JP6934843B2 - カシメ装置及びカシメ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カシメ装置及びカシメ方法に関する。
近年、様々な製品がロボットにより組立てられるようになり、レンズ交換式カメラ用交換レンズの組立も例に漏れなくなりつつある。また、このような光学機器製品においては製品の基準軸に対して光学中心をいかに偏心なく組立・固定するかが常に課題になる。そのためにはワークの位置決め精度が重要となる。一般に、光学機器組立における位置決めには、受台に軽圧入でワークを位置決めするという方法が用いられる。しかし、軽圧入をロボットに行わせることはかなり難しい。その解決には力覚センサを用いる方法や、コンプライアンスユニット(誤差吸収装置)を用いてワークを受台に嵌め込む方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の誤差吸収装置は、ロボット取付板と本体とチャック取付板とを備えている。本体とチェック取付板との間にはスライドベースが配置され、スライドベースが水平方向及びねじれ方向に摺動することにより、誤差を吸収する。
特開平9−150391号公報
力覚センサやコンプライスユニットを用いてワークを受台に嵌合させる場合、いずれも問題がある。力覚センサを用いた場合、ロボットが最も正対する位置、姿勢を特定するまでに非常に時間がかかるという問題がある。特許文献1の誤差吸収装置(コンプライアンスユニット)を用いた場合、受台にワークを軽圧入させることはできても、誤差吸収装置が受台の中心に直交する水平方向(面方向)に自由に動けるため、その後の工程において、受台が既定の位置に安定しない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、コンプライアンスユニットを用いても、受台の位置再現性を確保することができるカシメ装置及びカシメ方法の提供を目的とする。
本発明の一態様に係るカシメ装置は、ワークを把持して搬送するロボットアームと、前記ワークが嵌め込まれる受台と、前記受台に嵌合した前記ワークの端部を加熱及び押圧するホーンと、前記ロボットアームにて把持した前記ワークを前記受台へ嵌め込む際、前記ワークの第1の中心に前記受台の第2の中心が倣う位置に前記受台を移動可能に支持するコンプライアンスユニットと、前記コンプライアンスユニットを支持し前記コンプライアンスユニットを前記受台とともに移動可能なスライド部と、前記スライド部により移動した前記受台を、前記第2の中心と前記ホーンの第3の中心とが一致する位置に保持する位置決め部と、を備える。
前記受台は、前記位置決め部から退避可能であり、前記ワークは、前記受台から取り外し可能であってもよい。
前記コンプライアンスユニットが、基準位置に戻る機能を有し、前記位置決め部は、前記受台と少なくとも2箇所で接触する固定部を有し、前記固定部と前記コンプライアンスユニットの前記基準位置に戻る力とにより前記受台を保持してもよい。
前記位置決め部は、前記受台と少なくとも2箇所で接触する第1固定部と、前記受台を挟んで前記第1固定部と反対側に配置された第2固定部とを有し、前記第1固定部と前記第2固定部とにより前記受台を保持してもよい。
本発明の一態様に係るカシメ方法は、ロボットアームによりワークを把持して受台に搬送する搬送ステップと、前記ワークの第1の中心に前記受台の第2の中心が倣う位置に前記受台を移動可能に支持するコンプライアンスユニットを用いて前記受台に前記ワークを嵌め込む嵌め込みステップと、前記コンプライアンスユニットを前記受台とともに移動させる移動ステップと、位置決め部により、前記第2の中心と、前記受台に嵌合した前記ワークの端部を加熱及び押圧するホーンの第3の中心とが一致する位置に、前記受台を保持する保持ステップと、前記ワークの端部を加熱及び押圧するカシメステップと、を備えている。
前記カシメステップの後、前記位置決め部から前記受台を退避し、前記受台の保持を解放する解放ステップと、前記受台から前記ワークを取り外す取り外しステップと、をさらに備えていてもよい。
前記コンプライアンスユニットが、基準位置に戻る機能を有する場合、前記保持ステップにおいて、前記受台を前記受台と少なくとも2箇所で接触する固定部を用いて、前記コンプライアンスユニットの前記基準位置に戻る力により、前記受台が前記固定部に押し当てられることによって前記受台を保持してもよい。
前記保持ステップにおいて、前記受台と少なくとも2箇所で接触する第1固定部と、前記受台を挟んで前記第1固定部と反対側に配置された第2固定部とを用いて、前記第1固定部と前記第2固定部とにより前記受台を挟み込むことによって前記受台を保持してもよい。
本発明によれば、コンプライアンスユニットを用いても、受台の位置再現性を確保することができるカシメ装置及びカシメ方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態のカシメ装置によってレンズが固定されたレンズユニットの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態のカシメ装置によってレンズが固定される前のレンズユニットの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態のカシメ装置の全体図である。 図3のカシメ装置において位置決め部により受台が保持された状態を示す断面図である。 図3のカシメ装置において位置決め部により受台が保持された状態を示す上面図である。 本発明の第1実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第1実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第1実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第1実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第1実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第1実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第2実施形態のカシメ装置において位置決め部により受台が保持された状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第2実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第2実施形態のカシメ方法の説明図である。 本発明の第2実施形態のカシメ装置の変形例を示す図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るカシメ装置について、図1から図11を参照して説明する。
図1に示すように、レンズユニット10は、図3に示す本実施形態のカシメ装置1によって熱カシメされている。レンズユニット10は、第1レンズ11と、第2レンズ12と、レンズ枠(ワーク)13とを備えている。
レンズ枠13は、第1端部13A及び第2端部13Bを有する略円筒状部材から構成されている。レンズ枠13の内部には、第1レンズ11及び第2レンズ12が挿入され固定される。第1レンズ11を挿入した側のレンズ枠13の第1端部13Aが、熱カシメされることにより、第1レンズ11の第1レンズ面11aの外縁部に当接するように、レンズ枠13の中心(第1の中心)O1に向かって折り曲げられたカシメ部13Cとなる。
第2端部13Bは、レンズ枠13の中心(第1の中心)O1に向かって曲げられている。レンズ枠13は、熱カシメされることにより、レンズ枠13となる部材である。
図2に熱カシメされる前のレンズ枠13の元の形状を示す。レンズ枠13の内側には、第1レンズ11及び第2レンズ12が配置される穴部14が形成されている。穴部14の内径は、第1レンズ11及び第2レンズ12の外径とほぼ同じである。
レンズ枠13には、下方に向かって開口し、後述する受台20に嵌合される凹部15が形成されている。
レンズ枠13の第1端部13Aは、第2端部13Bから第1端部13Aに向かって縮径するテーパ面を有している。ただし、この第1端部13Aの形状は一例であって、後述するホーン30によってカシメ部13Cが形成される形状であれば、第1端部13Aの形状はこれに限定されない。
第2端部13Bには、レンズ枠13の中心(第1の中心)O1に向かって曲げられた屈曲部が形成されている。屈曲部により形成される第2端部13Bの開口の大きさは、第2レンズ12の大きさより小さい。これにより、第2レンズ12は、屈曲部に保持され、穴部14に固定されている。
なお、第2レンズ12の固定は特に限定されないが、第2レンズ12は、レンズ枠13に保持されているだけであってもよく、第1レンズ11と接着剤等により固定されていてもよく、レンズ枠13に接着剤等により固定されていてもよい。
第1レンズ11及び第2レンズ12は、第2レンズ12が屈曲部に当接し、第1レンズ11を第2レンズ12に当接することにより、第1レンズ11及び第2レンズ12の軸方向の位置決めが行われる。
なお、本実施形態では、第1レンズ11及び第2レンズ12を一つずつ穴部14に嵌め込む構成であるが、第1レンズ11と第2レンズ12とを接着させた状態で、穴部14に嵌め込む構成であってもよい。また、レンズ枠13には2つの第1レンズ11及び第2レンズ12を嵌め込む構成としたが、1つであってもよく、3つ以上であってもよく、レンズの枚数は限定されない。
レンズ枠13の材質及び製造方法に関しては、第1端部13Aを熱カシメすることができれば特に限定されない。本実施形態では、レンズ枠13の一例として、射出成型により形成された合成樹脂の成型品を採用している。
次に、カシメ装置1について説明する。
図3に示すように、カシメ装置1は、ロボットアーム3と、受台20と、ホーン30と、コンプライアンスユニット40と、位置決め部50と、スライダ(スライド部)60とを備えている。
ロボットアーム3は、3つ爪ハンドのエンドエフェクタ3Aを有している。ロボットアーム3の形状は、レンズ枠13を搬送できればよいため、特に限定されない。
受台20は、図4に示すように、第1レンズ11及び第2レンズ12を搭載したレンズ枠13が嵌合される装置部分であり、略筒状部材で構成されている。受台20の中心(第2の中心)O2は一例として、鉛直軸に平行である。
受台20は、コンプライアンスユニット40の上面40aに載置されている。受台20とコンプライアンスユニット40との固定方法は特に限定されないが、例えば、ボルト止めや機械的なクランプなどを採用することができる。
受台20は、スライダ60によりホーン30の下方に移動可能である。図4では、レンズ枠13が嵌合された受台20がホーン30の下方に位置した状態を示す図である。
受台20は、上部に設けられた凸部21と、下部に設けられコンプライアンスユニット40に当接された受け部22とを備えている。凸部21は、受台20の周方向に沿って設けられている。凸部21には、レンズ枠13の凹部15が嵌め込まれる。凸部21の中心O2からの位置は、レンズ枠13の凹部15の中心O1からの位置とほぼ同じである。レンズ枠13の凹部15の径方向の寸法は、凸部21の径方向の寸法より僅かに小さい。凸部21の径方向の寸法と、レンズ枠13の凹部15の径方向の寸法との寸法差は、できるだけ小さいことが好ましく、レンズ枠13の凹部15の径方向の寸法は、例えば、凸部21の径方向の寸法より5μm〜10μm小さい。これにより、受台20にレンズ枠13が軽圧入される。
受け部22は、レンズ枠13を凸部21に嵌め込み時や熱カシメ時に、上方から押圧されるレンズ枠16を軸方向に支持する。
受台20にレンズ枠13が嵌合された状態において、レンズ枠13の中心O1と受台20の中心O2とが略同軸(同軸を含む)となる。レンズ枠13は、受台20に対して着脱可能である。
ホーン30は、図4に示すように、鉛直軸と平行な方向に移動可能である。ホーン30の受台20と対向する端部には、下方に拡径するテーパ状の押圧面31が形成されている。押圧面31は、ホーン30の中心(第3の中心)O3を軸対称として形成されている。ホーン30は、受台20向かって降下し、ホーン30の押圧面31がレンズ枠13の第1端部13Aを第1レンズ11に向かって押圧可能である。すなわち、受台20に嵌合されたレンズ枠13の第1端部13Aが、押圧面31により加熱及び押圧される。
ホーン30の中心(第3の中心)O3は、ホーン30の移動方向と平行である。
コンプライアンスユニット40は、図4に示すように、鉛直軸(第2の中心O2)に直交する面方向に沿って移動可能な第1プレート41と第2プレート42とを有している。第1プレート41及び第2プレート42は、互いに相対移動可能に構成されている。第1プレート41及び第2プレート42は、面方向に作用する外力により面方向に移動可能である。
第1プレート41上に受台20が固定されている。第2プレート42は、後述するスライダ60に固定されている。受台20と第1プレート41との固定方法やスライダ60と第2プレート42との固定方法は、特に限定されないが、例えば、ボルト止めや機械的なクランプなどを採用することができる。
コンプライアンスユニット40は、外力を受けると、面方向での移動が可能であるため、コンプライアンスユニット40上に載置された受台20は、コンプライアンスユニット40の移動に追従して面方向における移動が可能である。コンプライアンスユニット40は、外力を受けていない場合は、基準位置Rに復帰するタイプである。ただし、コンプライアンスユニット40の基準位置Rに戻る精度は数十ミクロン程度であり、本実施形態の要求精度を鑑みると十分ではない。
第2プレート42はスライダ60に固定されているため、第1プレート41が基準位置Rからズレた場合に、基準位置Rに戻る力を有している。
位置決め部50は、図3に示すように、V字状の溝部52を有するVブロック(固定部)51を有している。
Vブロック51は、図示しない固定板等に固定されており、位置が固定されている。Vブロック51の上方にはホーン30が設けられている。Vブロック51とホーン30の第3の中心O3との位置関係は不変である。
スライダ60は、ホーン30に対向する位置及びホーン30から退避する位置に受台20を移動させることが可能である。
Vブロック51の溝部52の鉛直軸方向の高さ位置は、受台20の外周面22aの高さ位置とほぼ同じである。すなわち、Vブロック51の溝部52に、受台20の受け部22の外周面22aが当接するように、Vブロック51が位置している。
図5に示すように、Vブロック51は、第1面51aと、第2面51bとを有している。第1面51a及び第2面51bは、スライダ60のスライド方向D1に傾斜する面である。これにより、スライダ60のスライド方向D1に交差する方向への受台20の動きを規制することが可能である。
Vブロック51の溝部52に、受台20の受け部22の外周面22aが当接する。第1面51aと受け部22の外周面22aとが点P1で接触し、第2面51bと受け部22の外周面22aとが点P2で接触する。このように、受台20の外周面22aが第1面51a及び第2面51bに当接された状態において、コンプライアンスユニット40の基準位置Rが、受台20の中心O2よりも溝部52の内側に位置するように、スライダ60がスライドされる。コンプライアンスユニット40は、基準位置Rに復帰するタイプであるため、矢印F1で示すように、溝部52の内側に向かう基準位置Rに戻る力が発生する。コンプライアンスユニット40の戻る力により、受台20によってVブロック51は押圧されるため、受台20は、矢印F1と反対方向に向かって動かない。なお、Vブロック51は固定されているため、コンプライアンスユニット40の戻る力により、受台20によってVブロック51が押されることはない。
図4に示すように、Vブロック51は、受台20を溝部52内に案内し、受台20とVブロック51とが点P1及び点P2で当接することにより、Vブロック51は、受台20の第2の中心O2とホーン30の第3の中心O3とが一致する位置に、受台20を保持する。具体的には、第2の中心O2に直交する面方向における受台20の移動を拘束して位置関係を保持する。すなわち、Vブロック51とコンプライアンスユニット40の基準位置Rに戻る力とにより、受台20の面方向の移動が拘束される。
次に、このような構成のカシメ装置1を用いて、本実施形態のカシメ方法について説明する。
まず、図3に示すように、ロボットアーム3によりレンズ枠13を把持して、スライダ60上にコンプライアンスユニット40を介して固定された受台20に搬送する(搬送ステップ)。レンズ枠13の穴部14には第1レンズ11及び第2レンズ12が嵌め込まれている。ロボットアーム3により、レンズ枠13を受台20に嵌め込む。このとき、図6に示すように、部品誤差等により、レンズ枠13の第1の中心O1と受台20の第2の中心O2とがズレている場合がある。ロボットアーム3が受台20に向かって下降し、レンズ枠13の第2端部13Bが、受台20の凸部21に接触する。第1の中心O1と第2の中心O2とがズレているため、レンズ枠13の凹部15が、受台20の凸部21に嵌らないが、コンプライアンスユニット40の第1プレート41が面方向(図6の矢印A方向)に移動して、受台20の第2の中心O2がレンズ枠13の第1の中心O1に倣う位置に受台20が移動する。これにより、図7に示すように、レンズ枠13の凹部15が、受台20の凸部21に嵌め込まれる(嵌め込みステップ)。
次に、レンズ枠13が受台20に嵌め込まれると、ロボットアーム3は受台20から退避する。ロボットアーム3が退避すると、ロボットアーム3が退避したことが検知され、スライダ60をVブロック51に向かって移動させる。図8に示すように、受台20の第2の中心O2とホーン30の第3の中心O3とが一致する位置関係となる位置、すなわち、受台20の受け部22の外周面22aがVブロック51の溝部52に当接するまでスライダ60を移動させる(移動ステップ)。このとき、例えば、図9の二点鎖線に示すように、受け部22の外周面22aはまず溝部52の第1面51aに接触する。さらに、スライダ60を溝部52の内側に向かってスライドさせると、受台20は、図9の実線に示すように、受け部22の外周面22aが第1面51a及び第2面51bに接触する。
さらに、スライダ60は、受台20をVブロック51に向かって移動させる。図5に示すように、コンプライアンスユニット40の基準位置Rが、受台20の中心O2よりも溝部52の内側に位置するまでスライダ60を移動させる。このとき、受台20はVブロック51に対して戻る力(矢印F1)が発生しているため、受け部22の外周面22aが第1面51a及び第2面51bを押している。これにより、受台20は、Vブロック51から離間する方向には移動しないため、受台20の第2の中心O2に直交する面方向の移動が拘束され、第2の中心O2と第3の中心O3とが一致する位置関係が保持される(保持ステップ)。
次に、図10に示すように、ホーン30を下降させる。ホーン30の押圧面31がレンズ枠の第1端部13Aと当接すると、第1端部13Aが加熱状態になり軟化する。ホーン30の下降に伴って、第1端部13Aは押圧面31によって押圧され、押圧面31に沿って変形する(カシメステップ)。これにより、図1に示すように、レンズ枠13の第1端部13Aが、第1レンズ11の外周部上で折り曲げられた状態で第1レンズ面11aと密着する。このようにして、カシメ部13Cが形成されたら、ホーン30の下降を停止するとともに、加熱を停止して、カシメ部13Cを硬化させる。カシメ部13Cが硬化したら、ホーン30を上昇させる。
次に、スライダ60は、図11に示すように、受台20をVブロック51から退避する方向に向かって移動する。コンプライアンスユニット40の基準位置Rが受台20の中心O2よりも溝部52の外側に位置するまで受台20が移動すると、受台20の拘束が解放される(解放ステップ)。さらに、受台20をホーン30と干渉しない位置まで退避する方向に移動させ、受台20からレンズユニット10を取り外す(取り外しステップ)。そして、再び、ロボットアーム3によりレンズ枠13を把持して受台20に搬送する(搬送ステップに戻る)。
コンプライアンスユニット40を用い、かつ、Vブロック51を設けていない場合、ホーン30がレンズ枠13に接触した際、コンプライアンスユニット40が受台20の第2の中心O2に直交する面方向に移動してしまうため、受台20の位置再現性を確保することは難しい。
本実施形態のカシメ装置1及びカシメ方法によれば、受台20をVブロック51に当接させることにより、受台20の第2の中心O2とホーン30の第3の中心O3とが一致する位置関係が保持される。これにより、コンプライアンスユニット40を用いても、受台20の位置再現性を確保することができる。
さらに、レンズ枠13をカシメた後、Vブロック51から受台20を退避させ、受台20からレンズ枠13を取り外すことができる。これにより、部品誤差等により、レンズ枠13に個体差があり、レンズ枠13によって第1の中心O1の位置がズレていたとしても、受台20をVブロック51に当接させることにより、第2の中心O2と第3の中心O3とを一致させることができる。
さらに、コンプライアンスユニット40が基準位置Rに戻る機能を有しているため、Vブロック51とコンプライアンスユニット40の基準位置Rに戻る力とにより受台20の面方向の移動が拘束される。これにより、Vブロック51という簡易な形状で、受台20の面方向の移動を拘束することができる。
なお、受台20をホーン30及び位置決め部50に対して移動させたが、ホーン30及び位置決め部50を受台20に対して移動させる構成であってもよい。
また、受台20とVブロック51とは点接触としたが、受台20の形状やVブロック51の溝部52の形状によっては、面接触であってもよい。
また、スライダ60の移動機構は特に限定されないが、手動であってもよく、制御部に接続され、自動であってもよい。
また、固定部としてVブロック51を備えたが、形状はこれに限定されない。すなわち、受台20の面方向の移動を規制する形状であればよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図12から図16を用いて説明する。
本実施形態のカシメ装置100は、位置決め部70の構成において第1実施形態と異なる。
以降の説明において、上述したものと共通の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
位置決め部70は、図12に示すように、固定部(第2固定部)71と、Vブロック(第1固定部)72とを備えている。
固定部71は、四角柱形状である。固定部71は、図示しない固定板等に固定されており、位置が固定されている。固定部71の上方にはホーン30が設けられている。固定部71とホーン30の第3の中心O3との位置関係は不変である。
Vブロック72は、受台80を挟んで固定部71と反対側に配置されている。Vブロック72はスライダ60上に載置されている。
Vブロック72は、図13に示すように、V字状の溝部73を有している。溝部73は、第1面73aと、第2面73bとを有している。第1面73a及び第2面73bは、スライダ60のスライド方向D1に傾斜する面である。これにより、スライダ60のスライド方向D1に交差する方向への受台80の動きを規制することが可能である。
受台80は、図12に示すように、上記第1実施形態と同様に、凸部81と受け部82とを備えている。受け部82の外周部は、図13に示すように、固定部71と接触する平面部82aと、Vブロック72に対向する円弧部82bとを有している。受台80の平面部82aと、固定部71の平面部82aに対向する面71Aとは略平行である。
コンプライアンスユニット40が、外力を受けると、面方向における移動が可能であるため、コンプライアンスユニット40上に配置された受台80は、コンプライアンスユニット40の移動に追従して面方向における移動が可能である。
固定部71の受台80の平面部82aと対向する面71Aには、2つの回転ローラ71a,71bが配置されている。回転ローラ71a,71bを設けることにより受台80の平面部82aがスライダ60のスライド方向D1に直交する方向にスライドしやすい。
Vブロック72は、受台80に向かって移動し、受台80の受け部82の円弧部82bと当接可能であり、受台80を固定部71に向かって押し進めることが可能である。これにより、図15に示すように、受台80の平面部82aが固定部71の2つの回転ローラ71a,71bに当接し、受台80の円弧部82bがVブロック72の第1面73aと点P3で接触し、受台80の円弧部82bがVブロック72の第2面73bと点P4で接触することにより、受台20の第2の中心O2とホーン30の第3の中心O3とが一致する位置関係とするとともに、第2の中心O2に直交する面方向の移動を拘束して位置関係を保持する。
次に、このような構成のカシメ装置1を用いて、本実施形態のカシメ方法について説明する。
レンズ枠13を受台80に搬送する搬送工程と、レンズ枠13の凹部15を受台80の凸部81に嵌め込む嵌め込み工程とは第1実施形態と同様である。
次に、図13に示すように、スライダ60を固定部71に向かってスライドさせる。図14に示すように、受台80の平面部82aが2つの回転ローラ71a,71bに当接するまで、スライダ60をスライドさせる。受台80の平面部82aが2つの回転ローラ71a,71bに当接したら、Vブロック72を受台80に向かって押し進める。溝部73の第1面73aと受台80の円弧部82bとが点P3で接触する。このとき、溝部73の第2面73bは、受台80とは接触していない。さらに、Vブロック72を受台80に対して押し進めると、受台80の平面部82aが、2つの回転ローラ71a,71b上をスライドしながら、受台80は、下方(受台の円弧部82bが第2面73bに接触する方向:矢印D2方向)に移動し、図15に示すように、溝部73の第2面73bと受台80の円弧部82bとが点P4で接触する。
このようにして、受台80は、固定部71とVブロック72とに挟まれて固定される。これにより、受台80の第2中心O2に直交する面方向の移動が拘束され、受台80の第2の中心O2とホーン30の第3の中心O3とが一致する位置関係が保持される。
次に、第1実施形態と同様に、ホーン30により、レンズ枠13の第1端部13Aがカシメられる。Vブロック72は、受台80から離間し、スライダ60は、受台80を固定部71から退避する方向に向かって移動すると、受台80の拘束が解放される。第1実施形態と同様に受台80からレンズユニット10を取り外し、再びロボットアーム3によりレンズ枠13を把持して受台80に搬送する。
本実施形態のカシメ装置及びカシメ方法によれば、Vブロック72により受台80を固定部71に押し当てることにより受台80の面方向の移動が拘束され、受台80の第2の中心O2とホーン30の第3の中心O3とが一致する位置関係が保持される。これにより、コンプライアンスユニット40を用いても、受台80の位置再現性を確保することができる。
さらに、レンズ枠13をカシメた後、固定部71から受台80を退避させ、受台80からレンズユニット10を取り外すことができる。これにより、部品誤差等により、レンズ枠13に個体差があり、レンズ枠13によって第1の中心O1の位置がズレていたとしても、受台80を固定部71に当接させ、固定部71とVブロック72とにより受台80を挟み込むことにより、第2の中心O2と第3の中心O3とを一致させることができる。
なお、受台80をホーン30及び固定部71に対して移動させたが、ホーン30及び固定部71を受台20に対して移動させる構成であってもよい。
また、図16に示すように、固定部71に代えてVブロック(第1固定部)91が配置され、Vブロック72に代えて押し当て部(第2固定部)92が配置される構成であってもよい。Vブロック91が図示しない固定板等に固定され、押し当て部92がスライダ60に載置されている。押し当て部92は、受台80をVブロック91に向かって押し進めることが可能である。この構成の場合、Vブロック91に当接する受台80の受け部82の円弧部82bが円弧状であり、押し当て部92が当接する受台80の受け部82の平面部82aが平坦である。Vブロック91とホーン30との位置関係が不変であり、押し当て部92により受台80をVブロック91に押し当てることにより、受台80の面方向の移動が規制される。
また、固定部71が回転ローラ71a,71bを備える構成としたが、回転ローラ71a,71bは必ずしも設けられていなくてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
O1 レンズ枠の中心
O2 受台の中心
O3 ホーンの中心
1,100 カシメ装置
3 ロボットアーム
13 レンズ枠(ワーク)
20,80 受台
30 ホーン
40 コンプライアンスユニット
50 位置決め部
51 Vブロック(固定部)
71 固定部(第2固定部)
72 Vブロック(第1固定部)
91 Vブロック(第1固定部)
92 押し当て部(第2固定部)

Claims (8)

  1. ワークを把持して搬送するロボットアームと、
    前記ワークが嵌め込まれる受台と、
    前記受台に嵌合した前記ワークの端部を加熱及び押圧するホーンと、
    前記ロボットアームにて把持した前記ワークを前記受台へ嵌め込む際、前記ワークの第1の中心に前記受台の第2の中心が倣う位置に前記受台を移動可能に支持するコンプライアンスユニットと、
    前記コンプライアンスユニットを支持し前記コンプライアンスユニットを前記受台とともに移動可能なスライド部と、
    前記スライド部により移動した前記受台を、前記第2の中心と前記ホーンの第3の中心とが一致する位置に保持する位置決め部と、
    を備えるカシメ装置。
  2. 前記受台は、前記位置決め部から退避可能であり、
    前記ワークは、前記受台から取り外し可能である
    請求項1に記載のカシメ装置。
  3. 前記コンプライアンスユニットが、基準位置に戻る機能を有し、
    前記位置決め部は、前記受台と少なくとも2箇所で接触する固定部を有し、
    前記固定部と前記コンプライアンスユニットの前記基準位置に戻る力とにより前記受台を保持する
    請求項1または請求項2に記載のカシメ装置。
  4. 前記位置決め部は、
    前記受台と少なくとも2箇所で接触する第1固定部と、
    前記受台を挟んで前記第1固定部と反対側に配置された第2固定部とを有し、
    前記第1固定部と前記第2固定部とにより前記受台を保持する
    請求項1または請求項2に記載のカシメ装置。
  5. ロボットアームによりワークを把持して受台に搬送する搬送ステップと、
    前記ワークの第1の中心に前記受台の第2の中心が倣う位置に前記受台を移動可能に支持するコンプライアンスユニットを用いて前記受台に前記ワークを嵌め込む嵌め込みステップと、
    前記コンプライアンスユニットを前記受台とともに移動させる移動ステップと、
    位置決め部により、前記第2の中心と、前記受台に嵌合した前記ワークの端部を加熱及び押圧するホーンの第3の中心とが一致する位置に、前記受台を保持する保持ステップと、
    前記ワークの端部を加熱及び押圧するカシメステップと、
    を備えるカシメ方法。
  6. 前記カシメステップの後、
    前記位置決め部から前記受台を退避し、前記受台の拘束を解放する解放ステップと、
    前記受台から前記ワークを取り外す取り外しステップと、
    をさらに備える請求項5に記載のカシメ方法。
  7. 前記コンプライアンスユニットが、基準位置に戻る機能を有する場合、
    前記保持ステップにおいて、前記受台を前記受台と少なくとも2箇所で接触する固定部を用いて、
    前記コンプライアンスユニットの前記基準位置に戻る力により、前記受台が前記固定部に押し当てられることによって前記受台を保持する
    請求項5または請求項6に記載のカシメ方法。
  8. 前記保持ステップにおいて、
    前記受台と少なくとも2箇所で接触する第1固定部と、前記受台を挟んで前記第1固定部と反対側に配置された第2固定部とを用いて、
    前記第1固定部と前記第2固定部とにより前記受台を挟み込むことによって前記受台を保持する
    請求項5または請求項6に記載のカシメ方法。
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