JP6929399B2 - 容器詰め炭酸飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、容器詰め炭酸飲料に関する。
炭酸飲料は、炭酸ガスを含有する清涼飲料である。この炭酸飲料は、他の清涼飲料と異なり、消費者が喫飲した際に当該飲料中に含まれている炭酸ガスによる独特の炭酸感を味わうことができる飲料として知られている。従来の炭酸飲料においては、開封してからの時間経過に伴って、飲料中に溶解している炭酸ガスが徐々に抜けていくことにより、上述した独特の炭酸感が低減してしまうという不都合があった。
炭酸飲料中に溶解している炭酸ガスが抜けるという不都合を抑制するため、これまでに種々の検討がなされている。
たとえば、特許文献1には、炭酸飲料中に溶解している炭酸ガスのガス抜けを抑制するため、メジアン径で300μm以下の微細なゲルを含有させる技術が記載されている。
特開2013−121323号公報
上記従来技術は、消費者が炭酸飲料を喫飲するために、容器を開封した際に抜ける炭酸ガス量を低減させる点では、ある程度の効果を期待できる。しかしながら、本発明者らは、上記従来技術のように容器を開封した際に抜ける炭酸ガス量を低減させる対策を施したとしてもなお、依然として、開封してからの時間経過に伴う炭酸ガスのガス抜けを抑制しきれないという不都合が生じる場合があることを知見した。具体的には、本発明者らは、たとえば、1.5Lペットボトルに充填されている炭酸飲料のように、開封してから再度閉栓して保管する可能性を有した飲料である場合には、容器を開封した際に抜ける炭酸ガス量を低減させる対策を施したとしても、開栓するたびにガス抜けが発生することになるため、結果として炭酸ガスによる独特の炭酸感が低減してしまう可能性があることを見出した。なお、上述した開栓するたびに発生するガス抜けの問題は、たとえば、500mLペットボトルに充填されている炭酸飲料においても、消費者が上記炭酸飲料を少量ずつ喫飲する場合には、1.5Lペットボトルに充填されている炭酸飲料と同様に上述した不都合が生じることとなる。
以上を踏まえ、本発明は、炭酸感の経時安定性に優れた容器詰め炭酸飲料、およびその製造方法、さらには容器詰め炭酸飲料の炭酸感向上方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、炭酸感の経時安定性に優れた容器詰め炭酸飲料を提供すべく、鋭意検討した。その結果、炭酸飲料を構成する水を主成分とする溶媒中のミネラル分含有量のバランスを制御することが設計指針として有効であることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、
炭酸ガスを2.0ガスボリューム以上4.5ガスボリューム以下含む容器詰め炭酸飲料であって、
当該容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、12.5mg/L以上25mg/L以下であり、
当該容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をCMgとしたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度CMgとの割合、CMg/Hの値が、0.88以上0.3以下であり、
当該容器詰め炭酸飲料全量に対するカルシウム濃度をCCaとしたとき、CMg/CCaの値が、0.09以上40以下である、容器詰め炭酸飲料が提供される。
また、本発明によれば、
炭酸ガスを2.0ガスボリューム以上4.5ガスボリューム以下含む容器詰め炭酸飲料であって、
当該容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、12.5mg/L以上25mg/L以下であり、
当該容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をC Mg としたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度C Mg との割合、C Mg /Hの値が、0.03以上0.3以下であり、
当該容器詰め炭酸飲料全量に対するカルシウム濃度をC Ca としたとき、C Mg /C Ca の値が、0.34以上40以下である、容器詰め炭酸飲料が提供される。
本発明によれば、炭酸感の経時安定性に優れた容器詰め炭酸飲料、およびその製造方法、さらには容器詰め炭酸飲料の炭酸感向上方法を提供することができる。
実施例1〜3および比較例1〜4の炭酸飲料に係るガス抜け重量測定結果を示す図である。 実施例4〜6および比較例5〜7の炭酸飲料に係るガス抜け重量測定結果を示す図である。
本発明の容器詰め炭酸飲料は、炭酸ガスを2.0vol%以上4.5vol%以下含むものである。この容器詰め炭酸飲料は、当該容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、0mg/L以上45mg/L以下であり、かつ当該容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をCMgとしたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度CMgとの割合、CMg/Hの値が、0.03以上0.3以下であるものである。こうすることで、炭酸感の経時安定性に優れた容器詰め炭酸飲料を実現することができる。なお、本発明の容器詰め炭酸飲料は、近年、市場に流通している容器詰めの天然炭酸水とは異なる、人工的に調製して得られる炭酸ガスを含む水に係るものである。
本発明において「硬度」とは、炭酸飲料中に含まれるミネラル成分量を示す数値である。具体的には、本発明における硬度Hは、下記式(1)により算出された数値を指す。なお、下記式(1)により算出される硬度Hの値は、炭酸飲料中に含まれるミネラル成分量を炭酸カルシウムの相当量として換算した値、すなわち炭酸カルシウム換算値として表した数値を指す。
式(1):硬度H[mg/L]=飲料中に含まれるカルシウム量[mg/L]×2.5+飲料中に含まれるマグネシウム量[mg/L]×4
本発明者は、たとえば、1.5Lペットボトルに充填されている、容器を開封してから再度閉栓して保管する可能性を有した従来の炭酸飲料においては、容器を開封した際に抜ける炭酸ガス量を低減させる対策を施したとしても、依然として、開封してからの時間経過に伴う炭酸ガスのガス抜けを抑制しきれないという不都合が生じる場合があることを知見した。具体的には、本発明者は、1.5Lペットボトルに充填されている従来の炭酸飲料においては、容器の開栓および閉栓を繰り返すたびに所定量のガス抜けが発生するため、結果として炭酸ガスによる独特の炭酸感が低減してしまう可能性があることを見出した。なお、上述した開栓するたびに発生するガス抜けの問題は、たとえば、500mLペットボトルに充填されている炭酸飲料においても、消費者が上記炭酸飲料を少量ずつ喫飲する場合には、1.5Lペットボトルに充填されている炭酸飲料と同様に上述した不都合が生じることとなる。
そこで、本発明者は、上述した不都合が生じることのない炭酸感の経時安定性に優れた炭酸飲料を提供すべく、その設計指針について鋭意検討した。特に、本発明者は、近年、市場に流通している天然炭酸水が炭酸感の経時安定性に優れたものである点に着目し、炭酸感の経時安定性に優れた炭酸飲料を提供するための設計指針を検討した。その結果、本発明者は、炭酸飲料を構成する水を主成分とする溶媒中のミネラル分含有量のバランスを制御することが設計指針として有効であることを見出した。具体的には、本発明者は、炭酸飲料を構成する水を主成分とする溶媒の硬度と、上記溶媒中に含まれるマグネシウム量の比という尺度が、炭酸感の経時安定性に優れた炭酸飲料を実現するための設計指針として有効であることを見出した。
なお、従来の炭酸飲料は、開封後1時間で、約10%以上の炭酸ガスが抜けてしまうものが一般的であった。また、本発明者が得た知見によれば、開封後1時間でのガス抜け重量を1.2%未満に抑えることができれば、上述した不都合が発生することを抑制できる炭酸感の経時安定性に優れた炭酸飲料を実現できると推察される。
本発明における炭酸飲料は、当該炭酸飲料を構成する水を主成分とする溶媒の硬度Hが特定の値となるよう調製したものであり、かつ上記硬度Hの値と当該炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度CMgの値の割合、CMg/Hの値が、特定の値になるよう制御したものである。こうすることで、炭酸感の経時安定性に優れた炭酸飲料を実現することができる。具体的には、本発明における容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hは、0mg/L以上45mg/L以下であり、本発明における容器詰め炭酸飲料において上記CMg/Hの値は、0.03以上0.3以下である。本発明のように炭酸感の経時安定性に優れたものとするためには、上記CMg/Hの値、すなわち、硬度Hとマグネシウム量のバランスを制御することが特に重要である。そのため、本発明における炭酸飲料は、硬度Hとマグネシウム量のバランス、すなわち、硬度Hの値とCMg/Hの値とがいずれも上述した特定の値になるよう制御することができるものであれば、原材料として使用する水の形態は特に限定されない。上記原材料として使用する水の形態の具体例としては、市水、井水、蒸留水、ミネラルウォーター、イオン交換水、脱気水等が挙げられる。
また、本発明に係る炭酸飲料は、上述した通り、水を主成分とする溶媒の硬度Hとともに、上記CMg/Hの値を制御するものであるため、たとえば、果汁や甘味料等の各種添加成分による影響を受けることなく当該炭酸飲料中に溶存している炭酸ガスのガス抜けを抑制することができる。つまり、本発明に係る炭酸飲料による炭酸ガスのガス抜けを抑制効果は、当該炭酸飲料の形態に影響されるものではない。
本発明における炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hは、0mg/L以上45mg/L以下であるが、好ましくは、5mg/L以上40mg/L以下であり、さらに好ましくは、10mg/L以上40mg/L以下である。こうすることで、炭酸感に優れ、かつ炭酸飲料中に溶存している炭酸ガスのガス抜けを高度に抑制することができる。
本発明における炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をCMgとしたとき、当該炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hと、上記マグネシウム濃度CMgとの割合、CMg/Hの値は、0.03以上0.3以下であるが、好ましくは、0.1以上0.3以下であり、さらに好ましくは0.2以上0.3以下である。こうすることで、炭酸感に優れ、かつ炭酸飲料中に溶存している炭酸ガスのガス抜けを長期間安定的に抑制することができる。
本発明における炭酸飲料中に含まれている炭酸ガス量は、2.0ガスボリューム以上4.5ガスボリューム以下であるが、好ましくは、2.3ガスボリューム以上4.3ガスボリューム以下である。こうすることで、より一層炭酸感に優れた容器詰め炭酸飲料を実現することが可能となる。
ここで、本発明に係る炭酸飲料は、アルコールを含有しない(ノンアルコール)炭酸飲料であればよく、特に限定されないが、たとえば、サイダー飲料等の非着色飲料、ラムネ飲料、果汁入り飲料、着色炭酸飲料(たとえば、コーラ飲料やメロンソーダ等)、ノンアルコールビール飲料等とすることができる。
また、本発明における炭酸飲料は、当該炭酸飲料全量に対するカルシウム濃度をCCaとし、当該炭酸飲料全量に対するマグネウム濃度をCMgとしたとき、CMg/CCaの値が、好ましくは、0.1以上40以下であり、さらに好ましくは、0.2以上40以下である。こうすることで、より一層炭酸感の経時安定性に優れた炭酸飲料を実現することができる。
また、本発明に係る炭酸飲料は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムからなる群より選択される1以上の成分を含むことが好ましい。
本発明における炭酸飲料を封入する容器は、飲料業界で公知の密封容器であれば、適宜選択して用いることができる。その具体例としては、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)、等)、アルミ、スチール等の単体もしくは複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器形状は、特に限定されるものではないが、たとえば、缶容器、ボトル容器等が挙げられる。
本発明に係る炭酸飲料は、天然甘味料または合成甘味料を含んでいてもよい。こうすることで、炭酸飲料に対して甘味を付与することが可能であるため、より一層嗜好性に優れた飲料とすることができる。
上述した天然甘味料としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、果糖ブドウ糖液糖等の糖類、キシリトール、D−ソルビトール等の低甘味度甘味料、タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、ステビア抽出物等の高甘味度甘味料などが挙げられる。他方、上述した合成甘味料としては、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、サッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料が挙げられる。これらの甘味料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合してもよい。
本発明に係る炭酸飲料は、果汁を含んでいてもよい。ここで、果汁とは、果実を粉砕して搾汁、裏ごし等をし、皮、種子等を除去したものだけでなく、果実を粉砕しただけのピューレ状の果肉も含む。また、果実の種類としては、特に限定されるものではないが、たとえば、マスカットや巨峰等のぶどう類、みかん、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、ユズ、シークワーサー、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー、デコポン、ポンカン、イヨカン、バンペイユ等の柑橘類、イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、アサイー、キウイフルーツ、ブドウ、マスカット、モモ、リンゴ、パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、スイカ、サクランボ、西洋ナシ、スモモ類等が挙げられる。これらの果実は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
また、本発明に係る炭酸飲料に含有させる果汁としては、上記果物由来の果汁に限定されず、以下に挙げる野菜由来の野菜汁を含有させてもよい。野菜の種類としては、スィートコーン、エダマメ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ラディッシュ、カブ、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ジネンジョ、ヤマトイモ、ピーマン、パプリカ、シシトウ、キュウリ、セロリ、ケール、ネギ、キャベツ、ハクサイ、シュンギク、サラダナ、サンチュ、オオバ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ミブナ、アスパラガス、クウシンサイ、レタス、タイム、セージ、パセリ、イタリアンパセリ、ローズマリー、オレガノ、レモンバーム、チャイブ、ラベンダー、サラダバーネット、ラムズイヤー、ロケット、ダンディライオン、ナスタチューム、バジル、ルッコラ、クレソン、モロヘイヤ、フキ、ナバナ、チンゲンサイ、ミツバ、セリ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ミョウガ、ナス、トマト、ミニトマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ等が挙げられる。また、野菜由来の果汁についても、果物と同様に、1種を単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。さらに、野菜由来の果汁と果物由来の果汁を混合して使用してもよい。
本発明に係る炭酸飲料は、さらに酸味料を含んでいてもよい。こうすることで、爽快感という点において呈味に優れた炭酸飲料とすることができる。本発明に係る酸味料は、特に限定されないが、たとえば、クエン酸三ナトリウム、無水クエン酸、クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、又はそれらの塩類等が挙げられる。
なお、本発明に係る炭酸飲料には、以上に説明した成分の他にも、本発明の目的を損なわない範囲で各種栄養成分、抽出物、酸味料、甘味料、香料、着色剤、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を添加することもできる。
<炭酸飲料の製造方法>
本発明に係る、炭酸ガスを2.0vol%以上4.5vol%以下含む炭酸飲料の製造方法は、硬度Hが、0mg/L以上45mg/L以下となるように水を主成分とする溶媒を調製する工程と、溶媒に対して炭酸ガスを溶解させる工程と、を有している。そして、上記溶媒を調製する工程は、当該製造方法によって得られる炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をCMgとしたとき、上記硬度Hと、上記マグネシウム濃度CMgとの割合、CMg/Hの値が、0.03以上0.3以下となるように上記溶媒を調製する工程を含むものである。こうすることで、炭酸感の経時安定性に優れた容器詰め炭酸飲料を実現することができる。
<炭酸飲料の炭酸感向上方法>
炭酸ガスを2.0vol%以上4.5vol%以下含む炭酸飲料の炭酸感を向上するためには、炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが0mg/L以上45mg/L以下となり、かつ炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をCMgとしたとき、上記硬度Hと、上記マグネシウム濃度CMgとの割合、CMg/Hの値が、0.03以上0.3以下となるように調製することが重要である。こうすることで、炭酸飲料の炭酸感により一層優れた炭酸飲料を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
炭酸ガスを2.0vol%以上4.5vol%以下含む容器詰め炭酸飲料であって、
当該容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、0mg/L以上45mg/L以下であり、
当該容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をC Mg としたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度C Mg との割合、C Mg /Hの値が、0.03以上0.3以下である、容器詰め炭酸飲料。
<2>
当該容器詰め炭酸飲料全量に対するカルシウム濃度をC Ca としたとき、
Mg /C Ca の値が、0.1以上40以下である、<1>に記載の容器詰め炭酸飲料。
<3>
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムからなる群より選択される1以上の成分を含む、<1>または2に記載の容器詰め炭酸飲料。
<4>
天然甘味料または合成甘味料を含む、<1>乃至<3>のいずれか一つに記載の容器詰め炭酸飲料。
<5>
炭酸ガスを2.0vol%以上4.5vol%以下含む容器詰め炭酸飲料の製造方法であって、
硬度Hが、0mg/L以上45mg/L以下となるように水を主成分とする溶媒を調製する工程と、
前記溶媒に対して炭酸ガスを溶解させる工程と、
を有し、
前記溶媒を調製する工程は、当該製造方法によって得られる容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をC Mg としたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度C Mg との割合、C Mg /Hの値が、0.03以上0.3以下となるように前記溶媒を調製する工程を含む、容器詰め炭酸飲料の製造方法。
<6>
炭酸ガスを2.0vol%以上4.5vol%以下含む容器詰め炭酸飲料の炭酸感向上方法であって、
前記容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが0mg/L以上45mg/Lとなり、かつ前記容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をC Mg としたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度C Mg との割合、C Mg /Hの値が、0.03以上0.3以下となるように調製することを特徴とする、容器詰め炭酸飲料の炭酸感向上方法。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜3および比較例1〜4>
硬度0mg/Lの純水に対し、下記表1に示す配合比率となるように、塩化カルシウム(CaCl・2HO)と結晶状態にある硫酸マグネシウム(MgSO・7HO)を適宜添加してから混合することにより、所定の硬度となるように調製された溶媒を作製した。次いで、得られた上記溶媒を10℃に冷却した後、当該混合溶液に対し、炭酸ガス量が約3.7ガスボリュームとなるように炭酸ガスを溶解させた。その後、500mLのPETボトルに炭酸飲料を充填・密封し、実施例1〜3および比較例1〜4の炭酸飲料を作製した。
得られた各炭酸飲料について、以下に示す評価を行った。なお、評価に用いた炭酸飲料は、製造直後に20℃で48時間以上静置保管したものを使用した。
(評価項目)
(A)ガス抜け重量測定:20℃の温度条件下、各炭酸飲料の容器を開封した。その後、開封した容器を閉栓することなく20℃の温度で静置し、容器を開封してから5分後、10分後、20分後、30分後および60分後の各段階で容器を含めた全重量を、経時的に測定した。次いで、開封前の容器を含めた全重量と、上述した方法で測定した各段階における全重量との差分を重量変化量として算出し、ガス抜け重量とした。
(B)官能評価:実施例1〜3と比較例1、3および4の炭酸飲料それぞれについて、以下の当該炭酸飲料の炭酸感に係る官能評価1〜5を実施した。
官能評価試験1(炭酸の強さ):未開封の実施例1〜3と比較例1、3および4の炭酸飲料それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲した炭酸飲料について、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験1に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
1点:炭酸の強さが、弱い。
7点:炭酸の強さが、強い。
官能評価試験2(炭酸の強さの好み):未開封の実施例1〜3と比較例1、3および4の炭酸飲料それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲した炭酸飲料について、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験2に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
1点:炭酸の強さの好みが、良好ではない。
7点:炭酸の強さの好みが、良好である。
官能評価試験3(発泡感):未開封の実施例1〜3と比較例1、3および4の炭酸飲料それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲した炭酸飲料について、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験3に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
1点:発泡感を、感じない。
7点:発泡感を、感じる。
官能評価試験4(炭酸刺激):未開封の実施例1〜3と比較例1、3および4の炭酸飲料それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲した炭酸飲料について、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験4に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
1点:炭酸刺激を、感じない。
7点:炭酸刺激を、感じる。
官能評価試験5(炭酸の喉越し):未開封の実施例1〜3と比較例1、3および4の炭酸飲料それぞれを、熟練した6名のパネラーが試飲した。各パネラーは、試飲した炭酸飲料について、以下の評価基準に従って1〜7点の7段階評価を実施した。官能評価試験5に係る評価結果は、各パネラーによる評価点の平均点とした。
1点:炭酸の喉越しを、感じない。
7点:炭酸の喉越しを、感じる。
上記評価項目に関する官能評価結果を、以下の表1に各成分の配合比率と共に示す。
Figure 0006929399
図1は、実施例1〜3および比較例1〜4の炭酸飲料に係るガス抜け重量測定結果を示す図である。
図1に示すように、炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、0mg/L以上45mg/L以下である場合には、45mg/Lより大きな値を示す場合と比べて、炭酸ガスのガス抜けが抑制されている。また、炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが150mg/Lである比較例4の炭酸飲料は、図1に示すように炭酸ガスのガス抜け抑制という観点においては、良好な飲料であったが、上記表1に示すように当該飲料の官能性という観点において要求水準を満たすものではなかった。
<実施例4〜6および比較例5〜7>
硬度0mg/Lの純水に対し、下記表2に示す配合比率となるように、塩化カルシウム(CaCl・2HO)と結晶状態にある硫酸マグネシウム(MgSO・7HO)を適宜添加してから混合することにより、所定の硬度となるように調製された溶媒を作製した。次いで、得られた上記溶媒を10℃に冷却した後、当該混合溶液に対し、炭酸ガス量が約4.1ガスボリュームとなるように炭酸ガスを溶解させた。その後、500mLのPETボトルに炭酸飲料を充填・密封し、実施例4〜6および比較例5〜7の炭酸飲料を作製した。
得られた各炭酸飲料については、上述した実施例1〜3と比較例1、3および4の炭酸飲料について実施したガス抜け重量測定、官能評価試験1〜5と同様の方法で評価を行った。なお、評価に用いた炭酸飲料は、製造直後に20℃で48時間以上静置保管したものを使用した。
上記評価項目に関する官能評価結果を、以下の表2に各成分の配合比率と共に示す。
Figure 0006929399


図2は、実施例4〜6および比較例5〜7の炭酸飲料に係るガス抜け重量測定結果を示す図である。
図2に示すように、炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、12.5mg/Lである場合と、150mg/Lである場合と比べて、炭酸ガスのガス抜けが抑制されている。また、炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが150mg/Lである点で共通している比較例4の炭酸飲料(図1参照)と比べて、比較例5〜7の炭酸飲料は、炭酸ガスのガス抜け量が多かった。

Claims (4)

  1. 炭酸ガスを2.0ガスボリューム以上4.5ガスボリューム以下含む容器詰め炭酸飲料であって、
    当該容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、12.5mg/L以上25mg/L以下であり、
    当該容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をCMgとしたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度CMgとの割合、CMg/Hの値が、0.88以上0.3以下であり、
    当該容器詰め炭酸飲料全量に対するカルシウム濃度をCCaとしたとき、CMg/CCaの値が、0.09以上40以下である、容器詰め炭酸飲料。
  2. 炭酸ガスを2.0ガスボリューム以上4.5ガスボリューム以下含む容器詰め炭酸飲料であって、
    当該容器詰め炭酸飲料に含まれる水を主成分とする溶媒の硬度Hが、12.5mg/L以上25mg/L以下であり、
    当該容器詰め炭酸飲料全量に対するマグシウム濃度をC Mg としたとき、前記硬度Hと、前記マグネシウム濃度C Mg との割合、C Mg /Hの値が、0.03以上0.3以下であり、
    当該容器詰め炭酸飲料全量に対するカルシウム濃度をC Ca としたとき、C Mg /C Ca の値が、0.34以上40以下である、容器詰め炭酸飲料。
  3. 塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムからなる群より選択される1以上の成分を含む、請求項1または2に記載の容器詰め炭酸飲料。
  4. 天然甘味料または合成甘味料の少なくともいずれか一方を含む、請求項1乃至3いずれか一項に記載の容器詰め炭酸飲料。
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