JP6935314B2 - レーザー加工方法 - Google Patents

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本発明は、被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置づけてパルスレーザー光線を被加工物に照射し改質層を形成するレーザー加工方法に関する。
シリコン基板等の表面にIC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたウエーハは、ウエーハに対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線の集光点が裏面側から分割予定ラインに対応する内部に位置づけられてパルスレーザー光線が照射され改質層が連続的に形成された後、分割予定ラインに付与された外力によって個々のデバイスに分割され、分割された各デバイスは携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される(たとえば特許文献1参照。)。
特許第3408805号公報
しかし、レーザー光線によって改質層が形成された後、改質層の形成に寄与しなかった残余のレーザー光線が飛散して分割予定ラインに隣接するデバイスに照射されてデバイスが損傷するという問題がある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、改質層の形成に寄与しなかった残余のレーザー光線の飛散によるデバイスの損傷を防止することができるレーザー加工方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下のレーザー加工方法である。すなわち、被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置づけてパルスレーザー光線を被加工物に照射し改質層を形成するレーザー加工方法であって、被加工物の屈折率とパルスレーザー光線の波長とからブラッグ反射を生成する被加工物内における音波の波長を算出する音波波長算出工程と、被加工物内の音速と該音波波長算出工程で算出した音波の波長とから音波の周波数を算出する周波数算出工程と、該周波数算出工程で算出した音波の周波数から、連続して発生する音波が干渉して強め合う時間間隔を算出する時間間隔算出工程と、該時間間隔算出工程で算出した時間間隔と同じ時間間隔でパルスレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置づけてパルスレーザー光線を被加工物に照射しブラッグ反射によって等方性のバリアを集光点の周りに生成してレーザー加工を施す加工工程と、を少なくとも含むレーザー加工方法である。
好ましくは、該音波波長算出工程において、音波の波長をλa、パルスレーザー光線の波長をλo、被加工物の屈折率をnとした場合、音波の波長をλa=λo/2nで算出し、該周波数算出工程において、音波の周波数をfとし、被加工物内の音速をvとした場合、音波の周波数をf=v/λaで算出し、該時間間隔算出工程において、時間間隔をtとした場合、時間間隔をt=1/fで算出する。被加工物は、複数の分割予定ラインによって区画され複数のデバイスがシリコン基板の表面に形成されたウエーハであり、パルスレーザー光線の波長は1064nmであり、シリコンの内部における音速は9620m/sであり、シリコンの屈折率は3.6であり、該加工工程において、ウエーハの裏面から分割予定ラインに対応する内部にパルスレーザー光線の集光点を位置づけてパルスレーザー光線をウエーハに照射し、分割予定ラインに沿って改質層を形成するのが好適である。分割予定ラインの内部に改質層が形成されたウエーハに外力を付与して個々のデバイス毎のチップに分割する分割工程を含むのが好都合である。
本発明が提供するレーザー加工方法は、被加工物の屈折率とパルスレーザー光線の波長とからブラッグ反射を生成する被加工物内における音波の波長を算出する音波波長算出工程と、被加工物内の音速と該音波波長算出工程で算出した音波の波長とから音波の周波数を算出する周波数算出工程と、該周波数算出工程で算出した音波の周波数から、連続して発生する音波が干渉して強め合う時間間隔を算出する時間間隔算出工程と、該時間間隔算出工程で算出した時間間隔と同じ時間間隔でパルスレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置づけてパルスレーザー光線を被加工物に照射しブラッグ反射によって等方性のバリアを集光点の周りに生成してレーザー加工を施す加工工程と、を少なくとも含むので、改質層の形成に寄与しなかった残余のレーザー光線はバリアによって飛散が抑制され分割予定ラインに隣接するデバイスに照射されることがなく、デバイスの損傷を防止することができる。
ウエーハ及び環状フレームの斜視図。 レーザー加工装置の斜視図。 加工工程が実施されている状態を示すウエーハの斜視図。 加工工程においてブラッグ反射によって等方性のバリアが集光点の周りに生成されている状態を示すウエーハの模式図。 従来のレーザー加工方法によってウエーハの内部に改質層を形成している状態を示すウエーハの模式図。 分割工程が実施されている状態を示す分割装置の断面図。
以下、本発明のレーザー加工方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明のレーザー加工方法によって加工が施され得る被加工物としてのウエーハ2が示されている。シリコン基板から形成され得る円盤状のウエーハ2の表面2aは、格子状の複数の分割予定ライン4によって複数の矩形領域に区画され、複数の矩形領域のそれぞれにはデバイス6が形成されている。図示の実施形態では図1及び図3に示すとおり、周縁が環状フレーム8に固定された粘着テープ10にウエーハ2の表面2aが貼り付けられ、ウエーハ2の裏面2bが上を向いている。
図示の実施形態では、まず、被加工物の屈折率とパルスレーザー光線の波長とからブラッグ(Bragg)反射を生成する被加工物内における音波の波長を算出する音波波長算出工程を実施する。音波波長算出工程においては、ブラッグ反射を生成する被加工物内における音波の波長をλa、パルスレーザー光線の波長をλo、被加工物の屈折率をnとした場合、音波の波長をλa=λo/2nで算出する。たとえば、パルスレーザー光線の波長λoが1064nmであり、被加工物としてのウエーハ2が屈折率n=3.6であるシリコンから形成されている場合の音波の波長λaは、
λa=λo/2n
=1064(nm)/(2×3.6)
=147.8(nm)
となる。
音波波長算出工程を実施した後、被加工物内の音速と音波波長算出工程で算出した音波の波長とから音波の周波数を算出する周波数算出工程を実施する。周波数算出工程においては、音波の周波数をfとし、被加工物内の音速をvとした場合、音波の周波数をf=v/λaで算出する。たとえば、シリコンから形成されているウエーハ2の内部における音速vが9620m/sであり、音波波長算出工程で算出した音波の波長λaが上記の147.8nmである場合の音波の周波数fは、
f=v/λa
=9620(m/s)/147.8(nm)
=9620(m/s)/(147.8×10−9(m))
=65.09×10(Hz)
となる。
周波数算出工程を実施した後、周波数算出工程で算出した音波の周波数から、パルスレーザー光線の照射により被加工部内において連続して発生する音波が干渉して強め合う時間間隔を算出する時間間隔算出工程を実施する。時間間隔算出工程においては、時間間隔をtとした場合、時間間隔をt=1/fで算出する。たとえば、音波の周波数fが上記の65.09×10Hzである場合の時間間隔tは、
t=1/f
=1/(65.09×10(Hz))
=15.4×10−12(s)
=15.4(ps)
となる。
時間間隔算出工程を実施した後、時間間隔算出工程で算出した時間間隔と同じ時間間隔でパルスレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置づけてパルスレーザー光線を被加工物に照射しブラッグ反射によって等方性のバリアを集光点の周りに生成してレーザー加工を施す加工工程を実施する。加工工程は、たとえば図2示すレーザー加工装置12を用いて実施することができる。レーザー加工装置12は、ウエーハ2等の被加工物を保持する保持手段14と、保持手段14に保持された被加工物にパルスレーザー光線LBを照射するレーザー光線照射手段16とを備える。保持手段14は、X軸方向に移動自在に基台18に搭載されたX軸方向可動板20と、Y軸方向に移動自在にX軸方向可動板20に搭載されたY軸方向可動板22と、Y軸方向可動板22の上面に固定された支柱24と、支柱24の上端に回転自在に搭載されたチャックテーブル26とを含む。X軸方向可動板20は、X軸方向に延びるボールねじ28とボールねじ28に連結されたモータ30とを有するX軸方向移動手段32によって、基台18上の案内レール18aに沿ってX軸方向に移動される。Y軸方向可動板22は、Y軸方向に延びるボールねじ34とボールねじ34に連結されたモータ36とを有するY軸方向移動手段38によって、X軸方向可動板20上の案内レール20aに沿ってY軸方向に移動される。チャックテーブル26は、支柱24に内蔵された回転手段(図示していない。)によって回転される。チャックテーブル26の上面には、吸引手段に接続された多孔質の吸着チャック40が配置されている。そして、チャックテーブル26は、吸引手段で吸着チャック40の上面に吸引力を生成することにより、被加工物を吸着して保持することができる。図2に示すとおり、チャックテーブル26の周縁には周方向に間隔をおいて複数のクランプ42が配置されている。なお、X軸方向は図2に矢印Xで示す方向であり、Y軸方向は図2に矢印Yで示す方向であってX軸方向に直交する方向である。X軸方向及びY軸方向が規定する平面は実質上水平である。
図2を参照してレーザー加工装置12についての説明を続ける。レーザー光線照射手段16は、基台18の上面から上方に延び次いで実質上水平に延びる枠体44を含む。枠体44にはパルスレーザー光線LBを発振する発振器(図示していない。)が内蔵されている。枠体44の先端下面には、チャックテーブル26に保持された被加工物にパルスレーザー光線LBを照射する集光器46と、チャックテーブル26に保持された被加工物を撮像してレーザー加工すべき領域を検出するための撮像手段48とがX軸方向に間隔をおいて装着されている。集光器46は、発振器が発振したパルスレーザー光線LBを集光する集光レンズ50を含む。撮像手段48は、可視光線により被加工物を撮像する通常の撮像素子(CCD)と、被加工物に赤外線を照射する赤外線照射手段と、赤外線照射手段により照射された赤外線を捕らえる光学系と、光学系が捕らえた赤外線に対応する電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)とを含む(いずれも図示していない。)。
図2と共に図3を参照して説明する。加工工程では、まず、ウエーハ2の裏面2bを上に向けて、レーザー加工装置12のチャックテーブル26の上面にウエーハ2を吸着させると共に、環状フレーム8を複数のクランプ42で固定する。次いで、撮像手段48で上方からウエーハ2を撮像し、撮像手段48で撮像したウエーハ2の画像に基づいて、X軸方向移動手段32、Y軸方向移動手段38及び回転手段でチャックテーブル26を移動及び回転させることにより、分割予定ライン4をX軸方向に整合させると共に、X軸方向に整合させた分割予定ライン4の片端部の上方に集光器46を位置づける。このとき、ウエーハ2の裏面2bが上を向き、分割予定ライン4が形成されている表面2aは下を向いているが、上述のとおり、撮像手段48は、赤外線照射手段と、赤外線を捕らえる光学系と、赤外線に対応する電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)とを含むので、ウエーハ2の裏面2bから透かして表面2aの分割予定ライン4を撮像することができ、したがって、分割予定ライン4の片端部の上方に集光器46を位置づけることができる。次いで、レーザー加工装置12の集光点位置調整手段(図示していない。)によってウエーハ2の裏面2bから分割予定ライン4に対応する領域の内部に集光点を位置づける。次いで、チャックテーブル26を所定の送り速度でX軸方向移動手段32によってX軸方向に移動させながら、時間間隔算出工程で算出した時間間隔と同じ時間間隔で、ウエーハ2に対して透過性を有するパルスレーザー光線LBを集光器46から照射する改質層形成加工を施す。そうすると、ウエーハ2の内部には、周囲よりも強度が低下した改質層52が分割予定ライン4に沿って形成されると共に音波が連続して発生する。上述のとおり、時間間隔算出工程で算出した時間間隔は、パルスレーザー光線LBの照射によりウエーハ2内において連続して発生する音波が干渉して強め合う時間間隔であるので、図4に示すとおり、ブラッグ反射によって等方性のバリア54が集光点の周りに生成される。隣接するバリア54とバリア54の間隔は、音波波長算出工程において算出した音波の波長と同一であり、たとえば上記の147.8nmである。隣接する外側のバリア54の位置に手前のバリア54が移動するまでの時間は、時間間隔算出工程で算出した時間と同一であり、たとえば上記の15.4psである。そして、改質層52の形成に寄与しなかった残余のパルスレーザー光線の飛散がバリア54によって抑制される(音響光学効果)ため、ウエーハ2の表面2aに形成されているデバイス6に残余のパルスレーザー光線が照射されることがなく、デバイス6の損傷が防止される。図4では、改質層52の形成に寄与しなかった残余のパルスレーザー光線がバリア54によって飛散が抑制されている状態を、改質層52に向かってバリア54の内側に延びる複数の矢印で模式的に示している。なお、時間間隔算出工程で算出した時間間隔と同じ時間間隔でパルスレーザー光線LBの照射を行わない場合には、図5に示すとおり、改質層52の形成に寄与しなかった残余のパルスレーザー光線LB’が飛散して、ウエーハ2の表面2aに形成されているデバイス6が損傷してしまうこととなる。
図2と共に図3を参照して加工工程についての説明を続ける。改質層形成加工を実施した後は分割予定ライン4の間隔の分だけチャックテーブル26をY軸方向移動手段38でY軸方向にインデックス送りする。そして、改質層形成加工とインデックス送りとを交互に繰り返すことにより、X軸方向に整合させた分割予定ライン4のすべてに改質層形成加工を施す。また、回転手段でチャックテーブル26を90度回転させた上で、改質層形成加工とインデックス送りとを交互に繰り返すことにより、先に改質層形成加工を施した分割予定ライン4と直交する分割予定ライン4のすべてにも改質層形成加工を施す。これによって、デバイス6を損傷することなく、格子状の分割予定ライン4のすべてに沿って改質層52を形成することができる。このような改質層形成加工は、たとえば以下の加工条件で実施することができる。なお、以下の加工条件では、繰り返し周波数65.09GHz、パルスの時間間隔15.4ps、パルス幅100fsで発振器が発振したパルスレーザー光線の1000パルスを1パルスとして見た場合に、見た目1パルスのパルスレーザー光線が100kHzの繰り返し周波数で被加工物に照射されるように、AOD(音響光学素子)等から構成され得る間引き手段(図示していない。)でパルスレーザー光線を間引く場合を示している。すなわち、発振器が発振したパルスレーザー光線の1000パルスが被加工物に照射されてから、次の1000パルスが被加工物に照射されるまでの間のパルスレーザー光線を間引き手段で間引いている。したがって、下記の見た目の繰り返し周波数とは、間引いた後のパルスレーザー光線の1000パルスを1パルスとして見た場合の繰り返し周波数である。また、下記の見た目のパルス幅とは、間引いた後のパルスレーザー光線の1000パルスを1パルスとして見た場合のパルス幅であり、パルスの時間間隔15.4psを1000倍した数値である(15.4ps×1000パルス)。
パルスレーザー光線の波長 :1064nm(YAGレーザー)
繰り返し周波数 :65.09GHz
パルスの時間間隔 :15.4ps
パルス幅 :100fs
見た目の繰り返し周波数 :100kHz
見た目のパルス幅 :15.4ns
開口数(NA) :0.8
スポット径 :φ2.5μm
平均出力 :1W
送り速度 :500mm/s
加工工程を実施した後、分割予定ライン4の内部に改質層52が形成されたウエーハ2に外力を付与して個々のデバイス6毎のチップに分割する分割工程を実施する。分割工程は、たとえば図6に示す分割装置60を用いて実施することができる。分割装置60は、上下方向に延びる円筒状の拡張ドラム62と、拡張ドラム62の径方向外方において昇降自在に配置された環状の保持部材64と、拡張ドラム62に対して相対的に保持部材64を昇降させる複数のエアシリンダ66と、保持部材64の外周縁に周方向に間隔をおいて付設された複数のクランプ68とを含む。拡張ドラム62の外径は、ウエーハ2の直径よりも大きく、かつ環状フレーム8の内径よりも小さい。保持部材64の内径は拡張ドラム62の外径よりも大きく、保持部材64の内周面と拡張ドラム62の外周面との間には間隙が存在する。また、保持部材64の内径及び外径は環状フレーム8の内径及び外径に対応して形成されており、保持部材64の上面に環状フレーム8が載置され得るようになっている。図6に示すとおり、上下方向に延びる複数のエアシリンダ66の上端部は、保持部材64の周方向に間隔をおいて保持部材64の下面に連結されている。そして複数のエアシリンダ66は、保持部材64の上面が拡張ドラム62の上端とほぼ同じ高さの基準位置(図6において実線で示す位置)と、保持部材64の上面が拡張ドラム62の上端よりも下方に位置する拡張位置(図6において二点鎖線で示す位置)との間で、拡張ドラム62に対して相対的に保持部材64を昇降させる。なお、分割装置60においては、エアシリンダ66に代えて電動シリンダを含んでいてもよい。
図6を参照して説明を続けると、分割工程では、まず、各エアシリンダ66を作動させ、保持部材64を基準位置に位置づける。次いで、分割予定ライン4の内部に改質層52が形成されたウエーハ2を上に向けて、粘着テープ10を介してウエーハ2を保持している環状フレーム8を保持部材64の上面に載せ、環状フレーム8を複数のクランプ68で固定する。次いで、各エアシリンダ66を作動させ、保持部材64を基準位置から拡張位置まで下降させる。そうすると、保持部材64と共に環状フレーム8も下降するので、図6に二点鎖線で示すとおり、環状フレーム8に周縁が固定されている粘着テープ10が拡張してウエーハ2には放射状張力が作用する。これによって、分割予定ライン4の内部に改質層52が形成されたウエーハ2に外力を付与して、ウエーハ2を個々のデバイス6毎のチップに分割することができる。
以上のとおり図示の実施形態では、時間間隔算出工程で算出した時間間隔と同じ時間間隔でパルスレーザー光線LBの集光点をウエーハ2の内部に位置づけてパルスレーザー光線LBをウエーハ2に照射しブラッグ反射によって等方性のバリア54を集光点の周りに生成してレーザー加工を施すので、改質層52の形成に寄与しなかった残余のパルスレーザー光線はバリア54によって飛散が抑制され分割予定ライン4に隣接するデバイス6に照射されることがなく、デバイス6の損傷を防止することができる。
2:ウエーハ(被加工物)
2a:表面
2b:裏面
4:分割予定ライン
6:デバイス
52:改質層
54:バリア
LB:パルスレーザー光線

Claims (4)

  1. 被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置づけてパルスレーザー光線を被加工物に照射し改質層を形成するレーザー加工方法であって、
    被加工物の屈折率とパルスレーザー光線の波長とからブラッグ反射を生成する被加工物内における音波の波長を算出する音波波長算出工程と、
    被加工物内の音速と該音波波長算出工程で算出した音波の波長とから音波の周波数を算出する周波数算出工程と、
    該周波数算出工程で算出した音波の周波数から、連続して発生する音波が干渉して強め合う時間間隔を算出する時間間隔算出工程と、
    該時間間隔算出工程で算出した時間間隔と同じ時間間隔でパルスレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置づけてパルスレーザー光線を被加工物に照射しブラッグ反射によって等方性のバリアを集光点の周りに生成してレーザー加工を施す加工工程と、
    を少なくとも含むレーザー加工方法。
  2. 該音波波長算出工程において、音波の波長をλa、パルスレーザー光線の波長をλo、被加工物の屈折率をnとした場合、音波の波長をλa=λo/2nで算出し、
    該周波数算出工程において、音波の周波数をfとし、被加工物内の音速をvとした場合、音波の周波数をf=v/λaで算出し、
    該時間間隔算出工程において、時間間隔をtとした場合、時間間隔をt=1/fで算出する請求項1記載のレーザー加工方法。
  3. 被加工物は、複数の分割予定ラインによって区画され複数のデバイスがシリコン基板の表面に形成されたウエーハであり、
    パルスレーザー光線の波長は1064nmであり、
    シリコンの内部における音速は9620m/sであり、
    シリコンの屈折率は3.6であり、
    該加工工程において、ウエーハの裏面から分割予定ラインに対応する内部にパルスレーザー光線の集光点を位置づけてパルスレーザー光線をウエーハに照射し、分割予定ラインに沿って改質層を形成する請求項1又は2記載のレーザー加工方法。
  4. 分割予定ラインの内部に改質層が形成されたウエーハに外力を付与して個々のデバイス毎のチップに分割する分割工程を含む請求項3記載のレーザー加工方法。
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