JP6946191B2 - ワーク把持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワーク把持装置に関する。
従来より、開閉可能な一対の把持爪部によりワークを把持して該ワークを移動させるワーク把持装置が知られている。例えば、特許文献1には、ロボットハンドの近傍にカメラを取り付け、画像処理によってトレイ上に整列されたワークの位置を計測し、その位置で一対の把持爪部の把持動作を行うことにより、多少の位置誤差があっても正確にワークを把持するワーク把持装置が開示されている。また、特許文献1の把持爪部の把持面形状は、ワークの水平断面形状が円形の場合、V字形であり、ワークの中心位置をセンタリングできる形状となっている。
特開2013−43231号公報(段落0004,0018及び図1参照)
しかしながら、特許文献1のワーク把持装置では、サイズが異なるワークをしっかりと把持することが難しかった。すなわち、図11に示すように、把持爪部110の把持面形状がV字形の場合、一対の把持爪部110のV字同士をつきあわせたときにできる空間Sに入り込んでしまうサイズのワークについては把持できないという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、サイズの異なるワークであってもしっかりと把持するワーク把持装置を提供することを主目的とする。
本発明のワーク把持装置は、
開閉可能な第1及び第2把持爪部によりワークを把持して該ワークを移動させるワーク把持装置であって、
前記第1把持爪部は、間隔をあけて配列された複数の第1板部材で構成され、該複数の第1板部材の全体をみたときに前記ワークと対向するワーク対向面から奥へ進むにつれて開口幅が狭くなる第1凹部が形成され、
前記第2把持爪部は、前記第1板部材同士の間に入り込むことが可能な第2板部材で構成され、該第2板部材の全体をみたときに前記ワークと対向するワーク対向面から奥へ進むにつれて開口幅が狭くなる第2凹部が形成されている、
ものである。
このワーク把持装置では、開閉可能な第1及び第2把持爪部が開位置から閉位置へ動くとき、第1把持爪部を構成する第1板部材同士の間にと第2把持爪部を構成する第2板部材が入り込むことができる。そのため、第1把持爪部の第1凹部と第2把持爪部の第2凹部とで囲まれた空間を狭くすることができる。つまり、ワークを把持する空間のサイズを従来に比べて小さくすることができる。また、第1及び第2凹部はワーク対向面から奥へ進むにつれて開口幅が狭くなっているため、第1及び第2凹部で把持されたワークは把持された位置で固定される。したがって、サイズの異なるワークであってもしっかりと把持することができる。
本発明のワーク把持装置において、前記第2把持爪部には、複数の前記第2板部材が間隔をあけて配列されており、前記第1板部材と前記第2板部材とは互い違いに入り込むことが可能となっていてもよい。こうすれば、ワークをよりしっかりと把持することができる。
本発明のワーク把持装置において、前記ワークのうち把持される部位は、柱状部分又は筒状部分(特に円柱状部分又は円筒状部分)の側面であってもよい。柱状部分を備えたワークとしては、例えばボルト、釘、リベットなどが挙げられる。筒状部分を備えたワークとしては、例えばナット、ワッシャなどが挙げられる。こうしたワークは、サイズの異なるものが数多く存在するため、本発明を適用する意義が高い。この場合、前記第1板部材の板面は、前記柱状部分又は筒状部分の軸方向と直交するようにしてもよい。
本発明のワーク把持装置において、前記第1及び第2凹部は、前記ワークを把持した状態では前記ワークとそれぞれ2点以上で接触するようにしてもよい。こうすれば、各凹部がワークと1点で接触する場合に比べて、ワークを安定して把持することができる。
この場合、前記第1及び第2凹部は、前記第1及び第2板部材の板面と直交する方向からみたときの形状がV字状であってもよい。各凹部が2点以上で接触する形状としては、V字状が最もシンプルで製造しやすいからである。
本発明のワーク把持装置において、前記第1及び第2把持爪部は、開閉する際に所定の中心線に対して左右対称となるように動作してもよい。こうすれば、第1及び第2把持爪部でワークを把持するだけで、そのワークの中心軸を所定の中心線と一致させることができる。
本発明のワーク把持装置は、
画像を撮像する撮像部と、
前記ワークの所定位置を引きつけて前記ワークを保持する引付部と、
前記撮像部により撮像された前記ワークの撮像画像に基づいて前記ワークの前記所定位置を認識し、前記ワークの前記所定位置へ前記引付部を移動させて前記引付部により前記ワークの前記所定位置を引きつけて前記ワークを保持し、前記引付部に保持された前記ワークを前記第1及び第2把持爪部に把持させる制御部と、
を備えていてもよい。
このワーク把持装置では、ワークの撮像画像に基づいてワークの所定位置を認識し、ワークの所定位置へ引付部を移動させて引付部によりワークの所定位置を引きつけてワークを保持し、引付部に保持されたワークを第1及び第2把持爪部により把持して該ワークを移動させる。把持前のワークはワークの所定位置が引付部に引きつけられて保持された状態であるため、毎回ほぼ同じ姿勢になりやすい。そのため、第1及び第2把持爪部によりワークを把持する際に、把持し損ねるおそれが少ない。
ここで、ワークは、少なくとも所定位置が磁石に吸着される材料(例えば強磁性体)で形成され、引付部は、磁力によりワークの所定位置を引きつけて保持するものとしてもよい。また、引付部は、電磁石を備え、励磁によりワークの所定位置を引きつけ、消磁によりワークを解放するものとしてもよい。
ワーク撒布移載システム10の概略説明図。 ワーク把持ユニット42の斜視図。 第1及び第2把持爪部91,92の斜視図。 ワーク収容箱60の平面図で、(a)はメイン処理前の様子、(b)はメイン処理実行中の様子を表す。 ワーク把持ユニット42の正面図。 第1及び第2把持爪部91,92が開位置にあるときの斜視図。 第1及び第2把持爪部91,92がボルト37を把持したときの斜視図。 第1及び第2把持爪部91,92がボルト37を把持したときの平面図。 第1及び第2把持爪部91,92がボルト37を把持したときの平面図。 第1及び第2把持爪部191,192がボルト37を把持したときの平面図。 従来の一対の把持爪部110の斜視図。
本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1はワーク撒布移載システム10の概略説明図、図2はワーク把持ユニット42の斜視図、図3は第1及び第2把持爪部91,92の斜視図である。
ワーク撒布移載システム10は、図1に示すように、システム制御部12と、ワーク撒布装置20と、ワーク移載装置40と、ワーク収容箱60とを備えている。なお、ワーク撒布移載システム10における、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1に示した通りとして以下説明する。また、本実施形態では、ワークとしてボルト37を例示して説明する。
システム制御部12は、システム全体を制御するものであり、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。このシステム制御部12は、ワーク撒布装置20やワーク移載装置40と電気的に接続されており、これらの装置へ信号を出力し、これらの装置から信号を入力する。
ワーク撒布装置20は、図1に示すように、多軸ロボットアーム21と、ワーク撒布ユニット22と、撒布制御部28とを備えている。多軸ロボットアーム21は、各軸において図1に示す太線矢印方向に旋回や上下動が可能となっている。ワーク撒布ユニット22は、ワーク収容箱60の貯留部64から複数のボルト37(図4参照)を採取して作業用プレート62へ撒くユニットであり、多軸ロボットアーム21のアーム先端に取り付けられている。ワーク撒布ユニット22は、アクチュエータ25によって昇降可能なプランジャ24と、そのプランジャ24の下端に固定されれた円柱状の引付部23とを有している。引付部23は、比較的強力な電磁石であり、複数のボルト37を一度にできるだけ多く引き付けて採取するものである。引付部23は、多軸ロボットアーム21やアクチュエータ25によって自由に水平動や上下動が可能なため、様々な姿勢のワークを磁力で保持することができる。
ワーク移載装置40は、多軸ロボットアーム41と、ワーク把持ユニット42と、撮像ユニット45と、移載制御部48とを備えている。多軸ロボットアーム41は、各軸において図1に示す太線矢印方向に旋回や上下動が可能となっている。ワーク把持ユニット42は、ワーク収容箱60の作業用プレート62に撒かれた複数のボルト37(図4参照)から1つのボルト37を磁力で引き付けて採取するユニットであり、多軸ロボットアーム41のアーム先端に取り付けられている。ワーク把持ユニット42は、多軸ロボットアーム41によって自由に水平動や上下動が可能なため、様々な姿勢のワークを磁力で保持することができる。このワーク把持ユニット42については、図2及び図3を用いて後で詳述する。撮像ユニット45は、画像を撮像するユニットであり、多軸ロボットアーム41のアーム先端に固定されている。撮像ユニット45は、照明部46と、撮像素子47とを備えている。照明部46は、撮像素子47の外周側に円状に配設された照明であり、下方にある撮像対象に対して光を照射する。照明部46は、ワーク収容箱60の作業用プレート62の全体に光を照射するよう撮像ユニット45に配設されている。移載制御部48は、CPUをを中心とするマイクロプロセッサとして構成され、ワーク移載装置40の動作を制御する。
ここで、ワーク把持ユニット42について説明する。ワーク把持ユニット42は、図2に示すように、L字部材71に支持軸72を介して取り付けられたブラケット73を有している。このL字部材71はアーム先端に取り付けられている。ブラケット73の中央付近には、第1及び第2X軸スライダ74,75を備えたX軸レール76が固定されている。ブラケット73の上部には、上下方向(Z軸方向)に延びるプランジャ77を備えた昇降用エアシリンダ78が固定されている。ブラケット73の下部には、上下方向に延びる長軸形状の引付部80が固定されている。引付部80は、電磁石として機能する。なお、ブラケット73には、上述した撮像ユニット45(図2の1点鎖線参照)も支持されている。第1及び第2X軸スライダ74,75は、X軸レール76内の図示しないエアシリンダのエア圧を調整することによって、互いに接近したり離間したりする、いわゆるチャックシリンダである。第1及び第2X軸スライダ74,75は、上下方向に延びるスプライン軸としての第1及び第2シャフト81,82を、それぞれボールスプラインを介して上下動可能に貫通している。昇降用エアシリンダ78のプランジャ77の下端には、X軸方向に延びる第1及び第2長穴83,84を備えた水平板85が取り付けられている。第1及び第2シャフト81,82の上端は、第1及び第2長穴83,84にそれぞれ挿通された状態で、水平板85の上面側と下面側に設けられた円板状の固定具87,88により、第1及び第2長穴83,84から抜けないように且つ第1及び第2長穴83,84内をスライド可能なように取り付けられている。第1及び第2シャフト81,82の下端には、第1及び第2把持爪部91,92がそれぞれ設けられている。第1及び第2把持爪部91,92は、昇降用エアシリンダ78のプランジャ77によって水平板85が上下動するのに伴って上下動し、第1及び第2X軸スライダ74,75が接近・離間するのに伴って開閉する。第1及び第2把持爪部91,92は、開閉する際に所定の中心線(引付部80の中心軸)に対して左右対称となるように動作する。第1把持爪部91は、間隔をあけて配列された複数(ここでは3枚)の第1板部材93で構成されている。第2把持爪部92は、第1板部材93同士の間に入り込むことが可能な第2板部材94で構成されている。図3に示すように、第1把持爪部91は、複数の第1板部材93の全体をみたとき、ワークと対向する第1ワーク対向面95から奥(図3で左側)へ進むにつれて開口幅が狭くなる形状の第1凹部97を有している。第2板部材94は複数枚(ここでは3枚)が間隔を開けて配列されている。第1板部材93と第2板部材94とは互い違いに入り込むことが可能となっている。第2把持爪部92は、複数の第2板部材94の全体をみたときに、ワークと対向する第2ワーク対向面96から奥(図3で右側)へ進むにつれて開口幅が狭くなる形状の第2凹部98を有している。第1及び第2凹部97,98は、第1及び第2板部材93,94の板面と直交する方向からみたときの形状がV字状である。図2に戻り、引付部80は、供給される電力に応じて、複数段階(例えば3段階)の磁力(引付力)を生じるよう構成されている。引付部80にボルト足先端38が引き付けられたボルト37は、第1及び第2把持爪部91,92によって左右両側から挟み込まれて把持され得る。なお、第1及び第2板部材93,94の板面は、ボルト37のボルト足(円柱状部分)と実質的に直交している。
ワーク収容箱60は、図1に示すように上方が開放された箱であり、箱の底面の一部が傾斜している。ワーク収容箱60の底面と開口との間には、作業用プレート62が水平に支持されている。作業用プレート62は、底面のうち傾斜している部分を覆っている。ワーク収容箱60のうち作業用プレート62よりも下方の空間は、多数のボルト37を貯留可能な貯留部64となっている。ワーク収容箱60は、複数個(ここでは6個)が1つの収容台56に載せられている。収容台56は、フレームFの上面に敷かれたレール57に沿って、退避位置(図1の点線参照)と処理位置(図1の実線参照)との間で図示しない駆動部によって移動可能となっている。本実施形態では、収容台56はフレームFの上面の左右両側に1つずつ設けられている。
ワーク整列用パレット36は、図1に示すようにボルト37を整列した状態で載置する部材である。このワーク整列用パレット36は、磁力を帯びており、磁性体であるボルト37の頭を磁力で保持して載置する。ワーク整列用パレット36は、ボルト37のサイズ(本実施形態ではM3〜M8、Mは呼び径の大きさで単位はmm)に応じて定められた位置にそのボルト37が載置される。ワーク整列用パレット36は、コンベアベルト34によって搬入された後、ボルト37の移載位置P(図1参照)で停止され、その後搬出されるようになっている。
次に、こうして構成された本実施形態のワーク撒布移載システム10の動作、特に、ワーク収容箱60の貯留部64内のボルト37をワーク整列用パレット36へ整列して載置する処理(メイン処理)について説明する。このメイン処理を実行する前の時点では、図4(a)に示すように、ワーク収容箱60の貯留部64には、サイズの異なる複数のボルト37がランダムな姿勢で貯留されており、作業用プレート62には、ボルト37が載っていない状態だとする。また、説明の便宜上、1つのワーク収容箱60を処理する場合について説明する。
システム制御部12は、メイン処理を開始すると、まずコンベアベルト34にワーク整列用パレット36を搬入させ所定の移載位置Pに固定させる。
続いて、システム制御部12は、ワーク撒布装置20にワーク撒布処理を実行させる。ワーク撒布装置20の撒布制御部28は、引付部23を貯留部64へ移動させ、引付部23の電磁石を励磁させて多数のボルト37を引付部23に採取させる。次に、撒布制御部28は、その引付部23を作業用プレート62の中央上方へ移動させ、電磁石を消磁させる。これにより、ボルト37は、作業用プレート62上にばらばらに載置される。このときの様子を図4(b)に示す。
続いて、システム制御部12は、ワーク移載装置40にワーク移載処理を実行させる。ワーク移載装置40の移載制御部48は、ワーク把持ユニット42によって、作業用プレート62上のボルト37を1つずつワーク整列用パレット36の所定位置に移動させ載置させる。このワーク移載処理については後で詳述する。
その後、システム制御部12は、ワーク整列用パレット36が満載になるまで、あるいはワーク収容箱60の作業用プレート62上のボルト37がなくなるまで、ワーク移載装置40にワーク移載処理を実行させる。システム制御部12は、ワーク整列用パレット36が満載になったならば、新しいワーク整列用パレット36に交換する。また、システム制御部12は、作業用プレート62上のボルト37がなくなったらならば、再度、ワーク撒布装置20にワーク撒布処理を実行させ、その後ワーク移載装置40にワーク移載処理を実行させる。また、システム制御部12は、作業用プレート62上のボルト37がなくなると共に貯留部64にもボルト37がなくなったならば、ワーク整列用パレット36を搬出し、メイン処理を終了する。
ここで、ワーク移載処理について詳説する。ワーク移載装置40の移載制御部48は、ワーク移載処理を開始すると、作業用プレート62を撮像ユニット45に撮像させ、載置されているボルト37のうちの1つのボルト37を撮像画像に基づいて認識する。それと共に、移載制御部48は、そのボルト37を今回の採取対象に設定し、そのボルト37のサイズやボルト足先端38の位置を認識する。次に、移載制御部48は、採取対象のボルト37のサイズに応じた引付力になるよう引付部80の電磁石に供給する電力を制御する。この引付力は、例えば、ボルト37を1つだけ採取できる値に設定するものとしてもよい。こうすれば、ワーク移載装置40は、重なり合ったボルト37からでも1つのボルト37を引き付けて採取することができる。次に、移載制御部48は、採取対象のボルト37のボルト足先端38へ引付部80を移動させ、そのボルト足先端38を引付部80に引き付けさせる。続いて、移載制御部48は、多軸ロボットアーム41によりワーク把持ユニット42を上方に移動させ、引付部80の先端にボルト37をぶら下げた状態とする。そのときの様子を図5の実線に示す。図5はワーク把持ユニット42の正面図である。説明の便宜上、ここでは、ボルト37のサイズをM3(つまり呼び径が最小のもの)とする。続いて、移載制御部48は、昇降用エアシリンダ78のエア圧を調整して水平板85を下降させ、第1及び第2把持爪部91,92がボルト37のボルト足を把持可能な水平位置に到達するようにする。そのときの様子を図5の点線及び図6に示す。図6は第1及び第2把持爪部91,92が開位置にあるときの斜視図である。
続いて、移載制御部48は、X軸レール76内のエアシリンダのエア圧を調整して第1及び第2把持爪部91,92を互いに接近する方向に移動させる。これにより、ボルト37のボルト足は第1及び第2把持爪部91,92によって把持される。そのときの様子を図5の2点鎖線、図7及び図8に示す。図7は第1及び第2把持爪部91,92がボルト37を把持したときの斜視図、図8は図7を白抜き矢印方向からみたときの平面図である。第1及び第2把持爪部91,92が互いに接近する方向に移動すると、第1凹部97と第2凹部98とによって形成される空間は、第1板部材93の間に第2板部材94が互い違いに入り込むため、徐々に狭まる。そのため、最終的には、第1凹部97の内壁と第2凹部98の内壁とがボルト37のボルト足を押圧した状態となり、ボルト足が把持される。図8に示す平面図では、ボルト37のボルト足は第1及び第2凹部97,98の内壁とそれぞれ2点ずつ合計4点で接触している。そのため、ボルト37は把持された位置からX軸方向にもY軸方向にもずれることがない。また、第1及び第2把持爪部91,92は、開閉する際に所定の中心線に対して左右対称となるように動作する。そのため、絶えずボルト足の中心軸が所定の中心線と一致した状態(センタリングされた状態)でボルト37を把持する。図9は、サイズM8のボルト37(つまり呼び径が最大のもの)を第1及び第2把持爪部91,92が把持したときの平面図である。このようにサイズの大きなボルト37であっても、サイズの小さなボルト37と同様、ボルト37は把持された位置からX軸方向にもY軸方向にもずれることがないし、センタリングされた状態でボルト37が把持される。
その後、移載制御部48は、ワーク把持ユニット42に把持されたボルト37をワーク整列用パレット36の所定位置(今回の採取対象のボルト37を載置すべき位置)へ移動させ、電磁石を消磁させると共に第1及び第2把持爪部91,92を開放する。これにより、今回の採取対象のボルト37は、ワーク整列用パレット36の所定位置にて磁力により保持される。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のワーク把持ユニット42が本発明のワーク把持装置に相当し、撮像ユニットが撮像部に相当し、引付部80が引付部に相当し、移載制御部48が制御部に相当する。
以上説明したワーク把持ユニット42によれば、開閉可能な第1及び第2把持爪部91,92が開位置から閉位置へ動くとき、第1板部材93同士の間に第2板部材94が入り込むことができる。そのため、第1凹部97と第2凹部98とで囲まれた空間を狭くすることができる。つまり、ボルト37を把持する空間のサイズを従来に比べて小さくすることができる。また、第1及び第2凹部97,98はそれぞれ第1及び第2ワーク対向面95,96から奥へ進むにつれて開口幅が狭くなっているため、第1及び第2凹部97,98で把持されたボルト37は把持された位置で固定される。したがって、サイズの異なるボルト37であってもしっかりと把持することができる。
また、第2把持爪部92には、複数の第2板部材94が間隔をあけて配列されており、第1板部材93と第2板部材94とは互い違いに入り込むことが可能となっている。そのため、第1板部材93が2枚、第2板部材94が1枚という構成に比べて、ワークをよりしっかりと把持することができる。
更に、ボルト37は、サイズの異なるものが数多く存在するため、本発明を適用する意義が高い。
更にまた、第1及び第2凹部97,98は、ボルト37を把持した状態では平面視でボルト37とそれぞれ2点で接触するため、各凹部97,98がワークとそれぞれ1点で接触する場合に比べて、ボルト37を安定して把持することができる。
そしてまた、第1及び第2凹部97,98は、第1及び第2板部材93,94の板面と直交する方向からみたときの形状がV字状であり、各凹部97,98が平面視で2点以上で接触する形状としては、最もシンプルで製造しやすい。
そして更に、第1及び第2把持爪部91,92は、開閉する際に所定の中心線に対して左右対称となるように動作するため、第1及び第2把持爪部91,92でボルト37を把持するだけで、そのボルト37の中心軸を所定の中心線と一致させることができる。
そして更にまた、把持前のボルト37はボルト足先端38が引付部80に引きつけられて保持された状態であるため、毎回ほぼ同じ姿勢になりやすい。そのため、第1及び第2把持爪部91,92によりボルト37を把持する際に、把持し損ねるおそれが少ない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、第1及び第2板部材93,94の枚数をどちらも同じ枚数つまりn枚ずつ(nは2以上の整数)としたが、第1及び第2板部材93,94の一方をn枚とし他方を(n−1)枚としてもよい。このようにしても上述した実施形態と同様の効果が得られる。
上述した実施形態では、第1及び第2板部材93,94の切欠は平面視したときにV字状としたが、これらの切欠はそれぞれ第1及び第2ワーク対向面95,96から奥へ進むにつれて開口幅が狭まる形状であれば特に限定されない。例えば、図10に示すように円弧状の切欠を備えた第1及び第2板部材193,194を用いてもよい。この場合も、第1及び第2把持爪部91,92が開位置から閉位置へ動くとき、第1板部材193同士の間にと第2板部材194が入り込むため、第1凹部197と第2凹部198とで囲まれた空間を狭くすることができる。つまり、ボルト37を把持する空間のサイズを従来に比べて小さくすることができる。また、第1及び第2凹部197,198は、ボルト37を把持した状態ではボルト37とそれぞれ1点で接触するが、把持されたボルト37はX軸方向にもY軸方向にもずれることがない。
上述した実施形態では、ワークとしてボルト37を例示したが、釘、リベットなどでもよい。またナット、ワッシャなどでもよい。これらのワークは、サイズの異なるものが数多く存在するため、本発明を適用する意義が高い。
上述した実施形態では、第1及び第2把持爪部91,92は上下動及び水平動が可能なものを励磁したが、引付部80を上下動可能とし、第1及び第2把持爪部91,92を水平動(開閉動作)可能としてもよい。このようにしても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
上述した実施形態において、引付部80の底面つまりボルト足先端38と接触する面に円錐状の窪みを設けてもよい。この場合、円錐の中心線と引付部80の中心軸とが一致するようにする。こうすれば、ボルト37が引付部80に引き付けられたときにボルト37の中心軸と引付部80の中心軸とが一致しやすい。そのため、第1及び第2把持爪部91,92によりボルト37を把持する際に、把持し損ねるおそれが一層少なくなる。
本発明は、ワークの把持を伴う装置、例えばロボットアームなどに利用可能である。
10 ワーク撒布移載システム、12 システム制御部、20 ワーク撒布装置、21 多軸ロボットアーム、22 ワーク撒布ユニット、23 引付部、24 プランジャ、25 アクチュエータ、28 撒布制御部、34 コンベアベルト、36 ワーク整列用パレット、37 ボルト、38 ボルト足先端、40 ワーク移載装置、41 多軸ロボットアーム、42 ワーク把持ユニット、45 撮像ユニット、46 照明部、47 撮像素子、48 移載制御部、56 収容台、57 レール、60 ワーク収容箱、62 作業用プレート、64 貯留部、71 L字部材、72 支持軸、73 ブラケット、74
X軸スライダ、76 X軸レール、77 プランジャ、78 昇降用エアシリンダ、80 引付部、81 第1シャフト、82 第2シャフト、83 第1長穴、84 第2長穴、85 水平板、87,88 固定具、91 第1把持爪部、92 第2把持爪部、93 第1板部材、94 第2板部材、95 第1ワーク対向面、96 第2ワーク対向面、97 第1凹部、98 第2凹部、110 把持爪部、193 第1板部材、194 第2板部材、197 第1凹部、198 第2凹部。

Claims (7)

  1. 多軸ロボットアームのアーム先端に取り付けられ、ばらばらに載置されたワークを、開閉可能な第1及び第2把持爪部により把持するワーク把持装置であって、
    先端に前記ワークの所定位置を引き付けて前記ワークを保持する引付部と、
    前記引付部の先端よりも高い上昇位置と前記引付部によって保持された前記ワークを把持可能な下降位置との間で前記第1及び第2把持爪部を上下動させる昇降部材と、
    前記第1把持爪部は、間隔をあけて配列された複数の第1板部材で構成され、該複数の第1板部材の全体をみたときに前記ワークと対向するワーク対向面から奥へ進むにつれて開口幅が狭くなる第1凹部が形成され、
    前記第2把持爪部は、前記第1板部材同士の間に入り込むことが可能な第2板部材で構成され、該第2板部材の全体をみたときに前記ワークと対向するワーク対向面から奥へ進むにつれて開口幅が狭くなる第2凹部が形成され、
    前記ワークへ前記引付部を移動させる時及び前記ワークを前記引付部の先端に引き付ける時は前記第1及び第2把持爪部は前記昇降部材によって前記上昇位置に配置され、前記引付部によって保持された前記ワークを前記第1及び第2把持爪部で把持する時は前記第1及び第2把持爪部が前記昇降部材によって前記下降位置に配置されたあと閉状態になることにより前記ワークを前記第1及び第2把持爪部で把持する、
    ワーク把持装置。
  2. 前記第2把持爪部には、複数の前記第2板部材が間隔を開けて配列されており、
    前記第1板部材と前記第2板部材とは互い違いに入り込むことが可能となっている、
    請求項1に記載のワーク把持装置。
  3. 前記ワークのうち把持される部位は、柱状部分又は筒状部分の側面である、
    請求項1又は2に記載のワーク把持装置。
  4. 前記第1及び第2凹部は、前記ワークを把持した状態では前記ワークとそれぞれ2点以
    上で接触する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のワーク把持装置。
  5. 前記第1及び第2凹部は、前記第1及び第2板部材の板面と直交する方向からみたとき
    の形状がV字状である、
    請求項4に記載のワーク把持装置。
  6. 前記第1及び第2把持爪部は、開閉する際に所定の中心線に対して左右対称となるよう
    に動作する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のワーク把持装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のワーク把持装置であって、
    画像を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された前記ワークの撮像画像に基づいて前記ワークの前記所定位
    置を認識し、前記ワークの前記所定位置へ前記引付部を移動させて前記引付部により前記
    ワークの前記所定位置を引きつけて前記ワークを保持し、前記引付部に保持された前記ワ
    ークを前記第1及び第2把持爪部に把持させる制御部と、
    を備えたワーク把持装置。
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