JP6927512B2 - 物体表面の抗菌性試験用菌液媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、細菌に対する物体表面の抗菌活性を測定する際に、物体表面に塗布する細菌を含む菌液の媒体に関する。
従来より、二酸化チタンのような光触媒等の種々の抗菌剤の抗菌作用を利用すべく、抗菌剤を種々の物体の表面、例えば、種々のプラスチック製日用品、家具類、キャッシュカード等のカード類等の表面に含有させることが行われている。これらの抗菌性表面の抗菌性の評価方法は、JIS R 1752やISO 17094 Test method for antibacterial activity of semiconducting photocatalytic materials under indoor lighting environmentに規定されている。しかしながら、これらの方法による抗菌活性の測定結果は、実環境下、すなわち、抗菌性の表面を持つ種々の製品が人手に触れながら用いられる実際の環境下における抗菌活性とは乖離する、すなわち、抗菌活性の測定結果が、実環境下での抗菌活性よりも高くなることがわかってきた。
本願発明者らは、この問題を解決すべく、グラム陽性菌に対する抗菌性の評価に適した菌液媒体を開発した(非特許文献1)。この菌液媒体は、水中に、60v/v%のポリプロピレングリコール、1v/v%のポリエチレングリコール及び1/500NB培地を含むものである。しかしながら、この菌液媒体を、グラム陰性菌に対する抗菌性の測定に用いると、試験に供する前にも関わらず、グラム陰性菌数が減少してしまう問題があり、グラム陰性菌には適用することができないことがわかった。
会報光触媒48号, 2015 会報光触媒 50号, 2016
本発明の目的は、実環境下で発揮される抗菌性を的確に評価することが可能であり、グラム陽性菌及びグラム陰性菌の両方に対する抗菌活性の測定に利用可能な、物体表面の抗菌性試験用菌液媒体を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、グリセリン、ムチン、アルギン酸塩及びLB培地を特定の濃度で含む媒体を細菌の浮遊液の媒体として用いることにより、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のいずれに対する抗菌活性の測定においても、実環境下で発揮される抗菌活性に近似した抗菌活性が測定されることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、水中に、20〜60v/v%のグリセリンと、0.1〜0.4wt/v%のムチンと、0.1〜0.8wt/v%アルギン酸又はその塩と、2〜10v/v%のLB培地とを含む、物体表面の、グラム陰性菌に対する抗菌性試験用菌液媒体を提供する。

本発明の菌液媒体を、物体表面の抗菌活性を測定するために物体表面に塗布される細菌液を調製するための媒体として用いることにより、グラム陽性菌及びグラム陰性菌のいずれに対する抗菌活性の測定においても、実験室内において、実環境下で発揮される抗菌活性に近似した抗菌活性が測定される。
本発明の抗菌性試験用菌液媒体は、抗菌加工した、物体の表面の抗菌活性を試験するために、該表面に塗布する細菌液の媒体として用いるものである。
本発明の抗菌性試験用菌液媒体は、水中に、(1)20〜60v/v%、好ましくは30〜40v/v%、最も好ましくは36v/v%のグリセリンと、(2) 0.1〜0.4wt/v%、好ましくは0.15〜0.25wt/v%、最も好ましくは0.18wt/v%のムチンと、(3) 0.1〜0.8wt/v%、好ましくは0.3〜0.5wt/v%、最も好ましくは0.36wt/v%のアルギン酸又はその塩と、(4) 2〜10v/v%、好ましくは4〜6v/v%、最も好ましくは5v/v%のLB培地とを含む。
上記したアルギン酸の塩としては、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カリウムのような、アルギン酸のアルカリ金属塩を挙げることができる。アルギン酸又はその塩としては、アルギン酸ナトリウムが好ましい。なお、アルギン酸又はその塩は、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
LB培地は、細菌の培養に広く用いられている周知の培地であり、水中に、1wt/v%のトリプトンと、0.5wt/v%の酵母エキスと、1wt/v%の塩化ナトリウムとを含む培地である。なお、例えば、本発明の媒体が、「5v/v%のLB培地を含む」とは、媒体が、上記したLB培地の各成分を、上記した各濃度の1/20の濃度で含むという意味である。また、塩濃度0.5wt/v%や0.05wt/v%とした培地もLB培地として処方されうる。
本発明の菌液媒体に細菌を浮遊させることにより、試験に用いる菌液を調製することができる。この際、調製される菌液に浮遊される細菌の密度は、特に限定されないが、通常、5×105〜2×106cfu/mL程度である。また、浮遊される細菌としては、表皮ブドウ球菌のようなグラム陽性菌でも、大腸菌のようなグラム陰性菌でもよい。また、2種以上の細菌を浮遊させることもできる。
物体表面の抗菌加工に用いられる抗菌剤としては、抗菌活性を発揮する光触媒として機能する二酸化チタンを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、物体表面の抗菌加工に用いられるいずれの抗菌剤であってもよい。実験室内で物体表面の抗菌活性を測定する場合には、例えば、物体表面を切り取った試験片に菌液を塗布し、これをシャーレに入れ、蓋をして所定の時間放置し、放置前の生菌数と放置後生菌数とを測定することにより行うことができる。なお、シャーレには水を入れない方が、実環境下により近くなるので好ましい。また、抗菌剤として光触媒を用いる場合には、試験片に対し、実環境下と同等な光を照射して放置する。
本発明の媒体を用いて調製した菌液を使用して実験室内において、抗菌加工した物体表面の試験片の抗菌活性を測定することにより、実環境下(様々なプラスチック製品や、家具類やカード類等を実際に人間が使用する環境下)において発揮される抗菌活性と近似した抗菌活性が測定される。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
試験片として、光触媒(二酸化チタン)を練り込んだプラスチックフィルムと、光触媒を練り込んでいないプラスチックフィルムを用いた。0.18wt/v%のムチンと、36v/v%のグリセリンと、0.36wt/v%のアルギン酸ナトリウムと、5v/v%のLB培地との混合物を媒体として用いた。大腸菌NBRC3972株を、この媒体中に浮遊させ、各試験片に表1に示す塗布量で各試験片に塗布した。浮遊した大腸菌の数(cfu)も表1に併せて示す。各試験片について、塗布直後(0h)の生菌数、1000ルクスの可視光を4時間(4h)照射した後の生菌数、及び暗所で4時間(4h)放置した後の生菌数を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006927512
比較例1(グリセリンなし)
グリセリンを含まないこと以外は実施例1と同じ媒体を用いて実施例1と同様な試験(ただし、暗所放置はなし)を行った。結果を表2に示す。表2から、グリセリンを含まない場合には評価が行えないことがわかる。
Figure 0006927512
実施例2、実施例3
実施例1から各成分の濃度を変更して実施例1と同様な試験(ただし、暗所放置はなし)を行った。すなわち、0.18wt/v%のムチンと、27v/v%のグリセリンと、0.18wt/v%のアルギン酸ナトリウムと、10v/v%のLB培地との混合物(B、実施例2)、及び0.18wt/v%のムチンと、36v/v%のグリセリンと、0.18wt/v%のアルギン酸ナトリウムと、10v/v%のLB培地との混合物(C、実施例3)を媒体として用いて試験を行った。
Figure 0006927512
比較例2(ムチンなし)
ムチンを添加しないことを除き、実施例1と同じ組成の媒体を作製し、実施例1と同様に試験に供した(ただし、暗所放置はなし)。結果を表4に示す。表4に示されるように、ムチンを含まない場合には、光照射前でも生菌数が減少していた。
Figure 0006927512
比較例3(ムチン0.05wt/v%)
ムチン濃度が0.45wt/v%となる、以下の組成の媒体を作製した。すなわち、0.45wt/v%のムチンと、27v/v%のグリセリンと、0.18wt/v%のアルギン酸ナトリウムと、10v/v%のLB培地との混合物を作製し、これを媒体として用いて実施例1と同様な試験を行った(ただし、暗所放置はなし。また、1000ルクス4時間の光照射を2回繰り返した)。結果を下記表5に示す。表5に示すように、光照射0時間における回収率(計算上の塗布菌数に対する測定された生菌数の比)が高くなっており、ムチンにより菌の塊が形成されたものと推測される。
Figure 0006927512
比較例4(アルギン酸ナトリウムなし)、比較例5(LB培地なし)
アルギン酸ナトリウムを添加しないことを除き実施例1と同じ組成の媒体(A、比較例4)、及びLB培地を添加しないことを除き実施例1と同じ組成の媒体(B、比較例5)を作製し、実施例1と同様な試験(ただし、暗所放置はなし)を行った。結果を下記表6に示す。表6に示されるように、アルギン酸ナトリウムを含まない場合には、抗菌加工していない無加工フィルム上に4時間放置後の生菌数が減少しすぎていた。また、LB培地を含まない場合には、光照射前の光触媒フィルム上での生菌数が減少しすぎていた。
Figure 0006927512
比較例6(LB培地に代えて1/500NB培地を使用)
5v/v%LB培地に代えて、0.2v/v%NB培地を添加したことを除き実施例1と同じ組成の媒体を作製し、実施例1と同様な試験(ただし、暗所放置はなし)を行った。結果を下記表7に示す。表7に示されるように、また、LB培地をNB培地に変えた場合には、光照射前の光触媒フィルム上での生菌数が減少しすぎていた。
Figure 0006927512

Claims (4)

  1. 水中に、20〜60v/v%のグリセリンと、0.1〜0.4wt/v%のムチンと、0.1〜0.8wt/v%のアルギン酸又はその塩と、2〜10v/v%のLB培地とを含む、物体表面の、グラム陰性菌に対する抗菌性試験用菌液媒体。
  2. 水中に、30〜40v/v%のグリセリンと、0.15〜0.25wt/v%のムチンと、0.3〜0.5wt/v%アルギン酸又はその塩と、4〜6v/v%のLB培地とを含む、請求項1記載の菌液媒体。
  3. 前記アルギン酸又はその塩がアルギン酸ナトリウムである請求項1又は2記載の菌液媒体。
  4. 水中に、36v/v%のグリセリンと、0.18wt/v%のムチンと、0.36wt/v%のアルギン酸ナトリウムと、5v/v%のLB培地とを含む、請求項3記載の菌液媒体。
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