JP6919226B2 - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びレジストパターンの形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、並びに、これを用いた感光性エレメント、及びレジストパターン形成方法に関する。
プリント配線板の製造分野において、回路形成のエッチングやめっきなどに用いられるレジスト材料や、最外層の配線保護のソルダーレジストとして、感光性樹脂組成物や、この感光性樹脂組成物を含有する層(以下、「感光層」という)を支持フィルム上に形成し、感光層上に保護フィルムを配置させた構造を有する感光性エレメント(感光性フィルム)が広く用いられている。
プリント配線板は、例えば、上記感光性フィルムを用いて、以下の手順で製造されている。すなわち、まず、感光性フィルムの感光層を銅張り積層板などの回路形成用基板上に保護フィルムを剥がした後、ラミネートする。次に、マスクフィルムなどを通して感光層をパターン露光する。このとき、露光前又は露光後のいずれかのタイミングで支持フィルムを剥離する。その後、感光層の未露光部を現像液で溶解又は分散除去し感光性樹脂のパターンを形成する。
次に、回路形成用途の場合には、エッチング処理又はめっき処理を施して回路パターンを形成させ、最終的に硬化した感光性樹脂部分を剥離除去する。
ここで、エッチング処理とは、現像後に形成した硬化レジストによって被覆されていない回路形成用基板の金属面をエッチング除去した後、硬化レジストを剥離する方法である。めっき処理とは現像後に形成した硬化レジストによって被覆されていない回路形成用基板の金属面に銅及び半田などのめっき処理を行った後、硬化レジストを除去し、このレジストによって被覆されていた金属面をエッチングする方法である(セミアディティブ工程[Semi Aditive Process:SAP工法])。
一方、ソルダーレジストとして用いる場合には、感光性樹脂のパターン形成後、ポストUV照射、熱キュア等を行い、感光層を更に硬化させて、永久絶縁層のレジストとして使用する。
近年、電子機器のさらなる高密度化のため、従来のプリント配線板の製造技術を半導体実装に使う試みが行われている。例えば、半導体チップ上に微細な再配線をチップの外形より外側に拡張して形成する構造のパッケージ、FOWLP(Fan-Out Wafer Level Package)である。FOWLPは、従来のパッケージと比較して大幅な小型・薄型化が実現できる。これらの配線形成の製造プロセスや、再配線層の形成に、上記の感光性樹脂の適用が進められている。
しかしながら、半導体周りの配線パターンは、従来のプリント配線板用途に比べ微細であり、例えば、L/S(ライン幅/スペース幅)として、5/5(単位:μm)以下のレジストパターンが必要とされる。また、開口パターンとしても、Φ40μm以下が要求されている。
これまで、微細化については、種々の感光性樹脂組成物が検討されている。例えば、特許文献1には、特定の共重合成分を重合したバインダーポリマーを用いることで、感度、解像性に優れた感光性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、特定の光重合開始剤を組み合わせて用いることで、微細でかつ矩形の開口パターンが得られる感光性樹脂組成物が開示されている。
特開2014−134815号公報 特開2013−125138号公報
上記公報に記載の感光性樹脂組成物を用いた場合、解像性については、従来よりファインなレジストパターンを形成することができるが、半導体周りで用いるには、チップの外側に存在する熱硬化樹脂である封止材との密着性に優れることも必要とされる。また、FOWLPのようなパッケージでは、半導体チップがある状態で、レジストパターンを形成するため、帯電や、静電気が問題となる。静電気放電によって一時的に高い電圧の電気が流れると半導体チップの破壊に繋がる。
このため、感光性樹脂組成物には、半導体周りで使用する場合、特に封止材との密着性に優れることが要求されている。さらに、帯電や静電気に対する対策も必要とされている。
本開示は、解像度、封止材との密着性、に優れる感光性樹脂組成物、並びに、帯電、静電気対策に優れる感光性エレメント及びレジストパターンの形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、感光性樹脂組成物に用いるバインダーポリマーの組成について、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明により上記課題が解決しうることを見出した。
[1] (A)成分:バインダーポリマーと、(B)成分:光重合性化合物と、(C)成分:光重合開始剤を含有する、感光性樹脂組成物であって、
バインダーポリマーが分子内にフッ素原子を含まないイオン液体由来の構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
[2] (A)成分:バインダーポリマーと、(B)成分:光重合性化合物と、(C)成分:光重合開始剤と、(D)成分:分子内にフッ素原子を含まないイオン液体を含有する、感光性樹脂組成物。
[3] イオン液体が、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するイオン液体である、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] イオン液体が、下記一般式(I)に示される構造のカチオンを有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
Figure 0006919226

[Rは、水素原子、炭素原子及び酸素原子を含む有機基を示す。Rは、ヒドロキシル基、又は、(メタ)アクリロイル基を含む有機基を示す。]
[5] 光重合開始剤として、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体、アクリジン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物及びオキシムエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6] バインダーポリマーが、分子内に少なくとも一つの不飽和二重結合を有する感光性ポリマーである、[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7] (E)成分:熱硬化剤を更に含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[8] 支持体と、該支持体上に形成された[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を含む感光層と、を備える感光性エレメント。
[9] [1]〜[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を含む感光層、又は[8]に記載の感光性エレメントの感光層を基板上に積層する感光層形成工程と、感光層の所定部分に活性光線を照射して光硬化部を形成する露光工程と、感光層の所定部分以外の領域を基板上から除去する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法。
本開示によれば、光感度、解像度に優れ、かつ帯電、静電特性、封止材との密着性に優れる感光性樹脂組成物、並びに、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、本明細書において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を示し、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
<感光性樹脂組成物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分:バインダーポリマーと、(B)成分:光重合性化合物と、(C)成分:光重合開始剤を含有する。本実施形態の感光性樹脂組成物においては、バインダーポリマーが分子内にフッ素原子を含まないイオン液体由来の構造単位を含むか、あるいは感光性樹脂組成物が(D)成分:分子内にフッ素原子を含まないイオン液体を更に含有する。また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、(E)成分:熱硬化剤を更に含有してもよい。
(分子内にフッ素元素を含まないイオン液体)
本実施形態のイオン液体は、分子内にフッ素元素を含まないものであれば特に限定されないが、カチオン成分としては、例えば、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオンが例に挙げられる。
また、イオン液体は、分子内に(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。この(メタ)アクリロイル基は、カチオン成分の構造中にあることが好ましい。
また、本実施形態の(D)成分のイオン液体は、下記一般式(I)に示される構造のカチオン成分を有することが好ましい。
Figure 0006919226

[Rは、水素原子、炭素原子及び酸素原子を含む有機基を示す。Rは、ヒドロキシル基、又は、(メタ)アクリロイル基を含む有機基を示す。]
また、アニオン成分としては、SO 基を有するアニオンが上記カチオンとの組み合わせでイオン液体の特性として望ましい。Rにおいて、水素原子、炭素原子及び酸素原子を含む有機基としては、例えば、オキシエチレン、オキシプロピレン、アルキルエーテル、グリコール変性鎖等を含む基が挙げられる。Rにおいて、ヒドロキシル基、又は、(メタ)アクリロイル基は、例えばアルキレン基を介して、式(1)中の−CH基に結合する。
具体的には、ヒドロキシル基含有のカチオン成分からなるAS−100、AS−300、AS−400(日本乳化剤株式会社製、サンプル名)が挙げられる。また、(D)成分の分子内に(メタ)アクリロイル基を有するイオン液体としては、例えば、JI-62C01、JI-62G01、JI-63F01(日本乳化剤株式会社製、サンプル名)がある。
イオン液体は、バインダーポリマー中に、共重合されて取り込まれていてもよい。その場合、イオン液体は、ポリマー状態で組成物中に存在する。そのため、感光性樹脂組成物を硬化後の各種耐性について、イオン液体起因のブリード等の問題に対し、有効に働く。共重合をする場合には、(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性イオン液体を用いることができる。反応性イオン液体の共重合の方法は一般的なラジカル重合で行うことができる。例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、沈殿重合等、の手法がある。
本実施形態の感光性樹脂組成物における(D)成分のイオン液体の含有率は、感光性樹脂組成物中の0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることが更に好ましい。イオン液体がバインダーポリマー中に取り込まれている場合には、バインダーポリマー中のイオン液体由来の構造単位の含有率が同様の範囲であると好ましい。
イオン液体の含有率が30質量%以下であると、解像性、密着性が向上し、感光性樹脂本来の特性が良好に発揮される傾向がある。また、含有率が0.1質量%以上であると、表面の親水性や帯電、静電特性の効果がより良好に得られる傾向がある。
((A)成分:バインダーポリマー)
本実施形態の(A)成分:バインダーポリマーは、アルカリ現像性を有していれば、特に制限はないが、望ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルに基づく構造単位と、スチレン又はスチレン誘導体に由来する構造単位を含む。
特に、分子内にベンゼン環を有する構造単位が含まれていることが好ましく、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン又はスチレン誘導体に由来する構造単位を含有することが好ましい。
バインダーポリマー中の酸価は、現像性と剥離特性の両立の観点から、50〜250mgKOH/gであると好ましく、70〜200mgKOH/gであるとより好ましい。
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、及び/又はスチレン誘導体の構成成分の例としては、具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル誘導体、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸フルフリルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アダマンチルエステル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。剥離特性をより向上させる観点から、上記アルキル基は、炭素原子数1〜4のものであることが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステルが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
バインダーポリマーの平均重量分子量(Mw)は、10000から100000であり、好ましくは20000から100000望ましくは、より好ましくは20000から80000、更に好ましくは、25000から60000である。分子量が100000以下であると解像度、及び現像性がより向上する傾向にあり、また、分子量が10000以上であると、塗膜性がより向上する傾向にある。
(A)成分のバインダーポリマーは、構造単位として、更に炭素数1〜30のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを有していてもよい。アルキル鎖を導入することによって、可とう性や剥離性とのトレードオフを解消することができる。炭素数の数は、1〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。
なお、バインダーポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定(標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)される。
本実施形態の感光性樹脂組成物においてバインダーポリマーは、1種類のバインダーポリマーを単独で使用してもよく、2種類以上のバインダーポリマーを任意に組み合わせて使用してもよい。
2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上の(異なるモノマー単位を共重合成分として含む)バインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。また、特開平11−327137号公報に記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
本実施形態の感光性樹脂組成物における(A)バインダーポリマーの含有率は、感光性樹脂組成物中の20〜90質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、40〜65質量%であることが更に好ましい。
バインダーポリマーの含有率が20質量%以上であると、フィルムの成形性に優れる傾向がある。また90質量%以下であると、感度及び解像度に優れる傾向がある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマーが、分子内に少なくとも一つの不飽和二重結合を有する感光性ポリマーであってもよい。そのようなポリマーとしては、例えば、酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂がある。公知の方法で、エポキシ樹脂をビニル基含有モノカルボン酸で変性した樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスA型エポキシ樹脂、ビスF型エポキシ樹脂、ビスF型ノボラックエポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂が挙げられる。
((B)成分:光重合性化合物)
続いて、(B)光重合性化合物、について説明する。
本実施形態の光重合性化合物は、エチレン性不飽和結合の少なくとも1つを有し、光重合可能な化合物であれば特に制限はないが、アルカリ現像性、解像度及び硬化後の剥離特性を向上させる観点から、ビスフェノールA型(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物として具体的には、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。中でも解像性及び剥離特性を更に向上させる観点から、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンが好ましい。
これらのうち、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパンは、BPE−200(新中村化学工業株式会社(株)製、製品名)として、商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社(株)製、製品名)又はFA−321M(日立化成株式会社工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。
これらのビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
光重合性化合物の中のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物の含有率は、(B)光重合性化合物の総質量中に30〜100質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましい。含有率がかかる範囲であることでレジストの解像度がより向上する。
感光性樹脂組成物中における光重合性化合物の含有率は、3〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましく、25〜55質量%であることが更に好ましい。
光重合性化合物の含有率が3質量%以上であると、感度及び解像度が優れる傾向がある。また70質量%以下であると、フィルムの成形性に優れる傾向がある。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物以外の(B)光重合性化合物としては、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の少なくとも一方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの少なくとも1種を更に含むこと、また、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを更に含むことが、硬化物(硬化膜)の可とう性が向上するのに好ましい。
また、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸ポリオールエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。中でも、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート及びフタル酸系化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
但し、これらの化合物の屈折率は比較的低いため、含有量は少ないほうが好ましい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、FA−023M(日立化成株式会社製、商品名)やFA−024M(日立化成株式会社製、商品名)、NKエステルHEMA−9P(新中村化学工業株式会社製、サンプル名)等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシトリエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシアクリレートが挙げられる。
また、フタル酸系化合物としては、例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、及びβ−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートが挙げられ、中でも、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートが好ましい。γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートはFA−MECH(日立化成株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。
(メタ)アクリル酸ポリオールエステルとしては、例えば、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリブトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリブトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリブトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリルポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリルポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリルポリブトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリルポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
((C)成分:光重合開始剤)
次に本実施形態の(C)光重合開始剤について説明する。
(C)成分である光重合開始剤としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体、アクリジニル基を1つ以上有するアクリジン化合物が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール誘導体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルビイミダゾール、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルビイミダゾール、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルビイミダゾール、2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルビイミダゾール、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−ビイミダゾール等が挙げられる。中でも、感度と解像度の観点から2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
アクリジン化合物としては、例えば、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(p−クロロフェニル)アクリジン、9−(m−クロロフェニル)アクリジン、9−アミノアクリジン、9−ジメチルアミノアクリジン、9−ジエチルアミノアクリジン、9−ペンチルアミノアクリジン、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン、1,14−ビス(9−アクリジニル)テトラデカン、1,16−ビス(9−アクリジニル)ヘキサデカン、1,18−ビス(9−アクリジニル)オクタデカン、1,20−ビス(9−アクリジニル)エイコサン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−オキサプロパン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−チアプロパン、1,5−ビス(9−アクリジニル)−3−チアペンタン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
その他の光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物等が挙げられる。これらは、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体、又は、アクリジン化合物と混合して用いることができる。
光重合開始剤の含有率は、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましく、2〜4.5質量%であることが更に好ましい。
この含有率が上記範囲内であると、光感度及び解像度の両方をより高度に両立させることができる。
(E)成分:熱硬化剤としては、例えば、エポキシ化合物、メラミン化合物、尿素化合物、オキサゾリン化合物、ブロック型イソシアネート等の熱硬化性化合物が挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂あるいは、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。メラミン化合物としては、例えば、トリアミノトリアジン、ヘキサメトキシメラミン、ヘキサブトキシ化メラミン等が挙げられる。尿素化合物としては、例えば、ジメチロール尿素等が挙げられる。
感光性樹脂組成物は、増感剤を更に含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の硬化感度が更に良好となる。
増感剤としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン類、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類、トリアリールアミン類が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
特に、390〜420nmの活性光線を用いて感光層の露光を行う場合には、感度及び密着性の観点から、増感剤は、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類及びトリアリールアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、中でもピラゾリン類、アントラセン類及びトリアリールアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
増感剤の含有量は、0.01〜10質量%とすることが好ましく、0.05〜5質量%とすることがより好ましく、0.1〜3質量%とすることが更に更に好ましい。
増感剤の含有量が、0.01質量%以上であることで感度及び解像度がより向上する。また10質量%以下であることで、レジスト形状が逆台形になることを抑制し、密着性が向上する。
感光性樹脂組成物は、アミン系化合物を更に含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の感度が更に良好となる。
アミン系化合物としては、例えば、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、ロイコクリスタルバイオレットが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物がアミン系化合物成分を含む場合、その含有量は、0.01〜10質量%とすることが好ましく、0.05〜5質量%とすることがより好ましく、0.1〜2質量%とすることが更に好ましい。
アミン系化合物の含有量が、0.01質量%以上であることで、感度がより向上する。また10質量%以下であることで、フィルム形成後、過剰なアミン系化合物成分が異物として析出することが抑制される。
感光性樹脂組成物は、上記成分に加えて必要に応じて、その他の成分を含むことができる。その他の成分としては例えば、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤を挙げることができる。
これらは、1種単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、これらその他の成分の含有量は、それぞれ0.01〜20質量%程度とすることが好ましい。
感光性樹脂組成物は、有機溶剤の少なくとも1種を含むことができる。有機溶剤としては通常用いられる有機溶剤を特に制限はなく用いることができる。具体的には例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
例えば、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤等の感光性樹脂組成物の成分を有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液(以下、「塗布液」という)として用いることができる。
なお、固形分とは、溶液(感光性樹脂組成物)から揮発性成分を除いた残りの成分を意味する。
(感光性エレメント)
<支持フィルム、及び保護フィルム>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、支持体と、該支持体上に形成された感光性樹脂組成物を含む感光層と、を備える感光性エレメントとしても用いることができる。
本実施形態の感光性エレメントを用いる際には、一般に、感光層を基板上にラミネートした後、支持体(支持フィルム)を剥離することなく露光を行う。
支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができるが、汎用性の点でポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが望ましい。
本実施形態において、支持フィルム中に含まれる直径5μm以上の粒子等は、5個/mm以下に調整し、ヘーズを0.01〜1.0%とすると同時に、微粒子を含有する樹脂層を備えた多層支持フィルムであることが特に好適である。これにより、支持フィルム表面の滑り性が良くなると共に、露光時の光散乱の抑制をバランスよく、より高いレベルで成し遂げることができる。微粒子の平均粒子径は、5μm以下であり、1μm以下が好ましく、特に、0.1μm以下が好ましく、下限は、特に制限はないが、0.001μm以上が好ましい。
このような支持フィルムとして使用可能な市販の一般工業用フィルムとしては、例えば、最外層が微粒子を含有する3層構造の二軸配向PETフィルムである、「QS−48」(東レ株式会社製、商品名)、「HTF−01」(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名)、微粒子を含有する層を一方の面に有する2層構造の二軸配向PETフィルム「A−1517」(東洋紡株式会社製、商品名)等が挙げられる。
支持フィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましい。支持フィルムの厚みが1μm以上であることで、支持フィルムを剥離する際に支持フィルムが破れづらい。また100μm以下であることで解像度の低下を抑制することができる。
感光性エレメントは、必要に応じて保護フィルムを更に備えてもよい。保護フィルムとしては、感光層と支持フィルムとの間の接着力よりも、感光層と保護フィルムとの間の接着力が小さくなるようなフィルムを用いることが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムを用いることが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不活性なポリオレフィンフィルムが挙げられる。感光層からの剥離性の見地から、ポリエチレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、用途により異なるが1〜100μm程度であることが好ましい。
<感光性エレメント製造方法>
感光性エレメントは、例えば以下のようにして製造することができる。(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤等の感光性樹脂組成物の成分を有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の塗布液を調製することと、塗布液を支持フィルム上に塗布して塗布層を形成することと、塗布層を乾燥して感光層を形成することと、を含む製造方法で製造することができる。
塗布液の支持体上への塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータの公知の方法により行うことができる。
また、塗布層の乾燥は、塗布層から有機溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はない。例えば、70〜150℃にて、5〜30分間程度行うことが好ましい。乾燥後、感光層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下とすることが好ましい。
感光性エレメントにおける感光性樹脂層(感光層)の厚みは、用途により適宜選択することができるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、5〜40μmであることが更に好ましい。
感光層の厚みが1μm以上であることで、工業的な塗工が容易になり、生産性が向上する。また100μm以下であることで、密着性及び解像度が向上する。
感光層の紫外線に対する透過率は、波長365nmの紫外線に対して5〜75%であることが好ましく、10〜65%であることがより好ましく、15〜55%であることが更に好ましい。
この透過率が5%以上であることで、密着性がより向上する。また透過率が75%以下であることで、解像度がより向上する。なお、上記透過率は、UV分光計により測定することができる。UV分光計としては、株式会社日立製作所製228A型Wビーム分光光度計が挙げられる。
感光性エレメントの形態は特に制限されない。例えば、シート状であってもよく、又は巻芯にロール状に巻き取った状態であってもよい。
ロール状に巻き取る場合、支持フィルムが外側になるように巻き取ることが好ましい。巻芯としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。このようにして得られたロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
感光性エレメントは、例えば、後述するレジストパターン製造方法に好適に用いることができる。中でも、めっき処理によって回路を形成する製造方法への応用に適している。
<レジストパターン製造方法>
本実施形態のレジストパターン製造方法は、(i)基板上に感光性樹脂組成物の塗膜である感光層を形成する感光層形成工程と、(ii)感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化させる露光工程と、(iii)感光層の未硬化部分を基板上から除去して、感光層に由来する硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を備え、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
(i)感光層形成工程
感光層形成工程においては、基板上に感光性樹脂組成物の塗膜である感光層が形成される。基板としては特に制限されないが、通常、絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板、又は合金基材等のダイパッド(リードフレーム用基材)が用いられる。
基板上に感光層を形成する方法としては、例えば、感光性エレメントから保護フィルムを除去した後、感光性エレメントの感光層を加熱しながら上記基板に圧着することにより行うことができる。これにより、基板と感光層と支持体とからなり、これらが順に積層された積層体が得られる。
この感光層形成工程は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。圧着の際の感光層又は基板の加熱は、70〜130℃の温度で行うことが好ましい。また圧着は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で行うことが好ましいが、これらの条件は必要に応じて適宜選択される。なお、感光層を70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、密着性及び追従性を更に向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
(ii)露光工程
露光工程においては、基板上に形成された感光層の少なくとも一部に活性光線を照射することで、活性光線が照射された部分が光硬化して、潜像が形成される。
露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法やDLP(Digital Light Processing)露光法などの直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光を有効に放射するものが用いられる。
(iii)現像工程
現像工程においては、感光層の未硬化部分が基板上から除去されることで、感光層が光硬化した硬化物からなるレジストパターンが基板上に形成される。
感光層上に支持フィルムが存在している場合には、支持フィルムを除去してから、上記露光部分以外の未露光部分の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
ウェット現像による場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッビング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられ、解像度向上の観点からは、高圧スプレー方式が最も適している。これら2種以上の方法を組み合わせて現像を行ってもよい。
現像液の構成は感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液及び有機溶剤系現像液が挙げられる。
アルカリ性水溶液は、現像液として用いられる場合、安全且つ安定であり、操作性が良好である。アルカリ性水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
アルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。
アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
水系現像液は、例えば、水又はアルカリ性水溶液と1種以上の有機溶剤とからなる現像液である。ここで、アルカリ性水溶液の塩基としては、先に述べた物質以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2及びモルホリン等が挙げられる。
水系現像液のpHは、現像が充分に行われる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
水系現像液に用いる有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素原子数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。水系現像液における有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、アルカリ現像性に合わせて調整することができる。水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
有機溶剤系現像液としては、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン及びγ−ブチロラクトン等の有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤には、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
本実施形態においては、現像工程において未露光部分を除去した後、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、レジストパターンを更に硬化してもよい。
<プリント配線板の製造方法>
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、上記のレジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきして導体パターンを形成するものである。
回路形成用基板のエッチング及びめっきは、形成されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の導体層などに対して行われる。エッチングを行う場合のエッチング液としては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
また、めっきを行う場合のめっき方法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどの銅めっき、ハイスローはんだめっきなどのはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルなどのニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっきなどの金めっきなどが挙げられる。
エッチング又はめっきの終了後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液より更に強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液などが用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式などが挙げられ、浸漬方式、スプレー方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。以上によりプリント配線板が得られる。
本実施形態のプリント配線板の製造方法によって製造されるプリント配線板は、多層プリント配線板であってもよく、また小径スルーホールを有していてもよい。
以下、本開示を実施例により具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<合成例>
(バインダーポリマー(A−1)の合成)
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸135g、スチレン225g、メタクリル酸ベンジル115g、及び反応性イオン液体JI-62C01(不揮発分50%)25g、(質量比27/45/23/5)と、アゾビスイソブチロニトリル3.5gとを混合して、溶液aを調製した。また、メチルセロソルブ45g及びトルエン30gの混合液(質量比3:2)にアゾビスイソブチロニトリル2.0gを混合して、溶液bを調製した。溶液bの調製と同様の方法で溶液cを調製した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ300g及びトルエン200gの混合液(質量比3:2)500gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、80℃まで加熱昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液aを4時間かけて滴下した後、撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、上記溶液bを10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて2時間保温した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、上記溶液cを10分間かけて滴下した後、90℃にて2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー(A−1)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−1)の不揮発分(固形分)は43.8質量%であり、重量平均分子量は48,000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ:日立L−6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:以下の計3本
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製)
(バインダーポリマー(A−2)の合成)
重合性単量体(モノマー)をメタクリル酸135g、スチレン225g、メタクリル酸ベンジル90g、及び反応性イオン液体JI-62C01(不揮発分50%)50g、(質量比27/45/18/10)に変更した他は、バインダーポリマー(A−1)と同様の条件でバインダーポリマー(A−2)の溶液を得た。
(バインダーポリマー(A−3)の合成)
重合性単量体(モノマー)をメタクリル酸135g、メタクリル酸メチル25g、スチレン225g、及びメタクリル酸ベンジル115g、(質量比27/5/45/23)に変更した他は、バインダーポリマー(A−1)と同様の条件でバインダーポリマー(A−3)の溶液を得た。
(バインダーポリマー(A−4)の合成)
重合性単量体(モノマー)をメタクリル酸125g、メタクリル酸メチル190g、及びスチレン185g(質量比25/38/37)に変更した他は、バインダーポリマー(A−1)と同様の条件でバインダーポリマー(A−4)の溶液を得た。
<実施例1〜4、及び比較例1〜2>
[感光性樹脂組成物の調製]
(A)バインダーポリマーとして上記で得られたA−1〜A−4を、(B)光重合性化合物として以下に示すB−1を、(C)光重合開始剤として以下に示すC−1を、(D)分子内にフッ素原子を含まないイオン液体として以下に示すD−1又はD−2を、その他の成分として以下に示す成分を、それぞれ用い、表1に示したす配合量(配合部数)で混合することにより、実施例1〜4、及び比較例1〜2の感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、表1に示す(A)バインダーポリマーの配合量(配合部数)は、不揮発分の質量(固形分量)である。
(B)光重合性化合物
B−1:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン
(10molEO変性品)
[FA−321M(日立化成株式会社製、製品名)]
(C)光重合開始剤
C−1:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル
ビスイミダゾール[B−CIM(Hampford社製、製品名)]
(D)分子内にフッ素原子を含まないイオン液体
D−1:非フッ素系反応性イオン液体JI-62C01(日本乳化剤株式会社製、サンプル名)
D−2:非フッ素系イオン液体AS-300(日本乳化剤株式会社製、サンプル名)
(その他)
増感剤:9,10ジブトキシアントラセン[DBA(川崎化成工業株式会社製、製品名)]
アミン化合物:ロイコクリスタルバイオレット [LCV(山田化学工業株式会社製、製品名)]
染料:マラカイトグリーン [MKG(大阪有機化学工業株式会社製、製品名)]
重合禁止剤:tert-ブチルカテコール [TBC(和光純薬工業株式会社製、製品名)]
添加剤:N−フェニルグリシン [NPG(東京化成工業株式会社製、製品名)]
添加剤:トリブロモメチルフェニルスルホン [TPS(常州強力電子新材料株式会社製、製品名)]
添加剤:p−トルエンスルホンアミド [PTSA(和光純薬工業株式会社製、製品名)]
添加剤:ベンゾトリアゾール誘導体 [SF−808H(サンワ化成工業株式会社製、製品名)]
Figure 0006919226
<感光性エレメントの作製>
上記で得られた感光性樹脂組成物を、下記に示す支持フィルム上に均一に塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で乾燥して、乾燥後の膜厚が25μmである感光層を形成した。
支持フィルムは、FB−40:ポリエチレンテレフタレート、厚み16μm、(東レ株式会社製、製品名)を用いた。この感光層上に保護フィルム(タマポリ株式会社製、製品名「NF−15」)を貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)と、感光層と、保護フィルムとが順に積層された感光性エレメントをそれぞれ得た。
<積層体の作製>
銅箔(厚さ:35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(基板、日立化成株式会社製、商品名「MCL−E−679」)を、表面粗化処理液「メックエッチボンドCZ−8100」(メック株式会社製、商品名)を用いて表面処理し、水洗、酸洗及び水洗後、空気流で乾燥した。表面処理された銅張積層板を80℃に加温し、保護フィルムを剥離しながら、感光層が銅表面に接するように、上記で得られた感光性エレメントをそれぞれラミネートした。こうして、銅張積層板、感光層、支持フィルムの順に積層された積層体を実施例毎にそれぞれ得た。
なお、ラミネートは、110℃のヒートロールを用いて、0.4MPaの圧着圧力、1.0m/分のロール速度で行った。
<評価>
上記で得られた積層体を試験片として用い、以下の試験を行った。その結果を表2に示す。
(光感度測定試験)
上記で得られた試験片の支持フィルム上に、ネガマスクとして濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを載置し、405nmのレーザを光源としたDLP露光機(ビアメカニクス株式会社(株)製、製品名「DE−1UH」)を用いて、所定のエネルギー量で感光層を露光した。
現像処理後、基板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。現像後の残存ステップ段数が14.0段となるエネルギー量(mJ/cm)を求め、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。評価は、感度が30mJ/cm未満のものを「1」、30J/cm以上100mJ/cm以下のものを「2」、100mJ/cmを超えるものを「3」とした。なお、光感度は、低いほど良い結果を示す。
(解像性、及び密着性の測定試験)
解像度評価用パターンとして、ライン幅/スペース幅がn/n(n=10〜120(単位:μm))の配線パターンを有する描画データを405nmのレーザを光源としたDLP露光機(ビアメカニクス株式会社(株)製、製品名「DE−1UH」)を用いて、上記で得られた試験片を支持フィルム側から露光した。露光は、日立41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が14.0となる露光量で露光を行った。露光後、上記光感度測定試験と同様の現像処理を行った。
現処理像後、スペース部分(未露光部分)がきれいに除去され、且つライン部分(露光部分)が蛇行や欠けを生じることなく形成されたレジストパターンのうち、最も小さいライン幅/スペース幅の値により、解像性を評価した。この数値が小さいほど解像性が良好であることを意味する。
密着性は、ライン幅:スペース幅の比が1:3のパターンを用いて、解像性評価と同様の手法でパターンを形成し、最も小さいライン幅でパターンが残った箇所のライン幅により評価した。この数値が小さいほど密着性が良好であることを意味する。
Figure 0006919226
表2から明らかなように、実施例1〜4の感光性樹脂組成物から調製した感光性エレメントは、解像性、密着性が良好でかつ、静電特性に優れていた。また、水の接触角が小さく、封止材との密着性にも優れると考えられる。
一方、比較例1〜2の感光性樹脂組成物から作製した感光性エレメントは、解像性、密着性は優れるものの、静電特性は従来と変わらず、課題が残るものであった。水との接触角は高く、封止材の密着性に懸念が残るものであった。

Claims (8)

  1. (A)成分:バインダーポリマーと、(B)成分:光重合性化合物と、(C)成分:光重合開始剤を含有する、感光性樹脂組成物であって、
    前記バインダーポリマーが分子内にフッ素原子を含まないイオン液体由来の構造単位を含み、
    前記イオン液体が、下記一般式(I)に示される構造のカチオンを有する、感光性樹脂組成物。
    Figure 0006919226


    [R は、水素原子、炭素原子及び酸素原子を含む有機基を示す。R は、ヒドロキシル基、又は、(メタ)アクリロイル基を含む有機基を示す。]
  2. (A)成分:バインダーポリマーと、(B)成分:光重合性化合物と、(C)成分:光重合開始剤と、(D)成分:分子内にフッ素原子を含まないイオン液体を含有し、
    前記イオン液体が、下記一般式(I)に示される構造のカチオンを有する、感光性樹脂組成物。
    Figure 0006919226


    [R は、水素原子、炭素原子及び酸素原子を含む有機基を示す。R は、ヒドロキシル基、又は、(メタ)アクリロイル基を含む有機基を示す。]
  3. 前記イオン液体が、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するイオン液体である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記光重合開始剤として、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体、アクリジン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物及びオキシムエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記バインダーポリマーが、分子内に少なくとも一つの不飽和二重結合を有する感光性ポリマーである、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. (E)成分:熱硬化剤を更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層と、を備える感光性エレメント。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を含む感光層、又は請求項に記載の感光性エレメントの感光層を基板上に積層する感光層形成工程と、前記感光層の所定部分に活性光線を照射して光硬化部を形成する露光工程と、前記感光層の前記所定部分以外の領域を前記基板上から除去する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法。
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