次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
本発明の実施例にかかる無線アクセスネットワークについて、図1を参照して説明する。
本実施例においては、一例として3GPPで標準化が進められているE−UTRA(Evoluved−UMTS Terrestrial Radio Access) and E−UTRAN(Evoluved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)に適用した場合について説明する。
本実施例にかかる無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)100は、コアネットワーク200と、コアネットワーク200と無線アクセスネットワークとの間のゲートウェイとして機能するアクセスゲートウェイ(aGW: Access Gateway)300(3001、3002、3003)と、アクセスゲートウェイ300配下に接続された複数の基地局(eNode B)400(4001、4002、4003)と、移動局(UE)500から構成される。
コアネットワーク200は、例えば、IPバックボーン(IP backbone)250を備える。
アクセスゲートウェイ300は、飛躍的な接続時間の短縮、レイテンシ(Latency)の削減を狙い、IMT−2000におけるゲートウェイ GPRS サポート ノード(GGSN: Gateway GPRS Support Node)、SGSN(Service GPRS Support Node)、およびRNCの少なくとも一部の機能を統合したノードである。したがって、アクセスゲートウェイ300は、コアネットワーク200の機能と、無線アクセスネットワーク100の機能とを併せ持つノードである。
基地局400は、飛躍的な接続時間の短縮、レイテンシ(Latency)の削減を狙い、IMT−2000におけるRNCおよびNodeBの少なくとも一部の機能を統合したノ−ドである。ここで、eNodeBには、Uプレーンの機能としてMAC(Media Access Control)プロトコル、RLC(Radio Link Control)プロトコルなどが実装され、Cプレーンの機能としてRRC(Radio Resource Control)プロトコルが実装される。
ここでは、無線アクセスネットワークの一例として、E−UTRANについて説明したが、これに限定されるものではなく、他のシステムアーキテクチャ構成であってもよい。
移動局500がハンドオーバする際に、ソースNBのOuter ARQ機能部で、バッファリングされたユーザデータ、例えばアウター ARQ サービス データ ユニット(Outer ARQ SDU(Service Data Unit))、すなわち未送信データと送達未確認データとを、ターゲットNBヘフォワディング可能な機能が、NBに実装される。併せて、データをフォワディングするための伝送路が設定される。
次に、本実施例にかかる基地局400について、図2を参照して説明する。
本実施例にかかる基地局400は、制御部402と、制御部402と接続されたデータ蓄積部404、データ転送部406、有線伝送部408、移動情報収集手段としての移動速度測定部410、転送先決定手段としてのデータ転送先決定部412および無線伝送部414とを備える。
制御部402は、Node Bが備える各機能エンティティに対する制御を行い、Node B全体の動作を制御する。詳細な機能は後述する。
有線伝送部408は、アクセスゲートウェイ300から転送されたユーザデータを受信し、該ユーザデータをデータ蓄積部404に転送する。また、有線伝送部408は、基地局間のインターフェースを介して、ハンドオーバのための制御信号をやり取りする。また、有線伝送部408は、基地局間のインターフェースを介して、データ蓄積部404に蓄積したユーザデータを複数の転送先に転送する。
無線伝送部414は、移動局から報告されるメジャメントリポート(通信品質報告)を取得する。
データ蓄積部404は、アクセスゲートウェイ300から送信されたユーザに送信するユーザデータを蓄積する。
データ転送部406は、ハンドオーバプロシージャが起動した際に、データ転送先決定部412において決定された転送先の基地局に、データ蓄積部404で蓄積しているユーザデータを転送する。
データ転送先決定部412は、ハンドオーバの際にデータ蓄積部404に蓄積されているユーザデータを転送する転送先を決定する。例えば、データ転送先決定部412は、移動局から報告されるメジャメントリポートに基づいて、リソースを確保できる基地局のうち、最も通信品質のよい基地局と、該基地局の周囲に配置された基地局をグルーピング(グループ化)し、転送先の基地局とする。すなわち、データ転送先決定部412は、移動局から報告されるメジャメントリポートに基づいて、最も通信品質がよい基地局(セル)、かつリソースを確保できた基地局(セル)を必ず含み、これらの基地局の周囲の基地局をグルーピングする。
また、データ転送先決定部412は、過去の基地局における移動局の通過履歴から、移動局の移動方向を推測し、移動方向にある基地局をグルーピングして、選択するようにしてもよい。または、電車、あるいは高速道路上の自動車のように、一旦乗ってしまえば移動方向がある程度制限される環境では、該移動方向にある基地局をグルーピングするようにしてもよい。例えば、電車の場合、移動局は電車内であることをNWに通知する構成としてもよい。(その際、移動局に電車内であることを認識させるために、報知情報で報知してもよい。)その結果、データ転送先決定部412は、移動局の移動方向を推測し、移動方向にある基地局をグルーピングして、選択する。
本実施例で想定したグルーピング方法は、これらに限定されるものではなく、他の規範に基づいてグルーピングしてもよい。
また、データ転送先決定部412は、ユーザデータの転送能力および接続されている伝送路の転送能力のうち少なくとも一方に基づいて、ユーザデータを転送する基地局の数、すなわちグルーピングする基地局の数を決定する。例えば、データ転送先決定部412は、CPU負荷、格納されているデータ量および伝送路帯域のうち少なくとも1つに基づいて、ユーザデータを転送する基地局の数を決定する。
移動速度測定部410は、有線を介して他の基地局から移動局の移動速度を取得、あるいは、無線を介して移動局の移動速度などの移動局の移動に関する情報を推定する。移動速度の推定は、移動局が基地局をHandoverする頻度や、ドップラー周波数(fd)から推定する構成としてもよい。これ以外の推定方法に限定されるものではなく、その他の推定方法であってもよい。また、移動速度測定部410は、移動局の移動に関する情報、例えば移動速度を示す情報をデータ転送先決定部412に通知する。この場合、データ転送先決定部412は、移動速度測定部410により通知された移動速度に基づいて、該移動速度がシステムで予め規定する閾値を超えるか否かを判断する。データ転送先決定部412は、移動速度が閾値を超えない場合には、データを転送する基地局をハンドオーバ先の基地局に決定する。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100におけるハンドオーバシーケンスについて、図3を参照して説明する。
本実施例においては、移動局500が、アクセスゲートウェイ3001配下に接続されたソース基地局4001からターゲット基地局4002にハンドオーバする場合について説明する。
移動局500は、ソース基地局4001が適切なハンドオーバ先基地局を選択できるように、ソース基地局4001に対してハンドオーバ先の候補となる基地局の通信品質を示す情報が格納されたメジャメントリポート(Measurement report)を報告する(ステップS302)。
ソース基地局4001は、移動局500からのメジャメントリポートに基づいて、リソースの空き状況を確認する適切なターゲット基地局を選択する(HO decision)(ステップS304)。例えば、ターゲット基地局として基地局4002が選択される。
次に、ソース基地局4001は、コンテキスト、例えばC−plane関連の情報を基地局4002へ転送する(HO request)(ステップS306)。
次に、基地局4002は、ソース基地局4001から転送されたコンテキストに含まれるQoS情報に基づいて、リソースを割り当てる(Resource allocation)。また、ターゲット基地局4002は、割り当てたリソースの予約を行う(ステップS308)。
次に、基地局4002は、必要なリソースの予約が成功した場合に、ソース基地局4001に対して、ハンドオーバのための準備が完了したことを示すコンテキスト転送応答(HO response)を通知する(ステップS310)。
ここで、基地局4002は、必要なリソースが確保できない場合には、ソース基地局4001に対して、移動局500へのリソースが確保できないことを通知する。
ソース基地局4001は、コンテキスト転送応答を受信すると、ハンドオーバ予定の移動局500の移動速度を測定または推測し、システムで予め指定した移動速度よりも速い場合、すなわち予め決定された閾値以上である場合に、転送先の基地局のグルーピングを行なう。ソース基地局4001は、グルーピング候補として、ハンドオーバ先に選択したターゲット基地局を必ず含み、それ以外に、基地局のユーザデータ転送能力および基地局が接続されている伝送路の転送の能力のうち少なくとも一方に基づいて、複数の候補を移動局のメジャメントリポートから選択する(User mobility analysis)。
また、ソース基地局4001は、基地局4002をハンドオーバ先基地局、すなわちターゲット基地局として決定する(forwarding NBs decision)(ステップS312)。
一方、ソース基地局4001は、基地局4002から移動局500へのリソースが確保できないことを通知された場合には、移動局500からのメジャメントレポートに基づいて、リソースの空き状況を確認する適切な他のターゲット基地局を選択する。すなわち、ステップS304と同様の動作を行う。
次に、ソース基地局4001は、ターゲット基地局4002を含むグルーピングされた複数の基地局群へ、移動局500へ転送すべきユーザデータでかつ、移動局500からACK(Acknowledge)を受信していないユーザデータおよびアクセスゲートウェイ3001から受信し、未だ移動局500へ送信していないユーザデータの転送を開始する(Start user data forwarding)(ステップS314、ステップS316、ステップS318)。
ソース基地局4001は、移動局500に対してターゲット基地局4002と無線回線を再設定するのに必要なセルスペシフィックな情報、すなわちセル固有の情報を通知する(HO Command)(ステップS320)。
次に、移動局500は、ターゲット基地局4002から同期チャネルを受信し、ターゲット基地局4002と無線同期を確立し、無線チャネルを設定する(L1/L2 HO Rx SCH from tNB)(ステップS322)。
ターゲット基地局4002との無線チャネルの設定後、移動局500は、ターゲット基地局4002に対してハンドオーバが完了したことを通知する(HO complete)(ステップS324)。
次に、ターゲット基地局4002は、ソース基地局4001にハンドオーバが完了したことを示すハンドオーバ確認完了通知(HO confirm)を通知する(ステップS326)。ステップS326はあることが望ましいが、あっても無くてもよい。
次に、ターゲット基地局4002は、アクセスゲートウェイ3001にパス更新リクエスト(Path switch)を送信する(ステップS328)。アクセスゲートウェイ3001は、デスティネーションをソース基地局4001からターゲット基地局4002ヘパス更新を実行する。
ソース基地局4001は、データ蓄積部404に蓄積されたデータを破棄する(ステップS330)。
次に、アクセスゲートウェイ3001は、ソース基地局4001への基地局−アクセスゲートウェイ間のシグナリングをリリース、すなわち解放する(ステップS332)。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100における基地局400の動作について説明する。
本実施例においては、ソース基地局とターゲット基地局に分けて、その動作を説明する。
ソース基地局の動作について、図4を参照して説明する。
ソース基地局4001は、制御部402において、移動局500からメジャメントリポートを受信したか否かを判断する(ステップS402)。
制御部402は、移動局500からメジャメントリポートを受信していないと判断した場合(ステップS402:NO)、当該処理を終了する。
制御部402は、移動局500からメジャメントリポートを受信したと判断した場合(ステップS402:YES)、移動局500から報告されたメジャメントリポートに格納された周辺基地局(セル)の通信品質を示す情報に基づいて、最も通信品質のよい基地局をハンドオーバ先基地局の候補として選択し、そのハンドオーバ先の候補として選択した基地局に、移動局コンテキストを転送し、ハンドオーバ先候補基地局のリソース予約を行う(ステップS404)。
次に、制御部402は、ハンドオーバ先の候補として選択した基地局からリソース予約完了応答、例えばコンテキスト転送応答を受信したか否か判断する(ステップS406)。
リソース予約完了応答を受信していない場合(ステップS406:NO)、ステップS404に戻る。
一方、リソース予約確認応答を受信した場合(ステップS406:YES)、移動速度測定部410は、移動局500の移動速度を、無線を介して取得する。データ転送先決定部412は、該移動速度を解析し、移動速度が所定の移動速度を超えた場合、すなわちシステムで予め決定された閾値以上である場合に、ターゲット基地局を複数設定し、グルーピングを行う。データ転送部406は、データ転送先決定部412により設定されたターゲット基地局にユーザデータのデータ転送を開始する(ステップS408)。ここで、移動速度測定部410は、移動局500の移動速度を、有線を介して取得するようにしてもよい。
ターゲット基地局群へユーザデータの転送開始後、制御部402は、移動局500に対し、無線チャネルの切換要求を送信する。例えば、制御部402は、移動局500に対してターゲット基地局4002と無線回線を再設定するのに必要なセルスペシフィックな情報、すなわちセル固有の情報を通知する(ステップS410)。
次に、制御部402は、ターゲット基地局からハンドオーバ完了確認応答を受信したか否か判断する(ステップS412)。
ハンドオーバ完了確認応答を受信していない場合(ステップS412:NO)、ステップS410に戻る。
一方、ハンドオーバ完了確認応答を受信した場合(ステップS412:YES)、ローカルに蓄積していたユーザデータを破棄する(ステップS414)。
次に、制御部402は、アクセスゲートウェイ300からパスリリース通知を受信したか否かを判断する(ステップS416)。
パスリリース通知を受信していない場合(ステップS416:NO)、ステップS414に戻る。
一方、パスリリース通知を受信した場合(ステップS416:YES)、当該処理を正常に終了する。
ターゲット基地局の動作について、図5を参照して説明する。
ターゲット基地局は、制御部402において、ソース基地局4001からリソース確保要求を受信したか否か判断する(ステップS502)。
リソース確保要求を受信していない場合(ステップS502:NO)、当該処理を終了する。
一方、ソース基地局4001からリソース確保要求を受信した場合(ステップS502:YES)、ターゲット基地局は、リソース確保要求に含まれるコンテキスト内のQoS情報に基づいて、リソース予約を行い、ソース基地局4001に対し、リソース確保が完了したことを通知するリソース予約完了応答、例えばコンテキスト転送応答を送信する(ステップS504)。
次に、制御部402は、移動局500から無線チャネル切換完了通知、例えばHO completeを受信したか否か判断する(ステップS506)。
移動局500から無線チャネル切換完了通知を受信していない場合(ステップS506:NO)、当該処理を終了する。
一方、移動局500から無線チャネル切換完了通知を受信した場合(ステップS506:YES)、制御部402は、アクセスゲートウェイ300に対して、パス切換要求、例えばパス更新リクエスト(Path switch)を送信する。また、制御部402は、ソース基地局4001に対し、ハンドオーバ確認完了通知を送信する(ステップS508)。次に、当該処理を正常に終了する。
次に、本発明の他の実施例にかかる無線アクセスネットワークについて説明する。
本実施例にかかる無線アクセスネットワークの構成は、図1を参照して説明した無線アクセスネットワークと同様であるためその説明を省略する。
本実施例にかかる基地局の構成は、図2を参照して説明した基地局と同様であるため、その説明を省略する。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100におけるハンドオーバシーケンスについて、図6を参照して説明する。
本実施例においては、移動局500が、アクセスゲートウェイ3001配下に接続されたソース基地局4001からターゲット基地局4002にハンドオーバする場合について説明する。
移動局500は、ソース基地局4001が適切なハンドオーバ先基地局を選択できるように、ソース基地局4001に対してハンドオーバ先の候補となる基地局の通信品質を示す情報が格納されたメジャメントリポートを報告する(ステップS602)。
次に、ソース基地局4001は、ハンドオーバ予定の移動局500の移動速度を測定または推測し、システムで予め指定した移動速度よりも速い場合、すなわち予め決定された閾値以上である場合に、ハンドオーバ先の候補となる基地局のグルーピングを行なう。ソース基地局4001は、グルーピング候補として、基地局のユーザデータ転送能力および基地局が接続されている伝送路の転送の能力のうち少なくとも一方に基づいて、ハンドオーバ先の候補となる複数の基地局を移動局のメジャメントリポートに基づいて選択する(User mobility analysis & HO decision)(ステップS604)。例えば、ハンドオーバ先の候補となる基地局として基地局4002〜400m選択される。
次に、ソース基地局4001は、コンテキスト、例えばC−plane関連の情報をハンドオーバ先の候補となる基地局4002〜400mへ転送する(HO request)(ステップS606、ステップS608)。例えば、ソース基地局4001は、コンテキストをハンドオーバ先の候補となる基地局4002〜400mへマルチキャストで転送する。
次に、ハンドオーバ先の候補となる基地局4002〜400mは、ソース基地局4001から転送されたコンテキストに含まれるQoS情報に基づいて、リソースを割り当てる(Resource allocation)。また、ハンドオーバ先の候補となる4002〜400mは、割り当てたリソースの予約を行う(ステップS610、ステップS612)。
次に、基地局4002〜400mは、必要なリソースの予約が成功した場合に、ソース基地局4001に対して、ハンドオーバのための準備が完了したことを示すコンテキスト転送応答を通知する(HO response)(ステップS614、ステップS616)。
ここで、基地局4002〜400mは、必要なリソースが確保できない場合には、ソース基地局4001に対して、移動局500へのリソースが確保できないことを通知する。
ソース基地局4001は、基地局4002から移動局500へのリソースが確保できないことを通知された場合には、移動局500からのメジャメントレポートに基づいて、リソースの空き状況を確認する適切な他のハンドオーバ先の候補となる基地局を選択する。すなわち、ステップS604と同様の動作を行う。
次に、ソース基地局4001は、ターゲット基地局4002を含むグルーピングされた複数の基地局群へ、移動局500へ転送すべきユーザデータでかつ、移動局500からACK(Acknowledge)を受信していないユーザデータおよびアクセスゲートウェイ3001から受信し、未だ移動局500へ送信していないユーザデータの転送を開始する(Start user data forwarding)(ステップS618、ステップS620、ステップS622)。例えば、ソース基地局4001は、ターゲット基地局4002を含むグルーピングされた複数の基地局群へユーザデータをマルチキャストで転送する。
ソース基地局4001は、移動局500に対してターゲット基地局4002と無線回線を再設定するのに必要なセルスペシフィックな情報、すなわちセル固有の情報を通知する(HO Command)(ステップS624)。
次に、移動局500は、ターゲット基地局4002から同期チャネルを受信し、ターゲット基地局4002と無線同期を確立し、無線チャネルを設定する(L1/L2 HO Rx SCH from tNB)(ステップS626)。
ターゲット基地局4002との無線チャネルの設定後、移動局500は、ターゲット基地局4002に対してハンドオーバが完了したことを通知する(HO complete)(ステップS628)。
次に、ターゲット基地局4002は、ソース基地局4001にハンドオーバが完了したことを示すハンドオーバ確認完了通知(HO confirm)を通知する(ステップS630)。
次に、ターゲット基地局4002は、アクセスゲートウェイ3001にパス更新リクエスト(Path switch)を送信する(ステップS632)。アクセスゲートウェイ3001は、デスティネーションをソース基地局4001からターゲット基地局4002ヘパス更新を実行する。
ソース基地局4001は、データ蓄積部404に蓄積されたデータを破棄する(ステップS634)。
次に、アクセスゲートウェイ3001は、ソース基地局4001への基地局−アクセスゲートウェイ間のシグナリングをリリース、すなわち解放する(ステップS636)。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100における基地局400の動作について説明する。
本実施例においては、ターゲット基地局の動作でついては、図5を参照して説明した動作と同様であるためソース基地局の動作について、図7を参照して説明する。
ソース基地局4001は、制御部402において、移動局500からメジャメントリポートを受信したか否かを判断する(ステップS702)。
移動局500からメジャメントリポートを受信していないと判断した場合(ステップS702:NO)、当該処理を終了する。
移動局500からメジャメントリポートを受信したと判断した場合(ステップS702:YES)、移動速度測定部410は、移動局500の移動速度を、無線を介して取得する(ステップS704)。また、移動速度測定部410は、移動局500の移動速度を、有線を介して取得するようにしてもよい。
データ転送先決定部412は、該移動速度を解析し、移動速度が所定の移動速度を超えるか否か、すなわちシステムで予め決定された閾値以上であるか否かを判断する(ステップS706)
移動速度がシステムで予め決定された閾値以上である場合(ステップS706:YES)、データ転送先決定部412は、移動局500から報告されたメジャメントリポートに格納された周辺基地局(セル)の通信品質を示す情報に基づいて、ターゲット基地局を複数設定し、グルーピングを行う(ステップS708)。
一方、移動速度がシステムで予め決定された閾値以上でない場合(ステップS706:NO)、データ転送先決定部412は、移動局500から報告されたメジャメントリポートに格納された周辺基地局(セル)の通信品質を示す情報に基づいて、ターゲット基地局を設定する(ステップS710)。
次に、制御部420は、例えば有線伝送部408を介して、そのハンドオーバ先の候補として選択した基地局に、移動局コンテキストを転送し、ハンドオーバ先候補基地局のリソース予約を行う(ステップS712)。
次に、制御部402は、ハンドオーバ先の候補として選択した基地局からリソース予約完了応答を受信したか否か判断する(ステップS714)。
リソース予約完了応答を受信していない場合(ステップS714:NO)、ステップS712に戻る。
一方、リソース予約確認応答を受信した場合(ステップS714:YES)、データ転送部406は、データ転送先決定部412により設定されたターゲット基地局にユーザデータのデータ転送を開始する(ステップS716)。
ターゲット基地局群へユーザデータの転送開始後、制御部402は、移動局500に対し、無線チャネルの切換要求を送信する(ステップS718)。
次に、制御部402は、ターゲット基地局からハンドオーバ完了確認応答を受信したか否か判断する(ステップS720)。
ハンドオーバ完了確認応答を受信していない場合(ステップS720:NO)、ステップS718に戻る。
一方、ハンドオーバ完了確認応答を受信した場合(ステップS720:YES)、ローカルに蓄積していたユーザデータを破棄する(ステップS722)。
次に、制御部402は、アクセスゲートウェイ300からパスリリース通知を受信したか否かを判断する(ステップS724)。
パスリリース通知を受信していない場合(ステップS724:NO)、ステップS722に戻る。
一方、パスリリース通知を受信した場合(ステップS724:YES)、当該処理を正常に終了する。
本発明の他の実施例にかかる無線アクセスネットワークについて説明する。
本実施例に係る無線アクセスネットワークの構成は図1を参照して説明した構成と同様である。
基地局400は、飛躍的な接続時間の短縮、レイテンシ(Latency)の削減を狙い、IMT−2000におけるRNCおよびNodeBの少なくとも一部の機能を統合したノ−ドである。ここで、eNodeBには、Uプレーンの機能としてMAC(Media Access Control)プロトコル、RLC(Radio Link Control)プロトコル、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)などが実装され、Cプレーンの機能としてRRC(Radio Resource Control)プロトコル、S1−AP(S1−Application Part)、X2−AP(X2−Application Part)が実装される。
移動局500がハンドオーバする際に、ソースNBのPDCP機能部で、バッファリングされたユーザデータ、例えば、サービスデータユニット(SDU: Service Data Unit)すなわち未送信データと送達未確認データとを、ターゲットNBヘフォワディング可能な機能が、NBに実装される。併せて、データをフォワディングするための伝送路が設定される。この伝送路は、無線であっても有線であってもよい。
本実施例にかかる基地局400の構成は図2を参照して説明した構成と同様である。
制御部402は、移動局500から送信されたハンドオーバ完了を示す情報を認識し、該情報に基づいて、アクセスゲートウェイ300に対して転送経路を変更する要求を行うために、ハンドオーバが完了したことを通知するハンドオーバ完了通知を行う。また、制御部402は、ハンドオーバ元の基地局ヘ、リソース解放(Resource Release)メッセージによりハンドオーバが完了したことを通知する。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100におけるハンドオーバシーケンスについて、図8を参照して説明する。
本実施例においては、移動局500が、アクセスゲートウェイ3001配下に接続されたソース基地局4001からターゲット基地局4002にハンドオーバする場合について説明する。
移動局500は、ソース基地局4001が適切なハンドオーバ先基地局を選択できるように、ソース基地局4001に対してハンドオーバ先の候補となる基地局の通信品質を示す情報が格納されたメジャメントリポート(Measurement report)を報告する(ステップS802)。
ソース基地局4001は、移動局500からのメジャメントリポートに基づいて、リソースの空き状況を確認する適切なターゲット基地局を選択する(HO decision)(ステップS804)。例えば、ターゲット基地局として基地局4002が選択される。
次に、ソース基地局4001は、コンテキスト、例えばC−plane関連の情報を基地局4002へ転送する(HO request)(ステップS806)。
次に、基地局4002は、ソース基地局4001から転送されたコンテキストに含まれるQoS情報に基づいて、リソースを割り当てる(Admission Control)。また、ターゲット基地局4002は、割り当てたリソースの予約を行う(ステップS808)。
次に、基地局4002は、必要なリソースの予約が成功した場合に、ソース基地局4001に対して、無線回線を再設定するのに必要なセルスペシフィックな情報、すなわちセル固有の情報を含む、ハンドオーバのための準備が完了したことを示すハンドオーバリクエスト肯定応答(HO request Ack)を通知する(ステップS810)。
ここで、基地局4002は、必要なリソースが確保できない場合には、ソース基地局4001に対して、移動局500へのリソースが確保できないことを通知する。
ソース基地局4001は、ハンドオーバリクエスト肯定応答を受信すると、ハンドオーバ予定の移動局500の移動速度を測定または推測し、システムで予め指定した移動速度よりも速い場合、すなわち予め決定された閾値以上である場合に、転送先の基地局のグルーピングを行なう。ソース基地局4001は、グルーピング候補として、ハンドオーバ先に選択したターゲット基地局を必ず含み、それ以外に、基地局のユーザデータ転送能力および基地局が接続されている伝送路の転送の能力のうち少なくとも一方に基づいて、複数の候補を移動局のメジャメントリポートから選択する(User mobility analysis)。また、ソース基地局4001は、基地局4002をハンドオーバ先基地局、すなわちターゲット基地局として決定する(forwarding NBs decision)(ステップS812)。
一方、ソース基地局4001は、基地局4002から移動局500へのリソースが確保できないことを通知された場合には、移動局500からのメジャメントレポートに基づいて、リソースの空き状況を確認する適切な他のターゲット基地局を選択する。すなわち、ステップS804と同様の動作を行う。
次に、ソース基地局4001は、ターゲット基地局4002を含むグルーピングされた複数の基地局群へ、移動局500へ転送すべきユーザデータでかつ、移動局500からACK(Acknowledge)を受信していないユーザデータおよびアクセスゲートウェイ3001から受信し、未だ移動局500へ送信していないユーザデータの転送を開始する(Start user data forwarding)(ステップS814、ステップS816、ステップS818)。
ソース基地局4001は、移動局500に対してターゲット基地局4002と無線回線を再設定するのに必要なセルスペシフィックな情報、すなわちセル固有の情報を通知する(HO Command)(ステップS820)。
次に、移動局500は、ターゲット基地局4002から同期チャネルを受信し、ターゲット基地局4002と無線同期を確立し、無線チャネルを設定する(L1/L2 HO Rx SCH from tNB)(ステップS822)。
ターゲット基地局4002との無線チャネルの設定後、移動局500は、ターゲット基地局4002に対してハンドオーバが完了したことを通知する(HO complete)(ステップS824)。
次に、ターゲット基地局4002は、ソース基地局4001に設定されているアクセスゲートウェイ3001からのパスをターゲット基地局4002へ変更するために、ハンドオーバが完了したことを通知するハンドオーバ完了通知(Handover Complete)をアクセスゲートウェイ3001に送信する(ステップS826)。
ハンドオーバ完了通知を受信したアクセスゲートウェイ3001は、ターゲット基地局4002に対し、パススイッチ完了を通知するためにハンドオーバ完了肯定応答(Handover Complete ACK)を通知する(ステップS828)。
ハンドオーバ完了肯定応答を受信したターゲット基地局4002は、ソース基地局4001にリソース解放メッセージを送信する(ステップS830)。
リソース解放メッセージを受信したソース基地局4001は、複製したコンテキストを破棄する(Delete context)(ステップS832)。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100における基地局400の動作について、図9を参照して説明する。
本実施例においては、ソース基地局とターゲット基地局に分けて、その動作を説明する。
ソース基地局の動作については、図4を参照して説明したソース基地局の動作において、ステップS412以降における処理が異なる。ステップS412では、ターゲット基地局4002からリソース解放メッセージを受信したか否かを確認する(ステップS912)。ターゲット基地局4002からリソース解放メッセージを受信した場合(ステップS912:YES)、制御部402は、複製されたコンテキストおよびユーザデータを破棄し(ステップS914)、終了する。
ターゲット基地局の動作について、図10を参照して説明する。
ターゲット基地局の動作については、図5を参照して説明したソース基地局の動作において、ステップS508以降における処理が異なる。ステップS508では、移動局500からチャネル設定完了通知、例えばHO completeを受信したと判断した場合(ステップS506:YES)、制御部402は、アクセスゲートウェイ3001に対し、ハンドオーバ完了通知を送信する(ステップS1008)。
次に、制御部402は、アクセスゲートウェイ3001から、ハンドオーバ完了肯定応答(HO Complete Ack)を受信したか否かを判断する(ステップS1010)。制御部402は、アクセスゲートウェイ3001から、ハンドオーバ完了肯定応答(HO Complete Ack)を受信した場合(ステップS1010)、ソース基地局に対し、リソース解放メッセージを送信する(ステップS1012)。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100におけるハンドオーバシーケンスについて、図11を参照して説明する。
本実施例においては、移動局500が、アクセスゲートウェイ3001配下に接続されたソース基地局4001からターゲット基地局4002にハンドオーバする場合について説明する。
移動局500は、ソース基地局4001が適切なハンドオーバ先基地局を選択できるように、ソース基地局4001に対してハンドオーバ先の候補となる基地局の通信品質を示す情報が格納されたメジャメントリポートを報告する(ステップS1102)。
次に、ソース基地局4001は、ハンドオーバ予定の移動局500の移動速度を測定または推測し、システムで予め指定した移動速度よりも速い場合、すなわち予め決定された閾値以上である場合に、ハンドオーバ先の候補となる基地局のグルーピングを行なう。ソース基地局4001は、グルーピング候補として、基地局のユーザデータ転送能力および基地局が接続されている伝送路の転送の能力のうち少なくとも一方に基づいて、ハンドオーバ先の候補となる複数の基地局を移動局のメジャメントリポートに基づいて選択する(User mobility analysis & HO decision)(ステップS1104)。例えば、ハンドオーバ先の候補となる基地局として基地局4002〜400m選択される。
次に、ソース基地局4001は、コンテキスト、例えばC−plane関連の情報をハンドオーバ先の候補となる基地局4002〜400mへ転送する(HO request)(ステップS1106、ステップS1108)。例えば、ソース基地局4001は、コンテキストをハンドオーバ先の候補となる基地局4002〜400mへマルチキャストで転送する。
次に、ハンドオーバ先の候補となる基地局4002〜400mは、ソース基地局4001から転送されたコンテキストに含まれるQoS情報に基づいて、リソースを割り当てる(Admission Control)。また、ハンドオーバ先の候補となる4002〜400mは、割り当てたリソースの予約を行う(ステップS1110、ステップS1112)。
次に、基地局4002〜400mは、必要なリソースの予約が成功した場合に、ソース基地局4001に対して、ハンドオーバのための準備が完了したことを示すハンドオーバリクエスト肯定応答を通知する(HO request Ack)(ステップS1114、ステップS1116)。
ここで、基地局4002〜400mは、必要なリソースが確保できない場合には、ソース基地局4001に対して、移動局500へのリソースが確保できないことを通知する。
ソース基地局4001は、基地局4002から移動局500へのリソースが確保できないことを通知された場合には、移動局500からのメジャメントレポートに基づいて、リソースの空き状況を確認する適切な他のハンドオーバ先の候補となる基地局を選択する。すなわち、ステップS1104と同様の動作を行う。
次に、ソース基地局4001は、ターゲット基地局4002を含むグルーピングされた複数の基地局群へ、移動局500へ転送すべきユーザデータでかつ、移動局500からACK(Acknowledge)を受信していないユーザデータおよびアクセスゲートウェイ3001から受信し、未だ移動局500へ送信していないユーザデータの転送を開始する(Start user data forwarding)(ステップS1118、ステップS1120、ステップS1122)。例えば、ソース基地局4001は、ターゲット基地局4002を含むグルーピングされた複数の基地局群へユーザデータをマルチキャストで転送する。
ソース基地局4001は、移動局500に対してターゲット基地局4002と無線回線を再設定するのに必要なセルスペシフィックな情報、すなわちセル固有の情報を通知する(HO Command)(ステップS1124)。
次に、移動局500は、ターゲット基地局4002から同期チャネルを受信し、ターゲット基地局4002と無線同期を確立し、無線チャネルを設定する(L1/L2 HO Rx SCH from tNB)(ステップS1126)。
ターゲット基地局4002との無線チャネルの設定後、移動局500は、ターゲット基地局4002に対してハンドオーバが完了したことを通知する(HO complete)(ステップS1128)。
次に、ターゲット基地局4002は、ソース基地局4001に設定されているアクセスゲートウェイ3001からのパスをターゲット基地局4002へ変更するために、ハンドオーバが完了したことを通知するハンドオーバ完了通知(Handover Complete)をアクセスゲートウェイ3001に送信する(ステップS1130)。
ハンドオーバ完了通知を受信したアクセスゲートウェイ3001は、ターゲット基地局4002に対し、パススイッチ完了を通知するためにハンドオーバ完了肯定応答(Handover Complete ACK)を通知する(ステップS1132)。
ハンドオーバ完了肯定応答を受信したターゲット基地局4002は、ソース基地局4001にリソース解放メッセージを送信する(ステップS1134)。
リソース解放メッセージを受信したソース基地局4001は、複製したコンテキストを破棄する(Delete context)(ステップS1136)。
次に、本実施例にかかる無線アクセスネットワーク100における基地局400の動作について、図12を参照して説明する。
本実施例においては、ターゲット基地局の動作でついては、図10を参照して説明した動作と同様であるためソース基地局の動作につい説明する。
ソース基地局の動作については、図7を参照して説明したソース基地局の動作において、ステップS720以降における処理が異なる。ステップS720では、ターゲット基地局4002からリソース解放メッセージを受信したか否かを確認する(ステップS1220)。ターゲット基地局4002からリソース解放メッセージを受信した場合(ステップS1220:YES)、制御部402は、複製されたコンテキストおよびユーザデータを破棄し(ステップS1222)、終了する。
本発明の実施例によれば、移動局の移動速度に基づいて、ハンドオーバ先基地局と、ユーザデータを転送する移動局とを同時に決定することができる。
以上説明したように、本発明の実施例によれば、ハンドオーバする可能性の高い基地局(セル)をグルーピングし、ハンドオーバの際に、グルーピングした基地局群へユーザデータをフォワディングすることにより、移動局が高速に移動する環境においても、データが送りきれずにデータが欠落することを防ぎ、効率的な転送、並びに、通信品質を確保できる効果が見込める。
本国際出願は、2006年3月10日に出願した日本国特許出願2006−66280号に基づく優先権を主張するものであり、2006−66280号の全内容を本国際出願に援用する。