JP6941559B2 - 膜エレメントおよび膜分離機器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば膜分離活性汚泥法(MBR)と称される分野で汚泥と処理水との分離のために用いられる膜エレメントおよび膜エレメントを備えた膜分離機器に関するものである。
従来、この種の膜エレメントとしては、例えば図9に示すように、樹脂製のろ板101の両面にろ過膜102を接合したものがあり、ろ過膜102の周縁部102aが熱溶着又は超音波溶着によってろ板101に固着されている。ろ板101とろ過膜102との間およびろ板101の内部には透過液流路(図示省略)が形成され、透過液流路に連通する透過液取出口103がろ板101の上端縁に設けられている。
図10の実線で示すように、上記のような膜エレメント104は、膜ケース(図示省略)内に、所定間隔おきに複数配列されている。
これによると、ろ過運転を行っている際、被処理液は、ろ過膜102を一次側から二次側へ通過してろ過され、その後、透過液105として透過液流路を流れ、透過液取出口103から外部へ取り出される。また、ろ過運転を停止し、膜エレメント104を逆洗する際、逆洗用水を透過液取出口103から透過液流路に注入する。これにより、逆洗用水がろ過膜102を二次側から一次側へ通過し、ろ過膜102が逆洗される。
このような膜エレメント104では、ろ過膜102の全体がろ板101に固着しているのではなく、ろ過膜102の周縁部102aのみがろ板101に溶着されているため、ろ過膜102を逆洗している際、図10の仮想線で示すように、ろ過膜102が外向き(一次側)に膨出し、隣の膜エレメント104のろ過膜102と接触することがあった。このように、隣り同士の膜エレメント104のろ過膜102が膨出して接触してしまうと、逆洗の効果が低下する虞があった。また、長期にわたり二次側へ逆洗用水を導入することで、ろ過膜102が外向きに膨出し、ろ過膜102の周縁部102aの溶着部分が開口する虞があった。
このような問題を解決するために、図11に示すように、第一ろ過膜111と、第二ろ過膜112と、これら両ろ過膜111,112の間に設けられた排液織布113と、第一ろ過膜111と排液織布113とを接着する第一接着性ネット114と、第二ろ過膜112と排液織布113とを接着する第二接着性ネット115とを有する膜エレメント116がある。尚、排液織布113は、ループを形成するように編んだ三次元構造のスペーサ布地(スペーサーファブリック)である。
第一ろ過膜111と第二ろ過膜112との間に排液織布113と接着性ネット114,115とを積層して、加熱ロールで圧延することにより、接着性ネット114,115が一時的に融解し、第一接着性ネット114を介して第一ろ過膜111と排液織布113とが接着されるとともに、第二接着性ネット115を介して第二ろ過膜112と排液織布113とが接着され、膜エレメント116が完成する。
尚、上記のような膜エレメント116は例えば下記特許文献1に記載されている。
また、下記特許文献2には、溶剤に溶かした液状の膜材料樹脂(以下「ドープ」と言う)を、スペーサーファブリックの片側又は両側の面(フェース)に直接塗布し、相分離法によってろ過膜層をスペーサーファブリックのフェース上に形成することが記載されている。
特表2011−519716 WO 2006/015461 A1
しかしながら上記特許文献1に挙げた従来形式では、図11に示したように、膜エレメント116を製作するには、排液織布113とろ過膜111,112と接着性ネット114,115とが必要になるため、膜エレメント116を構成する部品の種類が増えるといった問題がある。
また、上記特許文献2については、スペーサーファブリックの内部空間はろ過膜層を透過した透過液の通り道となるのであるが、ドープをスペーサーファブリックのフェースに直接塗布した際、ドープの粘性が低いと、ドープがスペーサーファブリックの内部空間に侵入して固化し、スペーサーファブリックの内部における透過液の流れが妨げられる虞がある。
本発明は、構成部品の種類を減らすことが可能な膜エレメントおよび膜分離機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明における膜エレメントは、流路材の少なくとも片面にろ過膜が接合され、
流路材は、多数の繊維を有する不織布からなり、繊維間に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
流路材を構成する繊維のうちの一部の繊維はろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有し、
流路材の表面において、ろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有する繊維に、この繊維の軟化点よりも高い軟化点を有する繊維が混ざっているものである。
これによると、流路材上にろ過膜を配置し、流路材を形成している不織布の一部の繊維の軟化点以上の温度に加熱することによって、流路材を構成する繊維のうちの一部の繊維が軟化してろ過膜に絡み付くため、ろ過膜が流路材に接合される。このように、流路材とろ過膜とで膜エレメントを製作することができるため、接着性ネット等の接着専用の部材を流路材とろ過膜との間に介在させる必要が無く、膜エレメントを構成する部品の種類を減らすことができる。
また、上記のように加熱温度を、ろ過膜の軟化点の温度よりも低く、流路材の不織布の一部の繊維の軟化点以上の温度にしているため、ろ過膜が軟化してろ過膜の孔径分布が変化してしまうのを防止することができる。
本第2発明における膜エレメントは、流路材は、表面に、ろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有する第1の繊維を有するとともに、内部に、第1の繊維の軟化点よりも高い軟化点を有する第2の繊維を有するものである。
これによると、流路材の表面にろ過膜を配置し、流路材の表面の第1の繊維の軟化点以上の温度に加熱することによって、流路材の表面の第1の繊維が軟化してろ過膜に絡み付くため、ろ過膜が流路材の表面に接合される。
この際、流路材の内部にある第2の繊維の軟化点は流路材の表面の第1の繊維の軟化点よりも高いため、第2の繊維が軟化するのを防止することができる。これにより、第2の繊維が軟化して流路材の厚さが大幅に減少してしまうのを抑制することができる。
本第3発明における膜エレメントは、流路材を構成する不織布の繊維の表面はろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有し、
流路材を構成する不織布の繊維の内部は表面の軟化点よりも高い軟化点を有するものである。
これによると、流路材の表面にろ過膜を配置し、流路材の繊維の表面の軟化点以上の温度に加熱することによって、流路材の繊維の表面が軟化してろ過膜に絡み付くため、ろ過膜が流路材の表面に接合される。
この際、流路材の繊維の内部の軟化点は繊維の表面の軟化点よりも高いため、繊維全体が軟化するのを防止することができる。これにより、繊維全体が軟化して流路材の厚さが大幅に減少してしまうのを抑制することができる。
本第4発明における膜エレメントは、ろ過膜が流路材の表裏両面に接合されたものである。
本第5発明における膜エレメントは、ろ過膜はPTFEを材質とする多孔膜を有するものである。
本第6発明は、上記第1発明から第5発明のいずれか1項に記載の膜エレメントを備えた膜分離機器であって、
複数の膜エレメントを支持する支持部材を備え、
支持部材は内部に集水空間を有し、
各膜エレメントの端部が集水空間に挿入され、
透過液が流路材の空隙を通って支持部材の集水空間に流れ込むものである。
これによると、膜分離機器を被処理液中に浸漬させた状態で、ろ過運転を行うことにより、被処理液は、膜エレメントのろ過膜を一次側から二次側へ通過してろ過され、その後、透過液として、流路材の内部の微小な空隙に流れ込み、流路材内の微小な空隙を通って、支持部材の集水空間に流出する。
以上のように本発明によると、流路材とろ過膜とで膜エレメントを製作することができるため、接着性ネット等の接着専用の部材が不要になり、膜エレメントを構成する部品の種類を減らすことができる。
本発明の第1の実施の形態における複数台の膜分離機器を用いた膜分離装置の正面図である。 同、膜分離機器の斜視図である。 同、膜分離機器の断面図である。 同、膜分離機器の膜エレメントの構成を示す一部切欠き斜視図である。 同、膜エレメントの断面を拡大した模式図である。 同、膜エレメントの流路材の一部拡大斜視図である。 本発明の第2の実施の形態における膜エレメントの断面を拡大した模式図である。 本発明の第3の実施の形態における膜エレメントの流路材の繊維の断面を拡大した模式図である。 従来の膜エレメントの正面図である。 同、膜エレメントの側面図であり、複数の膜エレメントを所定間隔おきに配置した状態を示す。 別の従来の膜エレメントの構成を示す一部切欠き斜視図である。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は膜ろ過を行う浸漬型の膜分離装置であり、有機性排水等の被処理液2に浸漬されて処理槽3内に設置されている。膜分離装置1は、上下方向に積み重ねられた複数台の膜分離機器5(膜ろ過モジュールとも言う)と、最下段に設けられた散気装置6とを有している。
図2,図3に示すように、膜分離機器5は、左右一対の集水ケース11(支持部材の一例)と、これら両集水ケース11間に支持されている複数の膜エレメント12と、前後一対の連結板13とを有している。集水ケース11は内部に集水空間15を有する中空状の部材である。また、連結板13は両集水ケース11の前端部間および後端部間にそれぞれ設けられている。
尚、下位の膜分離機器5の集水ケース11内の集水空間15と上位の膜分離機器5の集水ケース11内の集水空間15とは、各集水ケース11に形成された連通口16によって連通している。
集水ケース11の内側壁17には、上下方向に細長い複数の貫通孔が形成され、各膜エレメント12の左右両端部が各貫通孔に挿入されて集水空間15内に突入している。
図4,図5に示すように、膜エレメント12は、例えば四角形のシート状の部材であり、流路材21と、流路材21の表裏両面に接合されたろ過膜22とを有している。
図6に示すように、流路材21は、多数の繊維24を有する不織布からなり、蜘蛛の巣のように複雑に絡み合った繊維24間に、ろ過膜22を透過した透過液33が流れる微小な空隙32を有している。流路材21の繊維24はろ過膜22の軟化点T1よりも低い軟化点T2を有している。
尚、軟化点とは、樹脂等が軟化して変形するときの温度であり、例えば、流路材21の繊維24の材質には、約55℃〜90℃の軟化点T2を有するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられている。
また、流路材21の坪量は例えば300〜600g/mであり、その厚さは例えば1〜3mmである。
ろ過膜22は、多数の微細孔を有する多孔質の樹脂層22a(多孔膜)を外面側に有するとともに、この樹脂層22aを支持する不織布等の樹脂層支持体22bを内面側に有している。上記多孔質の樹脂層22aには、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられている。また、樹脂層支持体22bの材質には、例えば、260℃〜280℃の軟化点T1(樹脂層支持体22bの軟化点T1)を有するポリエチレンテレフタラート(PET)が用いられている。
以下、上記構成における作用を説明する。
膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、これら流路材21と両ろ過膜22との3つの部材を、上下一対の加熱ロール間に挿通して、圧縮しながら加熱する。
この際、流路材21を形成している繊維24の温度が軟化点T2(すなわち55℃〜90℃)に到達するように加熱することにより、流路材21の繊維24が軟化してろ過膜22の樹脂層支持体22bに絡み付くため、ろ過膜22が流路材21の表裏両面に接合される。尚、実際には、圧延時に、熱は上下の加熱ロールからろ過膜22を介して繊維24に伝わるため、加熱温度はT2よりも高い100℃〜140℃が用いられる。
この時、ろ過膜22は、流路材21の繊維24と接触している多数の接触点において、接合される。また、上記のように加熱温度を、ろ過膜22の樹脂層支持体22bの軟化点T1の温度(すなわち260℃〜280℃)と流路材21の繊維24の軟化点T2の温度(すなわち55℃〜90℃)との間にしているため、ろ過膜22が軟化するのを防止することができる。これにより、ろ過膜22の孔径分布が変化したり、ろ過膜22に皺が生じるのを防ぐことができる。
このように、流路材21とろ過膜22とで膜エレメント12を製作することができるため、接着性ネット等の接着専用の部材を流路材21とろ過膜22との間に介在させる必要が無くなり、膜エレメント12を構成する部品の種類を減らすことができる。尚、上記のように流路材21とろ過膜22とを加熱ロールで加熱する際の温度は100℃〜140℃、好ましくは115℃〜125℃である。
また、本発明の膜エレメント12は加熱することによってろ過膜22を流路材21に融着しており、従来のように溶剤に溶かしたドープをスペーサーファブリックのフェースに直接塗布してろ過膜層を形成するものではないため、透過液33の通り道となる流路材21内の微小な空隙32(内部空間)に、ドープが侵入して固化することはない。
このようにして製作された可撓性を有する膜エレメント12が備えられた膜分離機器5を、図1〜図3に示すように、被処理液2中に浸漬した状態で、ろ過運転を行う。これにより、被処理液2は、膜エレメント12のろ過膜22を一次側から二次側へ通過してろ過され、その後、透過液33として、流路材21の内部の微小な空隙32に流れ込み、流路材21内の微小な空隙32を通って集水ケース11内の集水空間15に流出し、連通孔16を通って最上位の膜分離機器5の集水ケース11内から槽外へ取り出される。
上記第1の実施の形態では、流路材21の繊維24の材質に、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン(PE)等を用いてもよい。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図7に示すように、流路材21は、表裏両面に、ろ過膜22の樹脂層支持体22bの軟化点T1よりも低い軟化点T3を有する多数の第1の繊維41を備えているとともに、内部に、第1の繊維41の軟化点T3よりも高い軟化点T4を有する多数の第2の繊維42を備えている。
第1の繊維41の材質には、例えば、約55℃〜90℃の軟化点T3を有するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられている。また、第2の繊維42には、例えば、260℃以上の軟化点T4を有するポリエチレンテレフタラート(PET)が用いられている。
尚、流路材21は、第2の繊維42からなる不織布42Aの表裏両面に第1の繊維41を吹き付けて第1の繊維41の層41Aを形成することにより、一枚のシート状の部材に製作される。
以下、上記構成における作用を説明する。
膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、これら流路材21と両ろ過膜22との3つの部材を、上下一対の加熱ロール間に挿通して、圧縮しながら加熱する。
この際、流路材21の表裏両面の第1の繊維41が軟化点T3(すなわち55℃〜90℃)に到達するように加熱することにより、流路材21の第1の繊維41が軟化してろ過膜22の樹脂層支持体22bに絡み付くため、ろ過膜22が流路材21の表裏両面に接合される。
この時、ろ過膜22は、流路材21の第1の繊維41と接触している多数の接触点において、接合される。また、上記のように加熱温度を、ろ過膜22の樹脂層支持体22bの軟化点T1(すなわち260℃〜280℃)と流路材21の第1の繊維41の軟化点T3(すなわち55℃〜90℃)との間にしているため、ろ過膜22が軟化するのを防止することができる。
さらに、流路材21の内部にある第2の繊維42の軟化点T4は流路材21の表裏両面の第1の繊維41の軟化点T3よりも高い温度であるため、第2の繊維42が軟化するのを防止することができる。これにより、第2の繊維42が軟化して流路材21の厚さが大幅に減少してしまうのを抑制することができる。
上記第2の実施の形態では、流路材21の表裏両面に、ろ過膜22の樹脂層支持体22bの軟化点T1よりも低い軟化点T3を有する第1の繊維41の層を備えているが、第1の繊維41の層に、軟化点T3よりも高い軟化点を有する繊維(例えば材質がポリエチレンテレフタラートの繊維)を所定の割合で混在させてもよい。
これよると、膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、第1の繊維41の軟化点T3の温度に加熱した場合、流路材21の表裏両面が溶けてろ過膜22の樹脂層支持体22bの繊維間の空隙および樹脂層22aの微細孔を塞いでしまうのを抑制することができる。
上記第2の実施の形態では、流路材21の第1の繊維41の材質に、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン(PE)等を用いてもよい。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、図8に示すように、流路材21を構成する繊維24は、芯鞘構造となっており、内部にある芯24aと、芯24aの外周を覆う表面の鞘24bとを有している。鞘24bは第1の樹脂で構成され、芯24aは第2の樹脂で構成されている。第2の樹脂で構成された芯24aの軟化点T6は第1の樹脂で構成された鞘24bの軟化点T5よりも高い。
第1の樹脂の材質には、例えば、約55℃〜90℃の軟化点T5を有するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)が用いられている。また、第2の樹脂には、例えば、80℃〜120℃以上の軟化点T6を有するポリエチレン(PE)が用いられている。
尚、流路材21は、例えば金属製の二重管の内側から溶融したPE樹脂を、外側から溶融したEVA樹脂を、同時に吹き出すことによって、芯24aがPE、鞘24bがEVAで構成される繊維24からなる一枚のシート状の接着性ネットに製作される。
以下、上記構成における作用を説明する。
膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、これら流路材21と両ろ過膜22との3つの部材を、上下一対の加熱ロール間に挿通して、圧縮しながら加熱する。
この際、流路材21の繊維24の鞘24bが軟化点T5(すなわち55℃〜90℃)に到達するように加熱することにより、流路材21の繊維24の鞘24bが軟化してろ過膜22の樹脂層支持体22bに絡み付くため、ろ過膜22が流路材21の表裏両面に接合される。
この時、ろ過膜22は、流路材21の繊維24と接触している多数の接触点において、接合される。また、上記のように加熱温度を、ろ過膜22の樹脂層支持体22bの軟化点T1(すなわち260℃〜280℃)と流路材21の繊維24の鞘24bの軟化点T5(すなわち55℃〜90℃)との間にしているため、ろ過膜22が軟化するのを防止することができる。
さらに、流路材21の繊維24の芯24aを構成する第2の樹脂の軟化点T6は、上記繊維24の鞘24bを構成する第1の樹脂の軟化点T5よりも高い温度であるため、流路材21の繊維24が軟化するのを防止することができる。これにより、流路材21の繊維24が軟化して流路材21の厚さが大幅に減少してしまうのを抑制することができる。
上記第3の実施の形態では、流路材21は、ろ過膜22の樹脂層支持体22bの軟化点T1よりも低い軟化点T5を有する樹脂で覆われている繊維24からなるが、この繊維24に、軟化点T5よりも高い軟化点を有する繊維(例えば材質がポリエチレンの繊維)を所定の割合で混紡させてもよい。
これよると、膜エレメント12を製作する際、一対のろ過膜22間に流路材21を挟んで配置し、流路材21の繊維24の鞘24bの軟化点T5以上の温度に加熱した場合、鞘24bが溶けて樹脂層支持体22bの繊維間の空隙およびろ過膜22の樹脂層22aの微細孔を塞いでしまうのを抑制することができる。
上記第3の実施の形態では、流路材21の繊維24の鞘24bの材質にエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を、芯24aの材質にPEを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、鞘24bの材質にポリエチレン(PE)やポリアクリル酸系樹脂等、芯24aの材質に共重合ポリエステル等を用いてもよい。
上記各実施の形態では、流路材21の表裏両面にそれぞれろ過膜22を接合しているが、ろ過膜22を流路材21の表裏いずれか一面に接合し、他面側を水密にしてもよい。
上記各実施の形態において、ろ過膜22を接合する前の流路材21に、成形時若しくは後加工で、左右方向(図2の両集水ケース11間の方向)の溝又は切れ目を設け、透過液33が集水ケース11に向かって流れ易くしてもよい。
上記各実施の形態では、各軟化点T1〜T6を指標にしているが、軟化点T1〜T6の代わりに融点を指標にしてもよい。尚、融点を指標にする場合であっても、軟化点T1〜T6と同様の温度の高低関係が成立する。
また、上記各実施の形態において示したエチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリテトラフルオロエチレン等の材質および数値は、一例であって、これらに限定されるものではない。
5 膜分離機器
11 集水ケース(支持部材)
12 膜エレメント
15 集水空間
21 流路材
22 ろ過膜
24 繊維
32 微小な空隙
33 透過液
41 第1の繊維
42 第2の繊維
T1 ろ過膜の樹脂層支持体の軟化点
T2 流路材の繊維の軟化点
T3 第1の繊維の軟化点
T4 第2の繊維の軟化点
T5 繊維の鞘の軟化点
T6 繊維の芯の軟化点

Claims (6)

  1. 流路材の少なくとも片面にろ過膜が接合され、
    流路材は、多数の繊維を有する不織布からなり、繊維間に、ろ過膜を透過した透過液が流れる空隙を有し、
    流路材を構成する繊維のうちの一部の繊維はろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有し、
    流路材の表面において、ろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有する繊維に、この繊維の軟化点よりも高い軟化点を有する繊維が混ざっていることを特徴とする膜エレメント。
  2. 流路材は、表面に、ろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有する第1の繊維を有するとともに、内部に、第1の繊維の軟化点よりも高い軟化点を有する第2の繊維を有することを特徴とする請求項1記載の膜エレメント。
  3. 流路材を構成する不織布の繊維の表面はろ過膜の軟化点よりも低い軟化点を有し、
    流路材を構成する不織布の繊維の内部は表面の軟化点よりも高い軟化点を有することを特徴とする請求項1記載の膜エレメント。
  4. ろ過膜が流路材の表裏両面に接合されたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の膜エレメント。
  5. ろ過膜はPTFEを材質とする多孔膜を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の膜エレメント。
  6. 上記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の膜エレメントを備えた膜分離機器であって、
    複数の膜エレメントを支持する支持部材を備え、
    支持部材は内部に集水空間を有し、
    各膜エレメントの端部が集水空間に挿入され、
    透過液が流路材の空隙を通って支持部材の集水空間に流れ込むことを特徴とする膜分離機器。
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