(本開示にかかる実施の形態の概要)
本開示の実施形態の説明に先立って、本開示にかかる実施の形態の概要について説明する。図1は、本開示の実施の形態にかかる見守り支援装置1の概要を示す図である。見守り支援装置1は、例えば、コンピュータである。
見守り支援装置1は、見守りの対象である見守り対象者の見守りを行う見守り者の支援を行う。ここで、「見守り」とは、例えば看護、介護又は介助等の、見守り対象者に対するケアを行う行為である。また、「見守り対象者」は、例えば患者、被介護者又は非介助者等の、見守り(ケア)が必要な者である。また、見守り対象者は、病院又は介護施設等の医療施設の入所者であってもよい。また、「見守り者」は、例えば看護師、介護士又は介助者等の、見守り(ケア)が必要な者の見守りを行う者である。また、見守り者は、医療施設のスタッフであってもよい。
見守り支援装置1は、呼び出し検知部2と、応答部4と、判定部6と、呼び出し処理部8とを有する。呼び出し検知部2は、呼び出し検知手段としての機能を有する。応答部4は、応答手段としての機能を有する。判定部6は、判定手段としての機能を有する。呼び出し処理部8は、呼び出し処理手段としての機能を有する。
図2は、本開示の実施の形態にかかる見守り支援装置1によって実行される見守り支援方法を示すフローチャートである。呼び出し検知部2は、見守り対象者による見守り者の呼び出しが発生したことを検知する(ステップS2)。ここで、「呼び出し」は、例えばナースコールである。応答部4は、呼び出しの発生が検知された場合に、見守り対象者に対して応答を行う(ステップS4)。ここで、「応答」は、見守り支援装置1が行う見守り対象者に対する見守り行為である。例えば、応答は、見守り対象者に対して音声等によって話しかけるための処理を含む。また、応答は、例えば、見守り対象者の発話に対する動作であってもよい。
判定部6は、呼び出しの発生が検知された場合に、見守り対象者に対して見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する(ステップS6)。具体的には、判定部6は、例えば見守り対象者の動作(言動等)に応じて、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する。呼び出し処理部8は、見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行う(ステップS10)。なお、携帯端末を呼び出すための処理とは、例えば、携帯端末に対して発呼を行って携帯端末との通信を確立するための処理であってもよい。また、携帯端末を呼び出すための処理とは、他の装置が携帯端末を呼び出すことにつながる動作であってもよい。
上述したように、見守り対象者は、些細なことで不安を感じることがあるので、呼び出しが必要でない場合でも、呼び出しを行うことがある。このように、呼び出しが必要でない場合に発生した呼び出しに対しても見守り者が対応していると、見守り者の負担が増大する。具体的には、見守り者が、緊急性が低い等の呼び出しが必要でない場合の呼び出しによって頻繁に呼ばれてしまうと、作業の中断による作業効率の悪化や、同じ見守り対象者から繰り返し呼び出されることによるストレスの増大といった問題が発生する。したがって、見守り者は、見守り対象者に対して丁寧な対応ができなくなってしまうおそれがある。
これに対し、本開示の実施の形態にかかる見守り支援装置1は、上記のように構成されているので、見守り対象者からの呼び出しが発生した場合であっても、直ぐに見守り者の携帯端末を呼び出すことが抑制される。そして、呼び出しが必要な場合のみ、見守り者の携帯端末を呼び出すことが可能となる。したがって、本開示の実施の形態にかかる見守り支援装置1は、見守り対象者からの呼び出しに対する見守り者の負担を軽減することが可能となる。具体的には、見守り者は、効率的な見守りを行うことができる。また、見守り者は、ストレスからも解放され得る。
なお、見守り支援装置1と1つ以上の携帯端末とを有する見守り支援システムを用いても、見守り対象者からの呼び出しに対する見守り者の負担を軽減することが可能となる。また、見守り支援装置1で実行される見守り支援方法及び見守り支援方法を実行するプログラムを用いても、見守り対象者からの呼び出しに対する見守り者の負担を軽減することが可能となる。
(実施の形態1)
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
図3は、実施の形態1にかかる見守り支援システム10を示す図である。見守り支援システム10は、少なくとも1つの呼び出し装置30と、少なくとも1つの携帯端末40と、少なくとも1つの見守り支援装置100とを有する。呼び出し装置30及び見守り支援装置100は、見守り対象者ごとに設けられ得る。また、携帯端末40は、見守り者によって携帯されている。図3には、3つの携帯端末40A,40B,40Cが示されているが、携帯端末40の数は任意である。また、呼び出し装置30と、携帯端末40と、見守り支援装置100とは、互いにネットワーク20を介して通信可能に接続され得る。ネットワーク20は、有線であってもよく、無線であってもよく、有線と無線の組み合わせであってもよい。
呼び出し装置30は、例えばナースコール子機である。呼び出し装置30は、見守り対象者の居場所(例えばベッド又は居室(病室))又は居場所の近傍に設置されている。また、呼び出し装置30は、複数の見守り対象者に共有される共有スペースに設置されていてもよい。呼び出し装置30は、例えばボタンを有する。見守り対象者が、ボタンを押下する等によって呼び出し装置30を操作すると、呼び出し装置30は、携帯端末40を呼び出すための呼び出しを発生させる。これにより、呼び出し装置30は、呼び出しを示す呼び出し信号を送信する。呼び出し信号は、どの呼び出し装置30から送信された信号かを示す識別情報を含み得る。ここで、本実施の形態では、見守り対象者が呼び出し装置30を操作したとしても、直ぐに、携帯端末40が呼び出されるわけではない。
見守り支援装置100は、例えばコンピュータである。見守り支援装置100は、例えばスマートスピーカ又はロボットである。見守り支援装置100は、見守り対象者の居場所又は居場所の近傍に設置されている。また、見守り支援装置100は、見守り対象者及び呼び出し装置30に対応して設けられている。つまり、1人の見守り対象者について、少なくとも1つの呼び出し装置30及び少なくとも1つの見守り支援装置100が設けられ得る。
見守り支援装置100は、呼び出し装置30によって呼び出しが発生したことを検知すると、その呼び出しに応じて、見守り対象者に対して応答を行う。また、見守り支援装置100は、見守り対象者に対して見守り者(携帯端末40)を呼び出す必要があるか否かを判定する。そして、見守り支援装置100は、見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、携帯端末40を呼び出すための処理を行う。この場合、見守り支援装置100は、ある特定の1つの携帯端末40又は任意の1つの携帯端末40を呼び出すようにしてもよいし、全ての携帯端末40を呼び出すようにしてもよい。実施の形態1にかかる見守り支援装置100の処理の詳細については後述する。なお、呼び出し装置30は、見守り支援装置100と物理的に一体であってもよい。
携帯端末40は、例えばPHS(personal handy-phone system)又はスマートフォンである。見守り支援装置100によって携帯端末40を呼び出すための処理が行われると、携帯端末40は、例えば、音声等を出力する又は振動することによって、見守り者に対して、呼び出しが発生したことを知らせる。これにより、見守り者は、呼び出しがあったことを認識する。言い換えると、本実施の形態では、単に、見守り対象者が呼び出し装置30を操作しただけでは、見守り者には、呼び出しが発生したことは通知されない。なお、携帯端末40に呼び出しが発生したことが通知され見守り者が携帯端末40を操作すると、携帯端末40が呼び出しを受信することができる。この場合、携帯端末40は、どの呼び出し装置30が呼び出しを発生させたかを表示してもよい。つまり、携帯端末40は、どの見守り対象者が呼び出しの操作を行ったかを表示してもよい。さらに、携帯端末40は、呼び出しを発生させた呼び出し装置30に対応する見守り支援装置100との通信を行うようにしてもよい。
図4は、実施の形態1にかかる見守り支援装置100の構成を示す図である。見守り支援装置100は、主要なハードウェア構成として、制御部102と、記憶部104と、通信部106とを有する。さらに、見守り支援装置100は、ユーザインタフェースとして、入力部108と、集音部110と、音声出力部112と、表示部114と、撮像部116とを有する。制御部102、記憶部104、通信部106、入力部108、集音部110、音声出力部112、表示部114、及び撮像部116は、データバスなどを介して相互に接続されている。なお、見守り支援装置100において、ユーザインタフェースは、他のハードウェア構成要素と物理的に一体でなくてもよい。なお、図3に示した携帯端末40も、図4に示したハードウェア構成を有し得る。
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部102は、制御処理及び演算処理等を行う演算装置としての機能を有する。記憶部104は、例えばメモリ又はハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部104は、例えばROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。記憶部104は、制御部102によって実行される制御プログラム及び演算プログラム等を記憶するための機能を有する。また、記憶部104は、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。記憶部104は、データベースを含み得る。
通信部106は、呼び出し装置30及び携帯端末40等の見守り支援システム10を構成する装置と通信を行うために必要な処理を行う。通信部106は、通信ポート、ルータ、ファイアウォール等を含み得る。入力部108は、例えば、キーボード、タッチパネル又はマウス等の入力装置で構成される。入力部108は、システム管理者又は見守り対象者によるデータの入力操作を受け付ける。
集音部110は、例えばマイクロフォンである。集音部110は、見守り支援装置100の周囲の音声を収集する。特に、集音部110は、見守り対象者の声(発話)を集音する。音声出力部112は、例えばスピーカである。音声出力部112は、音声を出力する。特に、音声出力部112は、後述する応答部120によって決定された応答である音声(システム音声)を発する。表示部114は、例えばタッチパネル、モニタ又はディスプレイである。表示部114は、画像(映像)を出力する。特に、表示部114は、後述する応答部120によって決定された画像(映像)を表示する。撮像部116は、例えばカメラである。撮像部116は、周囲を撮影し、撮影された画像を示す画像データを生成する。特に、撮像部116は、見守り対象者を撮影し、見守り対象者の画像(映像)を生成する。
また、見守り支援装置100は、構成要素として、呼び出し検知部118と、応答部120と、発話取得部124と、発話解析部130とを有する。また、見守り支援装置100は、構成要素として、呼び出し判定部140と、呼び出し処理部150と、相性判定部162と、相性度格納部164とを有する。
呼び出し検知部118は、図1に示した呼び出し検知部2に対応する。呼び出し検知部118は、呼び出し検知手段としての機能を有する。応答部120は、図1に示した応答部4に対応する。応答部120は、応答手段としての機能を有する。発話取得部124は、発話取得手段としての機能を有する。発話解析部130は、音声解析手段としての機能を有する。呼び出し判定部140は、図1に示した判定部6に対応する。呼び出し判定部140は、呼び出し判定手段としての機能を有する。呼び出し処理部150は、図1に示した呼び出し処理部8に対応する。呼び出し処理部150は、呼び出し処理手段としての機能を有する。相性判定部162は、相性判定手段としての機能を有する。相性度格納部164は、相性度格納手段としての機能を有する。
なお、上述した各構成要素は、例えば、制御部102の制御によって、プログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、各構成要素は、記憶部104に格納されたプログラムを、制御部102が実行することによって実現され得る。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記録媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。また、各構成要素は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、各構成要素は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。
呼び出し検知部118は、呼び出し装置30によって呼び出しが発生したことを検知する。具体的には、呼び出し検知部118は、呼び出し装置30から送信された呼び出し信号を、ネットワーク20及び通信部106を介して受信することによって、呼び出しの発生を検知する。
応答部120は、呼び出しが検知された場合に、見守り対象者に対して応答を行う。応答部120は、スマートスピーカ又はバーチャルアシスタントの機能によって実現されてもよい。具体的には、応答部120は、呼び出しが検知された場合に、見守り対象者に対して音声等によって呼びかけを行うための応答を出力する。なお、応答は、音声によるものに限定されず、チャット等の文字列によるものであってもよいし、イラスト等の画像(映像)によるものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。応答部120は、応答を生成して、生成された応答を、ユーザインタフェースを介して、見守り対象者に対して出力する。応答が音声である場合、応答部120は、応答を示す音声データを生成し、音声出力部112を制御して、応答である音声を出力させる。また、応答が文字列又は画像である場合、応答部120は、応答を示す画像データを生成し、表示部114を制御して、応答である画像(文字列)を表示させる。例えば、呼び出しが検知された場合に、応答部120は、「どうしましたか?」又は「何か御用ですか?」といった音声(及び文字列等)を出力するための処理を行う。
さらに、応答部120は、見守り対象者と対話(会話)を行うための処理を行う。ここで、「対話(会話)」とは、音声によるものに限定されず、チャット等の文字列によるものであってもよいし、イラスト等の画像(映像)によるものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。つまり、対話とは、何らかの手段よって、見守り支援装置100と見守り対象者とがコミュニケーションを行うことである。さらに、応答部120は、対話によって、見守り対象者のケア(見守り)を行うための処理を行う。詳しくは後述する。
発話取得部124は、見守り対象者の発話を取得する。なお、発話は、音声によるものに限定されず、チャット等の文字列によるものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。発話が音声によるものである場合、発話取得部124は、集音部110を介して、見守り対象者の発話を取得する。具体的には、発話取得部124は、見守り対象者の発話を集音してデジタル信号に変換し、音声データを生成する。また、発話が文字列によるものである場合、発話取得部124は、入力部108を介して、見守り対象者の発話を取得する。
発話解析部130は、発話取得部124によって取得された見守り対象者の発話を解析する。発話解析部130は、例えば、見守り対象者の発話に対して自然言語処理(形態素解析及び構文解析等)を行うことによって、見守り対象者の発話の内容を解析する。さらに、発話が音声によるものである場合、発話解析部130は、音声認識処理を行うことによって、見守り対象者の発話の内容を解析する。また、発話解析部130は、見守り対象者の声色又は音韻を解析する。なお、上述した解析は、ディープラーニング等の機械学習によって行われてもよい。
応答部120は、発話解析部130による解析結果を用いて、見守り対象者と対話(会話)を行うための処理を行う。応答部120は、発話解析部130による解析結果から、どのような応答を行うかを判定する。そして、応答部120は、見守り対象者の発話に対する応答を生成する。そして、応答部120は、ユーザインタフェース(音声出力部112及び表示部114)を制御して、見守り対象者の発話に対する応答を、見守り対象者に対して出力する。これにより、応答部120は、見守り対象者に対するケア(見守り)を行う。
例えば、見守り対象者が「眠れない」と訴えた場合、応答部120は、「横になって目を閉じてください」又は「音楽を聴きますか」といった応答を、音声及び文字列の少なくとも一方によって出力する。また、応答部120は、見守り対象者を落ち着かせるような映像及び音楽の少なくとも一方を、応答として出力してもよい。また、例えば、見守り対象者が「××が痛い」と訴えた場合も、応答部120は、心地よい音楽を、応答として出力してもよい。なお、見守り対象者にとって落ち着く又は心地よい音楽及び映像等は、見守り対象者ごとにデータベースに格納されていてもよい。このようにして、応答部120は、呼び出し操作を行った見守り対象者の気を紛らわせることができる。また、応答部120は、空調設備を制御して空調の調整を行ってもよい。そして、見守り対象者が落ち着いてきたと判定された場合に、応答部120は、上記のような応答(ケア;見守り)を終了してもよい。具体的には、発話解析部130による解析結果から、見守り対象者が痛みを訴えることがなくなったと判定された場合に、応答部120は、応答を終了してもよい。
呼び出し判定部140は、見守り対象者に対して見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する。例えば、呼び出し判定部140は、見守り対象者に関する処置の緊急度に応じて、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する。また、例えば、呼び出し判定部140は、応答部120と見守り対象者との対話の状況に応じて、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する。なお、呼び出し判定部140は、発話を用いて呼び出しをするか否かを判定することに限定されない。呼び出し判定部140は、撮像部116によって得られた見守り対象者の映像を用いて、呼び出しをするか否かを判定してもよい。
具体的には、呼び出し判定部140は、発話解析部130の解析結果から、見守り対象者に関する処置の緊急度を判定する。例えば、見守り対象者の会話中に痛みや苦痛を訴える言葉が一定回数以上出現した場合に、呼び出し判定部140は、緊急度が高いと判定してもよい。また、呼び出し判定部140は、見守り対象者の声音から見守り対象者の攻撃性を強く感知した場合に、緊急度が高いと判定してもよい。そして、呼び出し判定部140は、緊急度が高いと判定された場合に、見守り者の呼び出しを行うと判定する。あるいは、呼び出し判定部140は、痛みや苦痛を訴える言葉、及び、声色(音韻)を示すパラメータ(例えば声の大きさ及び基本周波数等)といった複数の要素から、緊急度を数値化してもよい。この場合、呼び出し判定部140は、緊急度の数値が予め定められた値を超えた場合に、見守り者の呼び出しを行うと判定してもよい。
このように、緊急度に応じて見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定することによって、緊急度が高い場合に確実に見守り者を呼び出すことが可能となる。また、応答部120と見守り対象者との対話の状況に応じて見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定することによって、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定するためのセンサ等を設けることが不要となる。つまり、本実施の形態では見守り対象者のケア(見守り)のために対話を行うが、この対話を、さらに、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定するために使用することができるので、システムの効率化を図ることができる。
呼び出し処理部150は、呼び出し判定部140によって見守り者の呼び出しを行うと判定された場合に、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行う。具体的には、呼び出し処理部150は、携帯端末40に対して発呼を行って携帯端末40との通信を確立するための処理を行う。ここで、呼び出し処理部150は、全ての携帯端末40を呼び出すようにしてもよいし、任意の携帯端末40を呼び出すようにしてもよいし、特定の携帯端末40を呼び出すようにしてもよい。
ここで、特定の携帯端末40を呼び出す場合、呼び出し処理部150は、呼び出し操作を行った見守り対象者と見守り者との相性に応じて、呼び出す携帯端末40を選択してもよい。つまり、呼び出し処理部150は、呼び出し操作を行った見守り対象者と見守り者との相性に応じて、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行ってもよい。具体的には、呼び出し処理部150は、勤務している見守り者のうちで呼び出し操作を行った見守り対象者との相性が最も高い見守り者の携帯端末40を呼び出すようにしてもよい。なお、見守り者と見守り対象者との相性は、後述する相性判定部162によって判定された相性度によって示される。
相性判定部162は、見守り者と見守り対象者との相性を判定し、相性の度合いを示す相性度を算出する。具体的には、相性判定部162は、集音部110を介して、見守り対象者と見守り者との会話を取得する。相性判定部162は、その会話内容から見守り対象者の喜怒哀楽といった感情を数値化することによって、相性度を算出する。見守り対象者の感情は、発話解析部130による解析によって判定してもよい。相性度格納部164は、相性判定部162によって算出された相性度を示す相性度情報を格納する。つまり、相性度格納部164は、相性度を格納するデータベースである。
図5は、実施の形態1にかかる相性度格納部164によって格納される相性度情報を例示する図である。相性度情報は、各見守り対象者と各見守り者との相性度を示す。図5の例では、相性度を0〜10の数値で表しており、数値が高い相性度ほど、互いの相性がよいことを示している。
図5の例では、見守り対象者#1と見守り者Aとの相性度は「10」であり、見守り対象者#1と見守り者Bとの相性度は「7」であり、見守り対象者#1と見守り者Cとの相性度は「3」である。また、見守り対象者#2と見守り者Aとの相性度は「8」であり、見守り対象者#2と見守り者Bとの相性度は「5」であり、見守り対象者#2と見守り者Cとの相性度は「10」である。
図5の例において見守り者A〜Cが全て勤務中であるとし、見守り対象者#1によって呼び出し操作が行われた場合、呼び出し処理部150は、見守り対象者#1と相性の最もよい見守り者Aの携帯端末40Aを呼び出すための処理を行う。なお、見守り者Aが勤務してない場合、呼び出し処理部150は、次に見守り対象者#1と相性のよい見守り者Bの携帯端末40Bを呼び出すための処理を行う。同様に、見守り対象者#2によって呼び出し操作が行われた場合、呼び出し処理部150は、見守り者Cの携帯端末40Aを呼び出すための処理を行う。このように、呼び出し処理部150が見守り対象者との相性に応じて見守り者の携帯端末40を呼び出すようにすることによって、見守り対象者の感情が攻撃的になっている場合等に、見守り対象者を落ち着かせることが期待できる。
図6は、実施の形態1にかかる見守り支援装置100によって実行される見守り支援方法を示すフローチャートである。呼び出し検知部118は、上述したように、見守り対象者の操作によって呼び出しが発生したことを検知する(ステップS102)。応答部120は、上述したように、見守り対象者に対して応答を行う(ステップS104)。このとき、応答部120は、上述したように、見守り対象者と対話を行ってもよい。発話解析部130は、上述したように、見守り対象者の発話を解析する(ステップS106)。
呼び出し判定部140は、上述したように、発話解析部130の解析結果から、見守り対象者に関する処置の緊急度を判定する(ステップS108)。そして、呼び出し判定部140は、緊急度に応じて、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する(ステップS110)。呼び出す必要があると判定された場合(S110のYES)、呼び出し処理部150は、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行う(ステップS112)。一方、呼び出す必要がないと判定された場合(S110のNO)、呼び出し処理部150は、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行わない。この場合、応答部120は、上述したように、少なくとも音声又は映像によって見守り対象者の見守り(ケア)のための処理を行う(ステップS114)。例えば、応答部120は、見守り対象者が落ち着くような音楽を出力する。また、例えば、応答部120は、見守り対象者が落ち着くような映像を出力する。
上述したように、見守り対象者は、持病や認知機能の衰え等から些細なことで不安を感じるとすぐに見守り者を呼ぶ傾向があり、見守り者を呼ぶために頻繁に呼び出しを行ってしまうことがある。特に夜間はその傾向が顕著となり、時には数分おきに呼び出しを行う見守り対象者もいる。その場合、見守り者が緊急性の低い呼び出しに応答すると、それまでの作業の中断による作業効率の悪化と同じ見守り対象者から繰り返し呼び出されることとによって、ストレスが増大する。これにより、見守り対象者に対し丁寧な対応ができなくなるおそれがある。すると、その見守り者の対応から見守り対象者が更に不安や不満を感じてしまい、その結果大きな問題行動につながるという悪循環に陥ってしまうおそれがある。また、頻繁に呼び出しが発生する状況では、見守り者の呼び出しに対する緊急性の意識が薄れ、真の緊急事態への対応が遅れる懸念がある。
これに対し、上述したように、実施の形態1にかかる見守り支援装置100は、見守り対象者によって呼び出しが発生した場合に、見守り対象者に対して応答する。そして、見守り支援装置100は、見守り者を呼び出す必要がある場合に、見守り者の携帯端末40を呼び出すように構成されている。言い換えると、見守り支援装置100は、見守り者を呼び出す必要がない場合に、見守り者の携帯端末40を呼び出さないように構成されている。これにより、見守り者の負担を軽減することが可能となる。また、見守り者は、必要でない呼び出しによって呼び出されることが抑制されるので、呼び出しに対する緊急性の意識が高まり、迅速に対応することが可能となる。
また、上述したように、実施の形態1にかかる見守り支援装置100は、見守り者を呼び出す必要がないと判定されたときに、少なくとも音声又は映像によって見守り対象者の見守り(ケア)のための処理を行うように構成されている。これにより、呼び出し操作を行ったにも関わらず見守り者に対応してもらえない見守り対象者の不安を軽減させることが可能となる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
図7は、実施の形態2にかかる見守り支援システム10Aを示す図である。実施の形態1と同様に、実施の形態2にかかる見守り支援システム10Aは、少なくとも1つの呼び出し装置30と、少なくとも1つの携帯端末40と、少なくとも1つの見守り支援装置200とを有する。見守り支援装置200は、実施の形態1にかかる見守り支援装置100に対応する。また、実施の形態2にかかる見守り支援システム10Aは、さらに、呼び出し受信機52と、電話交換機54と、無線基地局56と、監視装置60と、少なくとも1つの検出装置70とを有する。呼び出し装置30、呼び出し受信機52、電話交換機54、無線基地局56、見守り支援装置200、及び検出装置70は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク22を介して通信可能に接続されている。また、監視装置60は、ネットワーク22と、インターネット24を介して接続されている。
呼び出し受信機52は、例えばナースコール親機である。呼び出し受信機52は、呼び出し装置30から送信された呼び出し信号を受信する。また、呼び出し受信機52は、呼び出し信号を受信した場合であって、見守り支援装置200によって見守り者を呼び出すと判定された場合に、携帯端末40を呼び出すための処理を行う。詳しくは後述する。
電話交換機54は、呼び出し受信機52と通信可能に接続されている。電話交換機54は、呼び出し受信機52が携帯端末40を呼び出すための処理を行ったときに、呼び出す携帯端末40と見守り支援装置200(又は監視装置60)との通信を確立するための処理を行う。無線基地局56は、携帯端末40と無線通信可能に接続されている。呼び出し受信機52は、電話交換機54及び無線基地局56を介して、携帯端末40を呼び出すための処理を行う。
監視装置60は、例えばナースコール受付センタである監視センタMCに設置されている。監視装置60は、監視センタMCにいる監視者(例えば看護師)によって操作される。監視装置60は、例えばコンピュータである。監視装置60は、図4に示した、見守り支援装置100のハードウェア構成を有してもよい。監視装置60は、監視者が遠隔で見守り対象者を確認できるように構成されている。具体的には、後述するように、監視装置60は、見守り支援装置200とビデオ通話を行うように構成されている。
検出装置70は、見守り対象者の居場所又は居場所の近傍に設置されている。検出装置70は、見守り対象者の状態を検出する。検出装置70は、例えばセンサ又は監視カメラである。検出装置70は、赤外線カメラであってもよい。検出装置70は、例えば、見守り対象者のバイタルデータ(脈拍、血圧、体温、呼吸数、呼吸パターンなど)を検出(測定)するセンサを含む。また、検出装置70は、例えば、見守り対象者のベッドに設置され、見守り対象者の離床又は姿勢を検出するセンサを含む。また、検出装置70は、例えば、見守り対象者が居室に存在しているか否か(つまり見守り対象者が居室から退出していないか否か)を検出するセンサ(又はカメラ)を含む。検出装置70は、検出された状態を示す検出情報を、ネットワーク22を介して見守り支援装置200に送信する。例えば、検出情報は、見守り対象者のバイタルデータを示す。また、例えば、検出情報は、見守り対象者の離床又は姿勢を示す。なお、検出装置70は、見守り対象者の異常が検出された場合に、見守り支援装置200に検出情報を送信してもよい。
図8は、実施の形態2にかかる見守り支援装置200の構成を示す図である。実施の形態2にかかる見守り支援装置200は、呼び出し処理部150の代わりに、呼び出し処理部250を有する。また、見守り支援装置200は、検出情報取得部272と、検出情報判定部274とを有する。実施の形態2にかかる見守り支援装置200のその他の構成要素については、図4に示した見守り支援装置100のものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
呼び出し処理部250は、呼び出し処理手段としての機能を有する。呼び出し処理部250は、図4の呼び出し処理部150に対応する。呼び出し処理部250は、呼び出し判定部140によって見守り者の呼び出しを行うと判定された場合に、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行う。ここで、実施の形態2では、呼び出し処理部250は、監視者が見守り対象者を遠隔で確認可能となるような処理を行う。そして、呼び出し処理部250は、監視者の操作に応じて、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行う。
具体的には、呼び出し処理部250は、通信部106、ネットワーク22及びインターネット24を介して、監視装置60に対して、監視者が監視装置60を用いて見守り対象者を遠隔で確認可能となるための信号を送信するための処理を行う。さらに具体的には、呼び出し処理部250は、通信部106、ネットワーク22及びインターネット24を介して、監視装置60に対してビデオ通話を発信する。ビデオ通話により、監視者の操作によって監視装置60から見守り者の呼び出し指示が出力された場合に、呼び出し処理部250は、呼び出し受信機52に対して、呼び出し指示を送信する。これにより、見守り者の携帯端末40が呼び出される。詳しくは後述する。なお、監視者が見守り対象者を遠隔で確認する方法は、ビデオ通話に限られず、例えば、音声通話であってもよい。
検出情報取得部272は、検出情報取得手段としての機能を有する。検出情報取得部272は、ネットワーク22及び通信部106を介して、検出装置70から検出情報を取得する。
検出情報判定部274は、検出情報判定手段としての機能を有する。検出情報判定部274は、取得された検出情報を用いて、見守り対象者の異常の度合いを示す異常度を判定する。そして。検出情報判定部274は、判定された異常度に応じて、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する。詳しくは後述する。
図9〜図11は、実施の形態2にかかる見守り支援システム10Aによって実行される見守り支援方法を示すシーケンス図である。図9は、携帯端末40が呼び出されるケースを示す。
見守り対象者が呼び出し装置30を操作すると、呼び出しが発生する。このとき、呼び出し装置30は、呼び出し信号を、呼び出し受信機52に送信する(ステップS202)。呼び出し信号を受信した呼び出し受信機52は、見守り支援装置200に対して、見守り対象者への応答を指示する(ステップS204)。例えば、呼び出し受信機52は、作動した呼び出し装置30の近傍に設置された見守り支援装置200に対して、見守り対象者への応答を指示する。このとき、呼び出し受信機52は、呼び出しを終了してもよい。
応答指示を受けた見守り支援装置200は、見守り対象者に対して応答を行い、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する(ステップS210)。具体的には、見守り支援装置200は、図6に示したS102〜S110の処理を行う。なお、実施の形態2では、呼び出し検知部118は、呼び出し受信機52から応答指示が受信されたときに、呼び出しが発生したことを検知する(S102)。このとき、実施の形態1と同様に、応答部120は、見守り対象者に対して応答を行う(S104)。また、図9の例では、呼び出し判定部140は、緊急度が高いので、見守り者を呼び出す必要があると判定する(S106〜S110のYES)。なお、呼び出し判定部140の判定方法については、実施の形態1にかかるものと実質的に同様であるので、説明を省略する。
見守り支援装置200は、監視装置60に対して、ビデオ通話を発信する(ステップS220)。具体的には、呼び出し処理部250は、監視装置60に対してビデオ通話を発信する。例えば、呼び出し処理部250は、ビデオ通話を行うための呼信号を、監視装置60に送信(発呼)する。そして、監視装置60によってこのビデオ通話(呼信号)が受信(着呼)されると、見守り支援装置200と監視装置60との間で、ビデオ通話が実行される(ステップS221)。具体的には、監視センタMCの監視者が監視装置60を操作することによって、監視装置60は、ビデオ通話を行うことが可能となる。
ビデオ通話において、監視者は、見守り対象者の問診を行い、さらに、映像及び音声によって見守り対象者の容体を確認できる。そして、監視者が見守り者による処置が必要であると判断した場合、監視者は、監視装置60に対して、見守り者を呼び出す旨を指示する操作を行う。これにより、監視装置60は、見守り支援装置200に対して、見守り者の呼び出しを指示する呼び出し指示を送信する(ステップS222)。見守り支援装置200は、呼び出し指示を受信すると、呼び出し受信機52に呼び出し指示を送信する(ステップS224)。具体的には、呼び出し処理部250は、呼び出し受信機52に対して、呼び出し指示(ナースコール)を送信する。
呼び出し受信機52は、見守り支援装置200から呼び出し指示を受信すると、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行う(ステップS226)。具体的には、呼び出し受信機52は、電話交換機54及び無線基地局56を介して携帯端末40に対して発呼を行って、見守り支援装置200と携帯端末40との通信を確立するための処理を行う。これにより、見守り支援装置200と、着呼した携帯端末40との通信が確立する(ステップS228)。このとき、呼び出された携帯端末40の見守り者は、呼び出しを行った見守り対象者の居場所に行くことができる。このとき、見守り者は、見守り支援装置200を介して、監視センタMCの監視者からビデオ通話によって指示を受けるようにしてもよい。
ここで、実施の形態1の場合と同様に、呼び出し受信機52は、全ての携帯端末40を呼び出すようにしてもよいし、任意の携帯端末40を呼び出すようにしてもよいし、特定の携帯端末40を呼び出すようにしてもよい。特定の携帯端末40を呼び出す場合、呼び出し受信機52は、呼び出し操作を行った見守り対象者と見守り者との相性に応じて、呼び出す携帯端末40を選択してもよい。ここで、呼び出し処理部250は、呼び出し受信機52に対して呼び出し指示を送信する際に、呼び出し操作を行った見守り対象者と見守り者との相性を示す相性度情報を相性度格納部164から抽出して、呼び出し受信機52に送信してもよい。あるいは、呼び出し受信機52に相性度情報が蓄積されていてもよい。呼び出し受信機52は、相性度情報を用いて、勤務している見守り者のうちで呼び出し操作を行った見守り対象者との相性が最も高い見守り者の携帯端末40を呼び出す。
図10は、監視者がビデオ通話を行うが、携帯端末40が呼び出されないケースを示す。なお、S202〜S221の処理については、図9に示した処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。監視者が、ビデオ通話を用いて見守り対象者の容体を確認し、見守り者による処置が必要でないと判断した場合、監視者は、ビデオ通話で、見守り対象者に、安静にするように伝える。そして、監視者は、監視装置60に対して、見守り対象者を見守る旨を指示する操作を行う。このとき、監視装置60は、呼び出し指示を送信しない。代わりに、監視装置60は、見守り指示を、見守り支援装置200に送信する(ステップS232)。なお、このとき、監視装置60は、ビデオ通話を終了してもよい。
見守り支援装置200は、監視装置60から見守り指示を受信すると、見守り対象者の見守りのための処理を行う(ステップS234)。つまり、応答部120は、図6に示したS114の処理を行う。そして、見守り支援装置200は、その見守り対象者が、再び、呼び出し装置30を操作して呼び出しを発生させた場合でも、ビデオ通話を発信しないようにしてもよい。この場合、応答部120は、S114の処理を繰り返す。これにより、見守り支援装置200は、見守り対象者の気分を変えるように働きかける。なお、この場合、見守り支援装置200は、所定時間おき(例えば1時間おき)に、ビデオ通話を監視装置60に発信してもよい(ステップS236)。なお、ビデオ通話は、携帯端末40に発信されてもよい。これにより、定期的に、監視者(又は見守り者)がビデオ画面で見守り対象者の様子を確認することができる。
図11は、監視者がビデオ通話を行わないケースを示す。なお、S202〜S210の処理については、図9に示した処理と実質的に同様であるので、説明を省略する。このケースでは、呼び出し判定部140が、見守り者を呼び出す必要がないと判定する(S110のNO)。この場合、呼び出し処理部250は、ビデオ通話を発信しない。そして、応答部120は、見守り対象者の見守りのための処理(S114)を行う(ステップS240)。
図12は、実施の形態2にかかる検出装置70が検出情報を送信した場合に見守り支援装置200によって実行される処理を示すフローチャートである。検出情報取得部272は、検出情報を取得する(ステップS302)。検出情報判定部274は、取得された検出情報を用いて、見守り対象者の異常度を判定する(ステップS308)。例えば、検出情報判定部274は、検出情報がバイタルデータの異常を示しているか否かを判定する。バイタルデータが許容範囲を逸脱したことが検出された場合に、検出情報判定部274は、異常度が高いと判定する。また、例えば、検出情報判定部274は、検出情報が見守り対象者の退出を示しているか否かを判定する。見守り対象者が居室から退出したことが検出された場合に、検出情報判定部274は、異常度が高いと判定する。一方、例えば、検出情報が、ベッドに設置されたセンサから送信されたものであってもよい。このとき、見守り対象者が寝返りやベッド上で体を起こす動作を繰り返していることが検出された場合に、検出情報判定部274は、異常度が低いと判定してもよい。あるいは、検出情報判定部274は、複数の検出情報から、異常度を数値化してもよい。
検出情報判定部274は、異常度に応じて、見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する(ステップS310)。異常度が高いため呼び出す必要があると判定された場合(S310のYES)、呼び出し処理部250は、上述したように、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行う(ステップS312)。一方、異常度が低いため呼び出す必要がないと判定された場合(S310のNO)、呼び出し処理部250は、見守り者の携帯端末40を呼び出すための処理を行わない。この場合、応答部120は、少なくとも音声又は映像によって見守り対象者の見守り(ケア)のための処理を行う(ステップS314)。例えば、応答部120は、見守り対象者が落ち着くような音楽を出力する。また、例えば、応答部120は、見守り対象者が落ち着くような映像を出力する。
例えば、見守り対象者が寝返りやベッド上で体を起こす動作を繰り返していることが検出された場合、見守り支援装置200は、見守り対象者が上手く寝つけていないと判断する。この場合、見守り対象者が呼び出し操作を行う前に、見守り支援装置200(応答部120)は、見守り対象者に、「眠れませんか?」などと音声やモニタ上の文字やイラストで呼びかける(S314)。そして、応答部120は、上述したS114の処理と同様にして、見守り対象者の気分を落ち着かせるような働きかけを行う(S314)。これにより、見守り対象者が、緊急度の低い呼び出し操作を行うこと自体を抑制することが可能となる。したがって、見守り者の負担を軽減することができる。
上述したように、実施の形態2にかかる見守り支援装置200は、呼び出しの発生が検知され見守り者を呼び出す必要があると判定された場合に、監視者が見守り対象者を遠隔で確認可能となるような処理を行うように構成されている。これにより、見守り者の携帯端末40を実際に呼び出す前に、監視者が遠隔で見守り対象者を確認することができる。そして、実施の形態2にかかる見守り支援装置200は、監視者の操作に応じて、見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行うように構成されている。これにより、真に見守り者を呼び出すことが必要な場合のみに、見守り者を呼び出すことができる。したがって、実施の形態1の場合と比較して、見守り者の負担をさらに軽減することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した複数の実施の形態は、相互に適用可能である。例えば、実施の形態2にかかる図12に示した処理を、実施の形態1の構成に組み合わせてよい。この場合、見守り支援装置100は、検出情報取得部272及び検出情報判定部274を有し得る。他の構成についても同様である。
また、上述したフローチャート及びシーケンスにおいて、各処理(ステップ)の順序は、適宜、変更可能である。また、複数ある処理(ステップ)のうちの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、図9に示したシーケンスにおいて、見守り支援装置200は、監視装置60から呼び出し指示を受信した場合に(S222)、S224の処理を行わなくてもよい。この場合、呼び出し受信機52の代わりに、見守り支援装置200が、実施の形態1と同様にして、呼び出し処理(S112)を行ってもよい。他の処理についても同様である。
また、各実施の形態にかかる見守り支援装置の各構成要素の1つ以上は、物理的に別個の装置によって実現されてもよい。さらに、1つのサーバ(見守り支援装置)が、複数の見守り対象者についての処理を行ってもよい。この場合、例えば、図4に示した見守り支援装置100において、少なくともユーザインタフェースについては、見守り対象者の居場所に設置された装置で実現され、その他の構成要素については、サーバで実現されてもよい。つまり、呼び出し検知部118、応答部120、発話取得部124、発話解析部130、呼び出し判定部140、呼び出し処理部150、相性判定部162及び相性度格納部164は、サーバで実現されてもよい。言い換えると、見守り支援装置は、物理的に1つの装置で構成されている必要はない。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
見守りの対象である見守り対象者による、前記見守り対象者の見守りを行う見守り者の呼び出しが発生したことを検知する呼び出し検知手段と、
前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して応答を行う応答手段と、
前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して前記見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する判定手段と、
前記見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行う呼び出し処理手段と、
を有する見守り支援装置。
(付記2)
前記呼び出しの発生が検知された場合であって、前記見守り者を呼び出す必要がないと判定されたときに、前記呼び出し処理手段は、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行わないで、前記応答手段は、少なくとも音声又は映像によって前記見守り対象者の見守りのための処理を行う、
付記1に記載の見守り支援装置。
(付記3)
前記判定手段は、前記見守り対象者に関する処置の緊急度に応じて、前記見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する、
付記1又は2に記載の見守り支援装置。
(付記4)
前記応答手段は、前記見守り対象者と対話を行い、
前記判定手段は、前記対話の状況に応じて、前記見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する、
付記1から3のいずれか1項に記載の見守り支援装置。
(付記5)
前記応答手段は、前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して呼びかけを行うための応答を出力する、
付記1から4のいずれか1項に記載の見守り支援装置。
(付記6)
前記呼び出し処理手段は、前記見守り対象者との相性に応じて、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行う、
付記1から5のいずれか1項に記載の見守り支援装置。
(付記7)
前記呼び出し処理手段は、前記見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、監視者が前記見守り対象者を遠隔で確認可能となるような処理を行う、
付記1から6のいずれか1項に記載の見守り支援装置。
(付記8)
前記呼び出し処理手段は、前記監視者の操作に応じて、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行う、
付記7に記載の見守り支援装置。
(付記9)
付記1から8のいずれか1項に記載の見守り支援装置と、
少なくとも1つの前記携帯端末と、
を有する見守り支援システム。
(付記10)
前記見守り対象者による操作によって呼び出しを発生させる呼び出し装置、
をさらに有する付記9に記載の見守り支援システム。
(付記11)
監視者が遠隔で前記見守り対象者を確認できるように構成された監視装置、
をさらに有し、
前記見守り支援装置は、前記見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、前記監視者が前記監視装置を用いて前記見守り対象者を遠隔で確認可能となるための信号を、前記監視装置に送信する、
付記9又は10に記載の見守り支援システム。
(付記12)
前記監視装置は、前記監視者の操作によって、前記見守り支援装置に対して、前記見守り者の呼び出しを指示する呼び出し指示を送信し、
前記見守り支援装置は、前記呼び出し指示を受信すると、前記見守り者の前記携帯端末を呼び出すための処理を行う、
付記11に記載の見守り支援システム。
(付記13)
見守りの対象である見守り対象者による、前記見守り対象者の見守りを行う見守り者の呼び出しが発生したことを検知し、
前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して応答を行い、
前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して前記見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定し、
前記見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行う、
見守り支援方法。
(付記14)
前記呼び出しの発生が検知された場合であって、前記見守り者を呼び出す必要がないと判定されたときに、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行わないで、少なくとも音声又は映像によって前記見守り対象者の見守りのための処理を行う、
付記13に記載の見守り支援方法。
(付記15)
前記見守り対象者に関する処置の緊急度に応じて、前記見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する、
付記13又は14に記載の見守り支援方法。
(付記16)
前記見守り対象者と対話を行い、
前記対話の状況に応じて、前記見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定する、
付記13から15のいずれか1項に記載の見守り支援方法。
(付記17)
前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して呼びかけを行うための応答を出力する、
付記13から16のいずれか1項に記載の見守り支援方法。
(付記18)
前記見守り対象者との相性に応じて、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行う、
付記13から17のいずれか1項に記載の見守り支援方法。
(付記19)
前記見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、監視者が前記見守り対象者を遠隔で確認可能となるような処理を行う、
付記13から18のいずれか1項に記載の見守り支援方法。
(付記20)
前記監視者の操作に応じて、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行う、
付記19に記載の見守り支援方法。
(付記21)
見守りの対象である見守り対象者による、前記見守り対象者の見守りを行う見守り者の呼び出しが発生したことを検知するステップと、
前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して応答を行うステップと、
前記呼び出しの発生が検知された場合に、前記見守り対象者に対して前記見守り者を呼び出す必要があるか否かを判定するステップと、
前記見守り者を呼び出す必要があると判定されたときに、前記見守り者の携帯端末を呼び出すための処理を行うステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。