JP6944186B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、低電圧駆動を目的とする液晶表示装置に関するものである。
近年、デジタル化技術の進歩に伴い、新聞、雑誌などの文字情報や画像情報が電子データとして提供されている。これらの電子データは、テレビ、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と表記する。)、電子ペーパー、携帯情報端末等が備える表示装置によって閲覧することができる。特に、モバイルPC、携帯情報端末等は、街中で持ち運びながら使用する機会が増えており、それらの低消費電力化が重要な課題となっている。更に、災害時に刻々と被災状況等を伝える災害向けデジタルサイネージでは、可能な限りの低消費電力化が求められる。
液晶表示素子を用いた主な表示方法は、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式の3種類がある。このうち、TN方式は、他の方式よりも低電圧駆動が可能な表示方法である。
図7は、従来の透過型TN方式の液晶表示装置において生じる現象を説明する図である。従来の透過型TN方式の液晶表示装置100は、液晶表示素子200(液晶パネルとも言う。)と、液晶表示素子200に光を照射する光源300と、を備える。液晶表示素子200は、2枚の基板111、121と、ネマティック液晶分子131〜133が封入される液晶層130と、2枚の偏光板140、150とによって構成される。2枚の偏光板140、150は、透過軸140a、150aが互いに直交するように配置される。2枚の基板111、121は2枚の偏光板140、150に挟まれ、各基板111、121の電極112、122が取り付けられる電極面111a、121aは互いに対向する。電極面112a、122aの間には液晶層130が挟まれ、電極面111a、121aには配向処理が施された配向膜113、123が塗布されている。配向膜113の配向方向113aは、偏光板140の透過軸140aと平行、すなわち紙面に垂直な方向である。配向膜123の配向方向123aは、偏光板150の透過軸150aと平行、すなわち図の左右方向である。従って、配向膜113、123の配向方向113a、123aは互いに直交する。
ここで、図7(a)は電圧無印加時又は電圧が1.1Vより小さい状態を示し、図7(b)は電圧が2.2Vより大きい電圧印加時の状態を示している。図7(a)に示すように、液晶層130の液晶分子131〜133は90°ねじれ構造を有する配向状態、すなわち2つの配向膜113、123間で90度ねじれている。より詳細には、配向膜113及び液晶層130の界面における液晶分子131は、配向膜113の配向方向113aとほぼ平行に配向され、配向膜123及び液晶層130の界面における液晶分子132は、配向膜123の配向方向123aとほぼ平行に配向され、配向膜113及び液晶層130の界面並びに配向膜123及び液晶層130の界面以外における液晶分子133は、2つの配向膜113、123の間を、配向膜113の配向方向113aから配向膜123の配向方向123aまで徐々にねじれるように配向される。
従って、図7(a)に示す状態では、光源300から偏光板150に向かって照射される光は、偏光板150を通過すると、透過軸150aの方向の偏光になり、その光が液晶層130に侵入すると、液晶分子131〜133のねじれに沿うように偏光方向が90度変わる。そして、液晶層130を出てくるときには配向膜113の配向方向113aの偏光になるので、光が偏光板140を透過する。
一方、電圧を印加すると、配向膜113及び液晶層130の界面並びに配向膜123及び液晶層130の界面以外における液晶分子133は、電界の方向に沿うように回転していく。ここで、電界の方向は、2枚の基板111、121が対向する方向、すなわち図の上下方向である。そして、図7(b)に示す状態では、液晶分子133の向きが完全に図の上下方向と平行になる。この状態では、偏光板150を通過した光は、偏光方向を変えずに液晶層130を通過し、透過軸140aが偏光板150の透過軸150aと直交する偏光板140を通過することができず、偏光板140を透過する光はほぼ0%になる。
このように、液晶表示装置は、配向膜によって電圧無印加時の光の透過率を定め、印加する電圧の値によって光の透過率を連続的に制御している。液晶分子の配向を制御する方法としては、対向する基板上にポリイミド等からなる配向膜を形成し、レーヨン、綿等の布によって配向膜の表面を所定の方向に擦るラビング法、偏光紫外線を照射してポリイミド等からなる配向膜の表面に異方性を発生させる光配向法等が実用化されている。
また、電場、磁場によって状態を記憶するメモリ機能を有する液晶表示装置も提案されている。このような液晶表示装置を実現するためには、基板表面における液晶分子の配向を拘束する力、すなわちアンカリング力を弱くする必要がある。アンカリング力を弱くする手法としては、特許文献1が提案されている。また、アンカリング力を制御してIPS方式の液晶表示装置に応用する手法としては、特許文献2、非特許文献1が提案されている。特許文献2に示すIPS方式の液晶表示装置は、弱いアンカリング力の配向膜が形成された基板と、強いアンカリング力の配向膜が形成された基板とによって構成され、弱いアンカリング力の配向膜上の面内電界によって、配向膜上の液晶分子の面内回転を制御しようとしている。
特開2014−215421号公報 特開2017−10030号公報
DENIS ANDRIENKO, FRANCOES BARBET, DENIS BORMANN, YURIY KURIOZ, SOON-BUM KWON, YURIY REZNIKOV and MARK WARENGHEM, Electrically controlled director slippage over a photosensitive aligning surface; in-plane sliding mode, Liquid Crystals, 2000, Vol. 27, No. 3, 365-370 Rumiko Yamaguchi and Susumu Sato, Continuous grey scale image printing on the liquid crystal cell, APPLIED PHYSICS LETTERS 86, 031913, 2005 Rumiko Yamaguchi, Yutaka Waki and Susumu Sato, Reverse Mode and Wide Viewing angle properties in polymer dispersed Liquid Crystal Cells Prepared using a UV curable liquid crystal, JJAP Vol. 36, pp. 2771-2774, 1997
しかしながら、特許文献2によるIPS方式の液晶表示装置では、駆動電圧が数V以下にはならない。これは、そもそもIPS方式自体が低電圧駆動に限界があるためである。本発明者は、TN方式の液晶表示装置の研究を長年実施してきた(非特許文献2、3参照)。そして、本発明者は、液晶表示装置における新しい低電圧駆動の実現方法を考案した。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、低電圧駆動が可能な液晶表示装置を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、第1電極が取り付けられる第1電極面を有する第1基板と、前記第1電極と異なる第2電極が取り付けられ、前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2基板と、前記第1電極及び前記第2電極の間に挟持され、液晶分子が封入される液晶層と、前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に設置される第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に設置される第2偏光板と、を備える液晶表示装置であって、前記第1電極には、第1配向方向に配向処理される第1配向膜が形成され、前記第2電極には、前記第1配向方向と直交する第2配向方向に配向処理される第2配向膜が形成され、前記第1配向膜による前記第1配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子の配向を拘束するアンカリング力は、前記第2配向膜による前記第2配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子の配向を拘束するアンカリング力よりも弱く、前記第1電極及び前記第2電極の間に電圧が印加されて生じる電界によって、前記第1配向膜及び前記液晶層の界面並びに前記第2配向膜及び前記液晶層の界面以外における前記液晶分子が、前記第1基板と前記第2基板が対向する方向に沿うように回転するとともに、前記第1配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子が、前記第1電極面に平行な面内で回転することを特徴とする液晶表示装置である。本発明によって、低電圧駆動が可能な液晶表示装置を提供することができる。
第1の発明における前記第1配向膜及び前記液晶層の界面並びに前記第2配向膜及び前記液晶層の界面以外における前記液晶分子が、前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧の変化に応じて90度回転する前に、前記第1偏光板と前記第2偏光板との間を透過する光の割合を示す透過率が最小値から最大値まで又は最大値から最小値まで変化しても良い。これによって、駆動電圧を低く抑えることが可能となる。
また、前記第1配向膜の前記アンカリング力は、前記第1配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子に対する、前記第1電極面に平行な方向の配向を拘束する力であり、前記液晶分子のねじれ弾性定数をK22とし、前記液晶層の厚さをdとすると、前記第1配向膜の前記アンカリング力は、2×K22/d以下であっても良い。これによって、従来の透過型TN方式の液晶表示装置よりも低駆動電圧とすることができる。
また、前記第1電極及び前記第2電極の間に電圧が印加されていない場合、全ての前記液晶分子の向きが前記第2配向方向と平行であっても良い。これによって、電圧無印加時における透過率が安定的に,2枚の偏光板の透過軸が直交の場合は最小,又は2枚の偏光板の透過軸が平行の場合は最大となる。
本発明により、低電圧駆動が可能な液晶表示装置を提供することができる。
本発明の実施形態における液晶表示装置の概略構成を示す断面図 本発明の実施形態の液晶表示装置において生じる現象を説明する図 本発明の実施形態の液晶表示装置及び従来の透過型TN方式の液晶表示装置における印加電圧と光の透過率の関係を示す図 一方の配向膜のアンカリング力を変化させた場合の印加電圧と光の透過率の関係を示す図 光の波長を変化させた場合の印加電圧と光の透過率の関係を示す図 本発明の実施形態の液晶表示装置における印加電圧と光の透過率の関係の実測値を示す図 従来の透過型TN方式の液晶表示装置において生じる現象を説明する図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態における液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、液晶表示装置1は、液晶表示素子2と、液晶表示素子2に光を照射する光源3と、を備える。液晶表示素子2は、電極12が取り付けられる電極面11aを有する基板11と、電極12と異なる電極22が取り付けられ、電極面11aと対向する電極面21aを有する基板21と、電極12及び電極22の間に挟持され、液晶分子31〜33が封入される液晶層30と、基板11の液晶層30側とは反対側に設置される偏光板40と、基板21の液晶層30側とは反対側に設置される偏光板50と、を備える。
液晶表示装置1は、例えば、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)液晶表示装置であり、この場合、基板11はカラーフィルタ基板、基板21はTFTアレイ基板である。また、液晶表示装置1の駆動方法は、例えば、TFTをアクティブ素子とするTFT方式、又はアクティブ素子がない単純マトリクス方式等が挙げられる。また、液晶分子31〜33は、例えば、ネマティック液晶分子である。但し、本発明の実施形態の液晶表示装置1は、これらの例に限定されるものではない。
図1に示す例では、液晶表示装置1は、光源3をバックライトとする透過型液晶装置である。但し、液晶表示装置1は、光源3を備えない反射型液晶表示装置でも良いし、半透過型液晶表示装置でも良い。
電極12には、所定の配向方向13aに配向処理される配向膜13が形成される。電極22には、配向方向13aと直交する配向方向23aに配向処理される配向膜23が形成される。
図1に示す例では、偏光板40の透過軸40aは紙面に垂直な方向であり、偏光板50の透過軸50aは図の左右方向なので、偏光板40の透過軸40aと偏光板50の透過軸50aは直交する。但し、偏光板40の透過軸40aと偏光板50の透過軸50aは平行であっても良い。また、偏光板40の透過軸40aは図の左右方向であっても良いし、偏光板50の透過軸50aは紙面に垂直な方向であっても良い。
また、図1に示す例では、偏光板40の透過軸40aは紙面に垂直な方向であり、配向膜13の配向方向13aも紙面に垂直な方向なので、偏光板40の透過軸40aと配向膜13の配向方向13aは平行である。また、偏光板50の透過軸50aは図の左右方向であり、配向膜23の配向方向23aも図の左右方向なので、偏光板50の透過軸50aと配向膜23の配向方向23aは平行である。但し、偏光板40の透過軸40aと配向膜13の配向方向13aは垂直でも良いし、偏光板50の透過軸50aと配向膜23の配向方向23aも垂直でも良い。
配向膜13による配向膜13及び液晶層30の界面における液晶分子31の配向を拘束するアンカリング力(以下、「配向膜13のアンカリング力」と略記する。)は、配向膜23による配向膜23及び液晶層30の界面における液晶分子32の配向を拘束するアンカリング力(以下、「配向膜23のアンカリング力」と略記する。)よりも弱い。ここで、一般に、アンカリング力には、方位角アンカリング力と極角アンカリング力があるが、本発明の実施の形態では、アンカリング力とは、方位角アンカリング力、すなわち電極面11aや電極面21aに平行な方向の液晶分子31や液晶分子32の配向を拘束する力を意味するものとする。
液晶分子31〜33のねじれ弾性定数をK22とし、液晶層の厚さをdとすると、配向膜13のアンカリング力はK22/dが望ましい。図1に示す例では、液晶分子31〜33のねじれ弾性定数K22が4×10−12N(ここで、10−12は10の−12乗を意味する。以下同じ。)、液晶層の厚さdが8×10−6m、液晶分子31〜33の誘電異方性が11である。そして、配向膜13の材質がPVCi(polyvinyl cinnamate:ポリビニルシンナメート)、配向膜13のアンカリング力が5×10−7〔N/m〕であり、配向膜23の材質がPI(polyimide:ポリイミド)、配向膜23のアンカリング力が1×10−5〔N/m〕よりも大きい。
ここで、方位角アンカリング力の測定方法は、公知のトルクバランス法やネールウォール法を用いることができる。配向膜13のように、5×10−7〔N/m〕程度の弱いアンカリング力の配向膜を形成する方法は、例えば、「Rumiko Yamaguchi and Susumu Sato, Continuous grey scale image printing on the liquid crystal cell, APPLIED PHYSICS LETTERS 86, 031913, 2005」(=非特許文献2)に記載の方法を用いることができる。非特許文献2に記載のアンカリング力の配向膜を形成する方法は、配向膜の材質をPVCiとし、PVCiで被覆された基板を擦り、非偏光UV光に露光する。露光時間を調整することによって、8×10−8〜2×10−5〔N/m〕の範囲のアンカリング力を有する配向膜を形成することができる。また、配向膜23のように、1×10−5〔N/m〕以上の強いアンカリング力の配向膜を形成する方法は、例えば、公知のラビング法や光配向法等の方法を用いることができる。
図1に示す例では、電極12及び電極22の間に電圧が印加されていない場合、配向膜23のアンカリング力の影響によって、全ての液晶分子31〜33の向きが配向方向23aと平行である。これによって、液晶表示装置1は、電圧無印加時において、偏光板40と偏光板50との間を透過する光の割合を示す透過率が安定的に最小又は最大となる。例えば、図1に示す透過軸40a、50aであれば、透過率がほぼ0となる。
ここで、液晶分子31〜33の向きとは、液晶分子31〜33の誘電率異方性が正、すなわち液晶分子31〜33がポジティブ型の場合、液晶分子31〜33の長軸方向を意味する。但し、液晶分子31〜33の誘電率異方性が負、すなわち液晶分子31〜33がネガティブ型でも良く、その場合、液晶分子31〜33の向きは、液晶分子31〜33の短軸方向を意味する。
図2は、本発明の実施形態の液晶表示装置において生じる現象を説明する図である。図3は、本発明の実施形態の液晶表示装置及び従来の透過型TN方式の液晶表示装置における印加電圧と光の透過率の関係を示す図である。図3において、グラフAが本発明の実施形態の液晶表示装置1における印加電圧と光の透過率の関係を示し、グラフBが従来の透過型TN方式の液晶表示装置100における印加電圧と光の透過率の関係を示している。
図3の例では、グラフAによって示される本発明の実施形態の液晶表示装置1の物性値は、前述の図1に示す例と同様である。また、グラフBによって示される従来の透過型TN方式の液晶表示装置100の物性値は、配向膜113のアンカリング力が1×10−5〔N/m〕であることを除くと、前述の図1に示す例と同様である。尚、図3に示す光の透過率は、理論上の計算値であり、実際の液晶表示装置では吸収、反射等によって一部の光量が失われる。
State−A1〜State−A4は本発明の実施形態の液晶表示装置1における各状態を示している。State−A1は電圧が1V未満の場合であり、光の透過率が0%、すなわち最小値の状態である。State−A2は電圧が1〜1.5Vの場合であり、光の透過率が0%から100%まで増加する状態、すなわち最小値から最大値まで変化する状態である。State−A3は電圧が1.5V〜2.5Vの場合であり、光の透過率が100%から0%まで減少する状態、すなわち最大値から最小値まで変化する状態である。State−A4は電圧が2.5Vよりも大きい場合であり、光の透過率が0%の状態、すなわち最小値の状態である。
一方、State−B1〜State−B3は従来の透過型TN方式の液晶表示装置100における各状態を示している。State−B1は電圧が1.1V未満の場合であり、光の透過率がほぼ100%、すなわち最大値の状態である。State−B2は電圧が1.1V〜2.2Vの場合であり、光の透過率が100%から0%まで減少する状態、すなわち最大値から最小値まで変化する状態である。State−B3は電圧が2.2Vよりも大きい場合であり、光の透過率が0%の状態、すなわち最小値の状態である。
ここで、図2を参照しながら、本発明の実施形態の液晶表示装置1において生じる現象を説明する。図2(a)に示すように、State−A1の状態では、液晶分子31〜33の配向に関して、配向膜13のアンカリング力は影響を与えない。そして、配向膜23のアンカリング力の影響によって、液晶分子31〜33は配向膜23の配向方向23aに一様に並び、液晶層30における液晶分子31〜33の配列はねじれない。この状態では、光源3から偏光板50に向かって照射される光は、偏光板50を通過して透過軸50aの方向の偏光になった後、その光が液晶層30に侵入しても偏光方向が変わらない。従って、液晶層30から出てくる光は、透過軸50aと直交する透過軸40aを有する偏光板140を透過しない。
State−A2の状態では、電極12及び電極22の間に電圧が印加されて生じる電界によって、配向膜13及び液晶層30の界面並びに配向膜23及び液晶層30の界面以外における液晶分子33が、電界の方向に沿うように回転する。これは、いわゆる液晶分子33が立ち上がり始めることを意味する。ここで、電界の方向は、基板11と基板21が対向する方向、すなわち図の上下方向である。このとき、液晶分子31〜33のねじれ弾性力は小さくなるため、配向膜13及び液晶層30の界面における液晶分子31が、配向膜13のアンカリング力による本来の配向方向13a、すなわち紙面に垂直な方向に沿うように回転する。言い換えると、電極12及び電極22の間に電圧が印加されて生じる電界(=面外電界)によって、配向膜13及び液晶層30の界面における液晶分子31が、電極面11aに平行な面内で回転する。そして、液晶分子31〜33の配向にねじれが出現する。従って、液晶層30から出てくる光は、電圧に応じた透過率で偏光板40を透過する。
図2(b)に示すように、電圧が1.5Vの状態では、透過軸50aの方向の偏光になった光が液晶層30に侵入すると、液晶分子31〜33のねじれ角と位相差との関係から、偏光方向が90度変わる。そして、液晶層30から出てくる光は、最大値の透過率で偏光板40を透過する。
State−A3の状態では、更に、液晶分子33が基板11と基板21が対向する方向に沿うように回転し、液晶分子31が電極面11aに平行な面内で回転する。液晶層30から出てくる光は、電圧に応じた透過率で偏光板40を透過する。
図2(c)に示すように、State−A4の状態では、配向膜13及び液晶層30の界面における液晶分子31が完全に本来の配向方向13a、すなわち紙面に垂直な方向になる。この液晶分子31〜33の配列は、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100の図7(b)に示すState−B3の状態と同様であり、液晶層30から出てくる光は、透過軸50aと直交する透過軸40aを有する偏光板140を透過しない。
State−A1の状態から電圧が1.5Vの状態までの変化を参照すると、配向膜13及び液晶層30の界面並びに配向膜23及び液晶層30の界面以外における液晶分子33の向きが、電極12及び電極22の間に印加される電圧の変化に応じて基板11と基板21が対向する方向と平行になる前に、すなわち90度回転する前に、偏光板40と偏光板50との間を透過する光の透過率が最小値から最大値まで又は最大値から最小値まで変化する。従来の透過型TN方式の液晶表示装置100であれば、図7に示すState−B1の状態からState−B3の状態までの変化を見ると分かるように、透過率が最小値から最大値まで変化する間に、液晶分子133が、基板111と基板121が対向する方向と平行になっている、すなわち90度回転している。従って、透過率を最小値から最大値まで変化させるためには、本発明の実施形態の液晶表示装置1は、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100よりも少ない角度、すなわち90度よりも少ない角度だけ液晶分子33を回転させる電圧を印加すれば良いので、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100よりも駆動電圧を低く抑えることが可能となる。
図3に示すように、本発明の実施形態の液晶表示装置1は、透過率を最小値から最大値まで変化させるために、2つの電極12、22間に印加する電圧を1V〜1.5Vで制御することになるので、バイアス電圧を1Vとすると、0.5Vの駆動電圧で十分である。一方、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100は、透過率を最小値から最大値まで変化させるために、2つの電極112、122間に印加する電圧を1.1V〜2.2Vで制御することになるので、バイアス電圧を1.1Vとすると、1.1Vの駆動電圧が必要となる。このように、本発明の実施形態の液晶表示装置1は、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100よりも半分以下の低電圧駆動が可能となる。
また、図3に示すように、本発明の実施形態の液晶表示装置1は、透過率が最小値から最大値まで変化するState−A2の状態と、透過率が最大値から最小値まで変化するState−A3の状態とを有する。これは、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100には無い特性である。
図4は、一方の配向膜のアンカリング力を変化させた場合の印加電圧と光の透過率の関係を示す図である。図4では、前述の図1の例における配向膜13のアンカリング力を変化させ、他の物性値は図1の例と同様である。尚、図4に示す光の透過率は、理論上の計算値であり、実際の液晶表示装置では吸収、反射等によって一部の光量が失われる。
アンカリング力が1×10−5〔N/m〕の場合、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100と同様である。アンカリング力が1×10−6〔N/m〕の場合、電圧が0〜1Vでは透過率が67%であり、電圧が1Vを超えると、透過率は増加する。そして、電圧が1.4Vで透過率が最大値である95%になった後、電圧増加とともに透過率は減少していき、電圧が2.5Vで透過率が最小値である0%になる。アンカリング力が5×10−6〔N/m〕の場合、図3に示す本発明の実施形態の液晶表示装置1と同様である。アンカリング力が1×10−7〔N/m〕の場合、電圧が0〜1.9Vでは透過率が最小値である0%であり、電圧が1.9Vを超えると、透過率は増加する。そして、電圧が2.1Vで透過率が最大値である60%になった後、電圧増加とともに透過率は減少していき、電圧が2.8Vで透過率が最小値である0%になる。
アンカリング力が1×10−5〔N/m〕の場合、図3のグラフBに示す従来の透過型TN方式の液晶表示装置100の説明として前述した通り、透過率を最小値から最大値まで変化させるために、2つの電極間に印加する電圧を1.1V〜2.2Vで制御することになるので、バイアス電圧を1.1Vとすると、1.1Vの駆動電圧が必要となる。また、アンカリング力が1×10−6〔N/m〕の場合、透過率を最大値から最小値まで変化させるために、2つの電極間に印加する電圧を1.4V〜2.5Vで制御することになるので、バイアス電圧を1.4Vとすると、1.1Vの駆動電圧が必要となる。従って、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100よりも低電圧駆動とするためには、液晶分子31〜33のねじれ弾性定数K22が4×10−12N、液晶層の厚さdが8×10−6mのとき、配向膜13のアンカリング力は1×10−6〔N/m〕以下が望ましい。すなわち、配向膜13のアンカリング力は2×K22/d〔N/m〕以下が望ましい。
一方、アンカリング力が1×10−7〔N/m〕の場合、透過率を最小値から最大値まで変化させるために、2つの電極間に印加する電圧を1.9V〜2.1Vで制御することになるので、バイアス電圧を1.9Vとすると、0.2Vの駆動電圧で十分である。しかしながら、透過率の最大値は60%、すなわちアンカリング力が5×10−7〔N/m〕の場合の6割であり、コントラスト比が低下する。従って、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100よりも低駆動電圧とし、かつコントラスト比を許容範囲内とするためには、液晶分子31〜33のねじれ弾性定数K22が4×10−12N、液晶層の厚さdが8×10−6mのとき、配向膜13のアンカリング力は1×10−7〔N/m〕以上が望ましい。すなわち、配向膜13のアンカリング力は0.2×K22/d〔N/m〕以上が望ましい。
図5は、光の波長を変化させた場合の印加電圧と光の透過率の関係を示す図である。図5では、配向膜13のアンカリング力が5×10−7〔N/m〕のとき、光源3から照射される光の波長が440nm、550nm及び650nmの場合を示している。図5に示すように、透過率が0%から上昇を開始する電圧、透過率が最大値となる電圧、透過率が最大値から0%に到達する電圧は、いずれの波長であってもほぼ同一である。従って、本発明の実施形態の液晶表示装置1において、印加電圧と光の透過率の関係は、光の波長に依存しないことが分かる。
図6は、本発明の実施形態の液晶表示装置における印加電圧と光の透過率の関係の実測値を示す図である。グラフaは本発明の実施形態の液晶表示装置1、グラフbは従来の透過型TN方式の液晶表示装置100を示している。図6に示すように、グラフa、グラフbは、それぞれ、光の透過率の最大値は異なるものの、図3に示すグラフA、グラフBと同様の曲線であることが分かる。すなわち、透過率が0%から上昇を開始する電圧、透過率が最大値となる電圧、透過率が最大値から0%に到達する電圧は、ほぼ同様であることが分かる。従って、図3における理論上の計算値は、実測値によって裏付けられていると言える。尚、本発明の実施形態の液晶表示装置1を示すグラフaについては、電圧のヒステリシス性が見られる。
以上、本発明の実施形態の液晶表示装置1によれば、従来の透過型TN方式の液晶表示装置100と比較して低電圧駆動が可能となる。本発明の実施形態の液晶表示装置1は、テレビ、PC、携帯情報端末等の表示装置のみならず、低電圧駆動が必要とされる電子ペーパーや、災害時に災害情報を表示するデジタルサイネージ等に好適である。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る液晶表示装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、100………液晶表示装置
2、200………液晶表示素子
3、300………光源
11、21、111、121………基板
11a、21a、111a、121a………電極面
12、22、112、122………電極
13、23、113、123………配向膜
13a、23a、113a、123a………配向方向
30、130………液晶層
31〜33、131〜133………液晶分子
40、50、140、150………偏光板
40a、50a、140a、150a………透過軸

Claims (4)

  1. 第1電極が取り付けられる第1電極面を有する第1基板と、前記第1電極と異なる第2電極が取り付けられ、前記第1電極面と対向する第2電極面を有する第2基板と、前記第1電極及び前記第2電極の間に挟持され、液晶分子が封入される液晶層と、前記第1基板の前記液晶層側とは反対側に設置される第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層側とは反対側に設置される第2偏光板と、を備える液晶表示装置であって、
    前記第1電極には、第1配向方向に配向処理される第1配向膜が形成され、
    前記第2電極には、前記第1配向方向と直交する第2配向方向に配向処理される第2配向膜が形成され、
    前記第1配向膜による前記第1配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子の配向を拘束するアンカリング力は、前記第2配向膜による前記第2配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子の配向を拘束するアンカリング力よりも弱く、
    前記第1電極及び前記第2電極の間に電圧が印加されて生じる電界によって、前記第1配向膜及び前記液晶層の界面並びに前記第2配向膜及び前記液晶層の界面以外における前記液晶分子が、前記第1基板と前記第2基板が対向する方向に沿うように回転するとともに、前記第1配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子が、前記第1電極面に平行な面内で回転する
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第1配向膜及び前記液晶層の界面並びに前記第2配向膜及び前記液晶層の界面以外における前記液晶分子が、前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧の変化に応じて90度回転する前に、前記第1偏光板と前記第2偏光板との間を透過する光の割合を示す透過率が最小値から最大値まで又は最大値から最小値まで変化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1配向膜の前記アンカリング力は、前記第1配向膜及び前記液晶層の界面における前記液晶分子に対する、前記第1電極面に平行な方向の配向を拘束する力であり、
    前記液晶分子のねじれ弾性定数をK22とし、前記液晶層の厚さをdとすると、前記第1配向膜の前記アンカリング力は、2×K22/d以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1電極及び前記第2電極の間に電圧が印加されていない場合、全ての前記液晶分子の向きが前記第2配向方向と平行である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
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