JP6931888B2 - 解析装置及び解析プログラム - Google Patents

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本発明の実施形態は、解析装置及び解析プログラムに関する。
生体組織間の癒着の程度を数値化し、定量的に癒着部位を表示することが望まれている。しかしながら、従来の技術では、生体組織間の癒着を正確に評価することが困難な場合がある。
特開2012−152532号公報
本発明が解決しようとする課題は、生体組織間の癒着を定量化することである。
実施形態によれば、解析装置は、取得部、及び計算部を備える。取得部は、第1の構造物、及び前記第1の構造物に接している第2の構造物を含む領域に対応する時系列の医用画像を取得する。計算部は、前記時系列の医用画像を用いて、前記第1の構造物に含まれる第1部位の移動を示す第1ベクトル、及び前記第2の構造物に含まれる第2部位の移動を示す第2ベクトルを計算し、前記第1ベクトル及び前記第2ベクトルに基づいて、前記第1部位と前記第2部位との間の相対的な移動を示す第3ベクトルを計算し、前記第3ベクトル又は前記第3ベクトルの大きさを、前記第1ベクトル又は前記第2ベクトルの大きさで規格化することにより、前記第1の構造物と前記第2の構造物との間の癒着の程度を示す指標値を計算する。
図1は、第1の実施形態に係る解析装置の構成を示す図である。 図2は、図1に示される画像処理回路が生体組織間の癒着度を定量化する際の動作を表すフローチャートである。 図3は、境界領域に沿って設定されるROIを表す図である。 図4は、ROIの移動ベクトルを表す図である。 図5は、第1ベクトルと第2ベクトルとの差分ベクトルである第3ベクトルを説明するための図である。 図6は、第1ベクトルの大きさ及び第2ベクトルの大きさを表す図である。 図7は、差分ベクトルの大きさを表す図である。 図8は、境界の両側で組織が異なる動きをする場合の画像を表す図である。 図9は、境界の両側で組織が同様の動きをする場合の画像を表す図である。 図10は、癒着の程度を相関係数を用いて評価した際の問題点を説明するための図である。 図11は、第2の実施形態に係る画像処理回路が生体組織間の癒着度を定量化する際の動作を表すフローチャートである。 図12は、第1ベクトル及び第2ベクトルの特定方向についての成分を表す図である。 図13は、第1ベクトル及び第2ベクトルから並進運動を除外したベクトルを表す図である。 図14は、第3の実施形態に係るワークステーションを含む医用情報システムを表す図である。
以下、図面を参照しながら、解析装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る解析装置の構成例を示すブロック図である。なお、図1では、解析装置の一例として超音波診断装置1を説明する。図1に示されるように、超音波診断装置1は、装置本体10、及び超音波プローブ20を備える。装置本体10は、ネットワーク100を介して外部装置30と接続される。また、装置本体10は、表示機器40及び入力装置50と接続される。
超音波プローブ20は、複数の圧電振動子、圧電振動子に設けられる整合層、及び圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。超音波プローブ20は、装置本体10と着脱自在に接続される。複数の圧電振動子は、装置本体10が有する超音波送信回路11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ20には、オフセット処理、及び超音波画像のフリーズ等の際に押下されるボタンが配置されてもよい。
超音波プローブ20から生体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、生体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ20が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流又は心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。超音波プローブ20は、生体Pからの反射波信号を受信して電気信号に変換する。
本実施形態においては、超音波プローブ20は、複数の超音波振動子が所定の方向に沿って配列された一次元アレイプローブであるとする。しかしながら、当該例に拘泥されず、超音波プローブ20は、ボリュームデータを取得可能なものとして、二次元アレイプローブ(複数の超音波振動子が二次元マトリックス状に配列されたプローブ)、又はメカニカル4Dプローブ(超音波振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なプローブ)であってもよい。
なお、図1においては、撮影に用いられる超音波プローブ20と装置本体10との接続関係のみを例示している。しかしながら、装置本体10には、複数の超音波プローブを接続することが可能である。接続された複数の超音波プローブのうちいずれを撮影に使用するかは、切り替え操作によって任意に選択することができる。
図1に示される装置本体10は、超音波プローブ20が受信した反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示されるように、超音波送信回路11、超音波受信回路12、Bモード処理回路13、ドプラ処理回路14、3次元データ発生回路15、画像処理回路16、表示処理回路17、内部記憶回路18、画像メモリ19(シネメモリ)、入力インタフェース111、通信インタフェース112、及び制御回路113を有する。
超音波送信回路11は、超音波プローブ20に駆動信号を供給するプロセッサである。超音波送信回路11は、例えば、トリガ発生回路、遅延回路、及びパルサ回路等により実現される。トリガ発生回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。遅延回路は、超音波プローブ20から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子毎の遅延時間を、トリガ発生回路が発生する各レートパルスに対し与える。パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ20に駆動信号(駆動パルス)を印加する。遅延回路により各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向が任意に調整可能となる。
超音波受信回路12は、超音波プローブ20が受信した反射波信号に対して各種処理を施し、受信信号を生成するプロセッサである。超音波受信回路12は、例えば、アンプ回路、A/D変換器、受信遅延回路、及び加算器等により実現される。アンプ回路は、超音波プローブ20が受信した反射波信号をチャンネル毎に増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられた複数のデジタル信号を加算する。加算器の加算処理により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調された受信信号が発生する。
Bモード処理回路13は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に基づき、Bモードデータを生成するプロセッサである。Bモード処理回路13は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に対して包絡線検波処理、及び対数増幅処理等を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。生成されたBモードデータは、2次元的な超音波走査線上のBモードRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記憶される。
ドプラ処理回路14は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に基づき、ドプラ波形、及びドプラデータを生成するプロセッサである。ドプラ処理回路14は、受信信号から血流信号を抽出し、抽出した血流信号からドプラ波形を生成すると共に、血流信号から平均速度、分散、及びパワー等の情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。生成されたドプラデータは、2次元的な超音波走査線上のドプラRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記憶される。
3次元データ発生回路15は、Bモード処理回路13、及びドプラ処理回路14により生成されたデータに基づき、3次元画像データを生成するプロセッサである。3次元データ発生回路15は、例えば、RAWデータメモリに記憶されたBモードRAWデータに対してRAW−ピクセル変換を実行することで、ピクセルから構成される2次元画像データを生成する。
また、3次元データ発生回路15は、RAWデータメモリに記憶されたBモードRAWデータに対し、空間的な位置情報を加味した補間処理を含むRAW−ボクセル変換を実行することで、所望の範囲のボクセルから構成される3次元の画像データ(以下、ボリュームデータと称する。)を生成する。
画像処理回路16は、2次元画像データ又はボリュームデータに対し、所定の画像処理を施すプロセッサである。所定の画像処理には、例えば、ボリュームレンダリング、多断面変換処理(MPR:Multi Planar Reconstruction)、最大値投影処理(MIP:Maximum Intensity Projection)、又は癒着定量化処理等が含まれる。また、画像処理回路16は、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、画像処理の後に二次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行う。
具体的には、例えば、画像処理回路16は、内部記憶回路18に記憶されている、生体組織間の癒着を評価するための解析プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。画像処理回路16は、例えば、取得機能(取得部)161、計算機能(計算部)162、及び生成機能(生成部)163を有する。
取得機能161は、癒着を評価する対象となる生体組織を含む時系列の2次元画像データ又はボリュームデータ等の画像データを取得する機能である。具体的には、例えば、画像処理回路16は、取得機能161を実行すると、第1の構造物、及び第1の構造物に接している第2の構造物を含む領域に対応する複数の時相の画像データを、時系列の画像データとして取得する。なお、画像処理回路16は、連続する複数フレームの画像データを取得して時系列の画像データとしても構わないし、予め設定された間隔毎に複数フレームの画像データを取得して時系列の画像データとしても構わない。予め設定された間隔は一定であってもよいし、不定であってもよい。
計算機能162は、生体組織間の癒着の程度を表す指標値を計算する機能である。具体的には、例えば、画像処理回路16は、計算機能162を実行すると、時系列の画像データから第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する。第1ベクトルは、画像データに基づく画像で描画される第1の構造物に含まれる第1部位の移動を表す。第2ベクトルは、画像データに基づく画像で描画され、第1の構造物に接している第2の構造物に含まれる第2部位の移動を表す。画像処理回路16は、第1ベクトル及び第2ベクトルに基づいて、第1部位と第2部位との間の相対的な移動を表す第3ベクトルを計算する。ここで、第1部位と第2部位との間の相対的な移動とは、例えば、第1部位に対する第2部位の移動、又は第2部位に対する第1部位の移動に対応する。そして、画像処理回路16は、第3ベクトルを、第1ベクトルの大きさ又は第2ベクトルの大きさで規格化することにより、第1の構造物と第2の構造物との間の癒着の程度を示す指標値である癒着度を計算する。ここで、癒着度は、第3ベクトルを、第1ベクトルの大きさ又は第2ベクトルの大きさで規格化することにより得られたベクトルの大きさに対応する。数式(1)は、生体組織間の癒着の程度を、定量化するための式である。
Figure 0006931888
数式(1)によれば、癒着度=0のとき、2つの対象が同じ動きをしていることになり、癒着が強固であることを表す。なお、数式(1)により算出された値を定数(例えば1)から減じた値を癒着度としてもよい。こうすることにより、癒着度=1のときに癒着が強固であることを表すことになる。
なお、数式(1)では、第1ベクトルXの大きさで第3ベクトルを規格化しているが、第2ベクトルYの大きさで第3ベクトルを規格化してもよい。また、数式(1)では、第1ベクトルXの大きさが第2ベクトルYの大きさ以上となることを条件としているが、これに限定されない。また、数式(1)は、2次元画像データに基づいて癒着度を算出する際の式を表しているが、ボリュームデータに対しては、3次元(x軸、y軸、z軸)の移動ベクトルを用いて癒着度を算出してもよい。
また、画像処理回路16は、第3ベクトルの大きさを、第1ベクトル又は第2ベクトルの大きさで規格化することにより、癒着度を計算してもよい。数式(2)は、生体組織間の癒着の程度を、定量化するための式である。
Figure 0006931888
数式(2)によれば、癒着度=0のとき、2つの対象が同じ動きをしていることになり、癒着が強固であることを表す。なお、数式(2)により算出された値を定数(例えば1)から減じた値を癒着度としてもよい。こうすることにより、癒着度=1のときに癒着が強固であることを表すことになる。
なお、数式(2)では、第1ベクトルXの大きさで第3ベクトルの大きさを規格化しているが、第2ベクトルYの大きさで第3ベクトルの大きさを規格化してもよい。また、数式(2)では、第1ベクトルXの大きさが第2ベクトルYの大きさ以上となることを条件としているが、これに限定されない。また、数式(2)は、2次元画像データに基づいて癒着度を算出する際の式を表しているが、ボリュームデータに対しては、3次元(x軸、y軸、z軸)の移動ベクトルを用いて癒着度を算出してもよい。
生成機能163は、計算した指標値を表す画像及びインジケータのうち少なくとも1つを生成する機能である。
表示処理回路17は、画像処理回路16で生成・処理された各種画像データをビデオ信号へ変換するプロセッサである。具体的には、表示処理回路17は、画像処理回路16で生成・処理された各種画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、γカーブ補正、及びRGB変換等の各種処理を実行することで、画像データをビデオ信号に変換する。表示処理回路17は、ビデオ信号を表示機器40に表示させる。なお、表示処理回路17は、操作者が入力インタフェース111により各種指示を入力するためのユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)を生成し、GUIを表示機器40に表示させてもよい。表示機器40としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
内部記憶回路18は、例えば、磁気的若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等のプロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。内部記憶回路18は、超音波送受信を実現するための制御プログラム、画像処理を行うための制御プログラム及び解析プログラム、並びに、表示処理を行なうための制御プログラム等を記憶している。また、内部記憶回路18は、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、送信条件、受信条件、信号処理条件、画像生成条件、画像処理条件、ボディマーク生成プログラム、表示条件、及び映像化に用いるカラーデータの範囲を診断部位毎に予め設定する変換テーブル等のデータ群を記憶している。なお、上記制御プログラム、解析プログラム、及びデータ群は、例えば、内部記憶回路18に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されて内部記憶回路18にインストールされてもよい。
また、内部記憶回路18は、入力インタフェース111を介して入力される記憶操作に従い、3次元データ発生回路15で発生された2次元画像データ及びボリュームデータ、並びに、画像処理回路16で生成・処理された画像データを記憶する。内部記憶回路18は、記憶しているデータを、通信インタフェース112を介して外部装置30へ転送することも可能である。
また、内部記憶回路18は、外部装置30から転送される医用画像データを記憶する。例えば、内部記憶回路18は、過去の診察において取得された同一患者に関する過去の医用画像データを、外部装置30から取得して記憶する。過去の医用画像データには、超音波画像データ、CT(Computed Tomography)画像データ、MR画像データ、PET(Positron Emission Tomography)−CT画像データ、PET−MR画像データ、及びX線画像データ等が含まれる。
画像メモリ19は、例えば、磁気的若しくは光学的記録媒体、又は半導体メモリ等のプロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。画像メモリ19は、入力インタフェース111を介して入力されるフリーズ操作直前の複数フレームに対応する画像データを保存する。画像メモリ19に記憶されている画像データは、例えば、連続表示(シネ表示)される。
内部記憶回路18及び画像メモリ19は、必ずしもそれぞれが独立した記憶装置により実現される訳ではない。内部記憶回路18及び画像メモリ19は単一の記憶装置により実現されても構わない。また、内部記憶回路18及び画像メモリ19は、それぞれが複数の記憶装置により実現されても構わない。
入力インタフェース111は、入力装置50を介して、ユーザからの各種指示を受け付ける。入力装置50は、例えば、マウス、キーボード、パネルスイッチ、スライダースイッチ、トラックボール、ロータリーエンコーダ、操作パネル、及びタッチコマンドスクリーン(TCS)である。入力インタフェース111は、例えばバスを介して制御回路113に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御回路113へ出力する。なお、本実施形態において入力インタフェース111は、マウス及びキーボード等の物理的な操作部品と接続するものだけに限られない。例えば、超音波診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路113へ出力する処理回路も入力インタフェース111の例に含まれる。
通信インタフェース112は、ネットワーク100等を介して外部装置30と接続され、外部装置30との間でデータ通信を行う。外部装置30は、例えば、各種の医用画像のデータを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベース、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベース等である。また、外部装置30は、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置、及びMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、核医学診断装置、及びX線診断装置等、本実施形態に係る超音波診断装置1以外の各種医用画像診断装置である。なお、外部装置30との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、DICOM(digital imaging and communication in medicine)が挙げられる。
制御回路113は、例えば、超音波診断装置1の中枢として機能するプロセッサである。制御回路113は、内部記憶回路18に記憶されている制御プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。
次に、以上のように構成された超音波診断装置1が生体組織間の癒着を評価する動作を詳細に説明する。なお、ここでは、第1の構造物が肝臓であり、第1の構造物に接している第2の構造物が腎臓である場合を例に説明する。
例えば、操作者が、超音波プローブ20を用いて被検体Pの超音波検査を実施しているとする。超音波プローブ20から被検体Pへ送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ20で受信される。超音波受信回路12は、超音波プローブ20が受信した反射波信号に対して各種処理を施し、受信信号を生成する。
Bモード処理回路13は、超音波受信回路12から受け取った受信信号に基づき、2次元的な超音波走査線上のBモードRAWデータを生成する。3次元データ発生回路15は、Bモード処理回路13により生成された2次元的なBモードRAWデータに対してRAW−ピクセル変換を実行することで、2次元画像データを発生する。発生した2次元画像データは、画像処理回路16での画像処理、及び表示処理回路17での変換処理を経て、表示画像として表示機器40に表示される。
操作者は、例えば、肝臓と腎臓との癒着の状態を確認したい場合、超音波プローブ20を操作し、肝臓及び腎臓が、表示機器40に表示されるBモード画像に含まれるようにする。操作者は、所望の領域が含まれるBモード画像が表示されると、入力インタフェース111を介し、癒着を定量的に評価する旨の指示を入力する。当該指示が入力されると、画像処理回路16は、生体組織間の癒着を評価するための解析プログラムを内部記憶回路18から読み出し、読み出した解析プログラムを実行する。
画像処理回路16は、注目する部位の瞬間的な移動を表す瞬時ベクトル、又は注目する部位の累積的な移動を表す累積ベクトルを利用して生体組織間の癒着度を定量化する。以下では、瞬時ベクトルを利用して癒着度を定量化する場合と、累積ベクトルを利用して癒着度を定量化する場合とを分けて説明する。
(瞬時ベクトルを用いた癒着度の定量化)
図2は、図1に示される画像処理回路16が生体組織間の癒着度を定量化する際の動作の例を表すフローチャートである。解析プログラムが実行されると、例えば、まず、取得機能161が実現される。取得機能161において画像処理回路16は、3次元データ発生回路15で生成された2次元画像データを、時系列の2次元画像データとして取得する(ステップS21)。すなわち、画像処理回路16は、2次元画像データを取得した順に、第1時相の2次元画像データ、第2時相の2次元画像データ、第3時相の2次元画像データ、…とする。このとき、画像処理回路16は、連続するフレームで生成される2次元画像データを取得し、時系列の2次元画像データとしてもよい。例えば、画像処理回路16は、第1フレーム、第2フレーム、…のように連続するフレームで生成される2次元画像データを取得してもよい。また、画像処理回路16は、予め設定された間隔のフレーム毎に生成される2次元画像データを取得し、時系列の2次元画像データとしてもよい。例えば、画像処理回路16は、第1フレーム、第3フレーム、第5フレーム…のように奇数フレームで生成される2次元画像データを取得してもよい。
なお、画像処理回路16は、3次元データ発生回路15で生成された複数の時相のボリュームデータを、時系列のボリュームデータとして取得してもよいが、ここでは、時系列の2次元画像データを取得する場合を例に説明する。
第1時相の2次元画像データを取得すると、画像処理回路16は、計算機能162を実行する。計算機能162を実行すると画像処理回路16は、第1時相の2次元画像データ及びこの後に取得される2次元画像データに基づき、肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第1ベクトル、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第2ベクトルを計算する。具体的には、画像処理回路16は、例えば、ハフ変換を用いた境界検出法を利用し、肝臓と腎臓との境界領域を自動抽出する(ステップS22)。なお、操作者は、表示機器40に表示されるBモード画像を参照し、肝臓と腎臓との境界領域をマニュアルで選択してもよい。
また、画像処理回路16は、例えば、既存の領域抽出技術により、第1時相の2次元画像データに含まれる生体組織、例えば、肝臓及び腎臓を抽出した後、抽出した肝臓及び腎臓に基づき、肝臓と腎臓との境界領域を抽出してもよい。
画像処理回路16は、境界領域を挟んで隣接する肝臓内の部位と、腎臓内の部位とにROI(Region Of Interest)をそれぞれ設定する。画像処理回路16は、境界領域を挟むように設定した肝臓内のROIと腎臓内のROIとからなるROIの組を、境界領域に沿って複数設定する(ステップS23)。図3は、境界領域に沿って設定されるROIの組の例を表す模式図である。図3によれば、境界領域に沿って肝臓側にROIL1〜ROIL5が設定され、腎臓側にROIK1〜ROIK5が設定される。そして、ROIL1及びROIK1が組として設定され、同様に、ROIL2及びROIK2、ROIL3及びROIK3、ROIL4及びROIK4、並びに、ROIL5及びROIK5が組として設定されている。
画像処理回路16は、第1時相の2次元画像データにおいて設定された複数のROIそれぞれに対し、テンプレートデータを設定する。テンプレートデータは、ROIに含まれる複数のピクセルから構成される。なお、画像処理回路16は、2次元画像データ上でのテンプレートデータの移動に合わせてROIを移動させてもよいし、テンプレートデータの移動に関わらず2次元画像データ上でROIを固定させてもよい。ただし、この場合、ROIないからテンプレートデータが外れないことが前提となる。
続いて、画像処理回路16は、第2時相の2次元画像データが取得されると、第1時相の2次元画像データと第2時相の2次元画像データとの間でテンプレートデータのスペックルパターンに基づくパターンマッチング(例えば、SAD(Sum of Absolute Difference)等)を行い、スペックルパターンが最も一致する領域を探索する。画像処理回路16は、パターンマッチング処理の結果に基づき、第1時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第2時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する(ステップS24)。このとき、第1時相の2次元画像データと、第2時相の2次元画像データとが画像データセットとなる。これにより、画像処理回路16は、肝臓と腎臓との境界付近に設定された複数の部位の、第2時相における移動先を取得する。なお、ROI内のテンプレートデータの追跡は、パターンマッチング処理を利用したものに限られず、既存のその他の処理を利用しても構わない。
画像処理回路16は、取得した第2時相における移動先に基づき、肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第1ベクトルXi1、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第2ベクトルYi1を計算する(ステップS25)。なお、iは、自然数であり、本実施形態では1から5の値を取る。
図4は、肝臓内の部位、及び腎臓内の部位の移動ベクトルを表す模式図である。図4によれば、肝臓内に設定されたROIL1〜ROIL5内の部位は、第1ベクトルX11〜第1ベクトルX51でそれぞれ移動し、腎臓内に設定されたROIK1〜ROIK5内の部位は、第2ベクトルY11〜第2ベクトルY51でそれぞれ移動している。
画像処理回路16は、設定しているROIの組毎に第1ベクトルXi1と、第2ベクトルYi1との差分を取ることで、ROIの組毎の第3ベクトルを計算する(ステップS26)。図5は、第1ベクトルXi1と第2ベクトルYi1との差分ベクトルである第3ベクトルを説明するための図である。また、図6は肝臓及び腎臓の移動量(それぞれ第1ベクトルの大きさ及び第2ベクトルの大きさ)の例を表し、図7は差分ベクトルの大きさの例を表す。
第3ベクトルが計算されると、画像処理回路16は、例えば、数式(1)に基づき、ROIの組毎に計算された第3ベクトルを、組毎に計算された第1ベクトルX11〜X51の大きさで規格化することにより、ROIの組毎の癒着度を計算する(ステップS27)。なお、画像処理回路16は、ステップS27において、例えば、数式(2)に基づき、ROIの組毎に計算された第3ベクトルの大きさを、組毎に計算された第1ベクトルX11〜X51の大きさで規格化することにより、ROIの組毎の癒着度を計算してもよい。
画像処理回路16は、第3時相の2次元画像データが取得されると、ステップS24〜ステップS27の処理を実施して癒着度を計算する。すなわち、画像処理回路16は、例えば、第2時相の2次元画像データと、第3時相の2次元画像データとを画像データセットとしてパターンマッチング処理を用い、第2時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第3時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する(ステップS24)。画像処理回路16は、取得した第3時相における移動先に基づき、肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第1ベクトルXi2、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第2ベクトルYi2を計算する(ステップS25)。
画像処理回路16は、設定しているROIの組毎に第1ベクトルXi2と、第2ベクトルYi2との差分を取ることで、ROIの組毎の第3ベクトルを計算する(ステップS26)。画像処理回路16は、例えば、数式(1)に基づき、ROIの組毎に計算された第3ベクトルを、組毎に計算された第1ベクトルX12〜X52の大きさで規格化することにより、ROIの組毎の癒着度を計算する(ステップS27)。なお、画像処理回路16は、ステップS27において、例えば、数式(2)に基づき、ROIの組毎に計算された第3ベクトルの大きさを、組毎に計算された第1ベクトルX12〜X52の大きさで規格化することにより、ROIの組毎の癒着度を計算してもよい。画像処理回路16は、2次元画像データが取得される毎に、ステップS24〜ステップS27の処理を実施し、癒着度を逐次計算する。
瞬時ベクトルを用いた癒着度の算出は、逐次的に実行されなくても構わない。例えば、画像処理回路16は、予め設定された期間毎に、その期間内に計算された最大の第3ベクトル又は第3ベクトルの大きさに基づいて癒着度を計算してもよい。
具体的には、ステップS26において、第3ベクトルが計算されると、画像処理回路16は、計算された第3ベクトルの大きさが、本期間において最大であると暫定的に設定されている第3ベクトルの大きさを超えるか否かを判断する。計算された第3ベクトルの大きさが設定されている第3ベクトルの大きさを超える場合、画像処理回路16は、計算された第3ベクトルを本期間における最大の第3ベクトルとして暫定的に設定する。画像処理回路16は、予め設定される期間が経過するまでステップS24〜S26を繰り返し、期間内における最大の第3ベクトルを決定する。
画像処理回路16は、予め設定される期間が経過すると、例えば、数式(1)に基づき、この期間内で決定された最大の第3ベクトルを、この第3ベクトルの算出に用いた第1ベクトルの大きさで規格化することで癒着度を計算する(ステップS27)。なお、画像処理回路16は、例えば、数式(2)に基づき、この期間内で決定された最大の第3ベクトルの大きさを、この第3ベクトルの算出に用いた第1ベクトルの大きさで規格化することで癒着度を計算してもよい。画像処理回路16は、上記処理をROIの組毎に実施する。
(累積ベクトルを用いた癒着度の定量化)
図2に示されるステップS21で第1時相の2次元画像データが取得されると、画像処理回路16は、計算機能162を実行する。計算機能162を実行すると画像処理回路16は、第1時相の2次元画像データ及びこの後に取得される2次元画像データに基づき、肝臓内の部位の累積的な移動を表す第1ベクトル、及び腎臓内の部位の累積的な移動を表す第2ベクトルを計算する。
(第1ベクトル及び第2ベクトルの計算例1)
例えば、画像処理回路16は、予め設定された時相数だけ隔てられた2つの2次元画像データを含むように画像データセットを設定し、設定した画像データセットに含まれる2次元画像データに基づいて第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する。
より具体的には、画像処理回路16は、例えば、3時相だけ隔てられた2つの2次元画像データを画像データセットとして設定する。当該設定下において、画像処理回路16は、第1時相の2次元画像データの後に、第4時相の2次元画像データが取得されると、第1時相の2次元画像データと第4時相の2次元画像データとの間でパターンマッチングを行う。画像処理回路16は、パターンマッチング処理の結果に基づき、第1時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第4時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する(ステップS24)。これにより、画像処理回路16は、肝臓と腎臓との境界付近に設定された複数の部位の、第4時相における移動先を取得する。画像処理回路16は、取得した第4時相における移動先に基づき、第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算する(ステップS25)。
続いて、画像処理回路16は、第4時相から3時相離れた第7時相の2次元画像データが取得されると、ステップS24,S25の処理を実施して第1ベクトルX及び第2ベクトルYを計算する。すなわち、画像処理回路16は、例えば、第4時相の2次元画像データと、第7時相の2次元画像データとを画像データセットとしてパターンマッチング処理を用い、第4時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第7時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する(ステップS24)。画像処理回路16は、取得した第7時相における移動先に基づき、第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算する(ステップS25)。
なお、隣接する画像データセットにおいて、一方の2次元画像データが重複する場合、すなわち、第4時相の2次元画像データが隣接する画像データセットで重複する場合を例に説明したが、これに限定されない。画像データセットに含まれる2次元画像データは重複しなくても構わない。例えば、第1時相の2次元画像データと第4時相の2次元画像データとの画像データセットの次に、第2時相の2次元画像データと第5時相の2次元画像データとの画像データセットに基づき第1ベクトル及び第2ベクトルを計算してもよい。
(第1ベクトル及び第2ベクトルの計算例2)
また、例えば、画像処理回路16は、各画像データセットで同数の、3以上の2次元画像データが含まれるように画像データセットを設定し、設定した画像データセットに含まれる2次元画像データに基づいて第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する。
より具体的には、画像処理回路16は、例えば、連続する4時相の2次元画像データを画像データセットとして設定する。当該設定下において、画像処理回路16は、第1時相の2次元画像データの後に、第2時相の2次元画像データが取得されると、例えば、パターンマッチング処理により、第1時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第2時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する(ステップS24)。画像処理回路16は、取得した第2時相における移動先に基づき、肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第4ベクトルx、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第5ベクトルyを計算する。
続いて、画像処理回路16は、第3時相の2次元画像データが取得されると、ステップS24の処理を実施し、第2時相から第3時相の間における第4ベクトルx及び第5ベクトルyを計算する。画像処理回路16は、第4ベクトルxを計算すると、第4ベクトルxを、先に求めた第4ベクトルxに加算する。また、画像処理回路16は、第5ベクトルyを計算すると、第5ベクトルyを、先に求めた第5ベクトルyに加算する。
続いて、画像処理回路16は、第4時相の2次元画像データが取得されると、ステップS24の処理を実施し、第3時相から第4時相の間における第4ベクトルx及び第5ベクトルyを計算する。画像処理回路16は、第4ベクトルxを計算すると、第4ベクトルxを、第4ベクトルxと第4ベクトルxとの加算ベクトルに加算することで、肝臓内の部位の累積的な移動を表す第1ベクトルXを計算する。また、画像処理回路16は、第5ベクトルyを計算すると、第5ベクトルyを、第5ベクトルyと第5ベクトルyとの加算ベクトルに加算することで、腎臓内の部位の累積的な移動を表す第2ベクトルYを計算する(ステップS25)。画像処理回路16は、次の画像データセットに対しても同様の処理を実施し、第1ベクトルX及び第2ベクトルYを計算する。
なお、画像データセットに含められる2次元画像データの時相は、連続でなくても構わない。例えば、予め設定された時相数の2次元画像データが、所定時相ずつ隔てられて画像データセットに含められていてもよい。
(第1ベクトル及び第2ベクトルの計算例3)
さらに、例えば、画像処理回路16は、含まれる2次元画像データの数が異なるように画像データセットを設定し、設定した画像データセットに含まれる2次元画像データに基づいて第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する。
より具体的には、画像処理回路16は、例えば、包含される2次元画像データの数が徐々に多くなるように画像データセットを設定する。すなわち、画像処理回路16は、例えば、まず、連続する2時相の2次元画像データを含む画像データセットを設定し、次に、連続する3時相の2次元画像データを含む画像データセットを設定し、次に、連続する4時相の2次元画像データを画像データセットとして設定する。当該設定下において、画像処理回路16は、第1時相の2次元画像データの後に、第2時相の2次元画像データが取得されると、第1時相の2次元画像データと、第2時相の2次元画像データとを画像データセットとする。画像処理回路16は、例えば、パターンマッチング処理により、第1時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第2時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する(ステップS24)。画像処理回路16は、取得した第2時相における移動先に基づき、肝臓内の部位の移動を表す第1ベクトルX、及び腎臓内の部位の移動を表す第2ベクトルYを計算する(ステップS25)。
続いて、画像処理回路16は、第3時相の2次元画像データが取得されると、第1時相乃至第3時相の2次元画像データを画像データセットとする。画像処理回路16は、ステップS24の処理を実施し、第2時相から第3時相の間における肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第4ベクトルx、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第5ベクトルyを計算する。画像処理回路16は、第4ベクトルxを計算すると、第4ベクトルxを、先に求めた第1ベクトルXに加算することで、第1ベクトルXを計算する。また、画像処理回路16は、第5ベクトルyを計算すると、第5ベクトルyを、先に求めた第2ベクトルYに加算することで、第2ベクトルYを計算する(ステップS25)。
続いて、画像処理回路16は、第4時相の2次元画像データが取得されると、第1時相乃至第4時相の2次元画像データを画像データセットとする。画像処理回路16は、ステップS24の処理を実施し、第3時相から第4時相の間における第4ベクトルx及び第5ベクトルyを計算する。画像処理回路16は、第4ベクトルxを計算すると、第4ベクトルxを、第1ベクトルXに加算することで、第1ベクトルXを計算する。また、画像処理回路16は、第5ベクトルyを計算すると、第5ベクトルyを、第2ベクトルYに加算することで、第2ベクトルYを計算する(ステップS25)。
なお、画像データセットに含められる2次元画像データの時相は、連続でなくても構わない。例えば、包含される2次元画像データの数が徐々に多くなり、その時相が所定時相ずつ隔てられるように画像データセットが設定されていてもよい。
画像処理回路16は、例えば、上記計算例1〜3に示されるように第1ベクトルX及び第2ベクトルYを計算すると、第1ベクトルXと、第2ベクトルYとの差分を取ることで、第3ベクトルを計算する(ステップS26)。画像処理回路16は、例えば、数式(1)に基づき、第3ベクトルを第1ベクトルXの大きさで規格化することにより、癒着度を計算する(ステップS27)。なお、画像処理回路16は、ステップS27において、例えば、数式(2)に基づき、第3ベクトルの大きさを、第1ベクトルXの大きさで規格化することにより、癒着度を計算してもよい。画像処理回路16は、第3ベクトルが算出される度にステップS27の処理を実施し、癒着度を逐次計算する。
瞬時ベクトルを用いた癒着度は、逐次的に算出されなくても構わない。例えば、画像処理回路16は、予め設定された期間毎に、その期間内に計算された最大の第3ベクトル又は第3ベクトルの大きさに基づいて癒着度を計算してもよい。
(表示画像及びインジケータの生成)
癒着度が算出されると、画像処理回路16は、生成機能163を実行する。生成機能163を実行すると画像処理回路16は、算出した癒着度を表す画像及び/又はインジケータを生成する。具体的には、例えば、画像処理回路16は、算出した癒着度を反映させたパラメトリックイメージング(Parametric imaging)を実行する。これにより、パラメトリックイメージングによる画像が生成される。このとき、画像処理回路16は、図3のように設定されたROIの組毎に算出された癒着度を、パラメトリックイメージングにそのまま反映させてもよいし、それぞれのROIの組で算出された癒着度の統計値(例えば、平均値、又は中央値等)を算出し、1色だけのカラー表示としても構わない。
図8及び図9は、画像処理回路16により生成されるパラメトリックイメージングによる画像の例を表す図である。図8は、境界の両側で組織が異なる動きをする場合、すなわち、生体組織間の癒着が起きていない場合の例を表している。この場合、境界領域は、例えば青く表示される。図9は、境界の両側で組織が同様の動きをする場合、すなわち、生体組織間が癒着している場合の例を表している。この場合、境界領域は、例えば赤く表示される。
なお、癒着度の表示は、パラメトリックイメージングに限定されない。例えば、算出された癒着度の値がBモード画像上に表示されてもよい。また、癒着度に対して閾値が予め設定してあり、算出された癒着度がこの閾値を超える場合には、癒着していることを表すインジケータが生成されるようにしてもよい。
以上のように、第1の実施形態では、画像処理回路16は、生体組織間の癒着の状態を表す指標値を、それぞれ異なる生体組織の移動ベクトルを表す第1ベクトルと第2ベクトルとの差分ベクトル、又はこの差分ベクトルの大きさを、第1ベクトルの大きさ、又は第2ベクトルの大きさで規格化することにより求めるようにしている。
生体組織間の癒着の状態を、相関係数を用いて評価しようとする場合、それぞれの組織の軌跡をそれぞれ正規化することになる。そのため、図10に示されるように、それぞれの組織の移動量が異なっていても軌跡の形が一致していれば、相関係数=1となってしまい、2つの組織が同じ動きをしている、すなわち、癒着していると表現されてしまう。
第1の実施形態に係る手法によれば、いずれか一方の組織の軌跡を正規化しているため、軌跡の形が一致していたとしても移動量が異なっていれば、同じ動きをしていると表現されることはない。
また、第1の実施形態では、画像処理回路16は、生体組織間の境界領域を抽出し、抽出した境界領域を挟み、かつ、境界領域に沿って複数の組のROIを設定するようにしている。これにより、境界領域に沿って組織の癒着度を算出することが可能となる。
また、第1の実施形態では、画像処理回路16は、算出した癒着度を反映させたパラメトリックイメージングによる画像を生成するようにしている。これにより、癒着している部位を同定することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、差分ベクトル又は差分ベクトルの大きさを、一方の生体組織の移動ベクトルの大きさで規格化することで、生体組織間の癒着の状態を定量化する場合を例に説明した。
第2の実施形態では、生体組織の移動を、一方の生体組織の移動ベクトルに基づく値で規格化することで、生体組織間の癒着の状態を定量化する例について説明する。なお、第2の実施形態では、解析装置の一例として超音波診断装置1aを説明する。
図1に示されるように、第2の実施形態に係る超音波診断装置1aは、装置本体10a、及び超音波プローブ20を備える。装置本体10aは、超音波プローブ20が受信した反射波信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10aは、超音波送信回路11、超音波受信回路12、Bモード処理回路13、ドプラ処理回路14、3次元データ発生回路15、画像処理回路16a、表示処理回路17、内部記憶回路18、画像メモリ19、入力インタフェース111、通信インタフェース112、及び制御回路113を有する。
画像処理回路16aは、2次元画像データ又はボリュームデータに対し、所定の画像処理を施すプロセッサである。所定の画像処理には、例えば、ボリュームレンダリング、多断面変換処理(MPR)、最大値投影処理(MIP)、又は癒着定量化処理等が含まれる。また、画像処理回路16aは、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、画像処理の後に二次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行う。
具体的には、例えば、画像処理回路16aは、内部記憶回路18に記憶されている、生体組織間の癒着を評価するための解析プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。画像処理回路16aは、例えば、取得機能(取得部)161、計算機能(計算部)162a、及び生成機能(生成部)163aを有する。
計算機能162aは、生体組織間の癒着の程度を表す指標値を計算する機能である。具体的には、例えば、画像処理回路16aは、計算機能162aを実行すると、時系列の画像データから第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する。第1ベクトルは、画像データに基づく画像で描画される第1の構造物に含まれる第1部位の移動を表す。第2ベクトルは、画像データに基づく画像で描画される第2の構造物に含まれる第2部位の移動を表す。画像処理回路16aは、複数時相の画像データから計算される複数の第1ベクトルと複数の第2ベクトルとの共分散を計算する。画像処理回路16aは、複数時相の画像データから計算される複数の第1ベクトル又は複数の第2ベクトルの分散又は標準偏差を計算する。そして、画像処理回路16aは、共分散を、複数の第1ベクトル又は複数の第2ベクトルの分散で規格化することにより、第1の構造物と第2の構造物との間の癒着の程度を示す指標値である癒着度を計算する。数式(3)は、第2の実施形態に係る癒着度の計算式の例を表す。
Figure 0006931888
数式(3)によれば、癒着度=1のとき、2つの対象が同じ動きをしていることになり、癒着が強固であることを表す。なお、数式(3)では、第1ベクトルXの分散で共分散を規格化しているが、第2ベクトルYの分散で共分散を規格化してもよい。また、数式(3)では、第1ベクトルXの分散が第2ベクトルYの分散以上となることを条件としているが、これに限定されない。また、数式(3)は、2次元画像データに基づいて癒着度を算出する際の式を表しているが、ボリュームデータに対しては、3次元(x軸、y軸、z軸)の移動ベクトルを用いて癒着度を算出してもよい。
また、画像処理回路16aは、共分散を、複数の第1ベクトル又は複数の第2ベクトルの標準偏差で規格化することにより、癒着度を計算してもよい。数式(4)は、第2の実施形態に係る癒着度の計算式の例を表す。
Figure 0006931888
数式(4)によれば、癒着度=1のとき、2つの対象が同じ動きをしていることになり、癒着が強固であることを表す。なお、数式(4)では、第1ベクトルXの標準偏差で共分散を規格化しているが、第2ベクトルYの標準偏差で共分散を規格化してもよい。また、数式(4)では、第1ベクトルXの分散が第2ベクトルYの分散以上となることを条件としているが、これに限定されない。また、数式(4)は、2次元画像データに基づいて癒着度を算出する際の式を表しているが、ボリュームデータに対しては、3次元(x軸、y軸、z軸)の移動ベクトルを用いて癒着度を算出してもよい。
次に、以上のように構成された超音波診断装置1aが生体組織間の癒着を評価する動作を詳細に説明する。なお、ここでは、第1の構造物が肝臓であり、第1の構造物に接している第2の構造物が腎臓である場合を例に説明する。
操作者は、例えば、肝臓と腎臓との癒着の状態を確認したい場合、超音波プローブ20を操作し、肝臓及び腎臓が、表示機器40に表示されるBモード画像に含まれるようにする。操作者は、所望の領域が含まれるBモード画像が表示されると、入力インタフェース111を介し、癒着を定量的に評価する旨の指示を入力する。当該指示が入力されると、画像処理回路16aは、生体組織間の癒着を評価するための解析プログラムを内部記憶回路18から読み出し、読み出した解析プログラムを実行する。
画像処理回路16aは、注目する部位の瞬間的な移動を表す瞬時ベクトル、又は注目する部位の累積的な移動を表す累積ベクトルを利用して生体組織間の癒着度を定量化する。以下では、瞬時ベクトルを利用して癒着度を定量化する場合と、累積ベクトルを利用して癒着度を定量化する場合とを分けて説明する。
(瞬時ベクトルを用いた癒着度の定量化)
図11は、第2の実施形態に係る画像処理回路16aが生体組織間の癒着度を定量化する際の動作の例を表すフローチャートである。なお、画像処理回路16aは、3次元データ発生回路15で生成された複数の時相のボリュームデータを、時系列のボリュームデータとして取得してもよいが、ここでは、時系列の2次元画像データを取得する場合を例に説明する。
ステップS21において、第1時相の2次元画像データを取得すると、画像処理回路16aは、計算機能162aを実行する。計算機能162aを実行すると画像処理回路16aは、第1時相の2次元画像データ及びこの後に取得される2次元画像データに基づき、肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第1ベクトル、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第2ベクトルを計算する。具体的には、画像処理回路16aは、例えば、肝臓と腎臓との境界領域を抽出する(ステップS22)。
画像処理回路16aは、例えば、図3で示されるように、境界領域を挟んで隣接する肝臓内の部位と、腎臓内の部位とに複数のROIの組を設定する(ステップS23)。画像処理回路16aは、第1時相の2次元画像データにおいて設定された複数のROIそれぞれに対し、テンプレートデータを設定する。
画像処理回路16aは、第2時相以降の2次元画像データが取得されると、取得した時相の2次元画像データと、前時相の2次元画像データとに基づき、肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第1ベクトルX、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第2ベクトルYを計算する(ステップS111)。なお、jは、自然数であり、本実施形態では1から予め設定された値、例えば、nlの値を取る。
具体的には、例えば、第2時相の2次元画像データが取得されると、画像処理回路16aは、第1時相の2次元画像データと第2時相の2次元画像データとの間でパターンマッチングを行う。画像処理回路16aは、パターンマッチング処理の結果に基づき、第1時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第2時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する。このとき、第1時相の2次元画像データと、第2時相の2次元画像データとが画像データセットとなる。画像処理回路16aは、取得した第2時相における移動先に基づき、第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算する。
そして、例えば、第3時相の2次元画像データが取得されると、画像処理回路16aは、第2時相の2次元画像データと第3時相の2次元画像データとの間でパターンマッチングを行い、第2時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第3時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する。このとき、第2時相の2次元画像データと、第3時相の2次元画像データとが画像データセットとなる。画像処理回路16aは、取得した第3時相における移動先に基づき、第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算する。
画像処理回路16aは、予め設定されるnセットの画像データセットについての第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算すると、数式(5)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を計算する。
Figure 0006931888
また、画像処理回路16aは、数式(6)に基づき、第1ベクトルの分散を計算する(ステップS112)。
Figure 0006931888
第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散、及び第1ベクトルの分散が計算されると、画像処理回路16aは、例えば、数式(3)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を、第1ベクトルの分散で規格化することにより、癒着度を計算する(ステップS113)。なお、画像処理回路16aは、ステップS113において、例えば、数式(4)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を、第1ベクトルの標準偏差で規格化することにより、癒着度を計算してもよい。画像処理回路16aは、上記処理をROIの組毎に実施する。
画像処理回路16aは、例えば、所定の数の画像データセットについての第1ベクトル及び第2ベクトルが計算される度に、直前に計算対象となった画像データセットと、当該計算対象となった所定数の画像データセットとを合わせたnセットの画像データセットについて計算された第1ベクトル及び第2ベクトルに基づいて癒着度を計算する。なお、画像処理回路16aは、nセットの画像データセットについて第1ベクトル及び第2ベクトルが計算される度に、新たに取得されるnセットの画像データセットについて計算された第1ベクトル及び第2ベクトルに基づき、癒着度を計算してもよい。
なお、算出される全ての癒着度が表示対象となる訳ではない。例えば、画像処理回路16aは、予め設定された期間毎に、その期間内に計算された最低の癒着度を表示対象の癒着度としてもよい。
具体的には、ステップS113において、癒着度が計算されると、画像処理回路16aは、計算された癒着度が、本期間において最大であると暫定的に設定されている癒着度未満となるか否かを判断する。計算された癒着度が設定されている癒着度未満となる場合、画像処理回路16aは、計算された癒着度を本期間における最低の癒着度として暫定的に設定する。画像処理回路16aは、予め設定される期間が経過するまでステップS111〜S113を繰り返し、期間内における最低の癒着度を決定する。
画像処理回路16aは、予め設定される期間が経過すると、例えば、この期間内で決定された最低の癒着度を表示対象の癒着度とする。画像処理回路16aは、上記処理をROIの組毎に実施する。
(累積ベクトルを用いた癒着度の定量化)
図11に示されるステップS21で第1時相の2次元画像データが取得されると、画像処理回路16aは、計算機能162aを実行する。計算機能162aを実行すると画像処理回路16aは、第1時相の2次元画像データ及びこの後に取得される2次元画像データに基づいて計算される、肝臓内の部位の累積的な移動を表す第1ベクトル、及び腎臓内の部位の累積的な移動を表す第2ベクトルを用い、癒着度を計算する(ステップS111〜S113)。
(癒着度の計算例1)
例えば、画像処理回路16aは、予め設定された時相数隔てられた2つの2次元画像データを含むように画像データセットを設定し、設定した画像データセットに含まれる2次元画像データに基づいて第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する(ステップS111)。
より具体的には、画像処理回路16aは、例えば、3時相だけ隔てられた2つの2次元画像データを画像データセットとして設定する。当該設定下において、画像処理回路16aは、第1時相の2次元画像データの後に、第4時相の2次元画像データが取得されると、例えば、第1時相の2次元画像データと第4時相の2次元画像データとの間でパターンマッチングを行う。画像処理回路16aは、パターンマッチング処理の結果に基づき、第1時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第4時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する。画像処理回路16aは、取得した第4時相における移動先に基づき、第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算する。
続いて、画像処理回路16aは、第4時相から3時相離れた第7時相の2次元画像データが取得されると、第4時相の2次元画像データと第7時相の2次元画像データとの間でパターンマッチングを行い、第4時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第7時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する。画像処理回路16aは、取得した第7時相における移動先に基づき、第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算する。
画像処理回路16aは、予め設定されるnセットの画像データセットについての第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算すると、数式(5)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を計算する。また、画像処理回路16aは、数式(6)に基づき、第1ベクトルの分散を計算する(ステップS112)。第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散、及び第1ベクトルの分散が計算されると、画像処理回路16aは、例えば、数式(3)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を、第1ベクトルの分散で規格化することにより、癒着度を計算する(ステップS113)。なお、画像処理回路16aは、ステップS113において、例えば、数式(4)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を、第1ベクトルの標準偏差で規格化することにより、癒着度を計算してもよい。画像処理回路16aは、上記処理をROIの組毎に実施する。
画像処理回路16aは、例えば、所定の数の画像データセットについての第1ベクトル及び第2ベクトルが計算される度に、直前に計算対象となった画像データセットと、当該計算対象となった所定数の画像データセットとを合わせたnセットの画像データセットについて計算された第1ベクトル及び第2ベクトルに基づいて癒着度を計算する。なお、画像処理回路16aは、nセットの画像データセットについて第1ベクトル及び第2ベクトルが計算される度に、新たに取得されるnセットの画像データセットについて計算された第1ベクトル及び第2ベクトルに基づき、癒着度を計算してもよい。
(癒着度の計算例2)
また、例えば、画像処理回路16aは、各画像データセットで同数の、3以上の2次元画像データが含まれるように画像データセットを設定し、設定した画像データセットに含まれる2次元画像データに基づいて第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する(ステップS111)。
より具体的には、画像処理回路16aは、例えば、連続する4時相の2次元画像データを画像データセットとして設定する。当該設定下において、画像処理回路16aは、第1時相の2次元画像データの後に、第2時相の2次元画像データが取得されると、例えば、パターンマッチング処理により、第1時相の2次元画像データにおけるテンプレートデータが、第2時相の2次元画像データにおいてどの位置へ移動したかを追跡する。画像処理回路16aは、取得した第2時相における移動先に基づき、肝臓内の部位の瞬間的な移動を表す第4ベクトルx、及び腎臓内の部位の瞬間的な移動を表す第5ベクトルyを計算する。
続いて、画像処理回路16aは、第3時相の2次元画像データが取得されると、第2時相から第3時相の間における第4ベクトルx及び第5ベクトルyを計算する。画像処理回路16aは、第4ベクトルxを計算すると、第4ベクトルxを、先に求めた第4ベクトルxに加算する。また、画像処理回路16は、第5ベクトルyを計算すると、第5ベクトルyを、先に求めた第5ベクトルyに加算する。
続いて、画像処理回路16aは、第4時相の2次元画像データが取得されると、第3時相から第4時相の間における第4ベクトルx及び第5ベクトルyを計算する。画像処理回路16aは、第4ベクトルxを計算すると、第4ベクトルxを、第4ベクトルxと第4ベクトルxとの加算ベクトルに加算することで、肝臓内の部位の累積的な移動を表す第1ベクトルXを計算する。また、画像処理回路16aは、第5ベクトルyを計算すると、第5ベクトルyを、第5ベクトルyと第5ベクトルyとの加算ベクトルに加算することで、腎臓内の部位の累積的な移動を表す第2ベクトルYを計算する(ステップS111)。画像処理回路16は、次の画像データセットに対しても同様の処理を実施し、第1ベクトルX及び第2ベクトルYを計算する。
画像処理回路16aは、予め設定されるnセットの画像データセットについての第1ベクトルX、及び第2ベクトルYを計算すると、数式(5)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を計算する。また、画像処理回路16aは、数式(6)に基づき、第1ベクトルの分散を計算する(ステップS112)。第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散、及び第1ベクトルの分散が計算されると、画像処理回路16aは、例えば、数式(3)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を、第1ベクトルの分散で規格化することにより、癒着度を計算する(ステップS113)。なお、画像処理回路16aは、ステップS113において、例えば、数式(4)に基づき、第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を、第1ベクトルの標準偏差で規格化することにより、癒着度を計算してもよい。画像処理回路16aは、上記処理をROIの組毎に実施する。
なお、画像データセットに含められる2次元画像データの時相は、連続でなくても構わない。例えば、予め設定された時相数の2次元画像データが、所定時相ずつ隔てられて画像データセットに含められていてもよい。
なお、算出される全ての癒着度が表示対象となる訳ではない。例えば、画像処理回路16aは、予め設定された期間毎に、その期間内に計算された最低の癒着度を表示対象の癒着度としてもよい。
以上のように、第2の実施形態では、画像処理回路16aは、生体組織間の癒着の状態を表す指標値を、それぞれ異なる生体組織の移動ベクトルを表す第1ベクトルと第2ベクトルとの共分散を、第1ベクトル又は第2ベクトルの分散又は標準偏差で規格化することにより求めるようにしている。これにより、いずれか一方の組織の軌跡を正規化しているため、軌跡の形が一致していたとしても移動量が異なっていれば、異なる動きと表現されることになる。
また、第2の実施形態では、画像処理回路16aは、生体組織間の境界領域を抽出し、抽出した境界領域を挟み、かつ、境界領域に沿って複数の組のROIを設定するようにしている。これにより、境界領域に沿って組織の癒着度を算出することが可能となる。
また、第2の実施形態では、画像処理回路16aは、算出した癒着度を反映させたパラメトリックイメージングによる画像を生成するようにしている。これにより、癒着している部位を同定することが可能となる。
第1及び第2の実施形態では、第1の構造物に含まれる第1部位の移動を表す第1ベクトルと、第1の構造物に接している第2の構造物に含まれる第2部位の移動を表す第2ベクトルとに基づき、第1の構造物と第2の構造物との癒着の程度を表す指標値を計算する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。第1及び第2の実施形態で記載される指標値である癒着度は、第1及び第2ベクトルを特定の方向に射影した射影成分に基づいて計算されてもよい。この特定の方向は、例えば、第1の構造物と第2の構造物との境界が形成される方向と平行の方向に自動的に設定されても構わないし、操作者によりマニュアルで設定されても構わない。
例えば、計算機能162において、画像処理回路16は、ステップS22において抽出された境界領域が形成される方向と平行の方向を設定する。画像処理回路16は、図12に示されるように、ステップS25で計算された第1ベクトル及び第2ベクトルについて、設定された方向の成分を計算する。画像処理回路16は、第1ベクトルの特定方向成分と、第2ベクトルの特定方向成分とから、差分値を計算する。画像処理回路16は、計算した差分値を、第1ベクトルの特定方向成分、又は第2ベクトルの特定方向成分で規格化することにより癒着度を算出する。
また、計算機能162aにおいて、画像処理回路16aは、ステップS22において抽出された境界領域が形成される方向と平行の方向を設定する。画像処理回路16aは、ステップS111で計算された第1ベクトル及び第2ベクトルについて、設定された方向の成分を計算する。画像処理回路16aは、第1ベクトルの特定方向成分と、第2ベクトルの特定方向成分との共分散を計算する。画像処理回路16aは、計算した共分散を、第1ベクトルの特定方向成分又は第2ベクトルの特定方向成分の分散又は標準偏差で規格化することにより癒着度を算出する。
これにより、処理負荷を下げつつ、癒着度の評価精度を維持することが可能となる。
なお、第1及び第2ベクトルの特定の方向への射影成分に加え、特定の方向に対して垂直の方向への第1及び第2ベクトルの射影成分に基づき、癒着度が計算されてもよい。このように直交する2方向の癒着度が求められることで、生体組織間における支配的な移動方向を認識することが可能となる。
また、第1及び第2ベクトルを特定の方向に射影した射影成分に基づいて癒着度を計算する場合を例に説明したが、これに限定されない。癒着度は、第1ベクトルと第2ベクトルとから計算される第3ベクトルを特定の方向へ射影した射影成分に基づいて計算されてもよい。また、癒着度は、第3ベクトルが第1ベクトルの大きさ又は第2ベクトルの大きさで規格化されることにより得られたベクトルを、特定の方向へ射影した射影成分に基づいて計算されてもよい。
また、第1及び第2の実施形態で記載される指標値である癒着度は、第1及び第2の構造物以外の構造物の移動を除外して計算されてもよい。癒着度を計算する際に着目するべき第1及び第2の構造物の移動は、境界方向にずれる移動である。そこで、外的要因、例えば、呼吸変動等の振幅の大きな並進運動により生じる第1及び第2の構造物の移動を除外するようにしてもよい。
例えば、計算機能162において、画像処理回路16は、第1及び第2ベクトルを計算する前に、各構造物の移動の外的要因となる第3の構造物を設定する。第3の構造物としては、例えば、横隔膜等が挙げられる。画像処理回路16は、ステップS25において、第3の構造物の移動を示す第6ベクトルを計算する。画像処理回路16は、図13に示されるように、ステップS25で計算された第1ベクトル及び第2ベクトルそれぞれと第6ベクトルとの差分ベクトルを計算する。画像処理回路16は、第1ベクトルと第2ベクトルとの差分ベクトル又は差分ベクトルの大きさを、第1ベクトルと第6ベクトルとの差分ベクトルの大きさ、又は第2ベクトルと第6ベクトルとの差分ベクトルの大きさで規格化することにより癒着度を算出する。
また、計算機能162aにおいて、画像処理回路16aは、第1及び第2ベクトルを計算する前に、各構造物の移動の外的要因となる第3の構造物を設定する。画像処理回路16aは、ステップS111において、第3の構造物の移動を示す第6ベクトルを計算する。画像処理回路16aは、ステップS111で計算された第1ベクトル及び第2ベクトルそれぞれと第6ベクトルとの差分ベクトルを計算する。画像処理回路16aは、第1ベクトルと第6ベクトルとの差分ベクトルと、第2ベクトルと第6ベクトルとの差分ベクトルとの共分散を計算する。画像処理回路16aは、計算した共分散を、第1ベクトルと第6ベクトルとの差分ベクトル又は第2ベクトルと第6ベクトルとの差分ベクトルの分散又は標準偏差で規格化することにより癒着度を算出する。
これにより、外的要因の影響を低減することが可能となるため、癒着度の評価精度がさらに向上することになる。
また、第1及び第2の実施形態では、計算機能162,162aにより、まず指標値である癒着度が計算され、計算された癒着度がパラメトリックイメージングによる画像で表示される場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。画像処理回路16,16aは、パラメトリックイメージングによる画像をまず表示機器40に表示させてもよい。このとき操作者は、特定の部位の癒着度を計測するためのROIをパラメトリックイメージングによる画像上で設定する。画像処理回路16,16aは、設定されたROI内の癒着度を計算し、計算した癒着度をパラメトリックイメージングによる画像で表示する。
また、第1及び第2の実施形態では、計算機能162,162aにより、Bモード画像上で設定されるテンプレートデータに対するマッチング処理により、ROIを追跡する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。画像処理回路16,16aは、TDI(Tissue Doppler Imaging)等の組織ドップラ法により算出されるドプラ波形を用い、癒着度を計算してもよい。
また、第1及び第2の実施形態では、超音波診断装置1,1aがリアルタイムで取得された2次元画像データ又はボリュームデータに基づき、生体組織間の癒着の状態を評価する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。画像処理回路16,16aは、過去の医用画像データに基づき、生体組織間の癒着の状態を評価しても構わない。このとき、評価対象となる過去の医用画像データは、超音波画像データに限定されず、CT画像データ、MR画像データ、PET−CT画像データ、PET−MR画像データ、及びX線画像データ等であっても構わない。
過去の医用画像データにおける癒着度を、瞬時ベクトルを用いて評価する場合、画像処理回路16は、例えば、連続する時相の医用画像データ間の移動ベクトルを瞬時ベクトルとする。また、過去の医用画像データにおける癒着度を、累積ベクトルを用いて評価する場合、画像処理回路16は、例えば、解析はじめの時点から、連続する時相の医用画像データ間における第1移動ベクトルと第2移動ベクトルとの差分ベクトルの大きさが最大となる時点までの間の移動ベクトルを累積ベクトルとする。
また、過去の医用画像データにおける癒着度を、瞬時ベクトルを用いて評価する場合、画像処理回路16aは、例えば、連続する時相の医用画像データ間の移動ベクトルを瞬時ベクトルとする。また、過去の医用画像データにおける癒着度を、累積ベクトルを用いて評価する場合、画像処理回路16aは、例えば、解析はじめの時点から、瞬時的な癒着度が最も低くなる時点までの間の移動ベクトルを累積ベクトルとする。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、解析装置の一例として超音波診断装置1,1aを説明した。第3の実施形態では、解析装置の一例としてワークステーション2を説明する。
図14は、第3の実施形態に係るワークステーション2を含む医用情報システムの例を表す図である。図14に示される医用情報システムは、医用画像診断装置60、ワークステーション2、及び画像保管装置70を備える。医用画像診断装置60、ワークステーション2、及び画像保管装置70は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)により、直接的、又は間接的に相互に通信可能に接続されている。例えば、画像保管装置70がPACSを構成する場合、医用画像診断装置60、ワークステーション2、及び画像保管装置70は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、例えば、医用画像データを相互に送受信する。
医用画像診断装置60は、被検体を撮影することにより医用画像データを発生する装置である。医用画像診断装置60は、例えば、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、PET装置とMRI装置とが一体化されたPET−MRI装置、又はこれらの装置群等である。
画像保管装置70は、医用画像データを保管するデータベースである。画像保管装置70は、例えば、医用画像診断装置60で発生された医用画像データを、内部に設けられている記憶回路に記憶する。
ワークステーション2は、医用画像診断装置60で発生された医用画像データ、又は画像保管装置70から読み出された医用画像データに対して画像処理を施す装置である。具体的には、ワークステーション2は、例えば、生体組織間の癒着を評価する装置である。
図14に示されるワークステーション2は、メモリ21、出力インタフェース22、入力インタフェース23、通信インタフェース24、画像処理回路25、及び制御回路26を有する。
メモリ21は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、並びに、光ディスク等により実現される。メモリ21は、例えば、画像処理回路25、及び制御回路26がその機能を実現するためのプログラム等を記憶している。
出力インタフェース22は、制御回路26に接続され、制御回路26から供給される信号を出力する。出力インタフェース22は、例えば、ディスプレイにより実現される。ディスプレイは、例えば、医用画像データに基づく医用画像、及びユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI等を、制御回路26からの指示に基づいて表示する。
入力インタフェース23は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して制御回路26へ出力する。
通信インタフェース24は、例えば、病院内ネットワークと接続する。通信インタフェース24は、例えば、病院内ネットワークを介して医用画像診断装置60、及び画像保管装置70から、医用画像データ等を受信する。
画像処理回路25は、2次元画像データ又はボリュームデータ等の医用画像データに対し、所定の画像処理を施すプロセッサである。具体的には、例えば、画像処理回路25は、メモリ21に記憶されている、生体組織間の癒着を評価するための解析プログラムを実行することで、当該プログラムに対応する機能を実現する。画像処理回路25は、例えば、取得機能(取得部)251、計算機能(計算部)252、及び生成機能(生成部)253を有する。
取得機能251は、癒着を評価する対象となる生体組織を含む時系列の2次元画像データ又はボリュームデータ等の医用画像データを取得する機能である。具体的には、例えば、画像処理回路25は、取得機能251を実行すると、第1の構造物、及び第1の構造物に接している第2の構造物を含む領域に対応する複数の時相の画像データを、時系列の画像データとして、医用画像診断装置60、又は画像保管装置70から取得する。なお、画像処理回路25は、連続する複数フレームの画像データを取得して時系列の画像データとしても構わないし、予め設定された間隔毎に複数フレームの画像データを取得して時系列の画像データとしても構わない。
計算機能252は、生体組織間の癒着の程度を表す指標値を計算する機能である。具体的には、例えば、画像処理回路25は、計算機能252を実行すると、医用画像診断装置60、又は画像保管装置70から取得した時系列の画像データに基づき、第1ベクトル及び第2ベクトルを計算する。第1ベクトルは、画像データに基づく画像で描画される第1の構造物に含まれる第1部位の移動を表す。第2ベクトルは、画像データに基づく画像で描画され、第1の構造物に接している第2の構造物に含まれる第2部位の移動を表す。画像処理回路25は、第1ベクトル及び第2ベクトルに基づいて、第1及び第2の実施形態で記載される指標値である癒着度を計算する。
より具体的には、画像処理回路25は、第1ベクトル及び第2ベクトルに基づいて、第1部位と第2部位との間の相対的な移動を表す第3ベクトルを計算する。そして、画像処理回路25は、第3ベクトル(又は第3ベクトルの大きさ)を、第1ベクトルの大きさ又は第2ベクトルの大きさで規格化することにより、第1の構造物と第2の構造物との間の癒着度を計算する。
また、画像処理回路25は、複数時相の画像データから計算される複数の第1ベクトルと複数の第2ベクトルとの共分散を計算する。画像処理回路25は、複数時相の画像データから計算される複数の第1ベクトル又は複数の第2ベクトルの分散又は標準偏差を計算する。そして、画像処理回路25は、共分散を、複数の第1ベクトルの分散又は複数の第2ベクトルの分散(若しくは、複数の第1ベクトルの標準偏差又は複数の第2ベクトルの標準偏差)で規格化することにより、第1の構造物と第2の構造物との間の癒着度を計算する。
生成機能253は、計算した指標値を表す画像及びインジケータのうち少なくとも1つを生成する機能である。
制御回路26は、ワークステーション2全体の動作を制御するプロセッサである。制御回路26は、メモリ21に記憶されているプログラムを実行することで、実行したプログラムに対応する機能を実現する。
以上のように、第3の実施形態では、画像処理回路25は、生体組織間の癒着の状態を表す指標値を、2つの生体組織の移動を一方の生体組織の軌跡で正規化して求めるようにしている。これにより、軌跡の形が一致していたとしても移動量が異なっていれば、同じ動きをしていると表現されることはない。
したがって、以上説明した少なくとも一つの実施形態に係る解析装置によれば、生体組織間の癒着を定量化することができる。
実施形態の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、上記各実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、上記各実施形態における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,1a…超音波診断装置
2…ワークステーション
21…メモリ
22…出力インタフェース
23…入力インタフェース
24…通信インタフェース
25…画像処理回路
251…取得機能
252…計算機能
253…生成機能
26…制御回路
10,10a…装置本体
11…超音波送信回路
12…超音波受信回路
13…Bモード処理回路
14…ドプラ処理回路
15…3次元データ発生回路
16,16a…画像処理回路
161…取得機能
162,162a…計算機能
163,163a…生成機能
17…表示処理回路
18…内部記憶回路
19…画像メモリ
111…入力インタフェース
112…通信インタフェース
113…制御回路
20…超音波プローブ
30…外部装置
40…表示機器
50…入力装置
60…医用画像診断装置
70…画像保管装置
100…ネットワーク

Claims (16)

  1. 第1の構造物、及び前記第1の構造物に接している第2の構造物を含む領域に対応する時系列の医用画像を取得する取得部と、
    前記時系列の医用画像を用いて、前記第1の構造物に含まれる第1部位の移動を示す第1ベクトル、及び前記第2の構造物に含まれる第2部位の移動を示す第2ベクトルを計算し、前記第1ベクトル及び前記第2ベクトルに基づいて、前記第1部位と前記第2部位との間の相対的な移動を示す第3ベクトルを計算し、前記第3ベクトル又は前記第3ベクトルの大きさを、前記第1ベクトル又は前記第2ベクトルの大きさで規格化することにより、前記第1の構造物と前記第2の構造物との間の癒着の程度を示す指標値を計算する計算部と
    を具備する解析装置。
  2. 前記時系列の医用画像は、3つ以上の医用画像を含み、
    前記計算部は、前記時系列の医用画像に含まれる複数の医用画像から構成される画像セット毎に、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルとの差分ベクトルを計算し、複数の前記画像セットに対応する複数の前記差分ベクトルのうち最大の差分ベクトル又は前記最大の差分ベクトルの大きさを、前記最大の差分ベクトルの計算に用いた前記第1ベクトルの大きさ又は前記第2ベクトルの大きさで規格化することにより、前記指標値を計算する、請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記画像セットに含まれる医用画像の数は、前記画像セット毎に同じである、請求項2に記載の解析装置。
  4. 各画像セットに含まれる医用画像の数は2である、請求項3に記載の解析装置。
  5. 前記画像セットに含まれる医用画像の数は、前記画像セット毎に異なる、請求項2に記載の解析装置。
  6. 前記時系列の医用画像は、3つ以上の医用画像を含み、
    前記計算部は、前記時系列の医用画像に含まれる、時間的に連続する2つの医用画像から構成される画像セット毎に、前記第1ベクトル、前記第2ベクトル、及び前記第3ベクトルを計算し、前記画像セット毎に前記指標値を計算する、請求項1に記載の解析装置。
  7. 前記時系列の医用画像は、3つ以上の医用画像を含み、
    前記計算部は、前記時系列の医用画像に含まれる2つの医用画像毎に、前記第1部位の移動を示す第4ベクトル、及び前記第2部位の移動を示す第5ベクトルを計算し、計算した複数の前記第4ベクトルを合成することにより前記第1ベクトルを計算し、計算した複数の前記第5ベクトルを合成することにより前記第2ベクトルを計算する、請求項1に記載の解析装置。
  8. 前記計算部は、前記時系列の医用画像に含まれる複数の医用画像から構成される画像セット毎に、前記指標値を計算する、請求項7に記載の解析装置。
  9. 前記第4ベクトルは、時間的に連続する2つの医用画像間における、前記第1部位の瞬間的な移動を示すベクトルであり、前記第5ベクトルは、時間的に連続する2つの医用画像間における、前記第2部位の瞬間的な移動を示すベクトルである、請求項7に記載の解析装置。
  10. 前記計算部は、特定方向に対応する前記1ベクトル及び前記第2ベクトルの射影成分を用いて、前記第3ベクトルを計算する、請求項1に記載の解析装置。
  11. 前記特定方向は、前記第1の構造物と前記第2の構造物との間の境界の接線方向に対応する、請求項10に記載の解析装置。
  12. 前記領域は、前記第1の構造物及び前記第2の構造物と異なる第3の構造物を含み、
    前記計算部は、前記第3の構造物に含まれる第3部位の移動を示す第6ベクトルを計算し、前記第1ベクトル、前記第2ベクトル、および前記第6ベクトルに基づいて、前記第3ベクトルを計算する、請求項1に記載の解析装置。
  13. 前記指標値に基づいて、画像及びインジケータのうちの少なくとも1つを生成する生成部をさらに備える、請求項1に記載の解析装置。
  14. 第1の構造物、及び前記第1の構造物に接している第2の構造物を含む領域に対応し、3以上の医用画像を含む時系列の医用画像を取得する取得部と、
    前記時系列の医用画像に含まれる2つの医用画像から構成される画像セット毎に、前記第1の構造物に含まれる第1部位の移動を示す第1ベクトル、及び前記第2の構造物に含まれる第2部位の移動を示す第2ベクトルを計算し、複数の前記画像セットに対応する複数の前記第1ベクトルと複数の前記第2ベクトルの共分散を計算し、複数の前記画像セットに対応する複数の前記第1ベクトル又は複数の前記第2ベクトルの分散又は標準偏差を計算し、前記共分散を前記分散又は前記標準偏差で規格化することにより、前記第1の構造物と前記第2の構造物の間の癒着の程度を示す指標値を計算する計算部と
    を具備する解析装置。
  15. 第1の構造物、及び前記第1の構造物に接している第2の構造物を含む領域に対応する時系列の医用画像を取得する処理と、
    前記時系列の医用画像を用いて、前記第1の構造物に含まれる第1部位の移動を示す第1ベクトル、及び前記第2の構造物に含まれる第2部位の移動を示す第2ベクトルを計算する処理と、
    前記第1ベクトル及び前記第2ベクトルに基づいて、前記第1部位と前記第2部位との間の相対的な移動を示す第3ベクトルを計算する処理と、
    前記第3ベクトル又は前記第3ベクトルの大きさを、前記第1ベクトル又は前記第2ベクトルの大きさで規格化することにより、前記第1の構造物と前記第2の構造物との間の癒着の程度を示す指標値を計算する処理と
    をプロセッサに実行させる解析プログラム。
  16. 第1の構造物、及び前記第1の構造物に接している第2の構造物を含む領域に対応し、3以上の医用画像を含む時系列の医用画像を取得する処理と、
    前記時系列の医用画像に含まれる2つの医用画像から構成される画像セット毎に、前記第1の構造物に含まれる第1部位の移動を示す第1ベクトル、及び前記第2の構造物に含まれる第2部位の移動を示す第2ベクトルを計算する処理と、
    複数の前記画像セットに対応する複数の前記第1ベクトルと複数の前記第2ベクトルの共分散を計算する処理と、
    複数の前記画像セットに対応する複数の前記第1ベクトル又は複数の前記第2ベクトルの分散又は標準偏差を計算する処理と、
    前記共分散を前記分散又は前記標準偏差で規格化することにより、前記第1の構造物と前記第2の構造物の間の癒着の程度を示す指標値を計算する処理と
    をプロセッサに実行させる解析プログラム。
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