JP6937015B2 - 熱風発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、たとえば加熱調理用としても好適に使用可能な高性能な間接形の熱風発生装置に関する。
各種の乾燥処理や加熱処理などの用途に適用し得る間接形の熱風発生装置が提案されている(特許文献1)。
従来の熱風発生装置は、バーナと、熱風生成用の主熱交換器と、排熱回収用の副熱交換器とを備えている。主熱交換器は、バーナの燃焼ガスを利用して外部からの空気を加熱し、所定の熱風を生成することができる。また、副熱交換器は、主熱交換器からの排ガスを利用して外部からの空気を加熱し、加熱空気の一部をバーナの燃焼空気として利用するとともに、残部を主熱交換器への熱風用の空気に混合することにより、高度の排熱回収機能を実現することができる。
特開2016−61452号公報
かかる従来技術によるときは、バーナの燃焼ガスは、主熱交換器の伝熱用のチューブに直接導入されているため、主熱交換器の入口端における燃焼ガスの温度分布が十分均一にならず、所定の熱交換効率が得られないことが少なくないという問題があった。なお、この問題は、主熱交換器として、耐熱温度の制限が厳しい薄肉の多管式熱交換器を採用する場合に殊に顕著である。また、排熱回収用の加熱空気の一部をバーナの燃焼空気として利用するため、加熱空気の温度が過大になるとバーナの逆火を生じる危険があるという問題もあった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、排熱回収用の副熱交換器からの加熱空気をバーナと主熱交換器との間に介装するダクト部材に導くことによって、主熱交換器の熱交換効率を向上させ、バーナの燃焼性を損うおそれがない熱風発生装置を提供することにある。
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、バーナと、バーナの燃焼ガスにより熱風を生成する主熱交換器と、主熱交換器の排熱を回収する副熱交換器と、バーナの燃焼ガスを副熱交換器により加熱された冷却空気と混合して主熱交換器に導く箱形のダクト部材とを備えてなり、ダクト部材は、副熱交換器からの冷却空気を導入する複数のエア孔を各側壁上に互いに対向させて配設することをその要旨とする。
なお、ダクト部材は、バーナ、主熱交換器の双方からそれぞれ所定距離の位置においてエア孔を上下方向に列設することができ、主熱交換器に到達する燃焼ガスの温度分布が均一となるようにエア孔を配置することができる。
かかる発明の構成によるときは、バーナの燃焼ガスは、ダクト部材において、排熱回収用の副熱交換器からの加熱された冷却空気と混合され、均一な温度分布となって熱風生成用の主熱交換器に到達する。そこで、主熱交換器は、たとえば薄肉の多管式熱交換器を採用する場合であっても、耐熱温度の制限内において、十分高い熱交換効率を実現することができる。また、副熱交換器からの加熱された冷却空気をバーナの燃焼空気としないから、バーナの逆火を生じる危険もない。
なお、ダクト部材は、たとえば縦長の長方形断面の箱形に形成して水平に設置し、その後面にバーナを付設するとともに前端に主熱交換器を連結し、左右の側壁のエア孔を介して副熱交換器からの冷却空気を導入することにより、バーナの燃焼ガスの流れ方向と直交させて両者を速やかに、しかも均一に混合させることができる。また、バーナは、たとえば面状の燃焼面を有するガスバーナ(いわゆるメタルニットバーナ)を使用すると、炎が短く、冷却空気の導入方向が燃焼ガスの流れ方向と直交していることと相俟って、ダクト部材の全体長さをコンパクトにまとめることができる。
ダクト部材は、冷却空気用のエア孔の位置をバーナの燃焼面から所定距離だけ離すことにより、バーナの不完全燃焼を防ぎ、COの発生を抑制することができ、主熱交換器まで所定距離を確保することにより、主熱交換器に到達する燃焼ガスの温度分布を十分均一にすることができる。
ダクト部材のエア孔は、たとえばダクト部材の側壁上の下部より上部に多くを配置することにより、上方に流れ易いバーナからの高温の燃焼ガスとエア孔からの冷却空気とを混合して全体の温度分布を一層均一にすることができる。
全体構成ブロック系統図 一部破断要部模式斜視図
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
熱風発生装置は、バーナ11、ダクト部材12、熱風生成用の主熱交換器13、排熱回収用の副熱交換器14を主要部材としてなる(図1、図2)。
バーナ11は、縦長の箱状のケーシング11aの前面に燃焼面11bを形成するメタルニットバーナである。ケーシング11aの後面には、ミキサ11dを介して供給される燃料ガスG、燃焼空気Aの混合ガスG1 用のコネクタ11eが付設されており、燃焼空気Aは、付属のファン11cを介してミキサ11dに供給されている。
ダクト部材12は、縦長の長方形断面の箱形に形成されている。ダクト部材12の後面には、バーナ11が付設されており、ダクト部材12の前端には、主熱交換器13が連結されている。ダクト部材12の左右の側壁上には、副熱交換器14からの加熱された冷却空気Cを導入するエア孔15、15…が上下方向に列設されている。なお、エア孔15、15…は、左右の補助ダクト15a、15aを介し、各側壁の上半部、下部において、互いに相対向するように配置されている。また、補助ダクト15a、15aは、ダクト部材12上の共通のヘッダダクト15bを介して連結され、ヘッダダクト15bには、冷却空気C用のコネクタ15cが突設されている。そこで、ダクト部材12は、バーナ11の燃焼ガスFをエア孔15、15…からの加熱された冷却空気Cと混合して主熱交換器13に導くことができる。
主熱交換器13は、多数の水平の伝熱用のチューブ13a、13a…の前後に管板13b、13bを設ける薄肉の多管式熱交換器である。主熱交換器13は、バーナ11の燃焼ガスF、エア孔15、15…からの冷却空気Cをチューブ13a、13a…内に通過させることにより、付属のファン13cを介して調理室Pに循環させる熱風Qを生成する。なお、熱風Qは、調理室Pにおいて図示しない材料の加熱調理に使用され、調理室Pから戻り空気Qo として主熱交換器13に戻ると、チューブ13a、13a…の間を通過する間に加熱されて熱風Qとなり、ファン13cを経て調理室Pに至る。ただし、調理室Pからの戻り空気Qo には、外部の図示しないボイラからの加湿用の蒸気Sが添加されている。また、調理室Pは、完全な密閉系に限らず、外気の出入りがあってもよい。
主熱交換器13からの排ガスEは、煙道13d、排熱回収用の副熱交換器14を経て、低温の排ガスE1 として外部に放出される。なお、副熱交換器14には、付属のファン14aを介して外部からの冷却空気Co が導入され、冷却空気Co は、副熱交換器14の排熱回収機能により加熱された冷却空気Cとなり、ダクト部材12の左右の側壁上のエア孔15、15…に連通するコネクタ15cに導かれている。なお、副熱交換器14は、冷却空気Co 、Cと排ガスE、E1 とが混合しない限り、多管式、プレート式などの熱交換器が使用可能である。
かかる間接式の熱風発生装置の作動は、たとえば次のとおりである。
ミキサ11dを介して燃焼空気A、燃料ガスGを混合し、所定の空燃比の混合ガスG1 をバーナ11に供給して燃焼面11bに点火すると、バーナ11の燃焼ガスFは、ダクト部材12内を主熱交換器13に向けて進行する。一方、このとき、副熱交換器14からの加熱された冷却空気Cは、ダクト部材12の左右の側壁上のエア孔15、15…を介し、燃焼ガスFの流れ方向と直交する方向にダクト部材12内に流入する。そこで、燃焼ガスFは、冷却空気Cによって効果的に撹拌され、温度分布が均一化されて主熱交換器13に到達することができる。
なお、左右のエア孔15、15…は、それぞれダクト部材12の側壁上において、中間部からやや下の部分を除く上半部と下部とに互いに相対向させて配置することにより、ダクト部材12内における燃焼ガスFの上向きの偏流や、下部への停留の影響を抑制することができる。また、エア孔15、15…の配列位置は、たとえばダクト部材12の断面寸法が縦600mm、横350mmのとき、バーナ11の燃焼面11bから少なくとも所定距離a≒200(mm)だけ離し、主熱交換器13まで少なくとも所定距離b≒370(mm)を確保することが好ましい。
ただし、エア孔15、15…は、図示のように上下方向に2列に配列する他、1列または3列以上に配列してもよく、部分的に列数を異ならせて配列してもよい。また、エア孔15、15…は、主熱交換器13に到達する燃焼ガスF、冷却空気Cの混合気体の温度分布ができるだけ均一になるように、配置パターンを適宜選定することができる。
以上の説明において、ファン13cを含む主熱交換器13から調理室Pに至る熱風Qの経路は、2系統を並設してもよい。調理室Pとして、たとえば水平のネットコンベヤ上の材料の両面を上下から一挙に連続的に加熱調理する形式を採用する場合などに殊に有用である。また、熱風Q用の戻り空気Qo は、必ずしも調理室Pから戻さなくてもよく、外部から取り入れる新鮮な空気としてもよい。さらに、戻り空気Qo に添加する蒸気Sは、これを省略してもよい。なお、主熱交換器13は、多管式に代えて、プレート式などとしてもよい。
また、調理室Pは、加熱調理の目的以外の任意の材料の乾燥処理、加熱処理などの処理設備に変更することができる。
この発明は、コンパクトで高性能な間接形の熱風発生装置であり、熱風による加熱調理に加えて、乾燥処理、加熱処理などの任意の用途に広く好適に適用することができる。
Q…熱風
F…燃焼ガス
C…冷却空気
a、b…所定距離
11…バーナ
12…ダクト部材
13…主熱交換器
14…副熱交換器
15…エア孔

特許出願人 アサヒ装設株式会社

Claims (3)

  1. バーナと、該バーナの燃焼ガスにより熱風を生成する主熱交換器と、該主熱交換器の排熱を回収する副熱交換器と、前記バーナの燃焼ガスを前記副熱交換器により加熱された冷却空気と混合して前記主熱交換器に導く箱形のダクト部材とを備えてなり、該ダクト部材は、前記副熱交換器からの冷却空気を導入する複数のエア孔を側壁上に互いに対向させて配設することを特徴とする熱風発生装置。
  2. 前記ダクト部材は、前記バーナ、主熱交換器の双方からそれぞれ所定距離の位置において前記エア孔を上下方向に列設することを特徴とする請求項1記載の熱風発生装置。
  3. 前記ダクト部材は、前記主熱交換器に到達する燃焼ガスの温度分布が均一となるように前記エア孔を配置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の熱風発生装置。
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