例えば、操作開始位置に戻す操作の後に所定時間経過した場合に確定し、作動制御部50Ccは、変速機34を通常モードに戻す。または、アジャストモードに切り替えられた変速機34は、別の操作部もしくはシフターを用いてアジャストが行われてもよい。アジャストの完了は、例えば、別の操作部もしくはシフターからの完了コマンドを作動制御部50Ccが受信し、作動制御部50Ccは、完了コマンドの受信によって変速機34を通常モードに戻す。
または、コンポーネントが変速機34の場合、通常モードまたはアジャストモードの切り替えが可能になる。この場合、変速機34は、通知コマンドを受信した時点、例えば操作部材52Aを操作終了位置から操作開始位置に戻した時点で現在のモードから自動的に切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、変速機34の作動したモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。アジャストモードに切り替えられた変速機34におけるアジャストについては上記と同様である。
また、操作対象のコンポーネントが変速機34であって、外的衝撃による破損を防ぐためのプロテクション機能を有している場合に、プロテクションモードが有効になっている場合には、プロテクションモードからプロテクションリセットモードにプロテクション機能の切り替えが可能であり、操作部材52Aの操作に基づいてプロテクションモードからプロテクションリセットモードに切り替わる。例えば、操作部材52Aの操作終了位置から操作開始位置に戻された滞在時間が2000ms未満の場合は、変速機34のモードをプロテクションモードのままのコマンドを出力し、滞在時間が8000ms以上10000ms未満の場合は、プロテクションリセットモードに切り替えるコマンドを出力するなどといったように、予め定めた時間以上操作部材52Aが操作終了位置に滞在する場合、判断部50Cbは、制御対象部の判断を予め定めた時間と予め定めた時間の超過回数を乗算することで、制御対象部の判断を行う。この場合、上述のように超過回数に応じて制御対象部に出力する制御対象部のモードに関するコマンドが変更してもよい。判断部50Cbは、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下され、操作終了位置での滞在時間が2000ms以下で操作開始位置に戻される入力操作が繰り返される場合に、プロテクション機能を切り替える入力であると判断し、プロテクションリセットモードが順次選択されるように作動制御部50Ccから制御信号を出力する。変速機34は、作動コマンドを受信してプロテクションリセットモードに切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、プロテクションリセットモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。なお、変速機34の各モードに対応する表示は、表示部54においてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色の組み合わせによって行われる。
プロテクションリセットモードに切り替えられた変速機34は、操作部材52Aの操作によってプロテクションリセットの操作が行われる。例えば、操作部材52Aを操作開始位置から操作終了位置にしたままとすることで、リアディレイラ34bがプロテクション機能から復旧される。プロテクションリセットの完了は、例えば、動作情報検出部50Caによる動作情報によって得ることができ、作動制御部50Ccは、変速機34を通常モードに戻す。
または、コンポーネントが変速機34の場合、プロテクションモードからプロテクションリセットモードに切り替えが可能になる。この場合、変速機34は、通知コマンドを受信した時点、例えば操作部材52Aを操作終了位置から操作開始位置に戻した時点でプロテクションモードからプロテクションリセットモードに自動的に切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、プロテクションリセットモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。プロテクションリセットモードに切り替えられた変速機34は、そのままプロテクションリセットの操作が行われる。即ち、リアディレイラ34bがプロテクション機能から復旧される。プロテクションリセットの完了は、例えば、動作情報検出部50Caによる動作情報によって得ることができ、作動制御部50Ccは、変速機34を通常モードに戻す。
操作対象のコンポーネントがバッテリ36の場合、エコモード、ノーマルモード、ハイモードの切り替えが可能であり、操作部材52Aの操作に基づいてエコモード、ノーマルモード、ハイモードの順に切り替わる。例えば、操作部材52Aの操作終了位置から操作開始位置に戻された滞在時間が2000ms未満の場合は、バッテリ36のモードをエコモードに切り替えるコマンドを出力し、滞在時間が8000ms以上10000ms未満の場合は、ノーマルモードに切り替えるコマンドを出力するなどといったように、予め定めた時間以上操作部材52Aが操作終了位置に滞在する場合、判断部50Cbは、制御対象部の判断を予め定めた時間と予め定めた時間の超過回数を乗算することで、制御対象部の判断を行う。この場合、上述のように超過回数に応じて制御対象部に出力する制御対象部のモードに関するコマンドが変更してもよい。判断部50Cbは、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下され、操作終了位置での滞在時間が2000ms以下で操作開始位置に戻される入力操作が繰り返される場合に、バッテリ36を切り替える入力であると判断し、エコモード、ノーマルモード、ハイモードが順次選択されるように作動制御部50Ccから制御信号を出力する。バッテリ36は、作動コマンドを受信して当該モードに切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、バッテリ36の作動したモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。なお、バッテリ36の各モードに対応する表示は、表示部54においてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色の組み合わせによって行われる。
または、コンポーネントがバッテリ36の場合、エコモード、ノーマルモード、ハイモードの切り替えが可能になる。この場合、バッテリ36は、通知コマンドを受信した時点、例えば操作部材52Aを操作終了位置から操作開始位置に戻した時点で現在の状態から自動的に切り替わるように作動する。例えば、現時点がエコモードであればノーマルモードに自動的に切り替わり、現時点がノーマルモードであればハイモードに自動的に切り替わり、現時点がハイモードであればエコモードに自動的に切り替わる。そして、作動制御部50Ccは、バッテリ36の作動したモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。
なお、バッテリ36は、電力の残量が20%以下の場合に強制的にエコモードに切り替わる。このエコモードへの切り替わりは、動作情報として動作情報検出部50Caによって検出され、この検出を受けて作動制御部50Ccは、バッテリ36のエコモードに対応して表示部54に表示させる。
操作対象のコンポーネントが鍵ユニット38の場合、施錠モードまたは解錠モードの切り替えが可能であり、操作部材52Aの操作に基づいて施錠モード、解錠モードの順に切り替わる。例えば、操作部材52Aの操作終了位置から操作開始位置に戻された滞在時間が2000ms未満の場合は、鍵ユニット38を施錠モードに切り替えるコマンドを出力し、滞在時間が8000ms以上10000ms未満の場合は、解錠モードに切り替えるコマンドを出力するなどといったように、予め定めた時間以上操作部材52Aが操作終了位置に滞在する場合、判断部50Cbは、制御対象部の判断を予め定めた時間と予め定めた時間の超過回数を乗算することで、制御対象部の判断を行う。この場合、上述のように超過回数に応じて制御対象部に出力する制御対象部のモードに関するコマンドが変更してもよい。判断部50Cbは、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下され、操作終了位置での滞在時間が2000ms以下で操作開始位置に戻される入力操作が繰り返される場合に、鍵ユニット38を切り替える入力であると判断し、施錠モード、解錠モードが順次選択されるように作動制御部50Ccから制御信号を出力する。鍵ユニット38は、作動コマンドを受信して当該モードに切り替わるように作動する。そして、作動制御部50Ccは、鍵ユニット38の作動したモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。なお、鍵ユニット38の各モードに対応する表示は、表示部54においてLED54A,54Bの点灯、消灯、点滅、点滅間隔、発色の組み合わせによって行われる。
または、コンポーネントが鍵ユニット38の場合、施錠モードまたは解錠モードの切り替えが可能になる。この場合、鍵ユニット38は、通知コマンドを受信した時点、例えば操作部材52Aを操作終了位置から操作開始位置に戻した時点で現在の状態から自動的に切り替わるように作動し確定される。例えば、現時点が施錠モードであれば解錠モードに自動的に切り替わり、現時点が解錠モードであれば施錠モードに自動的に切り替わる。そして、作動制御部50Ccは、鍵ユニット38の作動したモードに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。
即ち、本実施形態の制御装置では、制御部50Cの作動制御部50Ccは、判断部50Cbの判断に応じて作動制御部50Ccから出力された第1の制御信号、第2の制御信号、第3の制御信号の少なくとも一つによって、人力駆動車10の推進をアシストする補助装置30のモータ30A、バッテリ36、人力駆動車10のクランクアセンブリ24の回転と人力駆動車10のホイール20の回転の比率を変更するための変速機34、人力駆動車10に取り付けられるライト32、および人力駆動車10に取り付けられる鍵ユニット38のうち少なくとも1つを制御する。
本実施形態の制御装置では、制御部50Cの判断部50Cbの判断に応じて作動制御部50Ccが第1の制御信号、第2の制御信号、第3の制御信号を選択的に出力した後、制御部50Cの作動制御部50Ccは、人力駆動車10に取り付けられるクランクアセンブリ24の回転と人力駆動車10に取り付けられるホイール20の回転の比率を変更するための人力駆動車10に取り付けられる変速機34のアジャスト、変速機34のプロテクション機能の切替、人力駆動車10に取り付けられるライト32の点灯、点滅、または消灯状態の切替、人力駆動車10の推進をアシストする補助装置30のモータ30Aの出力、または人力駆動車10に入力される人力駆動力に対するモータ30Aによるアシスト出力比率の変更、人力駆動車10に取り付けられるバッテリ36の出力の変更、および人力駆動車10の鍵ユニット38の施錠状態の変更、のうち少なくとも1つの変更するためのモードを選択する。
以下、上述した制御装置における動作の一例について説明する。図4は、本実施形態に係る制御装置の動作の一例を示す図表である。図5は、本実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係る制御装置の動作の一例を示す図表である。図7は、本実施形態に係る制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。図4および図5は、人力駆動車10の動作状態が停止中である場合の制御装置の動作の一例を示し、図6および図7は、人力駆動車10の動作状態が走行中である場合の制御装置の動作の一例を示す。
人力駆動車10の動作状態は、動作情報検出部50Caによって検出される。従って、動作情報検出部50Caによって人力駆動車10の動作状態が停止中であることが検出された場合、制御装置は、停止中の制御ができる。
人力駆動車10の動作状態が停止中の場合において、図4に示すように、操作部材52Aの操作の判断条件は、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下されて操作終了位置に滞在している状態「リリース→押下」であって、操作開始位置から押下された操作終了位置に到達した後の操作終了位置において滞在している滞在中時間Tである。そして、この滞在中時間Tを所定時間の範囲毎に区切ることで各範囲に対応する所定のタイミングを制御部50Cの判断部50Cbが判断する。滞在中時間Tの所定時間の範囲は、例えばT<2000ms、2000ms≦T<5000ms、5000ms≦T<8000ms、8000ms≦T<11000ms、11000ms≦Tである。制御部50Cの作動制御部50Ccは、判断部50Cbの判断に応じて各制御信号を出力し、制御信号に該当するコンポーネントに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。図4では、T<2000msの滞在中時間は、補助装置30のアシストモードの切り替えができることを表示し、2000ms≦T<5000msの滞在中時間は、ライト32の切り替えができることを表示し、5000ms≦T<8000msの滞在中時間は、変速機34のリアディレイラ34bのアジャストモードへの切り替えができることを表示し、8000ms≦T<11000msの滞在中時間は、変速機34のリアディレイラ34bのプロテクションリセットモードの切り替えができることを表示し、11000ms≦Tの滞在中時間は、通常表示である補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量を表示する。
また、図4に示すように、操作部材52Aの操作の判断条件は、操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した状態「押下→リリース」であって、上述した滞在中時間T内のタイミングで操作終了位置から操作開始位置に復帰した滞在時間Tを示している。従って、操作開始位置復帰時のタイミングである滞在期間Tを制御部50Cの判断部50Cbが判断する。制御部50Cの作動制御部50Ccは、判断部50Cbの判断に応じて各制御信号を出力し、制御信号に該当するコンポーネントに通知コマンドを送信する。図4では、T<2000msの操作開始位置復帰時は、補助装置30に通知コマンドを送信し、アシストモードを切り替える。2000ms≦T<5000msの操作開始位置復帰時は、ライト32に通知コマンドを送信しライト32を切り替える。5000ms≦T<8000msの操作開始位置復帰時は、変速機34のリアディレイラ34bに通知コマンドを送信し、アジャストモードに切り替え、アジャストを実施する。8000ms≦T<11000msの操作開始位置復帰時は、変速機34のリアディレイラ34bに通知コマンドを送信し、プロテクションリセットモードに切り替え、プロテクションリセットを実施する。
具体的に、図5に示すように、ステップS1で人力駆動車10の停止中の場合、ステップS2において操作部材52Aの操作状況を判定する。ステップS2において、操作部材52Aが押下されている状態、すなわち、操作部材52Aが操作終了位置に滞在している場合には、ステップS3において、制御部50Cが操作部材52Aの操作終了位置での滞在時間を演算し、ステップS4に進む。なお、ステップS1において、人力駆動車10が停止中でなく走行中の場合は、図7のステップS100に進み走行中の制御を行う。また、ステップS2において、操作部材52Aが押下操作されていない場合は、押下操作を待つ。
ステップS4において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms未満の場合には、ステップS5に進む。ステップS4において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms以上の場合には、ステップS10に進む。ステップS5において、滞在中時間が2000ms未満との判断部50Cbの判断に応じて、作動制御部50Ccが制御信号を出力し、アシストモードの切り替えができることを表示部54に表示させ、ステップS6に進む。ステップS6において、2000ms未満の滞在中時間内で操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した場合には、ステップS7に進む。ステップS6において、操作部材52Aが操作終了位置に滞在したままの場合であって、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms以上の場合には、ステップS10に進む。ステップS7において、作動制御部50Ccが補助装置30に制御信号を出力して通知コマンドを送信する。この通知コマンドの送信によって、ステップS8において補助装置30にてアシストモードの切り替えが可能になる。そして、アシストモードの切り替えが完了すると、ステップS9において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、本制御を終了する。
ステップS10において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms以上5000ms未満の場合には、ステップS11に進む。ステップS10において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、5000ms以上の場合には、ステップS15に進む。ステップS11において、滞在中時間が2000ms以上5000ms未満との判断部50Cbの判断に応じて、作動制御部50Ccが制御信号を出力し、ライト32の切り替えができることを表示部54に表示させ、ステップS12に進む。ステップS12において、2000ms以上5000ms未満の滞在中時間内で操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した場合には、ステップS13に進む。ステップS12において、操作部材52Aが操作終了位置に滞在したままの場合であって、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、5000ms以上の場合には、ステップS15に進む。ステップS13において、作動制御部50Ccがライト32に制御信号を出力して通知コマンドを送信する。この通知コマンドの送信によって、ステップS14においてライト32の切り替えが可能になる。そして、ライト32の切り替えが完了すると、ステップS9において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、本制御を終了する。
ステップS15において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、5000ms以上8000ms未満の場合には、ステップS16に進む。ステップS15において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、8000ms以上の場合には、ステップS20に進む。ステップS16において、滞在中時間が5000ms以上8000ms未満との判断部50Cbの判断に応じて、作動制御部50Ccが制御信号を出力し、変速機34のリアディレイラ34bのアジャストモードへの切り替えができることを表示部54に表示させ、ステップS17に進む。ステップS17において、5000ms以上8000ms未満の滞在中時間内で操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した場合には、ステップS18に進む。ステップS17において、操作部材52Aが操作終了位置に滞在したままの場合であって、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、8000ms以上の場合には、ステップS20に進む。ステップS18において、作動制御部50Ccが変速機34のリアディレイラ34bに制御信号を出力して通知コマンドを送信する。この通知コマンドの送信によって、ステップS19においてアジャストモードへの切り替えが可能になる。そして、アジャストモードにおいてアジャストが完了すると、ステップS9において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、本制御を終了する。
ステップS20において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、8000ms以上11000ms未満の場合には、ステップS21に進む。ステップS20において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、11000ms以上の場合には、ステップS25に進む。ステップS21において、滞在中時間が8000ms以上11000ms未満との判断部50Cbの判断に応じて、作動制御部50Ccが制御信号を出力し、変速機34のリアディレイラ34bのプロテクションリセットモードへの切り替えができることを表示部54に表示させ、ステップS22に進む。ステップS22において、8000ms以上11000ms未満の滞在中時間内で操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した場合には、ステップS23に進む。ステップS22において、操作部材52Aが操作終了位置に滞在したままの場合であって、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、11000ms以上の場合には、ステップS25に進む。ステップS23において、作動制御部50Ccが変速機34のリアディレイラ34bに制御信号を出力して通知コマンドを送信する。この通知コマンドの送信によって、ステップS24においてプロテクションリセットモードへの切り替えが可能になる。そして、プロテクションリセットモードにおいてプロテクションリセットが完了すると、ステップS9において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、本制御を終了する。
ステップ25において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、ステップS26に進む。ステップS26において、滞在時間の演算をリセットし、ステップS3に戻って新たに滞在時間の演算が開始される。
一方、人力駆動車10の動作状態は、動作情報検出部50Caによって検出される。従って、動作情報検出部50Caによって人力駆動車10の動作状態が走行中であることが検出された場合、制御装置は、走行中の制御ができる。
人力駆動車10の動作状態が走行中の場合において、図6に示すように、操作部材52Aの操作の判断条件は、操作部材52Aが操作開始位置から操作終了位置に押下されて操作終了位置に滞在している状態「リリース→押下」であって、操作開始位置から押下された操作終了位置に到達した後の操作終了位置において滞在している滞在中時間Tである。そして、この滞在中時間Tを所定時間の範囲毎に区切ることで各範囲に対応する所定のタイミングを制御部50Cの判断部50Cbが判断する。滞在中時間Tの所定時間の範囲は、例えばT<2000ms、2000ms≦T<5000ms、5000ms≦Tである。制御部50Cの作動制御部50Ccは、判断部50Cbの判断に応じて各制御信号を出力し、制御信号に該当するコンポーネントに対応する表示を表示部54によって表示させて報知する。図6では、T<2000msの滞在中時間は、補助装置30のアシストモードの切り替えができることを表示し、2000ms≦T<5000msの滞在中時間は、ライト32の切り替えができることを表示し、5000ms≦Tの滞在中時間は、通常表示である補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量を表示する。
また、図6に示すように、操作部材52Aの操作の判断条件は、操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した状態「押下→リリース」であっては、上述した滞在中時間T内のタイミングで操作終了位置から操作開始位置に復帰した滞在時間Tを示している。従って、操作開始位置復帰時のタイミングである滞在期間Tを制御部50Cの判断部50Cbが判断する。制御部50Cの作動制御部50Ccは、判断部50Cbの判断に応じて各制御信号を出力し、制御信号に該当するコンポーネントに通知コマンドを送信する。図6では、T<2000msの操作開始位置復帰時は、補助装置30に通知コマンドを送信し、アシストモードを切り替える。2000ms≦T<5000msの操作開始位置復帰時は、ライト32に通知コマンドを送信しライト32を切り替える。
具体的に、図7に示すように、ステップS101で人力駆動車10の走行中の場合、ステップS102において操作部材52Aの操作状況を判定する。ステップS102において、操作部材52Aが押下されている状態、すなわち、操作部材52Aが操作終了位置に滞在している場合には、ステップS103において、制御部50Cが操作部材52Aの操作終了位置での滞在時間を演算し、ステップS104に進む。なお、ステップS101において、人力駆動車10が走行中でなく停止中の場合は、図5のステップS0に進み走行中の制御を行う。また、ステップS102において、操作部材52Aが押下操作されていない場合は、押下操作を待つ。
ステップS104において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms未満の場合には、ステップS105に進む。ステップS104において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms以上の場合には、ステップS110に進む。ステップS105において、滞在中時間が2000ms未満との判断部50Cbの判断に応じて、作動制御部50Ccが制御信号を出力し、アシストモードの切り替えができることを表示部54に表示させ、ステップS106に進む。ステップS106において、2000ms未満の滞在中時間内で操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した場合には、ステップS107に進む。ステップS106において、操作部材52Aが操作終了位置に滞在したままの場合であって、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms以上の場合には、ステップS110に進む。ステップS107において、作動制御部50Ccが補助装置30に制御信号を出力して通知コマンドを送信する。この通知コマンドの送信によって、ステップS108において補助装置30にてアシストモードの切り替えが可能になる。そして、アシストモードの切り替えが完了すると、ステップS109において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、本制御を終了する。
ステップS110において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、2000ms以上5000ms未満の場合には、ステップS111に進む。ステップS110において、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、5000ms以上の場合には、ステップS115に進む。ステップS111において、滞在中時間が2000ms以上5000ms未満との判断部50Cbの判断に応じて、作動制御部50Ccが制御信号を出力し、ライト32の切り替えができることを表示部54に表示させ、ステップS112に進む。ステップS112において、2000ms以上5000ms未満の滞在中時間内で操作部材52Aが操作終了位置から操作開始位置に復帰した場合には、ステップS113に進む。ステップS112において、操作部材52Aが操作終了位置に滞在したままの場合であって、操作部材52Aの操作終了位置での滞在中時間が、5000ms以上の場合には、ステップS115に進む。ステップS113において、作動制御部50Ccがライト32に制御信号を出力して通知コマンドを送信する。この通知コマンドの送信によって、ステップS114においてライト32の切り替えが可能になる。そして、ライト32の切り替えが完了すると、ステップS109において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、本制御を終了する。
ステップ115において、作動制御部50Ccが補助装置30のアシストモードおよびバッテリ36の残量の通常表示を表示部54に表示させ、ステップS116に進む。ステップS116において、滞在時間の演算をリセットし、ステップS103に戻って新たに滞在時間の演算が開始される。
従って、本実施形態の制御装置は、操作開始位置と操作終了位置との間を移動可能な単一の操作部材52Aと、操作部材52Aへの入力に応じて、第1の制御信号、第1の制御信号とは異なる第2の制御信号、および、第1の制御信号と第2の制御信号とは異なる第3の制御信号を出力する制御部50Cと、を含み、異なる第1〜第3の制御信号を出力する制御部50Cと、を含み、制御部50Cが少なくとも一つのコンポーネントと無線または有線で電気的に接続された接続状態において、制御部50Cは、操作部材52Aの操作開始位置から操作終了位置に到達した後の操作終了位置における操作部材52Aの滞在時間または滞在中時間、および、所定時間内における操作部材52Aの操作開始位置から操作終了位置への到達回数、の少なくとも一方に応じて第1〜第3の制御信号を選択的に出力できる。
また、制御部50Cは、第1の制御信号、第2の制御信号、第3の制御信号によって、複数のコンポーネントを制御できる。本実施形態では、例えば、補助装置30や、ライト32や、変速機34や、バッテリ36や、鍵ユニット38である。この場合、制御部50Cは、第1の制御信号によって第1の制御対象である第1のコンポーネントを制御し、第2の制御信号によって第2の制御対象である第2のコンポーネントを制御し、第3の制御信号によって第3の制御対象である第3のコンポーネントを制御し、かつ、複数のコンポーネントの接続状態に応じて、第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、および、第3のコンポーネントの少なくとも一つの作動を変更することができる。
また、制御部50Cは、第1の制御信号、第2の制御信号、第3の制御信号によって、上述した単一のコンポーネントの複数の動作を制御できる。本実施形態では、例えば、補助装置30のエコモード、ノーマルモード、ハイモード、オフモード、ウォークモードや、ライト32の点灯、消灯、点滅、点灯状態や、変速機34の通常モード、アジャストモードや、変速機34の通常モード、プロテクションリセットモードや、バッテリ36のエコモード、ノーマルモード、ハイモードや、鍵ユニット38の施錠モード、解錠モードである。
また、制御部50Cは、第1の制御信号によって人力駆動車10の第1のコンポーネントを制御し、第2の制御信号によって人力駆動車10の第2のコンポーネントを制御し、第3の制御信号によって人力駆動車の第3のコンポーネントを制御し、かつ、人力駆動車10の走行状態に応じて、第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、および、第3のコンポーネントの少なくとも一つの作動を変更できる。本実施形態では、人力駆動車10の停止中において、操作部材52Aの滞在時間に応じて、補助装置30や、ライト32や、変速機34や、バッテリ36や、鍵ユニット38を制御し、人力駆動車10の走行中において、補助装置30や、ライト32を制御している。
また、本実施形態の制御装置では、表示部54をさらに含んでいる。そして、制御部50Cは、操作部材52Aの操作開始位置から操作終了位置に到達した後の操作終了位置における操作部材52Aの滞在時間、および、所定時間内における操作部材52Aの操作開始位置から操作終了位置への到達回数、の少なくとも一方に応じて表示部54の表示状態を変更できる。この場合、制御部50Cは、第1の制御信号、第2の制御信号、第3の制御信号のうちの出力された制御信号に応じて表示部54の表示状態を変更できる。
また、本実施形態の制御装置では、制御部50Cは、第1の制御信号によって第1のコンポーネントを制御し、第2の制御信号によって第2のコンポーネントを制御し、第3の制御信号によって第3のコンポーネントを制御し、かつ、第1のコンポーネント、第2のコンポーネント、および、第3のコンポーネントの少なくとも一つの状態に応じて、表示部54の表示状態を変更できる。
また、本実施形態の人力駆動車10は、上述した人力駆動車用部品の制御装置を含むことができる。
図10は、本実施形態に係る操作部および表示部の断面図であり、図3の矢線A−A方向で切断した断面図である。
図10に示すように、上述した操作部52および表示部54が設けられるケーシング521は、ケーシング本体521Aと、カバー部521Bとで構成される。
ケーシング本体521Aは、図3で示したケーブル522が接続されるレセプター56が収容される。また、ケーシング本体521Aは、操作部52のスイッチ52Bや、表示部54のランプであるLED54A,54Bが表面に接続された制御基板57が収容される。このケーシング本体521Aは、制御基板57においてスイッチ52BやLED54A,54Bが配置される側が開放して構成され、当該開放部がカバー部521Bで閉塞される。
カバー部521Bは、透明樹脂層521Baと、エラストマー層521Bbとで構成される。透明樹脂層521Baは、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂などからなる透明樹脂で形成された板体であり、ケーシング521の表装を構成する。透明樹脂層521Baは、操作部材52Aを挿通する貫通孔521Bcが形成されている。エラストマー層521Bbは、有色樹脂で形成された枠体であり、透明樹脂層521Baの裏面と制御基板57の表面との間に介在されるようにケーシング本体521Aの内側に配置される。エラストマー層521Bbは、透明樹脂板521Baの貫通孔521Bcを透明樹脂板521Baの裏側から塞ぐように設けられ、操作部材52Aとスイッチ52Bとの間に配置される。エラストマー層521Bbは、LED54A,54Bが配置される部分に透過孔521Bdが形成されている。カバー部521Bは、透明樹脂層521Baとエラストマー層521Bbとが2色成型によって一体的に成型される。上述したように透明樹脂板521Baは透明樹脂で、エラストマー層521Bbは有色樹脂であって、透明な透明樹脂層521Ba側からレーザ光を透過し、このレーザ光を有色のエラストマー層521Bbで吸収することで、透明樹脂層521Baに面するエラストマー層521Bbにのみマーキングを施す。即ち、LED54A,54Bが配置される透過孔521Bd以外の部分のエラストマー層521Bbにマーキングを施す。このように、レーザマーキングによってカバー部材521Bを成型することで、表層の透明樹脂層521Baにダメージが少ないため、耐摩耗性、耐薬品性、美観性を向上できる。なお、透明樹脂層521Baは、ABS以外の層であってもよく、樹脂であってもよい。エラストマー層521Bbは、透明のエラストマーや樹脂に有色の添加剤を添付したものでもよい。
ここで、例えば、レーザの出力は3W以上5W以下、レーザの波長は1060nm、透明樹脂層521Baの1060nmレーザの吸収率は55%程度、透明樹脂層521Baの厚みは1mm、エラストマー層521Bbの厚みは0.55mmであることが好ましい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容によって実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更できる。