JP6943462B2 - ヘアクリップのかしめ工具 - Google Patents

ヘアクリップのかしめ工具 Download PDF

Info

Publication number
JP6943462B2
JP6943462B2 JP2019113797A JP2019113797A JP6943462B2 JP 6943462 B2 JP6943462 B2 JP 6943462B2 JP 2019113797 A JP2019113797 A JP 2019113797A JP 2019113797 A JP2019113797 A JP 2019113797A JP 6943462 B2 JP6943462 B2 JP 6943462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair clip
holding portion
fixed
movable
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019113797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020203367A (ja
Inventor
勝義 鎌田
勝義 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Goriki Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Goriki Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Goriki Kogyo Co Ltd filed Critical Goriki Kogyo Co Ltd
Priority to JP2019113797A priority Critical patent/JP6943462B2/ja
Publication of JP2020203367A publication Critical patent/JP2020203367A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6943462B2 publication Critical patent/JP6943462B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hand Tools For Fitting Together And Separating, Or Other Hand Tools (AREA)

Description

本発明は、美容院などで髪を挟むのに用いられるヘアクリップを製造する際に使用する工具に関し、特に、ピン軸体による「かしめ」を正確且つ効率的に行うことができる工具に関する。
美容院や自分自身で髪をセットする場合、例えば、ヘアクリップを用いて、髪を束ねたり、まとめたりすることがある。
このようなヘアクリップは、一般に、図1に示すように、一対の長片とされた部材、すなわち髪を挟む際に下側となる下片部材と、髪を挟む際に上側となる上片部材との組み合わせからなる。下片部材と上片部材のいずれにおいても、その先端から中途部にかけて髪を挟むクリップ部(挟持部)を有すると共に、各片の基端は把持部とされている。下片部材と上片部材とは、把持部とクリップ部との境の部位において、ピン軸体により互いの片が近接離反可能となるように揺動自在に枢支されており、ピン軸体の周りには、コイルばねが取り付けられていて、このコイルばねにより一対のクリップ部は閉じる方向に付勢されるものとなっている。これらクリップ部と把持部は一つの長尺な部材として一体に形成されている。
このような構成を有するヘアクリップは、使用者の指を用いて、一対の把持部のそれぞれが近づくように力を加えると、コイルばねの付勢力に抗するように、下片部材のクリップ部と上片部材のクリップ部とが離反し、離反した下片部材と上片部材との間に髪を差し入れることが可能となる。その後は、使用者が指の力を抜くと、コイルばねの付勢力で挟持部の下片部材と上片部材とが近接し合いクリップ部で髪を挟むことが可能となる。
特開2017−185201号公報
以上のようなヘアクリップを製造するに際し、下片部材、上片部材、ピン軸体、コイルばね等の部品は、工作機械(例えばプレス機など)を用いて、大量生産を行うことが可能である。しかしながら、部品の組み立て、すなわち下片部材、上片部材の基端側に、コイルばねが巻きつけられたピン軸体を配備するように組み上げて、ピン軸体の両端を潰して下片部材及び上片部材をかしめてヘアクリップの完成品とするためには、どうしても人手の作業に頼らざるを得ないのが実情である。
特に、下片部材と上片部材とを貫通するピン軸体は、使用時に外れてしまわないように、ハンマー等で打撃することによってピン軸体の両側を半円球状に潰し、潰したピン軸体の両端により下片部材及び上片部材の抜け止めを行う「かしめ」作業が行われる。このかしめ作業の出来不出来は、作業者の力量によるところが大きく、熟練していない作業者がかしめ作業を行なった場合、ピン軸体の潰れ方が不十分となりやすい。そのため、出来上がった製品(ヘアクリップ)は、使用中に、ピン軸体から下片部材乃至は上片部材が外れてしまい、ひどい場合はヘアクリップがバラバラになって壊れてしまうといったトラブルが発生する場合があった。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、組み立て作業を行う作業者の熟練度に左右されることなく、どのような熟練度の作業者であってもヘアクリップを構成するピン軸体のかしめ作業をばらつきなく確実に行うことを可能とするヘアクリップのかしめ工具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明のヘアクリップのかしめ工具は、髪の毛を挟む一対のクリップ部と、前記一対のクリップ部を開閉自在に支持するピン軸体と、前記ピン軸体に設けられたスプリング部の付勢力に抗して前記クリップ部を開かせる二股状とされた把持部と、を備えたヘアクリップを組み立てるかしめ工具であって、下方側に位置する固定側レバーと、上方側に位置する可動側レバーと、前記固定側レバー及び可動側レバーの先端に設けられ且つ所定の間隔以下には縮まらない構成とされたピン挟持部と、を有し、前記ピン挟持部により、前記ヘアクリップのピン軸の両端を押しつぶすことで、前記ピン軸体によって一対のクリップ部をかしめ、前記ヘアクリップを組立状態とすることを特徴とする。
好ましくは、前記ピン挟持部は、固定側レバーの先端に備えられた固定挟持部と、可動側レバーの先端に備えられ且つ固定挟持部に近接離反する可動挟持部と、からなり、前記固定挟持部及び可動挟持部には、ヘアクリップのピン軸体が上下方向を向くように当該ヘアクリップを配備可能とする固定部が形成されているとよい。
好ましくは、前記固定部は、当該可動挟持部の下面に平坦な面として形成された第一のヘアクリップ固定部と、前記可動挟持部の側方であって固定挟持部の上面に設けられ、ヘアクリップの把持部が嵌り込むことによりヘアクリップを水平に固定する第二のヘアクリップ固定部と、前記第二のヘアクリップ固定部の上端部に下方に対向する平面として形成された第三のヘアクリップ固定部と、前記第二のヘアクリップ固定部を中心にヘアクリップが水平方向に沿って回転することを規制する第四のヘアクリップ固定部と、を有しているとよい。
好ましくは、前記第二のヘアクリップ固定部は、前記ヘアクリップの二股状とされた把持部が嵌まり込み可能な直径を有し、且つ前記可動挟持部の側方であって固定挟持部の上面に立設するように設けられた把持軸に対して、当該把持軸の外周面に形成されており、前記第三のヘアクリップ固定部は、前記把持軸の上端部に設けられ、且つ横向きとされた当て部に対して、当該当て部の下面であって前記第一のヘアクリップ固定部に対向する当て面として形成されており、前記第四のヘアクリップ固定部は、前記固定挟持部の前後方向の中途側に設けられた左右方向に伸びる段差面として形成されているとよい。
好ましくは、前記固定側レバーと、可動側レバーと、固定側レバー及び可動側レバーの先端に設けられ且つ所定の間隔以下には縮まらない構成とされたピン挟持部とは、バイスプライヤ構造を有しており、前記可動側レバーと固定側レバーとの間にはリンク部材が配備され、前記リンク部材により、挟持状態にあるピン挟持部の挟持間隔が一定距離以下に縮まないような構成とされているとよい。
本発明にかかるヘアクリップのかしめ工具によれば、ヘアクリップを組み立てる作業者の熟練度に左右されることなく、どのような熟練度の作業者であってもヘアクリップを構成するピン軸体のかしめ作業をばらつきなく確実に行うことが可能となる。
本発明のかしめ工具により組み立てられるヘアクリップである。 本発明のかしめ工具の全体斜視図である。 本発明のかしめ工具の先端部(ピン挟持部)の右側面図である。 ヘアクリップが装着された本発明のかしめ工具の正面図である。 ヘアクリップが装着された本発明のかしめ工具の斜視図である。 かしめ工具にヘアクリップをかしめ前に装着する手順を示した図である。 本発明のかしめ工具を用いて、ヘアクリップをかしめる手順(かしめ中の動作)を示した図である。 本発明のかしめ工具を用いてかしめ作業が行われたヘアクリップを示した図である(かしめ後の手順)。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。以下、実施形態では、図2に示した上下方向、前後方向、左右方向をもとに説明を進めることとする。
本発明は、ヘアクリップ1を組み立てる際に使用する工具2(かしめ工具2)に関するものである。以降では、まず工具2の説明に先立ち、ヘアクリップ1の構成について説明する。
本発明のかしめ工具2により組み立てられるヘアクリップ1は、美容院や自宅などで、特に女性が髪を束ねたりまとめたりするセットする際に用いるものである。
図1に示す如く、組み立て対象のヘアクリップ1は、一対の長片状とされた部材を有するものとなっている。この一対の長片状の部材のうち、髪を挟む際に下側(頭皮側)に配備されるものを下片部材3と呼び、髪を挟む際に上側(頭髪側)となるものを上片部材4と呼ぶ。ヘアクリップ1は、この下片部材3と上片部材4とで頭髪を上下に挟み込むことで、髪止めが可能となっている。
下片部材3と上片部材4とは、いずれも、その先端部から中途部にかけての部位が髪を挟むクリップ部5とされており、各片の基端部には使用者が指で摘むことでクリップ部5を近接離反させる(ヘアクリップ1を開閉させる)ための把持部6が備えられている。言い換えれば、上述した長片状の部材、つまり下片部材3にも上片部材4にも、先端側にはクリップ部5が、また基端側には把持部6がそれぞれ形成されている。
上述した下片部材3及び上片部材4は、いずれも把持部6とクリップ部5との境の部位において、ピン軸体7を用いて枢支されている。つまり、下片部材3でも上片部材4でも、一対のクリップ部5はピン軸体7を用いて揺動自在に支持されており、クリップ部5の反対側に位置する把持部6同士も互いに揺動自在となっている。より具体的には、クリップ部5同士を近接させる(以降、クリップ部5同士を近接させることを、クリップ部5を閉じるという場合がある)と把持部6同士が離反し、把持部6同士を近接させるとクリップ部5同士が離反する(以降、クリップ部5同士を離反させることを、クリップ部5を開くという場合がある)ように、下片部材3と上片部材4とは揺動可能とされている。
また、ピン軸体7の周りには、コイルばね8が取り付けられていて、これにより一対のクリップ部5を閉じる方向に付勢する、言い換えれば把持部6を開く方向に付勢するものとされている。
このような構成を有するヘアクリップ1は、使用者の指を用いて、把持部6をそれぞれが近づくように力を加えると、コイルばね8の付勢力に抗して下片部材3と上片部材4とが離反し、その間に髪を差し入れることが可能となる。その後は、使用者の指の力を抜くと、コイルばね8の付勢力で下片部材3と上片部材4とが近接し合い、両部材間で髪を挟むことが可能となる。
上記したヘアクリップ1の製造に関しては、下片部材3、上片部材4、ピン軸体7、コイルばね8等の部品は、工作機械(例えばプレス機など)を用いて、大量生産される。各部品を機械で生産した後、完成品のヘアクリップ1に仕上げるためには、下片部材3、上片部材4、ピン軸体7、コイルばね8を手作業により組み立てる。すなわち、下片部材3及び上片部材4の基端部に、コイルばね8が巻きつけられたピン軸体7を配備するように組み上げる。このようにすると、下片部材3、上片部材4、及びコイルばね8の3部材がピン軸体7により連通状態となり、最後にピン軸体7の両側を半円球状に潰すと、3部材を一体にかしめることが可能となる。
なお、このかしめ作業は、工具などを打ち付ける力加減などで仕上がり状態が大きく変化し、作業者の熟練度によりヘアクリップ1の仕上がり品質に大きな影響が出やすい。そこで、本発明のかしめ工具2は、作業者の熟練度に左右されることなく、良好な仕上がり状態で確実にかしめが行われること、言い換えればヘアクリップ1の仕上がり品質を良好に保持することを可能とするものとなっている。
図2に、かしめ工具2の斜視全体図を示す。本工具2は、配管用のパイプなどの滑りやすい部材を強くグリップする(締め付ける)ための「バイスプライヤ(グリッププライヤ)」に類似する構成を有している。これに加えて、本工具2は、さらにヘアクリップ1を組み立てるために、工具先端に特徴的な構成を有するものとなっている。
図2〜図4には、本発明のかしめ工具2が示されている。かしめ工具2を説明するにあたっては、図2に示した上下方向、前後方向、左右方向をもとに説明を進める。
かしめ工具2は「バイスプライヤ」に類似する構成を有するものであり、下方に位置する長片状の固定側レバー10に対して、上方に位置する長片状の可動側レバー11が近接可能となるように枢支軸15aで枢支されており、可動側レバー11を固定側レバー10に近づけることで、この可動側レバー11の先端と固定側レバー10の先端とで構成されるピン挟持部12で挟持対象物(ヘアクリップ1)を挟み込むことができるように構成されている。
固定側レバー10の先端には、固定挟持部13(詳しくは後述)が設けられており、この固定挟持部13が上述したピン挟持部12を構成している。また、可動側レバー11の先端には、固定挟持部13に対応し上下方向に近接離反する可動挟持部14が設けられている。この可動挟持部14も、上述した固定挟持部13と共にピン挟持部12を構成している。本実施形態では、可動挟持部14と、可動側レバー11とは別体の部材として構成されている。
可動挟持部14の基端側(後方側)は、上下に二股に分かれている。この下方側に分岐した基端側の端部は固定側レバー10の先端側に枢支軸15aにより左右方向を向く軸回りに揺動自在に取り付けられている。また、上方側に分岐した基端側の端部は、可動側レバー11の先端部に対して枢支軸15bにより左右方向を向く軸回りに回動自在に取り付けられている。
可動側レバー11の先端に近い部位と固定側レバー10の中途部とは、短片形状の板材からなるリンク部材16で連結されている。リンク部材16の一方端(下方端)と固定側レバー10とは、後述する間隔調整ツマミ22に連動するネジ体の先端が当接する形で両者連結状態となっており、リンク部材16の他方端と可動側レバー11とは枢支軸15cにより回動自在となっている。リンク部材16の長手方向中途部は上方に凸形状となった凸設部17を有している。
例えば、可動側レバー11を固定側レバー10に近づけ、可動挟持部14を固定挟持部13に近接させて、ピン挟持部12で把持対象物を挟む場合を考える。この場合、可動側レバー11が固定側レバー10に近づくため、リンク部材16が可動側レバー11に近づき、リンク部材16の凸設部17が可動側レバー11の内側(正確には、後に述べるリリースレバー18)に当接する。さらに可動側レバー11を固定側レバー10に近づけると、「カチッ」と音がし、ピン挟持部12が開放状態へと戻らない(挟持したままの)状態となる。このようにピン挟持部12が開放状態へと戻らなくなる理由は、可動側レバー11の先端部と可動挟持部14とを枢支する枢支軸15bと、リンク部材16の他方端と可動側レバー11とを枢支する枢支軸15cと、リンク部材16の一方端と、が略一直線に並び、力学的に中立状態(正確には中立状態を若干超えた状況)となるためである。
なお、この状態(中立状態)を解除すべく、可動側レバー11の内側に、可動側レバー11の略半分程度の長さを有し、先端が可動側レバー11の中途部に上下揺動自在に枢支されたリリースレバー18が設けられている。
このリリースレバー18の基端を可動側レバー11の内側に近づけると、引き起こされたリリースレバー18の先端がリンク部材16の凸設部17を下方に押し込み、枢支軸15bと枢支軸15cとリンク部材16の他方端とが一直線上に並ばないようになり、リンク部材16の中立状態が解除されるため、ピン挟持部12が挟持固定状態から解放されることになる。
なお、ピン挟持部12は、通常から開いた状態である(可動挟持部14が固定挟持部13から離れた状態となっている)と使用に便利なため、可動挟持部14の基端(二股となった部位の股中央部)と固定側レバー10の中央部との間にはバネ部材19が配備されており、可動挟持部14を後方へ引き戻す方向に付勢力が働いている。そのため、上述した中立状態から少しでもリリース方向に可動側レバー11を揺動させると、バネ部材19の付勢力により固定側レバー10に対して可動側レバー11が十分に離反した状態まで大きく自発的に揺動し、ピン挟持部12が完全に開いた状態となる。
また、使用者の手の負担を軽減するために、可動側レバー11にはウレタン等で構成されたクッション部材21が取り付けてある。なお、本実施形態では、このクッション部材21は可動側レバー11にのみ設けられているが、クッション部材21を固定側レバー10に設けるようにしても良いし、クッション部材21を可動側レバー11と固定側レバー10との双方に設けるようにしても良い。
さて、本発明に関しては、かしめ工具2の先端に特徴的な構成を有するものとなっている。
図2〜図4に示す如く、可動挟持部14は、その先端下面が平面とされていて、固定挟持部13の右側を上下に移動するものとなっている。
固定挟持部13上の面であって可動挟持部14の下面に対面する部分は、平坦な面とされており、これが「第一のヘアクリップ固定部31」となっている。加えて、固定挟持部13の上面に立設されていて、可動挟持部14の左面(側方)に設置された柱状の部材の外周面は、ヘアクリップ1の把持部6が嵌まり込むことによりヘアクリップ1を水平に(水平方向を向く姿勢に)固定する「第二のヘアクリップ固定部32」となっている。
さらに、第二のヘアクリップ固定部32の上端部に形成された面であって、下方に対向する平面(第一のヘアクリップ固定部31に対向する平面)として形成されたものが「第三のヘアクリップ固定部33」である。
さらにまた、固定挟持部13の上面に略直交するように上下方向に伸びる面であって、上述した柱状の部材の後方に設けられた平面、言い換えれば固定挟持部13の前後方向の中途側に設けられた左右方向に伸びる段差面が、柱状の部材(第二のヘアクリップ固定部32)を中心にヘアクリップ1が水平に回転することを規制する「第四のヘアクリップ固定部37」とされている。
以上で述べた第一のヘアクリップ固定部31〜第四のヘアクリップ固定部37によりヘアクリップ1の把持部6が固定されることで、ヘアクリップ1は、かしめ工具2のピン挟持部12において常に一定の位置で配設されることとなる。
より詳しく説明すれば、第二のヘアクリップ固定部32は特有の構成を有しており、まず、ヘアクリップ1の把持部6(二股部)が入り込む直径を有する把持軸34が、可動挟持部14の左側であって、固定挟持部13の上面に立設するように設けられている。このため、当然、可動挟持部14を固定挟持部13に近づけた際に、把持軸34は可動挟持部14に接触しないものとなっている。
また、把持軸34の上端部には、横に向けたヘアクリップ1の把持部6の側面が接する面を持った当て部35が取り付けられている。本実施形態では、この当て部35は、把持軸34の直径よりも大きな寸法を有する直方体形状(長方形形状)を有する金属片となっている。そして、この当て部35の下面が第一のヘアクリップ固定部31に対向する当て面36となっていて、この当て面36が第三のヘアクリップ固定部33とされている。このような第三のヘアクリップ固定部33を設ければ、ヘアクリップ1の把持部6が上方に抜け出ることが規制される。
さらに、固定挟持部13の前後方向の中途側に設けられた左右方向に伸びる段差面が、第四のヘアクリップ固定部37とされている。つまり、上述した第一のヘアクリップ固定部31〜第三のヘアクリップ固定部33で固定した状態でも、ヘアクリップ1は、柱状の部材(第二のヘアクリップ固定部32)を中心に水平に回動可能となっている。そのため、第四のヘアクリップ固定部37を設ければ、ヘアクリップ1が左右方向に伸びる段差面に接触して水平方向に沿って回動することが規制され、かしめるのに最適な位置(ピン軸体7の両端に可動挟持部14を打ちつけて潰すのに最適な位置)にヘアクリップ1が固定される。
次に、かしめ工具2を用いてヘアクリップ1を組み立てる際の態様について説明する。
まず、ヘアクリップ1の下片部材3に上片部材4を組み合わせて、両者を貫通するようにピン軸体7を通過させる。このとき、下片部材3と上片部材4との間にコイルばね8を予め配備しておき、下片部材3、上片部材4、及びコイルばね8の3部材をピン軸体7で貫通させる。ここまでは、手作業による組み立て(組み付け工程)となる。
従来であれば、その後、ヘアクリップを横向きにした上で、ハンマー等を用いてピン軸体の両側を叩いてピン軸体の両端を潰し、下片部材及び上片部材をかしめて、ヘアクリップを完成させる。
しかしながら、本発明のかしめ工具2を用いる場合は、このかしめ工程が従来とは異なる手順で行われる。
詳しくは、上記した組み付け工程を行い、ヘアクリップ1の部品である下片部材3、上片部材4、及びコイルばね8をピン軸体7で貫通させて、一体に組み付ける。なお、この時点では、両端が潰されていないためピン軸体7は簡単に抜け落ちる状態となっている。その後、図5、図6に示すように、ヘアクリップ1の把持部6を、第一のヘアクリップ固定部31〜第四のヘアクリップ固定部37に密接させて固定するように、かしめ工具2のピン挟持部12の部分に装着する。
具体的には、ヘアクリップ1を横向きの状態とし、把持部6の二股に分かれた部分が固定挟持部13の奥にある把持軸34の外周面(第二のヘアクリップ固定部32)に接触するまで、固定挟持部13の左奥まで差し入れる。この時、ヘアクリップ1の把持部6の一方側面(右面)を固定挟持部13の上面(第一のヘアクリップ固定部31)に密着させ、さらにヘアクリップ1の把持部6の他方側面(左面)を当て部35の当て面36(第三のヘアクリップ固定部33に密着させるようにしつつヘアクリップ1を押し込む。その上で、ヘアクリップ1の把持部6を、第四のヘアクリップ固定部37に密着させるようにする。すなわち、図6に示すように、第一のヘアクリップ固定部31〜第四のヘアクリップ固定部37によりピン軸体7の両端をかしめるのに最適な位置にヘアクリップ1を固定する。
その状態を維持したまま、可動側レバー11を固定側レバー10に近づけ、ピン挟持部12でヘアクリップ1の把持部6(正確には、ピン軸体7の両端)を上下から挟む。「カチッ」と音がするまで、可動側レバー11を固定側レバー10に近づけると、リンク部材16が力学的に中立の状態となる。このような中立の状態になった後は、可動挟持部14と固定挟持部13間の距離が一定となったまま、ピン挟持部12が開放状態へと戻らない(挟持したままの)状態となる。
この作業により、可動挟持部14の下面と固定挟持部13の上面とで、ピン軸体7の両端を潰すように力が作用する状態となり、ヘアクリップ1の下片部材3及び上片部材4がピン軸体7によりかしめられ、潰されたピン軸体7の両端により部品が分離しないように固定されたヘアクリップ1が完成することになる。
ピン軸体7の両端を適切な量だけ潰してピン軸体7による最適なかしめ状況とするためには、可動挟持部14と固定挟持部13間の距離を所定のものにする必要がある。そのために、固定側レバー10の基端には、間隔調整ツマミ22が設けられており、この間隔調整ツマミ22を回すことで、リンク部材16の下方端が前後に押されて、固定挟持部13間に対する可動挟持部14の上下位置が可変となる。それ故、間隔調整ツマミ22を適切に調整することで、可動挟持部14と固定挟持部13間の上下距離を適切なものにすることが可能となる。
ピン軸体7のかしめが終わり、ヘアクリップ1が完成した後は、リリースレバー18を可動側レバー11の内側に近づける(上方側へ移動させる)ことにより、リリースレバー18がリンク部材16の凸設部17を下方へ押すことになり、リンク部材16によるピン挟持部12の挟持固定状態が解除され、ヘアクリップ1を取り出すことが可能となる。
以上述べたかしめ工具2を利用することにより、ヘアクリップ1を組み立てる作業者の熟練度に左右されることなく、ヘアクリップ1を構成するピン軸体7のかしめ作業をばらつきなく確実に行うことが可能となる。
今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された各実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、使用条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 ヘアクリップ
2 かしめ工具
3 下片部材
4 上片部材
5 クリップ部
6 把持部
7 ピン軸体
8 コイルばね
10 固定側レバー
11 可動側レバー
12 ピン挟持部
13 固定挟持部
14 可動挟持部
15a 枢支軸
15b 枢支軸
15c 枢支軸
16 リンク部材
17 凸設部
18 リリースレバー
19 バネ部材
21 クッション部材
22 間隔調整ツマミ
31 第一のヘアクリップ固定部
32 第二のヘアクリップ固定部
33 第三のヘアクリップ固定部
34 把持軸
35 当て部
36 当て面
37 第四のヘアクリップ固定部

Claims (5)

  1. 髪の毛を挟む一対のクリップ部と、前記一対のクリップ部を開閉自在に支持するピン軸体と、前記ピン軸体に設けられたスプリング部の付勢力に抗して前記クリップ部を開かせる二股状とされた把持部と、を備えたヘアクリップを組み立てるかしめ工具であって、
    下方側に位置する固定側レバーと、上方側に位置する可動側レバーと、前記固定側レバー及び可動側レバーの先端に設けられ且つ所定の間隔以下には縮まらない構成とされたピン挟持部と、を有し、
    前記ピン挟持部により、前記ヘアクリップのピン軸の両端を押しつぶすことで、前記ピン軸体によって一対のクリップ部をかしめ、前記ヘアクリップを組立状態とする
    ことを特徴とするかしめ工具。
  2. 前記ピン挟持部は、固定側レバーの先端に備えられた固定挟持部と、可動側レバーの先端に備えられ且つ固定挟持部に近接離反する可動挟持部と、からなり、
    前記固定挟持部及び可動挟持部には、ヘアクリップのピン軸体が上下方向を向くように当該ヘアクリップを配備可能とする固定部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のかしめ工具。
  3. 前記固定部は、
    当該可動挟持部の下面に平坦な面として形成された第一のヘアクリップ固定部と、
    前記可動挟持部の側方であって固定挟持部の上面に設けられ、ヘアクリップの把持部が嵌り込むことによりヘアクリップを水平に固定する第二のヘアクリップ固定部と、
    前記第二のヘアクリップ固定部の上端部に下方に対向する平面として形成された第三のヘアクリップ固定部と、
    前記第二のヘアクリップ固定部を中心にヘアクリップが水平方向に沿って回転することを規制する第四のヘアクリップ固定部と、を有している
    ことを特徴とする請求項2に記載のかしめ工具。
  4. 前記第二のヘアクリップ固定部は、
    前記ヘアクリップの二股状とされた把持部が嵌まり込み可能な直径を有し、且つ前記可動挟持部の側方であって固定挟持部の上面に立設するように設けられた把持軸に対して、
    当該把持軸の外周面に形成されており、
    前記第三のヘアクリップ固定部は、
    前記把持軸の上端部に設けられ、且つ横向きとされた当て部に対して、当該当て部の下面であって前記第一のヘアクリップ固定部に対向する当て面として形成されており、
    前記第四のヘアクリップ固定部は、
    前記固定挟持部の前後方向の中途側に設けられた左右方向に伸びる段差面として形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のかしめ工具。
  5. 前記固定側レバーと、可動側レバーと、固定側レバー及び可動側レバーの先端に設けられ且つ所定の間隔以下には縮まらない構成とされたピン挟持部とは、バイスプライヤ構造を有しており、
    前記可動側レバーと固定側レバーとの間にはリンク部材が配備され、
    前記リンク部材により、挟持状態にあるピン挟持部の挟持間隔が一定距離以下に縮まないような構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のかしめ工具。
JP2019113797A 2019-06-19 2019-06-19 ヘアクリップのかしめ工具 Active JP6943462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019113797A JP6943462B2 (ja) 2019-06-19 2019-06-19 ヘアクリップのかしめ工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019113797A JP6943462B2 (ja) 2019-06-19 2019-06-19 ヘアクリップのかしめ工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020203367A JP2020203367A (ja) 2020-12-24
JP6943462B2 true JP6943462B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=73837749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019113797A Active JP6943462B2 (ja) 2019-06-19 2019-06-19 ヘアクリップのかしめ工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6943462B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020203367A (ja) 2020-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4795678B2 (ja) ラチェット式結束工具
US4802478A (en) Medical staple and removal method
JP2006518630A (ja) 調整可能髪保持装置
JP2013517794A (ja) アニマルタグ・アプリケータ
US11183807B2 (en) Crimping tool
US11465265B2 (en) Hand tool with self-resilient handle
US8087138B2 (en) Bead crimping tool
CA2595193A1 (en) Clamping tool
JP6943462B2 (ja) ヘアクリップのかしめ工具
US20110308057A1 (en) Device to open buckles for child safety seats
US7032627B1 (en) Wire forming tool
US6532847B2 (en) Force-saving pliers
JPS6220085B2 (ja)
AU648932B2 (en) Detent mechanism for controlling position of rotatable die
JP2876589B2 (ja) 古梢用結束機
JP5524366B1 (ja) 間接活線工法用クリップ
WO2006002442B1 (en) Wire tying implement
US2659254A (en) Wire stripper
JP2014121159A (ja) 間接活線工事用クリップ
JP4156601B2 (ja) 睫毛カール器
JP7017665B1 (ja) 消防用巻きホース締め直し具及び該締め直し具を用いた消防用巻きホースの締め直し方法
US610881A (en) Wire stretcher and cutter
US8156626B1 (en) Tab removal device
JPH08506925A (ja) 表示装置を備えた工具
JP2982945B2 (ja) ドライブシャフト用ブーツ位置決め装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6943462

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250