JP6936220B2 - カーボンナノチューブのウェブの引出方法、カーボンナノチューブ糸の製造方法、カーボンナノチューブシートの製造方法、およびカーボンナノチューブのウェブの引出装置 - Google Patents

カーボンナノチューブのウェブの引出方法、カーボンナノチューブ糸の製造方法、カーボンナノチューブシートの製造方法、およびカーボンナノチューブのウェブの引出装置 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す方法および装置、並びにこれらを利用したカーボンナノチューブ糸およびカーボンナノチューブシートの製造方法に関する。
カーボンナノチューブは、優れた電気伝導性や熱伝導性、機械的強度を備える材料として注目されており、様々な分野において利用されてきている。カーボンナノチューブを利用する際には、その利用形態に応じてカーボンナノチューブをフィルム状や糸状に成形する場合がある。
特許文献1には、フィルム状のカーボンナノチューブを得るための製造方法が開示されている。この製造方法は、以下のステップによって構成されている。
第一ステップ:基板に、垂直に配列された複数のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブアレイを成長させる。
第二ステップ:カーボンナノチューブアレイの、基板と接触する表面とは反対側の表面に、互いに平行し、間隔をおいて配置された少なくとも二つの溝部を形成する。
第三ステップ:カーボンナノチューブアレイの隣接した溝部の間における複数のカーボンナノチューブの端部を、引き出す装置に固定させる。
第四ステップ:溝部の長さ方向に沿って引き出す装置を移動させ、複数のカーボンナノチューブをカーボンナノチューブアレイから離し、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルム(本発明におけるカーボンナノチューブのウェブ)を得る。
この製造方法における上記第二ステップは、カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブフィルムを引き出す際のフィルム幅を規定するために行われるものである。すなわち、形成された二つの溝部におけるカーボンナノチューブは、これら溝部の内側領域において隣接するカーボンナノチューブとの繋がりが解かれることになる。そのため、上記内側領域から複数のカーボンナノチューブを引き出すと、溝部におけるカーボンナノチューブは、上記内側領域におけるカーボンナノチューブと繋がって引き出されることがなくなる。その結果、特許文献1によれば、上記二つの溝部によって規定された幅に対応して均一な幅となるカーボンナノチューブフィルムを得ることができるとされている。
なお、特許文献1には、上記溝部の形成方法の具体例として、溝部に対応するカーボンナノチューブに対してレーザーを照射するレーザー法が開示されている。特許文献1によれば、レーザーが照射されたカーボンナノチューブは、レーザーのエネルギーによって破壊されることにより長さが短くなり、カーボンナノチューブアレイにおいて表面が凹んだ部分、すなわち、溝部を形成するとされている。
日本国公開特許公報「特開2011−37703号公報(2011年2月24日公開)」
しかしながら、本願発明者らは、特許文献1に開示された上記製造方法には以下の問題点が存在することを見出した。
レーザー法により形成された上記溝部の近傍には、レーザーの影響を中途半端に受けたカーボンナノチューブが一定量、存在することになる。これらのカーボンナノチューブは、他のカーボンナノチューブとの繋がり度合が乱れている。そのため、カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブフィルムを連続的に引き出すと、図8の(a)および(b)に示すように、溝部の近傍にはレーザーの影響を中途半端に受けたカーボンナノチューブが引き出されずに残存する。この残存したカーボンナノチューブは、時折、塊となって引き出されるカーボンナノチューブフィルムに混入する現象が生じる。なお、このように残存又は混入するカーボンナノチューブは、端部から発生する屑のようなものとして観察されることから、これを「端部屑」ということとする。
その結果、引き出されたカーボンナノチューブフィルムには、端部屑が不均一に混入してしまうこととなり、カーボンナノチューブフィルムの物性(例えば、電気伝導性や熱伝導性、機械的強度。)の部位による不均一を招来することになる。
なお、この問題点は、カーボンナノチューブフィルムの製造のみならず、例えばカーボンナノチューブ糸の製造など、上記第四ステップに準じたカーボンナノチューブの引き出しを伴う製造工程において共通のものである。
本発明は、上記の問題点を見出すとともに、その解消を図るために鋭意検討された結果なされたものであり、その目的は、端部屑の混入を抑制しつつより均一にカーボンナノチューブのウェブを引き出す方法を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るカーボンナノチューブのウェブの引出方法は、カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す方法において、上記アレイと上記ウェブとの境界領域の両端部の両外側に、上記アレイに当接する当接部材をそれぞれ設置した状態で、上記アレイから上記ウェブを引き出すことを特徴とする。
本発明の一態様に係るカーボンナノチューブのウェブの引出装置は、カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す引出装置において、上記アレイから上記ウェブを引き出すために上記ウェブを引っ張る引張部と、上記アレイと上記ウェブとの境界領域の両端部の両外側に、上記アレイにそれぞれ当接する当接部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の一態様では、端部屑の混入を抑制しつつより均一にカーボンナノチューブのウェブを引き出すことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態において用いるカーボンナノチューブのアレイを示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるカーボンナノチューブのウェブの引出方法を説明するためのものであって、(a)はカーボンナノチューブのアレイ上で、カーボンナノチューブのウェブとして引き出したいカーボンナノチューブの両側のカーボンナノチューブを固定するための当接部材を設置した様子を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図であり、(c)はカーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出し始めた様子を示す平面図であり、(d)はカーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す様子を示す平面図である。 本発明の他の実施形態におけるカーボンナノチューブのウェブの引出方法を説明するためのものであって、(a)はカーボンナノチューブのアレイにおけるカーボンナノチューブのウェブとして引き出したい領域の両端部の両側面に当接するように当接部材を設置した様子を示す平面図であり、(b)は(a)のB−B矢視断面図であり、(c)はカーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブを引き出し始めた様子を示す平面図であり、(d)はカーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す様子を示す平面図である。 (a)〜(d)は、本発明の他の実施形態の引出方法における、変形例としての当接部材の形状を示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるカーボンナノチューブのウェブの引出装置の構成を示すものであり、(a)は引出装置の斜視図であり、(b)は引出装置の側面図であり、(c)は引出装置の平面図である。 本発明の他の実施形態におけるカーボンナノチューブのウェブの引出装置の構成を示すものであり、(a)は引出装置の斜視図であり、(b)は引出装置の側面図であり、(c)は引出装置の平面図である。 (a)は、本発明の実施例としての引出方法によって、カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブが引き出されていく様子を表す写真を示す図であり、(b)は、比較例としての引出方法によって、カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブが引き出されていく様子を表す写真を示す図である。 (a)は従来のカーボンナノチューブのウェブの引出方法によってカーボンナノチューブのウェブを引き出した様子を表す写真を示す図であり、(b)は(a)における、カーボンナノチューブのアレイとカーボンナノチューブのウェブとの境界領域の端部を拡大した図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
(カーボンナノチューブのアレイ)
まず、本実施形態において用いるカーボンナノチューブのアレイについて、図1に示す断面図を参照しながら説明する。
なお、カーボンナノチューブのアレイとは、長軸方向の少なくとも一部が一定の方向に配向するように基材上に成長してなるカーボンナノチューブの集合体を意味する。以下では、カーボンナノチューブを「CNT」、カーボンナノチューブのアレイを「CNTアレイ」、およびカーボンナノチューブのウェブを「CNTウェブ」と略記する。
CNTアレイ1は、これを構成する多数のCNT2が、図1に示すように、基材としての基板3上に、長軸方向がほぼ垂直配向するように形成されることにより構成されている。このCNTアレイ1は、化学気相堆積法(CVD:Chemical Vapor Deposition)法によって製造される。以下に、CNTアレイ1の製造方法について説明する。
CNTアレイ1は、表面に触媒層が形成された基板3を、予め所定の温度(600〜1000℃)に予熱された熱CVDチャンバに設置し、熱CVDチャンバにガスを所定時間流入させることによって形成される。
より詳細には、本実施形態では、基板3としてステンレス基板を用いている。ただし、基板3は、ステンレス基板に限定されるものではなく、例えば、シリコン基板、石英基板などを用いてもよい。基板3としてステンレス基板を用いる場合には、基板3と触媒層との間にバッファ層を形成することが好ましい。これにより、触媒層に対する、ステンレスの構成元素であるクロムの影響を防ぐことができる。バッファ層は、例えば、シリカやアルミナによって構成される。なお、本実施形態における基板3は、CNTアレイ1を形成するための面を有する基材であればよく、板状の部材に限らず、例えば、シート状の部材も含まれる。
また、本実施形態では、上記の触媒層は、鉄(Fe)により構成されており、EB(電子ビーム、Electron Beam)法によって形成される。ただし、本発明における触媒層は、Feに限られるものではなく、例えば、コバルト(Co)やニッケル(Ni)などにより構成されてもよい。また、本発明における触媒層は、スパッタ法や真空蒸着法などによって形成されてもよい。
また、本実施形態では、上記ガスとして、アセチレンを用いる。ただし、本発明におけるガスは、メタン、エタン、プロパンもしくはヘキサンなどのアルカン類、エチレン類もしくはプロピレンなどの不飽和有機化合物、または、ベンゼンもしくはトルエンなどの芳香族化合物などであってもよい。
上記のように製造されることにより、本実施形態におけるCNTアレイ1を構成するCNT2は、外径が10〜30nm、長さが50〜1000μmであり、5〜10層からなる多層CNTである。そして、CNTアレイ1は、上記CNT2が、1cmあたり10〜1011本形成されたものであることが好ましい。
なお、本発明において用いるCNTアレイは、上記のものに限られない。すなわち、本発明において用いるCNTアレイは、上述のとおり長軸方向の少なくとも一部が一定の方向に配向するように基材上に成長してなるCNTの集合体であればよく、例えば、CNTは、単層CNTや2〜4層CNT、11層以上の多層CNTであってもよい。
(CNTウェブの引出方法)
次に、CNTアレイからCNTウェブを引き出す(ドローイングとも呼ばれる。)方法について説明する。ここで、CNTウェブとは、CNTアレイから一部のCNTを所定方向(典型的には、基材表面に沿う方向。)に引き抜いたときに、他のCNTが連なって引き出されることにより形成される網目状のCNTの集合体を意味する。この現象は、CNTアレイを構成する各CNTが周辺のCNTとファンデルワールス力によりバンドル化されているために生じるものである。なお、CNTアレイからCNTウェブを引き出す技術は、一般に「CNT紡績」と称されることもある。
本発明における、CNTウェブを引き出す方法は、CNTアレイとCNTウェブとの境界領域の両端部の両外側に、CNTアレイに当接する当接部材を設置した状態で、CNTアレイからCNTウェブを引き出すことを特徴としている。以下では、本実施形態におけるCNTウェブの引出方法について、図2〜図4を参照しながら説明する。
<CNTウェブの引出方法(1)>
本実施形態におけるCNTウェブ10の引出方法について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態におけるCNTウェブ10の引出方法を説明するためのものであって、(a)はCNTアレイ1上で、CNTウェブ10として引き出したいCNT2の両側のCNT2aを固定するための当接部材20Aを設置した様子を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A矢視断面図であり、(c)はCNTアレイ1からCNT2を引き出し始めた様子を示す平面図であり、(d)はCNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す様子を示す平面図である。
なお、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す方向(図2の(c)における縦方向。)を「引出方向」といい、引出方向に直交する方向(図2の(b)または(c)における横方向。)を「幅方向」という。
本実施形態におけるCNTウェブ10の引出方法では、図2の(a)および(b)に示すように、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10を引き出したい領域D(図2の(a)において、破線で囲んだ領域。)の幅方向両端部の両外側に、基板3とは反対側から当接するように当接部材20Aを設置する。これにより、当接部材20Aと、当接部材20Aに当接したCNT2aとの間に荷重が働き、該CNT2aが当接部材20Aに固定される。
当接部材20Aは、CNT2との間に荷重が働くものであればよく、例えば、細長い板状のものであればよい。なお、当接部材20Aは、表面に粘着性を有する粘着部材(例えば、粘着テープ。)であって、粘着部材の粘着表面をCNT2に貼り付ける構成であることが好ましい。これにより、引き出したい領域Dの両端部の両外側に存在するCNT2aが、上記荷重に加え、粘着部材の粘着力によっても固定されるので、CNT2aが粘着部材により強固に固定される。
次に、図2の(c)に示すように、引き出したい領域Dの引出方向端部に存在する所定量のCNT2の束を引張装置の引張部材30に付着させる。次に、引出方向、かつ、基板3から離れる向き(図2の(c)に示す矢印方向。)に、引張部材30を移動させる。これにより、引張部材30に付着したCNT2の束が基板3から脱離し、CNTアレイ1から引き出される。なお、引張部材30として、ここでは領域Dの幅方向の長さと同じ長さの細長い円柱状の部材を用いているが、引張部材30はこれに限らず、領域Dの幅方向に沿い、領域Dの幅方向の長さと同一またはそれよりも長い面または辺を有する部材であればよい。
さらに、基板3から離れる向きに引張部材30を移動させると、図2の(d)に示すように、引き出されたCNT2と、CNTアレイ1に存在するCNT2との間に働くファンデルワールス力によって、CNTアレイ1からCNT2が次々と引き出される。これにより、CNTウェブ10が形成され、このCNTウェブ10が引き出される。
ここで、上記背景技術欄において説明した従来のCNTの引出方法では、上述のとおりレーザー照射に起因して発生する端部屑がCNTウェブへ混入する問題があった。
これに対して、本実施形態の引出方法では、レーザー照射を行わずに当接部材20Aを設置することにより、CNT2aを当接部材20Aに固定している。その結果、端部屑を発生させることなくCNTウェブ10を引き出すことができた。これは、当接部材20Aと当接しているCNT2aは、当接部材20Aとの間に働く当接部材20Aの荷重または両面テープの粘着力によって当接部材20Aに強固に固定される一方、当接部材20Aとは当接していない内側のCNT2bは、他のCNTアレイ1との繋がり度合が乱れていないため通常どおり引き出されるためと考えられる。これにより、CNTウェブ10を引き出したい領域Dに存在するCNT2のみをCNTウェブ10として引き出すことができる、すなわち、均一なCNTウェブ10を引き出すことができるようになっている。
ここで、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの幅を規定する手法としては、予めCNTアレイを領域Dの幅に合わせて形成する、あるいは一旦、より広幅に形成したCNTアレイから部分的にCNTを除去することにより領域Dの幅とする手法(以下、「比較手法」という。)が考えられる。しかしながら、本発明者らは、このようにして領域Dの幅を規定したCNTアレイからCNTウェブを引き出すと、別の問題が生じることを見出した。
比較手法によって領域Dの幅を規定したCNTアレイからCNTウェブを引き出す場合、CNTアレイにおけるCNTウェブとの境界線は、初期段階では幅方向に沿ったほぼ直線となるが、CNTウェブの引出が進行するに連れて直線を維持することができない。具体的には、CNTウェブの引出速度が境界線の幅方向中央部に対して幅方向両端部の方が速くなるため、CNTウェブの引出が進むに連れて境界線が山型となる(後述する比較例、および図7の(b)参照)。これは、境界線における幅方向両端部に位置するCNTの方が、幅方向中央部に位置するCNTよりも引き出されやすくなっているからであると考えられる。
このように、境界線が山型となると、CNTウェブを引き出す際に、幅方向中央部に残存するCNTが時折、塊となって引き出されてしまう。これにより、引き出したCNTウェブが均一なものでなくなってしまう。
これに対して、当接部材20Aの設置によってCNT2aを当接部材20Aに固定することで領域Dの幅を規定したCNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す場合、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10との境界線は、常に、幅方向に沿ったほぼ直線を維持することを、本願発明者らは見出した(後述する実施例、および、図7の(a)参照)。これは、CNTウェブ10を引き出す際に、境界線における幅方向両端部に存在するCNT2bと、当接部材20Aに固定されているCNT2aとの間に、当接部材20Aの荷重または両面テープなどの粘着力に起因する摩擦力のような何らかの作用が働くことにより、幅方向両端部に存在するCNT2が、幅方向中央部に存在するCNT2と同様の引き出されやすさになっているからであると考えられる。
<CNTウェブの引出方法(2)>
本実施形態におけるCNTウェブ10の他の引出方法について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態におけるCNTウェブ10の引出方法を説明するためのものであって、(a)はCNTアレイ1におけるCNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部の両側面に当接するように当接部材20Bを設置した様子を示す平面図であり、(b)は(a)のB−B矢視断面図であり、(c)はCNTアレイ1からCNT2を引き出し始めた様子を示す平面図であり、(d)はCNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す様子を示す平面図である。
本実施形態におけるCNTウェブ10の引出方法では、図3の(a)および(b)に示すように、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10を引き出したい領域D(図3の(a)において、破線で囲んだ領域。)の両端部の両側面に当接するように、当接部材20Bを設置する。これにより、当接部材20Bと、当接部材20Bに当接したCNT2c(領域Dの両端部に存在するCNT2c。)との間に摩擦力が働き、該CNT2cが当接部材20Bに固定される。
次に、図3の(c)に示すように、引き出したい領域Dの引出方向端部に存在する所定量のCNT2の束を引張装置の引張部材30の先端に付着させる。次に、引出方向、かつ、基板3から離れる向き(図3の(c)に示す矢印方向。)に、引張部材30を移動させる。これにより、引張部材30に付着したCNT2の束が基板3から脱離し、CNTアレイ1からCNTウェブ10が引き出される。
さらに、基板3から離れる向きに引張部材30を移動させると、図3の(d)に示すように、引き出されたCNT2と、CNTアレイ1に存在するCNT2との間に働くファンデルワールス力によって、CNTアレイ1からCNT2が次々と引き出される。これにより、CNTウェブ10が形成され、このCNTウェブ10が引き出される。
ここで、本実施形態の引出方法では、上述したように、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部の両側面に当接するように、当接部材20Bが設置されている。これにより、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部の両外側に存在していたCNT2は、当接部材20Bにより押しつぶされるとともに、当接部材20Bによって押圧された状態となっている。また、当接部材20Bの領域D側の側面に当接するCNT2cは、当接部材20Bとの間に働く摩擦力によって当接部材20Bに強固に固定される。
このため、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す際に、当接部材20Bに押圧されているCNT2、および当接部材20Bの領域D側の側面に当接するCNT2cが引き出されることがない。これにより、CNTウェブ10を引き出したい領域Dに存在するCNT2(当接部材20Bの領域D側の側面に当接するCNT2cよりも内側に存在するCNT2)のみをCNTウェブ10として引き出すことができる、すなわち、均一なCNTウェブ10を引き出すことができるようになっている。
また、本実施形態における引出方法においても、上述の「引出方法(1)」の場合と同様に、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10との境界線が直線を維持することができる。この理由として考えられるのは以下のとおりである。
すなわち、本実施形態における引出方法においては、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部の両側面に当接するように、当接部材20Bを設置している。これにより、当接部材20Bと、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部に存在するCNT2cとの間に摩擦力が働き、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部に存在するCNT2cが当接部材20Bに固定された状態となる。その結果、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す際に、当接部材20Bに固定された領域Dの両端部に存在するCNT2cと、該CNT2cに隣接するCNT2dとの間に摩擦力のような何らかの作用が働く。これにより、当接部材20Bにより固定された、領域Dの両端部に存在するCNT2cに隣接するCNT2dが、上記境界線における幅方向中央部に存在するCNT2と同様の引き出されやすさになっているからであると考えられる。
当接部材20Bは、CNT2との間に摩擦力が働き、基板3とは反対側からCNTアレイ1に差し込むことができるものであればどのようなものであってもよく、例えば、カッターの刃などを用いることができる。また、当接部材20Bに粘着部材を付着させてもよい。これにより、当接部材20Bは、CNT2cに対してより強固に固定することができる。
次に、CNTウェブの引出方法(2)における当接部材20Bの変形例について、図4を参照しながら説明する。図4の(a)〜(d)は、CNTウェブの引出方法(2)における変形例としての当接部材の形状を示す断面図である。
図3で示した当接部材20Bを用いたCNTウェブ10の引出方法では、当接部材20BのCNTアレイ1と対向する面が平面となっているため、基板3に対して上方に傾斜させて引き出されたCNTウェブ10と当接部材20Bとの間における間隔が短い。このため、静電気力により、引き出されたCNTウェブ10が当接部材20Bに付着してしまい、CNTウェブ10を良好に引き出すことができない可能性がある。
そこで、一つの変形例としての当接部材20Baは、図4の(a)に示すように、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部の両側面にそれぞれ対向する2つの内面20Baaを有し、これら内面20Baaの間隔が、CNTアレイ1(領域Dの両端部に存在するCNT2c。)に当接する部位よりも、その上方において広がっている。より詳細には、2つの内面20Baaの間隔が、基板3に当接している部位から上方に向かうに連れて広がっている。換言すれば、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域の両外側に位置する当接部材20Baの組における、上記境界領域の両端部に対向する内面20Baa同士の間隔が、CNTアレイ1(領域Dの両端部に存在するCNT2c)に当接する部位よりも、CNTアレイ1に当接する部位の上方において広がっている。これにより、引き出されたCNTウェブ10と当接部材20Baとの間の距離を大きくすることができる。その結果、引き出されたCNTウェブ10が静電気力に起因して当接部材20Ba(より詳細には、内面20Baa)に付着することを抑制することができ、CNTウェブ10を良好に引き出すことができるようになる。なお、当接部材20Baにアースを引いてもよい。
また、他の変形例としての当接部材20Bbを用いてもよい。当接部材20Bbは、図4の(b)に示すように、領域Dの端部の側面に対向する内面20Bbaにおける、CNTアレイ1(領域Dの両端部に存在するCNT2c。)に当接する部位と、当接しない部位との間に段差が設けられている。これにより、当接部材の内面20Bbaの間隔が、CNTアレイ1(領域Dの両端部に存在するCNT2c。)に当接する部位よりも、その上方において広がるように構成されている。換言すれば、上記境界領域の両外側に位置する当接部材20Bbの組における、上記境界領域の両端部に対向する内面20Bba同士の間隔が、CNTアレイ1(領域Dの両端部に存在するCNT2c)に当接する部位よりも、CNTアレイ1に当接する部位の上方において広がっている。その結果、引き出されたCNTウェブ10が静電気力に起因して当接部材20Bbに付着することを抑制することができ、CNTウェブ10を良好に引き出すことができるようになる。
また、CNTアレイ1の複数の領域DからそれぞれCNTウェブ10を引き出す場合には、図4の(c)および(d)に示すように、複数の領域Dの間に当接部材20Bcまたは20Bdを設置してもよい。当接部材20Bcおよび当接部材20Bdは、当接部材20Bcまたは当接部材20Bdの領域Dに対向する両面(面20Bcaまたは面20Bda)において、領域Dの端部のCNT2に当接していない部分が、領域DのCNT2に当接している部分よりも、それぞれの領域Dに対して凹んだ形状となるように構成されている。これにより、各領域Dにおいて、当接部材の内面の間隔(すなわち、当接部材20Baの内面20Baaと当接部材20Bcの面20Bcaとの間隔、または、当接部材20Bbの内面20Bbaと当接部材20Bdの面20Bdaとの間隔)が、CNTアレイ1(領域Dの両端部に存在するCNT2c。)に当接する部位よりも、その上方において広がるように構成されている。その結果、各領域DにおいてCNTウェブ10を引き出す際に、引き出されたCNTウェブ10が静電気力に起因して当接部材に付着することを抑制することができ、CNTウェブ10を良好に引き出すことができるようになる。
図4の(a)〜(d)は、当接部材20Ba〜dの長軸方向(CNTウェブ10の引出方向)に対して垂直な平面で当接部材20Ba〜dを切断したときの断面を示している。基板3の、CNTアレイ1が形成されている面を上面と称する。また、当該上面に沿う方向であって、当接部材20Ba〜dの長軸方向に対して垂直な方向を幅方向と称する。当接部材20Ba〜dは、上記断面において、基板3に当接している側の端部における上記幅方向の長さ(例えば、図4の(a)における内面20Baa同士の間隔)が、他の領域(当該端部の上方)における上記幅方向の長さよりも長くなっている。これにより、当接部材20Ba〜dにおける基板3に当接している側の端部が引き出したい領域Dの両端部に存在するCNT2cに当接するとともに、当接部材20Ba〜dにおける他の部位がCNT2cと当接しないようにすることができる。その結果、引き出されたCNTウェブ10が静電気力に起因して当接部材20Ba〜dに付着することを抑制することができ、CNTウェブ10を良好に引き出すことができるようになる。
また、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部の側面にそれぞれ対向する、当接部材20Ba〜dの内面の間隔が、CNT2cに当接する部位よりも、当該部位の上方の部位において広がっていればよく、CNTウェブ10を引き出す方向に平行な断面の形状はとくに制限されるものではない。すなわち、当接部材20Ba〜dを、基板3の上面に対して垂直な平面であって、CNTウェブ10を引き出す方向に平行な平面で切断したときの断面の形状は、三角形状であってもよいし、長方形状であってもよし、他の形状であってもよい。
上述のCNTウェブの引出方法(1)および(2)で説明したように、本発明のCNTウェブの引出方法は、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域の両端部の両外側に、CNTアレイ1に当接する当接部材を設置した状態で、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出すことを特徴としている。
上記の特徴により、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域の両端部における端部屑の発生、および発生した端部屑のCNTウェブ10への混入を抑制することができ、より均一なCNTウェブ10を引き出すことができるようになっている。
さらに、上記の特徴により、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界線がほぼ直線を維持した状態でCNTウェブ10を引き出すことができる。その結果、より均一なCNTウェブ10を引き出すことができるようになっている。
なお、上述のCNTウェブの引出方法(1)および(2)では、当接部材20Aまたは当接部材20Bは、CNTウェブ10を引き出したい領域Dの両端部の全域にわたって、CNTアレイ1に当接する構成であった。しかしながら、本発明の引出方法はこれに限られない。すなわち、CNTアレイ1からCNTウェブ10が引き出されている境界の両端部に当接部材が当接していればよく、CNTウェブ10の引出に伴う上記境界の移動に合わせて、当接部材を移動させる構成であってもよい。
(CNTウェブの引出装置)
次に、CNTウェブの引出装置について、図5および図6を参照しながら説明する。
<CNTウェブの引出装置50>
<引出装置50の構成>
本発明の一実施形態における引出装置50の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態におけるCNTウェブ10の引出装置50の構成を示すものであり、(a)は引出装置50の斜視図であり、(b)は引出装置50の側面図であり、(c)は引出装置50の平面図である。
引出装置50は、図5の(a)〜(c)に示すように、基材搬送部としての基板搬送部42と、巻取部41と、当接部材20Cと、当接部材搬送部としての当接部材回転部43とを備えている。
基板搬送部42は、円柱形状のローラである。基板搬送部42は、ステンレスシートからなる基板3におけるCNTアレイ1が形成された面とは反対側の面に当接しており、所定の向き(図5の(b)における時計回り。)に回転することにより、CNTアレイ1が形成された基板3をCNTウェブ10が引き出される向き(図5の(b)(c)における右向き)に送るためのものである。
巻取部41は、円柱形状のローラであり、基板搬送部42と同じ向きに回転し、引き出されたCNTウェブ10をローラに巻き取ることにより、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出すためのものである。すなわち、巻取部41は、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出すためにCNTウェブ10を引っ張る引張部としての機能を有している。なお、巻取部41は、基板3に対してCNTウェブ10を0°〜15°傾斜させて引っ張ることが好ましい。
回転部材としての当接部材20Cは、円形状の平板であり、下端が基板3におけるCNTアレイ1が形成された面に当接するとともに、各当接部材20Cの円形状をなす平面がCNTアレイ1におけるCNTウェブ10との境界の各端部の側面に当接するように設けられている。ただし、引出装置50における当接部材は、円形状に限られない。例えば、当接部材は、楕円形状や、四角形などの多角形の角が丸みを帯びた形状であってもよい。
当接部材搬送部としての当接部材回転部43は、当接部材20Cを回転させるための駆動部であり、当接部材20Cを基板搬送部42とは逆向きに回転させる。
<引出装置50の動作>
次に、引出装置50の動作について説明する。
引出装置50を用いたCNTウェブ10の引出動作では、まず、CNTアレイ1が形成された基板3を、CNTアレイ1の一部が2つの当接部材20Cの間に位置するように、基板搬送部42に設置する。
次に、2つの当接部材20Cの間に存在するCNT2を引き出し、巻取部41に巻き付ける。
この状態で、基板搬送部42、当接部材20C、および巻取部41の回転を開始させる。なお、これらの回転は、基板搬送部42の周速度と当接部材20Cの周速度とが等しく、これらよりも巻取部41の周速度が速くなるように制御される。これにより、CNTアレイ1からCNTウェブ10が連続的に引き出されつつ巻取部41によって巻き取られていくことになる。
なお、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出すに伴い、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界が、CNTウェブ10が引き出される向きとは反対の向きに移動(後退)する。そこで、引出装置50では、基板搬送部42を回転させることにより上記境界が後退する向きとは反対向きに基板3を搬送するとともに、当接部材回転部43により当接部材20Cを回転させている。これにより、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界が常に基板搬送部42のほぼ真上に位置するとともに、当接部材20Cの平面が常にCNTアレイ1における上記境界の両端部側の両側面に当接するように構成されている。
その結果、境界領域の両端部の両外側に存在するCNT2は、当接部材20Cにより押しつぶされるとともに、当接部材20Cによって押圧された状態となる。また、当接部材20Cの内側の側面に当接するCNT2は、当接部材20Cとの間に働く摩擦力によって当接部材20Cに強固に固定される。
このため、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す際に、当接部材20Cに押圧されているCNT2、および当接部材20Cの平面に当接するCNT2が引き出されることがない。これにより、当接部材20Cの平面に当接するCNT2よりも内側に存在するCNT2のみをCNTウェブ10として引き出すことができる、すなわち、均一なCNTウェブ10を引き出すことができるようになっている。
以上のように、引出装置50は、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出すためにCNTウェブ10を巻き取る巻取部41と、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10との境界領域の両端部側の両側面に平面が当接する当接部材20Cとを備えている。上記の構成により、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10との境界領域の両端部に存在するCNT2が当接部材20Cに固定される。これにより、当接部材20Cの平面に当接するCNT2よりも内側に存在するCNT2のみをCNTウェブ10として引き出すことができる。したがって、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域の両端部における端部屑の発生、および発生した端部屑のCNTウェブ10への混入を抑制することができ、より均一なCNTウェブ10を引き出すことができる。さらに、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界線がほぼ直線を維持した状態でCNTウェブ10を引き出すことができる。その結果、より均一なCNTウェブ10を引き出すことができる。
さらに、引出装置50は、CNTウェブ10の引き出しに伴い状境界領域が後退する向きとは反対向きに基板3を送る基板搬送部42と、上記基板3が送られるのに応じて当接部材20Cを回転させる当接部材回転部43とを備えている。上記の構成により、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域を常に一定の位置にするとともに、当接部材20Cの平面が常にCNTアレイ1における境界領域の両端部側の両側面に当接するようにできる。その結果、境界領域の両端部の両外側に存在するCNT2を、当接部材20Cにより押しつぶすとともに、当接部材20Cによって押圧された状態とすることができる。また、境界領域の両端部に存在するCNT2を、当接部材20Cとの間に働く摩擦力によって当接部材20Cに強固に固定することができる。
<CNTウェブの引出装置60>
<引出装置60の構成>
本発明の一実施形態における引出装置60の構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態におけるCNTウェブ10の引出装置60の構成を示すものであり、(a)は引出装置60の斜視図であり、(b)は引出装置60の側面図であり、(c)は引出装置60の平面図である。なお、説明の便宜上、引出装置50と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
引出装置60は、図6の(a)〜(c)に示すように、基板搬送部42と、巻取部41と、当接部材20Dと、当接部材搬送部としてのテープ状部材搬送部63と、を備えている。
当接部材20Dは、表面に粘着性を有する粘着部材であり、後述するテープ状部材搬送部63により、当接部材20Dの粘着表面が、CNTウェブ10との境界の各端部の外側に存在するCNTアレイ1に、基板3とは反対側から貼り付けられるようになっている。ただし、本実施形態における引出装置の当接部材は、表面に粘着性を有する粘着部材に限られない。すなわち、当接部材は、CNTアレイ1に基板3とは反対側から当接することができるテープ状部材であればよい。
テープ状部材搬送部63は、ベルトになっており、所定の向き(図6の(b)における反時計回り)に回転することにより、当接部材20Dの粘着表面をCNTアレイ1に貼り付けるための駆動部である。
<引出装置60の動作>
次に、引出装置60の動作について説明する。
引出装置60を用いたCNTウェブ10の引出動作は、まず、CNTアレイ1が形成された基板3を基板搬送部42に設置する。次に、当接部材20Dの粘着表面を、基板3とは反対側からCNTアレイ1に貼り付ける。次に、当接部材20Dの粘着表面とは反対側の面に、テープ状部材搬送部63を設置する。
次に、2つの当接部材20Dの間に存在するCNT2を引き出し、巻取部41に巻き付ける。
この状態で、基板搬送部42、テープ状部材搬送部63、および巻取部41の回転を開始させる。なお、これらの回転は、基板搬送部42の周速度とテープ状部材搬送部63の周速度とが等しく、これらよりも巻取部41の周速度が速くなるように制御される。これにより、CNTアレイ1からCNTウェブ10が連続的に引き出されつつ巻取部41によって巻き取られていくことになる。
なお、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出すに伴い、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界が、CNTウェブ10が引き出される向きとは反対の向きに移動(後退)する。そこで、引出装置60では、基板搬送部42を回転させることにより上記境界が後退する向きとは反対向きに基板3を搬送するとともに、テープ状部材搬送部63により当接部材20DをCNTアレイ1に貼り付ける。これにより、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界が常に基板搬送部42のほぼ真上に位置するとともに、当接部材20DがCNTアレイ1とCNTウェブ10との境界の両端部の両外側に存在するCNT2に貼り付いた状態になるように構成されている。
その結果、当接部材20Dが貼り付いたCNT2は、当接部材20Dとの間に働く荷重および当接部材20Dの粘着性によって当接部材20Dに強固に固定される。
このため、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出す際に、当接部材20Dが貼り付いたCNT2が引き出されることがない。これにより、当接部材20Dが貼り付いたCNT2よりも内側に存在するCNT2のみをCNTウェブ10として引き出すことができる、すなわち、均一なCNTウェブ10を引き出すことができるようになっている。
以上のように、引出装置60は、CNTアレイ1からCNTウェブ10を引き出すためにCNTウェブ10を巻き取る巻取部41と、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域の両端部の両外側に存在するCNTアレイ1に、基板3とは反対側から当接する当接部材20Dとを備えている。上記の構成により、CNTアレイ1におけるCNTウェブ10との境界領域の両端部の両外側に存在するCNT2が当接部材20Dに固定される。これにより、当接部材20Dが貼り付いたCNT2よりも内側に存在するCNT2のみをCNTウェブ10として引き出すことができる。したがって、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域の両端部における端部屑の発生、および発生した端部屑のCNTウェブ10への混入を抑制することができ、より均一なCNTウェブ10を引き出すことができる。さらに、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界線がほぼ直線を維持した状態でCNTウェブ10を引き出すことができる。その結果、より均一なCNTウェブ10を引き出すことができる。
さらに、引出装置60は、CNTウェブ10の引き出しに伴い状境界領域が後退する向きとは反対向きに基板3を送る基板搬送部42と、上記基板3が送られるのに応じて当接部材20Dを貼り付けるテープ状部材搬送部63とを備えている。上記の構成により、CNTアレイ1とCNTウェブ10との境界領域を常に一定の位置にするとともに、当接部材20Dが常に境界領域の両端部の両外側に存在するCNT2に当接するようにできる。その結果、境界領域の両端部の両外側に存在するCNT2を、当接部材20Dとの間に働く荷重によって当接部材20Dに強固に固定することができる。
(CNT糸の製造)
本発明におけるCNT糸の製造方法は、上述したCNTウェブの引出方法によりCNTウェブを引き出す引出工程と、引出工程により引き出されたCNTウェブに撚りをかける撚糸工程とを含んでいる。
撚糸工程は、公知の撚糸技術を用いることができる。例えば、図5に示した引出装置50における巻取部41の代わりに、CNTウェブ10の引出方向に添った回転軸を有し、引出方向に移動するスピンドルを設け、CNTウェブ10を引き出しながら回転させることにより撚糸すればよい。あるいは、引出装置50によって引き出したCNTウェブ10を複数枚積層し、所定の幅にカッティングしたうえで積層したCNTウェブ10に撚りをかけることにより撚糸してもよい。このように積層したCNTウェブ10を撚糸して製造したCNT糸は、1層のCNTウェブ10を撚糸して製造したものと比較して強度が増す。
本発明の製造方法によって製造されたCNT糸は、上記引出工程によって引き出された、端部屑が混入していない均一なCNTウェブを用いて作製される。そのため、CNT糸は物性(例えば、電気伝導性や熱伝導性、機械的強度。)の部位による不均一が抑制され、より均一なCNT糸を製造することができる。
(CNTシートの製造)
本発明におけるCNTシートの製造方法は、上述したCNTウェブの引出方法によりCNTウェブを引出工程と、引出工程に取り引き出されたCNTウェブを積層する積層工程とを含んでいる。
積層工程は、公知の積層技術を用いることができる。例えば、引き出されたCNTウェブをローラに巻きつけ、CNTウェブを積層させることにより、CNTシートを製造する。
本発明の製造方法によって製造されたCNTシートは、上記引出工程によって引き出された、端部屑が混入していない均一なCNTウェブを用いて作製される。そのため、物性(例えば、電気伝導性や熱伝導性、機械的強度。)の部位による不均一が抑制され、より均一なCNTシートを製造することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施例および比較例としての引出方法について説明すれば以下のとおりである。
本発明の実施例としての引出方法では、幅3cmのCNTアレイからCNTウェブを引き出したい領域の両端部の両外側に、基板とは反対側から当接するように粘着テープを貼り付けた状態でCNTウェブを引き出した。
また、比較例としての引出方法では、CNTアレイからCNTウェブを引き出したい領域の両端部の両外側に、基板とは反対側から当接するように粘着テープを貼り付けた後、粘着テープを剥離させた状態でCNTウェブを引き出した。なお、比較例では、粘着テープの剥離によって、粘着テープと当接したCNTがCNTアレイから取り除かれた状態となっていた。
本発明の実施例および比較例としての引出方法によって、CNTアレイからCNTウェブが引き出されていく様子について、図7を参照しながら説明する。図7の(a)は、本発明の実施例としての引出方法によって、CNTアレイからCNTウェブが引き出されていく様子を表す写真を示す図であり、(b)は、比較例としての引出方法によって、CNTアレイからCNTウェブが引き出されていく様子を表す写真を示す図である。
本発明の実施例としての引出方法では、図7の(a)に示すように、CNTアレイとCNTウェブとの境界線が直線を維持しており、均一なCNTウェブを引き出すことができた。
それに対して、比較例としての引出方法では、図7の(b)に示すように、CNTアレイとCNTウェブとの境界線が、引出が進むに連れて直線から山型に変化していき、その山型に残存したCNTの束が断続的に引き出されることになり、均一なCNTウェブを引き出すことができなった。
〔まとめ〕
本発明の一態様に係るカーボンナノチューブのウェブの引出方法は、カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す方法において、上記アレイと上記ウェブとの境界領域の両端部の両外側に、上記アレイに当接する当接部材をそれぞれ設置した状態で、上記アレイから上記ウェブを引き出すことを特徴とする。
上記の特徴によれば、アレイとウェブとの境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブ、または境界領域の両端部に存在するカーボンナノチューブを当接部材に固定することができる。その結果、カーボンナノウェブを引き出す際に、アレイとウェブとの境界領域の両端部における端部屑の発生、および発生した端部屑のウェブへの混入を抑制することができ、より均一なウェブを引き出すことができるようになっている。
さらに、上記の特徴により、アレイとウェブとの境界線がほぼ直線を維持した状態でウェブを引き出すことができる。その結果、より均一なウェブを引き出すことができる。
したがって、端部屑の混入を抑制しつつより均一にカーボンナノチューブのウェブを引き出す方法を実現することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出方法において、上記アレイは、基板上に形成されており、上記当接部材は、上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに、上記基材とは反対側から当接するように設置されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、基材とは反対側から当接するように、境界領域の両端部の両外側に存在するアレイに当接部材を当接させることにより、境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブを当接部材に固定することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出方法において、上記当接部材は、表面に粘着性を有する粘着部材であり、上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに、上記粘着部材の粘着表面を貼り付ける構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、当接部材の粘着表面を境界領域の両端部の両外側に存在するアレイに貼り付けることにより、境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブを当接部材により強固に固定することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出方法において、複数の上記当接部材が、上記アレイにおける上記境界領域の両端部側の両側面にそれぞれ当接するように設置されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、アレイにおける境界領域の両端部側の両側面に当接するように当接部材が設置されているので、境界領域の両端部に存在するカーボンナノチューブを当接部材に固定することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出方法において、上記境界領域の両外側に位置する当接部材の組における、上記両端部に対向する内面同士の間隔が、上記アレイに当接する部位よりも、当該アレイに当接する部位の上方において広がっている構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、引き出されたウェブと当接部材との間の距離を大きくすることができる。これにより、引き出されたウェブが静電気力に起因して当接部材に付着することを抑制することができ、ウェブを良好に引き出すことができる。
本発明の一態様に係るカーボンナノチューブ糸の製造方法は、上記のいずれかに記載の引出方法によりカーボンナノチューブのウェブを引き出す引出工程と、上記引出工程により引き出された上記ウェブに撚りをかける撚糸工程とを含むことを特徴とする。
上記の特徴によれば、上記のいずれかに記載の引出工程によって引き出された、端部屑が混入していない均一なウェブを用いて作製される。そのため、物性(例えば、電気伝導性や熱伝導性、機械的強度。)の部位による不均一が抑制され、より均一なカーボンナノチューブ糸を製造することができる。
本発明の一態様に係るカーボンナノチューブシートの製造方法は、上記のいずれかに記載の引出方法によりカーボンナノチューブのウェブを引き出す引出工程と、上記引出工程により引き出された上記ウェブを積層する積層工程とを含むことを特徴とする。
上記のいずれかに記載の引出工程によって引き出された、端部屑が混入していない均一なウェブを用いて作製される。そのため、物性(例えば、電気伝導性や熱伝導性、機械的強度。)の部位による不均一が抑制され、より均一なカーボンナノチューブシートを製造することができる。
本発明の一態様に係るカーボンナノチューブのウェブの引出装置は、カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す引出装置において、上記アレイから上記ウェブを引き出すために上記ウェブを引っ張る引張部と、上記アレイと上記ウェブとの境界領域の両端部の両外側に、上記アレイにそれぞれ当接する当接部材と、を備えることを特徴とする。
上記の特徴によれば、アレイとウェブとの境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブ、または境界領域の両端部に存在するカーボンナノチューブを当接部材に固定した状態で、引張部によりアレイからウェブを引き出す。その結果、カーボンナノウェブを引き出す際に、アレイとウェブとの境界領域の両端部における端部屑の発生、および発生した端部屑のウェブへの混入を抑制することができ、より均一なウェブを引き出すことができるようになっている。
さらに、上記の特徴により、アレイとウェブとの境界線がほぼ直線を維持した状態でウェブを引き出すことができる。その結果、より均一なウェブを引き出すことができる。
したがって、端部屑の混入を抑制しつつより均一にカーボンナノチューブのウェブを引き出す装置を実現することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出装置において、上記アレイが形成された基材と、上記ウェブの引き出しに伴い上記境界領域が後退する向きとは反対向きに上記基材を送る基材搬送部と、上記基材が送られるのに応じて上記当接部材を送る当接部材搬送部とを備える構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、アレイとウェブとの境界領域を常に一定の位置にするとともに、当接部材が常に境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブまたは境界領域の両端部のカーボンナノチューブの側面に当接するようにできる。その結果、当接部材が常に境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブまたは境界領域の両端部のカーボンナノチューブを、当接部材に強固に固定することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出装置において、上記当接部材は、上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに、上記基材とは反対側から当接した状態で上記当接部材搬送部により送られるテープ状部材である構成であってもよい。
上記の構成によれば、基材とは反対側から当接するように、境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイにテープ状部材を当接させることにより、境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブをテープ状部材に固定することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出装置において、上記当接部材は、表面に粘着性を有する粘着部材であり、上記当接部材搬送部は、上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに上記粘着部材の粘着表面を貼り付けるように、上記粘着部材を送る構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、当接部材の粘着表面を境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに貼り付けることにより、境界領域の両端部の両外側に存在するカーボンナノチューブを当接部材により強固に固定することができる。
本発明のカーボンナノチューブのウェブの引出装置において、上記当接部材は、上記アレイにおける上記境界領域の両端部側の両側面に、平面を当接した状態で上記当接部材搬送部により回転される回転部材である構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記アレイにおける上記境界領域の両端部側の両側面に、当接部材の平面を当接させることができる。これにより、境界領域の両端部に存在するカーボンナノチューブを回転部材に固定することができる。
1 カーボンナノチューブアレイ(CNTアレイ)
2、2a〜2d カーボンナノチューブ(CNT)
3 基板(基材)
10 カーボンナノチューブウェブ(CNTウェブ)
20A〜20D、20Ba〜20Bd 当接部材
41 巻取部(引張部)
42 基板搬送部(基材搬送部)
43 当接部材回転部(当接部材搬送部)
50、60 引出装置
63 テープ状部材搬送部(当接部材搬送部)

Claims (12)

  1. カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す方法において、
    上記アレイと上記ウェブとの境界領域の両端部の両外側に、上記アレイに当接する当接部材をそれぞれ設置した状態で、上記アレイから上記ウェブを引き出すことを特徴とするカーボンナノチューブのウェブの引出方法。
  2. 上記アレイは、基材上に形成されており、
    上記当接部材は、上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに、上記基材とは反対側から当接するように設置されていることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出方法。
  3. 上記当接部材は、表面に粘着性を有する粘着部材であり、
    上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに、上記粘着部材の粘着表面を貼り付けることを特徴とする請求項2に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出方法。
  4. 上記当接部材が、上記アレイにおける上記境界領域の両端部側の両側面にそれぞれ当接するように設置されていることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出方法。
  5. 上記境界領域の両外側に位置する当接部材の組における、上記両端部に対向する内面同士の間隔が、上記アレイに当接する部位よりも、当該アレイに当接する部位の上方において広がっていることを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の引出方法によりカーボンナノチューブのウェブを引き出す引出工程と、
    上記引出工程により引き出された上記ウェブに撚りをかける撚糸工程と、を含むことを特徴とするカーボンナノチューブ糸の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の引出方法によりカーボンナノチューブのウェブを引き出す引出工程と、
    上記引出工程により引き出された上記ウェブを積層する積層工程と、を含むことを特徴とするカーボンナノチューブシートの製造方法。
  8. カーボンナノチューブのアレイからカーボンナノチューブのウェブを引き出す引出装置において、
    上記アレイから上記ウェブを引き出すために上記ウェブを引っ張る引張部と、
    上記アレイと上記ウェブとの境界領域の両端部の両外側に、上記アレイにそれぞれ当接する当接部材と、を備えることを特徴とするカーボンナノチューブのウェブの引出装置。
  9. 上記アレイが形成された基材と、
    上記ウェブの引き出しに伴い上記境界領域が後退する向きとは反対向きに基材を送る基材搬送部と、
    上記基材が送られるのに応じて上記当接部材を送る当接部材搬送部と、を備えることを特徴とする請求項8に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出装置。
  10. 上記当接部材は、上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに、上記基材とは反対側から当接した状態で上記当接部材搬送部により送られるテープ状部材であることを特徴とする請求項9に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出装置。
  11. 上記当接部材は、表面に粘着性を有する粘着部材であり、
    上記当接部材搬送部は、上記境界領域の両端部の両外側に存在する上記アレイに上記粘着部材の粘着表面を貼り付けるように、上記粘着部材を送ることを特徴とする請求項10に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出装置。
  12. 上記当接部材は、上記アレイにおける上記境界領域の両端部側の両側面に、平面を当接した状態で上記当接部材搬送部により回転される回転部材であることを特徴とする請求項9に記載のカーボンナノチューブのウェブの引出装置。
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