図1は、本発明の好適な形態に係る履歴管理システム1の構成を例示するブロック図である。図1に例示される通り、履歴管理システム1は、映像再生システム10と端末装置20と履歴管理装置30と配信装置40とを具備する。履歴管理システム1は、映像再生システム10により再生されたコンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定し、当該推定された利用者Uに各種情報を提供するコンピュータシステムである。映像再生システム10と端末装置20とは、移動体通信網またはインターネット等の通信網50を介して履歴管理装置30と通信可能である。
コンテンツは、ある時間長にわたる音声および動画像で構成される映像作品である。映像再生システム10は、コンテンツを再生するコンピュータシステムである。本実施形態の映像再生システム10は、放送波Yを受信して当該放送波Yが表すコンテンツ(以下「放送コンテンツ」という)と、通信網50から受信した映像信号が表すコンテンツ(以下「通信コンテンツ」という)とを再生する。放送コンテンツは、例えば地上波放送および衛星放送によるコンテンツ(テレビ番組)である。一方で、通信コンテンツは、例えばIP(Internet Protocol)放送によるコンテンツ(例えば再送信されたテレビ番組、映画およびスポーツ番組)である。
図1に例示される通り、映像再生システム10は、表示装置12と処理装置14とリモコン装置16とを具備する。表示装置12は、放送波Yを受信して放送コンテンツを再生する表示機器(いわゆるテレビ受像機)である。表示装置12は、放送波Yを受信する受信機と、受信機が受信した放送波Yが表す放送コンテンツを再生する表示パネル(例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル)とを含んで構成される。
処理装置14は、通信網50から受信した映像信号が表す通信コンテンツを表示装置12(表示パネル)に再生させる再生機器である。通信網50から受信した映像信号を表示装置12で表示可能な形式に変換するセットトップボックス(STB)が処理装置14として好適である。以上の説明から理解される通り、表示装置12は、受信した放送波Yが表す放送コンテンツと、処理装置14が通信網50から受信した映像信号が表す通信コンテンツとを再生する。実際には、相異なる放送コンテンツが同時に各放送局から放送されている。他方、通信コンテンツは、映像配信事業者の配信装置40から映像再生システム10に配信される。配信装置40は、各種の通信コンテンツを記憶し、通信網50を介して通信コンテンツを映像再生システム10に配信するためのコンピュータシステムである。
リモコン装置16は、表示装置12および処理装置14を遠隔操作するための入力機器である。具体的には、リモコン装置16は、利用者Uが操作可能な複数の操作子(各放送局に対応した数字ボタン等)を含んで構成される。なお、タッチパネルをリモコン装置16として利用してもよい。リモコン装置16は、利用者Uから各種の操作を受付けると、当該操作内容を表す操作信号を表示装置12または処理装置14に送信する。表示装置12には近距離無線通信(典型的には赤外線通信)によりリモコン装置16から操作信号が送信される。一方で、処理装置14には近距離無線通信(典型的にはBluetooth(登録商標))によりリモコン装置16から操作信号が送信される。
利用者Uはリモコン装置16を操作することで、放送局を選局することができる。リモコン装置16は、利用者Uからの操作を受付けると、操作内容を表す操作信号を表示装置12に送信する。表示装置12は、操作信号をリモコン装置16から受信すると、操作信号に応じて動作する。例えば利用者Uが選局操作をした場合は、選局された放送局が放送している放送コンテンツを再生する。以下、選局のための操作内容(つまり利用者Uが選局した放送局)を表す操作信号を「選局信号」という。本実施形態において、選局信号は表示装置12に加えて処理装置14にも送信される。
また、利用者Uはリモコン装置16を操作することで、通信コンテンツを選択することができる。リモコン装置16は、利用者Uからの操作を受付けると、操作内容(すなわち利用者Uが選択した通信コンテンツ)を表す操作信号を処理装置14に送信する。処理装置14は、操作信号を受信すると、当該操作信号が表わす通信コンテンツを表示装置12に再生させる。具体的には、処理装置14は、受信した操作信号が表す通信コンテンツの要求を配信装置40に送信する。配信装置40は、処理装置14からの要求に応じて、通信コンテンツを表す映像信号を処理装置14に送信する。処理装置14は、配信装置40から受信した映像信号が表す通信コンテンツを表示装置12に再生させる。
端末装置20は、例えば携帯電話機、スマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の情報端末である。本実施形態では、端末装置20を携帯した利用者Uが映像再生システム10を利用する場合を想定する。すなわち、端末装置20は映像再生システム10の周辺に位置する。そこで、本実施形態の履歴管理システム1は、映像再生システム10により再生されたコンテンツを、当該映像再生システム10の周辺に位置する端末装置20の利用者Uが視聴していたと推定する。
図2は、映像再生システム10と端末装置20とのハードウェア構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、映像再生システム10の処理装置14は、制御装置142と記憶装置144と通信装置146と無線装置148とを具備する。処理装置14の各要素は、単体または複数のバスで相互に接続される。なお、本願における「装置」という用語は、回路、デバイスまたはユニット等の他の用語に読替えてもよい。また、処理装置14の各要素は、単数または複数の機器で構成される。処理装置14の一部の要素を省略してもよい。
制御装置142は、処理装置14の全体を制御するプロセッサであり、例えば単数または複数のチップで構成される。制御装置142は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置およびレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、制御装置142の機能の一部または全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。制御装置142は、各種の処理を並列的または逐次的に実行する。
記憶装置144は、制御装置142が読取可能な記録媒体であり、制御装置142が実行する複数のプログラムと制御装置142が使用する各種のデータとを記憶する。記憶装置144は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の記憶回路の1種類以上で構成される。本実施形態の記憶装置144は、リモコン装置16から送信された選局信号と、当該選局信号を受信した時刻とを対応付けて記憶する。また、映像再生システム10(具体的には処理装置14)を識別するための情報(以下「機器情報」という)M1Aが記憶装置144に記憶される。
通信装置146は、通信網50を介して他の装置と通信する機器である。通信装置146は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードまたは通信モジュールとも表記される。例えば、配信装置40から送信される映像信号が通信装置146により受信される。
制御装置142は、映像再生システム10による再生履歴を表す情報(以下「履歴情報M1B」という)を生成する。本実施形態の制御装置142は、表示装置12が放送コンテンツを再生した履歴を表す履歴情報M1Bを生成する。具体的には、制御装置142は、リモコン装置16から受信した選局信号(すなわち選局した放送局)に応じて履歴情報M1Bを生成する。本実施形態の履歴情報M1Bは、利用者Uが選局した放送局を識別するための情報(以下「選局情報」という)と、当該放送局が選局されていた時間を表す情報(以下「時間情報」という)とを含む。選局情報は、選局信号が表す放送局に応じて生成される。時間情報は、放送局の選局の開始時刻と、放送局の選局の終了時刻とを含む。具体的には、選局信号により放送局が指定された時刻を開始時刻とし、その後に受信した選局信号により放送局が変更された時刻を終了時刻として選局情報が生成される。選局された放送局と当該放送局が選局されていた時間とが特定できれば、映像再生システム10が再生した放送コンテンツの特定が可能である。すなわち、履歴情報M1Bは、映像再生システム10による再生履歴に係る放送コンテンツ(すなわち映像再生システム10が再生した放送コンテンツ)を表す情報とも換言され得る。本実施形態では、処理装置14を履歴情報M1Bの生成に利用できるという利点がある。
そして、制御装置142は、記憶装置144に記憶される機器情報M1Aと生成した履歴情報M1Bとを含む送信情報M1を、通信装置146から履歴管理装置30に送信させる。送信情報M1は所定の時点で履歴管理装置30に送信される。通信装置146は、例えば履歴情報M1Bを生成した時点で、当該履歴情報M1Bを含む送信情報M1を履歴管理装置30に送信する。なお、通信装置146は、複数の送信情報M1をまとめて履歴管理装置30に送信してもよい。
無線装置148は、近距離無線通信により他の装置と通信する機器である。本実施形態の無線装置148は、無線信号Xを送信する。具体的には、無線装置148は、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離通信技術を用いて、半径数メートル(10〜20m)の範囲にいる端末装置20に到達可能な方式で特定帯域の無線信号X(いわゆるビーコン信号)を送信する。なお、無線装置148が端末装置20に送信する無線信号Xの種類は任意である。例えば赤外線信号を無線装置148から端末装置20に送信してもよい。リモコン装置16から送信された選局信号は、無線装置148が受信してもよいし、無線装置148とは別の受信機が受信してもよい。
図2に例示される通り、端末装置20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置24と無線装置26と表示装置28を具備する。制御装置21は、端末装置20の全体を制御するプロセッサであり、例えば単数または複数のチップで構成される。制御装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置およびレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)で構成される。なお、制御装置21の機能の一部または全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアで実現してもよい。制御装置21は、各種の処理を並列的または逐次的に実行する。
記憶装置22は、制御装置21が読取可能な記録媒体であり、制御装置21が実行する複数のプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する。記憶装置22は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、RAM等の記憶回路の1種類以上で構成される。本実施形態の記憶装置22は、処理装置14の記憶装置22と同様に、機器情報M1Aを記憶する。また、端末装置20を識別するための端末情報M2Bが記憶装置22に記憶される。端末装置20と利用者Uとは1対1で対応している。つまり、端末情報M2Bは利用者Uを識別する情報とも換言される。
通信装置24は、通信網50を介して他の装置と通信する機器である。通信装置24は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードまたは通信モジュールとも表記される。本実施形態の通信装置24は、例えば、履歴管理装置30との間で各種情報を送受信する。
無線装置26は、近距離無線通信により他の装置を通信する機器である。具体的には、無線装置26は、処理装置14の無線装置148が送信する無線信号Xを受信する。表示装置28は、制御による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネル、有機EL表示パネル等の各種の表示パネルが表示装置28として好適に利用される。
本実施形態の制御装置21は、映像再生システム10の周辺に端末装置20が位置していた時間を表す情報(以下「時間情報」という)M2Cを生成する。処理装置14から送信された無線信号Xを無線装置26が受信した時は、端末装置20が映像再生システム10の周辺に位置していると推定できる。そこで、制御装置21は、無線装置26が無線信号Xを受信した時間を時間情報M2Cとして生成する。したがって、高精度な時間情報M2Cを簡便に生成できる。本実施形態の制御装置21は、無線信号Xの受信を開始した時点から受信できなくなった時点までの時間を表す時間情報M2Cを生成する。具体的には、無線信号Xの受信を開始した時刻から、無線信号Xの受信を終了した時刻までの時間を表す時間情報M2Cが生成される。そして、制御装置21は、記憶装置22に記憶される機器情報M1Aおよび端末情報M2Bと、生成した時間情報M2Cとを含む送信情報M2を、通信装置24から履歴管理装置30に送信させる。送信情報M2は所定の時点で履歴管理装置30に送信される。通信装置24は、例えば時間情報M2Cを生成した時点で、当該時間情報M2Cを含む送信情報M2を履歴管理装置30に送信する。なお、通信装置24は、複数の送信情報M2をまとめて履歴管理装置30に送信してもよい。
図3は、履歴管理装置30に送信される情報についての説明図である。図3に例示される通り、機器情報M1Aと履歴情報M1Bとを含む送信情報M1が映像再生システム10から履歴管理装置30に送信され、機器情報M1Aと端末情報M2Bと時間情報M2Cとを含む送信情報M2が端末装置20から履歴管理装置30に送信される。本実施形態では、処理装置14により送信情報M1の生成および送信がされるから、送信情報M1を生成および送信するための機能が表示装置12になくてもよい。
図4は、履歴管理装置30のハードウェア構成を例示するブロック図である。本実施形態の履歴管理装置30は、端末装置20の利用者Uが視聴していた放送コンテンツを送信情報M1および送信情報M2から推定し、当該放送コンテンツに応じた情報を利用者Uに提供する。図4に例示される通り、履歴管理装置30は、制御装置32と記憶装置34と通信装置36とを具備する。
制御装置32は、履歴管理装置30の全体を制御するプロセッサであり、例えば単数または複数のチップで構成される。制御装置32は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置およびレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)で構成される。なお、制御装置32の機能の一部または全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアで実現してもよい。制御装置32は、各種の処理を並列的または逐次的に実行する。
記憶装置34は、制御装置32が読取可能な記録媒体であり、制御装置32が実行する複数のプログラムと制御装置32が使用する各種のデータとを記憶する。記憶装置34は、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、RAM等の記憶回路の1種類以上で構成される。本実施形態の記憶装置34は、映像再生システム10から順次に送信された複数の送信情報M1と、端末装置20から順次に送信された複数の送信情報M2とを記憶する。また、放送コンテンツと当該放送コンテンツを放送する放送局と当該放送コンテンツの放送時間とを対応付けた番組表データが記憶装置34に記憶される。
通信装置36は、通信網50を介して他の装置と通信する機器である。通信装置36は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードまたは通信モジュールとも表記される。本実施形態の通信装置36は、例えば送信情報M1を映像再生システム10から受信し、送信情報M2を端末装置20から受信する。すなわち、通信装置36は、送信情報M2を端末装置20から受信する受信部として機能する。なお、実際には、例えば家庭毎に映像再生システム10が設置される。複数の映像再生システム10の各々から通信装置36は送信情報M1を受信する。各映像再生システム10から送信される機器情報M1Aは異なる。また、複数の映像再生システム10の各々の付近に位置する端末装置20から、通信装置36は送信情報M2を受信する。1つの映像再生システム10の付近の端末装置20から送信される送信情報M2と、他の映像再生システム10の付近の端末装置20から送信される送信情報M2とでは、機器情報M1Aが異なる。他方、1つの映像再生システム10付近の複数の端末装置20から送信される送信情報M2は、当該映像再生システム10に対応する同じ機器情報M1Aが含まれる。
制御装置32は、映像再生システム10が再生した放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定する。具体的には、制御装置32は、送信情報M1の履歴情報M1Bが表す再生履歴に係るコンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定する。映像再生システム10から送信された送信情報M1と端末装置20から送信された送信情報M2とに応じて、端末装置20の利用者Uが推定される。また、制御装置32は、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツと、推定された利用者Uとを対応させた情報(以下「個人履歴情報」という)を生成する。したがって、個々の利用者Uが何れのコンテンツを視聴していたのかを表す個人履歴情報を生成できる。
さらに、制御装置32は、生成した個人履歴情報に応じた情報(以下「提案情報」という)を当該個人履歴情報に対応する利用者U(すなわち個人履歴情報の放送コンテンツを視聴していたと推定された利用者U)の端末装置20に提供する。具体的には、提案情報は、個人履歴情報が示す放送コンテンツ、または、個人履歴情報が示す端末装置20の利用者Uに関連する情報である。例えば個人履歴情報が示す放送コンテンツに関連する通信コンテンツ、または、個人履歴情報が示す放送コンテンツの中で紹介された商品の広告等を示す提案情報が端末装置20に提供される。なお、提案情報の内容は任意である。例えば個人履歴情報が示す端末装置20の利用者Uの年齢または性別に関連する情報を提案情報としてもよい。本実施形態では、提案情報が利用者Uの端末装置20に提供されるから、端末装置20の利用者Uの嗜好にあった提案情報を提供できる。
図5は、制御装置32が実行する処理の内容を示すフローチャートである。例えば、所定の間隔で図5の処理は実行される。前述の通り、記憶装置34には、相異なる映像再生システム10から受信した複数の送信情報M1が記憶されている。記憶装置34に記憶された複数の送信情報M1の各々について図5の処理が実行される。以下の説明では、映像再生システム10付近に位置する1個の端末装置20に便宜的に着目する。制御装置32は、機器情報M1Aが送信情報M1と共通する複数の送信情報M2を特定する(Sa1)。すなわち、現在の処理対象である送信情報M1を送信した処理装置14の付近の端末装置20から順次送信された複数の送信情報M2が特定される。次に、制御装置32は、送信情報M1の履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツを特定する(Sa2)。つまり、映像再生システム10が再生した放送コンテンツが特定される。具体的には、制御装置32は、履歴情報M1Bの選局情報が示す放送局が、履歴情報M1Bの時間情報が示す時間に放送していた放送コンテンツを番組表データから特定する。なお、時間情報が示す時間が長時間にわたる場合は、複数の放送コンテンツが番組表データから特定され得る。
制御装置32は、ステップSa1で特定した複数の送信情報M2のうち、ステップSa2で特定した放送コンテンツの放送時間に重複する時間を示す時間情報M2Cを含む送信情報M2を特定する(Sa3)。つまり、放送コンテンツの放送時間内に映像再生システム10の付近に位置していた端末装置20から送信された送信情報M2が特定される。すなわち、ステップSa3で特定した送信情報M2の端末情報M2Bが示す端末装置20の利用者Uが、ステップSa2で特定した放送コンテンツを視聴していたことが推定される。ステップSa2およびステップSa3の処理は、送信情報M1の履歴情報M1Bと送信情報M2の時間情報M2Cとに応じて、当該履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定する処理である。すなわち、制御装置32は、放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定する推定部として機能する。そして、制御装置32は、ステップSa2で特定した放送コンテンツと、ステップSa3で送信情報M2の端末情報M2B(つまり端末装置20の利用者U)とを対応させた個人履歴情報を生成する(Sa4)。ステップSa4の処理は、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツと、ステップSa3で推定された利用者Uとを対応させた個人履歴情報を生成する処理である。すなわち、制御装置32は、個人履歴情報を生成する生成部として機能する。以上の説明では、1つの端末装置20に着目したが、実際には1つの映像再生システム10の付近に位置する複数の端末装置20の各々について同様の手順で個人履歴情報が生成される。
制御装置32は、ステップSa4で生成した個人履歴情報に応じた提案情報を生成する(Sa5)。例えば複数の放送コンテンツの各々について、放送コンテンツに関連する情報(例えば放送コンテンツに関連する通信コンテンツまたは広告)を予め記憶装置34に記憶させ、当該複数の放送コンテンツのうち個人履歴情報が示す放送コンテンツに関連する情報が提案情報として生成される。そして、制御装置32は、ステップSa4で生成した個人履歴情報に対応する利用者Uの端末装置20に、ステップSa5で生成した提案情報を送信する(Sa6)。ステップSa5およびステップSa6の処理は、個人履歴情報に応じた提案情報を当該個人履歴情報に対応する利用者Uの端末装置20に提供する処理である。すなわち、制御装置32は、提案情報を利用者Uの端末装置20に提供する送信部として機能する。端末装置20は、履歴管理装置30から送信された提案情報を受信すると、当該提案情報を表示装置28に表示させる。
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、履歴情報M1Bと時間情報M2Cとに応じて、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uが推定される。したがって、再生された放送コンテンツを視聴していた利用者Uの推定において利用者Uが所定の操作(例えばリモコン装置の特定のボタンを押下する操作)をする構成(以下「対比例」という)と比較して、再生された放送コンテンツを視聴していた利用者Uを推定するために必要な利用者Uの負荷が軽減される。また、対比例では、実際には所定の操作が行われず利用者Uを正確に特定できないという問題がある。それに対して、本実施形態では、利用者Uによる操作が不要であるから、対比例と比較して、放送コンテンツを視聴していた利用者Uを高精度に推定できるという利点がある。また、本実施形態では、映像再生システム10とは別個の装置(履歴管理装置30)が個人履歴情報を生成するので、映像再生システム10の処理負荷が軽減される。
本実施形態では特に、前記無線信号Xの受信を開始した時点から受信できなくなった時点までの時間を表す時間情報M2Cと履歴情報M1Bに応じて、放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uが推定されるから、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを高精度に推定できる。
<変形例>
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
(1)前述の形態では、放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを履歴管理装置30が推定したが、映像再生システム10が利用者Uを推定してもよい。具体的には、端末装置20は、送信情報M2を映像再生システム10(処理装置14)に送信する。映像再生システム10は、自身が生成した履歴情報M1Bと端末装置20から送信された送信情報M2とに応じて、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定する。そして、映像再生システム10は、履歴情報M1Bが表す放送コンテンツと、推定された利用者Uとを対応させた個人履歴情報を生成して、履歴管理装置30に送信する。すなわち、映像再生システム10が履歴管理装置として機能してもよい。なお、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツの特定に利用される番組表データは、映像再生システム10に保持してもよい。以上の説明から理解される通り、端末装置20から受信した送信情報M2と、映像再生システム10の履歴情報M1Bとに応じて、当該履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定することが可能であれば、端末装置20の利用者Uを推定する主体は任意である。
(2)前述の形態では、送信情報M1が履歴情報M1Bと機器情報M1Aとを含み、送信情報M2が機器情報M1Aと端末情報M2Bと時間情報M2Cとを含んだが、送信情報M1と送信情報M2とから放送コンテンツを視聴していた利用者Uを履歴管理装置30が推定することが可能であれば、送信情報M1と送信情報M2との内容は任意である。送信情報M1が履歴情報M1Bおよび機器情報M1A以外の情報(例えば処理装置14の購入者情報)を含んでもよい。また、送信情報M2が時間情報M2C、機器情報M1Aおよび端末情報M2B以外の情報(例えば端末装置20の機種名)を含んでもよい。
(3)前述の形態では、映像再生システム10が再生した放送コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定したが、映像再生システム10が再生した通信コンテンツを視聴していた端末装置20の利用者Uを推定してもよい。
(4)前述の形態では、表示装置12と処理装置14とリモコン装置16とで映像再生システム10が構成されたが、映像再生システム10を構成する装置は以上の例示に限定されない。例えば表示装置12とリモコン装置16とで映像再生システム10を構成してもよい。以上の構成では、表示装置12が送信情報M1を生成および送信する。
(5)前述の形態では、リモコン装置16から受信した選局信号(すなわち選局した放送局)に応じて履歴情報M1Bが生成されたが、履歴情報M1Bを生成する方法は以上の例示に限定されない。例えば処理装置14の制御装置142が、表示装置12で選局されている放送局の情報を取得し、当該取得した情報から履歴情報M1Bを生成してもよい。
(6)前述の形態では、履歴情報M1Bを生成する処理装置14として、通信コンテンツを表示装置12に再生させる再生機器(いわゆるセットトップボックス)を例示したが、履歴情報M1Bを生成する処理装置14の種類は以上の例示に限定されない。
(7)前述の形態では、映像再生システム10が送信した無線信号Xの受信を利用して時間情報M2Cを生成したが、時間情報M2Cを生成する方法は以上の例示に限定されない。例えば、GPSで測位された端末装置20の位置情報を参照して端末装置20が処理装置14の周辺にいた時間を表す時間情報M2Cを生成してもよい。
(8)前述の形態では、無線信号Xの受信を開始した時点から受信できなくなった時点までの時間を表す時間情報M2Cを生成したが、時間情報M2Cが表す時間は以上の例示に限定されない。例えば無線信号Xの受信を開始した時点から受信できなくなった時点までの間の所定の時刻を表す時間情報M2Cを生成してもよい。
(9)実際には、映像再生システム10が再生する放送コンテンツを、家族の中の複数の利用者Uで視聴することが想定される。そこで、映像再生システム10が再生する放送コンテンツを視聴した複数の利用者Uを推定する構成も好適に採用される。履歴管理装置30は、複数の端末装置20から送信情報M2を受信し、映像再生システム10から送信情報M1を受信する。履歴管理装置30は、映像再生システム10から送信された送信情報M1の履歴情報M1Bと、複数の端末装置20から受信した送信情報M2とに応じて、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツを視聴していた複数の利用者Uを推定する。
図5のステップSa1では、端末情報M2Bが異なる複数の送信情報M2が特定され得る。すなわち、送信情報M1を送信した処理装置14の付近に位置した複数の端末装置20から送信された送信情報M2が特定される。また、図5のステップSa3では、ステップSa1で特定した複数の送信情報M2のうち、ステップSa2で特定した放送コンテンツの放送時間に重複する時間を示す時間情報M2Cをそれぞれが含む複数の送信情報M2が特定される。つまり、ステップSa3で特定した複数の送信情報M2の端末情報M2Bそれぞれ対応した複数の利用者Uが、ステップSa2で特定した放送コンテンツを視聴していたことが推定される。したがって、映像再生システム10が再生した放送コンテンツを一緒に視聴していた複数の利用者Uを推定することが可能である。
ステップSa4では、ステップSa2で特定した放送コンテンツと、ステップSa3で特定した複数の送信情報M2の端末情報M2B(つまり複数の利用者U)とを対応させた個人履歴情報が生成される。すなわち、履歴情報M1Bが表す再生履歴に係る放送コンテンツと、当該放送コンテンツを視聴していたと推定された複数の利用者Uとを対応させた個人履歴情報が生成される。ステップSa5では、ステップSa4で生成した個人履歴情報に応じた提案情報が生成される。具体的には、ステップSa3で特定された複数の利用者Uの組合せ(例えば父および子の組合せ、父および母の組合せ等)に応じた提供情報を生成する。ステップSa6では、ステップSa4で生成した個人履歴情報に対応する利用者Uの端末装置20に、ステップSa5で生成した提案情報を送信する。ステップSa5およびステップSa6の処理では、個人履歴情報に対応する複数の利用者の組合せに応じた提案情報が、当該個人履歴情報に対応する利用者Uの端末装置20に提供される。したがって、映像再生システム10が再生した放送コンテンツを一緒に視聴していた利用者Uの組合せに応じた提案情報を提供することが可能である。
(10)前述の各形態では、携帯電話機またはスマートフォン等の可搬型の情報端末を端末装置20として例示したが、端末装置20の具体的な形態は任意であり、前述の形態の例示には限定されない。例えば、可搬型または据置型のパーソナルコンピュータを端末装置20として利用してもよい。
(11)前述の各形態において例示したフローチャートにおいて、各ステップの順序を変更してもよい。すなわち、本発明の好適な態様における各処理の順序は、特定の順序に限定されない。
(12)前述の各形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称によって呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順または機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアおよびデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術および/または赤外線、無線およびマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術および/または無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(13)本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステムおよび/またはこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
(14)入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(15)判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(16)本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
(17)本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
(18)本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(19)本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
(20)前述の各形態における端末装置は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(21)「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブルおよび/またはプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域および光(可視および不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
(22)前述の各形態では、記憶装置144,22,34としてROMおよびRAM等の記録回路を例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
(23)本願の全体において、例えば、英語におけるa、anおよびtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数を含む。
(24)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組合わせてもよい。