JP6928103B2 - 少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する分析物検出器 - Google Patents

少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する分析物検出器 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための分析物検出器及び方法に関する。さらに本発明は、流体中の少なくとも1つの分析物の定性的及び/又は定量的測定のための分析物検出器の使用に関する。本発明の装置及び方法は、一例として、診断目的、例えば臨床分析若しくは実験室分析又は家庭でのモニタリング(home monitoring)目的に使用することができる。具体的には、本発明の装置及び方法は、体液又は他の液体中の1つ以上の分析物を検出するために使用することができる。一例として、DNA検出を挙げることができる。しかし、他の用途及び使用も実行可能である。
少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための多種多様な分析物検出器が記載されてきた。化学的及び/又は生物学的種を定性的及び/又は定量的に確実に検出するように構成された分析物検出器は、限定されないが、診断目的、環境汚染の監視、食品安全性評価、品質管理又は製造過程などのさまざまな目的に使用することができる。そのような分析物検出器は、例えば、少なくとも1つの分析物を特定するのにトランジスタに基づく測定に頼ることができる。トランジスタに基づく分析物検出器は、タンパク質、抗体、抗原、DNAなどの生体分子、並びにイオン種及び電解質などの化学種を含む広範囲の分析物の検出を可能にするように構成されてきた。
多くの研究が、抗原、抗体、又は他のタンパク質の同定におけるトランジスタに基づく分析物検出器の使用を記述している。Elnathanら(Elnathan et al., Nano Lett. 2012, 12, 5245-5254)は、サイズを小さくした抗体断片と組み合わせて、ナノワイヤに基づく電界効果トランジスタ(FET)装置を使用して、pM未満の濃度範囲で未処理血清及び血液試料中のタンパク質を検出することを記述している。サイズを小さくした抗体断片を使用することにより、生体認識事象がナノワイヤ面に非常に接近して起こり、電荷に敏感なデバイスクリーニング長の範囲内に入ることが可能になる。Gaoらによって発表された研究(Gao et al., Nano Lett. 2015, 15, 2143-2148)では、FETに基づくナノ電気センサ上への多孔質生体分子透過層の組み込みが述べられている。ポリマー層は、FETに基づくセンサ面に直接隣接する領域における有効スクリーニング長を増加させ、それによってリアルタイムで高イオン強度溶液中の生体分子の検出を可能にする。同研究はまた、追加のポリエチレングリコール(PEG)修飾をもつシリコンナノワイヤ電界効果トランジスタが150mMもの高いリン酸バッファー濃度をもつ溶液中の前立腺特異抗原(PSA)を容易に検出できることを報告している。Kimら(Kim et al., Biosens Bioelectron. 2009 Jul15;24(11):3372-8)は、カーボンナノチューブ電界効果トランジスタ(CNT−FET)に基づく無標識タンパク質バイオセンサによる前立腺がんマーカー(PSA−ACT複合体)のリアルタイム検出のための簡単で高感度な方法を提示している。Tarasovら(Tarasov et al., 2D Mater. 2 (2015) 044008)は、金被覆グラフェンFETを使用して、特定のタンパク質−抗体相互作用の結合親和力を測定している。別の研究では、Tarasovら(Tarasov et al., Biosens Bioelectron. 2016 May 15;79:669-78)は、モデル病原体ウシヘルペスウイルス−1(BHV−1)を使用する直接ポテンショメトリー血清学的診断のために拡張ゲート電界効果トランジスタを採用している。診断ツールとしてのセンサの能力を実証するために、BHV−1ウイルスタンパク質gEをセンサ面に発現させて固定化し、BHV−1特異的抗体(ant−gE)の捕捉抗原として機能させる。gE被覆免疫センサは、抗gEに対して非常に高感度且つ選択的であり、中央集中検査室(centralized laboratories)で典型的に行われる酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)よりも著しく速いことが示された。
他の研究は、DNA若しくはRNAなどの核酸、又はアデノシン一リン酸(adenosinmonophosphate)(AMP)などのその可能な構成要素の同定のためのトランジスタに基づく分析物検出器の可能性を調べている。米国特許出願公開第20100053624号明細書には、分析すべき材料を感知するために生物学的相互作用を電気信号及び光信号に変換できるバイオセンサが開示されている。バイオセンサは、基板、ソース電極及び基板の一方の面に形成されたドレイン電極、ソース電極とドレイン電極とを接続するカーボンナノチューブと、カーボンナノチューブを覆う金属ゲートと、金属ゲートに固定化された認識構成要素、並びにソース及びドレイン電極を覆う不動態化層を含む。1つの実施形態では、認識構成要素は、DNA又はRNAなどの一本鎖オリゴヌクレオチドでありうる。DNAの場合、バイオセンサは金属ゲートの面に固定化された認識DNAを有する。認識DNAと標的DNAの間のハイブリダイゼーションの結果として、電気信号及び/又は光信号が生成される。Zayatsら(Zayats et al., J Am Chem Soc. 2006 Oct 25;128(42):13666-7)は、低分子の無標識無試薬分析のためにアプタマーを適用する研究を提示している。彼らは、イオン感応電界効果トランジスタ(ISFET)上又は電極上の、アプタマー鎖を含む二本鎖核酸の小さな基板誘導性分離が、電気的に特徴付けできる基質−アプタマー複合体を形成することを示している。特に、アプタマーとして作用するアミン官能化核酸をゲート面に固定化し、さらに短い核酸とハイブリダイズさせた。アデノシンの添加は短い核酸を置換し、アデノシン一リン酸(AMP)を結合するヘアピン形状にアプタマーを構築する。
分析物検出器の挙動を理解し制御することは、その標的用途に極めて重要である。トランジスタに基づく分析物検出器は、イオン種や電解質などの化学種にも対応することができる。Tarasovら(Tarasov et al. ACS Nano. 2012 Oct 23;6(10):9291-8)は、シリコンナノワイヤ電界効果トランジスタで、pH感応性酸化ハフニウム(HfO2)と酸化アルミニウム(Al23)でコーティングされたシリコンナノワイヤを使用して、担持電解質濃度(supporting electrolyte concentration)の変化に対する応答を測定している。Wipfら(Wipf et al., ACS Nano 2013 Jul 23;7(7):5978-83)は、差動セットアップ(differential setup)のイオン感応電界効果トランジスタによる電解質イオンの特異的検出のための面機能化への新しいアプローチとして、金膜で個々のナノワイヤを修飾している。彼らは、官能性自己組織化単層がpH及びバックグラウンドイオン種に対する金の非特異的応答に影響を及ぼさないことを見出し、そのことは酸化物面と比較した金の明らかな利点を表す。
したがって、トランジスタに基づく分析物検出器は、多数の分析物を検出するために数多くの方法で構成されてきた。トランジスタに基づく分析物検出器の分野で確立された進歩は、一つには面機能化技術、特にナノデバイスに適用可能なものの進歩によるものである。Shimら(Shim et al., Nano Letters 2002 Vol.2, No.4, 285-8)は、単層カーボンナノチューブの側面上でのタンパク質の吸着挙動を研究している。彼らは、界面活性剤とポリエチレングリコールの共吸着による単層カーボンナノチューブの機能化がストレプトアビジンの非特異的吸着に抵抗するのに有効であることが見出されたことを報告している。米国特許第7491496(B2)号明細書には、核酸を固定化するための方法及び同方法を使用してバイオセンサを製造するための方法が開示されている。提供された方法は、核酸間の静電反発力を抑制することによって、核酸プローブを固体支持体に固定化する際に高密度吸収を可能にする。核酸を固体支持体に固定化する核酸固定化方法は、核酸、スペーサー分子、及び少なくとも1種の二価カチオンを含むプローブ分子を含有する溶液を調製すること並びにインキュベーションのために溶液を固体支持体と接触させることを含む。Yoshimotoら(Yoshimoto et al., J Am Chem Soc. 2010 Jun 16; 132(23):7982-9)は、S−Au結合を介して金の面に直接固定化された抗体断片の吸着挙動を調べている。彼らは、抗体断片のコンフォメーション及び/又は配向の変化が、共固定化した混合ポリエチレングリコール層によって抑制されたことを報告している。Yoshimotoらは、彼らの発見が抗体フラグメント法の改良、したがって高性能免疫センサ面の構築に有用であると予想している。
しかし、少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出できる分析物検出器はまた、電気化学的測定に基づくことができる。本発明内でも使用されうる電気化学試験要素及びそのような試験要素に有用な潜在的試験化学物質の詳細については、J. Hoenes et al.: The Technology Behind Glucose Meters: Test Strips, Diabetes Technology & Therapeutics, Vol. 10, Supplement 1, 2008, S-10 to S-26を参照することができる。さらに、インピーダンスバイオセンサは、標的分子が固定化プローブに結合したときに面インピーダンスの変化をモニターすることによって未標識のDNA及びタンパク質標的を検出できる電気バイオセンサの一種である。親和性捕捉ステップ及びインピーダンス読み出しに特有の他の課題によって生じる課題は、Daniels and Pourmand, Electroanalysis, 2007 May 16, 19(12): 1239-1257に論じられている。さらに、1958年からの彼らの基礎研究では、SeveringhausとBradley(Severinghaus and Bradley, J Appl Physiol. 1958 Nov:13(3):515-20)は、酸素電極及び二酸化炭素電極を使用して、ガス、血液、又は任意の液体混合物中の酸素分圧及び二酸化炭素分圧の迅速且つ正確な分析を可能にする装置を記述している。Wuら(Wu et al., Sensors and Actuators B 110 (2005) 342-9)は、新規の製造技術を用いて微細構造と一体化された小型のクラーク型(Clark-type)酸素センサについて報告している。そのうえ、分析物検出器はまた、グラフェンを利用可能にした一体型オプトエレクトロメカニカルデバイスを提示し、生体分子センシングへの有用性を示しているZhuら(Zhu et al., Nano Lett. 2014 Oct 8;14(10):5641-9)によって報告されているように、機能要素を組み合わせることもできる。彼らは、同一チップ上に集積された光学的、電子的、及び機械的機能要素をもつ新規のナノスケール検出装置を示している。各要素に異なる濃度状態(concentration regime)を標的とさせることで、従来のシングルモードセンサの感度とダイナミックレンジのトレードオフ(sensitivity-dynamic range trade-off)を大幅に緩和することができる。
国際公開第2016/173542(A1)パンフレットは、標的を検出するためのシステム及び標的を検出するための方法を開示している。そのシステムは、ゲート、ソース、及びドレインを有する電界効果トランジスタ、作用電極、カウンター電極、及び基準電極を有するポテンシオスタットを含み、作用電極は検出領域に結合し、カウンター電極はゲートに結合し、検出領域、ゲート、及び基準電極は、イオン流体に配置され、ポテンシオスタットは、標的を検出するための電気化学的方法によってイオン流体に酸化還元を来たすように構成される。
Formisanoらによる「Inexpensive and fast pathogenic bacteria screening using field-effect transistors」BIOSENSORS AND BIOELECTRONICS, ELSEVIER BV, NL, vol. 85, 21 April 2016 (2016-04-21), pages 103-109, XP029680551, ISSN: 0956-5663, DOI: 10.1016/J.BIOS.2016.04.063は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)に基づく高速細菌検出のための無標識センサを記述している。MOSFETのグリコシル化されたゲートに結合する細菌の電荷は、同じ修飾面上で電気化学インピーダンス分光法(EIS)及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−ToF)で達成されるよりも直接的且つ高感度での定量を可能にする。
Vieiraらによる「Label-free electrical recognition of a dengue virus protein using the SEGFET simplified measurement system」Analytical Methods, vol 6, no.22, 8 September 2014 (2014-09-08), pages 8882-8885, XP055360591, GBR ISSN: 1759-9660, DOI: 10:1039/C4AY01803Fは、デングウイルス非構造タンパク質1(NS1)の無標識認識のための免疫センサとして分離拡張ゲート電界効果トランジスタ(SEGFET)の使用を記記述している。NS1は0.25〜5.0μg mL−1の濃度範囲で検出され、その系がデング熱の早期且つ簡単な診断に有望であることを示している。
米国特許出願公開第2016/131613(A1)号明細書は、浮遊ゲートに基づくセンサ装置内のセンサ面に関して少なくとも2つの別個の電気バイアス構成要素を含む浮遊ゲートに基づくセンサ装置を開示している。少なくとも2つの電気バイアス構成要素を含むことによって、浮遊ゲートに基づくセンサ装置は、生体材料及び非生体材料の検出の能力並びに浮遊ゲートに基づくセンサ装置の使用中の操作の向上をもたらす。
Linらによる「Non-Faradaic electrical impedimetric investigation of the interfacial effects of neuronal cell growth and differentiation on silicon nanowire transistors」ACS APPLIED MATERIALS AND INTERFACES, vol. 7, no.18, 13 May 2015 (2015-05-13), pages 9866-9878, XP055360704, US ISSN: 1944-8244, DOI: 10.1021/acsami.5b01878は、培養ラット副腎褐色細胞腫(PC12)細胞を使用した細胞成長及び分化中の界面効果の非侵襲的リアルタイムモニタリングのためのシリコンナノワイヤ電界効果トランジスタ(SiNWFET)デバイスの適用を記述している。成長中の細胞接着と神経分化中の形態変化のモニタリングは、高精度LCRメーターを使用して、細胞−SiNW FETシステムの非ファラデー電気インピーダンスを測定することによって行われた。
Zhanらによる「Graphene field-effect transistor and its application for electric sensing」SMALL, 7 July 2014 (2014-07-07), XP055200050, ISSN: 1613-6810, DOI: 10.1002/smll.201400463は、グラフェンに基づく電界効果トランジスタ(GFET)の製造と特性評価を記述し、且つGFETを使用した物理的、化学的、生物学的な電子検出の新しい開発を紹介している。さらに、GFET開発のいくつかの視点と現在の課題が提示されており、さらなる開発と調査のためにいくつかの提案が示されている。
米国特許出願公開第2012/019315(A1)明細書は、ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ(TFT)と、生体材料を収容するナノウェルとを含む生体材料受容装置を開示している。ドレイン電極はナノウェルを含む。TFTは、ボトムゲートTFTでもよく、トップゲートTFTでもよい。ナノウェルアレイは、複数の生体材料受容装置を含みうる。生体材料受容装置を操作する方法では、生体材料受容装置のそれぞれは、ナノウェルアレイにおいて個別に選択されうる。選択された生体材料受容装置に生体材料が収容されると、別の生体材料が収容されないように電圧が印加される。
Arquintらによる「Integrated blood-gas sensor for pO2, pCO2 and pH」 SENSORS AND ACTUATORS B: CHEMICAL: INTERNATIONAL JOURNAL DEVOTED TO RESEARCH AND DEVELOPMENT OF PHYSICAL AND CHEMICAL TRANSDUCERS, ELSEVIER BV, NL, vol. 13, no. 1-3, 1 May 1993 (1993-05-01), pages 340-344, XP026588341, ISSN: 0925-4005, DOI: 10.1016/0925-4005(93)85396-R[1993−05−01に検索]は、血液ガスをモニターするために設計された複合pO2、pCO2、及びpH化学センサの製造と特性評価について記述している。古典的な電気化学的原理が、小型化された平面型構造で使用される。アンペロメトリー装置(pO2)及びポテンショメトリー装置(pCO2、pH)の両方が10mm×10mmチップ上で一体化されている。チップのトランスデューサ部分は、標準的なシリコン技術を使用して実現されている。ポリアクリルアミド及びポリシロキサンの層は、それぞれヒドロゲル及び気体透過膜として使用され、光重合によって蒸着され、パターン形成される。したがって、センサ全体は、IC互換方法を用いてウェーハレベルで製造される。特性評価は、水溶液及び輸血に使用される血液で行われた。この目的のために、チップはフ通過画分細胞に取り付けられる。
Gutierrez−Sanzらによる「Direct, label-free, and rapid transistor-based immunodetection in whole serum」ACS SENSORS 2017 Sep 22;2(9), pages 1278-1286, DOI: 10.1021/acssensors.7b00187, Epub 2017 Aug 30は、短い特定の生体受容体とポリマーポリエチレングリコール(PEG)を用いた、トランジスタに基づくバイオセンサの検知面を調整してセンサ応答を大幅に向上しうる方法を記述している。さらに、高温(21℃ではなく37℃)で測定を行った場合、センサの性能を劇的に向上することができる。この新規の方法を使って、代表的な免疫検知パラメータであるヒト甲状腺刺激ホルモンの高感度且つ選択的な検出が、全血清でのピコモル未満の検出限界をもつ広い測定範囲にわたって示されている。これによって、トランジスタに基づくバイオセンサを使用して、試料の前処理、標識、洗浄ステップを必要とせずに、全血清の直接免疫検出が可能になる。提示されたセンサは低コストで、ポータブル診断装置に簡単に統合でき、最先端の中央集中検査室の分析装置と比較して競争力のある性能を提供する。
Filipiakらによる「Highly sensitive, selective and label-free protein detection in physiological solutions using carbon nanotube transistors with nanobody receptors」Sensors and Actuators B: Chemical, Volume 255, Part 2, February 2018, pages 1507-1516, DOI: 10.1016/j.snb.2017.08.164は、単層半導体カーボンナノチューブ(SWCNT)ネットワークに基づく非常に安定したFETと、1)短いナノボディ(VHH)受容体及び2)ポリエチレングリコール(PEG)層を備える新規の面機能化とを組み合わせることを記述している。これらの手段は、生理学的サンプルにおけるナノ材料ベースの電界効果トランジスタ(FET)の使用を制限している2つの主要な課題である、電解質イオンによる分析物電荷のスクリーニング(デバイスクリーニング)と非特異的吸着を克服する。ナノボディは非常に小さい(〜2〜4nm)安定で、生産が容易な生物学的受容体であり、したがってセンサ面により近い分析物結合を可能にする。その独自の特性にもかかわらず、ナノボディはFETに基づくバイオセンサの受容体としてこれまで使用されていない。PEGを追加すると、高イオン強度環境での信号が大幅に増強される。緑色蛍光タンパク質(GFP)をモデル抗原として使用すると、ダイナミックレンジが5桁を超える高い選択性とピコモルより低い検出限界が生理溶液において示されている。さらに、長期安定性測定は0.05mV/hのSWCNTの低ドリフトを明らかにする。提示されたイムノアッセイは高速で、無標識であり、試料の前処理や洗浄ステップを必要としない。
概して分析の分野では、1つの主要な技術的な課題は典型的に、検出される特定の分析物に適した方法と装置の選択にある。さらに、場合によっては、1つの同じ試料から数種類の分析物を検出する必要がある。上で論じたように、感度と測定原理が異なるさまざまな種類の検出器が利用可能である。一例として、トランジスタに基づく検出器は、分析物の電荷に対して非常に感度が高い。電気化学測定に基づく分析物検出器は、通常、分析物が関与する電気化学反応から生じる電流、インピーダンス、又は電位変化に高い感度を示す。したがって、典型的には、検出される各分析物について、分析物に適した特性を有する特定の検出器を選択する必要がある。結果として、測定設定は典型的には、試験される分析物に対して非常に特異的であり、設定は概して汎用性に欠ける。さらに、各測定原理には典型的には、特有の欠点、技術的制限、及び不正確さがある。したがって、測定原理の選択は、この測定原理に伴う技術的欠点の選択も意味する。しかし、測定原理の組み合わせは典型的に、複雑な設定と評価につながる。したがって、概して高い汎用性と選択性を可能にし、当技術分野において公知である方法、測定原理、及び装置と比較してより普遍的なセンサ配置を実現する、生理液(physiological liquids)の電子センサが一般的に必要である。
したがって、本発明の目的は、公知の測定原理の欠点及び不利益を少なくとも部分的に回避する、少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する分析物検出器及び方法を提供することである。具体的には、高い汎用性、選択性、及び感度を可能にし、さらに、既知の手段及び方法と比較してより普遍的なセンサ配置を実現する分析物検出器及び方法を提供することが望ましい。
この課題は、独立請求項の特徴をもつ、少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する分析物検出器及び少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する方法によって解決される。独立した方法又は任意の組み合わせで実現されうる好ましい実施形態は、従属請求項に列挙されている。
以下で使用されるように、「有する(have)」、「備える(comprise)」、「含む(include)」という用語又はそれらの任意の文法上の変形は、非排他的に使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴にくわえて、この文脈で記載されたエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上のさらなる特徴が存在する状況の両方を指しうる。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、「AはBを含む」という表現はともに、Bにくわえて、Aに他の要素が存在しない状況(つまり、Aが単独で排他的にBから構成される状況)並びにBにくわえて、要素C、要素C及びD又はさらなる要素など1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況の両方を指しうる。
さらに、「少なくとも1つ」、「1つ以上の」、又は特徴若しくは要素が1回又は1回より多く存在する可能性があることを示す同様の表現は、典型的にはそれぞれの特徴又は要素を導入するときに1回だけ使用されることになることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴又は要素を言及する場合、それぞれの特徴又は要素が1回又は1回より多く存在する可能性があるという事実にかかわらず、「少なくとも1つ」又は「1つ以上の」という表現は繰り返されないことになる。
さらに、以下で使用されるように、「好ましく」、「より好ましく」、「特に」、「さらに特に」、「具体的に」、「より具体的に」とういう用語又は同様の用語は、代替的な可能性を制限することなく、任意選択の特徴とともに使用される。したがって、これらの用語によって導入された特徴は任意選択の特徴であり、決して特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。本発明は、当業者が認識するであろうように、代替的な特徴を使用することによって行われうる。同様に、「本発明の実施形態において」又は類似の表現によって導入された特徴は、本発明の代替的な実施形態に関する制限なしに、本発明の範囲に関する制限なしに、且つそのような方法で導入された特徴を、本発明の他の任意選択又は非任意選択の特徴と組み合わせる可能性に関する制限なしに、任意選択の特徴であることが意図される。
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための分析物検出器が開示される。分析物検出器は、流体試料に対して露出可能な少なくとも1つの多目的電極、少なくとも1つの多目的電極と電気的に接触している少なくとも1つの電界効果トランジスタ、及び多目的電極を使用して少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成された少なくとも1つの電気化学測定装置を備える。
本明細書で使用される場合、概して「分析物検出器」という用語は、試料の分析検査用に構成された任意の装置を指しうる。分析物検出器は、試料の医療分析などの少なくとも1つの分析を実行するように構成することができる。本発明内で概して使用されるように、「分析」、「分析検査」、及び「1つ以上の分析物の決定」という用語は同義語として使用され、少なくとも1つの分析物の定性的及び/又は定量的検出を説明すると理解される。特に、前記用語は、それぞれの分析物の濃度又は量の決定として理解することができ、分析物の有無の決定だけ(sole determination)も分析検査とみなすことができる。したがって、具体的には、分析物検出器は、具体的には1つ以上の試料中の1つ以上の分析物を定性的及び/又は定量的に検出するように構成されうる。少なくとも1つの分析物の検出は、高い感度で行われうる。
さらに本明細書で使用される場合、概して「分析物」という用語は、イオン、原子、分子、又は化学化合物などの任意の化学物質又は生物学的物質又は種を指しうる。分析物は、具体的には、体液又は体組織に存在しうる分析物でありうる。分析物という用語は、具体的には原子、イオン、分子、及び高分子、特に核酸、ペプチド、及びタンパク質などの生体高分子、脂質、グルコースなどの糖、及び代謝産物を包含しうる。検出される可能性のある分析物のさらなる例は、下記のさらなる詳細で与えられる。
本明細書で使用される場合、概して「流体試料」という用語は、液体又は気体を指しうる。流体試料は、画定された又は画定可能な量を有しうる。さらに、流体試料は、画定された若しくは画定可能な空間に含まれてもよく、又は開放周囲(open surrounding)などの開放空間に存在してもよい。流体試料は静的な状態で存在することもあれば、連続的又は非連続的に流れることもある。流体試料は、一例として、純粋な液体、又は分散液、エマルション、若しくは懸濁液などの均一又は不均一な混合物でありうる。同様に、気体の場合、気体の混合物、又は気体と液体若しくは固体の混合物でも使用されうる。
特に、流体試料は、原子、イオン、分子、及び高分子、特に核酸、ペプチド、及びタンパク質などの生体高分子、脂質及び代謝産物、並びに生体細胞及び細胞断片を含むことができる。検査対象の典型的な流体試料は、血液、血漿、血清、尿、脳脊髄液、涙液、細胞懸濁液、細胞上清、細胞抽出物、組織溶解物などの体液である。しかし、流体試料は、較正溶液、参照溶液、試薬溶液、又は標準化された分析物濃度、いわゆる標準を含有する溶液でもありうる。
本明細書で使用される場合、概して「電極」という用語は、電流測定及び/若しくは電圧測定を実行するように構成され、且つ/又は電流及び/若しくは電位及び/若しくは電圧を電極と電気的に接触している要素に印加するように構成された機能要素を指しうる。特に、電極は、導電性及び/又は半導体材料を含むことができる。一例として、電極は、少なくとも1つの導電性又は半導体性面を有する少なくとも1つの金属材料及び/又は少なくとも1つの有機若しくは無機半導体材料を含むことができる。面自体が電極又は電極の一部を形成してもよい。一例として、電極は、導電率が少なくとも1000S/m、例えば少なくとも1000000S/mであり、少なくとも一方向で等方性又は異方性のいずれかである少なくとも1つの材料、具体的には少なくとも1つの面材料を含むことができる。
本明細書で使用される場合、概して「電気的に接触して」という用語は、少なくとも2つの構成要素の配置又は構成を指しうる。少なくとも1つの構成要素は、少なくとも1つの他の構成要素に電気的に影響を及ぼすことができ、且つ/又は他の構成要素の導電率や電流の流れなどの電気的性質を、例えば電界効果を介して少なくとも部分的に制御することができる。特に、電極は、前記要素と直接物理的に接触することなく要素と電気的に接触していてもよい。したがって、電極は、前記要素から絶縁されているにもかかわらず、電圧の印加によって要素内の電流の流れを制御することができる。例えば、下記でより詳しく説明される、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(IGFET)のサブグループである金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のゲート電極の典型的な場合のように、絶縁体は酸化物層で構成されうる。したがって、概して、互いに電気的に接触するために、少なくとも2つの構成要素は、互いに直接物理的に接触しないが互いに電気的に影響を及ぼしうるように、近接して配置されうる。追加的又は代替的に、少なくとも2つの構成要素は、少なくとも1つの電気伝導体よってなど、少なくとも半導体特性又は導電特性を有する少なくとも1つの接続要素を介して物理的に接続されてもよい。やはり追加的又は代替的に、少なくとも2つの構成要素は別個の構成要素であってもよく、又は完全に若しくは部分的に互いに統合されてもよい。一例として、少なくとも1つの多目的電極は、少なくとも1つの導電性リード線を介してなど、少なくとも1つの接続要素を介して電界効果トランジスタに接続でき、又は完全に若しくは部分的に電界効果トランジスタに統合することすら可能である。さまざまな可能性がある。
本明細書で使用される場合、概して「多目的電極」という用語は、少なくとも2つの異なる測定装置の一部を形成できるように構成された任意の電極を指しうる。したがって、多目的電極は、少なくとも2つの異なる方法に基づく分析検査に関わることができ、各方法は少なくとも1つの測定装置の使用を必要とする。多目的電極は、例えば、少なくとも電界効果トランジスタと電気化学測定装置の両方の一部を形成するように構成することができる。したがって、多目的電極は、電界効果トランジスタの使用を含む方法の少なくとも1つ、及び電気化学測定装置の使用を含む少なくとも1つの他の方法に基づく分析検査に関わることができる。
本明細書でさらに使用される場合、概して「露出可能」という用語は、要素がさらされる少なくとも1つの物質と接触させることができる少なくとも1つの面を設ける要素の特性を指す。したがって、一例として、少なくとも1つの多目的電極は、流体試料にアクセス可能な少なくとも1つの電極面を形成しうる。具体的には、以下の好ましい実施形態によって説明されるように、分析物検出器は、流体試料が流れることができる入口ポート及び出口ポートを有する流体チャネルなどの少なくとも1つの流体チャネルを備えうる。少なくとも1つの多目的電極は、流体チャネルからアクセス可能な少なくとも1つの電極面を備え、その結果、流体チャネルを通って流れるか、又は流体チャネルに存在する液体が少なくとも1つの電極面に接触する。しかし、他の選択肢も実行可能である。
本明細書でさらに使用される場合、概して「電界効果トランジスタ」という用語は、少なくとも1つのソース電極、少なくとも1つのドレイン電極、及び少なくとも1つのゲート電極を備える機能要素を指しうる。電界効果トランジスタは、少なくとも1つのチャネルをさらに備える。本明細書で使用される場合、概して電界効果トランジスタの「チャネル」という用語は、ソース電極とドレイン電極の間に電流を伝導することができる構成要素を指しうる。チャネルは、少なくとも1つの半導体材料及び/又は少なくとも1つのドープされた半導体材料を有しうる。半導体材料は、無機半導体材料及び有機半導体材料の少なくとも1つであってもよく、又はそれを含んでもよい。典型的には、半導体材料は伝導率σが10-8S/cm<σ<104S/cmである。しかし、有機半導体の分野では、低電荷キャリア移動度の影響、分子軌道、及び/又は低電荷キャリア密度のため、この説明は多くの場合完全には適用できない。したがって、導電率が104S/cmよりも高いことがあっても、グラフェンなどの有機導電性材料はしばしば有機半導体と呼ばれる。
特に、半導体材料は、1つ、2つ、又はそれ以上の領域、好ましくは2〜10の領域、より好ましくは3つの領域を備えることができ、各領域はn型ドープ又はp型ドープされうる。具体的には、半導体材料は、無機及び/又は有機半導体材料を含むことができる。チャネルは、特定の外部条件下でのみソース電極とドレイン電極の間で電流を流すことができる場合がある。その条件は、チャネルの温度及び/又はチャネルに直接若しくはゲート電極を介して若しくは外部電極を介して印加される電圧若しくは電位を含みうる。特に、チャネルは、少なくとも1つの半導体層によってなど、少なくとも1つの半導体材料によって構成されうる。一例として、無機及び/又は有機半導体材料を使用することができる。以下では、具体例として、グラフェンは、1つ以上のグラフェン層を使用することによってなど、半導体材料として使用される。ゲート電極は、チャネルと直接物理的に接触していてよい。この構成では、電界効果トランジスタは概して「非絶縁ゲート電界効果トランジスタ」(NIGFET)と呼ばれうる。特に、ゲート電極は、チャネルと少なくとも部分的に同一であってよい。代替的に、ゲート電極は、例えば、ゲート電極とチャネルの間に挿入された1つ以上の電気絶縁材料を使用することによって、チャネルと間接的に物理的に接触していてもよい。この構成では、トランジスタは概して「絶縁ゲート電界効果トランジスタ」(IGFET)と呼ばれうる。
絶縁ゲート電界効果トランジスタは「金属絶縁体半導体電界効果トランジスタ」(MISFET)として実装されうる。この場合、少なくとも1つの金属を含みうるゲート電極は、少なくとも1つの半導体材料を含みうるチャネルから絶縁されうる。具体的には、チャネルからのゲート電極の絶縁は、酸化物によって構成することができる。この構成では、電界効果トランジスタは概して「金属酸化物半導体電界効果トランジスタ」(MOSFET)と呼ばれうる。しかし、ゲート電極の絶縁用の他の材料も実行可能である。電界効果トランジスタのチャネルは、電解質溶液と物理的に接触していてもよく、電解質溶液はゲート電極の一部を構成又は形成しうる。この構成では、イオン二重層が形成され、チャネルからのゲート電極の絶縁として機能しうる。この構成では、電界効果トランジスタは「溶液ゲートFET又は液体ゲートFET」と呼ばれうる。電解質溶液は、チャネルへの近接若しくは吸着時にチャネルに印加される電位及び/又はチャネルの絶縁に影響を与えうる物質を含むことができ、したがって化学種の検出が可能になる。この構成では、電界効果トランジスタは「化学的電界効果トランジスタ」又はChemFETと呼ばれうる。特に、ChemFETは、H+及び/又は他のイオン種に高感度でありうる「イオン感応電界効果トランジスタ」(ISFET)を形成するイオン種の検出用に構成することができる。Al23、Si34、又はTa25などのイオン種に感度の高い層は、チャネルと接触してもよく、又はISFETのゲート電極の一部を形成してもよく、且つ/若しくはチャネルの一部とゲート電極を形成してもよい。別の構成では、ChemFETは、電界効果トランジスタのゲート電極及び/又はチャネルの一部として固定化された酵素の層を備えることができる。この構成では、電界効果トランジスタは「酵素電界効果トランジスタ」(ENFET)と呼ばれうる。酵素の分析物への結合は、チャネルに印加される電位に影響を与え、分析物の検出を可能にしうる。したがって、ENFETは電界効果トランジスタに基づくバイオセンサ(BioFET)の一例である。BioFETとして、電界効果トランジスタは、1つ以上の分子種、具体的には生体分子に結合できる生体認識要素として固定化された生体分子の層を備えうる。結合反応はチャネルに印加される電位に直接又は間接的に影響を与えうる。
電界効果トランジスタは、「拡張ゲート電界効果トランジスタ」としてさらに実装されうる。本明細書で使用される場合、概して「拡張ゲート電界効果トランジスタ」という用語は、ゲート電極の電位を設定又はそれに影響を及ぼす過程又は反応から電界効果トランジスタのチャネルを空間的に分離できるように構成されたゲート電極を備える電界効果トランジスタを指しうる。そのような電極は概して「拡張ゲート電極」と呼ばれうる。したがって、拡張ゲート電界効果トランジスタの拡張ゲート電極は、チャネルに電位を印加する過程とゲート電極に電位を印加する過程を物理的に分離することを可能にしうる。
少なくとも1つの電界効果トランジスタは、少なくとも1つの基板を備えうる。基板は、電界効果トランジスタの上記構成要素を保持するためなどの、純粋に機械的な特性と機能を有しうる。しかし、代替的に、基板はまた、上記構成要素の1つ以上と完全に又は部分的に同一であってもよい。したがって、一例として、少なくとも1つのチャネルは、基板内に完全に又は部分的に統合されてもよい。
少なくとも1つの電界効果トランジスタは、少なくとも1つの検知面をさらに有しうる。一例として、少なくとも1つの検知面は、流体試料にさらされうる電界効果トランジスタの面でありうる。一例として、検知面は多目的電極の面、例えば上記の電極面であることができる。しかし、検知面は、電界効果トランジスタのチャネルの面などの別の面であってもよく、又はそれを備えてもよい。さまざまな実施形態が実行可能であり、以下でさらに詳細に例示的に(exemplary fashion)記載されることになる。
本明細書で使用される場合、概して「電気化学測定」という用語は、酸化還元反応の少なくとも1つの測定可能な特性の測定を指しうる。一例として、電気化学的測定及び/又は酸化還元反応の測定可能な特性は、電流、電圧、電位、質量、例えば電極への蒸着質量、インピーダンス、特にインピーダンスの実数部及び/若しくは虚数部、静電容量、抵抗、又は位相シフトを意味しうる。具体的には、電気化学的測定は電気活性種の存在下で行われうる。本明細書で使用される場合、概して「電気活性種」という用語は、例えば電子移動を促進することによって、酸化還元反応を促進又は増強又は触媒する化合物を指しうる。電気活性種は、流体試料に溶解されてもよく、及び/又は分析物検出器の面に固定化されてもよく、面は流体試料に対して露出可能であってもよい。特に、面は、上記の検知面及び/又は上記の多目的電極の面であってもよい。電気活性種の好ましい例は、酸化還元メディエータ、具体的には酸化還元対であり、限定されないが、フェリシアン化カリウム/フェロシアン化カリウム、ヘキサアンミンルテニウム(II)塩化物/ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物、フェロセンメタノールなどである。電気活性種のさらに好ましい例は、限定されないが、アスコルビン酸、グルタチオン、リポ酸、尿酸、シュウ酸、タンニン、フィチン酸などの還元剤である。電気活性種は、酸化還元反応の少なくとも1つの測定可能な特性の測定を促進又は増強しうる。本明細書で使用される場合、概して電気化学測定装置という用語は、少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成された任意の装置を指しうる。
概して「電気化学測定装置」という用語は、少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成された任意の装置を指しうる。この目的のために、以下でさらに詳細に且つ例示的に(exemplary fashion)概説するように、少なくとも1つの電気化学測定装置は、少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成された1つ以上の電気装置を備えうる。一例として、電気化学測定装置は、定電圧源、可変電圧源、定電流源、可変電流源、周期的な電気信号を生成するための周波数発生器からなる群より選択される少なくとも1つの電源などの少なくとも1つの電源を備えうる。さらに、電気化学測定装置は、電圧測定装置、電流測定装置、ポテンシオスタットからなる群から選択される少なくとも1つの電気測定装置などの、少なくとも1つの電気信号又は電気測定変数を測定するように構成された少なくとも1つの電気測定装置を備えうる。他の測定装置も実行可能である。電界効果トランジスタは、具体的には電気化学測定デバイスの一部ではない場合がある。したがって、言い換えると、分析物検出器は、電界効果トランジスタと電気化学測定装置の両方の一部でありうる多目的電極を除いて、別個の構成要素からなる別個の装置として電界効果トランジスタと電気化学測定装置を備えうる。したがって、概して電界効果トランジスタと電気化学測定装置は、電界効果トランジスタと電気化学測定装置の両方の一部を形成しうる多目的電極を除いて、分析物検出器の別個の構成要素を形成しうる。具体的には、電界効果トランジスタを使用することによるトランジスタ測定と、電気化学測定装置を使用することによる電気化学測定は、異なる別々の測定でありうる。電気化学測定は、電界効果トランジスタを使用せずに行うことができる。
電気化学測定及び/又は電界効果トランジスタに基づく測定は、少なくとも2つの異なる種の生体認識分子、例えば、少なくとも2つの異なる種の受容体分子、すなわち少なくとも1つの第1の受容体分子及び少なくとも1つの第2の受容体分子の存在下で行われうる。第1の受容体分子と第2の受容体分子は、分析物に直接又は間接的に結合できる可能性がある。第1の受容体分子と第2の受容体分子は、同時に分析物に結合してもよい。第2の受容体分子は、例えば、電気化学測定及び/又は電界効果トランジスタに基づく測定の信号及び/又は選択性を高めることによって、電気化学測定及び/又は電界効果トランジスタに基づく測定を向上することができる。第2の受容体は、それ自体で信号及び/又は選択性を増強しうる。追加的又は代替的に、第2の受容体は、酵素などであるがこれに限定されない少なくとも1つの追加の分子で標識されてもよい。第2の受容体は、分析物との相互作用を通して、例えば分析物と結合することを通して、分析物検出器による分析物の検出に影響を及ぼしうるか、又はそれを増強しうる。第2の受容体と分析物の直接的又は間接的な相互作用は、例えば、限定されないが陽子及び/又は電子などの化学種の濃度の変化に影響を及ぼす、又は高める、又は作り出すことによって、電気化学測定及び/又は電界効果トランジスタに基づく測定に影響を及ぼしうるか、又は増強しうる。化学種の濃度の変化は、流体試料中の分析物の濃度に対応しうる。したがって、第2の受容体は、分析物検出器の信号増強に寄与しうる。
上記で概説したように、電気化学測定装置は、少なくとも1つの多目的電極を使用することによって少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成される。したがって、多目的電極は電気化学測定に関わる。一例として、少なくとも1つの多目的電極は、上記の少なくとも1つの電源及び/又は少なくとも1つの電気測定装置などの電気化学測定装置と電気的に接触することができる。少なくとも1つの多目的電極は、少なくとも1つの電気化学測定装置の一部であってもよく、且つ/又は例えば少なくとも1本のリード線を介してなど、少なくとも1つの電気接続要素などを介して、電気化学測定装置に接続されてもよい。
多目的電極は、電界効果トランジスタのゲート電極と電気的に接触することができる。特に、ゲート電極は、電界効果トランジスタの少なくとも1つのチャネル、具体的には少なくとも1つの半導体層と直接又は間接的に物理的に接触することができる。例えば、リーク電流を避けるために、例えば、ゲート電極とチャネルの間に誘電層が存在しうる。液体ゲート電界効果トランジスタの場合、イオン二重層が誘電層を構成しうる。今述べた実施形態では、ゲート電極は、典型的には、電界効果トランジスタのチャネル、具体的には少なくとも1つの半導体層と間接的に物理的に接触している。
多目的電極は、電界効果トランジスタのゲート電極及び電界効果トランジスタのチャネルの群から選択される少なくとも1つの要素と少なくとも部分的に同一でありうる。電界効果トランジスタは、少なくとも1つのチャネルを備えうる。具体的には、少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの半導体材料で完全に又は部分的に作られうる。完全な電界効果トランジスタは、典型的には、半導体チャネル、金属ソース、ドレイン、及びゲート電極を備えている。具体的には、ゲート電極は、溶液中の参照電極、又は溶液中の金属電極などの擬似基準電極に置き換えることができる。半導体層は、無機元素半導体、無機化合物半導体、及び有機半導体からなる群より選択される少なくとも1つの材料を含みうる。具体的には、半導体層は、グラフェン、層状半導体、カーボンナノチューブ、及び半導体ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも1つの材料を含みうる。さらに、半導体層は、分析物にアクセス可能な少なくとも1つの面を備えうる。特に、分析物にアクセス可能な少なくとも1つの面は、金属粒子によって機能化されてよく、具体的には金及び白金からなる群より選択される1つ以上の金属を含む金属粒子でありうる。しかし、他の金属又は合金の使用も実行可能である。
分析物検出器は、少なくとも2つの導電性電極を相互接続する少なくとも1つのグラフェン層を備えうる。そのグラフェン層は分析物にアクセス可能であってもよく、少なくとも2つの導電性電極のうちの少なくとも1つ、グラフェン層からなる群の少なくとも1つの要素を備えうる。一例として、例えばグラフェンを備える半導体層は、多目的電極であってもよく、多目的電極の一部であってもよい。特に、グラフェン層は多目的電極であってもよく、多目的電極の一部であってもよい。そのような実施形態では、少なくとも1つの他の電極、具体的にはソース及び/又はドレイン電極は、例えばグラフェン層を備える半導体層に接触するように機能しうる。グラフェン層は、金属粒子、具体的には金粒子で少なくとも部分的に覆われていてもよい。
少なくとも1つの多目的電極は、電界効果トランジスタのソース電極又はドレイン電極の一方又は両方と電気的に接触することができる。多目的電極は、例えば、電界効果トランジスタのチャネルを備えうる。この実施形態では、ソース電極及びドレイン電極は、多目的電極に接触する役割を果たしうる。代替的に、多目的電極は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極のうちの1つ以上と完全に又は部分的に同一であってもよい。
分析物検出器は、流体試料に対して露出可能な少なくとも1つのさらなる電極を備えうる。少なくとも1つのさらなる電極は、カウンター電極及び基準電極からなる群より選択される少なくとも1つの電極を備えうる。電気化学測定装置は、多目的電極及びさらなる電極を使用して少なくとも1つの電気化学測定を行うように構成される。分析物検出器は、流体試料に対して露出可能な少なくとも3つの電極を備えうる。少なくとも3つの電極のうちの少なくとも1つは多目的電極でありうる。多目的電極は金を含んでもよい。特に、分析物検出器は少なくとも3つの電極を備え、3つの電極はすべて金電極であってもよい。多目的電極は、その面にさらされた少なくとも1つの機能的構成要素を備えうる。少なくとも1つの機能構成要素分は、分析物と直接的又は間接的に相互作用するように構成されうる。さらに、機能要素は、少なくとも1つの分析物に結合できる受容体化合物を少なくとも1つ備えうる。具体的には、少なくとも1つの分析物に結合できる受容体化合物は、抗体及びその断片、アプタマー、ペプチド、酵素、核酸、受容体タンパク質又はその結合ドメイン、並びに塩析効果を媒介できる親水性ポリマーからなる群より選択されうる。
特に、少なくとも1つの電気化学測定は、サイクリックボルタンメトリー測定、インピーダンス測定、ポテンショメトリー測定、アンペロメトリー測定、電気化学インピーダンス分光法、ボルタンメトリー、アンペロメトリー、ポテンショメトリー、クーロメトリーからなる群より選択される少なくとも1つの測定を備えうる。本明細書で使用される場合、概して「電気化学インピーダンス分光法」という用語は、電圧及び/又は電流などの印加される電気信号の周波数の関数としての作用電極とカウンター電極の間のインピーダンスの測定を指しうる。本明細書でさらに使用される場合、概して「ボルタンメトリー」という用語は、印加電圧の関数としての作用電極とカウンター電極の間の電流の測定を指しうる。本明細書で使用される場合、概して「アンペロメトリー」という用語は、例えば電圧の関数としての作用電極と基準電極の間の電流の測定を指しうる。本明細書で使用される場合、概して「ポテンショメトリー」という用語は、作用電極と基準電極の間の電位差の測定を指しうる。本明細書で使用される場合、概して「クーロメトリー」という用語は、電気分解中に生成又は消費される電荷の量の決定を指しうる。例えばこれは、2つの電極間の電流を、例えば時間の関数として測定することによって行うことができる。
さらに、少なくとも1つの電気化学測定装置は、電圧源、電流源、電圧計、電流計、インピーダンス計、インピーダンス分光計、周波数分析器、ポテンシオスタット、周波数発生器からなる群より選択される少なくとも1つの装置を備えうる。
さらに、電気化学測定装置は以下のうちの1つ以上を測定するように構成されうる:周波数と印加電圧の関数としての、少なくとも1つの電極が多目的電極である分析物検出器の少なくとも2つの電極間のインピーダンスの絶対値、周波数と印加電圧の関数としての、少なくとも1つの電極が多目的電極である分析物検出器の少なくとも2つの電極間のインピーダンスの実数部、周波数と印加電圧の関数としての、少なくとも1つの電極が多目的電極である分析物検出器の少なくとも2つの電極間のインピーダンスの虚数部、第1と第2の電極のうちの少なくとも1つが多目的電極である、分析物検出器の少なくとも1つの第1の電極に印加される信号と、分析物検出器の少なくとも1つの第2の電極の信号応答との間の位相シフト、多目的電極への周期的な印加電圧の関数としての多目的電極を通る電流、多目的電極の静電ポテンシャル、多目的電極を通る電流、並びに多目的電極と、少なくとも1つのさらなる電極、具体的には少なくとも1つのカウンター電極及び/又は少なくとも1つの基準電極との間の電圧。
分析物検出器は、少なくとも1つのコントローラをさらに備えうる。そのコントローラは、電界効果トランジスタ及び電気化学測定デバイスに接続でき、コントローラは、電界効果トランジスタを使用することによって少なくとも1つのトランジスタ測定を制御するように、且つ電気化学測定装置を使用することによって少なくとも1つの電気化学測定を制御するように構成されうる。特に、コントローラは、トランジスタのドレイン電流を測定することによって少なくとも1つのトランジスタ測定を制御するように構成することができる。さらに、コントローラは、電界効果トランジスタ及び少なくとも1つの電気化学測定を使用して少なくとも1つの測定を連続的に作動させるように構成することができる。コントローラはまた、電界効果トランジスタ及び少なくとも1つの電気化学測定を使用して、少なくとも1つの測定のシーケンスを繰り返し実行するように構成することができる。
分析物検出器は、少なくとも1つの流体チャネルをさらに備えうる。少なくとも1つの多目的電極は流体チャネル内の流体試料と接触するように配置されうる。流体チャネルは、流体チャネルに少なくとも1つの流体試料を供給するための少なくとも1つの流体入口と、流体チャネルから流体試料を取り除くための少なくとも1つの流体出口とを備えうる。特に、分析物検出器は、流体チャネルと流体接触している少なくとも1つの外部基準電極、具体的には少なくとも1つのAg/AgCl基準電極をさらに備えうる。
少なくとも1つの多目的電極は、分析物が透過可能でありうる膜で少なくとも部分的に覆われうる。特に、膜はポリマー膜でありうる。さらに、膜と少なくとも1つの多目的電極の間の空間は、電解質、例えばヒドロゲル電解質で少なくとも部分的に充填することができる。
少なくとも1つのトランジスタは、イオン感応電界効果トランジスタ(ISFET)、化学的電界効果トランジスタ(ChemFET)、生物学的電界効果トランジスタ(BioFET)、酵素電界効果トランジスタ(ENFET)、拡張ゲート電界効果トランジスタ(EGFET)、溶液−、電解物−、水−、又は液体ゲートFETからなる群より選択されうる。
第2の態様では、流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する方法が開示されている。この方法の定義及び実施形態に関して、上記の分析物検出器の定義及び実施形態を参照することができる。この方法は以下のステップを含む:
a) 少なくとも1つの多目的電極を準備すること、
b) 多目的電極と接触している少なくとも1つの流体試料を準備すること、
c) 多目的電極と電気的に接触している少なくとも1つの電界効果トランジスタを使用することによって少なくとも1つのトランジスタ測定を実行すること、及び
d) 多目的電極を使用することによって少なくとも1つの電気化学的測定を実行すること。
特に、その方法は、上記のような、又は以下でさらに記載されるような分析物検出器を使用することを含みうる。したがって、上で概説したように、具体的には、トランジスタ測定と電気化学測定は、異なる別々の測定値でありうる。具体的には、電気化学測定は電界効果トランジスタを使用せずに実行されうる。具体的には、電界効果トランジスタを使用したトランジスタ測定と例えば電気化学測定装置を使用した電気化学測定は、例えばコントローラを使用することによって連続的に作動されうる。電界効果トランジスタ及び少なくとも1つの電気化学的測定を使用する少なくとも1つのトランジスタ測定のシーケンスは、例えばコントローラによって繰り返し実行されうる。
方法ステップc)では、少なくとも1つのトランジスタ測定値が生成されうる。さらに、方法ステップd)では、少なくとも1つの電気化学測定値が生成されうる。具体的には、流体試料中の少なくとも1つの分析物の定量的検出又は定性的検出の一方又は両方のためにトランジスタ測定値と電気化学測定値を組み合わせることができる。さらに、方法ステップd)は、ボルタンメトリー測定、インピーダンス測定、ポテンショメトリー測定、アンペロメトリー測定、クーロメトリーからなる群より選択される少なくとも1つの測定を備えうる。
第3の態様では、流体中の少なくとも1つの分析物の定性的及び/又は定量的測定のための上記されたような又は以下でさらに記載されるような分析物検出器の使用が開示される。特に、前記流体は、体液、液体、又は溶解環境試料、及び化学化合物の混合物の溶液からなる流体の群から選択されうる。具体的には、流体中の少なくとも1つの分析物の前記定性的及び/又は定量的測定は、診断目的、環境管理、食品安全性、品質管理、又は製造プロセスに関与しうる。
本発明はさらに、プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワークで実行されるときに、本明細書に含まれる(enclosed)1つ以上の実施形態の本発明による方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムを開示及び提案する。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能なデータ担体に保存されうる。したがって、具体的には、上記の方法ステップc)及びd)の1つ、2つ以上、又はすべてでさえを、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用することによって、好ましくはコンピュータプログラムを使用することによって実行及び/又は制御及び/又は評価することができる。
本発明はさらに、プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワークで実行されるときに、本明細書に含まれる(enclosed)1つ以上の実施形態の本発明による方法を実行するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品を開示及び提案する。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータで読み取り可能なデータ担体に保存されうる。
さらに、本発明は、コンピュータ又はコンピュータネットワークのワーキングメモリ又はメインメモリなどのコンピュータ又はコンピュータネットワークにロードした後に、本明細書で開示されている実施形態の1つ以上による方法を実行できる、データ構造を格納したデータ担体を開示及び提案する。
本発明はさらに、プログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワークで実行されるときに、本明細書で開示されている1つ以上の実施形態による方法を実行するために、機械可読担体に保存されるプログラムコード手段をもつコンピュータプログラム製品を提案及び開示する。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。概して製品は、紙の形式などの任意の形式、又はコンピュータで読み取り可能なデータ担体上に存在する。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを通じて配布されうる。
そして、本発明は、本明細書に開示されている1つ以上の実施形態による方法を実行するための、コンピュータシステム又はコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令が入っている変調データ信号を提案及び開示する。
好ましくは、本発明のコンピュータ実装態様を参照すると、本明細書に開示されている1つ以上の実施形態による方法の1つ以上の方法ステップ又はすべての方法ステップでさえ、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用することによって実行することができる。したがって、概してデータの提供及び/又は操作を含む方法ステップのいずれかは、コンピュータ又はコンピュータネットワークを使用することによって実行されうる。概して、これらの方法ステップには、試料を準備することや実際の測定を実行するある特定態様(aspect)などの、典型的に手作業を必要とする方法ステップを除き、任意の方法ステップが含まれうる。
具体的には、本発明はさらに以下を開示する:
− 少なくとも1つのプロセッサ備えるコンピュータ又はコンピュータネットワーク(プロセッサはこの明細書に記載の実施形態の1つによる方法を実行するように構成される)、
− そのデータ構造がコンピュータで実行されている間に、本明細書に記載の実施形態の1つによる方法を実行するように構成されるコンピュータロード可能なデータ構造、
− コンピュータプログラム(そのプログラムがコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載の実施形態の1つによる方法を実行するように構成される)、
− そのコンピュータプログラムがコンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行されている間に、本明細書に記載の実施形態の1つによる方法を実行するためのプログラム手段を備えるコンピュータプログラム、
− 前述の実施形態によるプログラム手段を備えるコンピュータプログラム(そのプログラム手段はコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に保存される)、
− 記憶媒体(データ構造がその記憶媒体に保存され、コンピュータ又はコンピュータネットワーク主記憶域及び/又は作業用記憶域にロードされた後、本明細書に記載の実施形態の1つによる方法を実行するように構成される)、並びに
− プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品(そのプログラムコード手段がコンピュータ又はコンピュータネットワークで実行される場合、本明細書に記載の実施形態の1つによる方法を実行するために、そのプログラムコード手段は記憶媒体上に保存される可能性があるか、又は記憶媒体上に保存される)。
本発明による分析物検出器、分析物検出器の使用、及び少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する方法は、従来技術の分析物検出器、それらの使用、及び少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する方法を超えるさまざまな利点を提示する。したがって、分析物検出器は、FETを使用するトランジスタに基づく測定と電気化学測定装置を使用する電気化学測定の両方を介して1つの同じ分析物を検出するための多目的電極を採用することができる。本明細書において、測定範囲及び/又は検出の範囲は、トランジスタに基づく測定と電気化学的測定の間で異なりうる。したがって、1つのトランジスタに基づく方法と1つの電気化学的方法で多目的電極介して分析物を検出する能力は、分析物検出器の測定範囲を増大させうる。具体的には、分析物検出器の測定範囲はしたがって、1桁又は数桁さえも増大されうる。したがって、本発明は概して、1つの同じデバイスで少なくとも2つの測定原理を組み合わせ、これらの測定原理の1つのみを提供する従来の装置よりも増大された測定範囲を有しうる単一装置又は分析物検出器を提供することを可能にしうる。
さらに、1つのトランジスタに基づく方法及び1つの電気化学的方法で多目的電極を介して分析物を検出する能力は、分析物検出器の測定精度を上げることができる。具体的には、トランジスタに基づく方法及び電気化学的方法の測定範囲及び/又は検出の範囲は、少なくとも部分的に重複しうる。したがって、重なり合う検出範囲の少なくとも一部における分析物検出器による分析物の検出結果の平均化は、分析物検出器の測定精度を上げることができる。さらに、1つの同じ装置内で少なくとも部分的に重複する測定範囲をもつ少なくとも2つの異なる測定方法の提供、すなわち分析物検出器は、フェイルセーフ及び/又はバックアップ機構として機能し、したがって分析物検出器の信頼性を高めうる。
本発明の発見をまとめると、以下の実施形態が好ましい。
実施形態1:少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための分析物検出器であって、流体試料に露出可能な少なくとも1つの多目的電極を備え、少なくとも1つの多目的電極と電気的に接触している少なくとも1つの電界効果トランジスタをさらに備え、多目的電極を使用して少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成される少なくとも1つの電気化学測定装置をさらに備える分析物検出器。
実施形態2:多目的電極が、電界効果トランジスタのゲート電極と電気的に接触している実施形態1による分析物検出器。
実施形態3:ゲート電極が電界効果トランジスタの少なくとも1つのチャネル、具体的には少なくとも1つの半導体層と直接又は間接的に物理的に接触している実施形態2による分析物検出器。
実施形態4:多目的電極が、電界効果トランジスタの、ゲート電極及び、電界効果トランジスタのチャネルからなる群より選択される少なくとも1つの要素と少なくとも部分的に同一である実施形態1から3の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態5:電界効果トランジスタが少なくとも1つのチャネル、具体的には少なくとも1つの半導体材料で完全に又は部分的に作られた少なくとも1つのチャネルを備える実施形態1から4の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態6:半導体材料が、無機元素半導体、無機化合物半導体、及び有機半導体からなる群より選択される少なくとも1つの材料、具体的には、グラフェン、層状半導体、カーボンナノチューブ、及び半導体ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも1つの材料を含む実施形態5による分析物検出器。
実施形態7:半導体材料が分析物にアクセス可能な少なくとも1つの面を備え、少なくとも1つの面が金属粒子、具体的には金及び白金からなる群より選択される1つ以上の金属を含む金属粒子によって機能化される実施形態5及び6の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態8:少なくとも2つの導電性電極と相互接続している少なくとも1つのグラフェン層を備え、グラフェン層が、分析物にアクセス可能であり、多目的電極が、少なくとも2つの導電性電極のうちの少なくとも1つ、グラフェン層からなる群の少なくとも1つの要素を備える実施形態1から7の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態9:グラフェン層が、金属粒子、具体的には金属ナノ粒子、より具体的には金ナノ粒子で部分的に覆われている実施形態8による分析物検出器。
実施形態10:少なくとも1つの多目的電極が、電界効果トランジスタのソース電極又はドレイン電極の一方又は両方と電気的に接触している実施形態1から9の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態11:、分析物検出器が、流体試料に露出可能な少なくとも1つのさらなる電極を備え、その少なくとも1つのさらなる電極は、カウンター電極及び基準電極からなる群より選択される少なくとも1つの電極を備え、電気化学測定装置が、多目的電極及びさらなる電極を使用して、少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成されている実施形態1から10の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態12:流体試料に露出可能な少なくとも3つの電極を備え、少なくとも3つの電極の少なくとも1つが多目的電極である実施形態1から11の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態13:多目的電極が金を含む実施形態1から12の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態14:3つの電極がすべて金電極である実施形態13による分析物検出器。
実施形態15:多目的電極が、その多目的電極の面に露出した少なくとも1つの機能要素を備え、少なくとも1つの機能要素が、分析物と相互作用するように構成される実施形態1から14の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態16:機能要素が少なくとも1つの受容体化合物を備え、受容体化合物が少なくとも1つの分析物と結合できる実施形態15による分析物検出器。
実施形態17:受容体化合物が、抗体及びその断片、アプタマー、ペプチド、酵素、核酸、受容体タンパク質又はその結合ドメイン、並びに塩析効果を媒介できる親水性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1つの分析物に結合できる実施形態16による分析物検出器。
実施形態18:少なくとも1つの電気化学測定が、サイクリックボルタンメトリー測定、インピーダンス測定、ポテンショメトリー測定、アンペロメトリー測定、電気化学インピーダンス分光法、ボルタンメトリー、アンペロメトリー、ポテンショメトリー、クーロメトリーからなる群より選択される少なくとも1つの測定を備える実施形態1から17の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態19:少なくとも1つの電気化学測定装置が、電圧源、電流源、電圧計、電流計、インピーダンス計、インピーダンス分光計、周波数分析器、ポテンシオスタット、周波数発生器からなる群より選択される少なくとも1つの装置を備える実施形態1から18の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態20:実施形態1から19の何れか1つによる分析物検出器であって、電気化学測定装置が以下のうちの1つ以上を測定するように構成される:
− 周波数と印加電圧の関数としての、少なくとも1つの電極が多目的電極である分析物検出器の少なくとも2つの電極間のインピーダンスの絶対値、
− 周波数と印加電圧の関数としての、少なくとも1つの電極が多目的電極である分析物検出器の少なくとも2つの電極間のインピーダンスの実数部、
− 周波数と印加電圧の関数としての、少なくとも1つの電極が多目的電極である分析物検出器の少なくとも2つの電極間のインピーダンスの虚数部、
− 第1と第2の電極のうちの少なくとも1つが多目的電極である、分析物検出器の少なくとも1つの第1の電極に印加される信号と、分析物検出器の少なくとも1つの第2の電極の信号応答との間の位相シフト、
− 多目的電極への周期的な印加電圧の関数としての多目的電極を通る電流、
− 多目的電極の静電ポテンシャル、
− 多目的電極を通る電流、
− 多目的電極と、少なくとも1つのさらなる電極、具体的には少なくとも1つのカウンター電極及び/又は少なくとも1つの基準電極との間の電圧。
実施形態21:少なくとも1つのコントローラをさらに備え、そのコントローラが、電界効果トランジスタ及び電気化学測定装置に接続されており、電界効果トランジスタを使用することによって、少なくとも1つのトランジスタ測定を制御するように構成され、さらにくわえて、電気化学測定装置を使用することによって、少なくとも1つの電気化学測定を制御するように構成される実施形態1から20の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態22:コントローラが、トランジスタのドレイン電流を測定することによって、少なくとも1つのトランジスタ測定を制御するように構成される実施形態21による分析物検出器。
実施形態23:コントローラが、電界効果トランジスタ及び少なくとも1つの電気化学的測定を使用して、少なくとも1つの測定を順次作動させるように構成されている実施形態21及び22の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態24:コントローラが、電界効果トランジスタ及び少なくとも1つの電気化学的測定を使用して、少なくとも1つの測定のシーケンスを繰り返し実行するように構成されている実施形態23による分析物検出器。
実施形態25:分析物検出器が少なくとも1つの流体チャネルをさらに備え、少なくとも1つの多目的電極が、流体チャネル内の流体試料と接触するように配置されている実施形態1から24の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態26:流体チャネルが、流体チャネルに少なくとも1つの流体試料を提供するための少なくとも1つの流体入口と、流体チャネルから流体試料を取り除くための少なくとも1つの流体出口を備える実施形態25による分析物検出器。
実施形態27:流体チャネルと流体接触している少なくとも1つの外部参照電極、具体的には少なくとも1つのAg/AgCl基準電極をさらに備える実施形態25及び26の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態28:少なくとも1つの多目的電極が、分析物が透過できる膜で少なくとも部分的に覆われている実施形態1から27の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態29:膜がポリマー膜である実施形態28による分析物検出器。
実施形態30:膜と少なくとも1つの多目的電極の間の空間が、電解質、例えばヒドロゲル電解質で少なくとも部分的に充填される実施形態28及び29の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態31:少なくとも1つの電界効果トランジスタが、イオン感応電界効果トランジスタ(ISFET)、化学的電界効果トランジスタ(ChemFET)、生物学的電界効果トランジスタ(BioFET)、酵素電界効果トランジスタ(ENFET)、拡張ゲート電界効果トランジスタ(EGFET)、溶液−、電解物−、水−、又は液体ゲートFETからなる群より選択される実施形態1から30の何れか1つによる分析物検出器。
実施形態32:少なくとも1つの流体試料中の少なくとも1つの分析物を検出する方法であって、以下のステップを含む方法:
a)少なくとも1つの多目的電極を準備すること、
b)多目的電極と接触している、少なくとも1つの流体試料を準備すること、
c)多目的電極と電気的に接触している少なくとも1つの電界効果トランジスタを使用することによって少なくとも1つのトランジスタ測定を実行すること、及び
d)多目的電極を使用することによって少なくとも1つの電気化学的測定を実行すること。
実施形態33:分析物検出器に言及する前述の実施形態の何れか1つに記載の分析物検出器を使用することを含む実施形態32による方法。
実施形態34:方法ステップc)において、少なくとも1つのトランジスタ測定値が生成され、方法ステップd)において、少なくとも1つの電気化学測定値が生成され、トランジスタ測定値と電気化学測定値が、流体試料中の少なくとも1つの分析物の定量的検出又は定性的検出の一方又は両方のために組み合わされる方法実施形態32及び33の何れか1つによる方法。
実施形態35:ステップd)が、ボルタンメトリー測定、インピーダンス測定、ポテンショメトリー測定、アンペロメトリー測定、クーロメトリーからなる群より選択される少なくとも1つの測定を含む方法実施形態32から34の何れか1つによる方法。
実施形態36:流体中の少なくとも1つの分析物の定性的及び/又は定量的測定のための実施形態1から35の何れか1つで画定されたような分析物検出器の使用。
実施形態37:前記流体が、体液、液体、又は溶解環境試料、及び化学化合物の混合物の溶液からなる流体の群から選択される実施形態1から36の使用。
実施形態38:流体中の少なくとも1つの分析物の前記定性的及び/又は定量的測定が、診断目的、環境管理、食品安全性、品質管理、又は製造プロセスに関与する使用の実施形態1から37の何れか1つの使用。
本発明のさらなる任意選択の特徴及び実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、好ましい実施形態の以下の説明においてより詳細に開示されることになる。その中で、それぞれの任意選択の特徴は、当業者が理解するように、独立した方法でだけでなく任意の実行可能な組み合わせでも実現されうる。本発明の範囲は好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は図面に概略的に描かれている。その中で、これらの図中の同一の参照番号は、同一の又は機能的に同等の要素を指す。
図中:
分析物検出器の例示的な(exemplary)配置図(schematic layout)を示す。 分析物検出器の例示的な(exemplary)配置図(schematic layout)を示す。 分析物検出器の例示的な(exemplary)配置図(schematic layout)を示す。図3Aに概略的に示すタイプの分析物検出器を用いて記録され、電流Idを電圧Vrefの関数としてプロットした測定図(図3B)及び図3Aに概略的に描かれたタイプの分析物検出器の部分図(図3C)を示す。 電流Idを電圧Vgの関数としてプロットした測定図(図4A及びB)並びに交流電圧の周波数の関数として対数目盛でインピーダンスZの大きさと位相シフト角θをプロットした測定図(図4C)を示す。 3つの異なる測定状況について、電圧Idの関数として電流Idをプロットした測定図を示す。 2つの異なる測定状況について、インピーダンスZ’の負の虚数部をインピーダンスZ’の実数部に対してプロットした測定図を示す。 それぞれ2つの異なる測定状況について、電流Idを電圧Vgの関数としてプロットした測定図(図7A)並びにインピーダンスZの大きさと位相シフト角を交流の周波数の関数としてプロットした測定図(図7B)を示す。 標的DNAの非存在下及び存在下で、電圧Vref(図8A)の関数として電流Idをプロットした測定図並びに2つの異なるバッファー濃度(10mM及び100mM、図8B)でのターゲットDNA濃度の関数として電位シフトをプロットした測定図を示す。 TSH特異的抗体の存在を含む4つの異なる測定状況について、電位の関数として電流(図9A)及びリアクタンス対抵抗(図9B)プロットした測定図並びにTSH特異的抗体結合TSHで修飾された面の模式図(図9C)を示す。 TSH特異的抗体の存在を含む4つの異なる測定状況について、電位の関数として電流(図9A)及びリアクタンス対抵抗(図9B)プロットした測定図並びにTSH特異的抗体結合TSHで修飾された面の模式図(図9C)を示す。 異なる測定状況について、リアクタンスXを抵抗Rの関数としてプロットした測定図を示す。 対数目盛でTSHとBSAの濃度の関数としての電圧シフトΔVをプロットしたFET測定の測定図を示す。 分析物検出器の例示的な(exemplary)配置図(図12A)、図12Aに概略的に示されている型の分析物検出器の部分図(図12B)、及び図12Aに概略的に示されている型の分析物検出器で記録された、異なるpH値についてドレイン電流Idを電圧Vrefの関数としてプロットした測定の図を示す(図12C)。 印加された電位Vの関数として電流ICVをプロットした(図13A)、インピーダンスZ’の負の虚数部対インピーダンスZ’の実数部をプロットした(図13B)、ドレイン電流Id対電位Vgをプロットした(図13C及び13D)4つの測定の図を示す。 印加された電位Vの関数として電流ICVをプロットした(図14A)、インピーダンスZ’’の負の虚数部対インピーダンスZ’の実数部をプロットした(図14B)、電流Id対電位Vgをプロットした(図14C及び14D)4つの測定の図を示す。 金属粒子で機能化されたグラフェン面の模式図(図15A)、一晩物理吸着によって金属粒子で機能化されたグラフェン面及び5分間の電着によって金属粒子で機能化されたグラフェン面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像(図15B)を示す。 それぞれ異なるグラフェン面について、電圧Vgの関数として電流Idをプロットした図(図16A)並びにリアクタンスX対抵抗R(図16B及び16C)をプロットした図を示す。 3つの異なるグラフェン面について、電流を時間の関数としてプロットしたアンペロメトリー測定の図を示す。 それぞれ3つの異なるグラフェン面について、電流IdをVgの関数としてプロットした図(図18A)、リアクタンス対抵抗をプロットした図(図18B)を示す。 図19B及び19Cに示される電界効果トランジスタベースの測定に使用できる多目的電極112の実施形態を示す。 図19B及び19Cに示される電界効果トランジスタベースの測定に使用できる多目的電極112の実施形態を示す。 図19Aに描かれている型の多目的電極112を使用したインピーダンス測定の測定図152を示す。 分析物検出器110(図21A)の部分図並びに図21Aに描かれているタイプの分析物検出器110を用いて記録された測定図152(図21B及び21C)を示す。 分析物検出器110(図21A)の部分図並びに図21Aに描かれているタイプの分析物検出器110を用いて記録された測定図152(図21B及び21C)を示す。 同一の多目的電極112を使用したTSHの静電容量測定(図22A及びB)並びにトランジスタに基づく測定(図22C及びD)の測定図152を示す。 同一の多目的電極112を使用したTSHの静電容量測定(図22A及びB)並びにトランジスタに基づく測定(図22C及びD)の測定図152を示す。 TSHのトランジスタに基づく測定のさらなる測定図152を示す。 同一の多目的電極112を使用したグルコースのアンペロメトリー測定(図24A及びB)並びにトランジスタに基づく測定(図24C及びD)の測定図152を示す。 同一の多目的電極112を使用したグルコースのアンペロメトリー測定(図24A及びB)並びにトランジスタに基づく測定(図24C及びD)の測定図152を示す。
図1、2、3A、及び12Aはそれぞれ、少なくとも1つの流体試料111中の少なくとも1つの分析物を検出するための分析物検出器110の例示的な(exemplary)配置図(schematic layout)を示す。分析物検出器110は、流体試料111に露出可能な少なくとも1つの多目的電極112、少なくとも1つの多目的電極112と電気的に接触している少なくとも1つの電界効果トランジスタ114、及び多目的電極112を使用して少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成された少なくとも1つの電気化学測定装置116を備える。
検体検出器110は、少なくとも1つのコントローラ117をさらに備えうる。コントローラ117は、電界効果トランジスタ114及び電気化学測定装置116に接続でき、電界効果トランジスタ114を使用することによって少なくとも1つのトランジスタ測定を制御するため、且つ電気化学測定装置116を使用することによって少なくとも1つの電気化学測定を制御するために構成されうる。一例として、コントローラ117は、例えば、測定のタイミング及び/又は作動のために、且つ/又は測定結果の読み出し及び/若しくは評価のために、少なくとも1つのコンピュータ又はプロセッサであってもよく、又はそれらを備えてもよい。当業者が電気化学測定又はトランジスタ測定を設計するときに知っているであろうように、コントローラは、1つ以上の電圧源、電流源、電圧測定装置、電流測定装置、周波数発生器などの追加要素をさらに備えることができる。
図1に示されるように、分析物検出器110は、少なくとも1つの電気化学測定及び/又は少なくとも1つの電界効果トランジスタに基づく測定を実行するように構成されうる。図3Aに示されるように、多目的電極112は電界効果トランジスタ114のゲート電極120と電気的に接触しうる。図2、3A、及び12Aに示されるように、電界効果トランジスタ114は、少なくとも1つのソース電極122、少なくとも1つのドレイン電極124、及び少なくとも1つのチャネル126をさらに備えうる。
電界効果トランジスタ114は、イオン感応電界効果トランジスタ(ISFET)、化学的電界効果トランジスタ(ChemFET)、生物学的電界効果トランジスタ(BioFET)、酵素電界効果トランジスタ(EN−FET)、図3Aに示されるような拡張ゲート電界効果トランジスタ(EGFET)144、並びに図2及び12Aに示されるような溶液−、電解物−、水−、又は液体ゲートFETからなる群より選択されうる。ゲート電極120及びドレイン電極124は金を含みうる。分析物検出器110は、図1、2、3A、3C、12A、及び12Bに示されるように、基板128をさらに備えうる。基板128は、ガラス、プラスチック、紙、及びケイ素からなる群の少なくとも1つの要素を含みうる。基板128は、図3Aに示されるように少なくとも2つの層を備えうる。
チャネル126は、全体的に又は部分的に少なくとも1つの半導体材料で作られうる。具体的には、チャネル126は、図12Aに示される液体ゲートFETに示されるように、少なくとも1つの半導体層148を備えうる。半導体材料、具体的には、半導電層148は、無機元素半導体、無機化合物半導体、及び有機半導体からなる群より選択される少なくとも1つの材料、具体的にはグラフェン、層状半導体、カーボンナノチューブ、及び半導体ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも1つの材料を含みうる。半導電層148は、分析物にアクセス可能な少なくとも1つの面130を備えうる。少なくとも1つの面130は、図15A、15B、及び15Cに示されるように、金属粒子、具体的には金及び白金からなる群より選択される1つ以上の金属を含む金属粒子によって機能化されうる。他の金属又は合金も可能である。
図3Aに示されるように、ゲート電極120は直接又は間接的に、電界効果トランジスタ114の少なくとも1つのチャネル126と物理的に接触しうる。図3Aに示されるように、多目的電極112は、電界効果トランジスタ114の拡張ゲート電極146と少なくとも部分的に同一でありうる。追加的又は代替的に、多目的電極112は、例えば図2及び12Aに示されるように、電界効果トランジスタ114のチャネル126及び/又はゲート電極120と少なくとも部分的に同一でありうる。
図2では、分析物検出器110の好ましい実施形態が部分図で示されている。電気化学測定装置116及び任意選択のコントローラ117は、この図には示されていない。図2に示されるように、分析物検出器110はさらにチャンバー134を備えうる。チャンバー134は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含んでもよく、又はそれからなってもよい。他の材料、具体的には他のプラスチック材料も可能である。また図2に示されるように、分析物検出器110は不動態化層136をさらに備えうる。不動態化層136はSU−8を含んでもよい。SU−8は、IBMによってもともと開発され、特許を取得された(米国特許第4882245号)EPON SU−8エポキシ樹脂(Shell Chemical製)をベースとするネガ型、エポキシ型、近紫外線フォトレジストである。他の材料、具体的には他のフォトレジストも可能である。図1、2、3A、及び12Aに示されるように、分析物検出器110は、少なくとも1つの流体チャネル138を備えうる。多目的電極112は、流体チャネル138内で流体試料111と接触するように配置されうる。流体チャネル138は、図1及び2に示されるように、少なくとも1つの流体試料111を流体チャネル138に供給ための少なくとも1つの流体入口140及び流体試料111を取り除くための少なくとも1つの流体出口142をさらに備えうる。分析物検出器110は、少なくとも1つの外部基準電極132、具体的には少なくとも1つのAg/AgCl基準電極をさらに備えることができ、図2及び12Aに示されるように、それらは流体チャネル138と流体接触することができる。流体チャネル138及び/又は流体入口140及び/又は流体出口142は、プラスチック材料、具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって少なくとも部分的に囲まれうる。他の材料、具体的には他のプラスチック材料も可能である。
図3Aは、拡張ゲート電界効果トランジスタ144として実装された電界効果トランジスタ114をもつ分析物検出器110を示す。やはり、電気化学測定装置116及び任意選択のコントローラ117はこの図には示されていない。拡張ゲート電界効果トランジスタ144は拡張ゲート電極146を備えうる。拡張ゲート電極146は基板128を備えうる。基板128は、ガラス、プラスチック、紙、及びケイ素からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含みうる。拡張ゲート電界効果トランジスタ144は、同一基板128上に拡張ゲート電極146とともに集積されうる。図3Aに示されるように、拡張ゲート電極146は金、特に金層150を含みうる。金層150は流体試料111に露出可能でありうる。追加的又は代替的に、拡張ゲート電極はまた、他の金属及び/又はグラフェンを含む半導体材料を含むことができ、それらは流体試料111に露出可能な面130を有しうる。
図3Aに示されるように、多目的電極112は金を含みうる。分析物検出器110は、カウンター電極168及び基準電極132からなる群より選択される少なくとも1つの電極を備える少なくとも1つのさらなる電極を備えうる。電気化学測定装置116は、多目的電極112及びさらなる電極を使用して少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成されうる。分析物検出器110は、流体試料111に露出可能な少なくとも3つの電極を備えうる。その少なくとも3つの電極のうちの少なくとも1つは多目的電極112である。3つの電極はすべて、金電極であってもよい。
分析物検出器110は、基準電極132、特にAg/AgCl電極をさらに備えうる。他の組み合わせも実行可能である。
図3Bは、電圧Vrefの関数として電流Idをプロットした、図3Aに概略的に示されている型の分析物検出器110を用いて記録された測定図152を示す。電圧VrefはまたVgでも示されうる。したがって、Vref及びVgは、図面及び実施形態の記載を通して同義的に使用される。電流Idは、線形目盛のy軸(図3Bの図152の左側のy軸)を使用して1回プロットされ、対数目盛のy軸(右側のy軸)を使用して1回プロットされる。左側のy軸に関するグラフは186で表される。右側のy軸に関するグラフは184で表される。図3Bからわかるように、ドレイン電流Idは、基準電極132の電位Vrefの関数として非線形に変化する。図3Cは、拡張ゲート電界効果トランジスタ144の一部として拡張ゲート電極146を備えた、図3Aに概略的に示されている型の分析物検出器110の部分図を示す。図3Cに示される拡張ゲート電極146は金、特に金層150を備える。金層150は流体試料111に露出可能である。図3Cに示されるような拡張ゲート電極146は、金層150を担持している基板128をさらに備える。基板128は、さらなる電極として機能しうる3つのさらなる金層150を有する。さらなる電極は対照電極として機能しうる。さらなる電極は追加の多目的電極112として使用されうる。多目的電極112及び少なくとも1つの追加の多目的電極112はすべて、同じ方法で機能化されうる。同じ方法で機能化された少なくとも2つの多目的電極112を使用して、電界効果トランジスタに基づく測定の精度を上げることができる。代替的に、少なくとも2つの多目的電極112は異なる方法で機能化されて、例えば参照測定を可能にすることができる。図3Cに示される拡張ゲート電極146は、電界効果トランジスタ114のチャネル126と電気的に接触している。図3Cに部分的に示される拡張ゲート電極FET144は、ソース電極122(図示せず)及びドレイン電極124(図示せず)をさらに備える。
図4A、4B、及び4Cは、図3A及び図3Cに示されている型の分析物検出器110を用いて記録された測定図152を示す。図4A及び4Bは、0分(232)、5分(234)、及び10分(236)のMES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)バッファー中でのインキュベーションに対応する3つの異なる測定について、ドレイン電流Idをゲート電圧Vgの関数としてプロットした、電界効果トランジスタに基づく測定で記録された測定図152を示す。図4A及び4Bでは、大部分において、3つの異なる測定の3つのグラフが重なり合い、互いに区別できないか、又はほとんど区別できない。図4A及び4Bはそれぞれ、電界効果トランジスタに基づく測定のためのバッファーにおける安定且つ再現性のあるベースラインを示す。図4Cは、バッファー中での0分(232)、5分(234)、及び10分(236)のインキュベーションに対応する3つの異なる測定について、交流電圧の周波数fの関数として、インピーダンスZの大きさ(左側のy軸186)及び位相シフト角θ(右側のy軸184)をプロットした電気化学的測定の測定図152である。測定図152は、3つのインピーダンス測定及び3つの位相シフト角θ測定を示す。この場合もやはり、インピーダンス及び位相シフト測定の両方について、3つの異なる測定値の3つのグラフが大部分重なり合い、互いに区別できないか、又はほとんど区別できない。
多目的電極112は、図7B及び図9Cに示されるように、その面155に露出した少なくとも1つの機能要素153を備えることができ、少なくとも1つの機能要素153は分析物と相互作用するように構成することができる。機能要素153は、少なくとも1つの分析物を結合できる少なくとも1つの受容体化合物を備えることができる。少なくとも1つの分析物を検出できる受容体化合物は、抗体及びその断片、アプタマー、ペプチド、酵素、核酸、受容体タンパク質又はその結合ドメイン、並びに塩析効果を媒介できる親水性ポリマーからなる群より選択されうる。図5は、流体試料111に露出可能な金層150を有する拡張ゲート電極146を備える拡張ゲート電界効果トランジスタ144を備える分析物検出器110で記録されたデータを表示する測定図152を示す。この場合、多目的電極112は、金層150を備える拡張ゲート電極146を備えることができる。図5は、3つの異なる測定状況、すなわち、拡張ゲート電極146をベア金(bare gold)154の金層150とともに使用した状況、二本鎖DNA156を金層150上に固定化した後に拡張ゲート電極146を金層150とともに使用した状況、及び金層150上の二本鎖DNA158をデハイブリダイゼーションした後に拡張ゲート電極146を金層150とともに使用した状況について、ドレイン電流Idをゲート電圧Vgに対してプロットした電界効果トランジスタに基づく測定を示す。図5に見られるように、電界効果トランジスタに基づく測定は、拡張ゲート電極146上の二本鎖DNA分子の存在(グラフ156)とデハイブリダイゼーション後の拡張ゲート電極146上の一本鎖DNA分子(グラフ158)とを明確に区別することができる。
分析物検出器110はまた、電気化学的測定、例えば、図6の測定図152に見られるように、多目的電極112の金層150上の一本鎖DNAの存在(グラフ160)と一本鎖DNAの非存在(グラフ154)とを識別できるインピーダンス測定に使用することができる。図6の測定図152は、今述べた2つの異なる測定状況について、インピーダンスZ’の負の虚数部対インピーダンスZ’の実数部をプロットしている。
図7A及び7Bは、ここでもやはり、電界効果トランジスタに基づく測定(図7A)及び電気化学測定(図7B)の両方において、一本鎖DNA160の存在と二本鎖DNA161の存在とを区別する分析物検出器110の能力を示す。図7Aは、2つの異なる測定状況、すなわち、拡張ゲート電界効果トランジスタ144の拡張ゲート電極146の金層150上のプローブDNAとしての一本鎖DNA160の存在、及び1μMの一本鎖標的DNAを添加した後の、一本鎖標的DNAと一本鎖プローブDNAのハイブリダイゼーションの結果としての二本鎖DNA161の存在について、ドレイン電流Id対ゲート電圧Vgをプロットした測定図152を示す。したがって、この例では、一本鎖プローブDNAが機能要素153として機能する。図7Bは、今述べたのと同じ2つの測定状況について、交流電圧の周波数fの関数としてインピーダンスZの大きさ及び位相シフト角θをプロットしている。一本鎖DNA160の存在下及び二本鎖DNA161の存在下における位相シフト角θに対応する2つのグラフは、互いに明確に区別可能である。
図8A及び図8Bは、金層150上に固定化された一本鎖プローブDNAをもつ金層150を備える拡張ゲート電極146をもつ拡張ゲート電界効果トランジスタ144を使用した電界効果トランジスタに基づく測定による測定図152を示す。図8Aは、1nMの標的DNA163の存在下及び標的DNA162の非存在下における参照電極132の電位Vrefの関数としてドレイン電流Idをプロットしたものである。電界効果トランジスタに基づく測定は、矢印で示されるように、標的DNA160の存在下で電位シフトΔVを検出できることが明らかである。図8Bは、バッファー溶液の2つの異なるイオン強度(10mM及び100mM)についての標的DNA濃度の関数としての電位シフトΔVをプロットしたものである。標的DNA濃度の増加及びイオン強度の低いバッファー中でのデバイ長の増加とともに、電位シフトΔVの大きさは増加する。
図9A及び図9Bは、抗TSH抗体を担持するアミノチオフェノール単層164で修飾された金層150をもつ多目的電極112を備える分析物検出器110の電気化学測定装置116を使用して実施された電気化学測定に基づく測定図152を示す。ここでTSHは甲状腺刺激ホルモンを表す。図9Aは、4つの異なる測定状況について、すなわち、多目的電極112の金層150が、ベア金(bare gold)154若しくはアミノチオフェノール単層164で覆われた金のいずれかである状況、又はアミノチオフェノール単層164で覆われた金が抗TSH抗体166でさらに修飾された状況、又は50mM MESバッファー(pH=7)に1pMのTSH167をさらに存在する状況について、印加電圧Vの関数として多目的電極112とカウンター電極168の間の電流Icvをプロットしたサイクリックボルタンメトリー測定を示す。図9Bは、図9Aについて今述べたのと同じ4つの測定状況について、リアクタンスX、すなわちインピーダンスZの虚数部を、抵抗R、すなわちインピーダンスZの実数部に対してプロットしている。図9Aに示されたサイクリックボルタンメトリー測定と図9Bに示されたインピーダンス測定はともに、分析物検出器110が1pM程度に少ないTSHを検出できうることを示し、分析物検出器110の感度が高い可能性及び医療用途での使用の可能性を示している。図9Cは、機能要素153として抗TSH抗体166を備える、図9A及び図9Bの電気化学的測定において使用されるような多目的電極112の層状の修飾の模式図を示す。具体的には、この実験若しくは他の実験、又はこの実施形態若しくは他の実施形態、具体的には図11、19、及び20に使用及び/又は記載されている抗TSH抗体は、抗TSH F(ab’)2断片と表されることもある抗TSH抗体の抗TSH F(ab’)2断片でありうる。
図10A及び図10Bは、リアクタンスX、すなわちインピーダンスZの虚数部を、抵抗R、すなわちインピーダンスZの実数部に対してプロットした測定図152を示す。図10Aの場合、多目的電極112は、図9Cに示されるように、単層164及び抗TSH抗体166で修飾された金層150を有する。多目的電極112とカウンター電極168の間で実施されるインピーダンス測定は、5つの異なる濃度のTSHを明確に区別することができる。図10Bの場合、インピーダンス測定は、アミノチオフェノール単分子層164(自己組織化SAM)を担持する金層150を有する多目的電極112と、多目的電極112の金層150のさらなる修飾の非存在である、したがって、抗TSH抗体が非存在、且つTSHが非存在であるカウンター電極168との間で実施される。アミノチオフェノール単層164は自己組織化単層(SAM)でありうる。6つのインピーダンス測定のドリフトは、測定過程中に経過した時間に起因しうる。
図11は、機能要素153として抗TSH F(ab’)2抗体断片170で修飾された金層150を有する拡張ゲート電極146をもつ電界効果トランジスタ114を使用した電界効果トランジスタに基づく測定による測定図152を示す。断片170は、短い(0.5kDa)二官能性PEGリンカー分子(PEGをそれぞれ金層150及び抗TSH F(ab’)抗体断片170に結びつけるチオール及びカルボキシル基)を介して、拡張ゲート電極146上に固定化される。くわえて、長い(10kDa)単官能化(チオール化)PEGが脱塩剤として金層150に添加される。垂直軸上に、ミリボルト(mV)単位で与えられる電圧シフトΔVが、mol/l単位で与えられる化合物(分析物TSH又は対照試料BSA)の濃度cの関数として示される。BSAはウシ血清アルブミンを表す。図11に示されている結果は、拡張ゲート電極146が抗TSH F(ab’)2抗体断片(170)で修飾されている場合、分析物検出器110がTSHとBSAの存在を識別でき、TSHの異なる濃度を区別できることを明確に示している。
分析物検出器110は電界効果トランジスタ114を備える。多目的電極112は、電界効果トランジスタ114のゲート電極120及び電界効果トランジスタ114のチャネル126からなる群より選択される少なくとも1つの要素と少なくとも部分的に同一でありうる。図12Aは、ソース電極122及びドレイン電極124、チャネル126及びゲート電極120を備える、液体ゲートFETとして実装された電界効果トランジスタ114を示す。この場合、図12Aのゲート電極120は、基準電極132と導電性電解液238を備える。図12Aの多目的電極112は、チャネル126と少なくとも部分的に同一である。図12Aのチャネル126はグラフェン層172を備える。したがって、この場合、半導体層148はグラフェン層172と同一である。グラフェン層172は、分析物にアクセス可能な面130を備える。図12Aに示されている電界効果トランジスタ114は基準電極132をさらに備える。図12Bは、図12Aに概略的に示されている型の電界効果トランジスタ114の部分図を示す。図12Cは、図12Aに概略的に示されている型の電界効果トランジスタ114を用いて記録された、相異なるpH値について電流Idを電圧Vrefの関数としてプロットした測定図152を示す。
分析物検出器110は、多目的電極112を使用して少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成された少なくとも1つの電気化学測定装置116を備える。電気化学測定装置116は、この図には示されておらず、多目的電極112に電気的に接続して追加することができる。電気化学的測定は、以下からなる群より選択される少なくとも1つの測定を備えうる:サイクリックボルタンメトリー測定、インピーダンス測定、ポテンショメトリー測定、アンペロメトリー測定、電気化学インピーダンス分光法、ボルタンメトリー、アンペロメトリー、ポテンショメトリー、クーロメトリー。図13A及び図13Bは、電気化学的測定、すなわちサイクリックボルタンメトリー測定(図13A)及びインピーダンス測定(図13B)に基づく測定図152を示し、図12A及び12Bに記載のグラフェン層172は電気化学的測定における多目的電極112として機能する。図13Aに示される測定図152は、印加された電圧Vの関数として多目的電極112とカウンター電極168の間で測定された電流ICVをプロットしたものである。図13Bに示される測定図152は、インピーダンスZ’’の負の虚数部(「虚数部」はしばしば「リアクタンス」Xとも呼ばれる)対インピーダンスZ’の実数部(「しばしば「抵抗」Rとも呼ばれる)をプロットしたものである。図13C及び図13Dは、図13A及び13Bの測定図152に示される電気化学測定において多目的電極112に使われたグラフェン層172を備える同じ多目的電極112を使用して行われた電界効果トランジスタに基づく測定による測定図152を示す。図13Cの測定図152に示されたデータは、イオン感応電界効果トランジスタ114として実装された電界効果トランジスタ114を用いて記録された。図13Dの測定図152に示されたデータは、拡張ゲート電界効果トランジスタ144として実装された電界効果トランジスタ114を使用して記録された。図13Cと図13Dはともに、ゲート電圧VGの関数としてプロットされたドレイン電流Idを示す。
グラフェン層172は、図15Aに見られるように、金属粒子174で、特に金粒子176で少なくとも部分的に覆うことができる。図14A〜図14Dは、多目的電極112のグラフェン層172が金粒子174で部分的に覆われている、図13A〜図13Dに示される測定図に対応する測定図152を示す。図15B及び15Cは、一晩の物理吸着によって(図15B)及び5分間(図15C)の電着によって金粒子176が蒸着したグラフェン層172を示す。
図16A、16B、及び16Cは、金粒子176で部分的に覆われたグラフェン層172を備える多目的電極112を使用して分析物検出器110で記録された測定図152を示す。図15Cに示されるように、金粒子176は電着によってグラフェン層172上に蒸着させることができる。電着の時間はさまざまでありうる。図16Aは、金粒子176で部分的に覆われたグラフェン層172を備えるゲート電極120を使用して行われたいくつかの電界効果トランジスタに基づく測定を示し、グラフェン層172上の金粒子176の蒸着時間は0〜80分の間で変化させた。同様に、図16Bは、金粒子176で部分的に覆われたグラフェン層172を備える多目的電極112を使用して実施されたいくつかのインピーダンス測定を示し、グラフェン層172上への金粒子176の蒸着時間は0〜30分の間で変化させた。図16Cは、80分の蒸着時間の後に行われた対応する測定を示す。
図17は、アンペロメトリー測定を表す測定図152を示す。多目的電極112とカウンター電極168の間の電流Iは、3つの異なる測定について時間tの関数としてプロットされ、各測定はグラフェン層172を備える多目的電極112を使用し、グラフェン層172はその上に蒸着された金属粒子174を有しない(0’)、又は、グラフェン層172は、40分間(40’)又は60分間(60’)の電着によってその上に蒸着された金粒子176を有する。図17に示されている3つのアンペロメトリー測定は、3つの異なる濃度の電気活性種[Fe(CN)64-:2.5、12.5、及び25mMの存在下で実施した。[Fe(CN)64-濃度が増加するにつれて電流は増加する。観察された電流変化は、金粒子176がその上に蒸着されたグラフェン層172に関してより顕著であり、60分の蒸着時間は40分の蒸着時間よりも高い感度をもたらす。
電界効果トランジスタに基づく測定と電気化学測定はともに、ポリエチレングリコール(PEG)の存在下で、具体的には図18A及び18Bの測定図152に示されるようなピレンPEG(P−PEG)及び/又はチオール化PEG(S−PEG)の存在下で行うことができる。図18Aは、ゲート電圧Vgの関数としてドレイン電流Idをプロットした電界効果トランジスタに基づく測定の測定図152を示す。測定は、40分間の電着によってグラフェン層172上に蒸着された金粒子176で部分的に覆われたグラフェン層172を備える電界効果トランジスタ114を使用して実施された。電界効果トランジスタに基づく測定は、PEG178の非存在下、又はピレンPEG180の存在下、又はチオール化PEG182の存在下のいずれかで実施された。同様に、図18Bは、PEG178の非存在下、又はピレンPEG180の存在下、又はチオール化PEG182の存在下のいずれかで実施されたインピーダンス測定の測定図152を示す。
分析物検出器110は、図10A、図19B、及び図19Cに示されるように、電界効果トランジスタに基づく測定を介して、且つ/又は電気化学測定を介して、具体的には図20に示されるようにインピーダンス測定を介して、TSHを検出及び/又は異なる濃度のTSHを区別することができうる。多目的電極112は、図19Aに示されるようにグラフェン層172を備えることができる。グラフェン層172は、多目的電極112上へのグラフェン転写によって調製することができる。グラフェン層172は、PEGの添加によって、特にチオール化PEG(S−PEG)の添加によって、具体的には短い(0.5kDa)二官能性カルボキシル化チオールPEG(SH−PEG−COOH)240の添加によって修飾することができ、図19Aに示されるように、抗TSH抗体170、特にF(ab)’2 TSH抗体断片を備えうる機能要素153の結合部位として少なくとも部分的に機能しうる。グラフェン層172はまた、有効デバイ長を増加させることができる長い(10kDa)単官能性メトキシ末端チオールPEG(SH−PEG−OCH3)242の共固定化によって修飾することができる。PEGのチオール基は、マレイミド化学を介してグラフェン層172上のピレンリンカーに結合することができる。図19B及び図19Cは、図19Aに示されている型の多目的電極112を使用して記録された測定図152を示す。図19Bでは、電流Idは、基準電極132の電圧Vrefの関数としてプロットされている。図19Cは、この実験で分析物となるTSHの濃度c、又はこの実験で対照試料となるBSAの濃度の関数としての電圧シフトΔVCNPをプロットしたものである。本明細書においてCNPは電荷中性点を表す。図19Cに示されるシフトΔVCNPは、図19Bの測定図152から、TSAを含有する試料(190、192、200、202、204、206、208)に対応するグラフの最小値のx座標と、TSHを含まない試料に対応するグラフ188のx座標との差として計算することができる。図19Cのx軸は濃度cを対数目盛で表示する。図19B及び19Cは、分析物検出器110が電界効果トランジスタ114を使用してTSHの少なくとも6つの異なる濃度を明確に区別できることを示す。図19Aに示されている型の多目的電極112もまた、図20に示されるインピーダンス測定に使用することができる。図20は、リアクタンスX対インピーダンスRをプロットした測定図152を示す。図20は、分析物検出器110が電気化学的測定装置116、特にインピーダンス測定を用いて1nMのTSH194を再現可能に検出することができることを示す。
分析物検出器110はまた、ガス状分析物の分析用に構成されうる。特に、分析物検出器110は、少なくとも1つの血液ガス、具体的にはCO2の分析のために構成されうる。図21Aは、多目的電極112が少なくとも部分的に膜214によって覆われている分析物検出器110の部分図を示す。膜214はPDMSを含んでもよく、又はそれからなってもよい。膜214は、分析物に少なくとも部分的に透過性でありうる。図21Aの断面図に示されるような分析物検出器110は、膜216と多目的電極112の間に空間216をさらに備えうる。空間216は、図21Aにも示されるように電解質218、具体的にはヒドロゲル電解質、より具体的にはアガロースヒドロゲルに溶解された重炭酸塩緩衝剤で部分的に充填することができる。図21Aに示されている多目的電極112は、pHに高感度でありうる面130を有しうる。図21Bは、mmHgの単位で与えられる5つの異なるCO2分圧について、電圧Vrefの関数として対数目盛上に電流Idをプロットした測定図152を示す。図21Bに示される測定は、21Aに示されている型の分析物検出器110を用いた拡張ゲート電界効果トランジスタに基づく測定で記録される。図21Cは、x軸上の対数目盛に与えられているCO2分圧を用いて、CO2分圧の関数として電圧シフトΔVをプロットした測定図152を示す。測定図152に示されたデータ点は、図21Bに示されたデータから導出される。図21B及び21Cは、分析物検出器110が、脱イオン水220と、少なくとも5つの相異なるCO2分圧、222、224、226、及び228とを区別することができることを示す。
図22A〜図22Dは、TSH分子199の静電容量測定(図22A及びB)及びトランジスタベースに基づく測定(図22C及びD)の形態の電気化学測定の測定図152を示す。両測定は同じ多目的電極112を使用している。したがって、この具体例では、1つの同じ多目的電極112を利用する2つの異なる測定技術、1つのトランジスタに基づく方法及び1つの電気化学的な方法を用いて分析物TSH199を検出するために多目的電極112が使用される。使用される多目的電極112は、図19Aに図示され、対応する本文に記載されている型のものである。特に、図22A〜22Dの測定図152に示されるようにTSH分子199の検出に用いられる多目的電極112は、短い(約0.5kDa)二官能性カルボキシル化PEG240で修飾されたグラフェン層172を備え、この場合は抗TSH抗体170、特にF(ab’)2TSH抗体断片を備える機能要素153に対する結合部位として少なくとも部分的に機能しうる。グラフェン層172は、有効デバイ長を増加できる長い(10kDa)単官能性メトキシ末端チオールPEG(SH−PEG−OCH3)242の共固定化によってさらに修飾される。図22Aは、流体試料が、TSH分子199を含まないバッファーであるか、又は流体試料が、次のTSH濃度:0.1nM TSH、1nM TSH、10nM TSH、若しくは100nM TSHのうちの1つを含むバッファーである5つの異なる状況について、Hz単位の印加交流電圧の周波数fの関数としての静電容量CをμF単位で示す。相異なるTSH濃度は、それぞれ、参照番号244、246、248、250、及び252が付けられている。図22Bは、10-1Hzで交番する電圧についてnm単位のTSH分子199の濃度の関数としてμF単位の静電容量を示す。TSH分子199の濃度は対数目盛でプロットされている。TSH分子199を含まないバッファーの静電容量Cは、図22Bにおいて、対応する参照番号244が付けられた直線で示される。図22Cでは、流体試料が、TSH分子199も含まず、BSAも含まないバッファーである、又は流体試料が、100nM BSAを含み、TSH分子199を含まないバッファーである、又は流体試料が、次のTSH濃度:100fM TSH、1pM TSH、50pM TSH、100pM TSH、若しくは1nM TSHのうちの1つを含み、BSAを含まないバッファーである7つの異なる状況について、電流IdがFET114のゲート電極120のゲート電圧Vgの関数としてプロットされている。TSH199及びBSAの相異なる濃度は、それぞれ、参照番号254、256、258、260、262、264、及び266が付けられている。図2に示されるような測定設定が用いられた。
図22Dは、TSH199の濃度の関数としての電圧シフトΔVCNPをプロットしたものである。本明細書においてCNPは電荷中性点を表す。シフトΔVCNPは、図22Cの測定図152から、TSH(258、260、262、264、及び266)又はBSA(256)を含有する試料に対応するグラフの最小値のx座標と、TSHもBSAも含まない試料254に対応するグラフのx座標との差として計算することができる。図22Dのx軸はTSHの濃度を対数目盛で表示する。100nM BSAを含み、TSH分子199を含まないバッファーを含有する試料256のシフトΔVCNPは、対応する参照番号256が付けられた破線の直線で図22Dに示される。
図22B及び図22Dは、電気化学的測定及びトランジスタに基づく測定の両方を利用することによって、分析物検出器110の測定範囲が、たった1つの測定方法を利用する分析物検出器と比較して著しく向上しうることを示す。この特定の例では、静電容量測定として行われる電気化学測定の測定範囲は主にナノモル(nM)範囲をカバーし、一方トランジスタに基づく測定の測定範囲は主にピコモル(pM)範囲をカバーする。したがって、電気化学的測定にくわえてトランジスタに基づく測定を使用することによって、分析物検出器110の測定範囲を実質的に、例えば1桁又はさらには数桁拡大することができる。
図23Aは、図22C及び22Dに示されたデータを取得するために使用されたのと同じ型の電界効果トランジスタ114を用いて実施されたTSH199のトランジスタに基づく測定のさらなる例を示す。図23Aでは、流体試料が、TSH分子199を含まないバッファーである、又は流体試料が、次のTSH濃度:10fM TSH、1pM TSH、10pM TSH、50pM TSH、100pM TSH、1nM TSH、若しくは10nM TSHのうちの1つを含むバッファーである8つの異なる状況について、FET114のゲート電極120のゲート電圧Vgの関数として電流Idがプロットされている。相異なるTSH濃度は、それぞれ、参照番号268、270、272、274、276、278、280、及び281が付けられている。図23Bは、第1の組の測定を構成する、図23Aに示されているデータについて、電圧シフトΔVCNPをTSH199の濃度の関数としてプロットしたものである。図23Aのデータから計算されたΔVCNP値は、参照符号282が付けられている。シフトΔVCNPは、図22C及び図22Dに関して上記したように、図23Aの測定図152から計算することができる。さらに図23Bは、第2の組の測定を構成する別々のFET測定から得られたΔVCNP値をプロットしたものである。第1の組及び第2の組の測定は別々のFET114を用いて実施された。第2の組の測定については、計算されたΔVCNP値のみがプロットされている。これらのΔVCNP値は、参照符号284が付けられている。参照番号270が付けられた10fMのTSH濃度の場合、第1の組の測定282及び第2の組の測定284の測定は重なり合う。ΔVCNPの形成の基準点は、この場合リアルタイム測定を使用して決定された。ここには示されていない。
図23A及び図23Bは、ここでもやはり、分析物検出器110のFETに基づく測定がピコモル範囲を備える測定範囲を網羅することを示している。
図24A〜24Dは、サイクリックボルタンメトリー測定(図24A及び24B)の形態のグルコースの電気化学的測定並びにトランジスタに基づく測定(図24C及び図24D)の形態のグルコースの電気化学的測定の測定図152を示す。ここでもやはり、両方の測定は同じ多目的電極112を使用する。したがって、この具体例では、多目的電極112を使用して、1つの同じ多目的電極112を利用する2つの異なる測定技術、1つのトランジスタに基づく方法及び1つの電気化学的方法を使用して分析物グルコースを検出する。グルコース検出では、グラフェン層172を備える多目的電極112が使用され、グラフェン層172は、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)がグラフェン層172上に固定化されるように修飾される。好ましくは、リンカーとして1−ピレン酪酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(PBA−NHS)を介する。好ましくは、PBA−NHSの固定化は、PBA−NHSを、例えば1mMの濃度で、溶媒、好ましくはエタノール中にて、グラフェン層172に塗布することによって行われる。さらなる工程において、好ましくは1mg/mLの濃度でGDHは添加されうる。さらに、フェロセンメタノール(FcMeOH)などの酸化還元メディエータを添加してもよい。グラフェン層172上に固定化されたPBA−NHS分子は、GDH分子を結合し、したがってそれらGDH分子をグラフェン層172上に固定化することができる。GDHの存在下では、グルコースはグルコラクトンに酸化でき、一方でフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)はFADH2に還元することができる。FcMeOHなどの酸化還元メディエータの存在下において、FADH2はFcMeOHなどの酸化還元メディエータを還元しながらFADに酸化でき、電子を多目的電極112に送達することができる。グルコース検出の場合、多目的電極112はFET114のゲート電極120として使用でき、図24C及び図24Dに示されるように検体検出器110のFETに基づく測定を介してグルコース検出を可能にすることができる。電気化学測定を使用してグルコースを検出する場合、多目的電極112はさらに、例えば図24A及び24Bに示されるようなサイクリックボルタンメトリー測定のための作用電極として使用することができる。上記の酸化還元連鎖反応は、例えば、グルコース濃度及び印加電位の関数として電流及び/又は電流密度を検出することを可能にしうる。図24Aは、液体試料が、グルコースを含まないバッファーである、又は液体試料が、次のグルコース濃度:1mM、2mM、5mM、10mM、若しくは20mMのうちの1つを含むバッファーである6つの異なる状況について、印加電極E対基準電極(Ag/AgCl)に対して電流密度jを単位μA/cm2でプロットしたものである。相異なるグルコース濃度は、それぞれ、参照番号286、288、290、292、294、及び296が付けられている。図24Aに表示されたデータは、電気化学的グルコース検出の第1の組の測定298を構成する。図24Bは、電気化学的グルコース検出の第1の組の測定298を構成する、図24Aに表示されたデータについてグルコース濃度の関数としてΔI/Iblankをプロットしたものである。この文書全体を通して、分子の濃度は角括弧内の分子によって示される場合がある。図24Bはさらに、第2組の測定300を構成する別個のサイクリックボルタンメトリー測定値から生じるΔI/Iblank値をプロットしたものである。第1の組の測定298及び第2の組の測定300は、別個の電気化学測定装置116を用いて実施された。第2の組の測定300については、計算されたΔI/Iblank値のみがプロットされている。本明細書において、Iは、電流密度jに対応する電流値であり、Iblankは、グルコースを含まないバッファーを含有する試料286によって生成された電流値を表し、ΔIは、両方の電流値がピーク値(〜0.3V)で得られるときの、グルコースを含有する試料の電流値及びグルコースを含まないバッファーを含有する試料286の電流値との差である。
グルコース濃度はさらに、上記のように多目的電極112を使用することによって、トランジスタに基づく測定を用いて決定することができ、多目的電極112はゲート電極120として機能することができる。図24Cでは、図2に示されるような設定を使用することによって、図24A及び24Bに示されるサイクリックボルタンメトリー測定に関して既に説明した6つの異なる状況について、電流Idがゲート電圧Vgの関数としてプロットされている。図24Dは、グルコース濃度の関数としての電圧シフトΔVCNPを示す。シフトΔVCNPは、図24Cの測定図152から、グルコース(288、290、292、294、及び296)を含有する試料に対応するグラフの最小値のx座標と、グルコースを含まない試料286に対応するグラフのx座標との差として計算することができる。図24Dのx軸はグルコース濃度を対数目盛で表示する。図24Dは、参照番号302で表される第1の組のトランジスタに基づくグルコース測定を構成する、図24Cに表示されたデータについてのグルコース濃度の関数としての電圧シフトΔVCNPをプロットしている。図24Cのデータから計算される図24DのΔVCNP値も参照符号302が付けられている。さらに図24Dは、第2の組の測定304を構成する別個のトランジスタに基づく測定から得られたΔVCNP値をプロットしたものである。第1の組の測定302及び第2の組の測定304は別個のFET114を用いて実施された。第2の組の測定304については、計算されたΔVCNP値のみがプロットされている。
110 分析物検出器
111 流体試料
112 多目的電極
114 電界効果トランジスタ
116 電気化学測定装置
117 コントローラ
120 ゲート電極
122 ソース電極
124 ドレイン電極
126 チャネル
128 基板
130 面
132 基準電極
134 チャンバー
136 不動態化層
138 流体チャネル
140 流体入口
142 流体出口
144 拡張ゲート電界効果トランジスタ
146 拡張ゲート電極
148 半導電層
150 金層
152 測定図
153 機能要素
154 ベア金(bare gold)
155 多目的電極面
156 二本鎖DNAの固定化
158 二本鎖DNAの脱ハイブリダイゼーション
160 一本鎖DNAの存在
161 二本鎖DNAの存在
162 標的DNAの非存在
163 標的DNAの存在
164 アミノチオフェノール単層
166 抗TSH抗体
167 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
168 カウンター電極
170 抗TSH抗体断片
172 グラフェン層
174 金属粒子
176 金粒子
178 PEGの非存在
180 ピレンPEGの存在
182 チオール化PEGの存在
184 右側のy軸に関するグラフ
186 左側のy軸に関するグラフ
188 TSH無し
190 10pM TSH
192 100pM TSH
194 1nM TSH
196 10nM TSH
198 100nM TSH
199 TSH分子
200 100nM BSA
202 100fM TSH
204 1pM TSH
206 50pM TSH
208 1000pM TSH
210 TSH
212 BSA
214 膜
216 空間
218 電解質
220 脱イオン水
222 8.36mmHg
224 20.9mmHg
226 41.8mmHg
228 83.6mmHg
230 209mmHg
232 バッファー中での0分間のインキュベーション
234 バッファー中での5分間のインキュベーション
236 バッファー中での10分間のインキュベーション
238 導電性電解液
240 短い二官能性カルボキシル化PEG
242 長い単官能性メトキシ末端PEG
244 TSHを含まないバッファー
246 0.1nMのTSHを含むバッファー
248 1nMのTSHを含むバッファー
250 10nMのTSHを含むバッファー
252 100nMのTSHを含むバッファー
254 BSHもTSHも含まないバッファー
256 100nMのBSAを含み、TSHを含まないバッファー
258 100fMのTSHを含むバッファー
260 1pMのTSHを含むバッファー
262 50pMのTSHを含むバッファー
264 100pMのTSHを含むバッファー
266 1nMのTSHを含むバッファー
268 100nMのBSAを含み、TSHを含まないバッファー
270 10fMのTSHを含むバッファー
272 1pMのTSHを含むバッファー
274 10pMのTSHを含むバッファー
276 50pMのTSHを含むバッファー
278 100pMのTSHを含むバッファー
280 1nMのTSHを含むバッファー
281 10nMのTSHを含むバッファー
282 第1の組のトランジスタに基づくTSH測定
284 第2の組のトランジスタに基づくTSH測定
286 グルコースを含まないバッファー
288 1mMのグルコースを含むバッファー
290 2mMのグルコースを含むバッファー
292 5mMのグルコースを含むバッファー
294 10mMのグルコースを含むバッファー
296 20mMのグルコースを含むバッファー
298 第1の組の電気化学的グルコース測定
300 第2の組の電気化学的グルコース測定
302 第1の組のトランジスタに基づくグルコース測定
304 第2の組のトランジスタに基づくグルコース測定

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの流体試料(111)中の少なくとも1つの分析物を検出するための分析物検出器(110)であって、前記流体試料(111)に露出可能な少なくとも1つの多目的電極(112)を備え、前記少なくとも1つの多目的電極(112)と電気的に接触している少なくとも1つの電界効果トランジスタ(114)をさらに備え、前記多目的電極(112)を使用して少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成される少なくとも1つの電気化学測定装置(116)をさらに備え、少なくとも1つのコントローラ(117)をさらに備え、前記コントローラ(117)が前記電界効果トランジスタ(114)及び前記電気化学測定装置(116)に接続され、前記電界効果トランジスタ(114)を使用することによって少なくとも1つのトランジスタ測定を制御するように構成され、さらにくわえて、前記電気化学測定装置(116)を使用することによって前記少なくとも1つの電気化学測定を制御するように構成され、ここで前記電界効果トランジスタ(114)及び前記電気化学測定装置(116)は、前記電界効果トランジスタ(114)及び前記電気化学測定装置(116)の両方の一部を形成する前記多目的電極(112)を除いて、分析物検出器(110)の別個の構成要素を形成し、そしてここで前記電界効果トランジスタを用いることによる前記トランジスタ測定と、前記電気化学測定装置(116)を用いることによる前記電気化学測定が、別個かつ離れた測定であ、分析物検出器。
  2. 前記コントローラ(117)が、前記電界効果トランジスタ(114)のドレイン電流を測定することによって前記少なくとも1つのトランジスタ測定を制御するように構成される請求項1に記載の分析物検出器(110)。
  3. 前記コントローラ(117)が、前記電界効果トランジスタ(114)及び前記少なくとも1つの電気化学的測定を用いて、少なくとも1つの測定を順次作動させるように構成される請求項1から2の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  4. 前記コントローラ(117)が、前記電界効果トランジスタ(114)及び前記少なくとも1つの電気化学的測定を用いて、前記少なくとも1つの測定のシーケンスを繰り返し実行するように構成される請求項3に記載の分析物検出器(110)。
  5. 前記多目的電極(112)が前記電界効果トランジスタ(114)のゲート電極(120)と電気的に接触している請求項1から4の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  6. 前記多目的電極(112)が、前記電界効果トランジスタ(114)のゲート電極(120)及び前記電界効果トランジスタ(114)のチャネル(126)からなる群より選択される少なくとも1つの要素と少なくとも部分的に同一である請求項1から5の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  7. 少なくとも2つの導電性電極を相互接続している少なくとも1つのグラフェン層を備え、前記グラフェン層が前記分析物にアクセス可能であり、前記多目的電極(112)が、前記少なくとも2つの導電性電極のうちの少なくとも1つ、前記グラフェン層からなる群の少なくとも1つの要素を備える請求項1から6の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  8. 前記少なくとも1つの多目的電極(112)が、前記電界効果トランジスタ(114)のソース電極(122)又はドレイン電極(124)の一方又は両方と電気的に接触している請求項1から7の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  9. 前記分析物検出器(110)が、前記流体試料(111)に露出可能な少なくとも1つのさらなる電極を備え、前記少なくとも1つのさらなる電極は、カウンター電極(168)及び基準電極(132)からなる群より選択される少なくとも1つの電極を備え、前記電気化学測定装置(116)が、前記多目的電極(112)及び前記さらなる電極を使用して、前記少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成される請求項1から8の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  10. 前記多目的電極(112)が、前記多目的電極の面に露出した少なくとも1つの機能構成要素(153)を備え、前記少なくとも1つの機能構成要素(153)は前記分析物と相互作用するように構成され、好ましくは、少なくとも1つの受容体化合物を備え、前記受容体化合物は前記少なくとも1つの分析物を結合でき、さらに好ましくは、前記受容体化合物は、抗体及びその断片、アプタマー、ペプチド、酵素、核酸、受容体タンパク質又は前記受容体タンパク質の結合ドメイン、並びに塩析効果を媒介できる親水性ポリマーからなる群より選択される前記少なくとも1つの分析物を結合できる請求項1から9の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  11. 前記電気化学測定装置(116)が、サイクリックボルタンメトリー測定、インピーダンス測定、ポテンショメトリー測定、アンペロメトリー測定、電気化学インピーダンス分光法、ボルタンメトリー、アンペロメトリー、ポテンショメトリー、クーロメトリーからなる群より選択される少なくとも1つの電気化学測定を実行するように構成される請求項1から10の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  12. 前記分析物検出器(110)が少なくとも1つの流体チャネル(138)をさらに備え、前記少なくとも1つの多目的電極(112)が、前記流体チャネル(138)内の前記流体試料(111)と接触するように配置されている請求項1から11の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  13. 前記少なくとも1つの多目的電極(112)が、前記分析物が透過できる膜によって少なくとも部分的に覆われている請求項1から12の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  14. 前記少なくとも1つの電界効果トランジスタ(114)が、イオン感応電界効果トランジスタ(ISFET)、化学的電界効果トランジスタ(ChemFET)、生物学的電界効果トランジスタ(BioFET)、酵素電界効果トランジスタ(ENFET)、拡張ゲート電界効果トランジスタ(EGFET)、溶液−又は液体ゲートFETからなる群より選択される請求項1から13の何れか一項に記載の分析物検出器(110)。
  15. 以下のステップ:
    a) 少なくとも1つの多目的電極(112)を準備すること、
    b) 前記多目的電極(112)と接触している前記少なくとも1つの流体試料(111)を準備すること、
    c) 前記少なくとも1つの多目的電極(112)と電気的に接触している少なくとも1つの電界効果トランジスタ(114)を使用することによって少なくとも1つのトランジスタ測定を実行すること、及び
    d) 前記多目的電極(112)を使用することによって少なくとも1つの電気化学的測定を実行すること
    を含む請求項1から14の何れか一項に記載の前記分析物検出器(110)を使用して、少なくとも1つの流体試料(111)中の少なくとも1つの分析物を検出する方法。
  16. 方法ステップc)において、少なくとも1つのトランジスタ測定値が生成され、方法ステップd)において、少なくとも1つの電気化学測定値が生成され、前記トランジスタ測定値と電気化学測定値が、前記流体試料(111)中の前記少なくとも1つの分析物の定量的検出又は定性的検出の一方又は両方のために組み合わされる請求項15に記載の方法。
  17. 流体中の前記少なくとも1つの分析物の定性的及び/又は定量的測定のための、請求項1から16の何れか一項で画定された前記分析物検出器(110)の使用。
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