JP6947572B2 - 水素分離膜モジュール及びその製造方法 - Google Patents

水素分離膜モジュール及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素を含有する混合ガスから水素ガスを取り出すために用いられる水素分離膜モジュール及びその製造方法に関する。
下記特許文献1には、水素を含有する混合ガスから水素を取り出すため水素分離膜モジュールが記載されている。この水素分離膜モジュールは、筒状の多孔性の支持体と、その外側に配された筒状の水素分離用膜とを含む。水素分離用膜には、水素のみを選択的に通過させることができる薄膜材料(例えば、Pd等を主成分とする金属材料)が用いられる。支持体は、この薄膜材料を内側から保持し、その形状等を安定させる。
水素を含む混合ガスが、例えば、水素分離用膜の外表面側に供給されると、前記混合ガス中の水素のみが水素分離用膜を透過して筒状の支持体内部へ移動するので、該支持体内部から高純度の水素ガスを取り出すことができる。
特開2008−155118号公報
上述のようなモジュールを製造する場合、典型的には、先ず、シート状で準備された水素分離用膜材料を環状に巻回し、その両端部を重ねて接合することにより筒状の水素分離用膜が形成される。次に、筒状に形成された水素分離用膜の内部に支持体が挿入される。水素分離用膜を保護するために、前記挿入後、水素分離用膜と支持体との間の隙間は極力小さくすることが望まれている。
ところで、支持体は、製造誤差等による個体差により、外径が異なる場合がある。例えば、外径が相対的に大きい支持体は、筒状の水素分離用膜への挿入が困難になり、生産性の悪化を招く。逆に、外径が相対的に小さい支持体は、筒状の水素分離用膜への挿入は容易に行えるものの、水素分離用膜との間に大きな隙間が形成されるという問題があった。
上記モジュールを製造するための方法として、シート状の水素分離用膜材料を、支持体上に、直接巻き付け、該支持体上で、膜材料の両端部を重ねた状態で溶接することも考えられる。しかしながら、この方法は、膜材料の溶接作業に熟練した技術を要し、生産性が悪いという問題があった。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、生産性を損ねることなく、支持体と水素分離用膜との隙間を容易に小さくすることが可能な水素分離膜モジュール及びその製造方法を提供することを主たる目的としている。
第1の発明は、複数の孔を有する筒状の支持体と、前記支持体の外表面側に配されかつ混合ガスから水素ガスを選択的に透過させる水素分離膜層とを含む水素分離膜モジュールであって、前記水素分離膜層は、互いに反対側に位置する第1端部分及び第2端部分を有するシート状の水素分離膜要素が環状構造に成形されたものであり、前記環状構造が、前記支持体を囲む環状部と、前記第1端部分及び前記第2端部分が互いに重ねられかつ固着されている接合部とを含み、前記接合部は、前記第1端部分及び前記第2端部分の一方が前記環状部に対して折り返されるように前記環状部の上に重ねられている、水素分離膜モジュールである。
第1の発明の他の態様では、前記水素分離膜要素は、前記環状部と前記接合部との間に、前記水素分離膜要素同士が互いに固着されることなく接触する接触部を含むことができ、前記接触部で、前記第1端部分及び第2端部分の一方が折り返されても良い。
第2の発明は、複数の孔を有する筒状の支持体と、前記支持体の外表面側に配されかつ混合ガスから水素ガスを選択的に透過させる水素分離膜層とを含む水素分離膜モジュールを製造するための方法であって、互いに反対側に位置する第1端部分及び第2端部分を有するシート状の水素分離膜要素を、前記支持体を囲むための環状部と、前記第1端部分と前記第2端部分とが拝み合うように互いに向き合わせた接合部とを有する環状構造に成形する成形工程と、前記接合部で前記第1端部分と前記第2端部分とを固着する固着工程と、前記支持体の外側に前記水素分離膜要素の前記環状部を装着した状態で、前記接合部を、前記第1端部分及び前記第2端部分の一方が前記環状部に対して折り返されるように前記環状部の上に重ねて前記支持体と前記水素分離膜要素とを密着させる工程と、を含む方法である。
第2の発明の他の態様では、前記成形工程において、前記接合部は、前記環状部の放射方向に延びるように成形されても良い。
第2の発明の他の態様では、前記水素分離膜要素は、少なくとも前記第1端部分及び前記第2端部分に補強部が形成されても良い。
第2の発明の他の態様では、前記補強部には、溶接可能な金属シートが接合されていても良い。
第2の発明の他の態様では、前記固着工程は、前記補強部を溶接することにより行われても良い。
第2の発明の他の態様では、前記溶接がシーム溶接であっても良い。
第2の発明の他の態様では、前記成形工程は、前記支持体の外側に前記水素分離膜要素を巻き付けて前記環状構造に成形されても良いし、前記水素分離膜要素を前記支持体に巻き付けることなく行われても良い。
第2の発明の他の態様では、前記密着工程は、前記支持体に対する前記水素分離膜要素の前記環状部の弛みを前記接合部側に向けて寄せ集める工程と、これに続き、前記寄せ集められた水素分離膜要素の弛みを、前記接合部の根元側において互いに拝み合わせて接触させて接触部を構成する工程と、前記接触部を折り曲げて前記接合部を前記環状部の上に重ねる工程とを含むことができる。
本発明の水素分離膜モジュールでは、シート状の水素分離膜要素が環状構造に成形されたものであり、前記環状構造が、支持体を囲む環状部と、第1端部分及び第2端部分が互いに重ねられかつ固着されている接合部とを含むものであり、前記接合部は、前記第1端部分又は前記第2端部分の一方が前記環状部に対して折り返されるようにして前記環状部の上に重ねられているものである。そして、前記接合部が前記環状部の上に折り重ねられる際に、水素分離膜要素と支持体との間の隙間を減じるように調整することができる。したがって、本発明の水素分離膜モジュールは、前記水素分離膜層と前記支持体との間の隙間を容易に小さくすることができる。
本発明の方法は、互いに反対側に位置する第1端部分及び第2端部分を有するシート状の水素分離膜要素を、環状部と、前記第1端部分と前記第2端部分とが拝み合うように互いに向き合わせた接合部とを有する環状構造に成形する成形工程と、前記接合部で前記第1端部分と前記第2端部分とを固着する固着工程と、前記支持体の外側に前記水素分離膜要素の前記環状部を装着した状態で、前記接合部を、前記第1端部分及び前記第2端部分の一方が前記環状部に対して折り返されるように前記環状部の上に重ねて前記支持体と前記水素分離膜要素とを密着させる工程とを含む。したがって、本発明の方法によれば、簡単な工程で、前記水素分離膜層と前記支持体との間の隙間を小さくすることができる。
本実施形態の水素分離膜モジュールの正面図(一部断面図)である。 図1の分解斜視図である。 シート状の水素分離膜要素を説明するための斜視図である。 本実施形態の成形工程を説明するための斜視図である。 図4のA視拡大図である。 本実施形態の固着工程を説明するための斜視図である。 (A)〜(C)は、固着工程の変形例を説明するための斜視図である。 (A)〜(C)は、本実施形態の密着工程を説明するための接合部付近の要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態が図面に基づき詳細に説明される。図面は、本発明を例示及び説明する目的で使用されるもので、本発明は、図面に表された具体的な形態等に限定して解釈されるべきものではない。
[水素分離膜モジュールの構成]
図1は、本実施形態の水素分離膜モジュール(以下、単に、「モジュール」ということがある。)1の正面図を示す。理解しやすいように、図1では、上半分が断面図として描かれている。図2は、モジュール1の分解斜視図である。図1及び図2を参照すると、本実施形態のモジュール1は、例えば、支持体10と、支持体10の外表面側に配された水素分離膜層20とを含む。
[支持体の構成]
支持体10は、複数の孔2を有する筒状で構成されている。本実施形態では、好ましい態様として、円筒状の支持体10が示されている。他の態様では、支持体10は、楕円状や多角形状に構成されても良い。
支持体10は、例えば、軸方向に延びる筒本体11と、その軸方向のそれぞれの端部分を構成する側面部12及び13とを具える。
筒本体11には、例えば、多数の前記孔2が形成されている。各孔2は、筒本体11を貫通しており、筒本体11の外部と内部とを連通する。筒本体11は、水素分離膜層20を安定的に支持しうる程度の剛性を有するものではれば、パンチングメタル、金網、その他のメッシュ材料、多孔質の焼結金属体など種々の材料を用いて構成される。好ましい態様では、支持体10の外表面上に配置される水素分離膜層20との接触界面での水素原子拡散を防ぐために、支持体10の外表面に、バリア層(図示省略)などが形成されても良い。このバリア層としては、例えば、TiN、セラミック又は金属酸化物などが採用されても良い。
側面部12及び13は、筒本体11の軸方向両側にそれぞれ固着されている。本実施形態では、側面部12及び13と、筒本体11とは、溶接固着によって一体化されている。一方の側面部12は、例えば、筒本体11の内部のガスを取り出すための取出口3が形成されている。他方の側面部エンド部13は、例えば、筒本体11の端部を気密に閉塞するように構成されている。
[水素分離膜層]
水素分離膜層20は、支持体10の外表面側に配されている。より詳細には、水素分離膜層20は、支持体10の筒本体11の外表面を覆うよう筒状に構成されている。
水素分離膜層20は、混合ガスから水素ガスを選択的に(即ち、水素のみを選択して)透過させる性質を有する水素分離膜22を用いて構成される。水素分離膜22としては、典型的には、上記特許文献1に例示されるようなPdを含む金属材料、例えば、Pd−Cu合金やPd−Ag合金等が好適である。ただし、本発明のモジュール1及びその製法に関し、水素分離膜22の材料は、水素を選択的に透過させる材料であれば、特に限定されるものではない。
水素透過性能は、一般に、水素分離膜22の厚さが小さいほど向上する。一方、水素分離膜22の厚さが小さくなると、取扱いが困難になるおそれがある。特に限定されるものではないが、水素分離膜22の厚さは、好ましくは50μm以下、より好ましくは5〜25μm程度とされるのが望ましい。
水素分離膜層20の軸方向の両端には、エンドキャップ30及び40が配されている。エンドキャップ30及び40は、それぞれ、支持体10の側面部12及び13に軸方向の外側からはめ込まれている。また、エンドキャップ30及び40は、水素分離膜層20に気密に固着(例えば、溶接)されている。
[モジュールの作用・機能]
本実施形態のモジュール1は、従来のモジュールと同様に機能する。即ち、水素を含む混合ガスが、水素分離膜層20の外表面側に供給されると、混合ガス中の水素のみが水素分離膜層20の水素分離膜22を透過し、支持体10の孔2を介して、支持体10の内部へと蓄えられる。支持体10の内部の水素(水素ガス)は、適宜、取出口3からから取り出される。本実施形態のモジュール1は、特に限定されることなく、あらゆる用途に適用可能であるが、例えば、各種燃料電池用の高純度水素発生装置として好適に実施される。
[水素分離膜層の構成]
本発明では、水素分離膜層20の構成及びそれを製造する工程に特徴を有するので、以下これらの点が合わせて説明される。
[水素分離膜要素]
本実施形態の水素分離膜層20は、図3に示されるようなシート状の水素分離膜要素26を用いて作られている。図3には、シート状の水素分離膜要素26の斜視図が示されている。水素分離膜要素26は、例えば、矩形状とされており、互いに反対側に位置する第1端部分26A及び第2端部分26Bを有する。これらの第1端部分26A及び第2端部分26Bは、水素分離膜要素26を筒状(環状)に形成する際に、互いに接合される部分とされる。
好ましい態様では、水素分離膜要素26は、生産性や加工性等を考慮して、少なくとも第1端部分26A及び第2端部分26Bにこれらを補強するための補強部24が形成される。理解しやすいように、図3において、補強部24は、薄いグレーで着色されている。
図3に示されるように、本実施形態の補強部24は、水素分離膜22の補強効果を高めるために、水素分離膜22の周囲23に沿ってほぼ全周に額縁状に形成された金属シート28が接合されている。水素分離膜22の補強効果を高めるために、金属シート28は、例えば、水素分離膜22よりも大きい厚さ、とりわけ1.1〜2.2倍程度の厚さを有するものが好適である。金属シート28は、水素分離膜22の片面側のみに接合されても良いし、水素分離膜22を挟むように、その両側面に接合されても良い。
金属シート28は、例えば、水素分離膜22と同じ金属であっても良いし、異なる金属でも良い。後者の場合、水素分離膜22と親和性を有する材料が選択されることが望ましい。このような親和性を有する金属材料は、水素分離膜22と強固に加熱結合することが可能である点で好ましい。
好ましい態様では、金属シート28は、水素分離膜22を構成する化学成分のうちのいずれかの元素、その元素と同属関係にある同属元素、又は、水素分離膜22と同じ結晶構造を有する元素を含む金属材料が選択される。本実施形態では、水素分離膜22が、Pd−Cu合金で構成されており、金属シート28には、Cu合金が採用されている。この結果、水素分離膜22と金属シート28とは、例えば、拡散接合、圧接、溶接などの加熱結合法により気密に一体化される。
補強部24の変形例としては、補強部24は、例えば、水素分離膜22の厚さを部分的に大きくすることで形成されても良い(図示省略)。この場合、水素分離膜要素26は、水素分離膜22を構成する1種の金属材料で構成することができる。
[成形工程]
図4に示されるように、シート状の水素分離膜要素26は、環状構造に成形される(成形工程)。より具体的には、シート状の水素分離膜要素26は、第1端部分26Aと第2端部分26Bとが拝み合うように互いに向き合わせて環状構造へと成形される。これにより、図4のA視拡大図である図5に示されるように、水素分離膜要素26は、ほぼ円形筒状をなす環状部4と、第1端部分26A及び第2端部分26Bが拝み合うように互いに向き合わされた接合部5とを含む環状構造とされる。なお、本明細書及び請求の範囲において、「拝み合うように」とは、あたかも左右の手のひらを合わせて拝むように、第1端部分26A及び第2端部分26Bがそれぞれ同じ側の面(この例では、図4において水素分離膜要素26の上面)同士を互いに向き合わせることを意味する。
好ましい態様では、接合部5は、環状部4の放射方向に延びるように成形されるのが望ましい。これにより、接合部5の両側に、後述の固着工程を行うための十分な空間を提供することができる。
[固着工程]
次に、接合部5において、第1端部分26Aと第2端部分26Bとが固着される(固着工程)。固着工程は、様々な方法で行うことができる。好ましい態様では、接合部5が溶接され、これにより、第1端部分26Aと第2端部分26Bとが一体に固着される。
好ましい態様では、図6に示されるように、接合部5において、第1端部分26Aと第2端部分26Bとがシーム溶接により固着される。シーム溶接は、例えば、接合部5を、一対のローラ電極R1及びR2を加圧して挟み込むとともに、両ローラ電極R1及びR2間に通電し、環状構造の水素分離膜要素26の軸方向Xに移動させることにより行われる。これにより、接合部5は、軸方向Xに沿ってその全長さに亘り連続して溶接固着される。
図7(A)ないし(C)は、接合部5の溶接領域を示している。固着工程では、図7(A)に示されるように、接合部5の環状部4からの張り出し長さLの方向において、全範囲が溶接されるのが最も望ましい。他の態様では、図7(B)のように、接合部5の根元側のみ、又は、図7(C)に示されるように、接合部5の先端部側のみといった、その張り出し長さLの一部分のみが溶接されても良い。また、図7(B)と図7(C)を併用しても良い。特に好ましい態様では、図7(A)とされる。接合部5の溶接範囲は、例えば、ローラ電極R1、R2のローラ幅を変えることにより調節することができる。
他の態様では、接合部5は、溶接以外の加熱接合法、例えば、ろう付け、拡散接合、又は摩擦圧接などで固着されても良い。
[密着工程]
次に、図8(A)〜(C)に示されるように、密着工程が行われる。密着工程は、先ず、図8(A)に示されるように、支持体10の外側に、水素分離膜要素26の環状部4を装着した状態で行われる。この段階では、支持体10と水素分離膜要素26との間には、多少の隙間が形成されていても良い。
次に、接合部5の両側において、水素分離膜要素26を矢印Yで示されるように接合部5に向けて、例えばしごく作業が行われる。これにより、図8(B)に示されるように、水素分離膜要素26と支持体10とがさらに密着して両者の間の隙間が減少するとともに、水素分離膜要素26の弛みが接合部5に向けて集められる。これに続き、接合部5の両側から、該接合部5に向けて寄せ集められた水素分離膜要素26の弛みを、接合部5の根元側において、互いに拝み合わせるように接触させる。これにより、接合部5の根元側において、固着はされていないが、水素分離膜要素26のシート状部分が互いに拝み合わされて接触する接触部6を形成することができる。また、接触部6が加わることで、接合部5は、環状部4からさらに大きく突出する。
次に、図8(C)に示されるように、水素分離膜要素26の接合部5を、第1端部分26A及び第2端部分26Bの一方が環状部4に対して折り返されるように、環状部4の上に重ねられる。図8(C)の態様では、第1端部分26Aが、環状部4に対して折り返されている。この水素分離膜要素26の折返しにより、水素分離膜要素26は塑性変形し、その形状が保持される。なお、本実施形態では、このようにして支持体10の外側に装着された水素分離膜要素26は、エンドキャップ30及び40が装着され、かつ、それらで固定されることにより、その形状がより確実に保持される。
以上の工程により、支持体10を囲む環状部4と、第1端部分26A及び第2端部分26Bが互いに重ねられかつ固着されている接合部5とを含み、接合部5が、第1端部分26A及び第2端部分26Bの一方が環状部4に対して折り返されるように環状部4の上に重ねられた環状構造の水素分離膜層20が成形される。
好ましい態様では、接触部6の根元部6Bにおいて、水素分離膜要素26の折り曲げが行われる。この場合、水素分離膜要素26と支持体10との間の隙間がより減少する。
また、好ましい態様では、水素分離膜要素26の上記塑性変形がより持続するように、水素分離膜要素26の補強部24で前記折返しが行われるのが望ましい。
また、好ましい態様では、上記折返し時に、第1端部分26A及び第2端部分26Bの他方(即ち、この態様では、第2端部分26B)に続く部分は、支持体10との間の隙間をさらに減じるように締め付けることが可能である。
以上説明したように、本実施形態のモジュール1及びその製造方法では、水素分離膜要素26を支持体10にフィットさせることができる。
本発明は、種々の態様において実施することができる。例えば、シート状の水素分離膜要素26を環状構造に成形するための成形工程は、支持体10の外側に水素分離膜要素26を巻き付けることで行われても良い。対照的に、成形工程は、水素分離膜要素26を支持体10に巻き付けることなく(支持体10とは無関係に)行われても良い。この場合、環状部4は、支持体10の個体差を考慮して、挿入しやすい十分に大きな内径となるように製造されても良い。なぜなら、本発明の方法の密着工程により、後から、水素分離膜要素26と支持体10との間の隙間を容易に減じ得るからである。
例えば、径の大きい水素分離膜モジュールを製造する場合、円周方向の長さが大きい水素分離膜要素が必要になる。一方、1枚ものの大型の水素分離膜を製造することが困難な場合もある。このような場合において、本発明のモジュール1及びその製造方法では、複数の水素分離膜部材(図示省略)を互いに接合することにより、円周方向の長さが大きく形成された1枚の水素分離膜要素26が用いられても良い。この際、水素分離膜部材同士は、各々の端部が互いに同じ側の面を拝み合わせて接合され、その後、接合部ないしその近傍が折り返されても良い。他の態様では、水素分離膜部材同士は、各々の端部が互いに異なる面で重ね合わされて接合されても良い。
本発明は、種々の改造及び変形形態が可能であり、上述の例示の実施形態は、例示として示されているに過ぎない。したがって、本発明は、本明細書において開示された特定の実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の思想に含まれる全ての改造例、均等例及び変形例を含む。
1 水素分離膜モジュール
4 環状部
5 接合部
10 支持体
20 水素分離膜層
24 補強部
26 水素分離膜要素
26A 第1端部分
26B 第2端部分

Claims (11)

  1. 複数の孔を有する筒状の支持体と、前記支持体の外表面側に配されかつ混合ガスから水素ガスを選択的に透過させる水素分離膜層とを含む水素分離膜モジュールであって、
    前記水素分離膜層は、互いに反対側に位置する第1端部分及び第2端部分を有するシート状の水素分離膜要素が環状構造に成形されたものであり、
    前記環状構造が、前記支持体を囲む環状部と、前記第1端部分及び前記第2端部分が互いに重ねられかつ固着されている接合部とを含み、
    前記接合部は、前記第1端部分及び第2端部分の一方が前記環状部に対して折り返されるように前記環状部の上に重ねられている、
    水素分離膜モジュール。
  2. 前記水素分離膜要素は、前記環状部と前記接合部との間に、前記水素分離膜要素同士が互いに固着されることなく接触する接触部を含み、
    前記接触部で、前記第1端部分及び第2端部分の一方が折り返されている請求項1記載の水素分離膜モジュール。
  3. 複数の孔を有する筒状の支持体と、前記支持体の外表面側に配されかつ混合ガスから水素ガスを選択的に透過させる水素分離膜層とを含む水素分離膜モジュールを製造するための方法であって、
    互いに反対側に位置する第1端部分及び第2端部分を有するシート状の水素分離膜要素を、前記支持体を囲むための環状部と、前記第1端部分と前記第2端部分とが拝み合うように互いに向き合わせた接合部とを有する環状構造に成形する成形工程と、
    前記接合部で前記第1端部分と前記第2端部分とを固着する固着工程と、
    前記支持体の外側に前記水素分離膜要素の前記環状部を装着した状態で、前記接合部を、前記第1端部分及び前記第2端部分の一方が前記環状部に対して折り返されるように前記環状部の上に重ねて前記支持体と前記水素分離膜要素とを密着させる工程と、
    を含む方法。
  4. 前記成形工程において、前記接合部は、前記環状部の放射方向に延びるように成形される請求項3に記載の方法。
  5. 前記水素分離膜要素は、少なくとも前記第1端部分及び前記第2端部分に補強部が形成されている請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記補強部には、溶接可能な金属シートが接合されている請求項5に記載の方法。
  7. 前記固着工程は、前記補強部を溶接することにより行われる請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記溶接がシーム溶接である請求項7記載の方法。
  9. 前記成形工程は、前記支持体の外側に前記水素分離膜要素を巻き付けて前記環状構造に成形される請求項3ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記成形工程は、前記水素分離膜要素を前記支持体に巻き付けることなく行われる請求項3ないし8のいずれかに記載の方法。
  11. 前記密着工程は、前記支持体に対する前記水素分離膜要素の前記環状部の弛みを前記接合部側に向けて寄せ集める工程と、これに続き、前記寄せ集められた水素分離膜要素の弛みを、前記接合部の根元側において互いに拝み合わせて接触させて接触部を構成する工程と、前記接触部を折り曲げて前記接合部を前記環状部の上に重ねる工程とを含む請求項ないし10のいずれかに記載の方法。
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