<状態判定システム10の第1構成例>
図1は、本実施形態に係る状態判定システム10の第1構成例を示す。状態判定システム10は、遠隔地にいる人が電話、メール等に応答できる状態であるか否かを判定する。本実施形態において、状態判定システム10は、会社等に所属する社員のテレワークによる会社外の労務状況等を管理する装置としても機能してよい。
例えば、状態判定システム10は、会社等の建物に設けられており、状態判定システム10の判定対象は会社外で作業している社員である。本実施形態において、判定対象の人をユーザ20とする。状態判定システム10は、第1デバイス100と、第2デバイス200と、状態判定装置300とを備える。
第1デバイス100は、ユーザ20が保有しており、状態判定装置300と通信可能なデバイスである。第1デバイス100は、ネットワーク40を介して状態判定装置300と通信可能であることが望ましい。また、第1デバイス100は、電話機として機能するデバイスであることが望ましい。第1デバイス100は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、小型PC等の携帯端末である。第1デバイス100は、状態判定システム10を運用している会社からユーザ20に貸与されている携帯端末であってよく、これに代えて、ユーザ20が所有している携帯端末であってもよい。
第1デバイス100は、可視光の光強度レベルを検出する検出部110を有する。検出部110は、可視光の光強度レベルを検出できればよく、例えば、携帯端末に設けられているカメラ等でよい。これに代えて、検出部110は、第1デバイス100に設けられている光センサ等であってもよい。
第1デバイス100は、例えば、検出した可視光の光強度レベルを検出情報として状態判定装置300に送信する。第1デバイス100は、予め定められた期間が経過する毎に、及び/又は、予め定められた時刻に、検出情報を状態判定装置300に送信してもよい。例えば、ユーザ20が第1デバイス100を仕事中の部屋の机の上に置くと、部屋の明るさに対応する可視光の光強度レベルを所定の期間毎に状態判定装置300に送信する。
また、検出部110は、第1デバイス100に複数設けられていることが望ましい。例えば、検出部110は、第1デバイス100の第1面に設けられている第1光検出器111と、第1面の反対側の第2面に設けられている第2光検出器112とを含む。一例として、ユーザ20が自身を撮像するために第1デバイス100の表示面側に設けられているカメラを第1光検出器111として用い、ユーザ20が景色等を撮像するために第1デバイス100の表示面とは反対側の面に設けられているカメラを第2光検出器112として用いる。
例えば、ユーザ20が第1デバイス100の表示面側である第1面を部屋の天井に向けた状態で机の上等に置くと、第1光検出器111は部屋の明るさに対応する可視光の光強度レベルを検出できる。また、ユーザ20が第1デバイス100の表示面とは反対側の第2面を部屋の天井に向けた状態で机の上等に置いても、第2光検出器112は部屋の明るさに対応する可視光の光強度レベルを検出できる。このように、ユーザ20が第1デバイス100を机の上に置くだけで、第1デバイス100は、部屋の明るさを検出した検出情報を状態判定装置300に送信できる。
第1デバイス100は、例えば、記憶部に記憶されているアプリケーションソフトウェア(以下、「アプリケーション」という)が実行されると、検出部110が可視光の光強度レベルを検出し、検出結果を状態判定装置300に送信するデバイスとして機能する。ユーザ20は、会社外でテレワークする場合、自身の勤務状況を同僚、上司等に把握してもらうためにこのようなアプリケーションを実行する。
第2デバイス200は、状態判定装置300と通信可能なデバイスである。第2デバイス200は、ネットワーク40を介して状態判定装置300と通信可能であることが望ましい。第2デバイス200は、ユーザ20が操作して仕事をするためのデバイスである。第2デバイス200は、例えば、ノート型PC、タブレットPC、デスクトップ型PC等である。第2デバイス200は、会社からユーザ20に貸与されているデバイスであってよく、これに代えて、ユーザ20が所有しているデバイスであってもよい。
ユーザ20は、例えば、第2デバイス200を操作して状態判定装置300と通信して、状態判定装置300の内部のネットワーク301にログインする。これにより、ユーザ20は、第2デバイス200を操作して状態判定装置300に接続されているデータベースへのアクセス、状態判定装置300にインストールされているアプリケーションソフトの実行等が可能となる。
ユーザ20は、このような第1デバイス100及び第2デバイス200を用いて、社外で仕事をする。ここで、社外とは、例えば、ユーザ20の自宅、サテライトオフィス、コーヒーショップ、待合室、公園、新幹線の車両内等である。ユーザ20は、例えば、第1デバイス100を用いて社内外の人と電話、メール、SNS等で連絡を取り、第2デバイスを用いてメールの送受信、SNS、web会議、書類の作成、確認等を行う。
このようなユーザ20は、時間、場所等の制約が緩和された勤務形態で柔軟に働くことができる。しかしながら、ユーザ20は、家事、移動、食事、休憩等により、仕事を中断することがあるので、ユーザ20以外の社員からユーザ20の勤務状況を把握することが困難になることがある。
例えば、ユーザ20の上司、同僚等がユーザ20と連絡をしたい場合に、ユーザ20が電話、メール等に対して応答可能な状態であるか否かを判断することは困難であった。この場合、上司、同僚等は、ユーザ20とコミュニケーションをとるために何度も電話をかけること、ユーザ20からの応答を待機すること等が生じてしまい、容易にコミュニケーションをとることが困難になってしまう場合があった。
このような場合、ユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を操作して、コミュニケーション可能か否かを入力すること等が考えられる。しかしながら、ユーザ20に急な用事が発生した場合、自分の状態を入力してから急用に対応することは困難なことがある。また、急用ではなくても自分の状態を入力することを忘れてしまうこと、短時間の予定で自分の状態変化を入力しなかった時に想定外に長時間かかってしまうこと等もある。また、ユーザ20の状態をカメラで監視することなども考えられるが、ユーザ20の個人的な生活を撮影してしまう可能性もあり、プライバシーの侵害が発生してしまうことがある。
そこで、本実施形態に係る第1デバイス100は、ユーザ20が仕事をしている場所の近傍において可視光の光強度レベルを検出する。そして、状態判定装置300は、第1デバイス100が検出した可視光の光強度レベルに基づき、ユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を用いてコミュニケーション可能な状態か否かを判定する。このような第1デバイス100に対して、ユーザ20が自然な動作、無理のない動作等を実行することにより、状態判定装置300は、ユーザ20の状態を判定することができる。
ここで、ユーザ20の自然な動作、無理のない動作は、例えば、ユーザ20が仕事を開始、継続、中断、終了する場合に、第1デバイス100を机等の上に置いたままにする、机等の上に置いてある第1デバイス100をひっくり返す、第1デバイス100を照らしている照明を消灯する/点灯する、第1デバイス100を手に取って操作する、第1デバイス100にカバーを掛ける、第1デバイス100をカバン、ポケットの中に入れる等といった動作である。
なお、本実施形態において、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態とは、例えば、着信した電話に応答できる可能性が高い状態であり、必ず電話に応答できる状態のことを意味するものではない。一例として、ユーザ20が着信した電話に直ちに応答できなくても、着信から数分以内にユーザ20が着信元に電話をかけることができれば、ユーザ20とのコミュニケーションは円滑に進むので、コミュニケーション可能な状態としてもよい。
また、ユーザ20が第1デバイス100をカバン、ポケットの中に入れている場合、着信した電話に応答できることもある。しかしながら、ユーザ20がコミュニケーション可能ではない状態を示すために第1デバイス100をカバン、ポケットの中に入れることがあり、また、実際に、着信した電話に応答できないこともある。そこで、本実施形態においては、コミュニケーション可能ではない状態は、着信した電話に応答できない可能性が高い状態を含むものとする。また、例えば、ユーザ20が外出中で第2デバイス200を操作できない状態であっても、第1デバイス100を用いて通話可能であれば、ユーザ20は、第1デバイス100を用いてコミュニケーション可能な状態とする。
<状態判定装置300の構成例>
状態判定装置300は、ユーザ20の状態を判定する。状態判定装置300は、異なる複数のユーザの状態をそれぞれ判定してもよい。状態判定装置300は、通信部310と、取得部320と、記憶部330と、判定部340と、特定部350とを備える。また、状態判定装置300は、会社の内部のネットワーク301及びデータベース302に接続されていてもよい。
通信部310は、第1デバイス100及び第2デバイス200との通信を可能とする。また、通信部310は、外部のネットワーク40と接続可能であることが望ましい。通信部310は、例えば、ネットワーク40を介して第1デバイス100及び第2デバイス200と通信する。通信部310は、第1デバイス100から可視光の光強度レベルを検出した検出情報を受信する。また、通信部310は、第2デバイス200と通信することにより、第2デバイス200から状態判定装置300の内部のネットワーク301へログインさせる。
また、通信部310は、ユーザ20とは異なる他のユーザが保有している第3デバイス30と更に通信可能であることが望ましい。通信部310は、例えば、テレワークをしている社員が保有するデバイスとそれぞれ通信可能である。また、通信部310は、登録している社員が保有するデバイスとそれぞれ通信可能であってもよい。そして、第3デバイス30は、このような社員が保有するデバイスを含む。
通信部310は、社員用デバイス312を介して第2デバイス200と通信してもよい。社員用デバイス312は、社員が社内で仕事をするために操作するデバイスである。社員用デバイス312は、例えば、社員毎に配布され、社員の机に配置されているノート型PC、タブレットPC、デスクトップ型PC等である。この場合、ユーザ20は、社員用デバイス312と通信してログインすることにより、状態判定装置300の内部のネットワーク301にアクセス可能となる。ユーザ20は、遠隔地においても、社員用デバイス312にアクセスすることにより、社内で社員用デバイス312を操作することと同様の操作を実行することができる。なお、ユーザ20とは異なる他のユーザは、配布された社員用デバイス312を第3デバイス30として使用してもよい。
取得部320は、通信部310を介して、第1デバイス100から可視光の検出結果に基づく検出情報を取得する。検出情報は、例えば、第1デバイス100の検出部110が検出した可視光の光強度レベルの値を含む。また、取得部320は、第1光検出器111が検出した可視光の検出結果と第2光検出器112が検出した可視光の検出結果とに基づく検出情報を取得してもよい。取得部320は、予め定められた時刻、及び/又は、予め定められた時間毎に検出された検出結果を検出情報として取得してもよい。
記憶部330は、取得部320が取得した情報を記憶する。また、記憶部330は、状態判定装置300が動作の過程で生成する(又は利用する)中間データ、算出結果、閾値、基準値、及びパラメータ等をそれぞれ記憶してもよい。また、記憶部330は、状態判定装置300内の各部の要求に応じて、記憶したデータを要求元に供給してもよい。
記憶部330は、例えば、サーバ等のコンピュータが状態判定装置300として機能する場合、コンピュータを機能させるOS(Operating System)、及びプログラム等の情報を格納してもよい。また、記憶部330は、当該プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。例えば、コンピュータは、記憶部330に記憶されたプログラムを実行することによって、状態判定装置300の少なくとも一部として機能する。
記憶部330は、例えば、コンピュータ等のBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、及び作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部330は、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。また、コンピュータは、GPU(Graphics Processing Unit)等を更に備えてもよい。
判定部340は、取得部320が取得した検出情報に基づき、第1デバイス100を保有するユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を用いてコミュニケーション可能な状態か否かを判定する。例えば、判定部340は、検出部110が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値以上の場合、ユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を用いてコミュニケーション可能な状態と判定する。第1閾値は、例えば、ユーザ20が仕事をしている状態において、ユーザ20の近傍に配置されている第1デバイス100の検出部110が受光できる程度の可視光の光強度レベルに基づいて予め定められている値である。
これにより、ユーザ20が仕事をする場合、第1デバイス100の検出部110が設けられている面に可視光が照射されるように第1デバイス100を配置するだけで、状態判定装置300はユーザ20がコミュニケーション可能な状態であることを判定できる。例えば、ユーザ20は、第1デバイス100の表示面を上にして机の上に置く。また、ユーザ20は、第1デバイス100の表示面を上にして机の上に置いたまま照明を点灯させてもよい。
また、判定部340は、検出部110が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値よりも小さい場合、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないと判定する。これにより、ユーザ20が仕事を中断する場合、第1デバイス100の検出部110が設けられている面に照射する可視光を遮断するだけで、状態判定装置300はユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないことを判定できる。例えば、ユーザ20は、第1デバイス100の表示面を下にして机の上に置いてもよく、これに代えて、第1デバイス100の表示面を覆うようにカバーを掛けてもよい。ユーザ20は、第1デバイス100をカバンの中、ポケットの中等に入れてもよい。また、ユーザ20は、第1デバイス100の表示面を上にして机の上に置いたまま照明を消灯させてもよい。
なお、判定部340は、検出部110が複数の光検出器を有する場合、複数の光検出器による可視光の検出結果を用いてユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定してもよい。例えば、判定部340は、第1光検出器111が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値以上か、又は、第2光検出器112が検出した可視光の光強度レベルが第2閾値以上の場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態であることを判定する。
第1閾値は、例えば、ユーザ20が仕事をしている状態において、仕事をしている場所の光を第1光検出器111が受光した場合に、第1光検出器111が検出できる程度の可視光の光強度レベルに基づいて予め定められている値である。同様に、第2閾値は、仕事をしている場所の光を第2光検出器112が受光した場合に、第2光検出器112が検出できる程度の可視光の光強度レベルに基づいて予め定められている値である。この場合、ユーザ20が第1デバイス100の表示面又は表示面の反対側の面に可視光が照射するように置くだけで、判定部340は、ユーザ20がコミュニケーション可能であることを判定できる。
これに代えて、判定部340は、第1光検出器111が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値以上で、かつ、第2光検出器112が検出した可視光の光強度レベルが第2閾値よりも小さい場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態であることを判定してもよい。この場合、判定部340は、第1光検出器111が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値よりも小さく、かつ、第2光検出器112が検出した可視光の光強度レベルが第2閾値以上の場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないことを判定してもよい。この場合、判定部340は、上述のように、ユーザ20が第1デバイス100の表示面を照明に向けるか否かに応じて、ユーザ20の状態を切り換えて判定することができる。
また、判定部340は、第1光検出器111が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値よりも小さく、かつ、第2光検出器112が検出した可視光の光強度レベルが第2閾値よりも小さい場合に、ユーザがコミュニケーション可能な状態ではないことを判定する。この場合、例えば、ユーザ20が第1デバイス100をカバンの中、ポケットの中等に入れるか、第1デバイス100を置いたまま照明を消灯させることにより、判定部340は、ユーザ20がコミュニケーション可能ではないことを判定できる。
なお、判定部340は、ユーザ20が第2デバイス200を操作して当該状態判定装置300を利用するために通信部310と通信してログインをしたことを示す通信履歴がある場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定してもよい。判定部340は、例えば、ユーザ20がログインしてからログアウトするまでの期間に、ユーザ20の状態を判定する。また、判定部340は、ユーザ20がログインしてから予め定められた時間が経過するまでの期間に、ユーザ20の状態を判定してもよい。これに代えて、判定部340は、予め定められた開始時刻から終了時刻までの間の期間に、ユーザ20の状態を判定してもよい。
予め定められた期間、開始時刻から終了時刻までの間の期間は、例えば、ユーザ20の勤務時間帯を含む期間である。これにより、ユーザ20が勤務状態となっている可能性が高い期間だけを判定部340に判定動作させることにより、状態判定装置300の消費電力を低減することができる。
判定部340がユーザ20の状態を判定した場合、通信部310は、判定部340の判定結果をユーザ20とは異なるユーザが保有する第3デバイス30に通知する。なお、通信部310は、判定部340の判定結果が前回の判定結果と異なった場合に、今回の判定結果を第3デバイス30に送信してもよい。これにより、例えば、ユーザ20の上司、同僚等は、ユーザ20の状態を容易に把握することができる。また、ユーザ20の上司、同僚等は、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態となっている期間に連絡をすることで、ユーザ20とスムーズにコミュニケーションすることができる。
また、通信部310は、判定部340の判定結果を第1デバイス100、第2デバイス200等に送信してもよい。これにより、ユーザ20は、自分の状態が正しく判定されているか否かを確認することができ、誤判定されている場合は、第1デバイス100の位置、照明の明るさ等を調節して、速やかに判定結果を修正することができる。
以上のように、本実施形態に係る状態判定装置300は、第1デバイス100による可視光の検出結果に基づいて、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定する。したがって、遠隔地にいるユーザ20は、例えば、第1デバイス100をひっくり返す、第1デバイス100にカバーを掛ける/カバーを外す、第1デバイス100をポケットに入れる/ポケットから出す、第1デバイス100をカバンに入れる/カバンから出す、部屋の照明のスイッチを切り換える等といった容易な動作により、コミュニケーション可能であるか否かを状態判定装置300に認識させることができる。
ユーザ20のこのような動作は、仕事を開始又は中断する場合の動作と連携した動作となることが多い。したがって、状態判定装置300は、ユーザ20に不自然で意識的な動作をさせることなく、ユーザ20の状態を適切に判定することができる。
なお、図1に示す例のように、第2デバイス200が社員用デバイス312を介してネットワーク301にログインする構成の場合、社員用デバイス312において、ユーザ20の勤務状態を確認するためのアプリケーションソフトウェアを実行して、ユーザ20がコミュニケーション可能であるか否かを判定することも考えられる。しかしながら、例えば、社員用デバイス312がスリープ状態等に移行すると、実行中のアプリケーションが待機状態になってしまうので、ユーザ20の勤務状態を確認することができなくなってしまう。これに対し、状態判定装置300は、社員用デバイス312がスリープ状態、電源オフ状態であっても、第1デバイス100が送信する検出情報に基づいてユーザ20の状態を適切に判定することができる。
以上の状態判定装置300は、第1デバイス100の検出部110の検出結果に対応して、ユーザ20の状態を判定する例を説明したが、これに限定されることはない。状態判定装置300は、第1デバイス100の姿勢を特定し、特定した結果に基づいてユーザ20の状態を判定してもよい。
この場合、特定部350が第1デバイス100の姿勢を特定する。特定部350は、例えば、第1光検出器111が検出した可視光の検出結果と第1閾値とを比較した第1比較結果と、第2光検出器112が検出した可視光の検出結果と第2閾値とを比較した第2比較結果とに基づき、第1デバイス100の姿勢を特定する。この場合、特定部350は、第1光検出器111が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値以上であり、また、第2光検出器112が検出した可視光の光強度レベルが第2閾値よりも小さい場合に、第1デバイス100の表示面が上向きになっていることを特定してよい。
また、特定部350は、第1光検出器111が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値よりも小さく、また、第2光検出器112が検出した可視光の光強度レベルが第2閾値以上となっている場合に、第1デバイス100の表示面が下向きになっていることを特定してよい。更に、特定部350は、第1光検出器111及び第2光検出器112が検出した可視光の光強度レベルが閾値に近い値で変動している場合、ユーザ20が第1デバイス100を手に持ったまま使用しており、第1デバイス100がほぼ直立している姿勢になっていることを特定してもよい。
なお、第1デバイス100がジャイロセンサ等の角速度センサを有している場合、特定部350は、第1デバイス100の角速度センサの検出結果を用いて第1デバイス100の姿勢を特定してもよい。この場合、例えば、取得部320は、通信部310を介して第1デバイス100の角速度センサによる角速度の検出結果を更に取得する。なお、特定部350が角速度に基づいて第1デバイス100の姿勢を特定する技術は既知の技術でよく、ここでは説明を省略する。
特定部350は、例えば、検出部110が検出した可視光の光強度レベルの変動が予め定められた範囲を超えた場合に、角速度の検出結果を用いて第1デバイス100の姿勢を特定する。また、第1デバイス100に照射された可視光の強度レベルが閾値よりも小さい場合は、第1デバイス100がカバン等の中に入ったか、照明が消灯された場合なので、特定部350は、第1デバイス100の姿勢を特定しなくてもよい。
そして、判定部340は、特定部350が特定した第1デバイス100の姿勢に基づき、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定する。例えば、判定部340は、第1デバイス100の表示面が上向きになっている姿勢が特定されたことに応じて、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態と判定する。この場合、判定部340は、第1デバイス100の表示面が下向きになっている姿勢が特定されたことに応じて、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないと判定してもよい。特定部350は、例えば、判定部340の指示に対応して第1デバイス100の姿勢を特定し、特定結果を判定部340に供給する。
判定部340は、第1デバイス100がほぼ直立している姿勢が特定されたことに応じて、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態と判定する。以上のように、判定部340は、特定された第1デバイス100の姿勢を利用することにより、より精度良くユーザの状態を判定することができる。
以上の本実施形態に係る第1デバイス100の検出部110は、可視光の光強度レベルを検出する例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、屋内の照明等を用いて、屋内位置情報等を含む可視光信号を授受する可視光通信技術が知られている。第1デバイス100の検出部110は、このような可視光信号を検出してもよい。例えば、第1デバイス100の検出部110は、第1デバイス100を識別するための識別情報、第1デバイス100の位置を示す位置情報等を含む可視光信号を検出する。
この場合、取得部320は、可視光信号に含まれる識別情報、位置情報等を取得する。これにより、状態判定装置300は、ユーザ20を容易に識別することができる。例えば、ユーザ20が第1デバイス100を用いて状態判定装置300を利用するためにログインする場合、状態判定装置300は、識別情報を用いてユーザ20を容易に識別してログインさせることができる。
また、判定部340は、位置情報を加味して、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定してもよい。例えば、位置情報がサテライトオフィス、自宅の書斎等を示しており、検出部110が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値以上の場合、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態と判定する。
また、位置情報が病院、自宅のキッチン等を示している場合、検出部110が検出した可視光の光強度レベルが第1閾値以上であっても、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないと判定する。以上のように、判定部340は、第1デバイス100の位置情報を利用することにより、より精度良くユーザの状態を判定することができる。
以上の本実施形態に係る第1デバイス100の取得部320は、第1デバイス100の位置情報を可視光信号から取得する例を説明したが、これに限定されることはない。第1デバイス100がGPS受信器を有する場合、取得部320は、第1デバイス100がGPS受信器の受信信号から特定した位置情報を取得してもよい。この場合も、上述のように、判定部340は、第1デバイス100の位置情報を利用することにより、より精度良くユーザの状態を判定することができる。
また、第1デバイス100の検出部110が上述のように可視光信号を検出可能な場合において、ユーザ20が屋外に出た場合、第1デバイス100の検出部110は、太陽光等の自然光を検出することがある。この場合、検出部110は、無変調の可視光を検出することになる。言い換えると、可視光信号を受信するための第1デバイス100が無変調の可視光を検出することにより、ユーザ20が屋外に出たことを特定できる。そこで、取得部320は、例えば、無変調の可視光を検出した検出結果を取得したことに応じて、通信部310を介して第1デバイス100の位置情報を更に取得する。
これにより、判定部340は、取得部320が取得した第1デバイス100の位置情報に更に基づき、屋外に出たユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを位置情報に基づいて判定できる。なお、取得部320は、第1デバイス100から検出情報を取得する場合、位置情報を更に取得してよく、この場合、判定部340は、ユーザ20の状態を判定する場合は位置情報を常に加味してもよい。
以上の本実施形態に係る第1デバイス100は、検出部110の検出結果を検出情報として状態判定装置300の通信部310に送信する例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、第1デバイス100が判定部340を有し、第1デバイス100において、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定してもよい。この場合、第1デバイス100は、ユーザ20の状態を判定した結果を検出情報として状態判定装置300の通信部310に送信する。
そして、取得部320は、取得したユーザ20の検出情報を、通信部310を介して第3デバイス30に通知する。このような状態判定システム10であっても、上述の説明と同様に、ユーザ20の状態をユーザ20とは異なるユーザが容易に把握することができる。
以上の本実施形態に係る状態判定システム10において、第1デバイス100が検出した可視光の光強度レベルに基づき、状態判定装置300がユーザ20の状態を判定する例を説明した。これに代えて、又は、これに加えて、状態判定システム10は、第1デバイス100が検出したユーザ20及び第2デバイス200の間の距離に基づき、状態判定装置300がユーザ20の状態を判定してもよい。このような状態判定システム10について次に説明する。
<状態判定システム10の第2構成例>
図2は、本実施形態に係る状態判定システム10の第2構成例を示す。第2構成例の状態判定システム10は、第1構成例の状態判定システム10と同様に、遠隔地にいる人が電話、メール等に応答できる状態であるか否かを判定する。第2構成例の状態判定システム10において、図1に示された第1構成例の状態判定システム10の動作と略同一のものには同一の符号を付け、重複する説明を省略する。状態判定システム10は、第1ビーコン信号発生部50と、第1デバイス100と、第2デバイス200と、状態判定装置300とを備える。
第1ビーコン信号発生部50は、第1ビーコン信号を発生する。第1ビーコン信号発生部50は、通信信号として規格化されているビーコン信号を発生することが望ましい。例えば、第1ビーコン信号発生部50は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の規格に対応するビーコン用通信プロトコルを用いたビーコン信号を発生する。このような第1ビーコン信号発生部50は、既知の技術により、小型で低消費電力の部品として製造することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
第1ビーコン信号発生部50は、ストラップ、帯、クリップ等を有し、ユーザ20に付帯している。第1ビーコン信号発生部50は、社員証等のカードに組み込まれていてもよく、これに代えて、タグ状に形成されていてもよい。第1ビーコン信号は、第1ビーコン信号発生部50を付帯しているユーザ20の位置から発生することになる。
第2構成例の第2デバイス200は、第2ビーコン信号を発生する第2ビーコン信号発生部210を有する。第2ビーコン信号発生部210は、第1ビーコン信号発生部50と同様のビーコン信号を発生することが望ましい。第2ビーコン信号発生部210は、第2デバイス200に内蔵されている部品であってもよく、これに代えて、第2デバイス200に取り付けられる部品であってもよい。第2ビーコン信号は、第2ビーコン信号発生部210が設けられている第2デバイス200の位置から発生することになる。
第2構成例の第1デバイス100は、上述のようなビーコン信号を受信するためのアレイアンテナ120と信号特定部130とを有する。アレイアンテナ120には複数のアンテナ素子が配列されている。複数のアンテナ素子は、第1ビーコン信号及び第2ビーコン信号をそれぞれ受信する。
信号特定部130は、このようなアレイアンテナ120が受信した複数のビーコン信号の振幅強度及び位相の情報に基づき、ビーコン信号の到来方向を特定する。なお、アレイアンテナ120が受信した受信信号の到来方向を特定する技術は既知であり、ここでは詳細な説明を省略する。また、信号特定部130は、アレイアンテナ120が受信したビーコン信号の受信電力を特定する。
第1デバイス100は、第1ビーコン信号及び第2ビーコン信号の到来方向と受信電力とを検出した結果に基づく情報を検出信号として状態判定装置300に送信する。例えば、第1デバイス100は、第1ビーコン信号の到来方向及び受信電力と第2ビーコン信号の到来方向及び受信電力との受信結果に基づいて、第1ビーコン信号発生部50と第2デバイス200との間の第1距離を特定する。そして、第1デバイス100は、第1距離の特定結果を検出情報として状態判定装置300に送信する。
第1デバイス100は、例えば、距離特定部140を更に有する。第1デバイス100がビーコン信号を受信した受信位置とビーコン信号が発生した位置との間の距離は、受信したビーコン信号の受信電力から特定できる。また、第1デバイス100の受信位置を基準としたビーコン信号発生部の方向は、受信したビーコン信号の到来方向とほぼ一致する。言い換えると、距離特定部140は、アレイアンテナ120で第1ビーコン信号を受信することにより、第1デバイス100を基準とした第1ビーコン信号発生部50の位置が特定できる。
同様に、距離特定部140は、アレイアンテナ120で第2ビーコン信号を受信することにより、第1デバイス100を基準とした第2ビーコン信号発生部210を備えた第2デバイス200の位置が特定できる。したがって、距離特定部140は、特定した第1ビーコン信号発生部50の位置と第2デバイス200の位置とから、第1ビーコン信号発生部50及び第2デバイス200の間の第1距離を特定することができる。なお、第1デバイス100に設けられているCPU等は、例えば、記憶部に記憶されているプログラムを実行することにより、このような信号特定部130及び距離特定部140として機能する。
<状態判定装置300の第2構成例>
第2構成例の状態判定装置300は、このような第1距離の特定結果に基づき、ユーザ20の状態を判定する。状態判定装置300は、通信部310と、取得部320と、記憶部330と、判定部340とを備える。
取得部320は、第1デバイス100から通信部310を介して検出情報を取得する。取得部320は、第1デバイス100による第1距離の特定結果を検出情報として取得する。取得部320は、予め定められた時刻、及び/又は、予め定められた時間毎に、検出情報を取得することが望ましい。
判定部340は、取得部320が取得した検出情報に基づき、第1デバイス100を保有するユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を用いてコミュニケーション可能な状態か否かを判定する。判定部340は、例えば、第1距離が第1基準距離よりも小さい場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態であることを判定する。
第1基準距離は、ユーザ20が第2デバイス200を操作して仕事をしている状態におけるユーザ20と第2デバイス200との間の距離程度の値に基づいて、予め定められていることが望ましい。第1基準距離は、例えば、2m程度でよく、これに代えて、1m程度でもよい。また、第1基準距離は、第2デバイス200の種類に対応して定められていてもよい。例えば、第1基準距離は、第2デバイス200がノート型PCの場合、50cm程度に定められている。
このように、ユーザ20が第2デバイス200を用いて仕事をする場合、ユーザ20が第2デバイス200を操作するために近づくだけで、状態判定装置300はユーザ20がコミュニケーション可能な状態であることを判定できる。また、判定部340は、第1距離が第1基準距離以上の場合、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないと判定する。これにより、ユーザ20が仕事を中断する場合、第2デバイス200から離れるだけで、状態判定装置300はユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないことを判定できる。
ユーザ20が第2デバイス200を操作している場合、ユーザ20の姿勢はある程度変動する。また、ユーザ20は、第2デバイス200の周囲で動き回ることもある。そこで、判定部340は、第1距離が第1基準距離よりも値が大きい第2基準距離よりも小さく、第1距離の値が予め定められた最小変動幅の範囲を超えて変動している場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態であることを判定してもよい。
第2基準距離は、例えば、第1基準距離よりも数十cmから数m程度大きな値に定められている。また、最小変動幅は、例えば、1m程度から数十cm程度に定められている。なお、第1デバイス100による第1距離の検出精度が十分高い場合、最小変動幅は、十数cmから数cm程度に定められていてもよい。
例えば、ユーザ20が仕事を中断して仮眠している場合、第2デバイス200の近傍にいても、ユーザ20の姿勢はほとんど変動しない。そこで、判定部340は、予め定められた期間を超えて第1距離の値が予め定められた最小変動幅の範囲を超えて変動しなかった場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないことを判定してもよい。ここで、予め定められた期間は、数分程度でよく、これに代えて、十数分でもよい。
また、ユーザ20が仕事を中断して別の部屋等に移動した場合、第1距離は第2基準距離よりも大きくなる。そこで、判定部340は、第1距離が第2基準距離以上となった場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないことを判定してもよい。
なお、判定部340は、第1構成例の状態判定装置300と同様に、ユーザ20が第2デバイス200を操作してログインをしたことを示す通信履歴がある場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定してもよい。また、判定部340がユーザ20の状態を判定した場合、通信部310は、判定部340の判定結果をユーザ20とは異なるユーザが保有する第3デバイス30に通知する。通信部310は、判定部340の判定結果を第1デバイス100及び第2デバイス200の少なくとも一方に通知してもよい。
以上のように、第2構成例の状態判定装置300は、第1ビーコン信号発生部50及び第2デバイス200の間の第1距離の検出結果に基づいて、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定する。したがって、遠隔地にいるユーザ20は、例えば、第2デバイス200を操作する、第2デバイス200から離れる等といった容易な動作により、コミュニケーション可能であるか否かを状態判定装置300に認識させることができる。
ユーザ20のこのような動作は、仕事を開始又は中断する場合の自然な動作となることが多い。したがって、状態判定装置300は、ユーザ20に不自然で意識的な動作をさせることなく、ユーザ20の状態を適切に判定することができる。また、第1デバイス100は、ビーコン信号を検出できれば第1距離を検出できるので、ビーコン信号を検出できる程度の範囲に位置していればよい。例えば、ユーザ20は、第1デバイス100をカバンの中に入れたままでもよく、また、ユーザ20が仕事をしている部屋とは異なる部屋等に第1デバイス100を置いたままでもよい。
以上の第2構成例の状態判定システム10は、第1ビーコン信号発生部50及び第2デバイス200の間の第1距離を検出し、検出した第1距離に対応してユーザ20の状態を判定する例を説明したが、これに限定されることはない。上述のように、第1デバイス100は、当該第1デバイス100及び第2デバイス200の間の距離を検出できる。そこで、状態判定装置300は、第1デバイス100及び第2デバイス200の間の距離に基づいて、ユーザ20の状態を判定してもよい。
例えば、ユーザ20は、第1デバイス100を所持し、第2デバイス200を自宅に残して外出することがある。この場合であっても、ユーザ20は、第1デバイス100を用いてコミュニケーション可能な状態となることがある。例えば、ユーザ20が道路を歩いている場合、サテライトオフィス、コーヒーショップ、待合室、公園等にいる場合等は、第1デバイス100を用いてコミュニケーションできる可能性が高い。その一方、ユーザ20が電車、自動車で移動している場合、病院にいる場合等は、第1デバイス100を用いてコミュニケーションできる可能性が低い。
そこで、第1デバイス100の距離特定部140は、第2ビーコン信号の受信電力の受信結果に基づいて、当該第1デバイス100と第2デバイス200との間の第2距離を更に特定する。取得部320は、第1デバイス100による第2距離の特定結果を検出情報として更に取得する。そして、判定部340は、第2距離が第3基準距離以上となった場合に、取得部320に第1デバイス100の位置情報を取得させる。
ここで、第3基準距離は、ユーザ20が外出したか否かを判定するための値である。第3基準距離は、第2基準距離と同じ値でもよく、これに代えて、第2基準距離よりも大きい値でもよい。第3基準距離は、例えば、数mから十数m程度の値である。また、第1デバイス100の位置情報は、上述のように、第1デバイス100に設けられているGPS受信器の受信信号から特定した位置情報である。これにより、判定部340は、取得部320が取得した第1デバイス100の位置情報に更に基づき、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定できる。
なお、ユーザ20は、第1デバイス100を所持して外出する場合に、第2デバイス200を置き忘れていることもある。そこで、判定部340は、第2距離が第3基準距離以上となった場合に、通信部310を介して第1デバイス100と第2デバイス200との間の距離が離れていることを通知してもよい。これに代えて、又は、これに加えて、判定部340は、第1距離が第3基準距離以上となった場合に、通信部310を介して第1ビーコン信号発生部50と第2デバイス200との間の距離が離れていることを通知してもよい。ユーザ20は、このような通知を受け取ることにより、第2デバイス200を置き忘れたことを認識することができる。
また、判定部340は、ユーザ20が第1デバイス100を所持して外出した場合、ユーザ20にコミュニケーション可能であるか否かを問い合わせてもよい。例えば、判定部340は、第2距離が第3基準距離よりも値が大きい第4基準距離以上となった場合に、通信部310を介して第1デバイス100にユーザ20の状態を問い合わせるメッセージを送信する。また、判定部340は、第2ビーコン信号を検出できなくなるまでユーザ20が第2デバイス200から離れた場合に、ユーザ20にコミュニケーション可能であるか否かを問い合わせてもよい。
これにより、ユーザ20は、第1デバイス100を所持して外出した際に、問いあわせのメッセージに回答するだけで自分の状態を状態判定装置300に通知することができる。また、状態判定装置300は、ユーザ20からの回答を受信することで、ユーザ20が第1デバイス100を用いてコミュニケーションできるか否かを正しく把握することができる。
以上の第2構成例の状態判定システム10において、上述のように、第1デバイス100は、当該第1デバイス100及び第1ビーコン信号発生部50の間の距離も検出できる。例えば、第1デバイス100の距離特定部140は、第1ビーコン信号の受信電力の受信結果に基づいて、当該第1デバイス100と第1ビーコン信号発生部50との間の第3距離を更に特定する。取得部320は、第1デバイス100による第3距離の特定結果を検出情報として更に取得する。そして、判定部340は、第3距離が第3基準距離以上となった場合に、通信部310を介して第1デバイス100と第1ビーコン信号発生部50との間の距離が離れていることを通知する。
これにより、例えば、ユーザ20が第1ビーコン信号発生部50を自宅に置き忘れて外出しても、第1デバイス100が受信する通知により、このような置き忘れを認識することができる。なお、ユーザ20は、第1デバイス100が受信した通知を確認しないまま、外出してしまうことがある。このような場合、上述のように、判定部340は、第3距離が第3基準距離以上となった場合に、取得部320に第1デバイス100の位置情報を取得させてもよい。この場合、判定部340は、取得部320が取得した第1デバイス100の位置情報に更に基づき、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定する。
以上の判定部340による第2距離及び/又は第3距離を用いた判定動作は、例えば、第1距離を用いた判定動作と共に実行される。これに代えて、第2距離及び/又は第3距離を用いた判定動作は、ユーザ20が第2デバイス200を操作してログオフした場合、第2デバイス200の電源をオフにした場合等に実行されてもよい。
なお、状態判定装置300は、第2デバイス200の電源がオンの状態か否かの検出結果を取得できることが望ましい。一例として、第2ビーコン信号発生部210が第2デバイス200に内蔵されており、第2デバイス200の電源がオフになったことに応じて第2ビーコン信号発生部210もオフになる場合を考える。
この場合、第1デバイス100の信号特定部130は、予め定められた基準電力以上の受信電力で第2ビーコン信号を受信したことに応じて、第2デバイス200の電源がオンに切り換わったことを特定できる。また、信号特定部130は、予め定められた基準電力以上の受信電力で受信していた第2ビーコン信号が受信できなくなった場合に、第2デバイス200の電源がオフに切り換わったことを特定できる。
以上の第2構成例の状態判定システム10において、ユーザ20が第1デバイス100及び第2デバイス200を所持して外出する場合がある。この場合、ユーザ20は、第2デバイス200の電源をオフにした状態で外出することが多い。言い換えると、第1デバイス100は、第2デバイス200の第2ビーコン信号を検出できなくなり、第2デバイス200の電源がオフになったことを特定できる。
この場合、第1デバイス100は、第1距離及び第2距離を特定できなくなるが、第2デバイス200の電源がオフになったことを検出結果として状態判定装置300に送信する。そして、状態判定装置300は、第2デバイス200の電源がオフになったことに応じて、第1デバイス100から位置情報を取得し、位置情報に基づいてユーザ20の状態を判定する。これにより、状態判定装置300は、第2デバイス200がオフの状態になっても、ユーザ20の状態を判定することができる。
また、ユーザ20は、外出先で第2デバイス200を操作して仕事を開始することがある。この場合、第2デバイス200がオン状態になるので、第2ビーコン信号発生部210もオン状態となり、第1デバイス100は、第2デバイス200の第2ビーコン信号を検出できる。そして、状態判定システム10は、例えば、外出先において、上述した第1距離を用いた判定動作を実行することにより、ユーザ20の状態を判定できる。
<第2構成例の状態判定システム10の動作フローの一例>
図3は、本実施形態に係る第2構成例の状態判定システム10が、外出するユーザ20の状態を判定する動作フローの一例を示す。状態判定システム10は、図3のS510からS590の動作を実行することにより、ユーザ20の状態を判定する。なお、図3の動作フローの開始段階において、ユーザ20は自宅にいるものとする。
まず、ユーザ20は、第2デバイス200の電源をオン状態にし、第2デバイス200を操作して状態判定装置300にログインする(S510)。次に、第1デバイス100は、第1距離及び第2距離を検出する。第1デバイス100は、第3距離を検出してもよい。判定部340は、検出された第1距離が第1基準距離よりも小さい場合(S520:No)、ユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を用いてコミュニケーション可能な状態であると判定する(S530)。
ここで、判定部340は、第1距離が第2基準距離よりも小さく、第1距離の値が予め定められた最小変動幅の範囲を超えて変動している場合に、ユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を用いてコミュニケーション可能な状態であることを判定してもよい。通信部310は、ユーザ20の状態を他のユーザが操作している第3デバイス30に送信する。
判定部340は、検出された第1距離が第1基準距離以上の場合(S520:Yes)、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないと判定する(S540)。ここで、判定部340は、予め定められた期間を超えて第1距離の値が予め定められた最小変動幅の範囲を超えて変動しなかった場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態ではないことを判定してもよい。通信部310は、ユーザ20の状態を他のユーザが操作している第3デバイス30に送信する。
次に、判定部340は、第2距離と第3基準距離とを比較する(S550)。第2距離が第3基準距離よりも小さい場合(S550:No)、状態判定システム10は、S520に戻り、第1距離及び第2距離の検出とユーザ20の状態の判定を繰り返す。
第2距離が第3基準距離以上の場合(S550:Yes)、状態判定システム10は、第1デバイス100に位置情報を取得させ、位置情報に基づいてユーザ20の状態を判定する(S560)。なお、判定部340は、第1デバイス100が第2デバイス200の電源がオフ状態になったことを特定した場合も、第1デバイス100に位置情報を取得させ、位置情報に基づいてユーザ20の状態を判定してもよい。通信部310は、判定したユーザ20の状態を他のユーザが操作している第3デバイス30に送信する。
ここで、判定部340は、第2距離が第3基準距離以上となった場合に、通信部310を介して第1デバイス100と第2デバイス200との間の距離が離れていることを通知してもよい。また、判定部340は、第2距離が第3基準距離よりも値が大きい第4基準距離以上となった場合(S570:Yes)に、通信部310を介して第1デバイス100にユーザ20の状態を問い合わせるメッセージを送信する(S580)。
通信部310は、送信したメッセージに対応するユーザ20の返信を受信した場合、受信結果を他のユーザが操作している第3デバイス30に送信してもよい。また、通信部310は、ユーザ20の返信を受信した場合、次回のS570における判定結果がYesであっても、問い合わせのメッセージを送信しなくてもよい。なお、通信部310は、ユーザ20の返信を受信してから予め定められた期間が経過した場合、次回のS570における判定結果がYesであれば問い合わせのメッセージを送信してもよい。
次に、判定部340は、第1デバイス100の位置情報が自宅ではなくても、第2デバイス200の電源がオン状態になったことを第1デバイス100が特定した場合(S590:Yes)、S520に戻り、第1距離に基づくユーザ20の状態の判定動作を実行する。また、判定部340は、第2デバイス200の電源がオン状態になったことを第1デバイス100が特定していない場合(S590:No)、S550に戻り、位置情報に基づくユーザ20の状態の判定動作を繰り返す。なお、ユーザ20が第1デバイス100だけを所持して外出し、第2ビーコン信号を検出できなくなった場合、第1デバイス100は第2デバイス200の電源がオフ状態であることを特定してもよい。
以上のように、第2構成例の状態判定システム10は、ユーザ20が外出してから戻ってくる間であっても、ユーザ20が第1デバイス100又は第2デバイス200を用いてコミュニケーション可能な状態か否かを判定することができる。また、状態判定システム10は、ユーザ20が外出先で仕事をしても、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態か否かを判定することができる。
以上の本実施形態に係る第1デバイス100は、第1距離の検出結果を検出情報として状態判定装置300の通信部310に送信する例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、状態判定装置300が距離特定部140を備え、状態判定装置300において、第1距離を特定してもよい。また、状態判定装置300が信号特定部130を更に備えてもよい。
<状態判定システム10の第1構成例と第2構成例との組み合わせ>
以上の本実施形態に係る状態判定システム10において、判定部340が可視光の検出結果又は第1距離の検出結果に基づいてユーザ20の状態を判定する例を説明したが、これに限定されることはない。判定部340は、可視光の検出結果と第1距離の検出結果とを用いてユーザ20の状態を判定してもよい。言い換えると、判定部340の判定動作は、第1構成例の状態判定システム10の判定動作と第2構成例の状態判定システム10の判定動作とを組み合わせた動作でもよい。
例えば、判定部340は、検出部110が検出した可視光の光強度レベルが閾値以上か、又は、第1距離が第1基準距離よりも小さい場合に、ユーザ20がコミュニケーション可能な状態であることを判定する。これにより、例えば、ユーザ20が第1デバイス100をカバンの中に入れたままの状態にしても、判定部340は、第1距離に基づいてユーザ20の状態を判定することができる。
また、ユーザ20は、第2デバイス200の近傍にいても休憩することがある。この場合、ユーザ20が第1デバイス100を裏返しにすること等により、判定部340は、可視光の検出結果に基づいてユーザ20の状態を判定することができる。また、ユーザ20は、書斎の第2デバイス200からは離れるものの、リビングで資料を読むといったように、別の部屋に移動しつつ仕事を継続し、第1デバイス100を用いてコミュニケーション可能な状態となることがある。この場合、ユーザ20は、書斎の照明を点灯させたまま第1デバイス100を書斎に置くか、第1デバイス100をリビングに持って行くことにより、判定部340は、可視光の検出結果に基づいてユーザ20の状態を精度よく判定することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。