JP6941451B2 - 水田雑草の防除方法 - Google Patents

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本発明は、水稲に対して薬害を示さない、簡便かつ省力的な雑草防除方法に関する。
水田における中干しとは、一般的に、水を落として田面に亀裂が入る程度まで田面を乾かす作業であり、水稲の有効分げつ決定期頃から最高分げつ期までの、いわゆる無効分げつ期間を中心に実施される(非特許文献1)。
中干し後の水田に発生する雑草を防除するための除草剤としては、液剤、粒剤、及びジャンボ剤等が知られている。
中干し後に使用される除草性活性成分を含有する除草性組成物(除草剤)としては、The Pesticide Manual 13th Edition(非特許文献2)に記載されているペノキススラムを有効成分とする茎葉処理型水田用除草剤のワイドアタック(登録商標)SC(ペノキススラム:3.6%)がよく知られている。その化合物の外、白化型除草性化合物及びアセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物等も知られている。
水田における除草剤散布を省力化する方法として、水口施用が広く知られている。水口施用とは、水口からの用水に除草剤を処理することで、水口からの水が水田全体に広がるのにあわせて除草剤を拡散させ、雑草を防除する方法である(特許文献1及び2)。
最新の稲作指導指針によれば、雑草防除のために、除草剤の使用は、処理時期、処理量、水管理等の使用基準を守ることが定められ、一発処理除草剤は、省力散布技術として田植同時散布が推奨されている(非特許文献3)。水口施用は、一般的に水稲栽培の初期段階(水稲苗の移植時、又はその直後)で実施されるのが慣行であり、例えば田植えと同時に水口施用が行われた例(非特許文献4)、田植えから7日後の水口施用された例(非特許文献5)、田植えから5日後の水口施用された例(非特許文献6)が挙げられる。
しかしながら、水稲の有効分げつ決定期頃から最高分げつ期までの期間を中心に実施される中干し後に雑草を防除するために水口施用を行うことは知られていない。
WO97/003558号公報 特開平8-133904号公報
作物学の基礎I食用作物、第42頁、後藤雄佐・新田洋司・中村聡(農文協)、2013年 The Pesticide Manual 13th Edition、第753-754頁、2003年 稲作指導指針、第93−95頁、秋田県農林水産部、平成27年 雑草研究、第35巻、第3号、第261−267頁、1990年 雑草研究、第40巻、第1号、第47−49頁、1995年 日本雑草学会、第53回大会講演要旨集、第37頁、2014年
現在、水田除草剤として数多くの除草剤が実用化され、単剤及び混合剤として広く一般に使用されているが、各種雑草の発芽及び生育時期は一様ではなく、その発生は長期に及んでいるため、一回の除草剤散布ですべての雑草を防除することは非常に困難である。また中干し後に除草剤を処理する場合、既存の中干し後に使用することができる除草剤は、機械を用いた散布が必要だったり、水田の中に入って散布する必要があったりするため、処理に時間を要し、作業者にとって大きな負担となっている。そのためより短時間に処理することができる雑草防除方法が求められている。
したがって、本発明の課題は、水稲に対して薬害を与えることなく、かつ水田雑草を省力的に防除する方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、驚くべきことに、中干し後の水田において除草性活性成分を水口に施用することで、省力的に重要雑草を防除でき、なおかつ、水稲に対しては薬害を生じないことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下[1]−[6]に関する。
[1]
中干し後の水田において、除草性活性成分を水口施用することを特徴とする雑草防除方法。
[2]
除草性活性成分を含有する液状の除草性組成物を水口施用する、上記[1]に記載の雑草防除方法。
[3]
除草性活性成分が白化型除草性化合物及び/又はアセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物である、上記[1]又は[2]に記載の雑草防除方法。
[4]
除草性活性成分がアセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物である、上記[1]ないし[3]のいずれか一つに記載の雑草防除方法。
[5]
除草性活性成分がペノキススラムである、上記[1]ないし[4]のいずれか一つに記載の雑草防除方法。
[6]
雑草がタイヌビエである、上記[1]ないし5に記載の雑草防除方法。
本発明の雑草防除方法は、水田において問題となる各種の雑草を防除し、かつ水稲に対しては問題となる薬害を示さない。
また、水口から入水すると同時に雑草を防除できるため、簡便かつ省力的に雑草防除をすることが可能であるので、本発明の雑草防除方法は、雑草防除作業に要する労力の低減を図ることができる。
試験例1、2及び6の試験形態を示す。 試験例3〜5、及び7の試験形態を示す。
本明細書において使用される定義及び用語について説明する。なお、本願の特許請求の範囲及び明細書中において用いられる各用語は、特に断わらない限り、農学や化学の分野において一般的に用いられる定義によるものとする。
本発明において、「中干し」とは、水田より落水し、田面を乾燥させることをいい、また「中干し後」は、中干しのための落水以降であれば、特に時期的な制限はない。
中干しまでの、例えば、土づくり、施肥法、育苗、本田の準備、苗の移植から活着(直播栽培を含む)、病害虫・除草防除、水の管理等の栽培方法は、一般的な方法を適宜選択して行うことができる。
本発明で使用する「除草性活性成分」は、雑草を防除する効果を有するものであれば、いずれの除草性活性成分であっても特に制限はなく、例えば、白化型除草性化合物、アセトラクテート合成酵素(以下、ALSともいう)阻害型除草性化合物、シハロホップブチル、メタミホップ、シメトリン、ジメタメトリン及びMCPB等が挙げられるが、好ましくは白化型除草性化合物及びALS阻害型除草性化合物、より好ましくはALS阻害型除草性化合物、さらに好ましくはトリアゾロピリミジン系除草性化合物、最も好ましくはペノキススラムである。
「白化型除草性化合物」とは、雑草を白化させて枯死させる、よく知られた除草性活性成分である。白化型除草性化合物としては、例えば、ピラゾール系除草性化合物、トリケトン系除草性化合物、クロマゾン、6−クロロ−3−(2−シクロプロピル−6−メチルフェノキシ)ピリダジン−4−イル モルホリン−4−カルボキシレート等が挙げられる。
本発明で用いられる白化型除草性化合物として、ピラゾール系除草性化合物等が好ましい。
「ピラゾール系除草性化合物」としては、例えば、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、及びベンゾフェナップ等が挙げられ、それぞれThe Pesticide Manual 13th Edition(非特許文献2)844-845、848-849、81頁に記載されている。これらの化合物は、HRAC分類体系のF2群に属する。本発明で用いられるピラゾール系除草性化合物として、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ等、特にピラゾレート等が好ましい。
「トリケトン系除草性化合物」としては、例えば、メソトリオン、スルコトリオン、ベンゾビシクロン等が挙げられ、それぞれThe Pesticide Manual 13th Edition 631-632、908-909、80頁に記載されている。また、テフリルトリオン(CAS No.473278-76-1)及びビシクロピロン(CAS No.352010-68-5)等もトリケトン系除草性化合物である。これらの化合物は、HRAC分類体系のF2群に属する。本発明で使用されるトリケトン系除草性化合物として、メソトリオン、ベンゾビシクロン、テフリルトリオン等が好ましい。
ピラゾール系除草性化合物及びトリケトン除草性化合物以外の白化型除草性化合物として、例えば、クロマゾン(CAS No.81777-89-1);及び下記一般式(I):
Figure 0006941451

で表される化合物、6−クロロ−3−(2−シクロプロピル−6−メチルフェノキシ)ピリダジン−4−イル モルホリン−4−カルボキシレート(以下、化合物(I)ともいう)等も白化型除草性化合物であり(特許文献1、非特許文献3)、好ましくは化合物(I)である。
「ALS阻害型除草性化合物」とは、ALSを阻害することで必須アミノ酸であるバリン、ロイシン及びイソロイシンの合成を阻害し雑草を枯死させる、よく知られた除草性化合物である。ALS阻害型除草性化合物としては、例えば、スルホニルウレア系除草性化合物、ピリミジニルサリチル酸系除草性化合物、及びトリアゾロピリミジン系除草性化合物等が挙げられる。
本発明で用いられるALS阻害型除草性化合物として、トリアゾロピリミジン系除草性化合物等、特にペノキススラム等が好ましい。
「スルホニルウレア系除草性化合物」としては、例えば、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、ハロスルフロンメチル、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、クロリムロンエチル、シノスルフロン、及びメトスルフロンメチル等が挙げられ、それぞれThe Pesticide Manual 13th Edition 46-47、73-74、222-223、523-524、386-387、560-561、847-848、161-162、184-185、677-678頁に記載されている。また、フルセトスルフロン(CAS No.412928-75-7)、プロピリスルフロン(CAS No.570415-88-2)、及びメタゾスルフロン(CAS No.868680-84-6)等もスルホニルウレア系除草性化合物である。本発明で用いられるスルホニルウレア系除草性化合物として、アジムスルフロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、ハロスルフロンメチル、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、フルセトスルフロン、プロピリスルフロン、メタゾスルフロン等、特にプロピリスルフロン等が好ましい。
「ピリミジニルサリチル酸系除草性化合物」としては、例えば、ビスピリバック、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、ピリチオバック、及びピリミノバックメチル等が挙げられ、それぞれThe Pesticide Manual 13th Edition 96-97、852-853、860-861、863-864頁に記載されている。また、ピリミスルファン(CAS No.221205-90-9)及びトリアファモン(CAS No.874195-61-6)等もピリミジニルサリチル酸系除草性化合物である。本発明で用いられるピリミジニルサリチル酸系除草性化合物として、ビスピリバック、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、トリアファモン等が好ましい。
「トリアゾロピリミジン系除草性化合物」としては、例えば、ペノキススラム等が挙げられ、The Pesticide Manual 13th Edition、第753-754頁、2003年に記載されている。本発明で用いられるトリアゾロピリミジン系除草性化合物として、ペノキススラムが好ましい。
本発明の防除方法では、「除草性活性成分」は、単一であっても、2以上の組み合わせであってもよい。例えば、当該除草性活性成分は、白化型除草性化合物及び/又はALS阻害型除草性化合物であってもよい。ここにおいて、「白化型除草性化合物」は、1又は2以上の白化型除草性化合物であってもよく、「ALS阻害型除草性化合物」は、1又は2以上のALS阻害型除草性化合物であってもよい。具体的には、当該除草性活性成分が、(1)1又は2以上の白化型除草性化合物、及び1又は2以上のALS阻害型除草性化合物である場合、(2)1又は2以上の白化型除草性化合物である場合、ならびに(3)1又は2以上のALS阻害型除草性化合物である場合が例示される。
これらの除草性活性成分の所定の作用機序および分類に関しては、例えば、「平成24年度水稲関係除草剤試験申請書綴(試験計画及び薬剤特性)」(公益財団法人 日本植物調節剤研究協会)、「HRAC(Herbicide Resistance Action Committee), According to HRAC classification on mode of action 」に記載されている。
本発明の施用方法は、通常、初期剤又は一発処理剤との体系処理で実施されるが、特に限定されるものではなく、他の除草剤との体系処理と共に実施されても良く、単独で実施されても良い。本発明の施用方法は、初期剤又は一発処理剤などの他の除草剤による処理の後に実施されるのが好ましい。
本発明の防除方法では、本発明の除草性活性成分は、中干し後に行われる田への入水時に水口施用される。
水口施用とは、水田雑草の防除等に用いられる公知の施用であり、水を水口から田に入水する時に、その水に除草性活性成分が含まれるようにすることをいう。例えば、本発明の除草性活性成分を、水口からの用水又は水口に向かう用水に滴下したり、あるいは用水に浸かるように水口又はその近辺に固定したりすることで、水口から田に入水する水に除草性活性成分を含ませることができる。水口施用により、除草性活性成分は、入水した水の流れに乗り、水田に容易に拡散していくことができ、簡便かつ省力的に雑草防除を行うことが可能である。
本発明の防除方法において、除草性活性成分は、中干し後に水口施用されればよく、その施用時期は特に制限されない。
本発明の防除方法において、除草性活性成分の施用量は、当該除草性活性成分の除草効果の程度などにもよるが、10アール当たり、0.1g〜1000g、好ましくは0.5g〜500g、より好ましくは1g〜300gであってもよい。
本発明の施用に係る雑草としては、特に制限はないが、水田において問題となる種々の雑草、例えば、タイヌビエ等のイネ科雑草;アゼナ、アブノメ等のゴマノハグサ科雑草;コナギ、ミズアオイ等のミズアオイ科雑草;タマガヤツリ、イヌホタルイ、マツバイ等のカヤツリグサ科雑草;クサネム等のマメ科雑草;ホソバヒメミソハギ等のミソハギ科雑草;及び/又はウリカワ、オモダカ、ヘラオモダカ等のオモダカ科雑草が挙げられる
本発明の防除方法において、除草性活性成分は除草性組成物の形態で水口施用してもよい。当該除草性組成物は、単一もしくは2以上の除草性活性成分、好ましくは、単一もしくは2以上の白化型除草性化合物及び/又は単一もしくは2以上のALS阻害型除草性化合物を活性成分として含有することができ、当該除草性活性成分以外に殺菌剤、殺虫剤、薬害軽減剤、又は植調剤を一種又は二種以上同時に含有してもよい。
殺菌剤としては、例えば、シメコナゾール、トルプロカルブ、及びヒメキサゾール等が挙げられる。殺虫剤としては、例えば、エトフェンプロックス及びジノテフラン等が挙げられる。薬害軽減剤としては、例えば、ダイムロン等が挙げられる。植調剤としては、例えば、ウニコナゾールP等が挙げられる。
本発明に用いられる除草性活性成分や除草性組成物は、通常水田で使用される製剤形態のいずれでも使用することができ、例えば、液剤、乳剤、水性懸濁剤、油懸濁剤、フロアブル剤、及びエマルジョン製剤等の液状製剤、並びに粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、及び微粒剤等の固形製剤であり、好ましくは液状製剤である。
本発明の製剤において、水和剤や顆粒水和剤は、例えば、除草性活性成分を、通常1〜90質量部含有し、残部は固体担体及び分散湿潤剤であって、必要に応じて保護コロイド剤、チキソトロピー剤及び消泡剤が加えられる。これらの製剤は、水に投入して撹拌すると水中に懸濁分散する。
粒剤や微粒剤は、例えば、除草性活性成分を、通常0.1〜35質量部含有し、残部は大部分が固体担体である。有効成分化合物は固体担体と均一に混合されているか、又は、固体担体の表面に均一に固着若しくは吸着されており、粒の径は、通常0.2〜1.5mmである。
乳剤は、例えば、除草性活性成分を、通常1〜70質量部含有しており、これには、5〜30質量部の乳化剤が含まれ、残部は液体担体であり、必要に応じて防錆剤等のその他の補助剤が加えられる。
水性懸濁剤や油懸濁剤は、水、又は高沸点の有機溶剤中に、除草性活性成分を、適切な界面活性剤を用いて懸濁、又は乳化分散させたもので、必要に応じて増粘剤等を添加して、経時安定性を保つようにする。
以下に、本発明における雑草防除の試験例を示し具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。なお、下記製剤例において、「%」とあるのは、質量%を示す。
製剤例1
フロアブル
ピラゾレート60.00質量部、ニューコール(登録商標)291PG1.0質量部(ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、日本乳化剤(株))及び水39.00質量部を混合し、アトライター(登録商標)(三井鉱山(株)製)にて粒度が約2μmまで粉砕しスラリーを得た。このスラリー50.00質量部、水50.00質量部を混合し、ピラゾレート(30%)フロアブルを調製した。
製剤例2
フロアブル
化合物(I)24.00質量部、ニューコール(登録商標)291PG1.0質量部(ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩、日本乳化剤(株))及び水75.00質量部を混合し、アトライター(登録商標)(三井鉱山(株)製)にて粒度が約2μmまで粉砕しスラリーを得た。このスラリー50.00質量部、水50.00質量部を混合し、化合物(I)(12%)フロアブルを調製した。
試験例1
図1に示すとおりに10m×100mの水田に水稲(品種:あきたこまち)を移植した。移植6日後にベクサー(登録商標)フロアブル(ペントキサゾン:2.9%)の原液を500mL/10aの薬量で湛水土壌処理し初期雑草を防除した。移植27日後から中干しを開始し、14日間田面を乾かした。移植41日後(タイヌビエ:2.5葉期)に水口を開放し入水を実施すると共に、ワイドアタック(登録商標)SC(ペノキススラム:3.6%)の原液の所定薬量を水口からの用水に滴下処理(水口施用)した。水田内の水深が約5cmになった時点で水口を閉めて入水を止めた。薬剤処理21日後(移植62日後)に、図1のA〜Oにおける除草効果を下記判定基準に従って判定した。その結果を表1に示す。
判定基準
0:生育抑制率 0〜9%
1:生育抑制率 10〜18%
2:生育抑制率 19〜27%
3:生育抑制率 28〜36%
4:生育抑制率 37〜45%
5:生育抑制率 46〜54%
6:生育抑制率 55〜63%
7:生育抑制率 64〜72%
8:生育抑制率 73〜81%
9:生育抑制率 82〜90%
10:生育抑制率 91〜100%
Figure 0006941451
試験例2
図1に示すとおりに10m×100mの水田に水稲(品種:あきたこまち)を移植した。移植6日後にショキニー(登録商標)フロアブル(ペントキサゾン:4.0%、ブロモブチド:18.0%)の原液を500mL/10aの薬量で湛水土壌処理し初期雑草を防除した。移植26日後から中干しを開始し、14日間田面を乾かした。移植40日後(タイヌビエ:3.0葉期)に水口を開放し入水を実施すると共に、ワイドアタック(登録商標)SC(ペノキススラム:3.6%)の原液の所定薬量を水口からの用水に滴下処理(水口施用)した。水田内の水深が約6cmになった時点で水口を閉めて入水を止めた。薬剤処理22日後(移植62日後)に、図1のA〜Oにおける除草効果を試験例1の判定基準に従って判定した。またワイドアタック(登録商標)SCを処理しなかった場合の除草効果も判定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006941451
試験例3
図2に示すとおりに2m×8mの水田に水稲(品種:日本晴)を移植した。移植1日後にショキニー(登録商標)フロアブル(ペントキサゾン:4.0%、ブロモブチド:18.0%)の原液を500mL/10aの薬量で湛水土壌処理し初期雑草を防除した。移植27日後から中干しを開始し、9日間田面を乾かした。移植36日後(コナギ:子葉、ウリカワ:2L)に水口を開放し入水を実施すると共に、製剤例1に準じて調製したピラゾレート(30%)フロアブルの原液の所定薬量を水口からの用水に滴下処理(水口施用)した。水田内の水深が約8cmになった時点で水口を閉めて入水を止めた。薬剤処理20日後(移植56日後)に、図2のA〜Fにおける除草効果を試験例1の判定基準に従って判定した。またピラゾレートフロアブルを処理しなかった場合の除草効果も判定した。その結果を表3に示す。
Figure 0006941451
試験例4
図2に示すとおりに2m×8mの水田に水稲(品種:日本晴)を移植した。移植1日後にショキニー(登録商標)フロアブル(ペントキサゾン:4.0%、ブロモブチド:18.0%)の原液を500mL/10aの薬量で湛水土壌処理し初期雑草を防除した。移植33日後から中干しを開始し、7日間田面を乾かした。移植40日後(クサネム:1.5L)に水口を開放し入水を実施すると共に、ノミニー(登録商標)液剤(ビスピリバックナトリウム塩:2.0%)の原液の所定薬量を水口からの用水に滴下処理(水口施用)した。水田内の水深が約10cmになった時点で水口を閉めて入水を止めた。薬剤処理21日後(移植61日後)に、図2のA〜Fにおける除草効果を試験例1の判定基準に従って判定した。またノミニー(登録商標)液剤を処理しなかった場合の除草効果も判定した。その結果を表4に示す。
Figure 0006941451
試験例5
図2に示すとおりに2m×8mの水田に水稲(品種:日本晴)を移植した。移植1日後にショキニー(登録商標)フロアブル(ペントキサゾン:4.0%、ブロモブチド:18.0%)の原液を500mL/10aの薬量で湛水土壌処理し初期雑草を防除した。移植33日後から中干しを開始し、7日間田面を乾かした。移植40日後(ホソバヒメミソハギ:本葉1対、イヌホタルイ1.5L)に水口を開放し入水を実施すると共に、ゼータワン(登録商標)フロアブル(プロピリスルフロン:1.7%)の原液の所定薬量を水口からの用水に滴下処理(水口施用)した。水田内の水深が約10cmになった時点で水口を閉めて入水を止めた。薬剤処理21日後(移植61日後)に、図2のA〜Fにおける除草効果を試験例1の判定基準に従って判定した。またゼータワン(登録商標)フロアブルを処理しなかった場合の除草効果も判定した。その結果を表5に示す。
Figure 0006941451
試験例6(散布時間の比較)
図1に示すとおりに10m×100mの水田に水稲(品種:あきたこまち)を移植した。移植6日後にベクサー(登録商標)フロアブル(ペントキサゾン:2.9%)の原液を500mL/10aの薬量で湛水土壌処理し初期雑草を防除した。移植27日後から中干しを開始し、14日間田面を乾かした。移植41日後に水口を開放し入水を実施すると共に、ワイドアタック(登録商標)SC(ペノキススラム:3.6%)の原液の所定薬量を水口からの用水に滴下処理(水口施用)し処理時間を測定した。また比較として同面積の圃場にバサグラン(登録商標)粒剤の所定薬量を背負動力散布機で処理したときの処理時間を測定した。結果を表6に記す。
Figure 0006941451
試験例7
図2に示すとおりに2m×8mの水田に水稲(品種:日本晴)を移植した。移植1日後にショキニー(登録商標)フロアブル(ペントキサゾン:4.0%、ブロモブチド:18.0%)の原液を500mL/10aの薬量で湛水土壌処理し初期雑草を防除した。移植27日後から中干しを開始し、12日間田面を乾かした。移植39日後(コナギ:3L)に水口を開放し入水を実施すると共に、製剤例2に準じて調製した化合物(I)(12%)フロアブルの原液の所定薬量を水口からの用水に滴下処理(水口施用)した。水田内の水深が約10cmになった時点で水口を閉めて入水を止めた。薬剤処理29日後(移植68日後)に、図2のA〜Fにおける除草効果を試験例1の判定基準に従って判定した。また化合物(I)(12%)フロアブルを処理しなかった場合の除草効果も判定した。その結果を表7に示す。
Figure 0006941451
試験例1〜7から明らかなように、中干し後の水田において除草性組成物含有農薬製剤を水口に施用することで短い散布時間で雑草防除が達成された。また、水稲に対する高い安全性が示された。
本発明の雑草防除方法は、水稲栽培で使用可能であり、除草剤散布の省力化を達成するとともに、重要雑草を防除し、なおかつ、水稲に対しても薬害を生じないことから、優れた発明である。
A 水稲を移植した地点
B 水稲を移植した地点
C 水稲を移植した地点
D 水稲を移植した地点
E 水稲を移植した地点
F 水稲を移植した地点
G 水稲を移植した地点
H 水稲を移植した地点
I 水稲を移植した地点
J 水稲を移植した地点
K 水稲を移植した地点
L 水稲を移植した地点
M 水稲を移植した地点
N 水稲を移植した地点
O 水稲を移植した地点

Claims (6)

  1. 中干し後の水田において、白化型除草性化合物及び/又はアセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物である除草性活性成分を水口施用することを特徴とする雑草防除方法。
  2. 除草性活性成分を含有する液状の除草性組成物を水口施用する、請求項1に記載の雑草防除方法。
  3. 除草性活性成分がアセトラクテート合成酵素阻害型除草性化合物である、請求項1又は2に記載の雑草防除方法。
  4. 除草性活性成分がペノキススラム、ピラゾレート、ビスピリバックナトリウム塩、プロピリスルフロン、又は6−クロロ−3−(2−シクロプロピル−6−メチルフェノキシ)ピリダジン−4−イル モルホリン−4−カルボキシレートである、請求項1ないしのいずれか一項に記載の雑草防除方法。
  5. 除草性活性成分がペノキススラムである、請求項1ないしのいずれか一項に記載の雑草防除方法。
  6. 雑草がタイヌビエである、請求項1ないしのいずれか一項に記載の雑草防除方法。
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