JP6924308B2 - 押出ペットフード製品 - Google Patents
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Description
本発明は、ペット動物の健康に使用するための押出ペットフード製品に関する。本発明は、ペット動物の健康に使用するための押出包装ペットフード製品であって、15%超から30%の水分、11%から45%までの炭水化物、脂肪およびタンパク質、並びに0.7超のAwを有する押出包装ペットフード製品に関する。本発明は、動物における健康の方法であって、15%超から30%の水分、11%から45%までの炭水化物、0.9超のAw、および250から300g/lの範囲の密度を有する押出包装ペットフード製品を、ペット動物に給餌する工程を有してなる方法にも関する。
ペット動物の健康に使用するためのペットフード製品を提供するという一般的必要性が当該技術分野にある。
本発明は、このことに対処するものである。さらに、本発明の製品は天然製品である。何故ならば、達成される効果を生じるために追加の成分は使用されず、公知の解決策とのマイナスの関連性がないからである。
したがって、本発明は、第1の実施の形態において、ペット動物の健康に使用するための押出包装ペットフード製品であって、15%超から30%の水分、11%から45%までの炭水化物、脂肪およびタンパク質、0.7超のAw、並びに250から300g/lの範囲の密度を有する押出包装ペットフード製品を提供する。
押出製品は、押出後に施される成分がないことがある。従来技術において、押出食品は、通常、美味しさおよびエネルギー供給を増すために、乾燥後に、鶏肉、豚肉、豚脂、コプラ油などの脂肪で被覆されている。押出ペットフードは、消化物などの液体旨味剤で被覆されることも公知である;粉末などの固体旨味剤およびある場合には、感熱栄養素が、例えば、ペットフードをミドリイガイで被覆することにより、押出乾燥ペットフードに施される。本発明は、ペットフードの押出後に特定の成分を施すどのようなマイナスの効果も回避し、詳しくは、健康上の利益が以下に詳しく論じられている。
前記製品は20%から27%の水分を有することがある。その製品は15%から20%の水分を有することがある。その製品は約18%の水分を有することがある。その製品は13%から17%の炭水化物を有することがある。
前記ペットフード製品が、飼いイヌまたは飼いネコにおける健康の達成に使用するためのものであることが好ましい。
前記製品は、少なくとも一部は過熱蒸気の存在下で生成されることがある。その製品のAwは0.9超または0.92超であることがある。その製品のAwは0.8超であることがある。
前記製品は酸をさらに含むことがあり、その酸が乳酸であることが好ましい。その酸は0.5から10%の量で存在してよい。
前記食品は包装されている。その包装はいずれであってもよく、シールパッケージが好ましい。包装の材料は、紙、ボール紙、プラスチックまたは金属薄片であってよい、および/または缶、ネジ蓋式瓶またはフイルムパウチパックであってよい。その包装は密封されることがある。包装の1つは真空包装であることがある。その食品は、無菌条件下(例えば、過熱蒸気の存在下)で包装されることがある、または滅菌条件(例えば、X線照射により)を達成するために処理されることがある。
本発明の第2の態様は、動物における健康の方法であって、15%超から30%の水分、11%から45%までの炭水化物、0.9超のAw、および250から300g/lの範囲の密度を有する押出包装ペットフード製品を、ペット動物に給餌する工程を有してなる方法を提供する。
本発明の第2の態様による押出包装ペットフード製品は、少なくとも一部は過熱蒸気の存在下で生成されることがある。
本発明の第1の態様の全ての特徴は、第2の態様にも当てはまる。
本発明により、請求項に記載された水分レベルを有するセミモイストのペットフード製品を、製造し、長い貯蔵寿命を達成するために包装内に維持することができる。そのような押出ペットフード製品を得る方法の1つは、過熱蒸気の使用によるものであろう。過熱蒸気を使用するどの過程を使用して、本発明による製品を製造しても差し支えない。
前記ペットフード製品は、特許請求の範囲および明細書に記載されたいずれかのフォーマットである。そのペットフード製品は、キブル、スナック、おやつまたはビスケットと記載されることもある。その製品のテキスチャーは軟質である。その軟質テキスチャーは、噛むのを促進し、したがって、食事時間を増加させるので、満腹効果に寄与するであろう。この軟質テキスチャーは、グリセロール(貯蔵寿命安定性を確実にするために使用される)などの水結合剤の不在下で予期せずに得られる。そのような軟質テキスチャーを得る能力は、常温で長期保存可能な製品を提供するための、特定の水分レベルおよびAwとの組合せで、得られる満腹効果に寄与する。キブルの水分含量およびテキスチャーは、満腹効果に寄与するであろうより長い噛む時間を要する。
前記ペットフード製品が市販のペットフード製品であることが好ましい。そのような製品が、ネコまたはイヌに給餌するための製品として販売されることが好ましい。
本発明のペットフード製品には、ペット動物の健康において以下の用途(1つ以上)がある:
・口腔衛生の利益(口内食物処理を増加させることによる);口内の歯垢を減少させる;
・胃腸(処方、押出後に追加の成分を含まないであろう);
・皮膚科学(より少ないアレルゲン、押出後に追加の成分を含まないであろう);
・移動性(体重減少/管理);
・腎臓(少ないリン、押出後に追加の成分を含まないであろう)。
・口腔衛生の利益(口内食物処理を増加させることによる);口内の歯垢を減少させる;
・胃腸(処方、押出後に追加の成分を含まないであろう);
・皮膚科学(より少ないアレルゲン、押出後に追加の成分を含まないであろう);
・移動性(体重減少/管理);
・腎臓(少ないリン、押出後に追加の成分を含まないであろう)。
本発明は、ペットフードの押出後に標準コーティング剤を使用するどのようなマイナスの効果も回避し、これにより、上述のような動物の健康の改善をもたらす。押出後に施される標準コーティング剤は、大抵、高レベルの脂肪を含有する。本発明は、押出後の成分の添加を回避するので、請求項に記載されたペットフードは、ペットの脂肪摂取量の減少に寄与し、これは転じて、脂質異常症、膵炎、および膵外分泌機能不全の低下または治療をもたらす。
脂質異常症は、血中の脂質、特に、トリグリセリドおよび/またはコレステロールの上昇をもたらす脂質代謝障害である。食後に起こる脂質異常症は正常な生理現象であるが、絶食状態における脂質異常症は異常な検査所見である。イヌおよびネコにおける脂質異常症の主因は遺伝性または家族性のいずれかであるのに対し、二次性脂質異常症は、内分泌異常(すなわち、真性糖尿病、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)または膵炎に関連する。脂質異常症に関連する最も一般的な臨床的兆候としては、嘔吐、下痢および腹部不快感が挙げられる。根本的な代謝性疾患に続発する脂質異常症は、一般に、原発性疾患の治療により改善する。食事脂肪の制限が高トリグリセリド血症の治療の基礎である。何故ならば、カイロミクロン(リポタンパク質輸送脂質)が食事脂肪起源から生成されるからである。本発明のものなどの低脂肪食は、原発性脂質異常症を罹ったミニチュアシュナウザーのリポタンパク質プロファイルを改善することが示された(Xenoulis P G et al, Journal of Veterinary Internal Medicine 2011; 25:687およびXenoulis PG et al, ACVIM Forum Abstract, 2013)。別の研究(Jeusette IC et al., Am J Vet Res, 2005, 66, 81-6)は、低脂肪食が給餌された肥満犬の血漿トリグリセリドおよびコレステロールが正常に戻ることを示した。
膵炎は、膵臓の炎症性浸潤である。急性膵炎は、永続的変化に関連しない膵臓の炎症であるのに対し、慢性形態は、膵臓線維症および萎縮症に関連する。しかしながら、慢性膵炎は、局所および全身合併症にそれほど多くはないが関連し、通常は、より穏やかな疾患経過である。
イヌにおける危険因子としては、遺伝、脂質異常症、薬物、外傷および虚血が挙げられる。栄養関連の危険因子としては、肥満および高脂肪/低タンパク質食が挙げられる(Hess et al., J Am Vet Med Assoc, 1999, 214, 46-51;およびLem et al., J Am Vet Med Assoc, 2008, 233 1425-31)。
膵炎は、消化酵素が膵臓内で時期尚早に活性化されたときに生じると一般に考えられている。実験的膵炎は、CCK(コレシストキニン)類似物の過刺激により引き起こすことができる。CCKは通常、腔内脂肪およびアミノ酸に応答して十二指腸内の細胞により放出される。この消化管ホルモンは、消化中に膵臓分泌および胆嚢収縮を調整し、刺激する。
脂肪制限は、CCK放出による膵臓の刺激を制限するために、膵炎患者の長期の栄養管理において一般に推奨される(Villaverde C, Applied Veterinary Clinical Nutrition, Fascetti, A J and Delaney SJ (eds), 2012)。重ねて、本発明に記載されたペットフード製品を使用して、脂肪摂取を減少させ、それによって、膵炎を治療することができる。
膵外分泌機能不全(EPI)は、膵臓機能の重度の喪失から生じる。その膵臓は、適切な消化および吸収のために、十分な消化酵素、重炭酸塩、および他の物質を提供できない。これにより、脂肪、炭水化物およびタンパク質の同化不良が生じる。観察される主な臨床的兆候は、慢性下痢、体重減少、および多食症である(Westermarck E and Wiberg M, Vet Clin North Am Small Anim Pract, 2003, 33, 1165-79, viii-ix)。酵素補給が、EPIを患った患者の治療の頼みの綱である。しかしながら、リパーゼの活性は、胃内の酸およびプロテアーゼによる破壊のために、健康な動物に匹敵するレベルに決して到達せず、多くの治療患者はまだ、ある程度の脂肪便症を患っている。リパーゼは、消化吸収するのに最も難しい栄養素と考えられている、脂肪の消化における限定工程であるので、脂肪吸収不全症を制限するための戦略として、高消化性の低脂肪食を給餌することが提案されている。EPI犬の研究は、膵酵素および低脂肪食による治療後に体重増加を示した(Simpson J W et al., J Small Anim Pract, 1994, 35, 133-138)。EPIを患った動物に、本発明のペットフード製品を含有する規定食を供給することによって、その動物を治療することが可能である。何故ならば、その規定食は、現在入手できるペットフードの低脂肪代替品であるからである。
本発明のペットフード製品が給餌された動物による総脂肪摂取量の低下からの別の直接的な恩恵は、体重の減少による移動性の増加である。肥満は、コンパニオン動物、特にイヌにおける整形外科的疾患の主要な危険因子である。これは主に、整形外科的疾患を悪化させる関節と骨に対する過剰な体重負荷による。いくつかの研究で、肥満と変形性関節症の発症との間の関連性が強調され(Kealy R D et al., J Am Vet Med Assoc, 1997, 210, 222-5;およびKealy RD et al., J Am Vet Med Assoc, 2000, 217, 1678-80)、一方で、体重減少は、股関節の変形性関節症を患うイヌにおける歩行困難の程度の相当な改善をもたらすことができる(lmpellizeri J A et al., J Am Vet Med Assoc, 2000, 216, 1089-91)。
別の研究(Marshall W Get al., Vet Res Commun, 2010, 34, 241-53)は、16週間の体重減少プログラムに取り組んだ、変形性関節症の臨床的およびX線学的兆候のある14匹のイヌにおける体重減少の効果を評価した。その結果は、体重減少により、6%の減量で歩行困難が著しく減少したことを示している。これにより、体重減少を、変形性関節症を患うペットの重要な治療法として提起すべきことが確認される。
エネルギー摂取量を減少させる食事療法が依然として、イヌおよびネコにおける肥満の管理に対する最も成功している手法である。動物に低エネルギー密度の規定食を給餌すると、体重減少を成功させるための毎日のカロリー摂取量を減少させるのに役立つ(German A Jet al., Res Vet Sci, 2009, 87, 249-54; German A Jet al., Vet J, 2010, 183, 294-7; Yamka RM et al., Intern J Appl Res Vet Med, 2007, 5, 125-132; German A Jet al., J Feline Med Surg, 2008, 10, 452-9; Hoenig Met al., Am J Physiol Regul lntegr Comp Physiol, 2007, 292, R227-34; Bissot T et al., J Feline Med Surg, 2010, 12, 104-12)。
規定食の脂肪含有量を減少させると、食品のエネルギー密度が減少する。脂肪は、タンパク質や炭水化物と比べて、1グラム当たり2倍を超えるカロリーを有する。その結果、体重を減らす食生活において脂肪を制限すると、カロリー密度が減少し、これは、カロリー摂取量を減少させるのに役立つ。
押出後に施されるコーティングは、一般に、高レベルの脂肪を含有することを考慮すると、押出後に成分が施されない押出ペットフード製品が、ペットフードの総脂肪含有量の減少に寄与し、変形性関節症を患ったペットを含む肥満のペットの利益になるであろう。
押出過程後にどのような添加成分も含有しないペットフードを給餌すると、皮膚の有害食物反応の減少および腎臓の恩恵などの他の医学的な有利な点をもたらすことができる。
皮膚の有害食物反応(CAFR)、または食物によるアトピー性皮膚炎は、原因アレルゲンの経口摂取から生じる掻痒性および炎症性皮膚疾患である。食物アレルゲンは、基本的に、10から70kdに及ぶタンパク質または糖タンパク質である(Hefle S L, Food Technology, 1996, 50, 86-92)。
消化管の壁は、環境に、それゆえ外因性抗原に暴露される最大の体表面である。消化粘膜は、その粘膜を病原体(細菌、ウイルス、寄生虫)に対して反応させられる特異的免疫系であり、一方で、経口耐性(幼齢中に獲得される)の過程は通常、その耐性が食事タンパク質に対して反応するのを防ぐ。この過程における短所が、アレルギーの発生を助けるであろう。
したがって、動物が暴露されるアレルゲン(その動物が以前に給餌されたタンパク質を意味する)に対してCAFRが発生する。イヌおよびネコにおいて、これらのアレルゲンは主に動物起源からのものであるが、それらは、穀物起源からのものでもあり得る(Verlinden A et al., Crit Rev Food Sci Nutr, 2006, 46, 259-73; Roudebush P et al., Small Animal Clinical Nutrition, 2010, 5th ed Topeka: Mark Morris Institute; Roudebush P, Vet Dermatol, 2013, Letter to the Editor;およびFiora P et al., A retrospective study on the prevelance and causative allergens of food-induced atopic dermatitis in France, Short Communication at ESVD Congress, 2013, Valencia)。
CAFRの治療は主に食事療法である。何故ならば、その治療法は、選択されたタンパク食(ペットが以前に暴露されたことのないタンパク質源)または加水分解タンパク食(天然タンパク質が、免疫系が認識しない小さいペプチドに加水分解されている)のいずれかを使用することによって、有害食物アレルゲンを避けることからなるからである(Verlinden A et al., Crit Rev Food Sci Nutr, 2006, 46, 259-73)。
ドライペットフードに使用される香味料は動物タンパク質からなり、それらは一般に加水分解されているが、加水分解のレベルは、十分には高くなく、まだ免疫系により認識されるペプチドを生成することがあり、CAFRを生じることがある。したがって、本発明に記載されているようなものなどの押出ペットフードに香味料を使用しないと、CAFRの虞が低下するであろう。
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の代謝、内分泌および排泄能力の不可逆的損失の結果して起こる。CKDは、獣医学診断が行われた全てのイヌおよびネコの2から6%を侵すと推定される一般的な臨床的問題である(Lund EM et al., J Am Vet Med Assoc, 1999, 214, 1336-41およびBronson RT, Am J Vet Res, 1982 43, 2057-9)。CKDは、老齢動物における主要な死因と考えられる。食事療法は、疾患の進行を変えること、尿毒症の症状を制御すること、および最終的に生活の質を改善することを目的とした、慢性腎臓病の管理の基礎と考えられる。リン酸保持は、リンの低下した糸球体濾過に続発するCKDの最も一般的な調節異常の内の1つである。高リン血症は、CKDの初期に起こり、腎性二次性副甲状腺機能亢進症、腎性骨ジストロフィー、1,25−ジヒドロキシビタミンDの相対的または絶対的欠乏、および軟部組織石灰化の発生および進行に重要な役割を果たす。高い血漿リン酸濃度も、CKDを患うネコのより短い生存時間に関連付けられてきた(Boyd L Met al., J Vet Intern Med, 2008, 22, 1111-7;およびKing J Net al., J Vet Intern Med, 2007, 21, 906-16)。高リン血症を初期に最小にすることによって、二次性副甲状腺機能亢進症およびその後遺症を防ぐことができる(Finch NC et al., J Am Vet Med Assoc, 2012, 241, 1326-35)。
食事リン酸制限が、イヌ(Brown SA and Finco DR, Am J Vet Res, 1992, 53, 569-73;およびFinco D R et al., Am J Vet Res, 1992, 53, 2264-71)およびネコ(Barber P J et al., J Small Anim Prac, 1999, 40, 62-70)における腎不全の進行を遅くし、血漿副甲状腺ホルモンを低下させ、腎臓の石化および線維症を減少させることが示された(Ross LA et al., Am J Vet Res, 1982, 43, 1023-6)。CKDを患ったネコにおいて、食餌性リン制限が、増加した生存時間に関連付けられた(Elliott J et al., J Small Anim Pract, 2000, 41, 235-42)。
押出後に施されるコーティングは、一般に、高レベルのリンを含有することを考慮すると、本発明の請求項に記載されたような押出後に成分が施されない押出ペットフード製品は、ペットフードの総リン含有量を減少させるのに寄与するであろう。そのような過程により、慢性腎臓病を患うペットを治療するであろう食餌性リン制限が可能になるであろう。
本発明の典型的なペットフードは、約20〜30%の粗タンパク質および約10〜20%の脂肪を含有し、残りは、食物繊維および灰分を含む炭水化物である。
前記ペットフードの残りの成分は本発明に必須ではなく、典型的な標準成分を含めることができる。本発明によるペットフードの混合成分は、問題の特定の動物に推奨されるビタミンおよびミネラルの全てを提供できる(完全なバランスのとれた食品)。
前記ペットフードは、好ましくは押出し中に調理された、調理製品である。その製品は、肉または動物由来材料(牛肉、鶏肉、七面鳥の肉、子羊の肉、魚、血漿、骨髄等、もしくはそれらの1つ以上など)を含んでもよい。あるいは、その製品は、タンパク質源を提供するために、肉を含まなくてもよい(大豆、トウモロコシグルテンまたは大豆製品などの肉の代用食品を含むことが好ましい)。その食料は、大豆タンパク質濃縮物、乳タンパク質、グルテンなどの追加のタンパク質源を含有してもよい。その食料は、1種類以上の穀物(例えば、小麦、トウモロコシ、米、オーツ麦、大麦など)などのデンプン源も含有してよい。その製品が少なくとも1種類の繊維源を含有することが好ましい。
過熱蒸気を使用して製品を製造することは、当該技術分野における常識である。そのような方法は、よく知られており、国際公開第2009/018990号、同第2009/018996号、同第2009/018997、同第2010/112097号、および同第2010/108641号などの以前の文献に記載されている。
少なくとも一部は過熱蒸気の存在下で製造されている製品は、以下の1つ以上を含む:
前記押出製品は、ハウジング内で気体雰囲気に過熱蒸気を提供し、製品を気体雰囲気に供給し、その気体雰囲気にパッケージを送達し、そのパッケージ中に製品を充填し、気体雰囲気内でパッケージを密封し、充填されたパッケージを気体雰囲気から移動させることによって、包装される。その気体雰囲気の温度は、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または220℃を超えることがある。その気体雰囲気は、大気圧、減圧または上昇した圧力であってよい。その気体雰囲気は、空気および/または別の気体からなる第1の成分、および第2の成分としての水蒸気の混合物であってよく、少なくとも水平副層において、少なくとも50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量%、98質量%、99質量%の水蒸気含有量を有する。少なくとも1つの水平部分層中の気体雰囲気は、15質量%、10質量%、8質量%、5質量%、2質量%、または1質量%未満の酸素含有量を有することがある。その気体雰囲気は、垂直方向に層を成すことがあり、最上部に向かって、温度は上昇し、酸素含有量は低下する。その押出製品は、気体雰囲気内に滞留することによって、包装前に所定の時間に亘り乾燥させてもよい。その過程において、材料から逃げる揮発性物質、特に風味が、気体雰囲気から抽出されることがある。そのハウジング内に存在する気体雰囲気を混合し、垂直層化を避けてもよい。
前記押出製品は、ハウジング内で気体雰囲気に過熱蒸気を提供し、製品を気体雰囲気に供給し、その気体雰囲気にパッケージを送達し、そのパッケージ中に製品を充填し、気体雰囲気内でパッケージを密封し、充填されたパッケージを気体雰囲気から移動させることによって、包装される。その気体雰囲気の温度は、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または220℃を超えることがある。その気体雰囲気は、大気圧、減圧または上昇した圧力であってよい。その気体雰囲気は、空気および/または別の気体からなる第1の成分、および第2の成分としての水蒸気の混合物であってよく、少なくとも水平副層において、少なくとも50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量%、98質量%、99質量%の水蒸気含有量を有する。少なくとも1つの水平部分層中の気体雰囲気は、15質量%、10質量%、8質量%、5質量%、2質量%、または1質量%未満の酸素含有量を有することがある。その気体雰囲気は、垂直方向に層を成すことがあり、最上部に向かって、温度は上昇し、酸素含有量は低下する。その押出製品は、気体雰囲気内に滞留することによって、包装前に所定の時間に亘り乾燥させてもよい。その過程において、材料から逃げる揮発性物質、特に風味が、気体雰囲気から抽出されることがある。そのハウジング内に存在する気体雰囲気を混合し、垂直層化を避けてもよい。
本発明は、過熱蒸気の雰囲気内で食品が調理され、乾燥され、包装される包装形態にある製品に関する。
従来技術において、食品は、通常、約0.60または0.65のAw値(活性水含有量)まで乾燥されてきた。そのような乾燥の理由は、より高いAw値が、細菌、真菌、酵母などの、食品中に残留する任意の微生物の制御されない増殖をもたらすと理解されたことである。胞子形成細菌の増殖を制御するために、pHの低下も使用できる。4.5未満のpHの低下は、乳酸などの酸の添加によって達成できる。pHは、押出過程中に乾燥混合物の酸性化により低下させることができる。
最近の研究により、長期貯蔵安定性が満足のいく包装製品を得るために、特定の状況下では、湿った製品の実質的にそれほど徹底的ではない乾燥で十分であろうことが示された。食品を、3%未満のO2を含有する過熱蒸気の雰囲気において、少なくとも120℃の温度で、多くとも0.9または0.92までのAw値に乾燥させた場合、その食品が、3体積%以下の酸素含有量の過熱蒸気の雰囲気内にある間に密封包装されるという条件で、どの生存微生物も増殖できない。
過熱蒸気の存在下で包装食品を製造する方法は、食品を少なくとも100℃の調理温度で調理する工程、その調理済み食品を、3%未満の酸素を含有し、少なくとも120℃の温度を有する過熱蒸気の雰囲気に導入する工程、その食品を0.7から0.92の範囲のAw値まで乾燥させる工程、および過熱蒸気の雰囲気内で、その食品を包装容器内に包装する工程を有してなることがある。次いで、その包装容器は密封されることがある。
その過程中の過熱蒸気の雰囲気は、少なくとも130℃の温度に維持されることがある。その食品は、水、飽和蒸気または過熱蒸気、もしくはその混合物中で調理されることがある。その食品は、押出機内で調理されることがあり、過熱蒸気の雰囲気に直接押し出されることがある。
過熱過程によれば、前記食品は、少なくとも20秒、30秒、40秒、1分、2分、5分または10分の乾燥時間中に乾燥されることがある。その食品は、少なくとも5分間または少なくとも10分間に亘り乾燥によって、殺菌されることがある。
任意の保存料を含むいずれの成分も添加せずに、調理され乾燥された食品を包装してもよい。その包装過程中、包装容器は、包装中に供給された保護ガスを有することがある。
前記食品の温度は、食品の調理と、包装容器の密封との間で、100℃以上に維持されることがある。その食品は、押し出されている間に調理されることがある。過熱蒸気の雰囲気は、大気圧に維持されることがある。前記保護ガスはCO2またはN2であってよい。
過熱蒸気の存在下で前記製品を製造する過程は、食品を油で揚げる方法であって、食品が高温の油または脂肪に送達され、所定の滞留時間後にその高温の油から運び出され、周囲空気からその油を遮断し、油で揚げられた食品から蒸発する水の量に相当する水蒸気の流れがそこから吸い出される、過熱蒸気を含む水蒸気区域が油の自由表面の上に生成される方法を含むことがある。その過熱蒸気は循環されることがあり、その過程で、水蒸気は、水蒸気区域から抽出され、必要に応じて、熱交換器に通過させられ、送風機によって水蒸気区域に戻される。その水蒸気は、自由表面上にまたはそれに亘り吹き付けられてもよい。水蒸気区域内に存在するまたは循環される水蒸気の体積は、一定に維持されることがある。油の上の水蒸気区域内の酸素含有量は、10体積%、5体積%、3体積%、2体積%または1体積%未満に維持されることがある。特に油を加熱するために、その水蒸気の流れは少なくとも部分的に凝縮されることがあり、エネルギーおよび/または材料が回収されることがある。本発明は、過熱蒸気過程において、押出材料を乾燥させる方法であって、ハウジング内で気体雰囲気に過熱蒸気を提供する工程、そのハウジング内で材料を押し出す工程、その材料を気体雰囲気内で乾燥させる工程、および乾燥した材料をハウジングから移動させる工程を有してなる方法を含むことがある。その材料の温度は、ハウジング内に入るときに、100℃、110℃、120℃、130℃または140℃より高いことがある。その気体雰囲気の温度は、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または220℃を超えることがある。その気体雰囲気は、空気および/またはCO2、窒素または別の不活性ガスなどの別の気体からなる第1の成分、および第2の成分としての水蒸気の混合物であることがあり、少なくとも50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%、95質量%、98質量%、または99質量%の水蒸気含有量を有する。
前記材料から気体雰囲気中に逃げる揮発性物質、特に風味が、気体雰囲気から抽出されることがある。抽出後、その物質をその材料に再び添加してもよい。その物質は、材料に、直接添加しても、コーティングまたは詰め物などの担体材料の形態で添加してもよい。過熱蒸気の存在下にある前記方法は、材料を乾燥させる方法であって、ハウジング内で気体雰囲気に過熱蒸気を提供する工程、材料をそのハウジングに運び入れる工程、その材料を気体雰囲気内で乾燥させる工程、乾燥した材料をハウジングから運び出す工程、およびその材料から気体雰囲気中に逃げる揮発性物質、特に、風味をその気体雰囲気から抽出する工程を有してなる方法を含むことがある。
貯蔵寿命安定性の観点から、その製品の過酸化物値が10mEq/kg脂肪(EqはO2に相当する)未満であることが好ましい。ヘキサナール含有量は15ppm未満である。
本発明が図1から8に記載されている。
本発明を、以下の非限定的実施例を参照して説明することができる。
目的
この試行の目的は、本発明による押出製品の効果を評価することであった。比較は、異なる技術により製造された同じ成分を含み、下記に示される配合を有する製品間で行われる。
この試行の目的は、本発明による押出製品の効果を評価することであった。比較は、異なる技術により製造された同じ成分を含み、下記に示される配合を有する製品間で行われる。
条件
本発明の試験ペットフード製品を、以下の過程を使用して製造した:
前提条件設定は、29%の水分を有する製品を含んだ。
本発明の試験ペットフード製品を、以下の過程を使用して製造した:
前提条件設定は、29%の水分を有する製品を含んだ。
その製品を、約125℃の温度および約20バール(2MPa)の圧力で押し出した。
その製品を120〜140℃の過熱蒸気の雰囲気中に押し出した。
その製品は、寸法が13mm、厚さが7mmの丸い形状、および寸法が7.3mmの丸いダイプレートであった。
その過程が図1に図示されている。
プロトコル
二製品の等級試験を行った。上述した配合による2つの製品を使用した。
二製品の等級試験を行った。上述した配合による2つの製品を使用した。
試験に使用した設計は、ランダム化クロスオーバー試験であった。各週に、イヌに、2種類の規定食(試験または対照)の内の一方の3回の食餌を与えた(動的)。翌週に、別の試験または対照規定食を使用した。
試験の説明が、以下のように設定されている:
結果は、各動的で、kcal/kg0.75で表される全食糧摂取量があったことである。
試験は、10匹の成犬のビーグル犬に行った。これらのイヌは、無制限に水を飲めた。
エネルギー所要量は:
− 120kcal/kg0.75は、エネルギー所要量の100%に相当し、
− 240kcal/kg0.75は、エネルギー所要量の200%に相当する。
− 120kcal/kg0.75は、エネルギー所要量の100%に相当し、
− 240kcal/kg0.75は、エネルギー所要量の200%に相当する。
その結果も、消化性に関して、下痢も便秘も観察されなかったという事実を含んだ。
製品製造
先に記載されたような製品の成分を混合し、押し出した。試験製品について、製品の少なくとも一部が上述したような過熱蒸気下で生成された製品を製造した。対照規定食を乾燥させ、乾燥キブルに特有の脂肪および旨味剤のコーティングを加えた(家禽の脂肪)。
先に記載されたような製品の成分を混合し、押し出した。試験製品について、製品の少なくとも一部が上述したような過熱蒸気下で生成された製品を製造した。対照規定食を乾燥させ、乾燥キブルに特有の脂肪および旨味剤のコーティングを加えた(家禽の脂肪)。
その結果が図2に示されている。
図2は、試験食餌が対照食餌より43%少なく食べられることを示している。
別の結果が図3に示されている。
図3は、一回目の食餌後に満腹効果が現れる(食餌摂取の34%の減少)ことを示している。
さらに別の結果が図4に示されている。
図4は、満腹感は、それほど美味しくない製品により説明できないが、食餌の間の時間を増加させる傾向のある、低エネルギー規定食と軟質テキスチャーの組合せにより説明できることが、製品の優れた美味しさにより確認されることを示している。
口腔衛生試験
二製品の等級試験を7匹のシュナウザー犬に行った。研究開始の二週間前に、イヌの歯石を取り、磨いた。イヌに、10日間の期間に亘り対照規定食を給餌し、次いで、10日間に亘り試験製品を給餌した。両方の規定食期間について、歯垢の堆積物を、一回目の食餌前に磨いて落とし、10日目の食餌後に、モニタした(表面歯垢の百分率)。
二製品の等級試験を7匹のシュナウザー犬に行った。研究開始の二週間前に、イヌの歯石を取り、磨いた。イヌに、10日間の期間に亘り対照規定食を給餌し、次いで、10日間に亘り試験製品を給餌した。両方の規定食期間について、歯垢の堆積物を、一回目の食餌前に磨いて落とし、10日目の食餌後に、モニタした(表面歯垢の百分率)。
さらに別の結果が図5に示されている。
図5は、対照ペットフード製品に対して試験ペットフード製品が給餌された犬の歯の歯垢の減少を示している。対照規定食が給餌された犬の歯は、試験規定食が給餌された犬の歯に見られたものよりも多くの歯垢が写真に見える。
さらに別の結果が図6に示されている。
図6は、対照ペットフード製品に対して試験ペットフード製品が給餌されたイヌにおける10日目での歯垢の著しい17.2%の減少を示す。
さらに別の結果が図7に示されている。
図7Aおよび7Bは、対照ペットフード製品を給餌した犬に対して、試験ペットフード製品を給餌した犬のほうが、ペットフードを摂取するのに長くかかり(19.1%の著しい増加)、それによって、咀嚼の時間が増し、イヌの歯に形成される歯垢の量が減少することを示している。
さらに別の結果が図8に示されている。
図8は、対照ペットフード製品に対する試験ペットフード製品の外観を示している。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ペット動物の健康に使用するための押出包装ペットフード製品であって、15%超から30%の水分、11%から45%までの炭水化物、脂肪およびタンパク質、並びに0.7超のAwを有する押出包装ペットフード製品。
ペット動物の健康に使用するための押出包装ペットフード製品であって、15%超から30%の水分、11%から45%までの炭水化物、脂肪およびタンパク質、並びに0.7超のAwを有する押出包装ペットフード製品。
実施形態2
押出後に添加される成分を含まない、実施形態1に記載の押出包装ペットフード製品。
押出後に添加される成分を含まない、実施形態1に記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態3
20%から27%の水分を有する、実施形態1または2に記載の押出包装ペットフード製品。
20%から27%の水分を有する、実施形態1または2に記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態4
15%から20%の水分を有する、実施形態1または2に記載の押出包装ペットフード製品。
15%から20%の水分を有する、実施形態1または2に記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態5
約18%の水分を有する、実施形態1または2に記載の押出包装ペットフード製品。
約18%の水分を有する、実施形態1または2に記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態6
前記Awが0.8より大きい、実施形態1から5いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
前記Awが0.8より大きい、実施形態1から5いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態7
前記ペット動物がイヌまたはネコである、実施形態1から6いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
前記ペット動物がイヌまたはネコである、実施形態1から6いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態8
前記炭水化物が13から17%のレベルで存在する、実施形態1から7いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
前記炭水化物が13から17%のレベルで存在する、実施形態1から7いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態9
酸をさらに含む、実施形態1から8いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
酸をさらに含む、実施形態1から8いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態10
前記酸が0.5から10%の量で存在する、実施形態9に記載の押出包装ペットフード製品。
前記酸が0.5から10%の量で存在する、実施形態9に記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態11
前記酸が乳酸である、実施形態9または10に記載の押出包装ペットフード製品。
前記酸が乳酸である、実施形態9または10に記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態12
前記ペット動物の健康のための使用が、
・口腔衛生の利益(口内食物処理を増加させることによる);
・胃腸(処方);
・皮膚科学(より少ないアレルゲン);
・移動性(体重減少/管理);
・腎臓(少ないリン)
である、実施形態1から11いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
前記ペット動物の健康のための使用が、
・口腔衛生の利益(口内食物処理を増加させることによる);
・胃腸(処方);
・皮膚科学(より少ないアレルゲン);
・移動性(体重減少/管理);
・腎臓(少ないリン)
である、実施形態1から11いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
実施形態13
前記ペット動物の健康のための使用が、歯垢を減少させるためである、実施形態1から11いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
前記ペット動物の健康のための使用が、歯垢を減少させるためである、実施形態1から11いずれか1つに記載の押出包装ペットフード製品。
Claims (11)
- ペット動物のための押出包装ペットフード製品であって、15%超から30%の水分、11%から45%までの炭水化物、脂肪およびタンパク質、並びに0.7超のAwを有し、水結合剤を含まない押出包装ペットフード製品。
- 押出後に添加される成分を含まない請求項1記載の押出包装ペットフード製品。
- 20%から27%の水分を有する請求項1または2記載の押出包装ペットフード製品。
- 15%から20%の水分を有する請求項1または2記載の押出包装ペットフード製品。
- 18%の水分を有する、請求項1または2記載の押出包装ペットフード製品。
- 前記Awが0.8より大きい請求項1から5いずれか1項記載の押出包装ペットフード製品。
- 前記ペット動物がイヌまたはネコである請求項1から6いずれか1項記載の押出包装ペットフード製品。
- 前記炭水化物が13から17%のレベルで存在する請求項1から7いずれか1項記載の押出包装ペットフード製品。
- 酸をさらに含む請求項1から8いずれか1項記載の押出包装ペットフード製品。
- 前記酸が0.5から10%の量で存在する請求項9記載の押出包装ペットフード製品。
- 前記酸が乳酸である、請求項9または10記載の押出包装ペットフード製品。
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