本発明に係る遊技機および遊技用表示装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明に係る遊技機がスロットマシン1に適用された場合と本発明に係る遊技用表示装置が各遊技機に対応して設けられるデータ表示装置210に適用された場合の一例を説明する。なお、遊技用表示装置は、データ表示装置210に適用される場合だけでなく、遊技機に備えられる表示手段として適用するものであってもよい。たとえば、液晶表示器51とは異なる表示手段であってサブ制御部91により制御される表示手段であってもよいし、液晶表示器51において遊技に関する表示を行うものであってもよい。
[スロットマシン1の全体構造]
図1(a)は、本実施形態に係るデータ表示装置210の正面図であり、図1(b)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、図1(c)は、データ表示装置210およびスロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。図2は、リールの図柄配列を示す図である。
図1(a)に示すように、データ表示装置210はスロットマシン1ごとに設けられた遊技用表示装置の一種である。データ表示装置210は、スロットマシン1の上方の所定位置に設置されている。データ表示装置210は、演出装置の一種である大型のカラー液晶によるデータ表示部220、並びに、操作手段の一種であるデータ表示部220の右下に設けられた切替スイッチ230、および、データ表示部220の左下に設けられた呼出ボタン240などを備える。データ表示部220には、遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報などの各種の情報が表示される。切替スイッチ230は、データ表示部220に表示する情報を切り替えるためのスイッチである。呼出スイッチ240は、店員を呼び出すためのスイッチである。また、図示しないものの、データ表示装置210は店員を呼び出すためのLEDランプやスピーカなども備える。なお、データ表示装置210にタッチパネルを設け、タッチパネルを操作することでメニューの選択や定員の呼び出しを行うことができるようにしてもよい。
データ表示装置210は、スロットマシン1と通信可能に接続されており、スロットマシン1から送信される遊技情報を受信可能である。また、データ表示装置210は、店舗に設置された各遊技機の遊技情報を統括的に管理する図示しないホールコンピュータと通信可能に接続されており、ホールコンピュータから送信される店舗情報などを受信可能である。
図1(b)に示すように、スロットマシン1は、前面扉1bに液晶表示器51が設けられ、透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2Rが視認可能となる。図2に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
図1(b)に示すように、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、およびリプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
遊技用表示部13には、LEDランプを点灯することで後述する有利区間中であることを報知する有利区間報知ランプ19が設けられている。なお、遊技用表示部13上において有利区間報知ランプ19を示す表示は無くてもよい。あるいは、直接的に「有利区間報知ランプ」という文字が表示されてもよいし、たとえば、「チャンス」という文字のように点灯することによって遊技者にとって有利となることを示唆する文字が表示されてもよい。なお、本実施の形態においては、スタートスイッチ7の操作後においてウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウェイト中LEDが設けられていないが、このようなウェイト中LEDが設けられていてもよい。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図1(c)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、およびコマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。遊技制御基板40は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を制御するメイン制御部41を備える。演出制御基板90は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を制御するサブ制御部91を備える。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、ワークメモリとして使用されるRAM41c、プログラムに従って制御動作を行うメインCPU41aが内蔵されており、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、および精算スイッチ10が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がメイン制御部41に入力される。メイン制御部41は、これら各種スイッチからの検出信号に基づき、これら各種スイッチへの操作を検出する。メイン制御部41からは、遊技用表示部13に含まれる各種表示器を点灯制御あるいは表示制御するための制御信号が遊技用表示部13に出力される。遊技用表示部13に含まれる各種表示器は、メイン制御部41からの制御信号に基づき、点灯あるいは所定情報を表示する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に1チップマイクロコンピュータにて構成され、ワークメモリとして使用されるRAM91c、プログラムに従って制御動作を行うサブCPU91aが内蔵されており、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。演出用スイッチ56が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がサブ制御部91に入力される。サブ制御部91は、演出用スイッチ56からの検出信号に基づき、演出用スイッチ56への操作を検出する。サブ制御部91からは、液晶表示器51およびスピーカ53,54のそれぞれを制御するための制御信号が液晶表示器51およびスピーカ53,54のそれぞれに出力される。液晶表示器51は、サブ制御部91からの制御信号に基づき、所定情報を表示する。また、スピーカ53,54は、サブ制御部91からの制御信号に基づき、音声を出力する。なお、図1(b)は、あくまで一例であり、スロットマシン1の内部にはその他の構成も設けられている。
データ表示装置210には、制御部250が設けられている。制御部250は切替スイッチ230などの操作手段およびデータ表示部220などの演出装置に接続されている。また、データ表示装置210はスロットマシン1から送信される遊技情報、ホールコンピュータから送信される店舗情報、および切替スイッチ230などの操作手段を操作することで送られる各種コマンドに基づいて切替スイッチ230などの操作手段およびデータ表示部220などの演出装置を制御する。
データ表示装置210は、スロットマシン1から送信される遊技状態信号、演出信号、操作信号などの各種遊技に関する信号を受信可能である。遊技状態信号は、スロットマシン1の遊技状態がいずれの遊技状態で制御されているかを特定可能な信号である。演出信号はスロットマシン1において実行される演出について特定可能な信号である。操作信号は、スロットマシン1の各種操作手段のうちいずれの操作手段が操作されたかを特定可能な信号であって、操作手段が操作されたときに送信される信号である。
[内部抽選]
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選がメイン制御部41によって行われる。たとえば、メイン制御部41が備える乱数回路(図示省略)は、所定範囲(1〜65536)に属する判定値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している判定値を抽出する。そして、メイン制御部41は、抽出した判定値が抽選対象役ごとに予め定められた所定範囲に属する判定値に該当すれば、該当した抽選対象役の当選を決定する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAM41cの所定領域に設定される。たとえば、BBに当選したときには、BB当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役1の当選フラグとが設定される。BBの当選フラグについては、当選したBBが入賞するまで持ち越される一方、BB以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
[通常区間と有利区間]
スロットマシン1において行われる遊技の区間には、通常区間と有利区間とが含まれる。有利区間は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(押し順、操作タイミング)を遊技者に指示する指示機能に係る性能を持つ区間である。具体的に、有利区間は、AT(アシストタイム)やCZ(チャンスゾーン)といった有利状態に制御された区間である。
ATは、メイン制御部41によって制御され、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(押し順、操作タイミング)を遊技者に報知するナビ演出が実行される報知状態である。具体的に、メイン制御部41は、ATに制御する権利となるATゲームの付与に関するAT抽選を実行する。たとえば、メイン制御部41は、ATゲームを付与するか否か、およびATゲームを付与する場合の付与数(ATゲーム数)をAT抽選で決定する。AT抽選は、チェリー、およびスイカのいずれかに当選したことを契機に実行される。なお、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されることをAT当選と称し、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されないことを非AT当選と称する。
メイン制御部41は、AT抽選でAT当選した場合、付与したATゲーム数をRAM41cの所定領域に記憶する。そして、メイン制御部41は、記憶しているATゲーム数に亘って、ATに制御する。メイン制御部41は、AT中において押し順ベルや押し順リプレイといった押し順役に当選したときに、当選した押し順役に対応しかつ遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作態様をナビ演出によって報知する。よって、ATに制御されることで、遊技者は、メダルの純増枚数を増やし易くなる。なお、押し順役の種類に対応する操作手順であって、ナビ演出によって報知される手順のことを、正解手順と称する。一方、押し順役の種類に対応しない操作手順であって、ナビ演出によって報知されない手順のことを、不正解手順と称する。また、メイン制御部41は、AT中において、上乗せ抽選を実行することもある。上乗せ抽選とは、すでに付与済みのATゲーム数に上乗せしてATゲーム数を付与するための抽選である。上乗せ抽選においてATゲームを上乗せすることが決定されることを上乗せ当選とも称する。上乗せ抽選は、押し順ベル、チェリー、およびスイカのいずれかに当選したことを契機に実行される。上乗当選したときには、RAM41cに記憶されたATゲーム数に、付与されたATゲーム数が上乗せされる。
CZは、遊技者にとって有利な区間に制御された状態である。たとえば、CZ中においては、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される。具体的には、押し順ベルに当選したときに、正解手順を報知するナビ演出が実行される。このような、押し順ベル当選時に実行されるナビ演出をベルナビとも称する。また、CZ中においては、ATへの制御に関する有利度合いが通常(非CZ中)よりも高い有利状態となる。具体的には、CZ中においては非CZ中よりもAT当選する確率が高くなったり、AT当選したときに付与されるATゲーム数が多くなったりする。メイン制御部41は、CZに制御する権利となるCZゲームの付与に関するCZ抽選を実行する。たとえば、メイン制御部41は、CZゲームを付与するか否か、およびCZゲームを付与する場合の付与数(CZゲーム数)をCZ抽選で決定する。なお、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されることをCZ当選と称し、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されないことを非CZ当選と称する。なお、CZは、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される点で遊技者にとって有利であればよく、ATへの制御に関する有利度合いは通常と同じであってもよい。もちろん、CZは、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行され、かつATへの制御に関する有利度合いが通常よりも高くなる点で遊技者にとって有利であってもよい。
なお、CZは一つに限らず複数種類設けられていてもよい。この場合、いずれのCZにおいても、ATへの制御に関する有利度合いが通常よりも高くなるが、その有利度合いをCZの種類に応じて異ならせてもよい。
前述したように、「有利区間」には、ATのような報知状態に制御されている区間と、CZのような有利状態に制御されている区間とが含まれる。一方、ATおよびCZのいずれも制御されていない通常状態である区間を「通常区間」と称する。また、前述したCZ抽選は、有利区間に移行するための抽選であるため、「有利区間移行抽選」と称する。つまり、通常区間において有利区間移行抽選が行われ、有利区間移行抽選で当選した後、指示機能に係る性能を持つ有利区間に移行する。有利区間中においては「指示機能に係る処理」として、AT抽選や上乗せ抽選のような「指示機能に係る抽選」が行われる。
有利区間中においては、ATおよびCZのいずれであっても、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される。たとえば、中段ベルや右下がりベルが入賞することで最大払出枚数となる8枚のメダルが払い出される場合、CZ中やAT中においては、後述する押し順ベルに当選したときに、中段ベルや右下がりベルを入賞させるための正解手順がナビ演出によって報知される。
本実施形態におけるスロットマシン1は、不利RTと、リプレイの当選確率が不利RT中であるときよりも向上する有利RTとに制御することが可能である。有利RTへは、押し順リプレイ(昇格リプ)の入賞により制御される。押し順リプレイに当選し、操作手順に正解すると押し順リプレイに入賞する。不利RTへは、設定変更後に制御され、または、有利RTにおいて移行出目が導出されたときに制御される。移行出目は、押し順ベルである左ベル、中ベル、および右ベルのいずれかが当選し、入賞を取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。ATに制御されるとともに有利RTに制御された状態をARTと呼ぶ。
[コマンド]
メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドの一例について説明する。本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、押し順コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、遊技状態コマンド、AT当選コマンド、およびCZ当選コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、有利区間中において、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。たとえば、AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信され、非AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドは送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できない。なお、非AT中においては予め定められた標準手順(たとえば左第1停止)を特定可能な押し順コマンドが送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてリール2L,2C,2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、および該当するリールの停止位置の領域番号などを特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数などを特定可能なコマンドである。入賞判定コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態およびRTの種類、RTの残りゲーム数を特定可能なコマンドである。遊技状態コマンドは、ゲームの終了時に送信される。また、本実施の形態においては、遊技状態コマンドには、後述のカウントゲーム数およびカウント純増枚数を特定可能な情報、および後述のリミット処理が実行されるまでの残りゲーム数や残り純増枚数を特定可能な情報が含まれる。
AT当選コマンドは、AT抽選の結果およびATの開始タイミングを特定可能なコマンドである。
CZ当選コマンドは、CZ抽選の結果およびCZの開始タイミングを特定可能なコマンドである。
サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、およびリールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
[グループ化コマンド]
内部当選コマンドには、押し順ベルや押し順リプレイなどのナビ対象役が当選したときに送信されるコマンドとして、グループ化コマンドが含まれる。メイン制御部41は、以下の処理を実行することで、サブ制御部91にグループ化コマンドを送信する。
まず、各抽選対象役は、役の種類を特定可能な役番号がそれぞれ定められている。たとえば、左ベル1〜4はそれぞれ「14」〜「17」の役番号、中ベル1〜4はそれぞれ「18」〜「21」の役番号、右ベル1〜4はそれぞれ「22」〜「25」の役番号が定められている。また、リプレイGR1〜6はそれぞれ「32」〜「37」の役番号、リプレイGR11〜13はそれぞれ「38」〜「40」の役番号、リプレイGR21〜23はそれぞれ「41」〜「43」の役番号が定められている。
また、各抽選対象役は、同じ機能や役割を有する他の役とともにグループ化されており、グループ番号が定められている。たとえば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4は、操作手順に応じて主役(純増枚数を増加させる役)が入賞する機能を有する押し順ベルであるため、押し順ベルグループとしてまとめられている。つまり、役番号「14」〜「25」に対応する押し順ベルのそれぞれは、押し順ベルグループとしてまとめられている。また、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、およびリプレイGR21〜23は、操作手順に応じて遊技者にとって有利な役(たとえば、押し順リプレイや通常リプレイ、特殊リプレイなど)が入賞する機能を有する押し順リプレイであるため、押し順リプレイグループとしてまとめられている。つまり、役番号「32」〜「43」に対応する押し順リプレイのそれぞれは、押し順リプレイグループとしてまとめられている。
メイン制御部41は、内部抽選によっていずれかの抽選対象役に当選したときに、当選役に対応する役番号を特定する。メイン制御部41は、特定した役番号を用いてリール制御などのメイン側の処理を行う。また、メイン制御部41は、特定した役番号に基づき、所属するグループを特定する。そして、メイン制御部41は、特定したグループを特定可能なグループ化コマンドをサブ制御部91に対して送信する。たとえば、メイン制御部41は、特定したグループが押し順ベルグループであれば、押し順ベルグループを特定可能な役番号として「14」の情報をグループ化コマンドに含ませる。あるいは、メイン制御部41は、特定したグループが押し順リプレイグループであれば、押し順リプレイグループを特定可能な役番号として「32」の情報をグループ化コマンドに含ませる。
一例を挙げると、メイン制御部41は、内部抽選によって中ベル2が当選した場合、中ベル2に対応する役番号「19」を特定する。メイン制御部41は、特定した役番号「19」を用いてリール制御などのメイン側の処理を行う。また、メイン制御部41は、特定した役番号「19」がどのグループに属する役番号であるかをグループごとに順次判定する。メイン制御部41は、特定した役番号「19」が、押し順ベルグループに対応する役番号「14」〜「25」に属するか否かを判定したときには、役番号「19」が押し順ベルグループに対応する役番号「14」〜「25」に属すると特定する。そして、メイン制御部41は、押し順ベルグループを特定可能な役番号として「14」の情報をグループ化コマンドに含ませて、サブ制御部91にグループ化コマンドを送信する。
前述したようなグループ化コマンドは、当選役が属するグループを特定可能なコマンドであるが、具体的な役の種類までは特定できないコマンドである。このため、サブ制御部91は、メイン制御部41からグループ化コマンドを受信したとしても、操作手順(正解手順)までは特定できず、ナビ演出によって正解手順を報知することはできない。
そこで、メイン制御部41は、通常区間(非CZ中,非AT中)において内部抽選を実行した場合と、有利区間(CZ中,AT中)において内部抽選を実行した場合とで、それぞれ以下で説明するようにコマンドを送信する。
たとえば、メイン制御部41は、通常区間(非CZ中,非AT中)で実行した内部抽選において何らかの役に当選すると、グループ化コマンドをサブ制御部91に送信する一方で、操作手順(正解手順)を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に送信しない。このため、サブ制御部91は、通常区間において、グループ化コマンドに基づき当選役が属するグループを特定できるものの操作手順(正解手順)までは特定できず、ナビ演出によって正解手順を報知することはできない。このように、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたコマンドを手掛かりに、操作手順(正解手順)を報知できないようになっている。よって、不正によってサブ制御部91をコントロールすることで、通常区間であるにも関わらずナビ演出によって操作手順(正解手順)が報知できてしまうことを防止することできる。
一方、メイン制御部41は、有利区間(CZ中,AT中)で実行した内部抽選において何らかの役に当選すると、グループ化コマンドをサブ制御部91に送信するとともに、遊技補助表示器12を用いてナビ報知を行う場合に操作手順(正解手順)を特定可能な押し順コマンドをさらにサブ制御部91に送信する。このため、サブ制御部91は、有利区間において、グループ化コマンドに基づき当選役が属するグループを特定できるとともに、さらに押し順コマンドに基づき操作手順(正解手順)も特定でき、ナビ演出によって正解手順を報知することができる。このように、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されたコマンドを手掛かりに、操作手順(正解手順)を報知できるようになっている。このようにして、メイン制御部41は、有利区間における操作手順(正解手順)の報知を管理している。
また、前述したように、メイン制御部41は、通常区間および有利区間のいずれであっても、グループ化コマンドをサブ制御部91に送信し、有利区間(CZ中,AT中)である場合に限りさらに押し順コマンドをサブ制御部91に送信すればよいので、グループ化コマンドを送信する点では通常区間と有利区間とで処理を共通化することができる。
なお、上述した例に限らず、メイン制御部41は、通常区間においては、グループ化コマンドとともに予め定められた標準手順(たとえば左第1停止)を特定可能な押し順コマンドを送信してもよい。
また、上述した例に限らず、メイン制御部41は、有利区間においては、押し順コマンドを送信せずに、グループ化コマンドの代わりに各当選役を個別に特定可能な役番号を含ませたコマンドを送信してもよい。
チェリーやスイカなどのレア役についても、グループ化されていてもよく、メイン制御部41は、チェリーやスイカなどが当選したときには、当選役が属するグループを特定可能なグループ化コマンドをサブ制御部91に送信してもよい。
たとえば、弱チェリーと弱スイカとは「弱」が付くレア役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱チェリーおよび弱スイカのいずれが当選したときでも同じ弱レア役当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき弱レア役が当選したことを特定できれば弱レア役当選用の演出を実行することができる。同様に、強チェリーと強スイカとは「強」が付くレア役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、強チェリーおよび強スイカのいずれが当選したときでも同じ強レア役当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき強レア役が当選したことを特定できれば強レア役当選用の演出を実行することができる。
たとえば、弱チェリーと強チェリーとは「チェリー」役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱チェリーおよび強チェリーのいずれが当選したときでも同じチェリー当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づきチェリー役が当選したことを特定できればチェリー当選用の演出を実行することができる。同様に、弱スイカと強スイカとは「スイカ」役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱スイカおよび強スイカのいずれが当選したときでも同じスイカ当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づきスイカ役が当選したことを特定できればスイカ当選用の演出を実行することができる。
たとえば、弱チェリーが弱チェリー1と弱チェリー2とで分かれている場合、弱チェリー1と弱チェリー2とは「弱チェリー」役として同じグループに属していてもよい。また、強チェリーが強チェリー1と強チェリー2とで分かれている場合、強チェリー1と強チェリー2とは「強チェリー」役として同じグループに属していてもよい。サブ制御部91は、弱チェリー1および弱チェリー2のいずれが当選したときでも同じ弱チェリー当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき弱チェリー役が当選したことを特定できれば弱チェリー当選用の演出を実行することができる。また、サブ制御部91は、強チェリー1および強チェリー2のいずれが当選したときでも同じ強チェリー当選用の演出を実行するものであれば、グループ化コマンドに基づき強チェリー役が当選したことを特定できれば強チェリー当選用の演出を実行することができる。なお、スイカ役についても、弱スイカ役と強スイカ役とでグループを分けることでチェリー役と同じことが言える。
また、ボーナスなどの特別役についても、グループ化されていてもよく、メイン制御部41は、ボーナスなどが当選したときには、当選役が属するグループを特定可能なグループ化コマンドをサブ制御部91に送信してもよい。たとえば、全てのボーナスを一つにまとめてグループ化して、いずれのボーナスが当選したときでも共通のグループ化コマンドを送信してもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91がボーナスの種類に応じて異なる演出やナビ演出を実行するものであれば、ボーナスの種類に応じてボーナスをグループ化して、ボーナスの種類が特定可能なグループ化コマンドを送信してもよい。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる。
また、内部抽選処理においては、内部抽選が行われた後、当該内部抽選の結果に応じたコマンドを設定するための内部抽選時コマンド設定処理が実行される。メイン制御部41は、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し、いずれかの抽選対象役に当選したときには当該抽選対象役が属するグループを特定するための内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。たとえば、メイン制御部41は、左ベル、中ベル、および右ベルのいずれかに当選したときには、これらの役が属する押し順ベルのグループを特定可能な内部当選コマンドを送信する。なお、いずれの抽選対象役にも当選していないときには、はずれを特定するための内部当選コマンドが設定される。
メイン制御部41は、AT中においてナビ対象役に当選していると判定したときには、当該ナビ対象役に対応する正解手順を特定するための押し順コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、サブ制御部91側においては、押し順コマンドに基づきナビ演出が実行可能となる。
一方、メイン制御部41は、AT中でないか、あるいはナビ抽選対象役に当選していないときには、予め定められた標準手順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、サブ制御部91側において不正が行われた場合であっても正解手順を特定できないようにしつつ、内部当選コマンドから特定されるグループに応じた演出を実行することができる。
なお、メイン制御部41は、ナビ演出を実行する場合、遊技補助表示器12の各セグメントのうち、正解手順を特定可能となるように対応するセグメント(「8」を構成する第1〜第7セグメント)を点灯状態にするとともに、ナビ報知であるか否かを特定するためのセグメント(右下の「。」を構成する第8セグメント)を点灯状態にするためのナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。これにより、メイン制御部41側において正解手順を特定するためのナビ演出が実行可能となる。一方、メイン制御部41は、標準手順を報知、つまりナビ演出を実行しない場合には、遊技補助表示器12の全てのセグメント(第1〜第8セグメント)を消灯状態にするためのナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払い出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役などの当選フラグ)の消去など)が行われる。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム処理が開始する。
[ナビ演出について]
AT中は、当選状況に応じて、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(正解手順)を特定可能なナビ演出が実行される。AT中において、メイン制御部41は、遊技補助表示器12を用いて、内部抽選処理において当選したナビ対象役に応じた正解手順を特定可能な情報(たとえば、押し順)を報知するための処理を実行する。なお、遊技補助表示器12は、メダル払出枚数およびエラー時にエラーコードを表示するものでもある。
メイン制御部41は、AT中においてナビ対象役に当選したときには、当該ナビ対象役に応じた正解手順を特定可能な押し順コマンドを出力する。その結果、サブ制御部91は、押し順コマンドに基づきナビ演出を実行可能となる。AT中において、サブ制御部91は、液晶表示器51を用いて、押し順コマンドに応じた正解手順を特定可能な情報(たとえば、押し順)を報知するための処理を実行する。このように、メイン制御部41およびサブ制御部91双方において、正解手順を特定可能な情報を報知することによりナビ演出が実行される。
[透過性を有する画像の表示態様]
本実施の形態においては、第1表示状態と第2表示状態とを含む複数種類の表示状態があり、第1表示状態では第1表示内容が表示され、第2表示状態では第2表示内容が表示される。第1表示状態と第2表示状態の例としては、たとえば、非AT中とAT中が挙げられる。また、第1表示状態と第2表示状態の例としては、デモ表示中と通常背景表示中とが挙げられる。上述の1ゲーム分のゲーム処理が終了した後、遊技者が操作(たとえば、MAXBETスイッチ6の操作やメダル投入部4へのメダルの投入)を行わない状態が30秒継続すると、液晶表示器51の表示は、通常背景の画像表示(たとえば、図3(b)の表示)からデモ画像の表示(たとえば、図3(a)の表示)へと切り替わる。通常背景は、デモ表示中以外で表示されるものである。デモ表示中に遊技者が操作(たとえば、MAXBETスイッチ6の操作やメダル投入部4へのメダルの投入)をすると、再びデモ画像の表示から通常背景の画像表示へと切り替わる。本実施の形態において、図3(b)は、ゲーム終了後の表示状態を示す表示例である。ただし、ゲームが終了した時点では、まだ画面上には演出に関する設定を促す情報が表示されていない。遊技者が操作を行わない状態が所定秒数(たとえば、5秒)継続すると、画面上には演出に関する設定を促す情報が表示されて、図3(b)のような表示となる。遊技者が操作を行わない状態が30秒継続して図3(a)のデモ表示に切り替わるまで、図3(b)の表示状態が継続する。なお、第1表示内容および第2表示内容は、液晶表示器51に表示される表示内容であるが、これに限らず、複数のLEDによって表示されるドットによる表示や7セグなどによる表示などであってもよい。
液晶表示器51には、文字情報を表示するための透過性を有する画像(以下、「透過性を有する画像」を、「透過性画像」とも称する)が表示される。液晶表示器51においては、この透過性画像に文字情報が重なるように表示される。透過性画像は、遊技者などが視認したときに、透過することでその奥側にまた別の画像(以下、背面画像とも称する)が見えるかのように、液晶表示器51に表示される。第1表示状態における背面画像は第1表示内容を表す画像であり、第2表示状態における背面画像は第2表示内容を表す画像である。文字情報を含む透過性画像が、これら背面画像に仮に重なって表示された場合であっても、透過性画像の透過性によって、遊技者は背面画像を視認可能である。
透過性画像における透過性の度合いは、透過率で表し得る。たとえば、透過性画像の透過率が0%の場合、当該透過性画像は完全にその奥側を透過することがない。このため、透過性画像の透過率を0%にしてしまうと、当該透過性画像に重なった背面画像の部分を遊技者が視認不可能である。一方、透過性画像の透過率が100%の場合、当該透過性画像は完全にその奥側を透過する。しかし、透過性画像の透過率を100%にしてしまうと、背面画像が見えすぎてしまうことで当該背面画像と文字情報とが混在し、文字情報を遊技者が視認困難である。このため、本実施形態においては、背面画像および文字情報の両方の視認性を確保するために、透過性画像を半透明にする必要がある。半透明の透過率をnで表わした場合、半透明の透過率は0%<n<100%である。透過性画像の透過率は、背面画像、透過性画像、および文字情報における色相、彩度、および明度などに依存する。このため、透過性画像の透過率は、これらを考慮して、0%<n<100%の範囲内で設計される。特に本実施の形態においては、第1表示内容および第2表示内容といった背面画像が変化したとしても、共通して背面画像および文字情報の両方の視認性を確保できる透過率に設定される。
文字情報としては、演出に関する設定を促す情報がある。たとえば、メニュー表示を促すもの、音量調整を促すもの、輝度調整を促すもの、演出において登場するキャラクタの選択を促すものがある。また、文字情報としては、演出で用いるものがある。たとえば、キャラクタが発するセリフにより、非AT中にはAT当選を示唆し、AT中には上乗せ当選を示唆する「セリフ演出」がある。また、たとえば、有利な状態へ移行する際に、ストップスイッチ8L,8C,8Rの停止タイミングにより「7」の図柄を狙わせるような「7を狙え演出」がある。「7」の図柄が揃うことにより、有利状態(たとえば、ART、BB)に移行する。
また、第1表示状態と第2表示状態とでは、同じ態様で文字情報を表示させるとともに、同じ態様で透過性画像を表示させる。また、第1表示状態と第2表示状態とで、文字情報および透過性画像は同じ位置に表示する。また、文字情報の色は、透過性画像の色と識別可能な色で表示される。透過性画像と第1表示内容または第2表示内容との境界線の色は、透過性画像とは異なる色で表示される。
また、上記のように文字情報を透過性画像に重なるように表示させる場合には、同時に、キャラクタが音声を発するキャラクタ演出も実行可能となる。キャラクタ演出は、前半部分と後半部分で構成される。キャラクタ演出の前半部分では、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための表示領域が表示されるとともに特定音が出力される。特定音とは、キャラクタが音声を発する前に出力されるキャラクタ音声とは異なる音のことである。特定音は、キャラクタが音声を発するタイミングを分かりやすくするものである。キャラクタ演出の後半部分では、表示領域にキャラクタが発する音声に対応する字幕が表示されるとともにキャラクタが音声を発する演出が行われる。特定音は、「テローン」などの効果音であるが、これに限らず、セリフであってもよい。
前半部分は、スタートスイッチ7の操作により開始され、後半部分は、前半部分が開始されてから所定時間経過後(たとえば、1秒)に開始される。あるいは、スタートスイッチ7の操作により開始され、後半部分は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作(たとえば、第3停止操作)により開始される。キャラクタが発する音声に対応する字幕として表示されるのは、キャラクタが発する音声に対応する文字である。キャラクタが発する音声は、遊技者に、目押しをして7図柄を揃えることを促す音声である。
上記では、スロットマシン1の液晶表示器51での表示態様について説明した。遊技に関する表示を行うことが可能なデータ表示装置210のデータ表示器220についても、上記同様の表示が行われる。データ表示器220の表示状態においても、第1表示状態と第2表示状態とがある。たとえば、第1表示状態はデモ表示中であり、第2表示状態は通常背景表示中である。上記説明と同様に、第1表示状態および第2表示状態のいずれであっても、共通の文字情報を透過性画像に重なるように表示される。具体例は、図3〜図7で説明する。
[スロットマシンにおける表示態様(メニュー表示)]
図3は、スロットマシンにおいてメニュー表示を促すときの表示画面を示す図である。サブ制御部91は、スロットマシン1が第1表示状態であるデモ表示中であるときと、第2表示状態である通常背景表示中であるときとで、異なる表示を行う。図3(a)はデモ表示中である場合、図3(b)は通常背景表示中である場合の表示例を示す。
図3(a)は、スロットマシン1がデモ表示中である場合に、液晶表示器51においてメニュー表示を促すときの表示画面を示す図である。液晶表示器51には、第1表示内容80a、透過性画像80b、透過性画像と第1表示内容との境界線80c、および文字情報80dが表示されている。
第1表示内容80aとして、デモ表示中であることを示すデモ画像が表示されている。透過性画像80bは、半透明で表示されている。透過性画像80bには、文字情報80dとして「PUSHボタンでメニューを表示します」という文字が表示される。「PUSH」の部分は、演出用スイッチ56を示す画像である。文字情報80dは、演出用スイッチ56を押すことでメニュー表示が可能であることを示すものである。
また、本実施の形態では、透過性画像80bは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報80dは無彩色であって透過性画像80bと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線80cは無彩色であって透過性画像80bと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
このように、透過性画像80bの色を無彩色かつ単色としたのは、遊技中などの背景表示(第1表示内容80a、第2表示内容81a)の表示を邪魔しないためである。遊技中においては、遊技者を演出で楽しませることを目的として、背景表示にカラフルな有彩色を多用することが多い。デモ中においても、台をアピールするためにカラフルな有彩色を多用することが多い。透過性画像80bを有彩色にしてしまうと、これらの表示を邪魔してしまうため、無彩色かつ単色であることが望ましい。ただし、透過性画像80bの色は無彩色かつ単色に限らず、背景表示を邪魔しないような色であればどのようなものであってもよい。文字情報80dは、見やすくするために透過性画像80bと識別可能な色を用いるが、上記同様の理由により、無彩色であることが望ましい。境界線80cも、上記同様の理由により、無彩色であることが望ましい。ただし、第1表示内容80aとの境界線を特に強調させるような場合は、境界線を目立たせるために有彩色を用いるものであってもよい。
なお、本実施の形態においては、第1表示内容80aと透過性画像80bは重なっていないため、この場合は、透過性画像80bが半透明でなくとも第1表示内容80aの視認性が阻害されることがない。しかし、後述の図3(b)で示す通常背景表示中に状態が遷移したときに、表示内容が透過性画像と重なってしまうため、このように、透過性画像を半透明にしている。なお、第1表示状態および第2表示状態のいずれにおいても、表示内容と透過性画像とが重なる例については、後述の図5〜図7において説明する。
図3(b)は、スロットマシン1が通常背景表示中である場合に、液晶表示器51においてメニュー表示を促すときの表示画面を示す図である。液晶表示器51には、第2表示内容81a、文字情報を表示するための透過性画像81b、透過性画像81bと第2表示内容との境界線81c、および文字情報81dが表示されている。
第2表示内容81aとして、現在の表示状態が通常背景表示中であることを示す画像が表示されている。通常背景表示中である場合には、図に示すように太陽と海の画像が表示される。透過性画像81bは、第2表示内容である太陽と海の画像部分を視認可能なように、半透明で表示されている。透過性画像81bには、文字情報81dとして「PUSHボタンでメニューを表示します」という文字が表示される。「PUSH」の部分は、演出用スイッチ56を示す画像である。文字情報81dは、演出用スイッチ56を押すことでメニュー表示が可能であることを示すものである。
また、本実施の形態では、透過性画像81bは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報81dは無彩色であって透過性画像81bと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線81cは無彩色であって透過性画像81bと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
図3(a)における第1表示状態であるデモ表示中であるときと、図3(b)における第2表示状態である通常背景表示中であるときとを比較すると、次の通りになる。表示内容は、デモ表示中と通常背景表示中では、デモ画像を表示するものと太陽と海を表示するものとで異なる。これに対し、デモ表示中と通常背景表示中とでは、文字情報および透過性画像は同じ位置に表示されている。また、文字情報および透過性画像は、同じ態様で表示されている。すなわち、文字情報の文字内容、表示色、表示フォントなどの表示態様は同一であり、透過性画像の大きさ、形、色などの表示態様は同一である。このようにすることで、どのような表示内容であっても、表示内容の視認性を阻害することなく文字情報が表示可能であり、文字情報および透過性画像の位置や態様を変更しないことで、データ容量や処理負担が低減されるとともに、遊技者にとってわかりやすい。
本実施の形態では、たとえば、図3(b)で説明したように、共通の文字情報81d「PUSHボタンでメニューを表示します」を透過性画像81bに重なるように表示している。本実施の形態では、文字情報81dおよび透過性画像81bは、1つの画像として扱っている。図3(b)のように、文字情報81dおよび透過性画像81bを表示させる処理を行う場合には、1つの画像として格納されている画像データを取得して表示させている。しかし、これに限らず、次のようにしてもよい。
図3(c)に示すように、共通の文字情報81d「PUSHボタンでメニューを表示します」を1つの画像として格納されている画像データとして取得する。また、透過性画像81bを1つの画像として格納されている画像データとして取得する。次に、取得したこれらの画像データを重ねる画像処理を行うことで、文字情報81dおよび透過性画像81bを1つの画像とする画像ファイルを生成する。このようにして生成した画像ファイルを液晶表示器51に表示させる表示処理を行う。
[データ表示装置における表示態様(切替操作)]
図4は、データ表示装置220において切替操作を促すときの表示画面を示す図である。制御部250は、スロットマシン1およびホールコンピュータから送られる各種信号に基づいて、データ表示部220に表示される演出を制御する。データ表示部220には、店舗の営業が開始されてから通信可能なスロットマシン1において、各種情報の表示を行う。
制御部250は、第1表示状態であるときと、第2表示状態であるときとで、異なる表示を行う。図4(a)はスロットマシン1がデモ表示中であるときのデータ表示装置220の表示例、図4(b)はスロットマシン1が通常背景表示中であるときのデータ表示装置220の表示例を示す。具体的には、スロットマシン1がデモ表示中には「ご来店ありがとうございます」などの遊技者に対するお知らせなどを表示し、スロットマシン1が通常背景表示中にはBB当選回数、ARTへの制御回数、現在のゲーム数、および前日の大当り回数などを表示する。
図4(a)は、スロットマシン1がデモ表示中である場合に、データ表示装置220において切替操作を促すときの表示画面を示す図である。切替操作は、演出に関する設定をする操作である。たとえば、ゲーム数と出玉との関係を示す折れ線グラフなどが表示される。データ表示装置220には、第1表示内容220a、透過性画像220b、透過性画像と第1表示内容との境界線220c、および文字情報220dが表示されている。
第1表示内容220aとして、「ご来店ありがとうございます」などの遊技者に対するお知らせが表示されている。透過性画像220bは、半透明で表示されている。透過性画像220bには、文字情報220dとして「「切替」で画面を切り替え」という文字が表示されている。文字情報220dは、切替スイッチ230を押すことで現在の表示画面から別の画面へ切り替えが可能であることを示すものである。
また、本実施の形態では、透過性画像220bは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報220dは無彩色であって透過性画像220bと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線220cは無彩色であって透過性画像220bと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
図4(b)は、スロットマシン1が通常背景表示中である場合に、データ表示装置220において切替操作を促すときの表示画面を示す図である。データ表示装置220には、第2表示内容221a、文字情報を表示するための透過性画像221b、透過性画像221bと第2表示内容との境界線221c、および文字情報221dが表示されている。
第2表示内容221aとして、ARTへの制御回数などの遊技情報が表示されている。透過性画像221bは、第2表示内容221aを視認可能なように、半透明で表示されている。ここでは、第2表示内容221aのうち「前日の大当り回数 27回」を表示する画像が透過性画像221と重なっている。透過性画像221bには、文字情報221dとして「「切替」で画面を切り替え」という文字が表示されている。
また、本実施の形態では、透過性画像221bは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報221dは無彩色であって透過性画像221bと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線221cは無彩色であって透過性画像221bと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
図4(a)における第1表示状態であるときと、図4(b)における第2表示状態であるときとを比較すると、次の通りになる。デモ表示中での第1表示内容と通常背景表示中での第2表示内容とでは異なる。これに対し、デモ表示中と通常背景表示中とでは、文字情報および透過性画像は同じ位置に表示されている。また、文字情報および透過性画像は、同じ態様で表示されている。すなわち、文字情報の文字内容、表示色、表示フォントなどの表示態様は同一であり、透過性画像の大きさ、形、色などの表示態様は同一である。このようにすることで、どのような表示内容であっても、表示内容の視認性を阻害することなく文字情報が表示可能であり、文字情報および透過性画像の位置や態様を変更しないことで、データ容量や処理負担が低減されるとともに、遊技者にとってわかりやすい。
[スロットマシンにおける表示態様(セリフ演出)]
図5は、スロットマシンにおいてセリフ演出をするときの表示画面の遷移を示す図である。サブ制御部91は、スロットマシン1が第1表示状態である非AT中であるときと、第2表示状態であるAT中であるときとで、異なる表示を行う。図5(a)〜(c)は、スロットマシン1が非AT中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面の遷移を示す図である。図5(d)〜(f)は、スロットマシン1がAT中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面の遷移を示す図である。
図5(a)は、スロットマシン1が非AT中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面を示す図である。図5(a)〜(c)において、液晶表示器51には、第1表示内容82a、透過性画像82c、透過性画像82cと第1表示内容82aとの境界線82d、キャラクタ82e、および文字情報82fが表示されている。スピーカ53,54からは、特定音82b、およびキャラクタ音声82gが出力される。非AT中において、第1表示内容82aとして太陽と海の画像が表示されている。
図5(b)は、セリフ演出(キャラクタ演出)における前半部分を説明する図である。非AT中において、スタートスイッチ7の操作(開始操作)がされると内部抽選が行われる。内部抽選によりチェリーなどのレア役に当選すると、AT抽選が行われる。ここではAT抽選においてAT当選したとする。AT抽選が実行されると、AT当選を示唆するセリフ演出が行われる。まず、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための透過性画像82cが表示されるとともに特定音82b「テローン」が出力される。透過性画像82cは、第1表示内容82aの画像部分を視認可能なように、半透明で表示されている。
さらに、ストップスイッチ8L,8C,8Rにより第3停止操作が行われると、図5(c)に示す図のように遷移する。透過性画像82cには、キャラクタ82eが表示されるとともに、文字情報82fとして「激熱」というキャラクタが発する音声に対応する字幕が表示される。さらに、スピーカ53,54からは、キャラクタが発する音声に対応する字幕に対応するキャラクタ音声82g「激熱」という音声が出力される。
また、本実施の形態では、透過性画像82cは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報82fは無彩色であって透過性画像82cと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線82dは無彩色であって透過性画像82cと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
図5(d)は、スロットマシン1がAT中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面を示す図である。図5(d)〜(f)において、液晶表示器51には、第2表示内容83a、透過性画像83c、透過性画像と第2表示内容との境界線83d、キャラクタ83e、および文字情報83fが表示されており、スピーカ53,54からは、特定音83b、およびキャラクタ音声83gが出力される。非AT中において、第2表示内容83aとして山と星の画像が表示されている。
図5(e)は、セリフ演出(キャラクタ演出)における前半部分を説明する図である。AT中において、スタートスイッチ7の操作(開始操作)がされると内部抽選が行われる。ここでは、押し順ベルに当選したことを契機に上乗せ抽選が行われ、上乗せ当選したとする。上乗せ抽選が実行されると、上乗せ当選を示唆するセリフ演出が行われる。まず、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための透過性画像83cが表示されるとともに特定音83b「テローン」が出力される。透過性画像83cは、第2表示内容83aの画像部分を視認可能なように、半透明で表示されている。また、このとき、正解手順を示す画像が画面下部に表示される。具体的には、ストップスイッチ8Rを第1停止し、ストップスイッチ8Cを第2停止し、ストップスイッチ8Rを第3停止するように促す表示が行われている。
さらに、ストップスイッチ8L,8C,8Rにより第3停止操作が行われると、図5(f)に示す図のように遷移する。透過性画像83cには、キャラクタ83eが表示されるとともに、文字情報83fとして「激熱」というキャラクタが発する音声に対応する字幕が表示される。さらに、スピーカ53,54からは、キャラクタが発する音声に対応する字幕に対応するキャラクタ音声83g「激熱」という音声が出力される。
また、本実施の形態では、透過性画像83cは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報83fは無彩色であって透過性画像83cと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線83dは無彩色であって透過性画像83cと異なる色(薄い灰色)で表示されている。また、画面の下部の正解手順を示す「3」、「2」、「1」は、停止操作により、刀で切りつけられたような画像に変化している。
図5(a)〜(c)における第1表示状態である非ATであるときと、図5(d)〜(f)における第2表示状態であるAT中であるときとを比較すると、次の通りになる。表示内容は、非AT中とAT中とでは、太陽と海を表示するものと山と星を表示するものとで異なる。これに対し、非AT中とAT中とでは、文字情報および透過性画像は同じ位置に表示されている。また、文字情報および透過性画像は、同じ態様で表示されている。すなわち、文字情報の文字内容、表示色、表示フォントなどの表示態様は同一であり、透過性画像の大きさ、形、色などの表示態様は同一である。このようにすることで、どのような表示内容であっても、表示内容の視認性を阻害することなく文字情報が表示可能であり、文字情報および透過性画像の位置や態様を変更しないことで、データ容量や処理負担が低減されるとともに、遊技者にとってわかりやすい。
[スロットマシンにおける表示態様(7を狙え演出)]
図6は、スロットマシンにおいて7を狙え演出をするときの表示画面の遷移を示す図である。サブ制御部91は、スロットマシン1が第1表示状態である準備中であるときと、第2表示状態であるART中であるときとで、異なる表示を行う。図6(a)〜(c)は、スロットマシン1が準備中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面の遷移を示す図である。図6(d)〜(f)は、スロットマシン1がART中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面の遷移を示す図である。
図6(a)は、スロットマシン1が準備中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面を示す図である。ここで、準備中とは、不利RT中において既にAT当選しているが有利RTには遷移していない状態を指す。このとき、遊技者に不利にならないようにナビ演出を行う。具体的には、押し順ベルに当選したときは、ナビ演出を行うことによって押し順ベル入賞をさせる。これにより、遊技者は、メダルを減らすことなく、有利RTへの遷移を待つことができる。昇格リプ(本実施の形態においては7図柄揃いで入賞)に当選し、押し順に正解すると昇格リプに入賞する。これにより、有利RTへ昇格する(ARTに制御される)。
図6(a)〜(c)において、液晶表示器51には、第1表示内容84a、透過性画像84c、透過性画像84cと第1表示内容との境界線84d、キャラクタ84e、および文字情報84fが表示されており、スピーカ53,54からは、特定音84b、およびキャラクタ音声84gが出力される。非AT中において、第1表示内容84aとして太陽と海の画像が表示されている。
図6(b)は、セリフ演出(キャラクタ演出)における前半部分を説明する図である。準備中において、スタートスイッチ7の操作がされ昇格リプに当選したとする。このとき、正解手順を示す画像が第1表示内容84a上に表示される。具体的には、ストップスイッチ8Rを第1停止し、ストップスイッチ8Cを第2停止し、ストップスイッチ8Rを第3停止するように促す表示が行われている。
正解手順で操作を行うとともに、7図柄を狙って揃うと、昇格リプに入賞する。これにより、準備期間が終了して次ゲームからARTに制御される。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rのタイミングを狙った目押し操作により、赤7で停止させることを促す「7を狙え」演出(セリフ演出)が行われる。まず、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための透過性画像84cが表示されるとともに特定音84b「ジャキーン」が出力される。透過性画像84cは、第1表示内容84aの画像部分を視認可能なように、半透明で表示されている。
次に、図6(c)に示す図のように遷移する。透過性画像84cには、キャラクタ84eが表示されるとともに、文字情報84fとして「7を狙え」というキャラクタが発する音声に対応する字幕が表示される。ここで、「7」は赤文字で表示されている。さらに、スピーカ53,54からは、キャラクタが発する「赤7を狙え」という音声が出力される。
また、本実施の形態では、透過性画像84cは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報84fは無彩色であって透過性画像84cと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線84dは無彩色であって透過性画像84cと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
図6(d)は、スロットマシン1がART中である場合に、液晶表示器51においてセリフ演出をするときの表示画面を示す図である。ART中にチェリー、およびスイカのいずれかに当選すると、上乗せ特化ゾーンへ制御されるか否かの抽選が行われる。上乗せ特化ゾーンへの制御が決定し、上乗せ特化ゾーンに制御されると、通常のART中よりもさらに高い確率でATゲーム数が付与されるようになる。図6(d)〜(f)では、ART中に上乗せ特化ゾーンへの制御が決定されたときに実行される7を狙え演出について説明する。
図6(d)〜(f)において、液晶表示器51には、第2表示内容85a、透過性画像85c、透過性画像85cと第2表示内容85aとの境界線85d、キャラクタ85e、および文字情報85fが表示されており、スピーカ53,54からは、特定音85b、およびキャラクタ音声85gが出力される。ART中において、第2表示内容85aとして山と星の画像が表示されている。
図6(e)は、セリフ演出(キャラクタ演出)における前半部分を説明する図である。ART中において、スタートスイッチ7の操作(開始操作)がされると内部抽選が行われる。ここでは、内部抽選によりチェリーに当選し、上乗せ特化ゾーンへ制御されるか否かの抽選が行われたとする。さらに、上乗せ特化ゾーンへ制御が決定したとする。これにより、次ゲームより上乗せ特化ゾーンに制御される。このとき、正解手順を示す画像が第1表示内容84a上に表示される。具体的には、ストップスイッチ8Rを第1停止し、ストップスイッチ8Cを第2停止し、ストップスイッチ8Rを第3停止するように促す表示が行われている。
また、ストップスイッチ8L,8C,8Rのタイミングを狙った目押し操作により、赤7で停止させることを促す「7を狙え」演出(セリフ演出)が行われる。まず、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための透過性画像85cが表示されるとともに特定音85b「ジャキーン」が出力される。透過性画像85cは、第2表示内容85aの画像部分を視認可能なように、半透明で表示されている。
次に、図6(f)に示す図のように遷移する。透過性画像85cには、キャラクタ85eが表示されるとともに、文字情報85fとして「7を狙え」というキャラクタが発する音声に対応する字幕が表示される。ここで、「7」は赤文字で表示されている。さらに、スピーカ53,54からは、キャラクタが発する「赤7を狙え」という音声が出力される。
また、本実施の形態では、透過性画像85cは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報85fは無彩色であって透過性画像85cと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線85dは無彩色であって透過性画像85cと異なる色(薄い灰色)で表示されている。なお、狙う図柄は、「7図柄揃い」に限らず、「BAR図柄揃い」、チェリー当選時の「チェリー図柄」の停止、押し順ベル当選時の「ベル図柄揃い」、押し順リプ当選時の「昇格リプレイの図柄揃い」であってもよい。また、7を狙うような操作タイミングを促す音声に限らず、押し順を促す音声であってもよいし、操作タイミングと押し順の両方を促す音声であってもよい。
図6(a)〜(c)における第1表示状態である準備中であるときと、図6(d)〜(f)における第2表示状態であるART中であるときとを比較すると、次の通りになる。表示内容は、準備中とART中とでは、太陽と海を表示するものと山と星を表示するものとで異なる。これに対し、準備中とART中とでは、文字情報および透過性画像は同じ位置に表示されている。また、文字情報および透過性画像は、同じ態様で表示されている。すなわち、文字情報の文字内容、表示色、表示フォントなどの表示態様は同一であり、透過性画像の大きさ、形、色などの表示態様は同一である。このようにすることで、どのような表示内容であっても、表示内容の視認性を阻害することなく文字情報が表示可能であり、文字情報および透過性画像の位置や態様を変更しないことで、データ容量や処理負担が低減されるとともに、遊技者にとってわかりやすい。
[主な効果]
以上のように、本実施の形態においては、図3(a),(b)に示すように、デモ表示中および通常背景表示中のいずれにおいても、文字情報80d,81dを透過性画像80b,81に重なるように表示するため、表示内容の視認性を阻害することなく文字情報を見やすく表示することができる。
また、図4(a),(b)に示すように、デモ表示中および通常背景表示中のいずれにおいても、文字情報220d,221dを透過性画像220b,221bに重なるように表示するため、表示内容の視認性を阻害することなく文字情報を見やすく表示することができる。
また、図3(a)におけるデモ表示中であるときと、図3(b)における通常背景表示中であるときとで、文字情報80d,81dの表示内容、表示色、表示フォントなどの表示態様は同一であり、透過性画像80b,81bの大きさ、形、色などの表示態様は同一である。このため、文字情報および透過性画像に必要なデータ容量や表示処理における処理負担を低減することができる。
また、図4(a)におけるデモ表示中であるときと、図4(b)における通常背景表示中であるときとで、文字情報220d,221dの表示内容、表示色、表示フォントなどの表示態様は同一であり、透過性画像220b、221bの大きさ、形、色などの表示態様は同一である。このため、文字情報および透過性画像に必要なデータ容量や表示処理における処理負担を低減することができる。
また、図3(a)におけるデモ表示中であるときと、図3(b)における通常背景表示中であるときとで、文字情報80d,81dおよび透過性画像80b,81bは同じ位置に表示されている。このように、文字情報および透過性画像は表示状態に関わらず同じ位置に表示されるので、遊技者にとってわかりやすい。
また、図4(a)におけるデモ表示中であるときと、図4(b)における通常背景表示中であるときとで、文字情報220d,221dおよび透過性画像220b、221bは同じ位置に表示されている)。このように、文字情報および透過性画像は表示状態に関わらず同じ位置に表示されるので、遊技者にとってわかりやすい。
また、図3(a)に示すように、透過性画像80bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、文字情報80dは無彩色である白色で表示されている。図3(b)に示すように、透過性画像81bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、文字情報81dは無彩色である白色で表示されている。このように、文字情報の色は、透過性画像の色と識別可能な色であるため、遊技者にとって文字情報が見やすい。
また、図4(a)に示すように、透過性画像220bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、文字情報220dは無彩色である白色で表示されている。図4(b)に示すように、透過性画像221bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、文字情報221dは無彩色である白色で表示されている。)。このように、文字情報の色は、透過性画像の色と識別可能な色であるため、遊技者にとって文字情報が見やすい。
また、図3(a)に示すように、透過性画像80bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、境界線80cは無彩色である薄い灰色で表示され、図3(b)に示すように、透過性画像81bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、境界線81cは無彩色である薄い灰色で表示されている。このように、透過性画像と表示内容との境界線の色は、当該透過性画像と異なる色であるため、遊技者にとって透過性画像と表示内容との境界線がわかりやすい。
また、図4(a)に示すように、透過性画像220bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、境界線220cは無彩色である薄い灰色で表示され、図4(b)に示すように、透過性画像220bは無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、境界線220cは無彩色である薄い灰色で表示されている。このように、透過性画像と表示内容との境界線の色は、当該透過性画像と異なる色であるため、遊技者にとって透過性画像と表示内容との境界線がわかりやすい。
また、図3(a)における文字情報80d「PUSHボタンでメニューを表示します」、図3(b)における文字情報81d「PUSHボタンでメニューを表示します」は演出に関する設定を促す情報であるため、遊技者にとって演出に関する設定ができることがわかりやすい。
また、図4(a)における文字情報220d「「切替」で画面を切り替え」、図4(b)における文字情報221d「「切替」で画面を切り替え」は演出に関する設定を促す情報であるため、遊技者にとって演出に関する設定ができることがわかりやすい。
また、図5に示したように、音声に対応する字幕によってキャラクタが発する音声をわかりやすくしつつ、キャラクタ82eが音声を発する前に特定音82b「テローン」を出力させるため、キャラクタが音声を発する前に、特定音の出力により、遊技者に注目させることができる。
また、図6に示したように、音声に対応する字幕によってキャラクタが発する音声をわかりやすくしつつ、キャラクタ84eが音声を発する前に特定音84b「ジャキーン」を出力させるため、キャラクタが音声を発する前に、特定音の出力により、遊技者に注目させることができる。
また、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための図5の透過性画像82cが表示されるとともに図5(b),(e)の特定音が出力される前半部分と、当該表示領域に当該キャラクタが発する音声に対応する字幕が表示されるとともにキャラクタが音声を発する図5(c),(f)の後半部分とを含んで構成される。このように、音声に対応する字幕によってキャラクタが発する音声をわかりやすくしつつ、キャラクタ演出によってキャラクタが音声を発する前に、表示領域が表示されるとともに当該音声とは異なる特定音が出力されるため、キャラクタが音声を発する前に、表示領域の表示および特定音の出力により、遊技者に注目させることができる。
また、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための図6の透過性画像84cが表示されるとともに図6(b),(e)の特定音が出力される前半部分と、当該表示領域に当該キャラクタが発する音声に対応する字幕が表示されるとともにキャラクタが音声を発する図6(c),(f)の後半部分とを含んで構成される。このように、音声に対応する字幕によってキャラクタが発する音声をわかりやすくしつつ、キャラクタ演出によってキャラクタが音声を発する前に、表示領域が表示されるとともに当該音声とは異なる特定音が出力されるため、キャラクタが音声を発する前に、表示領域の表示および特定音の出力により、遊技者に注目させることができる。
また、キャラクタ演出は、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための表示領域が表示されるとともに特定音が出力される前半部分は、図6(b)に示すようにスタートスイッチ7の操作により開始され、当該表示領域に当該キャラクタが発する音声に対応する字幕が表示されるとともにキャラクタが音声を発する後半部分は、図6(c)に示すように前半部分が開始されてから1秒後に開始される。このように、音声に対応する字幕によってキャラクタが発する音声をわかりやすくしつつ、キャラクタ演出によってキャラクタが音声を発する前に、表示領域が表示されるとともに当該音声とは異なる特定音が出力されるため、キャラクタが音声を発する前に、表示領域の表示および特定音の出力により、遊技者に注目させることができる。
また、キャラクタ演出は、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための表示領域が表示されるとともに特定音が出力される前半部分は、図5(b)に示すようにスタートスイッチ7の操作により開始され、当該表示領域に当該キャラクタが発する音声に対応する字幕が表示されるとともにキャラクタが音声を発する後半部分は、図5(c)に示すようにストップスイッチ8L,8C,8Rの第3停止操作により開始される。このように、音声に対応する字幕によってキャラクタが発する音声をわかりやすくしつつ、キャラクタ演出によってキャラクタが音声を発する前に、表示領域が表示されるとともに当該音声とは異なる特定音が出力されるため、キャラクタが音声を発する前に、表示領域の表示および特定音の出力により、遊技者に注目させることができる。
また、図5(c)に示すように、キャラクタ82eが発するキャラクタ音声82g「激熱」がそのまま文字情報82f「激熱」として表示される。このように、キャラクタが発する音声に対応する文字とキャラクタが発する音声に対応する字幕が一致するため、遊技者にとってキャラクタが発する音声の内容が理解しやすい。
また、図6(c)に示すように、キャラクタ84eが発するキャラクタ音声84g「赤7を狙え」がそのまま文字情報84f「7(赤7)を狙え」として表示される。このように、キャラクタが発する音声に対応する文字とキャラクタが発する音声に対応する字幕が一致するため、遊技者にとってキャラクタが発する音声の内容が理解しやすい。
また、図6(c)に示すように、キャラクタ84eが発するキャラクタ音声84g「赤7を狙え」は、「赤7−赤7−赤7」図柄を揃えることを促す音声であるため、遊技の興趣が向上する。
また、図6(c)に示すように、キャラクタ84eが発するキャラクタ音声84g「赤7を狙え」は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作を促す音声であるため、遊技の興趣が向上する。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[キャラクタ演出について]
本実施の形態においては、図5に示したように、キャラクタ演出の前半部分が開始された後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rにより第3停止操作が行われると、キャラクタ演出の後半部分が開始されるようにした。しかし、これに限らず、第1停止操作であってもよく、第2停止操作であってもよい。
本実施の形態においては、図6に示したように、キャラクタ演出の前半部分が開始された後、1秒が経過すると、キャラクタ演出の後半部分が開始されるようにした。しかし、これに限らず、経過時間は0秒であっても、2秒であってもよく、遊技者に予告できるものであれば、どのようなタイミングであってもよい。
本実施の形態においては、図5に示したように、キャラクタ音声82g「激熱」とキャラクタ音声82gに対応する字幕「激熱」は一致するようにした。しかし、これに限らず、キャラクタ音声とキャラクタ音声に対応する字幕は、一致させなくてもよい。たとえば、キャラクタ音声は「チャンスだ」とし、キャラクタ音声に対応する字幕が「チャンス」とするようにしてもよい。
本実施の形態においては、図5に示したように、特定音82b「テローン」が出力された後にキャラクタ音声82g「激熱」という音声が出力されるようにした。特定音は、キャラクタが音声を発するタイミングを分かりやすくするものである。よって、特定音の種類と登場するキャラクタとの関連性や、または特定音の種類と登場するセリフとの関連性はない。しかし、これに限らず、特定音の種類と登場するキャラクタとを関連付け、特定音の種類と登場するセリフとを関連づけるようにしてもよい。たとえば、特定音Aが出力されたときは男性キャラクタが登場する、または登場する確率が高いようにする。男性キャラクタは、ゲーム性を説明するようなセリフを言う。また、特定音Bが出力されたときは女性キャラクタが登場する、または登場する確率が高いようにする。女性キャラクタは、AT当選などの当選の期待度が高いことを示唆するようなセリフを言う。たとえば、期待度が高い順に「激熱!」、「熱い!」、「チャンス!」のセリフを言わせるようにする。また、演出がさらに発展することで期待度が高まる発展演出を行うときには、「発展」のセリフを言わせるようにする。このようにすることで、遊技者は、特定音Bが出力されることで女性キャラクタが登場することを予測し、女性キャラクタが登場すると、そのセリフによってAT当選などの当選の期待度が高いことを予測することができる。
[表示態様について]
本実施の形態においては、図3などで示したように、第1表示状態と第2表示状態とでは、文字情報および透過性画像は同じ位置に表示されるとともに同じ態様で表示されるようにした。しかし、文字情報および透過性画像は異なる位置に表示されるものであってもよく、文字情報および透過性画像は異なる態様で表示されるものであってもよい。
本実施の形態においては、図5および図6に示したように、透過性画像は無彩色かつ単色である濃い灰色で表示され、文字情報は無彩色である白色で表示され、境界線は無彩色である薄い灰色で表示されるようにした。しかし、これに限らず、透過性画像と文字情報とは、互いに識別可能な色であれば任意の色であってもよい。
本実施の形態においては、図3(a)における文字情報80dは、「PUSHボタンでメニューを表示します」のようにメニュー表示を促す情報としたが、これに限らず、次のようなものであってもよい。たとえば、音量調整、画面の輝度調整、演出で登場するキャラクタのキャラクタ選択などを促す説明をするものであってもよい。また、図5および図6で示したように、セリフ演出や7を狙え演出で用いられるものとしたが、これに限らず、演出で用いられるようなセリフなどであればなんでもよい。
本実施の形態においては、図3で示したように、第1表示状態と第2表示状態とを、デモ表示中と通常背景表示中とした。また、図5で示したように、第1表示状態と第2表示状態とを、非AT中とAT中とした。しかし、これに限らず、第1表示状態と第2表示状態とを、不利RT中と有利RT中としてもよい。また、第1表示状態と第2表示状態とを、非BB中とBB中としてもよい。また、第1表示状態と第2表示状態とを、AT中とCZ中としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシン1については小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やAT、あるいはCZを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態など、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態(本実施の形態においては、CZ)の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROMやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御(たとえば、CZ抽選、CZ制御、前兆期間に関する制御、示唆ナビ期間に関する制御、AT抽選、AT制御など)をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。このように、ATに係る制御をメイン制御部41が管理するものではなく、サブ制御部91が管理することにより、サブ制御部91のRAM91cよりも記憶容量が少ないメイン制御部41のRAM41cにおける容量不足を解消することができる。
[スロットマシンの他の変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
なお、上述した本実施の形態および変形例における各種構成、各種処理、各種処理のタイミングなどは、適宜組合せることができる。
[パチンコ遊技機について]
次に、本発明をパチンコ遊技機に適用した場合の例を説明する。以下、上記実施の形態と同様の部分については詳しい説明を省略する。
パチンコ遊技機は、遊技盤に設けられた遊技領域に遊技媒体であるパチンコ玉を打込むことで遊技が行われる。パチンコ遊技機においては、遊技領域に設けられた始動領域をパチンコ玉が通過することにより、抽出された乱数に基づいて、大当りを発生させるか否かなどについて決定される。始動領域の通過により、画像表示装置では演出図柄の変動表示を行う。大当りになったときは、変動表示の結果として大当り図柄が導出表示される。大当りになった後には、遊技者にとって有利なラウンド(ラウンド遊技)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置の大入賞口を開放可能とする。大入賞口などの入賞口にパチンコ玉が入賞すれば所定個数の賞球が得られる。このとき、入賞を促すために、右打ちを促す演出が行われる。また、大当たり種別には「通常」および「確変」がある。大当たり種別が確変となった場合には、大当り遊技状態の終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。このとき、入賞を促すために、右打ちを促す演出が行われる。確変制御が行われることにより、遊技者にとって有利な状態となり、各回のゲームにおいて「大当り」となる確率は通常状態に比べて高くなる。
本実施の形態においては、図1、図3〜6に示したように、スロットマシンに適用する例について説明した。パチンコ遊技機に適用する場合は、パチンコ遊技機に接続された画像表示装置やスピーカなどを用いて、音声および字幕を用いた演出を行う。以下、具体的に説明する。
[パチンコ遊技機における表示態様(右打ち)]
図7は、パチンコ遊技機において右打ちを促すときの表示画面の遷移を示す図である。パチンコ遊技機における演出制御基板は、遊技の進行を制御するための主基板から送信されるコマンドの情報に基づいて、画像表示装置86に表示をさせる。図7(a)〜(c)は、大当りが発生したときに、画像表示装置86において右打ちを促すときの表示画面の遷移を示す図である。
図7(a)は、パチンコ遊技機において大当りが発生したときの画像表示装置86の表示を示す図である。パチンコ遊技機が第1表示状態である大当り中であるときと、第2表示状態である確変中であるときとで、異なる表示を行う。図7(a)〜(c)は、パチンコ遊技機が大当り中である場合に、画像表示装置86において右打ちをさせるときの表示画面の遷移を示す図である。図7(d)〜(f)は、パチンコ遊技機が確変中である場合に、画像表示装置86において右打ちをさせるときの表示画面の遷移を示す図である。
図7(a)〜(c)において、画像表示装置86には、第1表示内容86a、透過性画像86c、透過性画像86cと第1表示内容との境界線86d、キャラクタ86e、および文字情報86fが表示されており、スピーカ53,54からは、特定音86b、およびキャラクタ音声86gが出力される。第1表示内容86aには、図柄の変動の停止により大当り図柄777が表示されている様子を示している。
図7(b)は、右打ちを促す演出を行うときの前半部分を説明する図である。大当たりの発生により右打ちを促す演出が実行される。まず、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための透過性画像86cが表示され、右を狙うことを示唆する右方向の矢印の画像が表示される。同時に、特定音86b「トゥルルルン」がスピーカから出力される。透過性画像86cは、所定画像面86aの画像部分を視認可能なように、半透明で表示されている。
次に、図7(c)に示す図のように遷移する。透過性画像86cには、キャラクタ86eが表示されるとともに、文字情報86fとして「右打ち」というキャラクタが発する音声に対応する字幕が表示される。さらに、スピーカからは、キャラクタが発する「右打ち」という音声が出力される。これにより遊技者は右打ちを行う。右打ちを行う際には打球を発射する打球操作ハンドル86hを時計回りに回転させ、遊技球を流下させるために画像表示装置の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込む。
また、本実施の形態では、透過性画像86cは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報86fは無彩色であって透過性画像86cと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線86dは無彩色であって透過性画像86cと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
図7(d)は、パチンコ遊技機において大当りが発生したときの画像表示装置86の表示を示す図である。図7(d)〜(f)において、画像表示装置86には、第1表示内容87a、透過性画像87c、透過性画像87cと第2表示内容との境界線86d、キャラクタ87e、および文字情報87fが表示されており、スピーカ53,54からは、特定音87b、およびキャラクタ音声87gが出力される。第2表示内容87aには、確変中において図柄が変動していることを示す「↓↓↓」が表示されている様子を示している。
図7(e)は、右打ちを促す演出を行うときの前半部分を説明する図である。確変により右打ちを促す演出が実行される。まず、キャラクタが発する音声に対応する字幕を表示するための透過性画像87cが表示され、右を狙うことを示唆する右方向の矢印の画像が表示される。同時に、特定音87b「トゥルルルン」がスピーカから出力される。透過性画像87cは、所定画像面87aの画像部分を視認可能なように、半透明で表示されている。
次に、図7(f)に示す図のように遷移する。透過性画像87cには、キャラクタ87eが表示されるとともに、文字情報87fとして「右打ち」というキャラクタが発する音声に対応する字幕が表示される。さらに、スピーカからは、キャラクタが発する「右打ち」という音声が出力される。これにより遊技者は右打ちを行う。右打ちを行う際には打球を発射する打球操作ハンドル86hを時計回りに回転させ、遊技球を流下させるために画像表示装置の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込む。
また、本実施の形態では、透過性画像87cは無彩色かつ単色(たとえば、黒や濃い灰色)で表示されている。文字情報87fは無彩色であって透過性画像87cと識別可能な色(たとえば、白色)で表示されている。境界線87dは無彩色であって透過性画像87cと異なる色(薄い灰色)で表示されている。
図7(a)〜(c)における第1表示状態である大当り中であるときと、図7(d)〜(f)における第2表示状態である確変中であるときとを比較すると、次の通りになる。表示内容は、大当り中と確変中では、「777」を表示するものと「↓↓↓」を表示するものとで異なる。これに対し、大当り中と確変中とでは、文字情報および透過性画像は同じ位置に表示されている。また、文字情報および透過性画像は、同じ態様で表示されている。すなわち、文字情報の文字内容、表示色、表示フォントなどの表示態様は同一であり、透過性画像の大きさ、形、色などの表示態様は同一である。このようにすることで、どのような表示内容であっても、表示内容の視認性を阻害することなく文字情報が表示可能であり、文字情報および透過性画像の位置や態様を変更しないことで、データ容量や処理負担が低減されるとともに、遊技者にとってわかりやすい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。