JP6921455B1 - 回転翼、回転装置、及び発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体を受けて回転する回転翼において回転効率を向上できる回転翼を提供する。【解決手段】風力発電装置は回転軸線の周りに複数の回転翼15を備える。各回転翼15は、回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面16と、前方翼面16の背面側に配置され、回転軸線と平行かつ回転方向の前方に凹むように湾曲し、前方翼面16よりも湾曲深さが小さい後方翼面17とを備える。前方翼面16は、回転軸線から離れた部分を構成し、回転翼15の外側端部21から回転方向の前方に向かって形成される第1湾曲面19と、回転軸線L1に近い部分を構成し、前方翼面16の頂点部18から回転方向の後方に向かって内側端部22に繋がるように形成され平面視における面長が第1湾曲面19よりも短い第2湾曲面20とを備える。第1湾曲面19には、前方翼面16の頂点部18よりも外側端部21に近い位置に、凹部23が形成される。【選択図】図4

Description

本開示は気流、水流等の流体を受けて回転する回転翼に関する。
特許文献1〜3には、風力(気流)を受けて回転軸線を中心に回転する複数の回転翼(羽根、風車翼)を備えた回転装置(風車、風力発電機)が開示されている。特許文献1〜3に開示の回転翼は、回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面(前側面、前方凸面)と、前方翼面の背面側に配置され、回転軸線と平行かつ回転方向の前方に凹むように湾曲し、前方翼面よりも湾曲深さが小さい後方翼面(後側面、後方凹面)とを備える。前方翼面は、回転軸線から離れた部分を構成する第1湾曲面(気流高速通過面、第1面、第1凸面)と、回転軸線に近い部分を構成し、平面視における面長が第1湾曲面よりも短い第2湾曲面(気流低速通過面、第2面、第2凸面)とを備える。特許文献1〜3によれば、後方翼面で風を受けたときに生じる抗力と、前方翼面の第1湾曲面と第2湾曲面とに沿って流れる気流の速度差により生じる揚力とにより、回転翼を回転させることができる。
特許第3905121号公報 特開2008−82251号公報 国際公開第2014/181585号
ところが、特許文献1〜3の回転翼及びそれを複数備えた回転装置では例えば以下の点で回転効率向上の課題がある。
・前方からの流体の一部が前方翼面に沿って流れた後に後方翼面に対向した領域に回り込むことで、後続する回転翼に回転抵抗を生んでしまう。
・回転翼において後方翼面で流体を受ける時に最大抗力(換言すれば最大回転トルク)が発生する。複数の回転翼が回転軸線周りに配置された回転装置にあっては、複数の回転翼の回転に伴い回転翼ごとの最大抗力が交互に発生するが、回転位置に対する抗力(換言すれば回転トルク)の変動が大きい。
本開示は上記事情に鑑みてなされ、上記前方翼面(第1湾曲面及び第2湾曲面)と後方翼面とを有した回転翼、又はそれを複数備えた回転装置において、回転効率を向上できる回転翼又は回転装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本開示の回転翼は、
回転軸線を中心に回転可能に設けられ、流体を受ける回転翼であって、
前記回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面と、
前記前方翼面の背面側に配置され、前記回転軸線と平行かつ前記回転方向の前方に凹むように湾曲し、前記前方翼面よりも湾曲深さが小さい後方翼面とを備え、
前記回転軸線に直交する平面視において、前記前方翼面の、前記回転軸線に遠い側の端部を外側端部、前記回転軸線に近い側の端部を内側端部として、
前記前方翼面は、
前記回転軸線から離れた部分を構成し、前記外側端部から前記回転方向の前方に向かって形成される第1湾曲面と、
前記回転軸線に近い部分を構成し、前記第1湾曲面の前記外側端部の反対側から前記回転方向の後方に向かって前記内側端部に繋がるように形成され、前記平面視における面長が前記第1湾曲面よりも短い第2湾曲面とを備え、
前記第1湾曲面には凹部が形成される。
これによれば、後方翼面で流体を受けることで、回転翼を回転させる抗力を発生させることができる。また、前方翼面の第1湾曲面に沿って後方に流れる流体と第2湾曲面に沿って後方に流れる流体の流速差により揚力を生じさせることができる。これら抗力及び揚力により回転翼を効率よく回転させることができる。さらに、第1湾曲面に形成される凹部をボルテックスジェネレータ(渦流生成器)として機能させることができる。すなわち凹部に局所的な流体の溜まり(渦流)を生成して、この溜まりにより前方からの流体が後方翼面に対向した領域に回り込むのを抑制でき、後続する回転翼に回転抵抗を生んでしまうのを抑制できる。また、後方からの流体を凹部で受けることで、回転翼を前方に移動させる抗力を、後方翼面に加えて凹部で発生させることができる。以上より、回転翼の回転効率を向上できる。
また、本開示の回転翼は、
前記前方翼面及び前記後方翼面の、前記回転軸線に平行な方向における端部を支持する翼支持部を備え、
前記翼支持部は、
前記前方翼面及び前記後方翼面を支持するとともに、前記平面視で見て前記後方翼面に重なる位置又は前記後方翼面よりも前記回転方向の後方の位置に回転径方向に延びる後端部を形成する本体部と、
前記後端部に沿って形成されるとともに、前記後端部から、前記回転軸線に平行な方向における前記後方翼面が配置される側の反対側に向かう方向成分と前記回転方向の後方に向かう方向成分とを有した斜め方向に形成される傾斜部とを備えてもよい。
これによれば、翼支持部に設けられる傾斜部で、後方からの流体を受けることができる。これにより、回転翼を前方に移動させる抗力を、後方翼面に加えて傾斜部で発生させることができる。また、傾斜部は、平面視で見て後方翼面に重なる位置又は後方翼面よりも回転方向の後方の位置に設けられ、さらに、回転軸線に平行な方向における後方翼面が配置される側の反対側に向かう方向成分と回転方向の後方に向かう方向成分とを有した斜め方向に形成されるので、傾斜部に当たった後方からの流体を後方翼面に案内できる。また、傾斜部は上記斜め方向に形成されることで、前方からの流体に対して傾斜部が抵抗となってしまうのを抑制できる。傾斜部は、翼支持部の本体部から立つように設けられるので、翼支持部の剛性を向上でき、回転翼が回転方向以外の方向に変位してしまうのを抑制できる。以上より、回転翼の回転効率を向上できる。
本開示の回転装置は、
本開示の複数の回転翼が前記回転軸線の周りに等間隔に配置された段部を、前記回転軸線の方向に複数備え、
前記段部は、複数の前記段部間で互いに同一の個数かつ同一の回転方向の前記回転翼を備え、複数の前記段部間で前記回転軸線の周りの方向における前記回転翼の配置位置に角度差を有しており、前記角度差を維持しながら回転するように複数の前記段部が連結される。
これによれば、同一回転方向に設けられる複数の段部を備えて、それらが回転軸線周りの方向に角度差を有しているので、いずれかの段部が抗力が生じにくい回転位置にある場合であっても、回転方向に角度差を持って設けられる他の段部により、抗力の落ち込みを抑制できる。これにより、回転位置に対する抗力(回転トルク)の変動を小さくでき、回転装置の回転効率を向上できる。
風力発電装置の側面図である。 図1のII−II線の位置での風力発電装置の平面図である。 第1風車の上段部の斜視図である。 第1風車の上段部の上面図である。 回転方向の前方から風を受けた回転翼の平面図である。 図4のA部拡大図であって、第1湾曲面に形成される凹部の拡大平面図である。 翼支持部のアーム部の拡大斜視図である。 図7のVIII−VIII線での翼支持部の断面図である。 第1風車の上段部の回転翼と下段部の回転翼との回転方向における位置関係を示す平面図である。 発電機を、回転軸線を面内に含む平面で切った断面図である。 発電機の第1ロータにおける界磁用磁石の配置を示す平面図である。 発電機の第2ロータにおける発電用コイルの配置を示す平面図である。 第1風車の上段部の平面図であって、回転翼で受ける風の流れを破線で示した図である。 第1風車の上段部の平面図であって、図13の状態から回転した後の状態を示すとともに、回転翼で受ける風の流れを破線で示した図である。 回転翼の前方翼面(第1湾曲面)に回転方向の後方からの風が作用した状態を示した平面図である。 第1湾曲面に凹部が形成されていない比較例の回転翼の平面図であって、前方翼面(第1湾曲面)に回転方向の後方からの風が作用した状態を示した図である。 回転翼の前方翼面(第1湾曲面)に回転方向の前方からの風が作用した状態を示した平面図である。 第1湾曲面に凹部が形成されていない比較例の回転翼の平面図であって、回転方向の前方からの風が前方翼面(第1湾曲面)に沿って流れた後に後方翼面側に回り込む様子を示した図である。 回転軸線に平行な面で回転翼を切った断面図であって、回転翼に回転方向の後方からの風が作用した状態を示した図である。 回転軸線に平行な面で回転翼を切った断面図であって、回転翼に回転方向の前方からの風が作用した状態を示した図である。 回転翼及び回転軸にかかる抗力の、回転位置に対する変動を示した実験データである。 回転軸線周りに4枚の回転翼が配置された平面図である。 第1湾曲面の凹部周辺部分の変形例の図である。
以下、本開示の実施形態を図面を参照して説明する。図1に示す発電装置としての風力発電装置1は、鉛直方向に延びた回転軸線L1を中心に回転する複数の回転翼を備えた垂直軸型の風力発電装置である。風力発電装置1は、風(気流)の流れ方向に対して回転軸線L1が垂直となるように設けられる。風力発電装置1は、支持フレーム9、第1風車2、第2風車5、及び発電機8を備えている。なお、第1風車2及び第2風車5が回転装置に相当し、第1風車2が第1回転装置に相当し、第2風車5が第2回転装置に相当する。また発電機8が発電部に相当する。
支持フレーム9は、鉛直方向に延びた3本の支柱10と、各々の支柱10の間を連結する複数の梁部材11とを備えている(図2も参照)。3本の支柱10は、鉛直方向(上下方向)に直交する平面視(図2参照)で見て、正三角形の頂点位置に配置されている。梁部材11は、支柱10の上端部を含む複数の高さ位置で各々の支柱10を連結している。各高さ位置の3本の梁部材11により、正三角形状が構成されている(図2参照)。なお、図2では後述の第2風車5の上段部6の回転翼は図示しているが、下段部7(図1参照)の回転翼の図示は省略している。また、図2では、回転翼の第1湾曲面に形成される後述の凹部の図示を省略している。
また、支持フレーム9は、上下方向の複数の高さ位置において各支柱10から回転軸線L1が位置する中心側に向かって水平方向に延びる複数の連結部材12を備えている。連結部材12は、図1に示すように、風力発電装置1の第1回転軸51が位置する高さ位置と、第4回転軸54が位置する高さ位置と、発電機8が位置する高さ位置とに設けられる。連結部材12の、支柱10に接続される反対側の端部は、第1回転軸51を支持する軸支持部、第4回転軸54を支持する軸支持部、又は発電機8に連結されている。
第1風車2及び第2風車5は、いわゆる垂直型の風車であり、図1に示すように、鉛直方向に延びる共通の回転軸線L1を有している。なお、回転軸線L1は仮想の軸線であり、実際の回転軸51、52、53、54は、各風車2、5を貫通せずに、各風車2、5の上下に設けられている。なお、回転軸線L1及び回転軸51、52、53、54は、支持フレーム9を上下方向から見たときの正三角形の重心に位置する。
第1風車2は、第2風車5よりも上段に配置されている。第1風車2は、側方の何れの方向から風を受けても一定の方向に回転するように構成されている。詳しくは、第1風車2は、上下2段に分割されており、上段部3と下段部4とを備えている。
上段部3は、図3、図4に示すように、4枚の回転翼15を備えている。なお、図4では、後述の蓋プレート28の図示を省略している。4枚の回転翼15は、各々同一形状とされ、取付位置のみ異なる。4枚の回転翼15は、回転軸線L1を中心とした円周方向に等間隔(すなわち回転角が90度の間隔)に、かつ、回転軸線L1から径方向への距離が互いに同じ距離となる位置に配置されている。回転翼15の材質としては、アルミニウム、ジュラルミン、チタン、などの軽合金、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂などを用いることができる。
回転翼15は、回転軸線L1に直角な面で気流(風力)を受けて、受けた気流により回転力を生じさせるための部材である。回転翼15は、鉛直方向から見て、図5に示すように、翼形状WIを想定し、その前方部分を用いた形状とされている。翼形状WIは、前方からの風(WIND)に対して揚力を発生させることの可能な、一般的な飛行機の翼の断面と同様の形状であり、翼弦WGに対して一方側(後述の第1湾曲面19の側)が他方側(後述の第2湾曲面20の側)よりも大きく膨らんだ形状とされている。回転に伴う相対風の向きをAK、自然風をASとすると、回転翼15には揚力Fが作用して、回転軸線L1の周りをX方向に回転する。
回転翼15の、鉛直方向からみた断面は、どの水平断面位置でも同様の形状とされている。回転翼15は、鉛直方向からみて、進行方向(回転方向)Xの前側は、前側プレート16で構成され、進行方向Xの後側は、後側プレート17で構成され、それらプレート16、17の間は空間となっており、つまり中空形状となっている。
前側プレート16の外面である前方翼面は、回転軸線L1と平行かつ回転方向Xの前方に突出するように湾曲する凸湾曲面として構成されている。前方翼面16は、後側プレート17(後方翼面)よりも湾曲深さが大きな形状に形成されている。詳細には、前方翼面16は、回転翼15の回転半径方向における中間位置に曲率が極大となる頂点部18を有し、その頂点部18よりも回転中心(回転軸線L1)から離れた側に位置して回転半径方向の外側を向く第1湾曲面19と、頂点部18よりも回転中心側に位置して回転方向Xを向く第2湾曲面20とで構成されている。頂点部18は、第1湾曲面19と第2湾曲面20との境界に位置する部分(境界部)である。
第1湾曲面19は、回転軸線L1から遠い側に配置されており、頂点部18から回転方向Xの後方に向かって連続形成されている。換言すれば、第1湾曲面19は、頂点部18の反対側の端部である外側端部21から回転方向Xの前方に向かって連続形成されている。第1湾曲面19は例えば頂点部18付近を除いて一定の曲率の円弧形状に形成されている。第1湾曲面19は、鉛直方向からみて、図5に示すように、翼型WIの翼弦WGを考えた場合、第2湾曲面20よりも翼弦WGから離れる方向に大きく膨らむ曲面形状とされている。また、図4、図5の平面視での第1湾曲面19の面長は、第2湾曲面20よりも長く、換言すれば第2湾曲面20よりも回転方向Xの後方に延びている。第1湾曲面19の回転方向後端部(頂点部18と反対側の端部)である外側端部21は、回転翼15のなかで最も回転軸線L1から遠い位置に配置され、第2湾曲面20の後端部である内側端部22よりも回転方向Xの後方に配置されている。第1湾曲面19は、頂点部18から外側端部21に向けて第1湾曲面19に沿って生ずる相対気流の速度が、頂点部18から内側端部22に向けて第2湾曲面20に沿って生ずる相対気流の速度よりも大きくなるよう、高速気流通過面として機能する。
さらに、第1湾曲面19には部分的に凹部23が形成されている。本実施形態では、1つの回転翼15当たりに2つの凹部23が形成されている。凹部23は、頂点部18よりも外側端部21に近い位置に形成されている。換言すれば、図4、図5の平面視で見て、第1湾曲面19の領域を、第1湾曲面19の中間の位置を境に2つに分けたときに、凹部23は外側端部21側の領域に形成されており、頂点部18側の領域には形成されていない。また、凹部23は、第2湾曲面20及び後方翼面17には形成されていない。
以下の説明では、第1湾曲面19の、凹部23が形成されていない部分を主面という。凹部23は、回転軸線L1に直角な断面で見て、図6に示すように、第1湾曲面19の、回転方向Xの後方を臨む段差を形成する第1内側面24と、第1内側面24の凹み方向における端部232から回転方向Xの後方に向かって形成されて、外側端部21又は主面26に繋がる第2内側面25とを含んで構成される。第1内側面24は、凹部23の内面のうち、回転方向Xの前方に位置する内面を構成する。第1内側面24の、主面26に対する傾斜角θ1(図6参照)は、例えば60度以上150度以下であり、好ましくは90度以上150度以下である。なお、傾斜角θ1は、主面26と第1内側面24との境界部231での主面26の接線を境界部231から外側(凹部23側)に延長した第1接線延長線250と、上記境界部231での第1内側面24の接線との成す角度である。換言すれば、傾斜角θ1は、境界部231での主面26の法線N1と、境界部231での第1内側面24の法線N2との成す角度である。なお、境界部231がR形状の場合には、R形状が開始又は終了する点での主面26の接線又は法線N1と第1内側面24の接線又は法線N2とに基づいて傾斜角θ1が定められる。第1内側面24は、図6の断面でみて、主面26との境界部231から第2内側面25に向かって直線状又は一定の曲率の曲線状に延びている。
第2内側面25の、第1内側面24に対する傾斜角θ2(図6参照)は例えば90度以上150度以下である。なお、傾斜角θ2は、第1内側面24と第2内側面25との境界部232での第1内側面24の接線を境界部232から外側に延長した第2接線延長線251と、上記境界部232での第2内側面25の接線との成す角度である。換言すれば、傾斜角θ2は、境界部232での第1内側面24の法線N3と、境界部232での第2内側面25の法線N4との成す角度である。なお、境界部232がR形状の場合には、R形状が開始又は終了する点での第1内側面24の接線又は法線N3と第2内側面25の接線又は法線N4とに基づいて傾斜角θ2が定められる。
ここで、主面26と第1内側面24との境界部231から凹部23側に、境界部231での主面26の曲率と同一曲率の面を延長した面260(図6参照)を仮想曲面と定義する。第2内側面25は、仮想曲面260から凹んだ位置に形成されている。第2内側面25は、図6の断面でみて、第1内側面24との境界部232から仮想曲面260に向かって直線状に又は一定の曲率の曲線状に延びている。
また、第2内側面25の、主面26に対する傾斜角θ3(図6参照)は、上記傾斜角θ1、θ2より小さい角度であり、具体的には例えば10度以上90度未満である。なお、傾斜角θ3は、第2内側面25と主面26との境界部233での第2内側面25の接線を境界部233から外側に延長した第3接線延長線252と、境界部233での主面26の接線との成す角度である。換言すれば、傾斜角θ3は、上記境界部233での第2内側面25の法線N5と、境界部233での主面26の法線N6との成す角度である。なお、境界部233がR形状の場合には、R形状が開始又は終了する点での第2内側面25の接線又は法線N5と主面26の接線又は法線N6とに基づいて傾斜角θ3が定められる。また例えば図6の断面における第2内側面25の面長は第1内側面24よりも長い。これにより、傾斜角θ3が傾斜角θ1よりも小さい角度であることを満たしやすくなる。
なお、上記傾斜角θ1は上記仮想曲面260に対する第1内側面24の傾斜角と同じ意味であり、すなわち仮想曲面260と第1内側面24との境界部231での仮想曲面260の接線又は法線と、境界部231での第1内側面24の接線又は法線との成す角度を意味する。また、上記傾斜角θは上記仮想曲面260に対する第2内側面25の傾斜角と同じ意味であり、すなわち仮想曲面260と第2内側面25との境界部233での仮想曲面260の接線又は法線と、境界部233での第2内側面25の接線又は法線との成す角度を意味する。
また、境界部231、233に主面26が存在しない場合、具体的には図23に示すように第1凹部23Aと第2凹部23Bとが主面26を介在させずに隣接する場合、又は第1凹部23Aが主面26を介在させずに外側端部21に繋がる場合には、上記仮想曲面260を設定して、この仮想曲面260に対する第1内側面24の傾斜角θ1’又は第2内側面25の傾斜角θ3’を定義すればよい。この場合、傾斜角θ1’は上記傾斜角θ1と同様の値に定められる。また、傾斜角θ3’は傾斜角θ1’よりも小さく、上記傾斜角θ3と同様の値に定められる。
図6の例では、最も外側端部21に近い凹部23Aの第2内側面25と外側端部21との間に主面26又は曲率が極大となる点233が介在している。このとき、凹部23Aの後端部233(曲率極大点233)と外側端部21との直線距離は、例えば凹部23Aの前端部231と後端部233との直線距離よりも小さいとしてよい。これによれば、外側端部21により近い位置に凹部23A、23Bが形成されることで、凹部23A、23Bを後述のボルテックスジェネレータとして機能させやすい。なお、図23に示すように、凹部23Aの第2内側面25と外側端部21とが直接に(主面26又は曲率極大点233を介在させずに)接続されてもよい。なお、この場合には、第2内側面25の、第1内側面24が接続される側の反対側の端部が外側端部21となることを意味する。またこの場合、第1湾曲面19には、外側端部21に連続するように凹部としての切欠き23Aが形成されることを意味する。また、図6の例では、第1凹部23Aと第2凹部23Bとの間に主面26が介在しているが、図23に示すように、主面26が介在していなくてもよい。すなわち、第2凹部23Bの第2内側面25の端部と、第1凹部23Aの第1内側面24の端部とが直接に(主面26を介在させずに)接続されてもよい。
また、凹部23は、前方翼面16の、回転軸線L1に平行な方向における一方の端部から他方の端部までを貫通するように(換言すれば連続するように)形成されている。凹部23の、回転軸線L1に直角な断面形状は、回転軸線L1上のいずれの位置においても同一形状(図6に示す形状)に形成されている。
なお、2つの凹部23A、23Bは互いに同一形状に形成されていてもよいし、異なる形状に形成されてもよい。具体的には、第1内側面24の長さ、第2内側面25の長さ、又は上記傾斜角θ1〜θ3が、凹部23A、23B間で同じでもよいし異なっていてもよい。
第2湾曲面20は、回転軸線L1に近い側に配置されており、頂点部18から回転方向Xの後方に向かって連続形成されている。第2湾曲面20は、例えば頂点部18付近を除いて一定の曲率の円弧形状に形成されている。第2湾曲面20の、頂点部18と反対側の端部である内側端部22は、回転翼15のなかで最も回転軸線L1に近い位置に配置されている。また、第2湾曲面20は、回転方向Xで前隣りに位置する回転翼15の後方翼面17と対向している(図4参照)。また、図4、図5の平面視における第2湾曲面20の面長は第1湾曲面19よりも短い。
後側プレート17は、前側プレート16(前方翼面)の背面側に配置され、前側プレート16の外側端部21と内側端部22とを結び、回転方向Xの前方 に向かって凹状に湾曲されている。つまり、後側プレート17の外面である後方翼面は、回転軸線L1と平行かつ回転方向Xの前方に凹むように湾曲した凹湾曲面として構成されている。後方翼面17は、回転軸線L1を面内に含む円筒面の一部になっている。換言すれば、図4、図5の平面視でみて、後方翼面17の形状である円弧を回転軸線L1側へ延長した位置に、回転軸線L1が配置されている。これにより、回転翼15は、後方翼面17に当たった風(気流)を後述の風洞部41(図3参照)へ向けて流し、その風を風洞部41を挟んで反対側の回転翼15に当てることができる。また、後方翼面17は前方翼面16よりも湾曲深さが小さい。したがって、前方翼面16と後方翼面17との間には中空の空間R(図5参照)が構成される。
図3に示すように、回転翼15は、上記前側プレート16及び後側プレート17の他に蓋プレート28を備えている。蓋プレート28は、回転翼15毎に2枚設けられる。2枚の蓋プレート28は互いに同一形状に形成され、かつ、図5で示される平面視における中空空間Rの形状と同様の形状の板状に形成されている。2枚の蓋プレート28のうちの一方は、前側プレート16及び後側プレート17の、回転軸線L1に平行な方向における一方の端部である上端部に固定されており、空間R(図5参照)を閉鎖している。他方の蓋プレート28は、前側プレート16及び後側プレート17の、回転軸線L1に平行な方向における他方の端部である下端部に固定されており、空間R(図5参照)を閉鎖している。
また、回転翼15は、上下方向で対峙した1対の翼支持部30(30A、30B)を備えている。前側プレート16、後側プレート17及び蓋プレート28は翼支持部30により支持されている。言い換えれば、前方翼面16及び後方翼面17の、回転軸線L1に平行な方向における端部(上端部、下端部)が、蓋プレート28を介して間接的に翼支持部30に接続(支持)されている。翼支持部30は4枚の回転翼15を支持する。翼支持部30の材質としては、アルミニウム、ジュラルミン、チタン、などの軽合金、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂などを用いることができる。
上側の翼支持部30Aは、板状に形成され、後述の中央部31の法線が回転軸線L1に平行な方向を向くように設けられる。翼支持部30Aは、図3、図4に示すように、回転軸線L1の位置に設けられる円形の中央部31と、中央部31の外周縁から径方向外向きに放射状に延びた4つのアーム部32とを備えている。中央部31の中心が回転軸線L1上に位置している。中央部31の中心には第1回転軸51(図1参照)が固定されている。
4つのアーム部32は、互いに同一形状であり、中央部31の中心(換言すれば回転軸線L1)の周りの円周方向に等間隔に設けられている。アーム部32は、中央部31の外周縁から径方向外向きに延びたアーム本体33(図7参照)を備えている。アーム本体33は、回転方向X(進行方向)の前側に、中央部31から遠ざかるに従って回転方向Xと逆方向を向くように湾曲した形状(円弧状)に形成された前端部33aと、回転方向Xの後側に直線状の後端部33bとを有する。前端部33aの曲率は後方翼面17の曲率と同等である。前端部33a及び後端部33bは、回転径方向の外側から内側へ延びるように形成されている。前端部33aと蓋プレート28の後端部とが重ねられており、それらがビス等により固定されることで、各回転翼15(前方翼面16、後方翼面17及び蓋プレート28)は各アーム本体33に接続されている。後端部33bは、アーム本体33が接続される接続対象回転翼15の後方翼面17よりも回転方向Xの後方に位置し、かつ、該接続対象回転翼15の後ろ隣りに位置する後続回転翼15の前方翼面16よりも回転方向Xの前方に位置する。なお、中央部31及びアーム本体33が本体部に相当する。
アーム部32は、図7、図8に示すように、アーム本体33に加えて、アーム本体33の後端部33bから斜め方向に起立した傾斜部34を備えている。傾斜部34は溶接等によりアーム本体33に接続される。なお、傾斜部34はアーム本体33を構成する板材を曲げ加工することにより形成されてもよい。傾斜部34は、後端部33bに沿って直線状に延びた板状に形成されている。本実施形態では傾斜部34の全体が上記接続対象回転翼15の後方翼面17よりも回転方向Xの後方に位置し、かつ、上記後続回転翼15の前方翼面16よりも回転方向Xの前方に位置する。
上記斜め方向は、回転軸線L1に平行な方向における回転翼15(言い換えれば後方翼面17)が配置される側の反対側に向かう方向成分(つまり上側の翼支持部30Aにあっては上方向成分、下側の翼支持部30Bにあっては下方向成分)と回転方向Xの後方に向かう方向成分とを有した方向である。したがって、傾斜部34の、アーム本体33に接続される側の端部を基端部(アーム本体33の後端部33bに相当)、その反対側の端部34aを先端部としたとき、上側の翼支持部30Aにおける傾斜部34は、基端部から先端部34aに向かうにしたがって次第に上方かつ回転方向Xの後方に位置が変わる。上側の翼支持部30Aにおける傾斜部34の一方の表面34b(図8参照)は、上方かつ回転方向Xの前方の領域を臨んでいる。傾斜部34の他方の表面34c(図8参照)は、下方かつ回転方向Xの後方の領域すなわち上記接続対象回転翼15の後方翼面17に対向した領域を臨んでいる。
図8に示すように、傾斜部34の、アーム本体33に対する傾斜角θ4は例えば90度未満であり、より具体的には例えば15度以上45度以下である。なお、傾斜角θ4は、アーム本体33の面を後端部33bから外側に延長した仮想平面35と傾斜部34との成す角度である。
また、アーム部32は、図7、図8に示すように、アーム本体33及び傾斜部34に加えてリブとしての複数の板状の立設部36を備えている。複数の立設部36は、アーム本体33の後端部33bに沿って間隔をあけて設けられている。各立設部36は、アーム本体33の外側の面(後述の風洞部41が形成される側と反対側の面、後方翼面17に対向した領域を臨む面と反対側の面)(上側の翼支持部30Aにあっては上面、下側の翼支持部30Bにあっては下面)と、傾斜部34の、回転方向Xの前方を臨む面34bの双方から立つように設けられる。立設部36は、三角形の板状に形成されており、三角形の1辺の全部がアーム本体33に溶接等で接続され、他の1辺の全部が傾斜部34に溶接等で接続されており、残りの1辺はどこにも接続されていない。立設部36の、傾斜部34に接続される1辺の一端は、傾斜部34の基端部33bに位置し、他端は傾斜部34の先端部34aに位置している。また、立設部36の、アーム本体33に接続される1辺の一端は、アーム本体33の後端部33bに位置し、他端はアーム本体33の前端部33aから離れて位置する。
図7に示すように、複数の立設部36は、例えばアーム本体33の後端部33bの両端に位置する2つの立設部36a、36bと、それら立設部36a、36bの間に位置する複数(図7の例では3つ)の立設部36cとを含む。複数の立設部36により、傾斜部34の前方が複数の空間37に区画されている。
また、各立設部36は、アーム本体33と傾斜部34の一方又は双方に対して直角以外の角度に接続され、又は隣りの立設部36と非平行に設けられてもよい。
下側の翼支持部30Bは、回転軸線L1に直交する平面に対する上側の翼支持部30Aの対称形状に形成されている。つまり、翼支持部30Bは、傾斜部34及び立設部36がアーム本体33の下方に設けられる点で上側の翼支持部30Aと異なっており、それ以外は上側の翼支持部30Aと同じである。下側の翼支持部30Bの中心は第1スペーサ71(図1参照)にネジ等で固定されている。
図3に示すように、上下の翼支持部30A、30Bと4枚の回転翼15とに囲まれた部分に、回転軸線L1を中心とし、隣り合う回転翼15、15の間が気流の出入口41Aとなる空洞部である風洞部41が形成されている。風洞部41には実体の回転軸は設けられていない。
第1風車2の下段部4(図1参照)は、上段部3の下方に設けられ、上段部3と共通の回転軸線L1を有する。下段部4は、回転軸線L1周りの方向において上段部3に対して所定角度だけずれた位置に配置されており、それ以外は上段部3の構成と同じである。具体的には、下段部4は、図9に示すように、上段部3の回転翼15と同じ枚数(つまり4枚)の回転翼45を備えている。回転翼45は互いに同一形状であり、上段部3の回転翼15と同じ形状である。これら回転翼45は、回転軸線L1の方向に等間隔に配置されている。また回転翼45は、上段部3の回転翼15と同じ方向Xに回転するように設けられ、すなわち回転翼45の前方翼面(凸湾曲面)は方向Xを向き、後方翼面(凹湾曲面)は方向Xと逆向きとなるように設けられる。上記所定角度は、上段部3の回転翼15の、回転軸線L1の周りの方向における配置間隔を示す角度(具体的には90度)の半分の角度つまり45度である。したがって、下段部4の各回転翼45は、図9の平面視でみて、上段部3の隣り合う回転翼15、15の間の中間の位置に設けられる。なお、本実施形態では、下段部4(回転翼45)の、回転軸線L1に平行な方向における長さは上段部3(回転翼15)の長さと同じであるが、上段部3の長さと異なっていてもよい。なお、図9では、第1湾曲面に形成される凹部、翼支持部に形成される傾斜部及び立設部の図示を省略している。
下段部4の上側の翼支持部の中心は第1スペーサ71(図1参照)にネジ等で固定されている。また下段部4の下側の翼支持部の中心は第2回転軸52(図1参照)が固定されている。
上段部3及び下段部4は、第1スペーサ71によって、回転軸線L1の方向に間隔をあけて設けられ、かつ、互いに同一の回転方向かつ同一の回転速度で一体回転するように連結されている。そのため、上段部3の回転翼15と下段部4の回転翼45とは45度の回転角度差を維持しながら回転方向Xに回転する。
第1スペーサ71は、その軸線が回転軸線L1に一致するように設けられて、軸線周りの回転が可能に設けられる。第1スペーサ71の軸線方向の長さは、上段部3の下側の翼支持部30Bの傾斜部(図7、図8の翼支持部30Aの傾斜部34に対応する部分)と、下段部4の上側の翼支持部の傾斜部(図7、図8の傾斜部34に対応する部分)とが接触しない長さに設定されている。
第1風車2の上下に接続された第1回転軸51及び第2回転軸52は回転軸線L1を規定する部材であって、それぞれ軸支持部によって軸線L1周りに回転可能に支持されている。そのため、第1風車2は軸線L1周りに回転可能に設けられる。
第2風車5は、全体の形状が第1風車2を回転軸線L1に直交する平面に対して鏡像反転させた形状になっている点と、第1風車2よりも回転軸線L1の方向に長くなっている点を除いて、第1風車2と同様の構成になっている。すなわち、第2風車5は、発電機8を間に挟んで第1風車2の下方に配置されている。第2風車5は、第1風車2と共通の回転軸線L1を有するが、第1風車2の回転方向と逆方向に回転するように設けられる。また、第2風車5は、上下2段に分割されており、上段部6と下段部7とを備えている。
上段部6は、第1風車2の上段部3又は下段部4の回転翼15、45と同じ枚数(つまり4枚)の回転翼(上下一対の翼支持部を含む)を備えて構成される。上段部6の各回転翼の前方翼面、後方翼面及び蓋プレートは、回転方向が逆方向である点を除いて、第1風車2の回転翼15、45と同様の形状である。また、上段部6の翼支持部は、回転方向が逆方向である点を除いて、第1風車2の翼支持部30A、30Bと同様の形状である。上段部6の上側の翼支持部の中心は第3回転軸53(図1参照)に固定されている。上段部6の下側の翼支持部の中心は第2スペーサ72(図1参照)に固定されている。
下段部7は、上段部6の回転翼と同じ枚数(つまり4枚)の回転翼を備え、それら回転翼が、上段部6の回転翼と同一方向に回転するように、かつ上段部6の回転翼に対して回転方向に45度だけずれた位置に設けられる。下段部7の上側の翼支持部の中心は第2スペーサ72に固定されている。下段部7の下側の翼支持部の中心は第4回転軸54(図1参照)に固定されている。なお、本実施形態では、下段部7の、回転軸線L1に平行な方向における長さは上段部6の長さと同じであるが、上段部6の長さと異なっていてもよい。
上段部6及び下段部7は、第2スペーサ72によって、回転軸線L1の方向に間隔をあけて設けられ、かつ、互いに同一の回転方向かつ同一の回転速度で一体回転するように連結されている。そのため、上段部6の回転翼と下段部7の回転翼とは45度の回転角度差を維持しながら回転する。
第2スペーサ72は、その軸線が回転軸線L1に一致するように設けられて、軸線周りの回転が可能に設けられる。第2スペーサ72の軸線方向の長さは、上段部6の下側の翼支持部の傾斜部(図7、図8の傾斜部34に対応する部分)と、下段部7の上側の翼支持部の傾斜部(図7、図8の傾斜部34に対応する部分)とが接触しない長さに設定されている。
第2風車5の上下に接続された第3回転軸53及び第4回転軸54は回転軸線L1を規定する部材であって、それぞれ軸支持部によって軸線L1周りに回転可能に支持されている。そのため、第2風車5は軸線L1周りに回転可能に設けられる。
なお、本実施形態では、第2風車5の、軸線L1に平行な方向における長さは第1風車2よりも長いが、第1風車2と同一長さに設定されてもよい。
発電機8は、第1風車2と第2風車5の間に配置され、図10に示すように、ケース120の内部に第1ロータ61及び第2ロータ62を備えている。ケース120は、連絡部材12(図2参照)によって支持フレーム9の支柱10に固定されている。
図11に示すように、第1ロータ61には、複数の界磁用磁石101が、着磁された状態で回転軸線L1の周りに等間隔に設けられている。具体的には、第1ロータ61は、中空構造の扁平な第1ロータ本体103の内側に界磁用磁石101を備えてなり、第1ロータ本体103の中心から上方に延びた第2回転軸52に、上述した第1風車2が一体回転可能に結合されている。なお、界磁用磁石101は、厚さ方向(上下方向)に着磁された扁平な永久磁石であって、隣接する磁石同士の極性が互いに反転するように配置されている。
第1ロータ本体103は、図10に示すように、上側ロータ部品103Aと下側ロータ部品103Bとで構成され、各ロータ部品103A、103Bに、同数の界磁用磁石101が備えられている。下側ロータ部品103Bに取り付けられた界磁用磁石101Bは、上側ロータ部品103Aに取り付けられた界磁用磁石101Aに対応する位置に配置され、界磁用磁石101Aと界磁用磁石101Bとは、互いに逆向きに着磁されている。即ち、界磁用磁石101Aの下側を向いた面がN(S)であれば、界磁用磁石101Bの上側を向いた面がS(N)となる。なお、第2回転軸52は、上側ロータ部品103Aに一体回転可能に取り付けられている。
図12に示すように、第2ロータ62には、界磁用磁石101によって励磁される発電用コイル102が複数備えられている。発電用コイル102は、中心軸が回転軸線L1と平行となるように配置され、界磁用磁石101と同じ数だけ回転軸線L1の周りに等間隔に設けられている。そして、界磁用磁石101と発電用コイル102とが、回転軸線L1方向に隙間を介して対向配置されている。
具体的には、第2ロータ62は、円盤状の第2ロータ本体106に形成されたコイル固定孔130に発電用コイル102を固定して備えている。第2ロータ本体106は、第1ロータ本体103内に配置され、第2ロータ本体106の中心から下方に延びた第3回転軸53が、第1ロータ本体103の下側ロータ部品103Bを貫通している。そして、この第3回転軸53に、上述した第2風車5が一体回転可能に結合されている。また、第3回転軸53には、複数の発電用コイル102に各々つながるスリップリング136が嵌合され、このスリップリング136と摺接するブラシ135を介して、発電出力を取り出すように構成されている。なお、発電用コイル102は、隣接するコイルの巻き線方向が互いに逆向きとなるようにコイル固定孔130に組み付けられている。なお、第2回転軸52及び第3回転軸53はケース120内に設けられる軸受け124によって軸線L1周りに回転可能に支持されている。軸受け124及びこれを収容支持するケース120が回転軸52、53の軸支持部として機能する。第1回転軸51及び第4回転軸54の軸支持部も軸受け及びこれを収容するケースにより構成されている。
次に、風力発電装置1の作用効果について説明する。図13には、第1風車2の上段部3の4つの回転翼15のうち2つの回転翼15、15の間から風洞部41へと流れる方向に風を受けたときの風の流れが破線で示されている。なお、以下では、図13において風上のうち回転方向X側に位置する回転翼15を回転翼15Aとすると共に、回転翼15Aから回転方向Xに並ぶ回転翼15を、順に回転翼15B、15C、15Dと称して、4つの回転翼15を適宜区別することにする。
図13に示すように、上段部3が回転翼15A側から風を受けると、回転翼15Aでは、前方翼面16のうち外側を向いた第1湾曲面19に風が当たり、回転方向Xと反対向きの力が発生する。一方、後方翼面17には、回転翼15Dの第2湾曲面20によって回転翼15A側に進路が変更された風が当たり、回転方向Xの力が発生する。そして、これらの力が部分的に相殺され、回転翼15Aには、回転方向Xの力FA1が作用する。
また、回転翼15Bでは、後方翼面17にのみ風が当たり、回転方向Xの成分含んだ力FB1が作用する。
また、回転翼15Cでは、回転翼15Aと回転翼15Dの隙間から風洞部41を通過した風が、後方翼面17に直接当たる。これにより、回転翼15Cにも、回転方向Xの力FC1が発生する。
回転翼15Dでは、前方翼面16に風が当たり、回転方向Xと逆向きの力が発生する。一方、図5で説明したのと同様に、回転翼15Dには、第1湾曲面19と第2湾曲面20との相対気流の流速差による揚力が、回転翼15Dを回転方向Xに回転させる向きに生じる。そして、この揚力は、回転方向Xに発生するので、前方翼面16に作用する向かい風による力を少なくとも部分的に相殺する。
ここで、回転翼15は、頂点部18における法線方向に気流を受けたときの揚力トルクが向かい風による反力トルクに打ち勝つように設計されているので、回転翼15Dでも小さいながら回転方向Xの成分を含んだ力FD1が作用する。
このように、図13に示す状態では、回転翼15に作用する力FA1〜FD1が全て回転方向Xへのトルク発生に寄与する。その結果、第1風車2の上段部3は、図13から図14への変化に示すように、回転方向Xに回転する。
上段部3が図13に示す状態から回転すると、各回転翼15に対する風の向きが変わり、それら回転翼15に作用する力も変化する。具体的には、図14に示すように、回転翼15Aでは、大半の風が後方翼面17に当たり、回転方向Xへの成分を含んだ力FA2が作用する。
回転翼15Bでは、回転翼15Dが壁となって、ほとんど風が当たらない。従って、回転翼15Bには、力がほとんど作用しない。
回転翼15Cでは、前方翼面16の第1湾曲面19の一部に風が直接当たり、回転方向Xと反対向きの力が作用する。一方、回転翼15Cの後方翼面17には、回転翼15Aの後方翼面17に当たった後、風洞部41を通過してきた風が当たり、回転方向Xの力が作用する。これらの力は、部分的に相殺され、回転翼15Cには、回転方向Xの成分を含んだFC2が作用する。
回転翼15Dでは、風が前方翼面16に当たり、回転方向Xに対して向かい風となる。従って、前方翼面16には、回転方向Xへの回転を妨げる力が作用する。一方、回転翼15Dの前方翼面16に当たった風は、回転翼15A側と回転翼15C側とに分かれ、回転翼15A側に流れた風は、回転翼15Aの後方翼面17によって風洞部41へと案内される。即ち、回転翼15A側に流れた風は、頂点部18を回って第2湾曲面20に当たる。そして、図5で説明したのと同様に、回転翼15Dには、第1湾曲面19に当たって回転翼15A側へ流れた風と、第1湾曲面19に当たって回転翼15C側に流れた風の流速差によって、回転方向Xに揚力が発生する。これにより、回転翼15Aには、回転方向Xに力FD2が作用する。
このように、図14に示す状態でも、回転翼15A〜15Dには、回転方向Xの力FA2〜FD2が発生する。一方、第1風車2の下段部4は、上段部3とは回転方向に角度がずれていること以外は上段部3と同様の構成であるので、図13及び図14に示すのと同様に各回転翼45に回転方向Xへの力が作用する。したがって、第1風車2は、側方の何れの方向から風が当たっても回転方向Xに回転し始め、風が当たっている間は、回転し続ける。
また、第2風車5は、第1風車2を上下に鏡像反転させた形状になっている点と、第1風車2よりも回転軸線L1方向に長くなっている点を除いて、第1風車2と同様の構成になっているので、側方の何れの方向から風が当たっても第1風車2の回転方向Xと逆方向に回転し始め、風が当たっている間は、回転し続ける。
第1風車2と第2風車5が回転すると、それら風車2、5と一体に第1ロータ61及び第2ロータ62が回転する。これにより、発電用コイル102に電流が発生し、発電が行われる。
ここで、第1風車2と第2風車5は、互いに逆方向にほぼ同じ速度で回転する。このため、第1ロータ61に設けられた界磁用磁石101と、第2ロータ62に設けられた発電用コイル102との相対回転速度は、界磁用磁石101及び発電用コイル102のうち一方が停止している場合の2倍の回転速度になる。このため、発電用コイル102の交流発電電圧は、界磁用磁石101及び発電用コイル102のうち一方が停止している場合の2倍の電圧にすることができる。
また、第1風車2と第2風車5は、互いに逆方向にほぼ同じ速度で回転するので、フレーム9(支柱10など)に作用される回転トルクが打ち消され、安定した回転とすることができる。
(凹部の作用効果)
さらに、各回転翼の前方翼面の第1湾曲面には凹部が形成されているので以下に示す作用効果を得ることができる。図15は、第1風車2の上段部3の回転翼15に対して回転方向Xの後方からの風(WIND)(つまり追い風)が作用した状態を模式的に示している。図15に示すように、後方からの風(WIND)の一部は第1湾曲面19に形成された凹部23に当たる。これによって、回転翼15を回転方向Xに進行させる抗力D1を発生させることができる。後方翼面17に加えて第1湾曲面19でも抗力D1が発生することで、回転翼15の回転力を向上でき、換言すれば回転翼15を効率よく回転させることができる。
特に、凹部23は、第2湾曲面20ではなく、回転半径方向の外側に面した第1湾曲面19に形成されることで、回転半径方向の外側を流れる風を回転力発生に有効利用することができ、つまり外側を流れる風を効果的に受けることができる。また、抗力発生部として機能する凹部23は、回転翼15の中で回転軸線L1から最も離れた外側端部21に近い位置に形成されているので、回転軸線L1の位置にかかる回転トルクを大きくできる。また、凹部23の第1内側面24は回転方向Xの後方に向いており、第2内側面25の、主面26又は仮想曲面260に対する傾斜角θ3(図6参照)は、第1内側面24の、主面26又は仮想曲面260に対する傾斜角θ1(図6参照)よりも小さい角度なので、後方からの風を第2内側面25から第1内側面24まで案内して第1内側面24で効果的に受けることができる。これにより、前方Xへの抗力D1を効果的に発生させることができる。
また、第1内側面24の傾斜角θ1(図6参照)は、例えば60度以上150度以下であり、好ましくは90度以上150度以下であるので、方向Xに回転するのに伴い凹部23の向きが変わったとしても、後方からの風を第1内側面24で、該面24に直角又は直角に近い角度で受けやすい。例えば、図15において、風の向きはそのままで回転翼15が反時計回りに30度回転した場合であっても、凹部23の第1内側面24で直角に近い角度で風を受けることができる。これにより、抗力D1の持続時間を長くできる。
また、回転方向Xにおいて後方翼面17の位置に加えて後方翼面17とは異なる位置(凹部23)でも抗力が発生することで、回転軸線L1周りの位置(換言すれば回転角度)に対する回転翼15で発生する抗力の変動を抑制できる。
これに対して、特許文献1〜3に開示の回転翼には前方翼面に凹部が形成されていないので、図16に示すように、前方翼面に沿って流れる追い風を、回転翼の回転力発生に有効利用できない。
図17は、回転翼15に対して回転方向Xの前方からの風(WIND)(つまり向かい風)が作用した状態を模式的に示している。図17に示すように、凹部23がボルテックスジェネレータとして機能して、凹部23に空気の渦流T(言い換えれば空気溜まり)が発生する。この局所的な渦流Tによって、前方から第1湾曲面19に沿って流れる風(WIND)が、後方翼面17に対向する領域200に回り込んでしまうのを抑制できる。これにより、後続する回転翼15への空気抵抗を減らすことができ、回転翼15を効率よく回転させることができる。
また、ボルテックスジェネレータ23は凸部ではなく凹部として構成されているので、ボルテックスジェネレータ23が回転方向Xへの移動を妨げる空気抵抗を生んでしまうのを抑制できる。
また、ボルテックスジェネレータ23(凹部)は頂点部18よりも外側端部21に近い位置に形成されているので、外側端部21から後方翼面対向領域200への気流の回り込みを効果的に抑制できる。
さらに、凹部23の第1内側面24は回転方向Xの後方を向いており、第2内側面25の、主面26又は仮想曲面260に対する傾斜角θ3(図6参照)は、第1内側面24の、主面26又は仮想曲面260に傾斜角θ1(図6参照)よりも小さい角度なので、前方からの風が凹部23に当たることにより生ずる後方への抗力を抑制できる。
これに対して、特許文献1〜3に開示の回転翼には前方翼面に凹部が形成されていないので、図18に示すように、前方からの風の一部が前方翼面に沿って流れた後に後方翼面に対向した領域に回り込んでしまい、後続する回転翼に空気抵抗を生んでしまう。
第1風車2の下段部4の回転翼45及び第2風車5の回転翼も、上段部3の回転翼15と同様の形状に形成されているので、図15、図17に示した回転翼15の作用効果と同じ作用効果を得ることができる。
(傾斜部の作用効果)
各回転翼の上下端を支持する翼支持部には傾斜部が形成されているので、以下に示す作用効果を得ることができる。図19は、第1風車2の上段部3の回転翼15に対して回転方向Xの後方からの風(WIND)(つまり追い風)が作用した状態を模式的に示している。図19に示すように、後方翼面17に加えて上下の傾斜部34でも後方からの風を受けることができ、回転翼15の受風面積Sを大きくできる。言い換えれば、後方翼面17に加えて傾斜部34(翼支持部)でも前方Xへの抗力D2を発生させることができる。これにより、回転翼15を効率よく回転させることができる。
また傾斜部34は、回転翼15の上下端から、回転軸線L1に平行な方向における回転翼15(後方翼面17)が配置される側の反対側に向かう方向成分と回転方向Xの後方に向かう方向成分とを有した斜め方向に起立するので、傾斜部34の回転方向X前方領域に位置する空気V(図19参照)を上記斜め方向に誘導でき、傾斜部34が前方Xへの移動を妨げる空気抵抗を生んでしまうのを抑制できる。
また、傾斜部34により板状の翼支持部30の剛性を向上できる。特に、アーム本体33の後端部33b及びこれに沿って形成される傾斜部34は直線状に形成されるので、より一層、翼支持部30の剛性を向上できる。これにより、翼支持部30及びこれらに支持される回転翼15(前方翼面16、後方翼面17及び蓋プレート28)が回転方向X以外の方向に変位又は振動してしまうのを抑制でき、回転翼15を効率よく方向Xに回転させることができる。また、後端部33b及び傾斜部34が直線状に形成されることで、曲線状に形成される場合に比べて容易に翼支持部30を製造できる。
また傾斜部34は、後方翼面17よりも回転方向Xの後方に設けられるので、後方からの風を後方翼面17に案内するガイドベーン(案内羽根)として傾斜部34を機能させることができる。これにより、後方翼面17に後方からの風を集中させることができ、後方翼面17にて発生する前方Xへの抗力を大きくできる。
図20は、回転翼15に対して回転方向Xの前方からの風(WIND)(つまり向かい風)が作用した状態を模式的に示している。傾斜部34は上記斜め方向に設けられるので、図20に示すように、前方からの向かい風を上記斜め方向に誘導でき、傾斜部34が前方Xへの移動を妨げる空気抵抗を生んでしまうのを抑制できる。また、上記斜め方向に誘導された風Wを、上段部3の上下方向に隣接する他の回転部の回転翼(具体的には下段部4の回転翼45)の回転力発生に寄与させることができる。
第1風車2の下段部4の回転翼45及び第2風車5の回転翼も、上段部3の回転翼15と同様の形状に形成されているので、図19、図20に示した回転翼15の作用効果と同じ作用効果を得ることができる。
(立設部の作用効果)
また、図7、図19、図20に示すように、上段部3の翼支持部30にはアーム本体33と傾斜部34の双方の面から立つ複数の立設部36が設けられているので、翼支持部30の剛性をより一層向上できる。
また、各立設部36をボルテックスジェネレータとして機能させることができる。すなわち、複数の立設部36により、傾斜部34の前方が複数の空間37に区画されることで(図7参照)、各空間37に局所的な渦流が発生して、この渦流により、前方からの風W(図20参照)が後方翼面17に対向した領域200に回り込んでしまうのを抑制できる。特に、立設部36はアーム本体33と傾斜部34の一方又は双方に対して直角以外の角度に接続され、又は隣りの立設部36と非平行に設けられることで、立設部36を効果的にボルテックスジェネレータとして機能させることができ、すなわち、立設部36(空間37)での局所的な渦流を効果的に発生させることができる。これにより、後続する回転翼15への空気抵抗を減らすことができ、回転翼15を効率よく回転させることができる。
第1風車2の下段部4の回転翼45及び第2風車5の回転翼も、上段部3の回転翼15と同様の形状に形成されているので、回転翼15の立設部36の作用効果と同じ作用効果を得ることができる。
(上段部と下段部とで円周方向に角度差があることによる作用効果)
また、第1風車2は上段部3と下段部4とに分割されており、これら上段部3及び下段部4が回転軸線L1を中心とした円周方向において45度の角度差があるので、以下に説明するように回転角度に対する抗力(回転トルク)の変動を小さくできる。
ここで、図21は、特許文献1〜3に開示される従来の風車構造に対して回転軸線に直角な一定方向から風を供給したときの各回転翼及び回転軸にかかる抗力の、回転位置に対する変動をライン411〜415で示している。図21の実験で用いた風車は、図22に示すように、特許文献1〜3に開示される回転翼と同様の形状の4枚の回転翼401〜404を備えている。図21の横軸は、図22の各回転翼401〜404の回転軸405周りの位置を示しており、具体的には、第1回転翼401が1回転する間の経過時間を示しており、横軸上には30度回転毎の第1回転翼401の位置を示す時間を示している。図21中のライン411〜414は回転翼401〜404毎の抗力の変動を示している。ライン415は、回転軸405(図22参照)にかかる抗力の変動を示している。
図21のライン411〜414で示されるように、各回転翼401〜404では、後方翼面で風を受けやすい回転角度(各ライン411〜414の極大点421〜424(最大抗力)での回転角度)(回転翼401〜404の進行方向に対して追い風となる回転角度)がある一方で、後方翼面で風を受けにくい回転角度(回転翼401〜404の進行方向に対して向かい風となる回転角度)があり、抗力の変動が大きい。また、回転翼401〜404毎の最大抗力421〜424は、回転翼401〜404の配置間隔角度(90度)の間隔で交互に発生する。また、第1極大点421と第2極大点422の中間点431、第2極大点422と第3極大点423の中間点432、第3極大点423と第4極大点424の中間点433、及び第4極大点424と第1極大点421の中間点434ではそれぞれ抗力の落ち込みが生じている。また、回転翼401〜404で生ずる抗力411〜414の変動が大きいため、回転軸405での抗力415の変動も大きい。
これに対して、本実施形態では、第1風車2は、円周方向に45度の角度差で設けられる上段部3と下段部4とを備えているので、上段部3での最大抗力発生回転角度が図21の極大点421〜424であると仮定すると、下段部4での最大抗力発生回転角度を破線ライン440で示されるように図21の中間点431〜434に生じさせることができる。破線ライン440は、下段部4の、回転角度に対する抗力変動に相当する。これにより、中間点431〜434での抗力の落ち込みを抑制でき、回転角度に対する抗力の変動を抑制できる。抗力変動を抑制できることで、回転角度に対して変動する抗力の平均値(平均抗力)を大きくできる。すなわち、図21において、2段構造の平均抗力を示すライン451(ライン411〜414及び破線ライン440の平均値)は、1段構造の平均抗力を示すライン450(ライン411〜414の平均値)よりも大きくなる。
また、抗力変動を抑制できることは、回転翼が追い風を受けた時の回転翼の回転速度に対する、回転翼が向かい風を受けた時の回転翼の回転速度の低下を抑制できることを意味する。回転翼が向かい風を受けた時の回転速度の低下を抑制できることで、前方翼面において向かい風に抗する揚力を効果的に発生させることができ、換言すれば、前方翼面の第1湾曲面と第2湾曲面とで生ずる揚力を大きくできる。
また、上段部3と下段部4とは回転軸線L1の方向の異なる位置に設けられるので、回転軸線L1の方向の同一位置に8枚の回転翼が等間隔に配置される構造に比べて、回転軸線L1周りの方向における回転翼間の空間を大きくできる。これにより、回転翼間に風を流しやすくできる。
以上より、第1風車2の回転効率を向上できる。また第2風車5は、第1風車2の回転方向と逆方向になっている点を除いて第1風車2と同様の構造であるので、第1風車2と同様の作用効果を得ることができる。
ここで、本開示者は、比較例として、特許文献1〜3で示される従来回転翼と同様の形状の4枚の回転翼が円周方向に等間隔に配置された1段の回転体を準備して、この1段の回転体での、風速に対する発電量及び回転数の変化を測定した。また、本開示者は、実施例として、比較例の測定で使用した回転体を2つ準備して、それら2つの回転体を、回転方向が同一となるように、かつ、2つの回転体の間に円周方向に45度の配置角度差を有するように、上下に連結した2段構造の回転体を構成した。そして、この2段構造の回転体に対して比較例と同様の測定を行った。なお、比較例及び実施例の測定に用いた回転体の直径は500mmである。また、比較例及び実施例の測定で使用した回転翼として、上述の凹部、傾斜部及び立設部が形成されていない回転翼を用いた。
2段構造の実施例では、1段構造の比較例よりも発電量及び回転数が向上したことを確認できた。具体的には、比較例では最大発電量が約13Wであったのに対し、実施例では最大発電量が約40Wであった。比較例の最大発電量13Wを2段の回転体で発電を行ったときの値に変換すると、13W×2=26Wとなる。実施例の最大発電量40Wは、単純に段数を2段にしたときの発電量26Wに対して約1.5倍増大していた。これは2段の回転体の間で円周方向に45度の角度差を設けたことによる効果である。すなわち、角度差を設けることで、上述したように、回転翼が向かい風を受けた時の回転速度の低下を抑制でき、前方翼面において向かい風に抗する揚力が効果的に発生したことによる効果と考えられる。
下記表1は、風速と直径500mmの回転体の周速とが同一であるときの回転体の回転数を風速毎に示している。
Figure 0006921455
実施例では、風速14m/sのときの回転数が約700RPMであった。この回転数700RPMは、表1の風速14m/sのときの回転数535RPMよりも大きい。これは、実施例で使用した2段の回転体においては風速以上の速度で回転していることを意味する。実際に、風速に対する回転体の周速の比(周速比)を求めたところ、約1.3であった。これに対して、比較例では周速比が約1であった。
サボ二ウス型風車等の抗力型風車では風速以上の周速を得ることはできない(つまり周速比が1を超えることができない)ことは技術常識であるが、本実施形態の風車では、抗力により回転力を得ることを基本としつつ、抗力に加えて揚力も効果的に発生することで、風速以上の周速を得ることができる(つまり1より大きい周速比を得ることができる)。
なお、本開示は上記実施形態に限定されず種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、各風車の各段部(上段部、下段部)に備えられた回転翼の数がそれぞれ4つであったが、3つであっても、5つ以上であってもよい。
また、上記実施形態では、互いに逆向きに回転する第1風車及び第2風車を上下2段に積み重ねた構成であったが、風車を1つだけ備えた構成であってもよい 。
また、上記実施形態では、支持フレームが3つの支柱を備えた構成であったが、4つ以上の支柱を備えていてもよい。
上記実施形態では、回転翼の後方翼面が回転翼の回転軸線を面内に含む円筒面の一部となっていたが、その円筒面の一部になっていなくてもよい。換言すれば、回転軸線に直角な平面視でみて、後方翼面の形状である円弧を回転軸線側へ延長した延長線と回転軸線とが交差しなくてもよい。
また、上記実施形態では、発電機の界磁用磁石と発電用コイルとが、回転軸線方向に隙間を介して対向配置されたアキシャルギャップ型の発電機を例示したが、界磁用磁石と発電用コイルとが回転軸線に直角な径方向に隙間を介して対向配置されたラジアルギャップ型の発電機を適用してもよい。
また、上記実施形態では、第1風車及び第2風車はそれぞれ2段に分割された例を示したが、3段以上に分割されてもよい。この場合であっても、複数の段部間で回転方向を同一としつつ円周方向における回転翼の配置角度をずらす。例えば、各段部における回転翼の円周方向における配置間隔角度をY、段部の個数をNとしたとき、複数の段部間でY/Nの角度だけ回転方向における回転翼の配置位置をずらす。例えば、上段部、中段部及び下段部の3段に分割され、各段部の回転翼の枚数が4枚であり、配置間隔角度Yが90度である場合には、上段部と中段部との間で90/3=30度だけ回転方向における回転翼の配置位置をずらし、中段部と下段部との間でも30度だけ回転方向における回転翼の配置位置をずらす。これによっても、回転角度に対する抗力変動を抑制できる。
また上記実施形態では、各風車の上段部と下段部との間で上記配置間隔角度Yの半分の角度(=Y/2)だけ回転翼の配置位置をずらす例を示したが、Y/2以外の角度差で上段部及び下段部が設けられてもよい。この場合であっても、回転角度に対する抗力変動を抑制できる。
また上記実施形態では、各風車の上段部と下段部とがスペーサにより軸線方向に隙間をあけて連結された例を示したが、スペーサを介さずに直接に上段部と下段部とが連結されてもよい。この場合、上段部の下側の翼支持部及び下段部の上側の翼支持部を、上記傾斜部及び立設部を有しない形状(つまり特許文献1〜3で示される翼支持部と同様の形状)として構成し、それら2つの翼支持部が直接に連結されてもよい。
また、上記実施形態では、各風車の各段部(上段部、下段部)の上下それぞれの翼支持部に上記傾斜部及び立設部が形成された例を示したが、上下の翼支持部の一方のみに傾斜部及び立設部が形成されてもよい。
また、上記実施形態では、前方翼面の第1湾曲面に2つの凹部が形成される例を示したが、凹部の個数は1つでもよいし、3つ以上でもよい。
また、上記実施形態では、前方翼面と後方翼面との間に形成される中空部を閉鎖する蓋プレートと、回転翼を支持する翼支持部とが別部材である例を示したが、蓋プレートと翼支持部とが同一部材として構成されてもよい。
また上記実施形態では、回転装置の回転軸線が鉛直方向を向いた例を示したが、流体の流れ方向に直角であれば回転軸線は鉛直方向以外の方向に向いていてもよい。
また上記実施形態では、第1湾曲面に形成される凹部が、回転方向の後方を臨んだ第1内側面と、第1内側面の凹み方向の端部から後方に延びて第1湾曲面の主面又は前方翼面の外側端部に繋がる第2内側面との2面から構成される例を示したが、凹部は、回転方向の後方を臨んだ第1側面と、回転方向の前方を臨んだ第2側面と、これら第1側面の端部と第2側面の端部との間を繋ぐ底面との3面から構成される形状、又は凹湾曲面の形状、又はV字形状など、どのような形状でもよい。凹部は、その形状にかかわらず、向かい風に対してはボルテックスジェネレータとして機能して後方翼面側への風の回り込みを抑制でき、追い風に対しては回転方向前方への抗力発生部として機能する。ただし、上記実施形態で示した2面構造の凹部によれば、向かい風に対するボルテックスジェネレータの機能及び追い風に対する抗力発生部の機能を効果的に発生させることができる。
また、上記実施形態では、回転軸線に直交する平面視でみて、翼支持部のアーム本体の後端部が後方翼面よりも回転方向後方に設けられる例を示したが、後方翼面に重なる位置で後方翼面と同様の曲率の円弧形状に設けられてもよい。これによっても、アーム本体の後端部から形成される傾斜部を、後方翼面に気流を案内するガイドベーンとして機能させることができる。また、アーム本体の後端部の一部が平面視で見て後方翼面よりも回転方向後方に位置し、該後端部の他の一部が平面視で見て後方翼面の重なる位置又は後方翼面よりも回転方向前方に位置してもよい。
また水車に本開示の回転翼又は回転装置を適用してもよく、すなわち、水流(水力)を受ける回転翼又は回転装置の構造に本開示を適用してもよい。
また上記実施形態では、(1)前方翼面の第1湾曲面に凹部が形成されること、(2)翼支持部に傾斜部が形成されること、(3)回転装置を複数の段部で構成して、各段部が同一方向に回転し、かつ回転方向における回転翼の配置位置に角度差があること、の全てを満たした回転装置の例を示したが、上記(1)、(2)、(3)の1つのみ又は2つのみを満たした回転翼又は回転装置を構成してもよい。これによっても、従来構造に比べて回転翼の回転効率を向上できる。また上記(2)を満たす場合においては、アーム本体と傾斜部の双方の面から立つ立設部が設けられてもよいし、設けられなくてもよい。
また本開示の回転翼は以下のように構成されてもよい。
すなわち本開示の回転翼は、
回転軸線を中心に回転可能に設けられ、流体を受ける回転翼であって、
前記回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面と、
前記前方翼面の背面側に配置され、前記回転軸線と平行かつ前記回転方向の前方に凹むように湾曲し、前記前方翼面よりも湾曲深さが小さい後方翼面と、
前記前方翼面及び前記後方翼面の、前記回転軸線に平行な方向における端部を支持する翼支持部とを備え、
前記回転軸線に直交する平面視において、前記前方翼面の、前記回転軸線に遠い側の端部を外側端部、前記回転軸線に近い側の端部を内側端部として、
前記前方翼面は、
前記回転軸線から離れた部分を構成し、前記外側端部から前記回転方向の前方に向かって形成される第1湾曲面と、
前記回転軸線に近い部分を構成し、前記第1湾曲面の前記外側端部の反対側から前記回転方向の後方に向かって前記内側端部に繋がるように形成され、前記平面視における面長が前記第1湾曲面よりも短い第2湾曲面とを備え、
前記翼支持部は、
前記前方翼面及び前記後方翼面を支持するとともに、前記平面視で見て前記後方翼面に重なる位置又は前記後方翼面よりも前記回転方向の後方の位置に回転径方向に延びる後端部を形成する本体部と、
前記後端部に沿って形成されるとともに、前記後端部から、前記回転軸線に平行な方向における前記後方翼面が配置される側の反対側に向かう方向成分と前記回転方向の後方に向かう方向成分とを有した斜め方向に形成される傾斜部とを備える。
また本開示の回転装置は以下のように構成されてもよい。
すなわち本開示の回転装置は、
複数の回転翼が回転軸線の周りに等間隔に配置された段部を、前記回転軸線の方向に複数備え、
前記回転翼は、
前記回転軸線を中心に回転可能に設けられ、流体を受ける回転翼であって、
前記回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面と、
前記前方翼面の背面側に配置され、前記回転軸線と平行かつ前記回転方向の前方に凹むように湾曲し、前記前方翼面よりも湾曲深さが小さい後方翼面とを備え、
前記回転軸線に直交する平面視において、前記前方翼面の、前記回転軸線に遠い側の端部を外側端部、前記回転軸線に近い側の端部を内側端部として、
前記前方翼面は、
前記回転軸線から離れた部分を構成し、前記外側端部から前記回転方向の前方に向かって形成される第1湾曲面と、
前記回転軸線に近い部分を構成し、前記第1湾曲面の前記外側端部の反対側から前記回転方向の後方に向かって前記内側端部に繋がるように形成され、前記平面視における面長が前記第1湾曲面よりも短い第2湾曲面とを備え、
前記段部は、複数の前記段部間で互いに同一の個数かつ同一の回転方向の前記回転翼を備え、複数の前記段部間で前記回転軸線の周りの方向における前記回転翼の配置位置に角度差を有しており、前記角度差を維持しながら回転するように複数の前記段部が連結される。
1 風力発電装置(発電装置)
2 第1風車(第1回転装置)
3 第1風車の上段部
4 第1風車の下段部
5 第2風車(第2回転装置)
6 第2風車の上段部
7 第2風車の下段部
8 発電機(発電部)
15、45 回転翼
16 前方翼面
17 後方翼面
19 第1湾曲面
20 第2湾曲面
21 回転翼の外側端部
22 回転翼の内側端部
23 凹部
30、30A、30B 翼支持部
31 翼支持部の中央部
32 翼支持部のアーム部
33 アーム本体
33b アーム本体の後端部
34 アーム部の傾斜部
36 アーム部の立設部

Claims (12)

  1. 回転軸線を中心に回転可能に設けられ、流体を受ける回転翼であって、
    前記回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面と、
    前記前方翼面の背面側に配置され、前記回転軸線と平行かつ前記回転方向の前方に凹むように湾曲し、前記前方翼面よりも湾曲深さが小さい後方翼面とを備え、
    前記回転軸線に直交する平面視において、前記前方翼面の、前記回転軸線に遠い側の端部を外側端部、前記回転軸線に近い側の端部を内側端部として、
    前記前方翼面は、
    前記回転軸線から離れた部分を構成し、前記外側端部から前記回転方向の前方に向かって形成される第1湾曲面と、
    前記回転軸線に近い部分を構成し、前記第1湾曲面の前記外側端部の反対側から前記回転方向の後方に向かって前記内側端部に繋がるように形成され、前記平面視における面長が前記第1湾曲面よりも短い第2湾曲面とを備え、
    前記第1湾曲面には凹部が形成され
    前記第1湾曲面の、前記凹部が形成されていない部分を主面として、
    前記凹部は、前記回転方向の後方を臨む段差を形成する第1内側面と、前記第1内側面の凹み方向における端部から前記回転方向の後方に向かって形成されて前記外側端部又は前記主面に繋がる第2内側面とを備え、
    前記主面と前記第1内側面との境界部から前記凹部側に、該境界部での前記主面の曲率と同一曲率の面を延長した面を仮想曲面とし、
    前記回転軸線に直角な断面で見て前記主面と前記第1内側面との境界部での前記主面の接線を該境界部から外側に延長した延長線と、該境界部での前記第1内側面の接線との成す角度、又は前記仮想曲面と前記第1内側面との境界部での前記仮想曲面の接線と、該境界部での前記第1内側面の接線との成す角度を前記第1内側面の傾斜角とし、
    前記回転軸線に直角な断面で見て前記第2内側面と前記主面との境界部での前記第2内側面の接線を該境界部から外側に延長した延長線と、該境界部での前記主面の接線との成す角度、又は前記仮想曲面と前記第2内側面との境界部での前記仮想曲面の接線と、該境界部での前記第2内側面の接線との成す角度を前記第2内側面の傾斜角としたとき、
    前記第2内側面の前記傾斜角は、前記第1内側面の前記傾斜角より小さい角度である、
    回転翼。
  2. 前記第1内側面の前記傾斜角は90度以上150度以下である請求項1に記載の回転翼。
  3. 回転軸線を中心に回転可能に設けられ、流体を受ける回転翼であって、
    前記回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面と、
    前記前方翼面の背面側に配置され、前記回転軸線と平行かつ前記回転方向の前方に凹むように湾曲し、前記前方翼面よりも湾曲深さが小さい後方翼面と
    前記前方翼面及び前記後方翼面の、前記回転軸線に平行な方向における端部を支持する翼支持部とを備え、
    前記回転軸線に直交する平面視において、前記前方翼面の、前記回転軸線に遠い側の端部を外側端部、前記回転軸線に近い側の端部を内側端部として、
    前記前方翼面は、
    前記回転軸線から離れた部分を構成し、前記外側端部から前記回転方向の前方に向かって形成される第1湾曲面と、
    前記回転軸線に近い部分を構成し、前記第1湾曲面の前記外側端部の反対側から前記回転方向の後方に向かって前記内側端部に繋がるように形成され、前記平面視における面長が前記第1湾曲面よりも短い第2湾曲面とを備え、
    前記第1湾曲面には凹部が形成され
    前記翼支持部は、
    前記前方翼面及び前記後方翼面を支持するとともに、前記平面視で見て前記後方翼面に重なる位置又は前記後方翼面よりも前記回転方向の後方の位置に回転径方向に延びる後端部を形成する本体部と、
    前記後端部に沿って形成されるとともに、前記後端部から、前記回転軸線に平行な方向における前記後方翼面が配置される側の反対側に向かう方向成分と前記回転方向の後方に向かう方向成分とを有した斜め方向に形成される傾斜部とを備える、
    回転翼。
  4. 前記凹部は、前記第1湾曲面と前記第2湾曲面との境界部よりも前記外側端部に近い位置に形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転翼。
  5. 前記第1湾曲面の、前記凹部が形成されていない部分を主面として、
    前記凹部は、前記回転方向の後方を臨む段差を形成する第1内側面と、前記第1内側面の凹み方向における端部から前記回転方向の後方に向かって形成されて前記外側端部又は前記主面に繋がる第2内側面とを備える請求項に記載の回転翼。
  6. 前記前方翼面及び前記後方翼面の、前記回転軸線に平行な方向における端部を支持する翼支持部を備え、
    前記翼支持部は、
    前記前方翼面及び前記後方翼面を支持するとともに、前記平面視で見て前記後方翼面に重なる位置又は前記後方翼面よりも前記回転方向の後方の位置に回転径方向に延びる後端部を形成する本体部と、
    前記後端部に沿って形成されるとともに、前記後端部から、前記回転軸線に平行な方向における前記後方翼面が配置される側の反対側に向かう方向成分と前記回転方向の後方に向かう方向成分とを有した斜め方向に形成される傾斜部とを備える請求項1又は2に記載の回転翼。
  7. 前記本体部は、
    前記回転軸線の位置に設けられる中央部と、
    前記中央部の外周から回転径方向に延びるように設けられて、前記前方翼面及び前記後方翼面を支持するとともに、前記後端部を形成するアーム部とを備える請求項3又は6に記載の回転翼。
  8. 前記翼支持部は、前記後端部に沿って間隔をあけて設けられて前記アーム部と前記傾斜部の双方の面から立つように設けられる複数の立設部を備える請求項に記載の回転翼。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の複数の回転翼が前記回転軸線の周りに等間隔に配置された段部を、前記回転軸線の方向に複数備え、
    前記段部は、複数の前記段部間で互いに同一の個数の前記回転翼を備え、前記回転翼の回転方向は複数の前記段部間で同一方向であり、複数の前記段部間で前記回転軸線の周りの方向における前記回転翼の配置位置に角度差を有しており、前記角度差を維持しながら回転するように複数の前記段部が連結される回転装置。
  10. 回転軸線を中心に回転可能に設けられる、流体を受ける複数の回転翼が前記回転軸線の周りに等間隔に配置された段部を、前記回転軸線の方向に複数備え、
    前記回転翼は、
    前記回転軸線と平行かつ回転方向の前方に突出するように湾曲する前方翼面と、
    前記前方翼面の背面側に配置され、前記回転軸線と平行かつ前記回転方向の前方に凹むように湾曲し、前記前方翼面よりも湾曲深さが小さい後方翼面とを備え、
    前記回転軸線に直交する平面視において、前記前方翼面の、前記回転軸線に遠い側の端部を外側端部、前記回転軸線に近い側の端部を内側端部として、
    前記前方翼面は、
    前記回転軸線から離れた部分を構成し、前記外側端部から前記回転方向の前方に向かって形成される第1湾曲面と、
    前記回転軸線に近い部分を構成し、前記第1湾曲面の前記外側端部の反対側から前記回転方向の後方に向かって前記内側端部に繋がるように形成され、前記平面視における面長が前記第1湾曲面よりも短い第2湾曲面とを備え、
    前記第1湾曲面には凹部が形成され、
    前記段部は、複数の前記段部間で互いに同一の個数の前記回転翼を備え、前記回転翼の回転方向は複数の前記段部間で同一方向であり、複数の前記段部間で前記回転軸線の周りの方向における前記回転翼の配置位置に角度差を有しており、前記角度差を維持しながら回転するように複数の前記段部が連結される回転装置。
  11. 前記角度差を維持しながら同一方向に回転するように連結される前記段部の個数は2つであり、
    前記角度差は、1つの前記段部に備えられる複数の前記回転翼の、前記回転軸線の周りの方向における配置間隔を示す角度の半分の角度である請求項9又は10に記載の回転装置。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の回転装置である第1回転装置と、
    前記第1回転装置と前記回転軸線を共通にして設けられ、前記第1回転装置の回転方向と逆方向に回転するように設けられる、請求項9〜11のいずれか1項に記載の回転装置である第2回転装置と、
    前記第1回転装置の回転に連動して回転する界磁用磁石と前記第2回転装置の回転に連動して回転する発電用コイルとを備えた発電部と、
    を備える発電装置。
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