JP6922559B2 - 鉄道車両用歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両用歯車装置に関し、鉄道車両の電動機の動力を車輪に伝達する歯車装置に関する。
鉄道車両においては、駆動源の回転力を車輪に伝達する歯車装置が用いられている(特許文献1参照)。
鉄道車両用歯車装置は、所期の減速比に設定された大歯車および小歯車を有する。小歯車は駆動軸に接続され、駆動軸には駆動源の回転力が伝達される。回転力は小歯車と噛合する大歯車に伝達され、大歯車が接続された車軸を介して車輪に伝達される。なお、高さ寸法の抑制などの理由から、小歯車は大歯車の周面(歯面)に対して側方から噛合される。また、大歯車および小歯車の回転軸は、水平方向に配置される。
これらの大歯車および小歯車は、密封可能なケース内に収容され、ケースの底部には飛沫潤滑用の潤滑油が貯留される。ケース内の潤滑油は、停止状態で大歯車の一部が浸漬される状態とされ、大歯車の歯溝内に入り込む。大歯車が回転すると、周囲の潤滑油が跳ね上げられ、大歯車の周囲に随伴流が形成され、歯溝内の潤滑油も周囲に飛散する。これらの潤滑油が飛沫となって、両歯車の噛合部分および各歯車の回転軸の軸受部分へと散布され、各々の潤滑が行われる。
潤滑油は、歯車の回転により攪拌されて発熱し、モータから車輪への伝達動力を消費する。このため、潤滑油の量は、軸受の潤滑不足が生じない範囲で少ないことが望ましい。一方で、寒冷地での起動時等の低温状態では粘度が高く、潤滑不足が生じがちであり、一定時間連続して高速回転することにより高温になると、低粘度となって潤滑油量が過剰ぎみとなる。
これに対し、特許文献1では、歯車箱の内部に、潤滑油の粘度が低くなったときに、大歯車の正回転により掻き揚げられた潤滑油を流入する開口を設けた油溜めを設ける。これにより、粘度が高い低温時には、軸受部の潤滑に十分な潤滑油量を確保できる。また、粘度が低い高温時には、油溜め内に余分な潤滑油が溜まって潤滑に供される潤滑油量が減少するので、攪拌熱の上昇を抑えることができる。
特開2009−180371号公報
前述した特許文献1の歯車装置では、正転時の大歯車で跳ね上げられた潤滑油を油溜めに取り込むことができるが、油溜めの入口孔の開口方向が正転時に跳ね上げられた油のみを取り込む方向なので、逆転時には同様な動作が行われない。このため、逆転時には正転時と同様な特性が得られず、改善が望まれていた。
これに対し、特許文献1に提示された正転時用の油溜めと同様なものを、逆向きに追加して逆転時用とすることが考えられる。
しかし、歯車箱内のスペースは限られており、とくに大歯車と小歯車との噛合部分の上方という限られた区画に、正転時用および逆転時用の両方の油溜めを設置することは困難であり、その解決が求められていた。
本発明の目的は、正転時および逆転時のいずれにおいても、低速運転時の潤滑性能および高速回転時の攪拌熱抑制を両立できる鉄道車両用歯車装置を提供することにある。
本発明の鉄道車両用歯車装置は、車軸に接続された大歯車と、駆動軸に接続されかつ前記大歯車に噛合された小歯車と、前記大歯車および前記小歯車を収容しかつ底部に潤滑油が貯留されたケースと、前記ケースの内側の前記大歯車の回転軸および前記小歯車の回転軸より高い位置に形成された油溜めと、を有し、前記油溜めは、前記大歯車の周方向に沿って反対向きに形成された第1開口および第2開口を有し、前記第1開口および前記第2開口は、それぞれ開口面が前記大歯車の接線と交差する形状であることを特徴とする。
本発明では、第1開口および第2開口は、それぞれ開口面が大歯車の接線と交差する形状であるため、各々には大歯車で跳ね上げられて大歯車の接線に沿って飛散する潤滑油を効率よく取り込むことができる。
これらの第1開口および第2開口は、互いに周方向の反対向きに配置されているため、大歯車の正転時には一方で潤滑油を取り込み、逆転時には他方により潤滑油を取り込むことができる。
例えば、大歯車の正転時には、大歯車で跳ね上げられた潤滑油が第1開口から油溜めに取り込まれる。また、大歯車の逆転時には、大歯車で跳ね上げられた潤滑油が第2開口から油溜めに取り込まれる。
従って、本発明では、正転時および逆転時のいずれにおいても、同じように油溜めで潤滑油を取り込み、低速運転時の潤滑性能および高速回転時の攪拌熱抑制を両立することができる。
本発明の鉄道車両用歯車装置において、前記油溜めは、前記第1開口と前記第2開口との間を仕切る仕切板を有することが好ましい。
本発明では、仕切板により第1開口と第2開口との間を仕切ることにより、油溜め内に取り込まれた潤滑油が、反対側の開口へ吹き抜けることを防止できる。
油溜めおよび第1開口、第2開口の配置によっては、例えば第1開口から取り込まれた潤滑油が、反対側の第2開口へとそのまま通り抜けてしまい、油溜めの本来の作用が得られない可能性もある。これに対し、仕切板が設けられていれば、第1開口と第2開口との間での潤滑油の吹き抜けを防止し、油溜めに軸受への給油に十分な油を溜めることができ、油溜めとしての本来の機能を確保できる。
本発明の鉄道車両用歯車装置において、前記油溜めは、前記仕切板により、前記第1開口に連通する第1室と、前記第2開口に連通する第2室とに仕切られており、前記油溜めには、前記第1室と前記第2室とを連通する連通部が形成されていることが好ましい。
本発明では、第1開口から第1室に取り込まれた潤滑油と、第2開口から第2室に取り込まれた潤滑油とが、連通部を介して互いに流通可能であり、各々からの潤滑油を合流させることができる。このため、ケース内に戻す(あるいは軸受部や噛合部分に供給する)潤滑油の経路を1系統にまとめることができ、構造を簡素化することができる。
本発明の鉄道車両用歯車装置において、前記油溜めは、前記仕切板の下方に油受けを有し、前記油受けと前記仕切板の下端との間隔により、前記連通部が形成されていることが好ましい。
本発明では、仕切板の上方で第1開口および第2開口からの潤滑油を受けるとともに、潤滑油が下方に流下した際にこれを油受けで受けることができる。油受けと仕切板の下部との間に連通部が形成されるため、油受けは1つだけ設ければよい。また、連通部は油受けと仕切板の下部との間隔で形成することができ、この点でも構造を簡素化できる。
本発明によれば、正転時および逆転時のいずれにおいても、低速運転時の潤滑性能および高速回転時の攪拌熱抑制を両立できる鉄道車両用歯車装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を示す断面図。 前記実施形態の第1油溜めを示す拡大断面図。 前記実施形態の第2油溜めを示す拡大断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1において、鉄道車両用歯車装置1は、密封可能なケース2内に収容された大歯車10および小歯車20を有する。
大歯車10および小歯車20は、互いに所期の減速比に設定され、大歯車10の側方の噛合部分3で互いに噛合されている。
ケース2の底部には、飛沫潤滑用の潤滑油4が貯留されている。貯留された潤滑油4には、大歯車10の下部が浸漬されている。
大歯車10は車軸11に接続されている。車軸11には車輪(図示省略)が接続されている。ケース2の車軸11が貫通する部位には、車軸11を回転自在に支持する軸受部12が設置されている。
小歯車20は駆動軸21に接続されている。駆動軸21には電動モータなどの駆動源(図示省略)が接続されている。ケース2の駆動軸21が貫通する部位には、駆動軸21を回転自在に支持する軸受部22が設置されている。
このような鉄道車両用歯車装置1においては、小歯車20および駆動軸21が駆動源により回転されると、この回転が小歯車20に噛合する大歯車10および車軸11を介して車輪に伝達される。
大歯車10が回転することで、ケース2の底部に貯留された潤滑油4が跳ね上げられ、飛沫となって両歯車の噛合部分3および各歯車の軸受部12,22へと散布され、各々の潤滑に供される。
〔第1ポケット〕
ケース2の内側には、噛合部分3の上方に、本発明の油溜めである第1ポケット30が形成されている。
第1ポケット30には、大歯車10の周方向に沿って反対向きに形成された第1開口31および第2開口32が形成されている。
図2において、第1ポケット30は、主板33、底板34、側板35、導流板36および仕切板37を有し、これらの各板はケース2の内面に支持されている。
主板33は、大歯車10の周面に沿って配置され、主板33の上端とケース2の上側内面との間隔により、第1開口31が形成されている。
第1開口31は、その開口面が大歯車10の接線、とくに正転時に潤滑油が跳ね上げられる方向の接線(図2の流れT11参照)と交差する向きに配置されている。
底板34および側板35は、主板33の下端に順次連続して配置され、主板33の下部ないし側板35が樋状に形成されることで、上向きの油受け38が形成されている。
導流板36は、側板35のから離れてその斜め上方に配置され、導流板36と側板35との先端同士の間隔により、第2開口32が形成されている。
第2開口32は、その開口面が大歯車10の接線、とくに逆転時に潤滑油が跳ね上げられる方向の接線(図2の流れT12参照)と交差する向きに配置されている。
仕切板37は、第1開口31と第2開口32との間に、これらを分断するように設置されている。この仕切板37により、第1ポケット30の内部の空間は、第1開口31に連通する第1室301と、第2開口32に連通する第2室302とに仕切られている。
仕切板37の下端は、油受け38に臨んで配置され、仕切板37の下端と油受け38(油受け38を構成する主板33の下部)との間に、第1室301と第2室302とを連通する連通部39が形成されている。
このような第1ポケット30における潤滑油の流れは次のようになる。
正転時においては、大歯車10の周面から跳ね上げられた潤滑油は、接線に沿った流れT11となる。潤滑油の流れT11は、第1開口31から第1ポケット30の内部に取り込まれ、仕切板37に衝突して下方へ誘導され、連通部39を通して流下し、油受け38に一時貯留される。油受け38に貯留された潤滑油は、図示しない戻し孔などから、噛合部分3や軸受部12,22ほかのケース2の内部へと送られる。
逆転時においては、大歯車10の周面から跳ね上げられた潤滑油は、接線に沿った流れT12となる。潤滑油の流れT12は、第2開口32から第1ポケット30の内部に取り込まれ、導流板36で導かれて仕切板37に衝突し、下方へ誘導されて、油受け38に一時貯留され、正転時と同様に送り出される。
〔第2ポケット〕
図1に戻って、ケース2の内側には、大歯車10の噛合部分3とは反対側の上方に、本発明の油溜めである第2ポケット40が形成されている。
第2ポケット40には、大歯車10の周方向に沿って反対向きに形成された第1開口41および第2開口42が形成されている。
図3において、第2ポケット40は、主板43、側板45および仕切板47を有し、これらの各板はケース2の内面に支持されている。
主板43は、大歯車10の周面に沿って配置され、主板43の下端とケース2の内側面との間隔により、第1開口41が形成されている。
また、主板43の上端とケース2の上側内面との間隔により、第2開口42が形成されている。
第1開口41は、その開口面が大歯車10の接線、とくに正転時に潤滑油が跳ね上げられる方向の接線(図3の流れT21参照)と交差する向きに配置されている。
第2開口42は、その開口面が大歯車10の接線、とくに逆転時に潤滑油が跳ね上げられる方向の接線(図3の流れT22参照)と交差する向きに配置されている。
側板45は、主板43の下端から上向きに連続して配置され、主板43の下部ないし側板45が樋状に形成されることで、上向きの油受け48が形成されている。
仕切板47は、第1開口41と第2開口42との間に、これらを分断するように設置されている。この仕切板47により、第2ポケット40の内部の空間は、第1開口41に連通する第1室401と、第2開口42に連通する第2室402とに仕切られている。
仕切板47の下端は、油受け48に臨んで配置され、仕切板47の下端と油受け48(油受け48を構成する主板43の下部)との間に、第1室401と第2室402とを連通する連通部49が形成されている。
このような第2ポケット40における潤滑油の流れは次のようになる。
正転時においては、大歯車10の周面から跳ね上げられた潤滑油は、接線に沿った流れT21となる。潤滑油の流れT21は、第1開口41から第2ポケット40の内部に取り込まれ、仕切板47に衝突して下方へ誘導され、油受け48に一時貯留される。油受け48に貯留された潤滑油は、図示しない戻し孔などから、噛合部分3や軸受部12,22ほかのケース2の内部へと送られる。
逆転時においては、大歯車10の周面から跳ね上げられた潤滑油は、接線に沿った流れT22となる。潤滑油の流れT22は、第2開口42から第2ポケット40の内部に取り込まれ、仕切板47に衝突して下方へ誘導され、連通部49を通して流下し、油受け48に一時貯留され、正転時と同様に送り出される。
〔本実施形態の効果〕
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、大歯車10が連続して高速回転する際の高温で低粘度の潤滑油については、ケース2の内部に設けた第1ポケット30および第2ポケット40に取り込んで一時貯留することができる。これにより、ケース2の内部で、軸受部12や噛合部分3の潤滑に供される潤滑油量を減少させることができ、攪拌熱の上昇を抑えることができる。一方、大歯車10が低温で高粘度の潤滑油については、大歯車10の周面から飛散しにくく、第1ポケット30および第2ポケット40に取り込まれることがなく、軸受部12や噛合部分3の潤滑に十分な潤滑油量を確保できる。
本実施形態では、大歯車10の高回転時に潤滑油を取り込んで一時貯留する第1ポケット30および第2ポケット40が、それぞれ反対向きの第1開口31,41および第2開口32,42を有するため、大歯車10の正転時および逆転時にも潤滑油を取り込むことができる。
この際、同じ第1ポケット30および第2ポケット40で、それぞれ正転時および逆転時にも対応できる。このため、例えば第1ポケット30は噛合部分3の上方という限られた区画に設置されて、正転時および逆転時の両方に対応することができる。
本実施形態では、第1ポケット30および第2ポケット40の各々において、第1開口31,41および第2開口32,42は、それぞれ開口面が大歯車10の接線と交差する形状であるため、各々には大歯車10で跳ね上げられて大歯車10の接線に沿って飛散する潤滑油(流れT11〜T22)を効率よく取り込むことができる。
これらの第1開口31,41および第2開口32,42は、互いに周方向(大歯車10の周面に沿った方向)の反対向きに配置されているため、大歯車10の正転時には一方で潤滑油(流れT11,T21)を取り込み、逆転時には他方により潤滑油(流れT12,T22)を取り込むことができる。
すなわち、大歯車10の正転時には、大歯車10で跳ね上げられた潤滑油(流れT11,T21)が第1開口31,41から油溜めである第1ポケット30および第2ポケット40に取り込まれる。また、大歯車10の逆転時には、大歯車10で跳ね上げられた潤滑油(流れT12,T22)が第2開口32,42から油溜めである第1ポケット30および第2ポケット40に取り込まれる。
従って、本実施形態では、正転時および逆転時のいずれにおいても、同じように油溜めである第1ポケット30および第2ポケット40で潤滑油を取り込み、低速運転時の潤滑性能および高速回転時の攪拌熱抑制を両立することができる。
本実施形態では、第1ポケット30および第2ポケット40の各々において、仕切板37,47により、第1開口31,41と第2開口32,42との間を仕切ることにより、第1ポケット30および第2ポケット40に取り込まれた潤滑油が、反対側の開口へ吹き抜けることを防止できる。
例えば、第1ポケット30において、仕切板37がないと、第1開口31から取り込まれた潤滑油が、反対側の第2開口32へとそのまま通り抜けてしまい、油溜めとしての本来の機能が得られない可能性もある。あるいは、第2ポケット40において、仕切板47がないと、第1開口41から取り込まれた潤滑油が、反対側の第2開口42へとそのまま通り抜けてしまい、油溜めとしての本来の機能が得られない可能性もある。
これに対し、仕切板37,47が設けられていれば、第1開口31,41と第2開口32,42との間での潤滑油の吹き抜けを防止し、第1ポケット30および第2ポケット40において、油溜めの本来の機能を確保できる。
本実施形態では、第1ポケット30および第2ポケット40の各々において、仕切板37,47と主板33,43との間に連通部39,49を形成したので、第1開口31,41から第1室301,401に取り込まれた潤滑油と、第2開口32,42から第2室302,402に取り込まれた潤滑油とを合流させることができる。
すなわち、第1開口31から第1室301に取り込まれた潤滑油は、連通部39を通して第2室302へと流れ、第2開口32から第2室302に取り込まれた潤滑油とともに油受け38に貯留される。また、第2開口42から第2室402に取り込まれた潤滑油は、連通部49を通して第1室401へと流れ、第1開口41から第1室401に取り込まれた潤滑油とともに油受け48に貯留される。
このように、第1開口31,41からの潤滑油と第2開口32,42からの潤滑油とを、互いに合流させることができるため、ケース2内に戻す(あるいは軸受部12,22や噛合部分3に供給する)潤滑油の経路を1系統にまとめることができ、鉄道車両用歯車装置1としての構造を簡素化することができる。
本実施形態では、第1ポケット30および第2ポケット40の各々において、仕切板37,47の下方に油受け38,48を設けるとともに、油受け38,48と仕切板37,47の下端との間隔により、連通部39,49が形成されるようにした。
このため、仕切板37,47の上方で第1開口31,41および第2開口32,42からの潤滑油を受けるとともに、潤滑油が下方に流下した際にこれを油受け38,48で受けることができる。油受け38,48と仕切板37,47の下部との間に連通部39,49が形成されるため、油受け38,48は各ポケット30,40に1つだけ設ければよい。また、連通部39,49は、油受け38,48と仕切板37,47の下部との間隔で形成することができ、この点でも構造を簡素化できる。
〔他の実施形態〕
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前述した実施形態では、1つの大歯車10に対して2つの油溜め(第1ポケット30および第2ポケット40)を設置したが、これらはいずれか一方だけであってもよい。
油溜めとしての第1ポケット30および第2ポケット40の設置位置は、ケース2の内側の、大歯車10の回転軸(車軸11)および小歯車20の回転軸(駆動軸21)より高い位置であればよい。このような高い位置に設置することで、一時貯留した潤滑油を軸受部12,22や噛合部分3に供給することができる。
また、油溜めとしての第1ポケット30および第2ポケット40の構成としては、それぞれ前述した実施形態の部材構成に限定されない。
例えば、第1ポケット30については、主板33、底板34,側板35で基本的な容器形状が形成できればよく、導流板36は省略可能である。ただし、導流板36を設置することで、開口(第2開口32)の向きを大歯車10の接線に応じて調整することができ、第1ポケット30の配置によって適宜選択することが望ましい。
また、他の開口においても、大歯車10の接線方向との関係で、同様な導流板を設置し、開口面の向きを調整してもよい。
前述した実施形態では、鉄道車両用歯車装置1が、車軸11に接続された大歯車10と、駆動軸21に接続された小歯車20との2軸で構成されていた。しかし、本発明は、3軸以上の歯車列の相対的に大径の歯車に沿って油溜めとなるポケットを設置してもよい。
前述した実施形態では、第1ポケット30および第2ポケット40に、連通部39,49、油受け38,48を設置したが、これらは適宜省略してもよい。
前述した実施形態の鉄道車両用歯車装置1による、具体的な効果について説明する。
(条件)
大歯車10と小歯車20とのギア比=97:16
大歯車10の基準円直径=630mm
小歯車20の基準円直径=102mm
潤滑油4の量=2.1リットル
大歯車10の回転数=800rpm
(実施例1)
油溜め=第1ポケット30
開口=それぞれ第1開口31および第2開口32を設置
仕切板=それぞれ仕切板37を設置
(実施例2)
油溜め=第1ポケット30
開口=それぞれ第1開口31および第2開口32を設置
仕切板=なし
(比較例1)
油溜め=第1ポケット30
開口=それぞれ第1開口31のみ
仕切板=なし
(比較例2)
油溜め=なし
開口=なし
仕切板=なし
大歯車10が正転および逆転する際の動力ロスを計測すると、以下の通りであった。
比較例2(油溜めなし) :正転時=1(基準)、 逆転時=1(基準)
比較例1(第2開口のみ):正転時=1(変化なし)、逆転時=0.8(有効)
実施例2(仕切板なし) :正転時=0.8(有効)、逆転時=0.8(有効)
実施例1(仕切板あり) :正転時=0.6(良好)、逆転時=0.6(良好)
比較例2では、第1ポケット30の第2開口32により逆転時は0.8と改善があるが、第1開口31がないため、正転時には1と変化がなく、正逆繰り返す実稼働時には動力ロスは平均的に0.9程度になり、十分な改善が得られない。
これに対し、実施例1では、両方向に対応する第1開口31および第2開口32により、正転時および逆転時とも0.8であり、平均して0.8の動力ロス軽減が得られる。
さらに、実施例2では、正転時および逆転時とも0.6であり、平均して0.6の良好な動力ロス軽減が得られる。これは、仕切板37を設けることで第1開口31と第2開口32との間の吹き抜けが防止された結果と考えられる。
本発明は、鉄道車両用歯車装置に関し、鉄道車両の電動機の動力を車輪に伝達する歯車装置に利用できる。
1…鉄道車両用歯車装置、2…ケース、3…噛合部分、4…潤滑油、10…大歯車、11…車軸、12…軸受部、20…小歯車、21…駆動軸、22…軸受部、30…油溜めである第1ポケット、40…油溜めである第2ポケット、301,401…第1室、302,402…第2室、31,41…第1開口、32,42…第2開口、33,43…主板、34…底板、35,45…側板、36…導流板、37,47…仕切板、38,48…油受け、39,49…連通部、T11,T21…正転時の潤滑油の流れ、T12,T22…正転時の潤滑油の流れ。

Claims (3)

  1. 車軸に接続された大歯車と、駆動軸に接続されかつ前記大歯車に噛合された小歯車と、前記大歯車および前記小歯車を収容しかつ底部に潤滑油が貯留されたケースと、前記ケースの内側の前記大歯車の回転軸および前記小歯車の回転軸より高い位置に形成された油溜めと、を有し、
    前記油溜めは、前記大歯車の周方向に沿って反対向きに形成された第1開口および第2開口を有し、前記第1開口および前記第2開口は、それぞれ開口面が前記大歯車の接線と交差する形状であり、
    前記油溜めは、前記第1開口と前記第2開口との間を仕切る仕切板を有し、前記仕切板は、上端が前記ケースの内面に接続され、一方の面が前記第1開口に対向し、他方の面が前記第2開口に対向して配置されていることを特徴とする鉄道車両用歯車装置。
  2. 請求項に記載した鉄道車両用歯車装置において、
    前記油溜めは、前記仕切板により、前記第1開口に連通する第1室と、前記第2開口に連通する第2室とに仕切られており、
    前記油溜めには、前記第1室と前記第2室とを連通する連通部が形成されていることを特徴とする鉄道車両用歯車装置。
  3. 請求項に記載した鉄道車両用歯車装置において、
    前記油溜めは、前記仕切板の下方に油受けを有し、前記油受けと前記仕切板の下端との間隔により、前記連通部が形成されていることを特徴とする鉄道車両用歯車装置。
JP2017165411A 2017-08-30 2017-08-30 鉄道車両用歯車装置 Active JP6922559B2 (ja)

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