JP6927390B2 - 照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、路面を照明する照明器具に関する。
道路を照明する道路照明(トンネル照明を含む)において、通常、路面輝度の輝度均斉度は、「1」にはならない。すなわち、路面上の測定点から車両の進行方向を測定して得られる路面輝度分布は、通常、平均路面輝度よりも高い箇所(以下、「高輝度箇所」という)と、平均路面輝度よりも低い箇所(以下、「低輝度箇所」)とが進行方向に交互に並んだ分布となっている。
したがって、車両の運転者は、かかる道路照明の環境下において、高輝度箇所と低輝度箇所とが交互に連続的に変化する路面上を走行することになる。
薄明視環境における人間の眼の分光視感効率が明所視環境(明るい環境)での分光視感効率と異なる、いわゆるプルキンエ現象(Purkinje phenomenon)が知られている。薄明視環境には、夜間の街路空間や道路空間といった夜間屋外の環境が相当する。そこで従来、屋外を照明する屋外照明器具の光源設計に、プルキンエ現象を考慮する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、光源のS/P比がパラメータとして用いられており、一般に、S/P比が大きくなると、薄明視環境下における明るさも増すことが知られている。なお、S/P比は、暗所視輝度、及び明所視輝度の比である。
また特許文献2には、このS/P比を調整することで、周辺視の視認性を向上させる技術が示されている。
特許第5834258号公報 特許第5421817号公報
ところで、道路照明における障害物は、比較的反射率が低いものが多いため、一般的に明るい路面を背景として黒いシルエットとして見える。したがって、低輝度箇所の中でも特に路面輝度が低い箇所に存在する障害物は、路面と同化して視認することが困難となる。このため、従来の道路照明の環境下を走行する車両の運転者が路面上の高輝度箇所を中心視で見ている場合、周辺視野に位置する低輝度箇所に存在する障害物を運転者が視認するまでの時間が、当該障害物が高輝度箇所に存在したときよりも特に遅くなってしまう。
そこで、例えば光源の上記S/P比を高めて周辺視の視認性を向上させることで、周辺視野に位置する低輝度箇所に障害物が存在する場合でも、当該障害物を視認するまでの時間遅延の抑制が期待できる。
しかしながら、光源のS/P比が高くなると、光源から直接眼に入射する短波長の放射エネルギーが多くなることから、不快な眩しさも同様に感じやすくなる、という問題がある。
本発明は、不快な眩しさを感じさせることなく、周辺視での路面上の障害物の視認性を高めることができる照明器具を提供することを目的とする。
本発明は、車両が走行する道路を照らす照明器具において、前記車両の進行方向、及び当該進行方向と逆方向を照らす発光部を備え、前記発光部の暗所視輝度と明所視輝度との比をS/P比としたときに、前記発光部は、前記進行方向を含む鉛直面内のS/P比が、前記進行方向を照らす光の出射範囲で最大になっており、前記鉛直面内においてグレアゾーンに対応する所定範囲のS/P比が、少なくとも前記逆方向の側に面する範囲の中で最小のS/P比になっており、前記発光部の発光面は、前記鉛直面内において前記グレアゾーンに対応する所定範囲よりも鉛直方向上側の範囲の輝度が、当該範囲に対し鉛直方向について対称な関係にある前記進行方向の側の箇所の輝度より大きいことを特徴とする。
本発明は、車両が走行する道路を照らす照明器具において、前記車両の進行方向、及び当該進行方向と逆方向を照らす発光部を備え、前記発光部の暗所視輝度と明所視輝度との比をS/P比としたときに、前記発光部は、前記進行方向を含む鉛直面内のS/P比が、前記進行方向を照らす光の出射範囲で最大になっており、前記鉛直面内においてグレアゾーンに対応する所定範囲のS/P比が、少なくとも前記逆方向の側に面する範囲の中で最小のS/P比になっており、前記鉛直面内において前記グレアゾーンに対応する所定範囲よりも鉛直方向上側の範囲のS/P比が、前記グレアゾーンに対応する所定範囲のS/P比より大きい値、前記最大のS/P比と等しい値、または、当該範囲に対し鉛直方向について対称な関係にある前記進行方向の側の箇所のS/P比と等しい値であることを特徴とする。
本発明は、車両が走行する道路を照らす照明器具において、前記車両の進行方向、及び当該進行方向と逆方向を照らす発光部を備え、前記発光部の暗所視輝度と明所視輝度との比をS/P比としたときに、前記発光部は、前記進行方向を含む鉛直面内のS/P比が、前記進行方向を照らす光の出射範囲で最大になっており、前記逆方向の側に面する範囲のうち、前記鉛直面内においてグレアゾーンに対応する所定範囲よりも鉛直方向上側の範囲を除く範囲のS/P比が、1.0〜2.2である、ことを特徴とする。
本発明によれば、不快な眩しさを感じさせることなく、周辺視での路面上の障害物の視認性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る道路照明器具の使用態様を示す模式図である。 道路照明器具の構成を模式的に示す図である。 道路照明器具によって照明された路面の路面輝度分布の一例を示す図である。 鉛直面内における照明光のS/P比の分布を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、照明器具の一態様として道路照明器具を例示する。
図1は、本実施形態に係る道路照明器具1の使用態様を示す模式図である。
道路照明器具1は、車両2が走行する道路4の路面4Aを照明するものであり、道路脇5に立設された照明柱6の上端部に取り付けられている。道路4には、車両2の進行方向Aに沿って複数の道路照明器具1が間隔をあけて設けられている。
それぞれの道路照明器具1は、自身の設置位置を基準としたときに、車両2の進行方向A、及び進行方向Aの逆方向(以下、「逆走方向」と言い、符号Bを付す)の両方に延びた照明範囲Rを照明する。そして、道路照明器具1の各々の照明範囲Rが進行方向Aに沿って連なって並ぶことで、これらの道路照明器具1によって道路4が照明される。
なお、図1に示す道路4は、あくまでも例示であって、道路4の構成、及び道路照明器具1の配置の態様は、道路4の種類や目的に応じて適宜に変更可能である。
図2は、道路照明器具1の構成を模式的に示す図である。この図には、進行方向Aを含む鉛直面で道路照明器具1を切った断面の構成を示している。
道路照明器具1は、器具本体10と、グローブ12と、を備え、器具本体10には、光源部14が設けられている。
光源部14は、発光素子の一例である複数のLED16A、及びLED16Bを光源に備えている。これらLED16A、及びLED16Bは、道路4の照明に必要な出力を有し、複数のLED16Aは、道路照明器具1からみて道路4の進行方向Aに照明光を照射する。これとは逆に複数のLED16Bは逆走方向Bに照明光を照射する。光源部14は、鉛直方向下方側や、道路照明器具1の正面側(道路4の横断方向)などに照明光を照射するLEDも備え、これらの照明光によって、図1に示す路面4Aの照明範囲Rを照明する。
この道路照明器具1の配光特性は、道路4の横断面に対して配光が対称になる、いわゆる対称配光である。すなわち、照明範囲Rの中の照度分布は、道路照明器具1からみて進行方向Aの側の範囲(以下、「進行側範囲」と言い、符号RAを付す)と、逆走方向Bの側の範囲(以下、「逆走側範囲」と言い、符号RBを付す)とで、おおむね等しくなっている。
ここで、道路照明器具1のうち外部から観測される発光した部位であって、当該発光によって路面4Aを照らす部位を発光部18と称する。道路照明器具1では、発光部18には、光源部14、及びグローブ12が含まれる。
図3は、道路照明器具1によって照明された路面4Aの路面輝度分布の一例を示す図である。
この路面輝度分布は、幅員Dが7メートルであり、2車線を含む道路4に、40メートルの間隔Eで道路照明器具1が設置された状態において、進行方向Aの60メートル先に道路照明器具1が位置する位置を測定位置Oとし、当該測定位置Oから進行方向Aを測定したときの路面輝度分布を示したものである。なお、測定位置Oは、道路4の第一車線(走行車線)の中心で、路面4Aから1.5メートルの高さに設けられている。
図3に示されるように、照明範囲Rの路面輝度は、逆走側範囲RBよりも進行側範囲RAの方が相対的に低くなっている。このため、路面4Aには、進行方向Aに沿って、路面輝度が平均路面輝度より低い低輝度箇所の進行側範囲RAと、路面輝度が平均路面輝度より高い高輝度箇所の逆走側範囲RBとが交互に連続的に存在することになる。
この路面輝度分布において、図3に示すように、低い反射率の障害物Tが進行側範囲RAに存在した場合、障害物Tと路面4Aとの輝度コントラストが特に小さくなる。
このため、車両2の運転者が路面上の高輝度箇所である逆走側範囲RBを中心視で見ている場合、その周辺視野に位置する低輝度箇所である進行側範囲RAに存在する障害物Tを運転者が周辺視で視認するまでのタイミングが、障害物Tが逆走側範囲RBに存在したときよりも遅くなる。
そこで、この道路照明器具1は、適切なS/P比が設定されることで、運転者の周辺視での路面上の障害物の視認性が高められている。
詳述すると、人間の視細胞には、比較的明るい環境で働く錐体と、比較的暗い環境で働く桿体とがある。錐体は、網膜の中心窩付近に集中して存在し、いわゆる明所視(photopic vision)を司り、桿体は、中心窩を取り巻くように存在し、いわゆる暗所視(scotopic vision)を司っている。
明所視は、分光視感効率のピーク波長が555nmであるのに対し、暗所視は、分光視感効率のピーク波長が507nmであり、暗所視は、明所視よりも短波長の光に対する高い感度を有している。
一方、S/P比は、暗所視輝度、及び明所視輝度の比で定義される。
この暗所視輝度は、暗所視の分光視感度に、道路照明器具1の発光部18の分光特性を積算して算出される値であり、明所視輝度は、明所視の分光視感度に発光部18の分光特性を積算して算出される値である。
したがって、S/P比が大きい場合、暗所視輝度が明所視輝度よりも大きいため、発光部18から放射される照明光には短波長の放射エネルギーが多く含まれる。これとは逆に、S/P比が小さくなると、暗所視輝度が明所視輝度よりも相対的に小さくなるため、この照明光には短波長の放射エネルギーが相対的に少なくなる。
また一般に、明所視と暗所視の中間の明るさである薄明視の環境下では、中心視に大きく寄与する錐体だけではなく、周辺視に大きく寄与する桿体も人間の視覚に作用する。
すなわち、周辺視では桿体が大きく寄与するので、短波長の光に対する感度が特に高まり、照明光に短波長の放射エネルギーが多く含まれるほど、周辺視の視認性が高められる。そして、S/P比が大きくなるほど、照明光には短波長の放射エネルギーが相対的に多く含まれるので、道路照明器具1のS/P比を大きくすることで、周辺視における視認性を高めることができるのである。このように、周辺視の視認性が高められることで、周辺視野に存在する障害物の検出の輝度弁別閾や応答時間、認識率などといった視作業性の向上も得られることとなる。
ただし、薄明視環境下において、道路照明器具1のS/P比を単純に大きくすると、発光部18から直接眼に入射する短波長の放射エネルギーが多くなることから、運転者が発光部18に対して不快な眩しさを感じやすくなり、グレアの要因となる。そこで、この道路照明器具1では、次のようにして眩しさが抑えられている。
図4は、進行方向Aを含んだ鉛直面(以下、単に「鉛直面」と言う)における道路照明器具1の発光部18のS/P比分布を模式的に示す図である。
なお、この図において、道路照明器具1の鉛直方向の下方向が鉛直角θ=0°、逆走方向Bが鉛直角θ=90°、及び進行方向Aが鉛直角θ=270°である。また、鉛直角θ1(270°≦θ1≦0°)の範囲Saは、路面4Aの進行側範囲RAを照らす照明光の出射範囲に対応する。一方、鉛直角θ2(0°≦θ2≦90°)の範囲Sbは、路面4Aの逆走側範囲RBを照らす照明光の出射範囲に対応する。ただし、進行側範囲RA、及び逆走側範囲RBのそれぞれを照らす照明光の出射範囲に対応する鉛直角θの範囲は、あくまでも具体例であって道路照明器具1の設計等によって変わり得るものである。
この図に示すように、鉛直面内におけるS/P比分布は、対称ではなく非対称になっている。すなわち、このS/P比分布において、進行方向Aの側のS/P比は、最大のS/P比(以下、「最大S/P比」と言う)になっている。一方、逆走方向Bの側のS/P比は、最大S/P比よりも小さな値のS/P比となっている。
このS/P比分布により、照明範囲Rのうち進行側範囲RAが最大S/P比の照明光で照明されるので、進行側範囲を周辺視でみたときの視認性が高められる。これにより、進行側範囲RAに障害物Tが存在した場合、この障害物Tを運転者が周辺視で視認するまでの時間の遅延を抑えることができる。
一方、上記S/P比分布では、逆走方向Bの側のS/P比は、最大S/P比よりも小さな値に抑えられている。車両2の運転者の視野には、運転者からみて進行方向Aに位置する道路照明器具1の発光部18のうち、逆走方向Bの側の面が入る。したがって、逆走方向Bの側のS/P比が抑えられることで、運転者の眼に直接入射する短波長の放射エネルギーが抑えられ、発光部18から感じる不快な眩しさが軽減される。
さらに、この道路照明器具1では、眩しさが抑えられることで、逆走方向Bの側に位置する運転者から視認される発光部18の誘目性が過度に低下してしまうことを防止している。
具体的には、図4に示すように、鉛直面内のS/P比分布において、所定の鉛直角θ3の方向におけるS/P比の値を、少なくとも逆走方向Bの側のS/P比の中で最小のS/P比(以下、「最小S/P比」と言う)としている。この鉛直角θ3は、グレアゾーンに対応する範囲である。グレアゾーンとは、視野の中で特にまぶしさを感じる範囲である。この道路照明器具1では、鉛直角θ3には、70°≦θ3≦80°が相当している。
そして、このS/P比分布において、逆走方向Bの側では、鉛直角θ3の範囲のS/P比のみを最小S/P比にし、残余の部分のS/P比が最小S/P比よりも大きな値に維持されることで、グレアゾーン以外での誘目性の低下を抑えつつ、グレアゾーンにおける不快な眩しさを抑えることができる。
ところで、道路照明においては、道路4に沿って並んだ道路照明器具1の各々の発光部18の発光によって運転者に道路の線形を明示する誘導効果が得られている。
そして、この道路照明器具1によれば、眩しさを抑えつつも、逆走方向Bの側に位置する運転者からみた発光部18の誘目性が維持されるので、不快な眩しさを感じさせることなく、かつ誘導効果が得られる道路照明が実現できる。
一般に、鉛直面内において上記グレアゾーンよりも鉛直方向の上側の鉛直角範囲の発光部18の発光は、運転者が道路照明器具1から逆走方向Bの遠方に位置するときには視野に入るものの、ある程度まで道路照明器具1に近づいたときには、車両2のルーフで遮られる等して視界から外れる範囲となる。
したがって、発光部18の発光面において、この範囲の輝度を高めても、車両2で走行中の運転者に眩しさを感じさせないようにしつつ、遠方からの発光部18の視認性を高め、誘導効果を高めることができる。
この道路照明器具1では、発光部18の発光面のうち逆走方向Bの側に位置する範囲において、鉛直角θ4(80°≦θ4≦90°)の範囲の輝度が、当該範囲に対し鉛直方向について対称な関係にある進行方向Aの側に位置する範囲(本実施形態では、270°≦鉛直角θ<280°)の輝度よりも高められている。
これにより、一般的な対称配光の道路照明器具よりも高い誘導効果が実現されている。
この道路照明器具1では、鉛直角θ1の範囲のS/P比が1.9〜3.0の値であり、鉛直角θ2の範囲のS/P比が1.0〜3.0の値に設定されている。また鉛直角θ2のうち鉛直角θ4を除く範囲については、S/P比が1.0〜2.2の値に設定されている。また鉛直角θ3の範囲のS/P比は1.0〜1.9の値に設定されている。なおかつ、鉛直角θ1と鉛直角θ3とのS/P比の差が0.3以上になるように各範囲のS/P比が設定されている。また、鉛直角θ3の範囲のS/P比には、1.0〜1.9の値うち、鉛直角θ2に設定されたS/P比よりも小さな値が設定される。
S/P比分布にこれらの値が設定されることで、道路照明において、路面4Aの低輝度箇所に存在する障害物Tが運転者の周辺視野に位置する場合でも、障害物Tを視認するまでの時間遅延の抑制が期待でき、かつ、グレアゾーンにおける不快な眩しさを抑えつつ、逆走方向Bの側での発光部18の誘目性を維持した照明が実現される。
さらに、鉛直角θ4(80°≦θ4≦90°)の範囲の輝度を高めることで、誘導効果が大きく高められる。
また、この道路照明器具1では、鉛直面内におけるS/P比が鉛直角θ=0°に対して非対称になるので、運転者が道路4を逆走方向Bに逆走した場合には、進行方向Aに走行するときと運転者が感じる発光部18の色や眩しさが異なる。これにより、運転者は逆走していることに気が付きやすくなり、逆走防止の効果も得られる。
この道路照明器具1において、図4に示す鉛直面内のS/P比分布、及び発光部18の発光面の輝度は、光源部14に設けられている上記LED16A、及びLED16Bのそれぞれに、所望のS/P比、及び光出力のLEDを用いることと、所定範囲の光透過性を上げたグローブ12を用いることで実現される。
具体的には、道路照明器具1では、LED16A、及びLED16Bは、発光波長範囲が広い、いわゆる白色LEDが用いられている。進行方向Aを照らす(より正確には、進行側範囲RAを照らす)複数のLED16Aの各々には、上述の通り、S/P比が1.9〜3.0の範囲にある白色LEDが用いられている。一方、逆走方向Bを照らす(より正確には、逆走側範囲RBを照らす)複数のLED16Bの各々には、照明光のS/P比が1.0〜3.0の範囲にある白色LEDが用いられている。このとき、LED16AのS/P比がLED16BのS/P比よりも大きくなる白色LEDが、LED16A、及びLED16Bの各々に用いられる。
さらに、複数のLED16Bのうち、上記鉛直角θ3の範囲の発光に寄与するLED16Ba(図2)には、他のLED16BよりもS/P比が小さく、LED16AとのS/P比の差が0.3以上となる条件に合致する白色LEDが用いられている。
また、鉛直角θ4の範囲の発光面において、対応するグローブ12の範囲の光透過性を、当該範囲に対し鉛直方向について対称な関係にある進行方向Aの側に位置するグローブ12の範囲の光透過性より高め、鉛直角θ4の範囲の発光面の輝度を高めている。
なお、光源部14のS/P比分布、及び輝度が、グローブ12を透過することで、発光部18のS/P比分布、及び輝度と相違する場合には、この相違分を考慮して、LED16A、16B、及び16Baに用いるS/P比、及び光出力が設定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、道路照明器具1において、発光部18は、進行方向Aを含む鉛直面内のS/P比が、進行方向Aを照らす光の出射範囲で最大S/Pになっている構成とした。より具体的には、照明範囲Rのうち進行側範囲RAを照らす範囲のS/P比が最大S/P比となるように発光部18が構成されている。
これにより、進行方向Aの側が最大S/P比の照明光で照明されるので、運転者の周辺視野に進行側範囲RAが位置する場合でも、当該進行側範囲RAでの視認性が高められる。したがって、進行側範囲RAに障害物Tが存在した場合でも、この障害物Tを運転者が視認するまでの時間の遅延を抑えることができる。
一方、逆走方向Bの側は、S/P比が最大S/P比よりも小さいので、不快な眩しさが抑えられる。
また本実施形態によれば、発光部18は、鉛直面内においてグレアゾーンに対応する範囲である鉛直角θ3の範囲のS/P比が、少なくとも逆走方向Bの側に面する範囲(本実施形態では、0°≦鉛直角θ≦90°)の中で最小の最小S/P比になっている。
これにより、グレアゾーンにおける不快な眩しさを抑えられる。
また本実施形態によれば、発光部18の発光面は、鉛直角θ3の範囲よりも更に鉛直方向上側の範囲である鉛直角θ4の範囲の輝度が、当該範囲に対し鉛直方向について対称な関係にある前記進行方向Aの側の箇所の輝度より大きくなっている。
これにより、不快な眩しさを抑えつつ、発光部18の発光による道路4の誘導効果を、一般の対称配光の道路照明器具より大きく高めることができる。
また本実施形態によれば、最大S/P比と、最小S/P比との差が0.3以上となっている。
これにより、進行方向Aの側に対する周辺視での視認性向上と、逆走方向Bの側における眩しさ抑制との適切なバランスが得られる。
また本実施形態によれば、最大S/P比が1.9〜3.0の間の値となっているので、進行方向Aの側に対する周辺視での視認性が十分に確保される。
また本実施形態によれば、逆走方向Bの側に面する範囲のS/P比(ただし、鉛直角θ4を除く)、及び最小S/P比が1.0〜2.2の値に設定されているので、逆走方向Bの側に位置する運転者からみた発光部18の誘目性が維持される。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の要旨の範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態において、発光部18の発光面の輝度のうち、鉛直角θ4の範囲の輝度を高めることで、誘導効果を高めた。しかしながら、薄明視環境下では、S/P比が大きくなるほど眩しさが増すため、この鉛直角θ4の範囲のS/P比を高めることで、誘導効果を高める構成としてもよい。
この場合、鉛直角θ4の範囲のS/P比には、鉛直角θ3のS/P比よりも大きい値、または進行方向Aの側に設定されている最大S/P比を用いることができる。
さらにまた、進行方向Aに面する範囲(上述した実施形態では、270°≦鉛直角θ≦0°)のうち、鉛直角θ4に対し鉛直方向について対称な関係にある箇所のS/P比を、鉛直角θ4の範囲のS/P比に用いることもできる。
また、本発明は、鉄道車両が走行する線路の照明などにも応用できる。
1 道路照明器具(照明器具)
2 車両
4 道路
4A 路面
10 器具本体
12 グローブ
14 光源部
18 発光部
A 進行方向
B 逆走方向
R 照明範囲
RA 進行側範囲
RB 逆走側範囲
T 障害物
θ 鉛直角
θ1 鉛直角(進行方向の側に面した範囲)
θ2 鉛直角(逆走方向の側に面した範囲)
θ3 鉛直角(グレアゾーンに対応する範囲)
θ4 鉛直角(グレアゾーンよりも鉛直方向の上側に位置した範囲)

Claims (3)

  1. 車両が走行する道路を照らす照明器具において、
    前記車両の進行方向、及び当該進行方向と逆方向を照らす発光部を備え、
    前記発光部の暗所視輝度と明所視輝度との比をS/P比としたときに、
    前記発光部は、
    前記進行方向を含む鉛直面内のS/P比が、前記進行方向を照らす光の出射範囲で最大になっており、
    前記鉛直面内においてグレアゾーンに対応する所定範囲のS/P比が、少なくとも前記逆方向の側に面する範囲の中で最小のS/P比になっており、
    前記発光部の発光面は、
    前記鉛直面内において前記グレアゾーンに対応する所定範囲よりも鉛直方向上側の範囲の輝度が、当該範囲に対し鉛直方向について対称な関係にある前記進行方向の側の箇所の輝度より大きい
    ことを特徴とする照明器具。
  2. 車両が走行する道路を照らす照明器具において、
    前記車両の進行方向、及び当該進行方向と逆方向を照らす発光部を備え、
    前記発光部の暗所視輝度と明所視輝度との比をS/P比としたときに、
    前記発光部は、
    前記進行方向を含む鉛直面内のS/P比が、前記進行方向を照らす光の出射範囲で最大になっており、
    前記鉛直面内においてグレアゾーンに対応する所定範囲のS/P比が、少なくとも前記逆方向の側に面する範囲の中で最小のS/P比になっており、
    前記鉛直面内において前記グレアゾーンに対応する所定範囲よりも鉛直方向上側の範囲のS/P比が、前記グレアゾーンに対応する所定範囲のS/P比より大きい値、前記最大のS/P比と等しい値、または、当該範囲に対し鉛直方向について対称な関係にある前記進行方向の側の箇所のS/P比と等しい値である
    ことを特徴とする照明器具。
  3. 車両が走行する道路を照らす照明器具において、
    前記車両の進行方向、及び当該進行方向と逆方向を照らす発光部を備え、
    前記発光部の暗所視輝度と明所視輝度との比をS/P比としたときに、
    前記発光部は、
    前記進行方向を含む鉛直面内のS/P比が、前記進行方向を照らす光の出射範囲で最大になっており、
    前記逆方向の側に面する範囲のうち、前記鉛直面内においてグレアゾーンに対応する所定範囲よりも鉛直方向上側の範囲を除く範囲のS/P比が、1.0〜2.2である、
    ことを特徴とする照明器具。
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