JP6938121B2 - スッポン高麗人参配合製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、スッポン加工物と高麗人参エキスとを含有する製剤に関する。より詳細には、本発明は、スッポン加工物により、高麗人参エキスの経時的な変色が抑制されてなるスッポン高麗人参配合製剤に関する。
また、本発明は、スッポン加工物と高麗人参エキスと生姜加工物とを含有する製剤に関する。
スッポンは、淡水性の亀の一種であり、精力増強・滋養強壮に効果のある食材として世界中に知られている。スッポンは、中国では3,000年前の周時代に王室の膳に供せられ、以来滋養強壮・不老長寿の保健食として珍重されている。スッポンは、中国料理のスープでは、方薬としての効用が認められ、強精の用を成している。
通常、スッポン加工物とは、内臓を取り除いたスッポンを燻製乾燥させた後、粉砕を行い粉末化したものであり、食さない甲羅や骨も含まれる。スッポン加工物(スッポン粉末)は茶色を呈しており、酸化や吸湿により色調が大きく変化することがないことが確認されている。
一方、高麗人参は、オタネニンジンという和名を持つウコギ科の薬用植物の根を乾燥させたものであり、朝鮮人参とも称される。高麗人参は、中国東北部から朝鮮半島にかけて自生しており、東洋では古来より滋養強壮剤として知られ、現在ではサプリメント等の健康食品にも配合されている。
通常、高麗人参エキス(高麗人参の抽出物)には、デキストリン等の賦形剤が含まれていることが多い(通常、原料中20から60重量%程度)が、この高麗人参エキスは、経時的に色調が大きく変化することがわかった。高麗人参エキスの経時的な色調の変化は、酸化、吸湿、メイラード反応等が原因であると考えられる。このため、高麗人参エキスを含有する製剤の保存する際には、経時的な色調の変化を起こさない様にその管理が難しいことがわかった。
これまで、乾燥したスッポン粉末入り朝鮮人参茶の顆粒状製品は知られている(特許文献1)。しかし、これまでにスッポン加工物(スッポン粉末)に高麗人参エキスの変色を防ぐ作用があることは知られていない。また、上記特許文献1では、スッポン粉末の実際の配合割合は朝鮮人参エキス100重量部に対して5〜7重量部程度であり、またスッポン粉末と朝鮮人参エキスとの混合物に更に生姜加工物を配合させることもない。
特開平6-78675号公報
本発明は、高麗人参エキスの色調の変化を抑制する、つまり変色が抑制されてなる耐変色性のスッポン高麗人参配合製剤を提供することを目的とする。
本発明者は、高麗人参エキスの色調が経時的に大きく変化することがわかり、この問題を解決するために鋭意検討を重ねていた。
本発明者は、スッポン加工物に高麗人参エキスの変色を抑制する作用があることを見出した。高麗人参エキスにスッポン加工物を併用することで、高麗人参エキスの変色が抑制でき、変色による高麗人参エキス配合製剤の品質及び外観の低下が予防できることを確認した。
更に、高麗人参エキスの経時的変色は、スッポン加工物に加えて、生姜加工物を併用することで、より一層抑制できること(変色抑制効果)を見出した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成したものであり、下記の実施態様を含むものである。
(I)スッポン高麗人参配合製剤
(I-1)スッポン加工物と高麗人参エキスとを含有するスッポン高麗人参配合製剤であって、前記スッポン加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることを特徴とする、スッポン高麗人参配合製剤。
(I-2)更に生姜加工物を含有する、前記(I-1)に記載のスッポン高麗人参配合製剤。
(I-3)前記生姜加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることを特徴とする、前記(I-2)に記載のスッポン高麗人参配合製剤。
(I-4)スッポン加工物と高麗人参エキスと生姜加工物とを含有するスッポン高麗人参配合製剤。
(II)高麗人参エキスの変色抑制方法
(II-1)高麗人参エキスにスッポン加工物を配合することを特徴とする、高麗人参エキスの変色抑制方法。
(II-2)前記スッポン加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることを特徴とする、前記(II-1)に記載の高麗人参エキスの変色抑制方法。
(II-3)更に、生姜加工物を配合する、前記(II-1)又は(II-2)に記載の変色抑制方法。
(II-4)前記生姜加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることを特徴とする、前記(II-3)に記載の変色抑制方法。
本発明によれば、高麗人参エキスの変色、特に保存によって経時的に生じる変色を抑制することができる。本発明によれば、高麗人参エキスにスッポン加工物を併用することで、品質及び外観の低下が有意に抑制された高麗人参エキスを提供することができる。
また、本発明は、スッポン加工物及び高麗人参エキスを含む製剤に、更に生姜加工物を併用することで、品質及び外観の低下が有意に抑制された高麗人参エキスを提供することもできる。
(I)スッポン高麗人参配合製剤
本発明のスッポン高麗人参配合製剤は、スッポン加工物と高麗人参エキスとを含有し、前記スッポン加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることを特徴とする。
本発明のスッポン高麗人参配合製剤は、更に生姜加工物を含有しても良い。
先ず、これら高麗人参エキス、スッポン加工物及び生姜加工物について説明する。次いで、本発明のスッポン高麗人参配合製剤について説明する。
(1)高麗人参エキス
高麗人参(学名:Panax ginseng C. A. Meyer、コウライニンジン)は、ウコギ科の多年草であり、御種人参(オタネニンジン)や朝鮮人参(チョウセンニンジン)とも呼ばれる。原産地は、中国の遼東から朝鮮半島にかけての地域といわれ、中国東北部やロシア沿海州にかけて自生する。高麗人参は、中国では強壮剤として名の知れた生薬で、薬用部分は根(人参局)である。高麗人参には、疲労回復効果や強心作用等が有ると言われている。
高麗人参の抽出部位としては、特に制限されないが、好ましくは根(人参局)である。本発明が対象とする高麗人参エキスは、好ましくは根のエキスである。
高麗人参エキス(抽出物)の調製には、第十六改正日本薬局方解説書の生薬に記載の「ニンジン」又は「ニンジン末」を用いることができる。この「ニンジン」は、オタネニンジンの細根を除いた根又はこれを軽く湯通ししたものであり、「ニンジン末」はその「ニンジン」を粉末としたものである。
高麗人参エキスを作製するための抽出溶媒の種類は特に限定されない。抽出溶媒として、水、有機溶媒及びこれらを混合した混合溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、親水性有機溶媒が好ましく、例えば、炭素数1〜5の1価アルコール(エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール等)、炭素数2〜5の多価アルコール(グリセリン、イソプロピレングリコール、プロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコール等)、エステル(酢酸メチル等)、ケトン(アセトン等)等を用いることが好ましい。親水性有機溶媒は、1種のみを用いても、或いは2種以上を併用しても良い。
抽出手法は、浸漬抽出、攪拌抽出、還流抽出、振とう抽出、超音波抽出等が好ましい。抽出条件は、室温抽出、加熱抽出(加温抽出)、加圧抽出、超臨界抽出等が好ましい。抽出時間は特に限定されない。また、pH調整を施してもよい。得られた抽出物から、抽出残渣である不溶物と抽出物を分離したり、その分離物から必要な成分を分画して精製及び濃縮したりしても良い。得られた抽出物は、そのままの液状形態を有していても良く、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の乾燥工程により粉末化することも可能である。
本発明では、安全性及び有効成分の抽出効率の点から、高麗人参の水、エタノール及び1,3-ブチレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種の抽出溶媒で抽出されたものであることが好ましい。高麗人参エキスは、高麗人参(根)を、特にエタノール水溶液(含水エタノール)の溶媒に漬けこんで、有効成分を溶媒に溶出させて濃縮して得ることが好ましい。
高麗人参エキスは、簡便には市販の高麗人参エキスを用いることも可能である。市販の高麗人参エキスには、賦形剤としてマルトデキストリン(トウモロコシ由来)等が含まれることがあり、この場合、高麗人参エキス(実質量)の配合率は20から60重量%程度が一般的である。
(2)スッポン加工物
スッポン(学名:Pelodiscus sinensis、鼈)は、爬虫綱カメ目スッポン科キョクトウスッポン属に分類されるカメである。利用することのできるスッポンはキョクトウスッポンを始め、フロリダスッポン、トゲスッポン、マルスッポン、リーススッポン、オーブリーフスッポン、クジャクスッポン等である。スッポンは滋養強壮をもたらすものとして古来より食されてしたり、近年では、スッポンは低脂肪高タンパクで、コラーゲンを含み、美容食材としても注目されていたりする。
スッポン加工物に利用できるスッポンの部位は、特に限定されるものではない。スッポン加工物は甲羅や骨も含む場合がある。スッポンの足及び甲羅の縁の部分(エンペラ)が、スッポン加工物として好適に利用することができる。
スッポン加工物として、スッポンをそのまま乾燥したもの、乾燥後に破砕若しくは粉砕するか又は破砕若しくは粉砕後に乾燥したもの(乾燥破砕物又は乾燥粉砕物)、搾汁又はその乾燥物、及び抽出物又はその乾燥物(エキス、乾燥エキス)が好ましい。スッポン加工物は、スッポンの乾燥物や、スッポンの搾り出した汁の濃縮物や、これを噴霧乾燥(スプレードライ)や凍結乾燥(フリーズドライ)したりすることで調製することも可能である。
スッポン加工物は、スッポンの内臓を取り除き、乾燥させた後、粉砕を行い粉末化したものを用いることが好ましい。また、スッポン加工物は、スッポンを凍結乾燥等し、これを粉末化したスッポン粉末としたものも使用することも好ましい。
スッポン粉末は、通常茶色を呈している。
スッポン加工物は、簡便には市販のスッポン加工物を用いることも可能である。市販のスッポン加工物では、通常、スッポンをそのまま加工物とするため、一例として、その実質量(配合率)が100重量%の製品を使用することが可能である。
(3)生姜加工物
生姜(学名:Zingiber officinale、ショウガ)は、ショウガ科の多年草である。生姜の根茎は、生薬として生姜(しょうきょう)と呼ばれ、発散作用、健胃作用、鎮吐作用等の効能が有り、薬用として利用されている。
生姜は、第十六改正日本薬局方解説書の生薬に記載の「ショウキョウ」又は「ショウキョウ末」を用いることができる。この「ショウキョウ」は生姜の根茎であり、「ショウキョウ末」はその「ショウキョウ」を粉末としたものである。市場にはコルク皮を剥ぎ、そのまま又は縦に割り石灰をまぶして速やかに乾燥したものが多く、また、軽く湯通し後、乾燥したものも「ショウキョウ」として市販されている。
生姜加工物として、生姜や、好ましくは生姜の根茎をそのまま乾燥したもの、乾燥後に破砕若しくは粉砕するか又は破砕若しくは粉砕後に乾燥したもの(乾燥破砕物又は乾燥粉砕物)、搾汁又はその乾燥物、及び抽出物又はその乾燥物(エキス、乾燥エキス)が好ましい。生姜加工物は、生姜(根茎)の乾燥物や、生姜の搾り出した汁の濃縮物や、これを噴霧乾燥(スプレードライ)や凍結乾燥(フリーズドライ)したりすることで調製することも可能である。
生姜加工物は、簡便には市販の生薬(ショウキョウやショウキョウ末)や生姜加工物を用いることも可能である。市販の生姜加工物には、各種賦形剤が含まれることがある。この場合、市販の生姜加工物では、一例として、その実質量(配合率)が25重量%程度の製品を使用することが可能である。
(4)スッポン高麗人参配合製剤
本発明のスッポン高麗人参配合製剤の一態様として、スッポン加工物と高麗人参エキスとを含む製剤を挙げることができる。
スッポン加工物の配合割合
本発明のスッポン高麗人参配合製剤に含まれる高麗人参エキスに対するスッポン加工物の配合割合は、スッポン加工物との併用により、高麗人参エキスについて経時的に生じる変色が抑制できる範囲である。スッポン加工物の配合割合は、高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部である。
高麗人参エキスにスッポン加工物を配合することで、スッポン高麗人参配合製剤の経時的変色が抑制できるか否かは、後述する試験例に示すように、高麗人参エキスにスッポン加工物を配合した製剤(併用区)と高麗人参エキス単独又はスッポン加工物(単独区)とで、加速試験(例えば50℃で3〜5日間放置)を行い、夫々加速試験前後で色調の変化を測定し、単独区の色調変化と併用区での色調変化とを対比することで行うことができる。この場合、単独区の色調変化に比べて併用区での色調変化の程度が小さい場合に、高麗人参エキスにスッポン加工物を配合することで、高麗人参エキスの経時的変色が抑制できると判断することができる。
本発明のスッポン高麗人参配合製剤は、スッポン加工物と高麗人参エキスとを含有し、前記スッポン加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部である。スッポン加工物の配合割合は、高麗人参エキス100重量部に対して、50〜500重量部程度が好ましく、125〜500重量部程度がより好ましく、175〜500重量部程度が更に好ましい。
生姜化合物の配合割合
本発明のスッポン高麗人参配合製剤の他の一態様として、前述する高麗人参エキスとスッポン加工物とに加えて、更に生姜加工物を含む製剤を挙げることができる。
本発明のスッポン高麗人参配合製剤に含まれる高麗人参エキスに対する生姜加工物の配合割合は、スッポン加工物に加えて、生姜加工物との併用により、高麗人参エキスについて経時的に生じる変色が抑制できる範囲である。生姜加工物の配合割合は、高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部が好ましい。
高麗人参エキス及びスッポン加工物を含む製剤に、生姜加工物を配合することで、スッポン高麗人参配合製剤の変色抑制効果が一層増強できるか否かは、後述する試験例に示すように、高麗人参エキス及びスッポン加工物を配合した製剤(2種併用区)と、高麗人参エキス、スッポン加工物及び生姜加工物を配合した製剤(3種併用区)とで、加速試験(例えば50℃で3〜5日間放置)を行い、夫々加速試験前後で色調の変化を測定し、2種併用区に比して3種併用区の色調変化の程度が小さい場合に、生姜加工物を更に併用することで、高麗人参エキスの変色抑制効果が一層増強すると判断することができる。
本発明のスッポン高麗人参配合製剤は、高麗人参エキスに、スッポン加工物に加えて、生姜加工物を含有し、前記生姜加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部が好ましい。生姜加工物の配合割合は、高麗人参エキス100重量部に対して、50〜500重量部程度が好ましく、200〜500重量部程度がより好ましい。
前述する配合割合で、高麗人参エキスに対して、スッポン加工物や、スッポン加工物及び生姜加工物を用いることで、高麗人参エキスの経時的変色を抑制することができる。
高麗人参エキス、スッポン加工物及び生姜加工物の配合割合は、夫々実質量に換算する。例えば、各成分が抽出物であれば、実質的に抽出溶媒を含まない態様として、例えば乾燥加工物等の固形分として、配合割合を換算して調整する。
製剤の形態
本発明が対象とするスッポン高麗人参配合製剤は、少なくとも高麗人参エキス及びスッポン加工物を成分として含有し、本発明の効果に基づいて、商品の品質、特に外観の低下が抑制できるという利点が享受できるものであれば良い。その限りにおいて、製剤の形態、使用態様、及び用途を特に限定するものではない。
製剤として、経口組成物、口腔用組成物等が好ましい。経口組成物として、経口医薬組成物、経口医薬部外品、食品組成物(食品添加剤を含む)等が好ましい。口腔用組成物として、口腔医薬組成物、口腔医薬部外品、口腔化粧組成物等が好ましい。
本発明の製剤を経口医薬組成物とする場合、上述したスッポン高麗人参配合製剤をそのまま経口医薬組成物としても良いし、医薬品の分野において許容される担体や添加剤と共に様々な剤型に調製しても良い。経口医薬組成物の剤型は、特に制限されないが、例えば、散剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤又は硬カプセル剤)、トローチ、チュアブル錠、ドライシロップ剤等の固形剤や、シロップ剤等の液剤が挙げられる。好ましくは固形剤である。
また、薬効成分の放出性を制御した製剤形態を有するものであっても良い(例えば、速放性製剤、徐放性製剤等)。また、好ましくは錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤又は硬カプセル剤)である。このような剤型を有する製剤は、当業界の慣用法に従って調製することができる。
また、上記成分の他、本発明の効果が減殺されない範囲であれば、通常医薬品の添加物として許容される賦形剤、安定剤、分散剤、流動化剤、緩衝剤、湿潤剤、粘稠剤、防腐剤、pH調整剤、溶剤、溶解補助剤等の任意成分を所望に応じて添加することもできる。
上記の経口医薬組成物の投与量は、製剤の用途、患者の年齢、性別、治療すべき症状の程度、及び投与方法により左右されるが、経口医薬組成物に含まれている高麗人参エキスの量に換算して、成人に対する1日あたりの投与量が通常100〜1,000mg程度となる割合を挙げることができる。この投与範囲であれば、1日に1〜数回に分けて投与することもできる。
本発明の製剤を食品組成物とする場合、当該食品組成物は、高麗人参エキス、スッポン加工物(または、これらに加えて生姜加工物)の生理作用に基づいて、各種の健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品等)、サプリメント、病者用食品等の機能性食品として調製することもできる。
このような食品として調製する場合は、継続的な摂取が行い易いように、例えば顆粒剤、散剤、フィルム、タブレット、カプセル(軟カプセル剤又は硬カプセル剤)、錠剤(チュアブル剤等を含む)、丸剤、飲料(ドリンク剤)等の形態で調製することが望ましく、中でもカプセル剤、錠剤の形態が摂取の簡便さの点からは好ましい。
食品組成物も、上述した食品の分野で許容される担体を用いて、常法に従って適宜調製することができる。
(II)高麗人参エキスの変色抑制方法
本発明の高麗人参エキスの変色抑制方法は、高麗人参エキスにスッポン加工物を併用することで実施することができる。
使用する高麗人参エキス及びスッポン加工物の形態や調製方法等は(I)に記載した通りであり、当該記載はここに援用することができる。
高麗人参エキスに対するスッポン加工物の配合割合は、高麗人参エキスの経時的変色が抑制される割合である。前記スッポン加工物の配合割合は、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることが好ましい。
高麗人参エキスにスッポン加工物を配合することで高麗人参エキスの変色が抑制できるか否かは、(I)に記載するように、加速試験法を実施し、試験前後の色調変化からスッポン加工物併用の効果を評価することで決定することができる。当該記載もここに援用することができる。
高麗人参エキスに対するスッポン加工物の配合割合は、高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部が好ましく、50〜500重量部程度がより好ましく、125〜500重量部程度が更に好ましく、175〜500重量部程度が特に好ましい。高麗人参エキスやスッポン加工物の配合割合は、抽出物であれば、抽出溶媒を実質的に含まない態様として、乾燥加工物の割合に換算して調整する。
上記の配合割合で高麗人参エキスにスッポン加工物を併用することで、高麗人参エキスの経時的変色が抑制できるという効果を得ることができる。
高麗人参エキスの経時的変色の抑制効果は、更に高麗人参エキス及びスッポン加工物に加えて、生姜加工物を併用することで一層増強させることができる。生姜加工物の配合割合は、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることが好ましく、50〜500重量部程度がより好ましく、200〜500重量部程度が更に好ましい。
以下、本発明及びその効果を、試験例及び実施例を用いてより明確に説明する。但し、本発明はかかる試験例及び実施例になんら制限されるものではない。
(1)高麗人参エキス、スッポン加工物及び生姜加工物
・高麗人参エキス:高麗人参抽出物40重量%含み、これはオタネニンジンの根のエタノール抽出物である。賦形剤としてマルトデキストリン(トウモロコシの実由来)60重量%含む。
・スッポン加工物:スッポン粉末100重量%である。
・生姜加工物:生姜の根茎の粉末25重量%含む。他に、賦形剤として還元パラチノース、食用油脂(菜種種子、パーム果実)、プルラン(トウモロコシの種子由来)、アラビアガム(アカシア樹液由来)、ステアリン酸カルシウム(ヤシ種子由来)を含む。
表中では、高麗人参エキス、スッポン加工物及び生姜加工物の配合割合は、本願特許請求の範囲の記載に合わせて、各成分が抽出物であれば、実質的に抽出溶媒を含まない純粋な抽出物のみとし、夫々賦形剤等を除いた実質量に換算して記載した。
(2)試験製剤の調製
表に記載する処方に従って、製剤を調製した。
表1及び2(実施例1〜9)
高麗人参エキスにスッポン加工物を添加混合した。その後、均質になるまで室温で撹拌を続け、試験製剤を調製した。
表3及び4(実施例10〜17)
高麗人参エキスに、スッポン加工物に加えて、生姜加工物を添加混合した。その後、均質になるまで室温で撹拌を続け、試験製剤を調製した。
(3)試験方法(加速試験)
調製した製剤の色調を、室温条件下で分光色彩計にて測定した。
各被験製剤を蓋のできる透明容器に充填し、50℃に設定した恒温器に入れて3日間静置した。3日間静置後、温度を室温に戻した後、再び色調を分光色彩計で測定した。
加温前後の色調から、Labの変化量(Δ(L+a+b))を求め、これを変色評価の指標とした。
Figure 0006938121
(4)試験結果
試験結果を表に示した。
Labの変化量(Δ(L+a+b))が小さい程、変色の程度が少ないことを意味する。
比較例1は、スッポン加工物を含まず、高麗人参エキスのみを含む製剤であり、これはLabの変化量の最大値としての基準である。また、比較例2は、高麗人参エキスを含まず、スッポン加工物のみを含む製剤であり、これはLabの変化量の最小値としての基準である。
Figure 0006938121
Figure 0006938121
Figure 0006938121
Figure 0006938121
比較例1の結果に示すように、高麗人参エキスを含む製剤は、加速試験により、顕著な変色が発生した。
高麗人参エキスとスッポン加工物とを併用した実施例の製剤は、前記比較例1に比べて、いずれもこの変色が抑制されていた。このことから、スッポン加工物の配合割合が、高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることが、高麗人参エキスの変色が抑制する上で有効であることが分かった。
また、実施例から、スッポン加工物を配合することにより、高麗人参エキスの変色が有意に抑制され、変色の少ない経時的に安定した製剤が調製できることが確認された。
高麗人参エキス及びスッポン加工物に加えて、生姜加工物を併用した実施例の製剤は、更に、高麗人参エキスの変色が抑制され、変色の少ない経時的に安定した製剤が調製できることが確認された。高麗人参エキス及びスッポン加工物を含むスッポン高麗人参配合製剤では、生姜加工物の配合割合が、高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることが、高麗人参エキスの変色が抑制する上で有効であることが分かった。

Claims (3)

  1. スッポン高麗人参配合製剤であって、
    スッポン加工物(但し、スッポン加工物として甲羅のみからなるものを除く)と高麗人参エキスと生姜加工物とを含有し、
    前記スッポン加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることを特徴とする、
    スッポン高麗人参配合製剤。
  2. 前記生姜加工物の配合割合が、前記高麗人参エキス100重量部に対して、10〜500重量部であることを特徴とする、請求項に記載のスッポン高麗人参配合製剤。
  3. スッポン加工物(但し、スッポン加工物として甲羅のみからなるものを除く)と高麗人参エキスと生姜加工物とを含有するスッポン高麗人参配合製剤。
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