JP6920109B2 - 耐震補強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐震補強方法に関する。
近年、原子力発電プラントに要求される耐震性能は益々高くなっている。原子力発電プラントには、原子炉のみならずタンク又は熱交換器のような様々な補機類が設けられる。これら既設の設備について耐震性を確保する必要がある。
特開2015−183436号公報
設備を支持するベースプレートがボルトにより基礎(床)と固定されている場合において、地震動が設備に作用すると、ボルトにせん断力が作用する可能性がある。例えばベースプレートに設けられている孔とその孔に挿入されるボルトとの間に隙間があると、水平方向の地震動が設備に作用した場合、設備及びベースプレートが水平方向に動いてしまう可能性がある。ベースプレートが水平方向に動いた場合、ボルトにせん断力が作用する。ボルトにせん断力が作用すると、例えばボルトの破損のような不測の事態が生じる可能性が高くなる。その結果、設備の耐震性能を十分に確保することが困難となる。
本発明は、設備の耐震性能を向上することを目的とする。
本発明は、設備を支持するベースプレートに設けられている第1孔及び前記ベースプレートの下面と対向する床に設けられている孔にボルトを挿入する第1工程と、前記第1孔の内面と前記ボルトの外面との間に複数のシムを挿入する第2工程と、前記ベースプレートの上面から突出する前記ボルトの周囲に配置されたナットを操作して、前記ナットにより前記ベースプレートを前記床に固定する第3工程と、を含む耐震補強方法を提供する。
本発明によれば、ベースプレートに設けられている第1孔とその第1孔に挿入されるボルトとの間に隙間があっても、第1孔の内面とボルトの外面との間にシムが挿入されることにより、シムによって隙間が埋められる。これにより、水平方向の地震動が設備に作用しても、ボルトとベースプレートとの相対変位が抑制され、設備及びベースプレートが水平方向に動いてしまうことが抑制される。そのため、水平方向の地震力からベースプレートと基礎(床)との静止摩擦力を差し引くことができ、ボルトに作用するせん断力を低減することができる。また、シムを挿入することで全てのボルトとベースプレートとの隙間が無くなるため、全てのボルトに均等にせん断力が作用する。したがって、設備の耐震性能は向上する。
また、本発明によれば、複数のシムが挿入されることにより、低費用且つ短工期で設備の耐震性能を向上することができる。耐震補強のためにボルトの追設又はベースプレートの拡張を実施する場合、大規模な工事が必要となる。また、耐震補強の方策として、第1孔とボルトとの間の隙間の全てをシール部材で埋める方策、及びボルトとベースプレートとを溶接する方策などが考えられる。しかし、隙間をシール部材で埋める方策の場合、工期が長期化する可能性がある。ボルトとベースプレートとを溶接する方策の場合、ボルトの材質又はベースプレートの材質によっては溶接が困難となる可能性がある。本発明によれば、複数のシムを隙間に挿入するだけで設備の耐震補強を簡単に実施することができる。また、異なる寸法の複数のシムを用いることにより、様々な大きさの隙間に対応することができる。
本発明において、前記ボルトは、前記ボルトの中心軸と水平面とが直交するように挿入され、前記シムは、前記ボルトに対して前記ベースプレートが水平方向に動かないように、前記ボルトの周囲に複数配置されてもよい。
これにより、水平方向の地震動が設備に作用しても、設備及びベースプレートが水平方向に動いてしまうことが効果的に抑制される。
本発明において、前記ナットと前記ベースプレートの上面との間にワッシャが配置され、前記ナットと前記ワッシャとが接続され、前記ナットと前記シムとが離れた状態で、前記ベースプレートを床に固定してもよい。
これにより、ベースプレートと床とは強固に固定される。複数のシムとナットとが接触すると、ナットを締め付けても、ベースプレートと床とを十分に固定することができない可能性がある。ナットとワッシャとが接続され、ナットとシムとが離れた状態で、ナットが締め付けられることにより、ベースプレートは床に強固に固定される。
本発明によれば、設備の耐震性能を向上することができる。
図1は、本実施形態に係る原子力発電プラントの一例を模式的に示す図である。 図2は、本実施形態に係る設備の一例を示す側面図である。 図3は、本実施形態に係る設備の支持構造の一例を示す断面図である。 図4は、本実施形態に係る設備の支持構造の一例を示す断面図である。 図5は、本実施形態に係るシムの一例を示す図である。 図6は、本実施形態に係る耐震補強方法の一例を説明するための図である。 図7は、本実施形態に係る耐震補強方法の一例を説明するための図である。 図8は、本実施形態に係る耐震補強方法の一例を説明するための図である。 図9は、本実施形態に係る耐震補強方法の一例を説明するための図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る原子力発電プラント1の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、原子力発電プラント1は、原子炉建屋2と、原子炉建屋2に格納される原子炉格納容器3と、原子炉格納容器3に格納される原子炉5を含む一次冷却系4Aと、一次冷却系4Aと熱交換する二次冷却系4Bとを備える。
一次冷却系4Aは、原子炉5と、冷却水配管を介して原子炉5と接続される蒸気発生器6A及び加圧器6Bとを有する。二次冷却系4Bは、蒸気発生器6Aと接続されたタービン7と、タービン7と接続された復水器8とを有する。タービン7に発電機7Gが接続される。また、二次冷却系4Bに空気冷却器9が接続される。
また、図1には示されていないが、原子力発電プラント1には、種々のタンク、熱交換器、冷却器、及び使用済燃料ピット脱塩塔のような様々な補機類が設けられる。これら補機類は、ベースプレート20を含む支持構造10を介して原子炉建屋2の床70に支持される。以下の説明においては、ベースプレート20を含む支持構造10を介して床70に支持される補機を適宜、設備100、と称する。
図2は、本実施形態に係る設備100の一例を示す側面図である。図3は、本実施形態に係る設備100の支持構造10の一例を示す断面図であって、図2のA部拡大図に相当する。図4は、本実施形態に係る設備100の支持構造10の一例を示す断面図であって、図3のB−B線断面矢視図に相当する。
設備100は、支持構造10を介して原子炉建屋2の床70に支持される。本実施形態において、設備100は、廃液を収容するタンクである。床70は、コンクリート製である。
支持構造10は、設備100を支持するベースプレート20と、ベースプレート20に設けられている第1孔21及びベースプレート20の下面23と対向する床70に設けられている孔に挿入されるボルト30と、第1孔21の内面とボルト30の外面との間に挿入される複数のシム40と、ベースプレート20の上面22から突出するボルト30の周囲に配置されるナット50と、ナット50とベースプレート20との間に配置されるワッシャ60及び座金80とを備える。
ベースプレート20は、上面22と下面23とを有する。第1孔21は、上面22と下面23とを貫通するように形成される。
床70は、ベースプレート20の下面23と対向する上面72を有する。ベースプレート20の下面23と床70の上面72とは接触する。
ボルト30は、第1孔21に配置される。ボルト30は、ボルト30の中心軸AXと水平面とが直交するように、第1孔21に挿入される。ボルト30の下端部は、床70の内部に配置される。ボルト30の上端部は、ベースプレート20の上面22から上方に突出する。ボルト30の外径は、第1孔21の内径よりも小さい。第1孔21の内面とボルト30の外面との間に隙間が設けられる。
シム40は、第1孔21の内面とボルト30の外面との間に配置される。シム40は、ボルト30の周囲に複数配置される。本実施形態において、シム40は、ステンレス鋼製である。
図5は、本実施形態に係るシム40の一例を示す図である。図5(A)は、シム40の正面図であり、図5(B)は、シム40の側面図である。図3、図4、及び図5に示すように、本実施形態において、シム40は、第1孔21の内面とボルト30の外面との間に配置される挿入部41と、挿入部41の上端部と接続され、ベースプレート20の上面22と対向する位置に配置される鍔部42とを有する。
鍔部42は、ベースプレート20の上面22と接触する。挿入部41は、第1孔21の内面とボルト30の外面との間に配置される。
図4に示すように、シム40は、ボルト30の中心軸AXを囲むように複数配置される。4つのシム40により1つのシムグループ40Gが形成される。1つのシムグループ40Gにおいて、シム40は隣のシム40と接触するように配置される。本実施形態において、シムグルーブ40Gは3つ設けられる。3つのシムグループ40Gは、ボルト30の周囲において一定の間隔で配置される。
ナット50は、ベースプレート20の上面22から突出するボルト30の周囲に配置される。ベースプレート20の上面22から突出するボルト30の外面にネジ山が設けられる。ナット50の内面にネジ溝が設けられる。ボルト30のネジ山とナット50のネジ溝とが噛み合うことにより、ボルト30とナット50とが結合される。ボルト30に支持されているナット50が回転して下方に移動することにより、ベースプレート20が床70に押し付けられ、ナット50によりベースプレート20が床70に固定される。
ワッシャ60は、ナット50の下面とベースプレート20の上面22との間に配置される。また、ナット50の下面とワッシャ60との間に座金80が配置される。ワッシャ60は、ボルト30の中心軸AXの放射方向においてシム40の鍔部42よりも外側に配置される。ボルト30に支持されているナット50が回転して下方に移動することにより、ナット50は、座金80及びワッシャ60を介してベースプレート20を床面70に押し付ける。本実施形態において、ナット50は、シム40の鍔部42と接触しない。座金80を介してナット50とワッシャ60とが接続され、ナット50とシム40とが離れた状態で、ナット50によりベースプレート20が床70に固定される。
次に、本実施形態に係る耐震補強方法について説明する。図6、図7、図8、及び図9は、本実施形態に係る耐震補強方法の一例を説明するための図である。
図6は、耐震補強が実施される前の既設の支持構造10Jの一例を示す断面図である。既設の支持構造10Jは、ベースプレート20と、ベースプレート20に設けられている第1孔21及び床70に設けられている孔に挿入されるボルト30と、ベースプレート20の上面22から突出するボルト30の周囲に配置されるナット50と、ナット50とベースプレート20との間に配置される座金80とを備える。既設の支持構造10Jにおいては、第1孔21の内面とボルト30の外面との間にシムが設けられない。また、ナット50とベースプレート20との間にワッシャが設けられない。
本実施形態においては、図6に示す既設の支持構造10Jを、図3等を参照して説明した支持構造10に変更することによって、設備100の耐震性能を向上させる。
ボルト30からナット50及び座金80が外される。ボルト30が第1孔21及び床70の孔に配置されている状態で、第1孔21の内面とボルト30の外面との間の隙間の寸法が計測される。隙間の寸法の計測は、テーパゲージのような計測治具により実施される。例えば、中心軸AXの周囲の4箇所において隙間の寸法が計測される。
隙間の寸法の計側が終了した後、第1孔21からボルト30が外される。第1孔21から外されたボルト30は、メンテナンスされる。
図7に示すように、設備100を支持するベースプレート20に設けられている第1孔21及びベースプレート21の下面23と対向する床70に設けられている孔にメンテナンス後のボルト30を挿入する第1工程が実施される。
第1工程において、ボルト30は、ボルト30の中心軸AXと水平面とが直交するように第1孔21及び床70の孔に挿入される。
第1孔21及び床70の孔にボルト30が挿入された後、図8に示すように、ベースプレート20の第1孔21の内面とボルト30の外面との間に複数のシム40を挿入する第2工程が実施される。シム40は、第1孔21の上方から、第1孔21の内面とボルト30の外面との間に挿入される。鍔部42とベースプレート20の上面22とが接触することにより、シム40の下方への移動が規制される。鍔部42とベースプレート20の上面22とが接触した状態で、挿入部41の下端部は、第1孔21の下端部よりも上方に配置される。
挿入部41は、第1孔21の内面及びボルト30の外面のそれぞれと接触する。上述のように、第1孔21の内面とボルト30の外面との間の隙間の寸法が計測治具により計測される。本実施形態においては、隙間の寸法の計測結果に基づいて、挿入部41が第1孔21の内面及びボルト30の外面のそれぞれと接触するように、挿入部41の寸法(厚さ)が調整される。
なお、挿入部41の寸法がそれぞれ異なる複数のシム40が準備され、隙間の寸法の計測結果に基づいて、挿入部41が第1孔21の内面及びボルト30の外面のそれぞれと接触するように、複数のシム40から最適な寸法の挿入部41を有するシム40が選択されてもよい。
シム40は、ボルト30に対してベースプレート20が水平方向に動かないように、ボルト30の周囲に複数配置される。図4を参照して説明したように、複数のシム40がボルト30の周囲に配置される。これにより、ボルト30の周囲の隙間がシム40で埋められ、ボルト30に対するベースプレート20の水平方向の移動が抑制される。
本実施形態においては、シム40は鍔部42を有する。鍔部42とベースプレート20の上面22とが接触することにより、シム40の下方への移動が規制され、中心軸AXと平行な方向においてシム40が位置決めされる。また、作業者は、鍔部42を保持することにより、シム40を上方に移動することができる。作業者は、鍔部42を保持してシム40を上方に移動することにより、第1孔21の内面とボルト30の外面との間から挿入部41を簡単に外すことができる。
第1孔21の内面とボルト30の外面との間に複数のシム40が挿入された後、図9に示すように、ベースプレート20の上面22にワッシャ60が配置される。ワッシャ60は、鍔部42の周囲に配置される。ワッシャ60は、鍔部42から離れている。また、鍔部42及びワッシャ60のそれぞれが上面22に配置された状態で、ワッシャ60の上面の高さは、鍔部42の上面の高さよりも高い。ワッシャ60の上面の高さとは、中心軸AXと平行な方向におけるワッシャ60の上面の位置をいう。鍔部42の上面の高さとは、中心軸AXと平行な方向における鍔部42の上面の位置をいう。
ワッシャ60が配置された後、ワッシャ60の上に座金80が配置される。座金80が配置された後、ベースプレート20の上面22から突出するボルト30の周囲にナット50が配置される。ベースプレート20の上面22から突出するボルト30の周囲に配置されたナット50を操作して、ナット50によりベースプレート20を床70に固定する第3工程が実施される。作業者は、工具を使って、ボルト30に支持されているナット50が回転するようにナット50を操作する。ナット50が回転して下方に移動すると、ベースプレート20と床70とはナット50により締め付けられる。これにより、ベースプレート20が床70に固定される。
本実施形態においては、ナット50とベースプレート20の上面22との間にワッシャ60が配置される。中心軸AXの放射方向において、ワッシャ60は鍔部42よりも外側に配置され、ワッシャ60と鍔部42とは離れている。また、ワッシャ60の上面の高さは、鍔部42の上面の高さよりも高い。そのため、座金80を介してナット50とワッシャ60とが接続され、ナット50、座金80、及びワッシャ60とシム40の鍔部42とが離れた状態で、ナット50が締め付けられる。ナット50が締め付けられることにより、ベースプレート20が床70に固定される。
以上により、耐震補強が完了し、設備100は、支持構造10を介して床70に支持される。
以上説明したように、本実施形態によれば、ベースプレート20に設けられている第1孔21とその第1孔21に挿入されるボルト30との間に隙間があっても、第1孔21の内面とボルト30の外面との間にシム40が挿入されることにより、シム40によって隙間が埋められる。これにより、水平方向の地震動が設備100に作用しても、ボルト30とベースプレート20との相対変位が抑制され、設備100及びベースプレート20が水平方向に動いてしまうことが抑制される。そのため、水平方向の地震力からベースプレート20と床70との静止摩擦力を差し引くことができ、ボルト30に作用するせん断力を低減することができる。また、シム40を挿入することで全てのボルト30とベースプレート20との隙間が無くなるため、全てのボルト30に均等にせん断力が作用する。したがって、設備100の耐震性能は向上する。
シム40が設けられない場合において、水平方向の地震動が設備100に作用したとき、床70の上面72においてベースプレート20が滑るように移動する可能性がある。すなわち、水平方向の地震力が床70とベースプレート20との間の静摩擦力よりも大きい場合、ベースプレート20は、第1孔21の内面とボルト30の外面との間の隙間の分だけ滑る可能性がある。ベースプレート20の滑りが発生した場合、ボルト30にベースプレート20が当たってしまい、水平方向の地震力と滑りによる動摩擦力とに基づいて決定されるせん断荷重又は衝撃荷重がボルト30に作用してしまう。
本実施形態によれば、第1孔21の内面とボルト30の外面との間の隙間にシム40が配置されるため、水平方向の地震力が床70とベースプレート20との静摩擦力よりも大きくても、ベースプレート20の滑りが抑制される。これにより、ボルト30にせん断荷重又は衝撃荷重が作用することが抑制される。したがって、例えばボルト30の破損のような不測の事態の発生が抑制される。
また、本実施形態によれば、第1孔21の内面とボルト30の外面との間に複数のシム40が挿入されることにより、低費用且つ短工期で設備100の耐震性能を向上することができる。耐震補強のためにボルトの追設又はベースプレートの拡張を実施する場合、大規模な工事が必要となる。また、耐震補強の方策として、第1孔21とボルト30との間の隙間の全てをシール部材で埋める方策、及びボルト30とベースプレート20とを溶接する方策などが考えられる。しかし、隙間をシール部材で埋める方策の場合、工期が長期化する可能性がある。ボルト30とベースプレート20とを溶接する方策の場合、ボルト30の材質又はベースプレート20の材質によっては溶接が困難となる可能性がある。本実施形態によれば、既設のボルト30の材質又は既設のベースプレート20の材質を考慮することなく、複数のシム40を隙間に挿入するだけで設備100の耐震補強を簡単に実施することができる。また、異なる寸法の複数のシム40を用いることにより、様々な大きさの隙間に対応することができる。
また、本実施形態によれば、ボルト30は、ボルト30の中心軸AXと水平面とが直交するように第1孔21に挿入され、シム40は、ボルト30に対してベースプレート20が水平方向に動かないように、ボルト20の周囲に複数配置される。これにより、水平方向の地震動が設備100に作用しても、設備100及びベースプレート20が水平方向に動いてしまうことが効果的に抑制される。
また、本実施形態によれば、ナット50とベースプレート20の上面22との間にワッシャ60が配置され、座金80を介してナット50がワッシャ60と接続され、ナット50及び座金80とシム40とが離れた状態で、ナット50の締め付けによりベースプレート20が床70に固定される。これにより、ベースプレート20と床70とは強固に固定される。座金80を介してナット50が複数のシム40と接続されると、ナット50を締め付けても、ベースプレート20と床70とを十分に固定することができない可能性がある。座金80を介してナット50とワッシャ60とが接続され、ナット50及び座金80とシム40とが離れた状態で、ナット50が締め付けられることにより、ベースプレート20は床70に強固に固定される。
なお、上述の実施形態において、座金80が省略されてもよい。また、ナット50と座金80が一体化されてもよい。すなわち、座金80がナット50の一部とみなされてもよい。
1…原子力発電プラント、2…原子炉建屋、3…原子炉格納容器、4A…一次冷却系、4B…二次冷却系、5…原子炉、6A…蒸気発生器、6B…加圧器、7…タービン、7G…発電機、8…復水器、9…空気冷却器、10…支持構造、10J…支持構造、20…ベースプレート、21…第1孔、22…上面、23…下面、30…ボルト、40…シム、40G…シムグループ、41…挿入部、42…鍔部、50…ナット、60…ワッシャ、70…床、72…上面、80…座金、100…設備。

Claims (3)

  1. 設備を支持するベースプレートに設けられている第1孔及び前記ベースプレートの下面と対向する床に設けられている孔にボルトを挿入する第1工程と、
    前記第1孔の内面と前記ボルトの外面との間に複数のシムを挿入する第2工程と、
    前記ベースプレートの上面から突出する前記ボルトの周囲に配置されたナットを操作して、前記ナットにより前記ベースプレートを前記床に固定する第3工程と、
    を含み、
    前記ナットと前記ベースプレートの上面との間にワッシャが配置され、
    前記ナットと前記ワッシャとが接続され、前記ナットと前記シムとが離れた状態で、前記ベースプレートを床に固定する、
    耐震補強方法。
  2. 前記ボルトは、前記ボルトの中心軸と水平面とが直交するように挿入され、
    前記シムは、前記ボルトに対して前記ベースプレートが水平方向に動かないように、前記ボルトの周囲に複数配置される、
    請求項1に記載の耐震補強方法。
  3. 前記第2工程は、前記孔の内面と前記ボルトの外面との間に前記シムの挿入部を挿入し、前記挿入部の上端部と接続された前記シムの鍔部を前記ベースプレートの上面に接触させ、
    前記ワッシャは、前記シムの前記鍔部の周囲に配置され、
    前記ワッシャの上面の高さは、前記鍔部の上面の高さよりも高い、
    請求項1又は請求項2に記載の耐震補強方法。
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