以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、及び範囲等は、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、及び範囲等を表していない場合がある。したがって、本発明では、図面等に開示された位置、大きさ、形状、及び範囲等に限定されない。
図1は、実施例1の空調システムの構成例を示す図である。
図1に示す空調システムは、複数の室外機1、複数の室内機2、集中制御機器3、複数の無線アダプタ4、モバイル端末5、基地局7、管理サーバ9、情報端末10、空気清浄機12、温度センサ13、二酸化炭素濃度センサ14、スイッチ15、カメラ16、湿度センサ17、粉塵センサ18、及び臭気センサ19から構成される。なお、室外機1及び室内機2をまとめて空調機とも記載する。
集中制御機器3は、伝送路6を介して、複数の室外機1、複数の室内機2、及び無線アダプタ4−1と接続する。管理サーバ9は、ネットワーク8を介して、基地局7及び情報端末10と接続する。無線アダプタ4−2は、伝送路20を介して、温度センサ13、二酸化炭素濃度センサ14、スイッチ15、カメラ16、湿度センサ17、粉塵センサ18、及び臭気センサ19と接続する。
室外機1及び室内機2は、図示しない冷媒配管を介して互いに接続され、冷凍サイクルを形成する。図1では、室外機1は2台、室内機2は4台となっているが、室外機1及び室内機2は1台以上存在すればよい。なお、室内機2にはリモコン350(図3参照)が接続される。
集中制御機器3は、伝送路6を介して接続される機器の監視及び制御を行う。例えば、集中制御機器3は、室内機2の、運転及び停止の制御、運転モード切り替え制御、設定温度の変更、風向き及び風量の変更、リモコン操作の禁止設定、スケジュール設定等を行う。また、集中制御機器3は、機器の状態表示及びアラーム表示を行うことができる。
無線アダプタ4−1及び無線アダプタ4−2は、無線通信によりモバイル端末5と通信を行う。無線通信方式は、例えば、WiFi(登録商標、以下同じ)、Bluetooth(登録商標、以下同じ)、及びZigbee(登録商標、以下同じ)である。なお、無線アダプタ4とモバイル端末5との間に無線アクセスポイントを介する構成でもよい。
無線アダプタ4は、一般的な無線アダプタと同様のハードウェア構成であり、例えば、演算装置、記憶装置、及び各種通信装置等を備える。
無線アダプタ4−1は、モバイル端末5の指示に応じて、室外機1及び室内機2の稼働状態を示す稼働情報をモバイル端末5に送信し、また、室外機1及び室内機2を制御するための信号を転送する。
無線アダプタ4−2は、モバイル端末5の指示に応じて、空気清浄機12の稼働情報をモバイル端末5に送信し、空気清浄機12を制御するための信号を転送する。また、無線アダプタ4−2は、モバイル端末5の指示に応じて、温度センサ13、二酸化炭素濃度センサ14、スイッチ15、カメラ16、湿度センサ17、粉塵センサ18、臭気センサ19が計測したセンサ値をモバイル端末5に送信し、カメラ16を制御する信号を転送する。
モバイル端末5は、無線通信により、基地局7を介して、ネットワーク8と接続する。無線通信方式は、例えば、3G(3rd Generation)、LTE(登録商標、以下同じ)、WiMAX(登録商標、以下同じ)である。なお、モバイル端末5の通信方式は有線通信方式でもよいし、可視光通信又は超音波通信等を用いた通信方式でもよい。
モバイル端末5は、一般的なモバイル端末と同様のハードウェア構成であり、例えば、演算装置、記憶装置、各種通信装置、表示装置、入力装置、撮像装置、及びGPS等を備える。
管理サーバ9は、役割又は権限を表すロール及びフェーズの組合せに応じた空調機の制御を実現するサービスを提供する。サービスは一つ以上の機能を有する。管理サーバ9は、モバイル端末5から送信された室外機1、室内機2、及び空気清浄機12の稼働情報等を管理する。また、管理サーバ9は、各種センサが計測したセンサ値を管理する。
情報端末10は、管理サーバ9を操作する端末である。情報端末10を用いて、管理サーバ9が管理するデータベースの参照及び更新を行う。
空気清浄機12は、無線通信により無線アダプタ4−2と通信を行う。無線通信方式は例えば、WiFi、Bluetooth、及びZigbeeである。
空気清浄機12は、一般的な空気清浄機と同様のハードウェア構成であり、例えば、演算装置、記憶装置、各種センサ、表示装置、入力装置、通信装置、及びファン等を備える。センサには、温度センサ、湿度センサ、粉塵センサ、臭気センサ、及び二酸化炭素濃度センサ等が含まれる。
温度センサ13、二酸化炭素濃度センサ14、スイッチ15、カメラ16、湿度センサ17、粉塵センサ18、及び臭気センサ19は、各種値を計測するセンサ群である。なお、空調システムは、全てのセンサを備えていなくてもよい。
図2は、実施例1の室外機1の構成を示すブロック図である。
室外機1は、演算装置201、記憶装置202、圧縮機203、四方弁204、室外熱交換器205、室外送風機206、室外膨張弁207、室外機通信装置208、外気温度センサ209、圧縮機吐出ガス配管温度センサ210、熱交換器配管温度センサ211、高圧圧力センサ212、及び低圧圧力センサ213を備える。
演算装置201は、プロセッサ等の演算装置であり、記憶装置202に格納されるプログラムにしたがって、各構成を制御する。
記憶装置202は、演算装置201が実行するプログラム、制御情報、及びセンサ値等を格納する。本実施例では、記憶装置202は、室外機制御モジュール221を実現するプログラムを格納する。
室外機通信装置208は、伝送路6を介して、室内機2、集中制御機器3、及び無線アダプタ4と通信を行う。
演算装置201は、圧縮機203の制御において、圧縮機203の運転周波数を指示する。圧縮機203は、内部のインバータの一次電圧及び二次電圧の測定機能又は演算機能を有し、演算装置201は各電圧を読み出す。演算装置201は、四方弁204の制御において、冷媒の流れる向きを切り替える。演算装置201は、室外送風機206の制御において、運転を指示し、送風機運転状態を取得する。演算装置201は、室外膨張弁207の制御において、膨張弁開度を切り替える。
演算装置201は、外気温度センサ209、圧縮機吐出ガス配管温度センサ210、熱交換器配管温度センサ211、高圧圧力センサ212、及び低圧圧力センサ213が計測したセンサ値を読み出し、記憶装置202に格納し、又は、室外機通信装置208を介して外部に送信する。
図3は、実施例1の室内機2及びリモコン350の装置構成を示すブロック図である。
室内機2は、演算装置301、記憶装置302、室内送風機303、室内膨張弁304、室内熱交換器305、室内機通信装置306、リモコン通信装置307、吸込温度センサ308、吹出温度センサ309、冷媒ガス配管温度センサ310、及び冷媒液配管温度センサ311を備える。
演算装置301は、プロセッサ等の演算装置であり、記憶装置302に格納されるプログラムにしたがって、各構成を制御する。
記憶装置302は、演算装置301が実行するプログラム、制御情報、及びセンサ値等を格納する。本実施例では、記憶装置302は、室内機制御モジュール321を実現するプログラムを格納する。また、記憶装置302は、設定温度、運転モード、及び風量設定等の各種設定値、並びに各種内部状態を示すデータを格納する制御情報を格納する。異常が発生した場合の内部状態を示すデータには、発生した異常の種類を特定するためのアラームコードが含まれる。
室内機通信装置306は、伝送路6を介して、室外機1、集中制御機器3、及び無線アダプタ4と通信を行う。リモコン通信装置307は、リモコン350と通信を行う。
演算装置301は、室内送風機303の制御において、室内送風機303に対して運転を指示し、稼働状態を示すデータを取得する。演算装置301は、室内膨張弁304の制御において、膨張弁開度を切り替える。
また、演算装置301は、吸込温度センサ308、吹出温度センサ309、冷媒ガス配管温度センサ310、及び冷媒液配管温度センサ311が計測したセンサ値を読み出すことができる。
リモコン350は、演算装置351、記憶装置352、リモコン通信装置354、表示装置355、入力装置356、及びリモコン温度センサ357を備える。
演算装置351及び記憶装置352は、演算装置301及び記憶装置302と同様のものである。
演算装置351は、リモコン温度センサ357が計測したセンサ値を読み出すことができる。
記憶装置352は、リモコン制御モジュール361を実現するプログラムを格納する。また、記憶装置352は、設定温度、雲底モード、及び風量等の各種設定値、並びに、各種内部状態を示すデータを格納する。異常が発生した場合の内部状態を示すデータには、発生した異常の種類を特定するためのアラームコードが含まれる、各種内部状態を示すデータを格納する。
リモコン通信装置354は、室内機2と通信を行う。表示装置355は、LCD(Liquid Crystal Display)及びLED(LightEmitting Diode)等から構成され、室内機2又はリモコン350に関する各種情報を表示する。入力装置356は、ボタン、スイッチ、及びタッチパネル等から構成され、ユーザからの入力を受け付ける。
図4は、実施例1の空調機の冷凍サイクル系統図である。
室外機1及び室内機2は、ガス配管401及び液配管402を介して接続される。
圧縮機203は、スクロール圧縮機及びスクリュー圧縮機等であり、冷媒を圧縮し、高圧ガスを吐出する。四方弁204は、圧縮機203から吐出した冷媒ガスを、室外熱交換器205又は室内熱交換器305のいずれに導くかを切り替える。四方弁204の制御によって、冷房運転及び暖房運転を切り替えることができる。室外送風機206は、室外空気を室外熱交換器205に通風するように配置され、室外熱交換器205は、室外送風機206からの室外空気と内部を流れる冷媒との間の熱交換を行う。室外膨張弁207は、電子膨張弁等で構成され、冷媒を減圧する。
外気温度センサ209は、室外機1の外気の温度を測定する。圧縮機吐出ガス配管温度センサ210は、圧縮機203の吐出ガス配管の温度を測定する。熱交換器配管温度センサ211は、室外熱交換器205の液配管402側の温度を測定する。高圧圧力センサ212は、圧縮機203の吐出ガスの圧力を測定する。低圧圧力センサ213は、圧縮機203の吸込ガスの圧力を測定する。
室内送風機303は、室内空気を室内熱交換器305に通風するように配置される。室内熱交換器305は、室内空気と熱交換を行う。室内膨張弁304は、電子膨張弁等で構成され、冷媒を減圧する。
吸込温度センサ308は、室内熱交換器305の吸込口の室内空気温度を測定する。吹出温度センサ309は、室内熱交換器305の吹出口の室内空気温度を測定する。冷媒ガス配管温度センサ310は、室内熱交換器305のガス配管401側の温度を測定する。冷媒液配管温度センサ311は、室内熱交換器305の液配管402側の温度を測定する。
室内機2にはリモコン350が接続される。リモコン350は、リモコン温度センサ357を備える。リモコン温度センサ357は、リモコン350の周囲の室内空気温度を測定する。
図5は、実施例1の管理サーバ9の装置構成を示すブロック図である。
管理サーバ9は、演算装置501、記憶装置502、通信装置503、表示装置504、及び入力装置505を備える。なお、管理サーバ9は、表示装置504及び入力装置505を備えていなくてもよい。
演算装置501は、プロセッサ等の演算装置であり、記憶装置502に格納されるプログラムにしたがって、各構成を制御する。
記憶装置502は、メモリ等の演算装置であり、演算装置301が実行するプログラム、制御情報、及びセンサ値等を格納する。本実施例では、記憶装置502は、サービス制御モジュール511及び複数のサービスモジュール521を実現するプログラムを格納し、また、状態管理情報531、ユーザ管理情報532、及びシステム管理情報533を格納する。なお、管理サーバ9は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を備えてもよい。
通信装置503は、ネットワーク8を介して、モバイル端末5及び情報端末10と通信を行う。本実施例では、演算装置501は、周期的に、通信装置503を介して、空調システム内の空調機及びセンサ等から稼働情報及びセンサ値を取得し、記憶装置502に格納する。
本実施例の管理サーバ9は空調システムから取得される情報を一元管理する。これによって、サービス毎にデータベースを用意する必要がない。
表示装置504は、LCD及びLED等から構成され、各種情報を表示する。入力装置505は、ボタン、スイッチ、タッチパネル、キーボード、及びマウス等から構成され、ユーザからの入力を受け付ける。
サービスモジュール521は、任意のロールのユーザが任意のフェーズ(制御段階)で使用するサービスを提供するモジュールである。本実施例では、管理サーバ9上には、異なるサービスを提供する複数のサービスモジュール521が稼働する。複数のサービスモジュール521の各々は、サービス制御モジュール511に対してデータの読出要求及びデータの書込要求を送信するように設定される。
サービスモジュール521が有する機能としては、センサ値の可視化機能、消費電力の表示機能、節電機能等が考えられる。節電機能では、サービスモジュール521が、状態管理情報531に格納されているデータを解析し、フロアの利用者の快適性を損なわずに消費電力を削減する空調機の運用プランを生成する。センサ値の可視化機能では、サービスモジュール521が、状態管理情報531に格納されているデータを時系列のグラフとして表示する。消費電力の表示機能では、サービスモジュール521が、空調機が消費される電力及び空調機の使用料金を表示する。
サービス制御モジュール511は、サービスモジュール521の切り替え、及びサービスモジュール521が読み出すデータの変換処理等を実行する。
なお、空調機が無線アダプタ4の機能を有する場合、空調機の一機能として構成するようにしてもよい。また、無線アダプタ4の機能を有することが可能であれば、空調機の一機能として構成するようにしてもよい。
図6A、図6B、図6C、図6D、図6E、図6Fは、実施例1の状態管理情報531のデータ構造の一例を示す図である。
状態管理情報531は、空調システム内に存在する空調機の稼働情報及び各種センサ値を格納する。
具体的には、状態管理情報531は、No601、日付602、室内機フィールド群603、室外機フィールド群604、空気清浄機フィールド群605、及びフロアフィールド群606から構成されるエントリを含む。
No601は、状態管理情報531のエントリを一意に識別するための識別情報を格納するフィールドである。日付602は、空調機の稼働情報及びセンサ値が取得された時間を格納するフィールドである。
室内機フィールド群603は、室内機2の稼働情報を格納するフィールド群である。具体的には、室内機フィールド群603は、消費電力611、吸込温度612、吹出温度613、第1配管温度614、及び第2配管温度615から構成されるフィールド群610を一つ以上含む。前述したフィールド群610は、空調システムに存在する室内機2の数だけ存在する。
消費電力611は、室内機2の消費電力を格納するフィールドである。なお、室内機2の消費電力は、室内機制御モジュール321によって計測される。吸込温度612は、吸込温度センサ308が計測した温度を格納するフィールドである。吹出温度613は、吹出温度センサ309が計測した温度を格納するフィールドである。第1配管温度614は、冷媒ガス配管温度センサ310が計測した温度を格納するフィールドである。第2配管温度615は、冷媒液配管温度センサ311が計測した温度を格納するフィールドである。
室外機フィールド群604は、室外機1の稼働情報を格納するフィールド群である。具体的には、室外機フィールド群604は、消費電力621、外気温度622、第3配管温度623、第4配管温度624、高圧圧力625、及び低圧圧力626から構成されるフィールド群620を一つ以上含む。前述したフィールド群620は、空調システムに存在する室外機1の数だけ存在する。
消費電力621は、室外機1の消費電力を格納するフィールドである。なお、室外機1の消費電力は、室外機制御モジュール221によって計測される。外気温度622は、外気温度センサ209が計測した温度を格納するフィールドである。第3配管温度623は、圧縮機吐出ガス配管温度センサ210が計測した温度を格納するフィールドである。第4配管温度624は、熱交換器配管温度センサ211が計測した温度を格納するフィールドである。高圧圧力625は、高圧圧力センサ212が計測した圧力を格納するフィールドである。低圧圧力626は、低圧圧力センサ213が計測した圧力を格納するフィールドである。
空気清浄機フィールド群605は、空気清浄機12の稼働情報を格納するフィールド群である。具体的には、空気清浄機フィールド群605は、温度631、湿度632、CO2濃度633、粉塵634、及び臭気635から構成されるフィールド群630を一つ以上含む。前述したフィールド群630は、空調システムに存在する空気清浄機12の数だけ存在する。
温度631は、空気清浄機12が備える温度センサ(図示省略)が計測した温度を格納するフィールドである。湿度632は、空気清浄機12が備える湿度センサ(図示省略)が計測した湿度を格納するフィールドである。CO2濃度633は、空気清浄機12が備える二酸化炭素濃度センサ(図示省略)が計測した二酸化炭素の濃度を格納するフィールドである。粉塵634は、空気清浄機12が備える粉塵センサ(図示省略)が計測した粉塵の量を格納するフィールドである。臭気635は、空気清浄機12が備える臭気センサ(図示省略)が計測した臭気の程度を格納するフィールドである。
フロアフィールド群606は、フロア粉塵フィールド群640、フロア臭気フィールド群645、フロア温度フィールド群650、フロア湿度フィールド群655、フロアCO2濃度フィールド群660、フロアスイッチフィールド群665、及びフロアカメラフィールド群670から構成される。
フロア粉塵フィールド群640は、粉塵センサ18が計測した粉塵の量を格納するフィールドである粉塵641を一つ以上含む。フロア臭気フィールド群645は、臭気センサ19が計測した臭気の程度を格納するフィールドである臭気646を一つ以上含む。フロア温度フィールド群650は、温度センサ13が計測した温度を格納するフィールドである温度651を一つ以上含む。フロア湿度フィールド群655は、湿度センサ17が計測した湿度を格納するフィールドである湿度656を一つ以上含む。フロアCO2濃度フィールド群660は、二酸化炭素濃度センサ14が計測した二酸化炭素の濃度を格納するフィールドであるCO2濃度661を一つ以上含む。フロアスイッチフィールド群665は、スイッチ15から取得したスイッチ15の状態を示す値を格納するフィールドである不快スイッチ666を一つ以上含む。フロアカメラフィールド群670は、カメラ16から取得したカメラ16の状態を示す値を格納するフィールドである人感カメラ671を一つ以上含む。
状態管理情報531へのデータの追加は各行毎に行ってもよいし、複数行を一度に追加してもよい。例えば、複数行を一度に追加する追加方式の場合、無線アダプタ4が、記憶装置に一時間分の各種センサ値を保持し、まとめて管理サーバ9へ送信する。管理サーバ9へのアクセス回数を減らすことでネットワークの使用頻度を低下させることが可能である。
なお、状態管理情報531は、センサ値の追加等に柔軟に対応できるように、KVS(Key Value Store)等のデータ構造に依存しない形式でデータを管理してもよい。
図7は、実施例1のユーザ管理情報532のデータ構造の一例を示す図である。
ユーザ管理情報532は、No701、ID702、PASS703、ロール704、フェーズ705、期間706、及び機能707から構成されるエントリを含む。一つのエントリは一つのロール及びフェーズの組合せに対応する。
No701は、ユーザ管理情報532のエントリを一意に識別するための識別情報を格納するフィールドである。No701は、サービスの識別情報としても用いられる。
ID702は、ユーザを一意に識別するための識別情報を格納するフィールドである。例えば、ログイン名等が格納される。PASS703は、ログイン時に使用されるパスワードを格納するフィールドである。
ロール704は、ユーザのロールを格納するフィールドである。本実施例のロール704には、「管理者」、「オーナ」、「作業員」、「事業者」、及び「一般利用者」のいずれかが格納される。「管理者」は空調システムのユーザ管理を行うユーザを表し、「オーナ」は空調機が設置されたビル及び商業施設等を運営するユーザを表し、「作業員」は空調機の設置及び保守等の作業を行うユーザを表し、「事業者」はオーナが運営するビル及び商業設備等を利用するユーザを表し、「一般利用者」は「事業者」に対応するユーザが提供するサービス等を利用するユーザを表す。なお、ロール704に格納される値は前述した値に限定されない。
フェーズ705は、空調機の制御段階、すなわち、サービスの使用場面を示すフェーズを格納するフィールドである。本実施例のフェーズ705には、「ALL」、「設置」、「試運転」、及び「運転」のいずれかが格納される。「設置」は空調機の設置フェーズを表し、「試運転」は設置後の空調機の試運転フェーズを表し、「運転」は試運転後の実際の空調機の運転フェーズを表す。「ALL」は、「設置」、「試運転」、及び「運転」の全てのフェーズを含む。なお、フェーズ705に格納される値は前述した値に限定されない。
期間706は、エントリの有効期間を格納するフィールドである。なお、期間706には、少なくとも開始日が格納される。機能707は、サービスが有する機能を識別する情報を格納するフィールドである。本実施例の機能707には、可視化機能、節電機能、及び消費電力表示機能の少なくともいずれかが格納される。なお、機能707に格納される値は前述した値に限定されない。また、ロール704が「管理者」のエントリの機能707は空欄でもよい。
図8は、実施例1のシステム管理情報533のデータ構造の一例を示す図である。
システム管理情報533は、No801、システム802、機能803、スキーマ804、及びレポート805から構成されるエントリを含む。一つのエントリは一つのサービスに対応する。また、一つのエントリにはサービスが有する機能の数だけ行が含まれる。
No801は、No701と同一のものである。No801は、システム管理情報533のエントリの識別情報としても用いられる。
システム802は、ロール及びフェーズによって指定されたサービスを提供するシステム、すなわち、サービスモジュール521を示す情報を格納するフィールドである。本実施例のシステム802には、サービスモジュール521の名称が格納される。なお、システム802には、アドレス及びプログラム名等が格納されてもよい。
なお、サービスを提供するシステムは、サービスモジュール521が稼働する少なくとも一つ計算機から構成される。本実施例では、管理サーバ9内に複数のシステムが構築されている。
機能803は、システムが提供するサービスが有する機能の識別情報を格納するフィールドである。
スキーマ804は、システム、すなわち、サービスモジュール521が扱うデータの構造の定義情報を格納するフィールドである。例えば、使用するデータの名称、種別、及び組合せがスキーマ804に格納される。全ての機能に対して同一のスキーマが設定されてもよい。
レポート805は、サービスモジュール521がレポート機能を有する場合に、レポートを生成するための定義情報を格納するフィールドである。全ての機能に対して同一のレポートの定義情報が格納されてもよい。本実施例では、XML形式のレポートが生成されるものとしている。したがって、レポート805には、XML形式の定義ファイルが格納される。なお、レポート805に格納される値は前述した値に限定されない。
次に、システムの具体的な処理について説明する。まず、「管理者」のロールが割り当てられるユーザがシステムを利用する場合の処理について説明する。図9は、実施例1のシステムにおいて実行される処理の流れを説明するシーケンス図である。図10A、図10B、図10C、及び図10Dは、実施例1のモバイル端末5に表示される画面の一例を示す図である。
モバイル端末5は、図10Aに示すログイン画面1000を表示する。ログイン画面1000は、ID入力欄1001、パスワード入力欄1002、及びログインボタン1003を含む。ID入力欄1001はIDを入力する欄であり、パスワード入力欄1002はパスワードを入力する欄である。また、ログインボタン1003は、ログイン要求を送信するためのボタンである。
ユーザは、ID入力欄1001にIDを入力し、パスワード入力欄1002にパスワードを入力し、ログインボタン1003を押下する(ステップS201)。
モバイル端末5は、ログイン要求を管理サーバ9に送信する(ステップS202)。ログイン要求にはフェーズを示す情報、ID、及びパスワードが含まれる。ここでは、フェーズが「ALL」、IDが「admin」、パスワードが「ijkl」であるものとする。なお、フェーズが一つしか存在しないロールの場合、ログイン要求に必ずしもフェーズを示す情報が含まれなくてもよい。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、ログイン要求を受信した場合、ログイン処理を実行する(ステップS203)。
具体的には、サービス制御モジュール511は、ログイン要求から、フェーズを示す情報、ID、及びパスワードを取得する。サービス制御モジュール511は、ユーザ管理情報532を参照し、ID702、PASS703、及びフェーズ705が、取得したID、パスワード、及びフェーズを示す情報に一致するエントリを検索する。サービス制御モジュール511は、検索されたエントリのNo701に基づいて、システム管理情報533を参照し、ユーザが使用するサービスを提供するシステムを起動する。
本実施例では、No701が「001」のエントリが検索される。また、「管理者」のロールの場合、サービス制御モジュール511がサービスを提供するため、システムの起動を改めて実行する必要はない。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、特定されたサービスに対応する画面を表示する情報を含む応答をモバイル端末5に送信する(ステップS204)。本実施例の応答には、管理者メニューの画面を表示する情報及びNo701が含まれる。モバイル端末5は、管理サーバ9との通信において通知されたNo701を含める。これによって、サービス制御モジュール511はユーザに提供しているサービスを高速に特定できる。
なお、ステップS203において、該当するエントリが存在しないと判定された場合、サービス制御モジュール511は、エラーを示すログイン要求をモバイル端末5に送信する。
モバイル端末5は、応答に含まれる情報に基づいて、図10Bに示す管理者メニュー画面1010を表示する(ステップS205)。
管理者メニュー画面1010は、ユーザ追加ボタン1011、ユーザ削除ボタン1012、ユーザ設定ボタン1013、システム設定ボタン1014、及びログアウトボタン1015を含む。
ユーザ追加ボタン1011は、ユーザ管理情報532に新たなユーザを登録するためのボタンである。ユーザ削除ボタン1012は、ユーザ管理情報532からユーザを削除するためのボタンである。ユーザ設定ボタン1013は、ユーザ管理情報532に登録されたユーザの情報を修正するためのボタンである。システム設定ボタン1014は、システム管理情報533の設定を行うためのボタンである。ログアウトボタン1015は、ログアウト要求を送信するためのボタンである。
ユーザがユーザ追加ボタン1011を押下した場合、図10Cに示すユーザ追加画面1020が表示される。ユーザ追加画面1020は、ID設定欄1021、PASS設定欄1022、フェーズ設定欄1023、ロール設定欄1024、機能設定欄1025、保存ボタン1026、及びキャンセルボタン1027を含む。
ID設定欄1021は、新たに追加するユーザのIDを設定する欄である。PASS設定欄1022は、新たに追加するユーザのパスワードを設定する欄である。
フェーズ設定欄1023は、新たなユーザのフェーズを設定する欄である。本実施例のフェーズ設定欄1023には、選択可能なフェーズが表示される。管理者は表示されているフェーズのチェックボックスをチェックすることによってフェーズを選択する。本実施例では、フェーズ設定欄1023を用いてユーザの有効期間が設定される。なお、ユーザ追加画面1020には、有効期間を設定する欄を設けてもよい。
ロール設定欄1024は、新たなユーザのロールを設定する欄である。本実施例のロール設定欄1024がプルダウン形式で設定可能なロールが表示される。
機能設定欄1025は、新たなユーザに提供するサービスに含まれる機能を設定する欄である。本実施例の機能設定欄1025には、フェーズ設定欄1023及びロール設定欄1024に設定したフェーズ及びロールの組合せに対応する機能が表示される。管理者は、表示されている機能のチェックボックスをチェックすることによって機能を選択する。
なお、図10Cに示すユーザ追加画面1020では、一度の操作で、複数のロール及びフェーズの組合せをユーザ管理情報532に登録できる。
保存ボタン1026は、ユーザ追加要求を送信するためのボタンである。キャンセルボタン1027は、ユーザ追加画面1020の操作を初期化又は中止するためのボタンである。図9の説明に戻る。
ユーザが、ユーザ追加画面1020の各欄に値を入力し、保存ボタン1026を押下する(ステップS206)。
モバイル端末5は、ユーザ追加要求を管理サーバ9に送信する(ステップS207)。ユーザ追加要求にはID、パスワード、フェーズ、ロール、期間、及び機能が含まれる。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、ユーザ追加要求を受信した場合、ユーザ追加処理を実行する(ステップS208)。
具体的には、サービス制御モジュール511は、ユーザ管理情報532にエントリを追加し、追加されたエントリのNo701に識別情報を設定する。また、サービス制御モジュール511は、追加されたエントリのID702、PASS703、ロール704、フェーズ705、期間706、及び機能707に、ユーザ追加要求に含まれる値を設定する。なお、ユーザ追加要求に、複数のロール及びフェーズの組合せの設定情報が含まれる場合、各組合せについて前述した処理が実行される。この場合、各エントリのID702及びPASS703の値は全て同一となる。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、ユーザ追加処理が完了した後、処理結果を含む応答をモバイル端末5に送信する(ステップS209)。
モバイル端末5は、管理者に応答に含まれる処理結果を表示する(ステップS210)。
ユーザがシステム設定ボタン1014を押下した場合、図10Dに示すシステム設定画面1030が表示される。システム設定画面1030は、No選択欄1031、システム設定欄1032、機能設定欄1033、スキーマ設定欄1034、レポート設定欄1035、保存ボタン1036、及びキャンセルボタン1037を含む。
なお、機能設定欄1033、スキーマ設定欄1034及びレポート設定欄1035は、指定されたユーザ管理情報532のエントリに設定された機能の数だけ存在する。
No選択欄1031は、ユーザ管理情報532のエントリを指定するためのNoを設定する欄である。本実施例のNo選択欄1031は、プルダウン形式で選択可能な識別情報が表示される。
システム設定欄1032は、要求される機能を含むサービスを提供するシステムを設定する欄である。本実施例のシステム設定欄1032は、プルダウン形式で設定可能なシステムの情報が表示される。
機能設定欄1033は、機能を設定する欄である。なお、No選択欄1301に値が設定された場合、機能設定欄1033が自動的に設定されてもよい。
スキーマ設定欄1034は、スキーマを設定する欄である。スキーマ設定欄1034には、例えば、CSV形式のデータが設定される。スキーマ設定欄1034に設定される情報は、サービスモジュール521が扱うデータの構造を指定できる情報であればよい。なお、システム設定欄1032にシステムの情報が設定された場合、スキーマ設定欄1034が自動的に設定されてもよい。
レポート設定欄1035は、レポートを生成するための定義情報を設定する欄である。本実施例では、レポート設定欄1035にXML形式のファイル名が設定される。
保存ボタン1036は、システム設定要求を送信するためのボタンである。キャンセルボタン1037は、システム設定画面1030の操作を初期化又は中止するためのボタンである。図9の説明に戻る。
ユーザが、システム設定画面1030の各欄に値を入力し、保存ボタン1036を押下する(ステップS211)。
モバイル端末5は、システム設定要求を管理サーバ9に送信する(ステップS212)。システム設定要求にはNo、システムの識別情報、機能の識別情報、スキーマの定義情報、及びレポートの定義情報が含まれる。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、システム設定要求を受信した場合、システム設定処理を実行する(ステップS213)。
具体的には、サービス制御モジュール511は、システム管理情報533にエントリを追加し、追加されたエントリのNo801及びシステム802にシステム設定要求に含まれる値を設定する。また、サービス制御モジュール511は、システム設定要求に含まれる機能の識別情報の数と同数の行を追加されたエントリに生成する。サービス制御モジュール511は、各行の機能803、スキーマ804、及びレポート805にシステム設定要求に含まれる値を設定する。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、システム設定処理が完了した後、処理結果を含む応答をモバイル端末5に送信する(ステップS214)。
モバイル端末5は、管理者に応答に含まれる処理結果を表示する(ステップS215)。
モバイル端末5の姿勢は、ユーザが任意に変更できるため、図10Aから図10Dに示す画面の縦、横は相対的な概念であり、入れ替え可能である。本明細書では、ユーザから見て水平方向を横方向と定義する。
図10Aから図10Dに示す画面は、モバイル端末5が有するディスプレイ等の表示装置に表示される画面である。図10Aから図10Dでは、ディスプレイの長辺を地面に対して垂直に保持した場合に表示される画面である。なお、モバイル端末が縦長のディスプレイを備える場合、縦方向に各表示欄を配置するような画面に変更すればよい。
モバイル端末5は、縦長のディスプレイを有する場合が多い。そのため、図10Aから図10Dに示すように縦方向に欄を配置することによって、複数の欄を一つの画面内に表示できる。
なお、モバイル端末5を約90度回転させて画面を表示する場合も考えられる。この場合、横方向に各欄を並べた画面を表示することが望ましい。以下では、各欄が縦方向に配置された画面を想定するが、各欄が横方向に配置された画面についても同様の操作が可能である。なお、後述する図12Aから図12Cに示す画面についても同様である。
次に、管理者以外のロールが割り当てられるユーザがシステムを利用する場合の処理について説明する。以下では、「オーナ」のロールが割り当てられたユーザを例に処理を説明する。図11は、実施例1のシステムにおいて実行される処理の流れを説明するシーケンス図である。図12A、図12B、及び図12Cは、実施例1のモバイル端末5に表示される画面の一例を示す図である。
ステップS301からステップS304の処理は、ステップS201からステップS204の処理と同様の処理である。
なお、ステップS303では、サービス制御モジュール511は、検索されたエントリのNo701に基づいてシステム管理情報533を参照し、ユーザが使用するサービスを提供するシステムを起動する。すなわち、サービス制御モジュール511は、任意のサービスモジュール521を呼び出す。このとき、サービス制御モジュール511は、モバイル端末5のIPアドレスをサービスモジュール521に通知する。また、ステップS304において送信される応答には、サービスに対応する画面を表示するためのデータが含まれる。
モバイル端末5は、応答に含まれる情報に基づいて、図12Aに示すオーナメニュー画面1200を表示する(ステップS305)。
オーナメニュー画面1200は、センサデータボタン1201、節電機能ボタン1202、表示欄1203、戻りボタン1204、保存ボタン1205、及びレポートボタン1206を含む。
センサデータボタン1201は、可視化機能を起動するためのボタンである。節電機能ボタン1202は、節電機能を起動するためのボタンである。表示欄1203は、各種機能によって取得されたデータ及び各種機能が実行した処理の結果を表示する欄である。
戻りボタン1204は、操作画面を一つ前の画面に切り替えるためのボタンである。図12Aの状態において戻りボタン1204が押下された場合、ログイン画面1000に表示が切り替わる。また、図12Bの状態において戻りボタン1204が押下された場合、オーナメニュー画面1200に切り替わる。図12Cの状態において戻りボタン1204が押下された場合、オーナメニュー画面1200に切り替わる。
保存ボタン1205は、表示欄1203に表示される情報をモバイル端末5に保存するためのボタンである。レポートボタン1206は、レポートの作成を指示するための操作ボタンである。
ユーザがセンサデータボタン1201を押下した場合、オーナメニュー画面1200の表示欄1203には、図12Bに示すようなグラフが表示される。ユーザが保存ボタン1205を押下した場合、表示欄1203に表示されたグラフのデータがモバイル端末5に保存される。ユーザがレポートボタン1206を押下した場合、モバイル端末5は、管理サーバ9によって生成された所定の形式のレポートを取得する。レポートの結果は、表示欄1203に表示してもよいし、図示しないプリンタ等に出力してもよい。また、ユーザが戻りボタン1204を押下した場合、表示欄1203は図12Aに示すような状態に切り替わる。
ユーザが節電機能ボタン1202を押下した場合、オーナメニュー画面1200の表示欄1203には、図12Cに示すようなグラフが表示される。ユーザが保存ボタン1205を押下した場合、表示欄1203に表示されたグラフのデータがモバイル端末5に保存される。ユーザがレポートボタン1206を押下した場合、モバイル端末5は、管理サーバ9によって生成された所定の形式のレポートを取得する。レポートの結果は、表示欄1203に表示してもよいし、図示しないプリンタ等に出力してもよい。また、ユーザが戻りボタン1204を押下した場合、表示欄1203は図12Aに示すような状態に切り替わる。図11の説明に戻る。
ユーザが、節電機能ボタン1202を押下する(ステップS306)。
モバイル端末5は、節電要求を管理サーバ9に送信する(ステップS307)。節電要求には少なくともNo701が含まれる。なお、No701は、ログイン処理において管理サーバ9から通知される。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、節電要求を受信した場合、ステップS303において起動されたサービスモジュール521に節電要求を転送する(ステップS308)。
具体的には、サービス制御モジュール511は、システム管理情報533を参照し、No801が節電要求に含まれるNoに一致するエントリを検索する。サービス制御モジュール511は、検索されたエントリのシステム802に対応するサービスモジュール521に節電要求を転送する。
サービスモジュール521は、節電要求を受信した場合、節電処理を実行する(ステップS309)。図13を用いて節電処理の一例を説明する。
サービスモジュール521は、節電処理が終了した後、処理結果を含む応答をモバイル端末5に送信する(ステップS310)。
なお、サービスモジュール521がサービス制御モジュール511を介してモバイル端末5と通信を行う場合、サービス制御モジュール511は、ステップS308において、モバイル端末5のIPアドレスを通知しなくてもよい。
モバイル端末5は、ユーザに応答に含まれる処理結果を表示する(ステップS311)。例えば、表示欄1203に図12Cに示すようなグラフが表示される。
ユーザが、レポートボタン1206を押下する(ステップS312)。
モバイル端末5は、レポート生成要求を管理サーバ9に送信する(ステップS313)。レポート生成要求には少なくともユーザのNo701が含まれる。
管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、レポート生成要求を受信した場合、ステップS304において特定されたサービスモジュール521に、レポート生成要求を転送する(ステップS314)。なお、サービス制御モジュール511は、レポート生成要求に含まれるNo701に基づいてユーザ管理情報532を参照することによってサービスモジュール521を特定する。サービス制御モジュール511は、システム管理情報533を参照して、No801がNo701に対応するエントリを検索し、検索されたエントリのレポート805を取得する。レポート805は、レポート生成要求に含められる。
サービスモジュール521は、レポート生成要求を受信した場合、レポート生成処理を実行する(ステップS315)。
具体的には、サービスモジュール521は、サービス制御モジュール511を介して状態管理情報531にアクセスして、処理に必要な情報を取得する。サービスモジュール521は、受信したデータ及びレポート805に基づいて所定の形式のレポートを生成する。
サービスモジュール521は、レポート処理が終了した後、生成されたレポートを含む応答をモバイル端末5に送信する(ステップS316)。モバイル端末5は、レポートを表示する(ステップS317)。
なお、サービスモジュール521がサービス制御モジュール511を介してモバイル端末5と通信を行う場合、サービス制御モジュール511は、ステップS308において、モバイル端末5のIPアドレスを通知しなくてもよい。
図13は、実施例1の節電機能を有するサービスモジュール521が実行する節電処理の一例を説明するフローチャートである。
サービスモジュール521は、状態管理情報531のアクセス要求をサービス制御モジュール511に送信することによって、処理に必要な情報を取得する(ステップS401)。アクセス要求には、少なくともNo及び機能種別が含まれる。また、アクセス要求には、期間等のデータの取得範囲を指定する情報、及びエントリの取得数等を指定する情報が含まれてもよい。サービス制御モジュール511を介した状態管理情報531のアクセス方法は図14を用いて説明する。
次に、サービスモジュール521は、処理に必要な全てのデータを取得したか否かを判定する(ステップS402)。例えば、一定期間の温度のデータを取得したか否かが判定される。
処理に必要な全てのデータを取得していないと判定された場合、サービスモジュール521は、ステップS401に戻り、同様の処理を実行する。
処理に必要な全てのデータを取得したと判定された場合、サービスモジュール521は、節電プランを生成する(ステップS403)。
例えば、空調機の設定温度、及び空調機の電源のON/OFF等を制御するための情報を含む。すなわち、消費電力が削減される空調機の制御に関する情報が節電プランとして生成される。なお、節電プランを生成する方法は公知の技術を用いればよいため、詳細な説明は省略する。
次に、サービスモジュール521は、新規の節電プランが生成されたか否かを判定する(ステップS404)。例えば、サービスモジュール521は、ステップS403において節電プランが生成されたか否かを判定する。また、サービスモジュール521は、生成された節電プランが既存の節電プランと異なるか否かを判定してもよい。この場合、ステップS403において節電プランが生成された場合、又は、生成された節電プランが既存の節電プランと異なる場合、サービスモジュール521は、新規の節電プランが生成されたと判定する。
新規の節電プランが生成されたと判定された場合、サービスモジュール521は、節電効果を示す節電効果情報を生成する(ステップS405)。
次に、サービスモジュール521は、節電プラン及び節電効果情報を含む応答をモバイル端末5に送信する(ステップS406)。その後、サービスモジュール521は処理を終了する。
ステップS404において、新規の節電プランが生成されていないと判定された場合、サービスモジュール521は、節電プランが存在しないことを示す情報を含む応答をモバイル端末5に送信する(ステップS407)。その後、サービスモジュール521は処理を終了する。
以上の処理によって空調機が設置されたフロアの快適性を損なわずに電力を削減することができる。
図14は、実施例1のサービス制御モジュール511が実行する状態管理情報531のアクセス処理の一例を説明するフローチャートである。
サービス制御モジュール511は、サービスモジュール521からNo及び機能種別を含むアクセス要求を受信する(ステップS501)。
次に、サービス制御モジュール511は、システム管理情報533を参照して、サービスモジュール521が有する機能が使用されるデータのスキーマを特定する(ステップS502)。
具体的には、サービス制御モジュール511は、No801及び機能803がアクセス要求に含まれるNo及び機能と一致し、かつ、システム802がアクセス要求を送信したサービスモジュール521の識別情報に一致するエントリを検索する。サービス制御モジュール511は、検索されたエントリのスキーマ804の値を取得する。
次に、サービス制御モジュール511は、特定されたスキーマに基づいて状態管理情報531からデータを取得する(ステップS503)。このとき、サービス制御モジュール511は、検索されたエントリのスキーマ804に基づいて、状態管理情報531から取得したデータを所定のデータ構造のデータに変換する。
次に、サービス制御モジュール511は、取得したデータをサービスモジュール521に送信する(ステップS504)。その後、サービス制御モジュール511は処理を終了する。
実施例1の空調システムは、ロール及びフェーズの組合せによって定義される各種サービスを一元に管理することができる。また、空調システムは、各サービスを提供するシステムが扱うデータを一元で管理し、各システムに適したデータ形式に変換することができる。そのため、サービス毎にシステムを構築する必要がなく、また、サービス毎にデータベースを用意する必要がない。したがって、空調システムの利便性を向上し、また、空調システムの設備コスト及び管理コストを削減することができる。
また、実施例1の空調システムは、サービスの追加及び変化に伴って装置及びソフトウェアの改変を特に行う必要がないため、サービスの追加及び変化に柔軟に対応できる。
(変形例)
実施例1では、管理サーバ9内に各サービスを実現するサービスモジュール521が含まれていた。変形例では、空調機が設置された施設に、制御システムが構築されているものとする。
予め、制御システムが空調機の稼働情報及びセンサ値を管理サーバ9に送信するように設定する。また、制御システムが管理するデータベースのスキーマを管理サーバ9に登録する。この場合、制御システムは、管理サーバ9を介して直接データベース(状態管理情報531)にアクセスする。モバイル端末5からの各種要求は、管理サーバ9に送信するように設定する。
以上のような設定を行うことによって、実施例1と同様の制御が可能となる。すなわち、管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、ユーザ管理情報532を用いてサービスを提供する制御システムを特定し、特定された制御システムに対して各種要求を送信する。これによって、サービスの切替を実現できる。
制御システムは、要求を受信した場合、管理サーバ9にデータ取得要求を送信することによって状態管理情報531から必要なデータを取得する。このとき、管理サーバ9のサービス制御モジュール511は、図14に示す処理を実行することによって状態管理情報531から所定のデータ形式のデータを取得し、制御システムに当該データを送信する。
以上のように、既存に制御システムが存在する場合でも、本発明を導入することができる。