JP6930664B2 - 電子式回路遮断器 - Google Patents
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Description
この発明は、マイクロコンピュータにより交流電路に流れる電流レベルに応じた引外し動作時間を演算し引外し動作を行う電子式回路遮断器に関するものである。
従来の電子式回路遮断器は、電路に流れる事故電流を検出してディジタル信号に変換する電流検出変換手段と、ディジタル信号のレベルを判別するマイクロコンピユータからなるレベル判別手段と、レベル判別手段により判別されたレベルに対応する所定の限時動作を行うマイクロコンピユータからなる時限発生手段と、時限発生手段の限時動作に応動する出力手段と、時限発生手段の限時動作中に事故電流により生じる熱エネルギーに応じたパルス幅を有するパルスを限時動作中の所定の時間ごとに発生させるマイクロコンピユータからなるパルス発生手段と、パルスによって充電されるコンデンサおよびこのコンデンサに蓄えられた電荷をCR時定数回路の態様で放電させる放電用抵抗を含み、かつマイクロコンピユータのリセット後の再スタート時もしくは事故電流の再発時にコンデンサの残留電圧を時限発生手段の発生時限算出の初期値としてマイクロコンピユータに入力する充放電回路手段と、を備えている。
従来の電子式回路遮断器では、充放電回路手段の放電用抵抗における抵抗値は単一であるため、負荷電流として電路にOFF時間が長い(例えば、1秒流れて12秒流れない)断続的な過電流を想定し、放電用抵抗の抵抗値を大きくすると、OFF時間の短い(例えば、0.5秒流れて0.5秒流れない)断続的な過電流が流れた場合、コンデンサの充電電圧を放電しきれず、充電電圧が加算され続けることによって動作特性を下回る電流値でも過電流として誤動作してしまうという問題があった。
また、その逆にOFF時間が短い過電流を想定し、放電用抵抗の抵抗値を小さくすると、OFF時間の長い過電流が流れた場合、OFF時間の間にコンデンサの充電電圧が放電により0となってしまい、熱エネルギーが蓄電できないこととなり、不動作となる可能性があった。
また、その逆にOFF時間が短い過電流を想定し、放電用抵抗の抵抗値を小さくすると、OFF時間の長い過電流が流れた場合、OFF時間の間にコンデンサの充電電圧が放電により0となってしまい、熱エネルギーが蓄電できないこととなり、不動作となる可能性があった。
この発明は、マイクロコンピュータによって引外し特性を処理する電子式回路遮断器において、多様なON/OFF周期の断続負荷電流に対しても電路の蓄熱放熱特性を考慮した正確な引外し特性を得ることができる電子式回路遮断器を提供するものである。
この発明に係る電子式回路遮断器は、交流電路に挿入された開閉接点と、交流電路に流れる電流を検出する変流器と、変流器の二次側に接続され、検出電流を整流する整流回路と、整流回路の出力側に接続され、一定の電圧を出力する電源回路と、検出電流を所定の検出周期で検出し、検出電流が定格電流に対応する所定値を超えた期間における検出電流の実効値の2乗値と検出周期との電流積を積算累積した累積電流値を算出するとともに、累積電流値に基づいて開閉接点を開離させる制御装置とを備え、制御装置に接続され、電源回路の出力電圧が制御装置の動作可能電圧未満になっていた時間であるOFF時間を計測するためのOFF時間計測回路を有し、制御装置は、起動時に、OFF時間計測回路から読み込んだOFF時間、断続負荷における通電電流に相当するON電流および断続負荷における通電時間に相当するON時間に基づき累積電流値の初期値を決定するものである。
この発明に係る電子式回路遮断器によれば、制御装置が動作不可になっていた時間であるOFF時間を計測するためのOFF時間計測回路を備えたので、正確な引外し動作を行うことが可能となる。
この発明の上記以外の目的、特徴、観点および効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
この発明の上記以外の目的、特徴、観点および効果は、図面を参照する以下のこの発明の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
以下、この発明に係る電子式回路遮断器の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一符号は同一、若しくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る電子式回路遮断器を示すブロック図、図2はサンプリングによる電流の実効値を得る方法を説明するための説明図、図3はマイクロコンピュータの処理を示すフローチャート、図4は図3に示す過電流検出処理の詳細を示すフローチャートである。
図1はこの発明の実施の形態1に係る電子式回路遮断器を示すブロック図、図2はサンプリングによる電流の実効値を得る方法を説明するための説明図、図3はマイクロコンピュータの処理を示すフローチャート、図4は図3に示す過電流検出処理の詳細を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施の形態における電子式回路遮断器100は、交流電路1に挿入され交流電路1を開閉する開閉接点2と、交流電路1に設けられ、交流電路1に流れる負荷電流に比例した検出電流を出力する変流器3と、この変流器3の二次側に接続され、検出電流を整流する整流回路4と、この整流回路4から出力された電流により電子式回路遮断器内部の動作に用いる一定の電圧を出力する電源回路5と、整流回路4の出力側に接続され、変流器3の検出電流をアナログ電圧信号に変換する波形変換回路6と、この波形変換回路6のアナログ電圧信号に基づき引外し特性の処理を行う制御装置としてのマイクロコンピュータ10(以下、マイコン10という)と、マイコン10からの各引外し信号により引外し装置8を駆動し開閉接点2を開離させる引外し回路7と、交流電路1に流れる負荷電流が減少して電源回路5の出力電圧が低下することによりマイコン10が動作していない時間を計測するためのOFF時間計測回路20と、負荷電流によって電線に蓄積される熱エネルギーを模擬する熱エネルギー保存回路30と、から構成されている。
マイコン10は、波形変換回路6のアナログ電圧信号をディジタル信号に変換する第1のA/D変換11aと、第1のA/D変換11aが出力するディジタル信号に基づき交流電路1を流れる電流の実効値を演算する実効値演算部12と、実効値演算部12が算出した電流の実効値に基づき、時限特性の処理を行い過電流発生時に開閉接点2を開離させる時限特性演算部13と、時限特性演算部13からの引外し信号の出力に基づき、引外し回路7を駆動する引外し出力ポート14と、OFF時間計測回路20のコンデンサ電圧VTIMEをディジタル信号に変換する第2のA/D変換11bと、OFF時間計測回路20の時間計測用コンデンサ21を充電するために電圧を出力する時間計測用出力ポート15と、熱エネルギー保存回路30におけるコンデンサ電圧VTMをディジタル信号に変換する第3のA/D変換11cと、熱エネルギー保存回路30の熱エネルギー保存用コンデンサ31を充電するために出力を行う充電用出力ポート16と、遮断時に熱エネルギー保存用コンデンサ31を瞬時に完全放電させるための出力を行う即時放電用出力ポート17と、熱エネルギー保存用コンデンサ31を所定の電圧まで放電させるための出力を行う放電用出力ポート18と、から構成されている。
OFF時間計測回路20は、一端が第2のA/D変換11bに接続され、他端がグランドに接続された時間計測用コンデンサ21と、カソードが時間計測用コンデンサ21の一端に接続され、アノードが抵抗22を介して時間計測用出力ポート15に接続されたダイオード23と、一端が時間計測用コンデンサ21の一端に接続され、他端がグランドに接続された放電抵抗24と、から構成されている。
熱エネルギー保存回路30は、一端が第3のA/D変換11cに接続され、他端がグランドに接続された熱エネルギー保存用コンデンサ31と、カソードが熱エネルギー保存用コンデンサ31の一端に接続され、アノードが抵抗32を介して充電用出力ポート16に接続されたダイオード33と、コレクタが熱エネルギー保存用コンデンサ31の一端に接続され、ベースが抵抗34を介して即時放電用出力ポート17に接続され、エミッタがグランドに接続されたトランジスタ35と、一端がトランジスタ35のベースに接続され、他端がグランドに接続された抵抗36と、一端が熱エネルギー保存用コンデンサ31の一端に接続された抵抗37と、コレクタが抵抗37の他端に接続され、ベースが抵抗38を介して放電用出力ポート18に接続され、エミッタがグランドに接続されたトランジスタ39と、一端がトランジスタ39のベースに接続され、他端がグランドに接続された抵抗310と、から構成されている。
次に、マイコン10内の実効値演算部12および時限特性演算部13の処理について説明する。
まず、時限特性演算部13での負荷電流の演算方法について図2により説明する。変流器3で検出された交流電路1の検出電流は、波形変換回路6で検出電流に基づくアナログ電圧信号に変換された後、第1のA/D変換11aでアナログ電圧信号からディジタル値へ変換される。この検出電流の検出周期、すなわち、サンプリング周期はΔtである。交流電路1を流れる負荷電流の実効値を得る必要から、交流電路1の交流電源周波数が、例えば、50Hzの場合には5周期に相当、60Hzの場合には6周期に相当する100msec間、サンプリングされるディジタル値の2乗移動平均、すなわち、ディジタル値の2乗を累積しサンプリング数mで割ることで算出されるI1 2=(Σi2)/mを求める。なお、実効値I2の演算は、例えば、10msec〜25msecの演算周期ΔTで行われる。また、実際には、実効値I2の平方根が負荷電流の実効値であるが、ここでは、I2を実効値として称し取り扱う。
まず、時限特性演算部13での負荷電流の演算方法について図2により説明する。変流器3で検出された交流電路1の検出電流は、波形変換回路6で検出電流に基づくアナログ電圧信号に変換された後、第1のA/D変換11aでアナログ電圧信号からディジタル値へ変換される。この検出電流の検出周期、すなわち、サンプリング周期はΔtである。交流電路1を流れる負荷電流の実効値を得る必要から、交流電路1の交流電源周波数が、例えば、50Hzの場合には5周期に相当、60Hzの場合には6周期に相当する100msec間、サンプリングされるディジタル値の2乗移動平均、すなわち、ディジタル値の2乗を累積しサンプリング数mで割ることで算出されるI1 2=(Σi2)/mを求める。なお、実効値I2の演算は、例えば、10msec〜25msecの演算周期ΔTで行われる。また、実際には、実効値I2の平方根が負荷電流の実効値であるが、ここでは、I2を実効値として称し取り扱う。
次に、時限特性演算部13の処理について、図3〜図4を用いて説明する。
図3に示すように、電源回路5からの電源によりマイコン10が起動すると、まず、ステップS101で、クロックや出力ポートなどマイコン10の初期設定を行い、ステップS102に進む。ステップS102では、時間計測用コンデンサ21のコンデンサ電圧VTIMEを第2のA/D変換11bによりディジタル信号に変換し、ステップS103に進む。
ステップS103では、以下に示す(1)式を用いて、負荷電流がOFFの周期におけるOFF時間t2を算出し、ステップS104に進む。ここで、τは放電抵抗24および時間計測用コンデンサ21の容量値により決定される時定数、V1は時間計測用コンデンサ21に充電される最大の電圧値(例えば3.3V)を指している。
図3に示すように、電源回路5からの電源によりマイコン10が起動すると、まず、ステップS101で、クロックや出力ポートなどマイコン10の初期設定を行い、ステップS102に進む。ステップS102では、時間計測用コンデンサ21のコンデンサ電圧VTIMEを第2のA/D変換11bによりディジタル信号に変換し、ステップS103に進む。
ステップS103では、以下に示す(1)式を用いて、負荷電流がOFFの周期におけるOFF時間t2を算出し、ステップS104に進む。ここで、τは放電抵抗24および時間計測用コンデンサ21の容量値により決定される時定数、V1は時間計測用コンデンサ21に充電される最大の電圧値(例えば3.3V)を指している。
ステップS104では、熱エネルギー保存用コンデンサ31のコンデンサ電圧VTMを第3のA/D変換11cによりディジタル信号VTMADに変換し、ステップS105に進む。ステップS105では、前回、負荷電流がONの周期時に負荷へ給電する電線に蓄積されていた熱エネルギーに相当する暫定累積電流値LTD1を式(2)により算出し、ステップS106に進む。
LTD1=トリップ閾値×VTMAD/VMAXAD ・・・(2)
ここで、VMAXADは、時間計測用コンデンサ21に充電される最大の電圧値に対応するA/D変換後のディジタル値である。
LTD1=トリップ閾値×VTMAD/VMAXAD ・・・(2)
ここで、VMAXADは、時間計測用コンデンサ21に充電される最大の電圧値に対応するA/D変換後のディジタル値である。
ステップS106では、これまで求めた暫定累積電流値LTD1、およびON電流としての実効値I1から式(3)により前回周期のON時間t1を求め、ステップS107に進む。
t1 = LTD1/I1 2 ・・・(3)
ステップS107では、これまでに求めたON時間t1,OFF時間t2,ON電流としての実効値I1から、熱的等価電流Ieを式(4)によって求め、ステップS107に進む。
t1 = LTD1/I1 2 ・・・(3)
ステップS107では、これまでに求めたON時間t1,OFF時間t2,ON電流としての実効値I1から、熱的等価電流Ieを式(4)によって求め、ステップS107に進む。
ステップS108では、熱的等価電流Ieが所定の閾値(例えば定格電流設定値I0)以上かどうかの判定を行い、所定の閾値以上の場合には、ステップS109に進み、所定の閾値未満の場合には、ステップS110に進む。
ステップS109では、時限特性演算部13の持つ累積電流値LTDへ暫定累積電流値LTD1をセットし、ステップS110では、累積電流値LTDを0にセットした後、ステップS111に進む。
ステップS109では、時限特性演算部13の持つ累積電流値LTDへ暫定累積電流値LTD1をセットし、ステップS110では、累積電流値LTDを0にセットした後、ステップS111に進む。
ステップS111において、マイコン10の時間計測用出力ポート15は、交流電路1に過電流もしくは正常な電流が流れている間、出力信号S0をHレベルで出力し続け、時間計測用コンデンサ21を常に最大のエネルギー量が充電された状態とし、ステップS200の過電流検出処理に進む。
定周期のループ処理である過電流検出処理は、図4に示すように、ステップS201で、ON電流として実効値演算部12により得られた変流器の二次出力電流の実効値I1が過電流状態であるかどうか、すなわち、実効値I1が定格電流設定値I0以上かを判定する。実効値I1が定格電流設定値I0以上の場合には、ステップS202に進み、実効値I1が定格電流設定値I0未満の場合には、ステップS203に進む。ここで、定格電流設定値I0が、請求の範囲に記載の所定値である。
ステップS202では、実効値I1が定格電流設定値I0以上なので、式(5)に従い、累積電流値LTDの加算処理を行い、ステップS204に進む。
LTD=前回LTD+(ΔT×I1 2) ・・・(5)
ステップS203では、実効値I1が定格電流設定値I0未満なので、式(6)に従い、累積電流値LTDの減算処理を行い、ステップS204に進む。
LTD=前回LTD−ΔT×(I0 2−I1 2) ・・・(6)
なお、ΔTは、前述の通り実効値演算部18aにおいて実効値I2が算出される演算周期であり、通常、固定値となるので、演算を簡略化するため、ΔT=1として処理しても良い。
LTD=前回LTD+(ΔT×I1 2) ・・・(5)
ステップS203では、実効値I1が定格電流設定値I0未満なので、式(6)に従い、累積電流値LTDの減算処理を行い、ステップS204に進む。
LTD=前回LTD−ΔT×(I0 2−I1 2) ・・・(6)
なお、ΔTは、前述の通り実効値演算部18aにおいて実効値I2が算出される演算周期であり、通常、固定値となるので、演算を簡略化するため、ΔT=1として処理しても良い。
ステップS204では、ステップS202もしくはステップS203で求めた累積電流値LTDより熱エネルギー保存用コンデンサ31の充電予定値Vrefを式(7)に従い算出し、ステップS205に進む。
Vref=VMAXAD×LTD/トリップ閾値 ・・・(7)
ステップS205では、熱エネルギー保存用コンデンサ31のコンデンサ電圧VTMを第3のA/D変換11cにより変換したディジタル信号VTMADが、充電予定値Vref以上かを判定する。ディジタル信号VTMADが充電予定値Vref以上の場合、ステップS206に進み、ディジタル信号VTMADが充電予定値Vref未満の場合、ステップS207に進む。
Vref=VMAXAD×LTD/トリップ閾値 ・・・(7)
ステップS205では、熱エネルギー保存用コンデンサ31のコンデンサ電圧VTMを第3のA/D変換11cにより変換したディジタル信号VTMADが、充電予定値Vref以上かを判定する。ディジタル信号VTMADが充電予定値Vref以上の場合、ステップS206に進み、ディジタル信号VTMADが充電予定値Vref未満の場合、ステップS207に進む。
ステップS206では、ディジタル信号VTMADが充電予定値Vref以上なので、充電用出力ポート16の出力信号S1を所定の時間Hレベルに制御することで、抵抗32およびダイオード33を介して熱エネルギー保存用コンデンサ31を充電予定値Vrefまで充電し、ステップS208に進む。
一方、ステップS207では、ディジタル信号VTMADが充電予定値Vref未満なので、放電用出力ポート18の出力信号S3を所定の時間Hレベルに制御することで、抵抗38を介してトランジスタ39のコレクタ−エミッタ間を導通させ、抵抗37を介して熱エネルギー保存用コンデンサ31を充電予定値Vrefまで放電させ、ステップS208に進む。
一方、ステップS207では、ディジタル信号VTMADが充電予定値Vref未満なので、放電用出力ポート18の出力信号S3を所定の時間Hレベルに制御することで、抵抗38を介してトランジスタ39のコレクタ−エミッタ間を導通させ、抵抗37を介して熱エネルギー保存用コンデンサ31を充電予定値Vrefまで放電させ、ステップS208に進む。
ステップS208では、累積電流値LTDが、トリップ閾値以上かを判定する。累積電流値LTDがトリップ閾値以上の場合、ステップS209に進み、累積電流値LTDがトリップ閾値未満の場合、ステップS201に戻りステップS201以降の処理を再度行う。
ステップS209では、即時放電用出力ポート17の出力信号S2をHレベルに制御し、抵抗34を介してトランジスタ35のコレクタ−エミッタ間を導通させることで、熱エネルギー保存用コンデンサ31を急速に放電させ、ステップS210に進む。
ステップS209では、即時放電用出力ポート17の出力信号S2をHレベルに制御し、抵抗34を介してトランジスタ35のコレクタ−エミッタ間を導通させることで、熱エネルギー保存用コンデンサ31を急速に放電させ、ステップS210に進む。
ステップS210では、引外し出力ポート14の電圧信号S4をHレベルとすることで、引外し回路7を駆動し引外し装置8を動作させることにより開閉接点2を開離し交流電路1を開放する。
断続負荷がOFF周期となり、マイコン10の駆動電源が喪失した場合は、時間計測用コンデンサ21の充電電圧が、その容量値と並列に接続された放電抵抗24で決定される時定数をもって緩やかに放電されていく。一方、熱エネルギー保存用コンデンサ31に接続されている放電用の抵抗37はトランジスタ39に接続されており、その他に放電する経路がないため、熱エネルギー保存用コンデンサ31自身の漏れ電流およびトランジスタ35、39の漏れ電流のみに従い非常に緩やかに放電されていくため、負荷への電線の蓄熱エネルギーを長期間保持することができる。
なお、本実施の形態では、OFF時間計測回路20として時間計測用コンデンサ21と放電用の放電抵抗24を用いた回路例を示したが、電池もしくはスーパーキャパシター等から電源を供給されるようにした時計IC(Integrated Circuit)を用いてもよい。
本実施の形態によれば、交流電路1に挿入された開閉接点2と、交流電路1に流れる電流を検出する変流器3と、変流器3の二次側に接続され、検出電流を整流する整流回路4と、整流回路4の出力側に接続され、一定の電圧を出力する電源回路5と、検出電流を所定の検出周期で検出し、検出電流が定格電流に対応する所定値を超えた期間における検出電流の実効値の2乗値と検出周期との電流積を積算累積した累積電流値を算出するとともに、累積電流値に基づいて開閉接点2を開離させるマイコン10と、を備え、電源回路5の出力電圧がマイコン10の動作可能電圧未満になっていた時間であるOFF時間を計測するためのOFF時間計測回路20を有し、マイコン10は、起動時に、OFF時間計測回路から読み込んだOFF時間t2、断続負荷における通電電流に相当するON電流IONおよび断続負荷における通電時間に相当するON時間t1に基づき累積電流値の初期値を決定するので、正確な引外し動作を行うことが可能となる。
また、マイコン10から累積電流値に対応する電圧に充電される熱エネルギー保存用コンデンサ31と、熱エネルギー保存用コンデンサ31の充電電圧がマイコン10に読み込み可能に接続された熱エネルギー保存回路30とを備え、ON電流IONはマイコン10の起動時に算出した変流器3からの検出電流の実効値I1を使用し、ON時間t1は熱エネルギー保存回路30の充電電圧およびマイコン10の起動時に算出した変流器3からの検出電流の実効値I1から算出するので、正確な引外し動作を行うことが可能となる。
また、マイコン10が算出する累積電流値LTDは、所定値を超えた期間における検出電流の実効値の2乗値を累積したものなので、マイコン10による累積電流値の演算負荷を減らすことができる。
また、引外し動作時には即時放電用出力ポート17の出力信号S2をHレベルとすることで熱エネルギー保存用コンデンサ31のエネルギーを瞬時に放電するため、過電流動作後の再投入時にも即時動作することなく、連続給電が可能となる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2における電子式回路遮断器200について説明する。
図5は実施の形態2における電子式回路遮断器のブロック図、図6はマイクロコンピュータの処理を示すフローチャート、図7は図6に示す過電流検出処理の詳細を示すフローチャートである。
実施の形態1と本実施の形態の差異は、図5に示すように、熱エネルギー保存回路30に換えて不揮発性メモリ40を設け、不揮発性メモリ40のデータを通信によって取得するためにマイコン10内部へ通信部19を設けたものある。ここで、不揮発性メモリ40には、強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory)や、抵抗変化型メモリ(Resistive Random Access Memory)等の使用を想定している。
次に、この発明の実施の形態2における電子式回路遮断器200について説明する。
図5は実施の形態2における電子式回路遮断器のブロック図、図6はマイクロコンピュータの処理を示すフローチャート、図7は図6に示す過電流検出処理の詳細を示すフローチャートである。
実施の形態1と本実施の形態の差異は、図5に示すように、熱エネルギー保存回路30に換えて不揮発性メモリ40を設け、不揮発性メモリ40のデータを通信によって取得するためにマイコン10内部へ通信部19を設けたものある。ここで、不揮発性メモリ40には、強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory)や、抵抗変化型メモリ(Resistive Random Access Memory)等の使用を想定している。
また、実施の形態1では、マイコン10の内部に設けられていた第3のA/D変換11c、充電用出力ポート16、即時放電用出力ポート17、および放電用出力ポート18は廃止されている。その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、詳細説明は省略する。
本実施の形態における電子式回路遮断器200では、不揮発性メモリ40に累積電流値LTDおよびON時間カウンタを常に書き込みしておき、断続負荷の環境においてマイコン10が再起動した場合には、時限特性演算部13が、通信部19を介して不揮発性メモリ40から累積電流値LTDおよびON時間カウンタを読み出し、処理を行うものである。
本実施の形態における電子式回路遮断器200では、不揮発性メモリ40に累積電流値LTDおよびON時間カウンタを常に書き込みしておき、断続負荷の環境においてマイコン10が再起動した場合には、時限特性演算部13が、通信部19を介して不揮発性メモリ40から累積電流値LTDおよびON時間カウンタを読み出し、処理を行うものである。
実施の形態1における電子式回路遮断器100では、ON電流として現在周期における変流器3の二次出力電流の実効値I1を用いて熱的等価電流Ieの算出を行うため、断続負荷の電流値がその周期内で常に一定であることを前提にしている。そのため、断続負荷の電流値が周期によって大きく異なった場合、正確な熱的等価電流Ieの算出ができないこととなる。
例えば、前回周期のON時の電流の実効値I1=100A,現在周期のON時の電流の実効値I1’=80A,ON時間t1=1sec,OFF時間t2=3secの断続負荷を想定する。実施の形態1では、マイコン10が再起動した直後の電流の実効値I1’=80Aを使用し、式(4)を用いて熱的等価電流Ieを計算するので、熱的等価電流Ieは、次の式(8)で算出され、40Aとなる。
例えば、前回周期のON時の電流の実効値I1=100A,現在周期のON時の電流の実効値I1’=80A,ON時間t1=1sec,OFF時間t2=3secの断続負荷を想定する。実施の形態1では、マイコン10が再起動した直後の電流の実効値I1’=80Aを使用し、式(4)を用いて熱的等価電流Ieを計算するので、熱的等価電流Ieは、次の式(8)で算出され、40Aとなる。
一方、本来の前回周期のON時の電流の実効値I1=100Aを使用して計算した場合、熱的等価電流Ieは50Aとなり一致しないこととなるので、所定の閾値を超えていないという誤った処理となり、熱エネルギー保存用コンデンサ31の充電電圧が累積電流値LTDに反映されず不動作となってしまう可能性があった。
次に、電子式回路遮断器200における時限特性演算部13の処理について、図6、図7を用いて説明する。
図6に示すように、電源回路5からの電源によりマイコン10が起動すると、まず、ステップS301から処理を開始するが、ステップS301〜ステップS303は、図3に示すステップS101〜ステップS103とそれぞれ同じ処理内容なので、説明は省略する。
ステップS304では、不揮発性メモリ40から、前回通電があったときに記録した累積電流値LTDを暫定累積電流値LTD1として読み出し、ON時間カウンタの値をON時間t1として読み出した後、ステップS305に進む。
図6に示すように、電源回路5からの電源によりマイコン10が起動すると、まず、ステップS301から処理を開始するが、ステップS301〜ステップS303は、図3に示すステップS101〜ステップS103とそれぞれ同じ処理内容なので、説明は省略する。
ステップS304では、不揮発性メモリ40から、前回通電があったときに記録した累積電流値LTDを暫定累積電流値LTD1として読み出し、ON時間カウンタの値をON時間t1として読み出した後、ステップS305に進む。
ステップS305では、不揮発性メモリ40から読み出した暫定累積電流値LTD1およびON時間t1を用いて、式(9)によりON電流IONを算出し、ステップS306に進む。
ION=√(LTD1/t1) ・・・(9)
ステップS306では、ステップS305で算出したON電流ION、ステップS303で読み出したOFF時間t2、およびステップS304で読み出したON時間t1から、式(10)を用いて熱的等価電流Ieを計算し、ステップS307に進む。
ION=√(LTD1/t1) ・・・(9)
ステップS306では、ステップS305で算出したON電流ION、ステップS303で読み出したOFF時間t2、およびステップS304で読み出したON時間t1から、式(10)を用いて熱的等価電流Ieを計算し、ステップS307に進む。
ステップS307〜ステップS310は、図3に示すステップS108〜ステップS111とそれぞれ同じ処理内容なので説明は省略する。ステップS310では、ステップS111と同じ処理を行った後、ステップS400の過電流検出処理に進む。
定周期のループ処理である過電流検出処理は、図7に示すように、ステップS401で、実効値演算部12により得られた変流器3の二次出力電流の実効値I1が過電流状態であるかどうか、すなわち、実効値I1が定格電流設定値I0以上かどうかを判定する。実効値I1が定格電流設定値I0以上の場合には、ステップS402に進み、実効値I1が定格電流設定値I0未満の場合には、ステップS403に進む。ここでの定格電流設定値I0が、請求の範囲に記載の所定値である。
ステップS402では、図3に示すステップS202と同じ処理を行い、ステップS404に進む。
また、ステップS403では、図3に示すステップS203と同じ処理を行い、ステップS405に進む。
ステップS404では、ON時間カウンタの加算処理を行い、ステップS406に進む。ON時間カウンタの加算処理は、過電流検出処理が、例えば、1.25msecごとに行われる定周期のループ処理である場合には、単純にカウンタ値を1だけ加算する処理とすることができる。過電流検出処理が、定周期のループ処理でない場合には、前回処理時からの経過時間に比例した値を加算する処理とする必要がある。
また、ステップS403では、図3に示すステップS203と同じ処理を行い、ステップS405に進む。
ステップS404では、ON時間カウンタの加算処理を行い、ステップS406に進む。ON時間カウンタの加算処理は、過電流検出処理が、例えば、1.25msecごとに行われる定周期のループ処理である場合には、単純にカウンタ値を1だけ加算する処理とすることができる。過電流検出処理が、定周期のループ処理でない場合には、前回処理時からの経過時間に比例した値を加算する処理とする必要がある。
ステップS405では、ON時間カウンタの減算処理を行い、ステップS406に進む。ON時間カウンタの減算処理は、過電流検出処理が、例えば、1.25msecごとに行われる定周期のループ処理である場合には、単純にカウンタ値を1だけ減算する処理とすることができる。過電流検出処理が、定周期のループ処理でない場合には、前回処理時からの経過時間に比例した値を減算する処理とする必要がある。
ステップS406では、ステップS406にくる直前にステップS402もしくはステップS403で算出した累積電流値LTDと、同じくステップS406にくる直前にステップS404もしくはステップS405で算出したON時間t1としてのON時間カウンタの値とを不揮発性メモリ40に書き込む処理を行い、ステップS407に進む。
ステップS407では、ステップS407にくる直前にステップS402もしくはステップS403で算出した累積電流値LTDがトリップ閾値以上かを判定する。累積電流値LTDがトリップ閾値以上である場合には、ステップS408に進み、累積電流値LTDがトリップ閾値未満である場合にはステップS401に戻り、ステップS401移行の処理を定周期で行う。
ステップS408では、不揮発性メモリ40の累積電流値LTDの値およびON時間カウンタの値として“0”を書き込む処理を行い、ステップS409に進む。
ステップS409では、ステップS210と同じく、引外し出力ポート14の電圧信号S4をHレベルとすることで、引外し回路7を駆動し引外し装置8を動作させることにより開閉接点2を開離し交流電路1を開放する。
ステップS409では、ステップS210と同じく、引外し出力ポート14の電圧信号S4をHレベルとすることで、引外し回路7を駆動し引外し装置8を動作させることにより開閉接点2を開離し交流電路1を開放する。
なお、本実施の形態の例では、累積電流値LTDとON時間カウンタの値を過電流検出処理のステップS406で、毎回、不揮発性メモリ40に書き込む処理としたが、使用する不揮発性メモリへの書き込み回数に制限がある場合には、ステップS408に進んだ場合、すなわち、開閉接点2を引外す前に不揮発性メモリ40へ書き込むようにしてもよい。
本実施の形態によれば、交流電路1に挿入された開閉接点2と、交流電路1に流れる電流を検出する変流器3と、変流器3の二次側に接続され、検出電流を整流する整流回路4と、整流回路4の出力側に接続され、一定の電圧を出力する電源回路5と、検出電流を所定の検出周期で検出し、検出電流が定格電流に対応する所定値を超えた期間における検出電流の実効値の2乗値と検出周期との電流積を積算累積した累積電流値を算出するとともに、累積電流値に基づいて開閉接点2を開離させるマイコン10と、を備え、電源回路5の出力電圧がマイコン10の動作可能電圧未満になっていた時間であるOFF時間を計測するためのOFF時間計測回路20を有し、マイコン10は、起動時に、OFF時間計測回路から読み込んだOFF時間t2、断続負荷における通電電流に相当するON電流IONおよび断続負荷における通電時間に相当するON時間t1に基づき累積電流値LTDの初期値を決定するので、正確な引外し動作を行うことが可能となる。
また、マイコン10に接続された不揮発性メモリ40を備え、マイコン10は、検出電流の実効値が定格電流に対応する所定値以上の場合には加算し、検出電流の実効値が所定値未満の場合には減算することでON時間t1を算出し、累積電流値LTDおよびON時間t1を不揮発性メモリ40に書き込むとともに、マイコン10の起動時には、ON時間t1は不揮発性メモリ40から読み込み、ON電流IONは不揮発性メモリ40から読み込んだ累積電流値LTDおよび不揮発性メモリから読み込んだON時間t1から算出するので、正確なON時間t1およびON電流IONを得ることが可能となる。
また、マイコン10が算出する累積電流値LTDは、所定値を超えた期間における検出電流の実効値の2乗値を累積したものなので、マイコン10による累積電流値の演算負荷を減らすことができる。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3に係る電子式回路遮断器を示すブロック図、図9はマイクロコンピュータの処理を示すフローチャート、図10は図9に示す過電流検出処理のフローチャートである。
実施の形態2では、不揮発性メモリに累積電流値LTDとON時間カウンタの値を書き込む例を示したが、本実施の形態は、ON時間カウンタの値だけを不揮発性メモリに書き込むようにし、ON電流は実効値演算部12により得られた変流器の二次出力電流の実効値I1を使用するものである。よって、本実施の形態の電子式回路遮断器300の構成を示す図8は、実施の形態2で説明した図5と同じなので、説明を省略する。
図8は本発明の実施の形態3に係る電子式回路遮断器を示すブロック図、図9はマイクロコンピュータの処理を示すフローチャート、図10は図9に示す過電流検出処理のフローチャートである。
実施の形態2では、不揮発性メモリに累積電流値LTDとON時間カウンタの値を書き込む例を示したが、本実施の形態は、ON時間カウンタの値だけを不揮発性メモリに書き込むようにし、ON電流は実効値演算部12により得られた変流器の二次出力電流の実効値I1を使用するものである。よって、本実施の形態の電子式回路遮断器300の構成を示す図8は、実施の形態2で説明した図5と同じなので、説明を省略する。
本実施の形態の電子式回路遮断器300における時限特性演算部13の処理について、図9、図10を用いて説明する。
図9に示すように、電源回路5からの電源によりマイコン10が起動すると、まず、ステップS501から処理を開始するが、ステップS501〜ステップS503は、図6に示すステップS301〜ステップS303とそれぞれ同じ処理内容なので、説明は省略する。
ステップS504では、不揮発性メモリ40から、前回通電があったときに記録したON時間t1を読み出し、ステップS505に進む。
図9に示すように、電源回路5からの電源によりマイコン10が起動すると、まず、ステップS501から処理を開始するが、ステップS501〜ステップS503は、図6に示すステップS301〜ステップS303とそれぞれ同じ処理内容なので、説明は省略する。
ステップS504では、不揮発性メモリ40から、前回通電があったときに記録したON時間t1を読み出し、ステップS505に進む。
ステップS505では、変流器3の検出電流より実効値I1をON電流として算出し、ステップS506に進む。ステップS506では、ステップS504で読み出したON時間t1、ステップS503で求めたOFF時間t2およびステップS505で算出したON電流としての実効値I1より、熱的等価電流Ieを式(4)によって求め、ステップS507に進む。
ステップS507では、ステップS504で読み出したON時間t1、ステップS503で求めたOFF時間t2およびステップS506算出した熱的等価電流Ieより式(11)により暫定累積電流値LTD1求め、ステップS508に進む。
LTD1=Ie 2(t1+t2) ・・・(11)
LTD1=Ie 2(t1+t2) ・・・(11)
ステップS508〜ステップS511は、図6に示すステップS307〜ステップS310とそれぞれ同じ処理内容なので説明は省略する。ステップS511では、ステップS310と同じ処理を行った後、ステップS600の過電流検出処理に進む。
定周期のループ処理である過電流検出処理は、図10に示すように、ステップS601で、実効値演算部12により得られた変流器3の二次出力電流の実効値I1が過電流状態であるかどうか、すなわち、実効値I1が定格電流設定値I0以上かどうかを判定する。実効値I1が定格電流設定値I0以上の場合には、ステップS602に進み、実効値I1が定格電流設定値I0未満の場合には、ステップS603に進む。ここでの定格電流設定値I0が、請求の範囲に記載の所定値である。
ステップS602〜ステップS605は、図7に示すステップS402〜ステップS405とそれぞれ同じ処理内容なので説明は省略する。ステップS604もしくはステップS605の処理をおこなった後、ステップS606に進む。
ステップS606では、ステップS606にくる直前にステップS604もしくはステップS605で算出したON時間カウンタの値をON時間t1として不揮発性メモリ40に書き込む処理を行い、ステップS607に進む。
ステップS606では、ステップS606にくる直前にステップS604もしくはステップS605で算出したON時間カウンタの値をON時間t1として不揮発性メモリ40に書き込む処理を行い、ステップS607に進む。
ステップS607では、ステップS607にくる直前にステップS602もしくはステップS603で算出した累積電流値LTDがトリップ閾値以上かを判定する。累積電流値LTDがトリップ閾値以上である場合には、ステップS608に進み、累積電流値LTDがトリップ閾値未満である場合にはステップS601に戻り、ステップS601移行の処理を定周期で行う。
ステップS608では、不揮発性メモリ40にON時間t1の値として“0”を書き込む処理を行い、ステップS609に進む。
ステップS609では、ステップS409と同じく、引外し出力ポート14の電圧信号S4をHレベルとすることで、引外し回路7を駆動し引外し装置8を動作させることにより開閉接点2を開離し交流電路1を開放する。
ステップS609では、ステップS409と同じく、引外し出力ポート14の電圧信号S4をHレベルとすることで、引外し回路7を駆動し引外し装置8を動作させることにより開閉接点2を開離し交流電路1を開放する。
なお、本実施の形態の例では、ON時間カウンタの値を過電流検出処理のステップS606で、毎回、不揮発性メモリ40に書き込む処理としたが、使用する不揮発性メモリへの書き込み回数に制限がある場合には、ステップS608に進んだ場合、すなわち、開閉接点2を引外す前に不揮発性メモリ40へ書き込むようにしてもよい。
本実施の形態によれば、交流電路1に挿入された開閉接点2と、交流電路1に流れる電流を検出する変流器3と、変流器3の二次側に接続され、検出電流を整流する整流回路4と、整流回路4の出力側に接続され、一定の電圧を出力する電源回路5と、検出電流を所定の検出周期で検出し、検出電流が定格電流に対応する所定値を超えた期間における検出電流の実効値の2乗値と検出周期との電流積を積算累積した累積電流値を算出するとともに、累積電流値に基づいて開閉接点2を開離させるマイコン10と、を備え、電源回路5の出力電圧がマイコン10の動作可能電圧未満になっていた時間であるOFF時間を計測するためのOFF時間計測回路20を有し、マイコン10は、起動時に、OFF時間計測回路から読み込んだOFF時間t2、断続負荷における通電電流に相当するON電流および断続負荷における通電時間に相当するON時間t1に基づき累積電流値LTDの初期値を決定するので、正確な引外し動作を行うことが可能となる。
また、不揮発性メモリ40に保存された前回周期におけるON時間t1と、OFF時間計測回路20から読み込んだOFF時間t2と、変流器3の二次出力電流から算出したON電流IONとしての実効値I1と、から熱的等価電流Ieと暫定累積電流値LTD1を算出するため、正確な引外し動作を行うことが可能となる。
また、マイコン10が算出する累積電流値は、所定値を超えた期間における検出電流の実効値の2乗値を累積したものなので、マイコン10による累積電流値の演算負荷を減らすことができる。
2 開閉接点、3 変流器、4 整流回路、5 電源回路、6 波形変換回路、
7 引外し回路、8 引外し装置、10 マイクロコンピュータ、
20 OFF時間計測回路、30 熱エネルギー保存回路、40 不揮発性メモリ、
100 電子式回路遮断器。
7 引外し回路、8 引外し装置、10 マイクロコンピュータ、
20 OFF時間計測回路、30 熱エネルギー保存回路、40 不揮発性メモリ、
100 電子式回路遮断器。
Claims (5)
- 交流電路に挿入された開閉接点と、
前記交流電路に流れる電流を検出する変流器と、
前記変流器の二次側に接続され、検出電流を整流する整流回路と、
前記整流回路の出力側に接続され、一定の電圧を出力する電源回路と、
前記検出電流を所定の検出周期で検出し、前記検出電流が定格電流に対応する所定値を超えた期間における前記検出電流の実効値の2乗値と前記検出周期との積を累積した累積電流値を算出するとともに、前記累積電流値に基づいて前記開閉接点を開離させる制御装置と、を備え、
前記制御装置に接続され、前記電源回路の出力電圧が前記制御装置の動作可能電圧未満になっていた時間であるOFF時間を計測するためのOFF時間計測回路を有し、
前記制御装置は、起動時に、前記OFF時間計測回路から読み込んだ前記OFF時間、断続負荷における通電電流に相当するON電流および前記断続負荷における通電時間に相当するON時間に基づき前記累積電流値の初期値を決定することを特徴とする電子式回路遮断器。 - 前記制御装置に接続された不揮発性メモリを備え、
前記制御装置は、前記所定値以上の場合には加算し、前記検出電流の実効値が前記所定値未満の場合には減算することで前記ON時間を算出し、前記累積電流値および前記ON時間を前記不揮発性メモリに書き込むとともに、
前記制御装置の起動時に、前記ON時間は前記不揮発性メモリから読み込み、前記ON電流は前記不揮発性メモリから読み込んだ前記累積電流値および前記不揮発性メモリから読み込んだ前記ON時間から算出することを特徴とする請求項1に記載の電子式回路遮断器。 - 前記制御装置から前記累積電流値に対応する電圧に充電されるコンデンサと、前記コンデンサの充電電圧が前記制御装置に読み込み可能に接続された熱エネルギー保存回路とを備え、
前記ON電流は前記制御装置の起動時に算出した前記検出電流の実効値を使用し、前記ON時間は前記熱エネルギー保存回路の前記充電電圧および前記制御装置の起動時に算出した前記検出電流の実効値から算出することを特徴とする請求項1に記載の電子式回路遮断器。 - 前記制御装置に接続された不揮発性メモリを備え、
前記制御装置は、前記所定値以上の場合には加算し、前記検出電流の実効値が前記所定値未満の場合には減算することで前記ON時間を算出し、前記ON時間を前記不揮発性メモリに書き込むとともに、
前記ON電流は前記制御装置の起動時に算出した前記検出電流の実効値を使用し、前記ON時間は前記不揮発性メモリから読み込むことを特徴とする請求項1に記載の電子式回路遮断器。 - 前記制御装置が算出する前記累積電流値は、前記所定値を超えた期間における前記検出電流の実効値の2乗値を累積したものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子式回路遮断器。
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