JP6941832B2 - マルチバンド帯域通過フィルタ、及びその設計方法 - Google Patents

マルチバンド帯域通過フィルタ、及びその設計方法 Download PDF

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Description

本発明はマルチバンド帯域通過フィルタ、及びその設計方法に関する。
近年、スマートフォンの普及等に伴って、無線通信データ量が爆発的に増大している。このような状況下、複数の周波数帯域を同時に利用するキャリアアグリゲーション技術が注目されており、基本デバイスであるマルチバンド帯域通過フィルタの開発が進められている。
特許文献1には、発明者らによって開発されたデュアルバンド共振器を用いたマルチバンド帯域通過フィルタが開示されている。例えば、1本の入力側給電線に対し、当該デュアルバンド共振器とステップインピーダンス共振器を用いたシングルバンド共振器(基本モードを利用)とが配置されたトリバンド帯域通過フィルタや、当該デュアルバンド共振器とカスケード接続されたステップインピーダンス共振器を用いたデュアルバンド共振器(基本モードと2次モードを利用)とが配置されたクワッドバンド帯域通過フィルタが開示されている。
特開2014−36258号公報
発明者は、1本の入力側給電線に対しデュアルバンド共振器と他の共振器とが配置されたマルチバンド帯域通過フィルタの開発に際し、様々な課題を見出した。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係るマルチバンド帯域通過フィルタでは、分岐せずに第1の方向に延設された入力側給電線に沿って配置されたデュアルバンド共振器と他の共振器とが第1の方向に沿って並んで配置されている。
前記一実施の形態によれば、例えば無線通信機器に好適であって、良質なマルチバンド帯域通過フィルタを提供することができる。
実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。 図1のII−II断面図である。 実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを構成するデュアルバンド共振器の拡大平面図である。 外部Q値測定用のマルチバンド帯域通過フィルタの構成を示す図である。 入力側給電線FLiの長さlによるデュアルバンド共振器DBR1の2つの周波数帯域での外部Q値の変化を示したグラフである。 外部Q値測定用のマルチバンド帯域通過フィルタの構成を示す図である。 外部Q値測定用のマルチバンド帯域通過フィルタの構成を示す図である。 入力側給電線FLiの幅wによるデュアルバンド共振器DBR1の2つの周波数帯域での外部Q値の変化を示したグラフである。 外部Q値測定用のマルチバンド帯域通過フィルタの構成を示す図である。 シングルバンド共振器SBR2の位置tによるデュアルバンド共振器DBR1及びシングルバンド共振器SBR2の3つの周波数帯域での外部Q値の変化を示したグラフである。 実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した8段トリバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。 3つの周波数帯域に亘る通過特性S21を示すグラフである。 デュアルバンド帯域通過フィルタDBPFの奇モード共振(1.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。 シングルバンド帯域通過フィルタSBPF(2.0GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。 デュアルバンド帯域通過フィルタDBPFの偶モード共振(2.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。 実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。 実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した3段ペンタバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。 5つの周波数帯域に亘る通過特性S21を示すグラフである。 デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF1の奇モード共振(1.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。 シングルバンド帯域通過フィルタSBPF(1.7GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。 デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF2の奇モード共振(2.0GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。 デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF1の偶モード共振(2.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。 デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF2の偶モード共振(3.0GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。
(実施の形態1)
<マルチバンド帯域通過フィルタの構成>
まず、図1〜3を参照して、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタの構成について説明する。図1は、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを構成するデュアルバンド共振器の拡大平面図である。
なお、図1に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、xy平面が水平面であって、z軸正向きが鉛直上向きとなる。
図1に示すように、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタは、入力側給電線FLi、出力側給電線FLo、デュアルバンド共振器DBR1、シングルバンド共振器SBR2を備えている。ここで、デュアルバンド共振器DBR1は、シングルバンド共振器SBR1及びスタブSTを備えている。
実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタは、1本の入力側給電線FLiに対しデュアルバンド共振器DBR1と他の共振器であるシングルバンド共振器SBR2とが配置されたトリバンド帯域通過フィルタである。
図1において、入力側給電線FLi、出力側給電線FLo、デュアルバンド共振器DBR1、シングルバンド共振器SBR2は、いずれもフォトリソグラフィ技術などによってパターニングされた導体膜からなるマイクロストリップラインである。図1に示した実線が、マイクロストリップラインを示しており、実線の太さがマイクロストリップラインの幅を模式的に示している。
図1のII−II断面図である図2に示すように、入力側給電線FLi、出力側給電線FLo、デュアルバンド共振器DBR1、シングルバンド共振器SBR2(図2では図示せず)は、誘電体基板SUBの一方の主面(図2では上面)に形成されている。誘電体基板SUBの他方の主面(図2では下面)には、導体膜からなるグランド面GPが全面に亘って形成されている。
マイクロストリップラインやグランド面GPを構成する導体膜は、特に限定されないが、例えば超伝導材料や銅やアルミニウムなどの金属材料からなることが好ましい。特に、超伝導材料を用いることによって、急峻な遮断特性を得るために多段化しても、損失の上昇を抑制することができる。すなわち、帯域通過フィルタに要求される急峻な遮断特性と低損失とを両立させることができる。
図1に示すように、入力側給電線FLiは、分岐せずにy軸方向に延設されている。そして、入力端子INまで引き出すためにy軸負方向側端部からx軸負方向に延設されている。すなわち、入力側給電線FLiは、全体として平面視L字形状に形成されている。
同様に、出力側給電線FLoも、分岐せずにy軸方向に延設されている。そして、出力端子OUTまで引き出すためにy軸負方向側端部からx軸正方向に延設されている。すなわち、出力側給電線FLoも、全体として平面視L字形状に形成されている。
図1の例では、入力側給電線FLiと出力側給電線FLoとは、一点鎖線で示したy軸方向に延びた中心軸に対して線対称に配置されている。
図1に示すように、デュアルバンド共振器DBR1は、メアンダ(蛇行)ライン型のシングルバンド共振器SBR1にスタブSTが装荷された共振器である。すなわち、デュアルバンド共振器DBR1は、スタブ装荷メアンダライン共振器である。デュアルバンド共振器DBR1は、y軸に平行に延設された入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoの間において、両者に近接配置されている。ここで、近接配置とは、電磁結合により電力を伝送できる程度の距離に配置することをいう。また近接配置でなくとも、デュアルバンド共振器DBR1と入力側給電線FLi又は出力側給電線FLoの間に、他の回路や線路を配置し、電力伝送を行えるような配置としてもよい。
また、デュアルバンド共振器DBR1は、入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoの先端側(y軸正方向側)に配置されている。デュアルバンド共振器DBR1において、スタブSTはシングルバンド共振器SBR1においてy軸正方向側に形成されている。デュアルバンド共振器DBR1、入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoからデュアルバンド帯域通過フィルタDBPFが構成されている。
デュアルバンド共振器DBR1の詳細については、図3を参照して後述する。
シングルバンド共振器SBR2は、シングルバンド共振器SBR1と同様の形状を有したメアンダライン共振器である。シングルバンド共振器SBR2は、y軸に平行に延設された入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoの間において、両者に近接配置されている。すなわち、シングルバンド共振器SBR2は、入力側給電線FLiの長手方向に沿って、デュアルバンド共振器DBR1と並んで配置されている。ここで、シングルバンド共振器SBR2は、入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoの端子側(y軸負方向側)に配置されている。また、図1に示すように、シングルバンド共振器SBR1の開放端OE1とシングルバンド共振器SBR2の開放端OE2とが対向するように配置されている。シングルバンド共振器SBR2、入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoからシングルバンド帯域通過フィルタSBPFが構成されている。
次に、図3を参照して、デュアルバンド共振器DBR1の構成について詳細に説明する。図3では、便宜的にシングルバンド共振器SBR1とスタブSTとが分離して描かれている。図3に示すように、シングルバンド共振器SBR1は、蛇行した1本のマイクロストリップラインから構成され、一点鎖線で示した中心軸に対して線対称な形状を有している。そのため、マルチバンド帯域通過フィルタ全体が一点鎖線で示した中心軸に対して線対称な形状を有している。
ここで、シングルバンド共振器SBR1の形状は、一対の開放端OE11、OE12からy軸正方向に平行に延びた一対の直線部とヘアピンコーナーCとから構成されるシンプルなヘアピン形状から派生した形状であると言える。すなわち、図3に示すように、シングルバンド共振器SBR1は、破線で囲ったヘアピン部HPとヘアピン部HPから両方の外側(x軸正方向側及びx軸負方向側)に張り出した蛇行部M1、M2を有している。ここで、蛇行部M1、M2は、T字の外周を描くように蛇行しつつ、y軸方向に延設されている。
具体的には、図3に示すように、蛇行部M1は4つのヘアピンコーナーC11〜C14から構成されている。蛇行部M1の一端は、ヘアピンコーナーC11において、ヘアピン部HPの開放端OE11からy軸正方向に延びた直線部の先端に接続されている。蛇行部M1の他端は、ヘアピンコーナーC11と対向したヘアピンコーナーC14において、ヘアピン部HPのヘアピンコーナーCからy軸負方向に延びた直線部の先端に接続されている。
すなわち、蛇行部M1は、ヘアピン部HPからヘアピンコーナーC11でx軸正方向に張り出してy軸負方向に延設され、ヘアピンコーナーC12でx軸正方向に張り出してy軸正方向に延設されている。そして、ヘアピンコーナーC13でx軸負方向に戻ってy軸負方向に延設され、ヘアピンコーナーC14でx軸負方向に戻ってヘアピン部HPに至る。
ここで、ヘアピンコーナーC12は、シングルバンド共振器SBR1のy軸負方向側端部に位置する。他方、ヘアピンコーナーC13は、シングルバンド共振器SBR1のy軸正方向側端部に位置する。そのため、ヘアピンコーナーC12からヘアピンコーナーC13に至る直線部は、シングルバンド共振器SBR1の最も外側(x軸正方向側)において全長に亘って延設されている。当該直線部は、図1に示すように、出力側給電線FLoと平行に近接配置されている。
同様に、蛇行部M2は4つのヘアピンコーナーC21〜C24から構成されている。蛇行部M2の一端は、ヘアピンコーナーC21において、ヘアピン部HPの開放端OE12からy軸正方向に延びた直線部の先端に接続されている。蛇行部M2の他端は、ヘアピンコーナーC21と対向したヘアピンコーナーC24において、ヘアピン部HPのヘアピンコーナーCからy軸負方向に延びた直線部の先端に接続されている。
すなわち、蛇行部M2は、ヘアピン部HPからヘアピンコーナーC21でx軸負方向に張り出してy軸負方向に延設され、ヘアピンコーナーC22でx軸負方向に張り出してy軸正方向に延設されている。そして、ヘアピンコーナーC23でx軸正方向に戻ってy軸負方向に延設され、ヘアピンコーナーC24でx軸正方向に戻ってヘアピン部HPに至る。
ここで、ヘアピンコーナーC22は、シングルバンド共振器SBR1のy軸負方向側端部に位置する。他方、ヘアピンコーナーC23は、シングルバンド共振器SBR1のy軸正方向側端部に位置する。そのため、ヘアピンコーナーC22からヘアピンコーナーC23に至る直線部は、シングルバンド共振器SBR1の最も外側(x軸負方向側)において全長に亘って延設されている。当該直線部は、図1に示すように、入力側給電線FLiと平行に近接配置されている。
次に、図3に示すように、シングルバンド共振器SBR1におけるヘアピン部HPのヘアピンコーナーCには、スタブSTが装荷されている。このような構成によって、デュアルバンド共振器DBR1では、一点鎖線で示した中心線を含むyz平面が電気/磁気壁を構成し、奇モード共振と偶モード共振とによる異なる周波数での共振が可能となる。奇モード共振では、スタブSTの影響を無視することができ、シングルバンド共振器SBR1のみが共振器として動作する。偶モード共振では、スタブST及びシングルバンド共振器SBR1すなわちデュアルバンド共振器DBR1全体が共振器として動作する。
<効果の説明>
例えば、特許文献1の図20には、デュアルバンド共振器に給電する1本の入力側給電線に対し、ステップインピーダンス共振器を用いたシングルバンド共振器(基本モードを使用)を追加したトリバンド帯域通過フィルタが開示されている。また、特許文献1の図22には、デュアルバンド共振器に給電する1本の入力側給電線に対し、カスケード接続されたステップインピーダンス共振器を用いたデュアルバンド共振器(基本モードと2次モードを使用)を追加したクワッドバンド帯域通過フィルタが開示されている。
特許文献1では、入力側給電線を分岐させてデュアルバンド共振器に給電している。そのため、追加したシングルバンド共振器の外部Q値を調整することが難しかったり、追加したシングルバンド共振器の外部Q値を調整した後、デュアルバンド共振器の外部Q値を微調整することが難しかったりする問題があった。
また、追加したシングルバンド共振器の初段と最終段を給電線に対して平行に配置しなければならないため、多段化設計において、共振器の配置が難しいという問題があった。特に、デュアルバンド共振器を追加する場合の多段化設計は困難を極める。
これに対し、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタでは、分岐せずにy軸方向(第1の方向)に延設された入力側給電線FLiに近接配置されたデュアルバンド共振器DBR1とシングルバンド共振器SBR2とが、y軸方向に沿って並んで配置されている。
入力側給電線FLiが分岐していないため、追加したシングルバンド共振器SBR2のy軸方向の位置のみを調整することによって、シングルバンド共振器SBR2の外部Q値を容易に調整することができる。その上、シングルバンド共振器SBR2の外部Q値を調整した後、デュアルバンド共振器DBR1の外部Q値を微調整することも容易になる。
また、デュアルバンド共振器DBR1とシングルバンド共振器SBR2とがy軸方向(第1の方向)に沿って並んで配置されている。そのため、詳細には後述する図11に示すように、このy軸方向に並んだデュアルバンド共振器DBR1とシングルバンド共振器SBR2とをx軸方向(第2の方向)に複数並べることによって、容易に多段化することができる。ここで、導体膜として超伝導膜を用いれば、多段化によって急峻な遮断特性を得つつ、損失の上昇を抑制することができる。すなわち、帯域通過フィルタに要求される急峻な遮断特性と低損失とを両立させることができる。
<マルチバンド帯域通過フィルタの設計方法>
次に、図4〜図10を参照して、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタの設計方法について説明する。図4、図6、図7、図9は、外部Q値測定用のマルチバンド帯域通過フィルタの構成を示す図である。図5は、入力側給電線FLiの長さlによるデュアルバンド共振器DBR1の2つの周波数帯域での外部Q値の変化を示したグラフである。図8は、入力側給電線FLiの幅wによるデュアルバンド共振器DBR1の2つの周波数帯域での外部Q値の変化を示したグラフである。図10は、シングルバンド共振器SBR2の位置tによるデュアルバンド共振器DBR1及びシングルバンド共振器SBR2の3つの周波数帯域での外部Q値の変化を示したグラフである。
図1に示すように、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタは、1本の入力側給電線FLiに対しデュアルバンド共振器DBR1と他の共振器であるシングルバンド共振器SBR2とが配置されたトリバンド帯域通過フィルタである。そのため、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタは、3つの周波数帯域における外部Q値をそれぞれ設計値に一致させるように設計される。
図示した例では、デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振の周波数帯域を1.5GHz、偶モード共振の周波数帯域を2.5GHz、シングルバンド共振器SBR2の周波数帯域を2.0GHzとし、いずれの周波数帯域においても外部Q値の設計値を47とした。当然のことながら、これら各周波数帯域や外部Q値、さらに以下に示す各種パラメータの具体的な数値はあくまで一例である。
図4に示すように、入力側給電線FLiの長手方向(y軸方向)に沿って、デュアルバンド共振器DBR1とシングルバンド共振器SBR2とが配置されている。
この状態から、まず、入力側給電線FLiの長さを変化させることによって、デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振(1.5GHz)と偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値を一致させるように調節する。図4の例では、デュアルバンド共振器DBR1のy軸負方向側端部を基準として、入力側給電線FLiの先端(y軸正方向側端部)までの長さ(以下、簡略化のため単に「入力側給電線FLiの長さ」という)lを変化させた。
なお、図4に示すように、外部Q値測定用のマルチバンド帯域通過フィルタでは、図1に示した出力端子OUTに代えて、3つの周波数帯域における外部Q値を測定するための3つの専用の出力端子OUT1、OUT2、OUT3が設けられている。そのため、出力側給電線FLoは設けられていない。
図4に示すように、デュアルバンド共振器DBR1の偶モード共振の外部Q値を測定するための出力端子OUT1は、スタブST近傍に接続されている。デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振の外部Q値を測定するための出力端子OUT2は、シングルバンド共振器SBR1のy軸負方向側端部近傍に接続されている。シングルバンド共振器SBR2の外部Q値を測定するための出力端子OUT3は、シングルバンド共振器SBR2のy軸正方向側端部近傍に接続されている。
図5に示すように、入力側給電線FLiの長さlが大きくなるにつれて、デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振(1.5GHz)と偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値はいずれも単調に減少する。入力側給電線FLiの長さlが小さい場合、偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値は、奇モード共振(1.5GHz)での外部Q値よりも大きい。他方、偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値は、奇モード共振(1.5GHz)での外部Q値よりも、入力側給電線FLiの長さlの増加に伴う減少率が大きい。そのため、図5の例では、両者は入力側給電線FLiの長さl=13mmで一致している。そのため、入力側給電線FLiの長さlを13mmとする。このように、偶モード共振と奇モード共振での外部Q値が一致するように、入力側給電線FLiの長さlを設定する。
ここで、図6に示すように、入力側給電線FLiの長さlがスタブSTの先端までの長さl1を超えた場合、例えばその超えた長さl2だけ入力側給電線FLiをx軸負方向に折り曲げてもよい。このように、入力側給電線FLiを折り曲げることによって、外部Q値に影響を与えることなく、スペースの増大を抑制することができる。
次に、図7に示すように、入力側給電線FLiの幅wを変化させることによって、デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振(1.5GHz)と偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値を設計値に近付けて一致させる。図7の例では、デュアルバンド共振器DBR1のy軸負方向側端部を基準として、入力側給電線FLiの先端(y軸正方向側端部)までの幅(以下、簡略化のため単に「入力側給電線FLiの幅」という)wを変化させた。なお、上記基準の位置は適宜変化させることができ、入力側給電線FLi全体の幅を変化させてもよい。
図8に示すように、入力側給電線FLiの幅wが大きくなるにつれて、デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振(1.5GHz)と偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値は一致したまま単調に上昇する。
図8の例では、入力側給電線FLiの幅w=0.46mmで外部Q値が設計値の47になる。そのため、入力側給電線FLiの幅wを0.46mmとする。このように、入力側給電線FLiの長さlを偶モード共振と奇モード共振での外部Q値が一致する値に設定しておくことによって、入力側給電線FLiの幅wを変化させた場合に、偶モード共振と奇モード共振での外部Q値を一致させたまま設計値に近付けることができる。
最後に、図9に示すように、シングルバンド共振器SBR2の位置tを変化させることによって、シングルバンド共振器SBR2(2.0GHz)での外部Q値を設計値に近付けて一致させる。図9の例では、入力側給電線FLiのy軸負方向側端部を基準として、シングルバンド共振器SBR2のy軸負方向側端部までの距離(以下、簡略化のため単に「シングルバンド共振器SBR1の位置」という)tを変化させた。
図10に示すように、シングルバンド共振器SBR2の位置tが大きくなるにつれて、すなわち、シングルバンド共振器SBR2とデュアルバンド共振器DBR1との距離が短くなるにつれて、シングルバンド共振器SBR2(2.0GHz)での外部Q値は単調に上昇する。この際、デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振(1.5GHz)と偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値は略設計値に維持される。
図10の例では、シングルバンド共振器SBR2の位置t=1.8mmで、シングルバンド共振器SBR2(2.0GHz)での外部Q値が設計値の47になる。そのため、シングルバンド共振器SBR2の位置tを1.8mmとする。このように、シングルバンド共振器SBR2の位置tを変化させることによって、デュアルバンド共振器DBR1の奇モード共振(1.5GHz)と偶モード共振(2.5GHz)での外部Q値に影響を与えることなく、シングルバンド共振器SBR2(2.0GHz)での外部Q値を設計値に近付けることができる。
以上に説明した実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタの設計方法では、デュアルバンド共振器DBR1の外部Q値を調整した後、追加したシングルバンド共振器SBR2の外部Q値を調整する。その際、シングルバンド共振器SBR2のy軸方向の位置のみを変化させる。そのため、調整済みのデュアルバンド共振器DBR1の外部Q値を維持しつつ、シングルバンド共振器SBR2の外部Q値を容易に調整することができる。
<多段マルチバンド帯域通過フィルタの構成及び周波数特性>
次に、図11を参照して、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した多段マルチバンド帯域通過フィルタの構成について説明する。図11は、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した8段トリバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。
図11に示すように、実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した8段トリバンド帯域通過フィルタは、入力側給電線FLiと出力側給電線FLoとの間に、8個のデュアルバンド共振器DBR11〜DBR18、8個のシングルバンド共振器SBR21〜SBR28を備えている。デュアルバンド共振器DBR11〜DBR18は、それぞれスタブSTが装荷されたシングルバンド共振器SBR11〜SBR18から構成されている。8個のデュアルバンド共振器DBR11〜DBR18は、入力側給電線FLi側から出力側給電線FLo側に向かって並べて配置されている。同様に、8個のシングルバンド共振器SBR21〜SBR28は、入力側給電線FLi側から出力側給電線FLo側に向かって並べて配置されている。
図11に示した8段トリバンド帯域通過フィルタは、一点鎖線で示した中心軸に対して線対称な形状を有している。中心軸よりもx軸負方向側に配置された4個のデュアルバンド共振器DBR11〜DBR14及び4個のシングルバンド共振器SBR21〜SBR24の配置関係と、中心軸よりもx軸正方向側に配置された4個のデュアルバンド共振器DBR15〜DBR18及び4個のシングルバンド共振器SBR25〜SBR28の配置関係とは、中心軸に対して線対称である。従って、x軸負方向側に配置された4個のデュアルバンド共振器DBR11〜DBR14及び4個のシングルバンド共振器SBR21〜SBR24の配置関係について説明する。
デュアルバンド共振器DBR11及びシングルバンド共振器SBR21の形状及び配置関係は、デュアルバンド共振器DBR13及びシングルバンド共振器SBR23の形状及び配置関係と同様である。そして、それらの形状及び配置関係は、図1に示したデュアルバンド共振器DBR1及びシングルバンド共振器SBR2の形状及び配置関係と同様であるため、詳細な説明は省略する。
デュアルバンド共振器DBR12及びデュアルバンド共振器DBR14は、いずれも図11においてデュアルバンド共振器DBR11及びデュアルバンド共振器DBR13を上下反転させて配置されている。すなわち、デュアルバンド共振器DBR11及びデュアルバンド共振器DBR13では、スタブSTがy軸正方向側に配置されているのに対し、デュアルバンド共振器DBR12及びデュアルバンド共振器DBR14では、スタブSTがy軸負方向側に配置されている。
ここで、隣接するデュアルバンド共振器DBR11のスタブSTと、デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR11のシングルバンド共振器SBR11と、デュアルバンド共振器DBR12のスタブSTも、U字導波路UWによって結合されている。そして、デュアルバンド共振器DBR11のシングルバンド共振器SBR11と、デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12とは、S字導波路SWによって結合されている。
同様に、隣接するデュアルバンド共振器DBR12のスタブSTと、デュアルバンド共振器DBR13のシングルバンド共振器SBR13とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12と、デュアルバンド共振器DBR13のスタブSTも、U字導波路UWによって結合されている。そして、デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12と、デュアルバンド共振器DBR13のシングルバンド共振器SBR13とは、S字導波路SWによって結合されている。
同様に、隣接するデュアルバンド共振器DBR13のスタブSTと、デュアルバンド共振器DBR14のシングルバンド共振器SBR14とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR13のシングルバンド共振器SBR13と、デュアルバンド共振器DBR14のスタブSTも、U字導波路UWによって結合されている。そして、デュアルバンド共振器DBR13のシングルバンド共振器SBR13と、デュアルバンド共振器DBR14のシングルバンド共振器SBR14とは、S字導波路SWによって結合されている。
シングルバンド共振器SBR22及びシングルバンド共振器SBR24は、いずれも図11においてシングルバンド共振器SBR21及びシングルバンド共振器SBR23を上下反転させて配置されている。すなわち、シングルバンド共振器SBR21及びシングルバンド共振器SBR23では、開放端がy軸正方向側に配置されているのに対し、シングルバンド共振器SBR22及びシングルバンド共振器SBR24では、開放端がy軸負方向側に配置されている。
シングルバンド共振器SBR21〜SBR24において隣接するシングルバンド共振器同士はH字導波路HWによって結合されている。
上述の通り、デュアルバンド共振器DBR14及びシングルバンド共振器SBR24と、デュアルバンド共振器DBR15及びシングルバンド共振器SBR25とは、中心線に対して線対称に隣接配置されている。ここで、デュアルバンド共振器DBR14のシングルバンド共振器SBR14と、デュアルバンド共振器DBR15のシングルバンド共振器SBR14とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR14及びデュアルバンド共振器DBR15のスタブST同士も、U字導波路UWによって結合されている。そして、シングルバンド共振器SBR24とシングルバンド共振器SBR25とは、H字導波路HWによって結合されている。
実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタでは、分岐せずにy軸方向に延設された入力側給電線FLiに近接配置されたデュアルバンド共振器DBR11とシングルバンド共振器SBR21とがy軸方向に沿って並んで配置されている。そのため、y軸方向に並んだデュアルバンド共振器とシングルバンド共振器とをx軸方向に並べることによって、容易に多段化することができる。特に、導体膜として超伝導膜を用いれば、多段化によって急峻な遮断特性を得つつ、損失の上昇を抑制することができる。すなわち、帯域通過フィルタに要求される急峻な遮断特性と低損失とを両立させることができる。
図12〜図15に、図11に示した8段トリバンド帯域通過フィルタの周波数特性のシミュレーション結果を示す。シミュレーションでは、誘電体基板としてサファイア基板、導体膜としてYBaCu膜を想定した。
図12は、3つの周波数帯域に亘る通過特性S21を示すグラフである。
図13は、デュアルバンド帯域通過フィルタDBPFの奇モード共振(1.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図14は、シングルバンド帯域通過フィルタSBPF(2.0GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図15は、デュアルバンド帯域通過フィルタDBPFの偶モード共振(2.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図12〜図15に示すように、図11に示した8段トリバンド帯域通過フィルタは、優れた周波数特性を有している。
(実施の形態2)
<マルチバンド帯域通過フィルタの構成>
次に、図16を参照して、実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタの構成について説明する。図16は、実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。
図16に示すように、実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタは、入力側給電線FLi、出力側給電線FLo、デュアルバンド共振器DBR1、デュアルバンド共振器DBR2を備えている。すなわち、図1に示した実施の形態1に係るマルチバンド帯域通過フィルタが備えるシングルバンド共振器SBR2に代えて、デュアルバンド共振器DBR2を備えている。
実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタは、1本の入力側給電線FLiに対しデュアルバンド共振器DBR1と他の共振器であるデュアルバンド共振器DBR2とが配置されたクワッドバンド帯域通過フィルタである。
図16に示すように、デュアルバンド共振器DBR2は、デュアルバンド共振器DBR1と同様に、メアンダライン型のシングルバンド共振器SBR3にスタブSTが装荷されたスタブ装荷メアンダライン共振器である。デュアルバンド共振器DBR2は、y軸に平行に延設された入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoの間において、両者に近接配置されている。
また、デュアルバンド共振器DBR2は、入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoの端子側に配置されている。デュアルバンド共振器DBR2において、スタブSTはシングルバンド共振器SBR3のy軸正方向側に形成されている。デュアルバンド共振器DBR2、入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoからデュアルバンド帯域通過フィルタDBPF2が構成されている。
なお、デュアルバンド共振器DBR1、入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoからデュアルバンド帯域通過フィルタDBPF1が構成されている。
ここで、図16に示すように、デュアルバンド共振器DBR2は、図1に示したシングルバンド共振器SBR2に比べ、デュアルバンド共振器DBR1から離間して配置されている。デュアルバンド共振器DBR2の外部Q値を設計値に一致させるためである。
ここで、詳細には後述する図17に示すように、デュアルバンド共振器DBR1、DBR2の間に図1に示したシングルバンド共振器SBR2を挿入すれば、ペンタバンド帯域通過フィルタを構成することもできる。
また、デュアルバンド共振器DBR1、DBR2の間で、例えば入力側給電線FLi及び出力側給電線FLoを互いに内側に張り出すように屈曲させてもよい。これにより、外部Q値にほとんど影響を与えることなく、デュアルバンド共振器DBR1、DBR2を接近させ、省スペース化を図ることができる。
実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタでは、デュアルバンド共振器DBR1とデュアルバンド共振器DBR2とがy軸方向に沿って並んで配置されている。そのため、詳細には後述する図17に示すように、このy軸方向に並んだデュアルバンド共振器DBR1とデュアルバンド共振器DBR2とをx軸方向に並べることによって、容易に多段化することができる。ここで、導体膜として超伝導膜を用いれば、多段化によって急峻な遮断特性を得つつ、損失の上昇を抑制することができる。すなわち、帯域通過フィルタに要求される急峻な遮断特性と低損失とを両立させることができる。
<多段マルチバンド帯域通過フィルタの構成及び周波数特性>
次に、図17を参照して、実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した多段マルチバンド帯域通過フィルタの構成について説明する。図17は、実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した3段ペンタバンド帯域通過フィルタを示す模式的平面図である。
図17に示すように、実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタを適用した3段ペンタバンド帯域通過フィルタは、入力側給電線FLiと出力側給電線FLoとの間に、3個のデュアルバンド共振器DBR11〜DBR13、3個のシングルバンド共振器SBR21〜SBR23、3個のデュアルバンド共振器DBR21〜DBR23を備えている。デュアルバンド共振器DBR11〜DBR13は、それぞれスタブSTが装荷されたシングルバンド共振器SBR11〜SBR13から構成されている。デュアルバンド共振器DBR21〜DBR23は、それぞれスタブSTが装荷されたシングルバンド共振器SBR31〜SBR33から構成されている。
3個のデュアルバンド共振器DBR11〜DBR13は、入力側給電線FLi側から出力側給電線FLo側に向かって並べて配置されている。同様に、3個のシングルバンド共振器SBR21〜SBR23は、入力側給電線FLi側から出力側給電線FLo側に向かって並べて配置されている。同様に、3個のデュアルバンド共振器DBR21〜DBR23は、入力側給電線FLi側から出力側給電線FLo側に向かって並べて配置されている。
図17に示した3段トリバンド帯域通過フィルタは、一点鎖線で示した中心軸に対して線対称な形状を有している。当該中心線は、x軸方向中央部に位置するデュアルバンド共振器DBR12、DBR22及びシングルバンド共振器SBR22の中心線でもある。そのため、デュアルバンド共振器DBR11、DBR21及びシングルバンド共振器SBR21の形状及び配置関係は、デュアルバンド共振器DBR13、DBR23及びシングルバンド共振器SBR23の形状及び配置関係と同様である。デュアルバンド共振器DBR11、DBR21及びシングルバンド共振器SBR21の形状及び配置関係は、図16に示したデュアルバンド共振器DBR1、DBR2の間に図1に示したシングルバンド共振器SBR2が挿入されたものである。
x軸方向中央部に位置するデュアルバンド共振器DBR12は、図17においてデュアルバンド共振器DBR11を上下反転させて配置されている。すなわち、デュアルバンド共振器DBR11では、スタブSTがy軸正方向側に配置されているのに対し、デュアルバンド共振器DBR12では、スタブSTがy軸負方向側に配置されている。
ここで、隣接するデュアルバンド共振器DBR11のスタブSTと、デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR11のシングルバンド共振器SBR11と、デュアルバンド共振器DBR12のスタブSTも、U字導波路UWによって結合されている。そして、デュアルバンド共振器DBR11のシングルバンド共振器SBR11と、デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12とは、H字導波路HWによって結合されている。
同様に、隣接するデュアルバンド共振器DBR12のスタブSTと、デュアルバンド共振器DBR13のシングルバンド共振器SBR13とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12と、デュアルバンド共振器DBR13のスタブSTも、U字導波路UWによって結合されている。そして、デュアルバンド共振器DBR12のシングルバンド共振器SBR12と、デュアルバンド共振器DBR13のシングルバンド共振器SBR13とは、H字導波路HWによって結合されている。
シングルバンド共振器SBR22は、図17においてシングルバンド共振器SBR21を上下反転させて配置されている。すなわち、シングルバンド共振器SBR21では、開放端がy軸正方向側に配置されているのに対し、シングルバンド共振器SBR22では、開放端がy軸負方向側に配置されている。
シングルバンド共振器SBR21〜SBR23において隣接するシングルバンド共振器同士はH字導波路HWによって結合されている。
x軸方向中央部に位置するデュアルバンド共振器DBR22は、図17においてデュアルバンド共振器DBR21を上下反転させて配置されている。すなわち、デュアルバンド共振器DBR21では、スタブSTがy軸正方向側に配置されているのに対し、デュアルバンド共振器DBR22では、スタブSTがy軸負方向側に配置されている。
ここで、隣接するデュアルバンド共振器DBR21のスタブSTと、デュアルバンド共振器DBR22のシングルバンド共振器SBR32とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR21のシングルバンド共振器SBR31と、デュアルバンド共振器DBR22のスタブSTも、U字導波路UWによって結合されている。そして、デュアルバンド共振器DBR21のシングルバンド共振器SBR31と、デュアルバンド共振器DBR22のシングルバンド共振器SBR32とは、H字導波路HWによって結合されている。
同様に、隣接するデュアルバンド共振器DBR22のスタブSTと、デュアルバンド共振器DBR23のシングルバンド共振器SBR33とは、U字導波路UWによって結合されている。デュアルバンド共振器DBR22のシングルバンド共振器SBR32と、デュアルバンド共振器DBR23のスタブSTも、U字導波路UWによって結合されている。そして、デュアルバンド共振器DBR22のシングルバンド共振器SBR32と、デュアルバンド共振器DBR23のシングルバンド共振器SBR33とは、H字導波路HWによって結合されている。
実施の形態2に係るマルチバンド帯域通過フィルタでは、分岐せずにy軸方向に延設された入力側給電線FLiに近接配置された2つのデュアルバンド共振器DBR11、DBR21とシングルバンド共振器SBR21とがy軸方向に沿って並んで配置されている。そのため、このy軸方向に並んだ2つのデュアルバンド共振器とシングルバンド共振器とをx軸方向に並べることによって、容易に多段化することができる。特に、導体膜として超伝導膜を用いれば、多段化によって急峻な遮断特性を得つつ、損失の上昇を抑制することができる。すなわち、帯域通過フィルタに要求される急峻な遮断特性と低損失とを両立させることができる。
図18〜図23に、図17に示した3段ペンタバンド帯域通過フィルタの周波数特性のシミュレーション結果を示す。シミュレーションでは、誘電体基板としてサファイア基板、導体膜としてYBaCu膜を想定した。
図18は、5つの周波数帯域に亘る通過特性S21を示すグラフである。
図19は、デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF1の奇モード共振(1.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図20は、シングルバンド帯域通過フィルタSBPF(1.7GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図21は、デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF2の奇モード共振(2.0GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図22は、デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF1の偶モード共振(2.5GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図23は、デュアルバンド帯域通過フィルタDBPF2の偶モード共振(3.0GHz)での反射特性S11及び通過特性S21を示すグラフである。
図18〜図23に示すように、図17に示した3段ペンタバンド帯域通過フィルタは、優れた周波数特性を有している。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
C、C11〜C14、C21〜C24 ヘアピンコーナー
DBPF、DBPF1、DBPF2 デュアルバンド帯域通過フィルタ
DBR1、DBR11〜DBR18 デュアルバンド共振器
DBR2、DBR21〜DBR23 デュアルバンド共振器
FLi 入力側給電線
FLo 出力側給電線
GP グランド面
HP ヘアピン部
HW H字導波路
IN 入力端子
M1、M2 蛇行部
OE1、OE11、OE12、OE2 開放端
OUT、OUT1〜OUT3 出力端子
SBPF シングルバンド帯域通過フィルタ
SBR1、SBR11〜SBR18 シングルバンド共振器
SBR2、SBR21〜SBR28 シングルバンド共振器
SBR3、SBR31〜SBR33 シングルバンド共振器
ST スタブ
SUB 誘電体基板
SW S字導波路
UW U字導波路

Claims (10)

  1. 一端が入力端子に接続されると共に他端が開放され、分岐せずに第1の方向に延設された入力側給電線と、
    一端が出力端子に接続されると共に他端が開放され、分岐せずに前記入力側給電線と平行に延設された出力側給電線と、
    前記入力側給電線と前記出力側給電線との間において、前記入力側給電線に沿って配置されたデュアルバンド共振器と、
    前記入力側給電線と前記出力側給電線との間において、前記入力側給電線に沿って配置されると共に、前記第1の方向に沿って前記デュアルバンド共振器と並んで配置された共振器と、を備え、
    前記入力端子に接続された前記入力側給電線の一端と、前記出力端子に接続された前記出力側給電線の一端とが、前記第1の方向の同じ側に位置し、
    前記デュアルバンド共振器及び前記共振器は、いずれも、
    一対の開端から前記第1の方向に平行に延びると共に、互いに対向する一対の直線部を有する開回路である、
    マルチバンド帯域通過フィルタ。
  2. 前記第1の方向に沿って並んで配置された前記デュアルバンド共振器と前記共振器とが、前記入力側給電線と前記出力側給電線との間において、前記第1の方向と異なる第2の方向に複数並んで配置され、多段化されている、
    請求項1に記載のマルチバンド帯域通過フィルタ。
  3. 前記デュアルバンド共振器と前記共振器とは、超伝導膜から構成されている、
    請求項2に記載のマルチバンド帯域通過フィルタ。
  4. 前記デュアルバンド共振器は、メアンダライン型のシングルバンド共振器にスタブが装荷された共振器である、
    請求項1に記載のマルチバンド帯域通過フィルタ。
  5. 前記共振器は、シングルバンド共振器である、
    請求項1に記載のマルチバンド帯域通過フィルタ。
  6. 前記デュアルバンド共振器は、第1のデュアルバンド共振器であり、
    前記共振器は、第2のデュアルバンド共振器である、
    請求項1に記載のマルチバンド帯域通過フィルタ。
  7. 前記第1及び第2のデュアルバンド共振器の間に、シングルバンド共振器が設けられている、
    請求項6に記載のマルチバンド帯域通過フィルタ。
  8. 分岐せずに第1の方向に延設された入力側給電線に、デュアルバンド共振器と共振器とを第1の方向に沿って並べて配置する、マルチバンド帯域通過フィルタの設計方法であって、
    前記デュアルバンド共振器の外部Q値を調整した後、
    前記第1の方向に沿って前記共振器の位置を変化させ、前記共振器の外部Q値を調整する、
    マルチバンド帯域通過フィルタの設計方法。
  9. 前記デュアルバンド共振器の外部Q値を調整する際、
    前記入力側給電線の長さを変化させ、前記デュアルバンド共振器の2つの共振モードにおける外部Q値を一致させる、
    請求項8に記載のマルチバンド帯域通過フィルタの設計方法。
  10. 前記デュアルバンド共振器の外部Q値を調整する際、
    一致させた前記デュアルバンド共振器の2つの共振モードにおける外部Q値を、前記入力側給電線の幅を変化させることによって設計値に近付ける、
    請求項9に記載のマルチバンド帯域通過フィルタの設計方法。
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