JP6943780B2 - 食用塩の製造方法 - Google Patents

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本発明は、食用塩の製造方法に関し、詳しくは、結晶内にヨウ素を取り込んだ食用塩の製造方法に関する。
ヨウ素は生体内で甲状腺に多く存在し、甲状腺ホルモンの構成成分として重要な役割を担っている。ヨウ素が欠乏すると、甲状腺機能低下が起こり、発育障害、小人病、脈拍低下、むくみ等を引き起こすおそれがある。
海藻を食用や飼料、肥料等に用いる沿海地域では、前記海藻を由来としたヨウ素を摂取する機会が多くなるが、海藻の利用が行われていない大陸内陸部などでは、ヨウ素を摂取する機会が乏しいため栄養素としてのヨウ素が欠乏し、ヨード欠乏症(Iodine Deficiency Disorders;IDD)が発症するリスクが高い。
そこで世界保健機関(WHO)の推奨により、数十mg/kgのヨウ素が添加された食用塩が販売されている。
ヨウ素が添加された食用塩の製造方法として、従来、食用塩に対してヨウ素カリウム等のヨウ素を含む無機塩水溶液であるヨウ素化剤をスプレーする方法や、乾燥した状態で食用塩とヨウ素化剤とを混合する手法等、食用塩に対してヨウ素を後添加する方法が一般的に知られている。
しかしながら上記のような、食用塩に対してヨウ素を後添加することで得られるヨウ素添加塩は、流通や保管過程においてヨウ素が経時的に揮発(昇華)しやすく、実際に摂取可能なヨウ素量が低下してしまう課題があった。
そこで本発明では、長期にわたり十分量のヨウ素含有量が維持可能であるヨウ素添加塩を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、食用塩である塩化ナトリウムの結晶格子を構成する原子の一部をヨウ素原子に置換する等、塩化ナトリウム結晶内にヨウ素を含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)、(2)を特徴とする。
(1) イオン交換膜法による食用塩の製造方法であって、
工程(a−1)母液にヨウ素を添加する工程、及び
工程(b)前記母液を晶析する工程、をこの順に含む食用塩の製造方法。
(2) 溶解再製法による食用塩の製造方法であって、
工程(a−2)母液にヨウ素及び臭素を添加する工程、及び
工程(b)前記母液を晶析する工程、をこの順に含む食用塩の製造方法。
本発明に係る食用塩の製造方法により得られる食用塩は、ヨウ素が塩化ナトリウム結晶内に含有(固定化)されることから、流通や保管過程においてヨウ素が経時的に昇華することなく、長期にわたり十分量のヨウ素含有量が維持されたヨウ素添加食用塩が得られ、栄養素としてのヨウ素の欠乏を効率よく補うことができる。また、塩化ナトリウム結晶内へのヨウ素の固定化を容易に行うことができる。
図1は、食用塩の製造方法の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る食用塩の製造方法の一つの態様は、イオン交換膜法による食用塩の製造方法であって、
工程(a−1)母液にヨウ素を添加する工程、及び
工程(b)前記母液を晶析する工程、をこの順に含むことを特徴とする。
また、本発明に係る食用塩の製造方法の別の態様は、溶解再製法による食用塩の製造方法であって、
工程(a−2)母液にヨウ素及び臭素を添加する工程、及び
工程(b)前記母液を晶析する工程、をこの順に含むことを特徴とする。
一般的に食用塩の製造方法は、海水その他の塩水に由来するかん水を母液としたイオン交換膜法と、岩塩や天日塩を水に溶解させたかん水を母液とした溶解再製法とに大別される。溶解再製法は、母液に用いられる岩塩や天日塩の結晶性がそもそも高いことから、イオン交換膜法に比べて、得られる食用塩の純度は高い。
このような食用塩の製造方法において、母液を晶析する前に、工程(a−1)では前記母液にヨウ素を添加する。これにより、工程(b)である晶析する工程において、本来塩化ナトリウムの結晶格子において塩素原子が占める位置をヨウ素原子で置換することができ、塩化ナトリウムの結晶内に十分量のヨウ素を含有させることが可能となる。
工程(a−1)後の母液1kgに対して、ヨウ素を0.1g以上含むことが好ましく、1.0g以上含むことがより好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば150.0g以下が好ましい。
イオン交換膜法においては、母液が臭素を含有することが好ましい。これは塩素原子と臭素原子の大きさが、塩素原子とヨウ素原子の大きさと比べて近いことに起因して、塩化ナトリウムの結晶格子における塩素原子が臭素原子に置換され、次いで、置換された前記臭素原子がさらにヨウ素原子に置換されるというように、臭素原子を介して、より多くの量のヨウ素を塩化ナトリウムの結晶内に含有させやすくなり、ヨウ素取込率が増加しやすくなるためである。
なお、イオン交換膜法における母液は海水その他の塩水を原料とすることから、臭素が含まれている海水その他の塩水を用いて母液としてもよいし、母液に臭素を意図的に添加してもよい。
工程(a−1)後の母液1kgに対して、臭素を0.1g以上含むことが好ましく、1.0g以上含むことがより好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば150.0g以下が好ましい。
溶解再製法においては、母液を晶析する前に、工程(a−2)では母液にヨウ素及び臭素を添加する。臭素を添加する理由はイオン交換膜法と同様、臭素原子を介してヨウ素を塩化ナトリウムの結晶内に含有させやすくなるためであるが、溶解再製法はそもそも母液の原料となる岩塩又は天日塩の結晶性が高く、不純物量も少ないことから、母液に臭素が含まれないか、含まれていても極微量であることが多く、塩素原子がヨウ素原子に置換されにくい。そこで、母液にヨウ素と共に臭素を添加することにより、塩化ナトリウムの結晶内に臭素原子を介してヨウ素原子を含有させやすくし、一定量以上のヨウ素取込率を確保することができるようになる。
工程(a−2)後の母液1kgに対して、ヨウ素を0.1g以上含むことが好ましく、1.0g以上含むことがより好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば、150g以下が好ましい。
工程(a−2)後の母液1kgに対して、臭素を0.1g以上含むことが好ましく、1.0g以上含むことがより好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば、150g以下が好ましい。
また、イオン交換膜法における工程(a−1)又は溶解再製法における工程(a−2)では、母液がさらにカリウムを含有することが好ましい。これは、塩化ナトリウムのナトリウム原子がカリウム原子に置換されることで生じる格子欠陥が契機となって、ヨウ素原子が塩素原子や臭素原子と置換されやすくなり、ヨウ素取込率が増加しやすくなるためである。
カリウム源として、カリウムが含まれている海水その他の塩水を用いて母液としてもよいし、母液にカリウムを意図的に添加してもよい。
イオン交換膜法における工程(a−1)又は溶解再製法における工程(a−2)後の母液1kgに対して、カリウムを0.1g以上含むことが好ましく、1.0g以上含むことがより好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば、150g以下が好ましい。
母液に添加するヨウ素の形態は特に限定されないが、例えばNaI(粉)、KI(粉)等が挙げられる。
母液に添加する臭素の形態は特に限定されないが、例えばNaBr(粉)、KBr(粉)等が挙げられる。
母液に添加するカリウムの形態は特に限定されないが、例えばKBr(粉)、KCl(粉)等が挙げられる。
また、イオン交換膜法における工程(a−1)後の母液組成の一例を下記に示す。
Na:60〜80g、K:3〜20g、Mg2+:1〜15g、Ca2+:1〜7g、Cl:115〜170g、Br:0.6〜5g、I:0.1〜3g。
ただし、イオン交換膜法における母液は海水その他の塩水由来であることから、構成元素の種類及び割合は、海水その他の塩水を取水する場所や時期等によって大幅に変化することが考えられる。そのため、ナトリウム、塩素及びヨウ素を含むものであれば、工程(a−1)後の母液組成は上記組成範囲に限定されるものではない。
また、溶解再製法における工程(a−2)後の母液組成の一例を下記に示す。
Na:60〜90g、K:0〜10g、Mg2+:0〜11g、Cl:115〜170g、Br:0.6〜6g、I:0.1〜3g。
ただし、溶解再製法における母液は岩塩や天日塩に由来することから、構成元素の種類及び割合は、岩塩を採掘する場所や時期、天日塩の元となる海水等を摂取する場所や時期等によって大幅に変化することが考えられる。そのため、ナトリウム、塩素、ヨウ素及び臭素を含むものであれば、工程(a−2)後の母液組成は上記組成範囲に限定されるものではない。
なお、母液組成は塩試験方法(塩事業センター、“塩試験方法(第4版)”(2013))に従い同定することができる。また、ヨウ素はイオンクロマトグラフを用いることにより同定することができる。
本発明に係る製造方法は、工程(a−1)又は工程(a−2)の前に工程(a)として母液を調製する工程を行うことができる。
工程(a)は、イオン交換膜法においては、海水その他の塩水をイオン交換膜による濃縮によりかん水を得るものであり、溶解再製法においては、採掘した岩塩又は天日乾燥させた天日塩を水等の溶液に溶解させ、濃縮によりかん水を得るものである。工程(a)で得られたかん水が母液の基本組成となる。
工程(a)で得られた母液に工程(a−1)又は工程(a−2)においてヨウ素や、所望により臭素、カリウム等を添加するが、本発明の効果を妨げない範囲であれば、その際に他の元素を共に添加してもよい。
前記工程(a−1)又は工程(a−2)と工程(b)との間に、工程(a)として種晶を添加してもよい。
工程(a)において、種晶は従来用いられる物を従来と同様の方法で用いることができる。種晶となるNaClには、ヨウ素、マグネシウム、カルシウム、カリウム、臭素等の他の元素を含んでいてもよい。
種晶の平均粒径は例えば100μm以上が種晶の分散性の点から好ましい。
以下、本発明に係る製造方法の一例を図1を参照して説明する。ただし、この態様に限定されるものではない。
図1は10Lの逆円錐型晶析装置を用いた食用塩の製造方法の例を示すものである。
母液にヨウ素又はヨウ素及び臭素を添加し(工程a−1又は工程a−2)、タンク(図示せず)に前記母液を満たして、循環ポンプ4で前記母液を加熱管5、蒸発器1、晶析器3へ循環させる。なお、前記母液には後述する結晶洗浄の効果を確認するためのトレーサーとしてマグネシウムイオンを添加してもよい。
次に、晶析器3に種晶を添加し(工程a)、回分晶析を行う(工程b)。蒸発器1で沸騰した母液は過飽和状態となり、晶析器3に懸濁させた結晶群を成長させる。また、製造装置が逆円錐型晶析装置である場合、晶析器の中で結晶が分級され、母液だけが系内を循環することとなる。また、蒸発速度が一定になるように加熱管5に流す熱媒6の温度を所定の温度に保持してもよい。また、蒸発量と同量の水溶液(例えば20%食塩水等)を原料タンク11から供給することで装置内の液面を一定に保つことができる。さらに、真空ポンプ10を用いて系内の真空度を制御することで、液面の温度を一定(例えば70℃)に保つことができる。
上記操作の後、母液と得られた結晶を晶析器3の底部から抜き出すことで、食用塩の結晶を得ることができる。
得られた食用塩の結晶は、例えば飽和食塩水で複数回繰り返して結晶洗浄することで、結晶表面に付着したヨウ素等の成分を洗い流し、その後に行う成分分析で、塩化ナトリウム結晶の内部に含有する成分組成を精度良く同定することができる。なお、洗浄の程度は、トレーサーとして添加したマグネシウムイオンの量から、十分であるか否かを判断することができる。
得られた食用塩の結晶の成分は塩試験方法(塩事業センター、“塩試験方法(第4版)”(2013))に従い同定することができる。また、ヨウ素はイオンクロマトグラフを用いることにより同定することができる。
同定された食用塩の結晶の成分分析結果から、塩化ナトリウムの結晶内に含有されるヨウ素の量(結晶成長部へのヨウ素取込率)を下記式(1)及び(2)により算出することができる。なお、種晶のヨウ素含有濃度、Mg2+濃度
i−C=(Ci−CW−Ci−0−Ci−L)/(W−W−W) 式(1)
=(CMg−CW−CMg−0)/CMg−L 式(2)
上記式中、Ri−C:ヨウ素取込率[g/kg]、Ci−0:種晶のI濃度[g/kg]、Ci−C:得られた食用塩中のI濃度[g/kg]、Ci−L:母液中のI濃度[g/kg]、CMg−0:種晶のMg2+濃度[g/kg]、CMg−C:得られた食用塩中のMg2+濃度[g/kg]、CMg−L:母液中のMg2+濃度[g/kg]、W:得られた食用塩の結晶重量[kg]、W:種晶重量[kg]、W:得られた食用塩に残存した母液量[kg]をそれぞれ表す。
上記式(1)で得られるヨウ素取込率の値は5mg/kg以上が好ましく、10mg/kg以上がより好ましく、40mg/kg以上がさらに好ましい。かかる範囲であれば、ヨウ素欠乏を補うヨウ素添加塩として十分な量のヨウ素が、塩化ナトリウムの結晶内に含有されることとなるため、長期にわたり、十分量のヨウ素含有量が維持可能であるヨウ素添加塩となる。
ヨウ素取込率の値は、母液中のヨウ素、臭素、カリウム含有濃度を高くすることによって、高くすることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明は下記例に何ら制限されるものではない。
<実施例1、2及び比較例1>
(製塩方法)
図1に示す10Lの逆円錐型晶析装置を用いて食用塩の製造を行った。
母液にNaI又は、NaI及びNaBrを添加した(工程a−1又は工程a−2)。添加後の母液組成は表1に示すとおりであり、実施例1は海水を原料としてイオン交換膜法により得たかん水を母液の基本組成とするものであり、実施例2及び比較例1は岩塩を原料として溶解再製法により得たかん水を母液の基本組成とするものである(工程a)。また、実施例2の母液は比較例1の母液に臭化ナトリウム(NaBr)を添加したものである。なお、各母液には結晶洗浄の効果を確認するためのトレーサーとしてマグネシウムイオンを添加した。
タンク(図示せず)にこれら母液を各々満たして、循環ポンプ4で前記母液を加熱管5、蒸発器1、晶析器3へ循環させた。
次に、晶析器3に、平均粒径85μm、標準偏差55μmの種晶を530g添加し(工程a)、1時間の回分晶析を行った(工程b)。種晶は、ヨウ素を含まないものを用いた。
蒸発器1で沸騰した母液は過飽和状態となり、晶析器3に懸濁させた結晶群を成長させた。また、晶析器3の中では結晶が分級され、母液だけ系内を循環させた。また、蒸発速度が一定になるように加熱管5に流す熱媒6の温度を75〜80℃の範囲で保持した。そして、蒸発量と同量の20%食塩水を原料タンク11から供給することで装置内の液面を一定に保った。また、液面の温度が70℃となるように、真空ポンプ10を用いて系内の真空度を制御した。
上記操作の後、母液と得られた食用塩の結晶を晶析器3の底部から抜き出した。採取した結晶は飽和食塩水約250mLで10回繰り返して洗浄した後に成分分析を実施した。
母液の成分分析は塩試験方法(塩事業センター、“塩試験方法(第4版)”(2013))に従い分析した。また、ヨウ素濃度はイオンクロマトグラフを用いて分析した。
得られた食用塩の結晶の成分分析は塩試験方法(塩事業センター、“塩試験方法(第4版)”(2013))に従い分析した。また、ヨウ素濃度はイオンクロマトグラフを用いて分析した。また、洗浄3回以上ではトレーサーとして添加したマグネシウムイオンが一定であったことから、得られた食用塩に対する洗浄が十分であることを確認した。
結晶の成分分析で得られた結果から、下記式(1)及び(2)より、結晶成長部へのヨウ素取込率を算出した。結果を表2に示す。
i−C=(Ci−CW−Ci−0−Ci−L)/(W−W−W) 式(1)
=(CMg−CW−CMg−0)/CMg−L 式(2)
上記式中、Ri−C:ヨウ素取込率[g/kg]、Ci−0:種晶のI濃度[g/kg]、Ci−C:得られた食用塩中のI濃度[g/kg]、Ci−L:母液中のI濃度[g/kg]、CMg−0:種晶のMg2+濃度[g/kg]、CMg−C:得られた食用塩中のMg2+濃度[g/kg]、CMg−L:母液中のMg2+濃度[g/kg]、W:得られた食用塩の結晶重量[kg]、W:種晶重量[kg]、W:得られた食用塩に残存した母液量[kg]をそれぞれ表す。
Figure 0006943780
Figure 0006943780
表2の結果より、ヨウ素を添加したイオン交換膜法の母液を用いた実施例1のヨウ素取込率は15mg/kgとなり、ヨウ素を添加した溶解再製法の母液を用いた比較例1よりも非常に高い取込率が実現された。また、母液にヨウ素と臭素を添加した溶解再製法の母液を用いた実施例2は、比較例1に比べて高いヨウ素取込率を示した。
一般に、Brは塩化ナトリウム結晶内のClと置き換わる格子欠陥により取り込まれることが知られている。同様にKはNaと置き換わることが知られている。実施例1では、母液の基本組成にKやBrが含まれていることから、カリウムや臭素を工程(a−1)において添加せずとも、KやBrにより結晶内に格子欠陥が生じやすく、IがBr又はClと置き換わる格子欠陥がより多く生じてヨウ素取込率が増加したものと考えられる。
以上より、ヨウ素を添加したイオン交換膜法製塩の母液、又はヨウ素と臭素を添加した溶解再製法の母液を結晶化することで結晶内にヨウ素を取り込んだ食用塩が製造できると考えられ、ヨウ素は前記食用塩の結晶内に取り込まれることから、長期にわたり十分量維持可能であることが示唆された。
1 蒸発器
2 降水管
3 晶析器
4 循環ポンプ
5 加熱管
6 熱媒
7 コンデンサ
8 冷媒
9 排水タンク
10 真空ポンプ
11 原料タンク
12 吸水ポンプ

Claims (2)

  1. イオン交換膜法による食用塩の製造方法であって、
    工程(a−1)母液にヨウ素を添加する工程、及び
    工程(b)前記母液を晶析する工程、をこの順に含む食用塩の製造方法。
  2. 溶解再製法による食用塩の製造方法であって、
    工程(a−2)母液にヨウ素及び臭素を添加する工程、及び
    工程(b)前記母液を晶析する工程、をこの順に含む食用塩の製造方法。
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