<<第1実施形態>>
以下、本発明の第1実施形態に係る遊技機としてパチスロを例に挙げ、図面を参照しながら、その構成及び動作について説明する。なお、本実施形態では、ボーナス作動機能及びART機能を備えたパチスロについて説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりパチスロにメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値という)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。内部当籤役の決定により、後述の有効ライン(入賞判定ライン)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、以下では、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称する。また、ボーナスの作動(ボーナスゲーム)に係る役を「ボーナス役」ともいう。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段もまた、後述の主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るものであると判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置などによる映像の表示、各種ランプによる光の出力、スピーカによる音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
具体的には、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値が抽出される。演出用の乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述の副制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、例えば、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係るパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ1は、図2に示すように、外装体(遊技機本体)2を備える。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aの開口を開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有する。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3R(変動表示手段、表示列)が横一列に並べて設けられている。以下、各リール3L,3C,3R(メインリール)を、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rともいう。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有する。そして、シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向(リールの回転方向)に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、錠前5と、ドア本体9と、フロントパネル10と、腰部パネル12と、台座部13とを備える。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられる。ヒンジは、パチスロ1の前方側(遊技者側)から見て、ドア本体9の左側の側端部に設けられる。また、ドア本体9は、錠前5を用いてロック(施錠)される(すなわち、フロントドア2bの閉鎖状態を維持し、開放状態となることを制限する)。錠前5は、パチスロ1の前方側(遊技者側)から見て、ドア本体9の右側の側端部に設けられ、ドアキー(不図示)を用いた開錠操作が行われることで、フロントドア2bを開放状態とする。なお、フロントドア2bのロック機構(施錠装置)としては、その他のロック機構(例えば、電子認証による施錠装置等)を採用することもできる。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に設けられている。このフロントパネル10は、開口10aを有する枠状部材で構成される。フロントパネル10の開口10aは、表示装置カバー30によって塞がれ、表示装置カバー30は、キャビネット2aの内部に配置された後述の表示装置11と対向して配置される。
表示装置カバー30は、黒色の半透明な合成樹脂により形成される。それゆえ、遊技者は、後述の表示装置11により表示された映像(画像)を、表示装置カバー30を介して視認することができる。また、本実施形態では、表示装置カバー30を黒色の半透明な合成樹脂で形成することにより、キャビネット2a内への外光の入り込みを抑制して、表示装置11により表示された映像(画像)を鮮明に視認できるようにしている。
フロントパネル10には、ランプ群21が設けられている。ランプ群21は、例えば、遊技者側から見て、フロントパネル10の上部に設けられたランプ21a、21bを含む。ランプ群21を構成する各ランプは、LED(Light Emitting Diode)等で構成され(後述の図6中のLED群85参照)、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
腰部パネル12は、ドア本体9の略中央部に設けられる。腰部パネル12は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源(後述のLED群85に含まれるLED)とを有する。
台座部13は、フロントパネル10と腰部パネル12との間に設けられる。台座部13には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置(メダル投入口14、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、スタートレバー16、3つのストップボタン17L,17C,17R、精算ボタン(不図示)等)とが設けられる。
図柄表示領域4は、正面から見て、3つのリール3L,3C,3Rに重畳する領域で、かつ、3つのリール3L,3C,3Rより遊技者側の位置に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rを視認可能にするサイズを有する。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを視認することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リールの周面に設けられた複数の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)が表示される(リール表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。そして、本実施形態では、リール表示窓4の枠内において、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶ擬似的なライン(センターライン)を、入賞か否かの判定を行う有効ラインとして定義する。
リール表示窓4は、台座部13に設けられた枠部材31の開口により形成される。また、リール表示窓4を画成する枠部材31の下方には、略水平面の台座領域が設けられる。そして、遊技者側から見て、台座領域の右側にはメダル投入口14が設けられ、左側にはMAXベットボタン15a及び1ベットボタン15bが設けられる。
メダル投入口14は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口14から受け入れられたメダルは、予め設定された所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えたメダルの枚数分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能(遊技媒体貯留手段))。
MAXベットボタン15a及び1ベットボタン15bは、キャビネット2aの内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、MAXベットボタン15aの内部には、メダル投入が可能な時に点灯するベットボタンLED(不図示)が設けられている。また、精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
なお、遊技者がMAXベットボタン15aを押下操作すると、単位遊技のベット枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタン15bが1回、押下操作される度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタン15bが3回操作されると、単位遊技のベット枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
なお、以下では、MAXベットボタン15aの操作、1ベットボタン15bの操作及びメダル投入口14にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)をいずれも「投入操作」という。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rともいう。
また、リール表示窓4の下方の略水平面の台座領域の略中央には、情報表示器6が設けられる。なお、情報表示器6は、透明の窓カバー(不図示)によって覆われている。
情報表示器6には、特典として遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という)の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグメントLED(以下、「7セグLED」という)や、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、「クレジット枚数」という)などの情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDが設けられる。なお、本実施形態では、メダルの払出枚数表示用の2桁の7セグLEDは、エラー発生及びエラー種別の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLEDとしても用いられる。それゆえ、エラー発生時には、メダルの払出枚数表示用の2桁の7セグLEDの表示態様は、払出枚数の表示態様からエラー種別の情報の表示態様に切り替わる。
さらに、情報表示器6には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(不図示)が設けられている。指示モニタ(指示表示器)は、例えば、2桁の7セグメントLEDにより構成される。そして、指示モニタでは、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で、2桁の7セグLEDが点灯、点滅又は消灯することにより、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。
情報表示器6は、後述の図6に示すように、ドア中継端子板68及び遊技動作表示基板81を介して主制御基板71に電気的に接続され、情報表示器6の表示動作は、主制御基板71内の後述の主制御回路90により制御される。また、上述した各種7セグLEDの制御方式は、ダイナミック点灯制御である。
なお、本実施形態のパチスロ1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知する構成を設ける。具体的には、後述のプロジェクタ機構211及び表示ユニット212(図3及び後述の図6参照)により構成される後述の表示装置11により停止操作の情報を報知する。
このような構成を適用した場合、指示モニタにおける報知の態様と、副制御基板72により制御されるその他の手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とはいえない)。一方、後述の表示装置11等のその他の手段によるサブ側(副制御基板側)での報知では、停止操作の情報を直接的に報知してもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタでは報知する押し順と一義的に対応する数値「1」を表示するが、その他の手段(例えば、表示装置11等)では、左リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知してもよい。
このような構成のパチスロ1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。また、このような停止操作の情報の報知の有無は、遊技状態に応じて制御されるようにしてもよい。例えば、後述の一般遊技状態(非ART遊技状態)では停止操作の情報を報知せずに、後述のART遊技状態(後述の図15参照)において停止操作の情報を報知するようにしてもよい。
また、遊技者側から見て、リール表示窓4の左方には、サブ表示装置18が設けられる。サブ表示装置18は、図2に示すように、ドア本体9の前面部のうち、台座部13の略水平面の台座領域から略垂直に立設するように設けられる。サブ表示装置18は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイで構成され、各種情報を表示する。
また、サブ表示装置18の表示面上には、タッチセンサ19が設けられている(後述の図6参照)。タッチセンサ19は、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。そして、本実施形態のパチスロ1は、タッチセンサ19を介して受け付けた遊技者の操作(タッチセンサ19から出力されるタッチ入力情報)に応じて、サブ表示装置18の表示を切り替え可能にする機能を有する。なお、サブ表示装置18は、タッチセンサ19から出力されるタッチ入力情報に基づいて後述の副制御基板72(後述の図6参照)により制御される。
ドア本体9の下部には、メダル払出口24、メダル受皿25、2つのスピーカ用孔20L,20R等が設けられる。メダル払出口24は、後述のメダル払出装置(以下、ホッパー装置という)51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿25は、メダル払出口24から排出されたメダルを貯める。また、2つのスピーカ用孔20L,20Rからは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音声が出力される。
また、パチスロ1の外装体2の上部には、データ表示装置100が配置されている。データ表示装置100は、主制御基板71から送信された各種の信号を受信し、それに応じて様々な内容の表示・演出表示を行う。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、キャビネット2aの内部構造を示す図であり、図4は、フロントドア2bの裏面側の内部構造を示す図である。
キャビネット2aは、図3に示すように、上面板27aと、底面板27bと、左右の側面板27c,27dと、背面板27eとを有する。そして、キャビネット2a内の上部には、表示装置11が配設される。
表示装置11は、プロジェクタ機構211と、プロジェクタ機構211から投射された映像光が投影される箱状の被投影部材212aとを有し、プロジェクションマッピングによる映像表示を行う。具体的には、表示装置11では、立体物となる被投影部材212aの位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて映像光を生成し、その映像光が、プロジェクタ機構211により被投影部材212aの表面に投影される。このような演出機能を設けることにより、高度で且つ迫力のある演出を行うことができる。また、図3には示さないが、箱状の被投影部材212aの裏側には、表示面が湾曲した別の被投影部材が設けられ、遊技状態に応じて、どちらか一方の被投影部材が、映像光が投影されるスクリーンとして使用される。それゆえ、キャビネット2a内は、遊技状態に応じて、被投影部材を切り換える機能(不図示)も設けられる。
キャビネット2a内の下部には、メダル払出装置51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53とが配設される。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板27bの中央部に取り付けられる。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は、精算ボタンが押下されてメダルの精算が実行されるときに、メダルを払い出す。そして、ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口24(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置される。また、メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板27bに対して着脱可能に取り付けられている。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53b(電源供給手段)とを有している(後述の図6参照)。この電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板27cに取り付けられている。電源装置53は、サブ電源装置(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
また、キャビネット2a内の電源装置53の上方には、副制御基板72(後述の図6参照)を収容する副制御基板ケース56が配設される。副制御基板ケース56に収納された副制御基板72には、後述の副制御回路200(後述の図10参照)が搭載されている。この副制御回路200は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路200の具体的な構成については後述する。
キャビネット2a内の副制御基板ケース56の上方には、副中継基板61が配設される。この副中継基板61は、副制御基板72と後述の主制御基板71とを接続する配線が実装された中継基板である。また、副中継基板61は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板や各種装置部(ユニット)などとを接続する配線が実装された中継基板である。
また、キャビネット2a内のメダル補助収納庫52の上方には、外部集中端子板47を収容する外部集中端子板ケース46が配設される。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号、セキュリティ信号、役比情報を示す信号等の信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられる基板であり、単に、外部端子基板と称されることもある。
また、図3には示さないが、キャビネット2a内には、キャビネット側中継基板44(後述の図6参照)が配設される。このキャビネット側中継基板44は、主制御基板71(後述の図6参照)と、ホッパー装置51、遊技メダル補助収納庫スイッチ75(後述の図6参照)及びメダル払出カウントスイッチ(不図示)のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。
フロントドア2bの裏面側の中央部には、図4に示すように、ミドルドア41が、配設され、リール表示窓4(図2参照)を裏側から開閉可能に取り付けられている。また、図4には示さないが、ミドルドア41のリール表示窓4側には、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられ、ミドルドア41のリール表示窓4側とは反対側には、主制御基板71(後述の図6参照)が収納された主制御基板ケース55が取り付けられている。なお、3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ(不図示)が接続されている。
また、主制御基板ケース55は、透過性を有する部材で構成され、フロントドア2bが開放状態にあるとき、図4に示すように、役比モニタ95(比率表示手段)が視認可能となっており、この役比モニタには所定の比率情報が表示されるように構成されている。役比モニタ95については、後で詳細に説明する。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路90(後述の図7参照)を有する。主制御回路90(主制御手段)は、内部当籤役の決定、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。また、本実施形態では、例えば、ARTの決定の有無の抽籤処理、ナビ情報の指示モニタへの表示処理、各種試験信号の送信処理、比率情報の役比モニタ95への表示処理などの制御も主制御回路90により行われる。なお、主制御回路90の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bの裏面側において、ミドルドア41の下方には、スピーカ65L,65Rが配設される。スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔20L,20R(図2参照)と対向する位置に配置されている。
また、スピーカ65Lの上方には、セレクタ66と、ドア開閉監視スイッチ67とが配設される。セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口14に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(遊技媒体検出手段:不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左斜め下に配置される。このドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティ信号をパチスロ1の外部に出力する。
また、図4には示さないが、フロントドア2bを裏面において、ミドルドア41により開閉された領域であり且つリール表示窓4の下方には、ドア中継端子板68が配設される(後述の図6参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ、副中継基板61、セレクタ66、遊技動作表示基板81のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXベットボタン15a、1ベットボタン15b、ドア開閉監視スイッチ67、後述のBETスイッチ77、スタートスイッチ79等が挙げられる。
<サブ表示装置の表示例>
ここで、図5A〜図5Eを参照して、サブ表示装置18に表示される各種表示画面について説明する。なお、図5Aは、サブ表示装置18に表示されるトップ画面221を示す図であり、図5Bは、サブ表示装置18に表示されるメニュー画面222を示す図である。また、図5C〜図5Eは、サブ表示装置18に表示される遊技情報画面223,224,225を示す図である。
サブ表示装置18には、遊技者のタッチ操作により様々な表示画面が表示され、図5A〜図5Eに示すように、トップ画面221、メニュー画面222及び遊技情報画面223,224,225を含む各種表示画面が表示される。これらの表示画面は、タッチセンサ19を介して受け付けた遊技者の操作信号に基づいて切り替えられる。
トップ画面221は、サブ表示装置18に表示される表示画面のうちの初期画面であり、トップ画面221では、「MENU」ボタン221aと、概要遊技履歴221bとが表示される。「MENU」ボタン221aは、図5Bに示すメニュー画面222を呼び出すための操作ボタンであり、「MENU」ボタン221aに対して遊技者による所定操作(例えばタップ)が行われると、メニュー画面222が呼び出される。また、トップ画面221では、概要遊技履歴221bとして、パチスロ1の一部の遊技履歴(概要遊技履歴)を表示する。本実施形態では、概要遊技履歴221bとして、例えば、ボーナス回数、ART回数及びゲーム数(遊技回数)が表示される。
メニュー画面222は、サブ表示装置18で表示可能なメニューを表示する画面であり、メニュー画面222では、「戻る」ボタン222a、「登録」ボタン222b、「説明」ボタン222c、「配列配当」ボタン222d、「リーチ目」ボタン222e、「WEBサイト」ボタン222f及び「音量」ボタン222gが表示される。「戻る」ボタン222aは、トップ画面221を呼び出すための操作ボタンであり、「戻る」ボタン222aに対して遊技者による操作が行われると、トップ画面221が呼び出される。また、「登録」ボタン222b〜「音量」ボタン222gは、対応するメニュー内容の表示画面を呼び出すための操作ボタンであり、各ボタンに対して遊技者による操作が行われると、対応するメニュー内容の表示画面が呼び出される。
なお、サブ表示装置18は、上述した表示装置11(プロジェクタ機構211及び表示ユニット212)とは別体に設けられるため、表示装置11とは別個に制御することができる。それゆえ、本実施形態のパチスロ1では、遊技中(表示装置11による演出の実行中)であっても、サブ表示装置18の表示画面を遊技者の操作により切り替えることができる。その結果、例えば、遊技者が、表示装置11の演出において登場するキャラクタのことを知りたいと思った場合、遊技者は、「説明」ボタン222cを操作して説明画面を呼び出すことにより、キャラクタ間の関係性などの情報を遊技中に把握することができる。また、例えば、遊技者が、遊技中に、いわゆる「レア役」が当籤した場合のリール回転中にレア役を入賞させるために目安とすべき図柄を把握したいと思った場合、遊技者は、「配列配当」ボタン222dを操作して配列配当画面を呼び出すことにより、リール配列を把握することができる。
遊技情報画面223,224,225は、パチスロ1の遊技履歴のうちのトップ画面221に表示する概要遊技履歴を含む詳細遊技履歴情報を表示する表示画面である。
遊技情報画面223には、「戻る」ボタン223aと、「MENU」ボタン223bと、「前へ」ボタン223cと、「次へ」ボタン223dと、遊技履歴223eとが表示される。「戻る」ボタン223a及び「MENU」ボタン223bは、それぞれトップ画面221及びメニュー画面222をサブ表示装置18の表示画面に呼び出すための操作ボタンであり、各ボタンを遊技者が操作することにより、対応する表示画面が呼び出される。また、「前へ」ボタン223c及び「次へ」ボタン223dは、遊技情報画面を所定の順序で切り替えるための操作ボタンであり、「前へ」ボタン223cが遊技者により操作されると、表示画面が遊技情報画面223から遊技情報画面225に切り替わり、「次へ」ボタン223dが遊技者により操作されると、表示画面が遊技情報画面223から遊技情報画面224に切り替わる。また、遊技履歴223eとしては、図5Cに示すように、ゲーム数(遊技回数)、ボーナス回数、ART回数及びCZ(チャンスゾーン)回数が表示される。
遊技情報画面224には、「戻る」ボタン224aと、「MENU」ボタン224bと、「前へ」ボタン224cと、「次へ」ボタン224dと、遊技履歴214eとが表示される。「戻る」ボタン224a及び「MENU」ボタン224bは、それぞれトップ画面221及びメニュー画面222をサブ表示装置18の表示画面に呼び出すための操作ボタンであり、各ボタンを遊技者が操作することにより、対応する表示画面が呼び出される。また、「前へ」ボタン224c及び「次へ」ボタン224dは、遊技情報画面を所定の順序で切り替える操作ボタンであり、「前へ」ボタン224cが遊技者に操作されると、表示画面が遊技情報画面224から遊技情報画面223に切り替わり、「次へ」ボタン224dが遊技者により操作されると、表示画面が遊技情報画面224から遊技情報画面225に切り替わる。また、遊技履歴224eとしては、後述のCZ(チャンスゾーン)の突入回数及び成功回数が表示される。なお、後述するように、本実施形態では、CZとして、CZ1,CZ2,CZ3の3種類のCZが設けられる。それゆえ、遊技履歴224eとしては、図5Dに示すように、CZ1〜CZ3のそれぞれの突入回数及び成功回数が表示される。
遊技情報画面225には、「戻る」ボタン225aと、「MENU」ボタン225bと、「前へ」ボタン225cと、「次へ」ボタン225dと、遊技履歴225eとが表示される。「戻る」ボタン225a及び「MENU」ボタン225bは、それぞれトップ画面221及びメニュー画面222をサブ表示装置18の表示画面に呼び出すための操作ボタンであり、各ボタンを遊技者が操作することにより、対応する表示画面が呼び出される。また、「前へ」ボタン225c及び「次へ」ボタン225dは、所定の順序で遊技情報画面を切り替えるための操作ボタンであり、「前へ」ボタン225cが遊技者に操作されると、表示画面が遊技情報画面225から遊技情報画面224に切り替わり、「次へ」ボタン225dが遊技者により操作されると、表示画面が遊技情報画面225から遊技情報画面223に切り替わる。また、遊技履歴225eとしては、図5Eに示すように、小役の当籤回数及び当籤確率(分子が1の分数)が表示される。
なお、サブ表示装置18に表示される表示画面の切り替え手法としては、例えば、それぞれの表示画面に表示される操作ボタンに対するタップ操作に基づいて切り替える手法を採用してもよいし、また、例えば、表示画面に対するスワイプ操作に基づいて切り替える手法を採用してもよい。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に設けられた主制御基板71と、フロントドア2bに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板74、設定用鍵型スイッチ54(設定スイッチ)及びキャビネット側中継基板44を有する。さらに、パチスロ1は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板47、ホッパー装置51、遊技メダル補助収納庫スイッチ75、リセットスイッチ76及び電源装置53を有する。なお、ホッパー装置51の構成については上述したので、ここでは、その説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
設定用鍵型スイッチ54は、主制御基板ケース55に設けられる。設定用鍵型スイッチ54は、パチスロ1の設定(設定1〜設定6)を変更するとき、もしくは、パチスロ1の設定を確認するときに使用される。
キャビネット側中継基板44は、主制御基板71と、外部集中端子板47、ホッパー装置51、遊技メダル補助収納庫スイッチ75、リセットスイッチ76及び電源装置53のそれぞれとを接続する配線が実装された中継基板である。
外部集中端子板47にはデータ表示装置300が接続され、このデータ表示装置300にメダル投入信号やメダル払出信号が送信される。また、本実施形態では、後述するように、外部集中端子板47の基板に、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)モジュールが配設される。BLEモジュールは、主制御基板71から、役比情報や当該役比表情に関する情報を受信し、これらの情報をBLE規格によるビーコン信号で外部に発信するよう制御する。このようなビーコン信号によって、基本的に一方向の通信(単方向通信)が実現され、セキュリティレベルによっては、ペアリングなしに通信を行うことができる。
遊技メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52に設けられ、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ76は、例えば、パチスロ1の設定を変更する際に用いられる。
電源装置53は、電源基板53bと、電源基板53bに接続された電源スイッチ53aとを有する。電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときに押下される。電源基板53bは、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されるとともに、副中継基板61を介して副制御基板72にも接続される。
また、パチスロ1は、ドア中継端子板68、並びに、該ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81、副中継基板61を有する。なお、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
BETスイッチ77(投入操作検出手段)は、MAXベットボタン15a又は1ベットボタン15bが遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン(不図示)が遊技者により押下されたことを検出する。スタートスイッチ79(開始操作検出手段)は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80(停止操作検出手段)は、回転しているメインリールを停止させるための回路と、停止可能なメインリールをLEDなどにより表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板80には、ストップスイッチ(不図示)が設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、情報表示器(7セグ表示器)6及びLED82に接続される。LED82には、例えば、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、「投入枚数」という)に対応して点灯する、メダル投入枚数表示用の3つのLED(以下、「第1LED」〜「第3LED」という)や、遊技動作表示基板81から入力される信号に基づいて、メダル投入が可能であることを表示するマーク、遊技開始を表示するマーク、再遊技を行うマークなどを点灯させるLEDなどが含まれる。第1LED〜第3LED(表示手段)では、メダルが1枚投入されると、第1LEDが点灯し、メダルが2枚投入されると、第1及び第2LEDが点灯し、メダルが3枚(遊技開始可能枚数)投入されると、第1LED〜第3LEDが点灯する。なお、情報表示器6については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
副制御基板72は、ドア中継端子板68及び副中継基板61を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ1は、副中継基板61を介して副制御基板72に接続された、スピーカ群84、LED群85、24hドア開閉監視ユニット63、タッチセンサ19及び表示ユニット212を有する。なお、タッチセンサ19については、上述したので、ここでは、その説明を省略する。
スピーカ群84は、スピーカ65L,65Rや図示しない各種スピーカを含んで構成される。LED群85は、フロントパネル10に設けられたランプ群21や、腰部パネル12の装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源などを含んで構成される。24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴情報を保存する。また、24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41が開放されたときに、表示装置11によりエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路200)に出力する。表示ユニット212は、例えば、表示装置11を構成する被投影部材212a、及び、被投影部材212aの裏側に設けられた表示面が湾曲した別の被投影部材を含んで構成される。
また、パチスロ1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87を有する。なお、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72とともに副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、サブCPU201により実行される各種制御プログラムと、演出用の画像(映像)、音声(スピーカ群84)、光(LED群85)及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と、表示装置11を構成するプロジェクタ機構211、及び、サブ表示装置18との間の接続配線を中継する基板である。なお、プロジェクタ機構211及びサブ表示装置18については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
<主制御回路>
次に、図7を参照して、主制御基板71に実装される主制御回路90の構成について説明する。図7は、パチスロ1の主制御回路90の構成例を示すブロック図である。
主制御回路90は、マイクロプロセッサ91と、クロックパルス発生回路92と、電源管理回路93と、スイッチングレギュレータ94(電源供給手段)と、役比モニタ95(比率表示手段)とを備える。
マイクロプロセッサ91は、遊技機用のセキュリティ機能付きマイクロプロセッサである。なお、本実施形態のマイクロプロセッサ91では、後述するように、ソースプログラム上で規定可能な該マイクロプロセッサ91に特有の様々な命令コード(例えば、後述の「LDQ」命令等:以下、「メインCPU101専用命令コード」という)が設けられている。本実施形態では、このメインCPU101専用命令コードを用いることにより、処理の効率化やプログラム容量の削減などを実現している。マイクロプロセッサ91の内部構成については、後述の図9を参照して詳述し、マイクロプロセッサ91に設けられているメインCPU101専用命令コードについては、後述の主制御回路が実行する各種処理において詳述する。
クロックパルス発生回路92は、メインCPU作動用のクロックパルス信号を生成し、該生成したクロックパルス信号をマイクロプロセッサ91に出力する。マイクロプロセッサ91は、入力されたクロックパルス信号に基づいて、制御プログラムを実行する。
電源管理回路93は、電源基板53b(図6参照)から供給される直流12Vの電源電圧の変動を管理する。そして、電源管理回路93は、例えば、電源が投入された際(電源電圧が0Vから起動電圧値(10V)を上回った際)には、リセット信号をマイクロプロセッサ91の「XSRST」端子に出力し、電断が発生した際(電源電圧が12Vから停電電圧値(10.5V)を下回った際)には、電断検知信号をマイクロプロセッサ91の「XINT」端子に出力する。すなわち、電源管理回路93は、電源投入時に、マイクロプロセッサ91にリセット信号(起動信号)を出力する手段(起動手段)、及び、電断発生時に、マイクロプロセッサ91に電断検知信号(停電信号)を出力する手段(停電手段)も兼ねる。
スイッチングレギュレータ94は、DC/DC変換回路であり、マイクロプロセッサ91の直流駆動電圧(直流5Vの電源電圧)を生成し、該生成した直流駆動電圧をマイクロプロセッサ91の「VCC」端子に出力する。
<役比モニタの構成>
次に、図8を参照して、マイクロプロセッサ91に接続される役比モニタ95(図4、図7参照)の構成について説明する。図8は、役比モニタ95の構成例を示す図である。役比モニタ95は、図8においてその構成例を示すように、例えば、4桁7セグメントLED回路により構成され、後述のメインCPU101によって集計された遊技情報に関する集計結果に対して、後述の演算回路107が所定の比率計算を行い、その比率計算の結果を比率情報として表示する。本実施形態では、所定の比率計算として、複数種類の比率計算が行われ(後述の図27〜図35参照)、役比モニタ95は、その結果に基づいて、複数種類の比率情報を順次表示する(後述の図37〜図39参照)。
なお、役比モニタ95の上位2桁には、その比率情報の種別を示す種別情報である「略記」が表示され、下位2桁には、その種別情報に対応する比率情報である「比率」が表示されるようになっている。例えば、役比モニタ95の第1の桁(略記10の位)に「7」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「U」が表示される場合(すなわち、略記「7U」が表示される場合)、役比モニタ95の下位2桁には、比率情報として、所定の総遊技数(175000回)の間に占める、ART機能が作動した(すなわち、遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知されていた有利区間の)遊技数の比率(有利区間比率)が表示される。具体的には、有効区間比率が10%である場合、第3の桁(比率10の位)には「1」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「0」が表示される。
また、例えば、役比モニタ95の第1の桁(略記10の位)に「6」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「Y」が表示される場合(すなわち、略記「6Y」が表示される場合)、役比モニタ95の下位2桁には、比率情報として、特定の総遊技数(6000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、役物連続作動装置(本実施形態ではBB。なお、第2種特別役物(CB)が連続で作動する役物連続作動装置(MB)が搭載されている場合には、それを含む。以下同じ)が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(中時間連役比率)が表示される。具体的には、中時間連役比率が59%である場合、第3の桁(比率10の位)には「5」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「9」が表示される。
また、例えば、役比モニタ95の第1の桁(略記10の位)に「7」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「Y」が表示される場合(すなわち、略記「7Y」が表示される場合)、役比モニタ95の下位2桁には、比率情報として、特定の総遊技数(6000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、全ての役物(本実施形態ではBB。なお、上述のMBの他、上述の第1種特別役物(RB)が単独で搭載されている場合、上述の第2種特別役物(CB)が単独で搭載されている場合、普通役物(SB)が搭載されている場合には、それら全てを含む。以下同じ)が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(中時間役物比率)が表示される。具体的には、中時間役物比率が59%である場合、第3の桁(比率10の位)には「5」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「9」が表示される。
また、例えば、役比モニタ95の第1の桁(略記10の位)に「6」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「A」が表示される場合(すなわち、略記「6A」が表示される場合)、役比モニタ95の下位2桁には、比率情報として、所定の総遊技数(175000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、役物連続作動装置が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(総連役比率)が表示される。具体的には、総連役比率が25%である場合、第3の桁(比率10の位)には「2」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「5」が表示される。
また、例えば、役比モニタ95の第1の桁(略記10の位)に「7」が表示され、第2の桁(略記1の位)に「A」が表示される場合(すなわち、略記「7A」が表示される場合)、役比モニタ95の下位2桁には、比率情報として、所定の総遊技数(175000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、全ての役物が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(総役物比率)が表示される。具体的には、総役物比率が25%である場合、第3の桁(比率10の位)には「2」が表示され、第4の桁(比率1の位)には「5」が表示される。
なお、本実施形態では、主制御回路90が直接的に役比モニタ95を備える構成を例に挙げて説明しているが、役比モニタ95は、主制御回路90によってその表示内容が制御され、また、必要なとき(例えば、主制御基板ケース55を視認したとき)にその表示内容を認識可能であれば足り、主制御回路90が直接的に備えない構成を採用することもできる。例えば、役比モニタ95が遊技動作表示基板81に接続され、主制御回路90が遊技動作表示基板81を介してその表示内容を制御するようにしてもよい。また、この場合、役比モニタ95が、情報表示器6、LED82、又は指示モニタ(指示表示器)と兼用されるようにし、それらのうち、一又は複数を用いて所定の比率情報が表示されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、役比モニタ95に表示される所定の比率情報として、有利区間比率、中時間連役比率、中時間役物比率、総連役比率、及び総役物比率を例に挙げて説明しているが、これら以外の比率情報を表示可能としてもよい。例えば、所定の総遊技数(175000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、ART機能が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(総有利区間獲得比率)、特定の総遊技数(6000回)の間で払い出された遊技媒体の払出枚数に占める、ART機能が作動して払い出された遊技媒体の払出枚数の比率(中時間有利区間獲得比率)、特定の総遊技数(6000回)の間に占める、役物連続作動装置が作動した遊技数の比率(中時間連役区間比率)、特定の総遊技数(6000回)の間に占める、全ての役物が作動した遊技数の比率(中時間役物区間比率)、所定の総遊技数(175000回)の間に占める、役物連続作動装置が作動した遊技数の比率(総連役区間比率)、所定の総遊技数(175000回)の間に占める、全ての役物が作動した遊技数の比率(総役物区間比率)等も所定の比率計算を行って表示することができる。
また、本実施形態では、役比モニタ95に表示される所定の比率情報の母数(分母)として、所定の総遊技数を「175000回」とし、特定の総遊技数を「6000回」として説明しているが、所定の総遊技数及び特定の総遊技数はこれに限られない。例えば、上述した各種比率のうち、一部又は全部を算出するための母数(分母)として、所定の総遊技数を「17500回」とし、特定の総遊技数を「3000回」としてもよい。もっとも、遊技店では様々な種類の遊技機が設置され運用されており、比率計算に最適な遊技数も異なる場合もあること等から、上述した各種比率を算出するための各遊技数は、上述したものに限られず適宜変更可能である。なお、この場合、各種比率のうち、一部又は全部を算出するための母数(分母)及び子数(分子)となりうる遊技数を、遊技店側で任意に設定可能とするようにしてもよい。
また、本実施形態では、中時間役物比率及び総役物比率において対象としている全ての役物の中に、ART機能の作動を含ませないようにしているが、ART機能の作動を役物の作動としてとらえ、中時間役物比率及び総役物比率の比率計算を行うようにすることもできる。また、上述したもの以外であっても、それが有益な情報である限り、2つの値を集計して比率計算を行い、その比率計算の結果を比率情報として表示可能であることはいうまでもない。
<マイクロプロセッサ>
次に、図9を参照して、マイクロプロセッサ91の内部構成について説明する。図9は、マイクロプロセッサ91の内部構成を示すブロック図である。
マイクロプロセッサ91は、メインCPU101と、メインROM102(第1記憶手段)と、メインRAM103(第2記憶手段)と、外部バスインターフェース104と、クロック回路105と、リセットコントローラ106と、演算回路107と、乱数回路110と、パラレルポート111と、割込みコントローラ112と、タイマー回路113と、第1シリアル通信回路114を有する。そして、マイクロプロセッサ91を構成するこれらの各部は信号バス116を介して互いに接続されている。
メインCPU101は、クロック回路105で生成されたクロックパルスに基づいて、各種制御プログラムを実行して、遊技動作全般に係る制御を行う。ここで、メインCPU101の制御動作の一例としてリール停止制御について説明する。
メインCPU101は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3L(メインリール)のステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU101は、各リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リールの所定の位置に設けられ、各メインリールの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片とを備えたリール位置検出部(不図示)により検出される。
ここで、各リール3L,3C,3L(メインリール)の回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM103に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM103に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リールに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理する。したがって、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。なお、メインROM102及びメインRAM103の内部構成(メモリーマップ)については、図13を参照して詳述する。
外部バスインターフェース104は、マイクロプロセッサ91の外部に設けられた各種構成部(例えば、各リール等)が接続された外部信号バス(不図示)と、マイクロプロセッサ91とを電気的に接続するためのインターフェース回路である。クロック回路105は、例えば分周器(不図示)等を含んで構成され、クロックパルス発生回路92から入力されたCPU作動用のクロックパルス信号を、その他の構成部(例えば、タイマー回路113)で使用される周波数のクロックパルス信号に変換する。なお、クロック回路105で生成されたクロックパルス信号は、リセットコントローラ106にも出力される。
リセットコントローラ106は、電源管理回路93から入力されたリセット信号に基づいて、IAT(Illegal Address Trap)やWDT(watchdog timer)のリセットを行う。演算回路107は、乗算回路及び除算回路を含んで構成される。例えば、ソースプログラム上において、後述する「MUL(乗算)」命令を実行するときには、演算回路107がこの「MUL」命令に基づく乗算処理を実行する。
乱数回路110は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535又は0〜255)を発生させる。また、図示しないが、乱数回路110は、2バイトのハードラッチ乱数を得るための乱数レジスタ0と、2バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ1〜3と、1バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ4〜7とで構成されている。なお、メインCPU101は、乱数回路110で発生させた所定範囲の乱数の中から1つの値を、例えば内部抽籤用の乱数値として抽出する。パラレルポート111は、マイクロプロセッサ91と、マイクロプロセッサ91の外部に設けられた各種回路(例えば、電源管理回路93等)との間で入出力される信号のポート(メモリーマップI/O)である。また、パラレルポート111は、乱数回路110及び割込みコントローラ112にも接続される。スタートスイッチ79はパラレルポート111のPI0〜PI4のいずれかの入力ポートに接続され、スタートスイッチ79がオン状態になったタイミング(オンエッジ)で、パラレルポート111から乱数回路110の乱数レジスタ0へラッチ信号が出力される。そして、乱数回路110では、ラッチ信号が入力されることにより乱数レジスタ0がラッチされ、2バイトのハードラッチ乱数が取得される。
割込みコントローラ112は、パラレルポート111を介して電源管理回路93から入力される電断検知信号、又は、タイマー回路113から1.1172ms周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、メインCPU101による割込処理の実行タイミングを制御する。電源管理回路93から電断検知信号が入力された場合、又は、タイマー回路113からタイムアウト信号が入力された場合には、割込みコントローラ112は、割込処理開始指令を示す割込要求信号をメインCPU101に出力する。メインCPU101は、タイマー回路113からのタイムアウト信号に応じて割込みコントローラ112から入力される割込要求信号に基づいて、入力ポートチェック処理、リール制御処理、通信データ送信処理、7セグLED駆動処理、タイマー更新処理等の各種割込処理(後述の図36参照)を行う。
タイマー回路113(PTC)は、クロック回路105で生成されたクロックパルス信号(メインCPU作動用のクロックパルス信号を分周器(不図示)で分周された周波数のクロックパルス信号)で動作する(経過時間をカウントする)。そして、タイマー回路113は、1.1172msecの周期で割込みコントローラ112にタイムアウト信号(トリガー信号)を出力する。
第1シリアル通信回路114は、主制御基板71から副制御基板72にデータ(各種制御指令(コマンド))を送信する際のシリアル送信動作を制御する回路である。
<副制御回路>
次に、図10を参照して、副制御基板72に実装される副制御回路200(副制御手段)の構成について説明する。図10は、パチスロ1の副制御回路200の構成例を示すブロック図である。
副制御回路200は、主制御回路90と電気的に接続されており、主制御回路90から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路200は、基本的に、サブCPU201、サブRAM202、レンダリングプロセッサ203、描画用RAM204、ドライバ205を含んで構成される。
なお、サブCPU201は、ロムカートリッジ基板86に接続される。ドライバ205は、液晶中継基板87に接続される。すなわち、ドライバ205は、液晶中継基板87を介してプロジェクタ機構211及びサブ表示装置18に接続される。
サブCPU201は、主制御回路90から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とによって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU201が実行する制御プログラムが記憶される。例えば、制御プログラムには、主制御回路90との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用の乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクを実行するための各種プログラムが含まれる。また、制御プログラムには、決定した演出内容に基づいて表示装置11による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ群84による音の出力を制御する音声制御タスク等を実行するための各種プログラムも含まれる。
データ記憶領域には、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれる。また、データ記憶領域には、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等も含まれる。
サブRAM202には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路90から送信されるサブフラグ(内部当籤役)等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
サブCPU201、レンダリングプロセッサ203、描画用RAM(フレームバッファを含む)204及びドライバ205は、演出内容により指定されたアニメーションデータにしたがって映像を作成し、作成した映像を表示装置11(プロジェクタ機構211)及び/又はサブ表示装置18に表示させる。なお、表示装置11(プロジェクタ機構211)及びサブ表示装置18は、副制御基板72により、それぞれ個別に制御される。
また、サブCPU201は、演出内容により指定されたサウンドデータにしたがってBGMなどの音をスピーカ群84により出力させる。また、サブCPU201は、演出内容により指定されたランプデータにしたがってLED群85の点灯及び消灯を制御する。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
次に、図11を参照しながら、本実施形態における、主制御回路90とBLEモジュール49との接続形態について説明する。図11は、主制御回路90とBLEモジュール49との接続形態を示す回路ブロック図である。なお、図6に示すように、主制御回路90を含む主制御基板71と、BLEモジュール49を含む外部集中端子板47との間には、キャビネット側中継基板44が介在するが、ここでは省略する。
図11では、主制御回路90にマイクロプロセッサ91(メインCPU101)と役比モニタ95が含まれており、ここで役比モニタ95は、例えば、4桁7セグLED回路である。マイクロプロセッサ91が、この役比モニタ95に対して役比情報(4桁7セグLED用の出力データ)を送信すると、これに応じて、役比モニタ95が、4桁の7セグLEDを点灯させ、役比情報を表示するようになっている。
外部集中端子板47の基板上には、リレー回路48とBLEモジュール49が実装されており、マイクロプロセッサ91が、外部集中端子板47にメダル投入信号とメダル払出信号(1枚のメダル投入、及び1枚のメダル払出のたびに1つ送出されるパルス信号)を送出すると、これらの信号が、リレー回路48を介して、外部集中端子板47に接続された外部のデータ表示装置300に提供される。
マイクロプロセッサ91はまた、BLEモジュール49に対して、遊技機IDと役比情報を送信する。BLEモジュール49は、CPU49a、ROM49b、RAM49c、及びBLEチップ49dを含む。CPU49aは、ROM49bに記憶されているプログラムに基づいて、マイクロプロセッサ91からのデータ(遊技機IDと役比情報)を受信した場合にBLEチップ49dを制御し、これらの受信データを、BLE規格のビーコン信号として、BLEチップ49dのアンテナから無線送信する。BLEチップ49dにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯機器により受信可能である。
なお、図11の例では、マイクロプロセッサ91が外部集中端子板47のBLEモジュール49にケーブルによって直接接続されるように構成されているが、他の様々な接続形態によって、マイクロプロセッサ91から提供される遊技機IDと役比情報が、BLEモジュール49のCPU49aに送信される。例えば、図11の点線矢印で示されているように、マイクロプロセッサ91と外部集中端子板47のリレー回路48とを接続する信号線の一部を利用したルートにより、遊技機IDと役比情報を、マイクロプロセッサ91からCPU49aに送信することができる。
ここで、遊技機IDは、パチスロ1といった遊技機を個別に識別可能(少なくとも、ホール店舗内において個別に識別可能)な識別子であり、例えば、後述するメインROM102のプログラムエリアやデータエリアに前もって記憶されているものである。遊技機IDは、遊技機に対応付けて設定されたIDであってもよいし、マイクロプロセッサ91やメインCPU101などを識別するために対応付けられたIDであってもよい。
遊技機IDとして、例えば、メインCPU101の「チップ個別ナンバー」を割り当てることが可能である。「チップ個別ナンバー」とは、チップ製造時に付けられる、チップ毎に異なる4バイト(0〜4,294,967,295)の番号である。この番号は、出荷した遊技機それぞれで異なるものであるため、遊技機IDとして利用可能と考えられる。
また、遊技機IDとして、例えば、BLEモジュール49のROM49b、BLEチップ49d、又は外部集中端子板47のなかの所定の記憶領域等に記憶されたID等を、遊技場又は工場にて遊技機に紐付けることにより用いるようにすることもできる。BLEモジュール49が実装される外部集中端子板47は、交換可能な態様でパチスロ1に取り付けられているが、BLEモジュール49において固定的に記憶されている所定の識別子を、外部集中端子板47を組み込む場合、又は交換する場合に、対応する遊技機に対応付けて記憶しておくよう管理することで、当該所定の識別子を遊技機IDとして利用することができる。
外部集中端子板47の電源は、例えば、主制御回路90から提供される。また、外部集中端子板47に予備電源を設置することもできる。また、BLEモジュール49のRAM49cには、例えば、DRAM(Dyanamic RAM)等の揮発性メモリや、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを採用することができる。
なお、本実施形態の外部集中端子板47では、上述するように、主制御回路90(マイクロプロセッサ91)から提供された遊技情報(メダル投入信号やメダル払出信号)が、リレー接点出力によってデータ表示装置300に送信されるように構成されるが、当該遊技情報や上記データ(遊技機IDと役比情報)の少なくとも一部を、外部集中端子板47から、後述のホールコンピュータ1200、サンド装置1370、データ表示装置1350、他の周辺装置に送信するよう構成することができる(後述の外部集中端子板447、547も同様)。
<データ表示装置の構成>
次に、図12を参照しながら、本実施形態に係るパチスロ1に接続されるデータ表示装置300の構成について説明する。図12は、データ表示装置300の構成を示す回路ブロック図である。
データ表示装置300は、図2に示すように、外装体2の上部に配置されている。データ表示装置300は、メインCPU101から受信するメダル投入信号とメダル払出信号に基づいて、各種の遊技情報を表示するほか、演出表示等を行うように構成される。
データ表示装置300は、図12に示すように、CPU301、ROM302、RAM303、タッチパネルドライバ304、及び表示装置(タッチパネル)305を含んで構成されている。
CPU301は、主制御回路90から送信されたコマンドに応じて、ROM302に記憶されている制御プログラムに従い、演出表示に関する画像表示や、遊技情報の表示についての制御を行う。ROM302は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、CPU301が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路90との通信を制御するための通信タスクや、演出表示及び遊技情報の表示を制御する表示制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種のデータテーブルを記憶する記憶領域、演出表示を構成する演出データを記憶する記憶領域、遊技情報に関する遊技データを記憶する記憶領域等が含まれている。
RAM303は、演出表示に係るデータや遊技情報に係るデータを登録する格納領域や、主制御回路90から送信されるコマンド等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
表示装置(タッチパネル)305は、タッチセンサを備えた液晶表示パネルであり、例えば、演出表示のための演出表示領域と、遊技情報を表示するための遊技情報表示領域とが設けられている。また、遊技者が表示装置305の表示装置を切り替える等の指示をタッチパネルを用いて行うことができる。
タッチパネルドライバ304は、演出表示に係るデータや遊技情報に係るデータに基づいて画像を生成し、生成した画像を表示装置305に表示するよう制御するとともに、表示装置305から、遊技者がタッチパネルにより行った指示内容をCPU301に送信する。
<メインROM及びメインRAMの内部構成(メモリマップ)>
次に、図13A〜図13Cを参照しながら、主制御回路90(マイクロプロセッサ91)に含まれるメインROM102及びメインRAM103の内部構成(以下「メモリマップ」という)について説明する。なお、図13Aは、メモリ全体のメモリマップを示す図であり、図13Bは、メインROM102のメモリマップを示す図であり、図13Cは、メインRAM103のメモリマップを示す図である。
主制御回路90(マイクロプロセッサ91)が備えるメモリ全体のメモリマップでは、図13Aに示すように、アドレスの先頭(0000H)側から、メインROM102のメモリ領域、メインRAM103のメモリ領域、内蔵レジスタエリア及びXCSデコードエリアが、不使用領域を間に挟んでこの順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
メインROM102のメモリマップでは、図13Bに示すように、メインROM102のアドレスの先頭(0000H)側から、プログラムエリア、データエリア、規定外エリア、商標記録エリア、プログラム管理エリア及びセキュリティ設定エリアが、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
なお、プログラムエリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU101により実行される各種処理の制御プログラムが記憶される。データエリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU101により使用される各種データ(例えば、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等)が記憶される。すなわち、プログラムエリアとデータエリアとからなる遊技用ROM領域(遊技用記憶領域)には、遊技店で遊技者が実際に行う遊技の遊技性に関連する制御処理(遊技性に関する処理)に必要な各種プログラム及び各種データが格納される。
また、規定外エリアには、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理(遊技性に影響を与えない処理)の制御プログラム及びデータが記憶される。例えば、パチスロ1の検定試験(試射試験)で使用されるプログラム及びデータ、電断時のチェックサム生成処理や電源復帰時のサムチェック処理などで使用される制御プログラム及びデータ、役比モニタ表示切替処理や役比モニタ集計処理などで使用される制御プログラム及びデータ、並びに、不正対策プログラム及びそれに必要なデータ等が、規定外エリアに格納される。
メインRAM103のメモリマップでは、図13Cに示すように、メインRAM103のアドレスの先頭(F000H)側から、遊技用RAM領域(所定格納領域、遊技用一時記憶領域)及び規定外RAM領域(規定外一時記憶領域)が、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
遊技用RAM領域には、遊技者により実施される遊技の遊技性に関連する制御プログラムの実行により決定された例えば内部当籤役等の各種データを一時的に格納する作業領域及びスタックエリアが設けられる。そして、各種データのそれぞれは、遊技用RAM領域内の所定アドレスの作業領域に格納される。
また、規定外RAM領域には、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理の作業領域となる規定外作業領域と、規定外スタックとが設けられる。本実施形態では、この規定外RAM領域を使用して、例えばサムチェック処理等の遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理が実行される。
上述のように、本実施形態のパチスロ1では、メインROM102内において、遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理に使用される各種プログラム及び各種データ(テーブル)を、遊技用ROM領域とは異なるアドレスに配置された規定外ROM領域(規定外記憶領域)に格納する。また、そのような遊技者により実施される遊技の遊技性に直接関与しない各種処理は、メインRAM103内において、遊技用RAM領域とは異なるアドレスに配置された規定外RAM領域を使用して行われる。
このようなメインROM102の構成では、従来の規則上においてプログラム等の配置不可とされていたROM領域(規定外ROM領域)に、遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なプログラム及びデータを配置することができる。それゆえ、本実施形態では、遊技用ROM領域の容量の圧迫を回避することができる。
<遊技状態の遷移フロー>
次に、図14及び図15を参照しながら、本実施形態のパチスロ1の主制御回路90(メインCPU101)により管理される各種遊技状態及びその遷移フローについて説明する。なお、図14Aは、パチスロ1の基本的な遊技状態の遷移フロー図であり、図14Bは、その遊技状態の移行条件をまとめた表である。また、図15Aは、報知(ART)機能の作動の有無を考慮した遊技状態の遷移フロー図であり、図15Bは、その遊技状態の移行条件をまとめた表である。
[基本的な遊技状態の遷移フロー]
本実施形態のパチスロ1では、ボーナスゲームの種類として、ビッグボーナス(以下、「BB」と記す)が設けられる。BBは、第1種特別役物と呼ばれるレギュラーボーナス(以下、「RB」と記す)に係る役物連続作動装置であり、RBを連続して作動させる。
それゆえ、本実施形態では、主制御回路90は、ボーナス役の当籤/作動(入賞)の有無に基づいて遊技状態を管理する。具体的には、図14Aに示すように、主制御回路90は、ボーナス役(後述の名称「F_BB1」,「F_BB2」の内部当籤役)の当籤/作動(入賞)の有無に基づいて、「ボーナス非当籤状態」、「フラグ間状態」及び「ボーナス状態」と称する3種類の遊技状態を管理する。
なお、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤であり、かつ、ボーナスが作動(入賞)していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。また、本実施形態では、ボーナス役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが入賞するまで複数回の遊技に渡りボーナス役が内部当籤役として持ち越された状態が発生する。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態、すなわち、ボーナス役が当籤し、かつ、ボーナスが作動していない状態である。
なお、ボーナス役の当籤の有無は、メインRAM103に設けられる後述の当り要求フラグ格納領域及び持越役格納領域に格納されるデータに基づいて管理される。また、ボーナスの作動(入賞)の有無は、メインRAM103に設けられる遊技状態フラグ格納領域に格納されるデータに基づいて管理される。
また、本実施形態では、図14Aに示すように、ボーナスが作動していない遊技状態(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態(以下、それぞれ「RT0状態」〜「RT5状態」という)が設けられる。なお、RT0状態、RT2状態及びRT5状態は、リプレイ役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT1状態はリプレイ役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT3状態及びRT4状態は、リプレイ役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。なお、本実施形態では、ボーナス非当籤状態のRT状態は、RT0状態〜RT4状態のいずれかとなり、フラグ間状態のRT状態はRT5状態となる。
それゆえ、本実施形態では、主制御回路90は、ボーナスが作動していない遊技状態(ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態)において、さらに、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率に基づいて、RT1状態〜RT5状態の6種類の状態も管理する。
なお、RT0状態〜RT5状態は、メインRAM103に設けられる後述の遊技状態フラグ格納領域に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、本実施形態のパチスロ1では、RT1状態フラグ〜RT5状態フラグの5つのRT状態を示すフラグが設けられ、これらのフラグのオン/オフ状態をメインRAM103により管理することによりRT状態が管理される。そして、主制御回路90は、オン状態であるRT状態フラグに対応するRT状態を現在のRT状態として特定する。なお、全てのRT状態フラグがオフ状態である場合には、主制御回路90は、現在のRT状態がRT0状態であると特定する。
図14A及び14Bに示すように、ボーナス非当籤状態においてボーナス役(後述の名称「F_BB1」,「F_BB2」の内部当籤役)が内部当籤役として決定されると(移行条件(1)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をボーナス非当籤状態からフラグ間状態に移行させる。また、フラグ間状態においてボーナス役が入賞すると(移行条件(2)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をフラグ間状態からボーナス状態に移行させる。
また、ボーナス状態において規定枚数(216枚)を超えるメダルが払い出され、ボーナス状態が終了すると(移行条件(3)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をボーナス状態からRT1状態(ボーナス非当籤状態)に移行させる。
RT1状態において、20ゲームが経過すると(移行条件(4)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をRT1状態からRT0状態に移行させる。また、RT1状態において、20ゲームが経過する前に、略称「ベルこぼし目」に係る図柄組合せが有効ライン上に表示されると(移行条件(5)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をRT1状態からRT2状態に移行させる。
RT0状態において、略称「ベルこぼし目」に係る図柄組合せが有効ライン上に表示されると(移行条件(5)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をRT0状態からRT2状態に移行させる。RT2状態において、略称「RT3移行リプ」に係る図柄組合せが有効ライン上に表示されると(移行条件(6)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をRT2状態からRT3状態に移行させる。
RT3状態において、略称「RT4移行リプ」に係る図柄組合せが有効ライン上に表示されると(移行条件(7)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をRT3状態からRT4状態に移行させる。また、RT3状態において、略称「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」に係る図柄組合せが有効ライン上に表示されると(移行条件(8)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をRT3状態からRT2状態に遊技状態を移行させる。さらに、RT4状態において、略称「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」に係る図柄組合せが有効ライン上に表示されると(移行条件(8)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態をRT4状態からRT2状態に遊技状態を移行させる。
なお、略称「ベルこぼし目」に係る図柄組合せは、後述の名称「F_3択ベル_1st」、「F_3択ベル_2nd」又は「F_3択ベル_3rd」に係る内部当籤役(小役)が決定され、かつ、停止操作の順序が該小役の種別ごとに定められた押し順に対して不正解であるときに表示される図柄の組合せである。略称「RT2移行リプ」に係る図柄組合せは、後述の名称「F_維持リプ_1st」、「F_維持リプ_2nd」又は「F_維持リプ_3rd」に係る内部当籤役(リプレイ役)が決定され、かつ、停止操作の順序が該リプレイ役の種別ごとに定められた押し順に対して不正解であるときに表示される図柄の組合せである。
略称「RT3移行リプ」に係る図柄組合せは、後述の名称「F_RT3リプ_1st」、「F_RT3リプ_213」、「F_RT3リプ_231」又は「F_RT3リプ_3rd」に係る内部当籤役(リプレイ役)が決定され、かつ、停止操作の順序が該リプレイ役の種別ごとに定められた押し順に対して正解であるときに表示される図柄の組合せである。また、略称「RT4移行リプ」に係る図柄組合せは、後述の名称「F_RT4リプ_123」、「F_RT4リプ_132」、「F_RT4リプ_2nd」又は「F_RT4リプ_3rd」に係る内部当籤役(リプレイ役)が決定され、かつ、停止操作の順序が該リプレイ役の種別ごとに定められた押し順に対して正解であるときに表示される図柄の組合せである。
[報知(ART)機能の作動の有無を考慮した遊技状態の遷移フロー]
本実施形態では、主制御回路90(メインCPU101)により、遊技者にとって有利な停止操作を報知する機能(ART機能)の作動の有無が決定される。それゆえ、本実施形態では、ボーナス非作動状態においてART機能の作動/非作動状態も遊技状態として管理する。
本実施形態のパチスロ1では、図15Aに示すように、主制御回路90は、非ボーナス作動状態において、報知(ART)の有無に基づいて「一般遊技状態」と「ART遊技状態」とを別個の遊技状態として管理する。すなわち、報知(ART)の有無を考慮した遊技状態の管理では、図15Aに示すように、主制御回路90は、大きな分類として、「ボーナス状態」、「一般遊技状態」及び「ART遊技状態」の3種類の遊技状態を管理する。
なお、一般遊技状態は、基本的には、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知しない遊技状態(非ART)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。また、一般遊技状態は、RT0〜RT4状態のいずれかの状態であり、かつ、ART非当籤の遊技状態である。
一方、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。また、ART遊技状態は、基本的には、RT4状態であり、かつ、ART当籤中の遊技状態である。なお、本実施形態では、ART当籤後、RT状態がRT4状態まで移行すると、ART遊技が開始される。
また、本実施形態では、図15Aに示すように、一般遊技状態として、「通常遊技状態」及び「CZ(チャンスゾーン)」と称する2種類の状態が設けられる。
通常遊技状態は、遊技者にとって最も不利な遊技状態であるが、通常遊技状態の遊技ではCZへの移行抽籤を行っている。そして、図15A及び15Bに示すように、通常遊技状態の遊技において、CZへの移行抽籤に当籤すると(移行条件(A)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、通常遊技状態からCZに移行させる。
CZは、ART遊技状態への移行に対する期待度が高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、CZ中の遊技ではARTへの移行抽籤が行われている。そして、図15A及び15Bに示すように、CZ中の遊技において、ARTへの移行抽籤に非当籤である場合には(移行条件(B)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、CZから通常遊技状態に移行させる。一方、CZ中の遊技において、ARTへの移行抽籤に当籤すると(移行条件(C)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、CZからART遊技状態に移行させる。この際、図15Aには示さないが、主制御回路90は、遊技状態を、CZから後述のART準備状態を経由してART遊技状態(後述の通常ART又はCT)に移行させる。
ART遊技状態は、上述のように、ART当籤後にRT状態がRT4状態まで移行すると開始される。なお、図14Aで示したように、RT4状態は、RT0〜RT2状態からRT3状態を経由して移行するので、ART当籤後であってもすぐにART遊技状態が開始されない。そこで、本実施形態のパチスロ1では、ART当籤後からRT状態がRT4状態に移行するまでの期間の遊技状態をART準備状態とする。そして、このART準備状態の遊技では、RT状態をRT4状態に移行させるために必要な停止操作の情報が報知される。
また、本実施形態では、図15Aに示すように、ART遊技状態として、遊技性が互いに異なる、「通常ART」及び「CT(上乗せチャンス)」と称する2種類の状態が設けられる。
通常ARTは、所定ゲーム数の期間、遊技者にとって有利な停止操作(例えば、払い出されるメダルの枚数が多い図柄組合せを表示させるための停止操作や、RT4状態を維持するために必要な停止操作)が報知される遊技状態である。また、通常ART中の遊技では、CTへの移行抽籤が行われる。
CTは、遊技者にとって有利な停止操作が報知されるとともに、特定期間(1セット8ゲームの期間)、通常ARTの継続期間を上乗せすることが可能となる遊技状態であり、上乗せチャンスゾーンとして機能する遊技状態である。また、CT中では、通常ARTの継続期間を消化せずに遊技が行われる。
図15A及び15Bに示すように、通常ART中の遊技において、CTへの移行抽籤に当籤すると(移行条件(D)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、通常ARTからCTに遊技状態を移行させる。また、通常ARTにおいて、当該通常ARTの継続期間が終了すると(移行条件(E)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、通常ARTから一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に移行させる。なお、本実施形態では、ゲーム数により通常ARTの継続期間を管理するが、本発明はこれに限定されず、通常ARTの継続期間の管理方法は任意である。例えば、通常ARTの継続期間を、通常ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により管理してもよいし、通常ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により管理してもよい。
図15A及び15Bに示すように、CT中の遊技において、CTの継続期間(1セット8ゲーム)が終了すると(移行条件(F)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、CTから通常ARTに移行させる。
また、図15Aに示すように、一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)又はART遊技状態(通常ART又はCT)において、ボーナス役が入賞すると(図14A及び14B中で説明した移行条件(2)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、一般遊技状態又はART遊技状態からボーナス状態に移行させる。
ボーナス状態の遊技では、上述のように、ARTへの移行抽籤を行っており、ボーナス状態の遊技において、ARTへの移行抽籤が非当籤である場合には(移行条件(G)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、ボーナス状態から一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に移行させる。ただし、ART遊技状態(通常ART又はCT)からボーナス状態に移行していた場合には、ボーナス状態の遊技においてARTの移行抽籤に非当籤であっても、主制御回路90は、遊技状態を、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に移行させる。一方、ボーナス状態の遊技において、ARTへの移行抽籤に当籤すると(移行条件(H)が成立すると)、主制御回路90は、遊技状態を、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に移行させる。なお、上述のように、ボーナス状態の終了時には、RT状態がRT1状態に移行するので、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行する場合には、主制御回路90は、遊技状態を、ART準備状態を経由してART遊技状態に移行させる。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、図16を参照して、メインROM102に記憶されている、主たるデータテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
まず、図16を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rのそれぞれの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配置された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード(図16中の図柄コード表を参照)という)との対応関係を規定する。
図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときに、リール表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定する。そして、各リールにおいて、図柄位置「0」を基準としてリールの回転方向(図16中の図柄位置「19」から図柄位置「0」に向かう方向)に進む順に、図柄カウンタの値に対応する「0」〜「19」が、図柄位置として、各図柄に割り当てられる。
すなわち、図柄カウンタの値(「0」〜「19」)と、図柄配置テーブルとを参照することにより、リール表示窓4の枠内における各リールの上段領域、中段領域及び下段領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。なお、本実施形態では、図柄として、「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の10種類の図柄を用いる。
また、本実施形態では、図柄コード表に示すように、例えば、図柄「白7」(図柄コード1)には、データとして「00000001」が割り当てられ、図柄「青7」(図柄コード2)には、データとして「00000010」が割り当てられている。図柄「チリ上1」(図柄コード3)には、データとして「00000011」が割り当てられ、図柄「チリ上2」(図柄コード4)には、データとして「00000100」が割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
次に、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブル(不図示)について説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。なお、抽籤値は、予め設定されたボーナス役や小役等の内部当籤の期待値を調整するための設定(設定1〜6)毎に規定される。この設定は、例えば、リセットスイッチ76及び設定用鍵型スイッチ54(図6参照)を用いて変更される。
本実施形態の内部抽籤処理では、まず、乱数回路110の乱数レジスタ0により、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)から抽出される乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、抽籤結果が65535を超えた場合、該内部当籤役が当籤したと判定される。なお、本実施形態の内部抽籤処理では、抽出した乱数値に抽籤値を加算して抽籤を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されず、乱数値から抽籤値を減算して、減算結果(抽籤結果)が「0」を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部抽籤の当籤/非当籤を決定してもよい。
それゆえ、本実施形態の内部抽籤処理では、抽籤値として規定されている数値が大きい内部当籤役ほど、決定される確率が高い。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルでは、基本的には、RT状態の種別に応じて、内部当籤役として決定されるリプレイ役の種別及び当籤確率が変化する。例えば、名称「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」に係るリプレイ役は、RT0状態〜RT3状態では内部当籤役として決定されることなく、RT4状態でのみ内部当籤役として決定される。
[図柄組合せ決定テーブル]
次に、内部当籤役と図柄組合せとの対応表(図柄組合せ決定テーブル(不図示))について説明する。図柄組合せ決定テーブルは、各種内部当籤役と、各内部当籤役に対応付けられた、有効ライン(センターライン)上に表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定する。すなわち、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定される。
各図柄組合せ決定テーブル中の図柄組合せ欄に記載の各種データは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rに渡って設定された有効ラインに沿って表示を許可する図柄組合せを識別するためのデータである。
<主制御回路の動作説明>
次に、主制御回路90のメインCPU101が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[電源投入(リセット割込)時処理]
まず、メインCPU101の制御により行われるパチスロ1の電源投入(リセット割込)時処理を、図17を参照して説明する。図17は、電源投入(リセット割込)時処理の手順を示すフローチャートである。なお、図17に示す電源投入(リセット割込)時処理は、電源管理回路93が、マイクロプロセッサ91に電源電圧の供給が開始されたことを検知した際に、リセット信号をマイクロプロセッサ91の「XSRST」端子に出力し、それにより、マイクロプロセッサ91の割込みコントローラ112からメインCPU101に出力される割込要求信号に基づいて、実行される。
まず、メインCPU101は、電源監視ポート(電源監視手段)がオン状態であるか否かを判別する(S1)。
S1において、メインCPU101が、電源監視ポートがオン状態であると判別したとき(S1がYES判定の場合)、メインCPU101は、S1の処理を繰り返す。なお、ここでいう、電源監視ポートがオン状態とは、メインCPU101に供給されている電源電圧(DC+5V)が安定していない状態のことである。
一方、S1において、メインCPU101が、電源監視ポートがオン状態でないと判別したとき(S1がNO判定の場合)、メインCPU101は、タイマー回路113(PTC)の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインCPU101は、タイマー回路113の初期設定を行う。具体的には、メインCPU101は、タイマー用プリスケーラレジスタ(不図示)に分周比をセットし、タイマー用制御レジスタ(不図示)に割り込み可等の設定を行い、タイマー用カウンタ(不図示)の初期カウント値を設定する。
次いで、メインCPU101は、主制御回路90及び副制御回路200間用の第1シリアル通信回路114(SCU1)の初期化処理を行う(S3)。次いで、メインCPU101は、乱数回路110(RDG)の初期化処理を行う(S4)。次いで、メインCPU101は、メインRAM103の書き込みテストを行う(S5)。
次いで、メインCPU101は、書き込みテストの結果、メインRAM103への書き込みが正常に行われたか否かを判別する(S6)。
S6において、メインCPU101が、メインRAM103への書き込みが正常に行われなかったと判別したとき(S6がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS13の処理を行う。一方、S6において、メインCPU101が、メインRAM103への書き込みが正常に行われたと判別したとき(S6がYES判定の場合)、メインCPU101は、タイマー回路113のタイマー用制御レジスタ(不図示)の状態を取得する(S7)。
次いで、メインCPU101は、取得したタイマー用制御レジスタの状態に基づいて、現在の状態が割込処理の発生タイミングであるか否かを判別する(S8)。具体的には、メインCPU101は、取得したタイマー用制御レジスタの状態に基づいて、タイマーカウント開始後から1.1172ms経過したか否かを判別する。
なお、本実施形態では、S2のタイマー回路113の初期化処理によりタイマー時間1.1172msがセットされると、CPU内蔵タイマーのカウント処理が開始される。その後、タイマー用制御レジスタ(不図示)の情報を読み込むことによりタイマー回路113のステータスを取得することができる。そして、本実施形態では、タイマー用制御レジスタに、現在の状態が割込処理の発生タイミングであるか否か(タイマー割込状態であるか否か)を判別(参照)可能なビット(判別ビット)が設けられる。
それゆえ、上記S7の処理では、メインCPU101は、タイマー用制御レジスタ(不図示)の情報を読み込み、上記S8の処理では、メインCPU101は、タイマー用制御レジスタ内の判別ビットのオン/オフ状態(「1」/「0」)を参照することにより、現在の状態が割込処理の発生タイミングであるか否かを判別する。なお、タイマー回路113によるカウント開始から1.1172ms経過したとき(タイマー回路113のカウント値が0であれば)、該判別ビットはオン状態となる。
S8において、メインCPU101が、現在の状態が割込処理の発生タイミングでないと判別したとき(S8がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS7の処理に戻し、S7以降の処理を繰り返す。
一方、S8において、メインCPU101が、現在の状態が割込処理の発生タイミングであると判別したとき(S8がYES判定の場合)、メインCPU101は、サムチェック処理(規定外)を行う(S9)。この処理では、メインCPU101は、メインRAM103のサムチェック処理を行うが、この処理の作業は、メインRAM103内の規定外作業領域(図13C参照)で行われる。また、このサムチェック処理で用いられるプログラムはメインROM102内の規定外エリアに格納されている(図13B参照)。
また、S8において、メインCPU101が、現在の状態が割込処理の発生タイミングであると判別したとき(S8がYES判定の場合)には、メインCPU101は、S9の処理の前に、後述の割込処理(後述の図36参照)を実行する。そして、この割込処理により、主制御回路90(主制御基板71)から副制御回路200(副制御基板72)には、無操作コマンドが送信される。
S9の処理後、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ54がオン状態であるか否かを判別する(S10)。
S10において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオン状態であると判別したとき(S10がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS15の処理を行う。一方、S10において、メインCPU101が、設定用鍵型スイッチ54がオン状態でないと判別したとき(S10がNO判定の場合)、メインCPU101は、S9のサムチェック処理の結果に基づいて、サムチェック判定結果が正常であったか否かを判別する(S11)。
S11において、メインCPU101が、サムチェック判定結果が正常でないと判別したとき(S11がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS13の処理を行う。一方、S11において、メインCPU101が、サムチェック判定結果が正常であると判別したとき(S11がYES判定の場合)、メインCPU101は、遊技復帰処理を行う(S12)。この処理では、メインCPU101は、遊技の状態を電断検知前の状態に戻す処理を行う。
S6又はS11がNO判定の場合、メインCPU101は、情報表示器6(7セグLED表示器)に、エラー発生を意味する文字列「rr」を表示する(S13)。その後、メインCPU101は、WDTのクリア処理を繰り返す(S14)。
ここで再度、S10の処理に戻って、S10がYES判定の場合、メインCPU101は、設定変更確認処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU101は、主に、設定変更開始時における設定変更コマンドの生成格納処理を行う。
次いで、メインCPU101は、RAM初期化処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU101は、図13Cに示すメインRAM103の遊技用RAM領域内の「RAM異常時又は設定変更開始時」のアドレスを、初期化開始の先頭アドレスとして設定し、該先頭アドレスから遊技用RAM領域の最終アドレスまでの情報を消去(クリア)する。そして、S16の処理後、メインCPU101は、後述のメイン処理(後述の図18参照)を開始する。
[メインCPUの制御によるパチスロのメイン処理]
次に、図18を参照して、メインCPU101の制御により実行されるパチスロ1のメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図18は、メイン処理の手順を示すフローチャート(以下、メインフローという)である。
まず、メインCPU101は、RAM初期化処理を行う(S201)。この処理では、メインCPU101は、図13Cに示すメインRAM103の遊技用RAM領域内の「一遊技終了時」のアドレスを、初期化開始の先頭アドレスとして設定し、該先頭アドレスから遊技用RAM領域の最終アドレスまでの情報を消去(クリア)する。なお、この範囲の格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S202)。この処理では、メインCPU101は、メダルセンサ(不図示)やスタートスイッチ79などの入力チェック処理等を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については、図19を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、乱数取得処理を行う(S203)。この処理では、メインCPU101は、内部当籤役抽籤用の乱数値(0〜65535:ハードラッチ乱数となる乱数回路110の乱数レジスタ0の値)やART関連の各種抽籤で用いられる演出用乱数値(0〜65535:ソフトラッチ乱数となる乱数回路110の乱数レジスタ1〜3の各値、0〜255:ソフトラッチ乱数となる乱数回路110の乱数レジスタ4〜7の各値)などを抽出し、該抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、乱数取得処理の詳細については、図21を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S204)。この処理では、メインCPU101は、S203で抽出した乱数値(ハードラッチ乱数)に基づいた抽籤により内部当籤役の決定処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については、図22を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、図柄設定処理を行う(S205)。この処理では、メインCPU101は、例えば、当り要求フラグステータス(フラグステータス情報)から内部当籤役を生成する処理、当り要求フラグデータの展開処理、当り要求フラグデータを当り要求フラグ格納領域を格納する処理等を行う。なお、図柄設定処理の詳細については、図23を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S206)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたスタートコマンドは、後述の図36で説明する割込処理内の通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。なお、スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータ(サブフラグ等)を含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、状態別制御処理を行う(S208)。この処理では、メインCPU101は、主に、遊技状態に応じた遊技開始時処理(スタート処理)を行う。
次いで、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S209)。この処理では、メインCPU101は、リール停止初期設定テーブル(不図示)を参照し、内部当籤役及び遊技状態に基づいて、引込優先順位テーブル選択テーブル番号、引込優先順位テーブル番号、停止テーブル番号を取得する処理や、ストップボタン未作動カウンタに「3」を格納する処理などを行う。
次いで、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S210)。この処理では、メインCPU101は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される後述の割込処理(後述の図36参照)により、3つのステッピングモータ(不図示)の駆動が制御され、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転が開始される。次いで、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
次いで、メインCPU101は、リール回転開始コマンド生成格納処理を行う(S211)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信するリール回転開始コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に保存する。通信データ格納領域に保存されたリール回転開始コマンドは、後述の図36で説明する割込処理内の通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。なお、リール回転開始コマンドは、リールの回転開始動作開始されたことを示すパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S212)。この処理では、メインCPU101は、引込優先順位データを取得して、引込優先順位データ格納領域に格納する。
次いで、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S213)。この処理では、メインCPU101は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rがそれぞれ押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転の停止制御を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については、図24を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、入賞検索処理を行う(S214)。この処理では、メインCPU101は、図柄コード格納領域(不図示)のデータを入賞作動フラグ格納領域(不図示)に格納する。また、この処理では、メインCPU101は、有効ラインに表示役が表示されたか否かを判定し、その判定結果に基づいて、メダルの払出枚数をセットする。なお、入賞検索処理の詳細については、図25を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を行う(S216)。この処理では、メインCPU101は、入賞作動コマンドの生成処理を行う。また、この処理では、メインCPU101は、S214において決定された表示役の払出枚数に基づいて、ホッパー装置51の駆動やクレジット枚数の更新を行い、メダルの払い出し処理を行う。なお、入賞チェック・メダル払出処理の詳細については、図26を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ集計処理を行う(S217)。なお、役比モニタ集計処理は、メインROM102内の規定外エリアに格納され、メインRAM103内の規定外用作業領域を作業領域として使用する。この処理では、メインCPU101は、各種の遊技情報を集計するとともに、特定の比率計算条件が満たされると、所定の比率計算を行い、比率情報を格納する処理を行う。役比モニタ集計処理の詳細については、図27を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、BBチェック処理を行う(S218)。この処理では、メインCPU101は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。
次いで、メインCPU101は、RTチェック処理を行う(S219)。この処理では、メインCPU101は、有効ライン上に停止表示された図柄組合せに基づいてRT状態の移行制御を行う。
次いで、メインCPU101は、CZ・ART終了時処理を行う(S220)。この処理では、メインCPU101は、主に、CZの引き戻し抽籤処理を行う。そして、S220の処理後(一遊技終了後)、メインCPU101は、処理をS201の処理に戻す。
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図19を参照して、メインフロー(図18参照)中のS202で行うメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図19は、メダル受付・スタートチェック処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否か(自動投入要求はあるか否か)を判別する(S221)。なお、この処理において、自動投入メダルカウンタが「1」以上であるときは、メインCPU101は、自動投入要求があると判別する。また、自動投入メダルカウンタは、前回の単位遊技において再遊技(リプレイ)に係る表示役が成立したか否かを識別するためのデータである。再遊技に係る表示役が成立したときには、前回の単位遊技において投入された枚数分のメダルが自動投入メダルカウンタに自動的に投入される。
S221において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判別したとき(S221がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS225の処理を行う。
一方、S221において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判別したとき(S221がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入処理を行う(S222)。この処理では、メインCPU101は、メダル投入コマンドの生成格納処理やメダル投入枚数のLED点灯制御処理などを行う。
次いで、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値を1減算する(S223)。次いで、減算後の自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S224)。
S224において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判別したとき(S224がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS222の処理に戻し、S222以降の処理を繰り返す。
一方、S224において、メインCPU101が、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判別したとき(S224がYES判定の場合)、又は、S221がYES判定の場合、メインCPU101は、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S225)。この処理では、メインCPU101は、遊技メダル補助収納庫スイッチ75のオン/オフ状態に基づいて、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ表示切替処理を行う(S226)。役比モニタ表示切替処理は、メインROM102内の規定外エリアに格納され、メインRAM103の規定外用作業領域を作業領域として使用する。この処理では、メインCPU101は、後述の役比非表示条件が成立しているか等に基づいて、役比モニタ95における比率情報の表示・非表示を切り替える処理を行う。なお、役比モニタ表示切替処理の詳細については、図20を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S227)。次いで、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理の結果に基づいて、メダル投入可能な状態であるか否かを判別する(S228)。
S228において、メインCPU101が、メダル投入可能な状態でないと判別したとき(S228がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS232の処理を行う。
一方、S228において、メインCPU101が、メダル投入可能な状態であると判別したとき(S228がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入チェック処理を行う(S229)。この処理では、メインCPU101は、例えば、メダルセンサ入力状態に基づいて、メダルが正常に通過したか否かの判定処理や、規定数を超えてメダル投入が行われた場合に該メダルをクレジットする処理などを行う。
次いで、メインCPU101は、メダル投入チェック処理の結果に基づいて、メダル投入又はクレジット可能な状態であるか否かを判別する(S230)。
S230において、メインCPU101が、メダル投入又はクレジット可能な状態であると判別したとき(S230がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS232の処理を行う。一方、S230において、メインCPU101が、メダル投入又はクレジット可能な状態でないと判別したとき(S230がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル受付禁止の処理を行う(S231)。この処理により、セレクタ66(図4参照)のソレノイドの駆動が行われず、投入されたメダルがメダル払出口24から排出される。
S231の処理後、S228がNO判定の場合、又は、S230がYES判定の場合、メインCPU101は、現在のメダルの投入枚数が遊技可能開始枚数であるか否かを判別する(S232)。なお、本実施形態では、遊技開始可能枚数は3枚である。
S232において、メインCPU101が、現在のメダルの投入枚数が遊技可能開始枚数であると判別したとき(S232がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS235の処理を行う。一方、S232において、メインCPU101が、現在のメダルの投入枚数が遊技可能開始枚数でないと判別したとき(S232がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダル投入があるか否かを判別する(S233)。
S233において、メインCPU101が、メダル投入があると判別したとき(S233がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理をS226に戻し、S226以降の処理を繰り返す。一方、S233において、メインCPU101が、メダル投入がないと判別したとき(S233がNO判定の場合)、メインCPU101は、図17で説明した設定変更確認処理を行う(S234)。この処理では、メインCPU101は、設定確認開始時の設定変更コマンドの生成格納処理などを行う。
S234の処理後又はS232がYES判定の場合、メインCPU101は、スタートスイッチ79がオン状態であるか否かを判別する(S235)。
S235において、メインCPU101が、スタートスイッチ79がオン状態でないと判別したとき(S235がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS226に戻し、S226以降の処理を繰り返す。
一方、S235において、メインCPU101が、スタートスイッチ79がオン状態であると判別したとき(S235がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダル受付禁止の処理を行う(S236)。この処理により、セレクタ66(図4参照)のソレノイドの駆動が行われず、投入されたメダルがメダル払出口24から排出される。そして、S236の処理後、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)のS203に移す。
[役比モニタ表示切替処理]
次に、図20を参照して、メダル受付・スタートチェック処理(図19参照)中のS226で行う役比モニタ表示切替処理について説明する。図20は、役比モニタ表示切替処理の手順を示すフローチャートである。なお、この処理は、メインROM102内の規定外エリアに格納されたプログラムにより、メインRAM103内の規定外用作業領域を作業領域として使用する処理として構成される。
まず、メインCPU101は、役比表示モードは終了待ち(表示終了待ち)であるか否かを判別する(S2001)。なお、役比表示モードは、役比モニタ95の表示状態を制御するための識別情報であり、表示(表示オン)、非表示(表示オフ)、終了待ち(表示終了待ち)のいずれかの識別情報がメインRAM103に格納される。これにより、役比モニタ95の表示状態の切替制御が行われる。
S2001において、メインCPU101が、役比表示モードは終了待ち(表示終了待ち)であると判別したとき(S2001がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS2004の処理を行う。一方、S2001において、メインCPU101が、役比表示モードは終了待ち(表示終了待ち)でないと判別したとき(S2001がNO判定の場合)、メインCPU101は、役比非表示条件が成立しているか否かを判別する(S2002)。役比非表示条件は、役比モニタ95の表示状態を非表示(表示オフ)とするために設定された条件であり、本実施形態では、精算スイッチ78がオン状態となっているとき、設定用鍵型スイッチ54(設定スイッチ)がオン状態となっているとき、メダルが投入されているとき、及びエラーが発生しているときに成立する。もっとも、役比非表示条件を設定しないようにすることもできるし、これらの条件のうち、一又は複数の条件のみを採用することもできる。
S2002において、メインCPU101が、役比非表示条件が成立していると判別したとき(S2002がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS2004の処理を行う。一方、S2002において、メインCPU101が、役比非表示条件が成立していないと判別したとき(S2002がNO判定の場合)、メインCPU101は、ドア開閉監視スイッチ67はオンであるか否かを判別する(S2003)。ここで、ドア開閉監視スイッチ67がオンとは、フロントドア2bが開状態であることを意味し、ドア開閉監視スイッチ67がオフとは、フロントドア2bが閉状態であることを意味する。
S2003において、メインCPU101が、ドア開閉監視スイッチ67はオンでない(オフである)と判別したとき(S2003がNO判定の場合)、メインCPU101は、役比表示モードに表示オフをセットする(S2004)。そして、S2004の処理後、メインCPU101は、役比モニタ表示切替処理を終了し、処理をメダル受付・スタートチェック処理(図19参照)のS227に移す。
一方、S2003において、メインCPU101が、ドア開閉監視スイッチ67はオンであると判別したとき(S2003がYES判定の場合)、メインCPU101は、役比表示モードに表示オンをセットする(S2005)。そして、S2005の処理後、メインCPU101は、役比モニタ表示切替処理を終了し、処理をメダル受付・スタートチェック処理(図19参照)のS227に移す。
本実施形態では、上述のようにして役比モニタ表示切替処理が行われる。すなわち、上述した役比非表示条件が成立している場合、あるいは、フロントドア2bが閉状態にある場合には、役比モニタ95の表示状態を非表示(表示オフ)に切り替え、上述した役比非表示条件が成立しておらず、フロントドア2bが開状態にある場合に、役比モニタ95の表示状態を表示(表示オン)に切り替えるようになっている。それゆえ、比率の表示に関する制御負担を低減することができるとともに、比率を表示する機器(役比モニタ95)の寿命を延長させることができる。また、フロントドア2bの錠前5に対して開錠操作を行えるのは、原則として、ドアキー(不図示)の保有者(例えば、遊技店の店員、遊技機の検査員等)であることから、ドアキー(不図示)の保有者以外は役比モニタ95の表示を視認することができないため、比率の表示に関する安全性を向上させることができる。
[乱数取得処理]
次に、図21を参照して、メインフロー(図18参照)中のS203で行う乱数取得処理について説明する。なお、図21は、乱数取得処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、乱数回路の乱数レジスタ0のハードラッチ乱数(0〜65535)を取得し、取得した乱数値を内部当籤役抽籤用の乱数値として、メインRAM103内の乱数値格納領域(不図示)に保存する(S291)。
次いで、メインCPU101は、乱数回路の乱数レジスタ1〜7のソフトラッチ乱数(0〜65535:ART関連の抽籤処理で用いられる演出用乱数値、0〜255:1バイト抽籤処理で乱数値)を生成するためのソフトラッチ乱数取得レジスタのセット処理を行う(S292)。次いで、メインCPU101は、ソフトラッチ乱数の取得個数(例えば、7)をセットする(S293)。
次いで、メインCPU101は、取得個数分のソフトラッチ乱数を一括で取得し、取得個数分のソフトラッチ乱数を乱数値格納領域に保存する(S294)。なお、この際、乱数回路110の乱数レジスタ1から取得されるソフトラッチ乱数(演出用乱数値、2バイト乱数値)は、乱数値格納領域内において、乱数回路の乱数レジスタ0から取得されるハードラッチ乱数(内部当籤役抽籤用の乱数値)が格納された領域とは異なる領域に保存される。そして、S294の処理後、メインCPU101は、乱数取得処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)のS204に移す。なお、本実施形態では、4つの2バイト乱数と、4つの1バイト乱数を格納するために、メインRAM103に12バイトの格納領域が乱数格納領域として割り当てられている。
[内部抽籤処理]
次に、図22を参照して、メインフロー(図18参照)中のS204で行う内部抽籤処理について説明する。なお、図22は、内部抽籤処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S301)。この処理では、メインCPU101は、現遊技の設定値(1〜6のいずれか)及びメダル投入枚数(本実施形態では3枚)のチェック処理を行う。
次いで、メインCPU101は、一般遊技中用の内部抽籤テーブル及び抽籤回数(本実施形態では53回)をセットする(S302)。この処理では、内部抽籤テーブル(一般遊技中用)中の「特賞当籤番号+小役当籤番号」の値(当り要求フラグステータス)がCレジスタにセットされ、「抽籤値選択テーブルor抽籤係数テーブル」の値(判定データ:アドレスに関するデータ)がAレジスタにセットされる。なお、当り要求フラグステータスは、特賞当籤番号(「00H(はずれ)」、「01H(BB1)」、「02H(BB2)」:10進数で0、1、2)に「25H(16進数:10進数では37(後述の特賞番号))が乗算された値に、小役当籤番号(「00H」〜「24H」:10進数で0〜36)を加算した値である。
次いで、メインCPU101は、RB作動中であるか否かを判別する(S303)。S303において、メインCPU101が、RB作動中でないと判別したとき(S303がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS305の処理を行う。
一方、S303において、メインCPU101が、RB作動中であると判別したとき(S303がYES判定の場合)、メインCPU101は、RB中用の内部抽籤テーブル及び抽籤回数(本実施形態では5回)をセットする(S304)。この処理では、S302でセットされた一般遊技中用の内部抽籤テーブル及び抽籤回数をRB中用の内部抽籤テーブル及び抽籤回数で上書きする。
S304の処理後又はS303がNO判定の場合、メインCPU101は、セットされている内部抽籤テーブルから抽籤対象役の判定データ(アドレスに関するデータ)を取得し、抽籤テーブルアドレスを更新する(S305)。
次いで、メインCPU101は、判定データがRT状態別データであるか否かを判別する(S306)。この処理では、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役がRT状態に応じて抽籤値が変化する内部当籤役であるか否かを判別する。具体的には、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役の判定データに規定されているアドレスが、RT状態別抽籤値選択テーブル内のアドレスであるか否かを判別する。
S306において、メインCPU101が、判定データがRT状態別データでないと判別したとき(S306がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS308の処理を行う。一方、S306において、メインCPU101が、判定データがRT状態別データであると判別したとき(S306がYES判定の場合)、メインCPU101は、判定データに基づいて、RT状態抽籤値選択テーブルから選択データを取得し、該取得した選択データを判定データにセットする(S307)。
S307の処理後又はS306がNO判定の場合、メインCPU101は、抽籤対象役の判定データが設定別データであるか否かを判別する(S308)。この処理では、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役が、設定値に応じて抽籤値が変化する内部当籤役であるか否かを判別する。具体的には、メインCPU101は、現在取得されている抽籤対象役の判定データに規定されているアドレスが、1バイト設定別内部抽籤値テーブル又は2バイト設定別内部抽籤値テーブル内のアドレスであるか否かを判別する。
S308において、メインCPU101が、判定データが設定別データでないと判別したとき(S308がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS310の処理を行う。一方、S308において、メインCPU101が、判定データが設定別データであると判別したとき(S308がYES判定の場合)、メインCPU101は、判定データに設定値データ(0〜5にいずれか)を加算し、該加算した値を判定データにセットする(S309)。なお、この処理で判定データに加算される設定値データは、設定値に対応付けられたデータであるが、設定値そのものの値ではなく、設定値データ「0」〜「5」は、それぞれ「設定1」〜「設定6」に対応するデータである。
S309の処理後又はS308がNO判定の場合、メインCPU101は、セットされている判定データ(アドレスデータ)に基づいて、抽籤対象役の抽籤値が格納された領域のアドレスを算出し、該アドレスに格納された抽籤値を取得する(S310)。
次いで、メインCPU101は、乱数格納領域に格納された内部当籤役抽籤用の乱数値(0〜65535のいずれか)を取得する(S311)。
次いで、メインCPU101は、抽籤実行処理を行う(S312)。この処理では、メインCPU101は、S310で取得された抽籤値に、S311で取得された乱数値を加算し、その加算結果を抽籤結果(抽籤対象役の当籤/非当籤)とする。なお、この抽籤実行処理において、抽籤値と乱数値との和が65535を超えた場合(オーバーフローした場合)、抽籤対象役が当籤した(抽籤対象役が内部当籤役として決定された)と判定される。
次いで、メインCPU101は、乱数値に抽籤値を加算した値(抽籤実行後の乱数値)を新たな乱数値として、乱数格納領域に保存する(S313)。次いで、メインCPU101は、抽籤実行処理で当籤したか否か(オーバーフローが発生したか否か)を判別する(S314)。
S314において、メインCPU101が、抽籤実行処理で当籤したと判別したとき(S314がYES判定の場合)、メインCPU101は、内部抽籤テーブルを参照して当籤した内部当籤役に対応する当り要求フラグステータス(「特賞当籤番号+小役当籤番号」の値)を取得する(S315)。そして、S315の処理後、メインCPU101は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)のS205に移す。
一方、S314において、メインCPU101が、抽籤実行処理で当籤していないと判別したとき(S314がNO判定の場合)、メインCPU101は、内部抽籤テーブルにおいて抽籤対象役を次の役に更新し、抽籤回数を1減算する(S316)。次いで、メインCPU101は、減算後の抽籤回数が「0」であるか否かを判別する(S317)。
S317において、メインCPU101が、減算後の抽籤回数が「0」でないと判別したとき(S317がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS305の処理に戻し、S305以降の処理を繰り返す。
一方、S317において、メインCPU101が、減算後の抽籤回数が「0」であると判別したとき(S317がYES判定の場合)、すなわち、内部当籤役が「はずれ」である場合、メインCPU101は、ハズレステータスをセットする(S318)。なお、「ハズレステータス」は、特賞当籤番号及び小役当籤番号のいずれもが「0」となる当り要求フラグステータスに対応する。そして、S318の処理後、メインCPU101は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)のS205に移す。
[図柄設定処理]
次に、図23を参照して、メインフロー(図18参照)中のS205で行う図柄設定処理について説明する。
図23は、図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、内部抽籤処理で取得された当り要求フラグステータスに基づいて、特賞当籤番号及び小役当籤番号を抽出し、該抽出された特賞当籤番号及び小役当籤番号をメインRAM103内の当籤番号格納領域(不図示)に保存する(S321)。
次いで、メインCPU101は、抽出された小役当籤番号に基づいて、小役が当籤したか否かを判別する(S322)。この処理において、小役当籤番号が1〜36のいずれかである場合には、メインCPU101は、小役が当籤したと判定し、小役当籤番号が0である場合には、メインCPU101は、小役が当籤しなかったと判定する。
S322において、メインCPU101が、小役が当籤していないと判別したとき(S322がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS331の処理を行う。一方、S322において、メインCPU101が、小役が当籤したと判別したとき(S322がYES判定の場合)、メインCPU101は、小役当籤番号を減算結果の初期値としてセットする(S323)。
次いで、メインCPU101は、当り要求フラグテーブルをセットする(S324)。次いで、メインCPU101は、減算結果を1減算し、該減算結果を更新する(S325)。次いで、メインCPU101は、減算結果が「0」未満であるか否かを判別する(S326)。
S326において、メインCPU101が、減算結果が「0」未満でないと判別したとき(S326がNO判定の場合)、メインCPU101は、ビット数算出処理を行う(S327)。なお、S327のビット数算出処理では、当り要求フラグテーブルに規定されている、小役当籤番号に対応する当り要求フラグデータの格納領域のブロック数を取得する。
なお、本実施形態では、当り要求フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)において、当り要求格納領域0〜7のブロックと、当り要求格納領域8〜11のブロックとが設けられている。それゆえ、S327のビット数算出処理で取得される当り要求フラグデータの格納領域のブロック数の最大値は「2」となる。
次いで、メインCPU101は、ビット数算出処理を行う(S328)。なお、S328のビット数算出処理では、当り要求フラグテーブルにおいて規定されるブロック単位の当り要求フラグデータのバイト数を算出する。
なお、上述したS325〜S328の処理は、小役当籤番号の回数だけ繰り返される。
ここで再度、S326の処理に戻って、S326において、メインCPU101が、減算結果が「0」未満であると判別したとき(S326がYES判定の場合)、メインCPU101は、当り要求フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)のセット処理を行う(S329)。この際、メインCPU101は、上述したS325〜S328の処理により得られたブロック数及びブロック単位の当り要求フラグデータのバイト数(オンビット情報)に基づいて、チェック(更新)対象となる当り要求フラグ格納領域のみをセットする。
次いで、メインCPU101は、圧縮データ格納処理を行う(S330)。この処理では、メインCPU101は、主に、当り要求フラグデータをチェック(更新)対象となる当り要求フラグ格納領域内の所定の格納領域に転送(展開)する処理を行う。
S330の処理後又はS322がNO判定の場合、メインCPU101は、持越役格納領域を参照して、持越役があるか否かを判別する(S331)。S331において、メインCPU101が、持越役があると判別したとき(S331がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS334の処理を行う。
一方、S331において、メインCPU101が、持越役がないと判別したとき(S331がNO判定の場合)、メインCPU101は、S321の処理で抽出された特賞当籤番号に基づいて、ボーナス役(BB1又はBB2)が当籤したか否かを判別する(S332)。
S332において、メインCPU101が、ボーナス役が当籤していないと判別したとき(S332がNO判定の場合)、メインCPU101は、図柄設定処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)のS206に移す。
一方、S332において、メインCPU101が、ボーナス役が当籤したと判別したとき(S332がYES判定の場合)、メインCPU101は、当籤した特賞当籤番号を持越役格納領域に格納する(S333)。
S333の処理後又はS331がNO判定の場合、メインCPU101は、特賞当籤番号を当籤番号格納領域(不図示)にセットし、当り要求フラグ格納領域に当り要求フラグデータをセットし、RT状態をRT5状態にセットし、RT遊技数(RT1状態の消化ゲーム数)をクリア(「0」)する(S334)。そして、S334の処理後、メインCPU101は、図柄設定処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)のS206に移す。
[リール停止制御処理]
次に、図24を参照して、メインフロー(図18参照)中のS213で行うリール停止制御処理について説明する。なお、図24は、リール停止制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全リールの回転速度が所定の一定速度に到達したか否か(「定速」になったか否か)を判別する(S712)。S712において、メインCPU101が、全リールの回転速度が「定速」になっていないと判別したとき(S712がNO判定の場合)、メインCPU101は、S712の処理を繰り返す。
一方、S712において、メインCPU101が、全リールの回転速度が「定速」になったと判別したとき(S712がYES判定の場合)、メインCPU101は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S714)。
S714において、メインCPU101が、有効なストップボタンが押されていないと判別したとき(S714がNO判定の場合)、メインCPU101は、S714の処理を繰り返す。一方、S714において、メインCPU101が、有効なストップボタンが押されたと判別したとき(S714がYES判定の場合)、メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域を更新し、ストップボタン未作動カウンタの値を1減算する(S715)。
次いで、メインCPU101は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(S716)。また、この処理では、検索対象リールのリール制御管理情報が格納される回胴制御データ格納領域のアドレス(先頭アドレス)セット処理も行われる。
次いで、メインCPU101は、図柄カウンタの値に基づいて停止開始位置をメインRAM103に格納する(S718)。
次いで、メインCPU101は、リール停止選択処理を行う(S719)。詳細な説明は省略するが、この処理では、メインCPU101は、滑り駒数の選択処理を行う。
次いで、メインCPU101は、停止開始位置と、S719で決定された滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し、該決定した停止予定位置をメインRAM103に格納する(S720)。この処理では、メインCPU101は、停止開始位置に滑り駒数を加算し、その加算結果を停止予定位置とする。
次いで、メインCPU101は、図柄コード格納処理を実行する(S721)。この処理では、停止予定位置に対応する図柄コードが図柄コード格納領域に格納される。次いで、メインCPU101は、制御対象のリールが最終停止(第3停止)のリールであるか否かを判別する(S722)。この処理では、メインCPU101は、ストップボタン未作動カウンタの値に基づいて、制御対象のリールが最終停止(第3停止)のリールであるか否かを判別し、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」であるときには、制御対象のリールが最終停止のリールであると判定する。
S722において、メインCPU101が、制御対象のリールが最終停止のリールでないと判別したとき(S722がNO判定の場合)、メインCPU101は、制御変更処理を行う(S723)。この処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。次いで、メインCPU101は、図18のS212で説明した引込優先順位格納処理を行う(S724)。
次いで、メインCPU101は、停止間隔残時間待機処理を行う(S725)。この処理では、メインCPU101は、予め設定された所定のリール停止間隔時間が経過するまで、待機処理を行う。そして、S725の処理後、メインCPU101は、処理をS712の処理に戻し、S712以降の処理を繰り返す。
ここで再度、S722の処理に戻って、S722において、メインCPU101が、制御対象のリールが最終停止のリールであると判別したとき(S722がYES判定の場合)、メインCPU101は、全リールの励磁が停止状態であるか否かを判別する(S726)。S726において、メインCPU101が、全リールの励磁が停止状態でないと判別したとき(S726がNO判定の場合)、メインCPU101は、S726の処理を繰り返す。
一方、S726において、メインCPU101が、全リールの励磁が停止状態であると判別したとき(S726がYES判定の場合)、メインCPU101は、第3停止操作されたストップボタンがオン状態のままである(ストップボタンが放されていない)か否かを判別する(S727)。S727において、メインCPU101が、第3停止操作されたストップボタンがオン状態のままであると判別したとき(S727がYES判定の場合)、メインCPU101は、S727の処理を繰り返す。一方、S727において、メインCPU101が、第3停止操作されたストップボタンがオン状態のままでないと判別したとき(S727がNO判定の場合)、メインCPU101は、リール停止制御処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)のS214に移す。
[入賞検索処理]
次に、図25を参照して、メインフロー(図18参照)中のS214で行う入賞検索処理について説明する。なお、図25は、入賞検索処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図柄コード格納領域に格納された各格納領域のデータを、入賞作動フラグ格納領域の対応する格納領域に転送して保存する(S761)。そして、この処理終了時点では、DEレジスタに入賞作動フラグ格納領域の最後尾のアドレスがセットされる。
次いで、メインCPU101は、払出枚数データテーブルのアドレスをHLレジスタにセットする(S762)。次いで、メインCPU101は、払出枚数テーブル数(本実施形態では「5」)を入賞検索カウンタの初期値とし、該初期値をBレジスタにセットする(S763)。
次いで、メインCPU101は、HLレジスタにセットされたアドレスに基づいて、メダルの払出枚数(本実施形態では、1枚、2枚、3枚及び9枚のいずれか)のデータをCレジスタにセットし、判定対象データをAレジスタにセットし、HLレジスタにセットされているアドレスに「2」を加算(+2更新)する(S764)。また、以下では、Cレジスタにセットされたメダルの払出枚数のデータ「払出枚数(1,2,3又は9)*2+0」内のデータ「0」を「判定ビット」という。この判定ビットは入賞検索の判定対象ブロックであるか否かを示す情報である。
次いで、メインCPU101は、Cレジスタにセットされたメダルの払出枚数のデータから判定ビットの値を抽出する(S765)。次いで、メインCPU101は、抽出した判定ビットの値に基づいて、判定対象ブロックであるか否かを判別する(S766)。この処理において、メインCPU101は、抽出した判定ビットの値が「1」である場合に、判定対象ブロックであると判定する。
S766において、メインCPU101が、判定対象ブロックでないと判別したとき(S766がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS768の処理を行う。一方、S766において、メインCPU101が、判定対象ブロックであると判別したとき(S766がYES判定の場合)、メインCPU101は、DEレジスタにセットされている入賞作動フラグ格納領域のアドレスを1減算(−1更新)する(S767)。
S767の処理後又はS766がNO判定の場合、メインCPU101は、DEレジスタにセットされた入賞作動フラグ格納領域のアドレスで指定される格納領域のデータを判定データとして抽出する(S768)。
次いで、メインCPU101は、S764でAレジスタにセットされた判定対象データと、S768で抽出した判定データとに基づいて、判定の結果が入賞であるか否かを判別する(S769)。この処理において、メインCPU101は、S764でAレジスタにセットされた判定対象データが、S768で抽出した判定データと同じであれば、判定の結果が入賞であると判定する。
S769において、メインCPU101が、判定の結果が入賞でないと判別したとき(S769がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS776の処理を行う。一方、S769において、メインCPU101が、判定の結果が入賞であると判別したとき(S769がYES判定の場合)、メインCPU101は、現遊技が3枚遊技(メダルのベット枚数が3枚である遊技)であるか否かを判別する(S770)。
S770において、メインCPU101が、現遊技が3枚遊技であると判別したとき(S770がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS772の処理を行う。一方、S770において、メインCPU101が、現遊技が3枚遊技でないと判別したとき(S770がNO判定の場合)、メインCPU101は、2枚遊技(メダルのベット枚数が2枚である遊技)の払出枚数(2枚)をCレジスタにセットする(S771)。
S771の処理後又はS770がYES判定の場合、メインCPU101は、払出枚数の更新処理を行う(S772)。具体的には、メインCPU101は、現在の入賞枚数カウンタの値に、Cレジスタにセットされたメダルの払出枚数を加算し、加算後の値を払出枚数にセットする。
次いで、メインCPU101は、払出枚数の値が最大払出枚数「10」未満であるか否かを判別する(S773)。
S773において、メインCPU101が、払出枚数の値が最大払出枚数「10」未満であると判別したとき(S773がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS775の処理を行う。一方、S773において、メインCPU101が、払出枚数の値が最大払出枚数「10」未満でないと判別したとき(S773がNO判定の場合)、メインCPU101は、払出枚数に最大払出枚数「10」をセットする(S774)。
S774の処理後又はS773がYES判定の場合、メインCPU101は、払出枚数を入賞枚数カウンタに保存する(S775)。
S775の処理後又はS769がNO判定の場合、メインCPU101は、他の入賞があるか否かを判別する(S776)。S776において、メインCPU101が、他の入賞があると判別したとき(S776がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理をS769の処理に戻し、S769以降の処理を繰り返す。
一方、S776において、メインCPU101が、他の入賞がないと判別したとき(S776がNO判定の場合)、メインCPU101は、入賞検索カウンタの値を1減算(−1更新)する(S777)。なお、本実施形態のように、有効ラインが1本である場合には、複数の小役が重複して入賞することがないので、S776の判定処理は必ずNO判定となる。
次いで、メインCPU101は、入賞検索カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S778)。
S778において、メインCPU101が、入賞検索カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S778がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS764の処理に戻し、S764以降の処理を繰り返す。一方、S778において、メインCPU101が、入賞検索カウンタの値が「0」であると判別したとき(S778がYES判定の場合)、メインCPU101は、入賞検索処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)中のS215の処理に移す。
[入賞チェック・メダル払出処理]
次に、図26を参照して、メインフロー(図18参照)中のS216で行う入賞チェック・メダル払出処理について説明する。なお、図26は、入賞チェック・メダル払出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、入賞作動コマンド生成処理を行う(S801)。この処理では、メインCPU101は、副制御回路200に送信する入賞作動コマンドに含まれる、種別データ及び各種通信パラメータを生成する。なお、入賞作動コマンドは、入賞作動フラグ(表示役)等を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU101は、通信データ格納処理を行う(S802)。この処理により、入賞作動コマンドデータがメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に保存される。なお、入賞作動コマンドは、後述の図36で説明する割込処理内の通信データ送信処理により、主制御回路90から副制御回路200に送信される。
次いで、メインCPU101は、入賞枚数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S803)。S803において、メインCPU101が、入賞枚数カウンタの値が「0」であると判別したとき(S803がYES判定の場合)、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)中のS217の処理に移す。
一方、S803において、メインCPU101が、入賞枚数カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S803がNO判定の場合)、メインCPU101は、メダルのクレジット枚数(貯留枚数)がその上限枚数(本実施形態では50枚)以上であるか否かを判別する(S804)。
S804において、メインCPU101が、メダルのクレジット枚数がその上限枚数以上でないと判別したとき(S804がNO判定の場合)、メインCPU101は、クレジットカウンタの値に「1」を加算(+1更新)する(S805)。加算されたクレジットカウンタの値は、情報表示器6に含まれる貯留枚数表示用の2桁の7セグLED(不図示)により表示される。次いで、メインCPU101は、メダル払出枚数チェック処理を行う(S806)。
次いで、メインCPU101は、メダルの払い出しが終了したか否かを判別する(S807)。S807において、メインCPU101が、メダルの払い出しが終了したと判別したとき(S807がYES判定の場合)、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)中のS217の処理に移す。
一方、S807において、メインCPU101が、メダルの払い出しが終了していないと判別したとき(S807がNO判定の場合)、メインCPU101は、払出間隔待機処理を行う(S808)。この処理では、メインCPU101は、予め設定されたメダル払出間隔時間(本実施形態では60.33msec:後述の図36で説明する割込処理(1.1172msec周期)の54周期分)が経過するまでウェイトする。そして、S808の処理後、メインCPU101は、処理をS803の処理に戻し、S803以降の処理を繰り返す。
ここで再度、S804の処理に戻って、S804において、メインCPU101が、メダルのクレジット枚数がその上限枚数(50枚)以上であると判別したとき(S804がYES判定の場合)、メインCPU101は、メダルの払出処理を行う(S809)。この処理により、メダルが1枚、払い出される。そして、S809の処理後、メインCPU101は、入賞チェック・メダル払出処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)中のS217の処理に移す。
[役比モニタ集計処理]
次に、図27を参照して、メインフロー(図18参照)中のS217で行う役比モニタ集計処理について説明する。図27は、役比モニタ集計処理の手順を示すフローチャートである。なお、この処理は、メインRAM103内の規定外作業領域(図13C参照)を作業領域として使用し、この処理で用いられるプログラムはメインROM102内の規定外エリアに格納されている(図13B参照)。
まず、メインCPU101は、有利区間集計処理を行う(S2011)。この処理では、メインCPU101は、必要な遊技情報を集計し、その集計結果に基づいて、上述した有利区間比率を算出する。なお、有利区間集計処理の詳細については、図30を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、払出枚数集計処理を行う(S2012)。この処理では、メインCPU101は、必要な遊技情報を集計し、その集計結果に基づいて、上述した総連役比率及び総役物比率を算出する。なお、払出枚数集計処理の詳細については、図34を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、中時間集計処理を行う(S2013)。この処理では、メインCPU101は、払出枚数集計処理(S2012参照)によって集計された遊技情報に基づいて、上述した中時間連役比率及び中時間役物比率を算出する。なお、中時間集計処理の詳細については、図35を参照しながら後で説明する。そして、S2013の処理後、メインCPU101は、役比モニタ集計処理を終了し、処理をメインフロー(図18参照)中のS218の処理に移す。
[役比モニタ集計処理に用いるデータテーブル]
次に、図28、及び図29を参照して、役比モニタ集計処理に用いられるデータ、データテーブル等について説明する。なお、図28、及び図29に示されるデータ、及びデータテーブル等は、メインRAM103内の規定外用作業領域に記憶されるよう構成される。
図28には、「役比モニタ状態」、「総遊技数」、「ART遊技状態フラグ」、「特賞信号」、「有利区間比率計算テーブル」、「有利区間比率計算用ワーク」、「役物及び連役比率計算テーブル1」、「役物及び連役比率計算用ワーク」が示されている。
「役比モニタ状態」には、集計した遊技数の状況や、集計値が上限に達したか否かを示すためのデータが格納される。例えば、集計した遊技数の状況を示すデータとして、6000G(ゲーム)到達状態や175000G(ゲーム)到達状態を表すデータが格納され、集計値が上限に達したか否かを示すデータとして、総遊技数上限到達状態や総払出数上限到達状態を表すデータが格納される。「総遊技数」には、「役比モニタ状態」に格納するデータを求めるために利用される、集計した遊技数の総数が格納される。このほか、総払出枚数や総投入枚数等のデータを格納しておくこともできる。
「ART遊技状態フラグ」は、ART遊技状態か非ART遊技状態かを示すフラグであり、有利区間比率の算出に用いられる。
「特賞信号」は、集計対象となるゲームの遊技状態を示すデータである。例えば、遊技状態フラグ格納領域に格納された遊技状態フラグに基づいて判断され、SB、CB、RBといった遊技状態を示すデータである。
「有利区間比率計算テーブル」には、有利区間遊技数格納領域、総遊技数格納領域、有利区間比率表示データ格納領域、及びエンドコードが含まれる。後述する有利区間集計処理(図30参照)では、「有利区間比率計算テーブル」の、有利区間遊技数格納領域、総遊技数格納領域にそれぞれ対応する「有利区間比率計算用ワーク」の格納領域に集計結果が記憶され、比率計算データ設定処理(図30、図31参照)を行う際に、この「有利区間比率計算用ワーク」の格納領域から、「有利区間比率計算テーブル」に対応する格納領域にデータがセットされる。
「有利区間比率計算テーブル」の有利区間比率表示データ格納領域には、比率計算データ設定処理の計算結果がセットされ、この計算結果に基づいて、役比モニタ95に役比情報(種別情報「7U」の有利区間比率)が表示される。また、「有利区間比率計算テーブル」のエンドコードは、比率計算データ設定処理において計算処理のストッパとなるデータであり、有利区間集計処理においてセットされる。
「役物及び連役比率計算テーブル1」には、総連役払出枚数格納領域、総払出枚数格納領域、総連役比率表示データ格納領域、総役物払出枚数格納領域、総払出枚数格納領域、総役物比率表示データ格納領域、及びエンドコードが含まれる。後述する払出枚数集計処理(図34参照)では、「役物及び連役比率計算テーブル1」の、総連役払出枚数格納領域、総払出枚数格納領域、総役物払出枚数格納領域、総払出枚数格納領域にそれぞれ対応する「役物及び連役比率計算用ワーク」の格納領域に集計結果が記憶され、比率計算データ設定処理(図34、図31参照)を行う際に、この「役物及び連役比率計算用ワーク」の格納領域から、「役物及び連役比率計算テーブル1」の対応する格納領域にデータがセットされる。「役物及び連役比率計算テーブル1」の2つの総払出枚数格納領域には、同じ値がセットされる。
「役物及び連役比率計算テーブル1」の総連役比率表示データ格納領域には、比率計算データ設定処理の計算結果がセットされ、この計算結果に基づいて、役比モニタ95に役比情報(種別情報「6A」の総連役比率)が表示される。一方、「役物及び連役比率計算テーブル1」の総役物比率表示データ格納領域には、比率計算データ設定処理の計算結果がセットされ、この計算結果に基づいて、役比モニタ95に役比情報(種別情報「7A」の総役物比率)が表示される。また、「役物及び連役比率計算テーブル1」のエンドコードは、比率計算データ設定処理において計算処理のストッパとなるデータであり、払出枚数集計処理においてセットされる。ここでは、総連役比率と総役物比率の計算がそれぞれ行われる。
図29には、「役物及び連役比率計算テーブル2」と「6000G払出バッファ」が示されている。
「役物及び連役比率計算テーブル2」には、中時間連役払出枚数格納領域、中時間払出枚数格納領域、中時間連役比率表示データ格納領域、中時間役物払出枚数格納領域、中時間払出枚数格納領域、中時間役物比率表示データ格納領域、及びエンドコードが含まれる。後述する払出枚数集計処理(図34参照)と中時間集計処理(図35参照)により、後述する「6000G払出バッファ」の格納領域に集計結果が記憶され、比率計算データ設定処理(図35、図31参照)を行う際に、当該格納領域(6000G払出バッファの格納領域)から、「役物及び連役比率計算テーブル2」の対応する格納領域にデータがセットされる。「役物及び連役比率計算テーブル2」の2つの中時間払出枚数格納領域には、同じ値がセットされる。
「役物及び連役比率計算テーブル2」の中時間連役比率表示データ格納領域には、比率計算データ設定処理の計算結果がセットされ、この計算結果に基づいて、役比モニタ95に役比情報(種別情報「6Y」の中時間連役比率)が表示される。一方、「役物及び連役比率計算テーブル2」の中時間役物比率表示データ格納領域には、比率計算データ設定処理の計算結果がセットされ、この計算結果に基づいて、役比モニタ95に役比情報(種別情報「7Y」の中時間役物比率)が表示される。また、「役物及び連役比率計算テーブル2」のエンドコードは、比率計算データ設定処理において計算処理のストッパとなるデータであり、中時間集計処理においてセットされる。ここでは、中時間連役比率と中時間役物比率の計算がそれぞれ行われる。
「6000G払出バッファ」には、中時間連役払出枚数格納領域、中時間役物払出枚数格納領域、及び中時間払出枚数格納領域がそれぞれ2系統(配列[0]の系統と配列[1]の系統)ずつ含まれる。これらの格納領域は、図34の払出枚数集計処理において、3000ゲームごとに、系統を交互に替えながら払出枚数を蓄積し、中時間集計処理(図35参照)で比率計算データ設定処理(図35、図31参照)を行う際に、「6000G払出バッファ」の格納領域に記憶されたデータが系統[0]と系統[1]で加算され、対応する「役物及び連役比率計算テーブル2」の対応する格納領域にセットされる。
[有利区間集計処理]
次に、図30を参照して、役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2011で行う有利区間集計処理について説明する。なお、図30は、有利区間集計処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、役比モニタ状態は総遊技数上限到達状態であるか否かを判別する(S2021)。本実施形態では、集計しうる総遊技数の上限を「16777215」(3バイト)に定めており、この処理では、集計した総遊技数がその上限に到達しているか否かが判別される。なお、集計しうる総遊技数の上限は適宜変更することができる。例えば、集計しうる総遊技数の上限を「4294967295」(4バイト)と定めるようにしてもよい。また、例えば、3バイトの範囲内の所定の値(例えば、「175000」)と定めるようにしてもよい。
S2021において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総遊技数上限到達状態であると判別したとき(S2021がYES判定の場合)、メインCPU101は、有利区間集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2012の処理に移す。
一方、S2021において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総遊技数上限到達状態でないと判別したとき(S2021がNO判定の場合)、メインCPU101は、遊技数加算処理を行う(S2022)。この遊技数加算処理では、ART機能の作動中(すなわち、有利区間中)であれば、3バイトで構成され有利区間中の遊技数を集計する有利区間遊技数格納領域(ワーク)のデータを1加算するとともに、3バイトで構成され、総遊技数を集計する総遊技数格納領域(ワーク)のデータを1加算する。また、ART機能の非作動中(すなわち、有利区間中ではない通常区間中)であれば、上述した総遊技数格納領域(ワーク)のデータのみを1加算する。
ART機能の作動中であるか否かは、例えば、ART遊技状態フラグ(図28参照)を参照して判定される。本実施形態では、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。また、ART遊技状態は、基本的には、RT4状態であり、かつ、ART当籤中の遊技状態である。なお、本実施形態では、ART当籤後、RT状態がRT4状態まで移行すると、ART遊技が開始される。したがって、ART遊技状態フラグの値は、ART当籤中であるか否かと、遊技状態フラグ格納領域がRT4状態であることを示しているか否かに基づいて設定される。遊技状態フラグ格納領域の各ビットには、内部抽籤の結果に基づいて、固有のボーナスの種別、又はRTの種別が割り当てられている。
なお、本実施形態では、ART機能の作動中を有利区間中として遊技数を集計しているが、どのような状態のゲームが有利区間中とされるかは、所定の基準に基づいて決定されうる。
次いで、メインCPU101は、総遊技数格納領域(ワーク)への加算結果は総遊技数上限を超過したか否か(あるいは、総遊技数上限となったか否かでもよい)を判別する(S2023)。S2023において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)への加算結果は総遊技数上限を超過したと判別したとき(S2023がYES判定の場合)、メインCPU101は、役比モニタ状態に総遊技数上限到達状態をセットする(S2024)。そして、S2024の処理後、メインCPU101は、有利区間集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2012の処理に移す。
一方、S2023において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)への加算結果は総遊技数上限を超過していないと判別したとき(S2023がNO判定の場合)、メインCPU101は、総遊技数格納領域(ワーク)の下位2バイトのデータを取得する(S2025)。次いで、メインCPU101は、総遊技数は「6000」ゲームに到達したか否かを判別する(S2026)。
S2026において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)の下位2バイトのデータに基づいて、総遊技数は「6000」ゲームに到達したと判別したとき(S2026がYES判定の場合)、メインCPU101は、役比モニタ状態に総遊技数6000G到達状態をセットする(S2027)。そして、S2027の処理後、メインCPU101は、後述のS2032の処理に移す。
一方、S2026において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)の下位2バイトのデータに基づいて、総遊技数は「6000」ゲームに到達しなかったと判別したとき(S2026がNO判定の場合)、メインCPU101は、総遊技数は「175000」ゲームに到達したか否かを判別する(S2028)。具体的には、メインCPU101は、総遊技数格納領域(ワーク)の下位2バイトのデータが「0AB98H」となったか否かを判別する。
S2028において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)の下位2バイトのデータに基づいて、総遊技数は「175000」ゲームに到達しなかったと判別したとき(S2028がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS2032の処理に移す。一方、S2028において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)の下位2バイトのデータに基づいて、総遊技数は「175000」ゲームに到達したと判別したとき(S2028がYES判定の場合)、メインCPU101は、総遊技数格納領域(ワーク)の上位1バイトのデータを取得する(S2029)。
次いで、メインCPU101は、総遊技数は「175000」ゲームに到達したか否かを判別する(S2030)。具体的には、メインCPU101は、総遊技数格納領域(ワーク)の上位1バイトのデータが「02H」となったか否かを判別する。S2030において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)の上位1バイトのデータに基づいて、総遊技数は「175000」ゲームに到達しなかったと判別したとき(S2030がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS2032の処理に移す。
一方、S2030において、メインCPU101が、総遊技数格納領域(ワーク)の上位1バイトのデータに基づいて、総遊技数は「175000」ゲームに到達したと判別したとき(S2030がYES判定の場合)、メインCPU101は、役比モニタ状態に総遊技数175000G到達状態をセットする(S2031)。
S2027の処理後、S2028がNO判定の場合、S2030がNO判定の場合、又はS2031の処理後、メインCPU101は、有利区間遊技数格納領域(ワーク)と総遊技数格納領域(ワーク)のデータを有利区間比率計算テーブルにセットする(S2032)。なお、本実施形態において、有利区間比率計算テーブル(有利区間比率を算出するための計算データテーブル)は、図28に示すように、有利区間遊技数格納領域、総遊技数格納領域、有利区間比率表示データ格納領域、エンドコードの順にアドレスが指定されたテーブルである。
次いで、メインCPU101は、比率計算データ設定処理を行う(S2033)。この処理では、メインCPU101は、有利区間遊技数格納領域のデータと総遊技数格納領域のデータとに基づいて、有利区間比率を計算し、計算結果を有利区間比率表示データ格納領域に格納する。なお、比率計算データ設定処理の詳細については、図31を参照しながら後で説明する。そして、S2033の処理後、メインCPU101は、有利区間集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2012の処理に移す。
本実施形態では、図30のS2021に示したように、役比モニタ状態が総遊技数上限到達である場合に、有利区間集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2012の処理に移すように制御されるが、さらに、役比モニタ95に対して、この状態を示す所定の文字列(例えば、エラー表示「ERR1」)を表示させるように制御することもできる。
[比率計算データ設定処理]
次に、図31を参照して、有利区間集計処理(図30参照)中のS2033、後述の払出枚数集計処理(後述の図34参照)中のS2118、及び後述の中時間集計処理(後述の図35参照)中のS2127で行う比率計算データ設定処理について説明する。なお、図31は、比率計算データ設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、計算データテーブルのアドレスはエンドコードであるか否かを判別する(S2041)。すなわち、メインCPU101は、有利区間比率計算テーブル、後述の役物及び連役比率計算テーブル1、又は後述の役物及び連役比率計算テーブル2がセットされている場合に、現在のアドレスがエンドコード(00H)であるか否かを判別する。
S2041において、メインCPU101が、計算データテーブルのアドレスはエンドコードであると判別したとき(S2041がYES判定の場合)、メインCPU101は、比率計算データ設定処理を終了し、有利区間集計処理(図30参照)中のS2033の場合には、この有利期間集計処理も終了して役比モニタ集計処理(図27参照)のS2012に処理を移し、後述の払出枚数集計処理(後述の図34参照)中のS2118の場合には、この払出枚数集計処理も終了して役比モニタ集計処理(図27参照)のS2013に処理を移し、後述の中時間集計処理(後述の図35参照)中のS2127の場合には、この中時間集計処理中のS2128に処理を移す。
一方、S2041において、メインCPU101が、計算データテーブルのアドレスはエンドコードでないと判別したとき(S2041がNO判定の場合)、メインCPU101は、計算データテーブルのアドレスを計算用ワークアドレス1(分子)・計算用ワークアドレス2(分母)に転送する(S2042)。この処理では、例えば、有利区間比率計算テーブルがセットされている場合には、有利区間格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス1(分子)に転送され、総遊技数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス2(分母)に転送される。
また、この処理では、例えば、後述の役物及び連役比率計算テーブル1がセットされている場合には、後述の総連役払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス1(分子)に転送され、後述の総払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス2(分母)に転送される。あるいは、後述の総役物払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス1(分子)に転送され、後述の総払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス2(分母)に転送される。
また、この処理では、例えば、後述の役物及び連役比率計算テーブル2がセットされている場合には、後述の中時間連役払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス1(分子)に転送され、後述の中時間払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス2(分母)に転送される。あるいは、後述の中時間役物払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス1(分子)に転送され、後述の中時間払出枚数格納領域のアドレスが計算用ワークアドレス2(分母)に転送される。
次いで、メインCPU101は、比率計算処理を行う(S2043)。この処理では、計算用ワークアドレス1(分子)及び計算用ワークアドレス2(分母)に転送された遊技情報に基づいて、比率情報が算出される。なお、比率計算処理の詳細については、図32、及び図33を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、計算データテーブルから表示データ格納領域のアドレスを取得する(S2044)。この処理では、例えば、有利区間比率計算テーブルがセットされている場合には、有利区間比率表示データ格納領域のアドレスが取得され、後述の役物及び連役比率計算テーブル1がセットされている場合には、後述の総連役比率表示データ格納領域、又は総役物比率表示データ格納領域のアドレスが取得され、後述の役物及び連役比率計算テーブル2がセットされている場合には、中時間連役比率表示データ格納領域、又は中時間役物比率表示データ格納領域のアドレスが取得される。
次いで、メインCPU101は、計算データテーブルのアドレスを+1更新する(S2045)。次いで、メインCPU101は、比率計算処理(S2043参照)によって算出された比率を、計算データテーブルの対応する表示データ格納領域へ表示データ(比率情報)として保存する(S2046)。そして、S2046の処理後、メインCPU101は、処理をS2041の処理に戻す。
[比率計算処理(近似値式)]
次に、図32、及び図33を参照して、比率計算データ設定処理(図31参照)のS2043で行う比率計算処理の第1の態様(近似値式)について説明する。なお、図32、及び図33は、比率計算処理(近似値式)の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、計算用ワークアドレス2(分母)の値は0であるか否かを判別する(S2051)。S2051において、メインCPU101が、計算用ワークアドレス2(分母)の値は0であると判別したとき(S2051がYES判定の場合)、メインCPU101は、比率計算処理(近似値式)を終了し、処理を比率計算データ設定処理(図31参照)中のS2044の処理に移す。
一方、S2051において、メインCPU101が、計算用ワークアドレス2(分母)の値は0でないと判別したとき(S2051がNO判定の場合)、メインCPU101は、計算用ワークアドレス1(分子)のデータを計算ワーク1に転送する(S2052)。なお、上述したように、計算用ワークアドレス1(分子)に転送されている値は3バイトの範囲内の値であるが、後述するように、計算ワーク1の値は100倍されることから、計算ワーク1(分子)は4バイト(ただし、32ビット目は必ず0となることから、有効ビットは31ビット)で構成される。もっとも、計算用ワークアドレス1(分子)についても、計算ワーク1(分子)と同様、4バイトで構成しておくようにしてもよい。
次いで、メインCPU101は、計算用ワークアドレス2(分母)のデータを計算ワーク2に転送する(S2053)。なお、上述したように、計算ワーク1(分子)が4バイトで構成されるのにしたがって、計算ワーク2(分母)も4バイト(ただし、計算ワーク1(分子)と同様、有効ビットは31ビット)で構成される。もっとも、計算用ワークアドレス2(分母)についても、計算ワーク2(分母)と同様、4バイトで構成しておくようにしてもよい。
次いで、メインCPU101は、計算ワーク1(分子)のデータを100倍する(S2054)。この比率計算処理では、後述するように、計算ワーク1(分子)のデータを計算ワーク2(分母)のデータで除算することで100分率(パーセント)を算出するようになっている。それゆえ、この処理では、その際に算出される商が整数となるように、事前に分子を100倍することにしている。なお、計算ワーク1(分子)のデータを計算ワーク2(分母)のデータで除算した後に100倍して、商を算出するようにしてもよい。また、役比モニタ95に比率情報を表示する際に、100倍した値が表示されるようにしてもよい。また、算出する比率情報に応じて、計算ワーク1(分子)のデータを何倍とするのかは適宜変更可能である。
次いで、メインCPU101は、計算ワーク1(分子)の最上位アドレス(すなわち、4バイト目)をセットするとともに、計算ワーク2(分母)の最上位アドレス(すなわち、4バイト目)をセットする(S2055)。次いで、メインCPU101は、検索カウンタに2をセットするとともに、シフトカウンタに0をセットする(S2056)。
次いで、メインCPU101は、計算ワーク1(分子)の1バイト分のデータと、計算ワーク2(分母)の1バイト分のデータとを論理和演算する(S2057)。次いで、メインCPU101は、論理和演算の値は0であるか否かを判別する(S2058)。すなわち、メインCPU101は、計算ワーク1(分子)及び計算ワーク2(分母)に格納されている検索対象の1バイト分のデータが、いずれも0であるか否かを判別する。
S2058において、メインCPU101が、論理和演算の値は0でないと判別したとき(S2058がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS2062の処理に移す。一方、S2058において、メインCPU101が、論理和演算の値は0であると判別したとき(S2058がYES判定の場合)、メインCPU101は、計算ワーク1(分子)のアドレスを−1更新するとともに、計算ワーク2(分母)のアドレスを−1更新する(S2059)。
次いで、メインCPU101は、検索カウンタセットを1減算する(S2060)。すなわち、メインCPU101は、検索カウンタの値を1減算する。次いで、メインCPU101は、検索カウンタは0であるか否かを判別する(S2061)。S2061において、メインCPU101が、検索カウンタは0でないと判別したとき(S2061がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理をS2057の処理に戻す。一方、S2061において、メインCPU101が、検索カウンタは0であると判別したとき(S2061がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理を後述のS2065の処理に移す。
S2058において、メインCPU101が、論理和演算の値は0でないと判別したとき(S2058がNO判定の場合)、メインCPU101は、論理和演算の値を右にシフトする(S2062)。次いで、メインCPU101は、S2062の処理の結果、最下位ビットの値は1であるか否かを判別する(S2063)。すなわち、メインCPU101は、論理和演算の結果に応じて、集計対象の最大値(例えば、総遊技数の「175000」)の範囲内において、最上位で1となるビット列を検索する。
S2063において、メインCPU101が、最下位ビットの値は1であると判別したとき(S2063がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理を後述のS2065の処理に移す。一方、S2063において、メインCPU101が、最下位ビットの値は1でないと判別したとき(S2063がNO判定の場合)、メインCPU101は、シフトカウンタに1を加算する(S2064)。S2064の処理後、メインCPU101は、処理をS2062の処理に戻す。
S2061がYES判定の場合、又はS2063がYES判定の場合、メインCPU101は、シフトカウンタの値は0であるか否かを判別する(S2065)。S2065において、メインCPU101が、シフトカウンタの値は0でないと判別したとき(S2065がNO判定の場合)、メインCPU101は、シフトカウンタの値に基づいて、計算ワーク1(分子)を2バイト演算用にシフト処理するとともに、計算ワーク2(分母)を2バイト演算用にシフト処理する(S2066)。すなわち、メインCPU101は、論理和演算の結果に応じて、集計対象の最大値(例えば、総遊技数の「175000」)の範囲内において、最上位で1となったビット列から2バイト分のデータを、計算ワーク1(分子)及び計算ワーク2(分母)のそれぞれで抽出し、下位2バイトに格納する。
一方、S2065において、メインCPU101が、シフトカウンタの値は0であると判別したとき(S2065がYES判定の場合)、又はS2066の処理後、メインCPU101は、計算ワーク1(分子)及び計算ワーク2(分母)から2バイト(下位2バイト)のデータ(分子・分母)をそれぞれ取得する(S2067)。
次いで、メインCPU101は、取得した分子を取得した分母で除算し、商を算出する(S2068)。次いで、メインCPU101は、元の計算ワーク2(分母)の値と算出した商とを乗算する(S2069)。次いで、メインCPU101は、S2069の乗算結果と元の計算ワーク1(分子)の値を100倍した後の値とを比較する(S2070)。
次いで、メインCPU101は、S2070の比較結果で商(比率)の値を補正する(S2071)。具体的には、メインCPU101は、S2069の乗算結果が、元の計算ワーク1(分子)の値を100倍した後の値よりも大きい場合に、商(比率)の値を1減算する補正処理を行う。なお、この処理では、近似値として算出した商(比率)の値が、真の値との間で誤差を生じさせにくくするように、適正な補正処理が行われればよい。それゆえ、S2070の比較対象を他の数値とし、他の演算を行うことで補正処理が行われるものであってもよい。すなわち、この補正処理では、算出した近似値に対して、真の値との間で誤差を生じさせにくくするための全ての演算を採用することができる。
次いで、メインCPU101は、商(比率)は100以上であるか否かを判別する(S2072)。なお、通常は、商(比率)が100を超えることはないため、この処理では、商(比率)が100であるか否かを判別するものであってもよい。また、この場合、100を超えたと判別した場合には、これをエラー要因とし、エラー処理が行われるようにしてもよい。
S2072において、メインCPU101が、商(比率)は100以上であると判別したとき(S2072がYES判定の場合)、メインCPU101は、商(比率)を1減算する(S2073)。本実施形態では、上述したように、役比モニタ95は、2桁までの数値しか表示できないためである。そして、S2073の処理後、メインCPU101は、比率計算処理(近似値式)を終了し、処理を比率計算データ設定処理(図31参照)中のS2044の処理に移す。一方、S2072において、メインCPU101が、商(比率)は100以上でないと判別したとき(S2072がNO判定の場合)、メインCPU101は、比率計算処理(近似値式)を終了し、処理を比率計算データ設定処理(図31参照)中のS2044に処理を移す。
なお、本実施形態では、比率計算データ設定処理(図31参照)のS2043における比率計算処理が、図32、及び図33で示される近似値式を用いた方式で行われるが、本実施形態のメインCPU101の能力、及びメインROM102とメインRAM103の容量の制限に応じて、他の様々な方式を用いることができる。
[払出枚数集計処理]
次に、図34を参照して、役比モニタ集計処理(図27参照)のS2012で行う払出枚数集計処理について説明する。なお、図34は、払出枚数集計処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、払出枚数は0であるか否かを判別する(S2101)。すなわち、メインCPU101は、今回の遊技でメダルの払出があったか否かを判別する。なお、この処理においては、投入枚数を考慮せずに払出枚数が0であるか否かを判別するようにしてもよいし、投入枚数を考慮して払出枚数が0であるか否かを判別するようにしてもよい。例えば、3枚のメダルが投入され、今回の遊技で3枚のメダルが払い出された場合、前者では払出枚数が3となるが、後者では払出枚数が0となる。要するに、払出枚数集計処理においては、単に払出枚数を集計するようにしてもよいし、純増枚数を集計するようにしてもよい。
S2101において、メインCPU101が、払出枚数は0であると判別したとき(S2101がYES判定の場合)、メインCPU101は、払出枚数集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2013の処理に移す。一方、S2101において、メインCPU101が、払出枚数は0でないと判別したとき(S2101がNO判定の場合)、メインCPU101は、3バイト(2バイトであってもよい)で構成され所定の遊技期間(6000回)における払出枚数を集計する6000G払出バッファの中時間払出枚数格納領域に格納されているデータ(中時間払出枚数)、今回の払出枚数を加算する3バイト加算処理を行う(S2102)。6000G払出バッファの中時間払出枚数格納領域は、図29に示すように、2つの配列によって2系統の管理がされ、3000ゲームごとに系統が切り替えられる。なお、3バイト加算処理については、その詳細な説明を省略する(以下同じ)。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であるか否かを判別する(S2103)。本実施形態では、集計しうる総払出枚数の上限を「16777215」(3バイト)に定めており、この処理では、集計した総払出枚数がその上限に到達しているか否かが判別される。なお、集計しうる総払出枚数の上限は適宜変更することができる。例えば、集計しうる総払出枚数の上限を「4294967295」(4バイト)と定めるようにしてもよい。また、例えば、3バイトの範囲内の所定の値(例えば、「210000」)と定めるようにしてもよい。
S2103において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であると判別したとき(S2103がYES判定の場合)、メインCPU101は、処理を後述のS2107の処理に移す。一方、S2103において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態でないと判別したとき(S2103がNO判定の場合)、メインCPU101は、3バイトで構成され、総払出枚数を集計する総払出枚数格納領域(ワーク)に格納されているデータ(総払出枚数)に、今回の払出枚数を加算する3バイト加算処理を行う(S2104)。
次いで、メインCPU101は、総払出枚数格納領域(ワーク)に格納されているデータは上限に到達したか否かを判別する(S2105)。S2105において、メインCPU101が、総払出枚数格納領域(ワーク)に格納されているデータは上限に到達していないと判別したとき(S2105がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理を後述のS2107の処理に移す。一方、S2105において、メインCPU101が、総払出枚数格納領域(ワーク)に格納されているデータは上限に到達したと判別したとき(S2105がYES判定の場合)、メインCPU101は、役比モニタ状態に総払出枚数上限到達状態をセットする(S2106)。
S2103において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であると判別したとき(S2103がYES判定の場合)、S2105において、メインCPU101が、総払出枚数格納領域(ワーク)に格納されているデータは上限に到達していないと判別したとき(S2105がNO判定の場合)、又はS2106の処理後、メインCPU101は、特賞信号を取得する(S2107)。
次いで、メインCPU101は、取得した特賞信号について、SB(普通役物)、CB(第2種特別役物)、又はRB(第1種特別役物)のいずれかの作動を示す特賞信号が出力(生成)されているか否かを判別する(S2108)。すなわち、メインCPU101は、この処理において、搭載されているいずれかのボーナス(特賞)の作動中であるか否かを判別している。なお、本実施形態では、SB(普通役物)及びCB(第2種特別役物)は搭載されておらず、また、BB(役物連続作動装置)中は常にRB(第1種特別役物)が作動するようになっている。
S2108において、メインCPU101が、SB(普通役物)、CB(第2種特別役物)、又はRB(第1種特別役物)のいずれの作動を示す特賞信号も出力(生成)されていないと判別したとき(S2108がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理を後述のS2116の処理に移す。一方、S2108において、メインCPU101が、SB(普通役物)、CB(第2種特別役物)、又はRB(第1種特別役物)のいずれかの作動を示す特賞信号が出力(生成)されていると判別したとき(S2108がYES判定の場合)、メインCPU101は、出力(生成)されている特賞信号はRB(第1種特別役物)であるか否かを判別する(S2109)。
S2109において、メインCPU101が、出力(生成)されている特賞信号はRB(第1種特別役物)でないと判別したとき(S2109がNO判定の場合)、メインCPU101は、処理を後述のS2113の処理に移す。一方、メインCPU101が、出力(生成)されている特賞信号はRB(第1種特別役物)であると判別したとき(S2109がYES判定の場合)、メインCPU101は、3バイト(2バイトであってもよい)で構成され、所定の遊技期間(6000回)におけるBB(RB)の作動による払出枚数を集計する、6000G払出バッファの中時間連役払出枚数格納領域に格納されているデータ(中時間連役払出枚数)に、今回の払出枚数を加算する3バイト加算処理を行う(S2110)。6000G払出バッファの中時間連役払出枚数格納領域は、図29に示すように、2つの配列によって2系統の管理がされ、3000ゲームごとに系統が切り替えられる。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であるか否かを判別する(S2111)。S2111において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態でないと判別したとき(S2111がNO判定の場合)、メインCPU101は、3バイトで構成されBB(RB)の作動による総払出枚数を集計する総連役払出枚数格納領域(ワーク)に格納されているデータ(総連役払出枚数)に、今回の払出枚数を加算する3バイト加算処理を行う(S2112)。
S2109において、メインCPU101が、出力(生成)されている特賞信号はRB(第1種特別役物)でないと判別したとき(S2109がNO判定の場合)、S2111において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であると判別したとき(S2111がYES判定の場合)、又はS2112の処理後、メインCPU101は、3バイト(2バイトであってもよい)で構成され、所定の遊技期間(6000回)における全ての役物の作動による払出枚数を集計する、6000G払出バッファの中時間役物払出枚数格納領域に格納されているデータ(中時間役物払出枚数)に、今回の払出枚数を加算する3バイト加算処理を行う(S2113)。6000G払出バッファの中時間役物払出枚数格納領域は、図29に示すように、2つの配列によって2系統の管理がされ、3000ゲームごとに系統が切り替えられる。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であるか否かを判別する(S2114)。S2114において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であると判別したとき(S2114がYES判定の場合)、メインCPU101は、払出枚数集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2013の処理に移す。
一方、S2114において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態でないと判別したとき(S2114がNO判定の場合)、メインCPU101は、3バイトで構成され、全ての役物の作動による総払出枚数を集計する総役物払出枚数格納領域(ワーク)に格納されているデータ(総役物払出枚数)に、今回の払出枚数を加算する3バイト加算処理を行う(S2115)。
S2108において、メインCPU101が、SB(普通役物)、CB(第2種特別役物)、又はRB(第1種特別役物)のいずれの作動を示す特賞信号も出力(生成)されていないと判別したとき(S2108がNO判定の場合)、又はS2115の処理後、メインCPU101は、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であるか否かを判別する(S2116)。S2116において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態であると判別したとき(S2116がYES判定の場合)、メインCPU101は、払出枚数集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2013の処理に移す。
一方、S2116において、メインCPU101が、役比モニタ状態は総払出枚数上限到達状態でないと判別したとき(S2116がNO判定の場合)、メインCPU101は、総連役払出枚数格納領域(ワーク)、総役物払出枚数格納領域(ワーク)、総払出枚数格納領域(ワーク)のデータを、役物及び連役比率計算テーブル1にセットする(S2117)。なお、本実施形態において、役物及び連役比率計算テーブル1(総連役比率及び総役物比率を算出するための計算データテーブル)は、図28に示すように、総連役払出枚数格納領域、総払出枚数格納領域、総連役比率表示データ格納領域、総役物払出枚数格納領域、総払出枚数格納領域、総役物比率表示データ格納領域、エンドコードの順にアドレスが指定されたテーブルである。
次いで、メインCPU101は、比率計算データ設定処理(図31参照)を行う(S2118)。なお、比率計算データ設定処理については、上述したとおりであり、ここでの説明は省略する。そして、S2118の処理後、メインCPU101は、払出枚数集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2013の処理に移す。
本実施形態では、図34のS2114、S2116に示したように、役比モニタ状態が総払出枚数上限到達である場合に、払出枚数集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)中のS2013の処理に移すように制御されるが、さらに、役比モニタ95に対して、この状態を示す所定の文字列(例えば、エラー表示「ERR2」)を表示させるように制御することもできる。
[中時間集計処理]
次に、図35を参照して、役比モニタ集計処理(図27参照)のS2013で行う中時間集計処理について説明する。なお、図35は、中時間集計処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、3000G管理カウンタは3000未満であるか否かを判別する(S2121)。3000G管理カウンタは、所定の初期化条件が成立(例えば、当該カウンタがクリアされたこと)してからの遊技数を、役比モニタ95の表示制御のために計数するカウンタであり、後述するように、3000G管理カウンタが3000となるまでは、中時間連役比率や中時間役物比率は算出されないようになっている。
S2121において、メインCPU101が、3000G管理カウンタは3000未満であると判別したとき(S2121がYES判定の場合)、メインCPU101は、3000G管理カウンタを1加算する(S2122)。そして、S2122の処理後、メインCPU101は、中時間集計処理を終了し、処理を役比モニタ集計処理(図27参照)も終了し、メインフロー(図18参照)中のS218の処理に移す。
一方、S2121において、メインCPU101が、3000G管理カウンタは3000未満でないと判別したとき(S2121がYES判定の場合)、メインCPU101は、S2122aにおいて、3000G管理カウンタをクリアした後、バッファ選択ポインタから6000G払出バッファのアドレスを算出する(S2123)。すなわち、メインCPU101は、バッファ選択ポインタに基づいて、6000G払出バッファの系統(配列[0]の系統か、配列[1]の系統か)を把握し、各領域(中時間払出枚数格納領域、中時間連役払出枚数格納領域、中時間役物払出枚数格納領域(図29参照))のアドレスを算出する。なお、バッファ選択ポインタは、上記のように、配列[0]の系統か、配列[1]の系統かを示すポインタであり(初期状態では配列[0]を示すものとする)、後述するS2128の処理で、3000ゲームごとに交互に切り替えられる。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ状態は6000G到達状態(図30参照)であるか否かを判別する(S2124)。S2124において、メインCPU101が、役比モニタ状態は6000G到達状態でないと判別したとき(S2124がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS2128に処理を移す。なお、S2124において、メインCPU101が、役比モニタ状態は6000G到達状態でないと判別したとき(S2124がNO判定の場合)、メインCPU101は、中時間集計処理を終了し、役比モニタ集計処理(図27参照)も終了し、処理をメインフロー(図18参照)中のS218の処理を移すようにしてもよい。
一方、S2124において、メインCPU101が、役比モニタ状態は6000G到達状態であると判別したとき(S2124がYES判定の場合)、メインCPU101は、図34に示す払出枚数集計処理で求めた6000G払出バッファの各領域に格納されている2系統のデータをそれぞれ加算する(S2125)。例えば、6000G払出バッファにおいて、中時間払出枚数格納領域[0]のデータと中時間払出枚数格納領域[1]のデータを加算し、中時間連役払出枚数格納領域[0]のデータと中時間連役払出枚数格納領域[1]のデータを加算し、中時間役物払出枚数格納領域[0]のデータと中時間役物払出枚数格納領域[1]のデータを加算する(図29参照)。
S2124において、メインCPU101は、S2125の加算処理により求められた各領域のデータを、役物及び連役比率計算テーブル2の対応する領域にセットする(S2126)。なお、本実施形態において、役物及び連役比率計算テーブル2(中時間連役比率及び中時間役物比率を算出するための計算データテーブル)は、図29に示すように、中時間連役払出枚数格納領域、中時間払出枚数格納領域、中時間連役比率表示データ格納領域、中時間役物払出枚数格納領域、中時間払出枚数格納領域、中時間役物比率表示データ格納領域、エンドコードの順にアドレスが指定されたテーブルである。
次いで、メインCPU101は、比率計算データ設定処理(図31参照)を行う(S2127)。なお、比率計算データ設定処理については、上述したとおりであり、ここでの説明は省略する。次いで、メインCPU101は、バッファ選択ポインタを1加算する(S2129)。なお、S2129の処理では、バッファ選択ポインタが2となった場合、バッファ選択ポインタが0クリアされる。これによって、バッファ選択ポインタが配列[0]の系統を示す状態と、配列[1]の系統を示す状態とが交互に繰り返される。
次に、更新されたバッファ選択ポインタに基づいて、対応する系統の6000G払出バッファをクリアする(S2129)。S2129の処理後、メインCPU101は、中時間集計処理を終了し、役比モニタ集計処理(図27参照)も終了し、処理をメインフロー(図18参照)中のS218の処理に移す。
このように、3000ゲームごとにバッファ選択ポインタを切り替えることによって、図34に示す払出枚数集計処理において、6000G払出バッファが3000ゲームごとに異なる系統で管理され、3000ゲームごとの払出枚数を蓄積、記憶することができる。このため、図35の中時間集計処理では、第1の系統の6000G払出バッファと第2の系統の6000G払出バッファを加算して比率計算を行うことで、直近の6000ゲームの比率(中時間連役比率、中時間役物比率)を、3000ゲーム間隔で計算し、役比モニタ95に表示させることができる。
なお、本実施形態では、メインCPU101の能力、及びメインROM102とメインRAM103の容量の制限によって、上記のような方式により中時間集計処理を実現させているが、他の様々な方式を用いることができる。例えば、CPUの能力やメモリの容量に応じて、直近の6000ゲームの比率を、1000ゲームや1ゲームといった、より短い間隔で把握し表示させることができる。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1172msec)]
次に、図36を参照して、1.1172msec周期で、メインCPU101が行う割込処理について説明する。なお、図36は、割込処理の手順を示すフローチャートである。1.1172msec周期で繰り返し実行される割込処理は、タイマー回路113(PTC)の初期化処理(図17中のS2参照)で設定されたタイマー回路113のタイムアウト信号の出力タイミングに基づいて発生する割込みコントローラ112からの割込要求信号がメインCPU101に入力された際に実行される処理である。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S901)。次いで、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S902)。この処理では、ストップスイッチ等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S903)。この処理では、メインCPU101は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU101は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU101は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の有効ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S904)。この処理では、主に、通信データ格納領域に格納された各種コマンドを主制御回路90の第1シリアル通信回路114(図9参照)を介して副制御回路200に送信する。メインCPU101は、副制御回路200にコマンドを送信した後、通信データポインタを1パケット分減算更新し(不図示)、通信データ格納領域の送信済みのコマンドデータをクリアする。なお、通信データ格納領域に複数のコマンドデータが格納されている場合には、格納された古い順で、コマンドデータを副制御回路200に送信する。また、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、すなわち、通信データポインタの値が「0」である場合には、無操作コマンドを生成して副制御回路200に送信する。
次いで、メインCPU101は、投入メダル通過チェック処理を行う(S905)。この処理では、メインCPU101は、メダルセンサ(不図示)の検出結果(メダルセンサ入力状態)に基づいて、投入メダルがセレクタ66を通過したか否かのチェック処理を行う。次いで、メインCPU101は、WDTのリスタート処理を行う(S906)。
次いで、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S907)。この処理では、メインCPU101は、情報表示器6に含まれる各種7セグLEDを駆動制御して、例えば、メダルの払出枚数やクレジット枚数、ストップボタンの押し順データなどを表示する。
次いで、メインCPU101は、タイマー更新処理を行う(S908)。この処理では、メインCPU101は、セットされた各種タイマーのカウント(減算)処理を行う。
次いで、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S909)。次いで、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S910)。ドア開閉チェック処理では、メインCPU101は、ドア開閉監視スイッチ67のオン(ドア開)/オフ(ドア閉)状態をチェックすることにより、フロントドア2b(図2参照)の開閉状態をチェックする。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ表示管理処理を行う(S911)。この処理では、メインCPU101は、役比モニタ集計処理(図27参照)による集計及び比率計算の結果に応じて、役比モニタ95の表示内容を制御する。なお、役比モニタ表示管理処理の詳細については、図37〜図39を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、役比情報送信処理を行う(S912)。この処理では、メインCPU101は、役比モニタ95の表示・非表示に関わらず、役比モニタ集計処理(図27参照)による集計及び比率計算の結果(役比情報)を、図11に示したBLEモジュール49により無線送信するよう制御する。なお、役比情報送信処理の詳細については、図40を参照ながら後で説明する。
次いで、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S913)。そして、S913の処理後、メインCPU101は、割込処理を終了する。
[役比モニタ表示管理処理]
次に、図37〜図39を参照して、割込処理(図36参照)中のS911で行う役比モニタ表示管理処理について説明する。なお、図37〜図39は、役比モニタ表示管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、役比表示モードは表示(表示オン)であるか否かを判別する(S2141)。S2141において、メインCPU101が、役比表示モードは表示(表示オン)でない(非表示(表示オフ)である)と判別したとき(S2141がNO判定の場合)、メインCPU101は、表示チャンネルを初期化する(S2142)。
次いで、メインCPU101は、表示更新タイマに初期値(変更間隔約5秒に対応するタイマ値)をセットし、点滅管理タイマに初期値(約0.6秒に対応するタイマ値)をセットする(S2143)。なお、表示更新タイマは、役比モニタ95における表示内容(種別情報及び比率情報)の切り替えを管理するタイマであり、点滅管理タイマは、役比モニタ95における表示の点滅を管理するタイマである。そして、S2143の処理後、メインCPU101は、役比モニタ表示管理処理を終了し、処理を割込処理(図36参照)中のS912の処理に移す。
一方、S2141において、メインCPU101が、役比表示モードは表示(表示オン)であると判別したとき(S2141がYES判定の場合)、メインCPU101は、役比非表示条件が成立しているか否かを判別する(S2144)。S2144において、メインCPU101が、役比非表示条件が成立していないと判別したとき(S2144がNO判定の場合)、メインCPU101は、ドア開閉監視スイッチ67はオンであるか否かを判別する(S2145)。役比非表示条件として、例えば、精算スイッチ78がオン状態となっているとき、設定用鍵型スイッチ54(設定スイッチ)がオン状態となっているとき、メダルが投入されているとき、及びエラーが発生しているときなどを設定することができる。
S2144において、メインCPU101が、役比非表示条件が成立していると判別したとき(S2144がYES判定の場合)、又はS2145において、メインCPU101が、ドア開閉監視スイッチ67はオンでないと判別したとき(S2145がNO判定の場合)、メインCPU101は、役比表示モードに表示終了待ち(終了待ち)をセットする(S2146)。ここで、ドア開閉監視スイッチ67がオンとは、フロントドア2bが開状態であることを意味し、ドア開閉監視スイッチ67がオフとは、フロントドア2bが閉状態であることを意味する。S2146の処理により、フロントドア2bが閉状態である場合には(だれも役比モニタ95を見ることがないため)、役比モニタ95の表示が抑止される。また、こうした役比モニタ95の表示抑止は、セキュリティ上の観点からも好ましい。
一方、S2145において、メインCPU101が、ドア開閉監視スイッチ67はオンであると判別したとき(S2145がYES判定の場合)、又はS2146の処理後、メインCPU101は、消灯タイミングをセットする(S2147)。次いで、メインCPU101は、点滅管理タイマを1減算する(S2148)。次いで、メインCPU101は、点滅管理タイマの値は初期値/2よりも大きいか否かを判別する(S2149)。
S2149において、メインCPU101が、点滅管理タイマの値は初期値/2よりも大きいと判別したとき(S2149がYES判定の場合)、メインCPU101は点灯タイミングをセットする(S2150)。すなわち、メインCPU101は、点滅管理タイマの値が所定の範囲内のときは、役比モニタ95の表示を点灯し、点滅管理タイマの値が所定の範囲外のときは、役比モニタ95の表示を消灯することにより、役比モニタ95の表示を点滅させる。
一方、S2149において、メインCPU101が、点滅管理タイマの値は初期値/2以下であると判別したとき(S2149がNO判定の場合)、又はS2150の処理後、メインCPU101は、表示更新タイマを1減算する(S2151)。次いで、メインCPU101は、表示更新タイマはタイムアップしたか否かを判別する(S2152)。すなわち、メインCPU101は、セットされた表示更新タイマの初期値分の期間が経過したか否かを判別する。
S2152において、メインCPU101が、表示更新タイマはタイムアップしたと判別したとき(S2152がYES判定の場合)、メインCPU101は、表示選択値を1加算する(S2153)。なお、この処理において、メインCPU101は、表示選択値に1を加算した結果が5であるときには、表示選択値に0をセットする。一方、S2152において、メインCPU101が、表示更新タイマはタイムアップしていないと判別したとき(S2152がNO判定の場合)、又はS2153の処理後、メインCPU101は、表示選択値から、対応する表示データ格納領域(例えば、図28、図29に示した有利区間比率計算テーブルの有利区間比率表示データ格納領域、役物及び連役比率計算テーブル1の総連役比率表示データ格納領域、総役物比率表示データ格納領域、役物及び連役比率計算テーブル2の中時間連役比率表示データ格納領域、中時間役物比率表示データ格納領域等)のアドレスを算出する(S2154)。
ここで、表示選択値は、役比モニタ95の表示内容を選択するための値であり、例えば、表示選択値0は、種別情報が「7U」(有利区間比率)に対応するものであり、表示選択値1は、種別情報「6Y」(中時間連役比率)に対応するものであり、表示選択値2は、種別情報「7Y」(中時間役物比率)に対応するものであり、表示選択値3は、種別情報「6A」(総連役比率)に対応するものであり、表示選択値4は、種別情報「7A」(総役物比率)に対応するものである。
次いで、メインCPU101は、役比モニタ状態は比率情報が表示されるための規定遊技数に到達している状態であるか否かを判別する(S2155)。すなわち、メインCPU101は、役比モニタ状態から、その表示選択値に対応する種別情報に係る比率情報を表示する時期であるかを判別する。
例えば、種別情報「7U」の有利区間比率に関して、役比モニタ状態が「175000G到達状態」となっていない場合に、当該種別情報に対する比率情報が非表示となるよう制御される。また、種別情報「6Y」の中時間連役比率、及び種別情報「7Y」の中時間役物比率に関して、役比モニタ状態が「6000G到達状態」となっていない場合に、当該種別情報に対する比率情報が非表示となるよう制御される。さらに、役比モニタ状態として「17500G到達状態」を設けて、種別情報「6A」の総連役比率、及び種別情報「7A」の総役物比率に関して、役比モニタ状態が「17500G到達状態」となっていない場合に、当該種別情報に対する比率情報が非表示となるよう制御される。
S2155において、メインCPU101が、役比モニタ状態は比率情報が表示されるための規定遊技数に到達している状態でないと判別したとき(S2155がNO判定の場合)、メインCPU101は、後述のS2159の処理に移す。また、この場合、比率点滅判定値は0である。
一方、S2155において、メインCPU101が、役比モニタ状態は比率情報が表示されるための規定遊技数に到達している状態であると判別したとき(S2155がYES判定の場合)、メインCPU101は、表示選択値に応じて、種別文字列と比率点滅判定値を取得する(S2156)。なお、種別文字列は、種別情報を表示するためのデータであり、比率点滅判定値は、比率情報の表示態様を選択するためのデータであり、例えば、比率表示を点滅される場合は「1」、比率表示を点灯させる場合は「2」をセットする。
また、例えば、種別情報「7U」の有利区間比率に関して、比率情報が70%以上である場合に、当該種別情報に対する比率情報が点滅表示となるよう制御される。また、種別情報「6Y」の中時間連役比率、及び種別情報「6A」の総連役比率に関して、比率情報が60%以上である場合に、当該種別情報に対する比率情報が点滅表示となるよう制御される。さらに、種別情報「7Y」の中時間役物比率、及び種別情報「7A」の総役物比率に関して、比率情報が70%以上である場合に、当該種別情報に対する比率情報が点滅表示となるよう制御される。
次いで、メインCPU101は、点灯タイミングであるか否かを判別する(S2157)。S2157において、メインCPU101が、点灯タイミングであると判別したとき(S2157がYES判定の場合)、メインCPU101は、後述のS2159に処理を移す。一方、S2157において、メインCPU101が、点灯タイミングでないと判別したとき(S2157がNO判定の場合)、メインCPU101は、消灯をセットする(S2158)。
S2155において、メインCPU101が、役比モニタ状態は比率情報が表示されるための規定遊技数に到達している状態でないと判別したとき(S2155がNO判定の場合)、S2157において、メインCPU101が、点灯タイミングであると判別したとき(S2157がYES判定の場合)、又はS2158の処理後、メインCPU101は、予め記憶されている種別文字列を略記用領域(不図示)に保存する(S2159)。
次いで、メインCPU101は、表示対象である種別情報に対応する表示データ格納領域から表示データ(比率情報)を取得する(S2160)。この処理では、メインCPU101は、例えば、表示選択値に応じて、有利区間比率表示データ格納領域、総連役比率表示データ格納領域、総役物比率表示データ格納領域、中時間連役比率表示データ格納領域、及び中時間役物比率表示データ格納領域のいずれかの表示データ格納領域に格納されている表示データを取得する。
次いで、メインCPU101は、取得している比率点滅判定値が0であるか否かを判別する(S2161)。比率点滅判定値が0である場合は、役比モニタ状態が比率情報を表示するための規定遊技数に到達していない状態を示している場合であり、この場合は、略記用領域から種別情報を種別表示領域にセットするとともに、比率表示領域に「−−」をセットする。
すなわち、S2161において、メインCPU101が、取得している比率点滅判定値が0であると判別したとき(S2161がYES判定の場合)、メインCPU101は、比率表示領域(すなわち、比率情報として表示するための表示データ)に「−−」をセットする(S2162)。すなわち、比率点滅判定値が0である場合には、具体的な比率情報が表示されないようになっている。そして、S2162の処理後、メインCPU101は、S2166の処理に進み、「−−」を表示するための7セグ表示データを生成する。
一方、S2161において、メインCPU101が、取得している比率点滅判定値が0でないと判別したとき(S2161がNO判定の場合)、メインCPU101は、表示データは点灯、又は点灯タイミングであるか否かを判別する(S2163)。すなわち、メインCPU101は、比率情報を、点滅させることなく継続的に点灯させる場合、又は、点滅させる場合であって、S2150でセットされた点灯タイミングである場合であるか否か(表示データを表示すべき時期であるか否か)を判別する。なお、本実施形態では、比率情報の値が所定の閾値を超えた場合に(例えば、有利区間比率、連役比率、役物比率等が異常な値となった場合に)、検査員等の注意を惹くために、当該比率情報を点滅させるよう制御する。
S2163において、メインCPU101が、表示データは点灯、又は点灯タイミングでないと判別したとき(S2163がNO判定の場合)、メインCPU101は、比率表示領域をクリアする(S2164)。そして、S2164の処理後、メインCPU101は、S2166の処理に進み、クリアされた比率表示領域を表示するための7セグ表示データを生成する。
一方、S2163において、メインCPU101が、表示データは点灯、又は点灯タイミングであると判別したとき(S2163がYES判定の場合)、メインCPU101は、表示データを比率表示領域にセットする(S2165)。
その後、こうしてセットされた比率表示領域のデータ等に基づいて7セグ表示データ生成処理を行う(S2166)。この処理では、種別表示領域にセットされた2桁の種別文字列と、比率表示領域にセットされた表示データ(例えば、2桁の比率情報のほか、「−−」、クリアされたデータ等)を、4桁7セグLED回路(役比モニタ95)で表現するための7セグ表示データを生成する。7セグ表示データは、この場合、例えば、7セグコモン出力(選択)データと、7セグカソード出力データである。ここで、7セグコモン出力(選択)データは、役比モニタ95のどの桁に対する出力であるかを指定するデータであり、7セグカソード出力データは、指定された桁のどのセグメントを点灯させるかを指定するデータである。
次に、メインCPU101は、役比モニタ95に対して、7セグコモン出力(選択)データと、7セグカソード出力データを出力する(S2167)。これによって、役比モニタ95には、7セグコモン出力データによって選択された桁の7セグLEDに順次、7セグコモン出力(選択)データが出力され、当該7セグLEDに指定した文字、数字、記号が表現される(ダイナミック点灯制御)。
こうした7セグコモン出力(選択)データと、7セグカソード出力データの出力が、割込タイミングで順次出力されるので、各7セグLEDに対して、文字、数字、記号の表示や非表示状態が実現され、また、点灯や点滅などの表示態様も制御される。この例では、割込タイミングごとに、7セグコモン出力(選択)データと7セグカソード出力データを出力するようにしたが、割込ごとに割込みカウンタを更新し、その割込みカウンタの値に応じて、より長い所定の間隔で当該出力処理を行うようにすることもできる。
S2167の処理後、メインCPU101は、役比モニタ表示管理処理を終了し、処理を割込処理(図36参照)中のS912の処理に移す。
本実施形態では、上述のように、比率情報の値が所定の閾値を超えた場合に、検査員等の注意を惹くために、当該比率情報を点滅させるが、十分な遊技数の遊技情報が蓄積されていない場合に、種別情報を点滅させるようにすることができる。
[役比情報送信処理]
次に、図40を参照して、割込処理(図36参照)中のS912で行う役比情報送信処理について説明する。なお、図40は、役比情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、表示選択値のすべて(0〜4)に対応する表示データ格納領域のアドレスを算出する(S2181)。この処理によって、図38のS2154と同様に、例えば、図28、図29に示した有利区間比率計算テーブルの有利区間比率表示データ格納領域、役物及び連役比率計算テーブル1の総連役比率表示データ格納領域、総役物比率表示データ格納領域、役物及び連役比率計算テーブル2の中時間連役比率表示データ格納領域、中時間役物比率表示データ格納領域のアドレスが算出される。
次に、メインCPU101は、それぞれの表示選択値に対応する種別文字列(種別情報)を取得する(S2182)。例えば、「7U」、「6Y」、「7Y」、「6A」、「7A」といった種別情報が取得される。
次に、メインCPU101は、それぞれの表示選択値に対応する表示データ(比率情報)を取得する(S2183)。例えば、種別情報「7U」に対応する、有利区間比率計算テーブルの有利区間比率表示データ格納領域から、有利区間比率を取得し、この表示データを、種別情報「7U」に対応する比率情報として把握する。
次に、メインCPU101は、遊技機IDを取得する(S2184)。この遊技機IDは、例えば、メインROMに記憶されているIDであり、前述のように、遊技機を少なくともホール店舗内において固有に識別可能な識別子であればどのようなものであってもよい。
次に、メインCPU101は、役比モニタ状態を取得する(S2185)。役比モニタ状態は、前述のように、メインRAMに記憶され、集計した遊技数の状況や、集計値が上限に達したか否かを示すためのデータが格納されている。役比モニタ状態の代わりに、カウントした遊技数を用いることもできる。
次に、メインCPU101は、取得した上記の各情報(すなわち、遊技機ID、役比モニタ状態、役比情報(種別情報と比率情報))を、全ての表示選択値に関するデータとしてまとめて、外部集中端子板47のBLEモジュール49に送信する(S2186)。
S2186の処理後、メインCPU101は、役比情報送信処理を終了し、処理を割込処理(図36参照)中のS913の処理に移す。
なお、本実施形態の役比情報送信処理では、全ての表示選択値に関する役比情報をまとめて一度にBLEモジュール49に送信するよう制御したが、例えば、1回の処理で1つの表示選択値に関する役比情報を送信し、5回の処理(割込処理)により全ての表示選択値に関する役比情報が送信されるようにしてもよい。
また、こうして送信された役比情報は、最終的にBLEモジュール49のBLEチップ49dを介して無線送信されるが、当該無線送信の周期が、図36の割込処理の周期より長いものである場合は、役比情報送信処理によって送信周期を、BLEモジュール49の送信周期に合わせたり、BLEモジュール49から無線送信終了信号を受信するなどして調整することもできる。
<BLEモジュールの動作説明>
[BLEモジュールにおけるBLE送信制御処理]
次に、図41を参照して、BLEモジュール49のCPU49a、及びBLEチップ49dによって実行されるBLE送信制御処理について説明する。なお、図41は、BLE送信制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、CPU49aは、メインCPU101から図40に示す役比情報送信処理によって送信されてきた送信データを受信したか否かを判別する(S2201)。S2201において、CPU49aが、送信データを受信していないと判別したとき(S2201がNOの判定の場合)、当該判別処理を繰り返す。なお、ここでは、便宜上当該判別処理を繰り返すようにしているが、メインCPU101から送信されたデータを受信した場合に、BLE送信制御処理が開始されるよう構成することもできる。
S2201において、CPU49aが、送信データを受信したと判別したとき(S2201がYESの判定の場合)、CPU49aは、パラメータに所定の値をセットする(S2202)。例えば、BLE規格によるiBeacon(登録商標)のビーコン信号を送信する場合、UUIDに「組織ID」や「メーカーID」などをセットし、majorに遊技機名を表す「遊技機名ID」をセットし、minorに「遊技機ID」をセットする。
次に、CPU49aは、S2203において、メインCPU101から受信した、役比モニタ状態、役比情報(種別情報と比率情報)と、UUID、major、minor等のデータを所定の暗号方法によって暗号化し、当該暗号化の結果得られた暗号化データを、RAM49cに記憶する。なお、本実施形態では、暗号化の対象となる役比情報等を含んだデータは、独自のフォーマットで構成されている。
次に、CPU49aは、BLE送信が可能なタイミングであるか否かを判別する(S2204)。S2204において、CPU49aが、BLE送信タイミングが到来していないと判別したとき(S2204がNOの判定の場合)、当該判別処理を繰り返し、BLE送信タイミングの到来まで待機する。
S2204において、CPU49aが、BLE送信タイミングが到来したと判別したとき(S2204がYESの判定の場合)、CPU49aは、BLEチップ49dが、RAM49cに記憶された暗号化データを読み出し、BLE規格によりビーコン信号を送信するよう制御する(S2205)。このようなCPU49aの制御に応じて、BLEモジュール49のBLEチップ49dは、当該暗号化データを変調し、当該変調データに基づいて、(アンテナを介して)周囲に電波(ビーコン信号)を発信する。
S2205の処理後、CPU49aは、S2201の処理に戻る。
なお、本実施形態では、図40に示す役比情報送信処理によって、BLEモジュール49に、全ての表示選択値に対応する役比情報(例えば、種別情報「7U」、「6Y」、「7Y」、「6A」、「7A」に関する情報)が一度に送信されてくるため、これに応じて、BLE送信制御処理でも、これらの全ての表示選択値に対応する役比情報を一気に無線送信するよう制御するが、無線送信の規格による送信データ長の制限や送信タイミングに応じて、役比情報を例えば、1つの表示選択値に対応する役比情報に分割して、又はより小さなデータ単位に分割して無線送信することもできる。
また、本実施形態では、基本的に、図40に示す役比情報送信処理によって、BLEモジュール49に、遊技機を識別するための遊技機IDが送信されるが、主制御回路90等において、このような遊技機IDが記憶されていない、又は設定されていない場合に、BLEモジュール49のCPU49a、ROM49b、BLEチップ49d等に記憶されているIDを用い、このIDを、遊技台番号等に対応付けることにより、結果的に遊技機が個別に識別されるようにしてもよい。ただし、この場合は、外部集中端子板47を交換した場合等に、当該IDと遊技台番号等との対応関係を更新する必要がある。
なお、上記で説明した役比情報の送信機能(主制御回路90からBLEモジュール49への送信機能)、及び役比情報をビーコン信号として送信する送信機能を実現する方法として図40、図41等に示した手順は一例に過ぎず、他の様々な方法によって、同様の効果を奏する役比情報の送信機能を実現可能である。
[役比モニタの省略]
本実施形態では、メインCPU101が、メイン処理の役比モニタ集計処理(図18のS217)において、遊技数や、各ゲームにおける払出枚数を集計して役比情報を算出するとともに、割込処理の役比モニタ表示管理処理(図36のS911)において、算出した役比情報を役比モニタ95に表示させるよう制御する。
さらに、本実施形態では、割込処理の役比情報送信処理(図36のS912)において、BLEモジュール49を介して、BLE規格に基づくビーコン信号により当該役比情報を送信するよう構成されている。このような構成によって、各遊技機の役比情報を、無線通信ネットワークを介して携帯端末等で受信・表示することができ、フロントドア2bを開くことなく当該役比情報を確認することができる。
しかしながら、ここで、役比モニタ95による役比情報の表示を行わずに、BLEモジュール49による役比情報の送信のみを行うよう構成することもできる。この場合、基本的に、メダル受付・スタートチェック処理の役比モニタ表示切替処理(図19のS226)、及び割込処理の役比モニタ表示管理処理(図36のS911)の実行を省略することができる。
<<第2実施形態>>
次に、第1実施形態のパチスロ1とは、主制御回路とBLEモジュールの接続形態が異なる、第2実施形態のパチスロ1’における接続形態について、図42を参照して説明する。図42は、主制御回路490とBLEモジュール449との接続形態を示す回路ブロック図である。なお、図11の場合と同様に、主制御回路490とBLEモジュール449との間には、キャビネット側中継基板が介在するが、ここでは省略する。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
図42では、主制御回路490にマイクロプロセッサ491(メインCPU401)と役比モニタ495が含まれており、ここで役比モニタ495は、例えば、4桁7セグLED回路である。マイクロプロセッサ491が、この役比モニタ495に対して役比情報(4桁7セグLED用の出力データ)を送信すると、これに応じて、役比モニタ495が、4桁の7セグLEDを点灯させ、役比情報を表示するようになっている。
外部集中端子板447の基板上には、リレー回路448とBLEモジュール449が実装されており、マイクロプロセッサ491が、外部集中端子板447にメダル投入信号とメダル払出信号(1枚のメダル投入、及び1枚のメダル払出のたびに1つ送出されるパルス信号)を送出すると、これらの信号が、リレー回路448を介して、外部集中端子板447に接続された外部のデータ表示装置300に提供される。
マイクロプロセッサ491はまた、BLEモジュール449に対して、遊技機ID、及び役比情報を求めるために必要な役比元データを送信する。BLEモジュール449は、CPU449a、ROM449b、RAM449c、及びBLEチップ449dを含む。CPU449aは、ROM449bに記憶されているプログラムに基づいて、マイクロプロセッサ491からのデータ(遊技機ID、及び役比情報を求めるための役比元データ)を受信した場合に、役比元データを集計して、役比情報を求める。その後、BLEチップ449dを制御し、遊技機IDと、求めた役比情報を、BLE規格のビーコン信号として、BLEチップ449dのアンテナから無線送信する。BLEチップ449dにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯機器により受信可能である。
なお、図42の例では、マイクロプロセッサ491が外部集中端子板447のBLEモジュール449にケーブルによって直接接続されるように構成されているが、他の様々な接続形態によって、マイクロプロセッサ491から提供される遊技機ID、及び役比情報を求めるための役比元データが、BLEモジュール449のCPU449aに送信される。例えば、図42の点線矢印で示されているように、マイクロプロセッサ491と外部集中端子板447のリレー回路448とを接続する信号線の一部を利用したルートにより、遊技機ID、及び役比情報を求めるための役比元データを、マイクロプロセッサ491からCPU449aに送信することができる。
ここで、遊技機IDは、図11に関して説明した通り、パチスロ1といった遊技機を個別に識別可能(少なくとも、ホール店舗内において個別に識別可能)な識別子であり、様々なデータを遊技機IDとして採用することができる。
外部集中端子板447の電源は、例えば、主制御回路490から提供される。また、外部集中端子板447に予備電源を設置することもできる。また、BLEモジュール449のRAM449cには、例えば、DRAM(Dyanamic RAM)等の揮発性メモリや、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを採用することができる。
<主制御回路の動作説明>
次に、第2実施形態のパチスロ1’における処理について、第1実施形態のパチスロ1とは異なる処理について説明する。
[メインCPUの制御によるパチスロのメイン処理]
ここで、図43を参照して、メインCPU401の制御により実行されるパチスロ1’のメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図43は、メイン処理の手順を示すフローチャートである。
ここで、S201〜S217、及びS218〜S220の処理は、図18に示す、第1実施形態のパチスロ1における処理と同様である。
第2実施形態では、S217の役比モニタ集計処理の後に、あらたに役比元データ送信処理(S217a)が追加されている。この処理は、BLEモジュール449で役比情報を求めることができるように、役比情報の元となるデータをBLEモジュール449のCPU449aに、役比元データを送信する処理である。なお、役比元データ送信処理の詳細については、図44を参照して後で説明する。
[役比元データの送信]
次に、図44を参照して、メイン処理(図43参照)中のS217aで行う役比元データ送信処理について説明する。なお、図44は、役比元データ送信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU401は、この役比元データ送信処理の起動が初回であるか否かを判別する(S2221)。メインCPU401が、役比元データ送信処理の起動が初回であると判別したとき(S2221がYES判定の場合)、メインCPU401は、遊技機IDを取得し、役比元データにセットする(S2222)。遊技機IDは、第1実施形態と同様であり、例えば、メインROM402に記憶された、遊技機(パチスロ1’)を識別可能な識別子である。
メインCPU401が、役比元データ送信処理の起動が初回でないと判別したとき(S2221がNO判定の場合)、又はS2222の処理後、メインCPU401は、払出枚数、ART遊技状態フラグ、及び特賞信号をメインRAM403から取得し、これらの情報を役比元データにセットする(S2223)。ここで、払出枚数は、例えば、入賞枚数カウンタに保存された払出枚数であり(図25参照)、ART遊技状態フラグは、このゲームが有利区間であるART遊技状態であるか否かを示すフラグである。また、特賞信号は、ゲームの遊技状態を示すデータであり、例えば、遊技状態フラグ格納領域に格納されたデータに基づいて判断され、SB、CB、RBといった遊技状態を示す。
次に、メインCPU401は、役比元データを外部集中端子板447のBLEモジュール449に送信する(S2224)。
S2224の処理後、メインCPU401は、役比元データ送信処理を終了し、処理をメイン処理(図43参照)中のS218の処理に移す。
<BLEモジュールの動作説明>
[BLEモジュールにおけるBLE送信制御処理]
次に、図45を参照して、第2実施形態におけるBLEモジュール449のCPU449a、及びBLEチップ449dによって実行されるBLE送信制御処理について説明する。なお、図45は、BLE送信制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、CPU449aは、メインCPU401から図44に示す役比元データ送信処理によって送信されてきた役比元データを受信したか否かを判別する(S2241)。S2241において、CPU449aが、役比元データを受信していないと判別したとき(S2241がNOの判定の場合)、CPU449aは、当該判別処理を繰り返す。なお、ここでは、便宜上、当該判別処理を繰り返すようにしているが、メインCPU401から送信された役比元データを受信した場合に、BLE送信制御処理が開始されるよう構成することもできる。
S2241において、CPU449aが、役比元データを受信したと判別したとき(S2241がYESの判定の場合)、CPU449aは、受信した役比元データに遊技機IDが含まれているかを判別する(S2242)。CPU449aが、受信した役比元データに遊技機IDが含まれていると判別したとき(S2242がYESの判定の場合)、CPU449aは、遊技機IDを所定の記憶領域に記憶する(S2243)。CPU449aが、受信した役比元データに遊技機IDが含まれていないと判別したとき(S2242がNOの判定の場合)、又はS2243の処理後、CPU449aは、受信した役比元データに基づいて、役比モニタ集計処理を行う(S2244)。
S2244の役比モニタ集計処理は、図27に示した、第1実施形態の役比モニタ集計処理と同様の処理であり、S2244の役比モニタ集計処理において順次実行される、有利区間集計処理(S2244a)、払出枚数集計処理(S2244b)、中時間集計処理(S2244c)は、それぞれ、図27に示す有利区間集計処理(S2011)、払出枚数集計処理(S2012)、中時間集計処理(S2013)に対応する。
S2244の処理後、CPU449aは、BLE送信が可能なタイミングであるか否かを判別する(S2245)。S2245において、CPU449aが、BLE送信タイミングが到来していないと判別したとき(S2245がNOの判定の場合)、BLE送信制御処理を終了する。
S2245において、CPU449aが、BLE送信タイミングが到来したと判別したとき(S2245がYESの判定の場合)、CPU449aは、パラメータに所定の値をセットする(S2246)。例えば、BLE規格によるiBeacon(登録商標)のビーコン信号を送信する場合、UUIDに「組織ID」や「メーカーID」などをセットし、majorに遊技機名を表す「遊技機名ID」をセットし、minorに、S2243で記憶した「遊技機ID」をセットする。
次に、CPU449aは、S2244の役比モニタ集計処理の結果求められた役比情報(すなわち、種別情報と比率情報)と、UUID、major、minor等のデータを暗号化し、当該暗号化の結果得られた暗号化データを、RAM449cに記憶する(S2247)。
次に、CPU449aは、BLEチップ449dが、RAM449cに記憶された暗号化データを読み出し、BLE規格によりビーコン信号を送信するよう制御する(S2248)。このようなCPU449aの制御に応じて、BLEモジュール449のBLEチップ449dは、当該暗号化データを変調し、当該変調データに基づいて、(アンテナを介して)周囲に電波(ビーコン信号)を発信する。
S2248の処理後、CPU449aは、S2241の処理に戻る。
なお、本実施形態では、S2244の役比モニタ集計処理によって、全ての表示選択値に対応する役比情報(例えば、種別情報「7U」、「6Y」、「7Y」、「6A」、「7A」に関する情報)が同時に求められるため、これに応じて、S2248において、これらの全ての表示選択値に対応する役比情報を一気に無線送信するよう制御するが、無線送信の規格による送信データ長の制限や送信タイミングに応じて、役比情報を例えば、1つの表示選択値に対応する役比情報に分割して、又はより小さなデータ単位に分割して無線送信することもできる。
また、本実施形態では、図44に示すように、メインCPU401から、遊技機IDを含んだ役比元データが送信されるが、主制御回路490等において、このような遊技機IDが記憶されていない、又は設定されていない場合に、BLEモジュール449のCPU449a、ROM449b、BLEチップ449d等に記憶されているIDを用い、このIDを、遊技台番号等に対応付けることにより、結果的に遊技機が個別に識別されるようにしてもよい。ただし、この場合は、外部集中端子板447を交換した場合等に、当該IDと遊技台番号等との対応関係を更新する必要がある。
また、本実施形態では、上述したように、第1実施形態と同様の役比モニタ集計処理をBLEモジュール449のCPU449aで実行するため、図28、及び図29に示した集計・計算用の格納領域(すなわち、役比モニタ状態、特賞信号、有利区間比率計算テーブル(同テーブルの格納領域に対応する累積用の格納領域を含む)、役物及び連役比率計算テーブル1(同テーブルの格納領域に対応する累積用の格納領域を含む)、役物及び連役比率計算テーブル2、及び6000G払出バッファ)と同様の格納領域をRAM449cに記憶する。
またさらに、第1実施形態における役比モニタ集計処理は、メインCPU101が、一般的には8ビットCPUであって、利用可能なメインRAM103のメモリ容量も限定的であるため、累積値を格納する格納領域については上限を設定したり、数値の比較については格納領域の一部の領域のみを判定したり、2つの格納領域に基づいて比率計算を行う場合に、図31〜図33に示すような特別の方式を採用したりといった、CPUの能力やメモリ容量を節約するための処理方式が必要であった。
しかしながら、BLEモジュール449では、CPU449aを、例えば、32ビットRiscプロセッサのようなCPUとすることができ、RAM449cを、例えば、84kバイト以上のような比較的容量の大きいメモリとすることができる。したがって、BLEモジュール449が、上記のような高機能のCPUと大容量のメモリを有するように構成された場合は、第1実施形態における役比モニタ集計処理で実行している上記の「CPUの能力やメモリ容量を節約するための処理方式」は必須ではない。なお、第2実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態における役比モニタ集計処理と同じ方式の役比モニタ集計処理が行われるものとする。
また、BLEモジュール449が、上記のような高機能のCPUと大容量のメモリを有するように構成された場合、RAM449cに、例えば、6000ゲーム分の払出枚数を個々に管理可能なエントリーを設け、1ゲームが経過するたびに、直近の6000ゲームについて、「中時間払出枚数」、「中時間連役払出枚数」、「中時間役物払出枚数」といった累積値を記憶し、より精度の高い中時間連役比率(種別情報「6Y」)、中時間役物比率(種別情報「7Y」)を算出するように構成することができる。なお、図27に示した役比モニタ集計処理は、CPUの能力やメモリ容量を考慮して、中時間連役比率や中時間役物比率は、3000ゲームごとに直近の数値に更新されている。
なお、図44に示す役比元データ送信処理では、メインCPU401が、それぞれのゲームごとに、役比元データをBLEモジュール49に送信するが、BLEモジュール49では、有利なゲームの数、それ以外のゲームの数、及び払出枚数を受信できればよいので、払出枚数が0となるゲームが連続する場合は、毎回、役比元データを送信せずに、その連続したゲームの数を所定のタイミング(例えば、払出枚数が0となるゲームが連続した後の、払出があるゲームについて役比元データを送信するタイミング)で役比元データに含ませて送信するように構成することもできる。
[ローディング機能]
次に、図46を参照して、BLEモジュール449において記憶されるカウントデータ、及び累積データを主制御回路490からローディング(コピー)する状況について説明する。
図46には、第2実施形態の遊技機(パチスロ1’)において、通常時に、主制御回路490から役比元データがBLEモジュール449のCPU449aに送信されている状況が表されている。上述したように、このような役比元データの送信は、基本的にゲームごとに行われる。また、上述したように、受信した役比元データに基づいて、遊技数のカウントや払出枚数の累積が行われる。こうした遊技数のカウントや払出枚数の累積は、主制御回路490のメインCPU401で役比モニタ95の表示のために行われているものと同じ処理である。
すなわち、BLEモジュール449のCPU449aは、ゲームごとに主制御回路490から役比元データを受信するが、役比元データの受信に応じて遊技数のカウントを行う。すなわち、役比元データを受信するごとに総遊技数格納領域(ワーク)のデータを1、カウントアップし、ART遊技状態フラグにより、当該ゲームが有利な期間である場合には、有利区間遊技数格納領域(ワーク)のデータを1、カウントアップする(図28参照)。
また、CPU449aは、役比元データを受信するごとに、受信した特賞信号に応じて、総連役払出枚数格納領域(ワーク)、総役物払出枚数格納領域(ワーク)、総払出枚数格納領域(ワーク)のデータに払出枚数を加算する(図28参照)。さらに、6000G払出バッファの中時間連役払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間役物払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間払出枚数格納領域[0]、[1]のデータに、受信した特賞信号に応じて、払出枚数を加算する(図29参照)。
したがって、通常時は、BLEモジュール449のRAM449cと、主制御回路490のメインRAM403では、ほぼ同様のタイミングにおいて、同じ格納領域(すなわち、総遊技数格納領域(ワーク)、有利区間遊技数格納領域(ワーク)、総連役払出枚数格納領域(ワーク)、総役物払出枚数格納領域(ワーク)、総払出枚数格納領域(ワーク)、中時間連役払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間役物払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間払出枚数格納領域[0]、[1])に同じデータが記憶されていることになる(図46の矢印A)。
また、総遊技数格納領域(ワーク)と有利区間遊技数格納領域(ワーク)のカウントデータによって求められる有利区間比率(種別情報「7U」)といった役比情報は、本実施形態では、175000以上のゲーム数についてカウントが行われた場合に、当該役比情報が算出され、算出された当該役比情報がBLEチップ449dに送信された後、BLEチップ449dによってビーコン信号が送信される仕様となっている。
また、総連役払出枚数格納領域(ワーク)、総役物払出枚数格納領域(ワーク)、総払出枚数格納領域(ワーク)の累積データによって求められる連役比率(種別情報「6Y」)や役物比率(種別情報「7Y」)といった役比情報は、本実施形態では、6000以上のゲーム数について払出枚数の累積が行われた場合に、当該役比情報が算出され、算出された当該役比情報がBLEチップ449dに送信された後、BLEチップ449dによってビーコン信号が送信される仕様となっている。
さらに、中時間連役払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間役物払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間払出枚数格納領域[0]、[1]の累積データ(部分累積データ)によって求められる中時間連役比率(種別情報「6A」)や中時間役物比率(種別情報「7A」)といった役比情報は、本実施形態では、17500以上のゲーム数について払出枚数の累積が行われた場合に、当該役比情報が算出され、算出された当該役比情報がBLEチップ449dに送信された後、BLEチップ449dによってビーコン信号が送信される仕様となっている。
上記のように、役比情報を送信するまでに、多くのゲーム数の経過を前提とするのは、統計上、有意な値となっている役比情報のみを把握可能とするためであり、上述の6000、17500、175000といったゲーム数は、適宜調整可能である。
また、このように、遊技機(パチスロ1’)の使用が開始されてから、6000ゲーム、17500ゲーム、175000ゲームといった、非常に多くのゲームが行われた後で、各役比情報がBLEチップ449dにより送信されるため、RAM449cに記憶された上述のカウントデータや累積データが途中で失われると、再び、上記のゲーム数の分だけカウントデータのカウントや累積データの累積を行う必要があり、役比情報が送信されるまでに多くの時間がかかってしまうことになる。
さらに、RAM449cに記憶されたカウントデータや累積データが失われた場合、それまでのデータが消失するので、遊技機の使用開始から消失時点までの役比情報が失われることになり、それ以降の役比情報を計算し送信できたとしても、これは遊技機の使用開始時点からのものではなく、本来の役比情報ということはできない。
そこで、本実施形態では、図46の矢印Bに示すように、RAM449cに記憶されたカウントデータや累積データが失われた場合に、所定のタイミングで、主制御回路490のメインRAM403から、当該カウントデータや累積データをローディングするように構成することができる。
なお、RAM449cに記憶された上述のカウントデータや累積データが途中で失われる場合とは、例えば、外部集中端子板447を(リレー回路448等の故障により)交換する場合や、RAM449cが揮発性メモリであって、その場合に、電源供給のトラブルが生じるなど、様々な要因が考えられる。
次に、図47を参照して、主制御回路490が、BLEモジュール449にローディングを行うローディング処理について説明する。図47は、所定のタイミングで、主制御回路490からBLEモジュール449にカウントデータ、及び累積データをローディング(コピー)するローディング処理の手順を示すフローチャートである。
なお、このローディング処理は、例えば、第1実施形態のパチスロ1に関して図17で示した電源投入時処理のS16の処理が終了した後に実行されうる。また、管理者等が遊技機(パチスロ1’)に対して所定の操作を行った場合に起動するように構成することもできる。
ローディング処理では、最初に、メインCPU401が、メインRAM403の総遊技数格納領域(ワーク)のデータを参照して、総遊技数が0か否かを判別する(S2261)。メインCPU401が、総遊技数が0であると判別したとき(S2261がYESの判定の場合)、あらたな遊技機として導入された直後であるため、ローディング処理を終了する。
メインCPU401が、総遊技数が0でないと判別したとき(S2261がNOの判定の場合)、メインCPU401は、メインROM402に記憶されている遊技機ID、カウントデータ(例えば、総遊技数格納領域(ワーク)と有利区間遊技数格納領域(ワーク))、及び累積データ(例えば、総連役払出枚数格納領域(ワーク)、総役物払出枚数格納領域(ワーク)、総払出枚数格納領域(ワーク)、6000G払出バッファの中時間連役払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間役物払出枚数格納領域[0]、[1]、中時間払出枚数格納領域[0]、[1])を取得する(S2262)。
その後、S2263において、取得したデータをBLEモジュール449に送信する(S2263)。送信データには、総遊技数格納領域(ワーク)が含まれており、ここから、当該遊技機における総遊技数が把握できる。また、このときに、メインRAM403に記憶されている役比モニタ状態を送信することもできる。その後、メインCPU401は、ローディング処理を終了する。
<BLEモジュールの動作説明>
[BLEモジュールにおけるデータ記憶処理]
次に、図48を参照して、BLEモジュール449が、主制御回路490から送信されたカウントデータや累積データを記憶する処理について説明する。図48は、主制御回路490から送信されたカウントデータ、及び累積データを記憶するデータ記憶処理の手順を示すフローチャートである。
なお、このデータ記憶処理は、例えば、遊技機(パチスロ1’)に電源が投入された結果、外部集中端子板447に電源が投入された場合に、初期処理として起動される。外部集中端子板447が交換されて、遊技機(パチスロ1’)に取り付けられた後、初めて電源が投入された場合にもこの処理が起動される。また、このデータ記憶処理を、上述した主制御回路490のローディング処理に呼応して起動させるように構成することもできる。
データ記憶処理では、最初に、CPU449aが、その外部集中端子板447において電源の投入が初回であるか否かが判別される(S2281)。CPU449aが、その外部集中端子板447において電源の投入が初回であると判別した場合(S2281がYESの判定の場合)、すなわち、外部集中端子板447が遊技機に取り付けられて初めて起動された場合、初期処理として、RAM449cに、カウントデータ、及び蓄積データ等の格納領域を定義し、当該格納領域のクリアを行う(S2282)。
CPU449aが、その外部集中端子板447において電源の投入が初回でないと判別した場合(S2281がNOの判定の場合)、又はS2282の処理後、CPU449aが、主制御回路490からデータの送信があったか否かを判別する(S2283)。CPU449aが、主制御回路490からデータの送信がなかったと判別したとき(S2283がNOの判定の場合)、S2283に戻り、当該判別を繰り返す。
CPU449aが、主制御回路490からデータの送信があったと判別したとき(S2283がYESの判定の場合)、主制御回路490からの送信された総遊技数が、RAM449cの総遊技数格納領域(ワーク)のデータと同じか否かを判別する(S2284)。CPU449aが、互いの総遊技数が同じでないと判別したとき(S2284がNOの判定の場合)、BLEモジュール449にローディングを行う必要があると判断して、S2285に進み、そこで、受信データをRAM449cに記憶する。なお、この受信データには、遊技機IDが含まれている。遊技機IDは、BLEチップ449dによって役比情報を送信する場合に、当該役比情報とともに送信される。
CPU449aが、総遊技数が同じであると判別したとき(S2284がYESの判定の場合)、又はS2285の処理後、CPU449aは、データ記憶処理を終了する。
こうした、主制御回路490のメインCPU401によるローディング処理と、BLEモジュール449のCPU449aによるデータ記憶処理によって、BLEモジュール449のRAM449cに格納されていたカウントデータや蓄積データが消失した場合でも、それまでに保存していた当該データを、主制御回路490のメインRAM403に記憶されていたデータから復元することができ、復旧後すぐに、遊技機の利用開始直後からの役比情報を把握することができるとともに、当該役比情報をビーコン信号により送信することができる。
なお、上記で説明したローディング機能を実現する方法として図47、図48等に示した手順は一例に過ぎず、他の様々な方法によって、同様の効果を奏するローディング機能を実現可能である。
以上、第2実施形態のパチスロ1’の構成と処理について、図を参照して説明してきたが、当該説明された構成・処理以外の構成・処理は、基本的に、第1実施形態のパチスロ1と同様である。
[役比モニタの省略]
第2実施形態では、上述した第1実施形態と同様に、役比モニタ495による役比情報の表示を省略することができる。
<<第3実施形態>>
次に、第1実施形態のパチスロ1、第2実施形態のパチスロ1’とは、主制御回路とBLEモジュールの接続形態が異なる、第3実施形態のパチスロ1’’における接続形態について、図49を参照して説明する。図49は、主制御回路590とBLEモジュール549との接続形態を示す回路ブロック図である。なお、図11、図42の場合と同様に、主制御回路590とBLEモジュール549との間には、キャビネット側中継基板が介在するが、ここでは省略する。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
図49では、主制御回路590にマイクロプロセッサ591(メインCPU501)と役比モニタ595が含まれており、ここで役比モニタ595は、例えば、4桁7セグLED回路である。マイクロプロセッサ591が、この役比モニタ595に対して役比情報(4桁7セグLED用の出力データ)を送信すると、これに応じて、役比モニタ595が、4桁の7セグLEDを点灯させ、役比情報を表示するようになっている。
外部集中端子板547の基板上には、リレー回路548とBLEモジュール549が実装されており、マイクロプロセッサ591が、外部集中端子板547にメダル投入信号とメダル払出信号(1枚のメダル投入、及び1枚のメダル払出のたびに1つ送出されるパルス信号)を送出すると、これらの信号が、リレー回路548を介して、外部集中端子板547に接続された外部のデータ表示装置300に提供される。
また、BLEモジュール549に対しては、役比モニタ595を表示させるための役比情報(4桁7セグLED用の出力データ)が、例えば、12の信号線をそれぞれ分岐させることによって、マイクロプロセッサ591から提供される。なお、図49では、信号線の分岐するための、主制御回路590内の分岐回路や、信号線からの信号からデータを取り出すための、BLEモジュール549内の回路等については省略する。
BLEモジュール549は、CPU549a、ROM549b、RAM549c、及びBLEチップ549dを含む。CPU549aは、ROM549bに記憶されているプログラムに基づいて、マイクロプロセッサ591からのデータ(分岐による4桁7セグLED用の出力データ)を受信した場合に、当該出力データから、役比情報(種別情報と比率情報、さらに、点滅や「−−」といった表示態様も含む)を解析し、その後、BLEチップ549dを制御し、遊技機IDと、求めた役比情報を、BLE規格のビーコン信号として、BLEチップ549dのアンテナから無線送信する。BLEチップ549dにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯機器により受信可能である。
なお、CPU549aは、マイクロプロセッサ591から受信した出力データのうち、7セグコモン出力データから、どの桁を表示させるデータかを特定し、7セグカソード出力データから、特定された桁で表示される記号・数字を特定する。また、こうした出力データには、遊技機IDが含まれていないため、遊技機IDを別途、主制御回路590から受信する必要がある。
ここで、遊技機IDは、図11に関して説明した通り、パチスロ1’’といった遊技機を個別に識別可能(少なくとも、ホール店舗内において個別に識別可能)な識別子であり、様々なデータを遊技機IDとして採用することができる。ただし、BLEモジュール549によって保持される識別子を遊技機IDとして利用する場合、当該受信処理は不要である。
外部集中端子板547の電源は、例えば、主制御回路590から提供される。また、外部集中端子板547に予備電源を設置することもできる。また、BLEモジュール549のRAM549cには、例えば、DRAM(Dyanamic RAM)等の揮発性メモリや、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを採用することができる。
以上、第3実施形態のパチスロ1’’の構成と処理について、図を参照して説明してきたが、当該説明された構成・処理以外の構成・処理は、基本的に、第1実施形態のパチスロ1と同様である。
[役比モニタの省略]
第3実施形態では、上述した第1実施形態や第2実施形態と同様に、役比モニタ595による役比情報の表示を省略することができる。
[外部集中端子板の構成]
また、ここまで第1実施形態から第3実施形態まで説明してきたが、各実施形態に係る外部集中端子板(47、447、547)の構成について、少なくとも2つの実施形態に係る構成を備え、設定に基づいて、それぞれの構成に応じた処理を選択的に、又は並列的に行うようにしてもよい。
<<第4実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第4実施形態に係る情報管理システムの構成及び動作について説明する。
<システム構成>
まず、図50を参照して、本発明の第4実施形態に係る情報管理システム1001の概要について説明する。図50に示す情報管理システム1001は、情報管理サーバ1100と、ホール店舗に配置された、ホールコンピュータ1200、遊技機1300、島端計数装置1400、POS1500、及びホール管理端末1600といった各装置を含むように構成される。また、遊技機1300には、データ表示装置1350、及びサンド装置1370が接続される。
ここで示す遊技機1300は、例えば、上述した第1実施形態に係る遊技機(パチスロ1)、第2実施形態に係る遊技機(パチスロ1’)、第3実施形態に係る遊技機(パチスロ1’’)であり、それぞれ、外部集中端子板(47、447、547)を介してBLEモジュール(49、449、549)により、遊技機IDと役比情報を、例えばビーコン信号として送出する。
また、遊技機1300は、第1実施形態〜第3実施形態に係るパチスロ機だけでなく、例えば、パチンコ機であってもよい。遊技者は、これらを用いて遊技することにより、遊技媒体(パチンコ玉やメダル)を獲得する。なお、本明細書では、便宜上、どちらかのタイプの遊技機について説明する場合があり、その場合、遊技媒体についても、遊技機に対応した遊技媒体についての記載がなされるが、そのような場合であっても、本発明がどちらかのタイプの遊技機に限定されるものではない。
また、遊技機1300は、ホールコンピュータ1200に接続され、遊技状況や遊技媒体数に関する情報をホールコンピュータ1200に送信する。
サンド装置1370は、ホールコンピュータ1200に接続され、遊技者の操作に応じて、会員カードによる遊技媒体の貸出、持ち玉・貯玉の制御、計数の制御等を行う。
また、遊技機1300には、データ表示装置1350が接続されるが、このデータ表示装置1350は、上述したデータ表示装置300に対応する。
情報管理システム1001のホールコンピュータ1200は、ホール店舗において遊技機1300を利用した遊技を行う遊技者の遊技情報を蓄積・管理する。例えば、遊技者が獲得した遊技媒体を貯玉、貯メダル(又は、持ち玉、持ちメダル)として管理したり、遊技機1300それぞれについての稼働状況を管理する。さらに、ホールコンピュータ1200は、遊技者が獲得した遊技媒体の価値に応じて、遊技者が希望する景品を交換できるように、POS1500等の装置を制御する。
ホールコンピュータ1200はさらに、ホールDB1250を備えており、ホールDB1250には、会員情報や、上述した貯玉、貯メダル、稼働状況等を格納するテーブルが記憶される。
島端計数装置1400は、遊技者が獲得した玉(メダル)数をカウントする装置であって、遊技機1300が複数まとめて配置された「島」の端に配置されている。計数装置は、このような島端計数装置1400のほか、各台計数機能付きサンド装置やその他の計数装置として、ホール店舗内の様々な箇所に配置されうる。なお、本実施形態では、計数装置が、それぞれのサンド装置1370に組み込まれるとともに、島端計数装置1400として配置されるものとする。
POS1500は、ホール店舗のカウンター等に設置され、ホール店舗のスタッフは、遊技者の景品交換等に対応するために、このPOS1500を操作する。例えば、上述の島端計数装置1400により発行されたレシートを遊技者から受け取ってこれをPOS1500に読み込ませ(又は、遊技者から提示された会員カード等によってサンド装置1370から送信された遊技媒体の計数値や持ち玉数・貯玉数を読み出し)、対応する価値の景品を遊技者に提供したりする。
このようにして、ホール店舗では、POS1500の機能により、ホール店舗の店頭景品陳列コーナーに配置されている店頭景品(一般景品)や特殊景品との交換が行われる。
ホール管理端末1600は、ホール店舗に配置され、ホール店舗の管理者等により、設定操作等の所定操作が行われる。
情報管理サーバ1100は、必要に応じて、遊技機の検査や点検を行う検査員、遊技者、ホール店舗への来店者等が携帯する携帯端末1700にデータを送信する。また、情報管理サーバ1100は、情報管理DB1150を備えており、情報管理DB1150には、遊技機の属性や配置位置等に関する情報を格納するテーブルが記憶される。
なお、携帯端末1700は、例えば、携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、様々な携帯端末を含むものである。
また、情報管理サーバ1100と携帯端末1700は、様々な形態・ルートで接続されうる。例えば、携帯端末1700は、無線LAN通信や、3G、4Gといった移動通信システムによる無線ネットワークと、インターネットとからなるネットワークを介して情報管理サーバ1100に接続される。この場合、携帯端末1700は、ホール店舗に配置されたネットワーク装置を介さずに情報管理サーバ1100とデータの送受信を行うことも可能である。
また、例えば、無線LANを介してホールコンピュータ1200等のホール店舗内のネットワーク装置に接続され、このネットワーク装置を介して情報管理サーバ1100に接続するようにすることもできる。
また、本実施形態において、ホール店舗で遊技を行う遊技者に対して配布される会員カードは、例えば、近距離無線通信規格(NFC:Near Field Communication)に基づく非接触ICチップを備えた非接触ICカードである。サンド装置1370やPOS1500は、非接触ICカードリーダ等によって遊技者の非接触ICカードの固有IDを読み取ることにより、そのカード(そのカードの遊技者)を特定することができる。
また、本発明の情報管理システム1001は、遊技機1300と携帯端末1700から構成される場合もあり、さらに、後述する無線信号発信装置1800、無線信号発信装置1900、無線信号発信装置1950等を含んで構成される場合もある。
なお、図50に示す情報管理システム1001の構成は例示にすぎず、他の様々な構成によって同様のシステムを構築することができる。例えば、情報管理サーバ1100を、機能等に応じて複数のコンピュータに分割することができる。また、図50に示した情報管理システム1001を各ホール店舗において構築し、複数の情報管理システム1001の間でデータの送受信を行うことによって所定の機能やサービスについて、ホール店舗間の連携を行うことも可能である。
次に、図51を参照して、本実施形態に係る情報管理システム1001で使用されるサンド装置1370について説明する。図51は、サンド装置1370を示す斜視図である。
サンド装置1370の前面部1321には、LED(light-emitting diode)部1331、カード挿入口1332、紙幣を投入可能な紙幣挿入口1333、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット1334、カメラ1335、非接触ICカードリーダ/ライタ1336、メダル(遊技媒体)払出用トレー1337、スピーカカバー1338、メダル(遊技媒体)計数用投入口1339等が設けられている。カード挿入口1332は、例えばホールのカード発行機(不図示)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部1331は、フルカラーLED1331A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)1331Bから構成されている。
遊技者は、情報カード(例えば、ICカード)又は所定金額の紙幣を、カード挿入口1332、又は紙幣挿入口1333に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダ/ライタ1336にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
サンド装置1370は、情報カード・紙幣の投入、又は非接触ICカードの提示を受けて、投入された当該価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数してメダル払出用トレー1337から払い出す。また、サンド装置1370は、使用可能なメダル数が書き込まれた情報カードの投入を受けると、投入された情報カードに書き込まれているメダル数に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパによって計数してメダル払出用トレー1337から払い出す。遊技者は、メダル払出用トレー1337から払い出されたメダルを遊技機1300のメダル投入口へ投入することにより、遊技機1300において遊技を行うことができる。
ここで、非接触ICカードとして、上述した会員カードのほか、非接触ICチップを内蔵したスマートフォン、携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、様々なタイプの携帯端末を用いることができる。
また、遊技機1300においては、遊技の結果に応じて、メダル払出用トレーにメダルを払い出すようになされている。遊技者は、このメダルをメダル払出用トレーから掬い取って、サンド装置1370のメダル計数用投入口1339へ投入することにより、このメダルをサンド装置1370によって計数させることができる。サンド装置1370は、メダル計数用投入口1339から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパによって計数する。このように、サンド装置1370は、遊技機1300に併設され、遊技の結果に応じて遊技機1300から払い出されたメダルを計数する機能を有していることから、各台計数装置とも呼ばれている。
なお、遊技機1300がパチンコ機の場合、パチンコ玉が、サンド装置1370の計数用投入口に導入されるようになっている。例えば、遊技者は、所定の操作を行うことにより、遊技の結果上皿に払い出されたパチンコ玉を下皿に落とすと、当該パチンコ玉は、下皿の下方に装着された案内皿に落下する。案内皿は、下皿から落下したパチンコ玉を、サンド装置1370に設けられた計数用投入口へ案内する。計数用投入口に導入されたパチンコ玉は、サンド装置1370の内部に設けられた計数部によって計数される。
計数された結果は、カード挿入口1332から挿入された情報カードに記録され、又は、ホールコンピュータ1200が備えるホールDB1250や、非接触ICカードである会員カードに記憶される。また、サンド装置1370がプリンタを備え、計数された結果をレシートに印刷するようにしてもよい。情報カードや非接触ICカードには、残金データ等の情報が記憶されてもよい。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、サンド装置1370の底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、サンド装置1370の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
なお、遊技機1300がパチンコ機の場合、計数部において計数されたパチンコ玉は、サンド装置1370の背面部に設けられた排出口から排出され、回収される。また、計数用投入口から投入されたパチンコ玉の計数経路とは別に、サンド装置1370の背面側に端数用供給部が設けられており、外部から端数用のパチンコ玉を受け入れるようになっている。この供給部により、端数用のパチンコ玉は、常に一定量が貯留された状態となっており、必要に応じて、端数用払出口から、案内皿へ払い出される。
次に、図52を参照して、サンド装置1370の操作ユニット1334について説明する。操作ユニット1334は、ディスプレイ1334aと、タッチパネル式の操作ボタン1334bと、を含んでいる。操作ボタン1334bは、各種のボタンを模した画像として表示され、その画像に応じて遊技者の操作を受け付ける。具体的には、操作ボタン1334bは、「返却」、「貸出」、「計数開始」、「持ち玉払出」、「計数停止」、「貯玉する」、「サービス」、「貯玉払出」などの各種の処理の対応する操作ボタン1334bを模した画像として表示される。遊技者は、所望する処理に対応する操作ボタン1334bにタッチ等することで、その処理を実行することができる。
例えば、「貸出」の操作ボタン1334bは、情報カードをカード挿入口1332に挿入して、非接触ICカードを非接触ICカードリーダ/ライタ1336にかざして、あるいは現金を紙幣挿入口1333に挿入して、メダルの貸し出しを希望するときに操作する部分である。「計数開始」の操作ボタン1334bは、メダルをメダル計数用投入口1339に投入して計数するときに操作する部分である。「計数停止」の操作ボタン1334bは、メダルの計数を開始したあとに、計数を停止するときに操作する部分である。「返却」の操作ボタン1334bは、挿入した情報カードを返却するときに操作する部分である。このとき、情報カードには残高情報、持メダルあるいは貯メダル、必要に応じてカードIDが書き込まれる。
遊技者は、情報カード、又は所定金額の紙幣を、カード挿入口1332、又は紙幣挿入口1333に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、会員カード(非接触ICカード)を、非接触ICカードリーダ/ライタ1336にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
<情報管理サーバの構成>
次に、図53を参照して、情報管理サーバ1100の構成について説明する。図53は、情報管理サーバ1100の構成を示すブロック図である。
情報管理サーバ1100は、メインCPU1101、ROM1102、RAM1103、外部記憶装置1104、ディスプレイ1105、及びインターフェイス1106を備えている。
メインCPU1101は、ROM1102、及びRAM1103に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU1101は、携帯端末1700からのリクエストに応じて、ホール店舗の遊技機に関する情報を送信するよう制御する。
ディスプレイ1105は、情報管理サーバ1100によって管理する情報を表示させる表示装置であり、例えば液晶表示装置である。ディスプレイ1105は、省略することもできる。
情報管理サーバ1100は、インターフェイス1106を介してホールコンピュータ1200や携帯端末1700と通信可能に接続される。本発明の実施に関わる制御プログラムは、例えば、外部記憶装置1104に記憶され、RAM1103にロードされる。また、当該制御プログラムは、インターフェイス1106を介して他の装置から、又は、インターネットを含むネットワークを介して外部の他の装置から提供されることもできる。
外部記憶装置1104には、情報管理DB1150が記憶され、遊技機の情報等が記憶される。
<携帯端末の構成>
次に、図54を参照して、携帯端末1700の構成について説明する。図54は、携帯端末1700の構成を示すブロック図である。携帯端末1700は、メインCPU1701、ROM1702、RAM1703、カメラ1704、無線通信用アンテナ1705、GPS用アンテナ1706、無線信号受信用アンテナ1707、ディスプレイ1708、マイク1709、スピーカ1710、及びセンサー1711を備えている。
メインCPU1701は、ROM1702、又はRAM1703に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU1701は、無線ネットワークを介してダウンロードされたアプリケーション等を実行し、遊技機1300から受信したビーコン信号等に基づいて、遊技機に関する所定の情報(例えば、役比情報)を表示するよう制御する。
ROM1702は、「ROM(Read Only Mmory)」と称されるが、通常は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリが採用され、ダウンロードしたアプリケーションや取得したデータを記憶しておくことができる。
カメラ1704は、例えば、携帯端末1700に内蔵される小型の撮像装置であり、撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)等で構成される。ユーザの操作によりカメラ1704によって撮像された撮像画像(動画、又は静止画)は、メインCPU1701の制御によりRAM1703等に記憶され、必要に応じてプログラムで加工され、ディスプレイ1708に表示される。
メインCPU1701は、無線通信用アンテナ1705を介して携帯電話基地局と通信を行い、他の機器との間で通話を行うために通話データを送受信したり、インターネットを介して他の端末から提供されるWEBページを閲覧したり、SNSコミュニケーションに係るデータの送受信を行うよう制御する。また、メインCPU1701は、無線通信用アンテナ1705を用いて、無線LANアクセスポイントとの間で無線LAN通信を実現し、インターネット経由のデータ送受信を行う(無線LAN通信に用いるアンテナは、基本的に携帯電話基地局と通信を行うアンテナとは異なるアンテナであるが、ここでは、まとめて「無線通信用アンテナ」と称する)。
また、メインCPU1701は、GPS用アンテナ1706を介して、複数のGPS(Global Positioning System)から信号を受信し、携帯端末1700の位置を検出する。このような検出処理により求められた位置情報は、メインCPU1701の制御によりRAM1703等に記憶され、必要に応じてプログラムで利用される。
無線信号受信用アンテナ1707は、遊技機1300から発信される無線信号(例えば、ビーコン信号)を受信するアンテナである。無線信号受信用アンテナ1707は、ホール店舗やホール店舗近辺に設置された無線信号発信装置から送信される無線信号(例えば、ビーコン信号)を受信する。
ディスプレイ1708は、例えば、タッチパネルLCDにより構成され、携帯端末1700で実行させる機能を指示したり、必要な情報を入力させるための各種画面を表示する。
マイク1709、及びスピーカ1710は、メインCPU1701の制御により、音声の入出力を行い、メインCPU1701の制御による音声信号処理を行うことによって携帯電話による音声通話を可能としている。
センサー1711は、加速度センサー、ジャイロセンサー(角速度センサー)、光センサー、近接センサーなどであり、例えば、これらのセンサーにより、携帯端末1700の傾きや移動、動きを検知することができ、さらに、携帯端末1700を保持するユーザが移動した歩数を把握することもできる。
上記の構成は、スマートフォンの代表的な構成について示したものであるが、携帯電話、PDA、フィーチャーフォン、タブレット型端末、モバイルPCといった、他の携帯端末の構成についても同様の構成である。
また、携帯端末1700は、非接触ICチップを内蔵するように構成することができる。非接触ICチップは、非接触ICカードリーダ/ライタのようなリーダによって内部のデータが読み取られる。例えば、非接触ICチップを識別することができる固有ID(IDm)や、非接触ICチップの記憶領域に書き込んだデータを、非接触で読み出すことができる。また、必要に応じて、非接触ICチップの記憶領域に、非接触でデータを書き込むこともできる。
<ホールコンピュータの構成>
次に、図55を参照して、ホールコンピュータ1200の構成について説明する。図55は、ホールコンピュータ1200の構成を示すブロック図である。
ホールコンピュータ1200は、メインCPU1201、ROM1202、RAM1203、外部記憶装置1204、ディスプレイ1205、及びインターフェイス1206を備えている。
メインCPU1201は、ROM1202、及びRAM1203に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU1201は、会員の情報を管理し、遊技媒体の貯メダル・貯玉や持メダル・持玉の数を会員ごとに管理し、それぞれの会員の遊技状況等を管理するための処理を実行し、ディスプレイ1205を制御する。
ディスプレイ1205は、ホールコンピュータ1200によって管理する遊技データを表示させ、あるいは不正や異常の発生を報知するものである。このディスプレイ1205は、例えば液晶表示装置によって実現される。
ホールコンピュータ1200は、インターフェイス1206を介して遊技機1300、サンド装置1370、島端計数装置1400、及びPOS1500と通信可能に接続される。また、ホールコンピュータ1200は、インターフェイス1206を介して情報管理サーバ1100と接続するよう構成することもできる。本発明を実施するための制御プログラムは、例えば、外部記憶装置1204に記憶され、RAM1203にロードされる。また、当該制御プログラムは、インターフェイス1206を介して他の装置から、又は、インターネットを含むネットワークを介して外部の他の装置から提供されることもできる。
外部記憶装置1204には、ホールDB1250が記憶され、会員の情報や貯メダル・貯玉の情報等が記憶される。
<サンド装置の構成>
次に、図56を参照して、サンド装置1370の構成について説明する。図56は、サンド装置1370の構成を示すブロック図である。メインCPU(central processing unit)1340は、ROM(read only memory)1341に格納された制御部ログラムを読み出して、メダルの貸出等の処理を実行する。処理に係る各種データは、RAM(random access memory)1342に格納される。
メインCPU1340は、情報カードリーダ/ライタ1322を介して情報カードから読み取った金額データ、又は非接触ICカードリーダ/ライタ1336を介して非接触ICカードから読み取った金額データを残高データとしてRAM1342に格納する。メインCPU1340は、この残高データと、操作ユニット1334から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ1345において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。なお、メインCPU1340は、駆動回路1343を制御することにより、払出用ホッパ1345を駆動させ、駆動回路1344を制御することにより、計数用ホッパ1346を駆動させることができる。
操作ユニット1334には、情報カードを返却するボタンも表示されており、遊技者がこの操作ボタンを操作することにより、メインCPU1340は、情報カードリーダ/ライタ1322に挿入されている情報カードをカード挿入口1332(図51に示すカード挿入口1332に対応)から返却する。
また、メインCPU1340は、紙幣識別装置(ビルバリ)1324から出力される紙幣識別結果を残高データとしてRAM1342に格納する。メインCPU1340は、この残高データと、操作ユニット1334から出力される操作結果に基づいて、遊技者が指定した金額が残高データよりも小さい場合には、指定された金額分のメダルを払出用ホッパ1345において計数して払い出し、残高データから払い出されたメダル分の金額を減算することにより、残高データを更新する。
また、メインCPU1340は、LED部1331の赤外LED1331Bを監視用投光器として用い、赤外LED1331Bからの赤外光を遊技者で反射させ、これをカメラ1335において撮像する。メインCPU1340は、カメラ1335において撮像された画像をRAM1342に格納し、この画像に基づいて、遊技者の存在や交代を検出する。この検出処理は常時行われる。遊技者の状態が非検出(離席)状態に変化して、カード挿入口1332から挿入された情報カードが挿入されたままである場合、又は紙幣挿入口1333(図51に示す紙幣挿入口1333に対応)から挿入された紙幣の金額データに残高がある場合、メインCPU1340は、スピーカ1348を介して、警告音や警告音声を発することにより、離席しようとする遊技者に対して注意を喚起することができる。警告音声としては、「カードを忘れています」といった音声が発せられる。
上述のように、メインCPU1340は、非接触ICカードリーダ/ライタ1336を介して、非接触ICカードとの間で非接触通信を行うようになされている。この通信の方式は、例えば、キャリア周波数が13.56MHzの電磁誘導方式である。メインCPU1340は、非接触ICカードリーダ/ライタ1336を介して非接触ICカードから読み取った金額データに応じた数のメダルを払出用ホッパ1345によって計数し、メダル払出用トレー1337(図51に示すメダル払出用トレー1337に対応)から払い出すと共に、非接触ICカードの残高データを書き換える。
また、メインCPU1340は、インターフェイス1347を介して、ホールコンピュータ1200との間で通信を行うようになっており、情報カードや非接触ICカードにより払い出されたパチンコ玉・メダルの数等、及び情報カードや非接触ICカードに記憶されたパチンコ玉・メダルの数等を定期的にホールコンピュータ1200へ送信する。
また、メインCPU1340は、カメラ1335を介して遊技者の顔画像を定期的に取り込み、RAM1342に記憶する。前回記憶された顔画像と今回記憶された顔画像とを比較し、同一人物でないと判断された場合、メインCPU1340は、遊技者が交代したものと判断し、これに応じた処理を行う。
上述のように、遊技機1300はホールコンピュータ1200に所定の情報を送信可能に接続され、サンド装置1370はホールコンピュータ1200との間で所定の情報を送受信可能に接続されている。ホールコンピュータ1200は、遊技機1300からはパチンコ玉・メダルの投入情報や払出情報といった遊技媒体数に関する蓄積情報(投入払出遊技媒体数情報)を受信し、さらに当選状況を示す当選情報や遊技機の稼働に関する稼働情報を受信する。また、ホールコンピュータ1200は、サンド装置1370からは、情報カードや非接触ICカードとの間のパチンコ玉・メダルの移動に関する情報(移動遊技媒体数情報)を受信し、さらに、場合によっては、カメラ1335により取得した遊技者の顔画像や顔画像解析結果からなる顔画像情報を受信する。
<島端計数装置の構成>
次に、図57を参照して、島端計数装置1400の構成について説明する。図57は、島端計数装置1400の構成を示すブロック図である。メインCPU1401は、ROM1402に格納された制御プログラムを読み出して、メダルの計数処理を実行する。処理に係る各種データは、RAM1403に格納される。
メインCPU1401は、遊技者が操作ユニット1405を操作して計数処理の開始を指示すると、計数用ホッパ1407を、駆動回路1406を制御することによって駆動し、当該遊技者によって計数用ホッパ1407に投入されたメダルを計数する。計数結果は、プリンタ1404によって印刷され、レシートとして出力される。操作ユニット1405は、例えば、小型のディスプレイ(タッチパネル型表示装置)であり、プリンタ1404は、例えば、サーマルプリンタである。
メインCPU1401は、計数結果を、インターフェイス1408を介してホールコンピュータ1200に送信する。また、メインCPU1401は、スピーカ1409を制御して、遊技者の操作が適切でない場合等に、警告音や警告音声を発するようにすることができる。
また、島端計数装置1400に非接触ICカードリーダ/ライタ等を設けるように構成して、所定の記憶媒体に、計数結果を記憶するようにしてもよい。
<POSの構成>
次に、図58を参照して、POS1500の構成について説明する。図58は、POS1500の構成を示すブロック図である。
POS1500は、メインCPU1501、ROM1502、RAM1503、情報カードリーダ/ライタ1504、非接触ICカードリーダ/ライタ1505、バーコードリーダ1506、遊技者側ディスプレイ1507、キーボード1508、店舗側ディスプレイ1509、及びインターフェイス1510を備えている。また、スピーカを備えるようにすることもできる。
メインCPU1501は、ROM1502、及びRAM1503に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU1501は、ホール店舗における景品交換処理を実行する。当該制御プログラムは、インターフェイス1510を介して他の装置から、又は、インターネットを含むネットワークを介して外部の他の装置から提供されることもできる。
メインCPU1501は、島端計数装置1400等で印刷されたレシートを、バーコードリーダ1506で読み取り、これによって、景品交換を行うために必要となる計数結果(獲得した遊技媒体の数)を取得する。また、メインCPU1501は、情報カードや非接触ICカードに計数結果が登録されている場合、情報カードリーダ/ライタ1504や非接触ICカードリーダ/ライタ1505を介して計数結果(遊技媒体の保持数を含む)を取得することもできる。
遊技者側ディスプレイ1507は、遊技者によるタッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイとして構成され、店舗側ディスプレイ1509は、ホール店舗のスタッフによるタッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイとして構成される。なお、遊技者側ディスプレイ1507と店舗側ディスプレイ1509を1つのディスプレイで構成することもできる。
メインCPU1501は、店舗側ディスプレイ1509やキーボード1508を介してスタッフから指定された、景品交換に係る景品(ホール店舗に在庫のある一般景品や特殊景品)等の情報を受信し、これに応じて、管理している景品の在庫数や、遊技者の遊技媒体に関する情報を、(インターフェイス1510を介して接続される)ホールコンピュータ1200に送信する。
また、メインCPU1501は、スピーカを備える場合は、そのスピーカを制御して、遊技者の操作が適切でない場合等に、警告音や警告音声を発するようにすることができる。
<ホール管理端末の構成>
次に、図59を参照して、ホール管理端末1600の構成について説明する。図59は、ホール管理端末1600の構成を示すブロック図である。このホール管理端末1600は、ホール店舗に設置され、ホールコンピュータ1200に接続される端末であって、ホール店舗の管理者やスタッフ等によって所定の操作が行われる。
ホール管理端末1600は、メインCPU1601、ROM1602、RAM1603、外部記憶装置1604、ディスプレイ1605、キーボード1606、マウス1607、及びインターフェイス1608を備えている。また、スピーカを備えるようにすることもできる。
メインCPU1601は、ROM1602、及びRAM1603に格納された制御プログラムを読み出して実行する。例えば、メインCPU1601は、所定の項目に関する設定処理等を実行し、インターフェイス1608を介してホールコンピュータ1200に送信する。当該制御プログラムは、インターフェイス1608を介して他の装置から、又は、インターネットを含むネットワークを介して外部の他の装置から提供されることもできる。
メインCPU1601は、所定の項目に関する設定を行うための画面等をディスプレイ1605に表示し、ホール店舗の管理者等からの指示を、キーボード1606やマウス1607を介して受信し、指示内容をホールコンピュータ1200に送信する。また、ディスプレイ1605を、タッチ操作が可能な、タッチパネルディスプレイとして構成することもでき、その場合は、ホール店舗の管理者等のタッチ操作によって、設定処理が行われる。
ホール管理端末1600はまた、ホールコンピュータ1200や他のホール店舗内ネットワーク機器を介して、又は直接、情報管理サーバ1100に接続し、情報管理サーバ1100が管理する設定情報等を参照したり、設定したりすることができる。
<情報管理サーバの機能説明>
次に、図60を参照して、情報管理サーバ1100の機能概要を説明する。図60は、情報管理サーバ1100の機能ブロック図である。
情報管理サーバ1100は、ユーザ管理部1111、遊技機情報管理部1112、マップ情報管理部1113、及びネットワークI/F部1120を含む。これらの各機能部は、図53に示すメインCPU1101によって制御される。
また、情報管理サーバ1100は、外部記憶装置1104に情報管理DB1150を記憶し、情報管理DB1150には、所定のアプリケーションの実行可否を制御するための情報を記憶するユーザ情報テーブル1151、遊技機に関する情報を記憶する遊技機情報テーブル1152、遊技機の配置位置に関する情報を記憶するマップ情報テーブル1153、遊技機の配置されるホール店舗や時期を管理する遊技機流通管理テーブル1154、遊技機のドア開閉情報等を記憶する遊技機状況管理テーブル1155、遊技者の遊技数や遊技機結果等を記憶する遊技情報管理テーブル1156、遊技者が使用する遊技機等の情報を記憶する特典管理テーブル1157、AR表示のための表示マーク等を記憶するAR表示管理テーブル1158、通知条件や通知情報等を記憶する通知情報管理テーブル1159、及び携帯端末1700から受信した役比情報を蓄積する役比情報蓄積テーブル1160が含まれる。
ユーザ管理部1111は、ユーザが所定のサーバから携帯端末1700で実行されるアプリケーションをダウンロードする場合や、ダウンロード等されたアプリケーションを携帯端末1700で実行する場合などに、ユーザ情報テーブル1151を参照して当該ユーザの権限を確認し、ユーザの権限が確認された場合に、当該アプリケーションのダウンロードや実行を許可する。
遊技機情報管理部1112は、携帯端末1700からのリクエストに応じて、遊技機情報テーブル1152を参照し、携帯端末1700から受信した遊技機IDに応じた遊技台番号等を携帯端末1700に提供する。
マップ情報管理部1113は、携帯端末1700からのリクエストに応じて、マップ情報テーブル1153を参照し、携帯端末1700から受信した遊技機IDに応じた配置位置に関する情報等を携帯端末1700に提供する。
遊技機流通管理部1114は、携帯端末1700から受信した遊技機IDをホールID等に対応付けて記憶し、遊技機1300の流通管理を可能とする。
遊技機状況管理部1115は、携帯端末1700から受信した遊技機ID、ドア開閉情報、及び稼働時間情報をそれぞれ対応付けて記憶し、遊技機1300のセキュリティや品質・メンテナンスに関する状況の管理を可能とする。
遊技情報管理部1116は、携帯端末1700から受信した遊技機IDを、アプリID、総遊技回数、遊技情報に対応付けて記憶し、遊技者の遊技機1300における遊技履歴の管理を可能とする。
特典管理部1117は、携帯端末1700から受信した遊技機IDをアプリID、総遊技回数に対応付けて記憶し、遊技機1300で遊技を行った遊技者に対して特定を付与する。
AR表示管理部1118は、携帯端末1700から受信した遊技機IDを受信し、当該遊技機IDに応じて、携帯端末1700で表示する表示マークとその表示態様を決定し、携帯端末1700に提供する。ここで、AR(Augmented Reality:拡張現実)とは、例えば、カメラで撮影された実際のホール店舗内の映像に、上述した表示マークのような、仮想的なオブジェクトを合わせて携帯端末1700のディスプレイに表示し、ユーザに対して、現実を拡張した映像を提供する技術である。
通知情報管理部1119は、携帯端末1700から受信した通知IDをアプリIDとともに受信し、当該通知IDに応じた通知情報を、アプリID等に応じて決定し、決定された通知情報を携帯端末1700に提供する。
ネットワークI/F(インターフェイス)部1120は、ネットワークに接続して、相手方のコンピュータとデータ送受信を行うよう制御する。またここで、ネットワークは、インターネットと無線ネットワークを含むネットワークとして構成されうる(他の装置のネットワークI/F部についても同様であるため、以降のネットワークI/F部については、説明を省略する)。
<携帯端末の機能説明>
次に、図61を参照して、携帯端末1700の機能概要を説明する。図61は、携帯端末1700の機能ブロック図である。
携帯端末1700は、アプリケーション機能部として、役比情報表示制御部1721、遊技機流通情報送信部1722、遊技機状況送信部1723、遊技情報制御部1724、特典制御部1725、AR表示制御部1726、通知情報表示制御部1727、及び無線通信制御部1728を含む。また、携帯端末1700は、OSの機能として、ビーコン受信部1731、表示制御部1732、入力制御部1733、及びネットワークI/F部1734を含む。これらの各機能部は、図54に示すメインCPU1701によって制御される。
役比情報表示制御部1721は、後述するビーコン受信部1731から受信したビーコン信号の信号強度等に基づいて、検査対象の遊技機1300の遊技台番号等を順に表示し、さらに、ビーコン信号に含まれる役比情報を、遊技機ごとに表示するよう制御する。
遊技機流通情報送信部1722は、遊技機1300から遊技機IDをホールID等とともに、情報管理サーバ1100に送信する。
遊技機状況送信部1723は、遊技機1300から受信した遊技機ID、ドア開閉情報、及び稼働時間情報を情報管理サーバ1100に送信する。
遊技情報制御部1724は、遊技機1300から受信した遊技機ID、総遊技回数、遊技情報を、アプリIDとともに情報管理サーバ1100に送信し、アプリIDによって識別される遊技者の遊技情報を情報管理サーバ1100から受信して表示する。
特典制御部1725は、遊技機1300から受信した遊技機ID、総遊技回数を、アプリIDとともに情報管理サーバ1100に送信し、情報管理サーバ1100によって付与された特典の結果を表示する。
AR表示制御部1726は、遊技機1300から受信した遊技機IDを情報管理サーバ1100に送信し、情報管理サーバ1100から受信した、当該遊技機IDに対応する表示マークとその表示態様に基づいて、携帯端末1700のディスプレイにAR表示を行う。
通知情報表示制御部1727は、無線信号発信装置1800から受信した通知IDをアプリIDとともに情報管理サーバ1100に送信し、当該通知IDに応じて決定された通知情報を情報管理サーバ1100から受信し表示する。
無線通信制御部1728は、複数の無線信号発信装置1900から無線信号を受信した場合に、最も距離が近いと推定される無線信号発信装置1900との通信を単方向通信から双方向通信に移行させるよう制御する。
ビーコン受信部1731は、遊技機1300のそれぞれから発信されるビーコン信号を、図54に示した無線信号受信用アンテナ1707によって受信し、受信した遊技機IDや役比情報等を、例えば、API(Application Programming Interface)によって役比情報表示制御部1721に提供する。
表示制御部1732は、役比情報表示制御部1721で実現される機能等に関して、携帯端末1700のユーザが操作可能な入力・指示画面や、役比情報等の表示画面を、携帯端末1700のディスプレイ1708に表示するよう制御を行う。
入力制御部1733は、携帯端末1700のディスプレイ1708に表示される入力・指示画面において、タッチセンサによりユーザの指示・操作・入力を検知し、検知結果をメインCPU1701に送信する。
<情報管理システムで利用されるテーブルの構成>
次に、図62、及び図63を参照して、情報管理システム1001で利用されるデータを格納する各種テーブルについて説明する。
図62Aには、ユーザ情報テーブル1151の例が示されている。ユーザ情報テーブル1151は、ユーザID、氏名、所属、パスワードを含む。このユーザ情報テーブル1151で管理されるユーザは、例えば、遊技機1300の検査を行うための権限を付与された検査員である。
図62Bには、遊技機情報テーブル1152の例が示されている。遊技機情報テーブル1152は、ホールID、遊技機ID、遊技台番号を含む。したがって、遊技機情報テーブル1152では、ホール店舗ごとに、遊技機IDと遊技台番号との対応付けが管理される。遊技機IDは、遊技機1300から提供される識別子であり、遊技機1300を個別に識別可能(少なくとも、ホール店舗内において個別に識別可能)な識別子である。例えば、前述の主制御回路70で管理されるIDや、役比情報等をビーコン信号で発信するBLEモジュール49等で記憶されるID等を遊技機IDとして用いることができる。
遊技台番号は、遊技機1300に付与された番号であり、これも、少なくともホール店舗内において遊技機1300を個別に識別可能な識別子である。遊技台番号は、検査員が遊技機1300を正面から見たときに、視認されやすい位置に表示されていることが望ましい。
図63には、マップ情報テーブル1153の例が示されている。マップ情報テーブル1153は、遊技機ID、遊技台位置、サイズ、ビーコン発信位置を含む。遊技台位置は、例えば、ホール店舗のフロアの所定の基準点からの相対的位置を表しており、フロアの階数を表す情報を有するように構成することもできる。サイズは、遊技機1300を上から見たときの横(X軸方向)、縦(Y軸方向)の大きさである。ビーコン発信位置は、ビーコン信号が発信される位置(例えば、BLEチップ49dのアンテナの位置)が、遊技機1300のどの位置であるかを相対的に示すものである(例えば、遊技機1300を上から見たときの左上が基準点となる)。図63のマップ情報テーブル1153では、長さの単位はすべてセンチメートルとなっている。
なお、図63のマップ情報テーブル1153では、遊技機1300に関する位置情報のみを記憶するようになっているが、島端計数装置1400やPOS1500といった他の装置の配置位置についても記憶するよう構成することができる。このようなデータを持つことによって、携帯端末1700において、ホール店舗のレイアウトを表示する場合に、遊技機1300以外の装置についても表示することができるようになる。なお、こうしたマップ情報テーブル1153に記憶される位置情報は、例えば、ホールが営業許可を得るために所轄に提出する必要がある、店内の機器配置図に基づいて作成することができる。
<ホール店舗における遊技機等の配置>
次に、図64を参照して、ホール店舗におけるレイアウトについて説明する。図64は、ホール店舗の主要エリアにおいて、遊技機1300などの各装置がどのように配置されているかを模式的に例示する見取図(レイアウト図)である。
図64に示すように、例示のホール店舗は、図の下側に2つの正面出入口(2011a、2011b)が設けられ、この出入口により遊技者がホール店舗に出入りする。正面出入口(2011a、2011b)の前は、正面通路となっており、その奥(図面の上側)に、4つの島(2035〜2038)が配置されている。各島は、8つの遊技機13000を含み、2つの遊技機1300からなる4つの組は、それぞれ向かい合わせに配置され、通路側にそれぞれ遊技機1300の正面部分が向けられる。
上述した4つの島(2035〜2038)の間には、3つの内側通路が設けられており、島2035の左側、及び島2038の右側にはそれぞれ、外側通路が設けられている。また、島2035、及び島2037)の下端には、それぞれ大型ビューワ2021aが配置され、入店した遊技者が、商品情報やホール店舗の案内情報などを容易に確認できるようになっている。また、島2035、及び島2038の上端にはそれぞれ、島端計数装置1400が配置されている。
上述した4つの島(2035〜2038)のさらに奥(図面の上側)には、左側に島(2031、2033)が配置され、右側に島(2032、2034)が配置されている。各島には、4つの島(2035〜2038)と同様に、8つの遊技機1300が含まれ、2つの遊技機1300からなる4つの組は、それぞれ向かい合わせに配置される。なお、図示するように、これらの島(2031〜2034)の遊技機1300は、上述した4つの島(2035〜2038)の遊技機1300と直交する向きに配置されている。
左側の島(2031、2033)と右側の島(2032、2034)との間には、内側通路が設けられている。また、左側の島(2031、2033)の左側、及び右側の島(2032、2034)の右側には、それぞれ、上述の外側通路が延びている。
島2031の左端には、大型ビューワ2021aが配置され、右端には、島端計数装置1400が配置されている。島2033の右端には、小型ビューワ2021bが配置されている。
島2032の左端には、島端計数装置1400が配置されている。島2034の右端には、大型ビューワ2021aが配置されている。
島(2031〜2034)のさらに奥(図面の上側)では、左側に景品交換カウンター2016が配置され、右側に店頭景品陳列コーナー2017が配置される。また、景品交換カウンター2016の左側奥には、スタッフルーム入口2014が設けられ、景品交換カウンター2016の左側手前には、化粧室入口2012が設けられている。また、店頭景品陳列コーナー2017の右側手前には、休憩室入口2013が設けられている。さらに、景品交換カウンター2016の奥(図面の上側)には、コンピュータルーム入口2015が設けられている。なお、コンピュータルームには、上述したホールコンピュータ1200、ホールDB1250、ホール管理端末1600等のコンピュータ類が設置されている。
景品交換カウンター2016の奥(図面の上側)には、ホール店舗のスタッフが待機しており、遊技者による景品交換の要求等に対応する。景品交換カウンター2016には、図示するように、POS1500が2つ載置されている。
ここで、正面出入口2011a付近において、検査員2001が、遊技機1300の検査のために、島2035と島2036の間の内側通路を上方向に進んでいく様子が示されている。
また、図64の最上部左端に基準点2002が設けられ、本実施形態では、この基準点2002を基準として、上述したマップ情報テーブル1153の遊技台位置が設定される。
なお、本実施形態の遊技機1300の横には、上述したようにサンド装置1370が配置されるが、ここでは、後述する役比情報表示制御に関する説明の便宜上、省略した。
<情報管理システムにおける役比情報表示制御処理の説明>
次に、図65を参照して、携帯端末1700で実行される役比情報表示制御処理の概要について説明する。図65は、図64に示した検査員2001の周辺を拡大して模式的に表した図である。
図65に示すように、島2035の左側の列に4台の遊技機(1300−1〜1300−4)が配置され、島2035の右側の列に4台の遊技機(1300−5〜1300−8)が配置され、それぞれの遊技機1300(1300−1〜1300−8)は、通路側が正面になるように配置されている。同様に、島2036の左側の列に4台の遊技機(1300−9〜1300−12)が配置され、島2036の右側の列に4台の遊技機(1300−13〜1300−16)が配置され、それぞれの遊技機1300(1300−9〜1300−16)は、通路側が正面になるように配置されている。
また、図65には、遊技機1300の検査員2001が保持する検査用の携帯端末1700が示されている。
それぞれの遊技機1300(1300−1〜1300−16)に示された三角形のマークは、BLEモジュール49といった無線信号発信回路の位置を示しており、ここでは、その三角形の中心部からそれぞれ無線信号(例えば、ビーコン信号)が発信されるものとする。
例えば、上述のBLEチップ49dにより、BLE規格に基づいたBluetooth(登録商標)ベースのビーコン信号が送信される場合、設定したクラスによって、電波到達距離が異なる。具体的には、Class1で最大100m、Class2で最大10m、Class3で最大1m(距離はいずれも規格値)となっている。
本実施形態では、例えば、Class2やClass3が採用されうる。なお、各遊技機1300のClassは、少なくともホール店舗のフロアにおいて共通に設定される。図65では、島2035に関して、遊技機1300−3の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−3、遊技機1300−4の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−4、遊技機1300−7の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−7、遊技機1300−8の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−8が示されているが、これは、無線信号発信回路から無線信号が伝播して、携帯端末1700に到達する様子を模式的に示したものであり、これらの円が、無線信号の電波到達距離や同じ信号強度の位置を示している訳ではない。
無線信号発信回路から発信された電波はあらゆる所で反射し、さらに反射した電波が互いに重なって干渉し、また、反射等に関し、付近の遊技者や検査員自身も影響を及ぼすことから、すべての方向に信号強度で伝播するものではない。
図65ではさらに、島2035と同様に、島2036についても、遊技機1300−11の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−11、遊技機1300−12の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−12、遊技機1300−15の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−15、遊技機1300−16の無線信号発信位置(三角形の中心部)を中心とした円2000−16が示されている。
このような状況で、携帯端末1700は、各遊技機1300から無線信号を受信し、それぞれの無線信号に含まれる遊技機IDと役比情報等を、携帯端末1700のディスプレイ1708に表示するよう制御する。
またここで、携帯端末1700は、受信時の信号強度に応じて、表示順序を制御することができる。例えば、BLE規格に基づいたビーコン信号を受信する場合、信号強度(RSSI(Received Signal Strength Indication))が大きい無線信号に対応する遊技機の情報から順に(すなわち、携帯端末1700に近いと評価された遊技機1300から順に)表示することができる。
また、BLE規格では、ビーコンが発する信号の強さ(TxPower)とRSSIに基づいて、近接度(Proximity:Immediate(非常に近い)、Near(近い)、Far(遠い))を求めることができるため、この近接度に応じて、役比情報等を表示する遊技機1300の順序を制御するようにしてもよい。
さらに、BLE規格では、精度(accuracy)を求めることができるため、この精度を利用して、近接度が同じ遊技機1300をさらに分類することができる。ここで、精度は、信号強度とTxPowerに基づいて推定距離を何回か求めた場合の、当該推定距離のバラツキを示すものである。
図66Aには、図65の状況において、携帯端末1700のディスプレイ1708に表示された役比情報表示画面3001が示されている。
役比情報表示画面3001では、最上部に遊技台番号(表示は「台番号」)=「1300−12」が表示され(符号3003)、これが遊技機1300−12の情報に対応している。遊技台番号の下に役比情報表示部3004がプルダウン方式で展開されており、ここに、遊技機1300−12の役比情報を含む情報が表示されている。役比情報表示部3004には、遊技機ID(表示は「ID」)、総遊技数、有利区間比率、連続役物比率(累積)、役物比率(累積)、連続役物比率(6000G)、役物比率(6000G)が表示されている。
また、この例では、役物比率(累積)の値が75%となっていて、所定の閾値を超えているため、検査員2001の注意を惹くために、例えば、赤字で表示される(図66Aでは、便宜上矩形枠3005で表示)。
役比情報表示部3004の下側には、他の遊技機1300が表示されており(符号3006)、こうした遊技機1300は、携帯端末1700と遊技機1300との推定距離が近い順に上からリストされている。例えば、図66Aに示すように、遊技機1300−12、遊技機1300−8、遊技機1300−11、遊技機1300−4、遊技機1300−16、遊技機1300−7、遊技機1300−3、遊技機1300−15の順に表示される。
また、役比情報表示画面3001の右端に配置されるスクロールバー3002を操作することによって、携帯端末1700との推定距離がさらに遠い遊技機1300をリスト表示させることができる。
ここで、遊技機1300−8〜遊技機1300−15の表示部分を検査員2001がタッチ等することにより、遊技機1300−12について、役比情報表示部3004で表示されていた役比情報等が、対象の遊技機について(当該表示部分の下に)表示される。
こうした遊技機1300の表示順は、図65に示した、携帯端末1700とそれぞれの遊技機1300との推定距離に対応している(なお、ここでは、無線信号の反射や干渉等は考慮していない)。最も推定距離が近い、携帯端末1700と遊技機1300−12との距離は、図65において、矢印A1で示されている。
図66Aに示した役比情報表示画面3001における遊技機1300の表示順は、検査員2001が移動して携帯端末1700と遊技機1300との距離が変化すれば、それに応じて変更されることになる。
また、図66Aに示した役比情報表示画面3001の例では、遊技機1300から無線信号により受信した遊技機IDに基づいて、情報管理サーバ1100にリクエストを行い、対応する遊技台番号を取得し、それを「台番号」として表示している。検査員2001は、この「台番号」と実際の遊技機1300の台番号の表示と付き合わせて、その遊技機1300の役比情報等が、役比情報表示画面3001に表示されたものと認識することができる。しかしながら、情報管理サーバ1100にアクセスせずに、台番号を表示しなくても、検査員2001は、携帯端末1700を遊技機1300に十分近接させることにより、どの遊技機1300の役比情報等が、役比情報表示画面3001の最上部に表示されたものであるかを認識することができる。
図66Aに示した役比情報表示画面3001の例では、上述のように、情報管理サーバ1100から、対応する遊技台番号を取得しているため、同時に、そのホール店舗のフロアにあるすべての遊技機1300の遊技機IDリスト(対応する遊技台番号を含むリスト)を取得している。したがって、スクロールバー3002を操作することによって、まだ役比情報を受信していない遊技機1300を含めてリスト表示させることができる。このとき、本実施形態では、情報管理サーバ1100から取得した遊技機1300の遊技機IDのリストと、役比情報を受信した遊技機IDを比較して、役比情報を受信済みの遊技機1300に関する表示態様と、役比情報をまだ受信していない遊技機1300に関する表示態様とを異なるように設定することができる。例えば、役比情報を受信済みの遊技機1300の遊技台番号の表示色と、役比情報をまだ受信していない遊技機1300の遊技台番号の表示色とを異なるように制御することができる。このような制御によって、役比情報を受信していない遊技機1300を容易に特定することができ、役比情報取得漏れの発生を回避することができる。
図66Bに示す役比情報表示画面3011は、図66Aに示した役比情報表示画面3001と同様の状況における表示であるが、役比情報表示画面3001とは異なる態様で表示が行われている。
すなわち、各遊技機1300の役比情報等が、プルダウン方式でなく、はじめから展開されているものである。ここでも、遊技機1300は、携帯端末1700から近い順に表示されている。
例えば、役比情報表示画面3011では、最上部に遊技台番号(表示は「台番号」)=「1300−12」が表示され(符号3013)、これが遊技機1300−12の情報に対応している。遊技台番号の下に遊技機情報表示部3014が展開されており、ここに、遊技機1300−12の役比情報を含む情報が表示されている。遊技機情報表示部3014には、遊技機ID(表示は「ID」)、総遊技数、有利区間比率、連続役物比率(累積)、役物比率(累積)、連続役物比率(6000G)、役物比率(6000G)が表示されている。
また、この例では、図66Aと同様、役物比率(累積)の値が75%となっていて、所定の閾値を超えているため、検査員2001の注意を惹くために、例えば、赤字で表示される(図66Bでは、便宜上矩形枠3015で表示)。
遊技機情報表示部3014の下側には、遊技台番号(表示は「台番号」)=「1300−8」が表示され(符号3016)、これが遊技機1300−8の情報に対応している。遊技機1300−8は、遊技機1300−12に次いで、携帯端末1700との推定距離が近い遊技機である。さらに、遊技台番号の下に遊技機情報表示部3017が展開されており、ここに、遊技機1300−8の役比情報を含む情報が表示されている。遊技機情報表示部3017には、遊技機ID(表示は「ID」)、総遊技数、有利区間比率、連続役物比率(累積)、役物比率(累積)、連続役物比率(6000G)、役物比率(6000G)が表示されている。
また、この例では、有利区間比率の値が70%、連続役物比率(累積)の値が62%となっていて、それぞれ所定の閾値を超えているため、検査員2001の注意を惹くために、例えば、赤字で表示される(図66Bでは、便宜上矩形枠3018、3019で表示)。
また、役比情報表示画面3011の右端に配置されるスクロールバー3012を操作することによって、携帯端末1700との推定距離がさらに遠い遊技機1300をリスト表示させることができる。
次に、図67を参照して、携帯端末1700において図66Aの役比情報表示画面3001を表示する場合の処理について説明する。図67は、携帯端末1700で役比情報表示画面3001を表示する役比情報表示制御処理の手順を示すフローチャートである。また、図67では、携帯端末1700と情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この役比情報表示制御処理は、例えば、所定のサーバから、指定したアプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。また、当該アプリケーションによって遊技機1300の役比情報が把握可能となるため、当該アプリケーションのダウンロード、又は起動の際に、所定のユーザ認証を行うようにすることが望ましい。
最初に、携帯端末1700において、メインCPU1701が、無線信号(例えば、BLE規格に基づくビーコン信号)を受信したか否かを判別する(S3001)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S3001がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S3001がYES判定の場合)、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S3002)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S3003)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S3003がNO判定の場合)、S3001に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S3003がYES判定の場合)、復号化された無線信号から遊技機IDを取得する(S3004)。次に、メインCPU1701が、その遊技機IDに対応する台番号(遊技台番号)を取得済みか否かを判別する(S3005)。
メインCPU1701が、その遊技機IDに対応する台番号を取得済みであるとき(S3005のYES判定の場合)、S3010の処理に進む。なお、ここで、携帯端末1700が、遊技機1300から総遊技数を取得する場合であって、当該総遊技数の値が、その遊技機1300(遊技機ID)について前回取得された値と同じである場合は、役比情報の表示を変更する必要がないものと判断し、S3001の処理に戻って無線信号を受信するよう制御することができる。
一方、メインCPU1701が、その遊技機IDに対応する台番号を取得済みでないとき(S3005のNO判定の場合)、遊技機IDを含む遊技機情報リクエストを情報管理サーバ1100に送信して、この遊技機IDに対応する台番号を要求する(S3006)。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から遊技機情報リクエストを受信すると、遊技機情報テーブル1152を参照し、受信した遊技機IDに対応する台番号を取得する(S3007)。次に、メインCPU1101は、取得した台番号を携帯端末1700に送信する(S3008)。
携帯端末1700のメインCPU1701が、情報管理サーバ1100から台番号を受信した場合(S3009)、又はS3005のYES判定の場合、メインCPU1701が、復号した無線信号からRSSIを取得する(S3010)。次に、メインCPU1701が、復号した無線信号から役比情報等を取得する(S3011)。
その後、メインCPU1701が、台番号、RSSI、役比情報等に基づいて、役比情報表示画面(例えば、図66Aの役比情報表示画面3001)を表示するための役比情報表示用データを編集する(S3012)。次に、メインCPU1701が、編集した役比情報表示用データにより役比情報表示画面を表示するよう制御する(S3013)。
次に、メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中にユーザ(検査員)の操作があったか否かを判別する(S3014)。メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中に、ユーザによる表示変更指示(例えば、プルダウン表示やスクロールバーの操作)があったと判別した場合(S3014が「表示変更指示」の場合)、メインCPU1701が、S3012の処理に進み、そこで、表示変更指示に応じて役比情報表示用データを再度編集する。メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中に、ユーザによる操作がなかったと判別した場合(S3014がNO判定の場合)、メインCPU1701は、S3001の処理を行い、さらに無線信号を受信し、その結果に基づいて役比情報表示画面を更新する。
メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中に、ユーザによる終了指示があったと判別した場合(S3014が「終了指示」の場合)、メインCPU1701は、この役比情報表示制御処理を終了する。
なお、図67の例では、あらたな遊技機IDが見つかるたびに、情報管理サーバ1100に対して、対応する台番号をリクエストしたが、当該アプリケーションのダウンロードやログインのタイミング等で、検査対象のホール店舗に対応するホールIDを入力させ(又は、ホール店舗内のネットワーク装置に接続した場合に取得し)、そのときに、当該ホール店舗に関する遊技機1300の台番号を一括してダウンロードするように構成してもよい。
また、前述したように、遊技機IDに対応する台番号を情報管理サーバ1100に対してリクエストせず、台番号を表示しないように構成することも可能である。
図68に示す役比情報表示画面3021は、図66Aや図66Bとは異なる態様で示した役比情報表示画面3021である。
役比情報表示画面3021の上部には、遊技機アイコン表示部3022が表示され、役比情報表示画面3021の下部には、役比情報表示部3026が表示されている。
遊技機アイコン表示部3022には、携帯端末1700と遊技機1300との推定距離に応じて、対応する遊技機アイコン3024が表示されている。遊技機アイコン表示部3022の右側には、「20」、「40」、「60」、「80」、「100」といった数字(単位はセンチメートル)が示され、これらが推定距離を表している。各遊技機アイコン3024は、対応する遊技機の台番号を示すとともに、携帯端末1700と遊技機1300との推定距離が長いほど、遊技機アイコン表示部3022の上部に表示されるよう制御される。
また、図68に示す遊技機アイコン表示部3022では、20センチメートルごとに表示域が区分されているが、同じ区分に複数の遊技機1300が属することになった場合、携帯端末1700との推定距離が短い遊技機1300の遊技機アイコン3024が、左側に表示されるようになっている。このため、図68に示す役比情報表示画面3021のGUIにおいては、検査員2001の左側に位置する遊技機1300が、役比情報表示画面3021で左側に位置するように示されない場合があることになる。
実際、遊技機アイコン表示部3022の40〜60センチメートルの区分に表示された遊技機1300−12、遊技機1300−8は、図65を見ると分かるように、左右の位置関係が逆に示されている。
また、遊技機アイコン表示部3022の80〜100センチメートルの区分では、遊技機1300−4、遊技機1300−16、遊技機1300−7、遊技機1300−3が表示対象となるが、最初の2つの遊技機に対応するアイコンが示され、他の2つは、横スクロールにより表示される。
また、スクロールバー3023により、より遠い区分の遊技機アイコン3024を表示させることができる。
ここで、遊技機1300−12に対応する遊技機アイコン3024をタッチすると(矢印3025)、役比情報表示部3026に、遊技機1300−12の役比情報等が表示される。ここで表示される遊技機1300−12の役比情報等は、図66Aの役比情報表示部3004に示されている内容と同様である。
図69は、図68に示した役比情報表示画面3021における表示制御をさらに改良したものである。
図69Aは、図65に示した島2035と島2036の一部を示すものであり、図65に示すものと同様に、島2035と島2036との間の内側通路において、検査員2001が携帯端末1700を保持している。ここで、図69Aでは、検査員2001が、携帯端末1700を左側に移動させた状況(矢印A2)が示されている。
このような場合に、携帯端末1700は、センサー1711(例えば、ジャイロセンサー)を用いて、携帯端末1700の移動方向を検知するとともに、各遊技機1300から受信する無線信号の信号強度の変化(すなわち、携帯端末1700の移動の前後において、各遊技機1300からの無線信号の信号強度がどのように変化したか)を解析する。
携帯端末1700は、上記の解析結果から、遊技機アイコン表示部3022の同じ区分に表示された遊技機アイコン3024について、信号強度が大きくなった遊技機1300に対応する遊技機アイコン3024を左側に配置し、逆に、信号強度が小さくなった遊技機1300、又は、信号強度が大きくなったが、より大きく変化した遊技機があった遊技機1300に対応する遊技機アイコン3024を左側に配置するよう制御する。
この結果、図69Bに示すように、実際に検査員2001の左側に位置する遊技機1300が、役比情報表示画面3021のGUIにおいても左側に表示される。例えば、遊技機アイコン表示部3022の40〜60センチメートルの区分に表示された遊技機1300−12と遊技機1300−8は、図65に示された通り、遊技機1300−8が左側に示されている。
また、遊技機アイコン表示部3022の80〜100センチメートルの区分では、遊技機1300−4、遊技機1300−16、遊技機1300−7、遊技機1300−3が表示対象となるが、図65から分かるように、左側に位置する遊技機1300−4と遊技機1300−3が、左側の2つの遊技機として遊技機アイコン表示部3022に表示されている。
図70は、図68に示した役比情報表示画面3021における表示制御をさらに改良したものである。
図70Aは、図65に示した島2035と島2036の一部を示すものであり、図65に示すものと同様に、島2035と島2036との間の内側通路において、検査員2001が携帯端末1700を保持している。ここで、図70では、検査員2001が、携帯端末1700を保持して内側通路を直進している状況(矢印A3)が示されている。
このような場合に、携帯端末1700は、各遊技機1300から受信する無線信号の信号強度の変化(すなわち、携帯端末1700の移動の前後において、各遊技機1300からの無線信号の信号強度がどのように変化したか)を解析する。
ここで携帯端末1700は、図70Bの役比情報表示画面3031に示すように、遊技機アイコン表示部を前方表示部3032と後方表示部3033に分け、それぞれに、推定距離に応じた区分を設定する。そして、携帯端末1700は、上記の解析結果から、信号強度が大きくなった(すなわち、近づいた)遊技機1300に対応する遊技機アイコン3024を前方表示部3032に配置し、逆に、信号強度が小さくなった(すなわち、遠くなった)遊技機1300に対応する遊技機アイコン3024を後方表示部3033に配置するよう制御する。携帯端末1700は、このように、近接度の変化に応じて、遊技機アイコン3024の表示位置を制御する。
このような表示制御により、図66A、図66B、図68、及び図69では、ただ遊技機1300と携帯端末1700の推定距離に基づいて(前方向や後ろ方向関係無く)表示されていた遊技機アイコン3024が、検査員2001の前後のどちらに位置するかに応じて表示されるようになる。
例えば、図70Bに示す役比情報表示画面3031によって、図70Aに示すような検査員2001の移動で、検査員2001の後方となった遊技機1300が、遊技機1300−7、遊技機1300−11、遊技機1300−8、遊技機1300−15、遊技機1300−3、遊技機1300−16、遊技機1300−12、遊技機1300−4であることが容易に把握でき、これらが推定距離の順で配置される。同様に、検査員2001の前方にある遊技機1300が、遊技機1300−10、遊技機1300−6、遊技機1300−2、遊技機13000−14であることが容易に把握でき、これらが推定距離の順で配置される。
また、ここで、携帯端末1700がセンサー1711(例えば、加速度センサーやジャイロセンサー)を用いて歩数を判定し、携帯端末1700の移動距離を推定し、当該推定された移動距離を考慮して、役比情報表示画面3031を表示するよう構成することもできる。
図71に示す役比情報表示画面3041は、ホール店舗における遊技機1300の配置位置をマップ情報として取得し、当該マップ情報と、各遊技機1300から受信した無線信号の内容から、役比情報表示画面を編集し表示したものである。
図71の役比情報表示画面3041では、マップ表示部3042にホール店舗の遊技機1300と、携帯端末1700が表示され、左端のスクロールバー3043と下部のスクロールバー3044を操作することにより、マップ表示部3042に表示される位置をホール店舗内で移動させることができる。
図71の例では、マップ表示部3042に、図65に示した島2035と島2036の一部の遊技機1300が表示され、携帯端末1700は、画像1700aとして表示されている。また、携帯端末1700の位置(例えば、BLEチップ49dのような無線信号受信回路の位置)が、位置1700bとして示されている。
携帯端末1700は、上述のように、各遊技機1300から無線信号を受信し、その信号強度等から、携帯端末1700と遊技機1300との距離を推定することができるが、ここでは、マップ情報により各遊技機1300のホール店舗における位置が把握されているので、少なくとも3つの遊技機1300から受信する無線信号の信号強度によって、携帯端末1700の位置が推定でき、当該マップ情報と、推定された携帯端末1700の位置に基づいて、マップ表示部3042の表示が可能となる。
なお、マップ情報としては、図63に示すマップ情報テーブル1153により、遊技機1300の左上の点が、ホール店舗の所定の基準点(例えば、図64の基準点2002)からどれほどの距離であるかを示す遊技台位置、遊技機1300のサイズ、及び遊技機1300の無線信号発信回路の位置を示すビーコン発信位置を取得することができる。
各遊技機1300について、マップ情報よりマップ表示部3042における表示位置が決定され、例えば、遊技機1300−8を示す画像1300−8aと、無線信号発信回路の画像1300−8bが編集される。そして、携帯端末1700が遊技機1300−8から受信した無線信号の信号強度に基づいて、遊技機1300−8と携帯端末1700との距離(符号1300−8cの点線で示されている)が推定される。次に、無線信号発信回路の画像1300−8bを中心として、半径が符号1300−8cで示す距離の円を描くと、符号1300−8dに示す円になる。
このような円を、遊技機1300−11、及び遊技機1300−12に対しても同様に描き、3つの円が交わる位置が1700bとなり、この位置に基づいて、携帯端末1700を表す画像1700aが編集される。
上記の編集を、携帯端末1700が移動するたびに行うことによって、役比情報表示画面3041のマップ表示部3042において、島2035と島2036の間の内側通路を携帯端末1700が移動するような表示が実現される。
なお、この例では、3つの円を形成するための遊技機1300は、携帯端末1700との距離が近い(すなわち、受信した信号強度が大きい)順に3つ選択されているが、これに限定されるものではない。また、4つ以上の遊技機1300を選択し、その交点(又は、接近する点)を携帯端末1700の位置として推定することもできる。
また、図71において、遊技機1300−8と携帯端末1700との距離を示す点線(符号1300−8c)、及び無線信号発信回路の画像1300−8bを中心として、半径が符号1300−8cで示す距離の円(符号1300−8d)は、説明のための表示であり、GUIとして示す必要はない(遊技機1300−11、遊技機1300−12についても同様)。
図71に示す役比情報表示画面3041のマップ表示部3042において、遊技機1300を示す画像(例えば、遊技機1300−8を示す画像1300−8a)をユーザがタッチすると、図72の役比情報表示画面3051に示すように、タッチされた遊技機1300に対応する役比情報が表示される。
また、例えば、役比情報を受信済みの遊技機1300の表示態様(例えば、表示色)と、役比情報をまだ受信していない遊技機1300の表示態様(例えば、表示色)とを異なるように制御することができる。このような制御によって、役比情報を受信していない遊技機1300を容易に特定することができ、役比情報取得漏れの発生を回避することができる。
図72の役比情報表示画面3051では、最上部に遊技台番号(表示は「台番号」)=「1300−8」が表示され(符号3052)、その下に遊技機情報表示部3053が表示されており、ここに、遊技機1300−8の役比情報を含む情報が表示されている。遊技機情報表示部3053には、遊技機ID(表示は「ID」)、総遊技数、有利区間比率、連続役物比率(累積)、役物比率(累積)、連続役物比率(6000G)、役物比率(6000G)が表示されている。
役比情報表示画面3051の最下部には、戻るボタン3054が表示されており、これをユーザがタッチすると、携帯端末1700のディスプレイ1708の表示が、図71に示す役比情報表示画面3041に戻る。
次に、図73を参照して、携帯端末1700において図71の役比情報表示画面3041を表示する場合の処理について説明する。図73は、携帯端末1700で役比情報表示画面3041を表示する役比情報表示制御処理の手順を示すフローチャートである。また、図73では、携帯端末1700と情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この役比情報表示制御処理は、例えば、所定のサーバから、指定したアプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。また、当該アプリケーションによって遊技機1300の役比情報が把握可能となるため、当該アプリケーションのダウンロード、又は起動の際に、所定のユーザ認証を行うようにすることが望ましい。
最初に、携帯端末1700のメインCPU1701は、マップ情報リクエストを情報管理サーバ1100に送信して、検査対象であるホール店舗に関するマップ情報を要求する(S3031)。ホール店舗に対応するホールIDは、アプリケーションのダウンロードや起動時、又はこの役比情報表示制御処理の開始時にユーザから指定されうる(ホール店舗内のネットワーク装置に接続した場合に取得することもできる)。また、ホール店舗の特定のフロアをさらに指定することもできる。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700からマップ情報リクエストを受信すると、遊技機情報テーブル1152を参照し、受信したホール店舗のホールIDに対応する遊技機IDを特定するとともに台番号を取得し、さらにマップ情報テーブル1153を参照し、各遊技機IDのマップ情報を取得する(S3032)。次に、メインCPU1101は、取得した台番号とマップ情報を携帯端末1700に送信する(S3033)。
次に、携帯端末1700において、メインCPU1701が、無線信号(例えば、BLE規格に基づくビーコン信号)を受信したか否かを判別する(S3034)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S3034がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S3034がYES判定の場合)、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S3035)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S3036)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S3036がNO判定の場合)、S3034に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S3036がYES判定の場合)、復号化された無線信号からRSSIを取得する(S3037)。次に、メインCPU1701が、復号した無線信号から役比情報等を取得する(S3038)。
次に、携帯端末1700において、メインCPU1701が、所定時間経過したか否かを判別する(S3039)。メインCPU1701が、所定時間経過していないと判別したとき(S3039がNO判定の場合)、S3044の処理に進む。メインCPU1701が、所定時間経過していると判別したとき(S3039がYES判定の場合)、例えば、遊技機IDと関連付けて把握されるRSSIの値を比較し、当該RSSIの値が大きい順に(すなわち、携帯端末1700に近い順に)、3つの遊技機1300を選択し、RSSI等を用いて推定した各遊技機1300と携帯端末1700との距離に基づいて、携帯端末の位置を推定する(S3040)。
次に、メインCPU1701は、受信した遊技機1300に係るマップ情報と、推定した携帯端末の位置等に基づいて、マップ画像を展開する(S3041)。その後、メインCPU1701は、展開したマップ画像、台番号、役比情報に基づいて、役比情報表示画面(例えば、図71に示す役比情報表示画面3041)を表示するための役比情報表示用データを編集する(S3042)。その後、メインCPU1701は、役比情報表示用データに基により役比情報表示画面を表示するよう制御する(S3043)。
次に、メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中にユーザ(検査員)の操作があったか否かを判別する(S3044)。メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中に、ユーザによる表示変更指示(例えば、遊技機1300に対応する画像のタッチ)があったと判別した場合(S3044が「表示変更指示」の場合)、メインCPU1701が、S3042の処理に進み、そこで、表示変更指示に応じて役比情報表示用データを再度編集する。メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中に、ユーザによる操作がなかったと判別した場合(S3044がNO判定の場合)、メインCPU1701は、S3034の処理を行い、さらに無線信号を受信し、その結果に基づいて役比情報表示画面を更新する。
メインCPU1701が、役比情報表示画面の表示中に、ユーザによる終了指示があったと判別した場合(S3044が「終了指示」の場合)、メインCPU1701は、この役比情報表示制御処理を終了する。
なお、図73の例では、情報管理サーバ1100にアクセスして、ホール店舗の遊技機の遊技機ID、遊技機IDに対応する台番号、ホール店舗における各遊技機のレイアウト(マップ情報)を取得するようにしたが、例えば、当該アプリケーションのダウンロードやログインのタイミング等で、検査対象のホール店舗に対応するホールIDを入力させ、そのときに、当該ホール店舗に関する遊技機ID、台番号、マップ情報を一括してダウンロードするように構成してもよい。
また、本実施形態では、RSSIといった受信信号の信号強度に基づいて遊技機1300と携帯端末1700との距離を推定したが、無線信号の反射や干渉によって取得される信号強度に誤差や不安定さ(バラツキ)が生じる。このような誤差や不安定さに対処するため、所定時間における平均を求めたり、極端な信号強度の増加や減少をノイズとして除去するためにローパスフィルタを用いたりすることができる。
次に、図74〜図76を参照して、役比情報表示制御処理のさらに別の方法について説明する。図74は、遊技機1300の無線信号発信回路において無線信号(例えば、ビーコン信号)を発信するタイミングのバリエーションについて示した図である。
図74Aは、島2035の第1列の遊技機(遊技機1300−1〜遊技機1300−4を含む列(図65参照))における無線信号発信パターンを示しており、無線信号の発信(例えば、BLE規格では、アドバタイズメント・パケットの送信)が、20ms間隔(アドバタイズ・インターバル)で50回(すなわち、1秒間)繰り返された後、当該無線信号の発信を1秒間停止し、こうしたインターバルで発信と発信の停止を繰り返す。
図74Bは、島2035の第2列の遊技機(遊技機1300−5〜遊技機1300−5を含む列(図65参照))における無線信号発信パターンを示しており、無線信号の発信(例えば、BLE規格では、アドバタイズメント・パケットの送信)が、20ms間隔で50回(すなわち、1秒間)繰り返された後、当該無線信号の発信を2秒間停止し、その後、こうしたインターバルで発信と発信の停止を繰り返す。
図74Cは、島2036の第1列の遊技機(遊技機1300−9〜遊技機1300−12を含む列(図65参照))における無線信号発信パターンを示しており、無線信号の発信(例えば、BLE規格では、アドバタイズメント・パケットの送信)が、20ms間隔で100回(すなわち、2秒間)繰り返された後、当該無線信号の発信を1秒間停止し、その後、こうしたインターバルで発信と発信の停止を繰り返す。
図74Dは、島2036の第2列の遊技機(遊技機1300−13〜遊技機1300−16を含む列(図65参照))における無線信号発信パターンを示しており、無線信号の発信(例えば、BLE規格では、アドバタイズメント・パケットの送信)が、20ms間隔で100回(すなわち、2秒間)繰り返された後、当該無線信号の発信を2秒間停止し、その後、こうしたインターバルで発信と発信の停止を繰り返す。
図75Aは、図66Aに示した役比情報表示画面3001と同様の役比情報表示画面3061である。
役比情報表示画面3061では、最上部に遊技台番号(表示は「台番号」)=「1300−12」が表示され(符号3063)、これが遊技機1300−12の情報に対応している。遊技台番号の下に役比情報表示部3064がプルダウン方式で展開されており、ここに、遊技機1300−12の役比情報を含む情報が表示されている。役比情報表示部3004には、遊技機ID(表示は「ID」)、総遊技数、有利区間比率、連続役物比率(累積)、役物比率(累積)、連続役物比率(6000G)、役物比率(6000G)が表示されている。
役比情報表示部3064の下側には、他の遊技機1300が表示されており(符号3065)、こうした遊技機1300は、携帯端末1700と遊技機1300との推定距離が近い順に上からリストされている。
また、役比情報表示画面3061の右端に配置されるスクロールバー3062を操作することによって、携帯端末1700との推定距離がさらに遠い遊技機1300をリスト表示させることができる。
役比情報表示画面3061の最下部には、「同じ列の遊技機のみを表示する」と表示された表示指示ボタン3066と、「同じ島の遊技機を表示する」と表示された表示指示ボタン3067とが表示されている。GUIとしては、この点が、図66Aに示した役比情報表示画面3001と異なる部分である。
携帯端末1700のメインCPU1701は、表示指示ボタン3066がユーザによってタッチされると、最も上にリストされている(すなわち、携帯端末1700に最も近いと推定されている)遊技機1300(ここでは、遊技機1300−12)と同じ列の遊技機のみを表示するよう制御する。
具体的には、遊技機1300−12の無線信号発信パターン(すなわち、無線信号の発信が20ms間隔で100回繰り返された後、当該無線信号の発信を1秒間停止するパターン(図73D参照))と同じパターンの他の遊技機を表示するとともに、それ以外の遊技機についての表示を抑止する。
また、携帯端末1700のメインCPU1701は、表示指示ボタン3067がユーザによってタッチされると、最も上にリストされている(すなわち、携帯端末1700に最も近いと推定されている)遊技機1300(ここでは、遊技機1300−12)と同じ島の遊技機のみを表示するよう制御する。
具体的には、遊技機1300−12の無線信号発信パターン(すなわち、無線信号の発信が20ms間隔で100回繰り返されるパターン(図73C、図73D参照))と同じパターンの他の遊技機を表示するとともに、それ以外の遊技機についての表示を抑止する。
図75Aの役比情報表示画面3061において、表示指示ボタン3066がタッチされると、図75Bの役比情報表示画面3071に示すように、遊技機1300−12が、その島の列に配置される他の遊技機1300(遊技機1300−11、遊技機1300−10)とともにリスト表示される(符号3072)。なお、この例では、遊技機1300−9は、遊技機1300−12と同じ列に配置されているが、携帯端末1700から遠くて無線信号の信号強度が十分でないために表示されないこととなっている。
図75Bの役比情報表示画面3071では、上記のような遊技機1300のリスト表示の下に、「他の列の遊技機を表示する」と表示された表示指示ボタン3073、「同じ島の遊技機を表示する」と表示された表示指示ボタン3074、及び「すべての遊技機を表示する」と表示された表示指示ボタン75が表示されており、携帯端末1700のメインCPU1701は、これらのボタンがタッチされると、上述した無線信号の発信パターンに基づいて、遊技機1300をグループ化し、表示対象と判定された遊技機1300を表示する。
また、表示指示ボタン3073のタッチを繰り返すことにより、他の列の遊技機1300のグループを順次表示させていくことができる。
このように、遊技機1300の配置位置に応じて、図73に示したような無線信号発信の各パターンを対応付けることによって、携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100にアクセスすることなく、島ごと、又は島の列ごとに、遊技機1300を分類して表示させることができる。
なお、この例では、遊技機1300の配置位置に応じて、無線信号発信パターンを変えるように構成したが、例えば、遊技機1300の機種、種別、製造タイミング、メーカーといった属性に応じて、無線信号発信パターンを変えることにより、遊技機1300の役比情報を当該属性ごとに表示させることができる。
また、上記の例では、無線信号の発信間隔(例えば、BLE規格のアドバタイズ・インターバル)を20msとしたが、例えば、この発信間隔を、遊技機1300の配置位置や、遊技機1300の機種、種別、製造タイミング、メーカーといった属性に応じて替えることによって、遊技機1300をいくつかのグループに分類し、携帯端末1700において、特定の1又は複数のグループに属する遊技機1300に関する情報を選択的に表示することができる。
図76Aは、図62Bに示す遊技機情報テーブル1152の変形例である遊技機情報テーブル1152’の構成を示している。遊技機情報テーブル1152’では、遊技機1300ごとに、その遊技機1300が配置される島を識別可能な島番号と、その島のなかの列を識別可能な列番号がセットされている。
このような遊技機情報テーブル1152’を用意することによっても、図75Aの役比情報表示画面3061を表示することができる。この場合は、各遊技機1300の無線信号パターンにバリエーションを設ける必要はないが、情報管理サーバ1100にアクセスして、遊技機情報テーブル1152’から、対応する遊技機IDの島番号、及び列番号を取得する必要がある。さらに、この場合、役比情報表示画面3061において、表示させる遊技機1300の島番号や列番号を指定することができる。
[役比情報表示制御処理の拡張]
本実施形態では、上記のように携帯端末1700のディスプレイ1708に役比情報表示画面3001等をリアルタイムに近いタイミングで表示させる他に、携帯端末1700が遊技機1300から受信した役比情報を、ROM1702等に記憶・蓄積するよう制御することができる。こうして蓄積された役比情報は、例えば、遊技機ID、総遊技数、有利区間比率、連続役物比率(累積)、役物比率(累積)、連続役物比率(6000G)、役物比率(6000G)、受信日時(更新日時)を含むものである。また、役比情報として、さらに、遊技台番号や、遊技機のホール店舗における配置位置を示す位置情報を記憶するように構成することもできる。
なお、携帯端末1700は、これらの役比情報を、遊技機1300から所定の時間間隔で(例えば、BLE規格のビーコン信号では、20ms間隔(アドバタイズ・インターバル)で)受信するため、こうして受信したデータをすべて蓄積することができるが、ROM1702等のデータ容量の関係もあり、受信した役比情報から、所定のタイミングの役比情報(例えば、総遊技数が変化した最初の役比情報)を選択して蓄積するように構成することができる。
さらに、携帯端末1700は、例えば、所定アプリケーションによって表示されたメニューをユーザ(検査員)が操作することにより、ROM1702等に蓄積された上記役比情報を、後でディスプレイ1708に表示したり、(無線LAN等で接続されたプリンターに)帳票を出力することができる。このようなディスプレイ1708への表示レイアウトや帳票レイアウトは、例えば、図66Aに示す役比情報表示画面3001や、図66Bに示す役比情報表示画面3011のようなレイアウトであってもよい。
また、上記アプリケーションのメニューで役比情報の表示や帳票出力を指示する際に、ユーザは、遊技台番号、遊技機ID、総遊技数や有利区間比率といった役比情報、ホール店舗における配置位置、受信日時等に関して、表示(印刷)対象となる遊技機の範囲を設定することができる。さらに、ユーザは、遊技台番号、遊技機ID、総遊技数や有利区間比率といった役比情報、ホール店舗における配置位置、受信日時等に関して所定の順序で表示(印刷)するように指定することができ、また、例えば、役比情報が所定の値以上であった遊技機や、役比情報が所定の時期・期間に、所定の値以上であった遊技機等、一定の条件を満たした遊技機を選択的に表示(印刷)するように指定することもできる。また、同じ遊技機について、役比情報の時系列の変化(例えば、日々の変化)を分析し、その変化の状況に応じて表示や印刷を行ったり、表示態様・印刷態様を他と異なるようにしてもよい。
またさらに、本実施形態では、携帯端末1700が遊技機1300から受信した役比情報を、無線LAN通信や、3G、4Gといった移動通信システムによる無線ネットワークを経由して情報管理サーバ1100に送信し、そこで、役比情報蓄積テーブル1160に役比情報が蓄積されるよう構成することができる。役比情報蓄積テーブル1160は、例えば、図76Bに示すように、遊技機ID、総遊技数、有利区間比率、連続役物比率(累積)、役物比率(累積)、連続役物比率(6000G)、役物比率(6000G)、受信日時(更新日時)の各項目を含む。
ここで、携帯端末1700は、役比情報を遊技機1300から受信したタイミングに応じて(例えば、BLE規格のビーコン信号では、20ms間隔(アドバタイズ・インターバル)で)、当該役比情報を情報管理サーバ1100に送信し、情報管理サーバ1100でこれらの役比情報を上記の役比情報蓄積テーブル1160に蓄積することができるが、所定のタイミングの役比情報(例えば、総遊技数が変化した最初の役比情報)を選択して情報管理サーバ1100に送信するよう構成することができる。
このように、携帯端末1700では、受信した役比情報を、携帯端末1700のメモリに蓄積して後で印刷したり、情報管理サーバ1100に送信し役比情報蓄積テーブル1160に蓄積したりすることができるため、検査員による不正(例えば、役比情報が報告段階で編集されたり虚偽の報告がされたりする不正)やミスを防止することができる。
[遊技機と外部集中端子板の対応付け]
外部集中端子板47等のIDを遊技機に紐付けて遊技機を特定しようとする場合、このIDを遊技機IDとして管理することができるが、このような遊技機IDとして、例えば、外部集中端子板47等に配置されたBLEモジュールのUIDといった、外部集中端子板に含まれる装置等のIDを用いることができる。この場合、外部集中端子板の交換等によって、遊技機IDと遊技機の識別子(例えば、遊技台番号等)との対応付けが変更されると、BLEモジュールから受信した役比情報が、どの遊技機のものか特定できなくなる。
そこで、本実施形態では、役比情報を受信した携帯端末1700が、遊技機IDと遊技機の識別子との対応付けの変更に応じて、役比情報の表示を変更するようにする。例えば、携帯端末1700が、遊技機IDと、遊技機の識別子との対応関係を対応関係データとして記憶しており、役比情報を表示・印刷する際に、当該対応関係データを用いて、受信した遊技機IDに対応付けられた遊技台番号を取得して表示等するように構成する。そして、遊技機IDと遊技台番号との対応付けが変更されると、携帯端末1700のアプリケーションが(例えば、起動時の更新処理や情報管理サーバ1100等からの指示により)当該変更に応じて、上述の対応関係データを更新し、これを最新のものに維持する。このような方法によって、携帯端末1700は、遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係が変化した場合であっても、最新の対応関係に基づいて遊技台番号等を表示・印刷することができる。
また、遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係を記憶する対応関係データを情報管理サーバ1100といったサーバに記憶し、携帯端末1700のアプリケーションが、役比情報を表示・印刷する際に、情報管理サーバ1100等にアクセスして最新の対応関係データを把握するように構成することもできる。ここで、対応関係データは、例えば、図62Bに示す遊技機情報テーブル1152のような構成であり、このテーブルでは、遊技機ID(ここでは、BLEモジュールのUID等を指す)と遊技台番号との対応関係がホール店舗ごとに管理されている。
上述のように、携帯端末1700のアプリケーションが、遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係の変更に応じて対応関係データを更新する場合、上記の情報管理サーバ1100に記憶されている対応関係データから必要なデータを取得することができる。
また、こうした遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係の変更は、当該対応関係が変更される原因となった外部集中端子板の交換等を把握しうる工場、ホール店舗、情報管理システムの管理者・運営者等が、情報端末等を用いて入力することにより行われる。例えば、ホール店舗では、ホール店舗の管理者等が、ホール管理端末1600を用いて、遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係を変更するよう入力し、情報管理サーバ1100の対応関係データを更新する。また、遊技機を新たにホール店舗に配置する場合は、その遊技機に関する対応関係データが上記の関係者によって入力される。
さらに、携帯端末1700から、遊技機のドアについて開閉操作が行われたことを示すドア開閉情報を外部集中端子板に配置されたBLEモジュール等を介して受信した場合に(後述の第6実施形態参照)、遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係を確認するよう管理者に促すメッセージを送信することができる。
例えば、遊技機が、当該遊技機の所定のドアが開放されたことを検知した場合に、外部集中端子板に配置されたBLEモジュールを介して、遊技機ID(ここでは、BLEモジュールのUID等を指す)とともに、ドアが開放されたことを示すドア開閉情報をBLE信号により送信する。携帯端末1700が、こうして送信された遊技機IDとドア開閉情報を受信すると、これを情報管理サーバ1100に送信する。ここでさらに、情報管理サーバ1100は、受信した遊技機IDとドア開閉情報に基づいて、遊技機状況管理テーブル1155を更新するとともに(後述の第6実施形態参照)、上述した対応関係データの対応する遊技機IDのレコードにおいて、対応関係確認フラグを「1」にセットする(なお、ここでは、対応関係データにおいて、新たに対応関係確認フラグが設けられ、対応関係確認フラグの初期値は「0」である)。
次に、情報管理サーバ1100は、対応関係データを参照して、対応関係確認フラグが「1」となっている遊技機IDと、対応する遊技台番号を、対応関係の確認が必要であるとして、ホール管理端末1600に送信し、その後、その対応関係確認フラグを「0」とする。このようにして、ホール店舗では、一度、ドアが開放された遊技機について、外部集中端子板が交換等された結果、遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係が変更された可能性があるとして、当該対応関係の確認を促すメッセージ等がホール管理端末1600に表示される。
また、このような対応関係の確認を促すメッセージ等の送信は、同様に、遊技機の電断復帰時に行うようにすることも可能である。
なお、このとき、遊技機の所定のドアが閉じられたことを検知した場合にも、外部集中端子板に配置されたBLEモジュールを介して、遊技機IDとともに、ドアが閉じられたことを示すドア開閉情報がBLE信号により送信されるように構成することで、情報管理サーバ1100は、遊技機のドアが閉じられたという事象についても管理することができるので、例えば、同じ遊技機IDについて、所定の期間内にドアを開放することを示すドア開閉情報と、ドアが閉じられたことを示すドア開閉情報を受信した場合は、外部集中端子板の交換等のためのドア開閉ではないと判断して、当該遊技機IDに関しては、ホール管理端末1600に送信しないように制御することができる。
また、情報管理サーバ1100は、遊技機のドアが閉じられたことを示すドア開閉情報を受信した場合であって、受信した遊技機IDが、対応関係データに記憶されていない新たなIDであった場合は、外部集中端子板の交換等がされたものと判断して、その旨をホール管理端末1600に送信するように制御することができる。
また、このとき、ドアが開放されたことを示すドア開閉情報のみを受信している遊技機IDや、直近の(又は、所定の期間内に受信した)ドアが開放されたことを示すドア開閉情報に関する遊技機IDといった、所定の条件に合致する遊技機IDを、交換前の外部集中端子板に係る遊技機IDと判断して、対応する交換後の外部集中端子板に係る遊技機IDと関連付けてホール管理端末1600に送信するように制御することができる。このように関連付けられた遊技機IDが示されることにより、ホール店舗の管理者は、特定の遊技機に関して、遊技機IDが(外部集中端子板の交換等により)どのIDからどのIDに変化したかを容易に推定することができる。
なお、この例では、対応関係の確認が必要である遊技機ID等を、ホール店舗に配置されたホール管理端末1600に送信するものとしたが、遊技機IDと遊技機の識別子との対応関係を管理すべき管理者に応じて、携帯端末1700を含む様々なコンピュータに送信可能である。
また、対応関係データにおいて、新たに対応関係確認済みフラグを設け、対応関係の確認が促された結果、当該確認を行ったことを管理するようにすることができる。例えば、ホール管理端末1600や携帯端末1700において、対応関係の確認を促すメッセージに対して、必要な変更入力や確認を行うとともに、確認完了のチェックを入力すると、それらの情報が情報管理サーバ1100に送信され、当該送信情報に基づいて対応関係データの対応するレコードが更新される。例えば、対応関係確認フラグに「0」がセットされ、対応関係確認済みフラグに「1」がセットされる(対応関係確認済フラグの初期値は「0」である)。
ここで、情報管理サーバ1100は、所定時間経過後に、対応関係データの対応関係確認フラグが「1」で、対応関係確認済フラグが「0」となっている遊技機IDが未確認であると判断し、ホール管理端末1600や携帯端末1700に、対象となる遊技機IDの確認を促すためのメッセージを送信する。
このような仕組みにより、遊技機IDと遊技機が継続して正しい対応関係に維持され、外部集中端子板の交換等があっても、役比情報を正しく把握することができる。また、外部集中端子板の交換等の可能性を検知し、管理者が遊技機IDと遊技機との対応関係を確認すべき対象を管理できるとともに、管理者によってその対応関係を確認するよう促すことができる。また、管理者による当該対応関係の確認がされたか否かを管理するよう構成することもできる。
なお、後述の第6実施形態では、携帯端末1700が、遊技機から送信されるドア開閉情報を含むBLE信号を受信し、受信信号を情報管理サーバ1100に送信し、これらの処理は、携帯端末1700の所有者・操作者(例えば、ホール店舗のスタッフや遊技者)によって意識・知覚されることなく、秘密裏に行われうるものであったが、ここでは、携帯端末1700のユーザは、アプリケーションを起動し、外部集中端子板の交換や電断復帰の操作に立ち会いながら、意識的にドア開閉情報等を、携帯端末1700を経由して情報管理サーバ1100に送信することができる。
<<第5実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第5実施形態に係る情報管理システムの構成及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている各遊技機1300の流通を管理する遊技機流通管理処理が実現される。
<システムの概要>
図77は、本発明の第5実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、遊技機1300aから、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、その無線信号に含まれる遊技機IDが、当該無線信号を受信する携帯端末1700で取得される。遊技機1300aは、上述の遊技機1300と同様の構成を有するが、ここでは、無線信号に役比情報等を含まないように構成することもできる。また、別の無線信号発信回路(例えば、上述したBLEモジュール49とは別のBLEモジュール等)により無線信号を発信するようにしてもよい。
遊技機1300aから無線信号を受信した携帯端末1700は、携帯端末1700が把握するホールID(ホール店舗を識別可能な識別子)、及び日時情報とともに、遊技機IDを情報管理サーバ1100に送信する。情報管理サーバ1100は、携帯端末1700から遊技機ID等を受信すると、遊技機流通管理テーブル1154を参照して、当該遊技機IDとホールIDの組合せに係るレコードが存在するか否かを判定し、存在しない場合は日時情報を初回受信日時としてレコードを追加し、存在する場合は、当該レコードの直近受信日時を更新する。
また、本実施形態では、遊技機1300aに接続されたデータ表示装置300aに組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール306(図78参照))から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機IDを送信するようにしてもよい。また、サンド装置1370や、遊技機1300aに直接、又は間接的に接続された他の周辺装置に組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機IDを送信するようにしてもよい。
このような遊技機流通管理処理によって、遊技機1300aがどのホール店舗にいつからいつまで配置されていたかを管理することができる。この場合、遊技機1300がホール店舗に配置された日時と、当該ホールから移動された日時は「概略」に過ぎないが、携帯端末1700による上記無線信号の受信を頻繁に行うことによって、遊技機1300aの移動のタイミングをより詳細に把握することができる。このような携帯端末1700による遊技機IDの受信は、例えば、遊技機メーカーの担当が、営業や頭取りのためにホール店舗を巡回することにより実現することができる。また、遊技機の流通管理に係る第三者機関のスタッフがこうした巡回を行ってもよい。
さらに、このような遊技機流通管理処理によって、遊技機1300の追跡が容易となり、効果的な製造・流通戦略の立案が可能となる。また、結果として、遊技機1300の利用期間や利用環境を把握することができるため、効果的な品質管理を行うこともできる。こうした追跡や品質管理は、遊技機1300aとその部品を紐付けることにより、各部品についても実施することができる。
携帯端末1700によって各遊技機1300aからの無線信号が受信され、これによって遊技機1300aの遊技機IDが取得されるため、ユーザは、遊技機1300aの前を通過するだけで多くの遊技機1300aの遊技機IDを収集することができる。
ここで、遊技機IDは、遊技機1300aを全体として個別に識別可能な識別子であり、例えば、メインCPU101の「チップ個別ナンバー」や主制御回路のメインROM102等に前もって記憶されているID等を割り当てることが可能である。
また、外部集中端子板647、BLEモジュール649のROM649b、BLEチップ649d等のIDであって、遊技機に対応付けて設定されたものであってもよい(図78参照)。なお、こうしたIDと遊技機1300aとの紐付けは、ホール店舗や工場において行われうる。また、これらのIDは、外部集中端子板47が交換された場合等においては、再度紐付けを行う必要がある。
なお、本実施形態の遊技機流通管理処理において想定される携帯端末1700のユーザとしては、例えば、ホール店舗の管理者やスタッフ、遊技機1300aの製造メーカー、遊技機1300aの流通管理を行う第三者機関等が考えられる。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
図78では、遊技機1300aの主制御回路690にマイクロプロセッサ691(メインCPU601)と役比モニタ695が含まれており、ここで役比モニタ695は、例えば、4桁7セグLED回路である。マイクロプロセッサ691が、この役比モニタ695に対して役比情報(4桁7セグLED用の出力データ)を送信すると、これに応じて、役比モニタ695が、4桁の7セグLEDを点灯させ、役比情報を表示するようになっている。
外部集中端子板647の基板上には、リレー回路648とBLEモジュール649が実装されており、マイクロプロセッサ691が、外部集中端子板647にメダル投入信号とメダル払出信号(1枚のメダル投入、及び1枚のメダル払出のたびに1つ送出されるパルス信号)を送出すると、これらの信号が、リレー回路648を介して、外部集中端子板647に接続された外部のデータ表示装置300aのCPU301に提供され、CPU301によって、当該受信信号に基づいた遊技情報の表示等が行われる。
マイクロプロセッサ691はさらに、外部集中端子板647を介して接続されるデータ表示装置300aのBLEモジュール306に対して、遊技機IDを送信する。BLEモジュール306は、ここでは図示しないが、CPU、ROM、RAM、及びBLEチップを含む。BLEモジュール306のCPUは、ROMに記憶されているプログラムに基づいて、マイクロプロセッサ691からのデータ(遊技機ID)を受信した場合に、BLEチップを制御し、遊技機ID、ホールID、日時情報を、BLE規格のビーコン信号として、BLEチップのアンテナから無線送信する。BLEチップにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯端末1700により受信可能である。
なお、データ表示装置300aや後述のデータ表示装置300bに対しては、サンド装置1370やホールコンピュータ1200を介して遊技機ID等のデータが送信されるように更新することもできる。
マイクロプロセッサ691はまた、BLEモジュール649に対して、遊技機ID、及び役比情報を送信する。BLEモジュール649は、CPU649a、ROM649b、RAM649c、及びBLEチップ649dを含む。CPU649aは、ROM649bに記憶されているプログラムに基づいて、マイクロプロセッサ691からのデータ(遊技機ID、及び役比情報)を受信した場合に、BLEチップ649dを制御し、遊技機IDと役比情報を、BLE規格のビーコン信号として、BLEチップ649dのアンテナから無線送信する。BLEチップ649dにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯端末1700により受信可能である。
なお、図78の例では、役比モニタ695やBLEモジュール649を備え、これらによって役比情報の表示・送信が行われるが、これらの構成を省略することができる。また、図77、図78に示したように、外部集中端子板647のBLEモジュール649によって、携帯端末1700に遊技機IDを送信するように構成することもできる。
<情報管理システムで利用されるテーブルの構成>
次に、図79を参照して、情報管理システム1001の遊技機流通管理処理で利用されるデータを格納するテーブルについて説明する。
図79には、遊技機流通管理テーブル1154の例が示されている。遊技機流通管理テーブル1154は、遊技機ID、ホールID、初回受信日時、直近受信日時を含む。上述の遊技機流通管理処理によって、遊技機が複数のホール店舗に亘って、それぞれどれくらいの期間利用されていたかが把握される。例えば、図79の例では、遊技機ID=「4890989216」の遊技機は、ホールID=「H001」のホール店舗で約3年3ヶ月、ホールID=「H038」のホール店舗で約1年9ヶ月利用されていたことがわかる(符号B1参照)。
<情報管理システムにおける遊技機流通管理処理の説明>
次に、図80を参照して、携帯端末1700と情報管理サーバ1100における遊技機流通管理処理について説明する。図80は、携帯端末1700と情報管理サーバ1100で実行される遊技機流通管理処理の手順を示すフローチャートである。また、図80では、携帯端末1700と情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この遊技機流通管理処理は、例えば、所定のサーバから、指定したアプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。ここでは、遊技機流通管理処理に際して、当該アプリケーションが起動されているものとする。なお、後述する無線信号の受信を行った場合に、当該アプリケーションを起動したり、起動を促すメッセージを表示させたりすることもできる。
最初に、携帯端末1700のメインCPU1701は、ユーザからホールIDを受信したか否かを判別する(S3061)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S3061がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。ホールIDは、遊技機流通管理処理を行うホール店舗を特定するもので、例えば、ユーザが、携帯端末1700のディスプレイ1708にリスト表示されたホール店舗名称から1つを選択することによって、携帯端末1700に提供される。
なお、ホールIDの代わりに、ホール店舗付近に位置する携帯端末1700においてGPSにより得られた座標データや、地図アプリケーションによってホール店舗を特定した場合に得られる座標データ等を用いることもできる。この場合、上述した遊技機流通管理テーブル1154にも、この座標データ等が記憶される。
メインCPU1701が、ホールIDを受信したと判別したとき(S3061がYES判定の場合)、メインCPU1701が、無線信号(例えば、BLE規格に基づくビーコン信号)を受信したか否かを判別する(S3062)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S3062がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S3062がYES判定の場合)、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S3063)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S3064)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S3064がNO判定の場合)、S3062に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S3064がYES判定の場合)、復号化された無線信号から遊技機IDを取得する(S3065)。次に、メインCPU1701が、所定期間内で(例えば、1日、1時間、アプリケーション起動後から今まで、といった期間内で)その遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信したか否かを判別する(S3066)。メインCPU1701が、その遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信したと判別したとき(S3066がYES判定の場合)、S3062に戻り、無線信号の受信を行う。この判別は、必要以上に頻繁に同じ遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信しないようにするためである。
メインCPU1701が、その遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信していないと判別したとき(S3066がNO判定の場合)、受信信号から取得した遊技機IDと、携帯端末1700で保持するホールID、及び日時情報を情報管理サーバ1100に送信する(S3067)。なお、ここで日時情報を送信せず、情報管理サーバ1100によって当該日時情報をセットすることもできる。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から遊技機ID、ホールID等を受信すると、遊技機流通管理テーブル1154を参照し、遊技機IDとホールIDの組合せが、遊技機流通管理テーブル1154に既に存在するか否かを確認する(S069)。
メインCPU1101が、遊技機IDとホールIDの組合せが、遊技機流通管理テーブル1154に既に存在すると判別したとき(S3070がYES判定の場合)、メインCPU1101は、遊技機IDで示される遊技機1300aがそのホールIDのホール店舗に配置されていることが把握されているので、遊技機流通管理テーブル1154の当該レコードについて、直近受信日時を日時情報で更新し、この項目を最新の日時とする(S3072)。
一方、メインCPU1101が、遊技機IDとホールIDの組合せが、遊技機流通管理テーブル1154に既に存在しないと判別したとき(S3070がNO判定の場合)、メインCPU1101は、遊技機IDで示される遊技機1300aがそのホールIDのホール店舗に配置されていることがまだ把握されていないということなので、遊技機流通管理テーブル1154に、遊技機IDとホールIDを含むレコードを追加する(S3071)。そして、初回受信日時に日時情報をセットする。
S3071の処理後、又はS3072の処理後、メインCPU1101は処理を終了する。
携帯端末1700のメインCPU1701は、S3067の処理後、ユーザから終了指示があったか否かを判別する(S3068)。ユーザから終了指示があったと判別したとき(S3068がYES判定の場合)、遊技機流通管理処理を終了する。ユーザから終了指示がないと判別したとき(S3068がNO判定の場合)、S3062に戻り、無線信号の受信を行う。
このような遊技機流通管理処理を各ホール店舗においてユーザが実施することにより、図79に示すように、遊技機流通管理テーブル1154に多くの流通データが蓄積される。情報管理サーバ1100では、こうした遊技機流通管理テーブル1154の流通データを所定のタイミングで解析することにより、遊技機1300aの利用態様(利用のされかた、移動の頻度等)や品質について有用なデータを取得することができる。また、遊技機IDを遊技機の種別、メーカー、製造日等とリンクさせることにより、これらの属性ごとの利用態様・品質等を把握することができる。
なお、本実施形態において、例えば、図70に示すような遊技機アイコンを携帯端末1700で表示させて、遊技機IDを取得した遊技機の遊技機アイコンと、遊技機IDを取得していない遊技機の遊技機アイコンを区別して表示するようにしてもよい。また、ここで、遊技機IDを取得した遊技機の遊技機アイコンのみを表示させるようにすることもできる。また、図71に示すように、遊技機の配置位置を、マップ情報テーブル1153を用いて表示し、そこで、遊技機IDを取得した遊技機と、遊技機IDを取得していない遊技機を区別して表示するようにしてもよい。
<<第6実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第6実施形態に係る情報管理システムの構成及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている各遊技機1300のドア開閉情報や稼働時間情報を送信する遊技機状況送信処理や、遊技機状況チェック処理が実現される。
<システムの概要>
図81は、本発明の第6実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、遊技機1300bから、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、その無線信号に含まれる遊技機IDが、ドア開閉情報及び稼働時間情報とともに、当該無線信号を受信する携帯端末1700で取得される。遊技機1300bは、上述の遊技機1300と同様の構成を有するが、ここでは、無線信号に役比情報等を含まないように構成することもできる。また、別の無線信号発信回路(例えば、上述したBLEモジュール49とは別のBLEモジュール等)により無線信号を発信するようにしてもよい。
遊技機1300bから無線信号を受信した携帯端末1700は、携帯端末1700が把握する日時情報とともに、遊技機ID、ドア開閉情報、及び稼働時間情報を情報管理サーバ1100に送信する。情報管理サーバ1100は、携帯端末1700から遊技機ID等を受信すると、遊技機状況管理テーブル1155に記憶する。その後、情報管理サーバ1100は、所定のタイミングで遊技機状況管理テーブル1155を参照し、ドア開閉回数や稼働時間が所定の条件を満たした場合に、ホールコンピュータ1200等のコンピュータに、メッセージ(例えば、異常な開閉回数や、稼働時間が所定のレベルを超えた旨を通知するためのメッセージ)を送信する。
また、本実施形態では、遊技機1300bに接続されたデータ表示装置300bに組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機ID等を送信するようにしてもよい。また、サンド装置1370や、遊技機1300bに直接、又は間接的に接続された他の周辺装置に組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機ID等を送信するようにしてもよい。
また、本実施形態では、携帯端末1700が遊技機ID等の情報を情報管理サーバ1100に送信する場合に、当該送信が、携帯端末1700の所有者・操作者(例えば、ホール店舗のスタッフや遊技者)によって意識・知覚されることなく、秘密裏に行われうる。
このような遊技機状況送信処理によって、遊技機1300bのドア開閉情報、及び稼働時間情報が、携帯端末1700の秘密裏の処理によって収集される。ドア開閉情報のこうした収集は、セキュリティ情報の管理につながるものであり、異常が発生する前に、有用なデータが蓄積される。また、ホール店舗内の機器を通過することなくドア開閉情報の収集が可能であることから、第三者による監視・管理が可能となり、異常の発生等に対して、適切な機関にメッセージを送付することができる。
一方、稼働時間情報の収集は、遊技機1300bの品質・メンテナンス情報の管理につながる。稼働時間情報の蓄積により、経年劣化等による故障の可能性や、メンテナンスの必要性を通知することが可能となる。
さらに、このような遊技機状況送信処理によって、ユーザが、遊技機1300bの前を通過するだけで、多くの遊技機1300bのドア開閉情報、及び稼働時間情報が、ユーザが無意識のうちに収集される。
ここで、遊技機IDは、第5実施形態と同様に、遊技機1300bを全体として個別に識別可能な識別子である。例えば、メインCPU101の「チップ個別ナンバー」や主制御回路のメインROM102等に前もって記憶されているID等を割り当てることが可能である。
なお、本実施形態の遊技機状況送信処理において想定される携帯端末1700のユーザとしては、例えば、遊技者、ホール店舗の管理者やスタッフ、遊技機1300bの製造メーカー、遊技機1300bの状況管理を行う第三者機関等が考えられる。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
図82では、遊技機1300bの主制御回路790にマイクロプロセッサ791(メインCPU701)と役比モニタ795が含まれており、ここで役比モニタ795は、例えば、4桁7セグLED回路である。マイクロプロセッサ791が、この役比モニタ795に対して役比情報(4桁7セグLED用の出力データ)を送信すると、これに応じて、役比モニタ795が、4桁の7セグLEDを点灯させ、役比情報を表示するようになっている。
外部集中端子板747の基板上には、リレー回路748とBLEモジュール749が実装されており、マイクロプロセッサ791が、外部集中端子板747にメダル投入信号とメダル払出信号(1枚のメダル投入、及び1枚のメダル払出のたびに1つ送出されるパルス信号)を送出すると、これらの信号が、リレー回路748を介して、外部集中端子板747に接続された外部のデータ表示装置300bのCPU311に提供され、CPU311によって、当該受信信号に基づいた遊技情報の表示等が行われる。
マイクロプロセッサ791はまた、BLEモジュール749に対して、遊技機ID、及び役比情報を送信する。BLEモジュール749は、CPU749a、ROM749b、RAM749c、及びBLEチップ749dを含む。CPU749aは、ROM749bに記憶されているプログラムに基づいて、マイクロプロセッサ791からのデータ(遊技機ID、及び役比情報)を受信した場合に、BLEチップ749dを制御し、遊技機IDと役比情報を、BLE規格のビーコン信号として、BLEチップ749dのアンテナから無線送信する。BLEチップ749dにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯端末1700により受信可能である。
マイクロプロセッサ791のメインCPU101は、副制御回路200’に対して、所定のタイミングで、遊技機IDと稼働時間情報を送信する。ここで、稼働時間情報は、例えば、タイマー回路113によって計測した遊技機1300bの稼働時間を含み、メインRAM103に記憶されたデータである。また、遊技機1300bが連続的に稼働した時間を計測し、稼働時間情報に含めることができる。
副制御回路200’のサブCPU201’は、メインCPU101から遊技機IDと稼働時間情報を受信すると、これにドア開閉情報を付加して、BLEモジュール749に送信する。ここで、サブCPU201’は、例えば、フロントドア2の開閉を報知するドア開閉監視スイッチ67で検知された信号や、ミドルドア41が開放されたときに、これを検知する24hドア開閉監視ユニット63により送信された信号に基づいて、ドア開閉の回数や日時等をサブRAM202’にドア開閉情報として記憶する。
BLEモジュール749のCPU749aは、副制御回路200’から、遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報を受信すると、ROM749bに記憶されているプログラムに基づいて、BLEチップ749dを制御し、受信した遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報を、BLE規格のビーコン信号として、BLEチップ749dのアンテナから無線送信する。BLEチップ749dにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯端末1700により受信可能である。
副制御回路200’のサブCPU201’はさらに、外部集中端子板747を介して接続されるデータ表示装置300bのBLEモジュール307に対して、遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報を送信する。BLEモジュール307は、ここでは図示しないが、CPU、ROM、RAM、及びBLEチップを含む。当該CPUは、ROMに記憶されているプログラムに基づいて、サブCPU201’から遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報を受信した場合に、BLEチップを制御し、遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報をビーコン信号として、BLEチップのアンテナから無線送信する。BLEチップにより送信されたビーコン信号は、無線通信ネットワークを介して、スマートフォンやタブレット端末といった携帯端末1700により受信可能である。
なお、図82の例では、役比モニタ795やBLEモジュール749を備え、これらによって役比情報の表示・送信が行われるが、これらの構成を省略することができる。また、図81、図82に示したように、外部集中端子板747のBLEモジュール749によって、携帯端末1700に遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報を送信するように構成することもできる。
ここでは、遊技機ID、ドア開閉情報、及び稼働時間情報といったデータが、BLEモジュール749やBLEモジュール307にどのような経路で送信されるかを例示したに過ぎず、他の様々な経路・方法により、当該情報を送信することが可能である。例えば、データ表示装置300bのBLEモジュール307に対しては、遊技機ID、ドア開閉情報、及び稼働時間情報といったデータが、遊技機1300bから、サンド装置1370やホールコンピュータ1200等を介して提供されてもよい。
<情報管理システムで利用されるテーブルの構成>
次に、図83を参照して、情報管理システム1001の遊技機状況送信処理で利用されるデータを格納するテーブルについて説明する。
図83には、遊技機状況管理テーブル1155の例が示されている。遊技機状況管理テーブル1155は、遊技機ID、ドア開閉回数、稼働時間、更新日時を含む。
<情報管理システムにおける遊技機状況送信処理、遊技機状況チェック処理の説明>
次に、図84を参照して、携帯端末1700と情報管理サーバ1100における遊技機状況送信処理について説明する。図84は、携帯端末1700と情報管理サーバ1100で実行される遊技機状況送信処理の手順を示すフローチャートである。また、図84では、携帯端末1700と情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この遊技機状況送信処理は、例えば、所定のサーバから、所定のサービスを行うアプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。ユーザは、別のサービスでこのアプリケーションを用いるものであって、ユーザにとって、このアプリケーションが、後述の遊技機状況送信処理のために機能するという意識はない。
最初に、携帯端末1700は、ユーザの操作によって起動される。次に、携帯端末1700のメインCPU1701は、無線信号(例えば、BLE規格に基づくビーコン信号)を受信したか否かを判別する(S3091)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S3091がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S3091がYES判定の場合)、遊技機状況送信処理のアプリケーションを(バックグラウンドで)起動する(S3092)。また、このとき、既に起動しているアプリケーションで、(密かに)遊技機状況送信処理を実行させるようにしてもよい。
次に、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S3093)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S3094)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S3094がNO判定の場合)、S3091に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S3094がYES判定の場合)、復号化された無線信号から遊技機IDを取得する(S3095)。
次に、メインCPU1701が、所定期間内で(例えば、1日、1時間、アプリケーション起動後から今まで、といった期間内で)その遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信したか否かを判別する(S3096)。メインCPU1701が、その遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信したと判別したとき(S3096がYES判定の場合)、S3091に戻り、無線信号の受信を行う。この判別は、必要以上に頻繁に同じ遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信しないようにするためである。また、このとき、携帯端末1700で、無線LAN等のセッションが確立されていない場合も、遊技機IDの送信を行わないようにすることができる。これは、例えば、ユーザの携帯端末1700におけるデータ送信のための負担を最小限にし、データの送信がユーザに気づかれることを避けるためである。
メインCPU1701が、その遊技機IDのデータを情報管理サーバ1100に送信していないと判別したとき(S3096がNO判定の場合)、受信信号から取得した遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報を情報管理サーバ1100に送信する(S3097)。なお、ここで日時情報を送信せず、情報管理サーバ1100によって当該日時情報をセットすることもできる。
また、本実施形態では、携帯端末1700において、復号化された無線信号から遊技機IDが取得された場合に、S3096におけるタイミングの条件をクリアすれば、遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報が情報管理サーバ1100に送信されるように構成されているが、さらに、受信した無線信号の信号強度が一定レベル以上であると判定された場合(例えば、遊技者が遊技機1300bで遊技をするために着席したときに(すなわち、遊技機1300bにおいて遊技を行ったと)想定されるレベルであると判定された場合)に、遊技機ID等が情報管理サーバ1100に送信されるように構成することができる。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から遊技機ID、ドア開閉情報等を受信すると、遊技機状況管理テーブル1155の、対応する遊技機IDのレコードを更新する(S3099)。対応する遊技機IDがなければ、新たなレコードとして追加する。なお、日時情報は、更新日時として記憶される。S3099の処理後、メインCPU1101は、処理を終了する。
携帯端末1700のメインCPU1701は、S3097の処理後、無線信号(例えば、BLE規格に基づくビーコン信号)を受信したか否かを判別する(S3098)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S3098がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S3098がYES判定の場合)、S3093の処理に進み、あらたに受信した無線信号の処理を行う。
図84に示した遊技機状況送信処理では、携帯端末1700における遊技機ID等のデータの受信・送信に関し、ディスプレイ、スピーカ、振動モータ等の知覚提供手段に一切の情報を出力しない(変化させない)ようにすることができる。また、この例では、遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報といったデータが情報管理サーバ1100に送信されるが、これ以外の、遊技機に関する様々なデータを送信することができ、情報管理サーバ1100において、これらのデータを蓄積したビックデータを形成可能である。
次に、図85を参照して、情報管理サーバ1100における遊技機状況チェック処理について説明する。図85は、情報管理サーバ1100で実行される遊技機状況チェック処理の手順を示すフローチャートである。
最初に、情報管理サーバ1100のメインCPU1101は、遊技機状況をチェックするための所定のタイミングが到来したか否かを判別する(S4011)。メインCPU1101が、所定のタイミングは到来していないと判別したとき(S4011がNO判定の場合)、S4011の処理に戻って当該判別処理を繰り返す。
次に、メインCPU1101が、所定のタイミングは到来していると判別したとき(S4011がYES判定の場合)、メインCPU1101は、遊技機状況管理テーブル1155の各レコードをスキャンする(S4012)。次に、メインCPU1101は、遊技機状況管理テーブル1155の全件について処理が終了したか否かを判別する(S4013)。メインCPU1101が、遊技機状況管理テーブル1155の全件について処理が終了したと判別したとき(S4013がYES判定の場合)、S4011の処理に戻って当該判別処理を繰り返し、次の実施タイミングまで待機する。
メインCPU1101が、遊技機状況管理テーブル1155の全件について処理が終了していないと判別したとき(S4013がNO判定の場合)、遊技機状況管理テーブル1155でスキャンしたレコードの遊技機IDについて、ドア開閉回数が所定値以上になっているか否かを判別する(S4014)。メインCPU1101が、スキャンした遊技機IDについて、ドア開閉回数が所定値以上になっていると判別したとき(S4014がYES判定の場合)、ドア開閉回数に応じて、所定のサーバに対して対応するメッセージを送信する(S4015)。
例えば、ドア開閉回数が第1の閾値を超えている場合、当該第1の閾値に対応するサーバに対して、当該第1の閾値に対応するメッセージを送信する。ここで、サーバ、及びメッセージは、遊技機IDや更新日時、遊技機IDに関連付けられているホールIDやメーカーID等に応じてさらに変化させることができる。
また、ドア開閉回数が第1の閾値より大きい第2の閾値を超えている場合、当該第2の閾値に対応するサーバに対して、当該第2の閾値に対応するメッセージを送信する。ここで、サーバ、及びメッセージは、第1の閾値と同様、様々に変化させることができる。
このような処理によって、ドア開閉回数に応じて(すなわち、セキュリティ上のリスク等に応じて)、対応する適切な機関のサーバに、適切な内容のメッセージを送信することができる。
メインCPU1101が、スキャンした遊技機IDについて、ドア開閉回数が所定値以上になっていないと判別したとき(S4014がNO判定の場合)、又はS4015の処理後、遊技機状況管理テーブル1155でスキャンしたレコードの遊技機IDについて、稼働時間が所定値以上になっているか否かを判別する(S4016)。メインCPU1101が、スキャンした遊技機IDについて、稼働時間が所定値以上になっていると判別したとき(S4016がYES判定の場合)、稼働時間に応じて、所定のサーバに対して対応するメッセージを送信する(S4017)。
例えば、稼働時間が第1の閾値を超えている場合、当該第1の閾値に対応するサーバに対して、当該第1の閾値に対応するメッセージを送信する。ここで、サーバ、及びメッセージは、遊技機IDや更新日時、遊技機IDに関連付けられているホールIDやメーカーID等に応じてさらに変化させることができる。
また、稼働時間が第1の閾値より大きい第2の閾値を超えている場合、当該第2の閾値に対応するサーバに対して、当該第2の閾値に対応するメッセージを送信する。ここで、サーバ、及びメッセージは、第1の閾値と同様、様々に変化させることができる。
このような処理によって、遊技機1300bの稼働時間に応じて(すなわち、品質上の問題やメンテナンスの必要性等に応じて)、対応する適切な機関のサーバに、適切な内容のメッセージを送信することができる。
また、ここでの稼働時間は、遊技機1300bにおける稼働時間の累積を想定しているが、1日のなかでの連続稼働時間や、遊技を行っている稼働時間など、様々な稼働時間を捉えて評価することができる。
メインCPU1101が、スキャンした遊技機IDについて、稼働時間が所定値以上になっていないと判別したとき(S4016がNO判定の場合)、又はS4017の処理後、S4012の処理の戻り、他のレコードの処理を行う。
なお、本実施形態では、携帯端末1700によって、遊技機1300bやデータ表示装置300bから、遊技機ID、ドア開閉情報、稼働時間情報を受信して、情報管理サーバ1100に、基本的にユーザが意識することなく送信されるような構成を実現したが、他の様々なデータを無線信号によって受信し、情報管理サーバ1100に秘密裏に送信するよう構成することができる。
<<第7実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第7実施形態に係る情報管理システムの背景技術と課題、効果、構成、及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている各遊技機1300の遊技情報等を送信し、管理する遊技情報管理処理が実現される。
<背景技術と課題>
遊技者が、情報記録媒体や携帯電話を用いて、遊技中に投入したメダルの枚数や、払い出されたメダルの枚数を遊技履歴として記録する遊技システムがいくつか提案されている。
例えば、下記の特許文献の遊技システムでは、遊技機で記録された遊技情報を携帯電話を介してサーバに送信し、サーバは、受信した遊技情報を、遊技者に対応付けて蓄積する。遊技情報の遊技機における記録の開始、及び遊技機において記録された遊技情報のサーバへの送信の際に、遊技者は、遊技機に表示された2次元コードを携帯電話で読み取ることによって、遊技者を特定する。
特許文献:特開2012−50614号公報
しかしながら、上記特許文献の遊技システムでは、遊技情報の遊技機における記録の開始、及び遊技機において記録された遊技情報のサーバへの送信の際に、わざわざ携帯電話を遊技機の表示装置に向けて2次元コードを撮影する必要があり、操作が煩雑である。
<効果>
本実施形態の情報管理システム等により、携帯端末での容易な操作によって自身の遊技情報を保存、表示でき、遊技者の興趣の向上が図られる。
<システムの概要>
図86は、本発明の第7実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、ユーザ(遊技者)が遊技を開始する場合、遊技機1300cから、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、その無線信号に含まれるドメイン情報、遊技機ID、その遊技機1300cの総遊技回数が、遊技者の携帯端末1700で取得され、その後、その携帯端末1700が、ドメイン情報で指定された情報管理サーバ1100にアクセスし、そのユーザに関する遊技情報の記憶域が確保される。
次に、ユーザ(遊技者)が遊技を終了する場合、又は、遊技の途中で遊技情報を記憶しようとする場合、遊技機1300cから無線信号が発信され、その無線信号に含まれるドメイン情報、遊技機ID、その遊技機1300cの総遊技回数、当該ユーザの遊技情報が、遊技者の携帯端末1700で取得され、その後、その携帯端末1700が、ドメイン情報で指定された情報管理サーバ1100にアクセスし、そのユーザに関する遊技情報が、開始時に記憶された記憶域に記憶される。このように記憶された遊技情報は、当該携帯端末1700が、情報管理サーバ1100の記憶域を参照することで表示することができ、例えば、異なる日、異なる遊技機1300cに亘って管理することができる。
なお、遊技機1300cは、上述の遊技機1300と同様の構成を有するが、ここでは、無線信号に役比情報等を含まないように構成される。
また、本実施形態では、遊技機1300cに接続されたデータ表示装置300cに組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機ID、遊技情報等を送信するようにしてもよい。また、サンド装置1370や、遊技機1300cに直接、又は間接的に接続された他の周辺装置に組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機ID、遊技情報等を送信するようにしてもよい。
このような遊技情報管理信処理によって、遊技者は、遊技機1300cにおける遊技結果等を、自身の携帯端末1700を用いて容易に表示させることができ、これによって遊技に対する興趣の充実が図られる。
また、遊技者に関する遊技情報が無線信号によって送出されるため、他の遊技者がこれらの情報を無断で参照したり、悪用したりするリスクが考えられるが、遊技情報を情報管理サーバ1100に送信する際に、遊技者を特定するとともに携帯端末1700のアプリケーションに紐付けられているアプリIDが送信されるため、遊技情報の他人による利用が効果的に抑止されている。
なお、本実施形態では、上記のようにアプリIDに基づいて携帯端末1700のユーザ(遊技者)を特定しているが、こうしたアプリIDの他に、携帯端末1700の機器ID、MACアドレス、電話番号、SNSのID等、ユーザや携帯端末1700をユニークに特定可能な識別子を用いることもできる(以下の実施形態で使用されるアプリIDについて同じ))。
ここで、遊技機IDは、第5実施形態と同様に、遊技機1300cを全体として個別に識別可能な識別子である。例えば、メインCPU101の「チップ個別ナンバー」や主制御回路のメインROM102等に前もって記憶されているID等を割り当てることが可能である。
なお、本実施形態の遊技情報管理処理において想定される携帯端末1700のユーザは、例えば、遊技者である。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
本実施形態の遊技機1300cは、図82に示す第6実施形態の遊技機1300bと同様の構成である。
なお、無線信号によって送信される総遊技回数は、図28に示す「総遊技数」に基づいて把握されうる。「総遊技数」は、メインRAM103内の規定外用作業領域に記憶されており、主制御回路790のマイクロプロセッサ791(メインCPU701)によって、(副制御回路200’を経由して)BLEモジュール749やBLEモジュール307に提供される。
また、遊技者の遊技情報は、遊技開始からの遊技数、投入枚数、払出枚数、SB実施回数、CB実施回数、RB実施回数等であり、これらの情報は、主制御回路790のマイクロプロセッサ791(メインCPU701)から送信され、副制御回路200’が、遊技者ごとにサブRAM202’に蓄積し、最終的にBLEモジュール749やBLEモジュール307に提供される。
<情報管理システムで利用されるテーブルの構成>
次に、図87を参照して、情報管理システム1001の遊技情報管理処理で利用されるデータを格納するテーブルについて説明する。
図87には、遊技情報管理テーブル1156の例が示されている。遊技情報管理テーブル1156は、アプリID、総遊技回数、遊技機ID、機種コード、種別番号、遊技情報、更新日時を含む。また、遊技情報には、遊技数、投入枚数、払出枚数、SB実施回数、CB実施回数、RB実施回数等が含まれる。
こうした遊技情報管理テーブル1156の構成によって、アプリIDで特定される遊技者に関して、様々な遊技機1300cで遊技した内容が蓄積される。
<情報管理システムにおける遊技情報管理処理の説明>
次に、図88、図89を参照して、遊技機1300c、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100における遊技情報管理処理について説明する。図88、及び図89は、遊技機1300c、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100で実行される遊技情報管理処理の手順を示すフローチャートである。また、図88、図89では、遊技機1300c、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この遊技情報管理処理は、例えば、所定のサーバから、アプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。ここでは、遊技情報管理処理に際して、後述するように、無線信号の受信をトリガーとして当該アプリケーションが起動されるものとする。なお、事前にアプリケーションを起動させておいたり、無線信号の受信を行った場合に起動を促すメッセージを表示させたりすることもできる。
最初に、ユーザ(遊技者)は、遊技機(1300c)に対して所定の操作を行うことで、例えば、サブ表示装置18にメニューを表示させ、そこで、「遊技記録開始」の指示を行う。これにより、遊技機1300cのサブCPU201’は、遊技内容の記録を開始する(S4031)。例えば、サブCPU201’は、この時点からの遊技数、投入枚数、払出枚数、SB実施回数、CB実施回数、RB実施回数等を、主制御回路790のマイクロプロセッサ791(メインCPU701)から送信されたデータに基づいて、サブRAM202’に蓄積する。
次に、遊技機1300cのサブCPU201’は、ドメイン情報、遊技機ID、及び総遊技回数を含む無線信号を、例えば、BLE規格のビーコン信号として送信する(S4032)。ここで、総遊技回数は、「遊技記録開始」の指示を行った時点の総遊技数である。
ここで、遊技者が保持する携帯端末1700のメインCPU1701は、遊技機1300cからの無線信号を受信したか否かを判別する(S4033)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4033がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4033がYES判定の場合)、遊技情報管理処理のアプリケーションを(例えば、バックグラウンドで)起動する(S4034)。
次に、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4035)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4036)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4036がNO判定の場合)、S4033に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4036がYES判定の場合)、復号化された無線信号からドメイン情報、遊技機ID、及び総遊技回数を取得する(S4037)。
次に、メインCPU1701が、受信信号から取得した遊技機ID、及び総遊技回数をアプリIDとともに、情報管理サーバ1100に送信する(S4038)。ここで、情報管理サーバ1100へのアクセスは、受信信号から取得したドメイン情報に基づいて行われる。例えば、ドメイン情報には、情報管理サーバ1100のインターネット上でのアドレスを表すURL情報を含んでいる。また、アプリIDは、上述した遊技情報管理処理のアプリケーションにおいて記憶されているIDであり、ユーザごとに異なるIDが設定されているものである。この処理では、受信信号の信号強度(例えば、RSSI)が評価され、その信号強度が、遊技者が着席位置で携帯端末1700を保持している場合に想定される所定値より大きい場合に、受信信号が、当該遊技者の遊技機1300cからの信号であると判断して、情報管理サーバ1100にデータを送信する。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から、アプリID、遊技機ID、総遊技回数を受信すると、遊技情報管理テーブル1156に、これらのデータを含むレコードを追加する(S4039)。なお、更新日時は、情報管理サーバ1100が管理する日時情報によりセットされる。次に、遊技情報管理テーブル1156の更新完了を携帯端末1700に通知する(S4040)。その後、メインCPU1101は、処理を終了する。
携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100から遊技情報管理テーブル1156の更新完了の通知を受信すると、遊技記録開始処理の完了メッセージをディスプレイ1708に表示する(S4041)。
この時点で、遊技機1300cでは、依然として無線信号の送信が継続されている(S4032)。
ここで、携帯端末1700のメインCPU1701は再度、遊技機1300cからの無線信号を受信したか否かを判別する(S4061)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4061がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4061がYES判定の場合)、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4062)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4063)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4063がNO判定の場合)、S4061に戻り、無線信号の受信を行う。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4063がYES判定の場合)、復号化された無線信号から遊技機IDを取得する(S4064)。
次に、メインCPU1701が、受信信号から取得した遊技機IDが、遊技記録開始処理の際の遊技機IDと同じであるか否かを判別する(S4065)。メインCPU1701が、遊技機IDが異なるものであると判別したとき(S4065がNO判定の場合)、S4061に戻り、無線信号の受信を行う。
メインCPU1701が、遊技機IDが同じであると判別したとき(S4065がYES判定の場合)、受信した無線信号の信号強度(例えば、ビーコン信号のRSSI)を取得し、情報管理サーバ1100に送信する(S4067)。
次に、情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から信号強度を受信すると、離席か否かを判別する、すなわち、携帯端末1700から受信した信号強度が所定の値以下である(すなわち、携帯端末1700が遊技機1300cと一定以上の距離だけ離れた)か否かを判別する(S4068)。
メインCPU1101が、離席でないと判別したとき(S4068がNO判定の場合)、メインCPU1101は、処理を終了する。メインCPU1101が、離席であると判別したとき(S4068がYES判定の場合)、メインCPU1101は、離席状態であるとの通知を携帯端末1700に送信する(S4069)。その後、メインCPU1101は、処理を終了する。
携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100から離席状態であるとの通知を受信すると、離席状態である旨のメッセージをディスプレイ1708に表示する(S4070)。その後、メインCPU1701は、処理を終了する。
遊技機1300cでは、サブCPU201’が、終了操作があったか否かを判別する(S4071)。サブCPU201’が、終了操作がないと判別したとき(S4071がNO判定の場合)、S4071に戻り、終了操作の待機を行う。サブCPU201’が、終了操作があると判別したとき(S4071がYES判定の場合)、メニュー表示を終了し、処理を終了する。
このような、遊技者の「遊技記録開始」の指示により、遊技者の携帯端末1700を利用して、情報管理サーバ1100の遊技情報管理テーブル1156に、遊技者の遊技情報を蓄積する格納領域が確保される。
また、このような格納領域は、遊技機IDごとに管理されるが、同時に同じ遊技機IDについて遊技情報が蓄積可能な状態とならないように、後から「遊技記録開始」の指示をした遊技者のリクエストは拒否されるように制御される。また、離席を判定してから「途中経過取得」や「遊技記録終了」の指示がないまま所定時間が経過した場合、これに対応する格納領域は削除される。
また、ここでは、情報管理サーバ1100において離席かどうかが判断されているが、携帯端末1700においてこれを判定し、判定結果を情報管理サーバ1100に送信してもよい。遊技者が着席したか否か(離席していない)は、例えば、遊技機1300cから受信する無線信号の信号強度が所定のレベル(例えば、近接より近い、「ほぼ接触」といったレベル)となった場合に、着席と判定することができる。また、こうした信号強度とともに、カメラによる撮像画像や画像判定結果を用いて着席を判定してもよい。カメラは、この例では、遊技機1300cに接続されたサンド装置1370が備えている(カメラ1335)。画像判定結果等は、遊技機1300cから(例えば、BLEモジュールによる無線信号により)携帯端末1700に送信されてもよい。
またさらに、受信した無線信号の信号強度に関して、上述した「ほぼ接触」のレベルが所定時間以上継続した場合に着席と判断し、そのときに遊技機1300cの遊技機IDと、アプリIDを対応付けて情報管理サーバ1100の遊技情報管理テーブル1156に記憶するようにしてもよい。このように構成することで、通りすがりの遊技者のアプリケーションによって、情報管理サーバ1100の遊技情報管理テーブル1156に安易にレコードが記憶されないようにすることができる。
次に、図90を参照して、遊技機1300c、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100における遊技情報管理処理についてさらに説明する。図90は、遊技機1300c、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100で実行される遊技情報管理処理の手順を示すフローチャートである。また、図90では、遊技機1300c、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この遊技情報管理処理は、例えば、所定のサーバから、アプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。ここでは、遊技情報管理処理に際して、後述するように、無線信号の受信をトリガーとして当該アプリケーションが起動されるものとする。なお、事前にアプリケーションを起動させておいたり、無線信号の受信を行った場合に起動を促すメッセージを表示させたりすることもできる。
最初に、ユーザ(遊技者)は、遊技機(1300c)に対して所定の操作を行うことで、例えば、サブ表示装置18にメニューを表示させ、そこで、「遊技記録終了」の指示を行う。これにより、遊技機1300cのサブCPU201’は、遊技内容を情報管理サーバ1100に記憶しようとする(S4091)。例えば、サブCPU201’は、「遊技記録開始」の指示がされた時点からの遊技数、投入枚数、払出枚数、SB実施回数、CB実施回数、RB実施回数等を、主制御回路790のマイクロプロセッサ791(メインCPU701)から送信されたデータに基づいて、サブRAM202’に蓄積しており、ここで、その蓄積結果を携帯端末1700に送信する。
次に、遊技機1300cのサブCPU201’は、ドメイン情報、遊技機ID、総遊技回数、及び遊技数や投入枚数からなる遊技情報を含む無線信号を、例えば、BLE規格のビーコン信号として送信する(S4092)。ここで、総遊技回数は、「遊技記録開始」の指示を行った時点の総遊技数である。
ここで、遊技者が保持する携帯端末1700のメインCPU1701は、遊技機1300cからの無線信号を受信したか否かを判別する(S4093)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4093がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4093がYES判定の場合)、遊技情報管理処理のアプリケーションを(例えば、バックグラウンドで)起動する(S4094)。
次に、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4095)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4096)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4096がNO判定の場合)、S4093に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4096がYES判定の場合)、復号化された無線信号からドメイン情報、遊技機ID、総遊技回数、及び遊技情報を取得する(S4097)。
次に、メインCPU1701が、受信信号から取得した遊技機ID、総遊技回数、及び遊技情報をアプリIDとともに、情報管理サーバ1100に送信する(S4098)。ここで、情報管理サーバ1100へのアクセスは、受信信号から取得したドメイン情報に基づいて行われる。例えば、ドメイン情報には、情報管理サーバ1100のインターネット上でのアドレスを表すURL情報を含んでいる。また、アプリIDは、上述した遊技情報管理処理のアプリケーションにおいて記憶されているIDであり、ユーザごとに異なるIDが設定されているものである。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から、アプリID、遊技機ID、総遊技回数、遊技情報を受信すると、遊技情報管理テーブル1156に、アプリIDと遊技機IDが一致するレコードが存在するか否かが判別される(S4099)。メインCPU1101が、アプリIDと遊技機IDが一致するレコードが存在しないと判別したとき(S4099がNO判定の場合)、携帯端末1700に処理エラーを通知するよう制御し(S4100)、この通知を受信した携帯端末1700のメインCPU1701が、遊技記録開始が指示されていない状態で、遊技記録終了の指示がされた旨のエラーメッセージをディスプレイ1708に表示する(S4101)。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、アプリIDと遊技機IDが一致するレコードが存在すると判別したとき(S4099がYES判定の場合)、遊技情報管理テーブル1156に、受信した遊技情報を含むレコードをあらたに追加する(S4102)。なお、更新日時は、情報管理サーバ1100が管理する日時情報によりセットされる。このように既存のレコードの項目を更新することなく、あらたなレコードを追加することによって、遊技者が、自身の遊技の履歴を確認することができる。
次に、メインCPU1101は、遊技情報管理テーブル1156から、同一のアプリIDが記憶されているレコードを取得し、遊技情報表示用データを編集し、携帯端末1700に送信する(S4103)。その後、メインCPU1101は、処理を終了する。なお、この例では、「遊技記録終了」の指示がされた場合に、遊技情報の記録とともに、当該遊技者の遊技情報を表示するように構成したが、遊技情報の表示を別途、携帯端末1700からリクエストして、表示させることもできる。
携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100から遊技情報表示用データを受信すると、遊技記録終了処理の完了メッセージを表示し(S4104)、その後、遊技情報表示用データに基づいて、携帯端末1700のディスプレイ1708に、遊技情報表示画面を表示する(S4105)。その後、メインCPU1701は、処理を終了する。
遊技機1300cでは、サブCPU201’が、終了操作があったか否かを判別する(S4106)。サブCPU201’が、終了操作がないと判別したとき(S4106がNO判定の場合)、S4106に戻り、終了操作の待機を行う。サブCPU201’が、終了操作があると判別したとき(S4106がYES判定の場合)、メニュー表示を終了し、処理を終了する。
ここでは、「遊技記録終了」の指示に応じた処理について説明したが、「途中経過取得」の指示がされた場合については省略する。「途中経過取得」の指示がされた場合も、同様に、遊技情報が情報管理サーバ1100の遊技情報管理テーブル1156に、あらたなレコードが記憶される。このため、この時点の遊技情報を後で表示させることができる。
<<第8実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第8実施形態に係る情報管理システムの背景技術と課題、効果、構成、及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている各遊技機1300の遊技機ID等を送信し、管理する特典管理処理が実現される。
<背景技術と課題>
従来の遊技機には、遊技者の遊技状態が所定の条件を満たす場合に、遊技者に遊技機の所定操作を可能とし、当該操作が一定の条件を満たす場合に、何らかの特典を付与するものがある。
下記の特許文献では、遊技者が一般遊技状態であって、差枚数カウンタが2000以上でかつ、ナビポイントカウンタが10以下になると、予想役を選択することができ、この予想役が内部当籤役に一致した場合に、ナビポイントが加算される。そして、差枚数カウンタが2000以上でかつ、ナビポイントカウンタが10より大きくなると、当該遊技者への特典として、内部当籤役の報知が行われる。このような特典の付与によって、遊技が単調とするのを抑制することができる。
特許文献:特開2010−5086号公報
しかしながら、上記特許文献の遊技機における特典は、その遊技機の機能として備わっているものであり、すべての遊技機によって提供されるものではない。そのため、そのような特典を得られる可能性は、遊技者が遊技機を選択する時点ですでに分かっていることであり、遊技する遊技機に応じて付与されるものではない。
<効果>
本実施形態の情報管理システム等により、ホール店舗や遊技機のメーカー以外の主体による特典の提供で(射幸心を煽る行為に該当しない範囲での)集客、話題作りが可能となる。また、遊技者は、遊技ではなく、遊技機の選択によって特典が得られるか否かが決定されるため、一層の興趣の向上が図られる。
さらに、ホール店舗では、ホール店舗や遊技機のメーカー以外から提供された価値に基づいた特典が付与される遊技機や遊技機の数を決定することができる。
<システムの概要>
図91は、本発明の第8実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、遊技機1300dから、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、その無線信号に含まれるドメイン情報、遊技機ID、その遊技機1300dの総遊技回数が、遊技者の携帯端末1700で取得され、その後、その携帯端末1700が、ドメイン情報で指定された情報管理サーバ1100にアクセスし、そのユーザが対応する遊技機1300dで遊技を行ったことが、特典管理テーブル1157に記憶される。その後、情報管理サーバ1100が、特典を付与する遊技機1300dを決定し、特典管理テーブル1157から、その遊技機1300dで遊技を行った遊技者を特定し、その遊技者にポイントやプレゼント等、なんらかの特典を付与する。
なお、遊技機1300dは、上述の遊技機1300と同様の構成を有するが、ここでは、無線信号に役比情報等を含まないように構成される。
また、本実施形態では、遊技機1300dに接続されたデータ表示装置300dに組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機ID、総遊技回数等を送信するようにしてもよい。また、サンド装置1370や、遊技機1300dに直接、又は間接的に接続された他の周辺装置に組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機ID、総遊技回数等を送信するようにしてもよい。
このような特典管理信処理により、遊技機1300dで遊技をしたことによって特典を受ける可能性が生じるため、遊技に関してさらに興趣を生じさせる。また、特典を受けるために、遊技機1300dや携帯端末1700などを操作する必要がほとんどなく、遊技者の負担が極めて小さい。またさらに、このような仕組みによって、ホール店舗や遊技機のメーカー以外の主体によって、特典の付与が行われうるため、集客や話題作りといった点で効果的である。
なお、本実施形態の特典管理処理において想定される携帯端末1700のユーザは、例えば、遊技者である。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
本実施形態の遊技機1300dは、図82に示す第6実施形態の遊技機1300bと同様の構成である。
なお、無線信号によって送信される総遊技回数は、図28に示す「総遊技数」に基づいて把握されうる。「総遊技数」は、メインRAM103内の規定外用作業領域に記憶されており、主制御回路790のマイクロプロセッサ791(メインCPU701)によって、(副制御回路200’を経由して)BLEモジュール749やBLEモジュール307に提供される。なお、データ表示装置300cのBLEモジュール307に対しては、ドメイン情報、遊技機ID、総遊技回数、及び遊技情報といったデータが、遊技機1300cから、サンド装置1370やホールコンピュータ1200等を介して提供されてもよい。
<情報管理システムで利用されるテーブルの構成>
次に、図92を参照して、情報管理システム1001の特典管理処理で利用されるデータを格納するテーブルについて説明する。
図92には、特典管理テーブル1157の例が示されている。特典管理テーブル1157は、アプリID、総遊技回数、遊技機ID、遊技開始フラグ、更新日時を含む。遊技開始フラグは、実際にその遊技機1300dで遊技が開始された場合に「1」が記憶される。特典は、この遊技開始フラグが「1」となっている遊技者が対象となる。
<情報管理システムにおける特典管理処理の説明>
次に、図93、図94を参照して、遊技機1300d、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100における特典管理処理について説明する。図93、及び図94は、遊技機1300d、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100で実行される特典管理処理の手順を示すフローチャートである。また、図93、図94では、遊技機1300d、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この特典管理処理は、例えば、所定のサーバから、アプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。ここでは、特典管理処理に際して、後述するように、無線信号の受信をトリガーとして当該アプリケーションが起動されるものとする。なお、事前にアプリケーションを起動させておいたり、無線信号の受信を行った場合に起動を促すメッセージを表示させたりすることもできる。
最初に、ユーザ(遊技者)は、遊技機(1300d)に対して所定の操作を行うことで、例えば、サブ表示装置18にメニューを表示させ、そこで、「特典チャンス選択」の指示を行う。これにより、遊技機1300dのサブCPU201’は、その遊技者に関する総遊技回数の記録を開始する(S4121)。総遊技回数は、例えば、主制御回路790のマイクロプロセッサ791(メインCPU701)から送信された総遊技数のデータに基づいて、サブRAM202’に蓄積される。
次に、遊技機1300dのサブCPU201’は、ドメイン情報、遊技機ID、及び総遊技回数を含む無線信号を、例えば、BLE規格のビーコン信号として送信する(S4122)。ここで、総遊技回数は、上述したように、「特典チャンス選択」の指示をしてから遊技者が行った遊技の数であり、この時点ではまだ、遊技を行っていないので、総遊技数は0である。
次に、遊技機1300dのサブCPU201’は、遊技が開始されたか否かを判別する(S4123)。サブCPU201’が、遊技が開始されていないと判別したとき(S4123がNO判定の場合)、S4123の処理に戻って、この判別処理を繰り返す。サブCPU201’が、遊技が開始されていると判別したとき(S4123がYES判定の場合)、S4133の処理に進み、そこで、遊技後のビーコン送信の処理が行われる。
次に、遊技者が保持する携帯端末1700のメインCPU1701は、遊技機1300dからの無線信号を受信したか否かを判別する(S4124)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4124がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4124がYES判定の場合)、特典管理処理のアプリケーションを(例えば、バックグラウンドで)起動する(S4125)。
次に、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4126)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4127)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4127がNO判定の場合)、S4124に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4127がYES判定の場合)、復号化された無線信号からドメイン情報、遊技機ID、及び総遊技回数を取得する(S4128)。
次に、メインCPU1701が、受信信号から取得した遊技機ID、及び総遊技回数をアプリIDとともに、情報管理サーバ1100に送信する(S4129)。ここで、情報管理サーバ1100へのアクセスは、受信信号から取得したドメイン情報に基づいて行われる。例えば、ドメイン情報には、情報管理サーバ1100のインターネット上でのアドレスを表すURL情報を含んでいる。また、アプリIDは、上述した特典管理処理のアプリケーションにおいて記憶されているIDであり、ユーザごとに異なるIDが設定されているものである。この処理では、受信信号の信号強度(例えば、RSSI)が評価され、その信号強度が、遊技者が着席位置で携帯端末1700を保持している場合に想定される所定値より大きい場合に、受信信号が、当該遊技者の遊技機1300dからの信号であると判断して、情報管理サーバ1100にデータを送信する。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から、アプリID、遊技機ID、総遊技回数を受信すると、特典管理テーブル1157に、これらのデータを含むレコードを追加する(S4130)。なお、更新日時は、情報管理サーバ1100が管理する日時情報によりセットされる。また、ここで、遊技開始フラグは0にセットされる。次に、特典管理テーブル1157の更新完了を携帯端末1700に通知する(S4131)。その後、メインCPU1101は、処理を終了する。
携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100から特典管理テーブル1157の更新完了の通知を受信すると、特典チャンス参加メッセージ1(例えば、「遊技を開始すると、特典チャンスに参加できます!」といったメッセージ)をディスプレイ1708に表示する(S4132)。
なお、この時点で、遊技機1300dでは、総遊技数を含む無線信号の送信が継続されており(S4133)、遊技者が遊技を開始した時点で、当該無線信号に含まれる総遊技数に、1以上の値がセットされる。
ここで、携帯端末1700のメインCPU1701は再度、遊技機1300cからの無線信号を受信したか否かを判別する(S4134)。メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4134がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4134がYES判定の場合)、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4135)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4136)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4136がNO判定の場合)、S4134に戻り、無線信号の受信を行う。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4136がYES判定の場合)、復号化された無線信号から遊技機IDを取得する(S4137)。
次に、メインCPU1701が、受信信号から取得した遊技機IDが、特典チャンス選択の際の遊技機IDと同じであるか否かを判別する(S4138)。メインCPU1701が、遊技機IDが異なるものであると判別したとき(S4138がNO判定の場合)、S4134に戻り、無線信号の受信を行う。
メインCPU1701が、遊技機IDが同じであると判別したとき(S4138がYES判定の場合)、メインCPU1701は、所定の送信タイミングであるか否かを判別する(S4139)。メインCPU1701が、所定の送信タイミングでないと判別したとき(S4139がNO判定の場合)、S4134に戻り、無線信号の受信を行う。メインCPU1701が、所定の送信タイミングであると判別したとき(S4139がYES判定の場合)、受信した無線信号の信号強度(例えば、ビーコン信号のRSSI)を取得し、その信号強度を、遊技機ID、アプリID、総遊技回数とともに情報管理サーバ1100に送信する(S4140)。
次に、情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から信号強度を受信すると、離席か否かを判別する、すなわち、携帯端末1700から受信した信号強度が所定の値以下である(すなわち、携帯端末1700が遊技機1300cと一定以上の距離だけ離れた)か否かを判別する(S4141)。
メインCPU1101が、離席であると判別したとき(S4141がYES判定の場合)、メインCPU1101は、処理を終了する。メインCPU1101が、離席でないと判別したとき(S4141がNO判定の場合)、メインCPU1101は、特典管理テーブル1157に記憶されているレコード(遊技機IDとアプリIDが一致するレコード)の総遊技回数より、受信した総遊技回数が大きい値であるか否かを判別する(S4142)。
メインCPU1101が、特典管理テーブル1157に記憶されているレコードの総遊技回数と受信した総遊技回数が同じ値である、すなわち、遊技が開始されていないと判別したとき(S4142がNO判定の場合)、メインCPU1101は、処理を終了する。メインCPU1101が、特典管理テーブル1157に記憶されているレコードの総遊技回数より、受信した総遊技回数が大きい値であると判別したとき(S4142がYES判定の場合)、特典管理テーブル1157の対象レコードに対して、総遊技回数を、受信した総遊技回数に更新し、遊技開始フラグに1をセットする(S4143)。その後、メインCPU1101は、処理を終了する。
携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100が特典管理テーブル1157の更新処理を終えると、特典チャンス参加メッセージ2(例えば、「特典チャンスに参加しました!」といったメッセージ)をディスプレイ1708に表示する(S4144)。その後、メインCPU1701は、処理を終了する。
遊技機1300dでは、サブCPU201’が、終了操作があったか否かを判別する(S4145)。サブCPU201’が、終了操作がないと判別したとき(S4145がNO判定の場合)、S4145に戻り、終了操作の待機を行う。サブCPU201’が、終了操作があると判別したとき(S4145がYES判定の場合)、メニュー表示を終了し、処理を終了する。
図93、及び図94に示す処理によって、特典チャンスを選択した遊技者のうち、実際に遊技を行った者が、特典を受ける候補となる。情報管理サーバ1100は、例えば、1日に1回といった所定のタイミングで、特典を付与する遊技機の遊技機IDを抽籤等により決定する。遊技機IDが決定されると、情報管理サーバ1100は、特典管理テーブル1157をスキャンし、対応する遊技機IDに関し、遊技開始フラグが1となっているレコードが存在するか否かをチェックする。
ここで、遊技開始フラグが1となっているレコードが存在した場合、その遊技者にポイントやプレゼント等の特典が付与される。例えば、ポイント管理テーブル(不図示)によって、携帯端末1700のユーザを特定するアプリIDに対応付けてポイント数が記憶される。また、同じ遊技機IDの遊技機1300dに対して、複数の遊技者が遊技している場合があるが、その場合は、所定の条件(例えば、遊技回数や遊技時間等)によって、1(又は複数)の遊技者が決定される。その遊技機IDの遊技機1300dで遊技した遊技者全てに特典を与えるようにしてもよい。
特典を付与すると決定された遊技者には、アプリIDを利用して、その遊技者の携帯端末1700の特典管理処理を行うアプリケーションに特典が付与された旨のメッセージを送信する。本実施形態では、特典として、例えば、特典管理処理を行うアプリケーションにおいて商品やサービスを購入できるポイントや、プレゼントの等が付与される。
なお、本実施形態では、特典を付与する遊技機1300dを決定したが、特典管理テーブル1157に記憶されたレコードのなかから、遊技開始フラグが1となっているものを抽籤等により抽出してもよい。他の様々な方法・基準で、特典を付与する対象を定めることができる。
特典管理テーブル1157に記憶されたレコードは、情報管理サーバ1100によって上記のような特典付与の処理が行われた場合、基本的に全件消去されるが、次の特典付与の対象とすべく、一部又は全部を残しておくようにすることも可能である。
また、ここでは、情報管理サーバ1100において離席かどうかが判断されているが、携帯端末1700においてこれを判定し、判定結果を情報管理サーバ1100に送信してもよい。遊技者が着席したか否か(離席していない)は、例えば、遊技機1300dから受信する無線信号の信号強度が所定のレベル(例えば、近接より近い、「ほぼ接触」といったレベル)となった場合に、着席と判定することができる。また、こうした信号強度とともに、カメラによる撮像画像や画像判定結果を用いて着席を判定してもよい。カメラは、この例では、遊技機1300dに接続されたサンド装置1370が備えている(カメラ1335)。画像判定結果等は、遊技機1300dから(例えば、BLEモジュールによる無線信号により)携帯端末1700に送信されてもよい。
またさらに、受信した無線信号の信号強度に関して、上述した「ほぼ接触」のレベルが所定時間以上継続した場合に着席と判断し、そのときに遊技機1300dの遊技機IDと、アプリIDを対応付けて情報管理サーバ1100の特典管理テーブル1157に記憶するようにしてもよい。このように構成することで、通りすがりの遊技者のアプリケーションによって、情報管理サーバ1100の特典管理テーブル1157に安易にレコードが記憶されないようにすることができる。
このようにして、遊技者に付与される「特典」は、例えば、ホール店舗や遊技機メーカー以外の営業主体によって提供された「価値」に応じて設定されうる。また、特典を付与する遊技機の遊技機IDや、1つの遊技機で複数の遊技者が遊技した場合にどの遊技者に得点を与えるかなどの指定は、ホール店舗において行うことができ、ホール店舗の管理者等は、例えば、情報管理サーバ1100に接続されるホール管理端末1600を操作して、これらの指定を行うことができる。
また、本実施形態では、総遊技回数の増加を把握して、遊技者が遊技機1300dで遊技を行ったものと判断したが、例えば、携帯端末1700で受信した遊技機1300dからの無線信号の信号強度が所定の期間、所定の値以上のレベル(遊技機に近接している状態、又は近接より近い距離にいる状態)を維持した場合に、遊技機1300dの前に着席し遊技を行ったものと推定するようにしてもよい。
<<第9実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第9実施形態に係る情報管理システムの背景技術と課題、効果、構成、及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている各遊技機1300の遊技機ID等を送信し、管理するAR表示管理処理が実現される。
<背景技術と課題>
近年、AR(拡張現実:Augmented Reality)の技術を用いて、カメラで撮像した画像(現実の画像)に別の情報(表示)を加え、当該現実の画像を拡張するアプリケーションが様々な分野で用いられている。遊技機においても、このようなARの技術を応用して演出画面等を作成するといった提案がなされている。
例えば、下記の特許文献では、カメラで撮影した遊技者の手の映像(現実の画像)と、遊技機が記憶する演出用のアニメーション画像が合成され、演出画像として表示装置に表示される。
特許文献:特開2010−172418号公報
しかしながら、上記特許文献の遊技機は、遊技機のカメラを用いて、遊技中に表示される演出画面を多様化するものであり、ホール店舗の来店者が遊技機の選択・移動のために通路を移動しているときに、何らかの情報を遊技者に提供することはできない。
<効果>
本実施形態の情報管理システム等により、ホール店舗内の移動中に、携帯端末において遊技機等に関する情報がARにより告知され、ユーザの興趣の向上が図られる(わくわく感やサプライズがユーザに提供される)。
<システムの概要>
図95は、本発明の第9実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、遊技機1300eから、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、遊技機1300eと携帯端末1700が所定距離まで近づいたと判断されると、遊技機1300eからの無線信号に含まれる遊技機IDが、遊技者の携帯端末1700に送信され、その後、その携帯端末1700が、情報管理サーバ1100にその遊技機IDを送信する。
情報管理サーバ1100は、遊技機IDを受信すると、AR表示管理テーブル1158を参照し、当該遊技機IDの遊技機1300dに対応する表示マークとその表示態様を取得し、携帯端末1700にそれらのデータを送信する。携帯端末1700は、これらの情報を受信すると、カメラ映像をディスプレイに表示する際に、カメラ映像にオーバーラップして当該表示マークが当該表示態様によって表示される。
なお、遊技機1300eは、上述の遊技機1300と同様の構成を有するが、ここでは、無線信号に役比情報等を含まないように構成される。
また、本実施形態では、遊技機1300eに接続されたデータ表示装置300eに組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機IDを送信するようにしてもよい。また、サンド装置1370や、遊技機1300eに直接、又は間接的に接続された他の周辺装置に組み込まれた無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)から無線信号を発信して、携帯端末1700に遊技機IDを送信するようにしてもよい。
このようなAR表示管理処理により、携帯端末1700のカメラによって、ホール店舗内を、撮影しながら移動し、カメラ映像をディスプレイに表示させた場合に、表示マークがオーバーラップして表示されるため、ホール店舗や遊技に関してさらに興趣を生じさせる。また、表示マークや音声によって、あいまいなお奨め台の示唆が行われる場合、それによって来店者に、限られた情報からお奨め台を探す、予想するという楽しみを与えることができる。
さらに、表示マークや音声により、突然のイベントやキャンペーンなどが告知される場合、来店者にさらなる興趣・わくわく感を生じさせる演出となり、ホール店舗への来店の大きな動機付けとなりうる。
なお、本実施形態のAR表示管理処理において想定される携帯端末1700のユーザは、例えば、遊技者、又はホール店舗への来店者である。
<主制御回路とBLEモジュールの接続形態>
本実施形態の遊技機1300eは、図82に示す第6実施形態の遊技機1300bと同様の構成である。
<情報管理システムで利用されるテーブルの構成>
次に、図96を参照して、情報管理システム1001のAR表示管理処理で利用されるデータを格納するテーブルについて説明する。
図96には、AR表示管理テーブル1158の例が示されている。AR表示管理テーブル1158は、遊技機ID、推定距離、表示マーク、表示態様を含む。表示態様には、表示位置、挙動、点滅などが記憶される。表示マークは、携帯端末1700のディスプレイ1708に表示するオブジェクトを表している。例えば、「A」の場合、「A」に対応するオブジェクト(テキスト、イメージ、アニメーションイメージ、映像等)を示している。表示位置は、携帯端末1700のディスプレイ1708に表示マークを表示する位置や配置パターン、挙動を規定するものである。時間は、表示マークの、ディスプレイ1708における表示時間を示している。点滅は、表示マークの、ディスプレイ1708における点滅有無を規定する。
<情報管理システムにおけるAR表示管理処理の説明>
次に、図97、図98を参照して、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100におけるAR表示管理処理について説明する。図97は、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100で実行されるAR表示管理処理の手順を示すフローチャートである。また、図97では、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。図98は、携帯端末1700のディスプレイ1708に表示されるAR表示画面(カメラ画像表示画面)の例を示す図である。
なお、このAR表示管理処理は、例えば、所定のサーバから、アプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。
最初に、ユーザは、携帯端末1700を操作して、AR表示管理処理を実行するアプリケーションを開始する。AR表示管理処理を実行するアプリケーションが開始されると、当該アプリケーションの制御により、携帯端末1700のメインCPU1701は、内蔵するカメラ1704を起動する(S4161)。次に、メインCPU1701は、カメラ1704で撮像した画像を、後述する図98に示すようなカメラ画像表示画面としてディスプレイ1708に表示する(S4162)。
次に、携帯端末1700のメインCPU1701は、遊技機1300eからの無線信号を受信したか否かを判別する(S4163)。なお、本実施形態において、遊技機1300eは、常時、所定のタイミング(例えば、アドバタイズ・インターバル)で、遊技機IDを含んだ無線信号を送信しているので、遊技機1300eの動作の記載については省略する。
メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4163がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4163がYES判定の場合)、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4164)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4165)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4165がNO判定の場合)、S4163に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4165がYES判定の場合)、復号化された無線信号の信号強度(RSSI)に基づいて、携帯端末1700と遊技機1300eとの距離を推定し、その距離が所定値以下であるか否かを判別する(S4166)。メインCPU1701が、推定距離が所定値以下でないと判別したとき(S4166がNO判定の場合)、S4163に戻り、無線信号の受信を行う。
メインCPU1701が、推定距離が所定値以下であると判別したとき(S4166がYES判定の場合)、復号化された無線信号の遊技機ID、及び上記処理で求めた推定距離を、情報管理サーバ1100に送信する(S4167)。なお、ここでは、AR表示管理処理を実行するアプリケーションが、情報管理サーバ1100のアドレスを記憶しており、そのアドレスに対してアクセスを行っているが、第7実施形態の遊技機1300cや第8実施形態の遊技機1300dのように、無線信号にドメイン情報を含み、そのドメイン情報に基づいて情報管理サーバ1100にアクセスしてもよい。また、メインCPU1701は、上述した遊技機IDや推定距離の送信を、所定のインターバルで(例えば、数秒ごと、数分ごとといったインターバルで)行うようにすることができる。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から、遊技機IDと推定距離を受信すると、AR表示管理テーブル1158を参照し、表示可能な表示マークとその表示態様を判定する(S4168)。例えば、最初に、AR表示管理テーブル1158に、受信した遊技機IDと同じレコードがあるか否かを判別し、次に、その遊技IDに対応してAR表示管理テーブル1158に記憶される推定距離が、受信した推定距離より大きいか否かを判別する。これらの条件を満たす場合、AR表示管理テーブル1158の当該レコードに記憶された表示マークと表示態様を送信するデータとして決定する。
このようなAR表示管理テーブル1158を参照した処理によって、遊技機1300eごとに、携帯端末1700がどの程度その遊技機1300eに近づいたら表示マークが表示されるかの基準が異なる。また、遊技機1300eごとに、表示マークや表示態様が異なるように設定される。
次に、情報管理サーバ1100のメインCPU1101は、決定された表示マークと表示態様を示すデータを、携帯端末1700に送信する(S4169)。
携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100から表示マークと表示態様を示すデータを受信すると、その表示マークを、受信した表示態様に基づいてカメラ映像にオーバーラップさせて表示するよう編集する(S4170)。その後、メインCPU1701は、編集した映像を、カメラ画像表示画面(図98参照)としてディスプレイ1708に表示する(S4171)。
次に、メインCPU1701は、終了操作があったか否かを判別する(S4172)。メインCPU1701が、終了操作がないと判別したとき(S4172がNO判定の場合)、S4163に戻り、ビーコン信号の受信を行う。メインCPU1701が、終了操作があると判別したとき(S4172がYES判定の場合)、カメラ画像表示画面の表示を終了し、処理を終了する。
カメラ画像にオーバーラップ表示させる表示マークとしては、テキスト、イメージ、アニメーションイメージ、映像等があるが、こうした視認可能なオブジェクトの代わりに(又はこれらのオブジェクトとともに)、携帯端末1700に対する制御によって、音声、楽曲、振動、ライトの点灯・点滅といった様々な動作を携帯端末1700に行わせることもできる。携帯端末1700は、例えば、振動モータ(不図示)を備えており、この振動モータを駆動させることにより、携帯端末1700が振動するよう制御することができる。また、携帯端末1700は、例えば、カメラのフラッシュ等として機能させることが可能なLEDライト(不図示)を備えており、このLEDライトを制御して点灯・点滅させることができる。
図98に示すカメラ画像表示画面3101は、ユーザが携帯端末1700のカメラ1704によって撮影された映像を表示する映像表示部3102を含む。この例では、映像表示部3102に、ユーザが撮影した遊技機1300e等が表示されており、さらに、「お奨め台」と表示されたイメージ3103が表示されている。
このように表示されたイメージ3103は、上述のように、遊技機1300eの遊技機IDが携帯端末1700経由で情報管理サーバ1100に送信された結果、表示されたものであるが、表示位置が、例えば、画面中央上側と設定されているため、実際に、どの遊技機1300eがお奨め台なのかは分からない。その後、携帯端末1700を移動させると、(ユーザには把握できていない)対象の遊技機1300eとの距離が離れるため、イメージ3103の表示が終了する。当該イメージ3103の表示開始タイミングと表示終了タイミングには、所定の待機時間を設けることもできる。
また、カメラ映像に対して画像認識処理を行い、遊技機1300e等の位置や方向等を把握したうえで、携帯端末1700に表示マーク等を出力するよう制御することもできる。
<<第10実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第10実施形態に係る情報管理システムの背景技術と課題、効果、構成、及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている無線信号発信装置1800が通知IDを送信し、それを携帯端末1700で受信し、通知IDに対応する通知情報を取得する通知情報管理処理が実現される。
<背景技術と課題>
従来の遊技システムでは、複数の遊技機に渡って遊技を行った場合においても、遊技者に対する不利益の度合いを小さくするよう、所定の特典を当該遊技者に付与するような仕組みを有するものがある。
例えば、下記の特許文献に記載された遊技システムでは、遊技機等のカードユニットが、記録媒体を受け付けた後、所定の条件に基づいて所定遊技の実行回数を計数し、計数された遊技実行回数が規定回数に達したときに、当該カードユニットの表示装置に、遊技者に付与される特典を選択する画面を表示する。
特許文献:特開2010−158309号公報
しかしながら、遊技機における遊技の状況とは関係無く、ホール店舗への入店者や付近の人にとって有利な情報をその人に提供するシステムはこれまでに提案されていない。
<効果>
本実施形態の情報管理システム等により、所定の範囲に位置する、通りすがりのユーザに対して積極的な勧誘が可能であり、また、ユーザの属性に応じた内容を告知することができる。また、ユーザの移動方向(例えば、入店又は退店)に応じて、提供する情報を区別することができる。
<システムの概要>
図99は、本発明の第10実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、無線信号発信装置1800から、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、無線信号発信装置1800と携帯端末1700が所定距離まで近づいたと判断されると、無線信号発信装置1800からの無線信号に含まれる通知IDが、遊技者の携帯端末1700に送信され、その後、その携帯端末1700が、情報管理サーバ1100にその通知IDを送信する。
情報管理サーバ1100は、通知IDを受信すると、通知情報管理テーブル1159を参照し、当該通知IDに対応する通知情報を取得し、携帯端末1700にこの通知情報を送信する。携帯端末1700は、通知情報を受信すると、当該通知情報をディスプレイに表示(例えば、プッシュ表示)する。
なお、無線信号発信装置1800(不図示)は、上述の遊技機1300の外部集中端子板47に実装されるBLEモジュール49と同様の構成を回路を含むものである。常時、所定のタイミング(例えば、アドバタイズ・インターバル)で、所定の通知IDを含む無線信号を送信する。無線信号発信装置1800は、単独の機器である必要はなく、他の装置に組み込まれるように構成することもできる。
このような通知情報管理処理により、ホール店舗の付近を通過する通りすがりのユーザに対して、積極的な勧誘が可能となり、また、ユーザの属性に応じた効果的な告知を行うことができる。この場合、無線信号発信装置1800は、ホール店舗の出入口に配置され、無線信号の広範な伝播が可能な装置である(例えば、Class1、又はClass2のBLEチップを有するBLEモジュールを備える装置)。
また、ホール店舗への入店者のみを対象とし、成人に対してお奨め情報など、効果的な告知を行うように構成することもできる。この場合、無線信号発信装置1800は、ホール店舗の出入口に配置され、比較的狭い範囲に無線信号を送信する装置である(例えば、Class3のBLEチップを有するBLEモジュールを備える装置)。
なお、本実施形態の通知情報管理処理において想定される携帯端末1700のユーザは、例えば、遊技者、又はホール店舗への来店者である。
<無線信号発信装置の配置>
次に、図100を参照して、ホール店舗における無線信号発信装置1800の配置形態について説明する。図100は、ホール店舗における無線信号発信装置1800の配置例を示した図である。
図100Aは、図64に示したホール店舗のレイアウトにおいて、正面出入口2011aの付近に1つの無線信号発信装置1800が配置されている例を示している。無線信号発信装置1800は、例えば、正面出入口2011aに設置されている自動ドアの上部に配置される。
また、この無線信号発信装置1800は、高出力で無線信号を比較的広範囲にまで送信できる装置であり、例えば、Class2(最大10mの電波到達距離(規格値))のBLEチップを有するBLEモジュールを備えている。
無線信号発信装置1800がこうした広範な伝播範囲を有するため、例えば、ホール店舗の前の道路を歩いている通行人2003の携帯端末1700に対しても、所定のメッセージを送信し、表示させるようにすることができる。
図100Bは、図64に示したホール店舗のレイアウトにおいて、正面出入口2011aの付近に2つの無線信号発信装置1800が配置されている例を示している。無線信号発信装置1800a、1800bは、例えば、正面出入口2011aに設置されている自動ドアの両端からホール店舗の内部に延びる、通路ガイド2011−1、及び2011−2の上部にそれぞれ配置される。
また、これらの無線信号発信装置1800は、低出力で無線信号を送信する装置であり、例えば、Class3(最大1mの電波到達距離(規格値))のBLEチップを有するBLEモジュールを備えている。
2つの無線信号発信装置1800がこうした、比較的狭い範囲で通知IDを送信するため、例えば、ホール店舗の正面出入口2011aに設置されている自動ドアに近接している、又は当該自動ドアを通過している入店者2004の携帯端末1700に対してのみ、所定のメッセージを送信し、表示させるようにすることができる。
<情報管理システムで利用されるテーブルの構成>
次に、図101を参照して、情報管理システム1001の通知情報管理処理で利用されるデータを格納するテーブルについて説明する。
図101には、通知情報管理テーブル1159の例が示されている。通知情報管理テーブル1159は、通知ID、通知条件、通知情報を含む。無線信号発信装置1800は、複数配置することができ、それぞれの装置に応じて、対応する通知IDが設定される。通知条件は、この例では、ユーザが保持するポイント数となっている。通知情報は、ここでは、パターン識別記号が記憶されており、例えば、「A」の場合、「A」に対応するオブジェクト(テキスト、イメージ、アニメーションイメージ、映像等)である。
<情報管理システムにおける通知情報管理処理の説明>
次に、図102を参照して、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100における通知情報管理処理について説明する。図102は、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100で実行される通知情報管理処理の手順を示すフローチャートである。また、図102では、携帯端末1700、及び情報管理サーバ1100の処理の流れがそれぞれ時系列に示されている。
なお、この通知情報管理処理は、例えば、所定のサーバから、アプリケーションを携帯端末1700にダウンロードすることにより実行可能となる。ここでは、通知情報管理処理に際して、後述するように、無線信号の受信をトリガーとして当該アプリケーションが起動されるものとする。なお、事前にアプリケーションを起動させておいたり、無線信号の受信を行った場合に起動を促すメッセージを表示させたりすることもできる。また、当該アプリケーションが起動している場合にのみ、通知情報を送信するよう構成することもできる。
最初に、ユーザが保持する携帯端末1700のメインCPU1701は、無線信号発信装置1800からの無線信号を受信したか否かを判別する(S4191)。なお、本実施形態において、無線信号発信装置1800は、常時、所定のタイミング(例えば、アドバタイズ・インターバル)で、通知IDを含んだ無線信号を送信しているので、無線信号発信装置1800の動作の記載については省略する。
メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4191がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4191がYES判定の場合)、通知情報管理処理のアプリケーションを(例えば、バックグラウンドで)起動する(S4192)。
次に、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4193)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4194)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4194がNO判定の場合)、S4191に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4194がYES判定の場合)、復号化された無線信号から通知IDを取得する(S4195)。
次に、メインCPU1701が、受信信号から取得した通知IDを、受信信号の信号強度(例えば、RSSI)、アプリIDとともに、情報管理サーバ1100に送信する(S4196)。なお、ここでは、通知情報管理処理を実行するアプリケーションが、情報管理サーバ1100のアドレスを記憶しており、そのアドレスに対してアクセスを行っているが、第7実施形態の遊技機1300cや第8実施形態の遊技機1300dのように、無線信号にドメイン情報を含み、そのドメイン情報に基づいて情報管理サーバ1100にアクセスしてもよい。また、メインCPU1701は、取得した通知IDが前回取得したものと同じである場合、上述した通知ID、信号強度、アプリID等の送信を省略したり、所定のインターバルで(例えば、数秒ごと、数分ごとといったインターバルで)行うようにしたりすることができる。
アプリIDは、上述した通知情報管理処理のアプリケーションにおいて記憶されているIDであり、ユーザごとに異なるIDが設定されているものである。
情報管理サーバ1100のメインCPU1101が、携帯端末1700から、通知ID、信号強度、アプリIDを受信すると、通知情報管理テーブル1159を参照して、対応する通知IDのレコードを検索し、さらに、このレコードの通知条件を満たしている場合に、そのレコードで指定される通知情報を、送信する通知情報として決定する(S4197)。
通知条件は、この例では、当該ユーザの会員情報(例えば、ユーザが保持するポイント数)と、携帯端末1700と無線信号発信装置1800との推定距離に基づいて判断される。ポイント数は、受信したアプリIDに基づいて、ユーザポイントテーブル(不図示)を参照することにより取得可能であり、推定距離は、受信した信号強度により求めることができる。
次に、情報管理サーバ1100のメインCPU1101は、決定された通知情報を携帯端末1700に通知する(S4198)。その後、メインCPU1101は、処理を終了する。送信される通知情報には、例えば、ユーザの会員情報であるポイント数、会員属性ではない来店ポイント、人気機種の案内といったお奨め情報等が含まれる。人気機種の案内といったお奨め情報は、ホール店舗において行うことができ、ホール店舗の管理者等は、例えば、情報管理サーバ1100に接続されるホール管理端末1600を操作して、お奨め情報とその通知条件を入力することができる。
携帯端末1700のメインCPU1701は、情報管理サーバ1100から通知情報を受信すると、その通知情報をディスプレイ1708に、例えばポップアップ画面の形態で表示する(S4199)。その後、メインCPU1701は、S4191に戻り、無線信号の受信を行う。
本実施形態では、受信した通知IDごとに、ユーザのポイント数や推定距離といった通知条件が設定されているが、このような通知条件を設けず、無条件に通知を行うようにしてもよい。また、他の通知条件を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、受信した通知IDが同一であっても、通知条件に応じて通知情報の内容が異なるように設定されている。
なお、例えば、図100Bのように、無線信号発信装置1800a、1800bが、通路ガイド2011−1、及び2011−2の上部にそれぞれ配置される場合、無線信号発信装置をそれぞれの通路ガイドに沿ってさらに設置したり、近くにある遊技機から受信した無線信号の信号強度についても判定を行うことにより、携帯端末1700のユーザが、ホール店舗の出入口において、入る方向に進んでいるのか出る方向に進んでいるのかを判定することができ、その判定結果に応じて、異なる通知を行うことができる。
<<第11実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第11実施形態に係る情報管理システムの背景技術と課題、効果、構成、及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている複数の無線信号発信装置1900が無線信号を送信し、それを携帯端末1700で受信し、単方向通信、又は双方向通信を行うよう制御する無線通信制御処理が実現される。
<背景技術と課題>
従来より、無線通信において、単方向でデータを送信可能な単方向通信と、双方向でデータを送受信可能な双方向通信とを切り替えることができる規格(プロトコル)が知られている。
例えば、下記の特許文献では、ユーザが携帯し認証情報を送信することができる認証キーと、当該ユーザの携帯電話との間で、単方向通信モードと双方向通信モードとを切り替える認証システムが提案されている。
特許文献:特開2008−109358号公報
しかしながら、上記特許文献の認証システムでは、認証キーと携帯電話との間の1対1の通信における通信モードを制御するものであって、1対多の通信における通信モードの制御には対応していない。また、上記特許文献の認証システムでは、どちらもユーザによる移動が可能な認証キーと携帯電話との間の通信を前提としており、1つの移動可能な機器と複数の固定的に設置された機器との間で通信モードを切り替えるものではない。
<効果>
携帯端末と距離が一番近い機器に対して動的に双方向通信に切り替えられ、他の機器については、一方向の通信が継続される(又は遮断される)ため、携帯端末の移動に伴って、双方向通信の対象機器が順次切り替えられるよう制御され、携帯端末からの情報を各機器に順に送信することができる。
<システムの概要>
図103、及び図104は、本発明の第11実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、複数の無線信号発信装置1900(1900a、1900b、1900c)から、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、携帯端末1700が無線信号発信装置1900から無線信号を受信すると、その時点で単方向通信が行われる。
また、携帯端末1700が、複数の無線信号発信装置1900から同時に無線信号を受信する場合に、そのうちの1つの無線信号発信装置1900との間で、双方向通信を行うよう制御する。無線信号発信装置1900は、サンド装置1370や、上述した遊技機1300、1300a〜1300e等に直接、又は間接的に接続された他の周辺装置に無線信号発信回路(例えば、BLEモジュール)を組み込んだものであってもよい。なお、無線信号発信装置1900は、上述した遊技機1300、1300a〜1300eであってもよい。
例えば、図103Aでは、3つの無線信号発信装置1900(1900a、1900b、1900c)が一列に配置され、携帯端末1700が、矢印C1の方向に移動している状況が示されている。ここで、携帯端末1700は、無線信号発信装置1900cが送信する無線信号だけを受信できているとする。
この場合、無線信号発信装置1900cと携帯端末1700は単方向通信となり、携帯端末1700は、無線信号発信装置1900cからの無線信号を受信するのみである。
このような単方向通信が行われる状況は、例えば、BLEにおいては、アドバタイジング通信方式に対応するものである。
次に、図103Bでは、携帯端末1700が矢印C1の方向にさらに移動している状況が示されている。ここで、携帯端末1700は、無線信号発信装置1900bと無線信号発信装置1900cが送信する無線信号を受信できており、また、携帯端末1700との距離は、無線信号発信装置1900cのほうが近く、受信した無線信号の信号強度もこの2つの無線信号発信装置1900では最大であるとする。
この場合、距離が最も近い無線信号発信装置1900cと携帯端末1700は、単方向通信から双方向通信に移行し、無線信号発信装置1900bと携帯端末1700は、単方向通信となる。
上記のような、単方向通信から双方向通信に移行が行われる状況は、例えば、BLEにおいては、アドバタイジング通信方式からマスタ・スレーブ通信方式に移行した状況に対応するものである。
次に、図103Cでは、携帯端末1700が矢印C1の方向にさらに移動している状況が示されている。ここで、携帯端末1700は、無線信号発信装置1900a、無線信号発信装置1900b、及び無線信号発信装置1900cが送信する無線信号をそれぞれ受信できており、また、携帯端末1700との距離は、無線信号発信装置1900bが最も近く、受信した無線信号の信号強度もこの3つの無線信号発信装置1900では最大であるとする。
この場合、距離が最も近い無線信号発信装置1900bと携帯端末1700は、単方向通信から双方向通信に移行し、無線信号発信装置1900cと携帯端末1700は、双方向通信から単方向通信に移行し、無線信号発信装置1900aと携帯端末1700は、単方向通信となる。
次に、図103Dでは、携帯端末1700が矢印C1の方向にさらに移動している状況が示されている。ここで、携帯端末1700は、無線信号発信装置1900aと無線信号発信装置1900bが送信する無線信号を受信できており、また、携帯端末1700との距離は、無線信号発信装置1900aのほうが近く、受信した無線信号の信号強度もこの2つの無線信号発信装置1900では最大であるとする。
この場合、距離が近い無線信号発信装置1900aと携帯端末1700は、単方向通信から双方向通信に移行し、無線信号発信装置1900bと携帯端末1700は、双方向通信から単方向通信に移行し、無線信号発信装置1900cと携帯端末1700は、単方向通信が終了する。
次に、図104Aでは、携帯端末1700が矢印C1の方向にさらに移動している状況が示されている。ここで、携帯端末1700は、無線信号発信装置1900aが送信する無線信号だけを受信できている。
この場合、無線信号発信装置1900aと携帯端末1700は、双方向通信から単方向通信から双方向通信に移行し、無線信号発信装置1900bと携帯端末1700は、単方向通信が終了する。
次に、図104Bでは、携帯端末1700が矢印C1の方向にさらに移動している状況が示されている。ここで、携帯端末1700は、すべての無線信号発信装置1900の無線信号を受信できていない。
この場合、無線信号発信装置1900aと携帯端末1700は、単方向通信が終了する。
このように、本実施形態の無線通信制御処理では、複数の無線信号発信装置1900からの無線信号が受信可能である場合に、例えば、そのなかで受信した信号強度が最大の装置(すなわち、最も距離が近いと推定される装置)に対して、双方向通信が実現され、その他の装置に対しては単方向通信となるように制御される。
<情報管理システムにおける無線通信制御処理の説明>
次に、図105を参照して、携帯端末1700における無線通信制御処理について説明する。図105は、携帯端末1700で実行される無線通信制御処理の手順を示すフローチャートである。
最初に、ユーザによって携帯端末1700の電源が投入され、携帯端末1700のOSや、起動時に自動起動されるアプリケーションが実行される。
次に、携帯端末1700のメインCPU1701は、無線信号発信装置1900からの無線信号を受信したか否かを判別する(S4211)。なお、本実施形態において、複数の無線信号発信装置1900はそれぞれ、常時、所定のタイミング(例えば、アドバタイズ・インターバル)で、無線信号を送信しているので、無線信号発信装置1900の動作の記載については省略する。
メインCPU1701が、無線信号を受信していないと判別したとき(S4211がNO判定の場合)、当該受信処理を繰り返す。
メインCPU1701が、無線信号を受信したと判別したとき(S4211がYES判定の場合)、無線通信制御処理のアプリケーションを(例えば、バックグラウンドで)起動する(S4212)。こうした無線通信制御処理のアプリケーションは、携帯端末1700の起動時に起動させることも可能である。
次に、メインCPU1701は、受信した無線信号を復号してUUIDを取得する(S4213)。次に、メインCPU1701が、処理対象のUUIDであるか否かを判別する(S4214)。メインCPU1701が、処理対象のUUIDでないと判別したとき(S4214がNO判定の場合)、S4211に戻り、無線信号の受信を行う。この例では、UUIDは、例えば組織に対応した組織ID等がセットされており、対象とするUUIDのみを処理することで、無関係の無線信号やなりすましの無線信号を処理してしまうことを回避することができる。
メインCPU1701が、処理対象のUUIDであると判別したとき(S4214がYES判定の場合)、受信した無線信号の信号強度と、復号化された無線信号から機器IDを取得し、これらを対応付けて記憶する(S4215)。ここで、機器IDは、無線信号発信装置1900をユニークに識別可能な識別子である。無線信号発信装置1900が上述した遊技機1300、1300a〜1300eである場合は、遊技機IDを機器IDとして用いることができる。
このようにして記憶された機器IDは、一定時間、その機器IDの装置から無線信号が受信されない場合は削除される。
次に、メインCPU1701が、記憶されている機器IDが複数か否かを判別する(S4216)。メインCPU1701が、記憶されている機器IDが複数でないと判別したとき(S4216がNO判定の場合)、記憶されている機器IDが0か否かを判別する(S4222)。ここで、メインCPU1701が、記憶されている機器IDが0であると判別したとき(S4222がNO判定の場合)、1つも無線信号発信装置1900を発見していないので、S4211に戻って、無線信号の受信を繰り返す。
メインCPU1701が、記憶されている機器IDが1つであると判別したとき(S4222がYES判定の場合)、1つだけ無線信号発信装置1900が発見されているので、ここで、前回まで機器IDが複数記憶されていたか否かを判別する(S4223)。
メインCPU1701が、前回まで機器IDが複数記憶されていたと判別したとき(S4223がYES判定の場合)、すなわち、図103Dに示す状態から図104Aに示す状態に移行したような場合、前回まで双方向通信がされていたので、当該双方向通信のコネクションをクローズする(S4224)。なお、このとき、無線信号発信装置1900において、通信モードの切替要求(双方向通信から単方向通信への切替要求)が必要とされる場合には、例えば、携帯端末1700から無線ネットワークを経由して情報管理サーバ1100に当該機器IDに対応する無線信号発信装置1900の切替要求を行い、情報管理サーバ1100から、対応するホール店舗のホールコンピュータ1200等を介して、対象の無線信号発信装置1900に通信モードの切替要求が送信される。その後、メインCPU1701は、S4211に戻って、無線信号の受信を繰り返す。
メインCPU1701が、前回において機器IDが複数記憶されていないと判別したとき(S4223がNO判定の場合)、すなわち、通信の相手が0から1になった、又は、1のままという状況であるため、メインCPU1701は、S4211に戻って、無線信号の受信を繰り返す。
メインCPU1701が、記憶されている機器IDが複数であると判別したとき(S4216がYES判定の場合)、機器IDと対応付けて記憶されている信号強度から、最も推定距離の近い機器IDを特定する(S4217)。次に、メインCPU1701は、前回まで機器IDが複数記憶されていたか否かを判別する(S4218)。
メインCPU1701が、前回まで機器IDが複数記憶されていたと判別したとき(S4218がYES判定の場合)、メインCPU1701は、今回特定された機器IDと前回に双方向通信が確立されている機器IDが同じか否かを判別する(S4219)。ここで、メインCPU1701が、今回特定された機器IDと前回に双方向通信が確立されている機器IDとが同じであると判別したとき(S4219がYES判定の場合)、この場合は、双方向通信の対象に変更がないので、特段の処理を行わず、S4211に戻って、無線信号の受信を繰り返す。
メインCPU1701が、今回特定された機器IDと前回に双方向通信が確立されている機器IDとが同じでないと判別したとき(S4219がNO判定の場合)、すなわち、双方向通信を行う相手が変更されているため、前回の双方向通信に関して双方向通信のコネクションをクローズする(S4220)。この状況は、例えば、図103B〜図103Dで表される遷移の状況に対応する。なお、このとき、無線信号発信装置1900において、通信モードの切替要求(双方向通信から単方向通信への切替要求)が必要とされる場合には、例えば、携帯端末1700から無線ネットワークを経由して情報管理サーバ1100に当該機器IDに対応する無線信号発信装置1900の切替要求を行い、情報管理サーバ1100から、対応するホール店舗のホールコンピュータ1200等を介して、対象の無線信号発信装置1900に通信モードの切替要求が送信される。
S4220の処理後、又は前回まで機器IDが複数記憶されていないと判別したとき(S4218がNO判定の場合)、メインCPU1701は、今回特定された機器IDの装置と携帯端末1700の間で、双方向通信のコネクション(双方向通信のセッション)を確立させる処理を行う(S4221)。例えば、BLE規格に基づいてこのような通信モードの切替を行う場合、最初の単方向通信の状況では、無線信号発信装置1900が状態「Advertising」、携帯端末1700が状態「Scanning」であり、双方向通信モードに移行する場合、携帯端末1700は、状態を「Scanning」−>「Standby」−>「Initiating」に遷移させ、そこで、無線信号発信装置1900からのアドバタイズメント・パケットに双方向通信を行うためのレスポンスを送信する。これによって、携帯端末1700は、状態「Initiating」から「Connection(マスター)」に遷移し、無線信号発信装置1900は、状態「Advertising」から「Connection(スレーブ)」に遷移し、そこで双方向通信が実現される。
なお、このとき、無線信号発信装置1900において、通信モードの切替要求(単方向通信から双方向通信への切替要求)が必要とされる場合には、例えば、携帯端末1700から無線ネットワークを経由して情報管理サーバ1100に当該機器IDに対応する無線信号発信装置1900の切替要求を行い、情報管理サーバ1100から、対応するホール店舗のホールコンピュータ1200等を介して、対象の無線信号発信装置1900に通信モードの切替要求が送信される。その後、メインCPU1701は、S4211に戻って、無線信号の受信を繰り返す。
このような無線通信制御処理によって、複数の無線信号発信装置1900からそれぞれ無線信号を受信した場合に、もっとも近いと推定される無線信号発信装置1900と携帯端末1700の間で双方向通信を実現し、携帯端末1700の移動に伴って、当該双方向通信のコネクションをダイナミックに移行させることができる。
また、本実施形態では、双方向通信の相手を、最も距離の近い1つの装置としたが、複数の装置について双方向通信とすることも可能であり、また、距離が近いという基準以外にも様々な基準を設けることができる。また、そのような双方向通信の相手を特定するための基準を、時間や状況に応じて変化させることもできる。
また、本実施形態では、無線通信の相手(無線信号発信装置1900)が1台となった場合に、双方向通信のコネクションをクローズしているが、そのまま双方向通信のコネクションを、無線信号が受信できなくなるまで維持するようにすることもできる。
さらに、無線通信の相手が2台から1台になった場合(図103D、図104Aで表される遷移の状況)や、無線通信の相手が0台から1台になった場合(図103Aで表される状況)のそれぞれについて、双方向通信のコネクションをどのようにするか、それぞれ設定することができる。例えば、無線通信の相手が0台から1台になった場合は、その通信を双方向通信に移行させ、無線通信の相手が2台から1台になった場合は、その通信を単方向通信のままとする(又は単方向通信に移行させる)ように制御することができる。
また、本実施形態においては、上述のように、携帯端末1700と距離が一番近い無線信号発信装置1900に対して動的に双方向通信に切り替えられ、他の無線信号発信装置1900については、一方向の通信が継続される(又は遮断される)ため、携帯端末1700の移動に伴って、双方向通信の対象となる無線信号発信装置1900が順次切り替えられるよう制御され、これによって、携帯端末1700からの情報を各無線信号発信装置1900に順に送信することができる。さらに、このような動的な切り替えにより、携帯端末1700に最も近い(又は他の特定の)無線信号発信装置1900から受信した情報を、携帯端末1700の移動に伴って次に最接近した機器に向けて送信するよう制御することができ、これによって、所定の情報を、携帯端末1700の移動に伴って(携帯端末1700を中間媒体として)次々に複数の無線信号発信装置1900の間で受け渡していくように制御することができる。
以上、第1実施形態〜第11実施形態に関して、主としてBLE規格に基づいたビーコン信号を送信することによって、遊技機ID等の情報を携帯端末1700に送信するよう説明してきたが、こうしたビーコン信号の送信は一例に過ぎない。他の無線通信規格に基づいて送信される無線信号を携帯端末1700で受信することによって、第1実施形態〜第11実施形態に関して示したものと同様の効果を奏するように構成することができる。
<<第12実施形態>>
次に、図面を参照しながら、本発明の第12実施形態に係る情報管理システムの構成及び動作について説明する。本実施形態では、ホール店舗に配置されている、1つ又は複数の無線信号発信装置1950が無線信号を送信し、それを携帯端末1700で受信することによって携帯端末1700の位置を推定し、どの遊技機に最も近いか等、携帯端末1700の状況を判定する。
<システムの概要>
図106は、本発明の第12実施形態に係る情報管理システムの概要を示す図である。本実施形態では、無線信号発信装置1950から、例えば、BLE規格のビーコン信号といった無線信号が発信され、携帯端末1700が無線信号発信装置1950から無線信号を受信すると、その無線信号を識別するための信号ID(例えば、ビーコンID)と、受信時の信号強度(例えば、RSSI)を情報管理サーバ1100に送信する。その後、情報管理サーバ1100は、受信した上記データに基づいて、携帯端末1700の位置を推定し、さらに、携帯端末1700が、どの遊技機に最も近いかや、どの通知を送信すべき位置にあるかを判定する。
このようなシステム構成を利用して、第8実施形態の特典管理処理、第9実施形態のAR表示管理処理、第10実施形態の通知情報管理処理において、携帯端末1700がそれぞれ、遊技機1300d、遊技機1300e、無線信号発信装置1800から無線信号を受信する代わりに、図106に示す無線信号発信装置1950から無線信号を受信して、同様の処理を実現することができる。
例えば、情報管理サーバ1100は、携帯端末1700により受信された、無線信号発信装置1950からの無線信号の信号IDと受信時の信号強度から、携帯端末1700の位置を推定し、その推定位置に基づいて、遊技機1300dや遊技機1300eに近づいたことを検知して、これらの遊技機に対応する遊技機ID(図91、図95参照)を特定し、上記の処理(すなわち、特典管理処理、AR表示管理処理)を実現する。
また、情報管理サーバ1100は、携帯端末1700により受信された、無線信号発信装置1950からの無線信号の信号IDと受信時の信号強度から、携帯端末1700の位置を推定し、当該推定位置に対応する通知ID(図99参照)を求めて、その通知IDに対応する通知情報を携帯端末1700に送信することによって、上記の処理(すなわち、通知情報管理処理)を実現する。
<無線信号発信装置と仮想ビーコンの概要>
無線信号発信装置1950は、指向性(又は可動型)アンテナを用いて複数の無線信号(例えば、BLEモジュールにより送信されるBLEビーム)を送信する。当該BLEビームは、例えば、電波を特定の方向に向けて集中的に発射するビームフォーミング機能により生成される。また、本実施形態において、指向性アンテナは、携帯端末からの信号を受信する双方向通信を実現することもできる。
無線信号発信装置1950のBLEモジュールは、例えば、CPU、ROM、RAM、BLEチップを有するように構成される。CPUは、送信すべきデータを受信して当該受信データが無線信号(例えば、ビーコン信号)として送信されるようにBLEチップを制御する。ROMは、上述したCPUの動作を実現させるためのプログラムやその他のデータを記憶する。RAMは、上述した受信データや他の必要なデータを一時的に記憶する。BLEチップは、CPUからの制御により、受信データを無線信号として、アンテナを経由し(所定の方向に)送信する。
なお、無線信号発信装置1950によって双方向通信が実現されることにより、携帯端末1700で受信した無線信号の信号ID、信号強度、及びアプリID等が、図106に示すような情報管理サーバ1100ではなく、無線信号発信装置1950において受信される。さらに、当該無線信号発信装置1950が情報管理サーバ1100と、有線ネットワーク又は無線ネットワークで接続されることにより、結果的に、携帯端末1700からの信号ID等の情報が、情報管理サーバ1100に提供される。
無線信号発信装置1950は、例えば、ホール店舗の天井等に設置され、周囲の複数方向に向けて、それぞれ異なる信号IDに対応付けられた無線信号を送出する。図107に示す無線信号発信装置1950の例では、8つの信号(19050a〜1950hで示される信号IDの信号)が異なる8つの方向に送信され、例えば、図64に示したホール店舗のレイアウトの一部(島2035、島2036)の範囲をカバーする。なお、図107では、それぞれの無線信号が各方向に、放射状に伝播する状況を扇形の図形によって示しているが、これらの図形は伝播イメージを表す便宜上の表記であって、各図形の円弧の部分が無線信号の電波到達距離や同じ信号強度の位置を示している訳ではなく、また、各図形の半径を表す直線が、無線信号の放射角度(横方向の伝播範囲)を厳密に表している訳ではない。
また、ホール店舗全体のフロアを1台でカバーする無線信号発信装置1950がある場合は、その無線信号発信装置1950をフロアの中心部付近に配置すればよいが、そうでない場合は、複数の無線信号発信装置1950をフロアの複数位置に配置して、フロア全体をカバーするようにしてもよい。
また、例えば、1台、又は複数の無線信号発信装置1950がBLE規格に基づいて複数のビーコン信号を送信する装置である場合、当該ビーコン信号が到達しないフロアの範囲を、別の無線信号(例えば、無線LANの規格(IEEE802.11等)に基づく信号)によってカバーし、結果的に、フロア全体が無線信号によってカバーされるように構成されてもよい。
図107に示す状況において、携帯端末1700が、無線信号発信装置1950からの無線信号(この例では、1950d〜1950fの信号IDを有する無線信号)を受信すると、携帯端末1700は、例えば、無線LANで情報管理サーバ1100にアクセスし、信号ID、受信した無線信号の信号強度、及びアプリIDを当該情報管理サーバ1100に送信する。この例では、信号ID=1950d、信号ID=1950e、信号ID=1950fで表されるそれぞれの無線信号の信号強度が、信号IDに対応付けられて送信される。また、位置推定の精度は低下するが、1つの無線信号の信号IDと、その信号強度が送信されるようにしてもよい。
情報管理サーバ1100は、携帯端末1700から信号ID、信号強度、及びアプリIDを受信すると、これらのデータと、情報管理サーバ1100のホール店舗における配置位置、及び信号IDに対応する無線信号の送信方向とから、携帯端末1700のホール店舗における位置を推定する。
さらに情報管理サーバ1100は、ホール店舗における遊技機1300dや遊技機1300eのそれぞれの配置位置を把握しており(例えば、図63のマップ情報テーブル1153)、携帯端末1700の推定位置とこれらの位置情報から、携帯端末1700がどの遊技機に最も近いかを把握することができる。このような判定は、リアルタイムに近いタイミングで実現することができる。
上述した情報管理サーバ1100の処理により、例えば、第8実施形態において、携帯端末1700が、それぞれの遊技機1300dから遊技機IDや総遊技回数を受信することをせずに、無線信号発信装置1950からの無線信号を受信することによって、どの遊技機1300dで遊技を行ったかを判定し、特典管理テーブル1157を更新するように構成することができる。なお、本実施形態では、遊技がされたことを確認するための総遊技回数といった情報を受信していないが、携帯端末1700が、遊技機1300dに所定時間以上、近接した位置、又は近接より接近した位置にあったと判定された場合に、遊技機1300dにおいて遊技がされたと判定するようにできる。
また、第9実施形態において、情報管理サーバ1100は、携帯端末1700が、それぞれの遊技機1300eから遊技機IDを受信することをせずに、無線信号発信装置1950からの無線信号を受信することによって、どの遊技機1300eに接近したかを判定し、その接近した遊技機1300eの遊技機IDとAR表示管理テーブル1158の内容に基づいて、携帯端末1700のディスプレイ1708にAR表示を行うための表示マークと表示態様を決定し、これらを携帯端末1700に送信することができる。
さらに情報管理サーバ1100は、ホール店舗の前の道路や、ホール店舗の出入口の位置を把握しており、携帯端末1700の推定位置とこれらの位置情報から、携帯端末1700が、ホール店舗の前の道路や、ホール店舗の出入り口とどのような位置関係にあるかをリアルタイムに近いタイミングで把握することができる。
このような情報管理サーバ1100の処理により、例えば、第10実施形態において、携帯端末1700が、無線信号発信装置1800や無線信号発信装置1900から通知IDを受信することをせずに、無線信号発信装置1950からの無線信号を受信することによって、携帯端末1700がどの位置にあるか(例えば、ホール店舗の前の道路や、ホール店舗の出入り口にどれだけ近づいたか)を判定し、当該判定結果と通知情報管理テーブル1159の内容に基づいて、携帯端末1700のディスプレイ1708に通知を行うための通知情報を決定し、これを携帯端末1700に送信することができる。
また、携帯端末1700が、無線信号発信装置1950からの無線信号を(例えば、1秒以下の間隔で)受信することによって、携帯端末1700のユーザが、ホール店舗の出入口において、入る方向に進んでいるのか出る方向に進んでいるのかを判定することができ、その判定結果に応じて、異なる通知を行うことができる。