JP6932668B2 - 評価装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、評価装置等に関する。
従来から、就寝者(被測定者)の健康管理等のために、被測定者の睡眠状態を判定する方法が種々知られている。代表的な方法としては、睡眠ポリソムノグラフ(PSG; Polysomnography)や、アクチグラフ(Actigraph)等が知られている。
一例として、リアルタイムに被測定者の睡眠状態を判定する方法としては、例えば特許文献1が開示されている。すなわち、被測定者の体の動き(体動)を検知し、体動レベルが所定の検出時間の間に判定閾値を超えた場合には睡眠状態を「覚醒」と判定し、それ以下の場合には「睡眠」と判定としている。
このような技術を用いることにより、就寝者の睡眠を評価する装置が知られている。例えば、睡眠状態と、本人が入力した生活リズムの情報から、睡眠に関する健康管理をアドバイスする技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−142238号公報 特開2013−45336号公報
本発明は、睡眠状態の評価の一つとして、例えば、患者が離床した原因を推定することが可能な評価装置等を提供することである。
本発明の評価装置は、
利用者の生体情報を記憶可能な記憶部と、
前記利用者が第1区間における離床回数と前記生体情報とに基づいて、前記利用者の離床原因を推定する制御部と
を備えることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、
利用者の生体情報を記憶可能な記憶部を有するコンピュータに、
前記利用者が第1区間における離床回数と前記生体情報とに基づいて、前記利用者の離床原因を推定する機能を実現させることを特徴とする。
本発明によれば、睡眠状態の評価の一つとして、例えば、患者が離床した原因を推定することが可能な評価装置等を提供することができる。
本実施形態におけるシステム全体を示す図である。 本実施形態における睡眠評価装置の構成の一例を示す図である。 本実施形態におけるパラメータテーブルの構成の一例を示す図である。 本実施形態における睡眠評価テーブルの構成の一例を示す図である。 本実施形態における睡眠日誌の一例を説明するための図である。 本実施形態における離床評価テーブルの構成の一例を示す図である。 本実施形態におけるメイン処理の動作について説明するための動作フローである。 本実施形態における離床原因推定処理の動作について説明するための動作フローである。 本実施形態における変数を説明するための図である。 本実施形態における離床原因推定処理の動作について説明するための動作フローである。 本実施形態における離床原因推定処理の動作について説明するための動作フローである。 本実施形態における評価レポートの一例を示した図である。 本実施形態における評価レポートの一例を示した図である。 本実施形態における評価レポートの一例を示した図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための一つの形態について説明する。
患者の心拍数、呼吸数といった生体情報値に基づいて、評価装置が患者の睡眠状態を判定し、判定された睡眠状態に応じて、睡眠の評価を行うことが行われている。
このとき、評価される項目としては「睡眠の量・睡眠の質・習慣・睡眠の異常・利用者(例えば患者)のバイタル」といった5つに大きく分類される。これらの項目を複数組み合わせて、評価装置によって睡眠を評価するということは行われていなかった。
特に、睡眠に障害がある場合に、睡眠や生活の習慣、睡眠の異常、バイタル、睡眠の質を組み合わせることにより、障害の原因を特定したり、アドバイスを出力したりするものは行われていなかった。
睡眠の障害の一つである「離床」は、例えば患者の睡眠を阻害するだけでなく、例えば転倒リスクが高まることになり、非常に重要な障害である。したがって、離床に注目し、離床の原因に繋がる内容を睡眠データに基づいて評価したり、評価に基づいたアドバイスを行ったりすることは重要である。
そこで、本実施形態の睡眠評価装置によれば、取得された生体情報値や、算出された睡眠指標に基づいて、適切な患者の異常に対するアドバイス等を出力することが可能となる。好ましくは、患者の異常として、離床原因を推定することで、医療現場や介護現場における有益な情報を提供することができることとなる。
なお、本明細書で患者とは、ベッド装置(マットレス)を利用する者をいい、病気で治療を受けるものに限られず、施設で介護を受ける者や、ベッド装置で就寝する者であれば対象者として適用可能である。
[1.システム全体]
図1は、本発明の評価装置を患者の睡眠を評価可能な睡眠評価装置や、睡眠状態から患者が離床した原因を推定したり、評価したりすることが可能な離床原因評価装置に適用したシステム1の全体概要について説明するための図である。図1に示すように、システム1は、ベッド装置10の床部と、マットレス20の間に載置される検出装置3と、検出装置3より出力される値(生体情報値)から、患者の睡眠を評価するため睡眠評価装置5を備えて構成されている。
なお、本実施形態における睡眠評価装置とは、患者の睡眠に基づいて評価を行う装置という意味である。したがって、睡眠評価装置は、睡眠自体の評価を行う装置や、単に患者の離床原因を推定するといった睡眠自体の評価は行わない(例えば、離床の原因の推定・評価を行う)装置も含む概念である。
マットレス20に、対象者(以下、一例として「患者P」とする)が在床すると、対象者である患者Pの生体信号として体振動(人体から発せられる振動)を検出装置3が検出する。また、検出された振動に基づいて、患者Pの生体情報値が算出可能である。
算出された生体情報値(例えば、呼吸数、心拍数、活動量)を、患者Pの生体情報値として出力・表示してもよい。
検出装置3により算出された生体情報値は、睡眠評価装置5に送信される。ここで、生体情報値は、無線LANや、Bluetooth(登録商標)といった無線通信により送信されてもよいし、SDカード(登録商標)といった記憶媒体を介して送信されてもよい。また、検出装置3から、サーバ装置を経由して睡眠評価装置5に送信されてもよい。
また、検出装置3から、睡眠評価装置5に送信される情報は、検出装置3で取得された信号(例えば、生体信号や、振動データ等)であってもよいし、取得された信号に基づいて、検出装置3で算出された生体情報値や、患者の睡眠指標、離床在床状態、患者の位置といった種々の情報が送信可能である。
これらの情報は、検出装置3で算出されてもよいし、睡眠評価装置5で算出されてもよい。また、心拍数・呼吸数・活動量といった一部の生体情報値だけが検出装置3で算出され、その他の睡眠指標や患者の状態を示す情報は、睡眠評価装置5で算出されてもよい。また、各種値等は、サーバ側で算出されてもよい。
また、検出装置3に記憶部、表示部等を設けることにより睡眠評価装置5と一体に形成されてもよい。また、睡眠評価装置5は、汎用的な装置で良いため、コンピュータ等の情報処理装置に限られず、例えばタブレットやスマートフォン等といった装置で構成されてもよい。また、検出装置3が通信機能を有している場合には、睡眠評価装置5の代わりにサーバ装置に接続してもよい。
また、対象者としては、病気療養中の者であったり、介護が必要なものであったりしてもよい。また、介護が必要でない健康な者であっても、高齢者でも子供でも、障害者でも、人でなくても動物でも良い。
ここで、検出装置3は、厚さが薄くなるようにシート状に構成されている。これにより、ベッド装置10と、マットレス20の間に載置されたとしても、患者Pに違和感を覚えさせることなく使用できるため、寝床での患者の状態を長期間検出できることとなる。
なお、検出装置3は、患者Pの振動を検出できればよい。例えば、歪みゲージ付きアクチュエータやベッドの脚等に配置された荷重を計測するロードセルを利用したりしても良い。また、内蔵された加速度センサ等を利用することにより、例えばベッド装置10上に載置されたスマートフォンや、タブレット等で実現してもよい。
また、図1において、H側は、ベッド装置10(マットレス20)における長手方向の頭側であり、F側は足側である。また、図1において、L側は、患者Pが仰臥位のときの左側であり、R側は右側である。
[2.睡眠評価装置の構成]
つづいて、睡眠評価装置5の構成について、図2を用いて説明する。本実施形態における睡眠評価装置5は、制御部100と、記憶部130と、通信部150と、入力部160と、出力部170とを含む構成となっている。
[2.1 制御部及び記憶部]
制御部100は、システム1の動作を制御している。例えば、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)等の制御装置である。制御部100は、記憶部130に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種処理を実現することとなる。
また、記憶部130は、睡眠評価装置5の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部130は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
すなわち、本実施形態では、記憶部130に記憶されたソフトウェアを実行することにより、制御部100は、生体情報取得部102、睡眠状態判定部104、指標出力部106、指標評価部108、日誌作成部110、離床原因推定部112、評価レポート出力部114として機能する。
[2.1.1 生体情報取得部]
生体情報取得部102は、患者の生体情報値を取得する。例えば、通信部150を介して検出装置3から生体情報値を受信し、取得する。また、同様に通信部150を介して検出装置3から生体信号を受信している場合は、受信した生体信号から生体情報値を算出することにより、生体情報値を取得する。
生体信号から生体情報値を算出する場合は、受信した生体信号(体動)から呼吸成分・心拍成分を抽出し、呼吸間隔、心拍間隔に基づいて呼吸数、心拍数を算出する。また、体動の周期性を分析(フーリエ変換等)し、ピーク周波数から呼吸数、心拍数を算出してもよい。
取得された生体情報値は、生体情報値データ132に記憶される。ここで、生体情報値は、所定時間毎に生体情報値データ132に記憶される。例えば、図3(a)に示すように、生体情報値データ132には、時間毎(例えば、「2018/02/01 02:10:00」)に生体情報値(本図では、心拍数(例えば、「56」)、呼吸数(例えば、「18」)、活動量(例えば、「65」))が記憶される。
生体情報値データ132に生体情報値が1分毎に記憶されているが、例えば、5秒毎、30秒毎、2分毎、10分毎といった所定時間毎であればよい。また、記憶される範囲も、24時間であったり、患者が在床中であってり、一晩であったりと、所定の範囲で記憶されればよい。また、2日間、3日間、1週間と所定の期間の生体情報値が記憶されてもよい。
[2.1.2 睡眠状態判定部]
睡眠状態判定部104は、患者の睡眠状態を判定している。睡眠状態としては、患者の「離床」「在床」をまず判定し、更に在床時には、「睡眠」「覚醒」とを判定する。また、判定された睡眠状態は、レム/ノンレム睡眠といった段階を更に判定してもよい。
これらの患者の睡眠状態を判定する方法としては、例えば特開2010−264193号公報(発明の名称:睡眠状態判定装置、プログラム及び睡眠状態判定システム、出願日:平成21年5月18日)、特願2014−229118号公報(発明の名称:睡眠状態判定装置、睡眠状態判定方法及びプログラム、出願日:平成26年11月11日)に記載の睡眠状態判定方法を援用できる。この特許出願は援用によりその全体が組み込まれる。
そして、睡眠状態判定部104において判定された睡眠状態は、記憶部130の睡眠状態データ134に記憶される。睡眠状態データ134は、所定時間毎に、患者の睡眠状態が記憶される。
なお、離床/在床の判定は、検出装置3から受信された生体信号で判定してもよいし、別に設けられた離床/在床センサにより判定してもよい。また、検出装置3において睡眠状態を判定されている場合、睡眠状態判定部104は、検出装置3により判定された睡眠状態を受信してもよい。
すなわち、睡眠状態データ134に記憶された睡眠状態から、患者の睡眠時間や、睡眠潜時等といった睡眠指標を出力することが可能となる。
[2.1.3 指標出力部]
指標出力部106は、患者の睡眠状態や、患者の睡眠習慣に応じた指標(例えば、患者指標)を出力する。患者の睡眠習慣に応じた指標は、患者や患者以外の利用者(医療従事者、介護者等)により入力されたり、生体情報値から算出されたり、睡眠状態から決定されたりする。
指標出力部106により出力される指標は、パラメータテーブル136に記憶される。なお、指標出力部106は、患者の睡眠に関する睡眠指標と、睡眠の障害に関する指標(障害指標)と、生体情報値に基づく指標(バイタル指標)とを更に出力する。
図3(b)に、パラメータテーブル136の一例を示している。ここで、パラメータとして記憶される睡眠指標、障害指標、バイタル指標は、以下の通りである。
(1)日付
それぞれの値を算出したり、特定したりするのに利用される時間である。例えば、図3(b)では、「2018/02/01−2018/02/02」にかけて算出・特定された値が記憶されている。
(2)睡眠時間(例えば、「6時間16分」)
就床時刻から起床時刻までの実際に眠っている時間の合計である。睡眠時間は、自動的に算出(例えば、睡眠状態データ134から取得された睡眠状態に基づいて算出)されてもよいし、手動で入力してもよい。
(3)就床時間(例えば、「8時間13分」)
就床時刻から起床時刻までの時間の合計である。就床時間は、自動的に算出されてもよいし、手動で入力してもよい。
(4)就床時刻(例えば、「22:59」)
夜、寝床に入った時刻である。睡眠状態が一定時間在床となったときとしてもよいし、手動で入力してもよい。
(5)起床時刻(例えば、「7:13」)
朝、寝床から離れた時刻である。睡眠状態が一定時間離床となったときとしてもよいし、手動で入力してもよい。
(6)睡眠潜時(例えば、「23.4分」)
就床時刻から眠りにつくまでに係った時間を睡眠潜時とする。睡眠潜時は、例えば、睡眠状態データ134から取得された睡眠状態に基づいて算出することができる。
(7)睡眠効率(例えば、「76.2%」)
就床から起床までの時間のうち、実際に眠っていた時間の割合を睡眠効率とする。この睡眠効率としては、「睡眠時間÷就床時間×100」で算出される。睡眠効率は、例えば、睡眠状態データ134から取得された睡眠状態に基づいて算出することができる。
(8)中途覚醒時間(例えば、「92.1分」)
寝ついてから起床までの間の睡眠の途中で目が覚めた時間の合計を中途覚醒時間とする。中途覚醒時間は、例えば、睡眠状態データ134から取得された睡眠状態に基づいて算出することができる。
(9)離床回数(例えば、「1回」)
患者が離床した回数である。例えば、患者の状態として「睡眠」が続いている間に、「離床」となった区間の回数を離床回数としてもよいし、患者の在床時の状態に関わらず単に離床が検知された回数としてもよい。なお、離床回数は、例えば、睡眠状態データ134から取得された睡眠状態に基づいて算出することができるし、離床センサ等により検出された回数であってもよい。また、離床回数と併せて離床時間を取得してもよい。
(10)呼吸障害指数(例えば、「24.4回/時間」)
睡眠時無呼吸症候群である可能性を推定できる指標である。就床中における1時間あたりの呼吸障害回数である。
(11)周期性体動指数(例えば「13.5回/時間」)
周期性四肢運動障害である可能性を推定できる指標である。就寝中における1時間あたりの周期性四肢運動の回数である。
(12)活動量(例えば、「61.4count/時間」)
就床中に計測された1分間あたりの活動量(体動を検知したカウント数で体動の強度・頻度と相関する量)である。
(13)(平均)呼吸数(例えば、「15.8回/分」)
就寝中に計測された1分あたりの呼吸数である。
(14)(平均)心拍数(例えば、「56.2回/分」)
就寝中に計測された1分あたりの心拍数である。
なお、これらの患者の睡眠習慣と睡眠状態に応じた指標(1)〜(14)は、(1)〜(9)を睡眠指標、(10)及び(11)を障害指標、(12)〜(14)をバイタル指標という。
[2.1.4 指標評価部]
指標評価部108は、患者の睡眠習慣と睡眠状態に応じた指標を評価する。評価する方法としては種々の方法があるが、例えば設定された閾値を超えたか否かを判定することにより評価したり、値に応じたランク付け(例えば、A〜Dといった4段階や、レベル1〜5の5段階等)により評価したりする。また、複数の指標から、総合判定を行ってもよい。
また、評価される内容に応じるメッセージ等は、記憶部130の睡眠評価テーブル138に記憶されている。図4は、睡眠評価テーブル138の一例であり、指標を評価した内容が記憶されている。
例えば、指標であるパラメータ(睡眠指標、生体情報値、障害指標、バイタル指標等)を一意に識別するコード「S005」に対応づけて、対応するパラメータ(例えば、「睡眠潜時」)毎に指標の説明がメッセージとして記憶されている。
睡眠潜時の場合、指標評価部108により、A〜Dランクで評価されるため、それぞれの評価に応じたメッセージが記憶されている。
なお、指標評価部108は、ランクを判定する閾値を処理の中で判定してもよいし、睡眠評価テーブル138に閾値や判定値を記憶してもよい。すなわち、指標評価部108は、生体情報値や、各指標の値に応じて、評価ができればよい。
[2.1.5 日誌作成部]
日誌作成部110は、睡眠日誌を作成する。睡眠日誌とは、横方向に時間をとり、縦方向に日付順に示したグラフを作成する。
図5に睡眠日誌の一例を示す。図5(a)の睡眠日誌は、2/1〜2/3の睡眠日誌であり、患者の「睡眠」「覚醒」の状態が解るグラフである。また、グラフには「起床時刻」「就床時刻」を示す識別表示がされており、併せて「離床」が解る識別表示がされている。
なお、日誌作成部110が日誌として出力するグラフとしては、主に睡眠日誌について説明するが、これ以外にも体動(活動量)を示すグラフである体動(活動量)日誌、呼吸数を色で識別表示するグラフである呼吸数日誌、心拍数を色で識別表示するグラフである心拍数日誌、呼吸障害を識別表示するグラフである呼吸障害日誌、周期性体動を識別表示するグラフである周期性体動日誌等が出力可能である。
また、計測日数が1日の場合は、1日の値の遷移が解るプロットを表示したグラフを生成してもよい(例えば、図5(b))。
[2.1.6 離床原因推定部]
離床原因推定部112は、生体情報値、患者の睡眠状態に応じた指標等から患者の離床した原因を推定する。離床原因としては、種々の原因が考えられるが、例えば以下のような離床の原因が考えられる。
・むずむず足症候群(Restless Legs Syndrome:RLS)
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS: Obstructive Sleep Apnea Syndrome)
・周期性四肢運動障害
・レム睡眠行動障害
・頻尿
・認知症
・感染症、痛み、かゆみ、予後悪化といった患者の症状に基づくもの
これらの離床原因を、離床原因推定部112は、推定するが、推定方法については後述する。
離床原因推定部112により推定された離床原因に対応する評価が、記憶部130の離床評価テーブル140に記憶されている。離床評価テーブル140の一例を図6に示す。
離床評価テーブル140は、離床の原因を特定するコード(例えば、「M001」)と、離床の原因(例えば、「むずむず足症候群」)と、対応策やアドバイス(例えば、「むずむず足症候群の可能性があります。通常の・・・」)といった内容が記憶されている。
なお、コードについては、説明上付しているだけであり、少なくとも離床原因毎の対応策やアドバイスが記憶されていればよい。
[2.1.7 評価レポート出力部]
評価レポート出力部114は、評価レポートを出力する。評価レポートは、指標(睡眠指標、障害指標、バイタル指標)と、指標に基づく評価と、評価に基づくアドバイスとが出力される。また、併せて指標の意味や、睡眠日誌等が出力されてもよい。これらの評価レポートは、出力部170により例えば表示装置に出力されることにより表示されたり、印刷装置に出力されることにより記録紙に印刷されたりする。
また、通信部150を介して、例えばサーバ装置や、電子カルテシステム等に出力されてもよいし、スマートフォン等の携帯端末に出力されてもよい。また、HTML/XMLとして出力することにより、他の装置のブラウザによって表示してもよい。
[2.2 通信部]
通信部150は、外部の装置や、サーバ等と通信を行う。本実施形態では、検出装置3と通信を行う。通信方式としては、WLAN(IEEE802.11a/b/g/n)であったり、近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))であったりしてもよい。また、WLANや、有線LAN、LTE/5G等により他のネットワークを経由してサーバ装置に接続してもよい。
更に、通信部150は、記憶媒体(例えば、USBメモリ、SDカード(登録商標))からパラメータや生体情報値を受信してもよい。この場合、通信部150は、記憶媒体が接続可能なインタフェース部として構成される。
[2.3 入力部及び出力部]
入力部160は利用者からの操作入力を受け付ける。また、出力部170は、各種情報や、評価レポートを出力する。入力部160は、例えばタッチパネルにより実現されるソフトウェアキーから操作入力が行われたり、キーボードやマウスといった入力装置が接続され、当該入力装置から操作入力が行われたりしてもよい。
また、出力部170は、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイにより構成された表示装置が接続され、操作画面や、評価レポートが出力されてもよい。また、印刷装置が接続され、評価レポートが印刷されてもよい。
また、タブレットや、ノートパソコンといった場合には、入力装置や表示装置が睡眠評価装置5と一体に構成されていてもよい。
[2.4 検出装置]
通信部150を介して、検出装置3と接続されている。検出装置3は、患者の生体信号を取得する生体信号取得部である。
生体信号取得部は、図1における患者Pの生体信号を取得する。本実施形態では、一例として、圧力変化を検出するセンサを利用して生体信号の一種である体振動が取得される。そして取得された体振動は、呼吸数、心拍数、活動量などの生体情報値データに変換されて出力される。更に、検出装置3又は睡眠評価装置5により、体振動データに基づいて患者の臥床状態(例えば、患者Pが臥床しているか否か、在床、離床や端座位等)を取得したり、上述したように睡眠状態(睡眠、覚醒)を取得したりすることも可能である。
なお、本実施形態における生体信号取得部は、例えば、圧力センサにより患者の体振動を取得し、体振動から呼吸や心拍を取得するが、荷重センサにより、患者の重心位置(体動)の変化により生体信号を取得することとしても良いし、レーダーにより、体表面や寝具の変位に基づいて生体信号を取得することとしても良いし、マイクロフォンを設けることにより、マイクロフォンが拾う音に基づいて生体信号を取得しても良い。何れかのセンサを用いて、患者の生体信号を取得出来れば良い。
すなわち、生体信号取得部は、検出装置3のような装置に設けられても良いし、外部のセンサ装置から生体信号を受信する構成としても良い。
[3.処理の流れ]
[3.1 メイン処理]
つづいて、睡眠評価装置5における睡眠評価レポートを出力する処理について、図7の処理フローに基づいて説明する。図7の処理フローは、記憶部130に記憶されているプログラムを読み出して、制御部100が実行することにより実現される処理である。
まず、生体情報取得部102により、生体情報値が取得される(ステップS100)。生体情報値は、検出装置3から受信してもよいし、検出装置3等から受信された生体信号に基づいて制御部100が生体情報値を算出してもよい。生体情報値取得処理は、生体情報取得部102により、本実施形態においてリアルタイムに実行されているが、利用者(患者、医療従事者、介護者等)の指示により取得されてもよい。
ここで、制御部100は、評価レポートを出力すると判定した場合には(ステップS200;Yes)、評価レポートを出力するための処理に遷移する。なお、制御部100が評価レポートを出力すると判定するのは、利用者により指示されたことにより出力すると判定したり、所定のタイミング(例えば、朝、昼、起床時、数日間の睡眠に関するデータの履歴が記憶された場合等)で出力すると判定したりする。
評価レポートを出力するために、まず、制御部100はパラメータ算出処理を実行する(ステップS300)。パラメータ算出処理は、例えば、睡眠状態判定部104により睡眠状態が出力されたり、指標出力部106により患者の睡眠習慣と睡眠状態に応じた指標が算出されて出力されたりする。
つづいて、制御部100は、睡眠日誌作成処理を実行する(ステップS400)。すなわち、日誌作成部110により、睡眠日誌が作成される。
制御部100は、パラメータ評価処理を実行する(ステップS500)。すなわち、指標評価部108は、生体情報値、各指標等のパラメータの評価を行い、出力する。パラメータ評価処理の詳細については後述する。
制御部100は、離床原因推定処理を実行する(ステップS600)。すなわち、離床原因推定部112は、離床原因を推定し、出力する。離床原因特定処理の詳細については後述する。
制御部100は、評価レポート出力処理を実行する(ステップS700)。すなわち、評価レポート出力部114は、生体情報値と、患者の睡眠習慣と睡眠状態に応じた指標と、睡眠日誌作成処理で作成された睡眠日誌と、パラメータ評価処理で評価された評価結果と、離床原因推定処理で推定された離床原因とを、評価レポートとして出力する。
なお、図7のフローでは、評価レポートの出力を行う場合に各処理が実行されているが、適宜実行されてもよい。すなわち、ステップS300、ステップS400等は、ステップS100と、ステップS200との間で随時実行されてもよい。
[3.2 パラメータ評価処理]
ステップS500において実行されるパラメータ評価処理について説明する。指標評価部108は、パラメータ評価処理を実行することにより、患者の睡眠習慣と睡眠状態に応じた指標に対して評価をして出力する。以下、代表的なパラメータと、評価方法の一例について説明する。
(1)睡眠時間
睡眠時間としては、A〜Dの評価がされる。例えば、
A:6.5時間以上8時間未満
B:6時間以上6.5時間未満、8時間以上9時間未満
C:5時間以上6時間未満、9時間以上10時間未満
D:5時間未満、10時間以上
といった時間で、睡眠時間のパラメータが評価される。
(2)就床時間
就床時間としては、A〜Dの評価がされる。この評価基準の時間としては、例えば睡眠時間と同じ値を利用してもよい。
(3)睡眠潜時
睡眠潜時としては、A〜Dの評価がされる。例えば、
A:10分未満 B:10分以上20分未満
C:20分以上30分未満 D:30分以上
といった時間で、睡眠潜時のパラメータが評価される。
(4)睡眠効率
睡眠効率としては、A〜Dの評価がされる。例えば、
A:95%以上 B:85%以上95%未満
C:75%以上85%未満 D:75%未満
といった割合で、睡眠効率のパラメータが評価される。
(5)中途覚醒時間
中途覚醒時間としては、A〜Dの評価がされる。例えば、
A:10分未満 B:10分以上20分未満
C:20分以上40分未満 D:40分以上
といった時間で、中途覚醒が評価される。
(6)呼吸障害指数、周期性体動指数
呼吸障害指数、周期性体動指数は、閾値によって判定される。例えば、15.0回/時間以上であれば、異常がある(問題がある)と評価される。
(7)活動量、呼吸数、心拍数
活動量、呼吸数、心拍数は、値の大きさによって判定される。例えば、活動量は、低いほど好ましいが、40count/時間以上になれば異常があると評価される。
[3.3 離床原因推定処理]
つづいて、離床原因推定処理について説明する。なお、離床原因推定処理は、患者の睡眠習慣と睡眠状態に応じた指標に基づいて、離床原因を推定する。このとき、離床回数が所定の閾値以下(例えば、後述する第2の閾値以下)の場合には、当該処理を実行しなくてもよい。
[3.3.1 第1の離床原因推定処理]
第1の離床原因推定処理について、図8に基づいて説明する。第1の離床原因推定処理は、離床回数が多い場合に、障害指数を参照して離床原因を推定する。
まず、制御部100は、睡眠状態データ134を参照し、患者の離床回数が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS6102)。
また、離床回数を取得する期間としては、患者の一晩(患者が入眠から覚醒までの1サイクル)の期間であってもよいし、就寝時の期間であってもよい。また、複数日の睡眠期間の平均であってもよい。
ここで、第1の閾値は、例えば「4回」であり、例えば、患者の離床回数が4回以上である場合はむずむず足症候群として判定される(ステップS6102;Yes→ステップS6108)。ここでは判定コードがM001と出力される。
これにより、評価レポート出力処理において、評価レポート出力部114は、離床評価テーブル140を参照することにより、判定コードに対応する離床原因を推定する。また、推定された離床原因に対応するアドバイスを、離床評価テーブル140から読み出して出力する。
図8に戻り、離床回数が第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS6104)。ここで、第2の閾値は、例えば「1回」であり、離床回数が「1回未満」の場合は、他の判定が実行される(ステップS6104;No)。
つづいて、離床回数が第2の閾値(例えば、「1回」)以上であり(ステップS6104;Yes)、周期性体動指数が高い場合(ステップS6106;Yes)、離床原因推定部112は、離床患者の離床原因として判定するコードは「M001」、すなわちむずむず足症候群と判定(推定)する。ここで、周期性体動指数が高いとは、例えば周期性体動指数が周期性体動閾値(例えば、「15.0」)以上の場合をいう。
続いて、周期性体動指数が高くないが、呼吸障害指数が高い場合(ステップS6106;No→ステップS6110;Yes)、離床原因推定部112は、患者の離床原因として判定するコードは「M003」、すなわち閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と判定(推定)する。ここで、呼吸障害指数が高いとは、例えば呼吸障害指数が呼吸障害指数閾値(例えば、「15.0」)以上の場合をいう。
このように、離床原因推定部112により離床原因が推定されると、評価レポート出力部114は、離床原因に対応するアドバイスを出力する。例えば、むずむず足症候群の可能性が高い場合には、通常の睡眠薬は効きにくいため、専用の薬を処方してもらうために専門医を受診することをアドバイスしたり、鉄分が不足していないか確認し不足しているようであれば鉄分を摂取すること、アルコールやカフェインの摂取の制限をすることをアドバイスしたりすることが可能となる。
また、コード「M003」の場合は、頻尿であるが、それの原因が閉塞性睡眠時無呼吸症候群であることが推定される。したがって、泌尿器科的治療だけではなく、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断と治療のために専門医受診を検討することがアドバイスとして表示される。
また、本実施形態において、離床回数、周期性体動指数、呼吸障害指数により離床原因が推定されている。このとき、例えば他の睡眠指標、バイタル指標は正常である場合に該当すると判定されてもよい。
また、周期性体動指数が高い場合(ステップS6106;Yes)に、更に呼吸障害指数が高いか否かを判定してもよい。この場合、離床原因推定部112は、離床原因としては、むずむず足症候群の可能性と、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の可能性とが推定される。すなわち、患者によっては、2つの原因に該当する場合がある。
[3.3.2 第2の離床原因推定処理]
第2の離床原因推定処理について説明する。第2の離床原因推定処理としては、それぞれの離床原因に該当するかを、複数の睡眠指標等に基づいて推定する処理である。離床原因推定部112は、以下の条件に合致するか否かで離床原因を推定する。
(1)睡眠効率が低く、活動量が高い、他の睡眠指標は正常
離床原因推定部112は、かゆみで眠れていなかったり、認知症により眠れていなかったりと、そのことが原因で覚醒し、離床していると推定する。
(2)レム睡眠中に離床している
レム睡眠行動障害により、離床していると推定する。
(3)離床直前にバイタル(例えば、心拍数、呼吸数等)が上昇
離床原因推定部112は、尿意に基づく離床であると推定する。
(4)睡眠効率が低く、呼吸障害指数が高い、他の睡眠指標は正常
離床原因推定部112は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群で眠れていない、もしくは尿産生が促されているために、そのことが原因で離床していると推定する。
(5)睡眠効率が低く、生活習慣に問題がある場合
例えば、就床時間が長かったり、昼間に睡眠している時間が長かったり、夕食後すぐに就床している等のときは、離床原因推定部112は、生活習慣に問題があると推定する。
このように、複数の睡眠指標、バイタル値、障害指標等をそれぞれの基準値と比較した結果の組み合わせで、離床の原因を推定することが可能である。
基準値と比較するのではなく、日々の離床回数を目的変数、複数の睡眠指標、バイタル値、障害指標等を説明変数として多変量解析をした結果、抽出された寄与率の高い説明変数を離床の原因として推定しても良い。例えば、図9に示すように、日付毎に目的変数に対応づけて説明変数を記憶してもよい。
ここで、基準値と比較する方法の場合、離床との関連がなくとも基準値を超えていれば、その基準値を超えている指標が離床の原因として推定されてしまうが、多変量解析を用いる場合は、離床回数の変化と連動している指標が原因として抽出される長所がある。
例えば、離床回数が日によって大きく異なる場合やある時点から急激に増えた場合などに効果を発揮する方法である。また、バイタル値や障害指標は日毎の変化が小さいが、睡眠効率などの睡眠指標と離床回数は本質的に関連が強く擬似相関となりやすいため、説明変数から睡眠指標を除いたほうが適切な離床原因の推定ができることも多い。
[3.3.3 第3の離床原因推定処理]
第3の離床原因推定処理について説明する。本実施形態は、離床原因推定部112が、人工知能(機械学習)を用いて患者の姿勢を判定する場合について説明する。
ここで、本実施形態における離床原因推定部112の動作について説明する。離床原因推定部112は、振動データや、患者の状態を入力値(入力データ)とし、人工知能や各種統計指標を利用することにより、患者の姿勢を推測する。
図10に示すように、離床原因推定部112は、特徴抽出部1120と、識別部1122と、識別辞書1124と、患者状態出力部1126とが含まれている。ここで、識別辞書1124は、記憶部130に記憶されてもよい。
まず、離床原因推定部112に入力される入力データとしては、種々のパラメータが入力され、利用される。例えば、本実施形態においては、振動データとしての振動データと、振動データから算出される生体情報値と、生体情報値や患者の状態から求められるパラメータとが利用されている。これらの入力は、1又は複数の組み合わせであってもよい。
そして、特徴抽出部1120により、各特徴点が抽出され、特徴ベクトルとして出力される。ここで、特徴抽出部1120が、特徴点として抽出するものは、例えば以下のものが考えられる。
(1)離床回数と周期性体動指数との値や関係
(2)離床回数と呼吸障害指数との値や関係
(3)睡眠効率と呼吸障害指数との値や関係
(4)睡眠効率と生活習慣(例えば、就床時間等)との値や関係
(5)睡眠日誌の変化や、バイタル日誌の変化
(6)睡眠効率と活動量との値や関係
特徴抽出部1120は、これらの特徴点を1又は複数組み合わせることにより、特徴ベクトルが出力される。なお、特徴点として説明したものは1例であり、当該値に限定されるものではない。また、このように、各値は、説明の都合上の値である。そして、該当する特徴点は「1」、非該当の特徴点は「0」が出力されでも良いし、確率変数が出力されても良い。
そして、上述した特徴点を全て含まれる場合は、特徴空間は6次元であり、6次元の特徴ベクトルとして識別部1122に出力される。
識別部1122は、入力された特徴ベクトルから、患者状態に対応するクラスを識別する。このとき、識別辞書1124として、事前に用意した複数のプロトタイプと照合することにより、クラスを識別する。プロトタイプは、各クラスに対応する特徴ベクトルとして記憶していても良いし、クラスを代表する特徴ベクトルを記憶していてもよい。
クラスを代表する特徴ベクトルが記憶されている場合には、最も近いプロトタイプの属するクラスを決定する。このとき、識別部1122は、最近傍決定則により決定してもよいし、k近傍法により識別してもよい。
なお、識別部1122が利用する識別辞書1124は、予めプロトタイプを記憶してもよいし、機械学習を利用して記憶することとしても良い。
そして、識別部1122により識別されたクラスに対応して、離床原因出力部1226により患者状態の離床原因が出力される。出力される離床原因としては、「むずむず足症候群」「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」「睡眠習慣の異常」「頻尿」「感染」「痛み」「予後悪化」「かゆみ」といった内容が識別されてもよいし、そのまま確率変数が出力されても良い。
これにより、本実施形態によれば、センサから出力された振動データ(生体情報値)を取得し、これらの情報から、患者が離床した場合における原因(離床原因)を推測することが可能となる。
[3.3.4 第4の離床原因推定処理]
第4の離床原因推定処理について説明する。第4の離床原因推定処理は、ディープニューラルネットワークを利用したディープラーニングを利用して離床の原因を推測する場合の実施形態である。
本実施形態では、離床原因推定部112に、患者の生体情報値や、睡眠指標、睡眠日誌を入力する。離床原因推定部112は、入力された生体情報値(生体情報のパラメータ)から離床原因を推測するが、この推測する処理としては、ディープラーニング(ディープニューラルネットワーク)を利用する。例えば、ディープラーニングにおける処理について、図11を用いて簡単に説明する。
まず、離床原因推定部112は、生体情報値、睡眠指標等のパラメータを、複数の層と、各層に含まれるニューロンによって構成されるニューラルネットワークに入力する。各ニューロンは別の複数のニューロンから信号を受け取り、演算を施した信号を別の複数のニューロンへ出力する。ニューラルネットワークが多層構造の場合、信号が流れる順に、入力層、中間層(隠れ層)、出力層と呼ばれる。
ニューラルネットワークの中間層が複数の層からなっているものはディープニューラルネットワーク(例えば、畳み込み演算を持つConvolutional Neural Network(畳み込みニューラルネットワーク))と呼ばれ、これを用いた機械学習の手法をディープラーニングと呼ぶ。
波形データはニューラルネットワークの各層のニューロンに各種演算(畳み込み演算、プーリング演算、正規化演算、行列演算等)が施され、形を変えながら流れ、出力層から複数の信号が出力される。
ニューラルネットワークからの複数の出力値は、それぞれ、患者の離床原因に紐づいていて、値が最も大きい出力値に紐づく離床原因と推測する、というような処理を行う。又は、患者の離床原因を直接出力しなくとも、一又は複数の出力値を分類器に通して、分類器の出力から離床原因を推測してもよい。
ニューラルネットワークの各種演算に用いる係数であるパラメータは、事前にニューラルネットワークへ数多くの生体情報値、睡眠指標における対応する離床原因を入力し、出力値と正解値との誤差を、誤差逆伝播法により、ニューラルネットワークを逆方向に伝搬し、各層のニューロンのパラメータを何度も更新することによって決まる。このように、パラメータを更新し、決める工程を学習と呼ぶ。
ニューラルネットワークの構造や、個々の演算については、書籍や論文で解説された公知技術であり、その何れかの技術を利用すれば良い。
このように、離床原因推定部112を利用することにより、センサから出力された振動データから算出された生体情報値や生体情報のパラメータを参照することにより、離床原因が出力される。
また、生体情報値や、睡眠指標等のパラメータだけでなく、例えば日誌データであってもよい。例えば、睡眠日誌や、体動日誌、呼吸障害日誌としった、算出可能な日誌データが入力し、学習させることが可能である。
[4.評価レポートの出力]
ここで、評価レポート出力部114が、出力部170より出力する評価レポートの一例を説明する。
[4.1 第1の評価レポート]
図12は第1の評価レポートW100の一例である。評価レポートW100には、各睡眠指標と、実際の測定値(算出値)、当該測定値(算出値)に基づいて、指標評価部108が評価した評価値、評価値に基づくアドバイスが、領域R100に出力されている。また、領域R105には、睡眠指標に基づく総合判定(総合評価)が出力されている。
総合判定(総合評価)は、指標評価部108又は評価レポート出力部114が、判定する。総合判定をする方法としては種々の方法が考えられるが、例えば睡眠指標の平均や、重みを利用して総合判定を行える指数を算出して利用してもよいし、睡眠指標の評価の中で最も悪いものを利用してもよい。
また、評価レポートW100には、睡眠日誌が領域R110に出力されている。このように、第1の評価レポートW100を利用することで、睡眠指標、評価、アドバイス、睡眠日誌を容易に確認することができる。
[4.2 第2の評価レポート]
図13は第2の評価レポートW200の一例である。評価レポートW200には、第1の評価レポートW100と同様に、睡眠指標に関するものが領域R200に出力されている。
ここで、第2の評価レポートは、領域R210に離床原因と、アドバイスとが表示される。これにより、利用者は患者の離床原因を容易に確認することができる。したがって、例えば離床原因を解消することにより離床回数を削減するといったことが可能となる。
また、離床原因に関連する睡眠指標を識別表示してもよい。例えば、図13では、「離床回数」と「周期性体動指数」とのパラメータ(睡眠指標)が識別表示(例えば他の指標とは異なる表示)されていることから、問題となっていることが評価レポートから容易に把握することが可能となる。
そこで、「離床回数」には識別表示R220が、「周期性体動指数」には識別表示R222が付されている。
このように、第2の評価レポートW200によれば、離床原因を利用者は評価レポートで把握することができる。また、併せて問題のある睡眠指標を識別表示することにより、離床の問題点を容易に確認することができる。
[4.3 第3の評価レポート]
図14は、第3の評価レポートの一例である。第3の評価レポートでは、睡眠、呼吸、心拍、活動量、呼吸障害、周期性体動の変動が出力されている。また、睡眠指標と、アドバイスとが併せて出力されている。
このように、第3の評価レポートによれば、生体情報値の変動や、睡眠指標の変動等を容易に確認することが可能となる。これらの生体情報値の変動や、睡眠指標の変動は、数日単位で表示可能となっている。また、1日24時間を1つのグラフとし、それが複数配列されることにより、数日単位で生体情報値や睡眠指標の変動、異常の確認を行うことが可能となる。
[5.効果]
このように、本実施形態によれば、患者の生体情報値、睡眠指標といった種々の情報を参照して、患者の離床原因について推定することができる。
とくに、睡眠の評価には、睡眠の量、睡眠の質、睡眠習慣(睡眠の規則性)、睡眠障害、睡眠中のバイタル値が必要である。上述したように、睡眠の量は睡眠時間で評価され、睡眠の質は睡眠指標(中途覚醒時間、離床回数、睡眠効率等)で評価できる。また、睡眠習慣の評価は、就床時刻、起床時刻、就床時刻・起床時刻の変動等で評価できる。
これらの睡眠の評価に必要な項目を考慮した上で、睡眠評価レポートが出力されるといった点に、従来と比較し、大きな特徴がある。
[6.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
また、本実施形態においては、検出装置3で出力された結果に基づき、睡眠評価装置5において睡眠評価レポートを出力しているが、検出装置3で全て算出してもよい。また、端末装置(例えばスマートフォン、タブレット、コンピュータ)にアプリケーションをインストールして実現するだけでなく、例えばサーバ側で処理をして、処理結果を端末装置に返しても良い。
例えば、検出装置3から、生体情報をサーバにアップロードすることで、サーバ側で上述した処理を実現してもよい。この検出装置3は、例えば加速度センサ、振動センサを内蔵したスマートフォンのような装置で実現してもよい。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDD、SSDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
1 システム
3 検出装置
5 睡眠評価装置
100 制御部
102 生体情報値取得部
104 睡眠状態判定部
106 指標出力部
108 指標評価部
110 日誌作成部
112 離床原因推定部
114 評価レポート出力部
130 記憶部
132 生体情報値データ
134 睡眠状態データ
136 パラメータテーブル
138 睡眠評価テーブル
140 離床評価テーブル
150 通信部
160 入力部
170 出力部

Claims (9)

  1. 利用者の睡眠状態の情報を記憶可能な記憶部と、
    所定区間における前記利用者の離床回数が第1の閾値以上の場合に、当該離床回数前記利用者の睡眠の異常を示す障害指数とに基づいて、前記利用者の離床原因を推定する制御部と、
    を備え、
    前記障害指数は、前記利用者の周期性体動指数及び/又は呼吸障害指数であることを特徴とする評価装置。
  2. 前記制御部は、前記利用者の前記離床回数と、前記周期性体動指数とに基づいて、前記離床原因がむずむず足症候群であるかを推定することを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  3. 前記制御部は、前記利用者の前記離床回数と、前記周期性体動指数と、前記呼吸障害指数に基づいて、前記離床原因が閉塞性睡眠時無呼吸症候群であるかを推定することを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  4. 前記制御部は、前記離床回数が、前記第1の閾値と異なる第2の閾値以上となる場合には、前記障害指数に関わらず前記離床原因がむずむず足症候群であると推定することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の評価装置。
  5. 前記記憶部は、前記利用者の生体情報値を更に記憶し、
    前記制御部は、前記生体情報値が正常範囲に含まれる場合に、前記離床原因があると推定されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の評価装置。
  6. 前記制御部は、前記利用者の生体情報値を更に記憶し、
    前記制御部は、前記利用者が離床する直前に生体情報値が上昇している場合は、前記離床原因が尿意にあると推定することを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  7. 前記制御部は、前記利用者の睡眠状態から求められる睡眠指標と、前記離床原因とを併せて、評価レポートとして出力することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の評価装置。
  8. 前記制御部は、前記離床原因に関連づけられた前記睡眠指標を識別表示された評価レポートを出力することを特徴とする請求項7に記載の評価装置。
  9. 利用者の睡眠状態の情報を記憶可能な記憶部を有するコンピュータに、
    所定区間における前記利用者の離床回数が第1の閾値以上の場合に、当該離床回数前記利用者の睡眠の異常を示す障害指数とに基づいて、前記利用者の離床原因を推定する機能を実現させることを特徴とするプログラムであって、
    前記障害指数は、前記利用者の周期性体動指数及び/又は呼吸障害指数であることを特徴とするプログラム。
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