JP6928456B2 - 伸縮継手用ベローズ材 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱された流体が通過するダクトとダクトとの間を接続するのに用いる伸縮継手用ベローズ材に関するものである。
従来、火力発電所、製鉄所、ゴミ焼却場等の燃焼装置から排出された排気等の流体を移送するダクトの連結部には、ダクト自体の熱膨張や振動等を吸収する目的で伸縮継手が使用されている。このような伸縮継手の例として、非金属製伸縮継手(例えば、特許文献1参照)がある。この非金属製伸縮継手は、ダクトとの接続を可能とする1対のフランジを、伸縮可撓性を有する筒状のベローズ材で繋いだものである。
より詳しく見た場合、非金属製継手に使われるベローズ材の基本構成は、内部を流通する流体側(流体に近い側つまり径方向内側)から、シール層、シール層よりも外気側(流体から遠い側つまり径方向外側)の補強層、更にその外気側に設けられた外皮層、という3つの要素から成り、必要に応じてシール層のさらに流体側に保護層を設けている。これが示された例として特許文献2に開示されたべローズ材がある。このべローズ材では、図3にあるように、流体側から順に、耐熱ガラスクロス(保護層)、フッ素樹脂(シール層)、耐熱ガラスクロス(補強層)および耐候処理ガラスクロス(外皮層)の4つの要素からなっている。
また、ベローズ材を構成する各層のうちでは、ダクト系の内部を流れる流体(内部流体)を外気から遮断するためのシール層の役割が最も重要であるが、このシール層は伸縮や振動といった機械的ダメージの他、高温の内部流体から受ける熱的ダメージによっても損傷することがあるため、従来からその損傷を検知するための工夫が検討されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−13964号公報 特開2006−2864号公報 特開平8−277978号公報
従来のベローズ材は外気と接する外皮材として耐熱塗料を塗布するなどにより耐候処理を施したガラスクロスが多く用いられている(例えば、特許文献2参照)が、結露水や雨水の浸入を防ぐ効果が不十分であった。また、ガラスクロスの強度と柔軟性を維持するのに重要な役割をもつ収束剤が、紫外線等の影響で劣化やすいものであることから、必ずしも十分な耐候性が確保できているとは言えなかった。
一方、ベローズ材を構成する各層のうち、シール層は、耐薬品性、耐熱性、柔軟性、シール性等、使用条件に合わせた特性を備えている必要がある。このため、膜状に加工した樹脂等が好適に用いられており(ここで膜状に加工した樹脂とは、樹脂原料を気密性のある薄く柔軟な状態に加工したものであり、樹脂シート及び樹脂フィルムを総称したものとする。)、例えば比較的高温度向けの仕様では膜状に加工したポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、膜状のPTFE)が多く用いられている。しかし、主に樹脂材料で構成されるシール層は、補強層や外皮層に使用される無機繊維クロス等に比べると耐熱性の面で劣っている。例えば最も耐熱性が高いレベルにある膜状のPTFEの場合でも、連続最高使用温度は約260℃程度とされ、300℃を超えると分解、昇華が進むと言われている。これに対し、代表的な無機繊維クロスであるガラスクロスは、ベローズ材としての連続最高使用温度が約550℃程度とされている。
このため、膜状のPTFEからなるシール層が、その設計値を超える高温の流体により熱損傷を受けた場合であっても、より高い耐熱性能を持つガラスクロス等の外皮材には熱影響による変化が外観上確認されないことが多い。
ベローズの熱影響に対する健全性を確認するためのメンテナンス方法としては、ダクト内外からの目視、触診調査や、運転中に行うサーモカメラを用いた熱画像測定などが行われているが、熱影響度の判断は測定技術や経験的な技量を要するものであり、日常点検により内部の熱劣化を予見することは難しいのが現状であった。
内部の目視検査等に頼らずベローズ材の劣化を検知する方法としては、例えば導電性のカーボン繊維クロスとシール層である膜状のPTFEとを融着させておき、前記カーボン繊維クロスが徐々に断裂していく時の電気抵抗を測定する方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。しかし、こうした電気的な測定方法では、ダクト系に複数ある非金属製伸縮継手のそれぞれに測定端子や接続機器が必要であり、装置費用や測定機器のメンテナンスも必要となる。また、ベローズ材全体の劣化状態は測定できるものの、一部分が熱損傷を受けて流体が漏えいし始めたといった早期段階を検知し、損傷部位を特定して補修を試みるといったことは難しかった。また、適切なメンテナンスやベローズ設計の見直しを行うための情報として、設備稼働中のベローズの部位ごとに加わる温度域の把握を簡易な外観観察により行えることが望まれていた。
本発明は上記の課題を同時に克服することを目的としたものであり、すなわち、優れた耐候性を有し、かつ外観の目視観察によって、容易にシール層の熱損傷を検知することが可能であり、併せて設備稼働中におけるベローズ材の温度域の情報をも入手可能となるベローズ材を提供するものである。
上述した目的を達成するための本発明は、高温の流体が流通する一対のダクトの間を接続する、伸縮継手用のベローズ材であって、流体側から順に、シール層、補強層、樹脂フィルム層が配置されており、前記シール層は、膜状に加工された樹脂であり、前記補強層は、金属繊維、無機繊維、有機繊維から選択される1種又は2種以上のメッシュまたはクロス材であり、前記樹脂フィルム層は、シール層に用いた樹脂の耐熱温度と同等以下の樹脂から選定される1種または2種以上の樹脂フィルムから構成され、かつ2種以上の場合には外気側に近いほど、より耐熱温度の低い樹脂フィルムとなるよう積層したものである、伸縮継手用ベローズ材である。
本発明によれば、優れた耐候性を有し、かつ簡易な外観観察により内部のシール層の熱損傷を検知することが可能であり、併せて設備稼働中におけるベローズ材の温度域の情報をも入手可能となるベローズ材を実現することができる。
本発明の適用する非金属製伸縮継手の一例を示す図である。 本発明の適用する非金属製伸縮継手の別の一例を示す図である。 本実施の形態1のベローズ材の層構成を示す断面図である。 本実施の形態2のベローズ材の層構成を示す断面図である。 本実施の形態3のベローズ材の層構成を示す断面図である。 本実施の形態4のベローズ材の層構成を示す断面図である。
以下、本発明のべローズ材の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
実施の形態1.
まず、本実施の形態のべローズを適用する非金属製伸縮継手の例を説明する。図1は、非金属製伸縮継手の一例を示す図であり、図2は、非金属製伸縮継手の別の一例を示す図である。
非金属製伸縮継手は、図示省略する一対のダクト配管に挟まれるように配置される。非金属製伸縮継手は、一対のフランジ1a,1bと、筒状のベローズ材3とを備えている。一対のフランジ1a,1bはそれぞれ、高温の流体が内部を流通する対応するダクト配管に接続される。ベローズ材3は、一対のフランジ1a,1bの間にあり、これら一対のフランジ1a,1bを気密に接続している。
一対のフランジ1a,1bおよびベローズ材3は、適用対象となる物件のダクト配管の形状に合わせて、図1に示されるように、角筒形に構成されていたり、図2に示されるように、円筒形に構成されていたりする。ベローズ材3は、非金属製伸縮継手の両端部(ダクト配管との接続面)間の距離が、接続するダクト配管の離間距離よりも十分長くなるのに必要な寸法を有している。そして、ベローズ材を弛ませた状態で非金属製伸縮継手をダクト間に取付けることにより、ダクト系の熱伸縮および振動等を吸収することができる。
次に、ベローズ材について説明する。図3は、本実施の形態1のベローズ材の層構成を示す断面図である。ベローズ材3は、流体側から順に、シール層5、補強層7、樹脂フィルム層11が積層されて構成されている。最外気側である樹脂フィルム層11は、シール層5に用いている樹脂の耐熱温度と同等以下の樹脂から選定される1種または2種以上の樹脂フィルムから構成され、かつ2種以上の場合には外気側に近いほど、より耐熱温度の低い樹脂フィルムとなるよう積層したものである。ここで言う耐熱温度とは、温度上昇に伴う樹脂の軟化により、膜が切れたり、穴があいたりするなどの有害な変形を生じ、実用的な強度が失われる温度を意味するものとする。
シール層5としては、膜状に加工した樹脂が好適に用いられ、柔軟性と気密性を必要とすることから、例えばクロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などのゴム系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの汎用熱可塑性樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂等を膜状に加工したもの、あるいは必要に応じ繊維材料で補強するなどによりシート状に成形したものが好適である。中でも耐熱温度が高く、柔軟性があり、かつ耐薬品性に優れることから、厳しい使用条件においては膜状のPTFEが好適に用いられる。膜状のPTFEは、単独で、シール層として用いることも可能であるが、補強層の無機繊維クロスに融着させた複合材として用いることもできる。樹脂を膜状に加工する方法としては従来から用いられている汎用の成形法等が適宜利用可能であり、例えば、溶融押出成形法やカレンダー法などが適用でき、更に延伸加工や多層加工などを組み合わせることも可能であり、樹脂の特性に合わせて所望の厚さ、大きさの膜状に加工して使用することができる。PTFEについては、溶融成形ができないため、一度加熱圧縮により円筒に成形してから、大根の桂むきのようにスカイブすることにより膜状に加工したものが一般に市販されており、更に近年では、強度を高める目的で延伸したPTFEのフィルムを積層してラミネート加工したものも商品化されており、これらも好適に用いることができる。また、柔軟性を確保する目的で、厚さの薄いものを複数層重ねて使用することもできる。シール層の厚さは、0.1mm〜2mmの範囲で適宜選定することができる。0.1mm未満では強度不足で気密を保持することが困難であり、2mmより厚いと柔軟性が不足してベローズ材としての加工性、伸縮性に悪影響がある。
補強層7としては、金属繊維のメッシュまたはクロス、無機繊維のメッシュまたはクロス、有機繊維のメッシュまたはクロスから選択される1種又は2種以上が用いられ、中でもセラミッククロスおよびガラスクロスなどの無機繊維クロスが好適である。特にガラスクロスは種々の厚さや品種のものが豊富に市販されており、汎用のガラスクロスの他、耐熱性ガラスクロス、SUS線入りガラスクロス、アルミ箔付ガラスクロスなどを適宜選定することができる。
補強層7の役割は、シール層5である膜状樹脂の強度、特に高温域における強度不足を補うためのものであり、シール層5の柔軟性を阻害しないようなものが好適に用いられる。また、補強層7は、シール層5である膜状樹脂を無機繊維クロス等に融着させた複合材として使用することもできる。補強層7に用いられる無機繊維クロス等の厚さは0.3mm〜2mmの範囲で適宜選定することができる。0.3mm未満では強度不足で十分な補強効果が得られず、2mmより厚いと柔軟性が不足となりベローズ材としての加工性、伸縮性に悪影響がある。
最外気側に設ける樹脂フィルム層11は、シール層5に用いた樹脂の耐熱温度と同等あるいはそれ以下の耐熱温度を有する樹脂から選定される1種または2種以上の樹脂フィルムから構成され、かつ2種以上の場合には外気側に近いほど、より耐熱温度の低い樹脂フィルムとなるよう積層したものである。樹脂フィルム層11を、シール層5よりも耐熱温度の低いものとすることにより、もし、シール層5が設計温度以上の温度に曝された場合に、シール層5よりも先に最外層である樹脂フィルム層に変化が現れることになるため、内部の熱損傷を外観観察により予見することができる。また、何らかのトラブル等で外気側からベローズ材に過度の熱が加わった場合にも、最外層の樹脂フィルム層11の損傷状態から内部のシール層5への影響度合いを推測することができる。樹脂フィルム層11としては、最外気側で屋外環境に曝されることから、比較的耐候性の高い樹脂が好適であり、例えばIIRなどのゴム系樹脂、PVC、PE、PP、PETなどの汎用熱可塑性樹脂、PTFE、FEP、ETFEなどのフッ素樹脂などからシール層5に用いた材質に合わせて選定し、適宜組み合わせて使用することが出来る。2種以上の樹脂フィルムを積層する場合には、より耐熱温度の低いものが外気側となるようにする。括弧内に示す耐熱温度の目安は以下のとおりである。PVC(60℃〜80℃)<PE(70℃〜90℃)<PP(100℃〜140℃)<ETFE(150℃〜180℃)<FEP(200℃)<PTFE(260℃)。例えば、シール層5として膜状のPTFEを用いた場合、樹脂フィルム層11として最外気側からETFEとPTFEのフィルムをこの順で積層することにより、内部シール層5に加わった温度が200℃程度であった場合に最外気側のETFEフィルムから先に熱による異常が現れることとなるため、外観観察により実際の内部流体からシール層5が受けているおよその熱履歴を推測することが可能であり、外気側から異常な熱影響を受けた場合にもその痕跡を検知することができる。更に補強層7と接している樹脂フィルム層11のPTFEフィルムに異常が認められた場合には、同材質であるシール層5のPTFEにも熱損傷が疑われることになる。このように、樹脂フィルム層11を複数の樹脂フィルムの積層体で構成した場合、外観上損傷している箇所において、樹脂フィルム層の損傷した層と健全な層を外観観察により確認し、その箇所にかかる温度域を各層の耐熱温度の差から判断することが可能となる。
上述した本実施の形態1のベローズ材によれば、次のような優れた利点が得られる。まず、ガラスクロス等の無機繊維クロスの補強層は、十分な強度とベローズ材に必要な柔軟性を有しているが、シール層の膜状樹脂に比べて耐熱温度が高い。このため、従来のベローズ材ではシール層が熱損傷を受けても外観上の変化は現れにくい。これに対し、本実施の形態1では、最外気側がシール層に用いた樹脂の耐熱温度と同等あるいはそれ以下の耐熱温度を有する樹脂から選定される1種または2種以上の樹脂フィルムから構成され、かつ2種以上の場合には外気側に近いほど、より耐熱温度の低い樹脂フィルムとなるよう積層した樹脂フィルム層を設けているため、内部のシール層が高温に曝された場合に、最外層である樹脂フィルム層に損傷が現れることになり、ベローズ材において外観上の変化が認められるようになる。また、何らかのトラブル等で外気側からベローズ材に過度の熱が加わった場合にも、熱損傷の痕跡が外観に現れることになる。このため、目視検査によりシール層の熱損傷を検知することが可能であり、耐熱温度の違う樹脂フィルムを外気側に近いほど耐熱温度が低くなるよう積層しておくことで、樹脂フィルム層の損傷した層と健全な層を外観観察により確認し、その箇所にかかる温度域を各層の耐熱温度の差から判断することが可能となる。すなわち、外観観察によってシール層が受けた熱履歴を推測可能であり、熱損傷の兆候を見つけることができる利点がある。また、これにより、シール層の損傷を早期に発見し、対応することができるようになるため、メンテナンス性の向上も得られる。
また、補強層のガラスクロスは、細いガラス繊維の束を収束剤と呼ばれる樹脂を用いて束ねたロービングを織った織布であるが、外気に曝される場合、海岸地域における塩害の影響や、結露水・雨水が浸透しやすく、さらに紫外線によって収束剤が劣化することから繊維束がほどけやすくなり柔軟性が失われる欠点がある。耐候処理を施すことでこれらを抑制することはできるが、必ずしも十分とは言えない場合があった。これに対し、本実施の形態1では、耐候性の高い樹脂フィルム層が最外層に設けられている。樹脂フィルム層は防水性も高いため、特に、海岸地域においては、塩害の影響や外気側の環境変化による結露水・雨水の浸入も防ぐことができる。したがって、本発明においては、補強層である無機繊維クロスの劣化を抑えてベローズ材全体の耐候性を向上させる効果を得ることができる。
以上より、本実施の形態1によれば、優れた耐候性を有し、かつ簡易な外観観察により内部のシール層の熱履歴が推測可能であり熱損傷の発生をも検知できるベローズ材を実現することができる。
最外気側に設ける樹脂フィルム層11としては、シール層5が高い温度履歴を受けた場合の感度を良くする目的から、比較的薄いものが好適である。しかし、外気側からの影響から保護するという面からはある程度の強度を持つことが望まれる。この観点により、樹脂フィルム層11としては、薄くてもより強度が優れている延伸フィルムや、その積層フィルム(例:延伸状態のポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルムを加圧下で重ねてラミネート加工したPTFE積層フィルム)が適している。
最外気側に設ける樹脂フィルム層11の厚さは0.1mm〜1.0mmが適している。0.1mm以下では強度不足により損傷を受けやすく、1.0mm以上ではシール層5が熱損傷を受けた際の検知感度が低下する。また、外観観察時の視認性を向上させる目的から、当該樹脂フィルム層11として用いる樹脂フィルムにカーボンやベンガラなどの顔料が添加されたものを使用し、材質ごとに色違いとした樹脂フィルムを積層することで、損傷が生じた際の視認性をより良好とすることも有効である。
実施の形態2.
次に、図4に基づき、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本実施の形態2のベローズ材の層構成を示す断面図である。なお、本実施の形態2は、以下に説明する内容を除いては、上述した実施の形態1と同様であるものとする。
本実施の形態2のベローズ材103は、流体側から順に、保護層13、シール層5、補強層7、樹脂フィルム層11が積層されており、上記実施の形態1のベローズ材3の層構成において、シール層5のさらに流体側に、保護層13が設けられている。保護層13を設けることにより、流体に含まれる粒子状物質等によるシール層の摩耗を防いだり、断熱性をもたせることで流体の温度がシール層に用いた樹脂の耐熱温度より高い場合において、流体の熱がシール層に直接伝わるのを防止したりすることができる。本実施態様においても最外気側がシール層5に用いた樹脂の耐熱温度と同等あるいはそれ以下の耐熱温度を有する樹脂から選定される1種または2種以上の樹脂フィルムから構成され、かつ2種以上の場合には外気側に近いほど、より耐熱温度の低い樹脂フィルムとなるよう積層した樹脂フィルム層11を設ける。樹脂フィルム層11を、シール層5よりも耐熱温度の低いものを含む構成とすることにより、もし、シール層5が設計温度以上の温度に曝された場合に、シール層5よりも先に樹脂フィルム層11の最外気側から変化が現れることになるため、内部の熱履歴の推測や熱損傷の発生検知を外観観察により行うことができる。また、何らかのトラブル等で外気側からベローズ材に過度の熱が加わった場合にも、最外層の樹脂フィルム層11の損傷状態から内部のシール層5への影響度合いを推測することができる。また、最外気側の樹脂フィルム層11が結露水の浸入などを防止するため補強層である無機繊維クロス等の劣化を抑制し、従来のベローズ材に比べ耐候性を向上することができる。
保護層13としては、物理的保護の目的からは金網、金属繊維クロス、無機繊維クロス等が用いられ、熱的保護の目的からはグラスフェルトやセラミックフェルト等の無機繊維断熱材等が用いられる。無機繊維断熱材を使用する場合には、内部流体の作用で断熱材の綿状無機繊維が飛散するのを防止するため、無機繊維クロスで無機繊維断熱材を包み込んだ布団状のもの等を使用する。なお、ダクト内を流れる流体の性状に合わせ、必要に応じこれらを複数層重ねて保護層とすることもできる。
実施の形態3.
次に、図5に基づき、本発明の実施の形態3について説明する。図5は、本実施の形態3のベローズ材の層構成を示す断面図である。なお、本実施の形態3は、以下に説明する内容を除いては、上述した実施の形態1と同様であるものとする。
本実施の形態3のベローズ材203は、流体側から順に、シール層5、補強層7、外皮層9、樹脂フィルム層11が積層されており、実施の形態1おいて、補強層7と樹脂フィルム層11の間に更に外皮層9を設けた構成となっている。本実施の形態3によっても、優れた耐候性を有し、かつ簡易な外観観察により内部のシール層の熱履歴が推測可能であり熱損傷の発生をも検知できるベローズ材を実現することができる。
外皮層9の役割は、外気側からの加重や衝撃および気候等の影響から内部を保護することが目的であり、強度に加え耐候性が求められる。このため、耐熱塗装などの耐候性処理を施したガラスクロス、SUS線入りガラスクロスなどが好適に用いられる。外皮層9に用いられる無機繊維クロス等の厚さは0.3mm〜3mmの範囲で適宜選定することができる。0.3mm未満では強度が不足し、3mmより厚いと柔軟性が不足となりベローズとしての加工性、伸縮性に悪影響がある。なお、外皮層9を設けた構成においては、特に耐候性が不足しない場合、樹脂フィルム層11を必ずしもベローズ材の最外気側全面に配置するのではなく、部分的に設けることで簡易な外観観察により内部のシール層の熱履歴が推測可能であり熱損傷の発生をも検知できるベローズ材とすることもできる。
実施の形態4.
次に、図6に基づき、本発明の実施の形態4について説明する。図6は、本実施の形態4のベローズ材の層構成を示す断面図である。なお、本実施の形態4は、以下に説明する内容を除いては、上述した実施の形態2と同様であるものとする。
本実施の形態4のベローズ材303は、流体側から順に、保護層13、シール層5、補強層7、外皮層9、樹脂フィルム層11が積層されており、実施の形態2おいて、補強層7と樹脂フィルム層11の間に更に外皮層9を設けた構成となっている。本実施の形態4によっても、優れた耐候性を有し、かつ簡易な外観観察により内部のシール層の熱履歴が推測可能であり熱損傷の発生をも検知できるベローズ材を実現することができる。
以下に、上述した各実施の形態の層構成の具体例を示す。
まず、本実施の形態1のベローズ材は次のような構成とした(図3)。
シール層 PTFEスカイブフィルム厚さ0.3mm
補強層 ガラスクロス厚さ1.5mm
樹脂フィルム層 PTFE積層フィルム(クロスフィルム)厚さ0.25mmおよびETFEフィルム厚さ0.1mmの積層体(ETFEフィルムが外気側)
また、本実施の形態2のベローズ材は次のような構成とした(図4)。
保護層 グラスフェルト厚さ100mmをガラスクロス厚さ0.5mmで包んだもの
シール層 PTFE積層フィルム(クロスフィルム)厚さ0.25mm×2層
補強層 ガラスクロス 厚さ1.5mm
樹脂フィルム層 PTFE積層フィルム(クロスフィルム) 厚さ0.25mmおよびETFEフィルム厚さ0.1mmの積層体(ETFEフィルムが外気側)
さらに、本実施の形態3のベローズ材は次のような構成とした(図5)。
シール層および補強層 PTFEスカイブフィルム融着ガラスクロス厚さ1.6mm((株)エーアンドエーマテリアル「エフベストG」)
外皮層 SUS線入りガラスクロス 厚さ1.5mm
樹脂フィルム層 PTFE積層フィルム(クロスフィルム)厚さ0.25mm、ETFEフィルム厚さ0.1mmおよび黒色PPフィルム(カーボンブラック混入)厚さ0.1mmの積層体(外気側から順に、黒色PPフィルム、ETFEフィルム、PTFE積層フィルムで構成)
さらに、本実施の形態4のベローズ材は次のような構成とした(図6)。
保護層 グラスフェルト厚さ100mmをガラスクロス厚さ0.5mmで包んだもの
シール層 PTFE積層フィルム(クロスフィルム)厚さ0.25mm
外皮層 SUS線入りガラスクロス 厚さ1.5mm
樹脂フィルム層 PTFE積層フィルム(クロスフィルム)厚さ0.25mmおよびETFEフィルム厚さ0.1mmの積層体(ETFEフィルムが外気側)
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び開示内容に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
1a,1b 一対のフランジ、3 ベローズ材、5 シール層、7 補強層、9 外皮層、11 樹脂フィルム層、13 保護層。

Claims (5)

  1. 燃焼装置から排出された高温の流体が流通する一対のダクトの間を接続する、伸縮継手用のベローズ材であって、
    前記ベローズ材は、流体側から順に、シール層、補強層、樹脂フィルム層が配置されており、
    前記シール層は、膜状に加工した樹脂であり、
    前記補強層は、金属繊維のメッシュまたはクロス、無機繊維のメッシュまたはクロス、有機繊維のメッシュまたはクロスから選択される1種又は2種以上であり、
    前記樹脂フィルム層は、前記シール層に用いた樹脂の耐熱温度と同等あるいはそれ以下の耐熱温度を有する樹脂から選定される2種以上の樹脂フィルムから成り、かつ前記2種以上の樹脂フィルムは、外気側に近いほど、より耐熱温度の低い樹脂フィルムとなるよう積層したものであり、
    前記2種以上の樹脂フィルムは、材質ごとに色違いとされている、
    伸縮継手用ベローズ材。
  2. 前記補強層と、前記樹脂フィルム層との間には、外皮層が配置されており
    前記外皮層は、金網、金属繊維クロス、無機繊維クロスから選択される1種又は2種以上である、
    請求項1の伸縮継手用ベローズ材。
  3. 前記シール層のさらに流体側に保護層を備える、
    請求項1または2の伸縮継手用ベローズ材。
  4. 前記シール層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を膜状に加工したものである、
    請求項1〜3いずれか一項の伸縮継手用ベローズ材。
  5. 前記樹脂フィルム層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)積層フィルムとエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)フィルムの積層体であり、前記ETFEフィルムが最外気側に配置されたものである、
    請求項4の伸縮継手用ベローズ材。
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