本発明に係る一実施形態の棒金処理装置を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の棒金処理装置10は、棒金(包装硬貨)に関する処理を行うもので、バラの硬貨を包装して棒金とすると共に、棒金を収納し、更に棒金を繰り出す棒金収納装置である。以下の説明における「前」は棒金処理装置10の操作者側、「後」は棒金処理装置10の操作者とは反対側、「左」は棒金処理装置10の操作者から見て左、「右」は棒金処理装置10の操作者から見て右である。
本実施形態の棒金処理装置10は、図1に示すように、バラの硬貨(以下、硬貨と称す)に関する処理を行う硬貨入出金装置11に付設され、硬貨入出金装置11と組み合わせられて硬貨処理機12を構成している。
[硬貨入出金装置11]
硬貨入出金装置11は、図2に概略的に示すように、硬貨入出金装置11外から硬貨が入金され、入金された硬貨の入金処理を行う硬貨入金処理部21と、硬貨入金処理部21から硬貨を受け入れて収納する収納処理を行うと共に収納している硬貨を外部に取り出し可能に出金する硬貨収納出金処理部22とを有している。
硬貨入金処理部21は、図1に示すように開閉可能なシャッタ30を有すると共にシャッタ30が開かれた状態で硬貨入出金装置11外から硬貨が投入されると共に投入された硬貨を一枚ずつ分離して繰り出すホッパである入金部31を有している。図2に示すように、硬貨入金処理部21は、入金部31に入金され、入金部31から繰り出された硬貨を搬送しつつ入金識別計数部32で真偽及び金種を識別して計数する入金搬送部33と、入金識別計数部32で偽つまり受け入れ不可と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の入金リジェクト案内部34と、入金リジェクト案内部34で入金搬送部33から案内された硬貨を収納する硬貨入金リジェクト箱35とを有している。硬貨入金リジェクト箱35は、図1に示す硬貨入出金装置11の装置本体41から前方に引き出され取り外されて、硬貨が外部に取り出し可能となる。
図2に示すように、硬貨入金処理部21は、入金識別計数部32で真つまり受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する開閉式の包装案内部45を有している。包装案内部45で案内された硬貨は、棒金処理装置10に搬送される。ここで、入金部31に投入された硬貨の中から、設定金種の硬貨を包装して棒金とするローカル包装処理時に、包装案内部45が、入金識別計数部32の識別結果に基づいて、設定金種の硬貨を棒金処理装置10に案内し、設定金種以外の硬貨を入金リジェクト案内部34が硬貨入金リジェクト箱35に案内する。棒金処理装置10は、硬貨入出金装置11から送り込まれた硬貨を所定の包装単位枚数(例えば50枚)ずつ集積させて包装する。
硬貨入金処理部21は、入金識別計数部32で受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から落下案内する貯留案内部47と、貯留案内部47で入金搬送部33から案内された硬貨を一時貯留する入金貯留部48とを有している。貯留案内部47は、真つまり受け入れ可能と識別された硬貨を入金搬送部33から金種別に分類して入金貯留部48に案内し、入金貯留部48は硬貨を金種別に分類した状態のまま貯留する。
硬貨入金処理部21は、入金貯留部48が金種別に分類して貯留している硬貨を金種別に分類した状態のまま収納する硬貨収納部51と、入金貯留部48が金種別に分類して貯留している硬貨を外部に取り出し可能に返却する硬貨返却箱52と、入金貯留部48が金種別に分類して貯留している硬貨を金種別に分類した状態のまま出金可能に収納する硬貨収納繰出部53とを有している。硬貨収納部51及び硬貨収納繰出部53は、図1に示す装置本体41から前方に引き出され、硬貨を収納している図示略の収納庫が取り外されて、硬貨が外部に取り出し可能となる。硬貨返却箱52は、装置本体41から前方に引き出され取り外されて、硬貨が外部に取り出し可能となる。
図2に示すように、硬貨収納出金処理部22は、硬貨収納繰出部53から計数しつつ繰り出された硬貨を搬送しつつ金種を識別して計数する硬貨出金搬送部61と、硬貨出金搬送部61で搬送されてきた硬貨を収納する硬貨出金箱62と、硬貨出金箱62に収納されている硬貨を案内する出金リジェクト案内部63と、出金リジェクト案内部63で硬貨出金箱62から案内された硬貨を収納する出金リジェクト庫を兼用する硬貨回収庫64とを有している。硬貨出金箱62及び硬貨回収庫64は、図1に示す装置本体41から前方に引き出され取り外されて、硬貨が外部に取り出し可能となる。
図2に示すように、硬貨入出金装置11には、棒金処理装置10を含む硬貨処理機12の全体を制御する制御部67と、棒金処理装置10を含む硬貨処理機12に電源を供給する電源部68とが設けられている。なお、制御部67及び電源部68を、棒金処理装置10に設けるようにしても良い。
[棒金処理装置10]
図2に概略的に示すように、棒金処理装置10は、硬貨収納出金処理部22の硬貨収納繰出部53から繰り出された硬貨を受け入れて所定枚数ずつ纏めて包装紙で包装し一体化して棒金Bとする包装処理を行う包装部101(棒金搬送元)と、包装部101で作製されて繰り出された棒金Bを収納する棒金収納部102と、包装部101及び棒金収納部102から繰り出された棒金Bを受け入れて外部に取り出し可能に出金する棒金搬送出金部103とを有している。
包装部101は、入金部31から繰り出され包装案内部45で棒金処理装置10に案内されてきた硬貨を受け取って包装すると共に、硬貨収納繰出部53から繰り出されて棒金処理装置10に案内されてきた硬貨を受け取って包装する。
硬貨処理機12は、入金部31に投入された硬貨を包装するローカル包装処理において、入金部31に投入された硬貨から指定された金種以外の硬貨を入金リジェクト案内部34で硬貨入金リジェクト箱35に案内する一方、指定された金種の硬貨を包装案内部45で棒金処理装置10に案内することになり、包装部101は、このように包装案内部45で案内された硬貨を受け取って包装する。また、硬貨処理機12は、硬貨収納繰出部53の何れかの金種の硬貨量が所定量であるニアフル値を超えると、ニアフル状態を解消するために、この金種の硬貨を硬貨収納繰出部53から棒金処理装置10の包装部101に繰り出して包装する自動包装処理を行うことになる。
包装部101は、硬貨入出金装置11から硬貨を受け入れると共に、受け入れた硬貨を、金種識別しつつ計数して包装単位枚数(50枚)ずつ集積させ、集積された包装単位枚数の硬貨に紙或いは樹脂フィルムからなる包装紙を所定長さ巻き回し、集積方向の両側の包装紙の余長部分を内側に丸めるように加締めることにより棒金Bとする。
包装部101は、作製した棒金Bを、棒金出金リジェクト庫114とクリアボックス115と棒金搬送出金部103とに振り分ける。包装部101は、棒金出金リジェクト庫114に、自動包装処理において、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金を繰り出すことになり、クリアボックス115には、ローカル包装処理において、包装単位枚数に満たない数の硬貨を包装した端数棒金を繰り出すことになる。棒金出金リジェクト庫114及びクリアボックス115は、図1に示すように棒金処理装置10の装置本体116の下部に設けられており、装置本体116から前方に引き出され取り外されて、端数棒金が外部に取り出し可能となる。
図2に示すように、棒金搬送出金部103は、包装部101から繰り出された棒金Bを受け取って昇降搬送する棒金昇降搬送部121を有している。包装部101から棒金搬送出金部103に繰り出された棒金Bは、端数棒金以外の棒金つまり包装単位枚数の硬貨を包装して作製した正常棒金である。棒金搬送出金部103は、棒金昇降搬送部121で搬送されてきた棒金Bを棒金処理装置10の外に放出する棒金放出部122と、棒金昇降搬送部121で搬送されてきた棒金Bを受け取って外部に取り出し可能に収納する棒金出金部123と、棒金昇降搬送部121で搬送されてきた棒金Bを外部に取り出し可能に収納する箱状の棒金一括収納部124とを有している。
図1に示すように、棒金放出部122は、棒金処理装置10の装置本体116の下部の前面に開口している。棒金放出部122は、図2に示すように、棒金Bを棒金処理装置10の外側に置かれた受箱126に向けて放出する。
図1に示すように、棒金出金部123は、装置本体116の上面の前部から前面にかけて開口しており、開閉可能なシャッタ125を有している。棒金出金部123は、棒金Bを複数本収納可能であり、収納している棒金Bはシャッタ125が開かれると直接手で外部に取り出し可能となる。
箱状の棒金一括収納部124は、棒金出金部123と棒金放出部122との間に設けられており、棒金Bを複数本収納可能である。棒金一括収納部124は、装置本体116から前方に引き出されて取り外されることによって、収納している棒金Bが外部に取り出し可能となる。
図2に示すように、棒金収納部102は、棒金昇降搬送部121で搬送されてきた棒金Bを受け取って横方向に搬送する棒金収納搬送部131と、棒金収納搬送部131から棒金Bを受け取って上方に搬送する棒金収納リフト132と、棒金収納リフト132で搬送されてきた棒金Bを受け取って金種別に分類して収納する棒金収納本体部133と、棒金収納本体部133から金種別に棒金Bを計数しつつ取り出して棒金昇降搬送部121に受け渡す棒金取出部134(棒金搬送元)とを有している。棒金昇降搬送部121及び棒金収納搬送部131は、複数本の棒金Bを同時に搬送可能であり、棒金収納リフト132及び棒金取出部134は、棒金Bを一本ずつ搬送する。
棒金昇降搬送部121は、包装部101から棒金Bを受け取って、棒金放出部122及び棒金収納搬送部131に選択的に搬送する。また、棒金昇降搬送部121は、棒金取出部134で棒金収納本体部133から繰り出された棒金Bを受け取って、棒金出金部123及び棒金一括収納部124に選択的に搬送する。
図3に示すように、棒金処理装置10には、包装部101の上側に棒金収納搬送部131が設けられており、この棒金収納搬送部131の上側に棒金収納本体部133が設けられている。また、棒金収納搬送部131及び棒金収納本体部133の後側に、棒金収納リフト132が設けられ、棒金収納本体部133の前側に棒金取出部134が設けられている。棒金取出部134及び包装部101の前側に棒金昇降搬送部121が設けられており、棒金昇降搬送部121の前側に、棒金出金部123、棒金一括収納部124及び棒金放出部122が設けられている。
棒金出金部123は、上部の導入口136を介して棒金昇降搬送部121から棒金Bを受け入れて収納する。棒金出金部123は、導入口136の近傍に図示略の棒金検知センサが設けられており、この棒金検知センサが棒金Bを検知することで、棒金Bが棒金昇降搬送部121から棒金出金部123に受け渡されたことを検知する。この棒金検知センサは、発光素子と受光素子とを有する透過型の光学センサであり、発光素子の発光を受光素子で受光する状態から受光しない状態となり、再び受光する状態になると、1本の棒金Bが棒金昇降搬送部121から棒金出金部123に受け渡されたことを検知する。
棒金一括収納部124は、上部の導入口137を介して棒金昇降搬送部121から棒金Bを受け入れて収納する。棒金一括収納部124は、導入口137の近傍に図示略の棒金検知センサが設けられており、この棒金検知センサが棒金Bを検知することで、棒金Bが棒金昇降搬送部121から棒金一括収納部124に受け渡されたことを検知する。この棒金検知センサも、棒金出金部123の棒金検知センサと同様にして棒金Bを検知する透過型の光学センサである。
棒金放出部122は前下がりに傾斜するシュートであり、棒金昇降搬送部121から棒金Bを受け入れてそのまま外部に放出する。棒金放出部122には、図示略の棒金検知センサが設けられており、この棒金検知センサが棒金Bを検知することで、棒金Bが棒金昇降搬送部121から棒金放出部122に受け渡されたことを検知する。この棒金検知センサも、棒金出金部123の棒金検知センサと同様にして棒金Bを検知する透過型の光学センサである。
棒金収納本体部133は、それぞれが左右方向に沿う姿勢で複数の棒金Bを前後方向に並べて収納可能な複数の棒金カセット141を有しており、これら棒金カセット141は、上下方向に多段状に並設されている。全ての棒金カセット141は、前端側が後端側に比べて低くなるように前下がりに傾斜している。各棒金カセット141は金種別となっており、同一の棒金カセット141には同一金種の棒金Bのみを収納する。例えば、最も上側の棒金カセット141には1円硬貨の棒金Bを、上から2番目の棒金カセット141には5円硬貨の棒金Bを、上から3番目の棒金カセット141には10円硬貨の棒金Bを、上から4番目の棒金カセット141には50円硬貨の棒金Bを、上から5番目の棒金カセット141には100円硬貨の棒金Bを、最下段の棒金カセット141には500円硬貨の棒金Bを、それぞれ収納する。
棒金取出部134は、上下方向に延在するガイド145と、ガイド145に沿って昇降して、複数の棒金カセット141から選択的に棒金Bを1本ずつ取り出す取出本体部146とを有している。取出本体部146は、進退可能な図示略の持上部材によって棒金カセット141の前端部から棒金Bを選択的に持ち上げて左右方向に沿う姿勢のまま取り出す。
棒金昇降搬送部121は、上下方向に延びる縦型ベルトコンベア151と、この縦型ベルトコンベア151の外側を部分的に覆うように設けられた搬送空間形成部152と、縦型ベルトコンベア151を駆動するコンベア駆動部153とを有している。
縦型ベルトコンベア151は、左右方向に水平に回転中心軸線を配して棒金処理装置10内の上部に配置される上部プーリ156と、左右方向に水平に回転中心軸線を配して棒金処理装置10内の下部に配置される図示略の下部プーリと、これら上部プーリ156及び下部プーリに掛けられる無端の搬送ベルト158(回転体)とを有している。図示略の下部プーリは、コンベア駆動部153の中間プーリ157と同軸に配置されて、これと一体に回転する。上部プーリ156及び図示略の下部プーリは、前後左右の位置を合わせて上下に離間しており、これらに掛けられる搬送ベルト158は、上下方向、即ち鉛直に延びている。
コンベア駆動部153は、上記した中間プーリ157と、中間プーリ157に掛けられる無端の駆動ベルト162と、駆動ベルト162が掛けられる駆動プーリ163と、駆動プーリ163を回転させる駆動モータ164とを有している。駆動モータ164が正逆回転すると、駆動プーリ163、駆動ベルト162、中間プーリ157、図示略の下部プーリ、搬送ベルト158及び上部プーリ156が同期して正逆回転する。
図4に示すように、搬送ベルト158は、左右に離間して一対設けられている。搬送ベルト158は、上部プーリ156及び図示略の下部プーリに掛けられることで回転する無端のベルト本体171(基体部)と、ベルト本体171の外周面から外方(遠心方向)に突出する桟部172とを有している。桟部172は、ベルト本体171の周方向に所定の等間隔で複数設けられている。一対の搬送ベルト158は、互いに、桟部172の対応するもの同士の周方向、即ち上下方向の位置を合わせており、位置が合って対をなす2つの桟部172によって棒金Bを左右方向に沿う姿勢で支持可能となっている。よって、一対の搬送ベルト158は、棒金Bを一本ずつ、位置が合う一対の桟部172で支持しつつ回転して搬送する。
図5及び図6に示すように、桟部172は、ベルト本体171に固定される固定部175と、固定部175からベルト本体171の外方(遠心方向)に突出する桟本体部176を有している。桟本体部176は、ベルト本体171の周方向(回転方向)における両側に、この周方向に略円弧状に凹む棒金収容部177を有している。言い換えれば、桟本体部176は、表裏両側に、互いに近づくように凹む棒金収容部177を有している。
また、桟本体部176は、ベルト本体171の周方向における両側に、棒金収容部177に収容する棒金Bよりもベルト本体171とは反対側まで突出する収容ガイド部178を有している。一方の収容ガイド部178は、一方の棒金収容部177と繋がっており、ベルト本体171とは反対側ほどベルト本体171の周方向、即ち搬送ベルト158の周方向において、この一方の棒金収容部177から離れるように傾斜している。他方の収容ガイド部178は、他方の棒金収容部177と繋がっており、ベルト本体171とは反対側ほどベルト本体171の周方向において、この他方の棒金収容部177から離れるように傾斜している。
言い換えれば、桟部172は、ベルト本体171とは反対側に、ベルト本体171から離れる程、ベルト本体171の周方向において互いに間隔を広げる一対の収容ガイド部178を有している。更に言い換えれば、桟部172は、搬送ベルト158の回転方向における一側に棒金収容部177及びこれに繋がる収容ガイド部178を有し、搬送ベルト158の回転方向における他側にも棒金収容部177及びこれに繋がる収容ガイド部178を有している。桟部172は、搬送ベルト158の回転方向に鏡面対称の形状をなしている。
以上により、搬送ベルト158は、その周方向、即ち回転方向における桟部172の両側に、搬送ベルト158の周方向に凹んで棒金Bを収容可能な棒金収容部177を有している。また、搬送ベルト158は、その周方向における桟部172の両側に、棒金収容部177に収容している棒金Bよりもベルト本体171とは反対側まで突出し、ベルト本体171とは反対側ほど搬送ベルト158の周方向において棒金収容部177から離れるように傾斜する収容ガイド部178を有している。
図3に示すように、搬送空間形成部152は、縦型ベルトコンベア151の上部を上方で覆う上方カバー部181と、縦型ベルトコンベア151の前部を前方で覆う前方カバー部182と、縦型ベルトコンベア151の下部を下方で覆う下方カバー部183とを有している。上方カバー部181は、平板状であり、前下がりに傾斜している。前方カバー部182は、前後方向に直交して広がる平板状であり、上下方向に延びている。下方カバー部183は、下方に凹の半円筒状となっている。前方カバー部182及び下方カバー部183は、桟部172のベルト本体171とは反対側の端部との間に棒金Bを通過させない程度の若干の隙間を形成するように配置されている。
縦型ベルトコンベア151の一対の搬送ベルト158は、棒金Bを、棒金搬送元となる包装部101及び棒金取出部134から受け取る際には、一対のベルト本体171と、包装部101及び棒金取出部134との間にあって、高さ位置が一致する一対の桟部172で受け取って回転する。包装部101及び棒金取出部134の何れから棒金Bを受け取る際にも、高さ位置が一致する一対の桟部172が1本のみ棒金Bを受け取ることになり、その際に、これらの桟部172は、図7に示すように、棒金Bを、受け取り時に上側にある収容ガイド部178で、受け取り時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に案内し、この棒金収容部177で収容して搬送する。
縦型ベルトコンベア151は、例えば、一対の搬送ベルト158が、後側の一対の桟部172で包装部101或いは棒金取出部134から受け取った棒金Bを、第1の方向(図3における反時計回り方向)に回転することで上方に搬送する。この後側での鉛直上方への搬送では、棒金Bを、高さ位置が合う一対の桟部172で水平左右方向に沿う姿勢に支持することになり、これら一対の桟部172は、棒金Bを、この時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に収容して搬送する。
その後、縦型ベルトコンベア151は、その上部で後側から前側に棒金Bの搬送位置が変わることになる。その際に、図8に示すように、一対の搬送ベルト158の後側で棒金Bを搬送していた一対の桟部172は、縦型ベルトコンベア151の最上部付近で、棒金収容部177が前方に横向きになり、その結果、これらの桟部172で支持していた棒金Bを、これらの桟部172から一対のベルト本体171で案内しつつ、自重によりこれらの桟部172の回転方向前側(搬送方向下流側)に隣り合う、一対の搬送ベルト158の前側で下降中の一対の桟部172に向け落下させることになる。このとき、上方カバー部181、閉状態にある後述する出金部用ゲート部材202及び前方カバー部182が、落下する棒金Bの前方への移動を規制し、ベルト本体171が、落下する棒金Bの後方への移動を規制する。
上方カバー部181は、一対の搬送ベルト158のベルト本体171との間に、前下がりの上部搬送空間186を形成し、前方カバー部182は、一対の搬送ベルト158のベルト本体171との間に、上下に直線状に延びる前部搬送空間187を形成する。搬送ベルト158の上部位置での後から前への搬送で自重により落下する棒金Bは、上部搬送空間186から前部搬送空間187を落下する。
また、縦型ベルトコンベア151は、例えば、一対の搬送ベルト158が、後側の一対の桟部172で棒金取出部134から受け取った棒金Bを、第1の方向とは逆の第2の方向(図3における時計回り方向)に回転することで下方に搬送する。この後側での鉛直下方への搬送でも、棒金Bを、高さ位置が合う一対の桟部172で水平左右方向に沿う姿勢に支持することになり、これら一対の桟部172は、棒金Bを、この時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に収容して搬送する。
その後、縦型ベルトコンベア151は、これらの桟部172が下降して最下部付近に位置すると、棒金Bを収容していたこれらの桟部172の棒金収容部177が後方に横向きになり、その結果、これらの桟部172で支持していた棒金Bを、これらの桟部172から、図3に示す下方カバー部183に落下させ、下方カバー部183のみで支持する状態になる。
その後、縦型ベルトコンベア151は、この棒金Bを、これらの桟部172の回転方向後側(搬送方向上流側)に隣り合う一対の桟部172が、下方カバー部183とで支持する状態となって、下方カバー部183に沿って前側且つ上方に搬送することになり、鉛直上方に搬送する状態では、これら桟部172で支持する状態になる。その際に、これらの桟部172は、棒金Bを、この時に上側にある収容ガイド部178で掬い上げて、この時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に案内し、この棒金収容部177に収容して搬送する。下方カバー部183は、一対の搬送ベルト158のベルト本体171との間に円弧状の下部搬送空間188を形成している。
図4に示すように、前方カバー部182は、図3に示す棒金出金部123の上部の導入口136に上下左右の位置を合わせて開口する出金部用開口部191と、棒金一括収納部124の上部の導入口137に上下左右の位置を合わせて開口する一括収納部用開口部192と、棒金放出部122の後部に上下左右の位置を合わせて開口する放出部用開口部193とを有している。よって、出金部用開口部191の下側に一括収納部用開口部192が配置されており、一括収納部用開口部192の下側に放出部用開口部193が配置されている。
図9に示すように、棒金昇降搬送部121は、棒金Bを出金部用開口部191を介して図3に示す棒金出金部123に案内する出金部用ゲート部201を有している。出金部用ゲート部201は、搬送ベルト158の上部位置で、上記したように自重により上部搬送空間186内で前方に移動する棒金Bを、出金部用開口部191を介して図3に示す棒金出金部123に案内する。出金部用ゲート部201は、図9に二点鎖線で示すように出金部用開口部191を閉塞する閉位置と、図9に実線で示すように出金部用開口部191を開放しつつ前下がりの状態で上部搬送空間186と前部搬送空間187との境界近傍に入り込む開位置との間で回動する出金部用ゲート部材202と、出金部用ゲート部材202を閉位置と開位置との間で回動させる出金部用駆動部203とを有している。
出金部用ゲート部材202は、左右方向に水平に回転中心軸線を配して棒金処理装置10において位置固定で回転可能に設けられた支持軸211と、支持軸211に固定されたゲート板212とを有している。ゲート板212は、左右方向において一対の搬送ベルト158の間に配置されている。出金部用ゲート部材202は、支持軸211を中心に回転することで、ゲート板212を閉位置と開位置との間で回動させる。出金部用ゲート部材202は、図9に二点鎖線で示すように閉位置にあるとき、上部搬送空間186から出金部用開口部191への棒金Bの進入を規制する一方、図9に実線で示すように開位置にあるとき、棒金Bを前下がりの傾斜によって上部搬送空間186から出金部用開口部191及び図3に示す導入口136へ案内して棒金出金部123に放出する。
出金部用駆動部203は、支持軸211に固定されると共に、支持軸211から後方に突出するアーム215と、アーム215の後部に連結された上下移動可能な昇降部材216と、昇降部材216を下降させるソレノイド217と、昇降部材216を上昇させるバネ部材218とを有している。ソレノイド217が駆動されていない状態では、バネ部材218の付勢力で昇降部材216が上昇しており、この状態では、出金部用ゲート部材202を閉位置に位置させている。この状態から、ソレノイド217が駆動されると、ソレノイド217はバネ部材218の付勢力に抗して昇降部材216を下降させることになり、アーム215を支持軸211と一体に回動させて出金部用ゲート部材202を開位置に位置させる。出金部用ゲート部201は、出金部用ゲート部材202を閉位置に位置させる状態が待機状態となっている。
図10に示すように、棒金昇降搬送部121は、棒金Bを、前部搬送空間187内で搬送ベルト158の前部の桟部172で支持しつつ下方に移動させる際に、一括収納部用開口部192を介して図3に示す棒金一括収納部124に案内する一括収納部用ゲート部221を有している。一括収納部用ゲート部221は、図10に二点鎖線で示すように一括収納部用開口部192を閉塞する閉位置と、図10に実線で示すように一括収納部用開口部192を開放しつつ前下がりの状態で前部搬送空間187に入り込む開位置との間で回動する一括収納部用ゲート部材222と、一括収納部用ゲート部材222を閉位置と開位置との間で回動させる一括収納部用駆動部223と、一括収納部用駆動部223の駆動のタイミングを計る図示略のタイミングセンサとを有している。
一括収納部用ゲート部221は、タイミングセンサが設けられる以外は出金部用ゲート部201とほぼ同様の構成であり、支持軸211及びゲート板212を有し回動して一括収納部用開口部192を開閉する一括収納部用ゲート部材222と、アーム215、昇降部材216、ソレノイド217及びバネ部材218を有して一括収納部用ゲート部材222を回動させる一括収納部用駆動部223とを有している。一括収納部用ゲート部材222は、図10に二点鎖線で示すように閉位置にあるとき、前部搬送空間187から一括収納部用開口部192への棒金Bの進入を規制する一方、図10に実線で示すように開位置にあるとき、棒金Bを下方に移動する桟部172から持ち上げ、前下がりの傾斜により前部搬送空間187から一括収納部用開口部192及び図3に示す導入口137へ案内して棒金一括収納部124に収納する。一括収納部用ゲート部221は、一括収納部用ゲート部材222を閉位置に位置させる状態が待機状態となっている。
ここで、棒金一括収納部124に棒金Bを収納する場合、縦型ベルトコンベア151は、収納させるべき棒金Bを前部で下から上に、待機状態にある一括収納部用ゲート部221で閉じられている一括収納部用開口部192よりも若干の所定量上側まで搬送して停止する。そして、一括収納部用駆動部223が一括収納部用ゲート部材222を開位置に位置させた後、縦型ベルトコンベア151が、収納させるべき棒金Bを下降搬送することにより、収納させるべき棒金Bが、これを支持している桟部172から一括収納部用ゲート部材222で掬い上げられて棒金一括収納部124に収納される。
一括収納部用ゲート部221の図示略のタイミングセンサは、一括収納部用ゲート部材222で棒金一括収納部124に収納させるべき棒金Bが、縦型ベルトコンベア151にある状態で、この棒金Bを検知するものである。上記した縦型ベルトコンベア151で棒金一括収納部124に収納させるべき棒金Bを下から上に搬送し図示略のタイミングセンサがこの棒金Bを検知したタイミングで縦型ベルトコンベア151を停止させると、収納させるべき棒金Bが一括収納部用開口部192よりも若干の所定量上側に停止する。なお、図示略のタイミングセンサは、棒金一括収納部124に収納させるべき棒金Bを支持する桟部172を検知しても良い。制御部67は、図示略のタイミングセンサが、収納させるべき棒金Bを検知した時点で、縦型ベルトコンベア151を停止させると共に、一括収納部用駆動部223を駆動して、一括収納部用ゲート部材222を開位置に位置させる。タイミングセンサは反射型の光学センサである。
図11に示すように、棒金昇降搬送部121は、棒金Bを、前部搬送空間187内で搬送ベルト158の前部の桟部172で支持しつつ下方に移動させる際に、放出部用開口部193を介して図3に示すシュート状の棒金放出部122に案内する放出部用ゲート部231を有している。放出部用ゲート部231は、図11に二点鎖線で示すように放出部用開口部193を閉塞する閉位置と、図11に実線で示すように放出部用開口部193を開放しつつ前下がりの状態で前部搬送空間187に入り込む開位置との間で回動する放出部用ゲート部材232と、放出部用ゲート部材232を閉位置と開位置との間で回動させる放出部用駆動部233とを有している。
放出部用ゲート部231は、一括収納部用ゲート部221及び出金部用ゲート部201とほぼ同様の構成であり、支持軸211及びゲート板212を有し回動して放出部用開口部193を開閉する放出部用ゲート部材232と、アーム215、昇降部材216、ソレノイド217及びバネ部材218を有して放出部用ゲート部材232を回動させる放出部用駆動部233とを有している。放出部用ゲート部材232は、図11に二点鎖線で示すように閉位置にあるとき、前部搬送空間187から放出部用開口部193への棒金Bの進入を規制する一方、図11に実線で示すように開位置にあるとき、棒金Bを下方に移動する桟部172から持ち上げ、前下がりの傾斜により前部搬送空間187から放出部用開口部193へ案内し図3に示す棒金放出部122を通して棒金処理装置10の外部に放出させる。放出部用ゲート部231は、放出部用ゲート部材232を閉位置に位置させる状態が待機状態となっている。
図7に示すように、出金部用ゲート部材202の下側には、棒金緩衝部241が、前部搬送空間187に対し進退可能となるように設けられている。棒金緩衝部241は、出金部用ゲート部201の出金部用ゲート部材202と、図4に示す一括収納部用ゲート部221の一括収納部用ゲート部材222との間であって、これらのうちの出金部用ゲート部材202に近い側に設けられている。
図12に示すように、棒金緩衝部241は、付勢部242と、支持部243とを有しており、更に図13に示すようにストッパ部材244を有している。図12に示すように、付勢部242は、バネ蝶番であり、連結軸251と、連結軸251を中心に回転するように連結軸251に支持された一対の板部材252と、一対の板部材252を90度以上の角度で開くように回動付勢する図示略のバネ部材とを有している。
支持部243は、一枚の板状部材であり、長方形状の基端板部255と、基端板部255の長手方向に沿う一方の縁部から二股状に突出する一対の先端板部256とを有している。基端板部255と一対の先端板部256とは同一平面に配置されている。一対の先端板部256は、互いの対向側が基端板部255とは反対側ほど間隔を広くするように傾斜しており、その結果、一対の先端板部256の間には、基端板部255とは反対側の端縁部から二等辺三角形状に凹む凹部257が形成されている。支持部243は、基端板部255の長手方向を連結軸251に平行に配置した状態で、基端板部255において付勢部242の一方の板部材252に載置され、その際に、一対の先端板部256が連結軸251とは反対側の端部に位置する状態とする。この状態で、支持部243は、基端板部255が、載置された一方の板部材252に例えば溶接により固定されて一体化されている。
図13に示すように、付勢部242は、棒金処理装置10において位置固定のベース部材261の前面の上部に固定されている。このベース部材261は、一対の搬送ベルト158の間位置に設けられており、付勢部242及び支持部243も、一対の搬送ベルト158の左右方向の間位置に配置されている。付勢部242は、支持部243が取り付けられていない他方の板部材252が、この板部材252の上端で連結軸251が左右方向に水平に沿い、支持部243が連結軸251から前方に延出可能な姿勢で、ベース部材261に固定されている。
ストッパ部材244は、支持部243の近傍に、棒金処理装置10において位置固定で設けられている。ストッパ部材244も、一対の搬送ベルト158の左右方向の間位置に配置されている。ストッパ部材244は、支持部243の上側において水平に対し所定角度で前下がりに延在するストッパ本体部265を有しており、支持部243の上面の連結軸251側の一部をストッパ本体部265の下面に当接させる。この状態で、支持部243及び付勢部242の一方の板部材252は、前部搬送空間187内に進出し、水平に対し所定角度の前下がりの状態に配置される。即ち、ストッパ部材244は、連結軸251を中心に回動可能な支持部243が、水平に対し所定角度の前下がりに配置された状態で、それ以上上方に回動しないように回動を規制する。具体的に、支持部243は、ストッパ本体部265に当接した状態で水平に対し約10度傾斜している。
前部搬送空間187内で、所定角度の前下がりに配置された状態で、支持部243は、前方カバー部182との間の隙間が、最小外径の棒金Bである1円硬貨の棒金Bの外径よりも狭くなっている。支持部243は、このように所定角度の前下がりに配置される位置が、上側から落下してくる棒金Bを受け取って支持する支持位置となっている。棒金緩衝部241は、支持部243が支持位置に位置する状態が前部搬送空間187を閉じる支持状態となっている。
棒金緩衝部241は、この支持状態から、支持部243が連結軸251を中心に下側に回動して前方カバー部182との間の隙間を棒金Bの外径と同等にすると、棒金Bを前部搬送空間187内で上から下に通過させることになる。支持部243は、このように棒金Bを上から下に通過させて落下させる位置が落下位置となっており、棒金緩衝部241は、このように支持部243が落下位置に位置する状態が前部搬送空間187を開く開状態となる。支持部243は、棒金Bを受け取る支持位置と棒金Bを落下させる落下位置とで回動可能となっている。付勢部242は、支持部243を支持位置に位置するように付勢する。
棒金緩衝部241は、閉状態にある支持部243が、落下してきた所定の棒金Bを一時的に留めることになり、付勢部242の付勢力よりも大きな荷重が上から加わると、連結軸251を中心に下方に回動して開状態になる。ここで、付勢部242の付勢力は、1円硬貨の棒金Bが落下してきても支持部243が回動せずに、この棒金Bを支持部243上に留める。一方、1円硬貨以外の、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨の棒金Bが落下してくると、いずれの場合も、棒金Bの重量で支持部243が回動して棒金Bを一時的に留めることなく落下させるように設定されている。
即ち、図7に示すように、縦型ベルトコンベア151が、棒金Bを一対の搬送ベルト158の後側の高さ位置が合う一対の第1の桟部172で支持しつつ第1の方向に回転することで上方に搬送する際には、これら第1の桟部172で、この時に上側にあって下方に凹む棒金収容部177に収容して支持する。この状態から、図8に示すように、出金部用ゲート部201が閉状態にあって、これら第1の桟部172が上部に位置して、棒金Bを収容していたこれら第1の桟部172の棒金収容部177が前方に横向きになると、これらの桟部172で支持していた棒金Bを、これらの桟部172から、一対のベルト本体171で案内しつつ、自重によりこれらの桟部172の回転方向前側に隣り合う一対の第2の桟部172に向け前部搬送空間187内で落下させることになる。
このとき、これら第2の桟部172よりも、棒金緩衝部241の支持部243が上側に位置しており、よって、これら第2の桟部172が受け取る前に、棒金緩衝部241の支持部243が棒金Bを一旦受け取って一時的に留めることになる。ここで 上記したように、付勢部242は、支持部243を、小径且つ軽量で短い1円硬貨の棒金Bを受け取る場合は支持位置に位置させ、1円硬貨の棒金Bよりも大径で重く長い、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨の棒金Bを受け取ると当該棒金Bの自重によって落下位置に回動させる付勢力で付勢している。
よって、支持部243は、上方から落下してきた1円硬貨の棒金Bを支持位置で受け取って留めることになり、このとき、落下してきた1円硬貨の棒金Bは、前下がりに傾斜する支持部243の傾斜で自重によって支持部243の前端位置に位置し、前方カバー182側に寄って前方カバー182に当接する。その結果、1円硬貨の棒金Bは、支持部243及び前方カバー182に倣って、軸方向が水平左右方向に沿う姿勢に整えられて停止することになる。また、支持部243は、上方から落下してきた5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨の棒金Bについては、留めることはないものの、落下の抵抗になることで、前方カバー182側に寄せ、前方カバー182に当接させて、軸方向が水平左右方向近くに沿う姿勢とする。即ち、棒金緩衝部241は、前方カバー182とで、棒金Bを受け取って姿勢を安定化させる機構を構成している。ここで、支持部243は、上記した一対の先端板部256で棒金Bを支持することになるため、棒金Bの長さ方向の両側を支持することになり、その結果、棒金Bをより安定的に水平左右方向に沿う姿勢にすることができる。なお、一対の先端板部256は、互いの対向側が基端板部255とは反対側ほど間隔を広くするように傾斜していることから、棒金Bの通過時の包装紙のめくれを抑制することができる。
棒金緩衝部241の支持部243上に載置されて停止させられている棒金Bは、それまでこの棒金Bを支持していた一対の第1の桟部172が、図13に示すように、棒金Bの位置まで下降してくると、これら第1の桟部172で下方に押される。すると、棒金緩衝部241は、支持部243が棒金Bを介して下向きに押されることになり、支持部243が付勢部242の付勢力に抗して回動させられて、棒金Bを前部搬送空間187内で下方の一対の第2の桟部172に向けて落下させることになる。これらの第2の桟部172では、落下してきた棒金Bを、上側の収容ガイド部178で案内して上側の棒金収容部177に収容させて、下方に搬送する。上記したように、支持部243と前方カバー182とが棒金Bを軸方向が水平左右方向に沿う姿勢とするため、棒金Bをより安定した姿勢で桟部172によって下方に押し出すことができる。
即ち、棒金昇降搬送部121の一対の搬送ベルト158は、棒金Bを、一対のベルト本体171と棒金搬送元となる包装部101及び棒金取出部134との間にある第1の桟部172で包装部101或いは棒金取出部134から受け取って回転することにより上方に搬送し、第1の桟部172から一対のベルト本体171の上部で、第1の桟部172よりも下側に位置する回転方向前側に隣り合う第2の桟部172に向け落下させることになる。そして、棒金緩衝部241は、第1の桟部172から落下する1円硬貨の棒金Bを第2の桟部172よりも上側で一旦受け取り、この棒金Bが第1の桟部172で下方に押されると、この棒金Bを第2の桟部172に落下させる。
棒金Bは、一対の搬送ベルト158の後側の桟部172から前側の桟部172に向かって落下する際に、横方向から見ると真下ではなく斜め方向に放物線状に落下することになる。このため、例えば前側の壁となる前方カバー部182に当たって跳ね返る等して棒金Bの姿勢が崩れる虞がある。特に、1円棒金のような軽量且つ長さが短い棒金Bは姿勢が崩れ易い。これに対し、棒金緩衝部241は、1円硬貨の棒金Bの場合、最上部付近の桟部172から落ちた棒金Bを支持部243に一旦支持させることになる。そして、その後、支持部243上に留めておいた棒金Bを、もともとその棒金Bを収容していた桟部172が付勢部242の付勢力に抗して支持部243と共に下方に押して、隣接する1つ前の他の桟部172に向けて落としてこの他の桟部172上に配置する。
これにより、1円硬貨の棒金Bは、棒金緩衝部241の支持部243上に一旦留まることで、斜め方向に落ちる距離が短く姿勢が崩れ難くなり、崩れても支持部243で姿勢が整えられる。更に、棒金緩衝部241の支持部243上に留めておいた棒金Bをその軸方向において棒金緩衝部241からほぼ等距離にある両外側の桟部172で同時に押し出すので、真下に直線的に落とすことができ、1円硬貨の棒金Bのような軽量な棒金Bであっても、姿勢を支持したまま他の桟部172に落とすことができ、安定的に且つ確実に棒金Bを受け渡すことができる。なお、1円以外の棒金Bの場合、最上部付近の桟部172から落ちた棒金Bが棒金緩衝部241の支持部243に当たると、棒金緩衝部241の付勢部242の付勢力に抗して支持部243を下方に押し、支持部243から落下して、隣接する1つ前の他の桟部172上に配置される。
また、桟部172の表面に加えて裏面にも棒金Bを収容する凹状の棒金収容部177が設けられ、桟部172の先端部には、表面に加えて裏面にも棒金Bを棒金収容部177に導く収容ガイド部178が設けられているので、仮に受け渡される際に姿勢が崩れても、棒金Bを収容ガイド部178により棒金収容部177に導くことで、棒金Bの姿勢を修復することができる。
次に、棒金処理装置10の主な処理について説明する。
「包装収納処理」
自動包装処理の一部であって、図14に太線矢印X1のルートで示すように、包装部101で作製されて繰り出された棒金Bを棒金収納本体部133に収納する包装収納処理において、制御部67は、包装部101が作製した棒金Bを、包装部101から一対の搬送ベルト158のベルト本体171と包装部101との間にあって所定の受け取り高さにある一対の桟部172に向け放出させる。このとき、包装部101から一対の桟部172に向け放出された棒金Bは、これら桟部172の上側にある収容ガイド部178で案内されて上側にある棒金収容部177に収容される。
一対の桟部172が棒金Bを支持すると、制御部67は、一対の搬送ベルト158の棒金Bを支持している後側の桟部172を上昇させるように縦型ベルトコンベア151を第1の方向に駆動することになり、棒金Bが棒金収納搬送部131の高さまで上昇すると縦型ベルトコンベア151を停止させた後、棒金収納搬送部131の図示略の受部材を前進させて縦型ベルトコンベア151を第1の方向とは逆の第2の方向に所定量駆動する。すると、棒金収納搬送部131が図示略の受部材で一対の桟部172から棒金Bを掬い上げて受け取る。制御部67は、この棒金Bを、棒金収納搬送部131及び棒金収納リフト132によって、棒金収納本体部133の対応する棒金カセット141に収納させる。
「棒金出金処理」
棒金収納本体部133に収納されている棒金Bを、図14に示す太線矢印X2のルートで搬送して棒金出金部123に出金する棒金出金処理において、制御部67は、棒金取出部134によって、棒金収納本体部133の対応金種の棒金カセット141に収納されている棒金Bを取り出させ、一対の搬送ベルト158のベルト本体171と棒金取出部134との間にあって所定の受け取り高さにある一対の桟部172に放出させる。このとき、棒金取出部134から一対の桟部172に放出された棒金Bは、これら桟部172の上側にある収容ガイド部178で案内されて上側にある棒金収容部177に収容される。制御部67は、それと共に、図9に示すように、出金部用ゲート部201の出金部用駆動部203のソレノイド217を駆動して、実線で示すように出金部用ゲート部材202を開状態とする。
次に、制御部67は、縦型ベルトコンベア151を、第1の方向に駆動して、棒金Bを支持している一対の桟部172を一対の搬送ベルト158の後側において上方向に移動させる。そして、棒金Bを支持している一対の桟部172が、最上部付近まで移動し、棒金Bの搬送方向を一対の搬送ベルト158の後側から前側にすると、棒金Bが、それまで支持されていた一対の桟部172から出金部用ゲート部材202上に落ち、傾斜する出金部用ゲート部材202によって出金部用開口部191及び導入口136を介して棒金出金部123に放出される。
制御部67は、縦型ベルトコンベア151を第1の方向に駆動後、棒金出金部123に出金すべき最後の棒金Bが棒金出金部123の導入口136の近傍に設けられた図示略の棒金検知センサによって検知されると、縦型ベルトコンベア151を停止させる。制御部67は、その後、出金部用駆動部203のソレノイド217の駆動を停止して出金部用ゲート部材202をバネ部材218の付勢力で閉位置に戻し、図9に二点鎖線で示すように出金部用開口部191を閉状態にする。
「一括収納部収集処理」
棒金収納本体部133に収納されている棒金Bを、図15に示す太線矢印X3のルートで搬送して棒金一括収納部124に収集する一括収納部収集処理において、制御部67は、棒金取出部134によって棒金収納本体部133の対応金種の棒金カセット141に収納されている棒金一括収納部124に収納させるべき棒金Bを取り出させて一対の搬送ベルト158のベルト本体171と棒金取出部134との間にあって所定の受け取り高さにある一対の桟部172に放出させることになる。このとき、棒金取出部134から一対の桟部172に放出された棒金Bは、これら桟部172の上側にある収容ガイド部178で案内されて上側にある棒金収容部177に収容される。
次に、制御部67は、縦型ベルトコンベア151を、第2の方向に駆動して、棒金Bを支持している一対の桟部172を一対の搬送ベルト158の後側において下方向に移動させる。棒金Bを支持している一対の桟部172が、最下部付近まで移動して棒金収容部177が横向きになり、その結果、これらの桟部172で支持していた棒金Bを、これらの桟部172から、下部搬送空間188内において下方カバー部183上に落下させ、下方カバー部183のみで支持する状態になる。
その後、第2の方向に回転している縦型ベルトコンベア151は、この棒金Bを、これらの桟部172の一対の搬送ベルト158の回転方向における後側に隣り合う一対の桟部172が下方カバー部183とで支持する状態となって、下方カバー部183に沿って掬い上げるように前側且つ上方に搬送することになり、その後、前部搬送空間187内で鉛直上方に搬送することになる。これら桟部172は、鉛直上方に搬送する状態では棒金Bを棒金収容部177に収容して支持する。なお、この時、図11に二点鎖線で示すように放出部用ゲート部231は放出部用開口部193を閉じており、図10に二点鎖線で示すように一括収納部用ゲート部221は一括収納部用開口部192を閉じている。
前部搬送空間187内で鉛直上方に移動する、棒金一括収納部124に収納させるべき棒金Bが、棒金一括収納部124の一括収納部用開口部192よりもやや上側まで移動すると、これを図示略のタイミングセンサが検知することになる。すると、制御部67は、縦型ベルトコンベア151を停止させて、一括収納部用駆動部223を駆動して、図10に実線で示すように一括収納部用ゲート部材222を開位置に位置させ、その後、縦型ベルトコンベア151を、第1の方向に駆動して、棒金一括収納部124に収納させるべき棒金Bを下降搬送する。すると、この棒金Bが一括収納部用ゲート部材222で一対の桟部172から掬い上げられ、一括収納部用ゲート部材222の傾斜で一括収納部用開口部192及び導入口137を介して棒金一括収納部124に収納される。
制御部67は、この棒金Bが、棒金一括収納部124の導入口137の近傍に設けられた図示略の棒金検知センサによって検知されると、一括収納部用駆動部223の駆動を停止して、図10に二点鎖線で示すように一括収納部用ゲート部材222をバネ部材218の付勢力で閉位置に戻し、棒金一括収納部124に次に収納すべき棒金Bが縦型ベルトコンベア151にある場合、再び、縦型ベルトコンベア151を第2の方向に駆動し、この棒金Bが図示略のタイミングセンサで検知されると、一括収納部用駆動部223を駆動して、一括収納部用ゲート部材222を開位置に位置させた後、縦型ベルトコンベア151を第1の方向に駆動する。制御部67は、このような制御を繰り返して、棒金一括収納部124に収納させるべき最後の棒金Bが、棒金一括収納部124の導入口137の近傍に設けられた図示略の棒金検知センサによって検知されると、縦型ベルトコンベア151を停止させた後に、一括収納部用駆動部223の駆動を停止して、一括収納部用ゲート部材222をバネ部材218の付勢力で閉位置に戻し、一括収納部用開口部192を閉じる。
「包装出金処理」
ローカル包装処理の一部であって、包装部101で作製されて繰り出された棒金Bを、図16に示す太線矢印X4でルートで搬送して棒金放出部122から受箱126に放出する包装出金処理において、制御部67は、包装部101が作製した棒金Bを、包装部101から一対の搬送ベルト158のベルト本体171と包装部101との間にあって所定の受け取り高さにある一対の桟部172に向け放出させる。このとき、包装部101から一対の桟部172に向け放出された棒金Bは、一対の桟部172の上側にある収容ガイド部178で案内されて上側にある棒金収容部177に収容される。それと共に、制御部67は、放出部用ゲート部231の放出部用駆動部233のソレノイド217を駆動して、図11に実線で示すように、放出部用ゲート部材232を開状態とする。このとき、出金部用ゲート部材202及び一括収納部用ゲート部材222は閉状態のままとなっている。
一対の桟部172が棒金Bを支持すると、制御部67は、一対の搬送ベルト158の棒金Bを支持している後側の桟部172を上昇させるように縦型ベルトコンベア151を第1の方向に駆動することになり、図7に示すように、棒金Bを支持している一対の桟部172を一対の搬送ベルト158の後側において上方向に移動させる。図8に示すように、棒金Bを支持している一対の桟部172が、最上部付近まで移動して、棒金Bの搬送方向を一対の搬送ベルト158の後側から前側にする際に、棒金Bは、それまで支持されていた一対の桟部172から離間し上部搬送空間186及び前部搬送空間187内で棒金緩衝部241に向け落下することになる。
落下する棒金Bが1円硬貨の棒金Bの場合、図8に示すように、支持部243は、上方から落下してきた1円硬貨の棒金Bを支持位置で受け取って留めることになり、このとき、落下してきた1円硬貨は、支持部243及び前方カバー182に倣って、軸方向が水平左右方向に沿う姿勢で停止することになる。その後、図13に示すように、棒金緩衝部241の支持部243上に載置されて停止させられている棒金Bは、回転する一対の搬送ベルト158の、それまでこの棒金Bを支持していた一対の桟部172で下方に押される。すると、棒金緩衝部241は、支持部243が棒金Bを介して下向きに押されることになり、支持部243が付勢部242の付勢力に抗して回動させられて、棒金Bを前部搬送空間187内で支持部243の下方の一対の桟部172に落下させることになる。すると、下方のこれらの桟部172が、落下してきた棒金Bを、上側の収容ガイド部178で案内して上側の棒金収容部177に収容させることになり、この状態で下方に搬送する。
1円硬貨以外の、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨の棒金Bの場合、支持部243は、上方から落下してきた棒金Bで回動させられて、この棒金Bを一時的に留めることなく落下させる。このように支持部243は、上方から落下してきた5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨の棒金Bについては、留めることはないものの、落下の抵抗になることで、前方カバー182側に寄せ、前方カバー182に当接させて、軸方向が水平左右方向近くに沿う姿勢とする。前部搬送空間187内で棒金緩衝部241の支持部243を通過して落下する棒金Bは、支持部243の下方の一対の桟部172まで落下することになる。すると、下方のこれら一対の桟部172が、落下してきた棒金Bを、上側の収容ガイド部178で案内して上側の棒金収容部177に収容させることになり、この状態で、この棒金Bを前部搬送空間187内で下方に搬送する。前部搬送空間187内で棒金Bを搬送する一対の桟部172は、この棒金Bをそれまで搬送していた一対の桟部172に対し、一対の搬送ベルト158の回転方向前側に隣り合っている。
その後、一対の桟部172で支持された状態で下降する棒金Bが、一対の桟部172から、図11に実線で示すように開状態にある放出部用ゲート部材232に掬い上げられ、放出部用ゲート部材232の傾斜によって放出部用開口部193を介して棒金放出部122に導入され、棒金放出部122から受箱126に放出される。制御部67は、縦型ベルトコンベア151を第1の方向に駆動後、棒金放出部122に放出する最後の棒金Bが棒金放出部122に設けられた図示略の棒金検知センサによって検知されると、縦型ベルトコンベア151を停止させる。制御部67は、最後に、放出部用駆動部233の駆動を停止して、図11に二点鎖線で示すように放出部用ゲート部材232をバネ部材218の付勢力で閉位置に戻し、放出部用開口部193を閉じる。
以上に述べた本実施形態の棒金処理装置10によれば、搬送ベルト158が、その周方向における桟部172の両側に、この周方向に凹んで棒金Bを収容可能な棒金収容部177を有するため、搬送ベルト158は、その水平方向一側(例えば後側)で棒金Bを昇降させる場合と、その水平方向逆側(例えば前側)で棒金Bを昇降させる場合との両方で、棒金Bを棒金収容部177に収容して搬送することができる。よって、棒金Bをより安定的且つ確実に搬送することができる。
即ち、桟部172が、凹状の棒金収容部177を片側にしか有していないと、搬送ベルト158の水平方向一側(例えば後側)での搬送の際には棒金Bを凹状の棒金収容部177で収容できるが、搬送ベルト158の水平方向逆側(例えば前側)での搬送の際には棒金Bを壁に擦りながら搬送してしまう可能性がある。これに対し、棒金処理装置10は、搬送ベルト158の後側での搬送の際に加え、前側での搬送の際にも、棒金Bが凹状の棒金収容部177に収容されるため、搬送の際に棒金Bが前方カバー部182に摺れることを抑制できる。よって、棒金Bの包装が破れたり損傷したりすることを抑制でき、安定的に且つ確実に棒金Bを搬送することができる。更に、前側での搬送だけでなく、下部の搬送の際には、棒金Bの下方カバー部183への押し付けがより強くなるが、桟部172は、下方カバー部183に位置する棒金Bを掬い上げるように搬送するので、下方カバー部183への押し付け力を抑えることができる。
また、搬送ベルト158が、その周方向における桟部172の両側に、棒金収容部177に収容している棒金Bよりもベルト本体171とは反対側まで突出し、ベルト本体171とは反対側ほど搬送ベルト158の周方向において棒金収容部177から離れるように傾斜する収容ガイド部178を有する。このため、搬送ベルト158は、その水平方向一側で棒金Bを受け取る場合と、その水平方向逆側で棒金Bを受け取る場合との両方で、収容ガイド部178が棒金Bを安定的且つ確実に棒金収容部177に収容させることになる。よって、棒金Bを更に安定的且つ確実に搬送することができる。
即ち、桟部172は、両側の先端部に棒金Bを棒金収容部177に導く傾斜状の収容ガイド部178が設けられているため、棒金Bを受け取る際に棒金Bが棒金収容部177よりも先端部側に配置されたり傾いて配置される等、姿勢が崩れた状態で配置されても、収容ガイド部178によって棒金収容部177に導くことができる。従って、更に安定的に且つ確実に棒金Bを搬送することができる。
また、搬送ベルト158が、棒金Bを、ベルト本体171と包装部101及び棒金取出部134との間にある第1の桟部172で包装部101或いは棒金取出部134から受け取って回転することにより上方に搬送し、この第1の桟部172からベルト本体171の上部で回転方向前側に隣り合う第2の桟部172に向け落下させる際に、第1の桟部172から落下する棒金Bを第2の桟部172よりも上側で一旦棒金緩衝部241が受け取ることになる。よって、棒金緩衝部241で棒金Bの姿勢を一旦整えることができる。そして、この棒金緩衝部241は、受け取った棒金Bが、搬送ベルト158の回転によって後からくる第1の桟部172で下方に押されると、この棒金Bを第2の桟部172に落下させることになる。このように、第1の桟部172から第2の桟部172に向け落下する棒金Bの姿勢を棒金緩衝部241で一旦整えて第2の桟部172に受け渡すことができるため、棒金Bをより安定的且つ確実に搬送することができる。
また、棒金緩衝部241が、棒金Bを支持する支持位置と棒金Bを落下させる落下位置とで回動可能な支持部243と、この支持部243を支持位置に位置するように付勢する付勢部242とを有する簡素な構造のため、コスト増を抑制できる。
また、付勢部242が、支持部243を、落下時の姿勢が安定しにくい軽量な1円硬貨の棒金Bを受け取る場合は支持位置に位置させて、棒金Bの姿勢を一旦整えることになり、落下時の姿勢が安定している重い、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨及び500円硬貨の棒金Bを受け取る場合は落下位置に回動させて、そのまま下方の桟部172に向け落下させることになる。よって、比較的安定した姿勢で落下する重い棒金Bについては一対の搬送ベルト158の押圧で落下させることがなくなり、電力消費を抑えることができる。
以上の実施形態を以下の変形例のように変更することができる。
<変形例1>
棒金緩衝部241は、1円硬貨の棒金Bのみを棒金緩衝部241の支持部243上に一旦留めるものに限定されるものではなく、他の金種の棒金Bも一旦留めるようにしても良く、当然全ての棒金Bを一旦留めるようにしても良い。即ち、棒金緩衝部241は、搬送ベルト158で搬送する複数金種のうちの少なくとも1金種の棒金Bを一旦留めるようにすれば良い。
<変形例2>
棒金緩衝部241は、付勢部242がバネ蝶番からなり、このバネ蝶番に別部材の支持部243を設けているが、棒金緩衝部241をバネ蝶番のみで構成しても良い。この際、バネ蝶番のベース部材261に固定されない側の一方の板部材252が支持部243となり、バネ蝶番の残りの、他方の板部材252、連結軸251及び図示略のバネ部材が付勢部242となる。
<変形例3>
棒金放出部122を開閉する放出部用ゲート部231については、上記した配置及び棒金の搬送ルートである限りにおいて次のように変更しても良い。例えば、放出部用ゲート部材232を、通常状態では、弱い付勢力によって押圧しストッパに当接させて、前部搬送空間187内で傾斜状となり放出部用開口部193を開放する開状態としておく。この状態で、縦型ベルトコンベア151によって、放出部用ゲート部材232に対し下方から搬送されてくる棒金Bがあるときには、放出部用ゲート部材232が、この棒金B自体で押し上げられて垂直状に回転させられて放出部用開口部193を閉じながら、この棒金Bの上方への移動を許容し、棒金Bが放出部用ゲート部材232よりも上側に離れると、弱い付勢力によって開状態に戻るように構成する。他方、縦型ベルトコンベア151によって、放出部用ゲート部材232に対し上方から搬送されてくる棒金Bがあるときには、開状態で前部搬送空間187側に傾斜状に配置されてストッパに当接している放出部用ゲート部材232が棒金Bを縦型ベルトコンベア151から掬い上げて棒金放出部122に導入する。このように構成すれば、放出部用ゲート部231の構成を簡素化でき、コストを低減することができる。
<変形例4>
一括収納部収集処理における棒金収納部102から棒金一括収納部124までの棒金Bの搬送は、上記のように縦型ベルトコンベア151を第2の方向に回転させることにより、下部搬送空間188を通って前部搬送空間187を通る下ルートを採用することに限定されるものではなく、縦型ベルトコンベア151を第1の方向に回転させることにより、上部搬送空間186を通って前部搬送空間187を通る上ルートを採用するようにしても良い。この場合、予め一括収納部用ゲート部221の一括収納部用駆動部223のソレノイド217を駆動して一括収納部用ゲート部材222を開状態としておき、棒金取出部134から一対の搬送ベルト158で棒金Bを受け取って上部搬送空間186を通って前部搬送空間187に搬送し、開状態の一括収納部用ゲート部材222で棒金一括収納部124に収納する。このように作動させれば、縦型ベルトコンベア151を棒金一括収納部124への棒金Bの収納のために正逆2方向に回転を切り替える必要がなくなる。
<変形例5>
実施形態では、包装出金処理における包装部101から棒金放出部122までの棒金Bの搬送として、上記のように縦型ベルトコンベア151を第1の方向に回転させることにより、上部搬送空間186を通って前部搬送空間187を通る上ルートを採用した。これにより、縦型ベルトコンベア151を棒金放出部122への棒金Bの収納のために正逆2方向に回転を切り替える必要がなくなる。しかしながら、これに限定されるものではなく、縦型ベルトコンベア151を第2の方向に回転させることにより、下部搬送空間188を通って前部搬送空間187を通る下ルートを採用するようにしても良い。この場合、下部搬送空間188から前部搬送空間187内で鉛直上方に移動する棒金Bが棒金放出部122用の放出部用開口部193よりもやや上側まで移動したことを図示略のタイミングセンサが検知すると、制御部67が、縦型ベルトコンベア151を停止させて、放出部用駆動部233のソレノイド217を駆動して放出部用ゲート部材232を開位置に位置させ、その後、縦型ベルトコンベア151を第1の方向に回転させて棒金Bを下降させる。すると、この棒金Bが放出部用ゲート部材232で一対の桟部172から掬い上げられ、放出部用ゲート部材232の傾斜で棒金放出部122に導入されて受箱126に放出される。この場合も、棒金放出部122を開閉する放出部用ゲート部231を変形例3のように構成しても良い。
<変形例6>
縦型ベルトコンベア151を、駆動開始後、予め設定された所定時間経過後に停止するようにしても良い。これにより、棒金出金部123、棒金一括収納部124、棒金放出部122等に設けられた棒金検知センサ(透過型の光学センサ)と併用して使用する場合、例えば、棒金出金処理において出金部用ゲート部201が駆動できず出金部用開口部191が開状態にならないような不具合や、一括収納部収集処理において一括収納部用ゲート部221が駆動できず一括収納部用開口部192が開状態にならないような不具合、包装出金処理において放出部用ゲート部231が駆動できず放出部用開口部193が開状態にならないような不具合が起きても、縦型ベルトコンベア151を停止させることができ、迅速に不具合対応を行うことができる。また、棒金検知センサを用いずに、縦型ベルトコンベア151の駆動を制御することもできるため、棒金検知センサ(透過型の光学センサ)が不要となり、その分、部品点数を削減することができ、構造を簡素化することができる。
<変形例7>
出金部用開口部191、一括収納部用開口部192及び放出部用開口部193のそれぞれのやや下方に、棒金Bを検知可能な棒金検知センサ(反射型の光学センサ)を設けても良い。そして、棒金出金処理において、縦型ベルトコンベア151を第1の方向への駆動後、出金部用開口部191に導入すべき棒金Bが出金部用開口部191のやや下方の棒金検知センサによって検知されると、縦型ベルトコンベア151を停止させる。また、一括収納部収集処理において、一括収納部用開口部192に導入すべき棒金Bを一括収納部用開口部192より上側に移動させた後、縦型ベルトコンベア151を第1の方向への駆動し、その後、一括収納部用開口部192に導入すべき棒金Bが一括収納部用開口部192のやや下方の棒金検知センサによって検知されると、縦型ベルトコンベア151を停止させる。また、包装出金処理において、縦型ベルトコンベア151を第1の方向への駆動後、放出部用開口部193に導入すべき棒金Bが放出部用開口部193のやや下方の棒金検知センサによって棒金Bが検知されると、縦型ベルトコンベア151を停止させる。
これにより、上記と同様に、例えば、出金部用ゲート部201、一括収納部用ゲート部221及び放出部用ゲート部231の何れかが開状態にならないような不具合が起きても、縦型ベルトコンベア151を停止させることができ、迅速に不具合対応を行うことができる。更に、出金部用開口部191、一括収納部用開口部192及び放出部用開口部193の何れか対応するものを棒金Bが行き過ぎた後直ぐに縦型ベルトコンベア151を停止させることができるので、より迅速に縦型ベルトコンベア151を停止させることができ、より迅速に不具合対応を行うことができる。また、棒金検知センサ及びタイミングセンサの不具合対策として、更に予め設定された所定時間経過後、縦型ベルトコンベア151を停止させるようにしても良い。
なお、桟部172の形状を上記形状とすれば、他の構成は従来の種々の構成を適用可能である。また、棒金昇降搬送部121に棒金緩衝部241を設ければ、他の構成は従来の種々の構成を適用可能である。