JP6922695B2 - ペレットの製造方法、ニッケル酸化鉱の製錬方法 - Google Patents
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本発明に係るペレットの製造方法は、例えば、ニッケル酸化鉱の製錬方法にて用いられる、少なくとも酸化鉱と炭素質還元剤とを含むペレットの製造方法である。このペレットの製造方法は、酸化鉱と炭素質還元剤とを混合して混合物とする混合処理工程と、得られた混合物を成形してペレットとする混合物成形工程と、を有する。
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱の製錬方法は、ニッケル酸化鉱を炭素質還元剤と混合して混合物とし、その混合物に対して還元処理を施すことによって、還元物としてメタル(鉄とニッケルの合金であるフェロニッケル)とスラグとを生成させる方法である。なお、メタルであるフェロニッケルは、還元処理を経て得られたメタルとスラグとを含む混合物から、そのメタルを分離することで回収することができる。
ペレット製造工程S1は、酸化鉱であるニッケル酸化鉱を含む原料粉末を混合して混合物とし、その混合物をペレットに成形する工程である。具体的に、ペレット製造工程S1は、少なくともニッケル酸化鉱と炭素質還元剤とを混合して混合物とする混合処理工程S11と、得られた混合物を成形してペレットする混合物成形工程S12と、を有する。
混合処理工程S11では、少なくともニッケル酸化鉱と炭素質還元剤とを混合して原料粉末から構成される混合物を得る。具体的には、原料鉱石であるニッケル酸化鉱に、炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分等の、例えば粒径が0.1mm〜0.8mm程度の粉末を添加して混合して混合物とする。
混合物成形工程S12では、混合処理工程S11で調製して得られた混合物を、ある程度の大きさ以上の塊(塊状物、以下「ペレット」という)に成形する。なお、この混合物成形工程S12にて得られるペレットが、還元工程S3における所定の温度での還元処理(還元加熱処理)の処理対象となる。
乾燥工程S2は、ペレット製造工程S1にて製造したペレットを乾燥して、そのペレットに含まれる水分(付着水)を蒸発させ除去する工程である。必須の態様ではないが、このように、製造したペレットに対して乾燥処理を施すことにより、次工程の還元工程S3における還元処理に際して急激な昇温によってペレット内部の水分が一気に膨張することで、粉々に破損してしまう事態を防ぐことができる。
還元工程S3は、製造したペレットを還元炉内に装入して、所定の還元温度で還元加熱する工程である。この還元工程S3における還元加熱処理により、製錬反応(還元反応)が進行して、還元物であるメタルとスラグとが生成する。
回収工程S4では、還元工程S3にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する。具体的には、混合物に対する還元加熱処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(スラグ固相)とを含む混合物(混在物)からメタル相を分離して回収する。
以下のようにしてフェロニッケル製錬に用いるペレットを製造した。
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱(鉱石表面に付着した付着水分がおよそ0質量%)と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85質量%、平均粒径:約90μm)を、混合機を用いて混合して混合物を得た。このとき、水及びバインダー成分を添加せずに混合物を調製した。なお、原料鉱石として用いたニッケル酸化鉱については、乾燥処理を施すことによって付着水分をおよそ0質量%とした。
次に、得られた混合物を、プレス成形してペレットを製造した。具体的には、混合物をプレス機の金型に下記表2に示す充填高さで充填した。その後、下記表2に示す圧力(面圧)を混合物に加えることによってプレス成形した。
次に、プレス成形して得られたペレットに対して105℃〜110℃程度の温度雰囲気で乾燥処理を施した。
次に、乾燥後のペレットを、炉内温度を1300℃に加熱した還元炉に装入した。そして、その還元温度を保持して30分間に亘って還元処理を施した。
比較例1では、実施例と同様にしてニッケル酸化鉱を含有する混合物を調製し、得られた混合物を、ロール式高圧造粒機(古河産機システムズ株式会社製)に装填し、0.25MNの圧力で加圧してペレット化した。
製造したペレットに基づいて成形性について評価した。具体的には、所定の形状に成形でき、1時間後にその形状が保持された場合を優れた成形性を有するとして『◎』と評価し、一部に僅かなひびが確認されたもののその形状が保持された場合を良好な成形性を有するとして『○』と評価し、所定の形状に成形できなかった、あるいは1時間後に形状が保持されず崩れてしまった場合を成形性が不良であるとして『×』と評価した。
Claims (3)
- ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤とを混合して混合物とする混合処理工程と、
得られた混合物を成形してペレットとする混合物成形工程と、
を有し、
前記混合処理工程では、水及びバインダーを添加せずに前記混合物を調製し、
前記混合物成形工程では、プレス機を用い、前記プレス機の金型への前記混合物の充填高さを25mm以上50mm以下の範囲とするとともに、成形圧力を100kg/cm 2 以上500kg/cm 2 以下の範囲として、前記混合物をプレス成形することによってペレットとする
ペレットの製造方法。 - ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤とを含むペレットを製造するペレット製造工程と、
得られたペレットを還元炉に装入し、所定の還元温度で加熱する還元工程と、
前記還元工程で得られたメタルとスラグとの混在物からメタルを回収する回収工程と、
を有し、
前記ペレット製造工程では、
水及びバインダーを添加せずに前記ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤とを混合して混合物とし、プレス機を用い、前記プレス機の金型への前記混合物の充填高さを25mm以上50mm以下の範囲とするとともに、成形圧力を100kg/cm 2 以上500kg/cm 2 以下の範囲として、該混合物をプレス成形することによってペレットとする
ニッケル酸化鉱の製錬方法。 - 前記ペレット製造工程にて得られたペレットを乾燥する乾燥工程をさらに有し、
前記乾燥工程では、100℃〜120℃の温度で前記ペレットを乾燥する
請求項2に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。
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JP2017228303A JP6922695B2 (ja) | 2017-11-28 | 2017-11-28 | ペレットの製造方法、ニッケル酸化鉱の製錬方法 |
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