JP6925153B2 - トリプレート型平面アンテナ - Google Patents
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Description
スロット板44は、上記パッチアンテナ43A1,1〜43Am,nに個別に対応する部位において格子状のスロット開口44S1,1〜44Sm,nが形成され、これらの部位以外の全面にはプレーンアースパターンが形成される。
フレキシブル基板53には、給電路53Fに接続される複数のパッチアンテナ53A1,1〜53Am,nが設けられる。フレキシブル基板53には、格子状に配置された矩形のパッチアンテナ53A1,1〜53Am,nのアレイに併せて、これらのパッチアンテナに対するトーナメント給電を実現する給電路53Fが回路パターンとして形成される。
スロット板63は、上記パッチアンテナ53A1,1〜53Am,nに個別に対応する部位において、2つの矩形が1組として構成されたスロット開口63S1,1〜63Sm,nが形成され、これらの部位以外の全面にはプレーンアースパターンが形成される。
スロット板83は、上記パッチアンテナ73A1,1〜73Am,nに個別に対応する部位において格子状のスロット開口83S1,1〜83Sm,nが形成され、これらの部位以外の全面にはプレーンアースパターンが形成される。
また、このような構造のトリプレート型平面アンテナにおけるトリプレート線路は、通常のリジッド基板を用いたマイクロストリップ線路に比べ大幅に線路損失が小さいため、アンテナ面積を大きくしてもアンテナ効率低下が少ないというメリットを持つ。そのため、アンテナ面積を大きくすることにより高利得の平面アンテナが実現できる可能性がある。
このようなトリプレート型平面アンテナは、2枚のフレキシブル基板(フレキシブル基板93−1、フレキシブル基板93−2)が並べられて配置される。フレキシブル基板93−1の面上において、複数のパッチアンテナが並べられた領域の外側であって、フレキシブル基板93−2に隣接する辺に対向する辺の近傍には、フレキシブル基板のアンテナ給電点である変換器(トリプレート線路−導波管変換器)93Caが設けられる。一方、フレキシブル基板93−2の面上において、複数のパッチアンテナが並べられた領域の外側であって、フレキシブル基板93−1に隣接する辺に対向する辺の近傍には、フレキシブル基板のアンテナ給電点である変換器(トリプレート線路−導波管変換器)93Cbが設けられる。そして、これらの変換器93Ca、変換器93Cbは、導波管分配器93−5によって接続される。
そのためトリプレート型平面アンテナにおいて、複数の給電点間を導波管接続することなしに、従来より大きな面積の平面アンテナを実現すること、つまり従来より高利得の平面アンテナを実現することが課題である。
図1は、この発明の一実施形態によるトリプレート型平面アンテナのフレキシブル基板の構成を示す概略構成図である。トリプレート型平面アンテナには、フレキシブル基板4a(例えば第1フレキシブル基板)とフレキシブル基板4b(例えば第2フレキシブル基板)とを含んで構成され、フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bは、並べられて配置される。このフレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bの形状は、それぞれ、長尺状の矩形状である。フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bは、それぞれ長手方向において略平行となるように並べられており、対向する辺どうしは、間隔が距離Lであるギャップ13を有するように配置される。またフレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bは、線対称の関係となる位置に配置される。
なお、フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bは、長手方向に沿って平行となるように配置される場合について図示されているが、短手方向に沿って平行となるように配置されていてもよい。
フレキシブル基板4bには、矩形のパッチアンテナ6bが略格子状となるように複数配置されており、それぞれのパッチアンテナ6bのアレイに併せて、これらのパッチアンテナ6bに対するトーナメント給電を実現するように各パッチアンテナ6bに接続される給電路5bが回路パターンとして形成される。
フレキシブル基板4aのパッチアンテナ6aとフレキシブル基板4bのパッチアンテナ6b、フレキシブル基板4aの給電路5aとフレキシブル基板4bの給電路5bについても、それぞれ、線対称の関係となるように配置または形成されている。
2ポートトリプレート線路−導波管変換器(以下、単に「変換器」という。)10は、フレキシブル基板4aのプローブとフレキシブル基板4bのプローブとが内周側に収まるようにされつつ、フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bに対して跨がるようにして設けられる。変換器10が配置される位置の周辺を含む領域(符号A)については、図3を用いて後に説明する。
この図において、トリプレート型平面アンテナ100は、グランド板1、発泡シート2A、フレキシブル基板(フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4b)、発泡シート2Bおよびスロット板3が積層され、オフセット板17、ショート板18、第1スペーサ部材22a1,22b1、第2スペーサ部材22a2,22b2、及び導波管フランジ20を含んで構成される。
グランド板1には、その上面側における対応する位置に、プレーンアースに相当するパターンとしてスロット板3が配置される。このグランド板1は、いわゆる地導体として機能するものであり、軽量かつ安価であることから、例えばアルミの板が用いられる。
発泡シート2A、2Bのオフセット板17に対応する位置には、オフセット板17の外周の形状と同じ形状の開口部1A、3Aがそれぞれ設けられる。それらの開口には、それぞれ、スペーサ部材が挿嵌される。より具体的に、発泡シート2Aの開口部には、第1スペーサ部材22a1と第2スペーサ部材22a2が挿嵌される。この第1スペーサ部材22a1と第2スペーサ部材22a2の厚みは、発泡シート2Aと同じ厚みである。したがって、第1スペーサ部材22a1と第2スペーサ部材22a2を発泡シート2Aに挿嵌しても、発泡シート2Aの第1主面、第2主面(例えば表面、裏面)よりも厚み方向において外側に第1スペーサ部材22a1と第2スペーサ部材22a2とがはみ出ないようになっている。
また、発泡シート2Bの開口部には、第1スペーサ部材22b1と第2スペーサ部材22b2が挿嵌される。この第1スペーサ部材22b1と第2スペーサ部材22b2の厚みは、発泡シート2Bと同じ厚みである。したがって、第1スペーサ部材22b1と第2スペーサ部材22b2を発泡シート2Bに挿嵌しても、発泡シート2Bの1第1主面、第2主面(例えば表面、裏面)よりも厚み方向において外側に第1スペーサ部材22b1と第2スペーサ部材22b2とがはみ出ないようになっている。
ショート板18は、外周側がオフセット板17の外周の形状と略同一の形状となっており、オフセット板17の上面側に取り付けられる。ショート板18、オフセット板17には、ねじ孔が設けられており(図示略)、ショート板18の上面側からねじを挿入することで、ショート板18と導波管フランジ20との間に、各部材を挟持するようになっている。このショート板18は、例えばアルミが用いられる。
導波管フランジ20は、他端が図示されない無線機に接続される矩形状の導波管の一端に形成される。この導波管フランジ20は、導波管の一部として形成されていてもよいし、導波管とトリプレート型平面アンテナ100との間に設けられる別の部材として構成されていてもよい。この導波管フランジ20は、例えばアルミが用いられる。また、導波管フランジ20には、複数のガイドピン21が設けられている。このガイドピン21は、グランド板1、発泡シート2A、フレキシブル基板(フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4b)、発泡シート2B、スロット板3、オフセット板17、ショート板18、第1スペーサ部材22a1,22b1、第2スペーサ部材22a2,22b2にそれぞれ設けられた複数のガイドピン孔に対応して挿入される。これにより、各部位のそれぞれについて、位置決めすることができる。また、ここでは図示されていないが、ガイドピン21と同様に、各部のガイドピン孔近傍には、ねじ孔が設けられており、ねじが、ショート板18の上面側から各部位のねじ孔に挿通されて導波管フランジ20に対して螺合される。
プローブ5a1、プローブ5b1は、それぞれ、T型のアンテナとして機能するように、先端部が給電路(5aまたは5b)に対してT字状に分岐している。このプローブ5a1、プローブ5b1は、T型ではなく、L型、または3つ以上に分岐していてもよい。このように、プローブ5a1、プローブ5b1の形状をL型、3つ以上に分岐する形状に構成した場合には、T型の形状にした場合と同様に、直線Bに示す軸を基準として線対称の関係となるように構成される。
この銅箔パターン16a1、16a2、16b1、16b2は、電気的な特性としては寄与しないが、設けておくことで、導波管とフレキシブル基板4a、フレキシブル基板4bとの接触面において破損しないように補強することができる。また、銅箔パターンとして形成するため、フレキシブル基板4a、フレキシブル基板4bに、給電路5a、給電路5bのパターンを形成する工程と同じ工程で形成することができる。
ねじ孔14a2は、給電路5aに端部から一定距離を離れた位置に設けられる。
また、ねじ孔14a2、ガイドピン孔15a1においても、ねじ孔14a1と同様に、その孔の外周側の全周において銅箔パターン16a1が存在するように設けられているため、孔による強度低下を防止することができる。
導波管フランジ20は、導波管に連結され、導波管フランジ20の開口部は、その導波管の管内に連なっており、この開口部がグランド板1の該当する部位(プローブ5a1とプローブ5b1とを内周側に収容する位置)に接触する状態で配置される。
グランド板1の上面(導波管フランジ20が接触する面とは反対側の主面)には、発泡シート2Aが重ねて配置され、発泡シート2Aには、フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bが重ねて配置され、フレキシブル基板4aとフレキシブル基板4bには、発泡シート2B、スロット板3が重ねて配置される。
第2スペーサ部材22a2,22b2は、銅箔パターン16a2と銅箔パターン16b2の形状に対応する領域であって、かつ、銅箔パターン16a1と銅箔パターン16b1との間のギャップ13に相当する位置において連なるように形成される。この第2スペーサ部材22a2は、発泡シート2Aの貫通部の貫通口に挿嵌され、グランド板1とフレキシブル基板4とに挟まれるようにして設けられる。この第2スペーサ部材22b2は、発泡シート2Bの貫通部の貫通口に挿嵌され、フレキシブル基板4とスロット板3とに挟まれるようにして設けられる。
この第1スペーサ部材22a1,22b1と第2スペーサ部材22a2,22b2としては、例えばアルミが用いられる。このようにすることで、第1スペーサ部材22a1,22b1と第2スペーサ部材22a2,22b2との間において、プローブ5a1が導波管12内に挿入されるとともに、プローブ5b1が導波管12内に挿入される。このようにして、2つのフレキシブル基板4a、フレキシブル基板4bであっても、同じ導波管から給電を受けることができる。また、プローブ5a1とプローブ5b1は、線対称の関係となるように配置されており、また、プローブ5a1とプローブ5b1が線対称の関係となる軸を基準として線対称となるように導波管も配置されるため、導波管から給電を受けるエネルギーとしては、ほぼ同一のエネルギーがプローブ5a1とプローブ5b1とに供給される。
図1から図3の第1実施形態では、偏波専用タイプのトリプレート型平面アンテナ100について説明したが、第2実施形態では、上層、下層それぞれ別々の2個の2ポートトリプレート線路−導波管変換器を用いて、それぞれ2枚のフレキシブル基板をアンテナ中央付近で接続し合成する場合について説明する。
図4は、第2実施形態におけるトリプレート型平面アンテナ150の斜視分解図である。第2実施形態におけるトリプレート型平面アンテナ150は、上りリンクと下りリンクとで互いに直交する偏波で形成する偏波共用タイプであるトリプレート型平面アンテナ150である場合について説明する。この図において、図2に対応する部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。
フレキシブル基板4a1、フレキシブル基板4b1は、第1実施形態におけるフレキシブル基板4a、フレキシブル基板4bと機能的には同等であるが、フレキシブル基板4a2、フレキシブル基板4b2と重ねられた場合における、フレキシブル基板4a2とフレキシブル基板4b2の変換器102に対応する領域については切り欠きが設けられており、これら切り欠きが対向するように設けられていることで、1つの開口部4c1を形成している。
また、スロット板32は、上述のスロット板31と同様に、開口部32Aに加えて、開口部32Bが設けられている。また、スロット板32は、スロット板31のスロット開口7に対応する位置にスロット開口32Cが設けられている。このスロット開口32Cは、スロット開口7をフレキシブル基板の長手方向に沿う方向に2つ並ぶように分割された領域となっている。
また、グランド板11は、第1実施形態におけるグランド板1に対応する開口部11Aに対して更に開口部11Bが設けられている。この開口部11Bは、ギャップ13が設けられる軸(例えば図3(a)の軸B)上であって開口部11Aには重ならない位置に設けられる。例えば、開口部11Bは、ギャップ13が設けられる軸(例えば図3(a)の軸B)において長手方向における中心の位置において、当該軸に直交する軸を基準として開口部11Aに対してお互いに線対称となるように配置される。
また、同様に、フレキシブル基板4a2のプローブとフレキシブル基板4b2のプローブとが導波管の内周側に含まれるようにして、スロット板32の開口部32Bに対応する位置において、ショート板18と導波管フランジ20とによって、オフセット板17、スロット板31、内部スペーサ部材23b、スロット板32、第1スペーサ部材22c1、第2スペーサ部材22c2、フレキシブル基板4a2、フレキシブル基板4b2、第1スペーサ部材22d1、第2スペーサ部材22d2、グランド板11が挟持されるように、ねじ(図示せず)によって取り付けられる。
2A,2B,2C,2D,42−1,42−2,52,62,72,82 発泡シート
3,31,32,44,63,83 スロット板
1A,3A,11A,11B,31A,31B,32A,32B 開口部
4a,4b,4a1,4b1,4a2,4b2,43,53,73,93−1,93−2 フレキシブル基板
5,5a,5b,43F,53F,73F 給電路
6,6a,6b,43A1,1〜43Am,n,53A1,1〜53Am,n,73A1,1〜73Am,n パッチアンテナ
7,32C,44S1,1〜44Sm,n,63S1,1〜63Sm,n,83S1,1〜83Sm,n スロット開口
93−5 導波管分配器
43C,93Ca,93Cb 変換器(1ポートトリプレート線路−導波管変換器)
10,101,102 変換器(2ポートトリプレート線路−導波管変換器)
12,43CWC 導波管
13 ギャップ
14,14a1,14a2 ねじ孔
15a1 ガイドピン孔
16a1,16b1,16a2,16b2 銅箔パターン
17 オフセット板
18 ショート板
19 ねじ
20 導波管フランジ
21 ガイドピン
22a1,22b1,22c1,22d1 第1スペーサ部材
22a2,22b2,22c2,22d2 第2スペーサ部材
23a,23b 内部スペーサ部材
43B 幹線路
43CP,5a1,5b1 プローブ
43FM 母線
Claims (5)
- 複数のパッチアンテナが給電路で接続された複数のフレキシブル基板のうちの1のフレキシブル基板である第1フレキシブル基板と、
前記第1フレキシブル基板とは異なる前記フレキシブル基板であり、前記第1フレキシブル基板に並べて配置される第2フレキシブル基板と、
前記第1フレキシブル基板に設けられ前記給電路に接続された第1プローブと前記第2フレキシブル基板に設けられ前記給電路に接続された第2プローブとを内周側に含むようにして、前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板とに取り付けられ、1つの給電点から前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板とのそれぞれのプローブに給電する導波管と
を有するトリプレート型平面アンテナ。 - 前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板は、所定の間隔を開けて配置されている
請求項1記載のトリプレート型平面アンテナ。 - 前記第1プローブと前記第2プローブは、互いに対向する位置となるように前記フレキシブル基板の端部近傍に配置される
請求項1または請求項2記載のトリプレート型平面アンテナ。 - 前記第1フレキシブル基板と前記第2フレキシブル基板は、互いに線対称の関係となるように配置されており、前記第1プローブと前記第2プローブの形状は、前記線対称の軸を基準として線対称の関係である
請求項3記載のトリプレート型平面アンテナ。 - 前記複数のフレキシブル基板のうち、前記第1フレキシブル基板及び前記第2フレキシブル基板とは異なる第3フレキシブル基板と前記第3フレキシブル基板とは異なる第4フレキシブル基板とを有し、
前記第1フレキシブル基板、前記第2フレキシブル基板、第3フレキシブル基板、及び前記第4フレキシブル基板は、縦方向に2つ、横方向に2つとなるように並べられており、
前記導波管は、前記第1プローブ、前記第2プローブ、前記第3フレキシブル基板に設けられ前記給電路に接続された第3プローブ、および前記第4フレキシブル基板に設けられ前記給電路に接続された第4プローブ、を内周側に含むように前記第1フレキシブル基板、前記第2フレキシブル基板、第3フレキシブル基板及び前記第4フレキシブル基板に取り付けられる
請求項1記載のトリプレート型平面アンテナ。
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