JP6935728B2 - ストロークセンサ - Google Patents

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本発明はストロークセンサに関する。
自動車や自動2輪車のレバーなどの移動体の移動量を検出するストロークセンサとして、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
このストロークセンサは、被検出体の移動に追従し設けた検出シャフトと、検出シャフトの回転を規制して摺動可能に支持するハウジングと、検出シャフトとハウジングとの間に設けられ移動量を検出して移動した後の検出シャフトを原点位置Oに復帰させる原点復帰機構と、を備え、検出シャフトに設けられた磁石とハウジングに設けられた磁気検出素子により被検出体が軸方向に往復する移動量を磁界の変化によって検出するものである。
特開2017―015549号公報
しかしながら、特許文献1記載のストロークセンサは、検出シャフトの移動量の制限に2つのピストンを用いた原点復帰機構を備えるため、構造が複雑になり、部品点数が増えるという問題がある。
また、磁気検出素子を備えた回路基板は、ハウジングにビスで仮固定するという工程が必要であり、製造に手間がかかるという問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、構造を簡素化してコストを低減したストロークセンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るストロークセンサは、
被検出体に追従して原点位置から移動する検出シャフトの移動量を検出するストロークセンサであって、
径大部を有する前記検出シャフトと、
蓋部を有する第一のハウジングと、
前記検出シャフトを支持する第二のハウジングと、
前記原点位置から移動した後の前記検出シャフトを前記原点位置に復帰させるスプリングと、
前記検出シャフトの移動に伴って磁界を変化させるための磁石と、
前記検出シャフトの移動に伴う磁界の変化から前記検出シャフトの前記移動量を検出する磁気検出素子と、
を備え、
前記第一のハウジングは、前記検出シャフトを受ける第一の受部を有し、
前記第二のハウジングは、前記検出シャフトを受ける第二の受部を有し、
前記第一のハウジングの前記蓋部、及び前記検出シャフトの前記径大部は、前記スプリングと接し、
前記第一の受部と前記第二の受部は、前記検出シャフトの前記移動量を制限する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、構造を簡素化してコストを低減したストロークセンサを提供することができる。
本発明のストロークセンサの第一の実施形態を示す斜視図、及び平面図である。 本発明のストロークセンサの第一の実施形態を示すA−A断面図である。 本発明のストロークセンサの収納部の斜視図である。 本発明のストロークセンサの第二の実施形態を示す平面図、及びA−A断面図である。 本発明のストロークセンサの第三の実施形態を示す平面図、及びA−A断面図である。
以下に、本発明に係るストロークセンサを添付図面に基づいて説明する。
図1、及び図2を参照する。図1(a)は、ストロークセンサ1の第一の実施形態の斜視図であり、図1(b)は、第一の実施形態の平面図を示す。図2(a)は、ストロークセンサ1の第一の実施形態の断面図を示す。ストロークセンサ1は、被検出体に追従して原点位置Oから移動する検出シャフト10の移動量Sを検出するストロークセンサであって、径大部11を有する検出シャフト10と、蓋部22を有する第一のハウジング20と、検出シャフト10を支持する第二のハウジング30と、原点位置Oから移動した後の検出シャフト10を原点位置Oに復帰させるスプリング40と、検出シャフト10の移動に伴って磁界を変化させるための磁石51と、検出シャフト10の移動に伴う磁界の変化から検出シャフト10の移動量Sを検出する磁気検出素子52と、を備える。
第一の実施形態の検出シャフト10は、被検出体の移動によって追従される検出媒体であり、例えば、被検出体に連結されて外力が伝達され、軸方向に往復して追従する。検出シャフト10は、ある程度剛性を有する非磁性材料が好ましく、例えばオーステナイト系のステンレス鋼(Steel Use Stainless; SUS)からなる。
検出シャフト10は、直径の異なる径大部11、及び径小部13を有して構成され、径小部13には円環状の磁石51、支持部材14、及び気密部材15を有して構成される。径大部11は、第二のハウジング30内に配置されており、スプリング40の一端と接し、その直径はスプリング40よりも大きい。径小部13は、第二のハウジング30のシャフト穴33から外側に突き出しており、図示しない被検出体と接続される。
検出シャフト10は、磁石51を径大部11と支持部材14の磁石支持部14aとの間で支持する。支持部材14は、ステンレス鋼等の非磁性材料が好ましく、磁石支持部14aと気密部材支持部14bを備える。磁石支持部14aの直径は磁石51よりも大きく、気密部材支持部14bの直径は後述する第二のハウジング30の孔部32よりも小さい。気密部材支持部14bは、検出シャフト10の磁石51と気密部材15の間に位置し、気密部材15の気密機能を発揮するために必要な溝構造を満たすように設けられる。
検出シャフト10は、気密部材15を気密部材支持部14bと第二のハウジング30の孔部32との間で支持する。気密部材15は、ゴムからなるOリングであり、ストロークセンサ1の気密を保つために用いられる。
図2(b)を併せて参照する。図2(b)は、第一の実施形態の第一のハウジング20の断面図を示す。第一のハウジング20は、検出シャフト10を受ける第一の受部21と、蓋部22と、内径部23と、雄ねじ部29を有して構成される。
第一のハウジング20は、アルミニウムやステンレス鋼などの非磁性材料が好ましく、略円筒状に形成されている。
第一の受部21は、蓋部22と反対方向に設けられ、検出シャフト10の径大部11と接し、検出シャフト10の移動量Sを制限する。原点位置Oから第一の受部21までの長さは、スプリング40の最大たわみ量より小さくなるように構成される。
蓋部22は、スプリング40の別の一端と接する。蓋部22と検出シャフト10の径大部11は、検出シャフト10の移動に伴いスプリング40を弾性変形させる。
内径部23は、第一のハウジング20の内側に設けられ、後述するスプリング40の外径部41を支持する。
雄ねじ部29は、蓋部22と反対方向の外径面に備えられ、第一のハウジング20と第二のハウジング30を連結するために用いられる。
図2(c)を併せて参照する。図2(c)は、第一の実施形態の第二のハウジング30の断面図を示す。第二のハウジング30は、検出シャフト10を受ける第二の受部31と、孔部32と、シャフト穴33と、雌ねじ部39を有して構成される。
第二のハウジング30は、アルミニウムやステンレス鋼などの非磁性材料が好ましく、略円筒状に形成されている。第二のハウジング30の内径は、第一のハウジング20の外径と略一致する。
第二の受部31は、孔部32と同じ方向に設けられ、検出シャフト10の径大部11、又は磁石支持部14aを受け、検出シャフト10の戻りを原点位置Oに制限する。
孔部32は、検出シャフト10が原点位置Oにある場合に、支持部材14の気密部材支持部14b、及び気密部材15を収めるように形成される。磁石支持部14aが孔部32よりも小さい場合は、磁石支持部14aをさらに収めるように形成されてもよい。
シャフト穴33は、孔部32に設けられ、検出シャフト10を摺動可能に支持して外部に取り出す。
雌ねじ部39は、孔部32と反対方向の内径面に備えられ、第一のハウジング20と第二のハウジング30を連結するために用いられる。前記連結に際しては、補強用接着剤(例えば、シーロック剤)などでねじの緩み防止をさらに行ってもよい。
スプリング40は、ステンレス鋼などの非磁性材料のものが好ましく、例えばSUS304WPBによる円筒状のコイルばねで構成され、その外径は第一のハウジング20の内径と略一致する。
スプリング40は、外径部41を有して構成される。
スプリング40は、検出シャフト10の径大部11、及び第一のハウジング20の蓋部22と接し、原点位置Oにある検出シャフト10が第一のハウジング20の方向に押し込まれるように移動すると、スプリング40が押し潰され、検出シャフト10の径大部11が第一のハウジング20の第一の受部21に当たるまでの移動量S分だけ移動することができる。そして、検出シャフト10を押し込む力がなくなると、スプリング40に蓄積されたばね力で、検出シャフト10の径大部11、又は磁石支持部14aが第二のハウジング30の第二の受部31に当たるまで移動することにより原点位置Oに戻される。
外径部41は、スプリング40の外径面に設けられ、第一のハウジング20の内径部23によって支持される。
磁石51は、円環状に形成された希土類系磁石(例えば、SmCoやNdFeBなどの材料の磁石)からなり、検出シャフト10の径小部13に取り付けられる。
磁石51は、磁気検出素子52に磁界を提供しており、磁石51が検出シャフト10とともに移動することで磁気検出素子52へ与える磁界の向き、及び強さを変え、結果的に磁気検出素子52が移動量Sとして検出する。磁石51は、製造手法により焼結磁石やプラスチックと混ぜて圧縮もしくは成形されたプラスチック磁石などのいずれでも良い。焼結磁石の方が強力な磁力を有する一方、プラスチック磁石の方が大量生産性や耐割れ性が高いなど特性があることから、使用条件や設計要件に応じて適宜選択すれば良い。
磁気検出素子52は、被検出体の移動量などの変化を磁界の向き、及び強さにより検出するものであり、例えば、ホール素子などで構成され、被検出体の移動などに伴う磁界の変化を電気信号に変換して外部に出力するものである。
磁気検出素子52による検出シャフト10の移動量Sの検出は、検出シャフト10に備えられた磁石51が発する磁界の向き、及び強さの変化を検出し、前記磁界に応じた電気信号に変換して外部に出力する。
基板50は、ガラスエポキシ等からなるプリント基板(Printed Circuit Board; PCB)であり、磁気検出素子52を備え、後述する収納部70の凸部72と嵌合する凹部53を有して構成される。
基板50は、磁気検出素子52を検出シャフト10に近い位置に配置することが好ましい。また、基板50の磁気検出素子52への電源の取り込みや外部への電気信号の出力は、ダイレクトコネクタもしくはコードにて行われる。
第三のハウジング60は、エポキシ樹脂等の樹脂材料からなり、第一のハウジング20、及び第二のハウジング30と接着剤によって結合される。
第三のハウジング60は、後述する収納部70を備える。
図3を併せて参照する。図3(a)は、収納部70の斜視図を、図3(b)は、基板50を収納した収納部70の斜視図を示す。収納部70は、基板50を収納し、基板50を配置位置に導く溝部71、及び基板50の凹部53と嵌合する凸部72を備える。
収納部70は、基板50を溝部71と凸部72によって支持した後、ポッティング剤にて気密に保持する。
図4を参照する。図4(a)は、ストロークセンサ1の第二の実施形態の平面図を、図4(b)は、第二の実施形態の断面図を示す。第二の実施形態において、基板50は磁石51を備え、検出シャフト10は径大部11を軟磁性材料とし、径中部12をさらに備え、支持部材14が無くなっている。上述の点で、第二の実施形態は、第一の実施形態と異なり、他の部分では第一の実施形態と同様である。
検出シャフト10の径大部11は、鋼材等の軟磁性材料からなる。検出シャフト10の径中部12、及び径小部13の材料は、ステンレス鋼等の非磁性材料の方が好ましいが、磁気検出素子52との距離を確保してあるため、鋼材等の軟磁性材料であっても磁界への影響度は低く、耐久性や強度、価格と照らし合わせて適宜材料を選択することが可能である。
検出シャフト10の径中部12は、検出シャフト10の径大部11と気密部材15の間に位置し、気密部材15の気密機能を発揮するために必要な溝構造を満たすように設けられる。
検出シャフト10の支持部材14は、磁石51が基板50に備えられたため不要となり、無くなっている。
第二のハウジング30の孔部32は、検出シャフト10が原点位置Oにある場合に、検出シャフト10の径中部12と気密部材15を収めるように構成される。
磁石51は、基板50に備えられ、特に磁気検出素子52の背面に配置される。その形状は、例えば直方体や円盤状である。磁気検出素子52による検出シャフト10の移動量Sの検出は、軟磁性材料である径大部11の移動による磁石51の成す磁界の変化を検出し、電気信号に変換して外部に出力する。
図5を参照する。図5(a)は、ストロークセンサ1の第三の実施形態の平面図を、図5(b)は、第三の実施形態の断面図を示す。第三の実施形態において、第一のハウジング20、及び第二のハウジング30はエポキシ樹脂等の樹脂材料からなり、第二のハウジング30は収納部70を備え、第三のハウジング60は無くなっている。上述の点で、第三の実施形態は、第二の実施形態と異なり、他の部分では第二の実施形態と同様である。
第一のハウジング20、及び第二のハウジング30は、樹脂材料からなり、材料変更による強度確保のため、第一、第二の実施形態よりも肉厚に形成されてもよい。
第二のハウジング30は、収納部70を一体的に備えている。
第三のハウジング60は、収納部70が第二のハウジング30に備えられたため不要となり、無くなっている。
以上に説明した本発明は、以下の効果を奏する。
第一のハウジング20の第一の受部21、及び第二のハウジング30の第二の受部31で検出シャフト10を受けるため、部材の追加なしで、検出シャフトの移動量Sを制限できる。これによれば、工程を簡略化、及び材料費を低減できる。
検出シャフト10の移動量Sを制限することで、スプリング40の押し潰される量が小さくなる。これによれば、スプリング40の負担を軽減し、長寿命化できる。
基板50を収納部70の溝部71と凸部72によって支持した後にポッティングすることで、収納部70にねじ部を設けずに済み、且つ基板50のねじ止め作業が無くなる。これによれば、工程を簡略化、及び加工費を低減できる。
なお、上記の第一、第二の実施形態において、第一のハウジング20、及び第二のハウジング30を非磁性材料で構成したが、第一のハウジング20、及び第二のハウジング30の片方、あるいは両方を樹脂で構成してもよい。
なお、上記の第三の実施形態において、第一のハウジング20の雄ねじ部29、及び第二のハウジング30の雌ねじ部39の代わりに、フック部、フック穴を備えても良い。これによれば、第一のハウジング20と第二のハウジング30の連結作業を簡略化、及び加工費を低減できる。
本発明は、以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
1 ストロークセンサ
10 検出シャフト
11 径大部
12 径中部
13 径小部
14 支持部材
15 気密部材
20 第一のハウジング
21 第一の受部
22 蓋部
30 第二のハウジング
31 第二の受部
32 孔部
40 スプリング
50 基板
51 磁石
52 磁気検出素子
60 第三のハウジング
70 収納部
71 溝部
72 凸部
O 原点位置
S 移動量

Claims (5)

  1. 被検出体に追従して原点位置から移動する検出シャフトの移動量を検出するストロークセンサであって、
    径大部を有する前記検出シャフトと、
    蓋部を有する第一のハウジングと、
    前記検出シャフトを支持する第二のハウジングと、
    前記原点位置から移動した後の前記検出シャフトを前記原点位置に復帰させるスプリングと、
    前記検出シャフトの移動に伴って磁界を変化させるための磁石と、
    前記検出シャフトの移動に伴う磁界の変化から前記検出シャフトの前記移動量を検出する磁気検出素子と、
    を備え、
    前記第一のハウジングは、前記検出シャフトを受ける第一の受部を有し、
    前記第二のハウジングは、前記検出シャフトを受ける第二の受部を有し、
    前記第一のハウジングの前記蓋部、及び前記検出シャフトの前記径大部は、前記スプリングと接し、
    前記第一の受部と前記第二の受部は、前記検出シャフトの前記移動量を制限する、
    ことを特徴とするストロークセンサ。
  2. 前記ストロークセンサは、第三のハウジングをさらに備え、
    前記検出シャフトは、前記磁石を有し、
    前記第三のハウジングは、前記磁気検出素子を有した基板を収納する収納部を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のストロークセンサ。
  3. 前記ストロークセンサは、第三のハウジングをさらに備え、
    前記第三のハウジングは、前記磁石、及び前記磁気検出素子を有した基板を収納する収納部を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のストロークセンサ。
  4. 前記第二のハウジングは、前記磁石、及び前記磁気検出素子を有した基板を収納する収納部を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のストロークセンサ。
  5. 前記収納部は、前記基板を配置位置に導く溝部、及び凸部を備え、
    前記基板は、前記収納部の前記凸部と嵌合する凹部を備える、
    ことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1つに記載のストロークセンサ。
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