JP6921370B1 - 二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム - Google Patents
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Abstract
Description
炭酸ガス回収技術として、例えば特許文献1に記載の二酸化炭素回収システム1は、燃焼排ガス2に含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔3と、吸収塔3から二酸化炭素を吸収した吸収液4aが供給され、二酸化炭素を吸収した吸収液4aから二酸化炭素ガスを放出させてこの吸収液4aを再生する再生塔6と、再生塔6からの吸収液4bを加熱して水蒸気を生成し、この水蒸気を再生塔6に供給するとともに加熱した吸収液を吸収塔3に供給するリボイラー19と、吸収塔3と再生塔6との間に配置され、吸収塔3から再生塔6に供給される二酸化炭素を吸収した吸収液4aを加熱する圧縮式ヒートポンプ40と、を備えている。
特許文献2に記載された燃焼排ガスの脱炭酸ガス処理システムでは、吸収液再生工程が第1及び第2の2段工程2、3からなり、アミン吸収工程1からの吸収液を第1再生工程2で加熱処理して吸収液を再生するとともに、再生された吸収液の一部を第2再生工程3で更に加熱処理して重質分を排出し、軽質分を第1再生工程2に循環している。
炭酸ガス利用技術として、例えば特許文献3に記載のメタン合成装置1は、原料ガスの水素ガスと炭酸ガスを触媒が充填された反応器4にコンプレッサ2,3で供給し、メタン化反応させてメタンを合成している。
炭酸ガス利用技術は、種々開発されているが、利用は炭酸ガス回収技術と一体であり、エネルギー消費の少ない炭酸ガス回収技術が開発されない限り、実用化の進展は望めない。
このように、二酸化炭素含有吸収液は、高圧再生塔において高温の水蒸気で加熱されて吸収した炭酸ガスの一部を放出し二酸化炭素中間濃度吸収液になり、二酸化炭素中間濃度吸収液は、低圧再生塔において中温の混合ガスで加熱されて前記二酸化炭素中間濃度吸収液に残存する前記炭酸ガスの残部を放出し再生吸収液に再生されるので、二酸化炭素含有吸収液を熱効率よく再生吸収液に再生することができる。
さらに、前記第2熱交換器は、前記高圧再生塔から流出する前記二酸化炭素中間濃度吸収液と前記第1熱交換器から流出する前記二酸化炭素含有吸収液との間で熱交換させて、前記高圧再生塔に流入する前記二酸化炭素含有吸収液の温度を上昇させ、前記低圧再生塔に流入する前記二酸化炭素中間濃度吸収液の温度を下降させることによって、前記加熱装置から供給された熱量を前記高圧再生塔と前記低圧再生塔とに適切に配分することができる。これにより、前記高圧再生塔から流出する中温の混合ガスに含まれる熱量を活用して前記二酸化炭素中間濃度吸収液から前記炭酸ガスの残部を効率的に放出させることができ、システム全体として極めて高い熱効率で二酸化炭素含有吸収液を吸収液に再生することができる。
第1実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1aは、図1に示すように、吸収塔10と、高圧再生塔30と低圧再生塔40とで構成される再生塔部31と、第1熱交換器50と、再生吸収液冷却器56と、炭酸ガス分離器46と、第2熱交換器55と、を備えている。
火力発電所等から排出された排ガスは、排ガス冷却塔20に流入し冷却水によって冷却された後に吸収塔10に下部の入口11から流入して上昇する。吸収塔10には上部に形成された入口12から吸収液が流入して下降する。吸収塔10内を上昇する排ガスと下降する吸収液とは充填材13内で対向接触し、吸収液は排ガスから炭酸ガスを吸収して二酸化炭素含有吸収液になり、底部の滞留部14に一時滞留する。炭酸ガスを吸収・除去された排ガスは、水洗部16で水洗された後に煙突から放出される。
第2実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1bは、第1実施形態において吸収塔10と第1、第2熱交換器50,55との間に一重効用吸収式ヒートポンプ60が配置されている点のみが第1実施形態と異なるので、相違点について説明し、第1実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1cは、第1実施形態において低圧再生塔40にリボイラー57が接続されている点のみが第1実施形態と異なるので、相違点について説明し、第1実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
このように、高圧水蒸気が高温再生塔30の放熱装置36に供給され、滞留部35に滞留する二酸化炭素中間濃度吸収液を加熱して高温の水蒸気を生成し、放熱装置36から供給される凝縮液をリボイラー57で加熱用水蒸気として無駄なく利用することができる。
第4実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1dは、第2実施形態において低圧再生塔40にリボイラー57が接続されている点のみが第2実施形態と異なるので、相違点について説明し、第2実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
第5実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1eは、第1実施形態の炭酸ガス回収システム1aに炭化水素製造システム70が併設され、炭酸ガス分離器46から送出された炭酸ガスが炭化水素製造システム70の反応管に供給され、反応管冷却装置73が水蒸気供給装置75として利用されている点が第1実施形態と異なる。従って、相違点について説明し、第1実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
第5実施形態に係る炭酸ガス回収システム1eは、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、炭酸ガス回収と炭化水素製造を有機的に融合したシステムであるので、地球温暖化防止に寄与することができる。
第6実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1fは、第2実施形態の炭酸ガス回収システム2bに炭化水素製造システム70が併設され、炭酸ガス分離器46から送出された炭酸ガスが炭化水素製造システム70の反応管71に供給され、反応管冷却装置73が水蒸気供給装置75として利用されている。
従って、第5実施形態に係る炭酸ガス回収システム1eは、第1および第2実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、炭酸ガス回収と炭化水素製造を有機的に融合したシステムであるので、地球温暖化防止に寄与することができる。
第7実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1gは、第1実施形態の炭酸ガス回収システム1aにガスタービンコジェネレーションシステム80が併設されている点のみが第1実施形態と異なるので、相違点について説明し、第1実施形態と同じ構成要素には同一の参照番号を付して説明を省略する。
第8実施形態に係る二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム1hは、第2実施形態の炭酸ガス回収システム2bにガスタービンコジェネレーションシステム80が併設され、排熱回収ボイラー82が水蒸気供給装置75として利用され、炭酸ガス分離器46から送出された炭酸ガスが炭酸ガス利用箇所83で使用される点が第2実施形態と異なる。
従って、第8実施形態に係る炭酸ガス回収システム1hは、第1および第2実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、ガスタービンコジェネレーションシステム80を有機的に融合したシステムであるので、ガスタービンコジェネレーションシステム80から排出される排ガスを有効に利用して炭酸ガスを回収することができる。
Claims (6)
- 排ガスが供給され、前記排ガスに含まれる炭酸ガスを吸収液に吸収させて二酸化炭素含有吸収液を生成する吸収塔と、前記吸収塔から前記二酸化炭素含有吸収液が供給され、前記二酸化炭素含有吸収液を水蒸気で加熱し前記炭酸ガスを放出させて再生吸収液にする再生塔部と、前記再生塔部から送出された前記再生吸収液と前記吸収塔から送出された前記二酸化炭素含有吸収液との間で熱交換させる第1熱交換器と、前記第1熱交換器から送出された前記再生吸収液を予冷する再生吸収液冷却器と、前記再生塔部から前記炭酸ガスとともに供給された水蒸気を凝縮させて前記炭酸ガスを分離する炭酸ガス分離器とを備えた炭酸ガス回収システムであって、
上部から供給された前記二酸化炭素含有吸収液を高温の水蒸気と対向接触させて加熱し、前記炭酸ガスの一部を放出させ前記二酸化炭素含有吸収液を、二酸化炭素の濃度が前記二酸化炭素含有吸収液と前記再生吸収液との中間の濃度である二酸化炭素中間濃度吸収液にして滞留部に滞留させ、前記滞留する二酸化炭素中間濃度吸収液を加熱装置で加熱し含有水を蒸発させて前記高温の水蒸気を生成し、前記高温の水蒸気が前記二酸化炭素含有吸収液を加熱して降温した中温の水蒸気と前記炭酸ガスの一部とが混合した中温の混合ガスを上端部から流出させ、前記二酸化炭素中間濃度吸収液を下端部から流出させる、前記再生塔部を構成する高圧再生塔と、
前記二酸化炭素中間濃度吸収液が上部から供給され、前記中温の混合ガスが下部から供給され、前記二酸化炭素中間濃度吸収液を前記中温の混合ガスで加熱し前記二酸化炭素中間濃度吸収液に残存する前記炭酸ガスの残部を放出させ前記二酸化炭素中間濃度吸収液を再生吸収液にして前記第1熱交換器に送出するともに、前記中温の混合ガスが前記二酸化炭素中間濃度吸収液を加熱して降温した低温の混合ガスおよび前記炭酸ガスの残部を前記炭酸ガス分離器に送出する、前記再生塔部を構成し前記高圧再生塔より内部圧力が低い低圧再生塔と、
前記高圧再生塔から流出し前記低圧再生塔に流入する前記二酸化炭素中間濃度吸収液と前記第1熱交換器から流出し前記高圧再生塔に流入する前記二酸化炭素含有吸収液との間で熱交換させる第2熱交換器と、を備える二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム。 - 冷媒を吸収した吸収液が再生器において駆動用水蒸気で加熱されることによって前記冷媒が蒸発され、蒸発した前記冷媒が凝縮器で凝縮され、凝縮された前記冷媒が低圧の蒸発器で蒸発され、蒸発した前記冷媒が吸収器で前記吸収液に吸収される吸収式ヒートポンプを設け、
前記吸収式ヒートポンプは、前記第1熱交換器で昇温された前記二酸化炭素含有吸収液が供給され、前記吸収器の伝熱管および前記凝縮器の伝熱管を介して前記第2熱交換器に送出し、前記第1熱交換器および前記再生吸収液冷却器で降温された前記再生吸収液が供給され、前記蒸発器の伝熱管を介して前記吸収塔に前記吸収液として送出する請求項1に記載された二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム。 - 前記加熱装置は、前記高圧再生塔の下部に貯留された二酸化炭素含有吸収液中に配置され、高圧水蒸気が供給されて前記二酸化炭素含有吸収液を加熱して凝縮水を流出する放熱装置であり、
前記低圧再生塔から前記再生吸収液が供給され、前記放熱装置から前記凝縮水が供給されて前記再生吸収液を加熱し前記再生吸収液に含まれる含有水の一部を水蒸気にして前記再生塔の下部に戻し、前記含有水の一部が蒸発された前記再生吸収液を前記第1熱交換器に送出するリボイラーを備える
請求項1または請求項2に記載された二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム。 - 水素ガスと炭酸ガスとを水素化反応触媒下で水素化反応させて炭化水素を含む反応ガスを生成して送出する反応管と、前記反応管を冷却して高圧水蒸気を生成する反応管冷却装置を備えた炭化水素製造システム、または発電機を駆動するガスタービンと、前記ガスタービンの排熱から高圧水蒸気を生成する排熱回収ボイラーを備えたガスタービンコジェネレーションシステムが併設され、
前記高圧再生塔の前記加熱装置は、前記高圧再生塔の下部に貯留された二酸化炭素含有吸収液中に配置され、高圧蒸気が流入されて前記二酸化炭素含有吸収液を加熱して凝縮水を流出する放熱装置であり、
前記反応管冷却装置または前記排熱回収ボイラーで生成された前記高圧水蒸気を前記放熱装置に供給する往路と、前記高圧水蒸気が前記放熱装置で凝縮した凝縮水を前記反応管冷却装置または前記排熱回収ボイラーに戻す復路を有する循環回路を備え、
前記炭酸ガス分離器から送出された前記炭酸ガスが炭酸ガス利用装置に供給される
請求項1に記載された二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム。 - 水素ガスと炭酸ガスとを水素化反応触媒下で水素化反応させて炭化水素を含む反応ガスを生成して送出する反応管と、前記反応管を冷却して高圧水蒸気を生成する反応管冷却装置を備えた炭化水素製造システム、または発電機を駆動するガスタービンと、前記ガスタービンの排熱から高圧水蒸気を生成する排熱回収ボイラーを備えたガスタービンコジェネレーションシステムが併設され、
前記高圧再生塔の前記加熱装置は、前記高圧再生塔の下部に貯留された二酸化炭素含有吸収液中に配置され、高圧蒸気が供給されて前記二酸化炭素含有吸収液を加熱して凝縮水を流出する放熱装置であり、
前記反応管冷却装置または前記排熱回収ボイラーで生成された前記高圧水蒸気を前記放熱装置に供給する往路と、前記高圧水蒸気が前記放熱装置で凝縮した凝縮水を前記反応管冷却装置または前記排熱回収ボイラーに戻す復路を有する循環回路を備え、
前記吸収式ヒートポンプは一重効用吸収式ヒートポンプであり、
前記往路から分岐し、前記高圧水蒸気を減圧装置で減圧して前記一重効用吸収式ヒートポンプに前記駆動用水蒸気として流入させる分岐往路と、前記駆動用水蒸気が前記再生室で前記吸収液を加熱して凝縮した凝縮水を前記復路に戻す分岐復路とを有する分岐回路を備え、
前記炭酸ガス分離器から送出された前記炭酸ガスが炭酸ガス利用装置に供給される
請求項2に記載された二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム。 - 前記低圧再生塔から前記再生吸収液が供給され、前記放熱装置から前記凝縮水が供給されて前記再生吸収液を加熱し前記再生吸収液に含まれる含有水の一部を水蒸気にして前記再生塔の下部に戻し、前記含有水の一部が蒸発された前記再生吸収液を前記第1熱交換器に送出するリボイラーを備える
請求項4または請求項5に記載された二重効用化学吸収式炭酸ガス回収システム。
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