実施の形態1.
図7は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1章参照)。
図7について説明する。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、マクロセルであるeNB72−1と、ローカルノードであるHome−eNB72−2とに分類される。eNB72−1は、移動端末(UE)71と通信可能な範囲であるカバレッジとして、比較的大きい大規模カバレッジを有する。Home−eNB72−2は、カバレッジとして、比較的小さい小規模カバレッジを有する。
eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。MME部73は、コアネットワークであるEPCに含まれる。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB72−2が一つのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、一つまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部73およびHeNBGW74は、上位ノード装置であり、基地局であるeNB72−1およびHome−eNB72−2と、移動端末(UE)71との接続を制御する。MME部73およびHeNBGW74は、コアネットワークであるEPCに含まれる。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB72−2間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2間で制御情報が通信される。MME部73からは、HeNBGW74はHome−eNB72−2として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。
Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続される場合および直接MME部73に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートしない。Home−eNB72−2は、唯一のセルで構成される。
基地局装置は、例えばHome−eNB72−2のように唯一のセルで構成されるが、これに限定されず、複数のセルで構成されてもよい。1つの基地局装置が複数のセルで構成される場合、1つ1つのセルが、移動端末と通信可能に構成される。
図8は、本発明に係る移動端末である図7に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のように実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局である図7に示す基地局72の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74および別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTAC(Tracking Area Code)とPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図7に示すMME部73に含まれるMME73aの構成を示す。PDN GW通信部1001は、MME73aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME73aと基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73aとHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005−3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005−2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME73aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME73aに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005−3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。この関係は、例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(例えば追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME73aの中の他の部分で行われてもよい。MME73aの一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
3GPPにおいて議論されているMME73aの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MME73aは、CSG(Closed Subscriber Group)のメンバーの1つあるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MME73aは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME73aとの間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73aからのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、一つまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME73aの手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME73aとの間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアの識別子であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
移動端末は、ステップST1206で比較した結果、ステップST1205で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST1205で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、移動端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワークは、移動端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。移動端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、移動端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTE、LTE−AおよびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録した一つまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録された一つまたは複数の移動端末とが一つのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。一つのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれか一つのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにアクセス可能となる。
また、LTEおよびLTE−AでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)またはUSIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、ECGIとが対応付けられていれば、ECGIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、あるサービスでは、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する。
このようなサービスを実現するために、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSG(Closed Subscriber Group)セルが導入されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。
HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するため(エリア補完型HeNB/HNB)だけでなく、上述したような様々なサービスへの対応(サービス提供型HeNB/HNB)が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
実施の形態1で解決する課題について、以下に再度説明する。NCTは、レガシーキャリアに関連付けられる(associated)との開示がある(非特許文献11参照)。しかし、NCTをどのようなレガシーキャリアに関連付けるのが良いかなどの開示は無い。したがって、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを正常に、また効率的に運用することができないという問題がある。
実施の形態1における解決策を以下に示す。NCTを、該NCTと同じ周波数バンドに属するレガシーキャリアに関連付ける。UEでは、周波数バンド毎に無線部が存在することが考えられる。本実施の形態では、前述のように、関連付けられたレガシーキャリア(以下「関連レガシーキャリア(Associated Legacy Carrier;略称:ALC)」という場合がある)、NCTとが、同じ周波数バンドに属するので、UEは、関連レガシーキャリアとNCTとを受信するために、1つの周波数バンド用の無線部を動作させればよいことになる。これによって、UEの低消費電力化を図ることができる。レガシーキャリアは、UEに対してサービングセルと成り得る。LTE対応であるUEは、一つのサービングセルに相当するレガシーキャリアで送受信可能である。
ここで、レガシーキャリアは、第1のキャリアに相当する。NCTは、第2のキャリアに相当する。関連レガシーキャリアは、関連キャリアに相当する。
実施の形態1における関連付けの方法の具体例として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)UEにNCTの設定を通知するキャリアを、該NCTに関連付けられたキャリアとする。UEにNCTの設定を通知するキャリアの1つを、該NCTに関連付けられたキャリアとしてもよい。本具体例(1)では、NCTと同じ周波数バンドの関連レガシーキャリアが、UEに該NCTの設定を通知する。ここで、NCTの設定とは、UEがNCTの送受信の際に必要な情報のことである。関連レガシーキャリアは、NCTの設定に代えて、NCTのシステム情報をUEに通知してもよい。NCTの設定、およびNCTのシステム情報は、第2のキャリアであるNCTに関する情報であり、キャリア情報に相当する。
(2)UEにNCTのPDSCHのスケジューリングを通知するキャリアを、該NCTに関連付けられたキャリアとする。UEにNCTのPDSCHのスケジューリングを通知するキャリアの1つを、該NCTに関連付けられたキャリアとしてもよい。本具体例(2)では、NCTと同じ周波数バンドの関連レガシーキャリアが、UEに該NCTのPDSCHのスケジューリングを通知する。
(3)NCTと同期するキャリアを、該NCTに関連付けられたキャリアとする。より詳細には、UEにおいて、分離した同期処理が必要とならない程度に、時間と周波数とでNCTと同期するキャリアを、該NCTに関連付けられたキャリアとする。NCTと同期するキャリアの1つを、該NCTに関連付けられたキャリアとしてもよい。
(4)前記(1)〜(3)の組合せ。
3GPPにおいて、同期NCT(synchronized NCT)と、非同期NCT(non-synchronized NCT)とが議論されている。同期NCTとは、受信側であるUEにおいて、分離した同期処理が必要とならない程度に、時間と周波数とでレガシーキャリアと同期するNCTをいう。非同期NCTとは、同期NCTと同程度の精度では、時間と周波数とでレガシーキャリアと同期しないNCTをいう(3GPP RAN1 67会合レポート(以下「非特許文献12」という)参照)。
非同期NCTは、関連付けるレガシーキャリアに制限を設けず、同期NCTは、該NCTと同じ周波数バンドに属するレガシーキャリアに関連付けるようにしてもよい。非同期NCTは、時間と周波数とでレガシーキャリアと同期していないので、非同期NCTに関連付けるレガシーキャリアに制限を設けたとしても、UEの装置(インプリメント(implement))としての構成においてレガシーキャリア受信用のハードウェアブロックとは別個に電源をオンにする必要があるハードウェアブロックが、同期NCTを用いる場合と比較して多くなると考えられる。したがって、UEの低消費電力に効果的な同期NCTについては、関連付けるレガシーキャリアに制限を設け、非同期NCTについては、その制限を設けないようにすることが好ましい。これによって、非同期NCTについては、関連付けられるレガシーキャリアに制限が設けられないという点において、柔軟な通信システムを構築することが可能となる。
図13は、本発明の実施の形態1における解決策の概念を示す図である。図13において、横軸は周波数fを示す。以下では、レガシーキャリアを「LC」という場合がある。図13に示す例では、レガシーキャリア(LC)1と、NCT1とは、周波数バンドA(Band A)に属する。また、レガシーキャリア(LC)2と、レガシーキャリア(LC)3と、NCT2とは、周波数バンドB(Band B)に属する。
例えば、NCT2を関連付けるレガシーキャリアは、NCT2と同じ周波数バンドBに属する。NCT2と同じ周波数バンドBに属するレガシーキャリアには、レガシーキャリア(LC)2と、レガシーキャリア(LC)3がある。したがって、NCT2は、レガシーキャリア(LC)2、あるいはレガシーキャリア(LC)3に関連付ける。レガシーキャリア(LC)1は、NCT2の属する周波数バンドBとは異なる周波数バンドAに属する。したがって、NCT2は、レガシーキャリア(LC)1には関連付けない。
また、NCTのアーキテクチャについては、3GPPの議論において開示はない。本実施の形態では、NCTに適したアーキテクチャの具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)NCTを構成するエンティティは、ハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat reQuest:HARQ)用のメディアアクセス制御(Medium Access Control:MAC)、すなわちHARQ−MACの機能と、物理レイヤ(Physical layer:PHY)の機能とを有するエンティティとする。以下、NCTを構成するエンティティを「NCTポイント」と称することもある。
(2)NCTポイントは、物理レイヤ(Physical layer:PHY)の機能を有するエンティティとする。該物理レイヤは、HARQ用のMACの機能を有するものとしてもよい。
NCTポイントは、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)およびMACの機能を有しないエンティティとする。NCTポイントは、関連レガシーキャリアのパケットデータ圧縮プロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)、RRC、およびMACの機能を用いるようにしてもよい。
UE毎に関連レガシーキャリアが異なってもよい。その場合、各UEに対するPDCP、RRC、MACの機能は、各UEの関連レガシーキャリアが担ってもよい。関連レガシーキャリアがSCellの場合は、PDCP、RRC、MACの機能は、PCellが担ってもよい。
また、基地局は、構成するキャリアを、レガシーキャリアとして運用するか、NCTとして運用するかを決定することができるようにしてもよい。レガシーキャリアとしての運用と、NCTとしての運用とを、切替え可能としてもよい。
図14は、具体例(1)のNCTのアーキテクチャを示す図である。NCTポイント1401は、HARQ−MAC1402と、PHY1403とを有する。
図15は、既存のセルのアーキテクチャを示す図である(非特許文献1 6.4章参照)。既存のセル1501は、RRC1502、MAC1503、HARQ−MAC1504、およびPHY1505の機能を有するエンティティである。例えセルが、あるUE1にとってSCellと設定された場合であっても、UE1とは別のUEであるUE2にとっては、PCellとなる場合もある。したがって、UE1にとってSCellであるセルであっても、RRC、MACの機能は有することになる。この点において、NCTのアーキテクチャと、既存のセルのアーキテクチャとは異なる。既存のセルは、第1のセルに相当し、NCTのセルは、第2のセルに相当する。
実施の形態1で開示するNCTのアーキテクチャは、RRCおよびMACの機能を有しない。これによって、NCTのエンティティを実現する上で、通信システムが複雑化することを回避することができる。
以上の実施の形態1によって、以下の効果を得ることができる。NCTを関連付けるレガシーキャリアを開示したので、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを統一的に、また正常に運用することが可能となった。
また、UEでは、周波数バンド毎に無線部が存在することが考えられる。本実施の形態1によれば、関連レガシーキャリアと、NCTとが同じ周波数バンドに属するので、UEは、関連レガシーキャリアとNCTとを受信するために、1つの周波数バンド用の無線部を動作させればよいことになる。したがって、UEの低消費電力化を図ることができる。
実施の形態1 変形例1.
実施の形態1の変形例1では、前述の実施の形態1の課題に対する別の解決策を開示する。実施の形態1の変形例1における解決策を以下に示す。本変形例では、前述の実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
本変形例では、NCTを、該NCTとタイミングアドバンスグループ(Timing Advance Group:TAG)が同一となるレガシーキャリアに関連付ける。
UEにおいて、NCTに対して適用するタイミングアドバンス(Timing Advance:TA)が期間満了するか、あるいはタイマが満了する場合、UEは、関連レガシーキャリアにリンクする上りキャリアにおいてRACHを送信してもよい。また、UEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。UEは、該RACHの応答として、関連レガシーキャリアを用いて新たなTA値を受信してもよい。UEは、関連レガシーキャリアにおいてランダムアクセスレスポンスを受信し、新たなTA値を受信してもよい。
UEは、関連レガシーキャリアにおいて受信したTA値を、NCTにおいて援用してもよい。本援用は、NCTを、タイミングアドバンスグループが同一となるレガシーキャリアに関連付けることによって可能となる。これによって、NCTにリンクする上りキャリアでのRACH送信が不要となる。つまり、RACH送信の目的のみでNCTにリンクする上りキャリアを構成する必要がなくなる。これによって、周波数利用効率を向上させることができる。
タイミングアドバンス(TA)は、上り伝播遅延の調整のために設けられる。UEからの送信は、基地局の受信ウィンドウ内となるように、各UEにおいて調整される。TAは、基地局への送信タイミングを早める、あるいは遅らせることを、基地局からUEへ指示するために用いられるパラメータである(非特許文献1 5.2.7.3章参照)。
タイミングアドバンスグループ(TAG)とは、同じTA値となるセルのセットである(3GPP R1−120424(以下「非特許文献13」という)参照)。TAGは、基地局によって構成される(非特許文献13参照)。
UEは、ランダムアクセス処理において、タイミングアドバンスを受信する。具体的には、ランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)の応答であるランダムアクセスレスポンス(Random Access Response)によって、タイミングアドバンス(TA)を受信する。
非同期NCTは、関連付けるレガシーキャリアに制限を設けず、同期NCTは、該NCTと同じタイミングアドバンスグループに属するレガシーキャリアに関連付けるようにしてもよい。非同期NCTは、時間と周波数とでレガシーキャリアと同期していないので、非同期NCTに関連付けるレガシーキャリアに制限を設けたとしても、該NCTとタイミングアドバンスグループが同じとなるレガシーキャリアが存在し難いと考えられる。したがって、NCTとタイミングアドバンスグループが同一となるレガシーキャリアが存在すると考えられる同期NCTについては、関連付けるレガシーキャリアに制限を設け、非同期NCTについては、その制限を設けないようにすることが好ましい。これによって、非同期NCTについては、関連付けられるレガシーキャリアに制限が設けられないという点において、柔軟な通信システムを構築することが可能となる。
実施の形態1の変形例1は、前述の実施の形態1と組合せて用いることが可能である。
以上の実施の形態1の変形例1によって、以下の効果を得ることができる。実施の形態1と同様に、NCTを関連付けるレガシーキャリアを開示したので、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを統一的に、また正常に運用することが可能となった。
また、本変形例では、NCTにリンクする上りキャリアでのRACH送信が不要となるという効果を得ることができる。つまり、RACH送信の目的のみでNCTにリンクする上りキャリアを構成する必要がなくなるという効果を得ることができる。これによって、周波数利用効率を向上させることができる。
実施の形態1 変形例2.
実施の形態1の変形例2において解決する課題について説明する。NCTは、レガシーキャリアに関連付けられる(associated)との開示がある(非特許文献11参照)。しかし、関連付けをいつ決定すべきかなどの開示は無い。したがって、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを正常に、また効率的に運用することができない。
実施の形態1の変形例2における解決策を以下に示す。NCTポイントが設置された場合に、該NCTと関連付けられるレガシーキャリア、すなわち該NCTの関連レガシーキャリアを決定する。NCTポイントの動作が開始された場合に、該NCTの関連レガシーキャリアを決定するようにしてもよい。NCTポイントの動作中は、関連レガシーキャリアの変更を不可としてもよい。NCTの関連レガシーキャリアの決定方法としては、実施の形態1、実施の形態1の変形例1で挙げた方法などを用いることができる。
従来の技術では、システム情報は、RRCの機能によって記憶されている。実施の形態1で開示したように、NCTを構成するエンティティであるNCTポイントが、RRCの機能を有しない場合、NCTポイントは、自装置のシステム情報を記憶するために従来の方法を用いることができない。
NCTの設定、あるいはNCTのシステム情報の記憶方法について、以下に開示する。NCTが関連付けられるレガシーキャリアのRRCが、該NCTのシステム情報を記憶する。これによって、後述する実施の形態1の変形例3のNCTのシステム情報の記憶方法と比較して、NCTのシステム情報を記憶するエンティティが限られるので、通信システムが複雑化することを回避することができ、通信システムを容易に構築することができる。
次に、UEにNCTの設定、あるいはシステム情報を通知する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)UEの個別シグナリング(UE dedicated signaling)を用いて通知する。より詳細には、関連レガシーキャリアからUEに、個別シグナリングを用いて通知する。関連レガシーキャリアから、関連レガシーキャリアとRRC_CONNECTED状態のUEに、個別シグナリングを用いて通知するようにしてもよい。本方法(1)では、NCTを用いるUEが限られた数である場合、後述の方法(2)と比較して繰り返しの通知が不要となるので、無線リソースを有効に活用することができる。
(2)報知シグナリング(Broadcast signaling)を用いて通知する。より詳細には、関連レガシーキャリアから、傘下のUEに、報知シグナリングを用いて通知する。MIB、SIBを用いて通知するようにしてもよい。本方法(2)では、前記方法(1)と異なり、個別のシグナリングの確立などが不要となるので、NCTを用いるUEの数が多い場合、あるいはNCTの設定を多くのUEが知る必要がある場合に、無線リソースを有効に活用することができる。
(3)前記方法(1)と前記方法(2)との組合せ。すなわち、個別シグナリングを用いて通知する方法と、報知シグナリングを用いて通知する方法とを併用する。本方法(3)について、以下に説明する。
3GPP RAN1 69会合レポート(以下「非特許文献14」という」)において、NCTの同一チャネルの展開(Co-channel deployment)が開示されている。同一チャネルの展開の具体例について、図16を用いて説明する。図16は、NCTの同一チャネルの展開の概念を示す図である。NCTは、帯域幅1601を有し、レガシーキャリア(LC)は、帯域幅1602を有する。関連付けられたレガシーキャリア(LC)、すなわち関連レガシーキャリア(ALC)は、帯域幅1602を有するとしてもよい。NCTのキャリア周波数とレガシーキャリア(LC)のキャリア周波数とは同一であるとする。
前記方法(3)の併用の具体例を以下に示す。NCTが同一チャネルの展開である場合は、NCTの設定を通知する方法として方法(2)を用い、NCTが同一チャネルの展開でない場合は、NCTの設定を通知する方法として方法(1)を用いるようにしてもよい。NCTが同一チャネルの展開でない場合の具体例としては、NCTのキャリア周波数と、レガシーキャリアあるいは関連レガシーキャリアのキャリア周波数とが異なる場合がある。
同一チャネルの展開のNCTの設定あるいはシステム情報を通知する方法の具体例を、以下に開示する。NCTのパラメータとして、レガシーキャリアあるいは関連レガシーキャリアと異なるパラメータのみを通知する。
NCTの設定が通知される場合、UEは、通知の無い設定については、レガシーキャリアあるいは関連レガシーキャリアの設定と同一であると認識すればよい。また、NCTのシステム情報が通知される場合、UEは、通知の無いシステム情報については、レガシーキャリアあるいは関連レガシーキャリアのシステム情報と同一であると認識すればよい。
NCTとレガシーキャリアとで異なる値のパラメータの具体例としては、帯域幅などがある。NCTとレガシーキャリアとで同じ値のパラメータの具体例としては、キャリア周波数などがある。
次に、UEにNCTの設定あるいはシステム情報として通知するパラメータの具体例として、以下の(1)〜(12)の12個を開示する。従来の技術のシステム情報と異なる点について主に説明する(非特許文献2参照)。
(1)レガシーキャリアと、NCTとを分別するパラメータ。例えば、レガシーキャリアであるか、NCTであるかを示すパラメータ。本パラメータを追加することによって、本パラメータを受信したUEにおいて、レガシーキャリアに対する動作と、NCTに対する動作とを分けることが可能となる。本具体例(1)について、以下にさらに説明する。
3GPPにおいて、NCTにおけるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を、レガシーキャリアと比較して削減することが検討されている(非特許文献11参照)。従来から、CRSは、UEにおいて測定(Measurement)に用いられている。したがって、UEは、測定対象がレガシーキャリアであるか、またはNCTであるかを認識することができなければ、正確な測定が実行できず、特にレガシーキャリアとNCTとの受信品質の比較などにおいて、不正確となるという課題が発生する。
本具体例(1)のパラメータを追加することによって、UEは、NCTが測定対象の場合には、従来の測定方法とは異なる測定方法とすることが可能となり、正確にレガシーキャリアとNCTとの受信品質の比較が可能となる効果を得ることができる。従来の測定方法とは異なる測定方法の具体例としては、CRSの数に応じて平均の取り方を変更するなどが考えられる。
本具体例(1)のパラメータは、NCTでない旨であってもよい。あるいは、NCTである旨であってもよい。本具体例(1)では、新たに加えられたNCTのシステム情報にのみパラメータを追加すればよく、レガシーキャリアのシステム情報にパラメータを追加する必要がない。この点において、後方互換性に優れた通信システムを構築することが可能となる。
(2)NCTのセルの識別子。例えば、PCI、CGIまたはECGI。
(3)どのセルに関連付けられるかの情報。例えば、関連レガシーキャリアの情報。具体例としては、関連レガシーキャリアのキャリア周波数、関連レガシーキャリアのセル識別子などが考えられる。本具体例(3)について、以下にさらに説明する。
3GPPにおいて、P−SS、S−SSの削減が検討されている(3GPP R1−121231(以下「非特許文献15」という)参照)。従来から、P−SS、S−SSは、UEにおいてセルサーチに用いられている。したがって、NCTからP−SS、S−SSが削減されると、UEにおいて、従来の方法ではNCTのセルサーチをすることが困難になるという課題が発生する。
本具体例(3)のパラメータを追加することによって、UEは、NCTの関連レガシーキャリアの情報を取得可能となり、関連レガシーキャリア経由でのNCTのセルサーチが可能となる。関連レガシーキャリア経由でのNCTのセルサーチの具体例としては、同期NCTである場合は、関連レガシーキャリアのフレームの境界(フレームバウンダリー:frame boundary)などを援用することなどが考えられる。援用の具体例としては、関連レガシーキャリアのフレームの境界とNCTのフレームの境界とを同一とすること、あるいはオフセットを設けることなどが考えられる。
(4)NCTのキャリア周波数。本具体例(4)の場合、UEがNCTのキャリア周波数をサーチする必要がないので、UEのセルサーチの時間を短縮することが可能となる。これによって、UEの消費電力の低減、および処理負荷の軽減を図ることができる。
(5)NCTの帯域幅。
(6)RS(Reference Signals)の送信方法。あるいは測定対象シグナルの送信方法。具体例としては、サブフレーム中のRSの送信個数、CRSが送信される帯域幅などがある。前述のように、3GPPにおいて、NCTにおけるCRSを、レガシーキャリアと比較して削減することが検討されている(非特許文献11参照)。本具体例(6)のパラメータを追加することによって、UEは、NCTが測定対象の場合には、従来の測定方法とは異なる測定方法とすることが可能となり、正確にレガシーキャリアとNCTとの受信品質の比較が可能となる。従来の測定方法とは異なる測定方法の具体例としては、CRSの数に応じて平均の取り方を変更するなどが考えられる。
(7)NCTのインデックス。NCTのインデックスは、NCTの識別子、あるいはNCTのキャリア周波数と関連付けられていてもよい。NCTのインデックスを付加する方法の具体例として、以下の(7−1),(7−2)の2つを開示する。
(7−1)関連レガシーキャリアに関連付けられているNCTにおいて、インデックスを付加する。具体的には、関連レガシーキャリアに関連付けられているNCT間で重ならないように、インデックスを付加する。これによって、NCTのインデックスを送受信することで、関連レガシーキャリアに関連付けられているNCTを、UEおよびネットワーク側で分別可能となる。インデックスとしては、通し番号を付加する。具体的には、関連レガシーキャリアを含めて通し番号とする。あるいは関連レガシーキャリアを含めず通し番号とする。
(7−2)UEに通知されるNCTにおいて、インデックスを付加する。具体的には、UEに通知されるNCT間で重ならないように、インデックスを付加する。これによって、NCTのインデックスを送受信することで、UEに通知されるNCTを、UEおよびネットワーク側で分別可能となる。あるいは、UEに通知されるNCTとSCellとの間で重ならないように、インデックスを付加してもよい。
インデックスとしては、通し番号を付加する。具体的には、UEに通知されるNCTの通し番号とする。あるいは該UEに通知されるNCTとSCellとの通し番号とする。NCTとSCellとの通し番号とすることで、従来の技術のSCellインデックス(SCellIndex)を用いることが可能となる(非特許文献2 6.3.4章参照)。
本具体例(7−2)では、従来の技術を用いることができるので、通信システムが複雑化することを回避することができる。本具体例(7−2)では、従来の技術のSCellインデックス(SCellIndex)にレガシーキャリアであるか、NCTであるかを示すパラメータを付加してもよい。また、本具体例(7−2)のパラメータは、NCTでない旨であってもよい。あるいは、NCTである旨であってもよい。
(8)NCTポイントの設置されている場所の位置情報。本具体例(8)のパラメータを用いることによって、UE経由でネットワーク側がNCTの位置情報を取得可能となる。本具体例(8)のパラメータを用いる場合、たとえば、eNBがUEにNCTポイントの位置情報を要求する。該要求を受信したUEは、前記「NCTポイントの設置されている場所の位置情報」のパラメータを受信し、NCTポイントの設置されている場所の位置情報を該eNBに通知する。NCTポイントが、移動可能なエンティティで構成されるような場合、基地局間通信などを用いずに、UE経由でネットワーク側がNCTの位置情報を取得可能となることは、大きな利点がある。エンティティの移動の度に、基地局間通信などの構築が不要となるからである。NCTポイントを構成する移動可能なエンティティの具体例としては、HeNB、移動可能なRN、移動可能なRRHなどがある。
(9)同期か非同期かを示す情報。同期する場合は、同期するレガシーキャリアを通知してもよい。本具体例(9)のパラメータを用いることによって、UEは、NCTの検出方法およびトラッキング方法、メジャメント方法などを認識することが可能となる。
(10)NCTの上りリンクの情報。上りリンクの情報の具体例としては、NCTにリンクする上りキャリアのキャリア周波数、帯域幅、レガシーキャリアと、NCTとを分別するパラメータなどである。関連レガシーキャリアの上りリンクと同様であれば、その旨を示す情報であってもよい。
(11)NCTが属するTAGの情報。NCTに対して適用するTAが期間満了するか、あるいはタイマが満了する場合、UEは、同じTAGに属するレガシーキャリアにリンクする上りキャリアにおいてRACHを送信してもよい。また、UEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信してもよい。UEは、該RACHの応答として、該レガシーキャリアを用いて新たなTA値を受信してもよい。UEは、該レガシーキャリアにおいてランダムアクセスレスポンスを受信し、新たなTA値を受信してもよい。UEは、該レガシーキャリアにおいて受信したTA値を、NCTにおいて援用してもよい。本援用は、NCTが属するTAGを認識し、TAGが同一となるレガシーキャリアを認識することによって可能となる。これによって、NCTにリンクする上りキャリアでのRACH送信が不要となる。つまり、RACH送信の目的のみでNCTにリンクする上りキャリアを構成する必要がなくなる。これによって、周波数利用効率を向上させることができる。
(12)前記(1)〜(11)の組合せ。
例えば、具体例(1)の、レガシーキャリアとNCTとを分別するパラメータと、具体例(3)の、どのセルに関連付けられるかの情報とを組合せて通知することによって、以下の効果を得ることができる。3GPPにおいて、NCTにおけるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を、レガシーキャリアと比較して削減することが検討されている(非特許文献11参照)。従来から、CRSは、UEにおいて測定(Measurement)に用いられている。例えば、UEは、測定対象がNCTである場合、関連レガシーキャリアの測定結果を援用することも可能となる。
また例えば、具体例(3)の、どのセルに関連付けられるかの情報と、具体例(4)のNCTのキャリア周波数と、具体例(9)の同期か非同期かを示す情報とを組合せて通知することによって、以下の効果を得ることができる。前述の関連レガシーキャリア経由でのNCTのセルサーチが、より確実に実行可能となる。関連レガシーキャリア経由でのNCTのセルサーチの具体例としては、同期NCTである場合は、関連レガシーキャリアのフレームの境界(フレームバウンダリー:frame boundary)などを援用することなどが考えられる。例えば、3GPPにおいて、UEはNCTキャリアを通知されるべきとの提案があるが、本変形例で示すような、パラメータの組合せなどの開示は無い(3GPP R2-122180(以下「非特許文献22」という))。したがって、非特許文献22の開示内容では、関連レガシーキャリアが不明であり、同期しているかの判断が困難であるので、UEは、関連レガシーキャリア経由でのNCTのセルサーチを正確に実行することができない。
また例えば、具体例(6)のRSの送信方法と、具体例(5)のNCTの帯域幅とを組合せて通知することによって、以下の効果を得ることができる。UEが、特有のRSの送信方法によってRSが送信される帯域幅と、NCTの帯域幅とを認識することが可能となり、RSが送信される帯域幅とNCTの帯域幅との比率などを認識することが可能となる。これによって、UEは、正確な無線環境の推定が可能となる。例えば、3GPPにおいて、RSの設定は通知されるべきとの提案があるが、本変形例で示すような、パラメータの組合せなどの開示は無い(非特許文献19参照)。したがって、非特許文献19の開示内容では、RSが送信される帯域幅とNCTの帯域幅との比率などの認識は不可能となる。
前記具体例(1)〜(11)のパラメータの組合せは、以上に述べた例に限定されない。前記(1)〜(11)のパラメータを組合せて通知することによって、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを、より効率的に運用することが可能となる。
UEにNCTの設定を行うエンティティの具体例を、以下に開示する。関連レガシーキャリアが、UEにNCTの設定を行う。UEに対する設定は、UE毎に行ってもよく、傘下のUEに行ってもよく、傘下のRRC_CONNECTED状態のUEに行ってもよい。
特に関連レガシーキャリアがCAのSCellに設定された場合の、UEにNCTの設定を行うエンティティの具体例として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)PCellが、UEにNCTを設定するか否かを判断する。NCTを設定する場合、PCellは、SCellである関連レガシーキャリアにNCTの設定要求を行う。SCellである関連レガシーキャリアは、UEへNCTの設定を行う。PCellが、UEにNCTを設定するか否かを判断することによって、該UEに対するPCell、Sell、Sellに関連付けられたNCTを用いた通信システム全体としてのデータスループットなどを考慮することが容易となる。
(2)PCellが、UEにNCTを設定するか否かを判断する。NCTを設定する場合、PCellは、UEへNCTの設定を行う。PCellは、SCellの設定(SCell Configuration)とともに、NCTの設定を行ってもよい。既存のSCellの設定用シグナリングにNCTの設定領域を追加してもよい。
既存のSCellの設定用シグナリングにNCTの設定領域を追加する場合、NCTの設定用に新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。既存のSCellの設定用シグナリングの具体例としては、「radioResourceConfigDedicatedSCell」、「PhysicalConfigDedicatedSCell」(非特許文献2参照)などがある。
本具体例(2)では、PCellがNCTの設定を行うので、SCellの設定とNCTの設定といった、UEに対するキャリアの設定が、PCellのみから行われることになる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。また、本具体例(2)では、前記具体例(1)と同様にPCellがNCTを設定するか否かを判断するので、前記具体例(1)と同様の効果を得ることができる。
(3)関連レガシーキャリアであるSCellが、UEにNCTを設定するか否かを判断する。NCTを設定する場合、SCellは、UEにNCTの設定を行う。関連レガシーキャリアであるSCellが、NCTを設定するか否かを判断することによって、関連レガシーキャリアの処理負荷、電波環境などを考慮することが容易となる。
(4)関連レガシーキャリアであるSCellが、UEにNCTを設定するか否かを判断する。NCTを設定する場合、SCellは、PCellにNCTの設定要求を行う。PCellは、UEにNCTの設定を行う。PCellからUEへのNCTの設定は、既存のSCellの設定用シグナリングを用いて行ってもよい。既存のSCellの設定用シグナリングにNCTの設定領域を追加してもよい。
既存のSCellの設定用シグナリングにNCTの設定領域を追加する場合、NCTの設定用に新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。既存のSCellの設定用シグナリングの具体例としては、「radioResourceConfigDedicatedSCell」、「PhysicalConfigDedicatedSCell」(非特許文献2参照)などがある。
本具体例(4)では、PCellがUEにNCTの設定を行うので、SCellの設定とNCTの設定といった、UEに対するキャリアの設定が、PCellのみから行われることになる。これによって、UEの処理負荷が軽減されるという効果を得ることができる。また、本具体例(4)では、前記具体例(3)と同様にSCellがNCTを設定するか否かを判断するので、前記具体例(3)と同様の効果を得ることができる。
図17は、本発明の実施の形態1の変形例2の通信システムにおいて、UEにNCTの設定を行うエンティティとして具体例(1)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図17に示すシーケンスは、関連レガシーキャリアが、CAのSCellに設定された場合のシーケンスである。
ステップST1701において、PCellは、UEに、関連レガシーキャリア(ALC)であるSCell(以下、単に「SCell」と称する)の設定を行う。
ステップST1702において、PCellは、SCellに関連付けられているNCTの設定を行うか否かを判断する。PCellは、ステップST1702において、NCTの設定を行うと判断した場合は、ステップST1703に移行し、NCTの設定を行わないと判断した場合は、ステップST1702の処理を繰り返す。
ステップST1703において、PCellは、SCellに、NCTの設定要求を行う。ステップST1703において、PCellは、NCTの設定要求と併せて、設定対象のUEの識別子をSCellに通知してもよい。
ステップST1703でPCellから送信されたNCTの設定要求を受信したSCellは、ステップST1704において、NCTを設定可能か否かの判断を行う。該判断において、SCellは、自セルの処理負荷、電波環境などを考慮してもよい。SCellは、ステップST1704において、NCTを設定不可能と判断した場合は、ステップST1705に移行し、NCTを設定可能と判断した場合は、ステップST1706に移行する。
ステップST1705において、SCellは、PCellに、NCTの設定不可能を通知する。具体的には、SCellは、PCellに「Nack」を送信する。
ステップST1706において、SCellは、PCellに、NCTの設定可能を通知する。具体的には、SCellは、PCellに「Ack」を送信する。
ステップST1704でNCTを設定可能と判断した場合、ステップST1707において、SCellは、UEに、NCTの設定を通知する。
ステップST1708において、PCellは、SCellから、NCTの設定要求に対する応答として「Ack」を受信したか否かを判断する。PCellは、ステップST1708において、「Ack」を受信したと判断した場合は、ステップST1709に移行し、「Ack」を受信していないと判断した場合は、ステップST1710に移行する。
ステップST1709において、PCellは、UEにNCTが設定されたと認識する。
ステップST1710において、PCellは、UEにNCTが設定されていない、すなわち未設定であると認識する。
図18は、本発明の実施の形態1の変形例2の通信システムにおいて、UEにNCTの設定を行うエンティティとして具体例(2)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図18に示すシーケンスは、関連レガシーキャリアが、CAのSCellに設定された場合のシーケンスである。図18に示すシーケンスは、図17に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
具体例(2)では、PCellは、ステップST1702において、SCellに関連付けられているNCTの設定を行うと判断した場合、ステップST1801に移行する。ステップST1801において、PCellは、SCellに、NCTの設定の問合せを行う。ステップST1801において、PCellは、NCTの設定の問合せと併せて、設定対象のUEの識別子をSCellに通知してもよい。
また具体例(2)では、SCellは、ステップST1704でNCTを設定可能と判断した場合、ステップST1802に移行する。ステップST1802において、SCellは、PCellに、NCTの設定可能を通知する。具体的には、SCellは、PCellに「Ack」を送信する。このとき、関連レガシーキャリア(ALC)であるSCellは、PCellに、NCTの設定を通知してもよい。PCellがNCTの設定を記憶しているエンティティであれば、NCTの設定の通知は不要としてもよい。
ステップST1802の処理を行った後は、SCellは、ステップST1804に移行する。ステップST1804において、SCellは、UEにNCTが設定されたと認識する。
また具体例(2)では、SCellは、ステップST1704でNCTを設定不可能と判断した場合、ステップST1705の処理を行った後に、ステップST1803に移行する。ステップST1803において、SCellは、UEにNCTが設定されていない、すなわち未設定であると認識する。
ステップST1805において、PCellは、SCellから、NCTの設定の問合せに対する応答として「Ack」を受信したか否かを判断する。PCellは、ステップST1805において「Ack」を受信したと判断した場合は、ステップST1806に移行し、「Ack」を受信していないと判断した場合は、処理を終了する。
ステップST1806において、PCellは、UEに、NCTの設定を通知する。ステップST1802でSCellからPCellにNCTの設定が通知される場合、PCellは、ステップST1802でSCellから受信したNCTの設定を、ステップST1806において、UEに設定するようにしてもよい。
図19は、本発明の実施の形態1の変形例2の通信システムにおいて、UEにNCTの設定を行うエンティティとして具体例(2)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図19に示すシーケンスは、関連レガシーキャリアが、CAのSCellに設定された場合のシーケンスである。図19では、UEにNCTの設定を行うエンティティの具体例(2)において、SCellの設定とともに、NCTの設定を行う場合のシーケンスを示す。図19に示すシーケンスは、図17および図18に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図19に示す例では、PCellは、関連レガシーキャリア(ALC)であるSCellの設定を行う前に、ステップST1702の判断を行う。その後、通信システムは、以降のステップST1801〜ステップST1804の処理を行う。
ステップST1805で「Ack」を受信したと判断した場合、ステップST1901において、PCellは、UEに、SCellの設定とともに、NCTの設定を行う。NCT設定を含むSCellの設定を通知するとしてもよい。ステップST1802でSCellからPCellにNCTの設定が通知される場合、PCellは、ステップST1802でSCellから受信したNCTの設定を、ステップST1901において、UEに設定するようにしてもよい。
図20は、本発明の実施の形態1の変形例2の通信システムにおいて、UEにNCTの設定を行うエンティティとして具体例(3)を用いた場合のシーケンスの一例を示す。図20に示すシーケンスは、関連レガシーキャリアが、CAのSCellに設定された場合のシーケンスである。図20に示すシーケンスは、図17に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図20に示す例では、ステップST1701の処理が行われた後、ステップST2001において、SCellは、NCTの設定を行うか否かを判断する。SCellは、ステップST2001において、NCTの設定を行うと判断した場合は、ステップST2002に移行し、NCTの設定を行わないと判断した場合は、ステップST2001の処理を繰り返す。
ステップST2002において、SCellは、PCellに、NCTの設定を行うことを報告する。具体的には、SCellは、PCellに、NCTの設定を行うことを表す情報である、NCTの設定報告を送信する。NCTの設定報告では、SCellは、NCTを設定したUEの識別子、設定したNCTのシステム情報などを合わせて、PCellに通知してもよい。
ステップST2002でNCTの設定報告を受信したPCellは、ステップST2003において、UEにNCTが設定されたと認識する。
また、ステップST2001でNCTの設定を行うと判断した場合、ステップST2004において、SCellは、UEに対して、NCTの設定を通知する。
図21は、本発明の実施の形態1の変形例2の通信システムにおいて、UEにNCTの設定を行うエンティティとして具体例(4)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図21に示すシーケンスは、関連レガシーキャリアが、CAのSCellに設定された場合のシーケンスである。図21に示すシーケンスは、図17および図20に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図21に示す例では、SCellは、ステップ2001において、NCTの設定を行うと判断した場合、ステップST2101に移行する。ステップST2101において、SCellは、PCellに、NCTの設定要求を行う。具体的には、NCTこのとき、関連レガシーキャリア(ALC)であるSCellは、PCellに、設定対象のUEの識別子、NCTの設定を通知してもよい。PCellがNCTの設定を記憶しているエンティティであれば、NCTの設定の通知は不要としてもよい。
また、ステップST2001において、NCTの設定を行うと判断した場合、SCellは、ステップST2102において、UEにNCTが設定されたと認識する。
ステップST2101でNCTの設定要求を受信したPCellは、該NCTの設定要求でNCTを設定する対象(以下「NCT設定対象」という場合がある)となっているUEに、ステップST2103において、NCTの設定を通知する。ステップST2101でSCellからNCTの設定要求とともにNCTの設定がPCellに通知される場合、ステップST2103において、PCellは、ステップST2101でSCellから受信したNCTの設定を、ステップST2101でSCellから受信したNCTの設定要求のNCT設定対象のUEに設定するとしてもよい。
実施の形態1の変形例2は、前述の実施の形態1または実施の形態1の変形例1と組合せて用いることが可能である。
以上の実施の形態1の変形例2によって、以下の効果を得ることができる。関連レガシーキャリアがいつ決定されるかを開示したので、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを統一的に、また正常に運用することが可能となった。
本変形例において、PCellからUEに通知されるSCellの設定(SCell Configuration)には、該SCellを関連レガシーキャリアとするNCTが存在するか否かの情報を付加してもよい。また、実施の形態1の変形例2で開示した該NCTの設定を付加してもよい。
これによって、SCellの設定を受信したUEが、NCTが関連付けられているレガシーキャリアと、NCTが関連付けられないレガシーキャリアとに対して、異なる動作を行うようにすることができるという効果を得ることができる。
実施の形態1 変形例3.
実施の形態1の変形例3では、実施の形態1の変形例2の課題に対する別の解決策を開示する。実施の形態1の変形例3における解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例2の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例2と同様とする。
実施の形態1の変形例3では、NCTポイントが設置された場合に限らず、該NCTの関連レガシーキャリアを、準静的あるいはダイナミックに決定する。また、NCTポイント動作中の関連レガシーキャリアの変更を可能とする。初期値となる、NCTの関連レガシーキャリアの決定方法としては、実施の形態1、実施の形態1の変形例1で挙げた方法などを用いることができる。初期値が設定される具体例としては、NCTポイントが設置された場合、あるいはNCTポイントが動作開始された場合などがある。
NCTの関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックに決定する範囲の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)NCTの関連レガシーキャリアをUE毎に決定する。該NCTを用いてデータの送受信を行っているUE毎に該NCTの関連レガシーキャリアは異なってもよい。
(2)NCTの関連レガシーキャリアをNCT毎に決定する。該NCTを用いてデータの送受信を行っているUEにおいて、該NCTの関連レガシーキャリアは同一とする。
NCTの関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)関連レガシーキャリアの電波環境に応じて、NCTの関連レガシーキャリアを決定する。関連レガシーキャリアの電波環境は、UEの位置に応じて変化することが考えられる。したがって、本具体例(1)の決定方法は、前述のNCTの関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックに決定する範囲の具体例(1)との親和性が高い。
(2)関連レガシーキャリアの負荷状況に応じて、NCTの関連レガシーキャリアを決定する。関連レガシーキャリアの負荷状況は、UE毎に変化しないことが考えられる。したがって、本具体例(2)の決定方法は、前述のNCTの関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックに決定する範囲の具体例(2)との親和性が高い。
(3)前記具体例(1)の決定方法と、前記具体例(2)の決定方法との組合せ。
NCTの関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例(1)である、関連レガシーキャリアの電波環境に応じて決定する方法について、以下に具体的に説明する。UE毎に、関連レガシーキャリアの電波環境に応じて、NCTの関連レガシーキャリアを決定する。UEの位置によって、関連レガシーキャリアの電波環境は異なる。したがって、NCTの関連レガシーキャリアをUE毎に決定することによって、UE毎に最適なレガシーキャリアを、NCTの関連レガシーキャリアとして設定することが可能となる。
関連レガシーキャリアは、UEのメジャメント結果に基づいて、関連レガシーキャリアを変更するか否かを判断する。判断の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)関連レガシーキャリアの受信品質が、所定の閾値と比較して低い場合には、関連レガシーキャリアを変更する。また、関連レガシーキャリアの受信品質が、所定の閾値と同じ、あるいは所定の閾値と比較して高い場合には、関連レガシーキャリアを変更しない。
(2)関連レガシーキャリアよりも受信品質が良好なレガシーキャリアが存在する場合には、関連レガシーキャリアを変更する。また、関連レガシーキャリアよりも受信品質が良好なレガシーキャリアが存在しない場合には、関連レガシーキャリアを変更しない。
関連レガシーキャリアは、UEのメジャメント結果に基づいて、新たな関連レガシーキャリア(以下「ターゲットレガシーキャリア」と称する場合がある)を決定する。以下では、変更前の関連レガシーキャリアを「ソースレガシーキャリア」と称する場合がある。ターゲットレガシーキャリアの決定方法の具体例を、以下に開示する。受信品質が最も良いレガシーキャリアを、ターゲットレガシーキャリアとする。
ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアに対して、対象のNCTに対する関連レガシーキャリアとなることの要求(以下「関連レガシーキャリア変更(ALC)要求」という場合がある)を通知してもよい。そのとき、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアに、NCTの設定、具体的には、UEがNCTを受信するときに必要な情報、あるいはNCTのシステム情報を通知してもよい。NCTのシステム情報の具体例は、実施の形態1の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
関連レガシーキャリア変更要求の通知には、既存のシグナリングである「Handover Request」(3GPP TS 36.423 V11.1.0(以下「非特許文献16」という)8.2.1章参照)、あるいは「Handover Required」(3GPP TS 36.413 V11.0.0(以下「非特許文献17」という)8.4.1章参照)を用いてもよい。「Handover Request」は、ソースeNBから、ターゲットeNBに、X2インタフェースを用いて通知される。「Handover Required」は、ソースeNBから、MMEに、S1インタフェースを用いて通知される。
以上に述べた関連レガシーキャリア変更要求の通知方法は、ソースレガシーキャリアとターゲットレガシーキャリアとが、異なるeNBに構成されている場合だけでなく、ソースレガシーキャリアとターゲットレガシーキャリアとが、同じeNB内に構成されている場合に用いてもよい。これによって、eNBの構成によらず、関連レガシーキャリア変更要求の通知方法が統一されるので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
S1インタフェースを用いて関連レガシーキャリア変更要求を通知する場合は、ソースレガシーキャリア、ソースレガシーキャリアを制御するMME、ターゲットレガシーキャリアを制御するMME、ターゲットレガシーキャリアの順で通知すればよい。
この場合、既存のシグナリングに「関連レガシーキャリア変更要求」である旨のインジケータを設ければよい。また、既存のシグナリングにNCTのシステム情報の領域を付加すればよい。これによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することができる。
関連レガシーキャリア変更要求を受信したターゲットレガシーキャリアは、該NCTの関連レガシーキャリアとなるか否かを判断してもよい。レガシーキャリアの処理負荷を考慮して、該NCTの関連レガシーキャリアとなるか否か判断してもよい。
ターゲットレガシーキャリアは、ソースレガシーキャリアに該NCTの関連レガシーキャリアとなるか否かの判断結果を通知してもよい。そのとき、ターゲットレガシーキャリアは、ソースレガシーキャリアに、NCTの設定、例えばUEがターゲットレガシーキャリアの受信の際に必要な情報、あるいはターゲットレガシーキャリアのシステム情報を通知してもよい。
該NCTの関連レガシーキャリアとなるか否かの判断結果の通知には、既存のシグナリングである「Handover Request Acknowledge」(非特許文献16 8.2.1章参照)、あるいは「Handover Command」(非特許文献17 8.4.1章参照)を用いてもよい。「Handover Request Acknowledge」は、ターゲットeNBから、ソースeNBに、X2インタフェースを用いて通知される。「Handover Command」は、ターゲットeNBから、MMEに、S1インタフェースを用いて通知される。
以上に述べたNCTの関連レガシーキャリアとなるか否かの判断結果の通知方法は、ソースレガシーキャリアとターゲットレガシーキャリアとが異なるeNBに構成されている場合だけでなく、ソースレガシーキャリアとターゲットレガシーキャリアとが、同じeNB内に構成されている場合に用いてもよい。これによって、eNBの構成によらず、NCTの関連レガシーキャリアとなるか否かの判断結果の通知方法が統一されるので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
S1インタフェースを用いて、NCTの関連レガシーキャリアとなるか否かの判断結果を通知する場合は、ターゲットレガシーキャリア、ターゲットレガシーキャリアを制御するMME、ソースレガシーキャリアを制御するMME、ソースレガシーキャリアの順で通知すればよい。
この場合、既存のシグナリングに「NCTの関連レガシーキャリアとなるか否かの判断結果」である旨のインジケータを設ければよい。これによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することができる。
ソースレガシーキャリアは、関連レガシーキャリアを変更する旨を対象のUEに通知する。そのとき、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアから受信した、ターゲットレガシーキャリアのシステム情報を、対象のUEに通知してもよい。この場合、関連レガシーキャリアが変更されるときに、UEが、ターゲットレガシーキャリアからターゲットレガシーキャリアのシステム情報を取得する必要がないので、スムーズな変更が可能となる。
関連レガシーキャリアを変更する旨の通知には、既存のシグナリングである「RRCConnectionReconfiguration message」、または「mobilityControlInformation」(非特許文献1 10.1.2.1章参照)を用いてもよい。「RRCConnectionReconfiguration message」および「mobilityControlInformation」は、ソースeNBからUEに通知される。
以上に述べた関連レガシーキャリアを変更する旨の通知方法は、ソースレガシーキャリアとターゲットレガシーキャリアとが、異なるeNBに構成されている場合だけでなく、ソースレガシーキャリアとターゲットレガシーキャリアとが、同じeNB内に構成されている場合に用いてもよい。これによって、eNBの構成によらず、関連レガシーキャリアを変更する旨の通知の方法が統一されるので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
関連レガシーキャリアを変更する旨の通知に、前述の既存のシグナリングを用いる場合には、既存のシグナリングに「関連レガシーキャリアを変更する旨の通知」である旨のインジケータを設ければよい。これによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することができる。
ソースレガシーキャリアは、関連レガシーキャリアを変更する旨を対象のNCTに通知する。そのとき、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアから受信した、ターゲットレガシーキャリアのシステム情報を、対象のNCTに通知してもよい。
関連レガシーキャリアを変更する旨の通知を受信したUEは、対象のNCTの関連レガシーキャリアを変更する。変更するときに、ソースレガシーキャリアから受信したターゲットレガシーキャリアのシステム情報を用いてもよい。レガシーキャリアの変更の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)対象のNCTのPDSCHのスケジューリングを受信するためにモニタするレガシーキャリアを、ソースレガシーキャリアからターゲットレガシーキャリアに変更する。
(2)対象のNCTと同期するキャリアを、ソースレガシーキャリアからターゲットレガシーキャリアに変更する。
非同期NCTは、関連レガシーキャリアを決定する方法として、前述の関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例(1)である、関連レガシーキャリアの電波環境に応じて決定する方法を用いるようにしてもよい。同期NCTは、関連レガシーキャリアを決定する方法として、前述の関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例(1)である、関連レガシーキャリアの電波環境に応じて決定する方法を用いないようにしてもよい。
同期NCTと、その関連レガシーキャリアとは、UEにおける電波環境が類似すると考えられる。したがって、関連レガシーキャリアの電波環境が悪くなり、関連レガシーキャリアを変更するような場合、NCT自体の電波環境も悪くなり、NCTを用いて該UEと通信することが不可能となる可能性がある。このような理由から、同期NCTの場合には、前述のように、関連レガシーキャリアを決定する方法として、前記具体例(1)の関連レガシーキャリアの電波環境に応じて決定する方法を用いないようにしてもよい。
これに対し、非同期NCTと、その関連レガシーキャリアとは、UEにおける電波環境が必ずしも類似しないと考えられる。したがって、関連レガシーキャリアの電波環境が悪くなり、関連レガシーキャリアを変更するような場合であっても、NCTを用いて該UEと通信することが可能な場合がある。このような理由から、非同期NCTの場合には、前述のように、関連レガシーキャリアを決定する方法として、前記具体例(1)の関連レガシーキャリアの電波環境に応じて決定する方法を用いるようにしてもよい。
前述の関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例(2)である、関連レガシーキャリアの負荷状況に応じて、該NCTに関連付けられるレガシーキャリアを決定する方法について、以下に説明する。負荷状況としては、MACの負荷状況、あるいはRRCの負荷状況、スケジューリングの負荷状況などがある。
関連レガシーキャリアは、負荷状況に基づいて、関連レガシーキャリアを変更するか否かを判断する。判断の具体例を、以下に開示する。関連レガシーキャリアの負荷が、所定の閾値と比較して高い場合には、関連レガシーキャリアを変更する。関連レガシーキャリアの負荷が、所定の閾値と同じ、あるいは所定の閾値と比較して低い場合には、関連レガシーキャリアを変更しない。
関連レガシーキャリアは、周辺のレガシーキャリアの負荷状況に基づいて、新たな関連レガシーキャリアであるターゲットキャリアを決定する。ターゲットレガシーキャリアの決定方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)NCTを関連付け可能なレガシーキャリアから、ターゲットレガシーキャリアを選択する。
(2)負荷状況が最も低いレガシーキャリアを、ターゲットレガシーキャリアとする。
変更前の関連レガシーキャリアであるソースレガシーキャリアの周辺のレガシーキャリアの負荷状況を取得する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)ソースレガシーキャリアが、周辺の基地局、あるいは周辺のレガシーキャリアに、負荷状況の報告を依頼する。ソースレガシーキャリアが、関連レガシーキャリアを変更すると判断した場合に、負荷状況の報告を依頼してもよい。ソースレガシーキャリアは、負荷状況の報告の依頼を通知することによって、負荷状況の報告を依頼する。負荷状況の報告の依頼を受信した周辺の基地局、あるいは周辺のレガシーキャリアは、ソースレガシーキャリアに負荷状況を報告する。
負荷状況の報告の依頼の通知には、既存のシグナリングであるX2インタフェースを用いて通知される「Resource Status Request」(非特許文献16 8.3.6.2章参照)を用いてもよい。「Resource Status Request」は、X2インタフェースを用いて通知される。「Resource Status Request」を用いる場合、既存のシグナリングに、「負荷状況」、例えば「MACの負荷状況」、「RRCの負荷状況」または「スケジューリングの負荷状況」を要求するインジケータを設ければよい。これによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することができる。
負荷状況の報告の通知には、既存のシグナリングである「Resource Status Response」(非特許文献16 8.3.6.2章参照)を用いてもよい。「Resource Status Response」は、X2インタフェースを用いて通知される。「Resource Status Response」を用いる場合、既存のシグナリングに、「負荷状況」、例えば「MACの負荷状況」、「RRCの負荷状況」または「スケジューリングの負荷状況」を設ければよい。これによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することができる。
(2)基地局、あるいはレガシーキャリアは、周辺の基地局、あるいはレガシーキャリアに、負荷状況を報告する。周期的に報告するようにしてもよい。負荷状況の報告の通知には、既存のシグナリングである「Resource Status Response」(非特許文献16 8.3.6.2章参照)を用いてもよい。「Resource Status Response」は、X2インタフェースを用いて通知される。
「Resource Status Response」を用いる場合、既存のシグナリングに、「負荷状況」、例えば「MACの負荷状況」、「RRCの負荷状況」または「スケジューリングの負荷状況」を要求するインジケータを設ければよい。そのとき、既存のシグナリングによって、「Resource Status Request」を受信しなくても「Resource Status Response」を送信することが可能になるように変更する。このようにすることによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することができる。
新たな関連レガシーキャリアを決定した後の処理は、前述の関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例(1)である、関連レガシーキャリアの電波環境に応じて決定する方法と同様に行うことができるので、説明を省略する。
図22は、本発明の実施の形態1の変形例3の通信システムにおいて、関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例(1)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。
ステップST2201において、UEは、変更前の関連レガシーキャリアであるソースレガシーキャリアに、測定報告(Measurement Report)を通知する。
ステップST2202において、ソースレガシーキャリアは、ステップST2201で受信した測定報告に基づいて、関連レガシーキャリア(ALC)を変更するか否かを判断する。具体例としては、ソースレガシーキャリアは、ステップST2201で受信したソースレガシーキャリアの受信品質が、所定の閾値と比較して低いか否かを判断することによって、関連レガシーキャリア(ALC)を変更するか否かを判断する。
ソースレガシーキャリアは、受信したソースレガシーキャリアの受信品質が、所定の閾値よりも低いと判断した場合には、関連レガシーキャリア(ALC)を変更すると判断し、ステップST2203に移行する。ソースレガシーキャリアは、受信したソースレガシーキャリアの受信品質が、所定の閾値と同じ、あるいは所定の閾値よりも高いと判断した場合には、関連レガシーキャリア(ALC)を変更しないと判断し、ステップST2202の判断を繰り返す。
ステップST2203において、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアを決定するために必要な測定設定(Measurement Configuration)をUEに通知する。
ステップST2203で測定設定を受信したUEは、受信した測定設定に応じて、測定を実行する。ステップST2204において、UEは、測定した結果を報告する測定報告(Measurement Report)を、ソースレガシーキャリアに通知する。
ソースレガシーキャリアは、ステップST2204で測定報告を受信すると、ステップST2205において、ステップST2204で受信した測定報告に基づいて、ターゲットレガシーキャリアを決定する。
ステップST2206において、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアに、対象のNCTに対する関連レガシーキャリアとなることを要求するメッセージである、関連レガシーキャリア(ALC)変更要求を通知する。そのとき、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアに、NCTのシステム情報を通知してもよい。ALC変更要求は、例えば、既存のシグナリングである「Handover Request」を用いて通知される。
ステップST2206でALC変更要求を受信したターゲットレガシーキャリアは、ステップST2207において、関連レガシーキャリア(ALC)になるか否かを判断する。ターゲットレガシーキャリアは、関連レガシーキャリアになると判断した場合には、ステップST2208に移行し、関連レガシーキャリアにならないと判断した場合には、ステップST2209に移行する。
ステップST2208において、ターゲットレガシーキャリアは、ソースレガシーキャリアに、対象のNCTの関連レガシーキャリアになるか否かの判断結果として、関連レガシーキャリアになる旨を通知する。具体的には、ターゲットレガシーキャリアは、ALC変更要求に対する応答として「Ack」を送信することによって、関連レガシーキャリアになる旨を通知する。ターゲットレガシーキャリアは、例えば、既存のシグナリングである「Handover Request Acknowledge」を用いて、「Ack」を送信してもよい。関連レガシーキャリアになる旨を通知するときには、ターゲットレガシーキャリアは、ソースレガシーキャリアに、ターゲットレガシーキャリアのシステム情報を通知してもよい。
ステップST2209において、ターゲットレガシーキャリアは、ソースレガシーキャリアに、対象のNCTの関連レガシーキャリアになるか否かの判断結果として、関連レガシーキャリアにならない旨を通知する。具体的には、ターゲットレガシーキャリアは、ALC変更要求に対する応答として「Nack」を送信することによって、関連レガシーキャリアにならない旨を通知する。ターゲットレガシーキャリアは、例えば、既存のシグナリングである「Handover Request Acknowledge」を用いて、「Nack」を送信してもよい。
ステップST2210において、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアから、対象のNCTの関連レガシーキャリアになるか否かの判断結果として、関連レガシーキャリアになる旨を受信したか否かを判断する。具体的には、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアから、「Ack」を受信したか否かを判断する。
ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアから「Ack」を受信したと判断した場合には、ターゲットレガシーキャリアから関連レガシーキャリアになる旨の通知を受信したと判断し、ステップST2211に移行する。ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアから「Ack」を受信していない、すなわち「Nack」を受信したと判断した場合には、ターゲットレガシーキャリアから関連レガシーキャリアにならない旨の通知を受信したと判断し、ステップST2213に移行する。
ステップST2211において、ソースレガシーキャリアは、関連レガシーキャリアを変更する旨をUEに通知する。ソースレガシーキャリアは、例えば、既存のシグナリングである「RRCConnectionReconfiguration message」、または「mobilityControlInformation」を用いて、関連レガシーキャリアを変更する旨を通知する。ソースレガシーキャリアは、ステップST2208でターゲットレガシーキャリアからターゲットレガシーキャリアのシステム情報を受信した場合には、ステップST2211において、関連レガシーキャリアを変更する旨とともに、ステップST2208で受信したターゲットレガシーキャリアのシステム情報を、対象のUEに通知してもよい。
ステップST2212において、ソースレガシーキャリアは、関連レガシーキャリアを変更する旨を、対象のNCTに通知する。
ステップST2213において、ソースレガシーキャリアは、再度、ターゲットレガシーキャリアを決定する。そのとき、ソースレガシーキャリアは、ステップST2209で、対象のNCTの関連レガシーキャリアにならない旨を通知してきたレガシーキャリア以外のレガシーキャリアから、ターゲットレガシーキャリアを選択してもよい。また、ソースレガシーキャリアは、ターゲットレガシーキャリアを決定するために必要な測定設定(Measurement Configuration)を、再度、UEに通知してもよい。
ステップST2214において、UEは、対象のNCTの関連レガシーキャリアを、ソースレガシーキャリアからターゲットレガシーキャリアに変更する。変更するときには、UEは、ステップST2211で受信したターゲットレガシーキャリアのシステム情報を用いてもよい。
図23は、本発明の実施の形態1の変形例3の通信システムにおいて、関連レガシーキャリアの準静的あるいはダイナミックな決定方法の具体例(2)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図23に示すシーケンスは、図22に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST2301において、ソースレガシーキャリアは、関連レガシーキャリアを変更するか否かを判断する。図23に示す例では、ソースレガシーキャリアは、関連レガシーキャリアである自キャリアの負荷が、所定の閾値と比較して高いか否かを判断することによって、関連レガシーキャリアを変更するか否かを判断する。
ソースレガシーキャリアは、自キャリアの負荷が、所定の閾値と比較して高いと判断した場合には、関連レガシーキャリアを変更すると判断し、ステップST2302に移行する。ソースレガシーキャリアは、自キャリアの負荷が、所定の閾値と同じか、あるいは所定の閾値と比較して低いと判断した場合には、関連レガシーキャリアを変更しないと判断し、ステップST2301の判断を繰り返す。
例えば、ソースレガシーキャリアは、自キャリアのMACの負荷が、所定の閾値と比較して高いと判断した場合には、関連レガシーキャリアを変更すると判断し、ステップST2302に移行する。ソースレガシーキャリアは、自キャリアのMACの負荷が、所定の閾値と同じか、あるいは所定の閾値と比較して低いと判断した場合には、関連レガシーキャリアを変更しないと判断し、ステップST2301の判断を繰り返す。
ステップST2302において、ソースレガシーキャリアは、周辺のレガシーキャリアに、負荷状況の報告要求を送信することによって、負荷状況の報告を依頼する。周辺のレガシーキャリアには、後にターゲットレガシーキャリアとして選択されるレガシーキャリアも含まれる。負荷状況の報告要求は、例えば、既存のシグナリングである「Resource Status Request」を用いて送信される。
ステップST2302で負荷状況の報告要求を受信した周辺のレガシーキャリアは、ステップST2303において、負荷状況の報告を、ソースレガシーキャリアに送信する。周辺のレガシーキャリアには、後にターゲットレガシーキャリアとして選択されるレガシーキャリアも含まれる。負荷状況の報告は、例えば、既存のシグナリングである「Resource Status Response」を用いて送信される。
ステップST2304において、ソースレガシーキャリアは、ステップST2303で受信した周辺のレガシーキャリアの負荷状況に基づいて、ターゲットレガシーキャリアを決定する。
以上の実施の形態1の変形例3によって、実施の形態1の変形例2と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。実施の形態1の変形例2と比較して、ダイナミックな運用が可能となる。
次に、NCTがUEに対して構成され、該NCTが関連付けられるレガシーキャリアがPCellである場合に、PCellの変更が行われる場合について開示する。ここでのPCellとは、UEに対してCAが構成されている場合のPCellに限らず、UEが上位レイヤに接続されているセルとする。
変更後のPCell(以下「ターゲットPCell」という場合がある)は、対象とするUEに対して、NCTを構成するか否かを判断する。
例えば、変更前のPCell(以下「ソースPCell」という場合がある)は、ターゲットPCellに、該UEのPCell変更を要求するメッセージ(以下「PCell変更要求メッセージ」という場合がある)を送信する。ターゲットPCellは、該UEのPCell変更要求メッセージを受信した場合に、対象とするUEに対してNCTを構成するか否かを判断するとよい。
PCell変更要求メッセージには、PCell変更の要求を示す情報と一緒に、PCell変更前に構成されていたNCTのシステム情報を含めてもよい。また、PCell変更要求メッセージには、本変形例で開示した、ソースレガシーキャリアからターゲットレガシーキャリアに対して通知される、関連レガシーキャリア変更要求の通知方法を適用してもよい。
ターゲットPCellは、ソースPCellから受信したNCTのシステム情報を用いて、NCTを構成するか否かの判断、およびNCTを構成すると判断した場合の該NCTのシステム構成内容を決定する。
NCTを構成するか否かの判断には、NCTの受信品質が良好か否か、あるいは、NCTの受信品質が所定の閾値よりも上か下か、あるいは、NCTを引続き使用可能か否かなどの情報を使用してもよい。これらの情報は、ソースPCellがUEからのメジャメント結果をもとに作成しておき、事前にソースPCellからターゲットPCellに通知しておくとよい。これらの情報は、例えば、PCell変更要求メッセージと一緒に通知してもよい。
PCellの変更前後で、NCTの構成を同一とする場合には、本変形例で開示した方法を適用するとよい。
PCellの変更前後で、対象とするUEに対して、異なるNCTを構成する場合には、ターゲットPCellからソースPCellに対して、構成したNCTのシステム情報を通知する。また、ターゲットPCellで構成する無線リソース構成を通知してもよい。該無線リソース構成に構成したNCTのシステム情報を含めてもよい。該通知方法として、本変形例で開示した「HO request acknowledge」メッセージを利用する方法を適用してもよい。
ターゲットPCellから、新たに構成されたNCTのシステム情報を受信したソースPCellは、UEに対して、該情報を通知する。また、該NCTのシステム情報を含む無線リソース構成を受信した場合は、該情報を通知するとよい。該通知方法として、本変形例で開示した「RRCCconnectionreconfiguration」メッセージ、メッセージ制御情報(Message Control Information;略称:MCI)などを利用する方法を適用してもよい。
このようにソースPCellが、ターゲットPCellから受信したNCTのシステム情報をUEに通知するようにすることによって、UEは、ターゲットPCellと、新たに構成されたNCTとに対して同期を行い、通信を行うことが可能となる。
ここで開示した方法は、同一eNB内のPCellを変更する場合にも、異なるeNBのPCellを変更する場合にも適用可能である。
PCellの変更前後でNCT構成を同一とする場合にも、前記に開示した方法を適用してもよい。これによって、ターゲットPCellで構成するNCTのシステム情報、あるいは該NCTのシステム情報を含む無線リソース構成を、ソースPCellおよびUEに確実に通知することができるので、UEおよびターゲットPCellの状態不一致による接続断を低減することができる。「接続断」とは、接続が切断されることをいう。
ターゲットPCellが、NCTを構成しないと決定した場合には、ターゲットPCellは、ソースPCellにNCTのシステム情報を通知しないようにすればよい。ターゲットPCellは、該NCTのシステム情報を含まず、ターゲットPCellの無線リソース構成のみを含むメッセージを通知するようにしてもよい。同様にソースPCellは、UEにNCTのシステム情報を通知しないようにすればよい。ソースPCellは、該NCTのシステム情報を含まず、ターゲットPCellの無線リソース構成のみを含むメッセージを通知するようにしてもよい。これによって、UEは、PCellの変更後にNCTが構成されないことを認識することができる。
変更後のPCellであるターゲットPCellは、対象とするUEに対してNCTを構成する場合、該UEに対してCAを行ってもよい。また、NCTが関連付けられるレガシーキャリアを、CAで構成するSCellのうちの一つとしてもよい。
この場合、前記に開示した方法を適用し、さらに、ターゲットPCellは、PCell変更後のCAの構成をソースPCellに通知するとよい。またソースPCellは、PCell変更後のCAの構成をUEに通知するとよい。CAの構成としては、CAが行われる一つまたは複数のSCellの構成情報あるいはシステム情報などがある。また、どのSCellが、NCTの関連レガシーキャリアになっているか、を示す情報を一緒に通知するとよい。
これによって、UEは、SCellとともにNCTと、同期を行い、通信を行うことが可能となる。
なお、CAにおいて、NCTがSCellの一つとして構成されてもよい。この場合にも、同様の方法を適用することができる。
前記に開示した方法によって、NCTがUEに対して構成され、該NCTの関連レガシーキャリアがPCellである場合に、PCellを変更する場合にも、PCellの変更前後で通信を切断すること無く、NCTの利用が可能となり、UEとネットワーク側とで高速な通信を行うことが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2において解決する課題について説明する。3GPPにおいて、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングは、レガシーキャリアのPDCCHを用いてUEに通知することが提案されている。レガシーキャリアのPDSCHのスケジューリングを、レガシーキャリアのPDCCHを用いてUEに通知することは、クロスキャリアスケジューリングと称されている(3GPP R1−121466(以下「非特許文献18」という)参照)。
NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを実行するレガシーキャリアと、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリング結果をUEに通知するレガシーキャリアとは、同一とされる。これによって、スケジューリングと、スケジューリング結果の通知とを、同一のレガシーキャリアで実行することができるので、通信システムの制御遅延を防止することができる。該レガシーキャリアを「スケジューリングレガシーキャリア(Scheduling Legacy Carrier;略称:SLC)」と称する。
従来においても、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、PCellのPDCCHを用いてUEに通知する、クロスキャリアスケジューリングの開示がある(非特許文献1 11.1章参照)。しかし、NCTに適したクロスキャリアスケジューリングの方法の開示は無い。
例えば、スケジューリングレガシーキャリアが「非動作(Deactivation)」に設定された場合、NCTへのクロスキャリアスケジューリングが不可能となるという課題が発生する。したがって、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを、クロスキャリアスケジューリングを用いて、正常に、また効率的に運用することができないという課題が発生する。
また、NCTの設定、あるいはNCTのシステム情報を通知されたUEが、該NCTを常に動作中として取扱わなくてはならないか否かについての開示はない。NCTの設定、あるいはNCTのシステム情報を通知されたUEが、該NCTを常に動作中として取扱う場合、UEの消費電力が多くなるという課題が発生する。
以上の課題に対する実施の形態2における解決策を以下に示す。NCTの設定、あるいはNCTのシステム情報を通知されたUEが、該NCTを常に動作中として取扱わなくてもよいものとする。具体的には、NCTの設定、あるいはNCTのシステム情報の通知があったNCTについては、「動作(Activation)」または「非動作(Deactivation)」(以下、まとめて「動作/非動作(Activation/Deactivation)」という場合がある)の制御を可能とする。
NCTに適したクロスキャリアスケジューリングの方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)スケジューリングレガシーキャリアについては、「非動作」を禁止とする。または、スケジューリングレガシーキャリアを、常に「動作」とする。NCTの動作/非動作は、スケジューリングレガシーキャリアからシグナリングを用いて明示的に指示する。スケジューリングレガシーキャリアを、「非動作」禁止、または常に「動作」とすることによって、常に、スケジューリングレガシーキャリアからNCTへのクロスキャリアスケジューリングが可能となる。
(2)スケジューリングレガシーキャリアが「非動作」のときは、NCTも「非動作」とする。NCTの「非動作」のシグナリングを用いた明示的な指示は、省略してもよい。UEは、スケジューリングレガシーキャリアの「非動作」を示すシグナリングを受信した場合、NCTも「非動作」となると認識する。具体例(2)の場合、UEにおいて、NCTの「非動作」のシグナリングの受信動作が不要となるので、UEの処理負荷の軽減、および低消費電力化を図ることができる。これによって、NCTが動作しているときに、スケジューリングレガシーキャリアが「非動作」となることがない。したがって、スケジューリングレガシーキャリアが「非動作(Deactivation)」とされた場合、NCTへのクロスキャリアスケジューリングが不可能となるという課題を解決することができる。
(3)スケジューリングレガシーキャリアおよびNCTの動作/非動作の状態遷移を同一とする。NCTの動作/非動作のシグナリングを用いた明示的な指示は、省略してもよい。UEは、スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を示すシグナリングを受信した場合、NCTも同様に状態遷移すると認識する。具体例(3)の場合、UEにおいて、NCTの動作/非動作のシグナリングの受信動作が不要となるので、UEの処理負荷の軽減、および低消費電力化を図ることができる。これによって、NCTが「動作」しているときに、スケジューリングレガシーキャリアが「非動作」となることがない。したがって、スケジューリングレガシーキャリアが「非動作(Deactivation)」とされた場合、NCTへのクロスキャリアスケジューリングが不可能となるという課題を解決することができる。
スケジューリングレガシーキャリアは、NCTの関連レガシーキャリアとしてもよい。また、スケジューリングレガシーキャリアは、PCellであってもよいし、PCellでなくてもよい。また、スケジューリングレガシーキャリアは、SCellであってもよい。
スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定、あるいは決定するエンティティが、対象のセルをスケジューリングレガシーキャリアであるか否かを認識する方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。本説明では、便宜上、スケジューリングレガシーキャリアを「関連レガシーキャリア」とし、スケジューリングレガシーキャリアを「SCell」とし、スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定、あるいは決定するエンティティを「PCell」とする。
(1)対象のセルに関連付けられたNCTが存在する場合に、該セルを、関連レガシーキャリアであると認識する。具体例として、以下の(1−1)〜(1−3)の3つを開示する。
(1−1)実施の形態1の変形例2の場合は、静的に関連レガシーキャリアを決定する。NCTポイントが設置された場合、あるいはNCTポイントが動作開始する場合に、対象のセルは、周辺のセルあるいは基地局に、関連レガシーキャリアとなった旨を通知する。関連レガシーキャリアとなった旨の通知には、例えば、既存のシグナリングである、X2インタフェースを用いて通知される「X2 SETUP REQUEST」(非特許文献16 9.1.2.3章参照)が用いられる。その場合、「Served Cells」パラメータ中に、関連付けられたNCTがあるか否かの情報を付加すればよい。また、実施の形態1の変形例2で示したNCTのシステム情報を付加してもよい。
(1−2)実施の形態1の変形例3の場合は、準静的あるいはダイナミックに、関連レガシーキャリアを決定する。関連レガシーキャリアとなった対象のセルは、周辺のセルあるいは基地局に、関連レガシーキャリアとなった旨を通知する。関連レガシーキャリアとなった旨の通知には、例えば、既存のシグナリングである、X2インタフェースを用いて通知される「ENB CONFIGURATION UPDATE」(非特許文献16 9.1.2.8章参照)が用いられる。その場合、「Served Cells to Modify」パラメータ中に、関連付けられたNCTがあるか否かの情報を付加すればよい。また、実施の形態1の変形例2で示したNCTのシステム情報を付加してもよい。
(1−3)スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティが、対象のセルに、関連付けられたNCTが存在するか否かを問い合わせる。具体的には、関連付けられたNCTが存在するか否かの問い合わせを、対象のセルに送信する。問い合わせを受信した対象のセルは、関連付けられたNCTが存在するか否かの問い合わせに応答する。
(2)対象のセルに関連付けられたNCTが存在し、1つ以上のUEにNCTの設定が通知された場合に、該セルを、関連レガシーキャリアであると認識する。具体例として、以下の(2−1),(2−2)の2つを開示する。
(2−1)スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティは、UEにNCTの設定を通知した場合に、あるいはNCTの設定の通知の報告を受信した場合に、該セルを、関連レガシーキャリアであると認識する。例えば、スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティ、前述の図17〜図21ではPCellは、実施の形態1の変形例2で開示した図17のステップST1709、図18のステップST1806、図19のステップST1901、図20のステップST2003、図21のステップST2101において、対象のセルを、スケジューリングレガシーキャリアであると認識する。
(2−2)スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティが、対象のセルに、関連付けられたNCTが存在し、1つ以上のUEにNCTの設定が通知されたか否かを問い合わせる。具体的には、関連付けられたNCTが存在し、1つ以上のUEにNCTの設定が通知されたか否かの問い合わせを、対象のセルに送信する。問い合わせを受信した対象のセルは、関連付けられたNCTが存在し、1つ以上のUEにNCTの設定が通知されたか否かを応答する。
(3)対象のセルをスケジューリングレガシーキャリアと設定した場合に、該セルを、関連レガシーキャリアであると認識する。つまり、対象のセルをスケジューリングレガシーキャリアと設定したエンティが、該スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定、あるいは決定する。これによって、具体例(1),(2)と比較して「通知」または「問合せ」が不要となるので、通信システムの制御遅延の防止、および処理負荷の軽減を図ることができる。
また、スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定、あるいは決定するエンティティが、対象のセルがスケジューリングレガシーキャリアであるか否かを認識していない場合、あるいは認識できない場合は、前述のNCTに適したクロスキャリアスケジューリングの方法の具体例(1)を用いればよい。これによって、たとえ対象のセルがスケジューリングレガシーキャリアであっても、対象のセルは「非動作」禁止、または常に「動作」となるので、常に、対象のセルからNCTへのクロスキャリアスケジューリングが可能となる。
図24は、本発明の実施の形態2の通信システムにおいて、NCTに適したクロスキャリアスケジューリングの方法として具体例(1)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図24に示す例では、スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティをPCellとし、スケジューリングレガシーキャリア(SLC)をSCellとして説明する。
ステップST2401において、PCellは、UEに対して、SCellの設定を行う。
ステップST2402において、PCellは、動作/非動作を設定あるいは決定する対象であるSCellが、スケジューリングレガシーキャリア(SLC)であるか否かを判断する。PCellは、SCellがスケジューリングレガシーキャリアであると判断した場合、ステップST2403に移行する。PCellは、SCellがスケジューリングレガシーキャリアでないと判断した場合、本アイデアの特徴的部分ではないので、説明を省略する。
PCellが、SCellがスケジューリングレガシーキャリアであるか否かを判断する具体的な方法としては、前述のスケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティが、対象のセルをスケジューリングレガシーキャリアであるか否かを認識する方法の具体例を用いることができる。
ステップST2403において、PCellは、SCellを非動作にすることを禁止する。具体的には、PCellは、SCellを「非動作」禁止と管理する。すなわち、PCellは、SCellを常に「動作」とする。
ステップST2404において、PCellは、対象のUEに、SCellを「動作」と設定することを通知する。
ステップST2405において、SCellは、UEに対して、NCTの設定を行う。ここで、UEに対してNCTの設定を行うエンティティとしては、SCellに限らず、実施の形態1の変形例2で開示した、UEに対してNCTの設定を行うエンティティの具体例を用いることができる。また、ステップST2405の処理は、ステップST2401の前などに行われていても問題ない。
ステップST2406において、SCellは、PDSCHのスケジューリングを行う。SCellは、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを行うようにしてもよい。
ステップST2407において、SCellは、ステップST2406のスケジューリングの結果、NCTにPDSCHがマッピングされるか否かを判断する。SCellは、NCTにPDSCHがマッピングされると判断した場合、ステップST2408に移行する。SCellは、NCTにPDSCHがマッピングされないと判断した場合、ステップST2410に移行する。ここでは、NCTにPDSCHがマッピングされるか否かに基づいて、NCTの動作/非動作を決定する例について開示したが、別の基準に基づいてNCTの動作/非動作を決定してもよい。
ステップST2408において、SCellは、UEに、NCTが「動作」に設定されたことを通知する。
ステップST2409において、SCellは、UEに対して、NCTにマッピングされるPDSCHをクロスキャリアスケジューリングする。
ステップST2410において、SCellは、UEに、NCTが「非動作」に設定されたことを通知する。
図25は、本発明の実施の形態2の通信システムにおいて、NCTに適したクロスキャリアスケジューリングの方法として具体例(2)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図25に示す例では、スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティをPCellとし、スケジューリングレガシーキャリア(SLC)をSCellとして説明する。図25に示すシーケンスは、図24に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図25に示す例では、ステップST2401の処理の後に、ステップST2501において、PCellは、PDSCHのスケジューリングを行う。PCellは、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを行うようにしてもよい。
ステップST2502において、PCellは、ステップST2501のスケジューリングの結果、SCellにPDSCHがマッピングされるか否かを判断する。PCellは、SCellにPDSCHがマッピングされると判断した場合、ステップST2503に移行する。PCellは、SCellにPDSCHがマッピングされないと判断した場合、ステップST2506に移行する。ここでは、SCellにPDSCHがマッピングされるか否かに基づいて、SCellの動作/非動作を決定する例について開示したが、別の基準に基づいてSCellの動作/非動作を決定してもよい。
ステップST2503において、PCellは、UEに、SCellを「動作」に設定することを通知する。
ステップST2504において、PCellは、UEに対して、SCellにマッピングされるPDSCHをクロスキャリアスケジューリングする。
ステップST2505において、PCellは、SCellに、SCellを「動作」に設定することを通知する。
ステップST2506において、PCellは、UEに、SCellを「非動作」に設定することを通知する。ステップST2507において、PCellは、SCellに、SCellを「非動作」に設定することを通知する。
ステップST2508において、SCellは、自セルが「動作」と設定されているか、「非動作」と設定されているかを判断する。SCellは、自セルが「非動作」と設定されているか否かを判断するようにしてもよい。SCellは、自セルが「非動作」と設定されていないと判断した場合、ステップST2406に移行する。SCellは、自セルが「非動作」と設定されていると判断した場合、ステップST2509に移行する。
ステップST2509において、SCellは、NCTが「動作」禁止に設定されたと認識する。SCellは、NCTにPDSCHをマッピング禁止と認識する。
ステップST2510において、UEは、SCellが「動作」と設定されているか、「非動作」と設定されているかを判断する。UEは、「非動作」と設定されているか否かを判断してもよい。UEは、「非動作」と設定されていると判断した場合、ステップST2511に移行する。UEは、「非動作」と設定されていないと判断した場合、ステップST2408に移行する。
ステップST2511において、UEは、NCTも「非動作」と設定されていると認識する。
図26は、本発明の実施の形態2の通信システムにおいて、NCTに適したクロスキャリアスケジューリングの方法として具体例(3)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図26に示す例では、スケジューリングレガシーキャリアの動作/非動作を設定あるいは決定するエンティティをPCellとし、スケジューリングレガシーキャリア(SLC)をSCellとして説明する。図26に示すシーケンスは、前述の図24および図25に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図26に示す例では、ステップST2401、ステップST2501〜ステップST2507およびステップST2405の処理の後、ステップST2601において、UEは、SCellが「動作」と設定されているか、「非動作」と設定されているかを判断する。UEは、SCellが「非動作」と設定されているか否かを判断してもよい。UEは、SCellが「非動作」と設定されていると判断した場合、ステップST2511に移行する。UEは、SCellが「非動作」と設定されていないと判断した場合、ステップST2602に移行する。
ステップST2602において、UEは、NCTも「動作」と設定されていると認識する。ステップST2601からステップST2511に移行した場合にUEで行われるステップST2511の処理、ならびにステップST2405の処理後にSCellで行われるステップST2508、ステップST2509、ステップST2406、ステップST2407およびステップST2409の処理は、前述の図24および図25に示すシーケンスと同様である。
以上の実施の形態2によって、以下の効果を得ることができる。レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを、クロスキャリアスケジューリングを用いて、正常に、また効率的に運用することができる。
実施の形態2 変形例1.
実施の形態2の変形例1において解決する課題について説明する。スケジューリングレガシーキャリアがSCellとなった場合の、NCTに適したクロスキャリアスケジューリングの方法の開示は無い。したがって、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを、クロスキャリアスケジューリングを用いて、正常に、また効率的に運用することができない。
実施の形態2の変形例1における解決策として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)NCTにマッピングされるPDSCHのクロスキャリアスケジューリングは、PCellが行う。
(2)SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、PCellがクロスキャリアスケジューリングで行う場合に、NCTにマッピングされるPDSCHのクロスキャリアスケジューリングは、PCellが行う。SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、SCellのPDCCHで行う場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのクロスキャリアスケジューリングは、PCell、あるいはSCellが行う。
以上の2つの方法によれば、SCellにマッピングされるPDSCHをPCellがクロスキャリアスケジューリングする場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのクロスキャリアスケジューリングは、PCellが行うこととなる。これによって、SCellにマッピングされるPDSCHをPCellがクロスキャリアスケジューリングする場合は、UEは、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するためと、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するためとに、PCellのPDCCHを受信すればよくなる。すなわち、SCellのPDCCHの受信が不要となる。したがって、UEの処理負荷を軽減することができる。
図27は、本発明の実施の形態2の変形例1における解決策(1)の概念を示す図である。解決策(1)では、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングは、PCellのPDCCHを用いて通知される。UEは、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するために、PCellのPDCCHを受信する。
図28および図29は、本発明の実施の形態2の変形例1における解決策(2)の概念を示す図である。図28は、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングをPCellがクロスキャリアスケジューリングで行う場合を示す。図29は、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングをSCellのPDCCHで行う場合を示す。
解決策(2)において、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングをPCellがクロスキャリアスケジューリングを行う場合、図29に示すように、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングは、PCellのPDCCHを用いて通知される。UEは、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するために、PCellのPDCCHを受信する。
解決策(2)において、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングをSCellのPDCCHで行う場合、図29に示すように、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングは、PCellのPDCCH、あるいはSCellのPDCCHを用いて通知される。UEは、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するために、PCellのPDCCH、あるいはSCellのPDCCHを受信する。
以上の実施の形態2の変形例1によって、実施の形態2と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。SCellにマッピングされるPDSCHをPCellがクロスキャリアスケジューリングする場合は、UEは、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するためと、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するためとに、PCellのPDCCHを受信すればよくなる。すなわち、SCellのPDCCHの受信が不要となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
実施の形態2 変形例2.
実施の形態2の変形例2において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例1を用いて、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングをPCellがクロスキャリアスケジューリングで行う場合に、NCTにマッピングされるPDSCHのクロスキャリアスケジューリングをPCellが行うようにしたとき、以下の課題が発生することがある。PCellのPDCCHによって、PCellにマッピングされるPDSCH、SCellにマッピングされるPDSCH、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを通知する必要がある。したがって、PCellのPDCCHのリソース不足という課題が発生する場合がある。
実施の形態2の変形例2における解決策を以下に開示する。SCellにマッピングされるPDSCHをPCellがクロスキャリアスケジューリングすることを禁止する。SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングは、SCellのPDCCHで行う。NCTにマッピングされるPDSCHのクロスキャリアスケジューリングは、SCellが行う。NCTにマッピングされるPDSCHのクロスキャリアスケジューリングは、PCellが行ってもよい。
図30は、本発明の実施の形態2の変形例2における解決策の概念を示す図である。実施の形態2の変形例2の解決策では、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングは、SCellのPDCCHを用いて通知される。PCellのPDCCHを用いたクロスキャリアスケジューリングは禁止とする。図30では、禁止されているクロスキャリアスケジューリングについては、矢符に「×」を付して示している。
UEは、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するために、SCellのPDCCHを受信する。また、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングは、SCellのPDCCHを用いて、あるいはPCellのPDCCHを用いて通知される。UEは、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを受信するために、SCellのPDCCH、あるいはPCellのPDCCHを受信する。
以上の実施の形態2の変形例2によって、実施の形態2と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。PCellのPDCCHによる、PCellにマッピングされるPDSCH、SCellにマッピングされるPDSCH、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知が不要となる。これによって、PCellのPDCCHのリソース不足という課題の発生を抑制することができる。
実施の形態2 変形例3.
実施の形態2の変形例3において解決する課題について説明する。3GPPにおいて、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、拡張コントロールチャネル(E−PDCCH)、あるいはクロスキャリアスケジューリングを用いるという提案がある。該提案では、E−PDCCHおよびクロスキャリアスケジューリングのいずれを使うかは、レガシーキャリアから設定するとされている(3GPP R1−122175(以下「非特許文献19」という)参照)。しかし、非特許文献19には、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、E−PDCCHおよびクロスキャリアスケジューリングをどのように使い分けて用いるかについての開示はない。したがって、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを、クロスキャリアスケジューリングを用いて、正常に、また効率的に運用することができない。
実施の形態2の変形例3における解決策として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)NCTにリンクする上りが存在する場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、E−PDCCHを用いる。
NCTにリンクする上りが存在する場合、上りデータに対する応答信号を下りにおいて通知する必要がある。PDCCHが送信されないようなキャリアにおける、上りデータに対する応答信号の通知方法としては、拡張HARQインジケータチャネル(E−HICH)が検討されている。E−HICHおよびE−PDCCHについては、UEに対して、別途チャネル設定がなされることも考えられている。
したがって、上りデータに対する応答信号を下りにおいて通知する必要がある、NCTにリンクする上りが存在する場合においては、E−HICHとの親和性の高いE−PDCCHを用いて、NCTにマッピングされるPDSCHをスケジューリングする。これによって、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングにクロスキャリアスケジューリングを用い、上りデータに対する応答信号の送信方法を別途新設する場合と比較して、通信システムが複雑化することを回避することができる。
また、E−PDCCHおよびクロスキャリアスケジューリングのいずれを使うかの、レガシーキャリアからの設定は不要とする。UEは、NCTのシステム情報でリンクする上りが存在するか否かによって、スケジューリング方法を認識する。具体的には、UEは、NCTのシステム情報でリンクする上りが存在する場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、E−PDCCHが用いられると認識する。UEは、NCTのシステム情報でリンクする上りが存在しない場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、クロスキャリアスケジューリングが用いられると認識する。
解決策(1)では、非特許文献19と異なり、レガシーキャリアからの明示的な設定が不要であるので、新たなシグナリングを設ける必要がない。したがって、通信システムが複雑化することを回避することができる。
(2)キャリアアグリゲーションが実行あるいは設定されている場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、クロスキャリアスケジューリングを用いる。具体的には、スケジューリングレガシーキャリアがPCellである場合、あるいはスケジューリングレガシーキャリアがSCellである場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、クロスキャリアスケジューリングを用いる。また、スケジューリングレガシーキャリアがPCellでなく、かつスケジューリングレガシーキャリアがSCellでない場合は、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングの通知に、E−PDCCHを用いるようにしてもよい。
従来においても、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、PCellのPDCCHを用いてUEに通知する、クロスキャリアスケジューリングの開示がある(非特許文献1 11.1章参照)。したがって、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリング、およびNCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、同様にクロスキャリアスケジューリングとすることができ、通信システムが複雑化することを回避することができる。
以上の実施の形態2の変形例3によって、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2 変形例4.
実施の形態2の変形例4において解決する課題について説明する。従来においても、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、PCellのPDCCHを用いてUEに通知する、クロスキャリアスケジューリングの開示がある(非特許文献2参照)。具体的には、「CrossCarrierSchedulingConfig」に含まれる「pdsch-Start」パラメータを用いて、SCellのPDSCHのスタートするOFDMシンボルを指定する。
パラメータの値は、「1」、「2」、「3」、「4」である。該パラメータによって、SCellにおける、3GPP TS 36.213 V10.6.0(以下「非特許文献20」という)の7.1.6.4章に示すPDSCHのスタートOFDMシンボルを示す。なお、パラメータの値「1」、「2」、「3」は、3GPP TS 36.211 V10.5.0(以下「非特許文献21」という)の表6.7−1に示すように、SCellの下り帯域幅が10リソースブロックを超える場合に使用可能である。また、パラメータの値「2」、「3」、「4」は、非特許文献21の表6.7−1に示すように、SCellの下り帯域幅が10リソースブロック以下の場合に使用可能である。
つまり、パラメータの値「1」は、SCellの下り帯域幅が10リソースブロックを超える場合のPDCCHのOFDMシンボル数が「1」であるときの、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示す。
また、パラメータの値「2」は、SCellの下り帯域幅が10リソースブロックを超える場合のPDCCHのOFDMシンボル数が「2」であるときの、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示す。あるいは、パラメータの値「2」は、SCellの下り帯域幅が10リソースブロック以下である場合のPDCCHのOFDMシンボル数が「2」であるときの、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示す。
また、パラメータの値「3」は、SCellの下り帯域幅が10リソースブロックを超える場合のPDCCHのOFDMシンボル数が「3」であるときの、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示す。あるいは、パラメータの値「3」は、SCellの下り帯域幅が10リソースブロック以下である場合のPDCCHのOFDMシンボル数が「3」であるときの、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示す。
また、パラメータの値「4」は、SCellの下り帯域幅が10リソースブロック以下の場合のPDCCHのOFDMシンボル数が「4」であるときの、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示す。
また、3GPPでは、PDCCHの削減が検討されている(非特許文献15参照)。しかし、前述のように、SCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、PCellのPDCCHを用いてUEに通知する、クロスキャリアスケジューリングにおいては、PDCCHのOFDMシンボル数が「0」の場合の、PDSCHのスタートOFDMシンボル数の指定は不可能である。
したがって、NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、前述のSCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、PCellのPDCCHを用いてUEに通知する、クロスキャリアスケジューリングのシグナリングを用いて実現することは不可能であるという課題が発生する。
実施の形態2の変形例4における解決策を以下に開示する。スケジューリング対象のPDCCHのOFDMシンボル数が「0」の場合の、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示すパラメータを追加する。あるいは、スケジューリング対象の下り帯域幅が10リソースブロックを超える場合、あるいは下り帯域幅が10リソースブロック以下の場合のスケジューリング対象のPDCCHのOFDMシンボル数が「0」の場合の、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示すパラメータを追加する。具体例としては、パラメータの値に「0」を追加する。値は「0」は、スケジューリング対象のPDCCHのOFDMシンボル数が「0」の場合の、PDSCHのスタートOFDMシンボルを示すとすればよい。
パラメータの値「0」、「1」、「2」、「3」は、非特許文献21の表6.7−1に示すように、SCellの下り帯域幅が10リソースブロックを超える場合に使用可能とすればよい。また、パラメータの値「0」、「2」、「3」、「4」は、非特許文献21の表6.7−1に示すように、SCellの下り帯域幅が10リソースブロック以下である場合に使用可能とすればよい。
以上の実施の形態2の変形例4によって、以下の効果を得ることができる。NCTにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、前述のSCellにマッピングされるPDSCHのスケジューリングを、PCellのPDCCHを用いてUEに通知する、クロスキャリアスケジューリングのシグナリングを用いて実現することが可能となる。したがって、通信システムが複雑化することを回避することができる。
実施の形態3.
実施の形態3において解決する課題について説明する。NCTの導入の目的の1つにヘットネットの改善された支援がある(非特許文献11参照)。ヘットネットの改善された支援の1つにセル間干渉制御(Inter-Cell Interference Coordination:ICIC)がある。セル間干渉が発生する原因の1つに、従来の技術における基地局からの下り制御信号であるPDCCH、SSなどが挙げられている。そこで、ヘットネットの改善された支援の具体策の1つとして、NCTにおける下り制御信号であるPDCCHの削減が提案されている(非特許文献15参照)。しかし、非特許文献11,15には、基地局間の連携の方法などの開示はない。
セル間干渉制御の基地局間の連携の方法として、基地局間で負荷情報メッセージ(Load Information Message)をやり取りすることが提案されている(非特許文献16参照)。
負荷情報メッセージに、「UL Interference Overload Indication」パラメータが存在する場合、通知セルによって、全てのリソースブロック、物理リソースブロック(Physical Resource Block:PRB)毎に、干渉に苦慮していることを示す。該パラメータを受信した基地局は、その情報を考慮する。「UL Interference Overload Indication」パラメータを受信した基地局は、スケジューリングのときに、その情報を考慮に入れるかもしれない。
負荷情報メッセージに、「UL High Interference Indication」パラメータが存在する場合、パラメータを通知するセル(以下「通知セル」という場合がある)のPRB毎の高い干渉の発生を示す。該パラメータを受信した基地局(以下「受信基地局」という場合がある)は、関係の有るPRBに、受信基地局の傘下のUEを該PRBにスケジューリングしないようにするべきである。
負荷情報メッセージに、「Invoke Indication IE」パラメータが存在する場合、パラメータを通知する基地局(以下「通知基地局」という場合がある)が、受信基地局に、どのような情報の応答をして欲しいかを示す。受信基地局は、「Invoke Indication IE」パラメータによるリクエストを考慮に入れるかもしれない。
「Invoke Indication IE」に「ABS Information」がセットされる場合、通知基地局が、受信基地局に、受信基地局のABS(Almost Blank Subframe)設定を要求することを示す。
前述のように、現在のセル間干渉制御の基地局間の連携の方法は、NCTを考慮した方法となっていない。したがって、本実施の形態では、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援を開示することを目的とする。
変形例を含む本実施の形態3では、NCTを便宜上セルとして扱う。これによって、既存の基地局間のX2シグナリングにおいて用いられる、基地局が構成するセル(Served Cell)に関するパラメータの体系を流用することが容易となる。
実施の形態3における解決策として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)下り干渉が高いeNB1が周辺セルに要求動作を通知しない。下り干渉が高いことを示すメッセージを新設する。eNB1が構成する下り干渉が高いセルのセル識別子を合わせて通知してもよい。この下り干渉が高いセルは、高干渉セルに相当する。
負荷情報メッセージ(Load Information Message)に「下り干渉が高いことを示すパラメータ」を追加してもよい。負荷情報メッセージの他に新たなメッセージとして追加してもよい。これによって、新たなメッセージを追加する必要がない点において、通信システムが複雑化することを回避することができる。
下り干渉が高いことを示すメッセージを受信した基地局(以下「eNB2」と称する)の動作として、以下の(1−1)〜(1−4)の4つを開示する。
(1−1)eNB1が構成する下り干渉が高いセルのキャリア周波数と異なるキャリア周波数を持つセルに、PDSCHをスケジューリング、マッピングする。これによって、eNB2の下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つセルのPDSCHが削減され、干渉が抑制される。
(1−2)eNB2がNCTを構成する場合、eNB2は、NCTにPDSCHを優先的にスケジューリング、マッピングしてもよい。eNB2は、NCTにPDSCHをスケジューリング、マッピングしてもよい。eNB2がNCTを構成する場合、eNB2は、eNB1が構成する下り干渉が高いセルのキャリア周波数と異なるキャリア周波数を持つNCTにPDSCHをスケジューリング、マッピングしてもよい。これによって、eNB2の下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つセルのPDSCHが削減され、干渉が抑制される。
(1−3)前記(1−2)に加えて、eNB2は、下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアからは該NCTをクロスキャリアスケジューリングしないとしてもよい。これによって、eNB2の下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つセルのPDSCH、PDCCHが削減され、干渉が抑制される。
前記(1−2)、前記(1−3)は、単独の動作としてもよく、同様の効果を得ることができる。
(1−4)eNB2は、下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアを、NCTに変更する。eNB2は、下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアを、NCTに変更し、PDCCH、SSなどの下り制御信号の送信を行わない。
eNB2からeNB1に、要求に応じたか否かの応答を通知してもよい。実行した動作を合わせて通知してもよい。
(2)下り干渉が高いeNB1が周辺セルに要求動作を通知する。周辺セルに、NCTが存在する場合と、NCTが存在しない場合とで、要求動作を分けてもよい。あるいは、周辺セルに、設定しているNCTが存在する場合と、設定しているNCTが存在しない場合とで、要求動作を分けてもよい。あるいは、周辺セルに、動作しているNCTが存在する場合と、動作しているNCTが存在しない場合とで、要求動作を分けてもよい。
周辺セルにNCTが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、以下の方法が挙げられる。基地局間で、自基地局がNCTを構成するか否かの情報の通知を新設する。あるいは、自基地局がNCTをいずれかのUEに設定しているか否かの情報の通知を新設するようにしてもよい。また、自基地局に、「動作」しているNCTがあるか否かの情報の通知を新設するようにしてもよい。該通知と合わせて、NCTの設定、あるいはNCTのシステム情報を通知してもよい。NCTの設定の具体例は、後述する。該通知には、既存のX2シグナリングにNCTを構成するか否かの通知を追加してもよい。これによって、NCTの設定用に新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
既存のX2シグナリングの具体例としては、「X2 SETUP Request」、「X2 SETUP RESPONSE」、「ENB CONFIGURATION UPDATE」(例えば非特許文献16 9.2.8章参照)などがある。前記シグナリング中の「Served Cell Information」にNCTの情報を追加し、レガシーキャリアであるか、NCTであるかの情報を追加すればよい。
また、基地局でNCTを構成するか否か、いずれかのUEへ設定しているNCTがあるか否か、あるいは動作しているNCTがあるか否かの問合せを新設するようにしてもよい。該問合せを受信した基地局は、該問合せに対して応答する。
基地局間で通知されるNCTの設定の具体例として、以下の(1)〜(12)の12個を開示する。詳細なパラメータの説明は、実施の形態1の変形例2と同様であるので説明を省略する。
(1)レガシーキャリアと、NCTとを分別するパラメータ。本パラメータを基地局間で通知することによって、周辺セルでNCTが構成されるか否かを判断することが可能となる。これによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援を実現することができる。また、NCTを考慮した基地局間の連携した、セル間干渉制御を実現することができる。
(2)NCTのセルの識別子。
(3)どのセルに関連付けられるかの情報。例えば、関連レガシーキャリアの情報。本パラメータを基地局間で通知することによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援のためだけでなく、以下の効果も得ることができる。自基地局が構成するセルの傘下のUEに、測定設定などを適切に決定することが可能となる。
(4)NCTのキャリア周波数。本パラメータを基地局間で通知することによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援のためだけでなく、以下の効果も得ることができる。自基地局が構成するセルの傘下のUEに、測定設定などを適切に決定することが可能となる。
(5)NCTの帯域幅。
(6)RS(Reference Signals)の送信方法。本パラメータを基地局間で通知することによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援のためだけでなく、以下の効果も得ることができる。自基地局が構成するセルの傘下のUEに、測定設定などを適切に決定することが可能となる。具体例としては、UEに、測定対象のNCTのRSの送信個数、CRSが送信される帯域幅などを、測定設定として通知することが可能となる。また、UEへの測定対象のNCTのCRSの数に応じて、平均の取り方などを測定設定として通知することが可能となる。
(7)NCTのインデックス。
(8)NCTポイントの設置されている場所の位置情報。本パラメータを基地局間で通知することによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援のためだけでなく、以下の効果も得ることができる。ハンドオーバ先の決定などに利用することが可能となる。具体例としては、よりUEに近いNCTを用いることができるセルを、ターゲットセルに決定することができる。例えば、よりUEに近いNCTの関連レガシーキャリア(上記パラメータ(3))を、ターゲットセルに決定することができる。よりUEに近いNCTを用いることによって、UEの上りデータの送信電力を下げることが可能となり、UEの低消費電力化を図ることができる。
(9)同期か非同期かを示す情報。本パラメータを基地局間で通知することによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援のためだけでなく、以下の効果も得ることができる。ハンドオーバ先の決定などに利用することが可能となる。例えば、UEの能力(Capability)として非同期のNCTへ非対応などが許された場合、該UEのターゲットセルとして、同期NCTを用いることができるセルを、ターゲットセルに決定することができる。例えば、同期NCTの関連レガシーキャリア(上記パラメータ(3))を、ターゲットセルに決定することができる。
(10)NCTの上りリンクの情報。本パラメータを基地局間で通知することによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援のためだけでなく、以下の効果も得ることができる。ハンドオーバ先の決定などに利用することが可能となる。
(11)NCTが属するTAGの情報。本パラメータを基地局間で通知することによって、NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援のためだけでなく、以下の効果も得ることができる。ハンドオーバ先の決定などに利用することが可能となる。
(12)前記(1)〜(11)の組合せ。
下り干渉が高いeNB1が周辺セルに通知する動作の具体例として、以下の(2−1)〜(2−5)の5つを開示する。
(2−1)下り干渉が高いeNB1は、eNB2にNCTが存在しない場合(eNB2がNCTを構成しない場合)、PDSCHを他のキャリア周波数のセルにスケジューリング、マッピングすることを要求する。負荷情報メッセージの「Invoke Indication IE」パラメータに「PDSCHを他のキャリア周波数のセルへスケジューリング、マッピングすることの要求」を追加してもよい。新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
(2−2)下り干渉が高いeNB1は、eNB2に設定しているNCTが存在しない場合、NCTの設定を要求する。あるいは下り干渉が高いeNB1は、eNB2に動作しているNCTがない場合、NCTを動作させることを要求するようにしてもよい。負荷情報メッセージの「Invoke Indication IE」パラメータに、「NCTの設定の要求」あるいは「NCTを動作させることの要求」を追加してもよい。これによって、新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
(2−3)前記具体例(2)に加えて、あるいは下り干渉が高いeNB1は、eNB2にNCTが存在した場合、PDSCHをNCTへスケジューリング、マッピングすることを要求する。負荷情報メッセージの「Invoke Indication IE」パラメータに「PDSCHをNCTへスケジューリング、マッピングすることの要求」を追加してもよい。これによって、新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
(2−4)前記具体例(2−3)に加えて、下り干渉が高いeNB1は、eNB2にNCTが存在した場合、下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアからは、該NCTをクロスキャリアスケジューリングしないことを要求してもよい。負荷情報メッセージの「Invoke Indication IE」パラメータに「下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアからは、該NCTをクロスキャリアスケジューリングしないことの要求」を追加してもよい。これによって、新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
前記具体例(2−2)、前記具体例(2−3)および前記具体例(2−4)は、単独の動作としてもよく、同様の効果を得ることができる。
(2−5)下り干渉が高いeNB1は、eNB2に、下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つキャリアをNCTに変更することを要求する。下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つキャリアを、NCTに変更し、PDCCH、SSなどの下り制御信号の送信を行わないことを要求する。本具体例は、eNB2にNCTが存在する場合、NCTが存在しない場合のいずれにおいても用いることが可能となる。eNB1が構成する下り干渉が高いセルのセル識別子を合わせて通知してもよい。
「PDSCHを他のキャリア周波数のセルへスケジューリング、マッピングすることの要求」を受信したeNB2は、PDSCHをeNB1が構成する下り干渉が高いセルのキャリア周波数と異なるキャリア周波数のセルへスケジューリング、マッピングする。これによって、eNB2の下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つセルのPDSCHが削減され、干渉が抑制される。
「PDSCHをNCTへスケジューリング、マッピングすることの要求」を受信したeNB2は、PDSCHをNCTにスケジューリング、マッピングする。eNB2は、eNB1が構成する下り干渉が高いセルのキャリア周波数と異なるキャリア周波数を持つNCTへPDSCHをスケジューリング、マッピングする。これによって、eNB2の下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つセルのPDSCHが削減され、干渉が抑制される。
「下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアからは、該NCTをクロスキャリアスケジューリングしないことの要求」を受信したeNB2は、下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアからは該NCTをクロスキャリアスケジューリングしないとしてもよい。これによって、eNB2の下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つセルのPDSCH、PDCCHが削減され、干渉が抑制される。
eNB2からeNB1に、要求に応じたか否かの応答を通知してもよい。設定したNCTの設定(例えば、システム情報)、動作させたNCTの設定(例えば、システム情報)を通知してもよい。該通知には、既存のX2シグナリングを用いてもよい。これによって、新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。既存のX2シグナリングの具体例としては、「ENB CONFIGURATION UPDATE」(非特許文献16参照)などがある。
図31は、本発明の実施の形態3の解決策(1)における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
ステップST3001において、下り干渉が高くなったeNB1は、下り干渉が高くなった旨を周辺セルであるeNB2に通知する。これによって、eNB1は、eNB2に、干渉に対処することを要求する干渉対処要求を行う。
ステップST3001でeNB1から、下り干渉が高くなった旨を受信したeNB2は、ステップST3002において、干渉対処要求に応じるか否かを判断する。該判断では、eNB2の構成するセルの状況、リソース状況、処理負荷などを考慮して決定してもよい。eNB2は、干渉対処要求に応じると判断した場合、ステップST3003に移行する。eNB2は、干渉対処要求に応じない、あるいは干渉対処要求に応じられないと判断した場合、ステップST3008に移行する。
ステップST3003において、eNB2は、自基地局がNCTを構成するか否かを判断する。eNB2は、自基地局がNCTを構成すると判断した場合、ステップST3004に移行する。eNB2は、自基地局がNCTを構成しないと判断した場合、ステップST3006へ移行する。
ステップST3004において、eNB2は、eNB1が構成する、下り干渉が高いセルのキャリア周波数と異なるキャリア周波数を持つNCTに、PDSCHをスケジューリングおよびマッピングする。
ステップST3005において、eNB2は、下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアからは、該NCTをクロスキャリアスケジューリングすることを禁止する。
ステップST3006において、eNB2は、eNB1が構成する、下り干渉が高いセルのキャリア周波数と異なるキャリア周波数を持つセルに、PDSCHをスケジューリングおよびマッピングする。
ステップST3007において、eNB2は、eNB1に、eNB1の干渉対処要求に応じて対処した旨を示す「Ack」を送信する。
ステップST3008において、eNB2は、eNB1に、eNB1の干渉対処要求に応じず、対処していない旨を示す「Nack」を送信する。
図32は、本発明の実施の形態3の解決策(2)における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図32に示すシーケンスは、図31に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST3101において、eNB1は、eNB2に、X2セットアップ要求(X2 SETUP Request)を用いて、eNB1がNCTを構成するか否かの情報を通知する。
ステップST3102において、eNB2は、eNB1に、X2セットアップ応答(X2 SETUP Response)を用いて、eNB2がNCTを構成するか否かの情報を通知する。
ステップST3103において、eNB1は、自基地局の下り干渉が高いか否かを判断する。下り干渉が高いか否かは、eNB1が構成するセル毎に判断してもよい。eNB1は、下り干渉が高いと判断した場合は、ステップST3104に移行する。eNB1は、下り干渉が高いと判断しない場合は、ステップST3103の判断を繰り返す。
ステップST3104において、eNB1は、周辺セルであるeNB2がNCTを構成するか否かを判断する。該判断には、ステップST3102で受信した情報を用いればよい。eNB1は、周辺セルがNCTを構成しないと判断した場合、ステップST3105に移行する。eNB1は、周辺セルがNCTを構成すると判断した場合、ステップST3106へ移行する。
ステップST3105において、eNB1は、eNB2に、「PDSCHを他のキャリア周波数のセルにスケジューリング、マッピングすることの要求」を通知する。
ステップST3106において、eNB1は、eNB2に、「PDSCHをNCTにスケジューリング、マッピングすることの要求」を通知する。該通知によって、「下り干渉が高いセルと同じ周波数キャリアを持つレガシーキャリアからは、該NCTをクロスキャリアスケジューリングしないことの要求」の旨を併せ持つとしてもよい。
ステップST3107において、eNB2は、eNB1から、「PDSCHを他のキャリア周波数のセルにスケジューリング、マッピングすることの要求」を受信したか、「PDSCHをNCTにスケジューリング、マッピングすることの要求」を受信したかを判断する。eNB2は、「PDSCHを他のキャリア周波数のセルへスケジューリング、マッピングすることの要求」を受信したと判断した場合、ステップST3006に移行する。eNB2は、PDSCHをNCTへスケジューリング、マッピングすることの要求」を受信したと判断した場合、ステップST3004に移行する。
以上の実施の形態3によって、以下の効果を得ることができる。NCTを考慮した基地局間の連携したヘットネットの改善された支援を実現することができる。また、NCTを考慮した基地局間の連携した、セル間干渉制御を実現することができる。
実施の形態3 変形例1.
実施の形態3の変形例1において解決する課題について説明する。NCTの導入の目的には、ヘットネットの改善された支援の他に、周波数利用効率の向上がある(非特許文献11参照)。3GPPでは、前記2つのNCTの導入の目的を、どのようにして双方満たすかの議論はなされていない。したがって、本実施の形態3の変形例1では、NCTの導入の目的である、ヘットネットの改善された支援と、周波数利用効率の向上の双方を満たす方法について開示することを目的とする。
実施の形態3の変形例1における解決策を以下に開示する。基地局間でPDCCHのOFDMシンボル数の情報を通知する。基地局が構成するセル毎のPDCCHのOFDMシンボル数の情報を通知する。周辺セルのPDCCHがマッピングされている場合は、PDSCHをマッピングせず、一方周辺セルのPDCCHがマッピングされていない場合は、PDSCHをマッピングする。
特にNCTでは、前述のように、PDCCHの削減が検討されている。したがって、レガシーキャリアでPDCCHがマッピングされていた1シンボル目から4シンボル目のリソースの利用方法が未決定である。周辺セルのPDCCHがマッピングされている場合は、PDSCHをマッピングしないことによって、周辺セルへの干渉を低減させる効果を得る。周辺セルのPDCCHがマッピングされていない場合は、PDSCHをマッピングすることによって、リソースを有効に活用し、周波数利用効率を向上させる効果を得る。
以下、下り干渉が高い基地局を「eNB1」と称する。また、eNB1の周辺セルの1つを「eNB2」と称する。例えば、eNB1を含む周辺基地局からのPDCCHのOFDMシンボル数が、「1」、「2」であるとする。この場合、eNB2は、1シンボル目、および2シンボル目には、PDSCHをスケジューリングおよびマッピングせず、3シンボル目からPDSCHをスケジューリングおよびマッピングする。
基地局間におけるPDCCHのOFDMシンボル数の情報の通知の具体例について、以下に説明する。
基地局間でPDCCHのOFDMシンボル数の情報の通知を新設する。具体例としては、下り帯域幅が10リソースブロックを超える場合のPDCCHのOFDMシンボル数「0」、「1」、「2」、「3」を通知する。また、下り帯域幅が10リソースブロック以下の場合のPDCCHのOFDMシンボル数「0」、「2」、「3」、「4」を通知する。該通知と合わせて、NCTのシステム情報を通知してもよい。NCTのシステム情報の具体例は、実施の形態1の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
該通知は、既存のX2シグナリングに、PDCCHのOFDMシンボル数を追加して行ってもよい。この場合、PDCCHのOFDMシンボル数用に新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。既存のX2シグナリングの具体例としては、「X2 SETUP Request」、「X2 SETUP RESPONSE」、「ENB CONFIGURATION UPDATE」(例えば非特許文献16 9.2.8章参照)などがある。前記シグナリング中の「Served Cell Information」に、PDCCHのOFDMシンボル数を追加すればよい。
eNB1およびeNB2の具体的な動作方法として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)eNB1のPDCCHのOFDMシンボル数を受信したeNB2が構成するセルは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューリング、マッピングを禁止する。同じキャリア周波数のセルは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューグ、マッピングを禁止するとしてもよい。
eNB1のPDCCHのOFDMシンボル数を受信したeNB2が構成するNCTは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューリング、マッピングを禁止する。同じキャリア周波数のNCTは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューグ、マッピングを禁止するとしてもよい。
eNB2は、eNB1を含む周辺基地局からのPDCCHのOFDMシンボル数を受信し、PDCCHで使用されないOFDMシンボルには、PDSCHをスケジューリング、マッピングを許可する。
本方法(1)によれば、eNB1からeNB2へは、PDCCHのOFDMシンボル数の情報以外の通知は不要であるので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
(2)負荷情報メッセージに、実施の形態3で開示した「下り干渉が高いことを示すパラメータ」の通知があった場合、eNB1のPDCCHのOFDMシンボル数を受信したeNB2が構成するセルは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューリング、マッピングを禁止する。同じキャリア周波数のセルは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューグ、マッピングを禁止するとしてもよい。
負荷情報メッセージに、実施の形態3で開示した「下り干渉が高いことを示すパラメータ」の通知があった場合、eNB1のPDCCHのOFDMシンボル数を受信したeNB2が構成するNCTは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューリング、マッピングを禁止する。同じキャリア周波数のNCTは、該OFDMシンボルへのPDSCHのスケジューグ、マッピングを禁止するとしてもよい。
負荷情報メッセージに、実施の形態3で開示した「下り干渉が高いことを示すパラメータ」の通知があった場合においても、eNB2は、eNB1を含む周辺基地局からのPDCCHのOFDMシンボル数を受信し、PDCCHで使用されないOFDMシンボルには、PDSCHをスケジューリング、マッピングする。
また、実施の形態3で開示した「下り干渉が高いことを示すパラメータ」の通知がない場合は、eNB2は、自セルでPDCCHに使用されないOFDMシンボルには、PDSCHをスケジューリング、マッピングする。
周辺セルの下り干渉が高くない場合には、自セルでPDCCHに使用されないOFDMシンボルには、PDSCHをスケジューリング、マッピング可能となるので、前記方法(1)と比較して、更なるリソースを有効に活用することができ、周波数利用効率を向上させることができる。
(3)下り干渉が高いeNB1は、eNB2に、自PDCCHをマッピングする領域に、PDSCHをスケジューリング、マッピングしないことを要求する。eNB2にNCTが存在した場合に、下り干渉が高いeNB1は、eNB2に、自PDCCHをマッピングする領域に、PDSCHをスケジューリング、マッピングしないことを要求するとしてもよい。負荷情報メッセージの「Invoke Indication IE」パラメータに「自PDCCHをマッピングする領域に、PDSCHをスケジューリング、マッピングしないことの要求」を追加してもよい。新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。eNB2からeNB1へ、要求に応じたか否かの応答を通知してもよい。
前記方法(2)、(3)は、組合せて用いることができる。
図33は、本発明の実施の形態3の変形例1の通信システムにおいて、eNB1およびeNB2の具体的な動作方法(1)を用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。
ステップST3201において、eNB1は、eNB2に、X2セットアップ要求(X2 SETUP Request)を用いて、eNB1のPDCCHのOFDMシンボル数の情報を通知する。
ステップST3202において、eNB2は、eNB1に、X2セットアップ応答(X2 SETUP Response)を用いて、eNB2のPDCCHのOFDMシンボル数の情報を通知する。
ステップST3203において、eNB2は、eNB1を含む周辺セルのPDCCHのOFDMシンボルへのPDSCHのスケジューリングおよびマッピングを禁止する。
ステップST3204において、eNB2は、eNB1を含む周辺セルのPDCCHのOFDMシンボルを除くシンボルには、PDSCHのスケジューリングおよびマッピングを許可する。
図33では、図示を省略しているが、ステップST3203およびステップST3204と同様の処理は、eNB1においても実行される。
図34は、本発明の実施の形態3の変形例1の通信システムにおいて、eNB1およびeNB2の具体的な動作方法(2),(3)を組合せて用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図34に示すシーケンスは、図31、図33に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST3301において、下り干渉が高くなったeNB1は、下り干渉が高くなった旨を周辺セルであるeNB2に通知する。これによって、eNB1は、eNB2に、干渉対処要求を行う。このとき、eNB1は、「自PDCCHをマッピングする領域に、PDSCHをスケジューリング、マッピングしないことの要求」を合せて通知してもよい。
ステップST3301でeNB1から、下り干渉が高くなった旨を受信したeNB2は、ステップST3002において、干渉対処要求に応じるか否かを判断する。該判断は、eNB2の構成するセルの状況、リソース状況、処理負荷などを考慮して決定してもよい。eNB1は、干渉対処要求に応じると判断した場合、ステップST3203に移行する。eNB1は、干渉対処要求に応じない、あるいは干渉対処要求に応じられないと判断した場合、ステップST3008に移行する。
以上の実施の形態3の変形例1によって、実施の形態3の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。周辺セルが干渉を受けている場合は、セル間干渉制御を実行し、周辺セルが干渉を受けていない場合は、リソースを有効に活用し、周波数利用効率を向上させることができる。これによって、NCTの導入の目的である、ヘットネットの改善された支援と、周波数利用効率の向上との双方を満たすことが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態4において解決する課題について説明する。
NCTの導入の目的の1つにシステムの低消費電力化がある(非特許文献11参照)。通信システムの低消費電力化の具体策の1つとして、NCTにおけるCRSの削減が提案されている(非特許文献15参照)。しかし、非特許文献11,15には、通信システムの低消費電力化を目的とした、基地局間の連携の方法などの開示はない。
システムの低消費電力化のための基地局間の連携の方法としては、以下に開示する方法がある。基地局間で、セルをスイッチオフする場合、「Deactivation indication」パラメータをやり取りする。該インジケータは、基地局設定更新メッセージ(ENB CONFIGURATION UPDATE)によって通知される。
また、基地局は、周辺の基地局に対して、セルのスイッチオンを要求するセル活性化リクエストメッセージ(CELL Activation Request)を通知する。
以上に述べた通信システムの低消費電力化のための基地局間の連携の方法は、NCTを考慮した方法となっていない。したがって、本実施の形態では、NCTを考慮した基地局間の連携した通信システムの低消費電力化の支援を開示することを目的とする。
変形例を含む本実施の形態4では、NCTを便宜上セルとして扱う。これによって、既存の基地局間のX2シグナリングにおいて用いられる、基地局が構成するセル(Served Cell)に関するパラメータの体系を流用することが容易となる。
実施の形態4における解決策を以下に開示する。基地局間で、スイッチオフするセルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかを通知する。NCTであるか否かの情報を通知してもよい。以下、eNB1が構成するセル1のスイッチをオフし、eNB2に通知する場合について説明する。
eNB2は、例えばeNB2が構成するセルのリソース不足、あるいは処理負荷が高くなった場合、周辺基地局のセルのスイッチオンを検討する。
検討するとき、eNB2は、レガシーキャリアをスイッチオンするのが適しているか、あるいはNCTをスイッチオンするのが適しているかを判断する。該判断には、オペレータの通信システムの低消費電力化のポリシーなどに基づいて決定してもよい。該ポリシーは、OAM(Operation Administration and Maintenance)などからeNBに通知されればよい。
eNB2は、前記判断結果に従って、NCT、あるいはレガシーキャリアをスイッチオンすることの要求を通知する。
基地局間で、スイッチオフするセルがレガシーキャリアであるか、またはNCTであるかを通知する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)基地局間でNCTを構成するか否かの情報の通知を新設する。該通知と合わせて、NCTの設定、あるいはNCTのシステム情報を通知してもよい。NCTの設定の具体例は、実施の形態3と同様であるので、説明を省略する。該通知は、既存のX2シグナリングにNCTを構成するか否かの通知を追加して行ってもよい。NCTの設定用に新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。
既存のX2シグナリングの具体例としては、「X2 SETUP Request」、「X2 SETUP RESPONSE」、「ENB CONFIGURATION UPDATE」(例えば非特許文献16 9.2.8章参照)などがある。前記シグナリング中の「Served Cell Information」にNCTの情報を追加し、レガシーキャリアであるか、NCTであるかの情報を追加すればよい。これによって、eNB2において、eNB1の構成するセル毎に、該セルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかを判断することが可能となる。
eNB1は、構成するセルのスイッチをオフするときに、周辺セルであるeNB2に、従来の技術と同様に、「ENB CONFIGURATION UPDATE」の「Served Cell Modify」パラメータにマッピングされる「Deactivation indication」パラメータによってスイッチオフを通知する。
eNB2は、eNB1から通知されたNCTを構成するか否かの情報に基づいて、スイッチオフされたセルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかを判断することが可能となる。
(2)スイッチオフの通知のときに、スイッチオフするセルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかの情報を新設し、通知する。eNB1は、構成するセルのスイッチをオフするときに、周辺セルであるeNB2に、「ENB CONFIGURATION UPDATE」の「Served Cell Modify」パラメータにマッピングされる「Deactivation indication」パラメータによってスイッチオフを通知する。このとき、該セルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかの情報を追加する。NCTであるか否かの情報を追加してもよい。
また、eNB1の構成するセルのうち、NCTを一斉にスイッチオフする旨を通知するシグナリングを新設してもよい。NCTを一斉にスイッチオフする旨の通知には、既存のシグナリングである、X2インタフェースを用いて通知される「ENB CONFIGURATION UPDATE」を用いてもよい。
基地局間で、NCT、あるいはレガシーキャリアをスイッチオンすることを要求する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)基地局間で、NCTを構成するか否かの情報の通知を新設する。該通知と合わせて、NCTのシステム情報を通知してもよい。具体例は、前記基地局間で、スイッチオフするセルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかを通知する方法(1)で開示した内容と同様であるので、説明を省略する。
eNB2は、eNB1の構成するセル毎に該セルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかを判断することが可能である。したがって、レガシーキャリアをスイッチオンするのが適しているか、あるいはNCTをスイッチオンするのが適しているかの判断結果に従って、従来の技術と同様に、「CELL Activation Request」メッセージによって該当のセルのスイッチオンを要求する。
(2)スイッチオンの通知のときに、レガシーキャリアスイッチオンを要求する旨、NCTスイッチオンを要求する旨の情報を新設し、通知する。該通知には、既存のシグナリングである、X2インタフェースを用いて通知される「CELL Activation Request」を用いてもよい。
eNB1からeNB2へ、要求に応じたか否かの応答を通知してもよい。例えば、eNB2からeNB1へNCTスイッチオンを要求する旨の情報が通知された場合において、eNB1がNCTを構成しない場合、スイッチオフのNCTがない場合などは、要求に応じない旨の通知を行う。eNB2からeNB1へNCTスイッチオンを要求する旨の情報が通知された場合において、eNB1がスイッチオフのNCTがある場合などは、要求に応じた旨の通知を行う。
また、NCTを一斉にスイッチオンする旨を通知するシグナリングを新設してもよい。NCTを一斉にスイッチオンする旨の通知には、既存のシグナリングである、X2インタフェースを用いて通知される「CELL Activation Request」を用いてもよい。
基地局間で、スイッチオフするセルがレガシーキャリアであるか、NCTであるかを通知する方法(以下「通知方法」という場合がある)と、基地局間で、NCT、あるいはレガシーキャリアをスイッチオンすることを要求する方法(以下「要求方法」という場合がある)との組合せは任意である。しかし、通知方法の具体例(1)と要求方法の具体例(1)とは、基地局間でNCTを構成するか否かの情報の通知を新設する点に共通性があるので、組合せとしては親和性が高い。また、通知方法の具体例(2)と要求方法の具体例(2)とは、基地局間でNCTを構成するか否かの情報の通知を新設しない点に共通性があるので、組合せとしては親和性が高い。
図35は、本発明の実施の形態4の通信システムにおいて、通知方法の具体例(1)と要求方法の具体例(1)とを組合せて用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図35に示すシーケンスは、図32に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST3101において、eNB1は、eNB2に、X2セットアップ要求(X2 SETUP Request)を用いて、eNB1がNCTを構成するか否かの情報を通知する。例えばeNB1は、セル1、セル2、セル3を構成し、セル1はNCT、セル2、3は、レガシーキャリアである旨を通知する。
ステップST3102において、eNB2は、eNB1に、X2セットアップ応答(X2 SETUP Response)を用いて、eNB2がNCTを構成するか否かの情報を通知する。
ステップST3401において、eNB1は、NCTのスイッチオフ、例えばセル1のスイッチオフを通知する。
ステップST3402において、eNB2は、ステップST3101と、ステップST3401とで受信した情報を用いて、eNB1が構成するNCTであるセル1のスイッチがオフされたことを認識する。
ステップST3403において、eNB2は、周辺セルのスイッチオンを要求する事象が発生したか否かを判断する。具体例としては、eNB2のリソースが不足したか否かを判断する。eNB2は、リソース不足が発生したと判断した場合、ステップST3404に移行する。eNB2は、リソース不足が発生していないと判断した場合、ステップST3403の判断を繰り返す。
ステップST3404において、eNB2は、オペレータのシステムの低消費電力化(Energy Saving:ES)のポリシーを確認する。該ポリシーは、例えば、OAMなどからeNB2に通知される。例えば、ESに関するオペレータポリシーにおいて、NCTを優先してスイッチオンすると設定されているとする。
ステップST3405において、eNB2は、周辺にスイッチオフされているNCTが存在するか否かを判断する。eNB2は、存在すると判断した場合、ステップST3406に移行し、存在しないと判断した場合、ステップST3408に移行する。
ステップST3406において、eNB2は、周辺にスイッチオフされているNCTからスイッチオンするNCTを選択する。このときにも、ESに関するオペレータポリシーに基づいて判断するとしてもよい。例えば、eNB1が構成するNCTであるセル1のスイッチオンを選択する。
ステップST3407において、eNB2は、eNB1に、NCTのスイッチオン、例えばセル1のスイッチオンを指示する。
ステップST3408において、eNB2は、周辺にスイッチオフされているレガシーキャリアからスイッチオンするレガシーキャリアを選択する。このときにも、ESに関するオペレータポリシーに基づいて判断するとしてもよい。
ステップST3409において、eNB2は、ステップST3408で選択したレガシーキャリアを構成する基地局に、該レガシーキャリアのスイッチオンを指示する。
図36は、本発明の実施の形態4の通信システムにおいて、通知方法の具体例(2)と要求方法の具体例(2)とを組合せて用いた場合のシーケンスの一例を示す図である。図36に示すシーケンスは、図32に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST3501において、eNB1は、NCTのスイッチオフ、例えばセル1のスイッチオフを通知する。そのとき、セル1がNCTである旨も通知する。つまり、NCTであるセル1のスイッチオフを通知してもよい。
ステップST3502において、eNB2は、スイッチオフされているセルが存在する基地局から、スイッチオンを通知する基地局を選択する。このときにも、ESに関するオペレータポリシーに基づいて判断するとしてもよい。例えば、eNB1のスイッチオンを選択する。
ステップST3503において、eNB2は、eNB1に、eNB1が構成するセルのうち、NCTのスイッチオン、具体的にはセル1のスイッチオンを指示する。
ステップST3503でNCTのスイッチオンの指示を受信したeNB1は、NCTであるセル1のスイッチをオンし、ステップST3504において、eNB2に、要求に応答した旨を通知する「Ack」を通知する。
ステップST3505において、eNB2は、eNB1から応答信号として「Ack」を受信したか否かを判断する。eNB2は、「Ack」を受信したと判断した場合、処理を終了し、「Ack」を受信していないと判断した場合、ステップST3506に移行する。
ステップST3506において、eNB2は、スイッチオフされているセルが存在する基地局から、スイッチオンを通知する基地局を選択する。このとき、eNB2を除く基地局から、選択してもよい。
以上の実施の形態4によって、以下の効果を得ることができる。NCTを考慮した基地局間の連携したシステムの低消費電力化を実現することができる。
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4の変形例1では、前述の実施の形態4と同じ課題について、別の解決策を開示する。
実施の形態4の変形例1における解決策を以下に開示する。以下、eNB2がeNB1にスイッチオンを通知する場合について説明する。
eNB2は、eNB2が構成するセルのリソース不足、あるいは処理負荷が高くなった場合、周辺基地局のセルのスイッチオンを検討する。
検討するとき、eNB2は、レガシーキャリアをスイッチオンするのが適しているか、あるいはNCTをスイッチオンするのが適しているかを判断する。該判断は、オペレータの通信システムの低消費電力化のポリシーなどに基づいて決定してもよい。該ポリシーは、OAMなどからeNBに通知されればよい。
また、eNB2は、周辺基地局が構成するスイッチオフされているセルがNCTであるか、スイッチオフされているレガシーキャリアであるかを問合せる。eNB2は、スイッチオフされているNCTがあるか否かを問合せてもよい。
該問合せには、既存のシグナリングである、X2インタフェースを用いて通知される「Resource Status Request」(非特許文献16 8.3.6.2章参照)を用いてもよい。この場合、既存のシグナリングに「スイッチオフのNCTが存在するか否か」を問合せるインジケータを設ければよい。このようにすることによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することができる。
該問合せの応答には、既存のシグナリングである、X2インタフェースを用いて通知される「Resource Status Response」(非特許文献16 8.3.6.2章参照)を用いてもよい。この場合、既存のシグナリングに「スイッチオフのNCTが存在するか否か」を示すインジケータを設ければよい。このようにすることによって、新しいシグナリングを追加する必要が無いので、通信システムを容易に構築することができる。また、後方互換性に優れた通信システムを構築することが可能となる。問い合わせの応答を通知するときには、セルの識別子を合せて通知してもよい。これによって、セルを指定してスイッチオンすることが可能となる。
eNB2は、前記オペレータの通信システムの低消費電力化のポリシー、および問い合わせの応答に従って、スイッチオンを通知する基地局を決定する。例えば、オペレータの通信システムの低消費電力化のポリシーにおいて、NCTを優先してスイッチオンすると設定されているとする。その場合、前記問い合わせの応答において、「スイッチオフのNCTが存在する」と回答のあった基地局にスイッチオンを指示する。
図37は、本発明の実施の形態4の変形例1の解決策における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図37に示すシーケンスは、図35に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST3601において、eNB2は、eNB1を含む周辺基地局へスイッチオフされているNCTがあるか否かを問合せる。
ステップST3602において、eNB1は、eNB2へ前記問い合わせに対する応答を通知する。eNB1は、「スイッチオフされているNCTがある旨」、あるいは「スイッチオフされているNCTとしてセル1がある旨」を応答する。
ステップST3603において、eNB2は、ESに関するオペレータポリシー、およびステップST3602の応答を考慮して、スイッチオンを通知する基地局を選択する。eNB2は、例えば、eNB1を、スイッチオンを通知する基地局として選択する。
ステップST3604において、eNB2は、eNB1に、スイッチオフされているNCTであるセル1のスイッチオンを指示する。
以上の実施の形態4の変形例1によって、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4 変形例2.
実施の形態4の変形例2では、前述の実施の形態4と同じ課題について、別の解決策を開示する。
実施の形態4の変形例2における解決策を以下に開示する。基地局は、低消費電力化のために、レガシーキャリアをNCTに変更するようにしてもよい。これによって、CRSの削減などにより、通信システムの低消費電力化を実現することができる。
基地局は、リソース不足、あるいは処理負荷が高くなった場合、NCTをレガシーキャリアに変更するようにしてもよい。これによって、傘下のUEに対してサービングセルと成り得るレガシーキャリアが増えることとなり、該基地局の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
レガシーキャリアとNCTとの切替えが行われた場合、自基地局のNCTを構成するか否かの情報、あるいはNCTの設定、NCTのシステム情報が変更する。該情報を基地局間で通知してもよい。該通知には、既存のX2シグナリングにNCTを構成するか否かの通知を追加してもよい。これによって、NCTの設定用に新たなシグナリングを追加する必要がないので、通信システムが複雑化することを回避することができる。既存のX2シグナリングの具体例としては、「ENB CONFIGURATION UPDATE」(例えば非特許文献16 9.2.8章参照)などがある。
以上の実施の形態4の変形例2によって、以下の効果を得ることができる。NCTを考慮したシステムの低消費電力化を実現することができる。
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。これによって、レガシーキャリアとNCTとが混在するリリース11版以降の通信システムを正常に、また効率的に運用することが可能となる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。