JP2023127229A - エリオシトリンと果汁を含有する飲料 - Google Patents

エリオシトリンと果汁を含有する飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】 果汁の含有量が低い飲料において、果汁の味の厚みを向上させるための新たな技術を提供すること。【解決手段】 果汁の含有量が低い飲料においてエリオシトリンの含有量を特定範囲にする。【選択図】なし

Description

本発明は、エリオシトリンと果汁を含有する飲料、及び関連する方法に関する。
チューハイなどの果汁を含有するアルコール飲料は、果実特有の味を楽しむことができるため、消費者に広く受け入れられている。そして、コストや味などの様々な理由に起因して果汁含有量を減らす必要性が存在し、それにともなって生じる問題に対処するための技術も開発されている。
たとえば、果汁量の少ない飲料においてコクや味の厚みを向上させるための技術には、リンゴ酸とリモネンを特定の含有量及び比率で含有する柑橘風味の容器詰め炭酸アルコール飲料(特許文献1)、特定量のボルネオールとデカナールを含有する低果汁含有飲料(特許文献2)などがある。
特開2017-176107号公報 特開2019-135990号公報
果汁含有量の低い飲料では、果汁により生じる味の厚み(以下、「果汁の味の厚み」とも記載する)が不足する。本発明の課題は、果汁の含有量が低い飲料において、果汁の味の厚みを向上させるための新たな技術を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、果汁の含有量が低い飲料においてエリオシトリンの含有量を特定範囲にすると、果汁の味の厚みを向上させることが可能であることを見出した。
本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
1.果汁の含有量が果汁率に換算して0.1~11.0w/w%であり、エリオシトリンの含有量が6~25ppmであり、そしてアルコール含有量が15.0v/v%以下である飲料。
2.前記果汁が柑橘類果汁を含有する、1に記載の飲料。
3.アルコール含有量が1.0~15.0v/v%である、1又は2に記載の飲料。
4.炭酸を含有する、1~3のいずれか一項に記載の飲料。
5.果実及び/又は野菜の凍結粉砕浸漬酒を含む、1~5のいずれか一項に記載の飲料。
6.果汁の含有量が果汁率に換算して0.1~11.0w/w%であり、そしてアルコール含有量が15.0v/v%以下である飲料における果汁の味の厚みを向上する方法であって、当該飲料が6~25ppmのエリオシトリンを含有するように原料を混合する工程を含む、前記方法。
7.原料を混合する前記工程が、
果実及び/又は野菜の一種以上を凍結して凍結物を得る工程;
当該凍結物を微粉砕して凍結微粉砕物を得る工程;
当該微粉砕物をそのまま、又は解凍してペースト状にしてから、アルコール含有液に浸漬して浸漬酒を得る工程;及び
当該浸漬酒を他の原料と混合する工程;
を含み、前記飲料が当該浸漬酒を含む、6に記載の方法。
本発明は、果汁の含有量が低い飲料において果汁の味の厚みを向上させることができる。
本明細書において飲料に関して用いられる「果汁の味の厚み」とは、飲料を飲用した際に感じる果汁に起因した飲みごたえと、口の中に残る果汁の味わいの余韻を意味する。
本発明の飲料、及び関連する方法について、以下に説明する。
なお、特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味し、これは「mg/L」と同義である。
(果汁)
本発明の飲料中の果汁の含有量は比較的低く、果汁率に換算して0.1~11.0w/w%、好ましくは0.1~9.0w/w%又は1.0~9.0w/w%、より好ましくは0.1~4.0w/w%又は1.0~4.0w/w%である。果汁量が低いと、すっきりした後味の飲料を提供できる。また、生産コストの点で利点がある。また、製品ごとの果汁の香味のバラつきが低減され、安定した品質の生産ができる点でもメリットがある。
本発明において用いる果汁は、果実を搾汁して得られる果汁をそのまま使用するストレート果汁、あるいは濃縮した濃縮果汁のいずれの形態であってもよい。また、透明果汁、混濁果汁を使用することもでき、果実の外皮を含む全果を破砕し種子など特に粗剛な固形物のみを除いた全果果汁、果実を裏ごしした果実ピューレ、或いは、乾燥果実の果肉を破砕もしくは抽出した果汁を用いることもできる。
果汁の種類は、特に限定されないが、例えば、柑橘類(オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、すだち、はっさく、ポンカン、シイクワシャー、かぼす等)、仁果類(りんご、なし、など)、核果類(もも、梅、アンズ、スモモ、さくらんぼ、など)、しょうか類(ブドウ、カシス、ブルーベリー、など)、熱帯、亜熱帯性果実類(パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、ライチ、など)、果実的野菜(いちご、メロン、スイカ、など)の果汁が挙げられる。好ましい果汁は柑橘類果汁であり、その例は、オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、すだち、はっさく、ポンカン、シイクワシャー、かぼすである。好ましい柑橘類果汁の例は、オレンジ、レモン、グレープフルーツ及びライムである。これらの果汁は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明では、飲料中の「果汁率」を、飲料100ml中に配合される果汁配合量(g)を用いて下記換算式によって計算することとする。また濃縮倍率を算出する際はJAS規格に準ずるものとし、果汁に加えられた糖質、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
果汁率(w/w%)=<果汁配合量(g)>×<濃縮倍率>/100mL/<飲料の密度>×100
(エリオシトリン)
本発明において、エリオシトリンは、果汁含有量が低い飲料において果汁の味の厚みを向上させることができる。
エリオシトリン(Eriocitrin)は、フラバノンであるエリオジクチオールに二糖(ルチノース)が結合した構造を有する化合物である。
本発明の飲料中のエリオシトリンの含有量は、6~25ppm、好ましくは8.0~20ppm、より好ましくは8.5~15ppmである。エリオシトリン含有量の別の好ましい例は、8.0~25ppm、又は8.5~25ppmである。
なお、エリオシトリンの含有量は、GC-MS、GC、HPLC法などの公知のいずれの方法で測定してもよい。
以下に、HPLCの典型的な分析条件を示す。
<HPLC分析条件>
試料となる飲料を以下の条件にて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供する。HPLCの分析条件は以下のとおり。
測定機器: Prominence(株式会社島津製作所)
検出器: SPD-M20A(株式会社島津製作所)
カラム: TSKgel ODS-80Ts QA 150×4.6mm、粒子径5μm(東ソー株式会社)
カラム温度: 40℃
検出波長: 280nm
移動相: A液 超純水:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=95:5:0.05
B液 超純水:アセトニトリル:トリフルオロ酢酸=5:95:0.05
送液条件:
Figure 2023127229000001
注入量: 5μL
(アルコール)
本発明の飲料は、アルコールを含有していてもよいし、含有していなくてもよいが、当該飲料のアルコール含有量は15.0v/v%以下であり、好ましくは1.0~15.0v/v%、より好ましくは1.0~13.0v/v%、より好ましくは1.0~10.0v/v%である。なお、本明細書に記載の「アルコール」との用語は、特に断らない限りエタノールを意味する。
本明細書においては、飲料のアルコール度数は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって必要に応じて炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を水蒸気蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。
アルコール含有量が低い場合には、上記の方法に変えてガスクロクロマトグラフィーなどの他の分析方法を用いてもよい。
本発明の飲料がアルコールを含有する場合、アルコールをどのような手段で当該飲料に含有させてもよいが、典型的には、当該飲料はアルコール原料を含有し、それによってアルコールを含有する。アルコール原料に特に限定はないが、例えば、スピリッツ類(ラム、ウオッカ、ジン、テキーラ等)、リキュール類、ウイスキー、ブランデー又は焼酎などが挙げられ、さらにはビールなどの醸造酒類でもよい。好ましくは、当該アルコール原料は、ウイスキー、ブランデー、又はニュートラルスピリッツである。これらのアルコール原料は、それぞれ単独又は併用して用いることができる。
本発明がアルコール飲料、すなわちアルコールを含有する飲料である場合、その種類は特に限定されないが、好ましくは、チューハイ(本発明との関連では、蒸留酒を水、ジュース、茶などの別の飲料で希釈したアルコール炭酸飲料を意味する)、カクテル(本発明との関連では、スピリッツやリキュールと、柑橘類などの酸味のある果汁と、甘味成分と、必要に応じて炭酸とを含有する飲料を意味する)、サワー(本発明との関連では、スピリッツと、柑橘類などの酸味のある果汁と、甘味成分と、炭酸とを含有する飲料を意味する)などである。
本発明がノンアルコール飲料、すなわちアルコールを含有しない飲料である場合も、その種類は特に限定されないが、その例は、アルコール飲料に似た味を有するアルコールテイスト飲料である。アルコールテイスト飲料の例としては、ビールテイスト飲料、チューハイテイスト飲料、ノンアルコールカクテル、サワーテイスト飲料、ワインテイスト飲料、日本酒テイスト飲料などが例示されるが、これらに限定されない。チューハイテイスト飲料、ノンアルコールカクテル、サワーテイスト飲料を例にしてより詳しく説明すると、これらの飲料は、それぞれ、ノンアルコールでありながらモデルとなったチューハイ、カクテル、サワーのような味わいを実現させた飲料のことを指す。
なお、本発明のノンアルコール飲料は、検出できない程度の極く微量のアルコールを含む飲料を除くものではない。好ましくは、本発明のノンアルコール飲料のアルコール含有量は0.00v/v%である。確認的に記載すると、「0.00v/v%」には、0.001v/v%のように四捨五入をすると0.00v/v%となる数値も含まれる。
(炭酸ガス)
本発明の飲料は、炭酸ガスを含んでもよい。炭酸ガスは、当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することができ、例えば、これらに限定されないが、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいし、ツーヘンハーゲン社のカーボネーター等のミキサーを用いて配管中で二酸化炭素と飲料とを混合してもよいし、また、二酸化炭素が充満したタンク中に飲料を噴霧することにより二酸化炭素を飲料に吸収させてもよいし、飲料と炭酸水とを混合してもよい。これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節する。
本発明の飲料が炭酸ガスを含有する場合、その炭酸ガス圧は、特に限定されないが、好ましくは0.7~4.5kgf/cm、より好ましくは0.8~2.8kgf/cmである。本発明において、炭酸ガス圧は、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA-500Aを用いて測定することができる。例えば、試料温度を20℃にし、前記ガスボリューム測定装置において容器内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。本明細書においては、特に断りがない限り、炭酸ガス圧は、20℃における炭酸ガス圧を意味する。
(凍結粉砕浸漬酒)
本発明の飲料は、果実及び/又は野菜の凍結粉砕浸漬酒を含んでもよい。その含有量は限定されないが、例えば、0.1v/v%以上、又は0.1~1v/v%である。
凍結粉砕浸漬酒は、レモンのようにエリオシトリンを含有する果実や野菜を原料に用いれば、エリオシトリンの供給源となり得る。
果実及び/又は野菜の凍結粉砕浸漬酒は、原料となる果実及び/又は野菜の一種以上を凍結して凍結物を得る工程、当該凍結物を微粉砕して凍結微粉砕物を得る工程、当該微粉砕物をそのまま、又は解凍してペースト状にしてから、アルコール含有液に浸漬して得られる浸漬酒を意味する。
当該凍結粉砕浸漬酒を製造するために用いられる果実は、限定されないが、例えば、柑橘類(オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、すだち、はっさく、ポンカン、シイクワシャー、かぼす等)、仁果類(りんご、なし、など)、核果類(もも、梅、アンズ、スモモ、さくらんぼ、など)、しょうか類(ブドウ、カシス、ブルーベリー、など)、熱帯、亜熱帯性果実類(パイナップル、グアバ、バナナ、マンゴー、ライチ、など)、果実的野菜(いちご、メロン、スイカ、など)の果実が挙げられ、好ましくは柑橘類果実から選択され、より好ましくはオレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、すだち、はっさく、ポンカン、シイクワシャー、かぼすからなる群から選択され、より好ましくは、オレンジ、レモン、グレープフルーツ及びライムからなる群から選択される。これらの果実は、1種類を単独使用しても、2種類以上を併用してもよい。
当該凍結粉砕浸漬酒を製造するために用いられる野菜には、特別な場合を除き、葉茎菜類、果菜類(ただし、市場では果実として扱われているものを除く)、花菜類、根菜類のほか、豆類、食用の植物種子が含まれ、シソ、ショウガ、トウガラシ、ハーブ(例えば、ミント、レモングラス、コリアンダー、イタリアンパセリ、ローズマリー)、ワサビ等も含まれる。好ましい野菜の例は、トマト、セロリ、ニンジン、パセリ、ホウレン草、クレソン、ピーマン、レタス、キャベツ、ビート、ショウガ類(ショウガ、葉ショウガ)、シソ(青ジソ、赤ジソ)である。
以下において、凍結粉砕浸漬酒に関して果実を例にして説明することがあるが、そのような説明は、特別な場合を除き、野菜にも当てはまる。
また、本明細書において、原料に関して「果実」、「野菜」というときは、特別な場合を除き、汁液および固形分を含む生の果実全体または野菜全体を指し、これらは、「果汁」や「野菜汁」と区別される。「果汁」や「野菜汁」との用語を用いる場合には、特別な場合を除き、圧搾等の工程によりあらかじめ得た果実または野菜の汁液を指し、これには、原料として果実及び/又は野菜の全体を用いた結果として最終製品等に含まれることとなる果実及び/又は野菜の汁液は包含されない。
凍結工程においては、原料果実及び/又は野菜を凍結して固化する。凍結のために用いられる凍結機、凍結方法は、ともに限定されず、空気凍結法、エアブラスト凍結法、接触式凍結法、ブライン凍結法、液体窒素を用いる凍結法のいずれ用いてもよい。好ましい凍結方法は、液体窒素を用いる凍結法である。液体窒素の温度は-196℃である。凍結する温度は、用いる原料果実、野菜の脆下温度以下であることが好ましい。本明細書における「脆化温度」とは、対象物が低温で急激に脆化(脆く、破壊されやすくなる)する温度を意味する。脆化温度は、高分子などで実施される従来の方法を適用して決定することができる。
凍結工程に供する果実及び野菜の大きさは、凍結機に投入可能であれば限定されない。しかしながら、なるべく短時間で凍結するためには小さくカットしたほうが適切な場合があり、なるべく傷めず、また空気に曝さずに凍結するためにはあまり切り分けないほうが適切な場合がある。果実及び野菜は、果皮および種子を含んだ全体を凍結工程に付すことができ、あるいは、非可食部や好ましくない成分を含む部分を除去してから凍結工程に付すこともできる。このような部分の除去は、凍結工程の後に行うこともできる。凍結工程を経て、果実又は野菜の凍結物を得ることができる。
微粉砕工程では、当該凍結物を微粉砕する。この工程に用いる粉砕機、微粉砕方法は、ともに限定されない。微粉砕は、凍結物が固化している状態を保つように低温で、好ましくは液体窒素を用いた凍結条件下で行うことが好ましい。液体窒素の温度は-196℃である。微粉砕の程度は特に限定されないが、得られる微粉砕物の平均粒径が好ましくは約1μm~約1000μm、より好ましくは約1μm~200約μm、より好ましくは約1μm~約100μmとなるまで行う。なお、本明細書における平均粒径は、メディアン径(ふるい上分布曲線の50%に対応する粒径。中位径、または50%粒子径ともいう。)を意味する。微粉砕工程を経て、果実及び/又は野菜の凍結微粉砕物を得ることができる。
得られた凍結微粉砕物を、次に、浸漬工程に付す。具体的には、凍結微粉砕物を、アルコール含有液に浸漬する。凍結微粉砕物は、そのまま浸漬工程に付してもよいし、解凍してペースト状にしてから付してもよい。浸漬工程温度は、熱をかけない限り特に限定されない。また、浸漬期間も限定されないが、典型的には、約半日~数カ月、又は約1日間~約3日間であり、数カ月であってもよい。
アルコール含有液とは、飲用可能、又は食品製造に用いることができるエタノールを含む液体を意味し、それは水を含有してもよい。典型的には、アルコール含有液はエタノールと水の混合液であり、それには、前記の蒸留酒や醸造酒類が包含される。この工程においては、好ましくは、アルコール含有液は、上記に例示されたものを含む蒸留酒である。この工程に用いるアルコール含有液のアルコール含有量は、好ましくは、約15.0v/v%~約100.0v/v%のものを用い、好ましくは約25.0v/v%~約60.0v/v%である。
浸漬比も限定されないが、典型的には、アルコール含有液1Lに対して凍結微粉砕物約1g~約500g、約5g~約300g、又は約10g~約200gである。
浸漬工程を経て、凍結粉砕浸漬酒である浸漬酒が得られる。浸漬酒は、そのまま用いてもよいし、ろ過を通じて固形物を除いてから用いてもよい。
本発明の飲料の製造のためには、当該凍結粉砕浸漬酒を、他の材料と混合すればよい。
(他の成分)
本発明における飲料には、他にも、本発明の効果を損なわない限り、飲料に通常配合する添加剤、例えば、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、クエン酸、品質安定剤等を配合することができる。
ある態様において、本発明の飲料は、高甘味度甘味料を含有しない。そのため、当該態様における本発明の飲料は、自然な味わいを有することができる。ここで、高甘味度甘味料を含有しないことは、ごく微量の高甘味度を含有することを排除するものではない。具体的には、飲料が高甘味度甘味料を含有しないことには、高甘味度甘味料がHPLC法などの分析方法においてほぼ検出限界未満であること、たとえば、0.5ppm未満であることが包含される。
本明細書において用いられる「高甘味度甘味料」との用語は、ショ糖に比べて強い甘味を有する(例えばショ糖の数倍から数百倍の甘味を有する)天然甘味料及び合成甘味料を意味する。そのような高甘味度甘味料としては、ペプチド系甘味料、例えばアスパルテーム、アリテーム等;配糖体系甘味料、例えばステビア甘味料(ステビア抽出物およびステビアを酵素処理してブドウ糖を付加した酵素処理ステビアおよびステビアの甘味成分の中で最も甘味質のよいレバウディオサイドAを含む)、カンゾウ抽出物等;蔗糖誘導体、例えばスクラロース等;合成甘味料、例えばアセスルファムK、サッカリン等が挙げられる。
(容器詰め飲料)
本発明の飲料は、容器詰めの形態で提供することができる。容器の形態には、缶等の金属容器、ペットボトル、紙パック、瓶、パウチなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、本発明の飲料を容器に充填した後にレトルト殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌して容器に充填する方法を通じて、殺菌された容器詰め製品を製造することができる。
(方法)
本発明は、別の側面では、果汁の含有量が果汁率に換算して0.1~11.0w/w%であり、そしてアルコール含有量が15.0v/v%以下である飲料の製造方法である。当該方法は、当該飲料が6~25ppmのエリオシトリンを含有するように原料を混合する工程を含む。当該原料には、エリオシトリン又はエリオシトリンを含有する材料(果汁、香料など)と、水等の他の原料とが含まれる。他の原料は、飲料に関する上記記載から自明である。この方法は、当該飲料において果汁の味の厚みを向上することができるため、別の側面では、当該飲料における果汁の味の厚みを向上する方法でもある。
飲料中のエリオシトリンの含有量、果汁含有量、アルコール含有量などを調整する方法は、当該飲料に関する上の記載から自明である。また、上記成分の含有量等の好ましい範囲は、飲料に関して上記した通りである。さらに、追加的な他の成分の具体例や量も、飲料に関して上記した通りである。
例えば、当該飲料が果実及び/又は野菜の凍結粉砕浸漬酒を含む場合には、原料を混合する前記工程は、
果実及び/又は野菜の一種以上を凍結して凍結物を得る工程;
当該凍結物を微粉砕して凍結微粉砕物を得る工程;
当該微粉砕物をそのまま、又は解凍してペースト状にしてから、アルコール含有液に浸漬して浸漬酒を得る工程;及び
当該浸漬酒を他の原料と混合する工程;
を含んでもよい。
(数値範囲)
明確化のために記載すると、本明細書における数値範囲は、その端点、即ち下限値及び上限値を含む。例えば、「1~2」により表される範囲は、1及び2を含む。
以下に試験例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの例に限定される
ものではない。
(試験例1) 果汁含有飲料におけるエリオシトリンの効果
種々の果汁含有量を有する飲料において、エリオシトリンが果汁の味の厚みに与える影響を検討した。
具体的には、水と、原料用アルコールと、レモンの透明果汁(濃縮倍率:7.0倍)とを混合し、そして炭酸ガスを溶解させて、エリオシトリンの含有量が5ppm以下である複数のコントロール飲料を調製した。この際には、酸度の違いが味に影響しないように、クエン酸を用いて全てのコントロール飲料のクエン酸換算の総酸量を0.57g/100mlに調整した。次いで、それらのコントロール飲料を一部とり、それらに種々の濃度でエリオシトリンを溶解してサンプル飲料を調製した。これらの全ての飲料におけるアルコール含有量は7v/v%であった。これらの飲料中の果汁含有量(果汁率換算であり、表においては単に「果汁(%)」と示す)とエリオシトリン含有量を以下の表に示す。
次に、得られた飲料について官能評価を実施した。官能評価は、以下の方法で実施した。
各サンプル飲料を専門パネル4名が飲用し、以下の基準にしたがって、サンプル飲料について、それと同じ果汁含有量を有するコントロール飲料と比較した果汁の味の厚み(以下においては、単に「味の厚み」と記載することもある)の向上の程度を評価し、そのスコアの平均値を求めた。
6点:味の厚みの向上を強く感じる、5点:味の厚みの向上を感じる、4点:味の厚みの向上をやや感じる、3点:味の厚みの向上をあまり感じない、2点:味の厚みの向上をほとんど感じない、1点:味の厚みの向上をまったく感じない。
次いで、スコアの平均値に応じて以下のように評価を与えた。
+++:平均点が5点以上
++:平均点が4点以上5点未満
+:平均点が3点以上4点未満
±:平均点が2点以上3点未満
-:平均点が1点以上2点未満
なお、評価の個人差を少なくするために、専門パネルは、事前に各スコアと厚み向上の程度との関係の共通認識を確立してから評価試験を実施した。結果を以下の表に示す。
Figure 2023127229000002
果汁とエリオシトリンの含有量が特定範囲にあると、良好な結果が得られた。
(試験例2) 果汁の種類の影響
レモンの透明果汁の代わりにレモンの混濁果汁(濃縮倍率:8.2倍)を用いることを除いて、試験例1に準じてコントロール飲料とサンプル飲料を調製した。それらの飲料の果汁含有量(果汁率換算)は3w/w%であり、アルコール含有量は3v/v%であった。それらの飲料中のエリオシトリン含有量を以下の表に示す。
次いで、得られたサンプル飲料について、試験例1と同様に官能評価を実施した。得られた結果を以下の表に示す。
Figure 2023127229000003
試験例1と同様の傾向がみられた。

Claims (7)

  1. 果汁の含有量が果汁率に換算して0.1~11.0w/w%であり、エリオシトリンの含有量が6~25ppmであり、そしてアルコール含有量が15.0v/v%以下である飲料。
  2. 前記果汁が柑橘類果汁を含有する、請求項1に記載の飲料。
  3. アルコール含有量が1.0~15.0v/v%である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 炭酸を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. 果実及び/又は野菜の凍結粉砕浸漬酒を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料。
  6. 果汁の含有量が果汁率に換算して0.1~11.0w/w%であり、そしてアルコール含有量が15.0v/v%以下である飲料における果汁の味の厚みを向上する方法であって、当該飲料が6~25ppmのエリオシトリンを含有するように原料を混合する工程を含む、前記方法。
  7. 原料を混合する前記工程が、
    果実及び/又は野菜の一種以上を凍結して凍結物を得る工程;
    当該凍結物を微粉砕して凍結微粉砕物を得る工程;
    当該微粉砕物をそのまま、又は解凍してペースト状にしてから、アルコール含有液に浸漬して浸漬酒を得る工程;及び
    当該浸漬酒を他の原料と混合する工程;
    を含み、前記飲料が当該浸漬酒を含む、請求項6に記載の方法。
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