JP6944895B2 - 壁体、壁体の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は壁体およびその構築方法に関するものである。
壁体の構築方法として、鋼管杭を地盤中に一列に設け、地上に突出したこれらの鋼管杭の上部を鉄筋コンクリートで巻き立てるものがある。
このような構造の壁体では、コンクリートの打設時の温度上昇と打設後の温度低下によって生じる温度応力により、鋼管杭の配列方向に沿った鉛直ひび割れがコンクリートに入りやすくなることが想定される。
例えばダム堤体などの大規模な壁体では、コンクリートの配合や打上がり速度を制御して、温度応力に起因したひび割れの発生を抑制する方法が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特許第4885101号公報 特開2017−172300号公報
コンクリートのひび割れ対策としては、上記の他、コンクリートの保温養生を行ったり、あるいはコンクリートに誘発目地材を設けてひび割れを集中して発生させた後、そのひび割れをエポキシ樹脂などで充填する方法があるが、いずれも手間がかかり、ある程度の工事費がかかる。
本発明は前述した問題点に鑑みてなされたものであり、容易に構築できる壁体等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための第1の発明は、下部が地下に埋設され、上部が地上に突出する外管と、前記外管の下端を閉塞する閉塞部と、前記外管の上部の周囲に設けられたコンクリートと、複数の内管を前記外管内に通すための挿通部と、を有し、前記外管の下部が地盤に形成された掘削部に配置され、前記外管の下端部の周囲にモルタルが設けられ、前記モルタルの上方で、前記掘削部と前記外管の間が充填材であるソイルモルタルで充填されたことを特徴とする壁体である。
前記外管の下端を閉塞する閉塞部は、前記外管に設けられた蓋体であることが望ましい。
複数の前記外管の下部が、前記掘削部に並べて配置されることが望ましい。
第2の発明は、下部が地下に埋設され、上部が地上に突出する外管を、前記外管の下端が閉塞部により閉塞されるように設ける工程(a)と、前記外管の上部の周囲にコンクリートを打設し、前記コンクリートを養生する工程(b)と、を有し、前記工程(b)における前記コンクリートの養生時に、挿通部を介して複数の内管を前記外管内に通し、複数の前記内管を用いて前記外管に冷媒を循環させることを特徴とする壁体の構築方法である。
前記コンクリートの養生後に、前記内管を用いて前記冷媒を排出する工程(c)を有することが望ましい。
前記外管の下端を閉塞する閉塞部は、前記外管に設けられた蓋体であり、前記工程(a)において、前記外管の下部を、地盤を掘削して形成した掘削部内の液体中で下降させ、その際に前記外管に給水を行うことが望ましい。
また前記工程(a)において、複数の前記外管の下部を、地盤を掘削して形成した掘削部内に並べて配置し、前記掘削部と前記外管の間に充填材を充填することも望ましい。
また、連壁掘削機によって前記地盤を掘削することが望ましい。
本発明では、挿通部に通した複数の内管によって外管に冷媒を循環させながら、外管の上部の周囲のコンクリートを養生することが可能になり、これにより手間なく容易に壁体の構築を行うことができ工事費を抑えてコンクリートの温度ひび割れの発生を防止できる。コンクリートの養生後は、不要となった冷媒を内管を用いて排出することができる。
また、外管の下端に蓋体を有することにより、外管の下部を掘削部内の安定液等の液体中に建て込む際に、外管の下部内に給水して浮力とのバランスをとりながら外管の下部を安定して建て込むことができる。また外管の下部を掘削部に並べて配置し、掘削部内に充填材を充填することで、地中での遮水性を確保した壁体を構築することができ、地盤の掘削に連壁掘削機を用いることで壁体の構築が容易になる。
本発明によれば、容易に構築できる壁体等を提供することができる。
壁体1を示す図。 壁体1の構築方法を示す図。 壁体1の構築方法を示す図。 壁体1の構築方法を示す図。 壁体1’を示す図。 壁体1aを示す図。 水29の循環と排出について示す図。 壁体1bを示す図。 鋼管13の下部13aの配置について示す図。 壁体1cを示す図。 壁体1cの構築方法を示す図。 壁体1cの構築方法を示す図。 壁体1c’を示す図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.壁体1)
図1は本発明の第1の実施形態に係る壁体1を示す図である。図1(a)は壁体1の延長方向に沿った鉛直断面を示す図であり、図1(b)は図1(a)の線A−Aによる水平断面を示す図である。
この壁体1は堤体などとして用いられる壁状の構造体であり、モルタル7、コンクリート11、ソイルモルタル9、鋼管13等を有する。
鋼管13は、壁体1の延長方向(図1(a)、(b)の左右方向に対応する)に所定間隔で並べられる管体(外管)であり、下部13aが地下に埋設され、上部13bが地上に突出するように設けられる。
図1(b)に示すように、壁体1を構築する地盤3には、平面視で帯状の溝5(掘削部)が形成され、鋼管13の下部13aはこの溝5内に配置される。
鋼管13の下端には下蓋17(閉塞部)が設けられ、これにより鋼管13の下端が閉塞される。下蓋17は下方に凸となるドーム状の鋼製の蓋体である。
溝5の底部の鋼管13の下端部に当たる位置では根固め用のモルタル7が打設され、その上方では固化体であるソイルモルタル9(充填材)が溝5と鋼管13の間に充填される。ソイルモルタル9等により、壁体1の地中での遮水性が確保される。
各鋼管13の上部13bの周囲にはコンクリート11が巻き立てられる。コンクリート11内には鉄筋(不図示)が埋設される。
鋼管13の上端には上蓋15(閉塞部)が設けられ、これにより鋼管13の上端が閉塞される。上蓋15は上方に凸となるドーム状の鋼製の蓋体である。
本実施形態では、複数の内管19、21が鋼管13の内部に通される。内管19、21は鋼管13の上蓋15に設けた配管口20、22(挿通部)にそれぞれ挿通される。内管19の下端は鋼管13内の上端部に位置し、内管21の下端は鋼管13内の下端部に位置する。配管口20と内管19、配管口22と内管21は、フランジ接合または溶接接合され、これにより鋼管13内が密閉される。本実施形態では、後述するように内管21については着脱式とし転用するためその外周に設けたフランジ(不図示)を用いてフランジ接合を行い、内管19は転用しないので上蓋15の配管口20と溶接接合することができる。
壁体1は、所定本数(例えば4本)の鋼管13が設置される範囲を1ブロックとして構築され、隣り合うブロック間ではソイルモルタル9が連続する。ブロック間には止水板(不図示)等が設置されていてもよい。
(2.壁体1の構築方法)
図2〜4は、壁体1の構築方法を示す図である。図2〜4の各図は、図1(b)の線B−Bに沿った鉛直断面に対応している。
壁体1を構築するには、まず図2(a)に示すように、地盤3を掘削して溝5を形成する。本実施形態では連壁掘削機によって地盤3を掘削することで、壁体1の延長方向(図2(a)の紙面法線方向に対応する)に1ブロック分の長さで延びる帯状の溝5を形成する。溝5は例えば鋼管13の下端に当たる位置から約1m下の深さまで掘削するものとし、溝5の底部が岩盤などの支持層に達するようにする。溝5は安定液25(液体)で満たされた状態で掘削される。
溝5の掘削後、安定液25中に鋼管13の下部13aを建て込む。鋼管13の下部13aは複数のピースからなり、まず図2(b)に示すように、下蓋17を有する最下段のピース131を、その上部を溝5の縁部に設けた鋼材等によるガイドウォール27で仮受けして溝5内に設置する。そして、当該ピース131の上に上段のピースを溶接等によって接合し、図2(c)に示すようにこれらのピース131を安定液25中で下降させ、上段のピース131の上部を再度ガイドウォール27で仮受けする。
以下同様に、ピース131を上方に継ぎ足しながら鋼管13の下部13aを安定液25中で下降させてゆく。鋼管13の下部13aの建て込みを終えた状態を図3(a)に示す。
上記の一連の工程中、鋼管13の下部13aには適宜バラスト水28の給水が行われ、安定液25(比重1.05〜1.15程度)により鋼管13の下部13aに加わる浮力と当該下部13aの重量をバランスさせる。より具体的には、鋼管13の下部13aの自重とバラスト水28の荷重の和が上記の浮力よりも若干大きくなるように調整される。
これにより、鋼管13の下部13aの建て込みを安定して行うことができる。また、建て込み時にはピース131を吊るためのクレーンが使用されるが、このクレーンも1ピース分の重量を吊れる能力が有れば十分である。さらに、仮受時にガイドウォール27に作用する反力はほぼ0となり、ガイドウォール27も簡易な構成のもので済む。
こうして1ブロック分の各鋼管13の下部13aの建て込みを行った後、図3(b)に示すように溝5の底部に根固め用のモルタル7を打設し、その上方で溝5内にソイルモルタル9を充填する。
モルタル7およびソイルモルタル9が固化して各鋼管13の下部13aが固定されれば、ガイドウォール27を撤去し、図3(c)に示すように、各鋼管13の下部13aの上端に鋼管13の上部13bを溶接等によって接合する。鋼管13の上部13bの上端には前記したように上蓋15が有り、この上蓋15には配管口20、22が設けられる。配管口22は、上端がコンクリート11(図1(a)参照)の天端より上方に位置するように筒状に設けられる。
次に、図3(d)に示すように上蓋15の配管口20、22に内管19、21を挿通し、内管19により鋼管13内に給水を行って鋼管13の頂部まで水29(冷媒)を充填する。
本実施形態では、バラスト水28を上記の水29の一部として再利用することが可能である。バラスト水28の温度は、地下水温度とほぼ同じ(15℃程度)となっているので、低温の水29を別途大量に準備する必要はない。ただし、バラスト水28を水29の一部として利用しない場合もあり、この場合には水29の給水を行う前に内管19からの給気を行いながら内管21からバラスト水28を排出しておく。
こうして1ブロック分の複数の鋼管13に対して給水を行った後、これらの鋼管13の上部13bの周囲で配筋と型枠(不図示)の設置を行い、図4(a)に示すようにコンクリート11を打設してその養生を行う。なお、前記の内管21はコンクリート11の打設後に配管口22に挿通することも可能である。
コンクリート11の養生期間中、内管19からの給水と内管21からの排水を行うことにより、個々の鋼管13と外部のタンク、ポンプ等の循環設備(不図示)の間で水29を循環させる。鋼管13内では水29が内管19の下端から内管21の下端に向かって下降する。水29の循環経路の適切な位置には水29の温度を計測するための温度計(不図示)が設けられる。
水29の循環は、コンクリート11の打設後例えば2週間程度継続し、鋼管13を介して水29とコンクリート11との間で熱交換を行うことでコンクリート11を冷却して養生する。壁体1に用いる鋼管13は太径であり表面積が大きいので、コンクリート11の冷却効率が良い。また循環設備のポンプも簡単なもので済み、高揚程ポンプ等は必要としない。
コンクリート11の養生時には、前記の温度計により水温をモニタリングし、水29の温度が上昇し過ぎていることが確認された場合には、低温の水を新規に供給したり、水29を冷却設備(不図示)に循環させたりして、温度を下げることが望ましい。
コンクリート11の養生が完了した後、図4(b)に示すように、内管19からの給気を行いながら内管21から排水を行うことで、図4(c)に示すように不要となった水29を排出して鋼管13内を空にする。排出した水29や不要となった循環設備等は他のブロックの施工時に転用できる。
こうして図1で説明した壁体1が構築される。この後内管21を撤去するとともに内管19と配管口22を密閉することで鋼管13内への空気等の侵入を防止し腐食の進行を抑制することができる。撤去した内管21も他のブロックの施工時に転用可能である。
このように、第1の実施形態では、配管口20、22に通した複数の内管19、21によって鋼管13に水29を循環させながらコンクリート11を養生することが可能になり、若干の配管とタンク、ポンプ等の循環設備を用意するだけでよく、手間なく容易に壁体1の構築を行うことができ工事費を抑えてコンクリート11の温度ひび割れの発生を防止できる。コンクリート11の養生後は、不要となった水29を内管21等を用いて排出することができる。
また、鋼管13の下端に下蓋17を有することにより、鋼管13の下部13aを溝5内の安定液25中に建て込む際に、鋼管13の下部13a内にバラスト水28を給水して浮力とのバランスをとりながら鋼管13の下部13aを安定して建て込むことができる。
また本実施形態では連壁掘削機により帯状の溝5を形成して鋼管13の下部13aを溝5内に並べて配置し、溝5にソイルモルタル9等の充填材を充填することで、地中での遮水性を確保した壁体1を容易に構築することができる。
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば本実施形態ではコンクリート11の養生後に鋼管13内の水29を全て排水したが、一部の水29のみ排水を行い、例えば鋼管13の上部13bのみ空とすることも可能である。また水29に代えてその他の冷媒をコンクリート11の養生を行うため用いることも可能である。
また、本実施形態では水29の循環や排水を個々の鋼管13ごとに行っているが、図5の壁体1’に示すように1ブロック分の各鋼管13の内管19、21をそれぞれ1本の主管23、24に接続し、主管23、24を用いて水29の循環や排水を1ブロック分の複数の鋼管13ごとに行ってもよい。
また、コンクリート11の養生期間中にコンクリート11の温度を計測し、養生状況の判断に用いてもよい。一般的に、コンクリートの温度は打設後3、4日で最高温度に達し、その後ゆっくりと低下していく。従って、コンクリート11の温度を計測することで、計測結果により養生期間を2週間未満に短縮することも可能である。
また、上蓋15や下蓋17はドーム状に限らず、平板状であってもよい。また補強部材などを取付けることも可能である。
以下、本発明の別の例について、第2〜第4の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
図6は本発明の第2の実施形態に係る壁体1aを示す図であり、壁体1aの延長方向に沿った鉛直断面を示す図である。
この壁体1aは、第1の実施形態の壁体1とほぼ同様の構成であるが、内管19の下端が鋼管13内の下端部に位置し、内管21の下端が鋼管13内の上端部に位置する点で異なる。
壁体1aの構築方法は第1の実施形態と同様であるが、コンクリート11の養生期間では、図7(a)に示すように内管19からの給水と内管21からの排水を行うことで水29を循環させ、この時鋼管13内の水29は内管19の下端から内管21の上端に向かって上昇する。コンクリート11の養生完了後は、図7(b)に示すように内管21からの給気を行いながら内管19から水29を排出する。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様、内管19、21によって鋼管13に水29を循環させながらコンクリート11を養生することが可能になり、これにより手間なく容易に壁体1aの構築を行うことができ工事費を抑えてコンクリート11の温度ひび割れの発生を防止できる。
[第3の実施形態]
図8は本発明の第3の実施形態に係る壁体1bを示す図である。図8(a)は壁体1bの延長方向に沿った鉛直断面を示す図であり、図8(b)は図8(a)の線C−Cによる水平断面を示す図である。
この壁体1bは、第1の実施形態の壁体1とほぼ同様の構成であるが、地盤3を掘削して複数の孔45(掘削部)が形成され、鋼管13の下部13aが孔45内に配置される点で異なる。これらの孔45は、隣接する孔45同士がラップするように壁体1bの延長方向に連続する。本実施形態では鋼管13の下部13aが1つ置きの孔45内に配置される。
図9(a)に示すように、孔45は、既知の全旋回オールケーシング工法によりケーシング47を回転させながら地盤3に押し込みつつ、ハンマグラブ等でケーシング47内を掘削することで形成する。孔45の内側は地下水46(液体)で満たされ、鋼管13の下部13aは図9(b)に示すようにこの地下水46中で建て込む。建て込み方法は第1の実施形態と略同様であり、鋼管13の下部13a内には前記と同様にバラスト水28も給水される。その後、ケーシング47を上方に引き抜きつつ、図9(c)に示すように孔45内にモルタル7(図8参照)の打設とソイルモルタル9の充填を行う。
以下同様の工程を繰り返すことで、図9(d)に示すように1ブロック分の複数の鋼管13の下部13aの設置を行う。前記したように鋼管13の下部13aは1つ置きの孔45内に配置され、それ以外の孔45ではモルタル7の打設とソイルモルタル9の充填のみを行う。
以下の工程は前記の図3(c)以下で説明したものと略同様であり、コンクリート11の養生時には内管19、21を用いて前記と同様に水29の循環が行われる。
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様、内管19、21によって鋼管13に水29を循環させながらコンクリート11を養生することが可能になり、これにより手間なく容易に壁体1bの構築を行うことができ工事費を抑えてコンクリート11の温度ひび割れの発生を防止できる。
なお、本実施形態では鋼管13の下部13aを1つ置きの孔45内に配置したが、これに限ることはない。例えば各孔45に鋼管13の下部13aを配置することも可能である。
[第4の実施形態]
図10は本発明の第4の実施形態に係る壁体1cを示す図であり、壁体1cの延長方向に沿った鉛直断面を示す図である。
この壁体1cは、第1の実施形態の壁体1とほぼ同様の構成であるが、鋼管13’の下端に下蓋17が設けられず、その代わりに鋼管13’の下端がモルタル7(閉塞部)で閉塞される点で異なる。モルタル7は鋼管13’の下端より若干上の高さまで打設される。
壁体1cを構築するには、まず図11(a)に示すように地盤3に溝5を掘削し、鋼管13’の下部13aを溝5内に建て込み、その上部をガイドウォール27で支持する。溝5は前記と同様、安定液25で満たした状態で連壁掘削機により掘削され、鋼管13’の下部13aは安定液25中で下降させる。ただし、本実施形態では鋼管13’の下部13aに前記の下蓋17が無いので、第1の実施形態のようなバラスト水28の給水は行われない。
こうして1ブロック分の各鋼管13’の下部13aの建て込みを行った後、図11(b)に示すように溝5の底部に根固め用のモルタル7を打設し、その上方で溝5内にソイルモルタル9を充填する。
モルタル7およびソイルモルタル9が固化して各鋼管13’の下部13aが固定されれば、ガイドウォール27を撤去し、図11(c)に示すように各鋼管13’の下部13aの上端に鋼管13’の上部13bを溶接等によって接合する。
その後、図11(d)に示すように、鋼管13’の上蓋15に設けた配管口20、22に内管19、21を挿通し、内管19から給水を行って鋼管13’の頂部まで水29を充填する。なお給水前には鋼管13’の下部13aの内側に安定液25が存在する(図11(c)参照)ので、事前に内管19からの給気を行いながら内管21から安定液25の排出を行っておく。
こうして1ブロック分の複数の鋼管13’に対して給水を行った後、これらの鋼管13’の上部13bの周囲で配筋と型枠(不図示)の設置を行い、図12(a)に示すようにコンクリート11を打設してその養生を行う。コンクリート11の養生期間中には、内管19からの給水と内管21からの排水を行うことにより前記と同様にして水29を循環させる。壁体1c内では水29が内管19の下端から内管21の下端に向かって下降し、鋼管13’を介して水29とコンクリート11の間で熱交換を行うことでコンクリート11を冷却して養生する。
コンクリート11の養生が完了した後、図12(b)に示すように、内管19からの給気を行いながら内管21から排水を行って不要な水29を排出し、図12(c)に示すように鋼管13’内を空にする。こうして図10で説明した壁体1cが構築される。
本実施形態では、この後さらに内管21を撤去して配管口22をキャップ等で密閉し、内管19から給気を行うことで鋼管13’内を加圧した後、内管19をキャップ等で密閉することができる。こうして鋼管13’内を加圧状態とすることで、鋼管13’内への地下水や空気等の侵入を確実に防止して鋼管13’の腐食の進行を抑制することができる。また、必要に応じて内管19のキャップ等を外して鋼管13’内を再加圧することも可能である。さらに、配管口22のキャップ等を外して内管21を再挿入し、内管21を用いて鋼管13’内に侵入した地下水の排出を行うことも可能である。
第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様、内管19、21によって鋼管13’に水29を循環させながらコンクリート11を養生することが可能になり、これにより手間なく容易に壁体1cの構築を行うことができ工事費を抑えてコンクリート11の温度ひび割れの発生を防止できる。
なお、第4の実施形態では鋼管13’に下蓋17が無く、第1の実施形態のように鋼管13’の建て込み時にバラスト水28の給水を行えないので、鋼管13’の下部13aの全重量を吊り下げることのできるクレーンが必要になり、またガイドウォール27としても鋼管13’の下部13aの全重量を支持できるものが必要になる。この点では第1の実施形態のように鋼管13の下部13aに下蓋17を設けてバラスト水28を給水しつつ建て込みを行う方が有利である。
また、本実施形態では前記の下蓋17を省略して鋼管13’の下端をモルタル7で閉塞したが、鋼管13’の上端についても上蓋15を省略し、コンクリート11によって閉塞することが可能である。ただし、この場合鋼管13’の直上のコンクリート11を打設する際に鋼管13’の上端に蓋状の底型枠が別途必要になり、この点では上蓋15を予め設けておいた方が好ましい。
また、鋼管13’の下部13aは中掘工法によって地下に埋設することも可能であり、図13は中掘工法によって鋼管13’の下部13aを地盤3内に設けた壁体1c’の例である。
中掘工法では、鋼管13’の下部13aの地盤3内への沈設と、当該下部13aの内側の地盤3の掘削とを交互に繰り返すことで、鋼管13’の下部13aを所定深さに配置する。鋼管13’の下部13aの沈設はピース131を上方に継ぎ足しながら行い、鋼管13’の下部13aが所定深さに達した後、その内側から根固め用のモルタル7を地盤3内に打設する。なおこのとき鋼管13’の下部13aの内側には地下水が存在する。
以下の工程は図11(c)以下で説明した前記の例と略同様であり、コンクリート11の養生時には内管19、21を用いて前記と同様に水29の循環が行われ、最終的に鋼管13’内を加圧状態とすることで鋼管13’内への地下水や空気等の侵入を防止して鋼管13’の腐食の進行を抑制することもできる。なお、前記の例では鋼管13’内に水29を給水する前に安定液25の排出を行っているが、ここでは安定液25の代わりに鋼管13’の下部13aの内側の地下水を排出する。
このように、鋼管13’は中掘工法によって設置を行うことも可能である。ただし、中掘工法では鋼管13’の下部13aの設置に時間と手間を要し、また太径の鋼管13’や長大な鋼管13’の場合は地盤3との間の摩擦が大きくなり設置が難しくなるという欠点はある。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1’、1a、1b、1c、1c’:壁体
3:地盤
5:溝
7:モルタル
11:コンクリート
9:ソイルモルタル
13、13':鋼管
13a:下部
13b:上部
15:上蓋
17:下蓋
19、21:内管
25:安定液
28:バラスト水
29:水
45:孔

Claims (8)

  1. 下部が地下に埋設され、上部が地上に突出する外管と、
    前記外管の下端を閉塞する閉塞部と、
    前記外管の上部の周囲に設けられたコンクリートと、
    複数の内管を前記外管内に通すための挿通部と、
    を有し、
    前記外管の下部が地盤に形成された掘削部に配置され、
    前記外管の下端部の周囲にモルタルが設けられ、
    前記モルタルの上方で、前記掘削部と前記外管の間が充填材であるソイルモルタルで充填されたことを特徴とする壁体。
  2. 前記外管の下端を閉塞する閉塞部は、前記外管に設けられた蓋体であることを特徴とする請求項1に記載の壁体。
  3. 複数の前記外管の下部が、前記掘削部に並べて配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の壁体。
  4. 下部が地下に埋設され、上部が地上に突出する外管を、前記外管の下端が閉塞部により閉塞されるように設ける工程(a)と、
    前記外管の上部の周囲にコンクリートを打設し、前記コンクリートを養生する工程(b)と、
    を有し、
    前記工程(b)における前記コンクリートの養生時に、挿通部を介して複数の内管を前記外管内に通し、複数の前記内管を用いて前記外管に冷媒を循環させることを特徴とする壁体の構築方法。
  5. 前記コンクリートの養生後に、前記内管を用いて前記冷媒を排出する工程(c)を有することを特徴とする請求項4記載の壁体の構築方法。
  6. 前記外管の下端を閉塞する閉塞部は、前記外管に設けられた蓋体であり、
    前記工程(a)において、前記外管の下部を、地盤を掘削して形成した掘削部内の液体中で下降させ、その際に前記外管に給水を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の壁体の構築方法。
  7. 前記工程(a)において、複数の前記外管の下部を、地盤を掘削して形成した掘削部内に並べて配置し、前記掘削部と前記外管の間に充填材を充填することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の壁体の構築方法。
  8. 連壁掘削機によって前記地盤を掘削することを特徴とする請求項6または請求項7記載の壁体の構築方法。
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