JP6924346B2 - フィルタープレスのろ布洗浄方法及びろ布洗浄装置 - Google Patents
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Description
ろ液排出路に流量計を設けるだけで、各ろ過室のろ布の目詰まりの状況が判別できるため、大きな設備を必要としない。また、電動バルブの開度を制御するだけで洗浄水の噴射量を制御するため、簡便な装置となる。
本発明に係るフィルタープレス1は、フロントフレーム2とリアフレーム3に支持された一対の平行なガイドレール4が支架されている。このガイドレール4には、複数のろ板5が前後進可能に載置されている。複数のろ板5間にはろ板5の表裏にそれぞれろ布6が設けられる。複数のろ板5の上方に、ろ板5に沿って洗浄管7を支持させ、洗浄管7には複数のノズルを配置する。
複数のろ板5から構成されるろ板群を複数形成し、ろ板群ごとに開閉してケーキを排出してもよい。
各ろ板5には、表裏に凹状のろ過床12が形成されている。ろ過床12にはそれぞれろ布6が張設され、ろ板5の閉板時に隣接するろ板5の相対向するろ過床12との間でろ過室10を区画形成する。
給液板13の開口からろ過室10と連通する原液通路15を形成しており、原液供給路14から原液通路15を介してろ過室10のろ布6間に原液を供給する。ろ過室10に供給された原液はろ布6によって固液分離され、ろ布6を通過したろ液はろ板5表裏のろ過床12下部に開口したろ液通路16a、16bに流入する。
各ろ布6を透過したろ液はそれぞれ別々のろ液通路16a、16bに流入し、各ろ液通路16a、16bを通ったろ液が排出管17から一斉に排出される。各ろ液通路16a、16bにはそれぞれ流量計18を設け、各ろ布6から透過したろ液量を測定する。
この際に、ろ布6が目詰まりしているとろ布6を透過するろ液の量が減少し、ろ液通路16に流入するろ液量も減少する。また、ろ布6が破損していると、破損個所から漏れが発生し、ろ液通路16に流入する量が増加する。
原液脱水後、並列したろ板5が開板することで、ろ過室10に形成された脱水ケーキがろ過室10から排出される。
ろ板5の上方には洗浄水供給管19が設けられ、洗浄水供給管19には電動バルブ20を介して洗浄管7を接続している。洗浄管7は、ろ板5の表裏に吊設するろ布6ごとに設け、ろ布6と同じ数の洗浄管7を設ける。
本発明の別形態1のフィルタープレスでは、ろ板5の表裏に開口したろ液通路16が、ろ板5内部で連通してろ板5外部に貫通することで、ろ板5ごとに一カ所からろ液を排出する。ろ板5の表裏から合流したろ液通路16に流量計18を備えることで、ろ板5の表裏に張設したろ布6を透過したろ液の流量が計測できる。
図4のようにろ液通路16を形成した場合、流量計18はろ板5の表裏に張設したろ布6から透過したろ液の流量を計測するため、流量計18の値からはろ板5表裏に張設したろ布6の目詰まりが判断できる。従って、別形態1のフィルタープレスでは流量計18の計測値を基にろ板5の表裏に張設した2枚のろ布6を洗浄する。
本発明の別形態2のフィルタープレスでは、ろ板5の表又は裏のいずれか一方に開口したろ液通路16が、ろ板5外部に貫通することで、各ろ過室10のろ液を排出する。ろ液通路16に流量計18を設けることで、各ろ過室10から排出されるろ液の流量が計測できる。
図6のようにろ液通路16を構成した場合、流量計18は、ろ過室10を形成する隣接するろ板5の表裏に張設された一対のろ布6から透過したろ液の流量を計測するため、流量計18の値からはろ過室10を形成する一対のろ布6の目詰まりが判断できる。従って、別形態2のフィルタープレスでは流量計18の計測値を基にろ過室10を形成する一対のろ布6を洗浄する。
図8は、本発明に係るろ板の正面図である。
図9は、本発明に係る制御装置の構成図である。
ろ液の集合するろ過床12の下部には、ろ液を排出するろ液通路16の一端を開口してあり、ろ板5の肉厚内を貫通して他端をろ板5の外側部に設けた排出管17に接続している。
各ろ過室10から排出管17にろ液通路16が接続され、ろ液通路16から流入してくるろ液は、排出管17を介して外部へ排出する。
各ろ液通路16には流量計18を設け、各ろ布6を透過したろ液の流量を測定する。
基準ろ液量V0は、ろ布6が目詰まりせずに正常な脱水が行われ排出されたろ液の総量であり、幅を持たせて所定の値を設定する。基準ろ液量V0は、所定の値を設定してもよいが、複数のろ液通路16から排出されたろ液流量の平均値から算出してもよい。
電動バルブ20は、ろ布6を洗浄するための所定の開度となる基準開度D0を設定する。
目詰まりしていないろ布6に対応する電動バルブ20の開度を基準開度D0より小さくすることで、他の洗浄管に流入する洗浄水の量が増加する。従って、基準開度D0の電動バルブ20の洗浄管7では洗浄水の量が増加し、ろ布6の目詰まりを解消できるようになる。
累積ろ液量Vと基準ろ液量V0の差に応じて電動バルブ20を絞る開度を決定してもよい。その際、差が大きいほど電動バルブ20の開度は小さくなる。
まず、初期設定として予め正常な脱水が行われている際のろ液の排出量(基準ろ液量V0)を、幅を持たせて設定する。
また、ろ布6を洗浄するための、電動バルブ20の基準開度D0を設定する。
予め全ての電動バルブ20を基準開度D0で開いておく。
複数のろ板5を開閉装置8によって閉板し、ろ板5間にろ過室10を形成する。ろ板5のろ過床12にはろ布6が張設されており、対向するろ過床12に張設されたろ布6でろ過室10を覆う。
原液供給路14からろ過室10のろ布6間に原液を圧入する。ろ布6は圧入した原液から水分を分離し、ろ布6間に脱水ケーキを形成する。ろ布6で分離したろ液はろ板5のろ過床12を伝って下方に流れ、ろ過床12下部に開口したろ液通路16からろ過室10外へ排出される。ろ液はろ液通路16から排出管17に流入し、機外へ排出される。
なお、ろ過室10にダイアフラムを備えたフィルタープレス1の場合は、圧入工程後にダイアフラムを膨張させて圧搾を行う圧搾工程を追加してもよい。
圧入工程(圧搾工程)中に、各ろ液通路16に設けた流量計18によって、ろ板5表裏に張設された各ろ布6を透過して排出されたろ液流量をそれぞれ計測する。流量計18で計測したろ液流量の計測値は、制御装置21に送信される。制御装置21は、ろ液流量から、各ろ布6を透過してろ液通路16に排出された累積ろ液量Vをそれぞれ算出する。
制御装置21では、各ろ布6を透過した累積ろ液量Vと基準ろ液量V0を比較し、比較結果に応じて、各ろ布6を洗浄する洗浄管7に対応した電動バルブ20を制御する信号を発信する。
1つの電動バルブ20aは以下のように制御する。
流量計18aの計測値から制御装置21で算出された累積ろ液量Vaと基準ろ液量V0を比較し、累積ろ液量Vaが基準ろ液量V0の範囲に含まれる場合、電動バルブ20aの開度を基準開度D0より予め定めた開度だけ小さくなるよう制御する。
累積ろ液量Vaが基準ろ液量V0より少ない場合、電動バルブ20aの開度を基準開度D0となるよう制御する。
累積ろ液量Vaが基準ろ液量V0より多い場合、フィルタープレス1の運転を停止し警告を発信する。
他の電動バルブ20も同様に、各ろ布6を透過して排出された累積ろ液量Vと基準ろ液量V0を比較し、それぞれ制御する。
制御装置21により全ての電動バルブ20の開度を操作した後、脱水ケーキを排出するため開閉装置8によりろ板5を開板する。開板により脱水ケーキは自重又はろ布6の振動により機外へ落下する。
開板により脱水ケーキが剥離したろ布6に洗浄管7から洗浄水を噴射する。
目詰まりしていないろ布6に対しては洗浄管7の電動バルブ20が基準開度D0より小さいため、洗浄水量が減少している。
目詰まりしたろ布6に対応する洗浄管7は、電動バルブ20の開度が基準開度D0であり、目詰まりしていないろ布6に対応する電動バルブ20を小さくしたことから、噴射される洗浄水量は上昇しているため、ろ布6の目詰まりが解消する。
5 ろ板
6 ろ布
7 洗浄管
10 ろ過室
16 ろ液通路
18 流量計
20 電動バルブ
21 制御装置
Claims (4)
- 表裏にろ布(6)を張設した複数のろ板(5)を並列してろ過室(10)を形成し、
ろ板(5)を開板することでろ過室(10)に形成した脱水ケーキを排出し、
ろ布(6)ごとに設けた洗浄管(7)でろ布(6)を洗浄し、
洗浄管(7)の電動バルブ(20)を開閉して洗浄水量を制御するフィルタープレスのろ布洗浄方法において、
予め幅を持たせた基準ろ液量(V0)と、電動バルブ(20)の基準開度(D0)を設定し、
ろ布(6)から透過したろ液流量をそれぞれのろ布(6)に対応する流量計(18)にて計測し、
それぞれの流量計(18)に対応するろ布(6)からの累積ろ液量(V)を制御装置(21)にて算出し、
累積ろ液量(V)が基準ろ液量(V0)の範囲内である場合、当該累積ろ液量(V)の算出に係る流量計(18)に対応するろ布(6)を洗浄する洗浄管(7)の電動バルブ(20)を基準開度(D0)より小さい開度にて洗浄し、
累積ろ液量(V)が基準ろ液量(V0)より少ない場合、当該累積ろ液量(V)の算出に係る流量計(18)に対応するろ布(6)を洗浄する洗浄管(7)の電動バルブ(20)を基準開度(D0)にて洗浄する
ことを特徴とするフィルタープレスのろ布洗浄方法。 - 表裏にろ布(6)を張設した複数のろ板(5)を並列してろ過室(10)を形成するフィルタープレスのろ布洗浄装置において、
ろ過床(12)に開口し、ろ板(5)外部に貫通するろ液通路(16)と、
各ろ液通路(16)に設けた流量計(18)と、
各ろ布(6)をそれぞれ洗浄する洗浄管(7)と、
各洗浄管(7)に設けて洗浄水量を制御する電動バルブ(20)と、
各流量計(18)で計測したろ液を透過したろ布(6)に対応する洗浄管(7)の電動バルブ(20)をそれぞれ制御する制御装置(21)と、を備え、
前記制御装置(21)は、
予め幅を持たせた基準ろ液量(V0)と、電動バルブ(20)の基準開度(D0)を設定し、
ろ液通路(16)から排出される累積ろ液量(V)を算出し、
累積ろ液量(V)が基準ろ液量(V0)の範囲内である場合、電動バルブ(20)を基準開度(D0)より小さくし、
累積ろ液量(V)が基準ろ液量(V0)より少ない場合、電動バルブ(20)の開度を基準開度(D0)とする
ことを特徴とするフィルタープレスのろ布洗浄装置。 - 前記制御装置(21)は、
予め幅を持たせた基準ろ液量(V0)と、電動バルブ(20)の基準開度(D0)を設定し、
ろ液通路(16)から排出される累積ろ液量(V)を算出し、
累積ろ液量(V)が基準ろ液量(V0)の範囲内である場合、電動バルブ(20)を全閉し、
累積ろ液量(V)が基準ろ液量(V0)より少ない場合、電動バルブ(20)の開度を基準開度(D0)とする
ことを特徴とする請求項2に記載のフィルタープレスのろ布洗浄装置。 - 前記累積ろ液量(V)が基準ろ液量(V0)より多い場合、フィルタープレスの運転を停止し警報を発する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフィルタープレスのろ布洗浄装置。
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