本実施形態で使用される用語は、本実施形態での機能を考慮しながら、可能な限り現在汎用される一般的な用語を選択したが、それらは、当該技術分野の当業者の意図、または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、任意に選定された用語もあり、その場合、当該実施形態の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本実施形態で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本実施形態の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
該実施形態に係わる説明において、ある部分が他の部分と連結されているという場合、それは、直接に連結されている場合だけではなく、その中間に、他の構成要素を挟んで電気的に連結されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を含むという場合、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。また、実施形態に記載された「… 部」、「…モジュール」の用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されたり、ハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されたりする。
本実施形態で使用される「構成される」または「含む」というような用語は、明細書上に記載された多くの構成要素、またはさまざまな段階を、必ずしも全てを含むものであると解釈されるものではなく、そのうち一部の構成要素または一部の段階は、含まれないこともあり、またはさらなる構成要素または段階をさらに含んでもよいと解釈されなければならない。
また、本実施形態で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な対象の説明に使用することができるが、前記対象は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの対象を他の対象と区別する目的にのみ使用される。
下記実施形態に係わる説明は、権利範囲を制限するものと解釈されてはならず、当該技術分野の当業者が容易に類推することができるものは、実施形態の権利範囲に属するものであると解釈されなければならない。以下、添付された図面を参照しながら、ただ例示のための実施形態について詳細に説明する。
図1は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機を示した斜視図である。図2は、図1で示した摩擦電気発電機の断面図である。
図1及び図2を参照すれば、例示的な実施形態に他の摩擦電気発電機は、互いに離隔されるように設けられる第1電極122及び第2電極124と、第1電極122の表面S1に設けられる第1帯電体110と、前記第1帯電体110の表面S2、及び前記第2電極124の表面S3上で、一方向(x軸方向)に摺動するように設けられた第2帯電体140と、第2帯電体140の動きによって、第2帯電体140と電荷保存所133とを断続的に連結する接地ユニット130と、を含んでもよい。該摩擦電気発電機は、第1帯電体110と、第2帯電体140または第2電極124との間に、外部から印加された力によって、水平方向相対運動を誘導し、隣接した表面の間で接触を可能にする摺動メカニズムを含んでもよい。
第2帯電体140は、摺動運動によって、第1帯電体110の上面と摩擦を起こすことができる。ここで、第2帯電体140が摺動運動するということは、第2帯電体140が第1帯電体110、接地ユニット130及び第2電極124に対して相対的に動くということを意味する。従って、第2帯電体140の摺動運動は、第2帯電体140の動きによって起こる。また、第2帯電体140の摺動運動は、第2帯電体140に対する第1帯電体110、接地ユニット130及び第2電極124の相対的な動きによっても起こる。また、第2帯電体140が一方向に摺動するということは、第2帯電体140が第1帯電体110、接地ユニット130及び第2電極124が配列された方向に摺動するということを意味する。従って、第2帯電体140が動く方向が直線方向に制限されるということを意味するものではない。
第2帯電体140と第1帯電体110は、互いに帯電率が異なる物質を含んでもよい。従って、第2帯電体140の表面と、第1帯電体110の表面とが摩擦を起こせば、第1帯電体110の表面、及び第2帯電体140の表面は、それぞれ互いに異なる極性の電荷に帯電する。第1帯電体110及び第2帯電体140の帯電電荷の種類は、各帯電体をなす材料に依存し、帯電体をなす材料の摩擦電気シリーズ(triboelectric series)での相対的な位置によって決定される。
例えば、第1帯電体110の表面は、第2帯電体140との摩擦によって、負電荷に帯電し、第2帯電体140の表面は、第1帯電体110との摩擦によって、正電荷に帯電する。第2帯電体140は、接地ユニット130と電気的な連結が容易であるように、導電性物質を含んでもよい。前記導電性物質は、摩擦帯電が容易なAl、Cu、Ag、Au、スチール(steel)のような金属材料を含んでもよい。また、第1帯電体110は、前記導電性物質との摩擦によって、負電荷に帯電しやすいポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(テフロン(登録商標))、フッ素化されたエチレンプロピレン(FEP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(Kapton(登録商標))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリスチレン(PS)のうち少なくとも一つを含んでもよい。また、第1帯電体110は、PMMA、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、PTFEのような有機ポリマー(organic polymer)を含んでもよい。第1帯電体110は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ORMOCER(登録商標)のような無機ポリマー(inorganic polymer)を含んでもよい。前記物質は、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それらに制限されるものではない。
他の例として、第1帯電体110の表面は、第2帯電体140との摩擦によって、正電荷に帯電し、第2帯電体140の表面は、第1帯電体110との摩擦によって、負電荷に帯電する。第2帯電体140は、接地ユニット130と電気的な連結が容易であるように、導電性物質を含んでもよい。前記導電性物質は、摩擦帯電が容易なAl、Cu、Ag、Au及びスチールのうち少なくとも一つを含んでもよい。第1帯電体110は、前記導電性物質との摩擦によって、正電荷に帯電しやすいポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルモル(melamine formol)、ウール(wool)、シルク(silk)、マイカ(mica)及びナイロン(nylon)のうち少なくとも一つを含んでもよい。前記物質は、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それらに制限されるものではない。
第1帯電体110及び第2帯電体140のうち少なくとも一つは、その表面の帯電特性を調節するために、p型ドーパントまたはn型ドーパントによってドーピングされる。p型ドーパントのソース(source)は、例えば、NO2BF4、NOBF4、NO2SbF6などのイオン性液体(ionic liquid);HCl、H2PO4、CH3COOH、H2SO4、HNO3などの酸類化合物(acidic compound);ジクロロジシアノキノン(DDQ:dichlorodicyanoquinone)、オキソン(oxone)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI:dimyristoylphosphatidylinositol)、トリフルオロメタンスルホンイミド(trifluoromethanesulfoneimide)などの有機化合物(organic compound)などを含んでもよい。または、p型ドーパントのソースとして、HPtCl4、AuCl3、HAuCl4、トリフルオロメタンスルホン酸銀(AgOTf)、AgNO3、H2PdCl6、Pd(OAc)2、Cu(CN)2などを含んでもよい。
n型ドーパントのソースは、例えば、置換もしくは非置換のニコチンアミドの還元物(a reduction product of a substituted or unsubstituted nicotin amide);置換もしくは非置換のニコチンアミドと化学的に結合された化合物の還元物(a reduction product of a compound which is chemically bound to a substituted or unsubstituted nicotin amide);及び2以上のピリジニウム誘導体を含み、1以上のピリジニウム誘導体の窒素が還元された化合物(a compound comprising at least two pyridinium moieties in which a nitrogen atom of at least one of the pyridinium moieties is reduced)を含んでもよい。例えば、n型ドーパントのソースは、NMNH(nicotinamide mononucleotide−H)、NADH(nicotinamide adenine dinucleotide−H)、NADPH(nicotinamide adenine dinucleotide phosphate−H)を含むか、あるいはビオロゲン(viologen)を含んでもよい。または、前記n型ドーパントのソースは、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリマーを含んでもよい。または、n型ドーパントは、K、Liなどのアルカリ金属を含んでもよい。一方、以上で言及されたp型ドーパントとn型ドーパント物質は、例示的なものであり、それら以外にも他の多様な物質がドーパントとして使用される。
接地ユニット130は、電荷保存所133と電気的に連結される。電荷保存所133は、電位変化が実質的に起こらない地面(ground)、または導電性部材を含んでもよい。第2帯電体140が接地ユニット130に接触すれば、接地ユニット130を介して、電荷保存所133と第2帯電体140とが電気的に連結される。第2帯電体140が電荷保存所133と、接地ユニット130を介して連結されれば、第2帯電体140の電位が電荷保存所133の電位がほぼ同じになるように変わる。
第1電極122及び第2電極124は、第2帯電体140が摺動する方向(x軸方向)に互いに離隔されるように設けられてもよい。第1電極122及び第2電極124は、電気伝導にすぐれる物質を含んでもよい。例えば、第1電極122及び第2電極124は、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(CNT:carbon nanotube)、ITO(indium tin oxide)、金属及び伝導性ポリマーからなるグループのうちから選択された少なくとも1つの物質を含んでもよい。ここで、該金属は、例えば、Ag、Al、Cu、Au、Ni、Cr及びPtからなるグループのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第1電極122及び第2電極124は、単層構造または複層構造を有することができる。
第2帯電体140の摺動運動によって、第1電極122及び第2電極124の間に静電誘導現象が生じる。すなわち、第2帯電体140が摺動運動する間、静電誘導現象によって、第1電極122及び第2電極124の間で電荷が動くことができる。そして、一実施形態による摩擦電気発電機は、第1電極122と第2電極124との間で発生する電荷の流れから、エネルギーをハーベスティング(harvesting)する。
図3は、図1及び図2で示した摩擦電気発電機の変形例である。図3の実施形態についての説明にあたり、図1及び図2と重複する内容は省略する。
図3を参照すれば、第1帯電体110の接触面と、前記第2帯電体140の接触面とのうち少なくとも一つには、複数の突起部が形成されている。前記複数の突起部は、ナノピラミッド、ナノワイヤ、ナノボール(ball)、ナノロッド(rod)などを含んでもよい。第1帯電体110の接触面と、第2帯電体140の接触面とのうち少なくとも一つに、複数の突起部が形成されることにより、第1帯電体110と第2帯電体140とが接触したとき、第1帯電体110の接触面、及び第2帯電体140の接触面それぞれに誘導される帯電電荷の量がさらに多くなる。
図4は、図1及び図2で示した摩擦電気発電機の変形例である。
図4を参照すれば、電荷保存所133aは、導電性部材を含んでもよい。図4では、導電性部材の形状を板で示したが、それは、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それに制限されるものではない。電荷保存所133aは、電気的容量が大きい導電性部材でもある。電荷保存所133aが、接地ユニット130を介して、第2帯電体140と連結されれば、電荷保存所133aは、第2帯電体140と電荷をやり取りすることができる。電荷保存所133aは、第2帯電体140と電荷をやり取りすることにより、第2帯電体140の電位を変更することができる。例示的には、電荷保存所133aの電位は、グラウンド(ground)電位と実質的に同一である。
以下では、図1及び図2で示した摩擦電気発電機を利用したエネルギーハーベスティング(harvesting)過程について説明する。
図5は、摺動によって、第2帯電体140が、第1帯電体110に対して相対的に動いた状態を示した図面である。以下の図面において、電荷の表示は、例示的なものに過ぎず、実際の電荷流れは、摩擦電気発電機の多様な実施形態によって異なる。
第1帯電体110及び第2帯電体140の動きは、相対的なものである。従って、第2帯電体140の摺動は、第2帯電体140が動く場合、第1帯電体110が動く場合だけではなく、第1帯電体110及び第2帯電体140がいずれも動く場合にも可能である。第1電極122及び第2電極124と、接地ユニット130は、第1基板10上に配列される。接地ユニット130は、第1電極122及び第2電極124の間に設けられてもよい。第2帯電体140は、第1基板10に対する相対的な動きによって、第1帯電体110、接地ユニット130及び第2電極124の表面と順次に接触することができる。
第2帯電体140と第1帯電体110とが互いに接触すれば、第1帯電体110及び第2帯電体140は、それぞれ反対極性の極性電荷に帯電する。図5では、例示的に、第2帯電体140と第1帯電体110との摩擦によって、第2帯電体140表面の電子が、第1帯電体110表面に移動した例を示した。電子の移動によって、第2帯電体140が正電荷帯電体になり、第1帯電体110が負電荷帯電体になる。しかし、それは、例示的なものに過ぎず、反対の場合も可能である。例えば、第1帯電体110表面の電子が第2帯電体140表面に移動することによって、第1帯電体110が正電荷帯電体になり、第2帯電体140が負電荷帯電体にもなる。
図6は、摺動によって、第2帯電体140が接地ユニット130と出合った状態を示した図面である。
図6を参照すれば、摺動によって、第2帯電体140は、接地ユニット130の上面と接することができる。第1帯電体110の上面の一部が、第2帯電体140と接触しないことによって、第1電極122及び第2電極124に、静電誘導現象が起こる。該静電誘導現象によって、第1電極122から第2電極124に電子が移動することができる。第1電極122と第2電極124との間に電流が流れる間、第1電極122及び第2電極124間の負荷30を介して、電気エネルギーが収獲される。
第1帯電体110と接地ユニット130との間隔d1は、第2帯電体140の幅Wより狭くともよい。ここで、第2帯電体140の幅Wは、第2帯電体140が摺動する方向への第2帯電体140の長さを意味する。第2帯電体140の幅Wが、第1電極122と接地ユニット130との間隔d1より狭いために、第2帯電体140は、第1帯電体110及び接地ユニット130と同時に接することができる。従って、静電誘導によって、第1電極122及び第2電極124の間に電流が流れる間、接地ユニット130を介して、第2帯電体140の電子が供給されることにより、第2帯電体140の電位が変わる。その場合、第2帯電体140に外部電子が流入することにより、第1電極122及び第2電極124間の静電誘導現象がさらに増幅される。しかし、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、第1帯電体110と接地ユニット130との間隔d1が、第2帯電体140の幅Wより広くともよい。その場合、第2帯電体140は、第1帯電体110と分離された後、接地ユニット130と接触することもできる。
第2帯電体140が接地ユニット130と接すれば、第2帯電体140は、電荷保存所133と電気的に連結される。電気的連結が容易であるように、第2帯電体140は、導電性物質を含んでもよい。第2帯電体140が接地ユニット130と接すれば、第2帯電体140と電荷保存所133とが電荷をやり取りすることができる。電荷交換によって、第2帯電体140の電位が、電荷保存所133の電位と同じになる。例えば、電荷保存所133の電位がグラウンド電位と同じである場合、電荷保存所133は、接地ユニット130を介して、第2帯電体140に電子を供給することができる。
図7は、摺動によって、第2帯電体140が第1基板10に対して相対的にさらに動いた状態を示した図面である。
図7を参照すれば、摺動によって、第2帯電体140と第1帯電体110との接触面積がだんだんとさらに狭くなる。第2帯電体140と第1帯電体110との接触面積が狭くなることにより、第1電極122及び第2電極124の間で静電誘導現象が生じる。前記静電誘導現象によって、第1電極122及び第2電極124の間に電流が流れる。接地ユニット130は、第2帯電体140に電子を供給することにより、第2帯電体140の電位をグラウンド電位近くに維持することができる。
図8は、摺動によって、第2帯電体140が第2電極124と出合った状態を示した図面である。
図8を参照すれば、第1帯電体110と第2帯電体140とが互いに分離する。また、第2帯電体140は、接地ユニット130及び第2電極124と接することができる。第2帯電体140が、接地ユニット130及び第2電極124と接するように、接地ユニット130と第2電極124との間隔d2は、第2帯電体140の幅Wより狭くともよい。
第2帯電体140が、接地ユニット130及び第2電極124と接すれば、第2電極124の電位も、電荷保存所133によって変わる。例えば、第2電極124の負電荷が第2帯電体140及び接地ユニット130を介して電荷保存所133に移動しながら、第2電極124の電位がグラウンド電位とほぼ同じになる。
図9は、摺動によって、第2帯電体140が第1基板10に対して相対的にさらに動いた状態を示した図面である。
図9を参照すれば、第2電極124から接地ユニット130に電子が移動しながら、第2帯電体140及び第2電極124の電位がグラウンド電位とほぼ同じになる。
図10は、摺動によって、第2帯電体140が第2電極124と分離された状態を示した図面である。
図10を参照すれば、第2帯電体140が第2電極124と分離されることによって、図5ないし図10を参照して説明した最初サイクルが終わる。最初サイクルが終わった後、第1帯電体110は、負電荷に帯電した状態を維持することができる。第1電極122は、第1帯電体110の負電荷の影響により、正電荷を負電荷より多く含む。図10に図示されているように、電荷平衡がなされてから、第2帯電体140が第1帯電体110に出合う次のサイクル(cycle)まで電荷の動きがほとんどない。そして、第2帯電体140及び第2電極124がグラウンド電位に変更された後から、次のサイクルが始まるために、次のサイクルで獲得される電気エネルギー量がさらに多くなる。
以下では、図5ないし図10を参照して説明した最初サイクルが終わった後、反復されるサイクルでのエネルギーハーベスティング過程について説明する。
図11は、第2帯電体140が第1帯電体110に接近する様子を示した図面である。
図11を参照すれば、図5の場合と異なり、第1帯電体110が負電荷に帯電している。
図12は、摺動によって、第2帯電体140が第1帯電体110と接触した様子を示した図面である。
図12を参照すれば、第1帯電体110がすでに帯電している状態であるために、第1帯電体110及び第2帯電体140間の電子交換量は、相対的に少なくなる。第2帯電体140は、第1帯電体110表面に分布した負電荷の影響を受ける。第2帯電体140の下面には、正電荷が誘導される一方、第2帯電体140の上面には、負電荷が誘導される。
図13は、摺動によって、第2帯電体140が接地ユニット130と出合った状態を示した図面である。
第2帯電体140が接地ユニット130と接すれば、第2帯電体140の電位がグラウンド電位に変更される。その過程において、第2帯電体140から接地ユニット130に電子が移動する。
図14は、図13で示した電子の流れによって、第2帯電体140の電位が変更された状態を示した図面である。
図14を参照すれば、第2帯電体140が第1帯電体110と接する部分には、正電荷が残っている。第2帯電体140の正電荷は、第1帯電体110表面の負電荷と平衡をなし、第2帯電体140の電位をグラウンド電位にする。また、第2帯電体140から接地ユニット130に電子が移動しながら、第2帯電体140は、負電荷より正電荷をさらに多く含む。
第1帯電体110の上面の一部が、第2帯電体140と接触しないことによって、第1電極122及び第2電極124の間で、静電誘導現象が生じる。静電誘導現象が起これば、電気的平衡をなすために、第2電極124から第1電極122に電子が移動する。第1電極122と第2電極124との間で、電子流れが発生することにより、第1電極122及び第2電極124間の負荷30において、電気エネルギーが収獲される。
図15は、摺動によって、第2帯電体140が第1基板10に対して相対的にさらに動いた状態を示した図面である。
図15を参照すれば、第2帯電体140と第1帯電体110との接触面積が狭まることにより、第1電極122から第2電極124に電子が移動する。また、第2帯電体140の電位をグラウンド電位に維持するために、電荷保存所133から第2帯電体140に電子が移動する。第2帯電体140が接地ユニット130を介して外部電荷を供給されることにより、第2帯電体が摺動する間、負荷30を介して収獲される電気エネルギーの量がさらに増幅される。
図16は、摺動によって、第2帯電体140が第2電極124と接触した状態を示した図面である。
図16を参照すれば、第1帯電体110と第2帯電体140とが互いに分離する。また、第2帯電体140は、接地ユニット130及び第2電極124と接することができる。第2帯電体140が、接地ユニット130及び第2電極124と接するように、接地ユニット130と第2電極124との間隔d2は、第2帯電体140の幅Wより狭くともよい。第2電極124は、第2帯電体140及び接地ユニット130を介して、電荷保存所133と連結される。電荷保存所133から第2電極124に電子が移動することにより、第2電極124の電位が、電荷保存所133の電位と同じになる。例示的には、第2電極124の電位は、グラウンド電位と実質的に同じになる。
図17は、図16で示した状態で、摺動によって、第2帯電体140が第2電極124と分離された状態を示した図面である。
図17を参照すれば、第2帯電体140が第2電極124と分離されることによって、図11ないし図16を参照して説明したサイクルが終了する。図17を参照すれば、図11ないし図16を参照して説明した過程を経た後、第1帯電体110及び第2帯電体140と、第1電極122及び第2電極124との電荷分布が、図11で示したところと同じになる。従って、さらに第2帯電体140が第1帯電体110に上面を摺動させれば、図11ないし図16で示した過程が反復される。そして、サイクルが反復される間、第1電極122及び第2電極124の間で流れる電流から、電気エネルギーを収穫することができる。第2帯電体140が、摺動によって、相対的に他の部材に対して動く間、接地ユニット130が、第2帯電体140及び第2電極124と電荷をやり取りすることができる。第2帯電体140及び第2電極124が、外部電荷保存所133と電荷を交換することによって、摺動サイクルで収獲される電気エネルギー量がさらに多くなる。
図1では、第1電極122及び第2電極124、第1帯電体110、接地ユニット130が、平面第1基板10に設けられた例を示したが、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、第1基板10は、図1ないし図17で示したサイクル反復が容易であるように他の形状を有することもできる。
図18は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機の他の形状を示した斜視図である。
図18を参照すれば、実施形態による摩擦電気発電機の第1基板10は、円板形状でもある。第1基板10上に、は第1電極122、接地ユニット130及び第2電極124が放射状に配列される。また、第1電極122上面には、第1帯電体110が配列される。例えば、第1電極122、第1帯電体110、接地ユニット130及び第2電極124は、扇形形状を有することができる。しかし、本実施形態は、それに制限されるものではない。
第2帯電体140は、第1基板10の上面と対向しながら、第1基板10に対して相対的に回転することができる。例えば、該摩擦電気発電機は、第2帯電体140が設けられる第2基板12をさらに含む。第2基板12は、円板形状を有することができる。第1基板10及び第2基板12のうち少なくとも一つが回転することにより、第2帯電体140が、第1帯電体110の上面、接地ユニット130の上面、及び第2電極124の上面を摺動することができる。しかし、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、該摩擦電気発電機は、第2基板12を含まないこともある。第2帯電体140の回転軸が第1基板10と連結されることにより、第2帯電体140が、第1帯電体110の上面、接地ユニット130の上面、及び第2電極124の上面を摺動することができる。
図18では、第1基板10に、第1電極122、接地ユニット130及び第2電極124がそれぞれ一つずつ配列された場合を示したが、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、第1基板10には、第1電極122、接地ユニット130及び第2電極124からなるセットが複数個設けられてもよい。同様に、第2基板にも、第2帯電体140が複数個設けられてもよい。
図19は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機の他の形状を示した斜視図である。
図19を参照すれば、一実施形態による摩擦電気発電機は、円板形状の第1基板10及び第2基板12を含む。第1基板10上には、第1電極122、接地ユニット130及び第2電極124が放射状に配列される。また、第1電極122上面には、第1帯電体110が配列される。そして、接地ユニット130は、第2基板12に配列される。
第2帯電体140の回転軸は、第1基板10及び第2基板12と連結されている。第2帯電体140は、第1基板10及び第2基板12の間で動くことができる。第2帯電体140は、第1基板10及び第2基板12に対して相対的に回転することによって、第1帯電体110、接地ユニット130及び第2電極124の表面を順次に摺動することができる。
図20は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機の他の形状を示した斜視図である。
図20を参照すれば、一実施形態による摩擦電気発電機は、円板形状の第1基板10を含む。第1基板10上には、第1電極122、及び第2電極124が放射状に配列される。また、第1電極122上面には、第1帯電体110が配列される。
一実施形態による摩擦電気発電機は、導電性物質部分132と絶縁性物質部分134とを含むリングを含む。導電性物質部分132は、電荷保存所133と電気的に連結され、接地ユニットの機能を遂行することができる。第2帯電体140は、リングに対する相対的な回転を介して、リングの内周面を摺動することができる。第2帯電体140が絶縁性物質部分134の内周面を摺動する間には、電荷保存所133と第2帯電体140とが電気的に互いに断絶される。第2帯電体140が導電性物質部分132の内周面を摺動する間には、電荷保存所133と第2帯電体140とが電気的に互いに連結される。導電性物質部分132は、第1帯電体110と第2電極124との間に位置することができる。
図21は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機の他の形状を示した斜視図である。
図21を参照すれば、一実施形態による摩擦電気発電機は、円板形状の第1基板10を含む。第1基板10上には、第1電極122及び第2電極124が放射状に配列される。また、第1電極122上面には、第1帯電体110が配列される。
一実施形態による摩擦電気発電機は、導電性物質部分132と絶縁性物質部分134とを含む円筒形状のケース40を含む。導電性物質部分132は、電荷保存所133と電気的に連結され、接地ユニットの機能を遂行することができる。第2帯電体140は、ケース40に対する相対的な回転を介して、ケース40の内壁を摺動することができる。第2帯電体140が絶縁性物質部分134の内壁を摺動する間には、電荷保存所133と第2帯電体140とが電気的に互いに断絶される。第2帯電体140が導電性物質部分132の内壁を摺動する間には、電荷保存所133と第2帯電体140とが電気的に互いに連結される。導電性物質部分132は、第1帯電体110と第2電極124との間に位置することができる。
図22は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機の他の形状を示した断面図である。
図22を参照すれば、一実施形態による摩擦電気発電機は、第1電極122、接地ユニット130、及び第2電極124が配列される第3基板16を含む。第3基板16は、円柱形状を有することができる。図22では、第3基板16が円柱形状である場合を示したが、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、第3基板16は、中空円筒形状を有することもできる。第3基板16の外周面S4には、第1電極122、接地ユニット130及び第2電極124が設けられている。接地ユニット130は、電荷保存所133と連結される。また、第1電極122の上面には、第1帯電体110が設けられてもよい。
第2帯電体140は、第1基板10の外周面S4と対向しながら動くことができる。該摩擦電気発電機は、第2帯電体140が設けられた第4基板18をさらに含む。例えば、第2帯電体140は、第4基板18の内周面S5に設けられてもよい。第3基板16及び第4基板18のうち少なくとも一つが回転することによって、第2帯電体140が、第1帯電体110の表面、接地ユニット130の表面及び第2電極124の表面を順次に摺動することができる。そして、図5ないし図17で示したサイクルが反復される。
図22では、第3基板16に、第1電極122、接地ユニット130及び第2電極124がそれぞれ一つずつ配列された場合を示したが、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、第3基板16の外周面S4には、第1電極122、接地ユニット130及び第2電極124からなるセットが複数個設けられてもよい。同様に、第4基板18の内周面S5にも、第2帯電体140が複数個設けられてもよい。
また、図22に図示されたところと異なり、第3基板16の外周面S4に、第2帯電体140が設けられ、第4基板18の内周面S5に、第1電極122、第1帯電体110、接地ユニット130及び第2電極124が設けられてもよい。
図23は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機の他の形状を示した斜視図である。
図23を参照すれば、第2帯電体240が、第1帯電体210に対して相対的に回転運動することによって摺動する。第2帯電体240は、第1帯電体210及び第2電極224の間で、第1帯電体210及び第2電極224の表面上を摺動することができる。第1電極222と第2電極224は、第2帯電体240が摺動する方向に垂直方向に互いに離隔される。
第1帯電体210は、第2帯電体240と対向する第1電極222の下面に設けられてもよい。第2帯電体240は、第1帯電体210と互いに対向しながら、摺動によって、第1帯電体210と断続的に接触することができる。また、第2帯電体240は、摺動によって、第2電極224と断続的に接触することができる。接地ユニット230は、導電性柱を含む。接地ユニット230は、電荷保存所233と電気的に連結され、第2帯電体240が回転することにより、第2帯電体240と断続的に接触することができる。例示的には、第2帯電体240は、外面に形成された突出部242を含む。第2帯電体240が回転することにより、突出部242が接地ユニット230と断続的に接触することができる。
第1帯電体210及び第2帯電体240と、第1電極222及び第2電極224は、それぞれ放射状に拡張された複数の羽根を含む。例示的には、第1帯電体210及び第2帯電体240と、第1電極222及び第2電極224は、扇形形状を有することができる。
以下では、図23で示した摩擦電気発電機の作動過程について説明する。以下の図面においては、便宜上、第1帯電体210及び第2帯電体240と、第1電極222及び第2電極224とのそれぞれに含まれた複数の羽根のうち一つずつだけを表現する。
図24は、一実施形態による摩擦電気発電機の断面を概念的に示した図面である。
図24を参照すれば、第2帯電体240が、接地ユニット230、第2電極224及び第1帯電体210それぞれと分離している。第1帯電体210は、第1電極222と連動して動くことができる。第1帯電体210は、相対的な動きによって、第2帯電体240と近くなる。
図25は、第1帯電体210と第2帯電体240とが互いに接触した様子を示した図面である。
図25を参照すれば、摺動によって、第1帯電体210と第2帯電体240とが互いに接触することができる。第1帯電体210及び第2帯電体240が互いに接触すれば、第1帯電体210及び第2帯電体240それぞれの表面は、互いに異なる極性の電荷に帯電する。第1帯電体210及び第2帯電体240が互いに接触した後から、第1帯電体210及び第2帯電体240は、互いに連動して動くことができる。例示的には、第1帯電体210及び第2帯電体240は、時計の分針と時針とが連動して動く原理で、共に動くことができる。
図26は、第2帯電体240が接地ユニット230と接触した様子を示した図面である。
図26を参照すれば、第1帯電体210及び第2帯電体240が連動して動きながら、第2帯電体240の突出部242が、接地ユニット230と接触することができる。第2帯電体240が、接地ユニット230と電気的に連結されれば、電荷保存所233と第2帯電体240との電位が同じになる。例えば、第2帯電体240の電位がグラウンド電位とほぼ同じになる。
図27は、第2帯電体240が第2電極224と接触する様子を示した図面である。
図27を参照すれば、第2帯電体240が摺動によって、第2電極224と接触することができる。第2帯電体240が第2電極224と接触すれば、第2電極224の電位もグラウンド電位と同じになる。
図28及び図29は、第2帯電体240が、第2電極224及び第1帯電体210と分離されるところを示した図面である。
図28及び図29では、第2帯電体240が第2電極224と先に分離する場合を示したが、本実施形態は、それに制限されるものではない。第2帯電体240は、第1帯電体210と先に分離した後、第2電極224と分離されもする。また、第2帯電体240は、第1帯電体210及び第2電極224と実質的に同時に分離することもできる。そして、図29に図示されているように、第2帯電体240は、接地ユニット230とも分離する。
第2帯電体240が第2電極224と分離すれば、第2電極224の電位は、それ以上グラウンド電位を維持しない。また、第2帯電体240と第1帯電体210とが分離することにより、第1電極222及び第2電極224の電位が互いに異なる。第1電極222及び第2電極224の電位が互いに異なれば、第1電極222及び第2電極224の間で電流が流れる。第1電極222と第2電極224との間で電流が流れる間、第1電極222及び第2電極224間の負荷30を介して、電気エネルギーが収獲される。図24ないし図29で示した過程において、第2帯電体240及び第2電極224が接地ユニット230を介して、外部と電荷を交換しながら、第1電極222及び第2電極224の間に流れる電流の量がさらに増幅される。また、図29に図示されているように、第1帯電体210、第2帯電体240、第2電極224及び接地ユニット230がいずれも分離した状態に復帰されることにより、図24ないし図29で示した過程が反復される。
図30は、図23で示した摩擦電気発電機の変形例を示した図面である。
図30を参照すれば、接地ユニット130は、第2帯電体140の回転方向に沿って交互に配置される導電性部材232及び絶縁性部材234を含む。導電性部材232は、電荷保存所233と電気的に連結され、第2帯電体240が回転することにより、第2帯電体240と断続的に接触することができる。
例えば、導電性部材232と絶縁性部材234は、円筒状ケース50の内壁に設けられてもよい。図26ないし図28を参照して示した第2帯電体240が、接地ユニット230と接触する区間のような区間において、導電性物質部分232が第2帯電体240と接触するように、導電性物質部分232の分布位置が決定される。
図31は、他の例示的な実施形態による摩擦電気発電機の断面図である。
図31を参照すれば、一実施形態による摩擦電気発電機は、互いに離隔されるように設けられる第1電極322及び第2電極324と、第1電極322の下面に設けられる第1帯電体310、第1帯電体の下面と対向し、一方向(x軸方向)に摺動するように設けられる第2帯電体340であって、第1帯電体310との接触により、前記第1帯電体310と反対極性の電荷に帯電する第2帯電体340、及び第2帯電体340の動きによって、第2帯電体340と電荷保存所333とを断続的に連結する接地ユニット330を含む。
第2帯電体340は、第1帯電体310と第2電極324との間で、第1帯電体310及び第2電極324に対して相対的に動くことができる。第2帯電体340は、摺動によって、第1帯電体310の下面と接触することができる。また、第2帯電体340は、第2電極324とは離隔されるように設けられてもよい。従って、第2帯電体340が第1帯電体310の下面を摺動する間、第2帯電体340は、第2電極224と接触しない。
第2帯電体340と第1帯電体310は、互いに帯電率が異なる物質を含む。従って、第2帯電体340の表面と、第1帯電体310の表面とが摩擦を起こせば、第1帯電体310及び第2帯電体340それぞれは、互いに異なる極性の電荷に帯電する。
例えば、第1帯電体310は、第2帯電体340との摩擦によって、負電荷に帯電し、第2帯電体340は、第1帯電体310との摩擦によって、正電荷に帯電する。第2帯電体340は、接地ユニット330と電気的な連結が容易であるように、導電性物質を含む。前記導電性物質は、摩擦帯電が容易なAl、Cu、Ag、Au及びスチールのうち少なくとも一つを含む。また、第1帯電体310は、前記導電性物質との摩擦によって、負電荷に帯電しやすいポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、フッ素化されたエチレンプロピレン(FEP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(Kapton(登録商標))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリスチレン(PS)のうち少なくとも一つを含んでもよい。また、第1帯電体310は、PMMA、PET、PEEK、COC、PTFEのような有機ポリマー(organic polymer)を含んでもよい。また、第1帯電体310は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ORMOCER(登録商標)のような無機ポリマー(inorganic polymer)を含んでもよい。前記物質は、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それらに制限されるものではない。
他の例として、第1帯電体310は、第2帯電体340との摩擦によって、正電荷に帯電し、第2帯電体340は、第1帯電体310との摩擦によって、負電荷に帯電する。第2帯電体340は、接地ユニット330と電気的な連結が容易であるように、導電性物質を含む。前記導電性物質は、摩擦帯電が容易なAl、Cu、Ag、Au及びスチールのうち少なくとも一つを含む。また、第1帯電体310は、前記導電性物質との摩擦によって、正電荷に帯電しやすいポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルモル(melamine formol)、ウール(wool)、シルク(silk)、マイカ(mica)及びナイロン(nylon)のうち少なくとも一つを含む。前記物質は、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それらに制限されるものではない。
第1帯電体310及び第2帯電体340のうち少なくとも一つは、その表面の帯電特性を調節するために、p型ドーパントまたはn型ドーパントによってドーピングされる。p型ドーパントのソース(source)は、例えば、NO2BF4、NOBF4、NO2SbF6などのイオン性液体(ionic liquid);HCl、H2PO4、CH3COOH、H2SO4、HNO3などの酸類化合物(acidic compound)、ジクロロジシアノキノン(DDQ)、オキソン(oxone)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、トリフルオロメタンスルホンイミド(trifluoromethanesulfoneimide)などの有機化合物(organic compound)などを含む。または、p型ドーパントのソースとしては、HPtCl4、AuCl3、HAuCl4、トリフルオロメタンスルホン酸銀(AgOTf)、AgNO3、H2PdCl6、Pd(OAc)2、Cu(CN)2などを含む。
n型ドーパントのソースは、例えば、置換もしくは非置換のニコチンアミドの還元物(a reduction product of a substituted or unsubstituted nicotin amide);置換もしくは非置換のニコチンアミドと化学的に結合された化合物の還元物(a reduction product of a compound which is chemically bound to a substituted or unsubstituted nicotinamide);及び2以上のピリジニウム誘導体を含み、1以上のピリジニウム誘導体の窒素が還元された化合物(a compound comprising at least two pyridinium moieties in which a nitrogen atom of at least one of the pyridinium moieties is reduced)を含む。例えば、n型ドーパントのソースは、NMNH(nicotinamide mononucleotide−H)、NADH(nicotinamide adenine dinucleotide−H)、NADPH(nicotinamide adenine dinucleotide phosphate−H)を含むか、あるいはビオロゲン(viologen)を含む。または、前記n型ドーパントのソースは、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリマーを含む。または、n型ドーパントは、K、Liなどのアルカリ金属を含む。一方、以上で言及されたp型ドーパントとn型ドーパント物質は、例示的なものであり、それら以外にも、他の多様な物質がドーパントとして使用される。
接地ユニット330は、電荷保存所333と電気的に連結される。電荷保存所133は、電位がほぼ変わらずに維持される地面(ground)または導電性部材を含む。第2帯電体340が接地ユニット330に接触すれば、接地ユニット330を介して、電荷保存所333と第2帯電体340とが電気的に連結される。第2帯電体340が電荷保存所333と、接地ユニット330を介して連結されれば、第2帯電体340の電位が、電荷保存所333の電位がほぼ同じになるように変わる。
第1電極322及び第2電極324は、電気伝導性にすぐれる物質を含む。例えば、第1電極322及び第2電極324は、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(CNT)、ITO(indium tin oxide)、金属及び伝導性ポリマーからなるグループのうちから選択された少なくとも1つの物質を含む。ここで、該金属は、例えば、Ag、Al、Cu、Au、Ni、Cr及びPtからなるグループのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第1電極322及び第2電極324は、単層構造または複層構造を有することができる。
図32は、図31で示した摩擦電気発電機の変形例を示した図面である。図32の実施形態についての説明にあたり、図31と重複する内容は省略する。
図32を参照すれば、第1帯電体310の接触面と、第2帯電体340の接触面とのうち少なくとも一つには、複数の突起部が形成されている。前記複数の突起部は、ナノピラミッド、ナノワイヤ、ナノボール(ball)、ナノロッド(rod)などを含む。第1帯電体310の接触面と、第2帯電体340の接触面とのうち少なくとも一つに、複数の突起部が形成されることにより、第1帯電体310と第2帯電体340とが接触したとき、第1帯電体310の接触面、及び第2帯電体340の接触面それぞれに誘導される帯電電荷の量がさらに多くなる。
図33は、摺動によって、図31で示した第1帯電体310と第2帯電体340とが互いに接触した様子を示した図面である。
図33を参照すれば、第1帯電体310及び第2帯電体340が互いに接触すれば、第1帯電体310の表面、及び第2帯電体340の表面が互いに異なる極性の電荷に帯電する。図33では、第2帯電体340の表面が正電荷に帯電し、第1帯電体310の表面が負電荷に帯電した例を示したが、本実施形態は、それらに制限されるものではない。例えば、第1帯電体310の表面が正電荷に帯電し、第2帯電体340の表面が負電荷に帯電してもよい。
図34は、摺動によって、第2帯電体340が第1帯電体310に対して相対的に動いた様子を示した図面である。
図34を参照すれば、第1帯電体310の表面の一部が第2帯電体340と接触しない。第1帯電体310が第2帯電体340と接触しない領域の近くでは、静電誘導によって、第1電極322の電子が第2電極324に移動する。すなわち、第1電極322及び第2電極324の間で電流が流れる。
図35は、摺動によって、第2帯電体340が接地ユニット330と接触した様子を示した図面である。
図35を参照すれば、第2帯電体340が接地ユニット330と接触し、電荷保存所333と電荷をやり取りすることができる。第2帯電体340は、電荷保存所333と電荷をやり取りすることにより、電荷保存所333と電位が同じになる。例えば、電荷保存所333から第2帯電体340に電子が移動することにより、第2帯電体340の電位は、グラウンド電位と実質的に同じになる。
図36は、図31ないし図34で示したサイクルが終了し、第2帯電体340がさらに第1帯電体310に接近する様子を示した図面である。
図36を参照すれば、図31ないし図35で示したサイクルが終わった後、電気的な平衡状態において、第1帯電体310の表面は、負電荷に帯電する。また、第1電極322は、正電荷をさらに多く含み、第2電極324は、負電荷をさらに多く含む。
図37は、摺動によって、第2帯電体340が第1帯電体310の表面と接触した状態を示した図面である。
図37を参照すれば、第1帯電体310がすでに帯電している状態であるために、第1帯電体310及び第2帯電体340間の電子交換量は、相対的に少なくなる。第2帯電体340は、第1帯電体310表面の負電荷の影響を受ける。第2帯電体340の上面には、正電荷が誘導される一方、第2帯電体340の下面には、負電荷が誘導される。
図38は、摺動によって、第2帯電体340が第1帯電体310に対して相対的に動いた様子を示した図面である。
図38を参照すれば、第1帯電体310の表面の一部が、第2帯電体340と接触しない。第1帯電体310が第2帯電体340と接触しない領域の近くでは、静電誘導によって、第1電極322の電子が第2電極324に移動する。図36を参照して説明したように、第2帯電体340の電位が外部電荷保存所333によって変更された後、サイクルが始まったために、第1電極322及び第2電極324の間に流れる電流の量がさらに多くなる。すなわち、接地ユニット330がない場合より、接地ユニット330がある場合、第1電極322及び第2電極324の間に流れる電流の量がさらに多くなる。
図39は、摺動によって、第2帯電体340が接地ユニット330と接触した様子を示した図面である。
図39を参照すれば、第2帯電体340が接地ユニット330と接触し、電荷保存所333と電荷をやり取りすることができる。第2帯電体340は、電荷保存所333と電荷をやり取りすることにより、電荷保存所333と電位が同じになる。例えば、電荷保存所333から第2帯電体340に電子が移動することにより、第2帯電体340の電位は、グラウンド電位と実質的に同じになる。第2帯電体340の電位がグラウンド電位と同じになりながら、第1帯電体310と、第1電極322及び第2電極324との状態が、図35で示したところと同じになる。そして、摺動によって、図36ないし図39を参照して説明したサイクルが反復されることにより、電気エネルギーが反復的に収獲される。また、第2帯電体340外部の電荷保存所333と電荷を交換することによって、摺動サイクルで収獲される電気エネルギー量がさらに多くなる。
図40は、図1ないし図17を参照して説明した摩擦電気発電機の第1電極122及び第2電極124の間に流れる電流、及び接地ユニット130で流れる電流それぞれの経時的な変化を示したグラフである。図40で上側のグラフは、第1電極122及び第2電極124の間に流れる電流を示し、下側のグラフは、接地ユニット130で流れる電流を示す。
図40を参照すれば、第1電極122及び第2電極124の間で流れる電流のグラフは、互いに異なる方向に形成された2つのピークa,cを含む。それは、図14で示した第1電極122及び第2電極124の間での電子の動き方向と、図15で示した第1電極122及び第2電極124の間での電子の動き方向とが互いに異なるからである。また、接地ユニット130で流れる電流も、互いに異なる方向に形成された2つのピークb,dを含む。それは、図14で示した接地ユニット130での電子の動き方向と、図15で示した接地ユニット130での電子の動き方向とが互いに異なるからである。従って、一実施形態による摩擦電気発電機は、第1電極122及び第2電極124の間に流れる出力電流が交流電流になる。
図41は、図1ないし図17を参照した摩擦電気発電機を利用して、第1電極122及び第2電極124の間での出力電流を測定した結果と、摩擦電気発電機から接地ユニット130を除去した後、出力電流を測定した結果とを比較したグラフである。
図41において左側グラフは、接地ユニット130がない場合、経時的な出力電流の変化を示したグラフであり、右側グラフは、接地ユニット130がある場合、経時的な出力電圧の変化を示したグラフである。
図42は、図1ないし図17を参照した摩擦電気発電機を利用して、第1電極122及び第2電極124間の電圧を測定した結果と、摩擦電気発電機から接地ユニット130を除去した後、第1電極122及び第2電極124間の電圧を測定した結果とを比較したグラフである。
図42において左側グラフは、接地ユニット130がない場合、経時的な第1電極122及び2電極124間の電圧変化を示したグラフであり、右側グラフは、接地ユニット130がある場合、第1電極122及び第2電極124間の電圧変化を示したグラフである。
図41及び図42を参照すれば、接地ユニット130がない場合、第1電極122及び第2電極124の間に流れる電流が1.2mAを超えることがなく、第1電極122及び第2電極124間の電圧は、50V前後に過ぎない。
その一方、接地ユニット130を利用した場合、第1電極122及び第2電極124の間に流れる電流及び電圧の差が増幅される。接地ユニット130を介して、電荷保存所133と第2帯電体140とが互いに電荷をやり取りすることにより、第1電極122及び第2電極124間の電流及び電圧が増幅される。電流の場合、接地ユニット130を除去した場合に比べ、接地ユニット130を含めた場合、10倍近く増加し、電流ピーク値が1mA以上の値を有することができる。また、電圧の場合、接地ユニット130を除去した場合に比べ、接地ユニット130を含めた場合、4倍以上増加し、電圧のピーク値が150Vないし200Vの値を有することができる。
図43は、例示的な実施形態による摩擦電気発電機の斜視図である。図44は、図43で示した摩擦電気発電機を側面から見た側面図であり、図45は、図43で示した摩擦電気発電機を上面から見た上面図である。
図43ないし図45を参照すれば、一実施形態による摩擦電気発電機は、互いに離隔されるように設けられる第1電極422及び第2電極424、第1電極422の上面に設けられた第1帯電体410、摺動によって、第1帯電体410と接触することによって、前記第1帯電体410と反対極性の電荷に帯電する第2帯電体440、及び第1磁性体460を含む。また、該摩擦電気発電機は、第2電極424と連動するように構成されたものであり、第1磁性体460から受ける磁気力によって、第2電極424が、前記第2帯電体440に対して相対的に動くようにする第2磁性体470を含む。
第2電極424に付着した第2磁性体470、及び第2帯電体440と電荷保存所(charge reservoir)433とを断続的に連結する接地ユニット430を含む。
第1帯電体410及び第1電極422、接地ユニット430及び第1磁性体460は、互いに連動されている。従って、第1帯電体410が、第2帯電体440及び第2電極424に対して相対的に回転すれば、第1電極422、接地ユニット430、及び第1磁性体460また第2帯電体440とb第2電極424とに対して相対的に回転することができる。
第2帯電体440の第1帯電体410に対する相対的な回転は、第1帯電体410の回転運動、または第2帯電体440の回転運動によって起こる。従って、第2帯電体440が回転する場合は言うまでもなく、第1帯電体410は、固定されており、第2帯電体440が回転する場合も可能である。また、第1帯電体120及び第2帯電体140がいずれも回転する場合も、可能である。
例えば、第1帯電体410が回転する場合、第1電極422、接地ユニット430及び第1磁性体460も、第1帯電体410と連動して共に回転することができる。第1帯電体410、第1電極422、接地ユニット430及び第1磁性体460が連動して動くように、該摩擦電気発電機は、第1電極422が設けられたことにより、第1磁性体460が付着した第1基板10aを含む。接地ユニット430は、回転軸が第1基板10aと連動されている。第1基板10aが回転することにより、第1電極422、第1電極422上面に設けられた第1帯電体410、接地ユニット430、及び第1磁性体460が共に回転することができる。
第1基板10aは、回転運動に適するように、円板形状を有することができる。第1電極422、第1帯電体410は、扇形形状を有することができる。図43では、第1電極422と第1帯電体410とが半円板形状である場合を例示的に示したが、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、第1電極422と第1帯電体410は、中心角が180°ではない扇形形状を有することもできる。また、第1電極422と第1帯電体410は、扇形ではない放射状に拡張された他の形状を有することもできる。第2帯電体440も、扇形形状または放射状に拡張された他の形状を有することができる。
前述の例では、第1基板10aと共に、第1帯電体410が回転する場合について説明した。しかし、本発明の実施形態は、それに制限されるものではない。他の例として、第1帯電体410が回転しない場合、第2帯電体440及び第2磁性体470が、第1帯電体410に対して回転することもできる。その場合、第1基板10aは、省略される。第2磁性体470が回転するために、第2磁性体470が付着した第2電極424が共に回転することができる。第2電極424と第2帯電体440は、互いに連動して回転することができる。
第2帯電体440が第1帯電体410に対して相対的に回転すれば、摺動により、第1帯電体410と第2帯電体440との表面が断続的に接触する。第2帯電体440と第1帯電体410は、互いに帯電率が異なる物質を含む。従って、第2帯電体440の表面と、第1帯電体410の表面とが摩擦を起こせば、第1帯電体410の表面、及び第2帯電体440の表面は、それぞれ互いに異なる極性の電荷に帯電する。第1帯電体410及び第2帯電体440の帯電電荷の種類は、各帯電体をなす材料に依存し、帯電体をなす材料の摩擦電気シリーズ(triboelectric series)での相対的な位置によって決定される。
例えば、第1帯電体410の表面は、第2帯電体440との摩擦によって、負電荷に帯電し、第2帯電体440の表面は、第1帯電体410との摩擦によって、正電荷に帯電する。第2帯電体440は、接地ユニット430と電気的な連結が容易であるように、導電性物質を含む。前記導電性物質は、摩擦帯電が容易なAl、Cu、Ag、Au及びスチールのうち少なくとも一つを含む。また、第1帯電体410は、前記導電性物質との摩擦によって、負電荷に帯電しやすいポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、フッ素化されたエチレンプロピレン(FEP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド(Kapton(登録商標))、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)及びポリスチレン(PS)のうち少なくとも一つを含む。第1帯電体410は、PMMA、PET、PEEK、COC、PTFEのような有機ポリマー(organic polymer)を含む。第1帯電体410は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ORMOCER(登録商標)のような無機ポリマー(inorganic polymer)を含む。前記物質は、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それらに制限されるものではない。
他の例として、第1帯電体410の表面は、第2帯電体440との摩擦によって、正電荷に帯電し、第2帯電体440の表面は、第1帯電体410との摩擦によって、負電荷に帯電する。第2帯電体440は、接地ユニット430と電気的な連結が容易であるように、導電性物質を含む。前記導電性物質は、摩擦帯電が容易なAl、Cu、Ag、Au及びスチールのうち少なくとも一つを含む。第1帯電体410は、前記導電性物質との摩擦によって、正電荷に帯電しやすいポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルモル(melamine formol)、ウール(wool)、シルク(silk)、マイカ(mica)及びナイロン(nylon)のうち少なくとも一つを含む。前記物質は、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それらに制限されるものではない。
第1帯電体410及び第2帯電体440のうち少なくとも一つは、その表面の帯電特性を調節するために、p型ドーパントまたはn型ドーパントによってドーピングされる。p型ドーパントのソース(source)は、例えば、NO2BF4、NOBF4、NO2SbF6などのイオン性液体(ionic liquid);HCl、H2PO4、CH3COOH、H2SO4、HNO3などの酸類化合物(acidic compound);ジクロロジシアノキノン(DDQ)、オキソン(oxone)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、トリフルオロメタンスルホンイミド(trifluoromethanesulfoneimide)などの有機化合物(organic compound)などを含む。または、p型ドーパントのソースとして、HPtCl4、AuCl3、HAuCl4、トリフルオロメタンスルホン酸銀(AgOTf)、AgNO3、H2PdCl6、Pd(OAc)2、Cu(CN)2などを含む。
n型ドーパントのソースは、例えば、置換もしくは非置換のニコチンアミドの還元物(a reduction product of a substituted or unsubstituted nicotin amide);置換もしくは非置換のニコチンアミドと化学的に結合された化合物の還元物(a reduction product of a compound which is chemically bound to a substituted or unsubstituted nicotinamide);及び2以上のピリジニウム誘導体を含み、1以上のピリジニウム誘導体の窒素が還元された化合物(a compound comprising at least two pyridinium moieties in which a nitrogen atom of at least one of the pyridinium moieties is reduced)を含む。例えば、n型ドーパントのソースは、NMNH(nicotinamide mononucleotide−H)、NADH(nicotinamide adenine dinucleotide−H)、NADPH(nicotinamide adenine dinucleotide phosphate−H)を含むか、あるいはビオロゲン(viologen)を含む。または、前記n型ドーパントのソースは、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリマーを含む。または、n型ドーパントは、K、Liなどのアルカリ金属を含む。一方、以上で言及されたp型ドーパントとn型ドーパント物質は、例示的なものであり、それら以外にも、他の多様な物質がドーパントとして使用される。
接地ユニット430は、電荷保存所433と電気的に連結される。接地ユニット430は、金属、セラミックス、ポリマーなどの物質を含む。電荷保存所433は、電位変化が実質的に起こらない地面(ground)、または後述する導電性部材を含む。接地ユニット430は、第2帯電体440に対して相対的に回転運動することにより、第2帯電体440と断続的に接触することができる。第2帯電体440が接地ユニット430に接触すれば、接地ユニット430を介して、電荷保存所433と第2帯電体440とが電気的に連結される。第2帯電体440が電荷保存所433と、接地ユニット430を介して連結されれば、第2帯電体440の電位が電荷保存所433の電位と実質的に同じになる。
第1電極422及び第2電極424は、電気伝導性にすぐれる物質を含む。例えば、第1電極422及び第2電極424は、グラフェン(graphene)、炭素ナノチューブ(CNT)、ITO(indium tin oxide)、金属及び伝導性ポリマーからなるグループのうちから選択された少なくとも1つの物質を含む。ここで、該金属は、例えば、Ag、Al、Cu、Au、Ni、Cr及びPtからなるグループのうちから選択された少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第1電極422及び第2電極424は、単層構造または複層構造を有することができる。
第2帯電体440が第1帯電体410の表面を摺動すれば、第1電極422及び第2電極424の間に静電誘導現象が生じる。例えば、第2帯電体440と第1帯電体410との接触面積が変わる間、第1電極122と第2電極424との間に、静電誘導現象によって、電荷の動きが生ずる。一実施形態による摩擦電気発電機は、前記静電誘導現象によって、第1電極422と第2電極424との間で発生する電荷の流れから、エネルギーをハーベスティング(harvesting)することができる。
第2帯電体440が第1帯電体410に対して相対的に回転する間、第2磁性体470は、第1磁性体460に対して相対的に回転することができる。第2磁性体470が第1磁性体460に対して相対的に回転する間、第1磁性体460及び第2磁性体470間の距離が変わる。例示的には、第1磁性体460は、第1基板10aの下面に付着し、第2磁性体470は、第2電極424の上面に付着することができる。しかし、本実施形態は、それらに制限されるものではない。
第1磁性体460及び第2磁性体470間の距離が変わることにより、第1磁性体460と第2磁性体470との間に作用する磁気力の強度が変わる。第1磁性体460と第2磁性体470との間に作用する磁気力の強度に依存し、第2電極424と第2帯電体440とが互いに接触してもよく、接触しなくともよい。
図43ないし図45では、第1磁性体460と第2磁性体470との距離が近い場合、第2電極424と第2帯電体440とが互いに離隔される場合を示した。その場合、第1磁性体460と第2磁性体470は、互いに対向する面が同じ極性を有することによって、第1磁性体460と第2磁性体470との間に斥力が作用する。前記第1磁性体460及び第2磁性体470間の斥力によって、第2電極424が第2帯電体440から離隔される。
しかし、本実施形態は、それに制限されるものではない。例えば、第1磁性体460と第2磁性体470は、互いに対向する面が互いに異なる極性を有することによって、第1磁性体460と第2磁性体470との間に引力が作用することができる。その場合、第1磁性体460と第2磁性体470とが近くなれば、第1磁性体460及び第2磁性体470間の引力によって、第2電極424と第2帯電体440とが接触する。そして、第1磁性体460と第2磁性体470とが遠くなれば、第2電極424は、第2帯電体440から遠くなる。例えば、第2電極424と第2帯電体440との間には、弾性部材が設けられてもよい。前記弾性部材の弾性力によって、第1磁性体460と第2磁性体470とが遠くなれば、第2電極424は、第2帯電体440から離隔される。
以下では、図43ないし図45を参照して説明した摩擦電気発電機が、エネルギーを収穫する原理について説明する。以下の図面において、電荷の表示は、例示的なものに過ぎず、実際の電荷流れは、摩擦電気発電機の多様な実施形態によって異なる。
図46は、摺動によって、第1帯電体410と第2帯電体440とが接触した状態を示した図面である。図47は、図46で示した摩擦電気発電機を、側面から見た側面図であり、図48は、図46で示した摩擦電気発電機を上面から見た上面図である。
図46ないし図48を参照すれば、第1帯電体410が第2帯電体440に対して、相対的に回転することによって、第1帯電体410の表面と、第2帯電体440の表面とが接触する。第2帯電体440が第1帯電体410の表面を摺動すれば、摩擦帯電効果が生じる。例えば、第2帯電体440と第1帯電体410とが互いに接触すれば、第1帯電体410の表面、及び第2帯電体440の表面は、それぞれ反対極性の極性電荷に帯電する。
図47では、例示的に、第2帯電体440と第1帯電体410との摩擦によって、第2帯電体440表面の電子が、第1帯電体410表面に移動した例を示した。電子の移動によって、第2帯電体440が正電荷帯電体になり、第1帯電体410が負電荷帯電体になる。しかし、それは、例示的なものに過ぎず、反対の場合も可能である。例えば、第1帯電体410表面の電子が、第2帯電体440表面に移動することによって、第1帯電体410が正電荷帯電体になり、第2帯電体440が負電荷帯電体にもなる。
図48を参照すれば、第1磁性体460と第2磁性体470とが、図45で示したところより互いに遠くなる。図48を参照すれば、第1磁性体460と第2磁性体470との距離が遠くなることにより、第2電極424と第2帯電体440との間隔d1が、図44で示したところよりさらに狭くなる。
図49は、第1帯電体410が第2帯電体440に対して相対的にさらに回転した状態を示した図面である。図50は、図49で示した摩擦電気発電機を側面から見た側面図であり、図51は、図49で示した摩擦電気発電機を上面から見た上面図である。
図49ないし図51を参照すれば、第1帯電体410が第2帯電体440に対して相対的に回転しながら、第1帯電体410及び第2帯電体440の接触面積がさらに広くなる。接地ユニット430は、第1帯電体410と共に回転し、第2帯電体440と接触する。接地ユニット430の端部は、第2帯電体440の端と接触する。接地ユニット430が第2帯電体440と接触すれば、第2帯電体440と電荷保存所433とが電気的に連結される。第2帯電体440は、電荷保存所433と電荷をやり取りすることができる。例えば、第2帯電体440は、電荷保存所433から電子を供給される。第2帯電体440が電荷保存所433から電子を供給されれば、第2帯電体440の電位がグラウンド電位と実質的に同じになる。
第2帯電体440に電子が供給され、第2帯電体の電位が変われば、第1電極422及び第2電極424に静電誘導現象が生じる。例えば、第1電極422から第2電極424に電子が移動し、第1電極422及び第2電極424の間に電流が流れる。第1電極422及び第2電極424の間に電流が流れれば、第1電極422及び第2電極424の間に連結された負荷30aから電気エネルギーを収穫することができる。静電誘導現象によって、第1電極422は、正電荷をさらに多く含み、第2電極424は、負電荷をさらに多く含む。第2帯電体440が、接地ユニット430を介して、電荷保存所433と電荷を交換することにより、第1電極及び第2電極424の間に流れる電流の量が増幅される。
図51を参照すれば、第1磁性体460と第2磁性体470との距離が、図48で示したところよりさらに遠くなる。第1磁性体460と第2磁性体470との距離が遠くなるによって、第1磁性体460と第2磁性体470との間に作用する磁気力が弱くなる。図50を参照すれば、第1磁性体460と第2磁性体470との間に作用する磁気力が弱くなりながら、第2電極424と第2帯電体440との間隔d1がさらに近くなる。
図52は、第1帯電体410が第2帯電体440に対して相対的にさらに回転した状態を示した図面である。図53は、図52で示した摩擦電気発電機を側面から見た側面図であり、図54は、図52で示した摩擦電気発電機を上面から見た上面図である。
図52ないし図54を参照すれば、第1帯電体410が第2帯電体440に対して相対的に回転することにより、第1帯電体410と第2帯電体440との接触面積が最大になる。第1帯電体410と第2帯電体440との接触面積が増大することにより、第1帯電体410の表面にさらに多くの負電荷が誘導される。第1帯電体410が第2帯電体440に対して相対的に回転する間、接地ユニット430の端部は、第2帯電体440の端を摺動することができる。電荷保存所433から第2帯電体440に電子が移動することにより、第2帯電体440の電位が電荷保存所433の電位と同じになる。
第1帯電体410の表面にさらに多くの負電荷が誘導されながら、第1電極422及び第2電極424の間に静電誘導現象が生じる。例えば、第1電極422から第2電極424に電子が移動する。従って、第1電極122は、正電荷を負電荷よりさらに多く含む。
図54を参照すれば、第1磁性体460と第2磁性体470との距離が図51で示したところよりさらに遠くなる。第1磁性体460と第2磁性体470との距離が遠くなるによって、第1磁性体460と第2磁性体470との間に作用する磁気力が弱くなる。図52を参照すれば、第1磁性体460と第2磁性体470との間に作用する磁気力が弱くなりながら、第2電極424と第2帯電体440とが互いに接触する。
第2電極424が第2帯電体440と接触すれば、第2電極424は、第2帯電体440及び接地ユニット430を介して、電荷保存所433と電気的に連結される。第2電極424は、電荷保存所433と電荷をやり取りすることができる。第2電極424の電位は、電荷保存所433の電位と同じになる。例示的には、第2電極424の電位は、グラウンド電位と実質的に同じになる。
第1電極422及び第2電極424間の静電誘導現象によって、第1電極422から第2電極424に電子が移動する。第1電極422から第2電極424に電子が移動する量ほど、第2電極424から電荷保存所433に電子が移動する。従って、第2電極424は、電気的に中性状態を維持することができる。第2電極424が電気的に中性になるによって、第1電極422及び第2電極424の間に流れる電流の量が増幅される。
図55は、第1帯電体410が第2帯電体440に対して相対的にさらに回転した状態を示した図面である。図56は、図55で示した摩擦電気発電機を側面から見た側面図であり、図57は、図55で示した摩擦電気発電機を上面から見た上面図である。
図55ないし図57を参照すれば、第1帯電体410が第2帯電体440に対して相対的に回転することにより、第1帯電体410と第2帯電体440との接触面積が狭まる。また、図57に図示されているように、第1磁性体460と第2磁性体470との距離が増大しながら、第2電極424と第2帯電体440とがさらに分離される。図57に図示されているように、接地ユニット430の端部は、第2帯電体440と分離する直前状態となる。
図55ないし図57で示した状態から、第1帯電体410がさらに回転すれば、図43ないし図45で示した初期位置に戻る。第1帯電体410が初期位置に戻れば、電気的平衡によって電荷の動きは、ほぼなくなる。
図46ないし図57を参照して説明したサイクルが終了してから、図43ないし図45で示したところと異なるように、第1帯電体410は、負に帯電した状態を維持することができる。第1帯電体410と第2帯電体440との相対的な回転運動が続けば、第1帯電体410が負に帯電した状態において、図46ないし図57を参照して説明した過程が反復される。サイクルが反復される間、静電誘導によって、第1電極422及び第2電極424の間で電流が流れる。第2帯電体440が接地ユニット430と断続的に接触することによって、電荷保存所433と第2帯電体440との間に電荷交換が起こる。電荷保存所433と第2帯電体440との間に起こる電荷交換により、第1電極422及び第2電極424の間に流れる電流の量が増幅される。
図58は、図44で示した摩擦電気発電機の変形例を示した図面である。図58の実施形態についての説明にあたり、図43ないし図57と重複する内容は省略する。
図58を参照すれば、第2帯電体440と接触する第1帯電体410の接触面S1と、第1帯電体410と接触する第2帯電体440の接触面S2とのうち少なくとも一つには、複数の突起部が形成されている。前記複数の突起部は、ナノピラミッド、ナノワイヤ、ナノボール(ball)、ナノロッド(rod)などを含む。第1帯電体410の接触面S1と、第2帯電体440の接触面S2とのうち少なくとも一つに、複数の突起部が形成されることにより、第1帯電体410と第2帯電体440とが接触したとき、第1帯電体410の接触面S1、及び第2帯電体440の接触面S2それぞれに誘導される帯電電荷の量がさらに多くなる。
図59は、図44で示した摩擦電気発電機の変形例を示した図面である。
図59を参照すれば、電荷保存所433aは、導電性部材を含む。図59では、導電性部材の形状を板として示したが、それは、例示的なものに過ぎず、本実施形態は、それに制限されるものではない。電荷保存所433aは、電気的容量が大きい導電性部材でもある。電荷保存所433aが接地ユニット430を介して、第2帯電体440と連結されれば、電荷保存所433aは、第2帯電体440と電荷をやり取りすることができる。電荷保存所433aは、第2帯電体440と電荷をやり取りすることにより、第2帯電体440と電位が同じになる。例示的には、電荷保存所433aの電位は、グラウンド(ground)電位と実質的に同一である。
以上、図1ないし図59を参照し、一実施形態による摩擦電気発電機について説明した。一実施形態によれば、摺動によって、第1帯電体及び第2帯電体が互いに接触し、第1帯電体及び第2帯電体が互いに異なる極性の電荷に帯電する。また、第1帯電体及び第2帯電体間の相対的な運動によって、第1電極及び第2電極の間に電流が流れる。前記電極らの間に流れる電流から、電気エネルギーが収獲される。また、接地ユニットと断続的な接触を介して、第2帯電体または第2電極の電位が変更されることにより、第1電極及び第2電極の間に流れる電流の量を増幅させることができる。
以上で説明した摩擦電気発電機は、スマートウォッチ、携帯電話、ラジオ、バイオセンサ、位置センサ、体温センサ、血圧センサなどに含まれ、電力供給手段としても使用される。該摩擦電気発電機は、腕や足のように、人体で常に動く部位に着用されるモバイル機器に内蔵され、前記腕や足の動きによる運動エネルギーを電気エネルギーに転換することができる。それ以外にも、該摩擦電気発電機は、機械装置に装着され、機械装置の振動を電気エネルギーに転換することができ、また摩擦電気発電機は、風、圧力、音、流体の流れなどによって発生する振動を利用して、電気的エネルギーを発生させることもできる。
以上、本発明について、その望ましい実施形態を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者であるならば、本発明が、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求も範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。