JP6933672B2 - シートベルトのバックル装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルトのバックル装置及びその製造方法に関し、特に、バックルから車体側に配索されるワイヤーハーネスを備えるシートベルトのバックル装置及びその製造方法に関する。
従来、車両用のシートベルトの着脱を検出する機能を有するシートベルトのバックル装置として、例えば、特許文献1に記載の車両用シートベルト検知装置が知られている。この車両用シートベルト検知装置は、シー トベルトバックルのバックルスイッチに接続可能なコネクタ部を備え、このコネクタ部の内部にバックルスイッチから検出信号を受信してタングの着脱を判断する制御回路と、この制御回路からの判断結果に基づく結果信号を、車内ネッワークを介して接続されたメータ制御部に送信する通信回路とを備える。また、制御回路や通信回路は、車内ネットワークの配線に接続されたワイヤーハーネスと電気的に接続されている。
特開2011−88580号公報
ところで、特許文献1に記載の車両用シートベルト検知装置においては、ワイヤーハーネスは、バックル側のコネクタ部から車体側まで配索される必要があるが、ワイヤーハーネスの保護や適切な取り回しについては記載されていない。特に、後部座席に設けられるバックル装置においては、乗員の乗降時にワイヤーハーネスが擦れたり、ワイヤーハーネスが引っ掛かったりする可能性があるなどの課題がある。
本発明は、上記事情を鑑みて為されたものであり、その目的は、ワイヤーハーネスを織布に容易に保持させることができ、バックルから車体側へのワイヤーハーネスの取り回しを適切に行うことができるシートベルトのバックル装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 車体側に取付け可能なアンカープレートと、
シートベルトのタングが着脱自在に装着可能なバックルと、
前記アンカープレート及び前記バックルに形成された各孔部内を挿通して折り返され、少なくとも3重に重ね合わされた重ね合せ部分を備える織布と、
前記バックルに設けられる回路基板と、
前記回路基板に接続され、少なくとも電気信号を車体側との間で伝達するワイヤーハーネスと、
を備えるシートベルトのバックル装置であって、
前記ワイヤーハーネスは、帯状部材を介して前記織布に支持され、該織布の幅方向側方に沿うように配索され、
前記帯状部材は、片側面の少なくとも一部に粘着面を有し、前記ワイヤーハーネスの周囲に巻き付けられた巻き付け部と、該巻き付け部から連続して前記粘着面によって前記帯状部材同士を貼り合わせた貼り合せ部と、前記貼り合せ部を構成する前記帯状部材の一端部から前記巻き付け部と反対側に延出し、前記粘着面の一部が表面に露出する延出部と、を備え、前記延出部が前記粘着面によって前記織布に貼り付けられ、前記貼り合せ部及び前記延出部が前記織布に縫製により取り付けられている、シートベルトのバックル装置。
(2) 前記重ね合せ部分は、内側に折り込まれる折り込み部分と、該折り込み部分から折り返されて連続する裏面部分と、該裏面部分から折り返されて連続する表面部分と、を有し、
前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部は、前記織布の重ね合せ部分の前記折り込み部分と前記表面部分との間、または前記折り込み部分と前記裏面部分との間に挿入された状態で縫製されている、(1)に記載のシートベルトのバックル装置。
(3) 前記重ね合せ部分は、内側に折り込まれる折り込み部分と、該折り込み部分から折り返されて連続する裏面部分と、該裏面部分から折り返されて連続する表面部分と、を有し、
前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部は、前記織布の重ね合せ部分の前記表面部分又は前記裏面部分の外表面上に配置された状態で縫製されている、(1)に記載のシートベルトのバックル装置。
(4) 前記縫製は、前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部を前記織布に取り付けると共に、前記織布の重ね合せ部分を互いに結合する、(1)〜(3)の何れか1つに記載のシートベルトのバックル装置。
(5) 前記織布には、前記ワイヤーハーネスを該織布の幅方向一端側から他端側に通すハーネス挿通穴が設けられている、(1)〜(4)の何れか1つに記載のシートベルトのバックル装置。
(6) 前記帯状部材は、織物からなる、(1)〜(5)の何れか1つに記載のシートベルトのバックル装置。
(7) 車体側に取付け可能なアンカープレートと、
シートベルトのタングが着脱自在に装着可能なバックルと、
前記アンカープレート及び前記バックルに形成された各孔部内を挿通して折り返され、少なくとも3重に重ね合わされた重ね合せ部分を備える織布と、
前記バックルに設けられる回路基板と、
前記回路基板に接続され、少なくとも電気信号を車体側との間で伝達するワイヤーハーネスと、
を備えるシートベルトのバックル装置の製造方法であって、
片側面の少なくとも一部に粘着面を有する帯状部材を用いる工程と、
前記ワイヤーハーネスに対して前記帯状部材を巻き付けると共に、前記帯状部材の一端部と他端部の位置をずらして前記粘着面の一部を露出させた状態で前記帯状部材同士を貼り合わせる工程と、
前記粘着面を前記織布の所定位置に貼り付けて前記帯状部材を前記織布に仮止めする工程と、
前記帯状部材を前記織布に縫製する工程と、
有し、前記ワイヤーハーネスは、前記帯状部材を介して前記織布に支持され、該織布の幅方向側方に沿うように配索される、シートベルトのバックル装置の製造方法。
(8) 前記縫製工程は、前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部を前記織布に取り付けると共に、前記織布の重ね合せ部分を互いに結合する、(7)に記載のシートベルトのバックル装置の製造方法。
本発明のシートベルトのバックル装置によれば、ワイヤーハーネスは、帯状部材を介して織布に支持され、該織布の幅方向側方に沿うように配索され、帯状部材が、片側面の少なくとも一部に粘着面を有し、ワイヤーハーネスの周囲に巻き付けられた巻き付け部と、該巻き付け部から連続して粘着面によって帯状部材同士を貼り合わせた貼り合せ部と、貼り合せ部を構成する帯状部材の一端部から巻き付け部と反対側に延出し、粘着面の一部が表面に露出する延出部と、を備え、延出部が粘着面によって織布に貼り付けられ、貼り合せ部及び延出部が織布に縫製により取り付けられている。これにより、ワイヤーハーネスを織布に容易に保持させることができると共にバックルから車体側へのワイヤーハーネスの取り回しを適切に行うことができる。
本発明のシートベルトのバックル装置の製造方法によれば、片側面の少なくとも一部に粘着面を有する帯状部材を用いる工程と、ワイヤーハーネスに対して帯状部材を巻き付けると共に、帯状部材の一端部と他端部の位置をずらして粘着面の一部を露出させた状態で帯状部材同士を貼り合わせる工程と、粘着面を織布の所定位置に貼り付けて帯状部材を織布に仮止めする工程と、帯状部材を織布に縫製する工程と、有し、ワイヤーハーネスは、帯状部材を介して織布に支持され、該織布の幅方向側方に沿うように配索される。したがって、帯状部材の仮止め工程によって縫製作業を行い易くでき、ワイヤーハーネスを織布に容易に保持させることができると共にバックルから車体側へのワイヤーハーネスの取り回しを適切に行うことができる。
(a)は、本発明の第1実施形態のシートベルトのバックル装置の平面図であり、(b)はワイヤーハーネス及び帯状部材を(a)のI−I線に沿った位置で切断した側面図であり、(c)は、(b)のI´部拡大図である。 図1(a)のII−II線に沿った位置の断面を模式的に示す拡大断面図である。 図1に示すシートベルトのバックル装置の織布を折り曲げる前の状態を示す平面図である。 図1に示すシートベルトのバックル装置の製造工程の一部を示し、(a)は帯状部材の平面図、(b)は帯状部材をワイヤーハーネスに巻き付けた状態を示す斜視図、(c)は帯状部材を織布に貼り付けた状態を示す平面図である。 バックル装置の製造過程の変形例を示す図である。 (a)は、第1実施形態の変形例を示す側面図であり、(b)は、(a)のVI部拡大図である。 (a)は、本発明の第2実施形態のシートベルトのバックル装置の平面図であり、(b)はワイヤーハーネス及び帯状部材を(a)のVII−VII線の位置で切断した側面図であり、(c)は、(b)のVII´拡大図である。 本発明の変形例を示す平面図である。
以下、本発明の各実施形態に係るシートベルトのバックル装置及びその製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、第1実施形態のシートベルトのバックル装置10は、車体側に取付け可能なアンカープレート11と、シートベルトのタング1が着脱可能なバックル20と、アンカープレート11とバックル20とを連結する帯状の織布30と、バックル20内に設けられる回路基板50と、回路基板50に接続され、少なくとも電気信号を車体側との間で伝達するワイヤーハーネス60と、ワイヤーハーネス60を織布30に支持させる帯状部材70と、を有する。
アンカープレート11は、締結孔12内にボルト(図示せず)を挿入して車体側の床面等とボルト締結される平面部13と、この平面部13から所定の角度で折り曲げられ、中央に孔部14が形成された折り曲げ部15とを有する。
バックル20は、一端側(図中右側)にタング挿入部21を有するとともに、他端側(図中左側)に、一対の樹脂カバー22,23と、該樹脂カバー22,23に幅方向に掛け渡された金属板部25との間に形成される孔部26を有する。
織布30は、アンカープレート11及びバックル20に形成された各孔部14,26内に挿通して折り返され、3重に重ね合わされた部分にて縫製糸40を用いて縫製することで互いに結合されている。
織布30は、図3にも示すように、所定の長さにカットされた幅一定のウエビングである。そして、折り曲げて重ね合わせた際に内側に折り込まれる折り込み部分31と、折り込み部分31の一端部でバックル20の孔部26にて折り返されるバックル側折り返し部分32と、バックル側折り返し部分32から連続して、折り込み部分31の裏面側に配置される裏面部分35と、この裏面部分35の一端部でアンカープレート11の孔部14にて折り返されるプレート側折り返し部分34と、このプレート側折り返し部分34を介して連続する表面部分33と、を有する。すなわち、織布30は、アンカープレート11及びバックル20に形成された各孔部14,26内を挿通して表面部分33と裏面部分35によって折り込み部分31を挟み込むように3重に重ね合わされる。そして、重ね合された織布30の長手方向の略中間部分を縫製することで、重ね合わせ部分である、表面部分33、折り込み部分31、及び裏面部分35が互いに結合され、また、アンカープレート11とバックル20とを連結する。
また、織布30は、アンカープレート11及びバックル20の各孔部14,26において、幅方向の両縁部32a,34aが幅方向中間部に向けて内側に折り畳まれている。また、織布30同士が接触する面、具体的に、折り返し部分32,34の両縁部32a,34aや、表面部分33の端部33aと折り込み部分31が接触する部分等は、接着等によって接合されている。
図1(a)に示すように、ワイヤーハーネス60は、帯状部材70を介して織布30に支持され、該織布30の幅方向側方に沿うように配索されている。また、ワイヤーハーネス60は、バックル20から延出した後、織布30の折り込み部分31と裏面部分35の間に形成されたハーネス挿通穴30h(図1(b)参照)を通過して、織布30の幅方向の一端側(図中下側)から他端側(図中上側)へ横断するように配策されている。
なお、ハーネス挿通穴30hは、バックル20の孔部26に織布30を通した状態において、裏面部分35と折り込み部分31との間に形成された幅方向のすき間によって形成されている。
ワイヤーハーネス60を保持する帯状部材70は、織物からなり、織物の素材としては、特に制限するものではないが、例えばポリエチレンテレフタレートを素材とする合成樹脂の織物として構成することができる。このポリエチレンテレフタレートの織物の場合、引張強度を275N/cm程度にできると共に、金属面に対する粘着面70aの粘着力についても、5N/cmと大きくできる。したがって、帯状部材70が不織布からなる場合に比べて、引張強度が高く剛性を確保することができ、且つ粘着性が高い。
帯状部材70は、本実施形態においては、図2に模式的に示すように、ワイヤーハーネス60に巻き付けられた巻き付け部71と、この巻き付け部71から連続して粘着面70aによって帯状部材70同士を貼り合わせた貼り合せ部72と、貼り合せ部72を構成する帯状部材70の一端部70eから巻き付け部71と反対側に延出して、粘着面70aの一部が表面に露出する延出部73と、を備える。
なお、本実施形態では、図4(a)に示すように、帯状部材70は、片側面において、長手方向の全体に亘って、粘着面70aが形成されている。粘着面70aは、帯状部材70の製造の容易性や、巻き付け部71によるワイヤーハーネス60の保持性の観点から、帯状部材70の長手方向の全体に亘って形成することが好ましいが、延出部73を構成する他端部70tから、巻き付け部71を越えない側の貼り合せ部72を構成する部分までに形成されてもよい。
なお、粘着面70aは、図4で図示されていない剥離紙によって予め覆われていてもよい。
いずれにおいても、図4(b)に示すように、延出部73を構成する帯状部材70の他端部70tが、一端部70eから延出する形で、一端部70eと他端部70tをずらして、帯状部材70をワイヤーハーネス60の周囲に巻き付け、該ワイヤーハーネス60を保持する。
次に、図4(c)に示すように、粘着面70aを織布30の折り込み部分31の所定の位置に接触させ、粘着面70aの粘着力によって、延出部73を織布30に貼り付けて帯状部材70を仮止めする。なお、この仮止めを行う織布30は、以下に説明する折り込み部分31がバックル20の孔部26に挿通される前でもよいし、挿通された後でもよい。
そして、織布30を折り返して、織布30の表面部分33をアンカープレート11の孔部14に通すと共に折り込み部分31をバックル20の孔部26に通す。この挿通は、織布30の各折り返し部分32,34の位置までを両孔部14,26に挿通する。
この挿通に際しては、各折り返し部分32,34 における幅方向の両縁部32a,34a(図3参照)が幅方向中間部に向けて内側に折り畳んだ状態のまま行われる。その後、折り込み部分31の上側に表面部分33を重ね合せる(図1(b)参照)ことで、表面部分33と、折り込み部分31と裏面部分35とが3重に重ね合わされる。
これにより、帯状部材70が仮止めされた折り込み部分31は、裏面部分35と表面部分33との間に挟み込まれるので、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73は、図2に示すように、織布30の折り込み部分31と裏面部分35との間に挟まれた状態となる。また、ワイヤーハーネス60の一端部は、折り込み部分31と裏面部分35との間のハーネス挿通穴30hを通るように配策される。
その後、貼り合せ部72及び延出部73が織布30の折り込み部分31と裏面部分35との間に挟まれた状態で、縫製糸40による縫製により、織布30に取り付けられる。すなわち、ここでの縫製は、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73を織布30に取り付けると共に、織布30の重ね合せ部分を互いに結合する。
なお、図2においては、表面部分33、折り込み部分31、帯状部材70及び裏面部分35は便宜的に上下に離れて図示されているが、実際には隣り合う部分は互いに密着している。
また、図2に示す構成では、帯状部材70は、貼り合せ部72及び延出部73が織布30の折り込み部分31と裏面部分35との間に挟まれた構成であるが、例えば、折り込み部分31と表面部分33との間に挟まれた構成でもよい。
さらに、ワイヤーハーネス60に帯状部材60を巻き付ける工程と、帯状部材60を織布30に貼り付ける工程が、別の製造ラインで行われるような場合には、延出部73に露出した粘着面70aを保護するため、図5に示すように、粘着面70aを覆う剥離紙80が用いられてもよい。
以上説明したように、本実施形態のシートベルトのバックル装置10によれば、ワイヤーハーネス60は、帯状部材70を介して織布30に支持され、該織布30の幅方向側方に沿うように配索され、帯状部材70は、片側面の少なくとも一部に粘着面70aを有し、ワイヤーハーネス60の周囲に巻き付けられた巻き付け部71と、該巻き付け部71から連続して粘着面70aによって帯状部材同士を貼り合わせた貼り合せ部72と、貼り合せ部72を構成する帯状部材70の一端部70eから巻き付け部71と反対側に延出し、粘着面70aの一部が表面に露出する延出部73と、を備え、延出部73が粘着面70aによって織布30に貼り付けられ、貼り合せ部72及び延出部73が織布30に縫製により取り付けられている。これにより、ワイヤーハーネス60を織布30に容易に保持させることができると共にバックル20から車体側へのワイヤーハーネス60の取り回しを適切に行うことがでるシートベルトのバックル装置10を提供することができる。
また、本実施形態のシートベルトのバックル装置10によれば、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73は、織布30の重ね合せ部分の折り込み部分31と表面部分33との間、または折り込み部分31と裏面部分35との間に挿入された状態で縫製されている。これにより、帯状部材70が織布30に段差なく、且つ、強固に保持される。
また、本実施形態のシートベルトのバックル装置10によれば、縫製は、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73を織布30に取り付けると共に、織布30の重ね合せ部分を互いに結合する。これにより、縫製を別途行うことなく、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73を織布30に取り付けることができる。
また、本実施形態のシートベルトのバックル装置10よれば、織布30には、ワイヤーハーネス60を該織布30の幅方向一端側から他端側に通すハーネス挿通穴30hが設けられているので、ワイヤーハーネス60が織布30内に収まり、ワイヤーハーネス60の露出を抑えると共にワイヤーハーネス60の保持をより確実にでき、ワイヤーハーネス60の取り回し性を向上できる。
また、本実施形態のシートベルトのバックル装置10によれば、帯状部材70が織物からなるので、帯状部材70の剛性を確保することができ、ワイヤーハーネス60の保持性も向上することができる。
また、本実施形態のシートベルトのバックル装置10の製造方法によれば、片側面の少なくとも一部に粘着面70aを有する帯状部材70を用いる工程と、ワイヤーハーネス60に対して帯状部材70を巻き付けると共に、帯状部材70の一端部と他端部の位置をずらして粘着面70aの一部を露出させた状態で帯状部材70同士を貼り合わせる工程と、粘着面70aを織布30の所定位置に貼り付けて帯状部材70を織布30に仮止めする工程と、帯状部材70を織布30に縫製する工程と、有し、ワイヤーハーネス60は、帯状部材70を介して織布30に支持され、該織布30の幅方向側方に沿うように配索される。したがって、帯状部材70の仮止め工程によって縫製作業を行い易くでき、ワイヤーハーネス60を織布30に容易に保持させることができると共にバックル20から車体側へのワイヤーハーネス60の取り回しを適切に行うことができる。
また、縫製工程は、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73を織布30に取り付けると共に、織布30の重ね合せ部分を互いに結合する。これにより、縫製を別途行うことなく、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73を織布30に取り付けることができる。
なお、上記実施形態では、帯状部材70は、貼り合せ部72及び延出部73が織布30の重ね合せ部分の内側に挿入される構成としているが、表面部分33あるいは裏面部分35の外表面上に配置されて、縫製されてもよい。
例えば、図6に示す変形例では、延出部73の粘着面70aは、裏面部分35の外表面上に貼り付けられて、さらに、貼り合せ部72及び延出部73が縫製されて、織布30に取り付けられる。
この場合にも、帯状部材70の貼り合せ部72及び延出部73と、織布30の重ね合せ部分とが一緒に縫製されて、製造工程を簡素化することができる。また、この変形例の場合には、ワイヤーハーネス60及び帯状部材70を織布30から分離した状態で、織布30を各孔部14,26に挿入して折り返し、3重に重ね合わされた後に帯状部材70を裏面部分35の外表面上に貼り付けることができる。さらに、ワイヤーハーネス60の取り回しに応じて帯状部材70の取付け位置を選択することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るシートベルトのバックル装置について、図7を参照して説明する。なお、図7において、第1実施形態と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態のシートベルトのバックル装置10では、織布30に仮縫いが施される点において、第1実施形態のものと異なる。すなわち、図7に示すように、織布30は、内側に折り込まれる折り込み部分31と、バックル20の孔部26を通過した折り込み部分31から連続する裏面部分35とを重ね合わせた部分が、縫製糸40よりもアンカープレート側において縫製糸41によって仮縫いされている。
ここで、バックル装置10では、まず、織布30の折り込み部分31をバックル20の孔部26内に挿通して、折り返し部分32にて折り返した後、折り込み部分31と裏面部分35とが重ね合わされる部分で仮縫いする。このとき、帯状部材70も仮縫いされる(図7(c)参照)。そして、表面部分33をアンカープレート11の孔部14内に挿通させると共に、折り返し部分34にて折り返した後、3重に重ね合わされた部分を帯状部分70と共に縫製糸40にて縫製する。
このように仮縫いを行うことで、織布30の全長が短い等、3重に重ね合わされた部分を一度に縫製することが困難な場合に、一度仮縫いすることで、縫製する際に重ね合わせ部分のずれを防止でき、縫製の作業性を向上できる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に何ら制限されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。
例えば、上記実施形態においては、ワイヤーハーネス60が織布30のハーネス挿通穴30hを挿通して該織布30を幅方向に横断する構成としているが、図8に示す変形例のように、ワイヤーハーネス60は、織布30の幅方向に横断させず、織布30の長手方向全域にわたって幅方向一側方に沿って配索される構成としてもよい。
1 タング
10 バックル装置
11 アンカープレート
14,26 孔部
20 バックル
30 織布
30h ハーネス挿通穴
31 折り込み部分
33 表面部分
35 裏面部分
40 縫製糸
50 回路基板
60 ワイヤーハーネス
70 帯状部材
70a 粘着面
71 巻き付け部
70e 一端部
72 貼り合せ部
73 延出部

Claims (8)

  1. 車体側に取付け可能なアンカープレートと、
    シートベルトのタングが着脱自在に装着可能なバックルと、
    前記アンカープレート及び前記バックルに形成された各孔部内を挿通して折り返され、少なくとも3重に重ね合わされた重ね合せ部分を備える織布と、
    前記バックルに設けられる回路基板と、
    前記回路基板に接続され、少なくとも電気信号を車体側との間で伝達するワイヤーハーネスと、
    を備えるシートベルトのバックル装置であって、
    前記ワイヤーハーネスは、帯状部材を介して前記織布に支持され、該織布の幅方向側方に沿うように配索され、
    前記帯状部材は、片側面の少なくとも一部に粘着面を有し、前記ワイヤーハーネスの周囲に巻き付けられた巻き付け部と、該巻き付け部から連続して前記粘着面によって前記帯状部材同士を貼り合わせた貼り合せ部と、前記貼り合せ部を構成する前記帯状部材の一端部から前記巻き付け部と反対側に延出し、前記粘着面の一部が表面に露出する延出部と、を備え、前記延出部が前記粘着面によって前記織布に貼り付けられ、前記貼り合せ部及び前記延出部が前記織布に縫製により取り付けられている、シートベルトのバックル装置。
  2. 前記重ね合せ部分は、内側に折り込まれる折り込み部分と、該折り込み部分から折り返されて連続する裏面部分と、該裏面部分から折り返されて連続する表面部分と、を有し、
    前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部は、前記織布の重ね合せ部分の前記折り込み部分と前記表面部分との間、または前記折り込み部分と前記裏面部分との間に挿入された状態で縫製されている、請求項1に記載のシートベルトのバックル装置。
  3. 前記重ね合せ部分は、内側に折り込まれる折り込み部分と、該折り込み部分から折り返されて連続する裏面部分と、該裏面部分から折り返されて連続する表面部分と、を有し、
    前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部は、前記織布の重ね合せ部分の前記表面部分又は前記裏面部分の外表面上に配置された状態で縫製されている、請求項1に記載のシートベルトのバックル装置。
  4. 前記縫製は、前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部を前記織布に取り付けると共に、前記織布の重ね合せ部分を互いに結合する、請求項1〜3の何れか一項に記載のシートベルトのバックル装置。
  5. 前記織布には、前記ワイヤーハーネスを該織布の幅方向一端側から他端側に通すハーネス挿通穴が設けられている、請求項1〜4の何れか一項に記載のシートベルトのバックル装置。
  6. 前記帯状部材は、織物からなる、請求項1〜5の何れか一項に記載のシートベルトのバックル装置。
  7. 車体側に取付け可能なアンカープレートと、
    シートベルトのタングが着脱自在に装着可能なバックルと、
    前記アンカープレート及び前記バックルに形成された各孔部内を挿通して折り返され、少なくとも3重に重ね合わされた重ね合せ部分を備える織布と、
    前記バックルに設けられる回路基板と、
    前記回路基板に接続され、少なくとも電気信号を車体側との間で伝達するワイヤーハーネスと、
    を備えるシートベルトのバックル装置の製造方法であって、
    片側面の少なくとも一部に粘着面を有する帯状部材を用いる工程と、
    前記ワイヤーハーネスに対して前記帯状部材を巻き付けると共に、前記帯状部材の一端部と他端部の位置をずらして前記粘着面の一部を露出させた状態で前記帯状部材同士を貼り合わせる工程と、
    前記粘着面を前記織布の所定位置に貼り付けて前記帯状部材を前記織布に仮止めする工程と、
    前記帯状部材を前記織布に縫製する工程と、
    有し、前記ワイヤーハーネスは、前記帯状部材を介して前記織布に支持され、該織布の幅方向側方に沿うように配索される、シートベルトのバックル装置の製造方法。
  8. 前記貼り合わせる工程において、前記帯状部材は、前記ワイヤーハーネスの周囲に巻き付けられた巻き付け部と、該巻き付け部から連続して前記粘着面によって前記帯状部材同士を貼り合わせた貼り合せ部と、前記貼り合せ部を構成する前記帯状部材の一端部から前記巻き付け部と反対側に延出し、前記粘着面の一部が表面に露出する延出部と、を形成し、
    前記縫製工程は、前記帯状部材の前記貼り合わせ部及び前記延出部を前記織布に取り付けると共に、前記織布の重ね合せ部分を互いに結合する、請求項7に記載のシートベルトのバックル装置の製造方法。
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