[無線通信システム10]
図1は、無線通信システム10の一例を示す図である。無線通信システム10は、gNB(next generation Node B)100とUE(User Equipment)40とを備える。gNB100は、CU20とDU30とを有する。CU20は、コアネットワーク11に接続される。また、CU20は、光ファイバ等のケーブル12を介してDU30に接続される。DU30は、UE40との間で電波を送受信することにより、UE40との間で無線通信を行う。本実施例において、CU20とDU30とは、互いに例えば数mから数km離れた位置に設置されため、ケーブル12の長さは、例えば数mから数kmである。
CU20は、CU−CP21およびCU−UP22を有する。DU30は、DU31を有する。CU−CP21は、コアネットワーク11内のAMF(Core Access and Mobility Management Function)110およびSMF(Session Management Function)111と通信する。また、CU−UP22は、コアネットワーク11内のUPF(User Plane Function)112と通信する。CU−CP21は、制御装置の一例であり、CU−UP22は、ユーザデータ処理装置の一例である。DU31は、無線装置の一例である。
CU−CP21とCU−UP22とは、E1インターフェイスを介して互いに通信する。本実施例において、CU20は、例えば1つ以上のプロセッサおよびメモリを有する計算機のリソースの一部を用いて実現される。そのため、E1インターフェイスは、例えば計算機の内部バス等である。CU−CP21およびCU−UP22は、ケーブル12を介してDU31と通信する。CU−CP21とDU31との間のインターフェイスは、例えばF1−Cインターフェイスと呼ばれ、CU−UP22とDU31との間のインターフェイスは、例えばF1−Uインターフェイスと呼ばれる。
CU−CP21は、無線リソース制御部(RRC)210、SDAP制御部(SDAP−C)211、PDCP制御部(PDCP−C)212、およびフロー制御部213を有する。フロー制御部213は、第1の処理部の一例である。RRC210は、gNB100とUE40との間の無線ネットワークのリソースを制御する。SDAP−C211は、C-Planeにおいて、フロー単位でユーザデータのQoS(Quality of Service)の制御を行う。PDCP−C212は、C-Planeにおいて、秘匿および正当性確認等のレイヤ2の処理の一部を制御する。SDAPは、Service Data Adaptation Protocolの略であり、PDCPは、Packet Data Convergence Protocolの略である。
フロー制御部213は、E1インターフェイスを介して、CU−UP22とDU31との間で送信および受信されるユーザデータのフロー制御を行う。フロー制御部213は、例えばダウンリンクのユーザデータについては、ユーザデータを一時的に保持するDU31内のバッファに関する情報をF1−Cインターフェイスを介してDU31から取得する。そして、フロー制御部213は、CU−UP22からDU31へ送信されるユーザデータの送信レートを、ユーザデータに要求されるQoS等の通信条件に基づいて決定する。そして、フロー制御部213は、決定された送信レートを指示する制御情報を、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する。ダウンリンクのユーザデータは、第1のユーザデータの一例である。
また、フロー制御部213は、例えばアップリンクのユーザデータについては、ユーザデータを一時的に保持するCU−UP22内のバッファに関する情報を、E1インターフェイスを介してCU−UP22から取得する。そして、フロー制御部213は、DU31からCU−UP22へ送信されるユーザデータの送信レートを、ユーザデータに要求されるQoS等の通信条件に基づいて決定する。そして、フロー制御部213は、決定された送信レートを指示する制御情報を、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する。アップリンクのユーザデータは、第2のユーザデータの一例である。なお、CU−CP21は、決定された送信レートを指示する制御情報を、E1インターフェイスを介してCU−UP22に通知し、CU−UP22がU-PlaneであるF1−Uインターフェイスを介して制御情報をDU31へ通知してもよい。以下、断りのない限り、同様に他の制御情報についてもDU31に直接通知されるのではなく、CU−UP22を介して通知されてもよい。また、制御情報はU-Planeを用いて送信されてもよい。更に上記のように、制御情報がCU−UP22を介してDU31へ送信される場合、CU−CP21がC-Planeで制御情報をCU−UP22へ送信し、CU−UP22が制御情報をU-PlaneでDU31へ送信してもよい。すなわち、制御情報の扱いを変えてもよい。
CU−UP22は、SDAP処理部(SDAP−U)220、PDCP処理部(PDCP−U)221、バッファ222、およびフロー処理部223を有する。フロー処理部223は、第2の処理部の一例である。SDAP−U220は、SDAP−C211からの制御に従って、U-Planeにおいて、フロー単位でユーザデータのQoSの処理を行う。PDCP−U221は、PDCP−C212からの制御に従って、U-Planeにおいて、秘匿および正当性確認等のレイヤ2の処理の一部を行う。
バッファ222は、フロー処理部223によって送受信されるアップリンクおよびダウンリンクのユーザデータを一時的に保持する。バッファ222は、CU20が実現されるコンピュータ内のメモリの記憶領域の一部により実現される。バッファ222は、第2のバッファおよび第3のバッファの一例である。
フロー処理部223は、バッファ222に関する情報を、E1インターフェイスを介してフロー制御部213に通知する。本実施例において、バッファ222に関する情報には、バッファ222内に滞留するアップリンクのユーザデータのデータ量である滞留量が含まれる。また、フロー処理部223は、F1−Uインターフェイスを介してDU31から送信されたアップリンクのユーザデータを受信してバッファ222に格納する。そして、フロー処理部223は、バッファ222に格納されたアップリンクのユーザデータを、コアネットワーク11内のUPF112へ送信する。UPF112は、上位の装置の一例である。
また、フロー処理部223は、UPF112から送信されたダウンリンクのユーザデータを受信してバッファ222に格納する。そして、フロー処理部223は、フロー制御部213から受信した制御情報で指示された送信レートで、バッファ222に格納されたダウンリンクのユーザデータを、F1−Uインターフェイスを介してDU31へ送信する。
DU31は、フロー処理部32、バッファ33、無線リンク制御部(RLC)34、媒体アクセス制御部(MAC)35、物理層処理部(Phy)36、およびアンテナ37を有する。フロー処理部32は、第3の処理部の一例である。RLC34は、UE40との間でデータの再送制御等を行う。MAC35は、Phy36へのデータの送出タイミングの制御等を行う。Phy36は、ダウンリンクのデータに対して符号化および変調等の処理を行い、処理後の信号を、アンテナ37を介して電波として空間に放射する。また、Phy36は、アンテナ37を介して受信した信号に対して復調および復号等の処理を行い、処理後の信号からアップリンクのデータを再生する。
バッファ33は、フロー処理部32によって送受信されるアップリンクおよびダウンリンクのユーザデータを一時的に保持する。バッファ33は、DU30が実現される無線通信装置内のメモリの記憶領域の一部により実現される。バッファ33は、第1のバッファの一例である。
フロー処理部32は、バッファ33に関する情報を、F1−Cインターフェイスを介してフロー制御部213に通知する。本実施例において、バッファ33に関する情報には、バッファ33の記憶領域内におけるダウンリンクのユーザデータの滞留量が含まれる。また、フロー処理部32は、F1−Uインターフェイスを介してCU−UP22から送信されたダウンリンクのユーザデータを受信してバッファ33に格納する。そして、フロー処理部32は、バッファ33に格納されたダウンリンクのユーザデータを、Phy36を介してUE40へ無線送信する。
また、フロー処理部32は、UE40から無線送信されたアップリンクのユーザデータを、Phy36を介して受信する。そして、フロー処理部32は、受信されたアップリンクのユーザデータを、バッファ33に格納する。そして、フロー処理部32は、フロー制御部213から受信した制御情報で指示された送信レートで、バッファ33内に格納されたアップリンクのユーザデータを、F1−Uインターフェイスを介してCU−UP22へ送信する。
UE40は、アンテナ41、無線通信部42、およびデータ処理部43を有する。無線通信部42は、gNB100から無線送信されたダウンリンクの信号を、アンテナ41を介して受信する。そして、無線通信部42は、受信した信号に対して復調および復号等の処理を行い、ダウンリンクのユーザデータを再生する。そして、無線通信部42は、再生されたユーザデータをデータ処理部43へ出力する。また、無線通信部42は、データ処理部43から出力されたアップリンクのユーザデータに対して、符号化および変調等の処理を行い、処理後の信号を、アンテナ41を介して電波として空間に放射する。データ処理部43は、無線通信部42から出力されたダウンリンクのユーザデータに基づいて、所定の処理を実行する。また、データ処理部43は、UE40のユーザの操作等に応じてアップリンクのユーザデータを生成し、生成されたアップリンクのユーザデータを無線通信部42へ出力する。UE40は、端末の一例であり、無線通信部42は、受信部の一例である。
なお、図1に例示されたgNB100では、CU20内にCU−CP21およびCU−UP22が設けられ、DU30内にDU31が設けられる。しかし、gNB100の構成はこれに限られず、例えば図2または図3のような構成であってもよい。図2および図3は、無線通信システム10の他の例を示す図である。
例えば、図2に例示されたgNB100では、CU−UP22が、DU31またはCU−CP21が設けられた装置から離れた装置内に設けられ、DU31とCU−CP21とは近接した装置内または同一の装置内に設けられる。図2の例では、CU−CP21とCU−UP22とは、ケーブル12を介したE1インターフェイスで接続される。また、CU−CP21とDU31とは、同一の装置内に設けられたF1−Cインターフェイスで接続される。
また、例えば、図3に例示されたgNB100では、CU−CP21が、DU31またはCU−UP22が設けられた装置から離れた装置内に設けられ、DU31とCU−UP22とは近接した装置内または同一の装置内に設けられる。図3の例では、CU−CP21とCU−UP22とは、ケーブル12を介したE1インターフェイスで接続される。また、CU−UP22とDU31とは、同一の装置内に設けられたF1−Uインターフェイスで接続される。
[gNB100の処理]
図4は、実施例1において、ダウンリンクのユーザデータの伝送におけるgNB100の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図4に例示されたシーケンス図では、1つのUE40に対する1つのサービス(スライス)のユーザデータの伝送におけるgNB100の処理の流れの一例が示されている。また、図4において、CU−CP21の処理は、主にフロー制御部213によって実行され、CU−UP22の処理は、主にフロー処理部223によって実行され、DU31の処理は、主にフロー処理部32によって実行される。
まず、CU−CP21、CU−UP22、およびDU31は、E1インターフェイス、F1−Cインターフェイス、およびF1−Uインターフェイスをそれぞれ設定する(S100)。これにより、CU−CP21とCU−UP22との間のE1インターフェイス、CU−CP21とDU31との間のF1−Cインターフェイス、および、CU−UP22とDU31との間のF1−Uインターフェイスが、それぞれ確立される。
次に、CU−CP21は、DU31内のバッファ33の記憶領域のうち、ダウンリンクのユーザデータに割り当てられる初期のバッファ容量を決定する(S101)。そして、CU−CP21は、決定されたバッファ容量の設定を要求するバッファ設定要求メッセージを作成し、作成されたバッファ設定要求メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S102)。CU−CP21は、例えば、ユーザデータに要求されるサービスの種別や通信条件等に基づいて、初期のバッファ容量を決定する。
次に、DU31は、CU−CP21から送信されたバッファ設定要求メッセージを受信する。そして、DU31は、バッファ設定要求メッセージで要求された容量の記憶領域をバッファ33内に確保するように、バッファ33を設定する(S103)。そして、DU31は、バッファ設定要求メッセージで要求された容量の記憶領域をバッファ33内に確保したことを示すバッファ設定応答を、F1−Cインターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S104)。
次に、CU−CP21は、初期フロー制御を実行する(S105)。初期フロー制御では、CU−UP22からDU31へ送信されるダウンリンクのユーザデータの送信レートが決定される。CU−CP21は、例えば、ユーザデータに要求されるサービスの種別や通信条件等に基づいて、CU−UP22からDU31へ送信されるダウンリンクのユーザデータの送信レートを決定する。そして、CU−CP21は、決定された送信レートを実現するためのパラメータを含む初期容量割当メッセージを作成する。送信レートを実現するためのパラメータには、例えば、パケットのサイズ、単位時間あたりに送信されるパケット数、および、パケットの送信間隔等の情報が含まれる。そして、CU−CP21は、作成された初期容量割当メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S106)。初期容量割当メッセージは、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)において、HS−DSCH(High-Speed Downlink Shared Channel)を用いて送信されるInitial Capacity Allocationをベースに構成されてもよい。
次に、CU−UP22は、CU−CP21から初期容量割当メッセージを受信する。そして、CU−UP22は、UPF112から送信されたダウンリンクのユーザデータを受信してバッファ222に格納する。そして、CU−UP22は、初期容量割当メッセージに含まれるパラメータに従って、バッファ222に格納されたダウンリンクのユーザデータを、F1−Uインターフェイスを介してDU31へ送信する(S107)。DU31は、F1−Uインターフェイスを介してCU−UP22から送信されたダウンリンクのユーザデータを受信してバッファ33内に格納する。そして、DU31は、バッファ33内に格納されたダウンリンクのユーザデータをUE40へ無線送信する。
次に、CU−CP21は、バッファ33内におけるダウンリンクのユーザデータの滞留量の測定を要求する滞留量測定要求メッセージを作成する。そして、CU−CP21は、作成された滞留量測定要求メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S108)。
次に、DU31は、CU−CP21から送信された滞留量測定要求メッセージを受信する。そして、DU31は、バッファ33内におけるダウンリンクのユーザデータの滞留量を測定する(S109)。DU31は、例えば、所定期間内にバッファ33内に滞留したダウンリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、滞留量として測定する。そして、DU31は、測定されたダウンリンクのユーザデータの滞留量の測定結果を、F1−Cインターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S110)。なお、上述のように、DU31は、測定されたダウンリンクのユーザデータの滞留量の測定結果を、F1−Uインターフェイスを介してCU−UPへ送信し、CU−UP22がE1インターフェイスを介して測定結果をCU−CP21へ送信してもよい。なお、断りのない限りDU31からCU−UP22への測定結果などの制御情報が送信される際には、同様にCU−UP22を介して送信されてもよい。また、制御情報はU-Planeを用いて送信されてもよい。更に上記のようにCU−UP22を介してCU−CP21に制御情報が送信される場合、U-PlaneでCU−UP22に送信され、CU−UP22はC-PlaneでCU−CP21に送信してもよい。すなわち、制御情報の扱いを変えてもよい。
次に、CU−CP21は、DU31からダウンリンクのユーザデータの滞留量の測定結果を受信する。そして、CU−CP21は、受信された測定結果に基づいて、フロー制御を実行する(S111)。ステップS111におけるフロー制御では、CU−UP22からDU31へ送信されるダウンリンクのユーザデータの送信レートが決定される。CU−CP21は、例えば、DU31におけるダウンリンクのユーザデータの滞留量と、ユーザデータに要求されるサービスの種別等に基づいて、CU−UP22からDU31へ送信されるダウンリンクのユーザデータの送信レートを決定する。そして、CU−CP21は、決定された送信レートを実現するためのパラメータを含む容量割当メッセージを作成する。送信レートを実現するためのパラメータには、例えば、パケットのサイズ、単位時間あたりに送信されるパケット数、および、パケットの送信間隔等の情報が含まれる。
そして、CU−CP21は、作成された容量割当メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S112)。容量割当メッセージは、HSDPAにおいて、HS−DSCHを用いて送信されるCapacity Allocationをベースに構成されてもよい。ステップS112において送信される容量割当メッセージは、第1の制御情報の一例である。
なお、ステップS107以降、CU−UP22は、ダウンリンクのユーザデータに使用されるバッファ222の使用状況に基づいて、送信させて欲しいユーザデータのデータ量をCU−CP21に通知してもよい。この場合、CU−CP21は、CU−UP22から通知されたデータ量をさらに考慮して、CU−UP22からDU31へ送信されるダウンリンクのユーザデータの送信レートを決定する。
次に、CU−UP22は、CU−CP21から容量割当メッセージを受信する。そして、CU−UP22は、UPF112から送信されたダウンリンクのユーザデータを受信してバッファ222に格納する。そして、CU−UP22は、容量割当メッセージに含まれるパラメータに従って、バッファ222に格納されたダウンリンクのユーザデータを、F1−Uインターフェイスを介してDU31へ送信する(S113)。DU31は、F1−Uインターフェイスを介してCU−UP22から送信されたダウンリンクのユーザデータを受信してバッファ33内に格納する。そして、DU31は、バッファ33内に格納されたダウンリンクのユーザデータをUE40へ無線送信する。
なお、初期容量割当メッセージおよび容量割当メッセージ(以下、割当メッセージと記載する)には、ダウンリンクのユーザデータの送信期間と、その送信期間に送信されるダウンリンクのユーザデータのデータ量とが含まれていてもよい。この場合、CU−UP22は、割当メッセージに含まれる送信期間内において、割当メッセージに含まれるデータ量を越えない範囲で、パケットのサイズおよびパケットの送信間隔等を自由に決定することができる。
図5は、実施例1において、アップリンクのユーザデータの伝送におけるgNB100の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図5に例示されたシーケンス図では、1つのUE40に対する1つのサービス(スライス)のユーザデータの伝送におけるgNB100の処理の流れの一例が示されている。また、図5において、CU−CP21の処理は、主にフロー制御部213によって実行され、CU−UP22の処理は、主にフロー処理部223によって実行され、DU31の処理は、主にフロー処理部32によって実行される。
まず、CU−CP21、CU−UP22、およびDU31は、E1インターフェイス、F1−Cインターフェイス、およびF1−Uインターフェイスをそれぞれ設定する(S200)。これにより、CU−CP21とCU−UP22との間のE1インターフェイス、CU−CP21とDU31との間のF1−Cインターフェイス、および、CU−UP22とDU31との間のF1−Uインターフェイスが、それぞれ確立される。
次に、CU−CP21は、CU−UP22内のバッファ222の記憶領域のうち、アップリンクのユーザデータに割り当てられる初期のバッファ容量を決定する(S201)。そして、CU−CP21は、決定されたバッファ容量の設定を要求するバッファ設定要求メッセージを作成し、作成されたバッファ設定要求メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S202)。
次に、CU−UP22は、CU−CP21から送信されたバッファ設定要求メッセージを受信する。そして、CU−UP22は、バッファ設定要求メッセージで要求された容量の記憶領域をバッファ222内に確保するように、バッファ222を設定する(S203)。そして、CU−UP22は、バッファ設定要求メッセージで要求された容量の記憶領域をバッファ222内に確保したことを示すバッファ設定応答を、E1インターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S204)。
次に、CU−CP21は、初期フロー制御を実行する(S205)。初期フロー制御では、DU31からCU−UP22へ送信されるアップリンクのユーザデータの送信レートが決定される。CU−CP21は、例えば、ユーザデータに要求されるサービスの種別等に基づいて、DU31からCU−UP22へ送信されるアップリンクのユーザデータの送信レートを決定する。そして、CU−CP21は、決定された送信レートを実現するためのパラメータを含む初期容量割当メッセージを作成する。送信レートを実現するためのパラメータには、例えば、パケットのサイズ、単位時間あたりに送信されるパケット数、および、パケットの送信間隔等の情報が含まれる。そして、CU−CP21は、作成された初期容量割当メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S206)。
次に、DU31は、CU−CP21から初期容量割当メッセージを受信する。そして、DU31は、UE40から無線送信されたアップリンクのユーザデータを受信してバッファ33に格納する。そして、DU31は、初期容量割当メッセージに含まれるパラメータに従って、バッファ33に格納されたアップリンクのユーザデータを、F1−Uインターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S207)。CU−UP22は、F1−Uインターフェイスを介してDU31から送信されたアップリンクのユーザデータを受信してバッファ222内に格納する。そして、CU−UP22は、バッファ222内に格納されたアップリンクのユーザデータをUPF112へ送信する。
次に、CU−CP21は、バッファ222内におけるアップリンクのユーザデータの滞留量の測定を要求する滞留量測定要求メッセージを作成する。そして、CU−CP21は、作成された滞留量測定要求メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S208)。
次に、CU−UP22は、CU−CP21から送信された滞留量測定要求メッセージを受信する。そして、CU−UP22は、バッファ222内におけるアップリンクのユーザデータの滞留量を測定する(S209)。CU−UP22は、例えば、所定期間内にバッファ222内に滞留したアップリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、滞留量として測定する。そして、CU−UP22は、測定されたアップリンクのユーザデータの滞留量の測定結果を、E1インターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S210)。
次に、CU−CP21は、CU−UP22からアップリンクのユーザデータの滞留量の測定結果を受信する。そして、CU−CP21は、受信された測定結果に基づいて、フロー制御を実行する(S211)。ステップS211におけるフロー制御では、DU31からCU−UP22へ送信されるアップリンクのユーザデータの送信レートが決定される。CU−CP21は、例えば、CU−UP22におけるアップリンクのユーザデータの滞留量と、ユーザデータに要求されるサービスの種別等に基づいて、DU31からCU−UP22へ送信されるアップリンクのユーザデータの送信レートを決定する。そして、CU−CP21は、決定された送信レートを実現するためのパラメータを含む容量割当メッセージを作成する。送信レートを実現するためのパラメータには、例えば、パケットのサイズ、単位時間あたりに送信されるパケット数、および、パケットの送信間隔等の情報が含まれる。
そして、CU−CP21は、作成された容量割当メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S212)。ステップS212において送信される容量割当メッセージは、第2の制御情報の一例である。DU31は、CU−CP21から容量割当メッセージを受信する。そして、DU31は、UE40から無線送信されたアップリンクのユーザデータを受信してバッファ33に格納する。そして、DU31は、容量割当メッセージに含まれるパラメータに従って、バッファ33に格納されたアップリンクのユーザデータを、F1−Uインターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S213)。
[ハードウェア]
上記したCU−CP21およびCU−UP22は、例えば図6に示すようなコンピュータ200により実現される。図6は、CU−CP21またはCU−UP22の機能を実現するコンピュータ200のハードウェアの一例を示す図である。コンピュータ200は、メモリ201、プロセッサ202、およびインターフェイス回路203を有する。
インターフェイス回路203は、コアネットワーク11およびDU30との間で信号の送受信を行う。コンピュータ200がCU−CP21として機能する場合、メモリ201内には、例えば、RRC210、SDAP−C211、PDCP−C212、およびフロー制御部213の機能を実現するための各種プログラムやデータ等が格納される。プロセッサ202は、メモリ201からプログラムを読出し、読み出したプログラムを実行することにより、例えばCU−CP21の各機能を実現する。
また、コンピュータ200がCU−UP22として機能する場合、メモリ201内には、例えば、SDAP−U220、PDCP−U221、およびフロー処理部223の機能を実現するための各種プログラムやデータ等が格納される。また、メモリ201には、例えば、バッファ222内のデータが格納される。プロセッサ202は、メモリ201からプログラムを読出し、読み出したプログラムを実行することにより、例えばCU−UP22の各機能を実現する。メモリ201は、第1のメモリおよび第3のメモリの一例である。また、プロセッサ202は、第1のプロセッサおよび第3のプロセッサの一例である。
なお、メモリ201内のプログラムやデータ等は、必ずしも全てが最初からメモリ201内に記憶されていなくてもよい。例えば、コンピュータ200に挿入されるメモリカードなどの可搬型記録媒体にプログラムやデータ等が記憶され、コンピュータ200がこのような可搬型記録媒体からプログラムやデータ等を適宜取得して実行するようにしてもよい。また、プログラムやデータ等を記憶させた他のコンピュータまたはサーバ装置などから、無線通信回線、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介して、コンピュータ200がプログラム等を適宜取得して実行するようにしてもよい。
また、図6に例示されたコンピュータ200には、メモリ201およびプロセッサ202が1つずつ設けられているが、メモリ201およびプロセッサ202は、それぞれ2つ以上設けられていてもよい。また、コンピュータ200は、複数のメモリ201およびプロセッサ202を有する計算機リソースの一部によって実現されてもよい。また、図6に例示されたコンピュータ200は、CU−CP21およびCU−UP22の両方の機能を実現してもよい。
また、上記したDU30は、例えば図7に示されるような無線通信装置300により実現される。図7は、DU30の機能を実現する無線通信装置300のハードウェアの一例を示す図である。無線通信装置300は、インターフェイス回路301、メモリ302、プロセッサ303、無線回路304、およびアンテナ305を有する。
インターフェイス回路301は、CU−CP21およびCU−UP22との間でケーブル12を介した有線通信を行うためのインターフェイスである。無線回路304は、プロセッサ303から出力された信号にアップコンバート等の処理を施し、処理後の信号をアンテナ305を介して空間に放射する。また、無線回路304は、アンテナ305を介して受信された信号にダウンコンバート等の処理を施し、処理後の信号をプロセッサ303へ出力する。
メモリ302には、例えば、フロー処理部32、RLC34、MAC35、およびPhy36の各機能を実現するための各種プログラムやデータ等が格納される。また、メモリ302には、例えば、バッファ33内のデータが格納される。プロセッサ303は、メモリ302から読み出したプログラム等を実行することにより、例えばDU31の各機能を実現する。メモリ302は、第2のメモリの一例であり、プロセッサ303は、第2のプロセッサの一例である。
なお、メモリ302内のプログラムやデータ等は、必ずしも全てが最初からメモリ302内に記憶されていなくてもよい。例えば、無線通信装置300に挿入されるメモリカードなどの可搬型記録媒体にプログラムやデータ等が記憶され、無線通信装置300がこのような可搬型記録媒体からプログラムやデータ等を適宜取得して実行するようにしてもよい。また、プログラムやデータ等を記憶させた他のコンピュータまたはサーバ装置などから、無線通信回線、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介して、無線通信装置300がプログラム等を適宜取得して実行するようにしてもよい。また、図7に例示された無線通信装置300には、メモリ302およびプロセッサ303が1つずつ設けられているが、メモリ302およびプロセッサ303は、それぞれ2つ以上設けられていてもよい。
[実施例1の効果]
以上、実施例1について説明した。上記したように、本実施例の無線通信システム10は、gNB100とUE40とを備える。gNB100は、CU−CP21と、CU−UP22と、DU31とを有する。CU−CP21は、第1のメモリと、第1のメモリに接続された第1のプロセッサとを有する。第1のプロセッサは、DU31が有するバッファ33に関する情報をDU31から取得する処理を実行する。バッファ33は、CU−UP22からDU31を介してUE40へ送信されるユーザデータを一時的に保持する。また、第1のプロセッサは、CU−UP22からDU31へのユーザデータの送信に関する第1の制御情報をCU−UP22へ送信する処理を実行する。また、DU31は、第2のメモリと、第2のメモリに接続された第2のプロセッサとを有する。バッファ33は、第2のメモリの記憶領域の一部において実現される。第2のプロセッサは、CU−UP22から送信されたユーザデータをバッファ33を介してUE40へ無線送信する処理を実行する。また、第2のプロセッサは、バッファ33に関する情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する。また、CU−UP22は、第3のメモリと、第3のメモリに接続された第3のプロセッサとを有する。第3のプロセッサは、CU−CP21から送信された第1の制御情報を受信し、第1の制御情報に従ってDU31へユーザデータを送信する処理を実行する。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御を実現することができる。
また、本実施例のgNB100において、CU−CP21が有する第1のプロセッサは、CU−UP22が有するバッファ222に関する情報をCU−UP22から取得する処理を実行する。バッファ222は、DU31からUPF112へ送信されるユーザデータを一時的に保持する。また、第1のプロセッサは、DU31からCU−UP22へのユーザデータの送信に関する第2の制御情報をDU31へ送信する処理を実行する。また、CU−UP22が有する第3のメモリの記憶領域の一部には、バッファ222が実現される。また、CU−UP22が有する第3のプロセッサは、DU31から送信されたユーザデータを、バッファ222を介してUPF112へ送信する処理を実行する。また、第3のプロセッサは、バッファ222に関する情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する。また、DU31が有する第2のプロセッサは、CU−CP21から送信された第2の制御情報を受信し、第2の制御情報に従ってCU−UP22へユーザデータを送信する処理を実行する。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、アップリンクのユーザデータのフロー制御を実現することができる。
また、本実施例のgNB100において、CU−CP21が有する第1のプロセッサは、DU31にバッファ33に関する情報を要求する処理を実行する。また、DU31が有する第2のプロセッサは、CU−CP21からの要求に応じて、バッファ33に関する情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する。これにより、CU−CP21は、ダウンリンクのユーザデータの送信先であるDU31内のバッファ33の情報に基づいて、CU−UP22からDU31へ送信されるダウンリンクのユーザデータのデータレートを制御することができる。
なお、上記した実施例では、ダウンリンクのユーザデータにおいて、DU31は、CU−CP21からの要求に応じて、バッファ33に関する情報の一例である滞留量をCU−CP21に通知する。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば、DU31が有する第2のプロセッサは、所定の周期毎に、バッファ33に関する情報をCU−CP21へ送信する処理を実行してもよい。これにより、CU−CP21とDU31との間の制御信号のトラフィックを削減することができる。アップリンクのユーザデータについても同様である。
また、DU31が有する第2のプロセッサが、バッファ33に関する情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する周期(以下、報告周期と記載する)は、予めDU31に設定されていてもよく、CU−CP21によって指定されてもよい。報告周期がCU−CP21によって指定される場合、CU−CP21は、図4に例示したステップS108において、滞留量測定要求メッセージに代えて、報告周期指定メッセージをDU31へ送信してもよい。あるいは、ステップS100においてCU−CP21とDU31との間のF1−Cインターフェイスが確立される際に、CU−CP21からDU31に報告周期を指定する情報が通知されてもよい。アップリンクのユーザデータについても同様である。
実施例1では、CU20内にCU−CP21およびCU−UP22が設けられ、DU30内にDU31が設けられ、CU20とDU30とがケーブル12を介して接続される。また、CU−CP21は、図2に例示されたように、DU31に隣接して設けることも可能である。また、CU−UP22は、図3に例示されたように、DU31に隣接して設けることも可能である。CU−CP21とCU−UP22とがCU20内に設けられている場合には、CU−CP21とCU−UP22との間の制御情報の伝送遅延は小さい。しかし、CU−CP21およびCU−UP22のいずれか一方が、他方と離れて配置されると、CU−CP21とCU−UP22との間の通信がケーブル12を介して行われる。そのため、CU−CP21とCU−UP22との間の制御情報の伝送遅延が大きくなる。一方、CU−CP21およびCU−UP22のうち、DU31に隣接して配置された装置と、DU31とは、通信距離が短いため、制御信号の伝送遅延が小さくなる。
このように、CU−CP21およびCU−UP22の配置によって、CU−CP21、CU−UP22、およびDU31の間の制御信号の伝送遅延が異なることになる。そのため、制御が行われるタイミングを過ぎてから制御情報が受信されたり、制御情報を受信してから制御が行われるタイミングまでの期間内に制御が完了しない虞がある。これは、制御情報の伝送だけでなく、ユーザデータの伝送についても同様である。
そこで、本実施例では、制御情報およびユーザデータの伝送遅延が測定される。そして、伝送遅延を考慮して制御情報の送信が行われる。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、QoS等の通信条件を満たすフロー制御をより確実に実現することができる。
なお、本実施例における無線通信システム10の構成は、図1に例示された実施例1の無線通信システム10の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
[gNB100の処理]
図8は、実施例2において、CU−CP21とCU−UP22とDU31との間の信号の伝送遅延の測定に関する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図8において、CU−CP21の処理は、主にフロー制御部213によって実行され、CU−UP22の処理は、主にフロー処理部223によって実行され、DU31の処理は、主にフロー処理部32によって実行される。
まず、CU−CP21、CU−UP22、およびDU31は、E1インターフェイス、F1−Cインターフェイス、およびF1−Uインターフェイスをそれぞれ設定する(S300)。これにより、CU−CP21とCU−UP22との間のE1インターフェイス、CU−CP21とDU31との間のF1−Cインターフェイス、および、CU−UP22とDU31との間のF1−Uインターフェイスが、それぞれ確立される。
次に、CU−CP21は、制御情報の遅延の測定を要求する遅延測定要求メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S301)。CU−UP22は、CU−CP21から遅延測定要求メッセージを受信し、制御情報の遅延を測定する(S302)。そして、CU−UP22は、制御情報の遅延の測定結果を、E1インターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S303)。ステップS303において送信される測定結果は、第2の遅延情報の一例である。
CU−CP21は、ステップS301の遅延測定要求メッセージの送信において、例えば図9に示す処理を実行する。図9は、制御情報の遅延を測定する際のCU−CP21の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、CU−CP21は、制御情報の遅延の測定を要求する遅延測定要求メッセージを生成する(S400)。なお、遅延測定要求メッセージには、QoS等の通信条件の情報が含まれていてもよく、他の制御情報が含まれていてもよい。そして、CU−CP21は、生成された遅延測定要求メッセージに、メッセージの生成時刻を付与する(S401)。
そして、CU−CP21は、生成時刻が付与された遅延測定要求メッセージを、IPパケットに変換する(S402)。そして、CU−CP21は、IPパケットを、例えばSCTP(Stream Control Transmission Protocol)等のフォーマットに変換する(S403)。そして、CU−CP21は、変換後の遅延測定要求メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S404)。なお、図2または図3に例示されたように、CU−CP21とCU−UP22との通信が、光ファイバ等のケーブル12を介して行われる場合、ステップS403の後に、電気信号から光信号に変換する処理が加わる。
CU−UP22は、ステップS302の遅延測定において、例えば図10に示す処理を実行する。図10は、制御情報の遅延を測定する際のCU−UP22の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、CU−UP22は、CU−CP21から送信された遅延測定要求メッセージを、E1インターフェイスを介して受信する(S500)。そして、CU−UP22は、受信した信号をIPパケットに変換する(S501)。そして、CU−UP22は、IPパケットから例えばSCTP等のフォーマットのデータを抽出し、抽出されたデータから遅延測定要求メッセージを再生する(S502)。そして、CU−UP22は、遅延測定要求メッセージが再生された時刻を取得する(S503)。
そして、CU−UP22は、再生された遅延測定要求メッセージに付与された生成時刻と、遅延測定要求メッセージの再生時刻との差を伝送遅延として算出する(S504)。そして、CU−UP22は、算出された伝送遅延を測定結果として、E1インターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S505)。なお、測定結果には、QoS等の通信条件の情報が含まれていてもよい。また、図2または図3に例示されたように、CU−CP21とCU−UP22との通信が、光ファイバ等のケーブル12を介して行われる場合、ステップS500の後に、光信号から電気信号に変換する処理が加わる。
図8に戻って説明を続ける。次に、CU−CP21は、制御情報の遅延の測定を要求する遅延測定要求メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S304)。なお、遅延測定要求メッセージは、上述のようにCU−UP22を介してCU−CP21へ送信されてもよい。DU31は、CU−CP21から遅延測定要求メッセージを受信し、制御情報の遅延を測定する(S305)。そして、DU31は、制御情報の遅延の測定結果を、F1−Cインターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S306)。CU−CP21とDU31との間の制御情報の遅延の測定においても、CU−CP21は、図9に例示された処理と同様の処理を実行し、DU31は、図10に例示された処理と同様の処理を実行する。ステップS306において送信される測定結果は、第1の遅延情報の一例である。
次に、CU−CP21は、ダウンリンクのユーザデータの遅延の測定を要求する遅延測定要求メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S307)。CU−UP22は、CU−CP21から遅延測定要求メッセージを受信した場合、ダミーのユーザデータであるダミーデータを生成する。そして、CU−UP22は、生成されたダミーデータを、F1−Uインターフェイスを介してDU31へ送信する(S308)。
次に、DU31は、CU−UP22から送信されたダミーデータを受信する。そして、DU31は、ダミーデータの遅延を測定する(S309)。そして、DU31は、ダミーデータの遅延の測定結果を、F1−Cインターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S310)。なお、測定結果は、上述のようにCU−UP22を介してCU−CP21へ送信されてもよい。ステップS310において送信される測定結果は、第3の遅延情報の一例である。
CU−UP22は、ステップS308のダミーデータの送信において、例えば図11に示す処理を実行する。図11は、ユーザデータの遅延を測定する際のCU−UP22の動作の一例を示すフローチャートである。CU−CP21からユーザデータの遅延測定要求メッセージを受信した場合、CU−UP22は、図11に示される処理を開始する。
まず、CU−UP22は、ダミーデータを生成する(S600)。なお、ダミーデータには、QoS等の通信条件の情報が含まれていてもよく、他の制御情報が含まれていてもよい。そして、CU−UP22は、生成されたダミーデータに、データの生成時刻を付与する(S601)。
そして、CU−UP22は、生成時刻が付与されたダミーデータを、IPパケットに変換する(S602)。そして、CU−UP22は、IPパケットに変換されたダミーデータを例えばGTP−U(GPRS Tunneling Protocol for User Plane)等のフォーマットに変換する(S603)。そして、CU−UP22は、変換後のダミーデータを、電気信号から光信号に変換する(S604)。そして、CU−UP22は、変換後の光信号を、F1−Uインターフェイスを介してDU31へ送信する(S605)。なお、図3に例示されたように、CU−UP22とDU31との通信が、同一の装置内で行われる場合や遅延が生じない程度に近接した装置間で行なわれる場合、ステップS603の後に、ステップS605の処理が実行される。
DU31は、ステップS309の遅延測定において、例えば図12に示す処理を実行する。図12は、ユーザデータの遅延を測定する際のDU31の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、DU31は、CU−UP22から送信された光信号を、F1−Uインターフェイスを介して受信する(S700)。そして、DU31は、受信された光信号を電気信号に変換する(S701)。そして、DU31は、変換後の電気信号をIPパケットに変換する(S702)。そして、DU31は、IPパケットから例えばGTP−U等のフォーマットのデータを抽出し、抽出されたデータからダミーデータを再生する(S703)。そして、DU31は、ダミーデータが再生された時刻を取得する(S704)。
次に、DU31は、再生されたダミーデータに付与された生成時刻と、ダミーデータの再生時刻との差をユーザデータの伝送遅延として算出する(S705)。そして、DU31は、算出された伝送遅延を測定結果として、F1−Cインターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S706)。なお、測定結果には、QoS等の通信条件の情報が含まれていてもよい。また、図3に例示されたように、CU−UP22とDU31との通信が、同一装置内で行われる場合や遅延が生じない程度に近接した装置間で行なわれる場合、ステップS700の後に、ステップS702の処理が実行される。
図8に戻って説明を続ける。次に、CU−CP21は、アップリンクのユーザデータの遅延の測定を要求する遅延測定要求メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S311)。なお、遅延測定要求メッセージは、上述のようにCU−UP22を介してDU31へ送信されてもよい。DU31は、CU−CP21から遅延測定要求メッセージを受信した場合、ダミーのユーザデータであるダミーデータを生成する。そして、CU−UP22は、生成されたダミーデータを、F1−Uインターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S312)。
次に、CU−UP22は、DU31から送信されたダミーデータを受信する。そして、CU−UP22は、ダミーデータの遅延を測定する(S313)。そして、CU−UP22は、ダミーデータの遅延の測定結果を、E1インターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S314)。CU−UP22とDU31との間のアップリンクのユーザデータの遅延の測定においても、DU31は、図11に例示された処理と同様の処理を実行し、CU−UP22は、図12に例示された処理と同様の処理を実行する。ステップS314において送信される測定結果は、第4の遅延情報の一例である。
そして、ダウンリンクのユーザデータについては、図4に例示されたステップS101以降の処理が実行され、アップリンクのユーザデータについては、図5に例示されたステップS201以降の処理が実行される。また、CU−CP21は、図8に例示された処理により測定された各インターフェイスの遅延を考慮して、初期容量割当メッセージおよび容量割当メッセージを作成する。また、CU−CP21は、図8に例示された処理により測定された各インターフェイスの遅延を考慮して、信号の送信タイミングを制御する。
[実施例2の効果]
以上、実施例2について説明した。上記したように、本実施例の無線通信システム10において、DU31が有する第2のプロセッサは、CU−CP21からの要求に応じて、CU−CP21からDU31へ伝送される制御信号の遅延を示す第1の遅延情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する。また、CU−UP22が有する第3のプロセッサは、CU−CP21からの要求に応じて、CU−CP21からCU−UP22へ伝送される制御信号の遅延を示す第2の遅延情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する。また、CU−CP21が有する第1のプロセッサは、DU31に第1の遅延情報を要求し、第1の遅延情報をDU31から取得する処理を実行する。また、第1のプロセッサは、CU−UP22に第2の遅延情報を要求し、第2の遅延情報をCU−UP22から取得する処理を実行する。そして、第1のプロセッサは、第1の遅延情報および第2の遅延情報を用いて第1の制御情報を生成する処理を実行する。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、QoS等の通信条件を満たすフロー制御をより確実に実現することができる。
また、DU31が有する第2のプロセッサは、CU−CP21からの要求に応じて、CU−UP22からDU31へ伝送されるユーザデータの遅延を示す第3の遅延情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する。また、CU−CP21が有する第1のプロセッサは、DU31に第3の遅延情報を要求し、第3の遅延情報をDU31から取得する処理を実行する。また、第1のプロセッサは、第3の遅延情報を用いて第1の制御情報を生成する処理を実行する。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御をより確実に実現することができる。
また、CU−UP22が有する第3のプロセッサは、CU−CP21からの要求に応じて、DU31からCU−UP22へ伝送されるユーザデータの遅延を示す第4の遅延情報をCU−CP21へ送信する処理を実行する。また、CU−CP21が有する第1のプロセッサは、CU−UP22に第4の遅延情報を要求し、第4の遅延情報をCU−UP22から取得する処理を実行する。また、第1のプロセッサは、第4の遅延情報を用いて第1の制御情報を生成する処理を実行する。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、アップリンクのユーザデータのフロー制御をより確実に実現することができる。
実施例1において、CU−CP21は、DU31のバッファ33内に滞留するダウンリンクのユーザデータの滞留量に基づいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御を実行した。これに対し、本実施例3では、CU−CP21は、さらに、DU31のバッファ33からの流出量、CU−UP22のバッファ222内の滞留量、および、バッファ222への流入量に基づいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御を実行する。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、ユーザデータの送信元および送信先のバッファが溢れること、および、空になることを抑制することができる。
なお、本実施例における無線通信システム10の構成は、図1に例示された実施例1の無線通信システム10の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
[gNB100の処理]
図13は、実施例3において、ダウンリンクのユーザデータの伝送におけるgNBの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図13に例示されたシーケンス図では、1つのUE40に対する1つのサービス(スライス)のユーザデータの伝送におけるgNB100の処理の流れの一例が示されている。また、図13において、CU−CP21の処理は、主にフロー制御部213によって実行され、CU−UP22の処理は、主にフロー処理部223によって実行され、DU31の処理は、主にフロー処理部32によって実行される。なお、図13において、図4と同じ符号が付された処理は、図4において説明された処理と同様であるため、説明を省略する。
ダウンリンクのユーザデータの送信が行われた後(S107)、CU−CP21は、ダウンリンクのユーザデータについてのDU31内のバッファ33の状態の測定を要求する測定要求メッセージを作成する。そして、CU−CP21は、作成された測定要求メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S800)。
DU31は、CU−CP21から送信された測定要求メッセージを受信する。そして、DU31は、バッファ33内におけるダウンリンクのユーザデータの滞留量と、バッファ33からのダウンリンクのユーザデータの流出量とを測定する(S801、S802)。DU31は、例えば、所定期間内にバッファ33内に滞留したダウンリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、滞留量として測定する。また、DU31は、例えば、単位時間あたりにバッファ33から流出したダウンリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、流出量として測定する。そして、DU31は、測定されたダウンリンクのユーザデータの滞留量および流出量を含む測定結果を、F1−Cインターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S803)。なお、測定結果は、上述のようにCU−UP22を介してCU−CP21へ送信されてもよい。
CU−CP21は、DU31からダウンリンクのユーザデータの滞留量および流出量を含む測定結果を受信する。そして、CU−CP21は、ダウンリンクのユーザデータについてのCU−UP22内のバッファ222の状態の測定を要求する測定要求メッセージを作成する。そして、CU−CP21は、作成された測定要求メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S804)。
CU−UP22は、CU−CP21から送信された測定要求メッセージを受信する。そして、CU−UP22は、バッファ222内におけるダウンリンクのユーザデータの滞留量と、UPF112からバッファ222内に流入するダウンリンクのユーザデータの流入量とを測定する(S805、S806)。CU−UP22は、例えば、所定期間内にバッファ222内に滞留したダウンリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、滞留量として測定する。また、CU−UP22は、例えば、単位時間あたりにバッファ222内に流入したダウンリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、流入量として測定する。そして、CU−UP22は、測定されたダウンリンクのユーザデータの滞留量および流入量を含む測定結果を、E1インターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S807)。
CU−CP21は、CU−UP22からダウンリンクのユーザデータの滞留量および流入量を含む測定結果を受信する。CU−CP21は、DU31から受信された測定結果と、CU−UP22から受信された測定結果とに基づいて、フロー制御を実行する(S808)。ステップS808におけるフロー制御では、バッファ222およびバッファ33の滞留量、バッファ222の流入量、ならびに、バッファ33の流出量に基づいて、CU−UP22からDU31へ送信されるダウンリンクのユーザデータの送信レートが決定される。例えば、DU31内のバッファ33の流出量と同じレートでダウンリンクのユーザデータがDU31へ送信されれば、バッファ33が溢れることも、バッファ33が空になることも抑制できる。また、例えば、CU−UP22内のバッファ222の流入量と同じレートでユーザデータがDU31へ送信されれば、バッファ222が溢れることも、バッファ222が空になることも抑制できる。そして、CU−CP21は、決定された送信レートを実現するためのパラメータを含む容量割当メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S112)。
図14は、実施例3において、アップリンクのユーザデータの伝送におけるgNBの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図14に例示されたシーケンス図では、1つのUE40に対する1つのサービス(スライス)のユーザデータの伝送におけるgNB100の処理の流れの一例が示されている。また、図14において、CU−CP21の処理は、主にフロー制御部213によって実行され、CU−UP22の処理は、主にフロー処理部223によって実行され、DU31の処理は、主にフロー処理部32によって実行される。なお、図14において、図5と同じ符号が付された処理は、図5において説明された処理と同様であるため、説明を省略する。
アップリンクのユーザデータの送信が行われた後(S207)、CU−CP21は、アップリンクのユーザデータについてのCU−UP22内のバッファ222の状態の測定を要求する測定要求メッセージを作成する。そして、CU−CP21は、作成された測定要求メッセージを、E1インターフェイスを介してCU−UP22へ送信する(S900)。
CU−UP22は、CU−CP21から送信された測定要求メッセージを受信する。そして、CU−UP22は、バッファ222内におけるアップリンクのユーザデータの滞留量と、バッファ222からのアップリンクのユーザデータの流出量とを測定する(S901、S902)。CU−UP22は、例えば、所定期間内にバッファ222内に滞留したダウンリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、滞留量として測定する。また、CU−UP22は、例えば、単位時間あたりにバッファ222内から流出したアップリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、流出量として測定する。そして、CU−UP22は、測定されたアップリンクのユーザデータの滞留量および流出量を含む測定結果を、E1インターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S903)。
CU−CP21は、CU−UP22からアップリンクのユーザデータの滞留量および流出量を含む測定結果を受信する。そして、CU−CP21は、アップリンクのユーザデータについてのDU31内のバッファ33の状態の測定を要求する測定要求メッセージを作成する。そして、CU−CP21は、作成された測定要求メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S904)。
DU31は、CU−CP21から送信された測定要求メッセージを受信する。そして、DU31は、バッファ33内におけるアップリンクのユーザデータの滞留量と、UE40からバッファ33内に流入するアップリンクのユーザデータの流入量とを測定する(S905、S906)。DU31は、例えば、所定期間内にバッファ33内に滞留したアップリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、滞留量として測定する。また、DU31は、例えば、単位時間あたりにバッファ33内に流入したアップリンクのユーザデータのデータ量の平均値を、流入量として測定する。そして、DU31は、測定されたアップリンクのユーザデータの滞留量および流入量を含む測定結果を、F1−Cインターフェイスを介してCU−CP21へ送信する(S907)。なお、測定結果は、上述のようにCU−UP22を介してCU−CP21へ送信されてもよい。
CU−CP21は、DU31からアップリンクのユーザデータの滞留量および流入量を含む測定結果を受信する。CU−CP21は、CU−UP22から受信された測定結果と、DU31から受信された測定結果とに基づいて、フロー制御を実行する(S908)。ステップS908におけるフロー制御では、バッファ222およびバッファ33の滞留量、バッファ33への流入量、ならびに、バッファ222からの流出量に基づいて、DU31からCU−UP22へ送信されるユーザデータの送信レートが決定される。例えば、CU−UP22内のバッファ222からの流出量と同じレートでアップリンクのユーザデータがCU−UP22へ送信されれば、バッファ222が溢れることも、バッファ222が空になることも抑制できる。また、例えば、DU31内のバッファ33への流入量と同じレートでユーザデータがCU−UP22へ送信されれば、バッファ33が溢れることも、バッファ33が空になることも抑制できる。そして、CU−CP21は、決定された送信レートを実現するためのパラメータを含む容量割当メッセージを、F1−Cインターフェイスを介してDU31へ送信する(S212)。なお、容量割当メッセージは、上述のようにCU−UP22を介してDU31へ送信されてもよい。
[実施例3の効果]
以上、実施例3について説明した。上記したように、本実施例のCU−CP21は、DU31内のバッファ33に関する情報として、バッファ33内に滞留するダウンリンクのユーザデータの滞留量を取得する。そして、CU−CP21は、取得された滞留量に基づいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御を行う。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、ユーザデータの送信先のバッファが溢れることを抑制することができる。
また、上記した実施例3において、CU−CP21は、DU31内のバッファ33に関する情報として、バッファ33から単位時間あたりに流出するダウンリンクのユーザデータの流出量を取得する。そして、CU−CP21は、取得された流出量に基づいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御を行う。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、ユーザデータの送信先のバッファが溢れること、および、空になることを抑制することができる。
また、上記した実施例3において、CU−CP21が有する第1のプロセッサは、CU−UP22が有するバッファ222に関する情報をCU−UP22から取得する処理を実行する。また、第1のプロセッサは、バッファ222に関する情報を用いて、ダウンリンクのユーザデータの送信に関する制御情報を生成する処理を実行する。また、CU−UP22が有する第3のメモリの記憶領域の一部には、バッファ222が実現される。また、CU−UP22が有する第3のプロセッサは、UPF112から送信されたユーザデータをバッファ222を介してDU31へ送信する処理を実行する。また、第3のプロセッサは、バッファ222に関する情報として、バッファ222内に滞留するダウンリンクのユーザデータの滞留量をCU−CP21へ送信する処理を実行する。そして、CU−CP21は、取得された滞留量に基づいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御を行う。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、ユーザデータの送信元のバッファが溢れることを抑制することができる。
また、上記した実施例3において、CU−UP22内のバッファ222に関する情報として、バッファ222から単位時間あたりに流出するダウンリンクのユーザデータの流出量を取得する。そして、CU−CP21は、取得された流出量に基づいて、ダウンリンクのユーザデータのフロー制御を行う。これにより、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、ユーザデータの送信元のバッファが溢れること、および、空になることを抑制することができる。
[その他]
なお、開示の技術は、上記した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記した各実施例において、CU−CP21は、アップリンクのユーザデータについて、CU−UP22内のバッファ222に関する情報をCU−UP22から取得し、取得された情報に基づいて、アップリンクのユーザデータの送信レートを決定する。そして、CU−CP21は、決定された送信レートを実現するためのパラメータを含む容量割当メッセージを、DU31へ送信する。DU31は、容量割当メッセージに含まれるパラメータに従って、バッファ33に格納されたアップリンクのユーザデータを、CU−UP22へ送信する。しかし、開示の技術はこれに限られない。
例えば、アップリンクのユーザデータに関するフロー制御は、DU31が行ってもよい。具体的には、CU−UP22内の第3のプロセッサは、DU31から送信されたアップリンクのユーザデータをバッファ222を介してUPF112へ送信する処理を実行する。また、第3のプロセッサは、バッファ222に関する情報をDU31へ送信する処理を実行する。また、DU31内の第2のプロセッサは、バッファ222に関する情報をCU−UP22から取得する処理を実行する。また、第2のプロセッサは、バッファ222に関する情報に基づいてCU−UP22へのアップリンクのユーザデータの送信を制御する処理を実行する。このようにしても、CU/DU分離と、CP/UP分離とが適用されたシステムにおいて、アップリンクのユーザデータのフロー制御を実現することができる。
また、上記した各実施例では、HLS(High Layer Split)により、CU−CP21およびCU−UP22を含むCUと、DU31とが分離されているが、開示の技術はこれに限られない。例えば、CU−CP21およびCU−UP22を含むCUと、DU31とは、LLS(Low Layer Split)により分離されてもよい。
また、上記した各実施例は、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access(登録商標))のHSDPAにおいて、NB(Node B)とRNC(Radio Network Controller)との間の伝送に規定されているフロー制御をベースに構成することができる。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば、上記した各実施例は、LTE(Long Term Evolution)のDC(Dual Connectivity)において、基地局間で実施されるフロー制御をベースに構成されてもよい。例えば、DL USER DATAとDL DATA DELIVERY STATUSをベースとし、バッファ滞留量等の情報をCU−CP21に集約し、上記シグナリングの一部を用いて、CU−CP21がフロー制御を実施してもよい。また、例えば、上記した各実施例は、TCP(Transmission Control Protocol)のwindow制御をベースに構成されてもよい。例えば、CU−CP21が、送信先から通知されたバッファの滞留量を基に、送信元に対して、送信可能な総データ量と送信可能な期間を通知することで、フロー制御を実施してもよい。
また、上記した実施例2において、CU−UP22は、CU−CP21から遅延測定要求メッセージを受信した場合に、ダミーデータをDU31へ送信し、DU31がダウンリンクのユーザデータの遅延を測定する。しかし、開示の技術はこれに限られない。例えば、DU31が有する第2のプロセッサは、CU−UP22からDU31へ伝送されるユーザデータに基づいて、ダウンリンクのユーザデータの遅延を測定する処理を実行してもよい。また、第2のプロセッサは、測定結果をDU31が有する第2のメモリに保存する処理を実行してもよい。また、第2のプロセッサは、CU−CP21からの要求に応じて、第2のメモリに保存された測定結果をCU−CP21へ送信する処理を実行してもよい。これにより、ダミーデータの送信が不要となり、ダウンリンクのユーザデータの遅延をより迅速に測定することができる。また、ダミーデータの送信が不要となるため、CU−UP22とDU31との間のF1−Uインターフェイスのトラフィックの増加を抑えることができる。
アップリンクのユーザデータについても同様に、CU−UP22が有する第3のプロセッサは、DU31からCU−UP22へ伝送されるユーザデータに基づいて、アップリンクのユーザデータの遅延を測定してもよい。また、第3のプロセッサは、測定結果をCU−UP22が有する第3のメモリに保存する処理を実行してもよい。また、第3のプロセッサは、CU−CP21からの要求に応じて、第3のメモリに保存された測定結果をCU−CP21へ送信する処理を実行してもよい。
また、上記した実施例2において、CU−CP21は、複数のCU−UP22および複数のDU31に対して、遅延測定要求を送信してもよい。そして、CU−CP21は、複数のCU−UP22および複数のDU31のそれぞれから受信した測定結果に基づいて、通信条件を満たすことが可能なCU−UP22およびDU31の組み合わせを選択してもよい。
また、上記した各実施例において、CU−CP21、CU−UP22、DU31、およびUE40が有するそれぞれの処理ブロックは、実施例におけるそれぞれの装置の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて機能別に区分したものである。そのため、処理ブロックの区分方法やその名称によって、開示の技術が制限されることはない。また、CU−CP21、CU−UP22、DU31、およびUE40がそれぞれ有する各処理ブロックは、処理内容に応じてさらに多くの処理ブロックに細分化することもできるし、複数の処理ブロックを1つの処理ブロックに統合することもできる。また、それぞれの処理ブロックによって実行される処理は、ソフトウェアによる処理として実現されてもよく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用のハードウェアにより実現されてもよい。